JP6374417B2 - 窒化アルミニウム基板、半導体製造用部品、cvdヒータ、及び窒化アルミニウム基板の製造方法 - Google Patents
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このような窒化アルミニウム基板は、組成の異なるグリーンシートを積層して焼成することにより製造することが可能である。つまり、焼成時には、各グリーンシートの組成が異なることによって各グリーンシートの収縮率が異なるので、このような収縮率が異なるグリーンシートを積層することにより、窒化アルミニウム基板の反りやうねりを抑制することが可能である。
これにより、収縮率の違いに起因する窒化アルミニウム基板の反りやうねりを抑制できる。
なお、第1層、第2層とは、上述のように2等分した場合に、どちらの主面側の部分かを示すものである(以下同様)。なお、第1層、第2層としては、それぞれ後述する第1積層体、第2積層体が挙げられる。
ここで、補助成分とは、希土類元素やアルカリ土類金属であり、少なくとも希土類元素を含むものである(以下同様)。なお、補助成分としては、焼結助剤として機能するものが好ましい(以下同様)。なお、希土類元素としては、例えばY(イットリウム)が好ましく、アルカリ土類金属としては、例えばCa(カルシウム)が好ましい(以下同様)。
(2)本発明の第2局面の窒化アルミニウム基板は、窒化アルミニウムと希土類元素及びアルカリ土類金属のうち少なくとも希土類元素を含む補助成分とを含む焼結体によって構成される窒化アルミニウム基板において、組成の異なる2種以上の層が、前記窒化アルミニウム基板の厚み方向に積層された構成を有し、前記窒化アルミニウム基板の内部に金属層を備えており、前記窒化アルミニウム基板を前記厚み方向に対して2等分した場合に、前記厚み方向の一方の第1主面側である第1層における金属層が占める体積割合が、前記厚み方向の他方の第2主面側である第2層における金属層が占める体積割合より少なく、且つ、前記第1層における前記補助成分の含有量が前記第2層における前記補助成分の含有量より少ない。
本第2局面では、組成の異なる2種以上の層が、窒化アルミニウム基板の厚み方向に積層された構成を有するので、反りやうねりを抑制することが可能である。
このような窒化アルミニウム基板は、組成の異なるグリーンシートを積層して焼成することにより製造することが可能である。つまり、焼成時には、各グリーンシートの組成が異なることによって各グリーンシートの収縮率が異なるので、このような収縮率が異なるグリーンシートを積層することにより、窒化アルミニウム基板の反りやうねりを抑制することが可能である。
つまり、例えば、収縮率が大きなグリーンシートにそれより収縮率が小さなグリーンシートを積層することにより、収縮率が大きなグリーンシートの焼成時の曲がりを抑制でき、それによって、製造される窒化アルミニウム基板の反りやうねりを抑制することが可能である。
更に、第1層における金属層の占める体積割合が第2層における金属層の占める体積割合より少ない場合には、第1層のグリーンシートの収縮率が大きい傾向にあるが、本第2局面では、第1層における補助成分の含有量が第2層における補助成分の含有量より少ないので、第1層のグリーンシートの収縮率を低くする作用がある。
これにより、収縮率の違いに起因する窒化アルミニウム基板の反りやうねりを抑制できる。
ここで、金属層とは、金属単体又は金属合金から構成された層であり、後述する配線層のように、第1主面又は第2主面の平面方向に広がるように形成された層である。
また、体積割合とは、後述する式(1)に示すように、第1層の体積(金属層も含む)に対する第1層における金属層の体積の割合、又は、第2層の体積(金属層も含む)に対する第2層における金属層の体積の割合である。
本第4局面では、窒化アルミニウム基板内に発熱体を備えているので、半導体(例えばシリコンウェハ)の加工の際に、好適に半導体を加熱することができる。
(5)本発明の第5局面のCVDヒータは、半導体製造用部品であって、化学気相蒸着に用いられるセラミックヒータである。
(6)本発明の第6局面のCVDヒータは、板状の前記セラミックヒータの前記厚み方向の一方の表面に、前記厚み方向と自身の軸方向とが一致するように筒状のシャフトが一体に配置されている。
(7)本発明の第7局面の窒化アルミニウム基板の製造方法は、窒化アルミニウムと希土類元素及びアルカリ土類金属のうち少なくとも希土類元素を含む補助成分とを含む焼結体によって構成される窒化アルミニウム基板を製造する窒化アルミニウム基板の製造方法において、組成の異なる2種以上のグリーンシートを積層し、焼成して一体の焼結体とする工程を有し、且つ、前記窒化アルミニウム基板を厚み方向に対して垂直に2等分した場合に、前記厚み方向の一方の第1主面側である第1層における空間の容積が、前記厚み方向の他方の第2主面側である第2層における空間の容積より大である窒化アルミニウム基板の製造方法であって、前記第1層の形成に用いる前記グリーンシートにおける前記補助成分の含有量を、前記第2層の形成に用いる前記グリーンシートの含有量より少なくした。
これにより、収縮率の違いに起因する窒化アルミニウム基板の反りやうねりを抑制できる。
ここで、グリーンシートとは、焼成して焼結体とする前の(セラミックを主成分とする)未焼成のシート(セラミックグリーンシート)である(以下同様)。
なお、グリーンシートに添加する補助成分としては、希土類元素の化合物(例えば酸化物)、アルカリ土類金属の化合物(例えば酸化物)が挙げられる(以下同様)。
(8)本発明の第8局面の窒化アルミニウム基板の製造方法は、窒化アルミニウムと希土類元素及びアルカリ土類金属のうち少なくとも希土類元素を含む補助成分とを含む焼結体によって構成される窒化アルミニウム基板を製造する窒化アルミニウム基板の製造方法において、組成の異なる2種以上のグリーンシートを積層し、焼成して一体の焼結体とする工程を有し、且つ、前記窒化アルミニウム基板を厚み方向に対して2等分した場合に、前記厚み方向の一方の第1主面側である第1層における金属層の体積割合が、前記厚み方向の他方の第2主面側である第2層における金属層の体積割合より少ない窒化アルミニウム基板の製造方法であって、前記第1層の形成に用いる前記グリーンシートにおける前記補助成分の含有量を、前記第2層の形成に用いる前記グリーンシートの含有量より少なくした。
本第8局面では、窒化アルミニウム基板を製造方法する場合には、組成の異なる2種以上のグリーンシートを積層して焼成するので、窒化アルミニウム基板の反りやうねりが少ないという効果がある。
つまり、上述したように、焼成時に各グリーンシートが収縮した場合でも、各グリーンシートの組成が異なることによって各グリーンシートの収縮率が異なるので、これらのグリーンシートの積層体全体としての反りやうねりを抑制することが可能である。よって、従来のような拘束シートを用いなくとも、窒化アルミニウム基板の反りやうねりを抑制することができる。
更に、第1層における金属層の占める体積割合が第2層における金属層の占める体積割合より少ない場合には、第1層のグリーンシートの収縮率が大きい傾向にあるが、本第8局面では、第1層の形成に用いるグリーンシートにおける補助成分の含有量を、第2層の形成に用いるグリーンシートの含有量より少なくしたので、第1層のグリーンシートの収縮率を低くする作用がある。
これにより、収縮率の違いに起因する窒化アルミニウム基板の反りやうねりを抑制できる。
(9)本発明の第9局面の窒化アルミニウム基板の製造方法では、前記組成の異なるグリーンシートとして、第1のグリーンシートと前記焼成の際に前記第1のグリーンシートより収縮率の小さな第2のグリーンシートとを用い、前記第1のグリーンシートと前記第2のグリーンシートとを積層し、焼成して一体の焼結体とする。
本第10局面は、組成の異なるグリーンシートを例示している。つまり、補助成分の種類や含有量が異なるグリーンシートを用いること例示している。
(12)本発明の第12局面の窒化アルミニウム基板の製造方法では、前記窒化アルミニウム基板は、CVDヒータ用部品である。
[1−1.構成]
まず、本第1実施形態の窒化アルミニウム基板の構成について説明する。
基板本体3は、複数(例えば7層)のセラミックス層9が積層された構成を有している。このうち、厚み方向の一方の側である第1主面11側(図1の上方)には、3層のセラミックス層9a、9b、9cが積層された第1積層体(第1層)15が配置されている。また、厚み方向の他方の側である第2主面13側(図1の下方)には、4層のセラミックス層9d、9e、9f、9gが積層された第2積層体(第2層)17が配置されている。
ここでは、窒化アルミニウム基板1を厚み方向に対して2等分した場合(例えば第1積層体15と第2積層体17との厚みが同じ場合)に、厚み方向の第1主面11側である第1積層体15における配線層5の体積割合が、厚み方向の第2主面13側である第2積層体17における配線層の体積割合より少なく設定されている。
まず、本第1実施形態の窒化アルミニウム基板の製造方法について説明する。
セラミックス粉末としての窒化アルミニウム粉末に、焼結助剤として、例えば、酸化イットリウム粉末を0.1〜4.0質量%、酸化カルシウム粉末を0〜2質量%添加し、これに有機バインダ、溶剤、可塑剤等を所定の割合で混合して、セラミック成分が異なる2種類のスラリーを作成する。
次に、本第1実施形態の効果を説明する。
本第1実施形態では、組成の異なる第1積層体15と第2積層体17(従ってそれぞれのセラミックス層9)が、窒化アルミニウム基板の厚み方向に積層された構成を有するので、反りやうねりが少ないとう効果がある。
<実験例>
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
以下、詳細に説明する。なお、本実験例では、窒化アルミニウム基板及びその製造方法については、基本的に第1実施形態と同様であるので、異なる点等を中心に説明する。
この2種のセラミックグリーンシートうちの1種として、試料No.1〜8では、窒化アルミニウムが99.9質量%で厚みが0.6mmのセラミックグリーンシート(AlN99.5%シート)を用いた。
さらに、表1には、各試料毎に、窒化アルミニウム基板におけるセラミックス部分の体積(セラミック体積)と、配線層の体積(メタライズ体積)とが示されている。また、セラミック体積とメタライズ体積との割合である体積割合、即ち、セラミックとメタライズの割合として、下記式(1)で得られる値(%)である。
前記窒化アルミニウム基板には、内部に空間が設けられておらず、表1に示すように、AlN99.5%シートとAlN95%シートとが積層されるとともに、表1に示す所定の箇所に前記メタライズが形成されている。
試料No.1は、厚み0.6mmのAlN99.5%シートが6枚積層されたものである。
試料No.2は、厚み0.6mmのAlN99.5%シートが6枚積層されたものであり、そのうち一方の側(表1の下側)の3枚のシートの下側にメタライズが形成されている。
(評価)
上述した各試料のグリーン積層体を、前記第1実施形態と同様にして焼成することによって、各試料の窒化アルミニウム基板を作製した。そして、各試料の窒化アルミニウム基板の反り量を測定した。その結果を、同じく表1に記す。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
また、本第2実施形態では、第1積層体53に空間57が設けられている。つまり、第1積層体53の厚み方向における中間のセラミックス層59の中心部分に空間57が設けられている。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
具体的には、図7に示すように、本第3実施形態の半導体製造用部品は、CVDヒータ61である。
この窒化アルミニウム基板63は、前記第1実施形態や第2実施形態と基本的に同様な構造を有する基板、すなわち、組成が異なる層が積層された構造を有する基板である。
なお、窒化アルミニウム基板63には、周知の発熱体69やRF電極71等が配置されている。
[3.他の実施形態]
尚、本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(2)組成を異なるように添加する希土類元素やアルカリ土類金属の種類や量については、調節する収縮の程度に応じて適宜設定すればよい。
また、補助成分の種類が異なる場合には、その種類や含有量に応じて収縮の程度が異なるので、今までの知見や別途実験等を行うことによって得られた収縮の程度に応じて、使用する補助成分の種類や量を決めればよい。
5…配線(金属層)
9、9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g、59…セラミックス層
11…第1主面
13…第2主面
15、53…第1積層体(第1層)
17、55…第2積層体(第2層)
21、23…セラミックグリーンシート
57…空間
61…CVDヒータ
Claims (12)
- 窒化アルミニウムと希土類元素及びアルカリ土類金属のうち少なくとも希土類元素を含む補助成分とを含む焼結体によって構成される窒化アルミニウム基板において、
組成の異なる2種以上の層が、前記窒化アルミニウム基板の厚み方向に積層された構成を有し、
前記窒化アルミニウム基板の内部に空間を備えており、
前記窒化アルミニウム基板を前記厚み方向に対して垂直に2等分した場合に、前記厚み方向の一方の第1主面側である第1層における前記空間の容積が、前記厚み方向の他方の第2主面側である第2層における前記空間の容積より大であり、
且つ、前記第1層における前記補助成分の含有量が前記第2層における前記補助成分の含有量より少ないことを特徴とする窒化アルミニウム基板。 - 窒化アルミニウムと希土類元素及びアルカリ土類金属のうち少なくとも希土類元素を含む補助成分とを含む焼結体によって構成される窒化アルミニウム基板において、
組成の異なる2種以上の層が、前記窒化アルミニウム基板の厚み方向に積層された構成を有し、
前記窒化アルミニウム基板の内部に金属層を備えており、
前記窒化アルミニウム基板を前記厚み方向に対して2等分した場合に、前記厚み方向の一方の第1主面側である第1層における金属層が占める体積割合が、前記厚み方向の他方の第2主面側である第2層における金属層が占める体積割合より少なく、
且つ、前記第1層における前記補助成分の含有量が前記第2層における前記補助成分の含有量より少ないことを特徴とする窒化アルミニウム基板。 - 前記組成の異なる層は、前記窒化アルミニウムと種類及び含有量のうち少なくとも一方が異なる前記補助成分とで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化アルミニウム基板。
- 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム基板内に発熱体を備えたことを特徴とする半導体製造用部品。
- 前記請求項4に記載の半導体製造用部品は、化学気相蒸着に用いられるセラミックヒータであることを特徴とするCVDヒータ。
- 板状の前記セラミックヒータの前記厚み方向の一方の表面に、前記厚み方向と自身の軸方向とが一致するように筒状のシャフトが一体に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のCVDヒータ。
- 窒化アルミニウムと希土類元素及びアルカリ土類金属のうち少なくとも希土類元素を含む補助成分とを含む焼結体によって構成される窒化アルミニウム基板を製造する窒化アルミニウム基板の製造方法において、
組成の異なる2種以上のグリーンシートを積層し、焼成して一体の焼結体とする工程を有し、
且つ、前記窒化アルミニウム基板を厚み方向に対して垂直に2等分した場合に、前記厚み方向の一方の第1主面側である第1層における空間の容積が、前記厚み方向の他方の第2主面側である第2層における空間の容積より大である窒化アルミニウム基板の製造方法であって、
前記第1層の形成に用いる前記グリーンシートにおける前記補助成分の含有量を、前記第2層の形成に用いる前記グリーンシートの含有量より少なくしたことを特徴とする窒化アルミニウム基板の製造方法。 - 窒化アルミニウムと希土類元素及びアルカリ土類金属のうち少なくとも希土類元素を含む補助成分とを含む焼結体によって構成される窒化アルミニウム基板を製造する窒化アルミニウム基板の製造方法において、
組成の異なる2種以上のグリーンシートを積層し、焼成して一体の焼結体とする工程を有し、
且つ、前記窒化アルミニウム基板を厚み方向に対して2等分した場合に、前記厚み方向の一方の第1主面側である第1層における金属層の体積割合が、前記厚み方向の他方の第2主面側である第2層における金属層の体積割合より少ない窒化アルミニウム基板の製造方法であって、
前記第1層の形成に用いる前記グリーンシートにおける前記補助成分の含有量を、前記第2層の形成に用いる前記グリーンシートの含有量より少なくしたことを特徴とする窒化アルミニウム基板の製造方法。 - 前記組成の異なるグリーンシートとして、第1のグリーンシートと前記焼成の際に前記第1のグリーンシートより収縮率の小さな第2のグリーンシートとを用い、前記第1のグリーンシートと前記第2のグリーンシートとを積層し、焼成して一体の焼結体とすることを特徴とする請求項7又は8に記載の窒化アルミニウム基板の製造方法。
- 前記組成の異なるグリーンシートは、前記補助成分の種類及び含有量のうち少なくとも一方が異なることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム基板の製造方法。
- 前記窒化アルミニウム基板は、半導体製造用部品であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム基板の製造方法。
- 前記窒化アルミニウム基板は、CVDヒータ用部品であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム基板の製造方法。
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