JP6370158B2 - 加熱調理器の操作装置 - Google Patents

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Description

本発明は、調理器本体の前面部に、電装基板を備える板状の運転指令操作部の左右両端から下方に向けて伸びる左右一対の側板部、及び、当該左右の側板部の前縁部を接続する前板部を備える出退式操作枠が、前記左右一対の側板部の下端側部分を中心とした前後揺動により、前記調理器本体の内方に引退する引退位置と前記調理器本体の前方に突出させた突出位置とに切換え操作自在に設けられた加熱調理器の操作装置に関する。
かかる加熱調理器の操作装置は、運転指令操作部にて加熱調理を行うための種々の指令を行えるようにしたものである。
そして、運転指令操作部を使用しないときには、出退式操作枠を調理器本体の内方に引退する引退位置に切換えておくことにより、調理器本体の外観を美麗にし、しかも、出退式操作枠が調理器本体の前方箇所にて調理作業等を行う作業者の邪魔になることを回避できるものであり、また、運転指令操作部を使用するときには、出退式操作枠を調理器本体の前方に突出する突出位置に切換えることにより、運転指令操作部に対する操作を良好に行えることになる。
このような加熱調理器の操作装置の従来例として、出退式操作枠が、左右一対の側板部の上端同士を接続する形態に形成される板状の上枠部を備え、その上枠部の下面(裏面)に、電装基板をビスにて固定する形態で装着して、上枠部を用いて運転指令操作部を構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1においては、詳細な説明が省略されているが、電装基板には、各種のスイッチ類やランプ類が装備されることになるため、上枠部には、スイッチ類を押し操作するためのスイッチ操作部やランプ類の点灯状態を視認できるようにするための開口部が形成され、そして、上部枠の上面(表面)には、操作内容や表示内容を示す表示シートが貼着されることになる。
ちなみに、特許文献1においては、出退式操作枠の前板部が、左右の側板部及び上枠部とは分割する状態に形成されて、分割形成された前板部が、左右の側板部及び上枠部に連結されるように構成されているが、一般には、前板部が、左右の側板部及び上枠部と一体的に形成されることになる(例えば、特許文献2参照)。
特開2014−35097号公報 特開2007−78295号公報
従来の加熱調理器の操作装置においては、運転指令操作部の動作テストを行う際に、左右の側板部や前板部を備えることにより大型となる出退操作枠を扱う必要があり、運転指令操作部の動作テストが煩雑な作業となるものであった。
すなわち、運転指令操作部については、生産段階において、電装基板に装備した各種のスイッチ類を操作しながら、各種のスイッチ類が適正通り動作することの確認や、電装基板に装備したランプ類が適正通り点灯作動することの確認を行う動作テストを行うことになるが、従来の加熱調理器の操作装置においては、出退式操作枠の上枠部の下面(裏面)に電装基板を装着して運転指令部を構成するものであるため、大型で扱い難い出退式操作枠を扱いながら運転指令操作部の動作テストを行うことになり、運転指令操作部の動作テストが煩雑な作業となる虞があった。
また、従来の加熱調理器の操作装置においては、電装基板が、単に、出退式操作枠の上枠部の下面(裏面)にビスにて固定する形態で装着されるものであるため、電装基板が下方に撓む等の不都合が発生することを回避するには、電装基板を多数のビスにて強固に固定する必要があり、電装基板の装着作業が煩雑になることに起因して、製造コストが上昇するものであった。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、運転指令操作部の動作テスト作業の容易化を図ることができ、しかも、製造コストの低下を図ることができる加熱調理器の操作装置を提供する点にある。
本発明の加熱調理器の操作装置は、調理器本体の前面部に、電装基板を備える板状の運転指令操作部の左右両端から下方に向けて伸びる左右一対の側板部、及び、当該左右の側板部の前縁部を接続する前板部を備える出退式操作枠が、左右一対の前記側板部の下端側部分を中心とした前後揺動により、前記調理器本体の内方に引退する引退位置と前記調理器本体の前方に突出させた突出位置とに切換え操作自在に設けられたものであって、その第1特徴構成は、
前記運転指令操作部が、前記電装基板を操作パネルフレームの背部に組付ける形態に構成され、
前記電装基板を背部に組付けた前記操作パネルフレームが、前記出退式操作枠の上部に装着され、
前記出退式操作枠が、調理器前後方向及び調理器左右方向に沿う姿勢で左右一対の前記側板部及び前板部に接続される補強用板部を、前記運転指令操作部の下方側に位置させる状態で備えるように構成され、
前記補強用板部に、前記電装基板の下面を受止め支持する基板受止部が上方に向けて突出する姿勢で設けられており、
前記補強用板部が、前記出退式操作枠が前記引退位置と前記突出位置との間の揺動範囲のいずれの位置に揺動したときにも、調理器前方側を調理器後方側よりも下方に位置させる前傾斜姿勢で設けられ、
前記基板受止部が、前記補強用板部の上面に沿って液状物が調理器前方側に向けて流動することを許容する形態で形成され、
前記補強用板部における調理器前方側に対応する部分に、前記補強用板部の上面に沿って流動する液状物を下方に排出する前部排出孔が形成されている点にある。
すなわち、運転指令操作部が、電装基板を操作パネルフレームの背部に組付ける形態で構成されて、電装基板を背部に組付けた操作パネルフレームが、出退式操作枠の上部に装着されることになる。
したがって、生産段階において運転指令操作部の動作テストを行う際には、電装基板を背部に組付けた操作パネルフレームを扱いながら、運転指令操作部の動作テストを行うことができるものとなり、電装基板を背部に組付けた操作パネルフレームは、出退式操作枠よりも小型であるが故に、扱いが容易であるため、運転指令操作部の動作テストが容易な作業となる。
また、出退式操作枠に、調理器前後方向及び調理器左右方向に沿う姿勢で左右一対の前記側板部及び前板部に接続される補強用板部を、運転指令操作部の下方側に位置させる状態で備えさせて、出退式操作枠を補強するようにしながら、補強用板部に上方に向けて突出する姿勢で設けられている基板受止部が電装基板の下面を受止め支持する作用にて、電装基板が下方に撓むことを的確に抑制できるため、操作パネルフレームに対する電装基板の装着構成や出退式操作枠に対する操作パネルフレームの装着構成の簡略化により、製造コストの低下を図ることができる。
つまり、基板受止部にて電装基板の下面を受止め支持しない場合には、電装基板が下方に撓むことを抑制するために、電装基板を操作パネルフレームに対して強固に固定する状態で装着し、かつ、操作パネルフレームを出退式操作枠に対して強固に固定する状態で装着する必要があるが、基板受止部にて電装基板の下面を受止め支持するものであるから、操作パネルフレームに対する電装基板の装着構成や出退式操作枠に対する操作パネルフレームの装着構成を簡略化するようにしても、電装基板が下方に撓むことを的確に抑制できるのである。
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、運転指令操作部の動作テスト作業の容易化を図ることができ、しかも、製造コストの低下を図ることができる加熱調理器の操作装置を提供できる。
また、湯水等の液状物が運転指令操作部に降りかかって、液状物が補強用板部の上方箇所に侵入する虞があるが、補強用板部の上方箇所に侵入した液状物が、補強用板部の上面に沿って調理器前方側に流動して、前部排出孔から下方に排出されることになる。
ちなみに、前部排出孔から下方に排出された液状物は、出退式操作枠の前板部の裏面に沿って流下して、出退式操作枠の下方箇所に排出されることになる。
つまり、補強用板部が、出退式操作枠が引退位置と突出位置との間の揺動範囲のいずれの位置に揺動したときにも、調理器前方側を調理器後方側よりも下方に位置させる前傾斜姿勢で設けられ、そして、基板受止部が、補強用板部の上面に沿って液状物が調理器前方側に向けて流動することを許容する形態で形成されているから、補強用板部の上方箇所に侵入した液状物が、補強用板部の上面に沿って調理器前方側に流動することになる。
そして、補強用板部における調理器前方側に対応する部分に、補強用板部の上面に沿って流動する液状物を下方に排出する前部排出孔が形成されているから、補強用板部の上面に沿って調理器前方側に流動する液状物が、前部排出孔から下方に排出されることになるのである。
したがって、補強用板部の上方箇所に液状物が侵入しても、侵入した液状物を適切に排出することができるため、補強用板部の上方箇所に侵入した液状物の湿気により、電装基板が動作不良を起こす等、補強用板部の上方箇所に侵入した液状物のために電装基板が損傷するトラブルの発生を適切に抑制できる。
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、補強用板部の上方箇所に侵入した液状物のために電装基板が損傷するトラブルの発生を適切に抑制できる加熱調理器の操作装置を提供できる。
本発明の加熱調理器の操作装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記操作パネルフレームの背面部に、前記電装基板の上面を受止め支持し且つ前記電装基板の調理器前後方向及び調理器左右方向の移動を規制する状態で前記電装基板を嵌合保持する嵌合保持部、及び、当該嵌合保持部に嵌合された前記電装基板の下面を係止保持する係止保持部が設けられ、
前記係止保持部が、前記電装基板が前記操作パネルフレームに対して接近移動されるに伴って前記電装基板との接当により前記電装基板の通過を許容する姿勢に後退移動しかつ前記電装基板が通過したのちに係止姿勢に弾性復帰する弾性係止片を備える弾性係止式に構成されている点にある。
すなわち、電装基板を、操作パネルフレームの背部に設けた嵌合保持部及び係止保持部にて保持した状態で、操作パネルフレームの背部に装着できる。
嵌合保持部及び係止保持部にて電装基板を保持した状態においては、電装基板の調理器前後方向及び調理器左右方向の移動や、電装基板の操作パネルフレームの厚さ方向(上下方向)の移動が規制されることになる。
そして、係止保持部が、電装基板が操作パネルフレームに対して接近移動されるに伴って電装基板との接当により電装基板の通過を許容する姿勢に後退移動しかつ電装基板が通過したのちに係止姿勢に弾性復帰する弾性係止片を備える弾性係止式に構成されているから、電装基板を操作パネルフレームに対して接近移動させることにより、電装基板を係止保持部にて係止する状態にすることができる。
したがって、電装基板を操作パネルに装着する作業が、電装基板を操作パネルフレームに対して接近移動させることにより、嵌合保持部に嵌合させながら、係止保持部に係止させる作業となるのであり、電装基板を操作パネルに装着する作業の簡略化を図ることができるのである。
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、電装基板を操作パネルに装着する作業の簡略化を図ることができる加熱調理器の操作装置を提供できる。
本発明の加熱調理器の操作装置の第特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記補強用板部の調理器後方側縁部から起立させた補強用後枠部が、左右の前記側板部に接続される状態で設けられ、
前記補強用板部の調理器後方側に対応する部分で且つ調理器後方側縁部よりも調理器前方側に偏った位置に、調理器左右方向に沿う補強用壁部が、前記補強用板部の上面から起立する姿勢でかつ左右の前記側板部に接続される状態で設けられ、
前記補強用板部の調理器後方側に対応する部分における調理器左右方向の端部に相当する箇所に、前記補強用壁部にて受止め案内された状態で前記補強用板部の上面に沿って調理器左右方向に流動する液状物を排出する端部排出孔が形成されている点にある。
すなわち、補強用板部の調理器後方側縁部から起立させた補強用後枠部が、左右の前記側板部に接続される状態で設けられているから、出退式操作枠の上側部分の強度を上昇させて、電装基板を支持した操作パネルフレームを、出退式操作枠の上部に適切に装着することが可能となる。
しかも、補強用後枠部が設けられることに加えて、補強用板部の調理器後方側に対応する部分で且つ調理器後方側縁部よりも調理器前方側に偏った位置に、調理器左右方向に沿う補強用壁部が、補強用板部の上面から起立する姿勢でかつ左右の前記側板部に接続される状態で設けられているから、補強用板部の強度を上昇させて、基板受止部によって電装基板を適切に受止め支持させることが可能となる。
つまり、補強用板部の調理器前方側部分は、出退式操作枠の前板部に接続されることにより強度が確保されるのに対して、補強用板部の調理器後方側部分は、強度不足となる可能性があるが、補強用後枠部及び補強用壁部を設けることによって、補強用板部の調理器後方側部分の強度をも上昇させて、基板受止部の支持強度を十分な強度に確保して、基板受止部によって電装基板を適切に受止め支持させることが可能となるのである。
そして、補強用板部の後方側部分に、補強用後枠部及び補強用壁部を設けると、それらの間に液状物が侵入する虞があるが、補強用板部の調理器後方側に対応する部分における調理器左右方向の端部に相当する箇所に、補強用壁部にて受止め案内された状態で補強用板部の上面に沿って調理器左右方向に流動する液状物を排出する端部排出孔が形成されているから、補強用後枠部及び補強用壁部の間に侵入した液状物を、端部排出孔を通して適切に排出することにより、侵入した液状物の湿気により、電装基板が動作不良を起こす等、侵入した液状物のために電装基板が損傷するトラブルの発生を適切に抑制できる。
ちなみに、端部排出孔から下方に排出された液状物は、補強用板部の裏面(下面)に沿って調理器前方側に流動し、その後、出退式操作枠の前板部の裏面に沿って流下して、出退式操作枠の下方箇所に排出されることになる。
要するに、本発明の第特徴構成によれば、上記第1又は第2特徴構成による作用効果に加えて、基板受止部によって電装基板を適切に受止め支持させることができ、しかも、侵入した液状物のために電装基板が損傷するトラブルの発生を適切に抑制できる加熱調理器の操作装置を提供できる。
本発明の加熱調理器の操作装置の第特徴構成は、上記第特徴構成に加えて、
前記操作パネルフレームにおける調理器後方側縁部に、前記補強用後枠部に形成した後側係合孔に係合する後側係合突起が設けられ、
前記操作パネルフレームにおける調理器前方側縁部に、前記後側係合突起を前記後側係合孔に係合させた状態で前記操作パネルフレームを下方側に揺動させるに伴って、前記前板部を調理器前方側に押圧して弾性変形させながら前記前板部に形成した前側係合孔に係合する前側係合突起が設けられている点にある。
すなわち、操作パネルフレームの調理器後方側縁部に設けた後側係合突起を、補強用後枠部に形成した後側係合孔に係合させた状態で、操作パネルフレームを下方側に揺動させることにより、操作パネルフレームの調理器前方側縁部に設けた前側係合突起を、前板部を調理器前方側に押圧して弾性変形させながら前板部に形成した前側係合孔に係合させることができる。
つまり、運転指令操作部を出退式操作枠に装着する際には、先ず、操作パネルフレームの調理器後方側縁部に設けた後側係合突起を、補強用後枠部に形成した後側係合孔に係合させ、その状態で、操作パネルフレームを下方側に揺動させて、操作パネルフレームの調理器前方側縁部に設けた前側係合突起を、前板部を調理器前方側に押圧して弾性変形させながら前板部に形成した前側係合孔に係合させる手順にて行えることになる。
したがって、運転指令操作部を出退式操作枠に装着する作業を迅速に行うことができるようになるため、生産能率を向上させることが可能となる。
要するに、本願発明の第特徴構成によれば、上記第特徴構成による作用効果に加えて、生産能率を向上させることができる加熱調理器の操作装置を提供できる。
ガスコンロの斜視図 ガスコンロの斜視図 グリルの縦断側面図 グリル用操作部の縦断側面図 グリル用操作部の縦断側面図 グリル用操作部の分解斜視図 出退操作枠の斜視図 出退操作枠から運転操作指令部を外した状態の斜視図 出退操作枠の上部を示す斜視図 出退操作枠の平面図 運転操作指令部の装着部を示す縦断側面図 運転指令操作部を装着する状態を示す縦断側面図 運転操作指令部の背部を示す斜視図 ガスコンロをキッチンキャビネットに装着する状態を示す斜視図 ガスコンロをキッチンキャビネットに装着した状態を示す斜視図
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1及び図2に示すように、調理器本体Hの上面部に、左右一対のコンロバーナ1を備え、調理器本体Hの内部にグリルG(図3参照)を備える加熱調理器の一例としてのガスコンロGCが構成されている。
このガスコンロGCは、図14及び図15に示すように、キッチンキャビネットCNのカウンタ部に形成したコンロ装着口C1から下方に向けて挿入して、前面部をキッチンキャビネットCNの前面開口C2に臨ませる状態に組付ける、いわゆるビルトインタイプとして構成されるものであって、調理器本体Hの上部の周縁部には、キッチンキャビネットCNのカウンタ部に載置する鍔部が形成されている。
ちなみに、調理器本体Hの両横側壁夫々の前方側箇所には、調理器本体Hの横端部と前面開口C2の横端部との間の隙間を塞ぐ左右一対の隙間挿入部材Pが装着されている(図1参照)。
尚、隙間挿入部材Pは、ABS樹脂又はPBT樹脂等の樹脂材料を射出成型して、柱状に形成されている。
図1及び図2に示すように、調理器本体Hの上部には、ガラス製の天板2が装備され、そして、天板2の後部側箇所には、グリルGの調理排気を排出するためのグリル排気口3が形成されている。
また、天板2の上部には、コンロバーナ1にて加熱される鍋等の被加熱物を載置するための五徳4が、左右のコンロバーナ1の夫々に対応して設けられている。
尚、コンロバーナ1の中央部には、図1に示すように、鍋等の被加熱物の存在及び被加熱物の底壁温度を検出するコンロバーナセンサ1Aが設けられている。
調理器本体Hの上部に装備した天板2の手前側箇所には、左右のコンロバーナ1の夫々に対する左右一対のコンロ用操作具5が、上方に離脱自在に設けられている。
ちなみに、一対のコンロ用操作具5の夫々は、前後や左右のスライド操作及び左右の回転操作により、点火及び消火の指令、目標火力の指令、目標温度に維持する自動温度調理の指令等、各種の指令情報を指令するように構成されている。
調理器本体Hの前面部の右側箇所には、グリルGに対するグリル用操作部6が設けられている。このグリル用操作部6は、合成樹脂製の操作部装着枠B(図6参照)に組付けられるものであって、上方側操作部6Uと、下方側を支点にした前後揺動により開閉自在な下方側操作部6Sとを上下に並べて備えている。
ちなみに、図1には、下方側操作部6Sの閉じ状態が示され、図2には、下方側操作部6Sの開き状態が示されている。
尚、上方側操作部6U及び下方側操作部6Sの詳細は後述する。
(グリルの構成)
図3に示すように、グリルGには、前部及び背部が開口する筒状に形成されたグリル庫7が備えられ、被調理物を加熱調理するための調理容器Kを支持し且つグリル扉8(図1参照)を前端部に備えた調理容器支持部Lが、グリル庫7に対して出退自在に設けられている。
ちなみに、本実施形態においては、調理容器Kとして、グリル皿9を装備する場合を例示する。
グリル庫7の底部には、下バーナ10が装備され、また、グリル庫7の天井部には、上バーナ11が装備されている。つまり、本実施形態においては、加熱調理用のグリルバーナAとして、下バーナ10と上バーナ11とが設けられている。
グリル庫7の後部には、燃焼ガスや加熱される被調理物から排出されるガス類等からなる調理排気をグリル排気口3に導く排気通路Eを形成する排気通路形成部Dが設けられている。
下バーナ10は、図3示すように、円筒状のバーナ本体部10Aと、そのバーナ本体部10Aに接続される混合管部10Bとを備え、バーナ本体部10Aには、周方向に沿って炎孔Fが形成されている。つまり、下バーナ10は、炎孔Fを環状に備える形態に構成されている。
そして、下バーナ10は、燃料ガスが噴出ノズル12から混合管部10Bの端部に噴出供給される際に、一次空気がエジェクタ作用によって混合管部10Bの内部に供給されることにより、一次空気と燃料ガスとの混合ガスを上述の炎孔Fに供給して一次燃焼させ、かつ、グリル庫7の底部等に形成した空気孔(図示せず)等からグリル庫7の内部に取り入れられた外気を二次空気として用いて二次燃焼させる、いわゆるブンゼン式バーナとして構成されている。
このような構成の下バーナ10は、コンロバーナ1の構成と同様であり、コンロバーナ1を転用して構成されている。
ちなみに、下バーナ10の内部には、グリル皿9の底壁温度を検出する容器温度検出センサ13が装備されている。この容器温度検出センサ13の検出情報は、運転制御部(図示せず)に入力される。
上バーナ11は、下向きの平板状の火炎を形成する輻射式バーナとして構成され、そして、下バーナ10と同様に、ガス燃料が噴出状態で供給される際に取入れる一次空気、及び、グリル庫7に取入れられた外気を二次空気として用いて燃焼するものであるが、本実施形態においては、上バーナ11の詳細な説明は省略する。
尚、詳細な説明は省略するが、下バーナ10及び上バーナ11の夫々に対して、点火装置としての点火プラグ、及び、着火状態検出装置として、熱電対等を用いて構成される着火センサが装備され、コンロバーナ1についても、同様に、点火プラグ及び着火センサが装備されている。
図3に示すように、グリル庫7の底壁の上部に、下側バーナ13b及び容器温度検出センサ13が装着された下バーナ支持板14が設けられ、その下バーナ支持板14の上部に、調理容器Kから溢れ出た汁類等の液状物を回収するカバー体15が、グリル庫7の底部を全面的に覆う状態で設けられている。
カバー体15は、上面視の形状が略長方形状で、長手方向及び短手方向の寸法が、グリル庫7の内部の前後幅方向及び横幅方向の寸法と略一致するように形成されている。
そして、下バーナ10の円筒状のバーナ本体部10Aが、カバー体15の中央部を上方に突出する状態で設けられている。
(グリル用操作部)
図6に示すように、上述した操作部装着枠Bの下部には、下方側操作部6Sを出退自在に収納する角筒状の下方側形成部BSが形成され、操作部装着枠Bの上部には、上方側操作部6Uを構成するための上方側形成部BUが形成されている。
上方側形成部BUは、横長帯状の前面部16Fとその前面部16Fから後方に伸びる筒状部16Rとを備える形態に構成されている。
上方側操作部6Uには、図1及び図6に示すように、グリルGの運転開始及び運転停止を指令する照光式の運転スイッチ17が、上方側形成部BUに装着する形態で装備されている。
下方側操作部6Sの上部には、図2、図7及び図11に示すように、電装基板MKを備える運転指令操作部Mが設けられている。運転指令操作部Mは、複数の指令スイッチを備えて、それらの複数の指令スイッチの操作により、グリルバーナAに対する点火及び消火の指令、目標火力の指令、目標温度に維持する自動温度調理の指令等、各種の指令情報を指令するように構成されている。
つまり、グリルGは、運転スイッチ17にて運転開始を指令した状態において、下方側操作部6Sの運転指令操作部Mにて、各種の情報を指令することにより、運転制御部がグリルバーナAの燃焼作動を制御して、加熱調理を行えるように構成されている。
そして、運転スイッチ17にて運転停止を指令した状態においては、運転指令操作部Mにて各種の情報が指令されても、制御部がグリルバーナAを燃焼停止状態に維持するように構成されている。
図7及び図8に示すように、下方側操作部6Sが、運転指令操作部Mの左右両端から下方に向けて下方側ほど前後幅が狭くなる形態で伸びる左右一対の側板部18s、及び、左右の側板部18sの前縁部を接続する前板部18fを備える出退式操作枠18を用いて構成されることになり、この出退式操作枠18の上部に、後述の如く、運転指令操作部Mが装着される。
出退式操作枠18が、左右一対の側板部18sの下端側部分を中心とした前後揺動により、調理器本体Hの内方に引退する引退位置(図4参照)と調理器本体Hの前方に突出する突出位置(図5参照)とに切換え操作自在に構成されている。
具体的には、操作部装着枠Bの下端部に、枢支軸19が横倒れ姿勢で設けられ、左右の側板部18sの下端部が、枢支軸19に回動自在に枢支されている(図6参照)。
尚、出退式操作枠18が引退位置に位置する状態が、下方側操作部6Sの閉じ状態(図1参照)に相当し、出退式操作枠18が突出位置に位置する状態が、下方側操作部6Sの開き状態(図2参照)に相当することになる。
図6に示すように、出退式操作枠18を突出位置に復帰付勢する弾性付勢手段としてのつる巻式のスプリング20が設けられている。
また、操作部装着枠Bには、図4及び図5に示すように、出退式操作枠18の前板部18fの背部に設けた保持用突起21を保持する操作枠保持機構Qが設けられている。
操作枠保持機構Qは、出退式操作枠18が引退位置に位置するときに保持用突起21を保持する保持状態となるものであって、引退位置の出退式操作枠18を後方側に押し移動することにより保持を解除する解除状態となり、そして、突出位置の出退式操作枠18を引退位置に押し移動することによって、保持用突起21を保持する保持状態となるものであるが、操作枠保持機構Qの具体構成は周知であるので、本実施形態においては、操作枠保持機構Qの詳細な説明は省略する。
尚、操作部装着枠Bの下方側形成部BSには、図4及び図5に示すように、電池収納ボックスBDが設けられている。そして、出退式操作枠18の前板部18fには、図6及び図7に示すように、電池収納ボックスBDに対応して、電池交換用口18Dが形成されている。
(カバー構成)
図2及び図6に示すように、上方側操作部6Uには、前面を覆う上側操作部カバー22が着脱自在に装備され、下方側操作部6Sには、前面を覆う下側操作部カバー23が着脱自在に装備されている。
そして、上側操作部カバー22及び下側操作部カバー23が、調理器本体Hの横端部とキッチンキャビネットCNの前面開口C2の横端部との間の隙間を覆うべく調理器本体Hの横外方に張り出す状態で設けられている(図15参照)。
すなわち、上側操作部カバー22には、調理器本体Hの横外方に張り出す上側張出部分22Aが設けられ、下側操作部カバー23には、調理器本体Hの横外方に張り出す下側張出部分23Aが設けられている。
そして、図15に示すように、上側張出部分22Aを備えた上側操作部カバー22及び下側張出部分23Aを備えた下側操作部カバー23が、上述した隙間挿入部材Pの前部相当箇所を覆う状態で、調理器本体Hの横端部とキッチンキャビネットCNの前面開口C2の横端部との間の隙間を覆うように構成されている。
つまり、図14に示すように、調理器本体HをキッチンキャビネットCNに装着する際には、上側操作部カバー22及び下側操作部カバー23を調理器本体Hから外しておき、調理器本体HをキッチンキャビネットCNに装着した後に、図15に示すように、上側操作部カバー22及び下側操作部カバー23を調理器本体Hに装着することになる。
ちなみに、図1及び図2に示すように、調理器本体Hの前面におけるグリルGの左側に相当する左側部分には、上側操作部カバー22と左右対称の上側左カバー24と、下側操作部カバー23と左右対称の下側左カバー25とが、上下に並ぶ状態で着脱自在に設けられている。
上側左カバー24及び下側左カバー25が、調理器本体Hの横外方に張り出す形態に形成されて、図15に示すように、上側左カバー24及び下側左カバー25が、上述した隙間挿入部材Pの前部相当箇所を覆う状態で、調理器本体Hの横端部とキッチンキャビネットCNの前面開口C2の横端部との間の隙間を覆うように構成されている。
つまり、図14に示すように、調理器本体HをキッチンキャビネットCNに装着する際には、上側左カバー24及び下側左カバー25を調理器本体Hから外しておき、調理器本体HをキッチンキャビネットCNに装着した後に、図15に示すように、上側左カバー24及び下側左カバー25を調理器本体Hに装着することになる。
尚、上側左カバー24の背部箇所には、キッチンキャビネットCNの上方箇所に配置した換気装置に起動指令を与えるための赤外線送信部26が装備されており、上側左カバー24は、赤外線送信部26を点検調整する際にも着脱されることになる。
(カバーの装着構成)
下側操作部カバー23が、枢支軸19にて下端部が支持されて、枢支軸19を中心とした前後揺動により下方側操作部6Sに対して開閉されるように構成されている。
すなわち、図6に示すように、下側操作部カバー23の下端縁部の左右両側及び中央部に、枢支軸19に外嵌する3個の係合部23aが設けられており、これらの係合部23aが枢支軸19に外嵌することにより、下側操作部カバー23が、枢支軸19を中心に前後揺動することにより、開き状態と閉じ状態とに切換えられるように構成されている。
下側操作部カバー23の下端縁部の係合部23aが、一部を開口させたU字状に形成されており、下側操作部カバー23をコンロ前後方向に移動させながら、係合部23aを枢支軸19に対して係脱できるように構成されている。
したがって、下側操作部カバー23が、開き状態において、係合部23aを枢支軸19に対して係脱することにより、下方側操作部6Sに対して着脱できるように構成されている。
下側操作部カバー23の上方側部分の左右両側及び中央部には、弾性変形自在な3個の舌片23bが、後方側に向けて突出する状態で設けられ、それらの舌片23bが、出退式操作枠18の前板部18fに形成した係合孔27に係合自在に構成されている。
そして、開き状態の下側操作部カバー23を上方側に揺動させるに伴って、舌片23bが、出退式操作枠18の前板部18fに形成した係合孔27に係合することによって、下側操作部カバー23が、閉じ状態に保持されるように構成されている。
尚、閉じ状態の下側操作部カバー23を開き状態に切換え操作する際には、下側張出部分23A等を把持して、下側操作部カバー23を下側に向けて開き操作することにより、舌片23bが、出退式操作枠18の前板部18fに形成した係合孔27から外れて、下側操作部カバー23を開き状態に切換えることができる。
このように、下側操作部カバー23を開閉できるものであるから、電池収納ボックスBDに収納した電池を交換する電池交換作業際等においては、下側操作部カバー23を開き状態にすることになる。
また、下側操作部カバー23の開き状態において、下側操作部カバー23の下端縁部の係合部23aを枢支軸19に対して係脱しながら、下側操作部カバー23を着脱できるものであるから、調理器本体HをキッチンキャビネットCNに装着する際には、下側操作部カバー23を外しておき、調理器本体HをキッチンキャビネットCNに装着した後において、下側操作部カバー23を、下方側操作部6Sを覆う状態に装着できる。
本実施形態においては、上側操作部カバー22の着脱構成についての詳細な説明は省略するが、上側操作部カバー22が、操作部装着枠Bの上方側形成部BUに対して、弾性係合式の固定手段によって着脱できるように構成されている。
したがって、グリルGの運転開始及び運転停止を指令する照光式の運転スイッチ17を点検する作業等においては、上側操作部カバー22を操作部装着枠Bの上方側形成部BUから外すことになる。
また、調理器本体HをキッチンキャビネットCNに装着する際には、上側操作部カバー22を外しておき、調理器本体HをキッチンキャビネットCNに装着した後において、上側操作部カバー22を操作部装着枠Bの上方側形成部BUに装着することになる。
(運転操作指令部の詳細)
運転指令操作部Mは、図11〜図12に示すように、操作パネルフレームMFと、その操作パネルフレームMFの背部に嵌合装着される電装基板MKとから構成されている。
すなわち、運転指令操作部Mが、電装基板MKを操作パネルフレームMFの背部に組付ける形態に構成されて、電装基板MKを背部に組付けた操作パネルフレームMFが、出退式操作枠18の上部に装着されている。
ちなみに、詳細な説明は省略するが、運転指令操作部Mの電装基板MKには、複数の指令スイッチや複数の表示ランプが備えられるものであって、それらの複数の指令スイッチの操作により、加熱調理用のグリルバーナAに対する点火及び消火の指令、目標火力の指令、目標温度に維持する自動温度調理の指令等、各種の指令情報を指令し、かつ、複数の表示ランプによって、指令状態を表示するように構成されている。
尚、電装基板MKの背面部には、コネクタMcが設けられている(図12参照)。
そして、操作パネルフレームMFには、詳細な説明は省略するが、電装基板MKの複数の指令スイッチの夫々に対応して形成されるスイッチ操作部や、複数の表示ランプに対応して形成される表示窓が形成されることになる。
また、操作パネルフレームMFの表面、つまり、操作パネル面には、操作内容や表示内容を示す表示シートが貼着されている。
図11〜図13に示すように、操作パネルフレームMFの背面部に、電装基板MKの上面(操作パネルフレームMFの存在側の面)を受止め支持し且つ電装基板MKの調理器前後方向及び調理器左右方向の移動を規制する状態で電装基板MKを嵌合保持する嵌合保持部R、及び、当該嵌合保持部に嵌合された電装基板MKの下面を係止保持する係止保持部Tが設けられている。
説明を加えると、嵌合保持部Rが、電装基板MKの上面を受止め支持する受止支持部Rs、及び、電装基板MKの調理器前後方向及び調理器左右方向の移動を規制する状態で電装基板MKを嵌合する嵌合用突部Rtを備える形態に構成されている。
受止支持部Rsが、操作パネルフレームMFの背面部に、電装基板MKの調理器後方側の縁部及び左右両端側の縁部を支持する形態で、縦横に沿う壁状に形成され、嵌合用突部Rtが、操作パネルフレームMFの背面部に、ピン状に起立する形態で左右一対設けられている。
係止保持部Tが、電装基板MKが操作パネルフレームMFに対して接近移動されるに伴って電装基板MKとの接当により電装基板MKの通過を許容する姿勢に後退移動しかつ電装基板MKが通過したのちに係止姿勢に弾性復帰する弾性係止片Tdを備える弾性係止式に構成されている。
すなわち、電装基板MKの調理器前方側縁部を係止する左右一対の固定係止片Teが設けられ、弾性係止片Tdが、電装基板MKの調理器後方側縁部の中央箇所を係止する形態で設けられている(図13参照)。
したがって、電装基板MKを、図12に示すように、操作パネルフレームMFに対して、電装基板MKの調理器前方側縁部を左右一対の固定係止片Teにて係止できる位置に位置決めし、その状態において、電装基板MKの調理器後方側縁部を操作パネルフレームMFに対して接近移動させることにより、弾性係止片Tdが電装基板MKとの接当により電装基板MKの通過を許容する姿勢に後退移動しかつ電装基板MKが通過したのちに係止姿勢に弾性復帰することになる(図11参照)。
ちなみに、図12に示すように、電装基板MKの左右両端側の縁部を支持する受止支持部Rsにおける前端側部分Rsfが、前端側ほど高さが低くなる傾斜状に形成されて、電装基板MKの調理器前方側縁部を左右一対の固定係止片Teにて係止できる位置に位置決めすること、及び、その位置決め状態において、電装基板MKの調理器後方側縁部を操作パネルフレームMFに対して接近移動させることを、適切に行えるようになっている。
尚、操作パネルフレームMFの調理器後方側縁部には、左右一対の後側係合突起28が設けられ、また、操作パネルフレームMFの調理器前方側縁部には、左右一対の前側係合突起29が設けられている。
そして、左右一対の後側係合突起28及び左右一対の前側係合突起29を用いて、運転指令操作部Mが出退式操作枠18に装着されることになるが、その詳細は後述する。
(出退操作枠の詳細構成)
図4、図5、図9、図10及び図11に示すように、出退式操作枠18が、調理器前後方向及び調理器左右方向に沿う姿勢で左右一対の側板部18s及び前板部18fに接続される補強用板部18Aを、運転指令操作部Mの下方側に位置させる状態で備えるように構成されている。
そして、補強用板部18Aに、図8〜図11に示すように、電装基板の下面を受止め支持する複数の基板受止部31が、上方に向けて突出しかつ調理器前後方向に伸びる姿勢で調理器左右方向に沿って並ぶ状態で設けられている。
すなわち、基板受止部31は、調理器前後方向に沿う壁状に形成されるものであって、前端側部分及び後端側部分に、電装基板の下面を受止め支持する受止支持作用部31aを備える形態に構成されている(図11参照)。
補強用板部18Aが、出退式操作枠18が引退位置と突出位置との間の揺動範囲のいずれの位置に揺動したときにも、調理器前方側を調理器後方側よりも下方に位置させる前傾斜姿勢で設けられている(図4及び図5参照)。
基板受止部31が、上述の如く、上方に向けて突出しかつ調理器前後方向に伸びる姿勢で形成されることにより、補強用板部18Aの上面に沿って液状物が調理器前方側に向けて流動することを許容する形態に構成されている。
そして、補強用板部18Aにおける調理器前方側に対応する部分に、補強用板部の上面に沿って流動する液状物を下方に排出する前部排出孔32が、調理器左右方向に沿って複数形成されている(図9参照)。
基板受止部31の調理器前方側の端部が、出退式操作枠18の前板部18fから離間しており、基板受止部31の調理器前方側の端部と出退式操作枠18の前板部18fとの間の隙間を通して、液状物が流動することを許容するように構成されている(図4及び図5参照)。
ちなみに、前部排出孔32から排出される液状物は、前板部18fの裏面に沿って下方に流動して、出退式操作枠18の下方、具体的には、出退式操作枠18枢支箇所に流動することになる。
出退式操作枠18の枢支箇所は、調理器本体Hの前面箇所であり、液状物が流れてきても清掃し易い箇所である。尚、下側操作部カバー23を取り外せば、清掃作業が一層行い易いことになる。
図8及び図10に示すように、補強用板部18Aの調理器後方側縁部から起立させた補強用後枠部18Bが、出退式操作枠18の左右の側板部18sに接続される状態で設けられている。
補強用板部18Aの調理器後方側に対応する部分で且つ調理器後方側縁部よりも調理器前方側に偏った位置に、調理器左右方向に沿う補強用壁部18Cが、補強用板部18Aの上面から起立する姿勢でかつ左右の側板部18sに接続される状態で設けられている。
そして、補強用板部18Aの調理器後方側に対応する部分における調理器左右方向の端部に相当する箇所に、補強用壁部18Cにて受止め案内された状態で補強用板部18Aの上面に沿って調理器左右方向に流動する液状物を排出するための端部排出孔33が形成されている。
ちなみに、端部排出孔33から排出される液状物は、補強用壁部18Aの裏面に沿って調理器前方側に流動し、その後、前板部18fの裏面に沿って下方に流動して、出退式操作枠18の下方、具体的には、出退式操作枠18の枢支箇所に流動することになる。
補強用板部18Aには、電装基板MKのコネクタMcを挿通させるためのコネクタ挿通孔Uが、隣接する基板受止部31の間に相当する部分に形成されている。
尚、コネクタ挿通孔Uの周縁部には、上方に突出する壁部が設けられて、液状物がコネクタ挿通孔Uの内部に流動することが抑制されている。
補強用後枠部18Bに、操作パネルフレームMFにおける調理器後方側縁部に形成した後側係合突起28が係合する後側係合孔34が形成されている。
ちなみに、この後側係合孔34は、端部排出孔33と連通する状態に形成されるものであって、後側係合突起28を後側係合孔34に挿入する際に、後側係合孔34に端部排出孔33を加えた大きな挿通用開口を通して後側係合突起28を挿入できるため、後側係合突起28の挿入が行い易いものとなる(図11参照)。
出退式操作枠18の前板部18fに、図8及び図11に示すように、後側係合突起28を後側係合孔34に係合させた状態で操作パネルフレームMFを下方側に揺動させるに伴って、操作パネルフレームMFにおける調理器前方側縁部に形成した前側係合突起29が、前板部18fを調理器前方側に押圧して弾性変形させながら係合する前側係合孔35が形成されている。
したがって、運転指令操作部Mを出退式操作枠18に装着する際には、先ず、後側係合突起28を後側係合孔34に係合させ、その状態で操作パネルフレームMFを下方側に揺動させて、前側係合突起29を、前板部18fを調理器前方側に押圧して弾性変形させながら前側係合孔35に係合させることになる。
尚、補強用後枠部18Bには、図7及び図8に示すように、出退式操作枠18の調理器前方側への揺動範囲を規制する揺動範囲規制用突起36が、上方に突出する状態で設けられている。
そして、この揺動範囲規制用突起36が、図5に示すように、出退式操作枠18を突出位置に揺動させたときに、操作部装着枠Bの接当部37に接当して、出退式操作枠18を突出位置に位置決めするように構成されている。
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、調理器本体Hの前面部における右側の横端部側部分に、上方側操作部6Uと、出退式の下方側操作部6Sとが並設される場合を例示したが、調理器本体Hの前面部における左右両側に、上方側操作部6Uと下方側操作部6Sとが並設される場合にも、本発明は適用できるものである。
つまり、例えば、調理器本体Hの前面部における右側部分に、グリルGに対する操作部を設けるようにし、調理器本体Hの前面部における左側部分に、コンロバーナ1に対する操作部を設けるようにする場合において、調理器本体Hの前面部における左右両側に、上方側操作部6Uと下方側操作部6Sとを並設させるようにしてもよい。
(2)上記実施形態においては、上方側操作部6Uと出退式の下方側操作部6Sとが並設される場合を例示したが、上方側操作部6Uが装備されない場合、つまり、出退式の下方側操作部6Sのみを配設する形態で実施する場合にも、本発明は適用できるものである。
(3)上記実施形態では、操作部カバーとしての下側操作部カバー23が、調理器本体Hの横外方に張り出す状態で設けられる場合を例示したが、操作部カバーとしての下側操作部カバー23が、横外方に張り出さない状態で設けられる場合にも、本発明は適用できるものである。
(4)上記実施形態では、調理器本体Hに操作部装着枠Bを備えさせて、下方側操作部6Sを構成する出退式操作枠18が、操作部装着枠Bに組付けられる場合を例示したが、出退式操作枠18を、調理器本体Hを形成するケーシングに直接装着する形態で実施してもよい。
(5)上記実施形態では、出退式操作枠18の側板部18sが、下方側ほど前後幅が狭くなる形態に構成される場合を例示したが、出退式操作枠18の側板部18sを、上下方向の全体に亘って前後幅が同じとなるように形成してもよい。この場合、出退式操作枠18が、側板部18sの下端部の前方側部分を中心として前後に揺動させることになる。
(6)上記実施形態では、加熱調理器として、加熱手段としてコンロバーナ1やグリルバーナを備えるガスコンロGCを例示したが、加熱手段として電磁誘導加熱部を備えた電磁調理器にも本発明は適用できるものである。
(7)上記実施形態では、グリルGに装備する調理容器Kとして、グリル皿9を調理容器支持部Lに支持する場合を例示したが、調理容器Kとしては、蓋部を備えた炊飯用の容器等、グリル庫7の内部に収納して加熱調理するための種々の調理容器を適用できる。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
18 出退式操作枠
18A 補強用板部
18B 補強用後枠部
18C 補強用壁部
18f 前板部
18s 側板部
23 操作部カバー
28 後側係合突起
29 前側係合突起
31 基板受止部
32 前部排出孔
33 端部排出孔
34 後側係合孔
35 前側係合孔
H 調理器本体
M 運転指令操作部
MF 操作パネルフレーム
MK 電装基板
R 嵌合保持部
T 係止保持部
Td 弾性係止片

Claims (4)

  1. 調理器本体の前面部に、電装基板を備える板状の運転指令操作部の左右両端から下方に向けて伸びる左右一対の側板部、及び、当該左右の側板部の前縁部を接続する前板部を備える出退式操作枠が、左右一対の前記側板部の下端側部分を中心とした前後揺動により、前記調理器本体の内方に引退する引退位置と前記調理器本体の前方に突出させた突出位置とに切換え操作自在に設けられた加熱調理器の操作装置であって、
    前記運転指令操作部が、前記電装基板を操作パネルフレームの背部に組付ける形態に構成され、
    前記電装基板を背部に組付けた前記操作パネルフレームが、前記出退式操作枠の上部に装着され、
    前記出退式操作枠が、調理器前後方向及び調理器左右方向に沿う姿勢で左右一対の前記側板部及び前板部に接続される補強用板部を、前記運転指令操作部の下方側に位置させる状態で備えるように構成され、
    前記補強用板部に、前記電装基板の下面を受止め支持する基板受止部が上方に向けて突出する姿勢で設けられており、
    前記補強用板部が、前記出退式操作枠が前記引退位置と前記突出位置との間の揺動範囲のいずれの位置に揺動したときにも、調理器前方側を調理器後方側よりも下方に位置させる前傾斜姿勢で設けられ、
    前記基板受止部が、前記補強用板部の上面に沿って液状物が調理器前方側に向けて流動することを許容する形態で形成され、
    前記補強用板部における調理器前方側に対応する部分に、前記補強用板部の上面に沿って流動する液状物を下方に排出する前部排出孔が形成されている加熱調理器の操作装置。
  2. 前記操作パネルフレームの背面部に、前記電装基板の上面を受止め支持し且つ前記電装基板の調理器前後方向及び調理器左右方向の移動を規制する状態で前記電装基板を嵌合保持する嵌合保持部、及び、当該嵌合保持部に嵌合された前記電装基板の下面を係止保持する係止保持部が設けられ、
    前記係止保持部が、前記電装基板が前記操作パネルフレームに対して接近移動されるに伴って前記電装基板との接当により前記電装基板の通過を許容する姿勢に後退移動しかつ前記電装基板が通過したのちに係止姿勢に弾性復帰する弾性係止片を備える弾性係止式に構成されている請求項1記載の加熱調理器の操作装置。
  3. 前記補強用板部の調理器後方側縁部から起立させた補強用後枠部が、左右の前記側板部に接続される状態で設けられ、
    前記補強用板部の調理器後方側に対応する部分で且つ調理器後方側縁部よりも調理器前方側に偏った位置に、調理器左右方向に沿う補強用壁部が、前記補強用板部の上面から起立する姿勢でかつ左右の前記側板部に接続される状態で設けられ、
    前記補強用板部の調理器後方側に対応する部分における調理器左右方向の端部に相当する箇所に、前記補強用壁部にて受止め案内された状態で前記補強用板部の上面に沿って調理器左右方向に流動する液状物を排出する端部排出孔が形成されている請求項1又は2記載の加熱調理器の操作装置。
  4. 前記操作パネルフレームにおける調理器後方側縁部に、前記補強用後枠部に形成した後側係合孔に係合する後側係合突起が設けられ、
    前記操作パネルフレームにおける調理器前方側縁部に、前記後側係合突起を前記後側係合孔に係合させた状態で前記操作パネルフレームを下方側に揺動させるに伴って、前記前板部を調理器前方側に押圧して弾性変形させながら前記前板部に形成した前側係合孔に係合する前側係合突起が設けられている請求項記載の加熱調理器の操作装置。
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