JP6374179B2 - 中仕切を有する収納家具およびその組立方法 - Google Patents
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Description
なお、後面板を取付ける前、または中仕切を取付ける前に、天板を両側板の上端間に先に取り付けておくこともある。
特に、中仕切の高い位置の後端に設けた取付片を、後面板に設けたスリット等に嵌合させたり、その状態で、下部の取付片を、後面板や底板に設けたスリット等に嵌合させたり、ねじ止めしたりする作業が困難を極めている。
(1)中仕切を有する収納家具において、底板と、下端部が前記底板の両側端部に取付けられ、かつ後端に互いに内方を向く係合片が設けられた左右1対の側板と、前記側板との間、または相互間に適宜の間隔を置くようにして前記底板上に立設されることにより、左右の前記側板間に複数の収容空間を形成し、かつ後端に左右方向を向く係合片が設けられた1または複数の中仕切と、左右幅を、前記各収容空間の左右幅とほぼ同一か、またはそれより小とし、かつ両側部に、前記側板の係合片または前記中仕切の係合片の前面に当接することにより、前記側板および前記中仕切の後端より後方への移動が阻止されるようにした取付部が形成された複数の単位後面板と、左右の前記側板の上端間に架設された天板とを備え、前記側板の係合片および中仕切の係合片を、それぞれ、左右方向を向く折曲片の遊端に前向片を連設した平面視L字状とし、かつ前記各単位後面板の取付部を、後向片の遊端に、外側方を向く折曲片を連設した平面視L字状とし、前記側板の係合片および前記中仕切の係合片における前記前向片の前端に、外側方を向く折り返し片を連設し、前記折り返し片の後縁に、前記各単位後面板の取付部における前記後向片に設けた係止爪を前方より係合させて、前記各単位後面板の前方への移動を阻止する。
しかも、筐体の各構成要素の構造を簡素化し、安価に製造することができるだけでなく、後面板を、幅狭の複数の単位後面板に分割してあるので、組立前の構成材料をコンパクトに梱包して、容易に搬送することができる。
さらに、このような構成によると、各単位後面板の両側部におけるL字状の取付部を、L字状の係合片に前方より嵌合することにより、各単位後面板の後方への脱落を防止しうるだけでなく、左右の中仕切同士、または中仕切と側板との相互の左右方向の位置ずれやがたつきを確実に防止することができる。
また、このような構成によると、折り返し片の後縁に、各単位後面板の取付部における後向片に設けた係止爪が係合することにより、各単位後面板の前方への移動が阻止され、上記(2)項の構成と相俟って、各単位後面板の前後左右の動きが確実に規制され、組立後の筐体の剛性を高めることができる。
また、各単位後面板を、組み立て途中の筐体に、前方から押し込むだけで、簡単に組み付けることができ、筐体の組立作業性を高めることができる。
すなわち、各側板の下端部を、有頭ピンの拡大頭部が係合孔の大径部に嵌合するようにして、底板の側端面に当接させ、次いで、有頭ピンの軸部が係合孔の小径部に係合するように、各側板を前後方向に移動させる。
すると、各側板の水平片が底板の上面に当接して、各側板の支持が安定するとともに、このとき、水平片に設けたねじ挿通孔が、底板の上面に設けたねじ孔に整合するので、このねじ挿通孔を通して、止めねじをねじ孔に螺合して、水平片を底板の上面に簡単に締め付けることができる。
しかも、各単位後面板の両側部におけるL字状の取付部を、L字状の係合片に前方より嵌合することにより、各単位後面板の後方への脱落を防止しうるだけでなく、左右の中仕切同士、または中仕切と側板との相互の左右方向の位置ずれやがたつきを確実に防止することができる。
さらに、このような方法によると、折り返し片の後縁に、各単位後面板の取付部における後向片に設けた係止爪が係合することにより、各単位後面板の前方への移動が阻止され、上記(9)項の方法と相俟って、各単位後面板の前後左右の動きが確実に規制され、組立後の筐体の剛性を高めることができる。
また、各単位後面板を、組み立て途中の筐体に、前方から押し込むだけで、簡単に組み付けることができ、筐体の組立作業性をさらに高めることができる。
図1は、本発明の中仕切を有する収納家具の一実施形態における1個の扉を開いた状態を斜め前方より見た外観斜視図、図2は、同じく、扉を外した状態の分解斜視図である。
図示の例では、中仕切6を2個とし、収容空間および扉7を3個としてあるが、中仕切6を1個もしくは3個以上としたり、または中仕切6を全く設けないこともあり、扉7の数も、形成される収容空間A1・・・の数に合わせて、1個、2個、または4個以上とすることもある。
左右の側片1dの前後部には、各側板2の下部内面に突設した有頭ピン8の拡大頭部8aの外径より大径とした大径部9aと、有頭ピン8の軸部8bの外径より大径、かつ拡大頭部8aの外径より小径とした小径部9bとを前後方向に並べて連設してなる洋梨形の係合孔9が、大径部9aに対して小径部9bが後斜め下方に位置するようにしてそれぞれ設けられている。
この位置決め孔13に代えて、単なるマークとしたり、水平片10にも、ねじ挿通孔12に代えて、上記マークと整合するようにしたマークを付設してもよい。
各側板2の後端の係合片21は、化粧板19の後端から筐体5の内方を向く折曲片21aと、その遊端より前方を向く前向片21bと、その前端より外側方を向く短寸の折り返し片21cとからなっている。
この係止爪41と等高をなす折曲片35bの遊縁には、目印のための浅い切欠き42が設けられている。
各ヒンジ軸52は、扉7の上下面より出没自在に設けられ、かつ内蔵したばね(図示略)の作用により、突出する方向に付勢されている。
上棚58および下棚59は、図16および図17に示すように、前方に開口する平面視コ字状のフレーム60の前部を除くほぼ3分の2の範囲に亘って、互いに平行をなす複数の横桟61の両端部を溶接することにより形成されている。
なお、この下向き折曲部63a、63aおよび上向き折曲部63b、63bは、省略して実施することもある。
図3に示すように、底板1を、床面(図示略)上に水平に載置した後、各側板2をほぼ垂直として、その下端部を底板1の側面に接近させ、図4に示すように、底板1の上面における位置決め孔13と水平片10のねじ挿通孔12とが左右に整合するのを目視により確認しつつ、各側板2を底板1の側面に向かって移動させ、前後の有頭ピン8、8の各拡大頭部8aを、底板1の各側片1dにおける前後の係合孔9における大径部9aに嵌合し、次いで、各側板2を後下方にわずかに平行移動させて、各有頭ピン8の軸部8bを各係合孔9の小径部9bに係合させる。
この状態で、図5に示すように、止めねじ65を、ねじ挿通孔12を通して、底板1のねじ孔11に螺合して締め付けることにより、水平片10を底板1に固着する。
このとき、各側板2は、前後の有頭ピン8の軸部8bが各係合孔9の小径部9bに係合し、かつ水平片10が底板1の上面に当接した状態で、止めねじ65により固着されていることによって、底板1の側面に強固に固着される。
また、係合片36の後向片36aが底板1の上面に当接することにより、単位後面板3Aの荷重が安定よく底板1に受止されるとともに、図9に示すように、係合片36の下向片36bが底板1の後面に当接することにより、後面板3Aの下端が前方に移動するのが確実に阻止される。
図18に示すように、上棚58および下棚59を、各扉7を取付ける前の(取付けた後でもよい)各収容空間A1、A2、A3のそれぞれに前方より挿入する。このとき、各収容空間A1、A2、A3の入口の幅は、上棚58および下棚59の横幅より狭いので、各上棚58および下棚59を、左右いずれかの方向に斜めに傾けて挿入するのがよい。
その後、上棚58全体を若干後方に移動させつつ、上棚58の後端部を下向き回動させ、各係止部62におけるいずれかの下向き係止片62aを、受け部38に上方より嵌合させる。
これにより、下棚59も、上棚58と同様に、各収容空間A1、A2、A3内に安定よく保持される。
図20に示すように、左右の収容空間A1、A3における側板2の化粧板19と中仕切6の仕切板26との間隔は、中間の収容空間A2における左右の仕切板26、26の間隔より、各側板2における縦框20の凹入段部20aより外側の部分の厚さ分だけ大となっている。これは、3枚の扉7の左右幅を同一とし、かつ閉止したときの左右の扉7の側端面を、側板2により覆うようにしてあるためである。
それに対して、各収容空間A1、A2、A3に取付ける上棚58および下棚59の共通化を図るため、各係止部62を、それぞれ2個の下向き係止片62a、62aを備えるものとし、そのいずれかを、単位後面板3A、3B、3Cの前面における受け部38に選択的に嵌合係止させることにより、単位後面板3A、3B、3Cにおける受け部38の配置の相違を許容しうるようにしてある。
また、図20における中央の単位後面板3Bにおける左右の受け部38、38に、中央の上棚58における左右の係止部62、62のそれぞれ内側の下向き係止片62a、62aを係止させるような態様とすることもある。
(1) 底板1の両側面に設ける係合孔9を、その上縁が水平をなすように、大径部9aに対して小径部9bが後斜め上方を向くようにし、かつ側板2の水平片10を底板1の上面に当接させたとき、有頭ピン8の拡大頭部8aが大径部9aに嵌合しうる高さに維持されるようにする。
このような構成によると、側板2の水平片10を底板1の上面に当接させて、側板の荷重を底板1に受止させた状態で、水平片10を底板1の上面に対して摺動させつつ、有頭ピン8の拡大頭部8aを大径部9aに嵌合させたり、軸部8bを小径部9bに係合させたりすることができ、組み立て作業性をさらによくすることができる。
(2) 底板1の側面に有頭ピン8を突設し、それが嵌合される係合孔9を、側板2の内面に設ける。
(3) 係合孔9を、だるま孔とする。
(4) 側板2の後端の係合片21、および中仕切6の後端の係合片28を、互いに左右方向に対向する折曲片21a、28aのみとし、その前面に、各単位後面板3A、3B、3Cの基板34の側部とした取付部の後面が当接するようにする。
このような構成としても、下方の係合片36における下向片36bを底板1の後面に当接させ、かつ上方の係合片37における上向片37bを天板4の後面に当接させるだけで、各単位後面板3A、3B、3Cは、筐体5から前後方向に外れることはない。
また、この状態で、各単位後面板3A、3B、3Cの両側部の適所を、折曲片21a、28aに、ねじ止め、接着、その他の手段により、適宜止着または係着させてもよい。
1 底板
1a上面板
1b前片
1c後片
1d側片
2 側板
3 後面板
3A、3B、3C 単位後面板
4 天板
5 筐体
6 中仕切
7 扉
8 有頭ピン
8a拡大頭部
8b軸部
9 係合孔
9a大径部
9b小径部
10 水平片
11 ねじ孔
12 ねじ挿通孔
13 位置決め孔(目印)
14 アジャスタ
15 作業孔
16、17 係合孔
18 軸受孔
19 化粧板
20 縦框
20a凹入段部
21 係合片
21a折曲片
21b前向片
21c折り返し片
22 下枠
23 上枠
24 有頭ピン
24a拡大頭部
24b軸部
25 ねじ孔
26 仕切板
27 縦框
28 係合片
28a折曲片
28b前向片
28c折り返し片
29 折曲片
30、31 下向き突片
32 上向き突片
33 切欠き
34 基板
35 取付部
35a後向片
35b折曲片
36 係合片
36a後向片
36b下向片
37 係合片
37a後向片
37b上向片
38 受け部
39 切り込み
40 弾性舌片
41 係止爪
42 切欠き
43 水平板
44 上框
44a前片
44b下片
44c上向片
45 後枠
46 側枠
47 係合孔
48 軸受孔
49 係合溝
50 ねじ挿通孔
51 配線挿通孔
51aキャップ
52 ヒンジ軸
53 把手
54 施錠装置
55 鏡
56 傘立て
57 しずく受け
58 上棚(棚板)
59 下棚(棚板)
60 フレーム
61 横桟
62 係止部
62a下向き係止片
63 前向き突軸
63a下向き折曲部
63b上向き折曲部
64 ハンガー受け
65、66 止めねじ
67、68 係合孔
Claims (5)
- 底板と、
下端部が前記底板の両側端部に取付けられ、かつ後端に互いに内方を向く係合片が設けられた左右1対の側板と、
前記側板との間、または相互間に適宜の間隔を置くようにして前記底板上に立設されることにより、左右の前記側板間に複数の収容空間を形成し、かつ後端に左右方向を向く係合片が設けられた1または複数の中仕切と、
左右幅を、前記各収容空間の左右幅とほぼ同一か、またはそれより小とし、かつ両側部に、前記側板の係合片または前記中仕切の係合片の前面に当接することにより、前記側板および前記中仕切の後端より後方への移動が阻止されるようにした取付部が形成された複数の単位後面板と、
左右の前記側板の上端間に架設された天板とを備え、
前記側板の係合片および中仕切の係合片を、それぞれ、左右方向を向く折曲片の遊端に前向片を連設した平面視L字状とし、かつ前記各単位後面板の取付部を、後向片の遊端に、外側方を向く折曲片を連設した平面視L字状とし、
前記側板の係合片および前記中仕切の係合片における前記前向片の前端に、外側方を向く折り返し片を連設し、前記折り返し片の後縁に、前記各単位後面板の取付部における前記後向片に設けた係止爪を前方より係合させて、前記各単位後面板の前方への移動を阻止するようにしたことを特徴とする中仕切を有する収納家具。 - 前記底板の側面と前記底板に対向する前記側板の内側面とのいずれか一方に有頭ピンを突設し、かつ対向する他方に、前記有頭ピンの拡大頭部が挿通しうる大径部と前記有頭ピンの軸部は挿通しうるが前記拡大頭部は挿通できない小径部とを前後方向に並べて連設してなる係合孔を設け、さらに、前記側板の内側面に、前記有頭ピンの軸部が前記係合孔の小径部に係合したときに、前記底板の上面に当接しうるようにした水平片を設け、前記有頭ピンの軸部が前記係合孔の小径部に係合したときに、前記水平片に設けたねじ挿通孔が、前記底板の上面に設けたねじ孔に整合するようにした請求項1記載の中仕切を有する収納家具。
- 前記底板の上面と前記水平片とのいずれか一方または両方に、前記有頭ピンの拡大頭部が前記係合孔の大径部に挿通しうる位置に前記側板が位置していることを示す目印を付設した請求項2記載の中仕切を有する収納家具。
- 底板の両側端部に、後端に互いに内方を向く係合片を設けた左右1対の側板の下端部を取付けた後、前記底板上に、後端に左右方向を向く係合片を設けた1または複数の中仕切を、前記側板との間、または相互間に適宜の間隔を置くようにして立設し、
前記側板の係合片および前記中仕切の係合片を、それぞれ、左右方向を向く折曲片の遊端に前向片を連設した平面視L字状とし、かつ各単位後面板の取付部を、後向片の遊端に、外側方を向く折曲片を連設した平面視L字状とし、さらに
前記側板の係合片および前記中仕切の係合片における前向片の前端に、外側方を向く短寸の折り返し片を連設し、
前記側板と前記中仕切、または互いに隣接する1対の前記中仕切により挟まれた収容空間の前方より、左右幅を、前記各収容空間の左右幅とほぼ同一か、または前記各収容空間の左右幅より小とした前記単位後面板を、前記各収容空間内において後方に移動させたとき、前記折り返し片の後縁に、前記各単位後面板の取付部における後向片に設けた係止爪を係合させて、前記各単位後面板の前方への移動を阻止させ、その後、左右の前記側板の上端間に天板を架設することを特徴とする中仕切を有する収納家具の組立方法。 - 前記底板の側面とそれに対向する前記側板の内側面とのいずれか一方に突設した有頭ピンを、それに対向するように他方のものに設けた係合孔における前記有頭ピンの拡大頭部が挿通しうる大径部に嵌合し、次いで、前記有頭ピンの軸部が、前記係合孔における前記大径部の前後いずれかに並ぶように連設した、前記有頭ピンの軸部は挿通しうるが前記拡大頭部は挿通できない小径部に係合するように、前記側板を前後方向に移動させ、そのとき、前記側板の内側面に設けた水平片を底板の上面に当接させて、前記側板を前記底板上に支持させ、さらに、前記水平片に設けたねじ挿通孔に挿通した止めねじを、前記底板の上面に設けたねじ孔に螺合して締め付けることにより、前記水平片を前記底板に固着することを特徴とする請求項4記載の中仕切を有する収納家具の組立方法。
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