JP6365619B2 - インプリント方法およびインプリント装置 - Google Patents

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本発明は、インプリント方法、特にインクジェット方式で樹脂を供給して、所望のパターン(線、模様等の凹凸構造からなる図形)を有する薄膜および/またはパターンを有しない平滑な薄膜を有する構造体を製造するインプリント方法と、このインプリント方法に使用するインプリント装置に関する。
近年、フォトリソグラフィ技術に代わる微細なパターン形成技術として、インプリント方法を用いたパターン形成技術が注目されている。インプリント方法は、微細な凹凸構造を備えた型部材(モールド)を用い、凹凸構造を被成形樹脂に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である。例えば、被成形樹脂として光硬化性樹脂を用いたインプリント方法では、転写基板の表面に光硬化性樹脂の液滴を供給し、所望の凹凸構造を有するモールドと転写基板とを所定の距離まで近接させて凹凸構造内に光硬化性樹脂を充填し、この状態でモールド側から光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離すことにより、モールドが備える凹凸が反転した凹凸構造(凹凸パターン)を有するパターン構造体を形成する。
このようなインプリント方法では、モールドを樹脂層から引き離す際に静電気が発生してモールドが帯電し、このモールドに雰囲気中の異物等が付着し易くなるという問題があった。モールドに異物等が付着した状態でインプリントを行うと、パターン構造体の欠陥が生じ、さらに、モールドの破損等を生じるおそれがあった。これに対応するために、例えば、モールドを樹脂層から引き離す際に、モールドの除電を行うこと(特許文献1、2)、あるいは、モールドの電位が所定値以上となった場合に、モールドの除電を行うこと(特許文献3)が提案されている。
尚、異物とは、インクジェット方式で供給された液滴がミストとして漂い乾燥した固形物、インクジェットヘッド等のインプリント装置を構成する部材から生じる微粒子、インプリント装置内に存在する塵等、インプリントに関与することを目的としていない物質である。
特開2007−98779号公報 特開2008−260273号公報 特開2009−286085号公報
しかし、モールドの除電手段として、コロナ放電式の静電気除去装置を使用する場合、送風やエアパージを必要とするため、発塵が生じるおそれがあり、また、コロナ放電を行うための放電針の先端の摩耗による発塵の問題もあった。
モールドの除電手段として、軟X線照射方式の静電気除去装置を使用する場合、モールドや転写基板の厚みが1mm程度になると、軟X線は透過できなくなるので、モールド側および/または転写基板側から軟X線を照射しても所望の除電効果を得ることは困難である。このため、軟X線照射方式の静電気除去装置を使用する場合は、モールドや転写基板の側方から軟X線を照射する必要がある。
ここで、一般にインプリント装置は、筐体内部にモールドを保持するステージ、転写基板を保持するステージ、インクジェット装置等が配設され、当該筐体内ではモールドを保持するステージや転写基板を保持するステージの稼動領域を確保する必要がある。このため、モールドの除電手段としての静電気除去装置は、ステージの稼動領域外、あるいは、筐体外部に配設されることとなる。一方、軟X線照射方式の静電気除去装置では、中心角度90°〜150°程度の放射状に軟X線が照射されるので、照射が不要な部分にも軟X線が照射されることになる。インクジェット装置のインクジェットヘッドに軟X線が照射されると、インクジェットヘッドの液滴吐出口に存在する被成形樹脂、インクジェットヘッドから液滴として供給される被成形樹脂に影響、例えば、樹脂組成物中のC−F結合、C−C結合の切断等の影響が生じる。このような影響が生じると、近接したモールドと転写基板との間隙における液滴の展開性、モールドの凹凸構造内への液滴の充填性に影響がおよび、形成された構造体の残膜厚みにムラが生じたり、パターン欠陥が生じるおそれがある。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、モールドの破損等を防止し、高精度のパターン構造体を安定して作製することができるインプリント方法とインプリント装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のインプリント装置は、モールドを保持するためのモールド保持部と、転写基板を保持するための基板保持部と、被成形樹脂の液滴を吐出するインクジェットヘッドを有する液滴供給部と、軟X線照射方式の静電気除去装置と、を少なくとも備え、前記静電気除去装置は前記モールド保持部に保持されるモールドに対して側方から軟X線を照射可能な位置にあり、前記静電気除去装置の軟X線照射口と前記インクジェットヘッドの液滴吐出口とを結ぶ線を横切るような面を有する部材を備えるような構成とした。
本発明のインプリント装置は、モールドを保持するためのモールド保持部と、転写基板を保持するための基板保持部と、被成形樹脂の液滴を吐出するインクジェットヘッドを有する液滴供給部と、軟X線照射方式の静電気除去装置と、を少なくとも備え、前記基板保持部は、前記モールド保持部と対向する転写位置に移動可能であり、前記静電気除去装置は、前記モールド保持部に保持されるモールドに対して側方から軟X線を照射可能な位置にあり、前記静電気除去装置の軟X線の照射中心の方向は、前記モールド保持部に保持されるモールドと、前記転写位置に位置する前記基板保持部に保持される転写基板との間隙の方向であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記液滴供給部は、前記インクジェットヘッドへ被成形樹脂を供給する供給配管を有し、該供給配管は軟X線を透過するような材質で構成されるとともに軟X線を遮蔽可能な材料で被覆されているものであるような構成とした。
また、本発明のインプリント方法は、インクジェットヘッドから被成形樹脂の液滴を吐出して、転写基板に供給する液滴供給工程と、凹凸構造を有するモールドと前記転写基板を近接させて、前記モールドと前記転写基板との間に前記液滴を展開して被成形樹脂層を形成する接触工程と、前記被成形樹脂層を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、前記転写樹脂層と前記モールドを引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、を有し、前記モールドの前記凹凸構造を有する面に対して側方から軟X線を前記モールドに照射するように軟X線照射方式の静電気除去装置を配し、かつ、前記静電気除去装置の軟X線照射口と前記インクジェットヘッドの液滴吐出口とを結ぶ線上の軟X線は、該線を横切る面で遮蔽され前記インクジェットヘッドの液滴吐出口には照射されないようにし、少なくとも前記離型工程では、前記静電気除去装置を用いて前記モールドの除電を行うような構成とした。
本発明の他の態様として、1mm以上の厚みを有するモールド、1mm以上の厚みを有する転写基板を使用するような構成とした。
本発明のインプリント装置は、モールド保持部に保持されたモールドに対する軟X線の照射による除電が可能であるとともに、インクジェットヘッドへの軟X線の照射を防止することができ、これにより、モールドの破損等を防止し、高精度のパターン構造体を安定して作製するインプリントが可能となる。
本発明のインプリント方法では、転写樹脂層とモールドとを引き離す剥離工程におけるモールドの帯電が抑制され、また、インクジェットヘッドへの軟X線の照射を防止するので、モールドの破損等を防止し、かつ、高精度のパターン構造体を安定して作製することができる。
本発明のインプリント装置の一実施形態を示す側面図である。 図1に示されるインプリント装置の平面図である。 本発明のインプリント装置における遮蔽部材の実施形態を説明するための部分平面図である。 本発明のインプリント装置における遮蔽部材の実施形態を説明するための部分側面図である。 本発明のインプリント方法を説明するための工程図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[インプリント装置]
図1は本発明のインプリント装置の一実施形態を示す側面図であり、図2は図1に示されるインプリント装置の平面図である。図1、図2において、本発明のインプリント装置1は、モールド31を保持するためのモールド保持部2と、転写基板41を保持するための基板保持部4と、転写基板41上に被成形樹脂の液滴を吐出するインクジェットヘッド7を備えた液滴供給部6と、軟X線照射方式の静電気除去装置8と、少なくともインクジェットヘッド7の液滴吐出口に軟X線が照射されることを防止するための遮蔽部材10とを備えている。
(モールド保持部2)
インプリント装置1を構成するモールド保持部2は、モールド31の凹凸構造領域32を有する面が基板保持部4に保持される転写基板41と対向可能となるようにモールド31を保持するものである。このモールド保持部2におけるモールド31の保持機構は、例えば、吸引による保持機構、機械挟持による保持機構等であってよく、保持機構には特に制限はない。また、モールド保持部2は、昇降機構3により図1に示す矢印Z方向で昇降可能とされている。このようなモールド保持部2の上方には、被成形樹脂として光硬化性樹脂を使用した場合の樹脂硬化のための光源12、光学系13が配設されている。
尚、図2においては、モールド保持部2とモールド31のみを記載し、昇降装置3、光源12、光学系13の記載を省略している。
(基板保持部4)
インプリント装置1を構成する基板保持部4は、インプリント用の転写基板41を保持するものであり、転写基板41の保持機構は、例えば、吸引による保持機構、機械挟持による保持機構等であってよく、保持機構には特に制限はない。この基板保持部4は、図示しない駆動機構部によってXYステージ5上を、図2にX方向、Y方向で示される水平面内で移動可能とされている。図示例では、基板保持部4は、転写基板供給位置にあり、XYステージ5上を、液滴供給部6のインクジェットヘッド7から樹脂の液滴の供給を受ける液滴供給位置、モールド保持部2に対向し転写を行う転写位置等に移動可能である。尚、本発明のインプリント装置は、図示例に限定されるものではなく、モールド保持部2、基板保持部4、インクジェットヘッド7の任意の部材を移動可能とし、これらの相対的な位置が変更可能とされている態様であってよい。
(液滴供給部6)
インプリント装置1を構成する液滴供給部6は、基板保持部4に保持された転写基板41上に被成形樹脂の液滴を供給するものであり、インクジェット装置(図示例ではインクジェットヘッド7のみを示している)を備えている。液滴供給部6が備えるインクジェット装置は、基板保持部4に保持された転写基板41上に被成形樹脂の液滴を供給するためのインクジェットヘッド7の所望の動作、例えば、図2に示されるX方向および/またはY方向での往復動作等を可能とする駆動部、インクジェットヘッド7へのインク供給部、および、インクジェットヘッド7と駆動部やインク供給部を制御する制御部等を具備している。
(静電気除去装置8)
インプリント装置1を構成する静電気除去装置8は、従来公知の軟X線照射方式の静電気除去装置であり、モールド保持部2に保持されるモールド31に対して側方から軟X線を照射できるように配設されている。この静電気除去装置8から照射される軟X線は、図示例では、中心角度θの放射状に照射(便宜的に任意の照射線を鎖線Rで示している)され、その照射中心Rcの方向が、モールド保持部2に保持されたモールド31と基板保持部4に保持された転写基板41とが対向し転写を行う転写位置の方向とされている。本発明における軟X線とは、真空紫外線(VUV)領域と軟X線領域を含む範囲の領域での光を指し、数値としては波長λが、0.1nm≦λ≦30nmの範囲の光を指す。
尚、上記の「モールド31に対して側方」とは、軟X線の照射中心Rcの方向が、モールド31の凹凸構造領域32を有する面の垂線(図1に示される一点鎖線L)に対して90°±45°の範囲となることを意味する。軟X線の照射中心Rcの方向が上記の範囲から外れると、モールド31の除電効率が低下し、軟X線の照射パワーの増大を来たし好ましくない。
(遮蔽部材10)
遮蔽部材10は、静電気除去装置8から照射される軟X線が、インクジェットヘッド7の少なくとも液滴吐出口に照射されることを防止するための部材である。図示例では、インクジェットヘッド7からの樹脂吐出を妨げず、かつ、静電気除去装置8の軟X線照射口8aとインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図2に示す二点鎖線)を遮るように、インクジェットヘッド7の近傍に遮蔽部材10が位置している。遮蔽部材10の材質は、例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、鉛、アルミニウム等の金属、カーボン、ガラス、陶器等の無機材料、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン、塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等の有機材料、これらの任意の組み合わせからなる複合材料等であってよい。このような遮蔽部材10の厚みは、軟X線を透過せずに遮蔽可能となる範囲で、使用する材質に応じて適宜設定することができる。
このような本発明のインプリント装置は、例えば、モールド保持部2、転基板保持部4、液滴供給部6、遮蔽部材10を筐体内部に配置し、筐体の外部に配置した静電気除去装置8から軟X線を照射するような構成とすることができる。この場合、筐体の外部に配置した静電気除去装置8からの軟X線照射に支障を与えないような形状、大きさの開口部を筐体に設ける必要がある。更に、静電気除去装置8も筐体内部に配置するような構成であってもよい。
ここで、遮蔽部材10の実施形態について、図3および図4に示す例を参照しながら更に説明する。尚、図3および図4には、図2に示すX方向、Y方向、図1に示すZ方向に対応するように、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表示している。
本発明における遮蔽部材10は、少なくとも平面視において静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線を遮るように配置されている。
図3(A−1)は、図2と同様にインプリント装置の平面を示す図であり、遮蔽部材10は平板形状で、静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図に示す二点鎖線)を遮るように配置されている。すなわち、遮蔽部材10の一の面10aは、静電気除去装置8からインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aへの軟X線の照射方向を横切る面となっている。また、この遮蔽部材10の下端(インクジェットヘッド7からの液滴吐出方向の端部)は、この図3(A−1)におけるI−I線断面を示す図3(B−1)に示されるように、インクジェットヘッド7からの液滴吐出(図示の実線矢印方向への吐出)を妨げることなく、かつ、静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図に示す二点鎖線)を遮る位置に配置されている。図示例では、遮蔽部材10の下端は、インクジェットヘッドの液滴吐出口7aの水平位置よりも低い位置にある。このような構成とすることで、照射された軟X線の仰角(図2にX方向、Y方向で示される水平面に対するZ方向の角度)成分が、インクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達することを防止することができる。
図3(A−2)は、図2と同様にインプリント装置の平面を示す図であり、この遮蔽部材10は上記の図2に示されるように、平面形状がL字形状であり、静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図に示す二点鎖線)を遮るように配置されている。すなわち、遮蔽部材10の一の面10aは、静電気除去装置8からインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aへの軟X線の照射方向を横切る面となっており、さらに、遮蔽部材10は他の面10bも有している。このような構成とすることで、照射された軟X線が筐体内で意図せず反射を起したとしても、軟X線の反射成分はL字形状の遮蔽部材の面10bを有する部位によって遮蔽され、軟X線がインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達することを防止することができる。また、この遮蔽部材10の下端は、図3(A−2)におけるII−II線断面を示す図3(B−2)に示されるように、インクジェットヘッド7からの液滴吐出(図示の実線矢印方向への吐出)を妨げることなく、かつ、静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図に示す二点鎖線)を遮る位置に配置されている。図示例では、遮蔽部材10の下端は、インクジェットヘッドの液滴吐出口7aの水平位置よりも低い位置にある。このような構成とすることで、照射された軟X線の仰角成分が、インクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達することを防止することができる。
図3(A−3)は、図2と同様にインプリント装置の平面を示す図であり、この例では、遮蔽部材10の平面形状がコ字形状であり、静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図に示す二点鎖線)を遮るように配置されている。すなわち、遮蔽部材10の一の面10aは、静電気除去装置8からインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aへの軟X線の照射方向を横切る面となっており、さらに、遮蔽部材10は他の面10b、面10cも有している。このような構成とすることで、照射された軟X線が筐体内で意図せず反射を起したとしても、軟X線の反射成分はコ字形状の遮蔽部材の面10b、面10cを有する部位によって遮蔽され、軟X線がインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達することを確実に防止することができる。また、この遮蔽部材10の下端は、図3(A−3)におけるIII−III線断面を示す図3(B−3)に示されるように、インクジェットヘッド7からの液滴吐出(図示の実線矢印方向への吐出)を妨げることなく、かつ、静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図に示す二点鎖線)を遮る位置に配置されている。図示例では、遮蔽部材10の下端は、インクジェットヘッドの液滴吐出口7aの水平位置よりも低い位置にある。このような構成とすることで、照射された軟X線の仰角成分が、インクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達することを防止することができる。
但し、インクジェットヘッド7に対して静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)方向に位置する遮蔽部材10の下端を通過した軟X線が、仰角的にコ字形状の遮蔽部材10の内側面(例えば、遮蔽部材10の面10cの裏側面10c′)に照射される場合、この部位での軟X線の意図しない反射により、軟X線がインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達するおそれがある。この場合、少なくとも軟X線が照射される可能性のある遮蔽部材10の内側面10c′を、軟X線を吸収可能な鉛等の材質とすることが好ましい。また、このような遮蔽部材10の内側面10c′への軟X線の照射を防止するために、遮蔽部材10の内側面10c′の下端を、仰角的に軟X線が到達し得ない位置にしてもよく、図3(B−3)は、このような態様を示している。
図4(A−1)は、図2と同様にインプリント装置の平面を示す図であり、この例では、遮蔽部材10の平面形状がインクジェットヘッド7を囲む□形状であり、静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図に示す二点鎖線)を遮るように配置されている。すなわち、遮蔽部材10の一の面10aは、静電気除去装置8からインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aへの軟X線の照射方向を横切る面となっており、さらに、遮蔽部材10は他の面10b、面10c、面10dも有している。このような構成とすることで、照射された軟X線が筐体内で意図せず反射を起したとしても、軟X線の反射成分は□形状の遮蔽部材の面10b、面10c、面10dを有する部位によって遮蔽され、軟X線がインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達することを更に確実に防止することができる。また、この遮蔽部材10の下端は、図4(A−1)におけるIV−IV線断面を示す図4(B−1)に示されるように、インクジェットヘッド7からの液滴吐出(図示の実線矢印方向への吐出)を妨げることなく、かつ、静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図に示す二点鎖線)を遮る位置に配置されている。図示例では、遮蔽部材10の下端は、インクジェットヘッドの液滴吐出口7aの水平位置よりも低い位置にある。このような構成とすることで、照射された軟X線の仰角成分が、インクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達することを防止することができる。
尚、この実施形態においても、上記の図3(A−3)、図3(B−3)に示した実施形態と同様に、軟X線が仰角的に遮蔽部材10の内側面(遮蔽部材10の面10cの裏側面10c′、面10dの裏側面10d′(図示せず))に照射される場合、少なくとも軟X線が照射される可能性のある遮蔽部材10の内側面10c′、10d′(図示せず)を、軟X線を吸収可能な材質とすることが好ましい。また、軟X線が仰角的に遮蔽部材10の内側面10c′、10d′(図示せず)に照射され得ないように、遮蔽部材10の下端位置を設定してもよく、図4(B−1)は、このような態様を示している。
また、図4(A−2)は、図2と同様にインプリント装置の平面を示す図であり、図4(B−2)は、図4(A−2)におけるV−V線断面を示す図であり、この例では、遮蔽部材10は、液滴が吐出される方向(図4(B−2)に実線矢印で示される方向)を除いたインクジェットヘッド7の周囲を囲むような形状であり、静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図に示す二点鎖線)を遮るように配置されている。すなわち、遮蔽部材10の一の面10aは、静電気除去装置8からインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aへの軟X線の照射方向を横切る面となっており、さらに、遮蔽部材10は他の面10b、面10c、面10d、面10eも有しており、また、遮蔽部材10の下端は、インクジェットヘッドの液滴吐出口7aの水平位置よりも低い位置にある。このような構成とすることで、照射された軟X線が筐体内および筐体の天井で意図せず反射を起したとしても、軟X線の反射成分は遮蔽部材の面10b、面10c、面10d、面10eを有する部位によって遮蔽され、軟X線がインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達することを確実に防止することができる。
尚、この実施形態においても、上記の図3(A−3)、図3(B−3)に示した実施形態と同様に、軟X線が仰角的に遮蔽部材10の内側面(遮蔽部材10の面10cの裏側面10c′、面10dの裏側面10d′(図示せず))に照射される場合、少なくとも軟X線が照射される可能性のある遮蔽部材10の内側面10c′、10d′(図示せず)を、軟X線を吸収可能な材質とすることが好ましい。また、軟X線が仰角的に遮蔽部材10の内側面10c′、10d′(図示せず)に照射され得ないように、遮蔽部材10の下端位置を設定してもよく、図4(B−2)は、このような態様を示している。
また、図4(A−3)は、図2と同様にインプリント装置の平面を示す図であり、図4(B−3)は、図4(A−3)におけるVI−VI線断面を示す図であり、この例では、遮蔽部材10は、液滴が吐出される方向(図4(B−2)に実線矢印で示される方向)を除いたインクジェットヘッド7の周囲を囲むような形状であるとともに、液滴吐出方向に開閉部10Aを備えている。すなわち、遮蔽部材10の一の面10aは、静電気除去装置8からインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aへの軟X線の照射方向を横切る面となっており、さらに、遮蔽部材10は他の面10b、面10c、面10d、面10eも有している。図4(B−2)に示される開閉部10Aは、矢印a方向に往復移動可能で、液滴吐出方向を開状態、閉状態(一点鎖線で示す)とすることができる。そして、開閉部10Aの閉状態では、静電気除去装置8の軟X線照射口(図示せず)とインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aとを結ぶ線(図に示す二点鎖線)は開閉部10Aによって遮られる状態となる。このような構成とすることで、照射された軟X線が筐体内および筐体の天井および/または床で意図せず反射を起したとしても、開閉部10Aの閉状態では、インクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに相対するように開閉部10が存在するので、軟X線はインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達し得ないものとなる。開閉部10Aの開閉動作は、図示例の往復移動に限定されるものではない。また、開閉部10Aの形状は、開閉動作と、閉状態での軟X線の遮蔽、開状態での液滴吐出に支障が生じないものであれば、特に制限はなく、例えば、開閉部10Aは遮蔽部材10に設けられたシャッターであって、液滴突出時に所望の開口を形成するような部材であってもよい。このような開閉部10Aの材質は、軟X線を遮蔽可能なものであればよく、遮蔽部材10と同一材質であってよく、また、異なる材質であってもよい。
上記の遮蔽部材10は、静電気除去装置8の稼動時に軟X線がインクジェットヘッド7の少なくとも液滴吐出口7aに照射されることを防止するように構成され、固定式であってもよいし、可動式であってもよい。遮蔽部材10が固定式である場合には、例えば、上述の実施形態のように、インクジェットヘッド7から離間するように、その近傍に配置されるが、インクジェットヘッド7上に直接遮蔽部材10が配置されたものであってもよい。すなわち、インクジェットヘッド7の所望の部位を被覆するように遮蔽部材10がインクジェットヘッド7に固着されているものであってよい。また、インクジェットヘッド7の所望の部位の近傍に配置されている遮蔽部材10と、インクジェットヘッド7の他の部位を被覆するように直接配置されている遮蔽部材10とが併存するものであってもよい。また、遮蔽部材10が可動式である場合、静電気除去装置8の非稼動時には所定位置に待機可能であるように構成してもよい。
尚、遮蔽部材10をインクジェットヘッド7から離間して配置する場合の離間距離は、適宜設定することができるが、筐体内で意図せず反射された軟X線がインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aに到達することを防止する点を考慮すると、遮蔽部材10はインクジェットヘッド7の近傍に配置されることが好ましい。
また、遮蔽部材10を構成する面は平面に限定されず、曲面、波面、球面等の任意の面とすることができる。例えば、上述の遮蔽部材10の平面視のL字形状は、半円形状であってもよく、また、平面視のコ字形状は3/4円形状であってもよく、平面視の□形状は円形状であってもよい。
また、上記の遮蔽部材10は、いずれもインクジェットヘッド7の液滴吐出口7aのみではなく、インクジェットヘッド7への軟X線の照射も防止されているが、インクジェットヘッド7を構成する材質が軟X線を遮蔽するものであり、内部の被成形樹脂に軟X線が照射されない場合には、インクジェットヘッド7の液滴吐出口7aへの軟X線の照射のみを防止するように遮蔽部材10を配設してもよい。
さらに、図示しないインク供給部からインクジェットヘッド7へ被成形樹脂を供給する配管が樹脂製チューブのような軟X線を透過するような材質である場合、静電気除去装置8から照射される軟X線が、供給配管を透過して被成形樹脂に照射されることを防止するように遮蔽部材を設けてもよく、また、軟X線を遮蔽可能な材料、例えば、金属顔料等を含有する塗料、金属管、ガラス管、塩化ビニル等の樹脂管等で供給配管を被覆してもよい。
このような本発明のインプリント装置1におけるインプリント動作の一例を説明する。まず、転写基板41を保持した基板保持部4がXYステージ5上を液滴供給位置に移動して、保持する転写基板41に、液滴供給部6のインクジェットヘッド7から被成形樹脂の液滴の供給を受ける。その後、基板保持部4はXYステージ5上を転写位置に移動し、モールド保持部2と基板保持部4とがZ方向で近接し、これによりモールド31と転写基板41との間に被成形樹脂の液滴が展開され被成形樹脂層が形成される。次いで、光源12から光学系13を介して光照射が行われ、被成形樹脂層が硬化して凹凸構造が転写された転写樹脂層となる。その後、静電気除去装置8から軟X線を照射することにより、モールド保持部2に保持されるモールド31に対して側方から軟X線が照射され、この状態でモールド保持部2と基板保持部4とをZ方向で離間し、これにより転写樹脂層とモールド31が引き離され、転写樹脂層であるパターン構造体を転写基板41上に位置させた状態となる。
また、インプリント装置1では、インクジェットヘッド7から供給される際の被成形樹脂、転写基板41上に供給された樹脂液滴に悪影響が及ばない範囲で、静電気除去装置8から随時軟X線を照射することも可能である。
このような本発明のインプリント装置では、転写樹脂層とモールド31を引き離す際に発生する静電気によるモールド31の帯電が阻害されて、モールド31に異物が付着することが防止され、パターン構造体の欠陥、モールドの破損等が防止されて、高精度のパターン構造体を安定して作製することができる。
上述のインプリント装置の実施形態は例示であり、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。例えば、上述のインプリント装置1では、モールド保持部2側に配設した光源12から光学系13を介した光照射により被成形樹脂層を硬化させるように構成されているが、これは、使用するモールド31が石英等の光透過性材料からなることを前提としたものである。使用するモールド31が遮光性材料からなり、基板保持部4から転写基板41を介した光照射が可能である場合、光源12、光学系13は、基板保持部4側に配設することができる。また、使用するモールド31が光透過性材料からなるものであっても、基板保持部4から転写基板41を介した光照射が可能である場合、光源12、光学系13を基板保持部4側に配設してもよく、また、光源12、光学系13をモールド保持部2側、および、基板保持部4側の双方に配設してもよい。また、被成形樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合には、本発明のインプリント装置は、光源12、光学系13が配設されていない構成であってもよい。
[インプリント方法]
本発明のインプリント方法は、液滴供給工程、接触工程、硬化工程、離型工程を有している。そして、モールドの凹凸構造を有する面に対して側方から軟X線をモールドに照射するように軟X線照射方式の静電気除去装置を配し、かつ、当該静電気除去装置から照射する軟X線がインクジェットヘッドの少なくとも液滴吐出口に照射されることを防止する遮蔽部材をインクジェットヘッドに直接および/またはインクジェットヘッドから離間して配し、少なくとも離型工程では、静電気除去装置を用いてモールドの除電を行うものである。
このような本発明のインプリント方法を、上述の本発明のインプリント装置1を使用した場合を例として図5を参照しながら説明する。尚、図5では、転写基板とモールドのみを示し、インプリント装置1を構成する各部材は図示しておらず、以下の説明では、図1および図2に示されるインプリント装置1の対応する部材番号を括弧内に記載する。
<液滴供給工程>
本発明では、転写基板41を保持した基板保持部(4)が液滴供給位置に移動し、液滴供給工程で、基板保持部(4)に保持されているインプリント用の転写基板41上の所望の領域に、液滴供給部(6)のインクジェットヘッド(7)から被成形樹脂の液滴51を吐出して供給する(図5(A))。
本発明のインプリント方法に使用する転写基板41は適宜選択することができ、例えば、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合材料基板であってよい。また、例えば、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等の所望のパターン構造物が形成されたものであってもよい。
被成形樹脂は、インクジェットヘッドからの吐出が可能な流動性を有するものであればよく、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。例えば、光硬化性樹脂としては、主剤、開始剤、架橋剤により構成され、また、必要に応じて、モールドとの付着を抑制するための離型剤や、転写基板41との密着性を向上させるための密着剤を含有しているものであってよい。そして、インプリント方法により製造するパターン構造体の用途、要求される特性、物性等に応じて、使用する被成形樹脂を適宜選択することができる。例えば、パターン構造体の用途がリソグラフィ用途であれば、エッチング耐性を有し、粘度が低く残膜厚みが少ないことが要求され、パターン構造体の用途が光学部材であれば、特定の屈折率、光透過性が要求され、これらの要求に応じて光硬化性樹脂を適宜選択することができる。但し、いずれの用途であっても、使用するインクジェットヘッドへの適合性を満たす特性(粘度、表面張力等)を具備していることが要求される。尚、インクジェットヘッドは、その構造および材質等に応じて、適合する液体の粘度、表面張力等が異なる。このため、使用する被成形樹脂の粘度や表面張力等を適宜に調整すること、あるいは、使用する被成形樹脂に適合するインクジェットヘッドを適宜に選択することが好ましい。本発明によれば、被成形樹脂がC−F結合やC−C結合を持つ成分を含有する場合であっても、後述するような遮蔽部材の配置により、軟X線による当該結合の切断等の影響を抑制することができる。
また、液滴供給部(6)のインクジェットヘッド(7)から転写基板41上に供給する被成形樹脂の液滴51の個数、隣接する液滴の距離は、個々の液滴の滴下量、必要とされる光硬化性樹脂の総量、基板に対する光硬化性樹脂の濡れ性、後工程である接触工程におけるモールド31と転写基板41との間隙等から適宜設定することができる。
<接触工程>
次に、基板保持部(4)を液滴供給位置から転写位置に移動させ、モールド保持部(2)と基板保持部(4)とを近接させ凹凸構造を備えたモールド31と転写基板41を近接させて、このモールド31と転写基板41との間に樹脂の液滴51を展開して光硬化性樹脂層52を形成する(図5(B))。
図示例では、モールド31は凸構造部位を有するメサ構造であり、凹凸構造領域32は凸構造部位に位置している。このようなモールド31の材質は適宜選択することができるが、光硬化性樹脂層を硬化させるための照射光が透過可能な透明基板を用いて形成することができ、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。モールド31の厚みは凹凸構造の形状、材料強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。尚、モールド31はメサ構造を具備しないものであってもよい。
<硬化工程>
次いで、モールド31側から光照射を行い、光硬化性樹脂層52を硬化させて、モールド31の凹凸構造が転写された転写樹脂層55とする(図5(C))。この硬化工程では、転写基板41が光透過性の材料からなる場合、転写基板41側から光照射を行ってもよく、また、転写基板41とモールド31の両側から光照射を行ってもよい。
また、被成形樹脂が熱硬化性樹脂、あるいは、熱可塑性樹脂である場合には、それぞれ被成形樹脂層52に対して加熱処理、あるいは、冷却(放冷)処理を施すことにより硬化させることができる。
<離型工程>
次に、離型工程にて、転写樹脂層55とモールド31を引き離して、転写樹脂層55であるパターン構造体61を転写基板41上に位置させた状態とする(図5(D))。
この離型工程では、軟X線照射方式の静電気除去装置(8)から軟X線を照射して、モールド31の除電を行う。
静電気除去装置(8)は、モールド31の凹凸構造領域32を有する面に対して側方から軟X線をモールドに照射するように配置される。また、静電気除去装置(8)から照射される軟X線がインクジェットヘッド(7)の少なくとも液滴吐出口に照射されることを防止する遮蔽部材(10)を、インクジェットヘッドに直接配設、および/または、インクジェットヘッドから離間して配設する。ここで、上記の「モールド31の凹凸構造領域32を有する面に対して側方」とは、所定の角度範囲で広角に照射される軟X線の照射中心方向が、モールド31の凹凸構造領域32を有する面の垂線(図5(C)に示される一点鎖線L)に対して90°±45°の範囲となることを意味する。また、遮蔽部材(10)の配設は、例えば、上述の本発明のインプリント装置の説明(図3および図4参照)で挙げたような種々の態様で行うことができる。
離型工程での静電気除去装置(8)からの軟X線の照射は、モールド31の除電が可能なように行うものであり、照射時期は適宜設定することができる。例えば、転写樹脂層55とモールド31の引き離しに際して行うことができ、また、転写樹脂層55とモールド31の引き離しが完了した後に行ってもよい。さらに、硬化工程が終了した後、静電気除去装置(8)からの軟X線照射を開始し、転写樹脂層55とモールド31の引き離しが完了し、基板保持部(4)が移動を開始するまで軟X線照射を継続してもよい。
上述の本発明のインプリント方法では、転写樹脂層とモールドとを引き離す剥離工程におけるモールドの帯電が抑制され、また、インクジェットヘッドの液滴吐出口への軟X線の照射を防止するので、モールドの破損、被成形樹脂の劣化等が防止され、これにより、高精度のパターン構造体を安定して作製することができる。そして、このような本発明のインプリント方法は、半導体デバイスの製造や、マスターモールドを用いたレプリカモールドの製造等に使用することができる。
上述のインプリント方法の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明のインプリント方法では、インクジェットヘッド(7)から供給される被成形樹脂、転写基板41上に供給された被成形樹脂の液滴51に悪影響が及ばない範囲で、液滴供給工程、接触工程、硬化工程において静電気除去装置(8)から随時軟X線を照射してもよい。
また、遮蔽部材(10)は、静電気除去装置(8)の稼動時に関係なく、インクジェットヘッド(7)の少なくとも液滴吐出口に軟X線が照射されることを防止する位置に常時配設してもよく、また、静電気除去装置(8)の稼動時のみ、インクジェットヘッド(7)の少なくとも液滴吐出口に軟X線が照射されることを防止する位置に配設してもよい。
インプリント方法を用いた種々のパターン構造体の製造、基板等の被加工体へ微細加工等に適用可能である。
1…インプリント装置
2…モールド保持部
4…基板保持部
6…液滴供給部
7…インクジェットヘッド
8…静電気除去装置
10…遮蔽部材
31…モールド
41…転写基板
51…液滴
52…被成形樹脂層
55…転写樹脂層

Claims (5)

  1. モールドを保持するためのモールド保持部と、転写基板を保持するための基板保持部と、被成形樹脂の液滴を吐出するインクジェットヘッドを有する液滴供給部と、軟X線照射方式の静電気除去装置と、を少なくとも備え、
    前記静電気除去装置は前記モールド保持部に保持されるモールドに対して側方から軟X線を照射可能な位置にあり、
    前記静電気除去装置の軟X線照射口と前記インクジェットヘッドの液滴吐出口とを結ぶ線を横切るような面を有する部材を備えることを特徴とするインプリント装置。
  2. モールドを保持するためのモールド保持部と、転写基板を保持するための基板保持部と、被成形樹脂の液滴を吐出するインクジェットヘッドを有する液滴供給部と、軟X線照射方式の静電気除去装置と、を少なくとも備え、
    前記基板保持部は、前記モールド保持部と対向する転写位置に移動可能であり、
    前記静電気除去装置は、前記モールド保持部に保持されるモールドに対して側方から軟X線を照射可能な位置にあり
    前記静電気除去装置の軟X線の照射中心の方向は、前記モールド保持部に保持されるモールドと、前記転写位置に位置する前記基板保持部に保持される転写基板との間隙の方向であることを特徴とするインプリント装置。
  3. 前記液滴供給部は、前記インクジェットヘッドへ被成形樹脂を供給する供給配管を有し、該供給配管は軟X線を透過するような材質で構成されるとともに軟X線を遮蔽可能な材料で被覆されているものであることを特徴とする請求項1または請求項に記載のインプリント装置。
  4. インクジェットヘッドから被成形樹脂の液滴を吐出して、転写基板に供給する液滴供給工程と、
    凹凸構造を有するモールドと前記転写基板を近接させて、前記モールドと前記転写基板との間に前記液滴を展開して被成形樹脂層を形成する接触工程と、
    前記被成形樹脂層を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、
    前記転写樹脂層と前記モールドを引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、を有し、
    前記モールドの前記凹凸構造を有する面に対して側方から軟X線を前記モールドに照射するように軟X線照射方式の静電気除去装置を配し、かつ、前記静電気除去装置の軟X線照射口と前記インクジェットヘッドの液滴吐出口とを結ぶ線上の軟X線は、該線を横切る面で遮蔽され前記インクジェットヘッドの液滴吐出口には照射されないようにし、
    少なくとも前記離型工程では、前記静電気除去装置を用いて前記モールドの除電を行うことを特徴とするインプリント方法。
  5. 1mm以上の厚みを有するモールド、1mm以上の厚みを有する転写基板を使用することを特徴とする請求項に記載のインプリント方法。
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