JP6370392B2 - 耐摩耗性、耐クリープ性、耐腐食性、及び加工性が良好な、硬化性ニッケル・クロム・チタン・アルミニウム合金 - Google Patents

耐摩耗性、耐クリープ性、耐腐食性、及び加工性が良好な、硬化性ニッケル・クロム・チタン・アルミニウム合金 Download PDF

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Description

本発明は、耐摩耗性が非常に良好であり、同時に非常に良好な高温腐食耐性、良好な耐クリープ性、及び良好な加工性を有する、ニッケル・クロム・チタン・アルミニウムの鍛錬用合金に関する。
様々なニッケル含分、クロム含分、チタン含分及びアルミニウム含分を有するニッケル・クロム・チタン・アルミニウムの硬化性オーステナイト合金は長年、エンジンの排気バルブに使用されている。この使用のためには、良好な耐摩耗性、良好な耐熱性/耐クリープ性、良好な耐久限度、並びに(特に排ガス中での)良好な高温腐食耐性が必要となる。
DIN EN 10090は排気バルブについて、特にオーステナイト合金を挙げており、このうちニッケル合金の2.4955と2.4952(NiCr20TiAl)が、この規格で挙げられた全ての合金で最大の耐熱性とクリープ強度を有する。表1には、DIN EN 10090で言及されたニッケル合金の組成が示されており、表2〜4には、引張強度、0.2%耐力、及び1000時間後のクリープ強度についての参照値が示されている。
DIN EN 10090では、ニッケル含分が高い合金が2種類、言及されている:
a)NiFe25Cr20NbTi、ただし、C0.05〜0.10%、Si最大1.0%、Mn最大1.0%、P最大0.030%、S最大0.015%、Cr18.00〜21.00%、Fe23.00〜28.00%、Al0.30〜1.00%、Ti1.00〜2.00%、Nb+Ta1.00〜2.00%、B最大0.008%、及び残分はNi
b)NiCr20TiAl、ただしC0.05〜0.10%、Si最大1.0%、Mn最大1.0%、P最大0.020%、S最大0.015%、Cr18.00〜21.00%、Fe最大3%、Al1.00〜1.80%、Ti1.80〜2.70%、Cu最大0.2%、Co最大2.0%、B最大0.008%、及び残分はNi。
NiCr20TiAlは、NiFe25Cr20NbTiに比べて、引張強度、0.2%耐力、及びクリープ強度がより高温で明らかに高い。
EP 0 639 654 A2は、以下のものから成る鉄・ニッケル・クロム合金を開示している(質量%):C最大0.15%、Si最大1.0%、Mn最大3.0%、Ni30〜49%、Cr10〜18%、Al1.6〜3.0%、IVa〜Va族から選択される1種以上の元素を合計含分で1.5〜8.0%、残分はFeと、不可避不純物。ここでAlは、必要不可欠な添加元素であり、先に述べたIVa〜Va族から選択される1種以上の元素は、以下の式(原子%)を満たさなければならない:
0.45≦Al/(Al+Ti+Zr+Hf+V+Nb+Ta)≦0.75。
WO 2008/007190 A2は、以下のものから成る耐摩耗性合金を開示している(質量%):C0.15〜0.35%、Si最大1.0%、Mn最大1.0%、Ni25%超〜40%未満、Cr15〜25%、Mo最大0.5%、W最大0.5%、Al1.6%超〜3.5%、Nb+Taの合計で1.1%超〜3%、B最大0.015%、残分はFeと、不可避不純物。ここでMo+0.5W≦0.75%;Ti+Nb≧4.5%、及び13≦(Ti+Nb)/C≦50である。この合金は、燃焼機関用の排気バルブを製造するために、特に有用である。この合金の良好な耐摩耗性は、炭素割合が高いために形成される一次炭化物の割合が高いことに基づく。しかしながら一次炭化物の割合が高いことによって、この合金を鍛錬用合金として作製する際に、加工の問題が生じる。
言及した全ての合金の場合、500〜900℃の範囲における耐熱性及び/又は耐クリープ性は、アルミニウム、チタン、及び/又はニオブ(及び/又はさらなる元素、例えばTa、…)の添加に基づき、γ’相及び/又はγ’’相の析出につながる。さらに、耐熱性及び/又は耐クリープ性はまた、固溶強化性元素(例えばクロム、アルミニウム、ケイ素、モリブデン、及びタングステン)の含分が高いことによって、炭素含分が高いことと同じように、改善される。
高温腐食耐性については、20%程度のクロム含分を有する合金が、材料を保護する酸化クロム層(Cr23)を形成することがいえる。クロム含分は、適用領域で使用する過程において、保護層を構築するためにゆっくりと消費される。このため、クロム含分がより高いことにより、材料の寿命が改善される。それと言うのも、保護層を形成する元素であるクロムの含分がより高いことにより、Cr含分が許容限界未満にあり、かつCr23以外の酸化物(これは例えば、コバルト含有、及びニッケル含有酸化物である)が形成される時点が延びるからである。
(特に熱間成形時に)合金を加工するためには、熱間成形を行う温度で、材料を著しく硬化させる相(例えばγ’又はγ’’相)を形成させないこと、ひいては熱間成形時における亀裂形成につながらないことが必要である。これらの温度は同時に、合金内における溶融を防止するため、合金の固相線温度よりも充分に低くなければならない。
本発明が基づく課題は、以下のような特性を有する、ニッケル・クロム鍛錬用合金を設計することである:
・NiCr20TiAlよりも良好な耐摩耗性、
・NiCr20TiAlよりも良好な耐腐食性、
・NiCr20TiAlに似た良好な耐熱性/耐クリープ性、
・NiCr20TiAlに似た良好な加工性。
上記課題は、耐摩耗性が非常に良好であり、同時に非常に良好な高温腐食耐性、良好な耐クリープ性、及び良好な加工性を有するニッケル・クロム・チタン・アルミニウムの硬化性鍛錬用合金によって解決され、その組成は質量%で、クロム25%〜35%、チタン1.0〜3.0%、アルミニウム0.6〜2.0%、炭素0.005〜0.10%、窒素0.0005〜0.050%、リン0.0005〜0.030%、硫黄最大0.010%、酸素最大0.020%、ケイ素最大0.70%、マンガン最大2.0%、マグネシウム最大0.05%、カルシウム最大0.05%、モリブデン最大2.0%、タングステン最大2.0%、ニオブ最大0.5%、銅最大0.5%、バナジウム最大0.5%、必要に応じてFe0〜20%、必要に応じてコバルト0〜15%、必要に応じてZr0〜0.20%、必要に応じてホウ素0.0001〜0.008%を含有し、残分はニッケル、及び方法に起因する通常の不純物であり、ここでニッケル含分は35%超であり、ここで良好な耐摩耗性を得るためには、以下の関係式:
Cr+Fe+Co≧26% (1)
が満たされなければならず、かつ
fh≧0 (2a)
ただし、fh=6.49+3.88Ti+1.36Al−0.301Fe+(0.759−0.0209Co)Co−0.428Cr−28.2C (2)
が満たされなければならず、これによって高温下での充分な強度がもたらされ、ここでTi、Al、Fe、Co、Cr、及びCは、該当する元素の質量%濃度であり、fhは%で記載されている。
本発明の対象のさらなる有利な構成は、付属の従属請求項から読み取ることができる。
元素のクロムについてその分布範囲(Spreizungsbereich)は、25%〜35%にあり、ここで好ましい範囲は、以下のように調整することができる:
・26〜35%
・27〜35%
・28〜35%
・28〜35%
・28〜32%
・28〜30%。
チタン含分は、1.0〜3.0%である。Tiは好ましくは、合金内で以下のような分布範囲内で調整できる:
・1.5〜3.0%
・1.8〜3.0%
・2.0〜3.0%
・2.2〜3.0%
・2.2〜2.8%。
アルミニウム含分は、0.6〜2.0%であり、ここでもまた、合金の使用分野に応じて、好ましいアルミニウム含分は以下のように調整することができる:
・0.9〜2.0%
・1.0〜2.0%
・1.2〜2.0%。
合金は、炭素を0.005〜0.10%含有する。炭素は好ましくは、合金内で以下のような分布範囲内で調整できる:
・0.01〜0.10%
・0.02〜0.10%
・0.04〜0.10%
・0.04〜0.08%。
これは同様に、0.0005〜0.05%の含分で含有されている元素の窒素についても当てはまる。好ましい含分は、以下のものであり得る:
・0.001〜0.05%
・0.001〜0.04%
・0.001〜0.03%
・0.001〜0.02%
・0.001〜0.01%。
合金はさらに、リンを0.0005〜0.030%含有する。好ましい含分は、以下のものであり得る:
・0.001〜0.030%
・0.001〜0.020%。
元素の硫黄は、以下のように合金中に存在している:
・硫黄最大0.010%。
元素の酸素は、合金中に最大0.020%の含分で含有されている。好ましいさらなる含分は、以下の通りであり得る:
・最大0.010%
・最大0.008%
・最大0.004%。
元素のSiは、合金中に最大0.70%の含分で含まれている。好ましいさらなる含分は、以下のものであり得る:
・最大0.50%
・最大0.20%
・最大0.10%。
さらに元素のMnは、合金中に最大2.0%の含分で含まれている。好ましいさらなる含分は、以下のものであり得る:
・最大0.60%
・最大0.20%
・最大0.10%。
元素のMgは、合金中に最大0.05%の含分で含まれている。好ましいさらなる含分は、以下のものであり得る:
・最大0.04%
・最大0.03%
・最大0.02%
・最大0.01%。
元素のCaは、合金中に最大0.05%の含分で含まれている。好ましいさらなる含分は、以下のものであり得る:
・最大0.04%
・最大0.03%
・最大0.02%
・最大0.01%。
元素のニオブは、合金中に最大0.5%の含分で含まれている。好ましいさらなる含分は、以下のものであり得る:
・最大0.20%
・最大0.10%
・最大0.05%
・最大0.02%。
モリブデン、及びタングステンは、個別に、又は組み合わせで、合金中にそれぞれ最大2.0%の含分で含まれている。好ましい含分は、以下のものであり得る:
・Mo 最大1.0%
・W 最大1.0%
・Mo 0.50%以下
・W 0.50%以下
・Mo 0.10%以下
・W 0.10%以下
・Mo 0.05%以下
・W 0.05%以下。
さらに、合金中には最大0.5%のCuが含有されていてよい。銅の含分はさらに、以下のように限定することができる:
・Cu 0.10%以下
・Cu 0.05%以下
・Cu 0.015%以下。
さらに、合金中には最大0.5%のバナジウムが含有されていてよい。
合金はさらに、必要に応じて、鉄を0.0〜20.0%含有することができ、鉄はさらになお、以下のように限定することができる:
・0%超〜15.0%
・0%超〜12.0%
・0%超〜9.0%
・0%超〜6.0%
・0%超〜3.0%
・1.0〜20.0%
・1.0〜15.0%
・1.0〜12.0%
・1.0〜9.0%
・1.0〜6.0%
・3.0%超〜20.0%
・3.0%超〜15.0%
・3.0%超〜12.0%
・3.0%超〜9.0%
・3.0%超〜6.0%。
さらに合金は、必要に応じてコバルトを0.0〜15%含有することができ、ここで適用分野に応じて、好ましい含分は以下の分布範囲内で調整することができる:
・0%超〜12%
・0%超〜10%
・0%超〜8%
・0%超〜7%
・0%超〜5%未満
・0.20〜20%
・0.20〜12%
・0.20〜10%
・0.20〜5%未満
・2.0〜20%
・2.0〜12%
・2.0〜10%
・2〜5%未満。
さらに、合金は必要に応じて0〜0.20%のジルコニウムを含有することができ、ジルコニウムはさらに以下のように限定することができる:
・0.01〜0.20%
・0.01〜0.15%
・0.01〜0.10%未満。
さらに、合金中には必要に応じて0.0001〜0.008%のホウ素が以下のように含有されていてよい。好ましいさらなる含分は、以下のものであり得る:
・0.0005〜0.006%
・0.0005〜0.004%。
ニッケル含分は、35%超であるのが望ましい。好ましい含分は、以下のものであり得る:
・40%超
・45%超
・50%超
・55%超。
CrとFeとCoの間に以下の関係式が満たされなければならず、これにより摩耗に対して、充分な耐性がもたらされる:
Cr+Fe+Co≧26% (1)
ここでCr、Fe、及びCoは、該当する元素の質量%濃度である。
好ましいさらなる範囲は、以下のように調整できる:
Cr+Fe+Co≧27% (1a)
Cr+Fe+Co≧28% (1b)
Cr+Fe+Co≧29% (1c)。
Ti、Al、Fe、Co、Cr、及びCの間で以下の関係式が満たされなければならず、これにより、より高温下で充分に高い強度がもたらされる:
fh≧0 (2a)
ただし、fh=6.49+3.88Ti+1.36Al−0.301Fe+(0.759−0.0209Co)Co−0.428Cr−28.2C (2)
ここで、Ti、Al、Fe、Co、Cr、及びCは、該当する元素の質量%濃度であり、fhは%で記載されている。
好ましいさらなる範囲は、以下のように調整できる:
fh≧1% (2b)
fh≧3% (2c)
fh≧4% (2d)
fh≧5% (2e)
fh≧6% (2f)
fh≧7% (2f)。
選択的には、合金中でCr、Mo、W、Fe、Co、Ti、Al、及びNbの間で以下の関係式が満たされていてよく、これにより、充分に良好な加工性がもたらされる:
fver≦7 (3a)
ただし、fver=32.77+0.5932Cr+0.3642Mo+0.513W+(0.3123−0.0076Fe)Fe+(0.3351−0.003745Co−0.0109Fe)Co+40.67Ti×Al+33.28Al2−13.6TiAl2−22.99Ti−92.7Al+2.94Nb (3)
ここでCr、Mo、W、Fe、Co、Ti、Al、及びNbは該当する元素の質量%濃度であり、fverは%で記載されている。好ましい範囲は、以下のように調整できる:
fver≦5% (3b)
fver≦3% (3c)
fver≦0% (3d)。
選択的には合金中で、元素のイットリウムを0.0〜0.20%の含分で調整することができる。Yは好ましくは、合金内で以下のような分布範囲内で調整できる:
・0.01〜0.20%
・0.01〜0.15%
・0.01〜0.10%
・0.01〜0.08%
・0.01〜0.045%未満。
選択的には合金中で、元素のランタンを0.0〜0.20%の含分で調整することができる。Laは好ましくは、合金内で以下のような分布範囲内で調整できる:
・0.001〜0.20%
・0.001〜0.15%
・0.001〜0.10%
・0.001〜0.08%
・0.001〜0.04%
・0.01〜0.04%。
選択的には合金中で、元素のCeを0.0〜0.20%の含分で調整することができる。Ceは好ましくは、合金内で以下のような分布範囲内で調整できる:
・0.001〜0.20%
・0.001〜0.15%
・0.001〜0.10%
・0.001〜0.08%
・0.001〜0.04%
・0.01〜0.04%。
選択的には、Ce及びLaを同時に添加する場合、セリウムミッシュメタルも、0.0〜0.20%の含分で使用することができる。セリウムミッシュメタルは好ましくは、合金内で以下のような分布範囲内で調整できる:
・0.001〜0.20%
・0.001〜0.15%
・0.001〜0.10%
・0.001〜0.08%
・0.001〜0.04%
・0.01〜0.04%。
選択的には合金中にまた、0.0〜0.20%のハフニウムが含まれていてよい。好ましい範囲は、以下のものであり得る:
・0.001〜0.20%
・0.001〜0.15%
・0.001〜0.10%
・0.001〜0.08%
・0.001〜0.04%
・0.01〜0.04%。
選択的には合金中にまた、0.0〜0.60%のタンタルが含まれていてよい:
・0.001〜0.60%
・0.001〜0.40%
・0.001〜0.20%
・0.001〜0.15%
・0.001〜0.10%
・0.001〜0.08%
・0.001〜0.04%
・0.01〜0.04%。
最後に、不純物としてさらに、元素の鉛、亜鉛、及びスズが、以下のような含分で存在していてよい:
・Pb 最大0.002%
・Zn 最大0.002%
・Sn 最大0.002%。
本発明による合金は好ましくは、真空誘導溶解炉(VIM)で溶融させるが、また開放系で溶融させることもできる(これにVOD(真空酸素脱炭)又はVLF(真空取鍋精錬炉)装置での処理が続く)。ブロックに、又は任意でストランド鋳造物として鋳造した後、合金を任意で600℃〜1100℃の温度で0.1〜100時間、任意で保護ガス(例えばアルゴン、又は水素)下で焼鈍し、空気中での又は運動する焼鈍雰囲気による冷却が続く。その後、VAR(真空アーク再溶融)又はESU(エレクトロスラグ再溶融)による再溶融、任意で、VAR又はESUによる2回目の再溶融工程が続いてよい。その後、ブロックを、任意で900℃〜1270℃の温度で0.1〜70時間焼鈍し、その後、熱間成形させ、任意で、900℃〜1270℃で、0.05時間〜70時間の中間焼鈍を1回以上、行う。熱間成形は例えば、鍛造、又は熱間圧延で行うことができる。材料の表面は、工程全体において、任意で(複数回でも)合間に、及び/又は最後に、清掃のために化学的に(例えば酸洗いにより)、及び/又は機械的に(例えば切削、ブラスト処理、又は研削により)除去することができる。熱間成形工程の管理は、半製品がその後、粒度5〜100μm、好ましくは5〜40μmで既に再結晶して存在するように行うことができる。任意で、その後、700℃〜1270℃の温度範囲で0.1分〜70時間にわたって、任意で保護ガス(例えばアルゴン又は水素)下で溶体化処理を行ってよく、これに空気中、運動する焼鈍雰囲気中、又は水浴での冷却が続く。熱間成形の後、任意で冷間成形(例えば圧延、引抜き、ハンマー加工、圧印加工、プレス加工)を、最大98%の成形度で行い、所望の半製品形にしてよく、任意で、700℃〜1270℃での0.1分〜70時間にわたる任意で保護ガス(例えばアルゴン又は水素)下での中間焼鈍を伴い、これに空気中、運動する焼鈍雰囲気中、又は水浴による冷却が続く。任意で、冷間成形工程の合間に、及び/又は最後の焼鈍の後、材料表面について化学的及び/又は機械的な(例えばブラスト処理、研削、旋削、削り取り、ブラッシング)清浄化を行うことができる。
本発明による合金、及び/又はこの合金から作製された部材は、600〜900℃で0.1〜300時間の硬化焼鈍、続いて空気冷却及び/又は炉の冷却によって、最終的な特性を達成する。このような硬化焼鈍によって、本発明による合金は、微細に分布したγ’相の析出により硬化する。或いはまた、二段階の焼鈍を行うこともでき、第一の焼鈍は800℃〜900℃の範囲で0.1〜300時間行い、これに空気冷却、及び/又は炉の冷却が続き、そして600℃〜800℃で0.1〜300時間にわたる第二の焼鈍と、空気冷却が続く。
本発明による合金は、帯状物、板状物、棒状物、線状物、長手溶接管、及びシームレス管といった製品形態へと良好に製造でき、かつ使用できる。
これらの製品形態は、平均粒度3μm〜600μmで製造される。好ましい範囲は、5μm〜70μm、特に5〜40μmである。
本発明による合金は、鍛造、据込み、熱間押出し、熱間圧延、及び類するプロセスによって良好に加工できる。これらの方法によって特に、部材、例えばバルブ、中空バルブ、及び/又はボルトを作製することができる。
本発明による合金は好ましくは、バルブ、特に燃焼機関の排気バルブの領域で使用するのが望ましい。しかしながらまた、ガスタービンの部材でも、固定ボルトとして、ばねにおいて、またターボチャージャーにおいて使用できる。
本発明による合金から製造された部材、特に例えばバルブ、及び/又は弁座面はさらなる表面処理(例えば窒化)にかけて、耐摩耗性をさらに向上させることができる。
実施試験:
耐摩耗性を測定するために、振動式の乾式滑り摩耗試験を、ピンオンディスク式試験スタンド(Optimol SRV IV Tribometer)で行った。鏡のように磨かれた半球状のピンの半径は、5mmであった。このピンは、試験すべき材料から作製した。このディスクは、共晶炭化物網目構造の内部に二次炭化物を有する焼き戻されたマルテンサイトマトリックスを有する鋳鉄から成り、組成は以下の通りである:C≒1.5%、Cr≒6%、S≒0.1%、Mn≒1%、Mo≒9%、Si≒1.5%、V≒3%、残分はFe。この試験は、20Nの負荷のもと、1mmの滑り距離、振動数20Hz、空気中の水分約45%で様々な温度において行った。
トライボメータと試験手順の詳細は、C. Rynio, H. Hattendorf, J. Kloewer, H.-G. Luedecke, G. Eggeler, Mat.-wiss. u. Werkstofftech. 44 (2013), 825に記載されている。試験の間、摩擦係数、ディスク方向へのピンの直線移動(ピンとディスクの全体線摩耗に対する基準として)、及びピンとディスクとの間の電気的な接触抵抗を連続的に測定した。以下で(a)及び/又は(n)と呼ぶ2つの異なる力測定モジュールで測定した。これらは定量的にやや異なる結果をもたらすが、定性的には似たものである。力測定モジュール(n)は、より正確である。試験終了後、ピンの損失体積を測定し、ピン材料の耐摩耗性に対する評価の基準として利用する。
耐熱性は、DIN EN ISO 6892-2による加熱引張試験で測定した。ここで耐力Rp0.2、及び引張強度Rmを測定した:この試験は、測定領域において直径6mm、当初測定長さL0が30mmの円形試料で行った。試料採取は、半製品の変形方向に対して横方向で行った。変形速度は、Rp0.2で8.33 10-51/s(0.5%/分)、及びRmで8.33 10-41/s(5%/分)であった。
この試料は、室温で引張試験機に取り付け、引張力による負荷をかけることなく、所望の温度に加熱した。試験温度に達した後、負荷をかけていない試料を1時間(600℃)、及び/又は2時間(700℃〜1100℃)で、温度補償のために維持した。その後、所望のひずみ速度が保たれるよう、試料に引張力をかけて、試験を開始した。
材料の耐クリープ性は、耐熱性が増加するとともに改善する。このため、耐熱性はまた、様々な材料の耐クリープ性を評価するためにも利用される。
より高温下での耐腐食性は、空気中で800℃での酸化試験において測定し、ここでこの試験は96時間ごとに中断し、酸化による試料の質量変化を測定した。試料は試験の際に、セラミック製るつぼ内に置き、これによって場合により剥離した酸化物が捕集され、酸化物を含むるつぼを秤量することによって、剥離した酸化物の質量を測定することができる。剥離した酸化物の質量と、試料の質量変化の合計が、試料の全体質量変化である。比質量変化は、試料の表面積に対する質量変化である。これらは以下で、比正味質量変化をmNettoと、比全体質量変化をmBruttoと、剥離した酸化物の比質量変化をmspallと呼ぶ。この試験は、厚さ約5mmの試料で行った。各装入物ごとに3つの試料を時効処理したのだが、記載された値は、これら3つの試料の平均値である。
平衡状態で現れる相は、様々な種類の合金について、JMatProというThermotech社製のプログラムで算出した。算出のためのデータベースとしては、Thermotech社製のニッケル基合金用データバンクTTNI7を使用した。これにより、使用領域で形成されると材料を脆化する相が同定できる。さらに、例えば熱間成形を行うべきではない温度範囲が同定できる。それと言うのもそこでは、材料を著しく加工硬化し、ひいては熱間成形の際に亀裂形成につながる相が形成されるからである。良好な加工性のためには特に熱間成形(例えば熱間圧延、鍛造、据込み、熱間押出し、及び類するプロセス)の場合、このような相が形成されない充分に大きな温度範囲を利用しなければならない。
特性の説明
本発明による合金は、課題の設定に従って、以下の特性を有するのが望ましい:
・NiCr20TiAlよりも良好な耐摩耗性、
・NiCr20TiAlよりも良好な耐腐食性、
・NiCr20TiAlに似た良好な耐熱性/耐クリープ性、
・NiCr20TiAlに似た良好な加工性。
耐摩耗性
新規の材料は、参照用合金のNiCr20TiAlよりも良好な耐摩耗性を有するのが望ましい。この材料に加えて、比較のために、Stellite 6も試験した。Stellite 6は、耐摩耗性が高いコバルト基鋳造合金であり、炭化タングステンから成る網目構造を有し、Cr約28%、Si1%、Fe2%、W6%、C1.2%、残分はCoから成るものであるが、その炭化物含分が高いことによって直接所望の形状へと鋳造しなければならない。Stellite 6は、炭化タングステンの網目構造に基づき硬度が438 HV30と非常に高く、このことが、摩耗にとって非常に有利である。本発明による合金「E」は、Stellite 6の損失体積にできるだけ近いのが望ましい。この目的は特に、600〜800℃での高温摩耗を減少させることであり、これは、例えば排気バルブとしての適用に関連する温度範囲である。このため特に、本発明による合金「E」について以下の基準が当てはまるのが望ましい。
600℃又は800℃での、損失体積の平均値(合金「E」)≦0.5×損失体積の平均値(参照用のNiCr20TiAl) (4a)。
摩耗の「低温領域」では、損失体積が不均衡に上昇してはならない。このため、さらに以下の基準が当てはまるのが望ましい。
25℃、及び300℃での、損失体積の平均値(合金「E」)≦1.3%×損失体積の平均値(参照用のNiCr20TiAl) (4b)。
一連の測定において、またNiCr20TiAlの損失体積が、大規模工業的な装入物、及び参照用の実験室用装入物について存在する場合、これら2つの装入物の平均値を、不等式(4a)及び/又は(4b)に入力する。
耐熱性/耐クリープ性
表3は、500℃〜800℃の温度で硬化させた状態のNiCr20TiAlについて0.2%耐力の分布帯域の下端(Streuband)を示し、表2は、引張強度の分布帯域の下端を示す。
本発明による合金の0.2%耐力は、充分な強度を得るためには、600℃について、少なくともこの値の範囲にあるのが望ましく、及び/又は800℃でこの値の範囲より、50MPaを超えて下回らないのが望ましい。すなわち、特に以下の値が達成されるのが望ましい:
600℃:耐力Rp0.2≧650MPa (5a)
800℃:耐力Rp0.2≧390MPa (5b)。
これらの不等式(5a)及び(5b)は特に、Ti、Al、Fe、Co、Cr、及びCの間に以下の関係式が満たされる場合に達成される:
fh≧0 (2a)
ただし、fh=6.49+3.88Ti+1.36Al−0.301Fe+(0.759−0.0209Co)Co−0.428Cr−28.2C (2)
ここでTi、Al、Fe、Co、Cr、及びCは、該当する元素の質量%濃度であり、fhは%で記載されている。
耐腐食性:
本発明による合金は、NiCr20TiAlに似た、空気中の耐腐食性を有するのが望ましい。
加工性
ニッケル・クロム・鉄・チタン・アルミニウム合金の場合、500〜900℃の範囲における耐熱性及び/又は耐クリープ性は、アルミニウム、チタン、及び/又はニオブの添加に基づいており、これらは、γ’相及び/又はγ’’相の析出につながる。これらの合金の熱間成形を、これらの相の析出領域で行う場合、亀裂が形成される危険性がある。つまり熱間成形は好ましくは、この相のソルバス温度Tsγ’(及び/又はTsγ’’)を上回り行うべきである。よって、熱間成形のために充分な温度範囲が利用可能であるためには、ソルバス温度Tsγ’(及び/又はTsγ’’)が1020℃未満であるべきである。
これは特に、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ti、Al、及びNbの間に以下の関係式が満たされる場合に満たされる:
fver≦7 (3a)
ただし、fver=32.77+0.5932Cr+0.3642Mo+0.513W+(0.3123−0.0076Fe)Fe+(0.3351−0.003745Co−0.0109Fe)Co+40.67Ti×Al+33.28Al2−13.6TiAl2−22.99Ti−92.7Al+2.94Nb (3)
ここでCr、Mo、W、Fe、Co、Ti、Al、及びNbは、該当する元素の質量%濃度であり、fverは%で記載されている。
実施例
製造:
表5a及び5bには、実験室レベルで溶融した装入物の分析が、比較のために引き合いに出された従来技術により大規模工業的に溶融した幾つかの装入物(NiCr20TiAl)とともに、示されている。従来技術による装入物は、Tで表され、本発明によるものはEで表される。実験室レベルで溶融した装入物は、Lで示され、大規模工業的に溶融した装入物はGで表される。装入物250212はNiCr20TiAlであるが、実験室用装入物として溶融させたものを参照として用いる。
実験室レベルで真空溶融した合金のブロック(表5a及びbに記載)を、1100℃〜1250℃で、0.1〜70時間焼鈍し、熱間圧延と、さらに1100℃〜1250℃で0.1〜1時間の中間焼鈍によって、最終厚さ13mm、又は6mmに熱間圧延した。熱間圧延における温度管理は、プレートが再結晶するように行った。このプレートから、測定に必要な試料を作成した。
大規模工業的に溶融した比較装入物は、VIMで溶融し、鋳造してブロックにした。これらのブロックは、ESUで再溶融した。これらのブロックは1100℃〜1250℃の温度で0.1分〜70時間、任意で保護ガス(例えばアルゴン又は水素)下、続いて空気中で冷却し、運動する焼鈍雰囲気、又は水浴中で焼鈍し、熱間圧延、及び1100℃〜1250℃で0.1〜20時間のさらなる中間焼鈍により、17〜40mmという最終直径に熱間圧延した。熱間圧延における温度管理は、プレートが再結晶するように行った。
全ての種類の合金は通常、粒度が21〜52μmであった(表6参照)。
試料の作製後、これを850℃で4時間の焼鈍/空気冷却、続いて700℃で16時間の焼鈍/空気冷却により硬化させた。
表6は、硬化焼鈍の前と後のビッカース硬度HV30を示す。硬化した状態での硬度HV30は、装入物250330を除く全ての合金について、366〜416の範囲に存在する。装入物250330は、硬度HV30が346とやや低い。
表5a及び5bにおける例示的な装入物については、以下の特性を比較する:
・滑り摩耗試験による耐摩耗性
・酸化試験による耐腐食性
・熱引張試験による耐熱性/耐クリープ性
・相算出による加工性。
耐摩耗性
耐摩耗試験は、25℃、300℃、600℃、及び800℃で、従来技術による合金を用いて、また様々な実験室溶融物で実施した。たいていの試験は、複数回繰り返した。それから平均値、及び標準偏差を求めた。
表7には、実施した測定の平均値±標準偏差が記載されている。標準偏差が記載されていない場合、これは個別の値である。装入物の組成は、表7において合金の縦列に概観的におおまかに記載されている。加えて最後の行には、600℃及び/又は800℃についての不等式(4a)、及び25℃及び300℃についての(4b)からの、本発明による合金の損失体積についての最大値が記入されている。
図1は、従来技術によるNiCr20TiAlの装入物320776のピンの損失体積を、20N、滑り距離1mm、20Hzで、力測定モジュール(a)により測定した試験温度の関係性として示す。25℃及び300℃での試験は1時間行い、600℃及び800℃での試験は10時間行った。損失体積は、600℃まで温度とともに著しく減少する。すなわち、耐摩耗性は、より高温下で顕著に改善される。600℃、及び800℃での高温範囲では、比較的損失体積が少なく、よって摩耗が少ないが、これは、ピンとディスクとの間にいわゆる「グレーズ(Glaze)」層が形成されることに基づく。この「グレーズ」層は、圧密化した金属酸化物と、ピン及びディスクの材料とから成る。時間が十分の一の短さであるにも拘わらず、25℃、及び300℃で損失体積が比較的高いのは、「グレーズ」層がこれらの温度では完全には形成され得ないことに基づく。800℃において損失体積は、酸化が増えるため、再度やや上昇する。
図2は、従来技術によるNiCr20TiAlの装入物320776のピンの損失体積を、20N、滑り距離1mm、20Hzで、力測定モジュール(n)により測定した試験温度の関係性として示す。NiCr20TiAlについて、装入物320776は定性的に、力モジュール(a)によるものと同様に同じ挙動を示す:損失体積は、600℃まで温度とともに著しく減少し、ここで600℃及び800℃における値は、力測定モジュール(a)で測定した値よりもはるかに小さい。加えて図2には、Stellite 6で測定した値もともに記入されている。Stellite 6は300℃を除く全ての温度で、比較用合金のNiCr20TiAl、装入物320776よりも良好な耐摩耗性(=より少ない損失体積)を示す。
600℃及び800℃における損失体積は非常に僅かであり、このため様々な合金の間の相違は、もはや確実には測定できない。そこで、高温範囲でもやや大きな摩耗を生じさせるため、20N、2時間+100N、5時間、滑り距離1mm、20Hzで、力測定モジュール(n)による800℃での試験も行った。その結果が図3に、20N、滑り距離1mm、20Hz、及び力測定モジュール(n)とともに、様々な温度で測定した損失体積でグラフ化されている。摩耗の高温範囲における損失体積は、明らかに高まっている。
様々な合金の比較は、様々な温度で行った。図4〜8では、実験室用装入物にLという記号が付されている。大規模工業的な装入物の320776と異なる極めて重要な変更点は、これらの図中では、実験室用装入物の番号に加え、元素と丸めた値とともに記載されていることである。正確な値は、表5a、及び5bに記載されている。本文中では、丸めた値を用いる。
図4は、様々な実験室用装入物についてピンの損失体積を、25℃で1時間後に測定したNiCr20TiAl、装入物320776、及びStellite 6(20N、滑り距離1mm、20Hz、力測定モジュール(a)及び(n)で測定)との比較で示す。力測定モジュール(n)による値は、力測定モジュール(a)で測定した値よりも、体系的に低かった。これを考慮すると、NiCr20TiAlは、実験室用装入物250212よりも、また大規模工業的な装入物320776よりも、測定精度の範囲において類似の損失体積を有していたことが見て取れる。つまり実験室用装入物は、摩耗測定に関して、大規模工業的な装入物と直接比較することができる。Feを約6.5%有する装入物250325は、25℃で、2つの力測定モジュールについての(4b)からの最大値よりも小さい損失体積を示す(表7参照)。Feを11%有する装入物250206の損失体積は傾向として、装入物320776の上部分布範囲にあるが、その平均値は、(4a)からの最大値よりも小さい。Feを29%有する装入物250327は、力測定モジュール(n)による測定の際に損失体積がやや高いが、その平均値はここでも、2つの力測定モジュールについて(4b)からの最大値よりも小さい。これに対して、Co含有実験室用装入物は損失体積が、減少する傾向があり、装入物250209(Co9.8%)で、力測定モジュール(n)により1.04±0.01mm3と、装入物320776の分布範囲辛うじて外れる。装入物250229(Co30%)では0.79±0.06mm3と、損失体積の明らかな減少が認められ、この損失体積は、装入物250330でFeを10%添加すると0.93±0.02mm3に、再度やや増加する。本発明による装入物250326においてCr含分を30%に増加させることで、20%の装入物320776と比較して、体積摩耗性が1.41±0.18mm3へと増大したが(力測定モジュール(n))、しかしながらこれはまた、(4a)からの最大値を下回っていた。不等式(4a)は、この測定について、両方の力測定モジュールにより満たされていた。
図5は、様々な炭素含分を有する合金についてピンの損失体積を25℃で、20N、滑り距離1mm、20Hz、力測定モジュール(a)によって10時間後に測定し、NiCr20TiAlの装入物320776との比較で示す。装入物250211で炭素含分を0.01%に低下させることによっても、また装入物250214で0.211%に向上させても、装入物320776と比べて、損失体積の変化は、示されなかった。
図6は、様々な合金についてピンの損失体積を、300℃、20N、滑り距離1mm、20Hzで、力測定モジュール(a)及び(n)で1時間後に測定し、NiCr20TiAlの装入物320776との比較で示す。力測定モジュール(n)による値は、力測定モジュール(a)で測定した値よりも、体系的に低かった。以下、これを考慮すると、300℃でStellite 6は、装入物320776よりも悪かったことが分かる。Co含有実験室用溶融物250329、及び250330は、室温の時のように摩耗体積の低下を示さず、これはNiCr20TiAl、装入物320776の摩耗体積の範囲にあり、Stellite 6の場合のように増加しなかった。3つのCo含有装入物250209、250329、及び250330の損失体積は全て、基準(4b)からの最大値を明らかに下回っていた。室温での挙動とは異なり、Fe含有実験室用溶融物の250206及び250327は、Fe含分が増大するに伴い、損失体積が減少し、これにより最大値(4b)を下回っていた。Cr含分が30%の本発明による実験室用装入物250326は、損失体積が装入物のNiCr20TiAlである320776の範囲にあり、これにより最大値(4b)を下回っていた。
図7は、様々な合金についてピンの損失体積を、600℃、20N、滑り距離1mm、20Hzで、力測定モジュール(a)及び(n)、10時間後に測定し、NiCr20TiAlの装入物320776との比較で示す。力測定モジュール(n)による値は、力測定モジュール(a)で測定した値よりも、体系的に低かった。摩耗の高温範囲でも、参照用の実験室用装入物250212は、NiCr20TiAlに対して0.066±0.02mm3と、大規模工業的な装入物320776の0.053±0.0028mm3と同等の損失体積を有していたことが分かる。つまり実験室用装入物は、摩耗測定に関して、この温度範囲でも、大規模工業的な装入物と直接比較することができる。Stellite 6は、0.009±0.002mm3という1/3に減少した損失体積(力測定モジュール(n))を示した。さらに、装入物250211で炭素含分を0.01%に低下させることによっても、また装入物250214で0.211%に向上させても、装入物320776、及び250212と比べて、損失体積の変化は、示されなかった(力測定モジュール(a))。装入物250208で1.4%のマンガン、及び/又は装入物250210でタングステンを4.6%添加した場合も、装入物320776及び250212と比べて損失体積において、著しい変化にはつながらなかった。鉄を11%有する装入物250206は、0.025±0.003mm3と、装入物320776、及び250212と比較して、損失体積が0.025±0.003mm3へと、明らかに減少し、これは(4a)からの最大値よりも小さかった。Feを29%有する装入物250327は、損失体積が0.05mm3と、装入物320776、及び250212と同等であった。Coを9.8%有する実験室用装入物250209は、損失体積が0.0642mm3と、装入物320776、及び250212と同等であった。Coを30%有する実験室用装入物250329、及びCoを29%、Feを10%有する250330は、損失体積が0.020、及び/又は0.029mm3と、装入物320776、及び250212よりも明らかに低く、これは(4a)からの最大値よりも小さかった。本発明による装入物250326の損失体積は、Cr含分を30%に高めることによって、0.026mm3という類似の低い値に低下し、これは(4a)からの最大値よりも小さかった。
図8は、NiCr20TiAlの装入物320776と比較して様々な合金についてのピンの損失体積(800℃、20N、2時間、続いて100N、3時間、滑り距離は全て1mm、20Hz、及び力測定モジュール(n)で測定)を示す。800℃でも、摩耗の高温範囲で、参照用の実験室用装入物250212は、NiCr20TiAlに対して0.292±0.016mm3と、大規模工業的な装入物320776の0.331±0.081mm3と同等の損失体積を有していたことが分かる。つまり実験室用装入物は、摩耗測定に関して、800℃でも大規模工業的な装入物と直接比較することができる。鉄を6.5%有する装入物250325は、0.136±0.025mm3と、装入物320776、及び250212と比較して、0.156mm3という(4a)からの最大値を下回ることが示された。鉄を11%有する装入物250206では、0.057±0.007mm3と、装入物320776と比較して、損失体積がさらに減少することが示された。Feを29%有する装入物250327は、損失体積が0.043±0.02mm3であった。これは、二倍の値であり、(4a)からの0.156mm3という最大値を明らかに下回る。Coを9.8%有する実験室用装入物250209でもまた、0.144±0.012mm3という、鉄を6.5%有する実験室用装入物250325と似た値(不等式(4a)からの0.156mm3という最大値を下回る)へと低下していた。Coを30%有する実験室用装入物250329は、損失体積を0.061±0.005mm3へとさらに減少させることが示された。Coを29%、及びFeを10%有する実験室用装入物250330は、Feの添加により再度、損失体積が0.021±0.001mm3と低下した。本発明による装入物250326について、Cr含分を30%に高めると、損失体積は0.042±0.011mm3という低い値に低下し、これは不等式(4a)からの0.156mm3という最大値を明らかに下回っていた。
特に800℃で測定した値により、摩耗試験におけるピンの損失体積が、本発明による合金では、25〜35%というCr含分によって著しく低下可能なことが分かった。よって、Crを30%有する本発明による装入物250326は800℃で、損失体積が0.042±0.011mm3と低下し、600℃でも0.026mm3へと低下した。これらはともに、NiCr20TiAlの損失体積の50%以下である((4a)からの各最大値)。300℃では損失体積が0.2588mm3と、同様に(4b)からの最大値を下回り、同様に25℃でも、1.41±0.018mm3である(力測定モジュール(n))。よって、25〜35%というクロム含分は、高温下での摩耗について、特に有利である。
Coを10%有する実験室用装入物250209の場合、800℃での損失体積は、(4a)からの最大値を下回る0.144±0.012mm3に減少した。25℃、300℃、及び600℃では、摩耗の増大は示されなかった。Coを30%有する実験室用装入物250329の場合、800℃での損失体積はここでも明らかに、(4a)からの最大値を下回る0.061±0.005mm3に減少した。同様に、600℃で(4a)からの最大値を下回る0.020mm3へと減少することが示された。25℃において、Coを30%有する実験室用装入物250329は、力測定モジュール(n)により、0.93±0.02mm3への減少を示した。300℃でさえ、この実験室用装入物は、0.244mm3と、参照用の装入物320776、及び250212と類似の摩耗性を示し、これはこの温度で明らかに、参照用装入物の320776、及び250212よりも高い損失体積を示したコバルト基合金のStellite 6とは対照的である。よってCo含有実験室用装入物は、不等式(4a)を満たす。このため、選択的に、Coを添加することが有利である。コスト的な観点から、コバルトの選択的な含分は、0〜15%の値に限定するのが有利である。
実験室用装入物の250330では、Co29%のものにさらに鉄を10%添加することにより、800℃における摩耗を0.021±0.001mm3に低下させることができた。よって、鉄の選択的な含分は、0〜20%であるのが有利である。
800℃において測定した損失体積では、実験室用装入物の250325(Fe6.5%)、250206(Fe11%)、及び250327(Fe29%)により、摩耗試験におけるピンの損失体積が、Fe含分により著しく低下可能なことが分かり、よってこの損失体積は、両方の温度のいずれかで、NiCr20TiAlの損失体積の50%以下(4a)であり、ここで最初の%が特に効果的である。25℃、及び300℃でも、Fe含分を有する合金により、不等式(4b)は満たされる。特に300℃では、合金はそれどころか30%超、損失体積が低下した。よって、鉄の選択的な含分は、0〜20%が有利である。鉄含分はまた、この合金について金属的なコストも低減させる。
図9では、表7からの様々な合金についてのピンの損失体積(800℃、20N、2時間、続いて100Nで3時間、全て、滑り距離は1mm、20Hzで、力測定モジュール(n)により測定)が、式(1)からのCr+Fe+Coという合計とともに、非常に良好な耐摩耗性のためにプロットされている。800℃での損失体積は、Cr+Fe+Coの合計が大きいほど小さくなっており、またその逆も言える。式Cr+Fe+Co≧26%であれば、本発明による合金において非常に良好な耐摩耗性の基準となる。
従来技術によるNiCr20TiAl合金である320776、及び250212は、Cr+Fe+Coの合計が、20.3%及び/又は20.2%であり、ともに26%未満であり、非常に良好な耐摩耗性のための基準(4a)及び(4b)を満たすが、特に、良好な高温耐摩耗性のための基準(4a)は満たさない。装入物250211、250214、250208、及び250210もまた、特に、良好な高温耐摩耗性のための基準(4a)を満たさず、Cr+Fe+Coの合計は、20.4%、20.2%、20.3%、及び/又は20.3%であり、これらは全て26%未満である。Fe、及びCoが添加された、かつ/又はCr含分を高めた装入物250325、250206、250327、250209、250329、250330、及び250326、特に、本発明による装入物250206は、800℃で基準(4a)を満たし、一部ではそれどころかさらに、600℃でも満たし、Cr+Fe+Coの合計は、26.4%、30.5%、48.6%、29.6%、50.0%、59.3%、及び/又は30.3%であり、全て26%超である。よってこれらは、非常に良好な耐摩耗性についての等式(1)を満たした。
耐熱性/耐クリープ性
表8には、耐力Rp0.2、及び引張強度Rmが、室温(RT)、600℃、及び800℃について、記入されている。さらに、測定した粒度、及びfhの値が記入されている。さらに最後の行には、不等式(5a)及び(5b)からの最小値が記入されている。
図10は、600℃についての耐力Rp0.2及び引張強度Rmを示し、図11は、800℃についてのものを示す。大規模工業的に溶融した装入物の321863、321426、及び315828装入物は、600℃での耐力Rp0.2について、841〜885MPaの値、及び800℃では472〜481MPaの値を有していた。参照用の実験室用装入物250212は、大規模工業的な装入物と同様の分析により、アルミニウム含分が1.75%とやや高く、これにより600℃で866MPa、また800℃で491MPaと、耐力Rp0.2がやや大きくなった。
表8に示したように600℃では、耐力Rp0.2が、全ての実験室用装入物(L)について、つまり本発明による装入物(E)についても、また全ての大規模工業的な装入物(G)についても、650MPa超であり、すなわち、基準(5a)は満たされていた。
表8に示したように800℃では、耐力Rp0.2が、全ての実験室用装入物(L)について、つまり本発明による装入物(E)についても、また全ての大規模工業的な装入物(G)についても、390MPa超であり、すなわち不等式(5b)は満たされていた。
一定の鉄割合は、合金中においてコスト的な理由から、有利であり得る。Feを29%有する装入物250327は、不等式(5b)のみを辛うじて満たすに過ぎない。それと言うのも、実験室用装入物250212(参照用、Feを3%未満含有する大規模工業的な装入物に類似)、及び/又は大規模工業的な装入物、また本発明による装入物の250325(Fe6.5%)、250206(Fe11%)、及び250327(Fe29%)で観察されたように、Feの合金含分が増加するにつれて、引張試験において耐力Rp0.2が低下していくことが分かるからである(図11も参照)。このため、選択的なFe20%という合金含分は、本発明による合金について上限と考えられる。
実験室用装入物250212(参照用、大規模工業的な装入物に類似、Co添加なし)、及び/又は大規模工業的な装入物、及び装入物の250209(Co9.8%)、及び250329(Co30%)が示したように、9.8%というCo含分が、800℃での引張試験における耐力Rp0.2を526MPaに高め、さらにCoを30%に高めることにより、再度489MPへとやや低下した(図11も参照)。ここでは、基準(5b)のみが満たされるだけではなく、特に高い耐熱性/耐クリープ性についての基準(5c)も満たされる。本発明による合金においてCo0%〜15%という選択的な合金含分は、特に同時にFeを添加する場合、800℃で390MPa超という耐力Rp0.2(5b)を得るためには有利である。
本発明による実験室用装入物250326は、Cr30%を添加した場合に、耐力Rp0.2が800℃での引張試験において415MPaに減少し、これはまだ、390MPaという最小値を明らかに超えていたことが分かった。このため、Cr35%という合金含分は、本発明による合金について上限と考えられる。
図12には、耐力Rp0.2、並びに良好な耐熱性及び/又は耐クリープ性のために式(2)から算出されるfhが、800℃での表8からの様々な合金についてグラフ化されている。測定精度の範囲においてfhは、800℃での耐力と同様に上昇し、低下することが明らかに見て取れる。よってfhは、800℃における耐力Rp0.2を記載する。0以上のfhが、充分な耐熱性及び/又は耐クリープ性を得るために必要であり、これは例えば特にRp0.2=391MPa(390MPaよりもかろうじて大きな値)の装入物250327によって分かる。この装入物はfh=0.23%で、同様に最小値0%よりもかろうじて大きな値を有する。本発明による合金の250206は、fh≧3%(2c)であり、同時に不等式(5b)を満たす。
耐腐食性:
表9は、800℃で、空気中で96時間のサイクル6回、つまり合計576時間後の酸化試験後の比質量変化を示す。表9に記載されているのは、576時間後に剥離した酸化物の比全体質量変化、比正味質量変化、及び比質量変化である。従来技術のNiCr20TiAlによる合金の例示的な装入物、装入物321426、及び250212は、比全体質量変化が9.69及び/又は10.84g/m2であり、比正味質量変化が、7.81及び/又は10.54g/m2であった。装入物321426は、僅かな剥離を示した。Cr含分が30%に高められた本発明による装入物250326は、比全体質量変化が6.74g/m2であり、比正味質量変化が6.84g/m2であり、NiCr20TiAl参照用合金の範囲を下回っていた。Cr含分を高めることにより、耐腐食性が改善される。よって、25〜35%というCr含分が、本発明による合金の耐酸化性にとって、有利である。
装入物250325(Fe6.5%)、250206(Fe11%)、及び250327(Fe29%)は、比全体質量変化が9.26〜10.92g/m2であり、比正味質量変化が9.05〜10.61g/m2であり、NiCr20TiAl参照用合金の範囲にある。よって最大30%というFe含分は、耐酸化性に対して不利には作用しない。Co含有装入物250209(Co9.8%)、及び装入物250329 (Co30%)は、比全体質量変化が、10.05及び/又は9.91g/m2であり、比正味質量変化が、9.81及び/又は9.71g/m2であり、これらは同様に、NiCr20TiAlの参照用合金の範囲にある。比全体質量変化が9.32g/cm2であり、比正味質量変化が8.98g/m2である装入物250330(Co29%、Fe10%)はちょうど同じように挙動する。よって最大30%というCo含分は、同様に耐酸化性に対して不利には作用しない。
表5bに記載の合金全部が反応性元素として、耐腐食性を改善させるために貢献するZrを含有する。選択的に、さらなる反応性元素、例えばY、La、Ce、セリウムミッシュメタル、Hfを添加することができ、これらは同じ様に、その効果を改善させる。
加工性
図13は、JMatProにより算出した、従来技術によるNiCr20TiAl装入物の状態図を示す。959℃のソルバス温度Tsγ’を下回ると、γ’相が例えば600℃では26%の割合で形成される。その場合、状態図は、558℃未満で、最大64%の割合を有するNi2M(M=Cr)の形成を示す。しかしながらこの相は、この材料を用いる場合、実際に生じる使用温度と時間との組み合わせによっては観察されないため、考慮する必要はない。さらに、図13はまた、様々な炭化物及び窒化物の存在領域を示すが、これらがこの濃度で熱間成形を妨げることはない。熱間成形は、ソルバス温度Tsγ’を超えてのみ行うことができ、1310℃の固相線温度を充分に下回る温度範囲が、熱間成形のために利用されるため、1020℃以下であるべきである。
このため表5a及び5bにおける合金のために、状態図を算出し、ソルバス温度Tsγ’を表5aに記入した。表5a、及び5bにおける組成のために、式(3)に従ってfverについての値も算出した。fverは、ソルバス温度Tsγ’が大きければ大きいほど大きくなる。表5aにおける全ての合金(本発明による合金を含む)は、算出したソルバス温度Tsγ’が1020℃以下であり、かつ基準(3a):fver≦7%を満たす。不等式fver≦7%(3a)はすなわち、充分に大きな熱間成形領域、ひいては合金の良好な加工性を得るための、良好な基準である。
本発明による合金「E」について特許請求した限界値は、それぞれ以下のように説明できる:
Cr含分が少なすぎると、合金を使用する際にCr濃度が腐食性雰囲気で非常に速く、臨界限度未満に低下し、このため連続した酸化クロム層がもはや形成され得ないことを意味する。よって、腐食耐性が改善された合金のためには、Cr25%が、クロムについての下限である。Cr含分が高すぎると、ソルバス温度Tsγ’が高くなり過ぎ、これにより加工性が明らかに悪化する。よって、上限は35%と考えられる。
チタンは、γ’相の形成促進によって900℃までの範囲における温度で高温強度を向上させる。充分な強度を得るためには、少なくとも1.0%が必要である。チタン含分が高すぎると、ソルバス温度Tsγ’が高くなり過ぎ、これにより加工性が明らかに悪化する。よって、上限は3.0%と考えられる。
アルミニウムは、γ’相の形成促進によって900℃までの範囲における温度で高温強度を向上させる。充分な強度を得るためには、少なくとも0.6%が必要である。アルミニウム含分が高すぎると、ソルバス温度Tsγ’が高くなり過ぎ、これにより加工性が明らかに悪化する。よって、上限は2.0%と考えられる。
炭素は、耐クリープ性を改善させる。良好な耐クリープ性のためには、C含分が少なくとも0.005%必要である。炭素は最大0.10%に制限される。それと言うのもこの元素は、この含分から、一次炭化物の過度の形成により、加工性を低下させるためである。
少なくとも0.0005%というNの含分が、コスト的な理由から必要である。Nは、最大0.050%に制限される。それと言うのもこの元素は、粗大な炭窒化物の形成により、加工性を低下させるからである。
リンの含分は、0.030%以下であるべきである。それと言うのもこの界面活性元素は、耐酸化性を損なうからである。リン含分が低すぎると、コストが上昇する。よってリン含分は、0.0005%以上である。
硫黄含分は、できるだけ低く調整すべきである。それと言うのも、この界面活性元素は、耐酸化性、及び加工性を損なうからである。よって、Sは最大0.010%と規定される。
酸素含分は、合金が製造できることを保証するため、0.020%以下でなければならない。
ケイ素含分が高すぎると、加工性を損なう。よってSi含分は、0.70%に制限される。
マンガンは2.0%に制限される。それと言うのもこの元素は、耐酸化性を減少させるからである。
非常に僅かなMg含分及び/又はCa含分だけでも、硫黄の固定によって加工性が改善され、これにより低融点のNiS混晶の出現が回避される。高すぎる含分の場合、金属間Ni−Mg相及び/又はNi−Ca相が生じることがあり、加工性はさらに明らかに悪化する。よってMg含分、及び/又はCa含分は、それぞれ最大0.05%に制限される。
モリブデンは最大2.0%に制限される。それと言うのもこの元素は、耐酸化性を低下させるからである。
タングステンは最大2.0%に制限される。それと言うのもこの元素は、耐酸化性を同様に低下させ、鍛錬用合金においてあり得る炭素含分で、測定可能な有利な作用を耐摩耗性に対して有さないからである。
ニオブは、高温強度を向上させる。比較的高い含分は、コストを著しく上昇させる。よってその上限は、0.5%と規定される。
銅は最大0.5%に制限される。それと言うのもこの元素は、耐酸化性を低下させるからである。
バナジウムは最大0.5%に制限される。それと言うのもこの元素は、耐酸化性を低下させるからである。
鉄は、特に高温範囲において、耐摩耗性を向上させる。鉄はまた、コストも低下させる。よって鉄は選択的に0〜20%、合金中に存在していてよい。鉄含分が高すぎると、特に800℃での耐力が著しく低下する。よって、20%が上限と考えられる。
コバルトは、特に高温範囲において耐摩耗性、及び耐熱性/耐クリープ性を向上させる。よってコバルトは選択的に0〜20%、合金中に存在していてよい。コバルト含分が高すぎると、コストが著しく上昇する。よって、20%が上限と考えられる。
必要に応じて、高温強度、及び耐酸化性を改善させるために、合金はZrを含有することもできる。その上限は、コスト的な理由から、Zr0.20%と設定される。それと言うのも、Zrが希土類元素だからである。
必要に応じて、合金にはホウ素を添加することができる。それと言うのも、ホウ素は耐クリープ性を改善させるからである。よってその含分は、少なくとも0.0001%存在するのが望ましい。同時に、この界面活性元素は、耐酸化性を悪化させる。よって、ホウ素は最大0.008%と規定される。
ニッケルは、オーステナイトマトリックスを安定化させ、そして耐熱性/耐クリープ性に貢献するγ’相を形成するために必要となる。ニッケル含分が35%未満の場合、耐熱性/耐クリープ性は著しく低下するため、35%が下限となる。
Cr、Fe、及びCoの間に以下の関係式が満たされなければならない。これにより、実施例で説明したように、充分な耐摩耗性がもたらされるからである:
Cr+Fe+Co≧26% (1)
ここでCr、Fe、及びCoは、該当する元素の質量%濃度である。
加えて、以下の関係式が満たされなければならない。これにより、より高温下での充分な強度がもたらされるからである:
fh≧0 (2a)
ただし、fh=6.49+3.88Ti+1.36Al−0.301Fe+(0.759−0.0209Co)Co−0.428Cr−28.2C (2)
ここでTi、Al、Fe、Co、Cr、及びCは、該当する元素の質量%濃度であり、fhは%で記載されている。fhについての限界値は、上記本文に詳細に説明された。
必要に応じて、酸素親和性の元素、例えばイットリウム、ランタン、セリウム、ハフニウムを添加することにより、耐酸化性をさらに改善させることができる。これらの元素が酸化層へ一緒に組み込まれ、そこで粒界上で酸素の拡散経路をブロックすることによって、この改善は行われる。
イットリウムの上限は、コスト的な理由から、0.20%と設定される。それと言うのも、イットリウムが希土類元素だからである。
ランタンの上限は、コスト的な理由から、0.20%と設定される。それと言うのも、ランタンが希土類元素だからである。
セリウムの上限は、コスト的な理由から、0.20%と設定される。それと言うのも、セリウムが希土類元素だからである。
Ce及び/又はLaの代わりに、セリウムミッシュメタルを使用することもできる。セリウムミッシュメタルの上限は、コスト的な理由から、0.20%と設定される。
ハフニウムの上限は、コスト的な理由から、0.20%と設定される。それと言うのも、ハフニウムが希土類元素だからである。
必要に応じて、合金はタンタルを含有することもできる。それと言うのも、タンタルもまた、γ’相形成の促進によって、高温強度を上昇させるからである。比較的高い含分は、コストを著しく向上させる。それと言うのも、タンタルは希土類元素だからである。よってその上限は、0.60%と規定される。
Pbは、最大0.002%に制限される。それと言うのもこの元素は、耐酸化性、及び高温強度を低下させるからである。同じことは、Zn、及びSnについても当てはまる。
さらに、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ti、Al、及びNbの間で以下の関係式が満たされなければならない。これにより、充分な加工性がもたらされるからである:
fver≦7 (3a)
ただし、fver=32.77+0.5932Cr+0.3642Mo+0.513W+(0.3123−0.0076Fe)Fe+(0.3351−0.003745Co−0.0109Fe)Co+40.67Ti×Al+33.28Al2−13.6TiAl2−22.99Ti−92.7Al+2.94Nb (3)
ここでCr、Mo、W、Fe、Co、Ti、Al、及びNbは、該当する元素の質量%濃度であり、fverは%で記載されている。fhについての限界値は、上記本文に詳細に説明された。
表1:DIN EN 10090に挙げられた、排気バルブ用ニッケル合金の組成。全ての記載は、質量%。
Figure 0006370392
表2:DIN EN 10090に挙げられた、排気バルブ用ニッケル合金の高温下での引張強度についての参照値(+ATは、溶体化処理:1000〜1080℃ 空気、又は水冷却、+Pは、析出硬化:890〜710/16時間 空気;1)ここに記載した値は、下方分布帯域に近い。
Figure 0006370392
表3:DIN EN 10090に挙げられた、排気バルブ用ニッケル合金の高温下での0.2%耐力についての参照値(+ATは、溶体化処理:1000〜1080℃ 空気、又は水冷却、+Pは、析出硬化:890〜710/16時間 空気;1)ここに記載した値は、下方分布帯域に近い。
Figure 0006370392
表4:DIN EN 10090に挙げられた、排気バルブ用ニッケル合金の高温下で1000時間後のクリープ強度についての参照値(+ATは、溶体化処理:1000〜1080℃ 空気、又は水冷却、+Pは、析出硬化:890〜710/16時間 空気;1)これまで取得された分布領域の平均値
Figure 0006370392
表5a:大規模工業的、及び実験室用装入物の組成、第一部。全ての濃度は質量%(T:従来技術による合金、E:本発明による合金、L:実験室レベルで溶融させたもの、G:大規模工業的に溶融させたもの)
Figure 0006370392
表5b:大規模工業的、及び実験室用装入物の組成、第二部。全ての記載は、質量%。P=0.0002%、Sn<0.01%、Se<0.0003%、Te<0.0001%、Bi<0.00003%、Sb<0.0005%、Ag<0.0001%(T:従来技術による合金、E:本発明による合金、L:実験室レベルで溶融させたもの、G:大規模工業的に溶融させたもの)
Figure 0006370392
表6:粒度測定、及び硬化焼鈍(850℃、4時間/空気冷却に続いて、700℃、16時間の焼鈍/空気冷却)前(HV30_r)、及びその後(HV30_h)の、室温(RT)でのHV30硬度測定の結果、KG=粒度。(T:従来技術による合金、E:本発明による合金、L:実験室レベルで溶融、G:大規模工業的に溶融)。
Figure 0006370392
表7:大規模工業的、及び実験室用装入物の、負荷20N、滑り距離1mm、振動数20Hz、及び空気中の水分は約45%でのピンの摩耗体積(mm3)(T:従来技術による合金、E:本発明による合金、L:実験室レベルで溶融、G:大規模工業的に溶融;(a)第一測定系、(n)第二測定系)。平均値±標準偏差が記載されている。標準偏差が記載されていない場合、これは個別の値である。
Figure 0006370392
表8:室温(RT)、600℃、及び800℃での引張試験の結果。変形速度は、Rp0.2で8.33 10-51/s(0.5%/分)、及びRmで8.33 10-41/s(5%/分)であった;KG=粒度。(T:従来技術による合金、E:本発明による合金、L:実験室レベルで溶融、G:大規模工業的に溶融) *)測定に瑕疵あり
Figure 0006370392
表9:800℃、空気中で576時間後の酸化試験の結果(T:従来技術による合金、E:本発明による合金、L:実験室レベルで溶融、G:大規模工業的に溶融)
Figure 0006370392
従来技術によるNiCr20TiAlの装入物320776のピンの損失体積を、20N、滑り距離1mm、20Hzで、力測定モジュール(a)により測定した試験温度の関係性として示す。25℃及び300℃での試験は1時間行い、600℃及び800℃での試験は10時間行った。 従来技術によるNiCr20TiAlの装入物320776、及び鋳造合金Stellite 6のピンの損失体積を、20N、滑り距離1mm、20Hzで、力測定モジュール(n)により測定した試験温度の関係性として示す。25℃及び300℃での試験は1時間行い、600℃及び800℃での試験は10時間行った。 従来技術によるNiCr20TiAlの装入物320776のピンの損失体積を、20N、滑り距離1mm、20Hzで、力測定モジュール(n)により測定した試験温度の関係性として示す。25℃及び300℃での試験は1時間行い、600℃及び800℃での試験は10時間行った。さらに、20Nで2時間+100N、5時間で800℃での試験を行った。 表7からの様々な合金についてピンの損失体積を、25℃で、20N、滑り距離1mm、20Hzで力測定モジュール(a)及び(n)により1時間後に測定。 表7からの様々な炭素含分を有する合金についてピンの損失体積を、NiCr20TiAlの装入物320776との比較で示し、25℃で、20N、滑り距離1mm、20Hz、力測定モジュール(a)により10時間後に測定。 表7からの様々な合金についてピンの損失体積を、300℃で、20N、滑り距離1mm、20Hzで力測定モジュール(a)及び(n)により1時間後に測定。 表7からの様々な合金についてピンの損失体積を、600℃で、20N、滑り距離1mm、20Hzで力測定モジュール(a)及び(n)により10時間後に測定。 表7からの様々な合金についてのピンの損失体積を、800℃で、20N、2時間、続いて100N、3時間で、滑り距離は全て1mm、20Hzで、力測定モジュール(n)により測定。 表7からの様々な合金についてのピンの損失体積を、800℃で、20N、2時間、続いて100N、3時間で、滑り距離は全て1mm、20Hz、及び力測定モジュール(n)により測定、式(1)からのCr+Fe+Coの合計を伴う。 表8からの合金について、600℃での耐力Rp0.2及び引張強度Rm(L:実験室レベルで溶融、G:大規模工業的に溶融)。 表8からの合金について、800℃での耐力Rp0.2、及び引張強度Rm(L:実験室レベルで溶融、G:大規模工業的に溶融)。 表8からの合金について、800℃での耐力Rp0.2、及び式2により算出したfh(L:実験室レベルで溶融、G:大規模工業的に溶融)。 表からの従来技術による装入物321426の例による、NiCr20TiAlの温度に応じた、熱力学的平衡における相の量割合。

Claims (17)

  1. 耐摩耗性が非常に良好であり、同時に非常に良好な高温腐食耐性、良好な耐クリープ性、及び良好な加工性を有するニッケル・クロム・チタン・アルミニウムの硬化性鍛錬用合金であって、該硬化性鍛錬用合金は質量%で、クロム25%〜35%、チタン1.0〜3.0%、アルミニウム1.2〜2.0%、炭素0.04〜0.08%、窒素0.0005〜0.050%、リン0.0005〜0.030%、硫黄最大0.010%、酸素最大0.020%、ケイ素最大0.10%、マンガン最大2.0%、マグネシウム最大0.05%、カルシウム最大0.05%、モリブデン最大2.0%、タングステン最大2.0%、ニオブ最大0.02%、銅最大0.5%、バナジウム最大0.5%、Fe3.0超〜20%、必要に応じてコバルト0〜15%、必要に応じてZr0〜0.20%、必要に応じてホウ素0.0001〜0.008%を含有し、残分はニッケル、及び方法に起因する通常の不純物であり、
    ここでニッケル含分は35%超であり、ここで良好な耐摩耗性を得るためには、以下の関係式:
    Cr+Fe+Co≧26% (1)
    が満たされなければならず、かつ
    fh≧0 (2a)
    ただし、fh=6.49+3.88Ti+1.36Al−0.301Fe+(0.759−0.0209Co)Co−0.428Cr−28.2C (2)
    が満たされなければならず、これによって高温下での充分な強度がもたらされ、ここでTi、Al、Fe、Co、Cr、及びCは、該当する元素の質量%濃度であり、fhは%で記載されている、前記硬化性鍛錬用合金。
  2. クロム含分が26%〜35%である、請求項1に記載の合金。
  3. クロム含分が27%〜35%である、請求項2に記載の合金。
  4. チタン含分が1.5〜3.0%である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の合金。
  5. コバルト含分を0%超〜12%含有する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の合金。
  6. ホウ素含分が0.0005〜0.006%である、請求項1からまでのいずれか1項に記載の合金。
  7. ニッケル含分が40%超である、請求項1からまでのいずれか1項に記載の合金。
  8. ニッケル含分が45%超である、請求項1からまでのいずれか1項に記載の合金。
  9. ニッケル含分が50%超である、請求項1からまでのいずれか1項に記載の合金。
  10. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の合金であって、
    Cr+Fe+Co≧27% (1a)
    を満たし、ここでCr、Fe、及びCoは、該当する元素の質量%濃度である、前記合金。
  11. 請求項1から10までのいずれか1項に記載の合金であって、
    fh≧1 (2b)
    を満たし、
    ただし、fh=6.49+3.88Ti+1.36Al−0.301Fe+(0.759−0.0209Co)Co−0.428Cr−28.2C (2)
    であり、ここでCr、Fe、Co、及びCは、該当する元素の質量%濃度であり、fhは%で記載されている、前記合金。
  12. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の合金であって、
    選択的に、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ti、Al、及びNbの間に以下の関係式が満たされ、これによって充分な加工性がもたらされる:
    fver≦7 (3a)
    ただし、fver=32.77+0.5932Cr+0.3642Mo+0.513W+(0.3123−0.0076Fe)Fe+(0.3351−0.003745Co−0.0109Fe)Co+40.67Ti×Al+33.28Al2−13.6TiAl2−22.99Ti−92.7Al+2.94Nb (3)
    ここでCr、Mo、W、Fe、Co、Ti、Al、及びNbは該当する元素の質量%濃度であり、fverは%で記載されている、前記合金。
  13. 請求項1から12までのいずれか1項に記載の合金であって、
    任意でさらに以下の元素:
    Y 0〜0.20%、及び/又は
    La 0〜0.20%、及び/又は
    Ce 0〜0.20%、及び/又は
    セリウムミッシュメタル 0〜0.20%、及び/又は
    Hf 0〜0.20%、及び/又は
    Ta 0〜0.60%
    が合金中に含有されていてよい、前記合金。
  14. 請求項1から13までのいずれか1項に記載の合金であって、
    不純物は、Pb最大0.002%、Zn最大0.002%、Sn最大0.002%という含分に調整されている、前記合金。
  15. 請求項1から14までのいずれか1項に記載の合金の使用であって、帯状物、板状物、線状物、棒状物、長手溶接管、及びシームレス管としての、前記使用。
  16. 請求項1から14までのいずれか1項に記載の合金の使用または請求項15に記載の使用であって、バルブのための、前記使用。
  17. 請求項1から1までのいずれか1項に記載の合金の使用または請求項15に記載の使用であって、ガスタービンの部材としての、固定ボルトとしての、バネにおける、ターボチャージャーにおける、前記使用。
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