JP6366542B2 - 放射線撮像装置、放射線撮像システムおよび照射開始検出方法 - Google Patents

放射線撮像装置、放射線撮像システムおよび照射開始検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射線撮像装置、放射線撮像システムおよび照射開始検出方法に関する。
X線等の放射線によって形成される光学像を電気的に撮像する放射線撮像装置がある。放射線撮像装置の方式は、放射線を直接に電気信号に変換する直接型と、放射線をシンチレータによって光に変換し、光を電気信号に変換する間接型とに大別される。いずれの方式においても、放射線の照射の開始に同期して放射線画像の撮像動作が実行される必要がある。同期の方式としては、放射線源の制御装置から放射線撮像装置に同期信号を送る方式と、放射線撮像装置がそれに照射された放射線を検出する方式とがある。特許文献1には、センサ部で発生した電荷に起因した電気信号に基づいて放射線の照射開始を検出する放射線画像撮影装置が記載されている。
特開2014−23957号公報
放射線撮像装置がそれに照射された放射線を検出することによって放射線の照射の開始を検出する方式では、照射された放射線に感度を有する信号に含まれるノイズが大きいと、誤検出が発生しうる。
本発明は、誤検出の防止ないし低減に有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、放射線画像を撮像するために複数の画素を有する画素アレイと、放射線の照射を検出するための検出部と、制御部とを備える放射線撮像装置に係り、前記放射線撮像装置は、前記制御部は、前記検出部を使って得られる、基準値に対する変化分である測定値と、前記基準値に対して正および負のうちの一方における閾値と、の比較に基づく放射線の照射の開始の判定に応じて、前記画素アレイによる放射線画像の撮像動作を制御し、前記制御部は、前記正および前記負のうちの他方における前記測定値のみに応じて前記閾値を変更する。
本発明によれば、誤検出の防止ないし低減に有利な技術が提供される。
本発明の1つの実施形態の放射線撮像システムの構成を示す図。 本発明の1つの実施形態の放射線検出パネルの構成を示す図。 本発明の1つの実施形態の放射線撮像装置の動作を説明する図。 本発明の1つの実施形態の放射線撮像装置の動作を説明する図。 比較例における放射線照射の開始の検出を説明する図。 比較例における放射線照射の開始の検出を説明する図。 本発明の1つの実施形態の放射線撮像装置における放射線照射の開始の検出を説明する図。 本発明の1つの実施形態の放射線撮像装置における放射線照射の開始の検出を説明する図。 本発明の1つの実施形態の放射線撮像装置における放射線照射の開始の検出を説明する図。 本発明の第2の実施形態を説明する図。 本発明の第2の実施形態を説明する図。 本発明の第3の実施形態を説明する図。
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態の放射線撮像システム200の構成が示されている。放射線撮像システム200は、放射線で形成される光学像を電気的に撮像し、電気的な放射線画像(即ち、放射線画像データ)を得るように構成されている。放射線は、典型的には、X線でありうるが、α線、β線、γ線などであってもよい。放射線撮像システム200は、例えば、放射線撮像装置210、放射線源230、曝射制御部220およびコンピュータ240を備えうる。放射線源230は、曝射制御部220からの曝射指令(放射指令)に従って放射線の放射を開始する。放射線源230から放射された放射線は、不図示の被険体を通って放射線撮像装置210に照射される。
放射線撮像装置210は、放射線検出パネル212と、放射線検出パネル212を制御する制御部214とを含む。制御部214は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用コンピュータ、又は、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。制御部214は、サンプルホールド回路、オペアンプ等のアナログ回路を含んでもよい。
制御部214は、放射線検出パネル212を制御するほか、放射線検出パネル212から出力される信号を処理する。制御部214は、放射線検出パネル212から出力される検出信号の値または該検出信号を処理して得られる値である測定値が閾値を超えた場合に、放射線の照射が開始されたと判定し、放射線検出パネル212に放射線画像の撮像動作を開始させる。
図2には、放射線検出パネル212の構成例が示されている。放射線検出パネル212は、画素アレイ112を備えている。画素アレイ112は、放射線を検出する複数の画素PIX、および、複数の列信号線Sig(Sig1〜Sig3)を有する。なお、図2では、記載の簡単化のために、画素アレイ112は、3行×3列の画素PIXで構成されているが、実際には、より多くの画素PIXが配列されうる。一例において、放射線検出パネル212は、17インチの寸法を有し、約3000行×約3000列の画素PIXを有しうる。
放射線検出パネル212はまた、画素アレイ112を駆動する駆動回路(行選択回路)114、および、画素アレイ112の複数の列信号線Sigに現れる信号を検出する読出部113と、放射線の照射を検出する検出部103を備えている。この例では、検出部103は、画素アレイ112を構成する複数の画素PIXの全部または一部に対してバイアス線Bs(導電線)を介してバイアス電位Vsを与えるバイアス回路を兼ねている。
バイアス回路を兼ねる検出部103は、差動増幅器121と、差動増幅器121の第1入力端子と差動増幅器121の出力端子との間に接続されたフィードバック抵抗122とを含みうる。差動増幅器121の第2入力端子には、バイアス電位Vs(所定値)が供給される。イマジナリーショートにより差動増幅器121の第1入力端子と第2入力端子とは同一電位となる。したがって、バイアス線Bsの電位は、差動増幅器121によってバイアス電位Vsに駆動される。差動増幅器121の出力端子には、バイアス線Bsを流れる電流、即ちバイアス線Bsに現れる電気信号に応じた電位が出力される。バイアス線Bsを流れる電流は、放射線の照射に対して感度を有する信号である。
放射線検出パネル212(画素アレイ112)に放射線が照射されると、それに応じた電流がバイアス線Bsを流れる。よって、差動増幅器121の出力端子には、画素アレイ112への放射線の照射量に相関がある電気信号が現れる。検出部103は、差動増幅器121の出力端子に出力される信号をA/D変換するA/D変換器123を含みうる。以下では、検出部103のA/D変換器123から出力される制御部214に供給される信号を検出信号と呼ぶが、差動増幅器121の出力端子に出力される信号を検出信号として理解することもできる。また、差動増幅器121とA/D変換器123との間には、増幅回路および/またはフィルタなどの回路が配置されてもよい。A/D変換器123は、制御部214に設けられてもよい。
検出部103は、バイアス線Bsを流れる電流を検出することによって画素アレイ112に対する放射線の照射を検出するが、これは一例である。画素アレイ112に対する放射線の照射は、列信号線Sigの電位または列信号線Sigを流れる電流を検出することによって検出されてもよい。あるいは、画素アレイ112に対する放射線の照射は、複数の画素PIXの一部から読出部113によって信号を読み出すことによって検出されてもよい。あるいは、画素アレイ112に対する放射線の照射は、画素アレイ112の中または画素アレイ112の外に専用の放射線検出センサを配置し、該放射線検出センサによって検出されてもよい。
各画素PIXは、放射線を検出する変換素子Cと、変換素子Cと列信号線Sig(複数の列信号線Sigのうち変換素子Cに対応する列信号線Sig)とを接続するスイッチSWとを含む。変換素子Cは、それに入射した放射線の量に対応する信号を列信号線Sigに出力する。変換素子Cは、例えば、ガラス基板等の絶縁性基板上に配置されアモルファスシリコンを主材料とするMIS型フォトダイオードを含みうる。あるいは、変換素子Cは、PIN型フォトダイオードを含みうる。変換素子Cは、放射線を直接に電気信号に変換する直接型として構成されてもよいし、放射線を光に変換した後に、光を検出する間接型として構成されてもよい。間接型においては、シンチレータが複数の画素PIXによって共有されうる。
スイッチSWは、例えば、制御端子(ゲート)と2つの主端子(ソース、ドレイン)とを有する薄膜トランジスタ(TFT)などのトランジスタで構成されうる。変換素子Cは、2つの主電極を有し、変換素子Cの一方の主電極は、スイッチSWの2つの主端子のうちの一方に接続され、変換素子Cの他方の主電極は、バイアス線Bsに接続されている。第1行の画素PIXは、スイッチSWの制御端子がゲート線G1に接続され、第2行の画素PIXは、スイッチSWの制御端子がゲート線G2に接続され、第3行の画素PIXは、スイッチSWの制御端子がゲート線G3に接続されている。ゲート線G1、G2、G3・・・には、駆動回路114によってゲート信号Vg1、Vg2、Vg3・・・が供給される。
第1列の画素PIXは、スイッチSWの1つの主端子が第1列の列信号線Sig1に接続されている。第2列の画素PIXは、スイッチSWの1つの主端子が第2列の列信号線Sig2に接続されている。第3列の画素PIXは、スイッチSWの1つの主端子が第3列の列信号線Sig3に接続されている。各列信号線Sig(Sig1、Sig2、Sig3・・・)は、容量CCを有する。
読出部113は、1つの列信号線Sigに1つの列増幅部CAが対応するように複数の列増幅部CAを有する。各列増幅部CAは、例えば、積分増幅器105、可変増幅器104、サンプルホールド回路107、バッファ回路106を含みうる。積分増幅器105は、それに対応する列信号線Sigに現れた信号を増幅する。積分増幅器105は、例えば、演算増幅器と、該演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に並列に接続された積分容量およびリセットスイッチとを含みうる。該演算増幅器の非反転入力端子には、基準電位Vrefが供給される。該リセットスイッチは、制御部214によって駆動されるリセット信号RCが活性化されることによってオンし、これにより、該積分容量がリセットされるとともに列信号線Sigの電位が基準電位Vrefにリセットされる。
可変増幅器104は、積分増幅器105からの設定された増幅率で増幅する。サンプルホールド回路107は、制御部214によって駆動されるサンプルホールド信号SHが活性化されることによって可変増幅器104からの信号をサンプルホールドする。サンプルホールド回路107は、例えば、サンプリングスイッチとサンプリング容量とによって構成されうる。バッファ回路106は、サンプルホールド回路107からの信号をバッファリング(インピーダンス変換)して出力する。該サンプリングスイッチは、制御部214から供給されるサンプリングパルスによって制御されうる。
読出部113はまた、複数の列信号線Sigのそれぞれに対応するように設けられた複数の列増幅部CAからの信号を所定の順序で選択して出力するマルチプレクサ108を含む。マルチプレクサ108は、例えば、シフトレジスタを含み、該シフトレジスタは、制御部214から供給されるクロック信号に従ってシフト動作を行い、該シフトレジスタによって複数の列増幅部CAからの1つの信号が選択される。検出部103はまた、マルチプレクサ108から出力される信号をバッファリング(インピーダンス変換)するバッファ109、および、バッファ109から出力される信号であるアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器110を含みうる。AD変換器110の出力、即ち、放射線画像データは、コンピュータ240に供給される。
放射線撮像装置210の動作は、初期化動作、蓄積動作、読み出し動作を含む。初期化動作は、画素アレイ112の複数の画素PIXを行単位で初期化する動作である。蓄積動作は、画素アレイ112の各画素PIXにおいて放射線の照射によって発生する電荷を蓄積する動作である。読み出し動作は、画素アレイ112への放射線の照射によって画素アレイ112の各画素PIXに蓄積された電荷に応じた信号を画素アレイ112から読み出して画像(画像信号)として出力する動作である。
初期化動作から蓄積動作へは、検出部103から出力される検出信号に基づいて制御部214が放射線撮像装置210への放射線の照射が開始されたと判定することによって移行する。蓄積動作から読み出し動作へは、例えば、蓄積動作の開始から所定時間が経過したことに応じて移行する。
図3および図4を参照しながら放射線撮像装置210の動作を説明する。制御部214は、ステップS310において、初期化動作を開始する。初期化動作では、制御部214は、第1行から最終行までのゲート線G(G1、G2、G3・・・)を順にアクティブレベルにするとともにリセット信号RCをアクティブレベルにする動作を繰り返す。ここで、リセット信号RCがアクティブレベルにされると、積分増幅器105はボルテージフォロワ状態となり、基準電位Vrefが信号線Sigに供給される。この状態で、駆動線Gがアクティブレベルにされた行のスイッチTが導通状態となり、変換素子201の容量Csに蓄積されていた電荷が初期化される。図4において、Vg(0)、Vg(1)、Vg(2)、・・・、Vg(Ys)、Vg(Ys+1)、・・・Vg(Y−1)は、画素アレイ112の第1行から最終行のゲート線Gに供給される駆動信号を示している。
初期化動作の期間において、検出部103は、画素アレイ112への放射線の照射量に相関のある検出信号を出力する。初期化動作中に、ステップS320において、制御部214は、放射線の照射が開始されたかどうかを判定する。具体的には、制御部214は、検出部103から出力される検出信号に基づいて、画素アレイ112への放射線の照射が開始されたかどうかを判定する。
制御部214は、画素アレイ112への放射線の照射が開始されたと判定するまでは、初期化動作を継続する(ステップS370)。制御部214は、画素アレイ112への放射線の照射が開始されたと判定すると(ステップS320においてYES)、ステップS330において蓄積動作を開始する。即ち、放射線の照射の開始が検出されると(図4には、「照射開始検出」として示されている。)、初期化動作から蓄積動作に移行する。ステップS320における処理については後述する。
蓄積動作中は、制御部214は、ステップS340において、放射線の照射の終了を判定する。放射線の終了の判定方法は、特に限定されないが、例えば、蓄積動作の開始から所定時間が経過したことによって放射線の照射が終了したものと判定することができる。あるいは、制御部214は、検出部103から出力される検出信号の瞬間値、積分値および微分値の少なくとも1つに基づいて画素アレイ112への放射線の照射が終了したことを判定することができる。
制御部214は、画素アレイ112への放射線の照射が終了したと判定するまでは、蓄積動作を継続する(ステップS380)。制御部214は、画素アレイ112への放射線の照射が終了したと判定すると(ステップS340においてYES)、ステップS350において、読み出し動作を開始する。即ち、放射線の照射が終了したと判定されると(図4には、「照射終了検出」として示されている。)、蓄積動作から読み出し動作に移行する。読み出し動作では、画素アレイ112の先頭行の画素から最終行の画素まで順番に信号が読み出される。
図5および図6には、比較例における放射線照射の開始の検出が示されている。図5は、制御部214が検出部103を使って得ることができる測定値にシステムノイズが含まれる場合の動作が示されている。図6には、制御部214が検出部103を使って得ることができる測定値にシステムノイズの他に外来ノイズが含まれる場合の動作が示されている。測定値は、放射線検出パネル212の検出部103から出力される検出信号の値、または、該検出信号を処理して得られる値である。ここで、検出部103から出力される検出信号を処理して得られる値は、例えば、制御部214が、検出部103から出力される検出信号を処理(例えば、増幅、フィルタリング、積分演算、移動平均演算など)して得られる値でありうる。あるいは、検出部103から出力される検出信号を処理して得られる値は、不図示の他のユニットが検出部103から出力される検出信号を処理して得られる値であってもよい。
放射線撮像装置210に放射線が照射されると、バイアス線Bsに電流が流れる。検出部103を使って得られる測定値は、バイアス線Bsを流れる電流に相関を有する情報である。制御部214は、測定値が閾値を超えると、ステップS320において、放射線撮像装置210に対する放射線の照射が開始されたと判定する。ただし、測定値には、放射線撮像装置210に対する放射線の照射がない場合でも、ランダムなノイズが含まれる。このノイズがシステムノイズである。閾値は、例えば、システムノイズの標準偏差をσとしたときに、8σ以上に設定されうる。図5に例示されるように、外来ノイズが存在しない場合には、閾値をシステムノイズの8σ程度に設定すれば、放射線の照射の開始を問題なく検出することができる。
しかしながら、図6に例示されるように外来ノイズが存在する場合には、その外来ノイズによって測定値が閾値を超えてしまい、放射線の照射が開始されていないにも拘わらず、放射線の照射が開始されたと判定されうる。これを誤検出と呼ぶ。誤検出が発生すると、蓄積動作(S330)に移行してしまい、再び初期化動作が開始されるまで放射線画像を撮像できない状態となる。この状態は、例えば、数秒程度になりうる。よって、誤検出が発生する放射線撮像装置は、使い勝手が悪い。一方、閾値を上げると、微弱な放射線を検出することができなくなる。医療の現場において、外来ノイズ原としては、以下のものが代表的であると考えられる。
・放射線撮像装置と電磁波を発生させる機器(例えば、ブラウン管(CRT)等)との接近、
・機器(例えば、放射線源)の電源のON/OFF
・モーター(例えば、手術用の電動ドリル、放射線源の回転陽極のためのモーター)の駆動
・強力な衝撃(例えば、衝突等)
例えば、放射線源の中には、スイッチが押されると、それに応答して放射線管球内の陽極が回転を始めるものがあり、この際に発生する電磁波によって測定値が閾値を超え、誤検出が起こりうる。このようなケースでは、誤検出の直後に放射線の照射が行われるため、正常な撮影が行われない可能性がある。
以下、図7および図8を参照しながら、本発明の第1実施形態の放射線撮像装置210における放射線の照射の開始を検出する方法(照射開始検出方法)の原理を説明する。測定値、即ち、検出部103から出力される検出信号の値または該検出信号を処理して得られる値には、次のような特徴がある。
・放射線撮像装置に放射線が照射されたときに、測定値は、基準値に対して正の範囲および負の範囲のうちの一方の範囲において基準値との差分が大きくなるように変化する。
・外来ノイズが加わったときに、測定値は、基準値に対して正の範囲および負の範囲の双方で変化する。
・基準値に対して正の範囲における外来ノイズの波形と基準値に対して負の範囲における外来ノイズの波形とはほぼ対称である。
ここで、基準値は、例えば0(ゼロ)である。また、システムノイズの平均値は、通常は0(ゼロ)である。図7および図8に示された例では、放射線撮像装置に放射線が照射されたときに、測定値は、基準値(0)に対して正の範囲において基準値との差分が大きくなるように変化する。これとは、逆に、放射線撮像装置に放射線が照射されたときに、測定値が基準値(0)に対して負の範囲において基準値との差分が大きくなるように検出部103または制御部214が構成されてもよい。
そこで、放射線の照射を受けたときに基準値に対して正の範囲および負の範囲のうちの一方において基準値に対する測定値の差分が大きくなる構成において、制御部214は、正の範囲および負の範囲のうちの他方における測定値に応じて閾値を変更する。例えば、放射線の照射を受けたときに基準値に対して正の範囲において測定値と基準値との差分が大きくなる構成において、制御部214は、負の範囲における測定値に応じて閾値を変更する。また、放射線の照射を受けたときに基準値に対して負の範囲において測定値と基準値との差分が大きくなる構成において、制御部214は、正の範囲における測定値に応じて閾値を変更する。
ここで、「一方の範囲」を「監視範囲」、「他方の範囲」を「ノイズ評価範囲」と呼ぶことにする。制御部214は、ノイズ評価範囲における測定値に基づいて閾値を変更しながら、監視範囲における測定値が該閾値を越えた場合に、放射線が照射されたと判定する。図7および図8に示された例は、測定値が正の値を示す範囲が監視範囲であり、測定値が負の値を示す範囲がノイズ評価範囲である。
一例において、制御部214は、ノイズ評価範囲における測定値の包絡線に基づいて測定値に含まれるノイズレベルを推定し、このノイズレベルに従って閾値を変更する。このような方式によれば、図7に例示されるように外来ノイズが加わることによって測定値が多くなっても、それに応じて閾値が大きくなるので、誤検出が発生しない。また、外来ノイズが加わらない場合には、図8に例示されるように、制御部214は、閾値を変更しない。したがって、外来ノイズが加わる場合も、外来ノイズが加わらない場合も、誤検出を防止しつつ、放射線の照射が開始されたことを正確に検出することができる。
以下、図9を参照しながら制御部214による閾値の変更の例を説明する。この例では、制御部214は、ノイズ評価範囲における測定値の最大値(包絡線)に基づいて測定値に含まれるノイズレベルを推定(決定)し、このノイズレベルに従って閾値を変更する。ここでは、ノイズレベルを推定する方法について、3つの例を説明する。
ノイズレベルを推定する第1の方法では、ノイズ評価範囲(図9では、測定値が負の範囲)における複数の測定値の振幅値(絶対値)の最大値を用いる。時刻tにおけるノイズ評価範囲内の測定値をV(t)、最大値を計算する区間をnとしたとき、時刻tにおけるノイズレベルA(t)は、(1)式で表される。
A(t)=max{−V(t),−V(t−1),・・・,−V(t−n−1)}
・・・(1)
ノイズレベルを推定する第2の方法では、時刻tにおけるノイズ評価範囲内の測定値をV(t)、過去のノイズレベルをA(t−1)、一定値をα(α<1)としたとき、時刻tにおけるノイズレベルA(t)は、(2)式で表される。
A(t)=max{−V(t),A(t−1)*α}
・・・(2)
ノイズレベルを推定する第3の方法では、時刻tにおけるノイズ評価範囲内の測定値をV(t)、過去のノイズレベルをA(t−1)、一定値をβ(β>0)としたとき、時刻tにおけるノイズレベルA(t)は、(3)式で表される。
A(t)=max{−V(t),A(t−1)−β}
・・・(3)
ノイズレベルを推定(決定)する方法は、上記の第1、第2および第3の方法に限定されず、他の方法が採用されてもよい。
次に、制御部214が時刻tにおけるノイズレベルA(t)に基づいて時刻t+Δtにおける閾値T’(t+Δt)を決定する方法の例を説明する。ノイズレベルには、外来ノイズとシステムノイズとが含まれている。よって、外来ノイズレベルをAe(t)、システムノイズレベルをAi(t)としたとき、ノイズレベルA(t)は、(4)式で表される。
A(t)=Ae(t)+Ai(t)
・・・(4)
システムノイズの標準偏差をσとしたとき、システムノイズレベルAi(t)は、3〜4σ程度でありうる。この値は時間によらず一定である。すなわち、A(t)からAi(t)=3σ〜4σを減じた値を外来ノイズレベルAe(t)と考えることができる。ただし、この例では、外来ノイズレベルが負値になることはない。すなわち、外来ノイズレベルは、(5)式で表される。
Ae(t)=max{A(t)−Ai,0}
・・・(5)
時刻t+Δtにおける閾値T’(t)は、システムノイズや外来ノイズによる誤検出が発生しない値に設定される必要がある。閾値T’(t+Δt)は、外来ノイズがないときの閾値をTとしたとき、(6)式を満たすことが望ましい。
T’(t+Δt)=k*Ae(t)+T
・・・(6)
ここで、kは安全率である。安全率kを大きくすると、誤検出耐性が向上する反面、外来ノイズが加わったときに検出能力が低下しやすくなる。したがって、安全率kを調整可能にすることが望ましい。すなわち、外来ノイズレベルに安全率kを乗じた値と、予め定められた閾値Tとの和を新たな閾値をする構成とすることが望ましい。以上のようにして閾値T’(t+Δt)を設定することで、外来ノイズによる誤検出を防ぎつつ、放射線の照射の開始を正確に検出することができる。
閾値T’(t+Δt)を決定するための方法は、式(6)を従う方法には限定されない。例えば、閾値T’(t+Δt)としてノイズレベルA(t)そのものを用いてもよい。閾値T’(t+Δt)に対して上限や下限を設けてもよい。即ち、制御部214は、予め定められた範囲の中で閾値を変更するように構成されてもよい。
以下、本発明の第1実施形態の変形例として、本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下で言及しない事項は、第1実施形態に従いうる。
図10には、放射線の照射を検出する検出部103および制御部214の動作が例示されている。図10において、Vg(Ys−2)、Vg(Ys−1)、Vg(Ys)、Vg(Ys+1)は、画素アレイ112の第(Ys−2)行から第(Ys+1)のゲート線Gに供給される駆動信号を示している。
放射線撮像装置210は、バイアス線Bsに流れる電流に関して、以下のような特徴を有しうる。
(1)放射線の照射中は、画素PIXのスイッチ素子SWの導通・非導通に関わらず、単位時間当たりの放射線の照射量に比例した電流がバイアス線Bsに流れる。この電流は、図10に「第1信号」として示されている。
(2)放射線が照射された画素PIXのスイッチ素子SWを導通すると、スイッチ素子SWを導通するまでに当該画素PIXの変換素子Cに蓄積された電荷量に比例した電流がバイアス線Bsに流れる。この電流は、図10に「第2信号」として示されている。
(3)画素PIXのスイッチ素子SWの導通・非導通を切り替えると、バイアス線Bsに電流が流れる。この電流は、スイッチングノイズと呼ばれうるものである。
(4)放射線撮像装置210に衝撃や磁界を加えると、バイアス線Bsに電流が流れる。この電流は、外来ノイズと呼ばれうるものであり、図10に「外来ノイズ」として示されている。
(5)放射線撮像装置210に磁界や衝撃を加えなくても、放射線撮像装置210自体が発生する電磁波や検出部103の内部雑音などにより、バイアス線Bsに電流が流れる。この電流は、システムノイズと呼ばれうるものである。
放射線の照射、より具体的には放射線の照射の開始を検出するためには、測定値として、検出部103から出力される検出信号の値をそのまま用いてもよい。しかしながら、衝撃や磁界の影響などによる外来ノイズを無視できない場合は、検出部103から出力される検出信号を処理した値を測定値として用いることが望ましい。
図10に示されているように、画素PIXの画素PIXのスイッチ素子SWを導通状態にした時にバイアス線Bsを流れるバイアス電流に相関を有する検出部103からの検出信号をサンプリングし、これをSとする。また、スイッチ素子SWを非導通状態にした時にバイアス線Bsに流れるバイアス電流に相関を有する検出部103からの検出信号をサンプリングし、これをNとする。SとNとの差分を取ることによって外来ノイズを除去することができる。ただし、外来ノイズは時間経過に伴い変動するため、互いに近い時刻にサンプリングしたSとNを用いることが望ましい。すなわち、y回目にサンプリングしたSをS(y)、y回目にサンプリングしたNをN(y)、外来ノイズを除去したサンプル値(放射線情報)をX(y)とすると、(7)式のような演算によってX(y)が求められうる。(7)式は、スイッチ素子SWが導通状態であるときの検出部103からの検出信号とスイッチ素子SWが非導通状態であるときの検出部103からの検出信号との差分の演算を意味する。
X(y)=S(y)−{N(y)+N(y−1)}/2
・・・(7)
以上のようにして外来ノイズを低減する方法をCDS(相関二重サンプリング)処理と呼ぶ。CDS処理は、ノイズ低減処理の一例である。CDS処理のための演算は、(7)式の演算方法に限定されるものではない。例えば、X(y)の演算のためにN(y)又はN(y−1)のどちらか一方を用いてもよいし、S(y−1)やN(y−2)等の隣接しないサンプル値を用いてもよい。また、y回目のサンプリングしたS(y)として、当該期間に複数回サンプリングをしたものを加算したものを用いてもよい。
図11に例示されるように、スイッチ素子SWの導通・非導通を切り替える際に生じるスイッチングノイズが無視できない場合がある。このような場合、スイッチングノイズが低減されるように、バイアス線Bsを流れるバイアス電流に相関を有する検出部103からの検出信号を処理することが望ましい。スイッチングノイズを低減する処理としては、例えば、検出部103からの検出信号の値から、事前にサンプリングしたスイッチングノイズの値を減算する処理を挙げることができる。
ここで、スイッチングノイズの大きさは行ごとに異なりうるが、同じ行のスイッチングノイズの大きさは再現性が高いことが確認されている。そこで、図11に示すように、現在のバイアス電流の値から同じ行の1フレーム前のバイアス電流の値を減算することで、スイッチングノイズを低減することが有効である。画素アレイ112の行数がYである場合、1フレーム前のSはS(y−Y)、1フレーム前のNはN(y−Y)である。したがって、(8)式のような演算によってX(y)が求められうる。
X(y)=[S(y)−{N(y)+N(y−1)}/2]
−[S(y−Y)−{N(y−Y)+N(y−1−Y)}/2]
・・・(8)
(8)式の第1項は、y行について、スイッチ素子SWが導通状態であるときの検出部103の検出信号とスイッチ素子SWが非導通状態であるときの検出部103の検出信号との差分を演算することを意味する。(8)式の第2項は、1フレーム前のy行について、スイッチ素子SWが導通状態であるときの検出部103の検出信号とスイッチ素子SWが非導通状態であるときの検出部103の検出信号との差分を演算することを意味する。(8)式の全体は、同一の行についての最新の前記差分とそれよりも前の前記差分との差分を求めることを意味する。
以上のようにしてスイッチングノイズを低減する方法は、フレーム補正と呼ばれうる。フレーム補正の演算は、(8)式の演算方法に限定されるものではない。例えば、kフレーム前のS及びNを用いてもよい(k>1)。Sだけ又はNだけを用いて演算を行ってもよい。なお、CDSが不要な場合には、CDSをすることなくフレーム補正をすればよい。
このような信号処理によってノイズが除去されたX(y)を前述のV(t)の代わりに用いる他は第1実施形態と同様の方法で、放射線の照射の開始を検出することができる。
以下、本発明の第1実施形態の変形例として、本発明の第3実施形態を説明する。なお、以下で言及しない事項は、第1又は第2実施形態に従いうる。図12には、第3実施形態における放射線の照射の開始を検出する処理が示されている。図12に示された処理は、図4のステップS320における処理に適用されうる。
制御部214は、検出部103からの検出信号の値を積分した積分値に基づいて放射線の照射の開始を検出する。例えば、制御部214は、検出部103からの検出信号または該検出信号を第2実施形態に従って処理したX(y)をX[n]として、X[n]を積分した積分値に基づいて放射線の照射の開始を検出することができる。ここでは、X[n]はn個前にサンプルされた検出部103からの検出信号を示す。すなわち、X[0]が最新の検出信号であり、nが大きいほど過去に取得した検出信号であることを意味する。
ステップS710では、制御部214は、積分値であるSumと、検出信号のインデックスであるnと、積分区間の識別番号であるm(mは自然数)に対して初期値を与える。初期値はSum=0、n=0、m=1である。これを積分器のリセットと呼ぶ。
次に、ステップS720では、制御部214は、積分値Sumとn個前にサンプルした放射線情報X[n]とを加算した値を新たな積分値Sumとする。すなわち、Sum=Sum+X[n]とする。
次に、ステップS730では、制御部214は、n=n+1を実行する。次に、ステップS740では、制御部214は、区間判定を行う。ステップS740の区間判定において、nが予め指定した第m積分区間W[m]を超えない場合(NO)は、ステップS720に戻って積分(累積加算)を続ける。一方、nがW[m]を超える場合(YES)は、ステップS750に進む。
ステップS750では、制御部214は、積分値Sumを前述の測定値V(t)の代わりに用いて、積分区間mにおける外来ノイズレベルAe[m](t)を計算する。次に、ステップS760では、制御部214は、(9)式に従って、積分区間mにおける変更後の閾値(補正閾値)T’[m]を計算する。ここで、閾値T[m]は、変更前の閾値であり、k[m]は、積分区間mにおける安全率である。k[m]は、積分区間ごとに定められてもよいし、一定の値でもよい。
T’[m](t)=k[m]*Ae[m](t)+T[m]
・・・(9)
ステップS750、S760において、制御部214は、各積分区間に対して設定された閾値T[m]またはT’[m]を、当該積分区間で積分された積分値Sumのノイズ評価範囲における値に応じて変更する。
ステップS770の照射開始判定において、積分値Sumが予め定められている第m積分区間の補正閾値T’[m]を超える場合(YES)は、制御部214は、放射線の照射が開始されたものと判定する。つまり、制御部214は、積分値Sumと第m積分区間の補正閾値T’[m]との比較によって放射線の照射の開始を検知する。これにより、図3のステップS320の判定はYESとなる。一方、積分値Sumが第m積分区間の補正閾値T’[m]を超えない場合(NO)は、制御部214は、ステップS780においてm=m+1を実行し、ステップS790において終了判定を行う。
ステップS770において、制御部214は、検出部103の検出信号を複数の積分区間でそれぞれ積分した複数の積分値のいずれかが監視範囲において、対応する積分区間に対して設定された閾値を超えた場合に、放射線が照射されたと判定する。
ステップS790の終了判定においてmが積分区間の数Mを超えていない場合(NO)は、制御部214は、ステップS720に戻って積分(累積加算)を続ける。一方、ステップS790の終了判定においてmが積分区間の数Mを超えている場合(NO)は、制御部214は、放射線が照射されていないと判定する。これにより、図3のステップ320の判定はNOとなる。
本発明の上記の実施形態における制御部214等のユニットは、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することもできる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
212:放射線検出パネル、103:検出部、121:差動増幅器、123:A/D変換器、112:画素アレイ、Bs:バイアス線、PIX:画素、113:読出部、114:駆動回路

Claims (16)

  1. 放射線画像を撮像するために複数の画素を有する画素アレイと、放射線の照射を検出するための検出部と、制御部とを備える放射線撮像装置であって、
    前記制御部は、前記検出部を使って得られる、基準値に対する変化分である測定値と、前記基準値に対して正および負のうちの一方における閾値と、の比較に基づく放射線の照射の開始の判定に応じて、前記画素アレイによる放射線画像の撮像動作を制御し、
    前記制御部は、前記正および前記負のうちの他方における前記測定値のみに応じて前記閾値を変更する、
    ことを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 放射線画像を撮像するために複数の画素を有する画素アレイと、放射線の照射を検出するための検出部と、制御部とを備える放射線撮像装置であって、
    前記制御部は、前記検出部を使って得られる、基準値に対する変化分である測定値と、前記基準値に対して正および負のうちの一方における閾値と、の比較に基づく放射線の照射の開始の判定に応じて、前記画素アレイによる放射線画像の撮像動作を制御し、
    前記制御部は、前記一方における前記測定値を除く測定値に応じて前記閾値を変更する、
    ことを特徴とする放射線撮像装置。
  3. 前記検出部は、放射線の照射に対して感度を有する信号と所定値との差分を差動増幅する差動増幅器を含み、前記制御部は、前記差動増幅器から出力される信号に基づいて前記測定値を得る、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。
  4. 放射線の照射に対して感度を有する前記信号は、前記画素アレイに配された導電線に現れる信号である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記導電線は、前記複数の画素に全部または一部に対してバイアス電位を与えるバイアス線を含み、
    放射線の照射に対して感度を有する前記信号は、前記バイアス線に現れる信号である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記検出部は、放射線を電気信号に変換するセンサを含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記制御部は、所定の期間および前記他方における前記測定値の振幅値の最大値に基づいて前記閾値を変更する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記制御部は、前記他方における前記測定値に応じて前記測定値に含まれるノイズレベルを決定し、前記ノイズレベルに応じて前記閾値を変更する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記制御部は、最新の前記測定値、および、過去の前記ノイズレベルに基づいて最新の前記ノイズレベルを決定する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の放射線撮像装置。
  10. 前記制御部は、前記他方における前記測定値に応じて前記測定値に含まれる外来ノイズレベルを決定し、前記外来ノイズレベルに応じて前記閾値を変更する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  11. 前記制御部は、予め定められた範囲の中で前記閾値を変更する、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  12. 前記測定値は、前記検出部から出力された信号に対してノイズ低減処理を実行した後の信号の値である、
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  13. 前記制御部は、前記検出部から出力された検出信号または前記検出信号を処理して得られる信号を複数の積分区間でそれぞれ積分した複数の積分値のいずれかが、前記一方において、対応する積分区間に対して設定された閾値を超えた場合に、放射線が照射されたと判定し、
    前記制御部は、各積分区間に対して設定された閾値を、当該積分区間で積分された積分値の前記他方の範囲における値に応じて変更する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  14. 放射線撮像システムであって、
    放射線源と、
    請求項1乃至13のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、
    を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
  15. 放射線画像を撮像するために複数の変換素子を有する画素アレイと、放射線の照射を検出するための検出部とを備える放射線撮像装置において放射線の照射の開始を検出する照射開始検出方法であって、
    前記検出部を使って得られる、基準値に対する変化分である測定値と、前記基準値に対して正および負のうちの一方における閾値と、の比較に基づいて、放射線の照射の開始を判定する工程と、
    前記正および前記負のうちの他方における前記測定値にのみ応じて前記閾値を変更する工程と、
    を含むことを特徴とする照射開始検出方法。
  16. 放射線画像を撮像するために複数の変換素子を有する画素アレイと、放射線の照射を検出するための検出部とを備える放射線撮像装置において放射線の照射の開始を検出する照射開始検出方法であって、
    前記検出部を使って得られる、基準値に対する変化分である測定値と、前記基準値に対して正および負のうちの一方おける閾値と、の比較に基づいて、放射線の照射の開始を判定する工程と、
    前記一方における前記測定値を除く測定値に応じて前記閾値を変更する工程と、
    を含むことを特徴とする照射開始検出方法。
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