JP6373708B2 - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
チャンバー内に反応性ガスを供給しつつ、スパッタリング成膜処理を行う技術が知られている(例えば、特許文献1)。反応性ガスの導入量の制御方法として、プラズマ中における反応性ガスやターゲット材料の元素の発光強度を測定(モニター)し、測定結果に基づいて反応性ガスの導入量を制御する方法が知られている。このような制御方法は、PEM(プラズマエミッションモニター)法、あるいはPEM制御とも称される。
この種のスパッタ成膜処理で搬送される基材の主面に均質な成膜を行うためには、チャンバー内における反応性ガスの分布が基材の幅方向に沿って均一であることが望ましい。
特許第4809613号公報
チャンバー内における反応性ガスの分布を幅方向に沿って均一にする態様として、PEM制御される複数のガス供給部を幅方向に沿って連続配置する態様が考えられる。これにより、幅方向について所定間隔で仮想的に分割された各区間において反応性ガスの供給量がフィードバック制御され、チャンバー内における反応性ガスの分布が幅方向に沿って均一になることが期待されるからである。しかしながら、この態様では、隣り合うガス供給部でフィードバック制御における干渉が生じて、理想的なガス供給量の前後を実際のガス供給量が振動する現象(ハンチング)が引き起こされ、反応性ガスの分布を均一にすることが困難となる。
また、ハンチングを解消しつつ、チャンバー内における反応性ガスの分布を幅方向に沿って均一にする態様として、PEM制御される一のガス供給部のみによってチャンバー内に反応性ガスを供給する態様が考えられる。この態様は、チャンバーが十分に小さく、かつ、チャンバー内の各部の構成が幅方向一方側と他方側とで対称配置となっている場合には、有効である。しかしながら、チャンバーが大きい場合、または、チャンバー内の各部の構成が幅方向一方側と他方側とで非対称な配置となっている場合には、一のガス供給部でチャンバー内における反応性ガスの分布を均一にすることが困難となる。特に、近年、基板の大型化にともなってチャンバーが大型化していることを考慮すると、一のガス供給部のみでチャンバー内における反応性ガスの分布を均一にすることは特に困難となる。このような課題は、スパッタ成膜処理に限らず、プラズマCVD処理など、種々のプラズマ処理に共通の課題である。
このような課題に鑑み、本発明は、ハンチング等の問題を解決可能なガス供給技術を有するプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかるプラズマ処理装置は、プラズマが生成される処理空間にガスを供給しつつ、前記処理空間内を搬送方向に沿って搬送される基材に対してプラズマ処理を実行するプラズマ処理装置であって、前記処理空間内で前記搬送方向に沿って前記基材を搬送する搬送部と、予め設定された一定の第1供給量で少なくとも1つの第1開口部から前記処理空間内に前記ガスを供給する少なくとも1つの第1供給部と、第2供給量で少なくとも1つの第2開口部から前記処理空間内に前記ガスを供給する少なくとも1つの第2供給部と、前記処理空間のうち中央側に存在する前記ガスの量を測定し、その測定結果に応じて前記処理空間における前記ガスの分布が均一になるようにフィードバック制御を行って、前記プラズマ処理中における前記第2供給量を調整する調整部と、前記処理空間内にプラズマを生成するプラズマ生成部と、を備え、前記少なくとも1つの第1供給部からの前記ガスの供給量は、前記少なくとも1つの第2供給部だけから前記ガスを供給した場合に前記処理空間において生じるガス密度の空間的な密度差をキャンセルする条件に基づいて設定され、前記処理空間のうち前記基材の主面に平行な面内で前記搬送方向と直交する幅方向に沿って、前記少なくとも1つ前記第1開口部と前記少なくとも1つの第2開口部とが交互に配されることを特徴とする。
本発明の第2の態様にかかるプラズマ処理装置は、本発明の第1の態様にかかるプラズマ処理装置であって、前記第1開口部は前記基材の前記主面のうちプラズマ処理の対象とならない非処理領域に向けて開口し、前記第2開口部は前記基材の前記主面のうちプラズマ処理の対象となる処理領域に向けて開口することを特徴とする。
本発明の第3の態様にかかるプラズマ処理装置は、本発明の第1の態様または第2の態様にかかるプラズマ処理装置であって、前記基材は矩形状であり、前記基材の前記幅方向の長さが700mm(ミリメートル)以上であることを特徴とする。
本発明の第4の態様にかかるプラズマ処理装置は、本発明の第1の態様ないし第3の態様のいずれかにかかるプラズマ処理装置であって、前記ガスは酸素であり、前記プラズマ処理では、前記処理空間内でアルミニウムターゲットをスパッタし、当該アルミニウムターゲットに対向する前記基材上に酸化アルミニウムを成膜することを特徴とする。
本発明の第5の態様にかかるプラズマ処理装置は、本発明の第1の態様ないし第4の態様のいずれかにかかるプラズマ処理装置であって、前記調整部は、前記第2供給量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により調整することを特徴とする。
本発明の第6の態様にかかるプラズマ処理方法は、プラズマが生成される処理空間にガスを供給しつつ、前記処理空間内を搬送方向に沿って搬送される基材に対してプラズマ処理を実行するプラズマ処理方法であって、少なくとも1つの第1開口部から前記処理空間に前記ガスを供給する際の第1供給量を設定する設定工程と、前記プラズマ処理を実行するプラズマ処理工程と、を備え、前記プラズマ処理工程は、少なくとも1つの第1供給部が前記少なくとも1つの第1開口部から一定の前記第1供給量で前記処理空間内に前記ガスを供給する第1供給工程と、少なくとも1つの第2供給部が少なくとも1つの第2開口部から第2供給量で前記処理空間内に前記ガスを供給する第2供給工程と、前記処理空間のうち中央側に存在する前記ガスの量を測定し、その測定結果に応じて前記処理空間における前記ガスの分布が均一になるようにフィードバック制御を行って前記第2供給量を調整する調整工程と、前記処理空間内にプラズマを生成するプラズマ生成工程と、前記処理空間内で前記搬送方向に沿って前記基材を搬送する搬送工程と、を有し、前記少なくとも1つの第1供給部からの前記ガスの供給量は、前記少なくとも1つの第2供給部だけから前記ガスを供給した場合に前記処理空間において生じるガス密度の空間的な密度差をキャンセルする条件に基づいて設定され、前記処理空間のうち前記基材の主面に平行な面内で前記搬送方向と直交する幅方向に沿って、前記少なくとも1つの第1開口部と前記少なくとも1つの第2開口部とが交互に配されることを特徴とする。
本発明の第7の態様にかかるプラズマ処理方法は、本発明の第6の態様にかかるプラズマ処理方法であって、前記第1開口部は前記基材の前記主面のうちプラズマ処理の対象とならない非処理領域に向けて開口し、前記第2開口部は前記基材の前記主面のうちプラズマ処理の対象となる処理領域に向けて開口することを特徴とする。
本発明の第8の態様にかかるプラズマ処理方法は、本発明の第6の態様または第7の態様にかかるプラズマ処理方法であって、前記基材は矩形状であり、前記基材の前記幅方向の長さが700mm(ミリメートル)以上であることを特徴とする。
本発明の第9の態様にかかるプラズマ処理方法は、本発明の第6の態様ないし第8の態様のいずれかにかかるプラズマ処理方法であって、前記ガスは酸素であり、前記プラズマ処理工程では、前記処理空間内でアルミニウムターゲットをスパッタし、当該アルミニウムターゲットに対向する前記基材上に酸化アルミニウムを成膜することを特徴とする。
本発明の第10の態様にかかるプラズマ処理方法は、本発明の第6の態様ないし第9の態様のいずれかにかかるプラズマ処理方法であって、前記調整工程では、前記第2供給量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により調整することを特徴とする。
本発明の第1の態様ないし第10の態様では、処理空間のうち幅方向に沿って、少なくとも1つの第1開口部と少なくとも1つの第2開口部とが交互に配される。そして、プラズマ処理中には、少なくとも1つの第2開口部からフィードバック制御に応じた第2供給量でガスが供給される。
本発明では、フィードバック制御された第2供給量で処理空間内にガスを供給する第2開口部が隣接することがないので、第2開口部が隣接することに伴うハンチングの問題が解消される。
また、本発明では、第1開口部から一定の第1供給量で処理空間にガスを供給されるため、この第1供給量を適宜に設定することで、チャンバーが大きい場合やチャンバー内の各部の構成が幅方向一方側と他方側とで非対称な配置となっている場合においても、チャンバー内におけるガスの分布を均一にしうる。
スパッタリング装置の概略構成を示す側面図である。 高周波アンテナの例を示す側面図である。 スパッタリング装置の概略構成を示す上面図である。 処理の流れを示すフロー図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図面では同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付され、下記説明では重複説明が省略される。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。また、図面においては、理解容易のため、各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。また、図面には、方向を説明するためにXYZ直交座標軸が付されている。該座標軸における+Z方向は鉛直上方向を示し、XY平面は水平面である。
<1 実施形態>
<1.1 スパッタリング装置の構成>
図1は、実施形態に係るスパッタリング装置10の概略構成を示す側面図である。図2は、高周波アンテナ80の例を示す側面図である。以下に、図1、図2を参照しつつ、スパッタリング装置10の構成について説明する。
スパッタリング装置10は、板状の単金属のアルミニウムなどのターゲット60をイオンによりスパッタし、矩形状の基板74(基材)の一方側主面に所定の薄膜を形成する装置である。
スパッタリング装置10は、真空ポンプ(図示せず)により内部を真空にすることが可能なチャンバー11と、真空排気されたチャンバー11内にプラズマ生成ガスを導入するスパッタガス供給部19および反応性ガス供給部21と、チャンバー11内に設けられターゲット60を保持するターゲット保持部24と、成膜対象の複数の基板74(より詳細には、基板74がそれぞれ保持する複数のキャリア75)を所定の搬送経路に沿って搬送方向X1に搬送する搬送部77と、基板74の上方に設けられたステージ15と、スパッタ用電源162とを備える。
また、スパッタリング装置10は、コンピュータ、あるいはハードウェア回路等を備えてスパッタリング装置10の各部の動作を統括制御する制御部200と、光ファイバーのプローブに入射する光の分光強度を測定可能な分光器111とをさらに備える。制御部200は、スパッタリング装置10の各部と電気的に接続されている。
搬送部77は、ターゲット保持部24に保持されたターゲット60の表面(+Z側の面)と、複数の基板74の表面(−Z側の面)とが所定の距離を隔てて対向するように、板状の複数のキャリア75を支持し、各キャリア75をターゲット60に対向する搬送経路に沿って直列に配列して搬送する。搬送部77は、それぞれ自転可能な複数のローラを備えて構成されている。キャリア75の下面のうち、側面視において基板74の搬送方向X1と直交する方向(Y方向)の両端部分は、基板74が配置されていない部分である。搬送部77が備える複数のローラは、当該両端部分を下方から支持している。各ローラが所定の回転方向に自転することにより、複数のキャリア75は、搬送経路に沿って搬送方向X1に搬送される。
より詳細には、搬送部77は、搬送経路に沿って配列された複数のキャリア75の互いに対向する各対の端部76が、搬送経路のうちターゲット60に対向する部分を所定の時間間隔で順次に通過するように複数のキャリア75を搬送する。これにより、チャンバー11内のプラズマの発光スペクトルが周期的に変動する。
基板74の直下(−Z側の直ぐ近傍)には、開閉可能な図示省略の成膜シャッターが少なくとも基板74の全域にわたって設けられている。また、スパッタ用電源162は、ベース板14(カソード)に、負電圧の直流のスパッタ電圧、または、負電圧と正電圧とからなるパルス状のスパッタ電圧を印加することにより、ターゲット60とステージ15の下面側に保持された基板74との間にマグネトロンプラズマ用の電界を生成する。スパッタ用電源162は、好ましくは、電圧一定モードで駆動される。また、ステージ15は、図示省略のヒーターもしくは冷却機構を備え、基板74の温度を制御する。
また、スパッタリング装置10は、チャンバー11内に導入されたスパッタガスおよび反応性ガスの高周波誘導結合プラズマを発生させるプラズマ生成部90をさらに備える。ステージ15は、チャンバー11の上部の内壁に、取り付け部材を介して設けられている。
また、プラズマ生成部90は、ターゲット60の側面に接触することなく当該側面に沿って配置された線状の高周波アンテナ80を備える。高周波アンテナ80は、金属製パイプ状導体から構成される。そして、プラズマ生成部90は、高周波アンテナ80によって、スパッタガスと反応性ガスとのそれぞれの高周波誘導結合プラズマを発生させる。また、石英やセラミックスなどの誘電体製の保護パイプによって、導体はプラズマ、スパッタガス、および反応性ガスには直接接触しないようになっている。
そして、スパッタリング装置10は、後述するマグネトロンスパッタ用磁石12が形成する静磁場によってターゲット60の表面部分に発生するプラズマ生成ガスのマグネトロンプラズマと、プラズマ生成部90が発生させたプラズマ生成ガスの高周波誘導結合プラズマとの混合プラズマによるターゲット60のスパッタリングによって基板74上の二次元領域(処理領域)に成膜を行う。
チャンバー11の側面には、開閉可能なゲート351、352が設けられている。ゲート351、352は、開状態と閉状態との間で切り替え可能となっている。また、ゲート351、352は、不図示のロードロックチャンバー、若しくはアンロードロックチャンバーなどの他のチャンバーの開口部が気密を保った形態で接続可能に構成されている。成膜対象の基板74はキャリア75に保持された状態で、ゲート351からチャンバー11内に搬入されて、スパッタリングによる成膜を施され、ゲート352からチャンバー11の外部に搬出される。基板74を保持するキャリア75がゲート351(352)からチャンバー11内に搬入(チャンバー11から搬出)されるときには、ロードロックチャンバー(アンロードロックチャンバー)は、真空状態に保持される。外部からロードロックチャンバーに基板74が搬入されるときには、ゲート351は閉じられ、アンロードロックチャンバーから基板74が外部に搬出されるときには、ゲート352が閉じられる。基板74が成膜されるときには、ゲート351、352が閉鎖されてチャンバー11内の気密が保たれる。成膜処理が開始される前にチャンバー11内の気密が保たれた状態で、不図示の真空ポンプによってチャンバー11の内部空間である処理室113が真空排気される。
スパッタガス供給部19は、貯留したスパッタガスを供給するスパッタガス供給源191と、スパッタガス供給源191から供給されたスパッタガスをチャンバー11内へと送給する配管と、配管を介してスパッタガスの流量をコントロールする流量コントローラ192と、を有する。配管を通じて送給されたスパッタガスは開口部20からチャンバー11内に供給される。開口部20は、例えば、高周波アンテナ80とターゲット60との間の部分などに形成される。プラズマ生成部90が複数の高周波アンテナ80を備える場合には、開口部20は、例えば、各高周波アンテナ80に対応する位置にそれぞれ設けられる。スパッタガスとしては、例えば、不活性ガスであるアルゴン(Ar)ガスなどが用いられる。
図3は、チャンバー11内における各部(特に、反応性ガス供給部21)の配置を示す概略的な上面図である。
反応性ガス供給部21は、チャンバー11内(処理空間内)のうち基板74の幅方向(Y方向)の両端側に開口する開口部22a(第1開口部)から予め設定された一定の第1供給量で反応性ガスを供給する第1供給部21aと、チャンバー11内のうち基板74の幅方向(Y方向)の中央側に開口する開口部22b(第2開口部)から後述する第2供給量で反応性ガスを供給する第2供給部21bと、を有する。
第1供給部21aは、貯留した反応性ガスを供給する反応性ガス供給源190aと、反応性ガス供給源190aから供給された反応性ガスをチャンバー11内へと送給する配管と、配管に介挿されて管路の開閉を調整するストップバルブ194aと、配管に介挿されて反応性ガスの流量を調整するニードルバルブ195aと、を有する。配管を通じて送給された反応性ガスは開口部22aからチャンバー11内に供給される。反応性ガスとしては、例えば、酸素(O2)ガスなどが用いられる。図3に示すように、本実施形態では、Y方向両端にそれぞれ配される2つの第1供給部21aが独立して反応性ガスの供給を行う態様について説明する。
第2供給部21bは、貯留した反応性ガスを供給する反応性ガス供給源190bと、反応性ガス供給源190bから供給された反応性ガスをチャンバー11内へと送給する配管と、配管を介して反応性ガスの流量をコントロールする流量コントローラ193と、を有する。配管を通じて送給された反応性ガスは開口部22bからチャンバー11内に供給される。反応性ガスとしては、例えば、酸素(O2)ガスなどが用いられる。
このように、反応性ガス供給部21が第1供給部21aと第2供給部21bとを備えることの利点については、後述する<1.3 スパッタリング装置10の効果>で詳細に説明する。
そして、ゲート351、352が閉じられて処理室113が真空排気された状態で、スパッタガス供給部19からスパッタガスがチャンバー11内に供給されるとともに、反応性ガス供給部21から反応性ガスがチャンバー11内に供給されることにより、処理室113は、一定圧力下、一定のガス分圧下に維持される。
また、チャンバー11の側壁のうちY方向中央側の一部には、チャンバー11内を密閉するとともにチャンバー11内のプラズマ発光を透過可能な窓部17が設けられており、窓部の近傍にはプラズマ発光が入射可能なように分光器111のプローブ112が設けられている。
分光器111は窓部17を介してプローブ112に入射するチャンバー11内のプラズマの発光を分光して、反応性ガスのプラズマ発光の輝線の波長を有する光の強度(スペクトル)を繰り返し検出可能に構成されている。分光器111は、検出した発光スペクトルをA/D変換して、制御部200に供給する。すなわち、分光器111は、プラズマの発光スペクトルに含まれる反応性ガスの発光スペクトルを、繰り返し測定し、測定結果を制御部200に供給する。酸素の発光スペクトルを測定する場合には、777.19nmの波長の光が測定される。
分光器111が行う測定の測定間隔は、プラズマの発光スペクトルの変動周期(発光スペクトルが複数の変動周期で同時並行的に変動する場合には、最短の変動周期)よりも短い時間間隔に設定されている。より詳細には、当該測定間隔は、発光スペクトルの変動波形を再現可能な時間間隔である。具体的には、分光器111は、例えば、発光スペクトル信号の最大周波数の2倍以上のサンプリング周波数で測定を行う。また、マグネトロンスパッタ用磁石12の周期的な揺動などの既知の原因に起因するプラズマの発光スペクトルの変動は、原因となっている現象の周期が反映され、同一周期で繰り返し再現する。
制御部200は、分光器111が測定したチャンバー11内の反応性ガスの発光スペクトルに基づいて、プラズマエミッションモニター(PEM)法により流量コントローラ193を制御する。これにより、反応性ガス供給源190bからチャンバー11内に供給される反応性ガスの第2供給量が制御される。このように、分光器111、流量コントローラ193、および、制御部200は、チャンバー11内のうちY方向中央側に存在する反応性ガスの量を測定しその測定結果に応じたフィードバック制御を行ってプラズマ処理中における第2供給量を調整する調整部として機能する。このフィードバック制御としては、例えば、PID制御を採用しうる。
チャンバー11の底部には、開口部が設けられると共に、その開口部を下側から塞ぐように、前述のベース板14及びマグネトロンスパッタ用磁石12(併せてマグネトロンカソードという)、並びに高周波アンテナ80を収容するためのターゲット・アンテナ配置部18が取り付けられている。ターゲット・アンテナ配置部18とチャンバー11の底部との接続部はシール材により気密性が確保されている。従って、ターゲット・アンテナ配置部18の壁はチャンバー11の壁の一部としての役割を有する。ターゲット・アンテナ配置部18には、ステージ15の直下の位置にターゲット配置ブロック(ターゲット配置部)181が設けられている。それと共に、ターゲット・アンテナ配置部18の壁内(即ちチャンバー11の壁内)であってターゲット配置ブロック181の側方に、ターゲット配置ブロック181を挟むように1対のアンテナ固定ブロック182が設けられている。マグネトロンカソードは、ターゲット60の表面近傍に静磁場を形成する。
ターゲット配置ブロック181の上部にはチャンバー11の処理室113がある。ターゲット配置ブロック181内にはマグネトロンスパッタ用磁石12と、マグネトロンスパッタ用磁石12を支持し、マグネトロンスパッタ用磁石12をターゲット60に対して周期的に搬送方向X2に移動させる移動部13が載置されている。より詳細には、移動部13は、マグネトロンスパッタ用磁石12を搬送方向X2に沿って周期的に揺動させる。マグネトロンスパッタ用磁石12の上面にはベース板14が設けられるとともに、ベース板14に対向するステージ15がチャンバー11の上側内壁に設けられる。ステージ15は、アースされている。なお、ステージ15は、アースされていないフローティング状態でも良い。マグネトロンスパッタ用磁石12の上下方向の位置は、その上面に設けられたベース板14に載置されるターゲット60の上面がターゲット・アンテナ配置部18の上端付近(上端と同じ位置である必要はない)に配置されるように調整されている。また、ターゲット60は、ベース板14と、ターゲット保持部24とによってベース板14の上面(+Z側の面)に保持されている。このようにマグネトロンスパッタ用磁石12及びベース板14(併せて、マグネトロンカソード)が設けられることにより、ターゲット60はチャンバー11の処理室113と面した空間内に配置される。
マグネトロンスパッタ用磁石12は、ターゲット保持部24に保持されたターゲット60の表面を含む領域に静磁場(マグネトロン磁場)を形成して、ターゲット60の表面部分にプラズマを形成できるようにする。ターゲット60の表面部分におけるプラズマの広がり方は、チャンバー11に導入されたプラズマ生成ガスの分圧や、マグネトロンスパッタ用磁石12が発生させるマグネトロン磁場やターゲットに与える電圧の強度などによって変動する。また、マグネトロンスパッタ用磁石12が移動部13によって周期的に移動されることにより、チャンバー11内のプラズマの発光スペクトルが周期的に変動する。
また、ターゲット配置ブロック181上端とチャンバー11の処理室113との境界には、ターゲット配置ブロック181の側壁から内側に向かって延び、ターゲット60の縁付近(縁を含む部分)に対して一定の距離を保つようにアノード189が設けられている。
アンテナ固定ブロック182内には高周波アンテナ80が挿入されている。また、スパッタリング装置10は、高周波アンテナ80に高周波電力を供給する高周波電源161を備えている。高周波電源161は整合回路163を介して高周波アンテナ80に接続されている。
高周波アンテナ80は、マグネトロンカソードスパッタによるプラズマ発生を支援するためのもので、例えば、図2に示されるように、金属製のパイプ状導体をU字形に曲げたものであり、2つのアンテナ固定ブロック182内に1個ずつ、「U」の字を上下逆向きにした状態で立設されている。なお、高周波アンテナ80の配置態様は、種々に変更可能である。高周波アンテナ80の形状として、例えば、円弧状の形状が採用されても良い。また、高周波アンテナ80の巻数は、一周未満である。定在波の発生を防止するために、高周波アンテナ80の長さは、好ましくは、高周波電源161が供給する電力の波長の1/4以下の長さに設定される。高周波アンテナの一端から高周波電力が供給され、他端は接地される。これにより誘導結合プラズマが生成される。このような高周波アンテナ80が採用されれば、コイル状(渦巻き状)のアンテナを用いて誘導結合プラズマを発生させる手法に比べて、アンテナのインダクタンスが低いためにアンテナの電圧を下げられるので、プラズマダメージを抑制できる。また、アンテナ長を、高周波の波長の1/4以下に短くすることで、定在波の影響によるプラズマのむらに起因したスパッタむら(不均一さ)を抑制することが出来る。また、アンテナをチャンバー内に収容できるのでプラズマ生成効率を向上できる。さらに、成膜対象の基板サイズに応じて、高周波アンテナ80の個数を増加させるとともに、ターゲットのサイズを大きくすることにより基板サイズが大きい場合でも、スパッタリング速度の向上を図ることが出来る。
U字形の高周波アンテナは巻数が1周未満の誘導結合アンテナに相当し、巻数が1周以上の誘導結合アンテナよりもインダクタンスが低いため、高周波アンテナの両端に発生する高周波電圧が低減され、生成するプラズマへの容量結合に伴うプラズマ電位の高周波揺動が抑制される。このため、対地電位へのプラズマ電位揺動に伴う過剰な電子損失が低減され、プラズマ電位が低減される。これにより、基板上での低イオンダメージの薄膜形成プロセスが可能となる。高周波アンテナ80を構成する金属製パイプ状導体は、スパッタリング装置10の使用時に水などの冷媒151をその内部に通過させることにより高周波アンテナ80を冷却する機能を有する。高周波アンテナ80の高さ方向の位置は、ターゲット60の表面近傍のプラズマ密度がより高くなるように、「U」の字の底部がターゲット60の上面が同程度の高さよりも数センチ程度高くなるように調整されている。なお、ターゲット60およびベース板14なども非常に高温になるため、好ましくは、高周波アンテナ80と同様に、冷媒151によって冷却される。
高周波アンテナ80の上端側の一部は、アンテナ固定ブロック182を貫通して、チャンバー11の内部側に突設されている。高周波アンテナ80の該突設部分は、石英などからなる誘電体の保護パイプ411により覆われている。
なお、マグネトロンスパッタ用磁石12によるターゲット60表面の水平磁束密度の最大値は、20乃至50mT(ミリテスラ)で、高周波誘導結合アンテナの支援がない場合の磁束密度(60乃至100mT)よりも低い磁束密度でも十分なプラズマを生成するこができる。なお、高周波誘導結合アンテナによるプラズマ発生の支援がされないとしても本発明の有用性を損なうものではない。また、高周波誘導結合アンテナによるプラズマ発生の支援がされる場合に於いて、巻数が一周以上の高周波誘導結合アンテナが使用されてもよい。また、高周波誘導結合アンテナがチャンバー11内ではなく外部に設けられてもよい。また、図1に示されるスパッタリング装置10の構成例では、ターゲット60、マグネトロンカソード、および高周波アンテナ80に対して基板74(キャリア75)が上方に設けられているが、下方に設けられた構成が採用されてもよい。
ステージ15は、ステージ15の下面に設けられた図示省略の爪状部材などによって基板74を保持することが出来る。キャリア75は、板状のトレーなどによって構成されており、基板74を着脱可能に保持する。基板74は、例えば、シリコンウエハなどにより構成される。
上記のように構成されたスパッタリング装置10は、チャンバー11に、スパッタガスを導入するとともに、第1供給部21aから定量の第1供給量定で反応性ガスを導入し、かつ、第2供給部21bからPEM法によって調整される第2供給量で反応性ガスを導入する。そして、スパッタリング装置10は、この雰囲気下で、ターゲット60をスパッタし、当該ターゲット60に対向する基板74上にターゲットの材料と反応性ガスとの化合物を成膜する。
<1.2 処理例>
図4は、本実施形態における処理の一例を示すフロー図である。以下では、図4を参照しつつ、処理の流れについて説明する。特に、ステップST1は成膜処理の前段階に行われる設定工程に相当し、ステップST2〜ST4はプラズマ処理工程に相当する。
まず、第1供給部21aがチャンバー11内のうちY方向の両端側に開口する開口部22aからチャンバー11内に反応性ガスを供給する際の第1供給量を設定する(ステップST1:設定工程)。ここで、Y方向両端にそれぞれ配される2つの第1供給部21aにおいて、それぞれの第1供給量は同じでもよいし、異なっていてもよい。
第1供給部21aにおける1つ目の役割は、第2供給部21bのみによって反応性ガスを供給する場合に、Y方向中央側とY方向両端側との間で生じる反応性ガスの密度差をキャンセルすることである。第1供給部21aにおける2つ目の役割は、チャンバー11内の各構成の配置がY方向一方側と他方側とで非対称な場合に、Y方向一方側と他方側との間で生じる反応性ガスの密度差をキャンセルすることである。このため、上記2つ目の役割を達成する目的で、2つの第1供給部21aにおけるそれぞれの第1供給量を異なる値として設定する場合がある。第2供給部21bおよびスパッタガス供給部19においても、基準となるガス供給量が設定される。
スパッタガス供給部19が、開口部20からチャンバー11内に所定の流量でスパッタガスを供給する。2つの第1供給部21aが、開口部22aからチャンバー11内に第1供給量で反応性ガスを供給する(第1供給工程)。第2供給部21bが、開口部22bからチャンバー11内に第2供給量で反応性ガスを供給する(第2供給工程)。また、第2供給工程の際には、上記したフィードバック制御で第2供給量が調整される(調整工程)。これにより、チャンバー11内には、スパッタ成膜処理に好適な雰囲気が形成される(ステップST2)。
高周波電源161が各高周波アンテナ80に高周波電力を供給し、チャンバー11内に誘導結合プラズマが生成される。これにより、チャンバー11内に流入されたスパッタガスおよび反応性ガスがプラズマ化する(ステップST3:プラズマ生成工程)。また、スパッタ用電源162が、ベース板14にスパッタ電圧を印加する。これにより、ターゲット60と搬送される基板74との間にマグネトロンプラズマ用の電界が生成される。
未処理の基板74がゲート351を介してチャンバー11内に搬入されると、搬送部77は該基板74を水平姿勢で保持しつつチャンバー11内を搬送方向X1に沿って+X方向に搬送する(ステップST4:搬送工程)。そして、スパッタガスおよび反応性ガスがプラズマ化した状態において、基板74がターゲット60と対向しつつチャンバー11内を通過する。これにより、基板74の主面のうちターゲット60と対向した領域(処理領域)においてのスパッタ成膜処理が進行する。スパッタ成膜処理が施された基板74は、ゲート352を介してチャンバー11から搬出される。これにより、1枚の基板74についてスパッタリング装置10での処理が完了する。
<1.3 スパッタリング装置10の効果>
スパッタ成膜処理で基板74の主面に均質な成膜を行うためには、チャンバー11内における反応性ガスの分布が基板74の幅方向(Y方向)に沿って均一であることが望ましい。
チャンバー11内における反応性ガスの分布をY方向に沿って均一にする態様として、複数の第2供給部21bをY方向に沿って連続に配置する態様(第1の比較例)が考えられる。これにより、Y方向について所定間隔で仮想的に分割された各区間において反応性ガスの供給量がフィードバック制御され、チャンバー11内における反応性ガスの分布がY方向に沿って均一になることが期待されるからである。しかしながら、この態様では、隣り合う第2供給部21bで干渉が生じて、理想的なガス供給量の前後を実際のガス供給量が振動する現象(ハンチング)が引き起こされ、反応性ガスの分布を均一にすることが困難となる。
本実施形態の態様では、第1の比較例の態様と異なり、スパッタリング装置10が第2供給量のフィードバック制御を行う1つの第2供給部21bを有する。このため、本実施形態の態様では、複数のフィードバック制御が存在することに起因するハンチングの問題が解消される。
また、ハンチングを解消しつつ、チャンバー11内における反応性ガスの分布をY方向に沿って均一にする態様として、一の第2供給部21bのみによってチャンバー11内に反応性ガスを供給する態様(第2の比較例)が考えられる。この態様は、チャンバー11が十分に小さく、かつ、チャンバー11内の各部の構成がY方向一方側と他方側とで対称配置となっている場合には、有効である。しかしながら、チャンバー11が大きい場合、または、チャンバー11内の各部の構成がY方向一方側と他方側とで非対称な配置となっている場合には、一の第2供給部21bでチャンバー11内における反応性ガスの分布を均一にすることが困難となる。特に、近年、基板74の大型化にともなってチャンバー11が大型化していることを考慮すると、一の第2供給部21bのみでチャンバー11内における反応性ガスの分布を均一にすることは特に困難となっていた。ここで、基板74が大型であるとは、基板74の幅方向長さが700mm(ミリメートル)以上であることを意味する。
本実施形態の態様では、第2の比較例の態様と異なり、スパッタリング装置10が、第2供給量のフィードバック制御を行う1つの第2供給部21bに加え、一定の第1供給量で反応性ガスを供給する2つの第1供給部21aを有する。このため、本実施形態の態様では、第1供給量を装置構成等に応じて適宜に設定することで、チャンバー11が大きい場合やチャンバー11内の各部の構成がY方向一方側と他方側とで非対称な配置となっている場合においても、チャンバー11内における反応性ガスの分布を均一にすることができる。
また、反応性ガスとして酸素を供給しつつアルミニウムターゲットをスパッタして基板上に酸化アルミニウムを成膜する場合には、ターゲット表面の酸化が急激に進むこと等の影響により膜質を安定化させることが特に困難である。このように、反応性ガスの供給量の調整がより高精度に要求される場合には、第2供給量をフィードバック制御する本実施形態の態様は特に有効である。
<2 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
上記実施形態では、反応性スパッタによりアルミナ成膜を行う処理を行う態様について説明したが、これに限られるものではない。本発明は、プラズマが生成される処理空間にガスを供給しつつ処理空間内を搬送方向に沿って搬送される基材に対してプラズマ処理を実行する種々の態様に適用可能である。例えば、チャンバー11内(処理空間内)にガスを供給しつつ該チャンバー11内を搬送される基板に対してプラズマCVD処理を行う態様にも本発明を適用可能である。
また、上記実施形態では、開口部22a、開口部22b、および、開口部22aが、チャンバー11内のうち基板74の幅方向(Y方向)に沿って順に配される態様について説明したが、これに限られるものではない。例えば、開口部22b、開口部22a、および、開口部22bが、チャンバー11内のうち基板74の幅方向(Y方向)に沿って順に配されてもよい。また別の例として、開口部22a、開口部22b、開口部22a、開口部22b、および、開口部22aが、チャンバー11内のうち基板74の幅方向(Y方向)に沿って順に配されてもよい。このように、幅方向に沿って開口部22aと開口22bとが交互に配される態様であれば、複数の開口部22bが隣り合うことなく、ハンチングを有効に防止できる。また、スパッタリング装置10が複数の第2供給部21bを備える場合には、スパッタリング装置10が各第2供給部21bに対応する複数の分光器111を備えることが望ましい。これにより、各第2供給部21bでより精密にフィードバック制御を行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、1つの開口部22aが1つの開口によって構成され、1つの開口部22bが1つの開口によって構成される態様について説明したが、これに限られるものではない。例えば、1つの開口部22aが複数の開口によって構成される態様や、1つの開口部22bが複数の開口によって構成される態様であってもよい。この場合、流量の調整されたガスがその供給経路の途中で分岐されて複数の開口から供給されることになる。
また、上記実施形態では、XY平面視において、2つの開口部22aが基板74の主面のうちプラズマ処理の対象とならない非処理領域に向けて開口し、開口部22bが基板74の主面のうちプラズマ処理の対象となる処理領域に向けて開口する態様について説明したが、これに限られるものではない。例えば、2つの開口部22aが基板74の主面のうち処理領域に向けて開口する態様でも構わない。ただし、フィードバック制御される第2供給量でガスを導入する開口部22bのみが処理領域に向けて開口する上記実施形態の態様では、リアルタイムで調整される流量で処理領域に向けてガスを供給することができ、望ましい。
以上、実施形態およびその変形例に係るプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法について説明したが、これらは本発明に好ましい実施形態の例であって、本発明の実施の範囲を限定するものではない。本発明は、その発明の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
10 スパッタリング装置
19 スパッタガス供給部
20、22a、22b 開口部
21 反応性ガス供給部
21a 第1供給部
21b 第2供給部
74 基板
111 分光器
190a、190b 反応性ガス供給源
191 スパッタガス供給源
192 流量コントローラ
193 流量コントローラ
200 制御部

Claims (10)

  1. プラズマが生成される処理空間にガスを供給しつつ、前記処理空間内を搬送方向に沿って搬送される基材に対してプラズマ処理を実行するプラズマ処理装置であって、
    前記処理空間内で前記搬送方向に沿って前記基材を搬送する搬送部と、
    予め設定された一定の第1供給量で少なくとも1つの第1開口部から前記処理空間内に前記ガスを供給する少なくとも1つの第1供給部と、
    第2供給量で少なくとも1つの第2開口部から前記処理空間内に前記ガスを供給する少なくとも1つの第2供給部と、
    前記処理空間のうち中央側に存在する前記ガスの量を測定し、その測定結果に応じて前記処理空間における前記ガスの分布が均一になるようにフィードバック制御を行って、前記プラズマ処理中における前記第2供給量を調整する調整部と、
    前記処理空間内にプラズマを生成するプラズマ生成部と、
    を備え、
    前記少なくとも1つの第1供給部からの前記ガスの供給量は、前記少なくとも1つの第2供給部だけから前記ガスを供給した場合に前記処理空間において生じるガス密度の空間的な密度差をキャンセルする条件に基づいて設定され、
    前記処理空間のうち前記基材の主面に平行な面内で前記搬送方向と直交する幅方向に沿って、前記少なくとも1つ前記第1開口部と前記少なくとも1つの第2開口部とが交互に配されることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記第1開口部は前記基材の前記主面のうちプラズマ処理の対象とならない非処理領域に向けて開口し、前記第2開口部は前記基材の前記主面のうちプラズマ処理の対象となる処理領域に向けて開口することを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記基材は矩形状であり、前記基材の前記幅方向の長さが700mm(ミリメートル)以上であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプラズマ処理装置であって、
    前記ガスは酸素であり、
    前記プラズマ処理では、前記処理空間内でアルミニウムターゲットをスパッタし、当該アルミニウムターゲットに対向する前記基材上に酸化アルミニウムを成膜することを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のプラズマ処理装置であって、
    前記調整部は、前記第2供給量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により調整することを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. プラズマが生成される処理空間にガスを供給しつつ、前記処理空間内を搬送方向に沿って搬送される基材に対してプラズマ処理を実行するプラズマ処理方法であって、
    少なくとも1つの第1開口部から前記処理空間に前記ガスを供給する際の第1供給量を設定する設定工程と、
    前記プラズマ処理を実行するプラズマ処理工程と、
    を備え、
    前記プラズマ処理工程は、
    少なくとも1つの第1供給部が前記少なくとも1つの第1開口部から一定の前記第1供給量で前記処理空間内に前記ガスを供給する第1供給工程と、
    少なくとも1つの第2供給部が少なくとも1つの第2開口部から第2供給量で前記処理空間内に前記ガスを供給する第2供給工程と、
    前記処理空間のうち中央側に存在する前記ガスの量を測定し、その測定結果に応じて前記処理空間における前記ガスの分布が均一になるようにフィードバック制御を行って前記第2供給量を調整する調整工程と、
    前記処理空間内にプラズマを生成するプラズマ生成工程と、
    前記処理空間内で前記搬送方向に沿って前記基材を搬送する搬送工程と、
    を有し、
    前記少なくとも1つの第1供給部からの前記ガスの供給量は、前記少なくとも1つの第2供給部だけから前記ガスを供給した場合に前記処理空間において生じるガス密度の空間的な密度差をキャンセルする条件に基づいて設定され、
    前記処理空間のうち前記基材の主面に平行な面内で前記搬送方向と直交する幅方向に沿って、前記少なくとも1つの第1開口部と前記少なくとも1つの第2開口部とが交互に配されることを特徴とするプラズマ処理方法。
  7. 請求項6に記載のプラズマ処理方法であって、
    前記第1開口部は前記基材の前記主面のうちプラズマ処理の対象とならない非処理領域に向けて開口し、前記第2開口部は前記基材の前記主面のうちプラズマ処理の対象となる処理領域に向けて開口することを特徴とするプラズマ処理方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載のプラズマ処理方法であって、
    前記基材は矩形状であり、前記基材の前記幅方向の長さが700mm(ミリメートル)以上であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  9. 請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のプラズマ処理方法であって、
    前記ガスは酸素であり、
    前記プラズマ処理工程では、前記処理空間内でアルミニウムターゲットをスパッタし、当該アルミニウムターゲットに対向する前記基材上に酸化アルミニウムを成膜することを特徴とするプラズマ処理方法。
  10. 請求項6ないし請求項9のいずれかに記載のプラズマ処理方法であって、
    前記調整工程では、前記第2供給量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により調整することを特徴とするプラズマ処理方法。
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