JP2022080673A - インプリント装置、インプリント方法及び凹凸構造体の製造方法 - Google Patents

インプリント装置、インプリント方法及び凹凸構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同一のインプリント装置内で異なる樹脂材料を供給することが可能な、インプリント装置、インプリント方法及び凹凸構造体の製造方法を提供する。【解決手段】インプリント装置10は、基材40を水平方向に搬送する基材搬送部13と、モールド50を保持するモールド保持部18と、基材搬送部13に保持された基材40に対して第1樹脂材料を吐出する第1ディスペンサヘッド17Aと、基材搬送部13に保持された基材40に対して第2樹脂材料を吐出する第2ディスペンサヘッド17Bと、を備えている。第1ディスペンサヘッド17A及び第2ディスペンサヘッド17Bは、それぞれ待機位置P1b、P2bと吐出位置P1a、P2aとの間で移動可能であり、第1ディスペンサヘッド17Aと第2ディスペンサヘッド17Bとは、互いに独立して移動可能である。【選択図】図2

Description

本開示は、インプリント装置、インプリント方法及び凹凸構造体の製造方法に関する。
近年、フォトリソグラフィ技術に替わる微細なパターン形成技術として、インプリント方法を用いたパターン形成技術が注目されている。インプリント方法は、微細な凹凸構造を備えた型部材(モールド)を用い、凹凸構造を被成型物に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である。例えば、光硬化性樹脂を用いたインプリント方法では、被加工体表面に被成型物として光硬化性樹脂の液滴を供給し、所望の凹凸構造を有するモールドと被加工体とを所定の距離まで近接させて凹凸構造内に光硬化性樹脂を充填し、この状態でモールド側から光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離すことにより、モールドが備える凹凸が反転した凹凸構造(凹凸パターン)を有するパターン構造体を形成する(特許文献1)。
特開2014-41861号公報
従来のインプリント装置は、同一のインプリント装置内で複数種類の樹脂材料を利用することが想定されておらず、ディスペンサヘッドが1つしか有していないものが一般的である。これに対して、近年、同一のインプリント装置内で異なる樹脂材料を塗布することが求められている。
本実施の形態は、同一のインプリント装置内で異なる樹脂材料を供給することが可能な、インプリント装置、インプリント方法及び凹凸構造体の製造方法を提供する。
本実施の形態によるインプリント装置は、インプリント装置であって、基材を保持しかつ水平方向に搬送する基材搬送部と、モールドを保持するモールド保持部と、前記基材搬送部に保持された前記基材に対して第1樹脂材料を吐出する第1ディスペンサヘッドと、前記基材搬送部に保持された前記基材に対して第2樹脂材料を吐出する第2ディスペンサヘッドと、を備え、前記第1ディスペンサヘッド及び前記第2ディスペンサヘッドは、それぞれ待機位置と吐出位置との間で移動可能であり、前記第1ディスペンサヘッドと前記第2ディスペンサヘッドとは、互いに独立して移動可能である。
本実施の形態によるインプリント装置において、一側から他側に向かう気流を形成する気流形成部を更に備え、前記第1樹脂材料は、前記第2樹脂材料よりも揮発性が高く、前記第1ディスペンサヘッドの前記吐出位置は、前記第2ディスペンサヘッドの前記吐出位置に対して前記気流の上流側には位置しなくてもよい。
本実施の形態によるインプリント装置において、前記第1樹脂材料の常温での蒸気圧が、前記第2樹脂材料の常温での蒸気圧よりも高くてもよい。
本実施の形態によるインプリント装置において、前記第1樹脂材料の粘度が、前記第2樹脂材料の粘度よりも小さくてもよい。
本実施の形態によるインプリント装置において、前記基材への前記第1樹脂材料の接触角が、前記基材への前記第2樹脂材料の接触角よりも小さくてもよい。
本実施の形態によるインプリント装置において、前記第1ディスペンサヘッドの前記待機位置と、前記第2ディスペンサヘッドの前記待機位置とは、前記基材搬送部の動線に対して反対側に位置していてもよい。
本実施の形態によるインプリント装置において、前記基材は、シート状であってもよい。
本実施の形態によるインプリント方法は、インプリント方法であって、基材搬送部により基材を保持しかつ水平方向に搬送する工程と、前記基材に対して第1ディスペンサヘッドから第1樹脂材料の液滴を吐出する工程と、モールドと前記基材との間に前記第1樹脂材料の液滴を展開して前記第1樹脂材料の第1樹脂層を形成する工程と、前記第1樹脂層を硬化させることにより、前記モールドの表面形状が転写された前記第1樹脂層を得る工程と、前記基材に対して第2ディスペンサヘッドから第2樹脂材料を吐出する工程と、モールドと前記基材との間に前記第2樹脂材料の液滴を展開して前記第2樹脂材料の第2樹脂層を形成する工程と、前記第2樹脂層を硬化させることにより、前記モールドの表面形状が転写された前記第2樹脂層を得る工程と、を備え、前記第1ディスペンサヘッド及び前記第2ディスペンサヘッドは、それぞれ待機位置と吐出位置との間で移動可能であり、前記第1ディスペンサヘッドと前記第2ディスペンサヘッドとは、互いに独立して移動可能である。
本実施の形態によるインプリント方法において、一側から他側に向かう気流が形成され、前記第1樹脂材料は、前記第2樹脂材料よりも揮発性が高く、前記第1ディスペンサヘッドの吐出位置は、前記第2ディスペンサヘッドの吐出位置に対して前記気流の上流側には位置しなくてもよい。
本実施の形態によるインプリント方法において、前記第2樹脂層は、前記第1樹脂層上に重ねて形成されてもよい。
本実施の形態によるインプリント方法において、前記基材上に、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが並んで形成されてもよい。
本実施の形態によるインプリント方法において、前記第1樹脂層を形成するモールドと、前記第2樹脂層を形成するモールドとが互いに異なってもよい。
本実施の形態によるインプリント方法において、前記第1ディスペンサヘッドの前記待機位置と、前記第2ディスペンサヘッドの前記待機位置とは、前記基材搬送部の動線に対して反対側に位置していてもよい。
本実施の形態によるインプリント方法において、前記基材は、シート状であってもよい。
本実施の形態による凹凸構造体の製造方法は、基材本体と、前記基材本体上に形成されたマスク層とを有する基材を準備する工程と、前記基材の前記マスク層上に第1ディスペンサヘッドから第1樹脂材料の液滴を吐出する工程と、モールドと前記基材との間に前記第1樹脂材料の液滴を展開して前記第1樹脂材料の第1樹脂層を形成する工程と、前記第1樹脂層を硬化させることにより、前記モールドの表面形状が転写された前記第1樹脂層を得る工程と、前記基材に対して第2ディスペンサヘッドから、前記第1樹脂層上に第2樹脂材料を吐出する工程と、モールドと前記基材との間に前記第2樹脂材料の液滴を展開して前記第2樹脂材料の第2樹脂層を形成する工程と、前記第2樹脂層を硬化させることにより、前記モールドの表面形状が転写された前記第2樹脂層を得る工程と、前記第1樹脂層が露出するまで前記第2樹脂層をドライエッチングする工程と、前記マスク層が露出するまで前記第1樹脂層をドライエッチングする工程と、前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層に覆われていない前記マスク層を除去する工程と、残存した前記マスク層をマスクとして前記基材本体をドライエッチングする工程と、前記基材本体上に残存する前記マスク層を除去する工程と、を備え、前記第1ディスペンサヘッド及び前記第2ディスペンサヘッドは、それぞれ待機位置と吐出位置との間で移動可能であり、前記第1ディスペンサヘッドと前記第2ディスペンサヘッドとは、互いに独立して移動可能である。
本実施の形態によれば、同一のインプリント装置内で異なる樹脂材料を供給することができる。
図1は、一実施の形態に係るインプリント装置を示す側面図である。 図2は、一実施の形態に係るインプリント装置を示す平面図である。 図3(a)(b)は、樹脂材料の揮発性の比較方法を示す図である。 図4(a)-(d)は、一実施の形態に係るインプリント方法の一部を示す側面図である。 図5(a)-(d)は、一実施の形態に係るインプリント方法の一部を示す側面図である。 図6(a)-(h)は、一実施の形態に係る凹凸構造体の製造方法を示す概略断面図である。 図7(a)-(d)は、変形例に係るインプリント方法の一部を示す側面図である。 図8(a)-(d)は、変形例に係るインプリント方法の一部を示す側面図である。 図9は、第1の変形例に係るインプリント装置を示す平面図である。 図10は、第2の変形例に係るインプリント装置を示す側面図である。 図11は、第2の変形例に係るインプリント装置を示す平面図である。 図12は、第3の変形例に係るインプリント装置を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら各実施の形態について説明する。図面は例示であり、説明のために特徴部を誇張することがあり、実物とは異なる場合がある。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件及び物理的特性並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度並びに物理的特性の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。さらに、図面においては、明瞭にするために、同様の機能を期待し得る複数の部分の形状を、規則的に記載しているが、厳密な意味に縛られることなく、当該機能を期待することができる範囲内で、当該部分の形状は互いに異なっていてもよい。また、図面においては、部材同士の接合面などを示す境界線を、便宜上、単なる直線で示しているが、厳密な直線であることに縛られることはなく、所望の接合性能を期待することができる範囲内で、当該境界線の形状は任意である。
[インプリント装置]
一実施の形態によるインプリント装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施の形態によるインプリント装置を示す側面図であり、図2は図1に示されるインプリント装置の平面図である。
図1に示すように、本実施の形態によるインプリント装置10は、インプリント用の基材40を保持しかつ水平方向に搬送するステージユニット(基材搬送部)13と、モールド50を保持するモールド保持部18と、第1ディスペンサヘッド17Aと、第2ディスペンサヘッド17Bと、を備えている。第1ディスペンサヘッド17Aは、待機位置P1bと吐出位置P1aとの間で移動可能であり、第2ディスペンサヘッド17Bは、待機位置P2bと吐出位置P2aとの間で移動可能である。また、第1ディスペンサヘッド17Aと第2ディスペンサヘッド17Bとは、互いに水平方向(XY平面方向)に離間して配置されており、互いに独立して移動可能である。
ステージユニット13は、基材40を保持する基材保持部23を有するとともに、基材40を水平方向に搬送する。また第1ディスペンサヘッド17Aは、基材保持部23に保持された基材40に対して第1樹脂材料を吐出するものである。第2ディスペンサヘッド17Bは、基材保持部23に保持された基材40に対して第2樹脂材料を吐出するものである。
また、ステージユニット13、モールド保持部18、第1ディスペンサヘッド17A及び第2ディスペンサヘッド17Bは、チャンバ11内に収容されている。チャンバ11内には、ステージ定盤12が固定されている。またステージユニット13は、チャンバ11内でステージ定盤12上に配置されている。チャンバ11内に支持部14が配置され、支持部14は、ステージユニット13の上方に配置されている。
支持部14には、レベリング部15と、アライメントカメラ16と、第2ディスペンサヘッド17Bと、第1ディスペンサヘッド17Aと、モールド保持部18とが、それぞれ取り付けられて固定されている。モールド保持部18には、モールド50が保持されている。また、チャンバ11内に一側から他側(本実施の形態においてはX軸方向マイナス側からX軸方向プラス側)に向かう気流Fを形成する気流形成部19が配置されている。さらに、モールド保持部18の上方には、光(例えば、紫外光)を、基材40の上に供給された第1樹脂材料又は第2樹脂材料に向けて照射する照射部21が設けられている。モールド保持部18の下方には、転写部25が設けられている。転写部25は、モールド50の形状を基材40上の第1樹脂材料又は第2樹脂材料に転写するときに、モールド50と基材40とが位置する領域である。
図2に示すように、チャンバ11内には、モールド保持部18、レベリング部15、アライメントカメラ16、第2ディスペンサヘッド17B及び第1ディスペンサヘッド17Aが配置されている。また、チャンバ11内には、基材40が搬入されるとともに、基材40をステージユニット13上に保持する領域であるロード領域20が設けられている。チャンバ11内であって、モールド保持部18よりも気流Fの上流側には、基材40を保管するストック部24が設けられていても良い。なお、図2において、ステージ定盤12、支持部14、照射部21等のいくつかの要素について、図示を省略している。
本実施の形態において、第1ディスペンサヘッド17Aの吐出位置P1aは、第2ディスペンサヘッド17Bの吐出位置P2aに対して気流Fの下流側に位置している。第1ディスペンサヘッド17Aの吐出位置P1aとは、第1ディスペンサヘッド17Aが基材40上で停止した状態で、基材40に対して第1樹脂材料を吐出する位置をいう。同様に、第2ディスペンサヘッド17Bの吐出位置P2aとは、第2ディスペンサヘッド17Bが基材40上で停止した状態で、基材40に対して第2樹脂材料を吐出する位置をいう。これにより、後述するように、第1ディスペンサヘッド17Aから吐出される第1樹脂材料が、第2ディスペンサヘッド17Bから吐出される第2樹脂材料よりも揮発性が高くても、揮発した成分が転写部25側に運ばれにくい。この結果、揮発した成分による転写部25に存在する各種部材の汚染を抑制することができる。
またアライメントカメラ16と、レベリング部15と、第2ディスペンサヘッド17Bと、第1ディスペンサヘッド17Aと、ロード領域20とはいずれも、モールド保持部18に対して気流Fの下流側(X軸方向プラス側)に位置している。これにより、レベリング部15、アライメントカメラ16、第2ディスペンサヘッド17B、第1ディスペンサヘッド17A又はロード領域20で発生したパーティクル等の異物が、気流Fによってモールド50側へ運ばれることを防止し、異物がモールド50に付着することを抑止している。
本明細書中、「部材Aが部材Bに対して気流の下(上)流側に位置する」とは、「部材Aのうち最も気流の上(下)流側に位置する部分が、部材Bのうち最も気流の下(上)流側に位置する部分よりも、気流Fの下(上)流側に位置する」ことを意味している。
なお、図2において、第1ディスペンサヘッド17Aの吐出位置P1aは、第2ディスペンサヘッド17Bの吐出位置P2aに対して気流Fの下流側に位置しているが、これに限られない。第1ディスペンサヘッド17Aの吐出位置P1aは、第2ディスペンサヘッド17Bの吐出位置P2aに対して気流Fの上流側に位置していなければ良い。すなわち第1ディスペンサヘッド17Aの吐出位置P1aと第2ディスペンサヘッド17Bの吐出位置P2aとは、気流Fの流れ方向に対して同一の位置に存在していても良い。例えば、図2に示す例では、第1ディスペンサヘッド17Aの吐出位置P1aのX座標と第2ディスペンサヘッド17Bの吐出位置P2aのX座標とは、互いに同一であっても良い。
図2に示すように、モールド保持部18と、第2ディスペンサヘッド17Bの吐出位置P2aと、第1ディスペンサヘッド17Aの吐出位置P1aと、ロード領域20とは、平面から見てこの順に配置されている。この場合、モールド保持部18と、第2ディスペンサヘッド17Bの吐出位置P2aと、第1ディスペンサヘッド17Aの吐出位置P1aと、ロード領域20とは、この順に一直線状に並んで配置されている。これにより、ステージユニット13は、後述する接触工程より前の各工程の間、気流Fの上流に向かって遡る方向に移動し、モールド50の下方を通過することがない。この結果、ステージユニット13の影響によってパーティクル等の異物がモールド50に付着することが防止される。
以下、インプリント装置10を構成する各要素について更に説明する。
(ステージユニット13)
図1に示すように、ステージユニット(基材搬送部)13は、ステージユニット13をステージ定盤12上で水平方向に移動させる移動ステージ22と、移動ステージ22上に設けられ、インプリント用の基材40を保持する基材保持部(チャック)23とを有している。このうち移動ステージ22は、水平方向(この場合はX方向)に延びる動線TL(図2参照)に沿って基材保持部23を搬送して、基材40を所定の位置に位置決めするものである。また、移動ステージ22は、基材40のXY方向位置の調整を行うほか、θ(Z軸周りの回転)方向の位置を調整(補正)する機能、基材40のZ軸方向の位置を調整する機能、及び基材40の傾きを調整する機能を有していても良い。これら移動ステージ22と基材保持部23とは、移動ステージ22によって駆動され、一体となって水平方向に移動可能となっている。本実施の形態において、基材保持部23は、吸引による保持機構を用いて基材40を保持しているが、これに限らず、例えば、機械挟持による保持機構、静電気による保持機構等により基材40を保持しても良い。なお、ステージユニット13には、図示しない基準マーク、モールド側レベリングセンサ、ステージ位置計測ユニットなどが設けられていても良い。
(基材40)
インプリント用の基材40は、平坦な表面及び平坦な裏面を有する平板状基板からなっていても良い。あるいは、基材40は、表面の一部に周囲より高い凸状の段差を有するメサ形状のものであっても良く、裏面の一部に例えばザグリ加工等で切削された凹形状を有するものであっても良い。この基材40は、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラスや、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン等の樹脂等、又はこれらの任意の積層材からなる透明基板等であっても良い。また、基材40としては、ニッケル、チタン、アルミニウム等の金属基板、シリコン、窒化ガリウム等の半導体基板等も用いることができる。このような基材40は、例えばマスターテンプレートであるモールド50のレプリカを作製するためのレプリカブランクであっても良い。あるいは、基材40は、光学素子又は磁気記録媒体等であっても良い。
(レベリング部15)
レベリング部15は、例えば、レーザー変位センサー等のレベリングセンサによって構成されている。このレベリング部15は、基材保持部23に保持された基材40の高さ(平坦度)を計測する機能を有している。
(アライメントカメラ16)
アライメントカメラ16は、基材40上に設けられた図示しないアライメントマークを検出することにより、ステージユニット13上の基材40の水平方向の位置決めを行うものである。具体的には、アライメントカメラ16によって基材40に形成されたアライメントマークを計測して、インプリント装置10に対する基材40の水平方向の位置ずれを求める。そして、インプリント装置10に対する基材40の位置ずれに基づいて、例えば移動ステージ22によって基材40の位置を調整する。アライメントカメラ16は、レベリング部15と略同一の位置に設けられているが、これに限らずアライメントカメラ16は、レベリング部15から離れた位置に設けられていても良い。
(第1ディスペンサヘッド17A)
第1ディスペンサヘッド17Aは、基材保持部23に保持された基材40上にインクジェット式で光硬化性樹脂等の第1樹脂材料の液滴41を吐出するものである。第1ディスペンサヘッド17Aは、例えばインクジェットヘッドからなっている。また、第1ディスペンサヘッド17Aには、第1ディスペンサヘッド17Aの所望の動作、例えば、水平方向動作等を可能とする駆動部、第1ディスペンサヘッド17Aへのインク供給部、及び、第1ディスペンサヘッド17A、駆動部及びインク供給部を制御する制御部等が設けられていても良い。この場合、第1ディスペンサヘッド17Aは、第1樹脂材料を吐出する吐出位置P1a(図2の二点鎖線)と、第1樹脂材料を吐出するまでの間に待機する待機位置(図2の実線)P1bとをとることができる。この場合、第1ディスペンサヘッド17Aは、吐出位置P1aと待機位置P1bとの間でY方向に移動可能となっている。
(第2ディスペンサヘッド17B)
第2ディスペンサヘッド17Bは、基材保持部23に保持された基材40上にインクジェット式で光硬化性樹脂等の第2樹脂材料の液滴41を吐出するものである。第2ディスペンサヘッド17Bは、例えばインクジェットヘッドからなっている。また、第2ディスペンサヘッド17Bには、第2ディスペンサヘッド17Bの所望の動作、例えば、水平方向動作等を可能とする駆動部、第2ディスペンサヘッド17Bへのインク供給部、及び、第2ディスペンサヘッド17B、駆動部及びインク供給部を制御する制御部等が設けられていても良い。この場合、第2ディスペンサヘッド17Bは、第2樹脂材料を吐出する吐出位置P2a(図2の二点鎖線)と、第2樹脂材料を吐出するまでの間に待機する待機位置(図2の実線)P2bとをとることができる。この場合、第2ディスペンサヘッド17Bは、吐出位置P2aと待機位置P2bとの間でY方向に移動可能となっている。
(第1樹脂材料及び第2樹脂材料)
第1樹脂材料及び第2樹脂材料は、それぞれ例えば光硬化性樹脂からなっている。光硬化性樹脂は、一般に主剤、開始剤、架橋剤により構成され、また、必要に応じて、モールド50との付着を抑制するための離型剤や、基材40との密着性を向上させるための密着剤を含有している。本実施の形態で使用する光硬化性樹脂には特に制限はなく、公知の光硬化性樹脂から、インプリントで製造するパターン構造体の用途、要求される特性、物性等に応じて適宜選択することができる。例えば、パターン構造体の用途がリソグラフィ用途であれば、エッチング耐性や粘度が低く残膜厚みが少ないことが要求され、パターン構造体の用途が光学部材であれば、特定の屈折率、光透過性が要求される。これらの要求に応じて光硬化性樹脂を適宜選択することができる。但し、いずれの用途であっても、使用するインクジェットヘッドへの適合性を満たす特性(粘度、表面張力等)を具備していることが要求される。なお、インクジェットヘッドは、その構造及び材質等に応じて、適合する液体の粘度、表面張力等が異なる。このため、光硬化性樹脂の粘度や表面張力等を適宜に調整すること、あるいは、使用する光硬化性樹脂に適合するインクジェットヘッドを適宜に選択することが可能である。
第1樹脂材料及び第2樹脂材料は、互いに異なる種類の成分を含んでいても良く、互いに異なる量の成分を含んでいても良く、又は互いに異なる性質を有していても良い。本実施の形態において、第1樹脂材料は、第2樹脂材料よりも揮発性が高いものが用いられる。具体的には、第1樹脂材料の常温(25℃)での蒸気圧が、第2樹脂材料の常温での蒸気圧よりも高いことにより、第1樹脂材料の揮発性が第2樹脂材料の揮発性よりも高くても良い。また第1樹脂材料の粘度が、第2樹脂材料の粘度よりも小さくても良い。この場合、第1樹脂材料は、第2樹脂材料よりも薄く広がりやすいため、揮発性が高くなる。あるいは、基材40への第1樹脂材料の接触角が、基材40への第2樹脂材料の接触角よりも小さくても良い。この場合、基材40上で、第1樹脂材料が第2樹脂材料よりも薄く広がりやすいため、揮発性が高くなる。このような揮発性は、例えば上述した主剤、開始剤、架橋剤の成分や量を適宜設定することにより、調整することができる。
樹脂材料の揮発性の高低は、例えば、以下のようにして比較することができる。図3(a)に示すように、基材40上に複数種類(この場合は3種類)の樹脂材料Ra、Rb、Rcを同量ずつ滴下し、待機する。一定時間の経過後、揮発せず残存した樹脂材料の量を比較し、残存量が少ないものほど揮発性が高いと判断することができる。例えば図3(b)に示す例では、樹脂材料Raの揮発性が最も高く、次いで樹脂材料Rbの揮発性が高く、樹脂材料Rcの揮発性が最も低いと考えられる。
(インク受容部材26)
図2に示すように、第1ディスペンサヘッド17Aの待機位置の下方及び第2ディスペンサヘッド17Bの待機位置の下方に、それぞれインク受容部材26が設けられていても良い。インク受容部材26は、第1ディスペンサヘッド17A及び第2ディスペンサヘッド17Bの吐出性能維持を目的として待機位置で定期的に予備吐出(捨て打ち、フラッシングとも呼ばれる)される液滴を受容するものであり、例えば、所望の形状の開口部を有する有底容器を備えていても良い。また、このような有底容器の底部に多孔質体を備えるものであってもよく、これにより液滴の受容性が向上する。多孔質体としては、無機あるいは有機の公知の多孔質体、布等、液滴の成分により溶解、劣化しない材料からなるものであれば、特に制限はない。
(モールド保持部18)
モールド保持部18は、モールド50の凹凸パターン51を有する面をステージユニット13の方向に向けた状態で、モールド50を保持するものである。このモールド保持部18は、例えば、吸引による保持機構、機械挟持による保持機構、静電気による保持機構等によりモールド50を保持するものであり、保持機構の具体的構成には特に制限はない。
モールド保持部18には、高さ制御機構31が取り付けられており、これによりモールド50の高さ方向(Z軸方向)位置を制御ないし調整可能となっている。高さ制御機構31は、モールド50を下方向に駆動することによって、基材40上の光硬化性樹脂にモールド50を押し付ける。また、高さ制御機構31は、モールド50を上方向に駆動することによって、基材40上の光硬化性樹脂からモールド50を剥離(離型)する。
(モールド50)
モールド50は、その下面の中央領域に形成された微細な凹凸パターン51を有している。この凹凸パターン51は、例えば電子線リソグラフィ法によって形成されたものである。モールド50は、照射部21からの光を透過する材料で構成され、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。またモールド50は、基材40に転写すべき凹凸パターン51が形成されたパターン面を有する。このモールド50は、モールド用基板の表面に電子線レジストを塗布し、電子線レジストに電子線描画を行ってレジストパターンを形成し、このレジストパターンをエッチングマスクとしてモールド用基板をエッチングして凹凸パターン51を形成することで、製造されている。凹凸パターン51は、図中では概略的に示されているが、凹凸パターン51の凸部の高さ(凹部の深さ)、ピッチ、数、配置面積(モールド50の主面に対する凹凸パターン51の占有面積)、形状(ライン形状、ドット形状(モスアイ状)等)は、特に限定されるものではなく、製造の対象となる基材に応じて適宜設定され得る。また、凹凸パターン51の寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、凸部の幅が40nm以下、好ましく10nm以上30nm以下であり、隣接する凸部の間の間隔は、40nm以下、好ましく10nm以上30nm以下である。モールド50のステージユニット13側の面は、凹凸パターン51を有さない平坦な面であっても良い。なお、基材40がレプリカテンプレート作製用のレプリカブランクである場合、モールド50は、レプリカテンプレートを作製するためのマスターテンプレートであっても良い。
(照射部21)
照射部21は、基材40の上に供給(塗布)された光硬化性樹脂に光を照射する。後述するように、本実施の形態では、基材40の上に供給される第1樹脂材料及び第2樹脂材料は光硬化性樹脂であるため、かかる光硬化性樹脂は照射部21からの光の照射によって硬化する。なお、モールド保持部18には、照射部21からの光を通過させる開口が設けられている。
(気流形成部19)
気流形成部19は、上述したように、チャンバ11内に一側から他側(X軸方向マイナス側からX軸方向プラス側)に向かう気流Fを形成するものである。この気流は、モールド保持部18に対して横方向に吹き込まれる。また気流形成部19は、チャンバ11内において、平面から見てモールド保持部18に対して第1ディスペンサヘッド17A及び第2ディスペンサヘッド17Bの反対側に配置されている。気流形成部19は、チャンバ11内をパーティクル等の異物の影響を除いた良好な転写環境にするものであり、例えば清浄な空気(クリーンエア)からなる気流Fを送り込むものであっても良い。なお、クリーンエアとしては、外気を取り込んだものであっても良く、例えば、フィルターを通した外気を用いることが好ましい。
(除電装置32)
また、図1及び図2に示すように、チャンバ11内には、モールド50及び基材40を除電する除電装置32が設けられている。この除電装置32は、モールド50及び基材40が帯電することによりモールド50及び基材40に異物が付着することを防止するためのものである。このような除電装置32は、例えば軟X線型イオナイザであり、具体的には、軟X線(低エネルギーなX線)を照射することによりチャンバ11内のガス分子をイオン化して除電するものであっても良い。軟X線型イオナイザを用いた場合、発塵することがなく、安定した除電性能を得ることができる。
除電装置32は、モールド保持部18に対して気流Fの下流側とならない位置に配置されている。これにより、除電装置32によって生成されたイオンが、気流Fによって気流Fの下流側に流されるので、モールド50及び基材40を効果的に除電することができる。具体的には、気流FがX軸方向マイナス側からX軸方向プラス側に向かう場合、除電装置32は、モールド保持部18に対してX軸方向マイナス側に位置するか、Y軸方向プラス側又はY軸方向マイナス側に位置することが好ましい。図2においては、除電装置32は、モールド保持部18に対してX軸方向マイナス側に位置している。
[インプリント方法]
次に、上述したインプリント装置10を用いてインプリント処理を行うインプリント方法について、図4(a)-(d)及び図5(a)-(d)を参照して説明する。図4(a)-(d)及び図5(a)-(d)はそれぞれ本実施の形態によるインプリント方法の一工程を示す側面図である。なお、図4(a)-(d)及び図5(a)-(d)において、図1及び図2に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付してある。また図4(a)-(d)及び図5(a)-(d)において、便宜上、チャンバ11、レベリング部15、アライメントカメラ16及びロード領域20等、いくつかの構成要素の図示を省略している。
ここでは、1つの基材40上に、第1樹脂材料からなる第1光硬化性樹脂層(第1樹脂層)42Aと、第2樹脂材料からなる第2光硬化性樹脂層(第2樹脂層)42Bとを重ねて形成する場合について説明する。
まず、基材保持部23に基材40が搭載されていない状態で、ステージユニット13をロード領域20(図1及び図2参照)に移動する(ロード領域移動工程)。なお、ステージユニット13は、移動ステージ22が駆動されることにより、ステージ定盤12上を水平移動する(以下の各工程においても同様)。次に、このロード領域20において、ステージユニット13の基材保持部23上に基材40を保持する(基材保持工程)。この場合、基材40が基材保持部23に真空吸引されることにより吸着保持されても良い。
続いて、ステージユニット13をX軸方向マイナス側に移動することにより、基材40をレベリング部15(図1及び図2参照)の下方に移動し、レベリング部15において基材40の高さ方向位置が計測される(レベリング工程)。続いて、ステージユニット13をX軸方向マイナス側に移動することにより、基材40をアライメントカメラ16の下方に移動し、アライメントカメラ16を用いて基材40の水平方向位置調整を行う(アライメント工程)。
次に、第1ディスペンサヘッド17Aを待機位置P1bからY軸方向マイナス側に移動し、吐出位置P1aで停止させる(第1ディスペンサヘッド位置移動工程)。またステージユニット13をX軸方向マイナス側に移動することにより、基材40を第1ディスペンサヘッド17Aの下方に移動する(ディスペンサ位置移動工程)。
続いて、図4(a)に示すように、基材保持部23に保持された基材40に、第1ディスペンサヘッド17Aから光硬化性樹脂等の第1樹脂材料の液滴41を吐出して供給する(液滴供給工程)。この液滴供給工程では、第1ディスペンサヘッド17Aの下方位置にある基材40上の所望の領域に、第1ディスペンサヘッド17Aから第1樹脂材料の液滴41を吐出して供給する。その後、第1ディスペンサヘッド17Aは、吐出位置P1aからY軸方向プラス側に移動し、待機位置P1bに戻る。
なお、図4(a)-(d)及び図5(a)-(d)において、吐出位置P1aにある第1ディスペンサヘッド17A及び吐出位置P2aにある第2ディスペンサヘッド17Bをそれぞれ実線で示している。また、待機位置P1bにある第1ディスペンサヘッド17A及び待機位置P2bにある第2ディスペンサヘッド17Bをそれぞれ二点鎖線で示している。
本実施の形態においては、気流形成部19によって一側(X方向マイナス側)から他側(X方向プラス側)に向かう気流Fが形成されている。これにより、第1ディスペンサヘッド17Aから基材40上に吐出された第1樹脂材料の液滴41からの揮発成分やミストが、転写部25側へ拡散してモールド50等に付着することが抑制される。
次に、図4(b)に示すように、ステージユニット13をX軸方向マイナス側に移動することにより、基材40をモールド保持部18に保持されたモールド50の下方に移動する(モールド位置移動工程)。
続いて、図4(c)に示すように、モールド50と基材40とを近接させることにより、モールド50と基材40との間に第1樹脂材料の液滴41を展開して第1樹脂材料の第1光硬化性樹脂層42Aを形成する(接触工程)。この接触工程においては、高さ制御機構31によってモールド保持部18が下降し、モールド保持部18と基材保持部23とが近接する。これにより、モールド50と基材40との間に第1樹脂材料の液滴41が展開され、第1光硬化性樹脂層42Aが形成される。
次いで、照射部21からの光によって光照射を行い、第1光硬化性樹脂層42Aを硬化させる。これにより、第1光硬化性樹脂層42Aにモールド50の凹凸パターン51が転写される(硬化工程)。この硬化工程においては、モールド保持部18が下降した状態で、モールド保持部18の上方に位置する照射部21から光照射を行う。これにより第1光硬化性樹脂層42Aを光硬化させて、モールド50の凹凸パターン51の表面形状が転写された第1光硬化性樹脂層42Aが得られる。
その後、図4(d)に示すように、第1光硬化性樹脂層42Aとモールド50とを引き離す(離型工程)。この離型工程においては、高さ制御機構31によってモールド保持部18が上昇することにより、第1光硬化性樹脂層42Aとモールド50とを引き離す。これにより、基材40上に凹凸パターン構造を有する第1光硬化性樹脂層42Aが形成される。
続いて、モールド保持部18に保持されたモールド50を、モールド50と異なる形状を有する他のモールド50A(以下、単にモールド50Aともいう)に交換する。この場合、他のモールド50Aは、凹凸パターン51を有していないが、これに限らず、モールド50と異なる形状の凹凸パターンを有していても良い。
次に、第2ディスペンサヘッド17Bを待機位置P2bからY軸方向マイナス側に移動し、吐出位置P2aで停止させる(第2ディスペンサヘッド位置移動工程)。またステージユニット13をX軸方向マイナス側に移動することにより、基材40を第2ディスペンサヘッド17Bの下方に移動する(ディスペンサ位置移動工程)。
続いて、図5(a)に示すように、基材保持部23に保持された基材40に、第2ディスペンサヘッド17Bから光硬化性樹脂等の第2樹脂材料の液滴41を吐出して供給する(液滴供給工程)。この液滴供給工程では、第2ディスペンサヘッド17Bの下方位置にある基材40上の所望の領域に、第2ディスペンサヘッド17Bから第2樹脂材料の液滴41を吐出して供給する。このとき、第2樹脂材料の液滴41は、第1光硬化性樹脂層42A上に吐出される。その後、第2ディスペンサヘッド17Bは、吐出位置P2aからY軸方向プラス側に移動し、待機位置P2bに戻る。
次に、図5(b)に示すように、ステージユニット13をX軸方向マイナス側に移動することにより、基材40をモールド保持部18に保持されたモールド50Aの下方に移動する(モールド位置移動工程)。
続いて、図5(c)に示すように、モールド50Aと基材40とを近接させることにより、モールド50Aと基材40との間に第2樹脂材料の液滴41を展開して第2樹脂材料の第2光硬化性樹脂層42Bを形成する(接触工程)。この接触工程においては、高さ制御機構31によってモールド保持部18が下降し、モールド保持部18と基材保持部23とが近接する。これにより、モールド50Aと基材40との間に第2樹脂材料の液滴41が展開され、第2光硬化性樹脂層42Bが形成される。
次いで、照射部21からの光によって光照射を行い、第2光硬化性樹脂層42Bを硬化させる。これにより、第2光硬化性樹脂層42Bにモールド50Aの平坦な下面の形状が転写される(硬化工程)。この硬化工程においては、モールド保持部18が下降した状態で、モールド保持部18の上方に位置する照射部21から光照射を行う。これにより第2光硬化性樹脂層42Bを光硬化させて、モールド50Aの平坦な下面の表面形状が転写された第2光硬化性樹脂層42Bが得られる。
その後、図5(d)に示すように、第2光硬化性樹脂層42Bとモールド50Aとを引き離す(離型工程)。この離型工程においては、高さ制御機構31によってモールド保持部18が上昇することにより、第2光硬化性樹脂層42Bとモールド50Aとを引き離す。これにより、基材40上であって第1光硬化性樹脂層42A上に、平坦な上面を有する第2光硬化性樹脂層42Bが形成される。
なお、図4(a)-(d)及び図5(a)-(d)においては、基材40上に、第1樹脂材料からなる第1光硬化性樹脂層42Aを形成した後、第2樹脂材料からなる第2光硬化性樹脂層42Bを形成しているが、これに限らない。第2樹脂材料からなる第2光硬化性樹脂層42Bを形成した後、第1樹脂材料からなる第1光硬化性樹脂層42Aを形成しても良い。
上述したように、本実施の形態においては、インプリント装置10は、第1ディスペンサヘッド17Aと第2ディスペンサヘッド17Bとを備え、第1ディスペンサヘッド17Aと第2ディスペンサヘッド17Bとは、互いに独立して移動可能となっている。これにより同一のインプリント装置10内で、1つの基材40に対して異なる樹脂材料(第1樹脂材料及び第2樹脂材料)を供給することができる。この結果、基材40上に互いに異なる樹脂材料(第1樹脂材料及び第2樹脂材料)からなる複数の樹脂層(第1光硬化性樹脂層42A、第2光硬化性樹脂層42B)を重ねて形成することが可能となる。
また、本実施の形態においては、チャンバ11内には、気流形成部19によって一側から他側(X軸方向マイナス側からX軸方向プラス側)に向かう気流Fが形成されている。この場合、第1樹脂材料は、第2樹脂材料よりも揮発性が高く、第1ディスペンサヘッド17Aは、第2ディスペンサヘッド17Bに対して気流Fの下流側に位置する。これにより、上述した揮発性の高い第1樹脂材料の成分が、転写部25側に運ばれにくい。これにより、揮発した成分による転写部25に存在する各種部材の汚染を抑制することができる。
すなわち第1樹脂材料及び第2樹脂材料は、それぞれ第1ディスペンサヘッド17A及び第2ディスペンサヘッド17Bから、例えばインクジェット方式により、数pL乃至数十pLの液量の液滴として供給される。このような微量の液滴は揮発性が高く、揮発成分が転写部25側に運ばれやすい。本実施の形態においては、上述したように、より揮発性の高い第1樹脂材料を吐出する第1ディスペンサヘッド17Aを、より揮発性の低い第2樹脂材料を吐出する第2ディスペンサヘッド17Bよりも気流Fの下流側に配置している。これにより、揮発性の高い第1樹脂材料の揮発成分が転写部25側に移動し、拡散してモールド50等に付着することを抑えることができる。
[凹凸構造体の製造方法]
次に、上述したインプリント方法を用いて凹凸構造体を製造する、凹凸構造体の製造方法について説明する。
まず図6(a)に示すように、基材40を準備する。基材40は、石英ガラス等の基材本体61と、基材本体61上に形成された、例えばクロム等の金属層であるマスク層62とを有する。
次に、図6(b)に示すように、本実施の形態によるインプリント装置10のモールド50を用いて、基材40のマスク層62上に所定の凹凸パターンを有する第1樹脂材料からなる第1光硬化性樹脂層(第1樹脂層)42Aを形成する。この第1光硬化性樹脂層42Aを形成する方法は、上述した図4(a)-(d)に示す工程と略同様にして行うことができる。
続いて、図6(c)に示すように、本実施の形態によるインプリント装置10のモールド50Aを用いて、第1光硬化性樹脂層42A上に平坦な上面を有する第2樹脂材料からなる第2光硬化性樹脂層(第2樹脂層)42Bを形成する。この第2光硬化性樹脂層42Bを形成する方法は、上述した図5(a)-(d)に示す工程と略同様にして行うことができる。
次いで、図6(d)に示すように、第1のエッチングガスを用いてドライエッチングを行うことにより、第1光硬化性樹脂層42Aが表面に露出するまで第2光硬化性樹脂層42Bをエッチングする。この場合、第1のエッチングガスによるエッチングレートは、第1光硬化性樹脂層42Aよりも第2光硬化性樹脂層42Bの方が高い。このため、第2光硬化性樹脂層42Bは、第1光硬化性樹脂層42Aの表面よりも凹むまで除去される。
次に、図6(e)に示すように、第2のエッチングガスを用いてドライエッチングを行うことにより、マスク層62が表面に露出するまで第1光硬化性樹脂層42Aをエッチングする。この場合、第2のエッチングガスによるエッチングレートは、第2光硬化性樹脂層42Bよりも第1光硬化性樹脂層42Aの方が高い。このため、マスク層62が露出した時点で、第2光硬化性樹脂層42Bは、第1光硬化性樹脂層42A上に残存する。
続いて、図6(f)に示すように、ウエットエッチングにより、基材本体61が表面に露出するまでマスク層62の一部をエッチング除去する。このようにして、第1光硬化性樹脂層42A及び第2光硬化性樹脂層42Bによって覆われていないマスク層62が除去される。基材本体61が表面に露出した際、基材本体61上には、マスク層62と第1光硬化性樹脂層42Aと第2光硬化性樹脂層42Bとが積層された凸部が形成される。
次いで、図6(g)に示すように、例えばCHF3ガス等の第3のエッチングガスを用いてドライエッチングを行うことにより、残存したマスク層62をマスクとして基材本体61をエッチングする。この場合、マスク層62に覆われていない基材本体61の部分がエッチングにより凹状に削られる。また第3のエッチングガスにより、第1光硬化性樹脂層42A及び第2光硬化性樹脂層42Bもエッチング除去され、マスク層62が表面に露出する。これにより、基材本体61に凹凸のパターンが形成される。
その後、図6(h)に示すように、ウエットエッチングにより、基材本体61上に残存するマスク層62をエッチング除去する。このようにして、凹凸のパターンを有する基材本体61からなる凹凸構造体60が作製される。このような凹凸構造体60は、例えばレプリカモールド、デバイス部品等として用いられても良い。
[インプリント方法の変形例]
次に、上述したインプリント装置10を用いてインプリント処理を行うインプリント方法の変形例について、図7(a)-(d)及び図8(a)-(d)を参照して説明する。図7(a)-(d)及び図8(a)-(d)はそれぞれ本実施の形態によるインプリント方法の一工程を示す側面図である。なお、図7(a)-(d)及び図8(a)-(d)において、図1乃至図6に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付してある。
本変形例においては、1つの基材40上に、第1樹脂材料からなる第1光硬化性樹脂層(第1樹脂層)42Aと、第2樹脂材料からなる第2光硬化性樹脂層(第2樹脂層)42Bとを並んで形成する場合について説明する。
まず、上述した実施の形態と同様にして、ロード領域移動工程、基材保持工程、レベリング工程、アライメント工程、第1ディスペンサヘッド位置移動工程、ディスペンサ位置移動工程を行う。
続いて、図7(a)に示すように、基材保持部23に保持された基材40に、第1ディスペンサヘッド17Aから光硬化性樹脂等の第1樹脂材料の液滴41を吐出して供給する(液滴供給工程)。この液滴供給工程では、第1ディスペンサヘッド17Aの下方位置にある基材40上の第1の領域A1に、第1ディスペンサヘッド17Aから第1樹脂材料の液滴41を吐出して供給する。その後、第1ディスペンサヘッド17Aは、吐出位置P1aからY軸方向プラス側に移動し、待機位置P1bに戻る。
次に、図7(b)に示すように、ステージユニット13をX軸方向マイナス側に移動することにより、基材40をモールド保持部18に保持されたモールド50の下方に移動する(モールド位置移動工程)。
続いて、図7(c)に示すように、モールド50と基材40とを近接させることにより、モールド50と基材40の第1の領域A1との間に第1樹脂材料の液滴41を展開して第1樹脂材料の第1光硬化性樹脂層42Aを形成する(接触工程)。
次いで、照射部21からの光によって光照射を行い、第1光硬化性樹脂層42Aを硬化させる。これにより、第1光硬化性樹脂層42Aにモールド50の凹凸パターン51が転写される(硬化工程)。
その後、図7(d)に示すように、第1光硬化性樹脂層42Aとモールド50とを引き離す(離型工程)。これにより、基材40上の第1の領域A1に凹凸パターン構造を有する第1光硬化性樹脂層42Aが形成される。
続いて、モールド保持部18に保持されたモールド50を、モールド50と異なる形状を有する他のモールド50A(以下、単にモールド50Aともいう)に交換する。この場合、他のモールド50Aは、モールド50と異なる形状の凹凸パターンを有している。
次に、第2ディスペンサヘッド17Bを待機位置P2bからY軸方向マイナス側に移動し、吐出位置P2aで停止させる(第2ディスペンサヘッド位置移動工程)。またステージユニット13をX軸方向マイナス側に移動することにより、基材40を第2ディスペンサヘッド17Bの下方に移動する(ディスペンサ位置移動工程)。
続いて、図8(a)に示すように、基材保持部23に保持された基材40上の第2の領域A2に、第2ディスペンサヘッド17Bから光硬化性樹脂等の第2樹脂材料の液滴41を吐出して供給する(液滴供給工程)。なお、第2の領域A2は、基材40上の、第1の領域A1と平面方向(XY平面方向)に異なる位置にある領域である。その後、第2ディスペンサヘッド17Bは、吐出位置P2aからY軸方向プラス側に移動し、待機位置P2bに戻る。
次に、図8(b)に示すように、ステージユニット13をX軸方向マイナス側に移動することにより、基材40をモールド保持部18に保持されたモールド50Aの下方に移動する(モールド位置移動工程)。
続いて、図8(c)に示すように、モールド50Aと基材40とを近接させることにより、モールド50Aと基材40の第2の領域A2との間に第2樹脂材料の液滴41を展開して第2樹脂材料の第2光硬化性樹脂層42Bを形成する(接触工程)。
次いで、照射部21からの光によって光照射を行い、第2光硬化性樹脂層42Bを硬化させる。これにより、第2光硬化性樹脂層42Bにモールド50Aの凹凸パターンの表面形状が転写される(硬化工程)。
その後、図8(d)に示すように、第2光硬化性樹脂層42Bとモールド50Aとを引き離す(離型工程)。これにより、基材40の第2の領域A2上に、凹凸パターン構造を有する第2光硬化性樹脂層42Bが形成される。
上述したように、本変形例においては、インプリント装置10は、第1ディスペンサヘッド17Aと第2ディスペンサヘッド17Bとを備え、第1ディスペンサヘッド17Aと第2ディスペンサヘッド17Bとは、互いに独立して移動可能となっている。これにより同一のインプリント装置10内で、1つの基材40に対して異なる樹脂材料(第1樹脂材料及び第2樹脂材料)を供給することができる。この結果、基材40上の互いに異なる位置に、異なる樹脂材料(第1樹脂材料及び第2樹脂材料)からなる複数の樹脂層(第1光硬化性樹脂層42A、第2光硬化性樹脂層42B)を並べて形成することが可能となる。
[インプリント装置の第1の変形例]
次に、図9を参照してインプリント装置の第1の変形例について説明する。図9はインプリント装置の第1の変形例を示す平面図である。図9に示す変形例は、第1ディスペンサヘッド17A及び第2ディスペンサヘッド17Bの位置関係が異なるものであり、他の構成は上述した実施の形態と略同一である。図9において、図1乃至図8に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9において、第1ディスペンサヘッド17Aの待機位置P1bと、第2ディスペンサヘッド17Bの待機位置P2bとは、ステージユニット13の動線TLに対して反対側に位置している。具体的には、第1ディスペンサヘッド17Aの待機位置P1bは、ステージユニット13の動線TLに対してY方向マイナス側に位置している。第2ディスペンサヘッド17Bの待機位置P2bは、ステージユニット13の動線TLに対してY方向プラス側に位置している。
この場合、第1ディスペンサヘッド17Aの待機位置P1bが第2ディスペンサヘッド17Bの待機位置P2bに対して動線TLに対して交差する方向(Y方向)に離れている。このため、第2ディスペンサヘッド17Bから吐出される第2樹脂材料から揮発した成分が、気流Fの下流側に位置する第1ディスペンサヘッド17A側に運ばれにくい。これにより、揮発した成分による第1ディスペンサヘッド17Aの汚染を抑制することができる。
[インプリント装置の第2の変形例]
次に、図10及び図11を参照しインプリント装置の第2の変形例について説明する。図10及び図11はインプリント装置の第2の変形例を示す平面図である。図10及び図11に示す変形例は、主にシート状の基材40Aが用いられる点が異なるものであり、他の構成は上述した実施の形態と略同一である。図10及び図11において、図1乃至図9に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図10及び図11に示すように、本変形例によるインプリント装置10は、コンベア(基材搬送部)13Aと、モールド保持部18Aと、第1ディスペンサヘッド17Aと、第2ディスペンサヘッド17Bと、を備えている。コンベア13Aは、シート状のインプリント用の基材40Aを保持しかつ水平方向に搬送する。モールド保持部18Aは、ロール状のモールド55を保持する。第1ディスペンサヘッド17Aと第2ディスペンサヘッド17Bとは、互いに水平方向(XY平面方向)に離間して配置されており、互いに独立して移動可能である。
コンベア13Aは、シート状の基材40Aを水平方向(この場合はX方向マイナス側)に搬送する。また第1ディスペンサヘッド17Aは、コンベア13Aに保持された基材40Aに対して第1樹脂材料を吐出するものである。第2ディスペンサヘッド17Bは、コンベア13Aに保持された基材40Aに対して第2樹脂材料を吐出するものである。基材40Aは、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン等の樹脂等、又はこれらの任意の積層材からなる透明基板等であっても良い。基材40Aは、シート状であり、可撓性を有していることが好ましい。このような基材40Aは、例えば光学部品を作成するためのものであっても良い。
また、コンベア13A、モールド保持部18A、第1ディスペンサヘッド17A及び第2ディスペンサヘッド17Bは、チャンバ11内に収容されている。チャンバ11内に支持部14が配置され、支持部14は、コンベア13Aの上方に配置されている。
支持部14には、レベリング部15と、アライメントカメラ16と、第2ディスペンサヘッド17Bと、第1ディスペンサヘッド17Aと、モールド保持部18Aとが、それぞれ取り付けられて固定されている。モールド保持部18Aには、モールド55が保持されている。モールド55は、円筒状であり、その表面に微細な凹凸パターンを有していても良い。モールド55は、モールド保持部18Aに対して回転することにより、凹凸パターンを基材40A上の第1樹脂材料又は第2樹脂材料に転写する。
チャンバ11内には一側から他側(本変形例においてはX軸方向マイナス側からX軸方向プラス側)に向かう気流Fを形成する気流形成部19が配置されている。さらに、モールド保持部18Aと気流形成部19との間には、照射部21が設けられている。モールド保持部18Aの下方には、転写部25が設けられている。転写部25は、モールド55の形状を基材40A上の第1樹脂材料又は第2樹脂材料に転写するときに、モールド55と基材40Aとが位置する領域である。
本変形例において、第1ディスペンサヘッド17Aの吐出位置P1aは、第2ディスペンサヘッド17Bの吐出位置P2aに対して気流Fの下流側に位置している。これにより、第1ディスペンサヘッド17Aから吐出される第1樹脂材料が、第2ディスペンサヘッド17Bから吐出される第2樹脂材料よりも揮発性が高くても、揮発した成分が転写部25側に運ばれにくい。これにより、揮発した成分による転写部25に存在する各種部材の汚染を抑制することができる。
図10及び図11に示すインプリント装置10を用いてインプリント処理を行うインプリント方法について説明する。
まず、第1ディスペンサヘッド17Aを待機位置P1bからY軸方向マイナス側に移動し、吐出位置P1aで停止させる(第1ディスペンサヘッド位置移動工程)。続いて、コンベア13Aに保持された基材40Aに、第1ディスペンサヘッド17Aから光硬化性樹脂等の第1樹脂材料の液滴46Aを吐出して供給する(液滴供給工程)。その後、第1ディスペンサヘッド17Aは、吐出位置P1aから待機位置P1bに戻る。
次に、コンベア13Aにより基材40Aをモールド保持部18Aに保持されたモールド55の下方に移動する(モールド位置移動工程)。続いて、第1樹脂材料の液滴46Aがモールド55と基材40Aとの間の隙間を通過することにより、モールド55と基材40Aとの間に液滴46Aを展開して第1樹脂材料の第1光硬化性樹脂層42Aを形成する(接触工程)。
次いで、照射部21からの光によって光照射を行い、第1光硬化性樹脂層42Aを硬化させる。これにより、第1光硬化性樹脂層42Aにモールド55の凹凸パターンが転写される(硬化工程)。
次に、第2ディスペンサヘッド17Bを待機位置P2bからY軸方向マイナス側に移動し、吐出位置P2aで停止させる(第2ディスペンサヘッド位置移動工程)。またコンベア13Aにより、基材40Aを第2ディスペンサヘッド17Bの下方に移動する(ディスペンサ位置移動工程)。
続いて、コンベア13Aに保持された基材40A上に、第2ディスペンサヘッド17Bから光硬化性樹脂等の第2樹脂材料の液滴46Bを吐出して供給する(液滴供給工程)。なお、液滴46Bが供給される領域は、基材40A上の、液滴46Aが供給される領域と平面方向(XY平面方向)に異なる位置にある領域である。その後、第2ディスペンサヘッド17Bは、吐出位置P2aから待機位置P2bに戻る。
次に、コンベア13Aにより、基材40Aをモールド保持部18Aに保持されたモールド55の下方に移動する(モールド位置移動工程)。続いて、第2樹脂材料の液滴46Bがモールド55と基材40Aとの間の隙間を通過することにより、モールド55と基材40Aとの間に第2樹脂材料の液滴46Bを展開して第2樹脂材料の第2光硬化性樹脂層42Bを形成する(接触工程)。
次いで、照射部21からの光によって光照射を行い、第2光硬化性樹脂層42Bを硬化させる。これにより、第2光硬化性樹脂層42Bにモールド55の凹凸パターンが転写される(硬化工程)。
上述したように、本変形例においては、インプリント装置10は、第1ディスペンサヘッド17Aと第2ディスペンサヘッド17Bとを備え、第1ディスペンサヘッド17Aと第2ディスペンサヘッド17Bとは、互いに独立して移動可能となっている。これにより同一のインプリント装置10内で、1つのシート状の基材40Aに対して異なる樹脂材料(第1樹脂材料及び第2樹脂材料)を供給することができる。この結果、シート状の基材40A上の互いに異なる位置に、異なる樹脂材料(第1樹脂材料及び第2樹脂材料)からなる複数の樹脂層(第1光硬化性樹脂層42A、第2光硬化性樹脂層42B)を並べて形成することが可能となる。
なお、本変形例において、1つのシート状の基材40A上に、第1樹脂材料からなる第1光硬化性樹脂層(第1樹脂層)42Aと、第2樹脂材料からなる第2光硬化性樹脂層(第2樹脂層)42Bとを重ねて形成してもよい。また、本変形例において、第1光硬化性樹脂層42Aを形成するモールド55と、第2光硬化性樹脂層42Bを形成するモールド55とは、互いに同一であっても良く、互いに異なっていても良い。
[インプリント装置の第3の変形例]
次に、図12を参照しインプリント装置の第3の変形例について説明する。図12はインプリント装置の第3の変形例を示す平面図である。図12に示す変形例は、第1ディスペンサヘッド17A及び第2ディスペンサヘッド17Bの位置関係が異なるものであり、他の構成は上述した変形例2によるインプリント装置10と略同一である。図12において、図10及び図11に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図12において、第1ディスペンサヘッド17Aの待機位置P1bと、第2ディスペンサヘッド17Bの待機位置P2bとは、ステージユニット13の動線TLに対して反対側に位置している。具体的には、第1ディスペンサヘッド17Aの待機位置P1bは、ステージユニット13の動線TLに対してY方向マイナス側に位置しており、第2ディスペンサヘッド17Bの待機位置P2bは、ステージユニット13の動線TLに対してY方向プラス側に位置している。
この場合、第1ディスペンサヘッド17Aの待機位置P1bが第2ディスペンサヘッド17Bの待機位置P2bに対して動線TLに対して直交する方向(Y方向)に離れている。このため、第2ディスペンサヘッド17Bから吐出される第2樹脂材料から揮発した成分が気流Fの下流側に位置する第1ディスペンサヘッド17A側に運ばれにくい。これにより、揮発した成分による第1ディスペンサヘッド17Aの汚染を抑制することができる。
本開示は上記各実施の形態及び各変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施の形態及び各変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。各実施の形態及び各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 インプリント装置
11 チャンバ
12 ステージ定盤
13 ステージユニット
14 支持部
15 レベリング部
16 アライメントカメラ
17A 第1ディスペンサヘッド
17B 第2ディスペンサヘッド
18 モールド保持部
19 気流形成部
20 ロード領域
21 照射部
23 基材保持部
24 ストック部
25 転写部
26 インク受容部材
40 基材
41 液滴
50 モールド
51 凹凸パターン
60 凹凸構造体

Claims (15)

  1. インプリント装置であって、
    基材を保持しかつ水平方向に搬送する基材搬送部と、
    モールドを保持するモールド保持部と、
    前記基材搬送部に保持された前記基材に対して第1樹脂材料を吐出する第1ディスペンサヘッドと、
    前記基材搬送部に保持された前記基材に対して第2樹脂材料を吐出する第2ディスペンサヘッドと、を備え、
    前記第1ディスペンサヘッド及び前記第2ディスペンサヘッドは、それぞれ待機位置と吐出位置との間で移動可能であり、
    前記第1ディスペンサヘッドと前記第2ディスペンサヘッドとは、互いに独立して移動可能である、インプリント装置。
  2. 一側から他側に向かう気流を形成する気流形成部を更に備え、
    前記第1樹脂材料は、前記第2樹脂材料よりも揮発性が高く、前記第1ディスペンサヘッドの前記吐出位置は、前記第2ディスペンサヘッドの前記吐出位置に対して前記気流の上流側には位置しない、請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記第1樹脂材料の常温での蒸気圧が、前記第2樹脂材料の常温での蒸気圧よりも高い、請求項2に記載のインプリント装置。
  4. 前記第1樹脂材料の粘度が、前記第2樹脂材料の粘度よりも小さい、請求項2に記載のインプリント装置。
  5. 前記基材への前記第1樹脂材料の接触角が、前記基材への前記第2樹脂材料の接触角よりも小さい、請求項2に記載のインプリント装置。
  6. 前記第1ディスペンサヘッドの前記待機位置と、前記第2ディスペンサヘッドの前記待機位置とは、前記基材搬送部の動線に対して反対側に位置している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインプリント装置。
  7. 前記基材は、シート状である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインプリント装置。
  8. インプリント方法であって、
    基材搬送部により基材を保持しかつ水平方向に搬送する工程と、
    前記基材に対して第1ディスペンサヘッドから第1樹脂材料の液滴を吐出する工程と、
    モールドと前記基材との間に前記第1樹脂材料の液滴を展開して前記第1樹脂材料の第1樹脂層を形成する工程と、
    前記第1樹脂層を硬化させることにより、前記モールドの表面形状が転写された前記第1樹脂層を得る工程と、
    前記基材に対して第2ディスペンサヘッドから第2樹脂材料を吐出する工程と、
    モールドと前記基材との間に前記第2樹脂材料の液滴を展開して前記第2樹脂材料の第2樹脂層を形成する工程と、
    前記第2樹脂層を硬化させることにより、前記モールドの表面形状が転写された前記第2樹脂層を得る工程と、を備え、
    前記第1ディスペンサヘッド及び前記第2ディスペンサヘッドは、それぞれ待機位置と吐出位置との間で移動可能であり、
    前記第1ディスペンサヘッドと前記第2ディスペンサヘッドとは、互いに独立して移動可能である、インプリント方法。
  9. 一側から他側に向かう気流が形成され、
    前記第1樹脂材料は、前記第2樹脂材料よりも揮発性が高く、前記第1ディスペンサヘッドの吐出位置は、前記第2ディスペンサヘッドの吐出位置に対して前記気流の上流側には位置しない、請求項8に記載のインプリント方法。
  10. 前記第2樹脂層は、前記第1樹脂層上に重ねて形成される、請求項8又は9に記載のインプリント方法。
  11. 前記基材上に、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが並んで形成される、請求項8又は9に記載のインプリント方法。
  12. 前記第1樹脂層を形成するモールドと、前記第2樹脂層を形成するモールドとが互いに異なる、請求項8乃至11のいずれか一項に記載のインプリント方法。
  13. 前記第1ディスペンサヘッドの前記待機位置と、前記第2ディスペンサヘッドの前記待機位置とは、前記基材搬送部の動線に対して反対側に位置している、請求項8乃至12のいずれか一項に記載のインプリント方法。
  14. 前記基材は、シート状である、請求項8乃至12のいずれか一項に記載のインプリント方法。
  15. 基材本体と、前記基材本体上に形成されたマスク層とを有する基材を準備する工程と、
    前記基材の前記マスク層上に第1ディスペンサヘッドから第1樹脂材料の液滴を吐出する工程と、
    モールドと前記基材との間に前記第1樹脂材料の液滴を展開して前記第1樹脂材料の第1樹脂層を形成する工程と、
    前記第1樹脂層を硬化させることにより、前記モールドの表面形状が転写された前記第1樹脂層を得る工程と、
    前記基材に対して第2ディスペンサヘッドから、前記第1樹脂層上に第2樹脂材料を吐出する工程と、
    モールドと前記基材との間に前記第2樹脂材料の液滴を展開して前記第2樹脂材料の第2樹脂層を形成する工程と、
    前記第2樹脂層を硬化させることにより、前記モールドの表面形状が転写された前記第2樹脂層を得る工程と、
    前記第1樹脂層が露出するまで前記第2樹脂層をドライエッチングする工程と、
    前記マスク層が露出するまで前記第1樹脂層をドライエッチングする工程と、
    前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層に覆われていない前記マスク層を除去する工程と、
    残存した前記マスク層をマスクとして前記基材本体をドライエッチングする工程と、
    前記基材本体上に残存する前記マスク層を除去する工程と、を備え、
    前記第1ディスペンサヘッド及び前記第2ディスペンサヘッドは、それぞれ待機位置と吐出位置との間で移動可能であり、
    前記第1ディスペンサヘッドと前記第2ディスペンサヘッドとは、互いに独立して移動可能である、凹凸構造体の製造方法。
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