以下、図面を用いて、本発明の育苗システムの一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の育苗システムの一例としての播種育苗施設の平面レイアウト図であり、図2は、播種設備102の全体側面図である。
図1に示す播種育苗施設は、2階が育苗箱置場となっており、その育苗箱置場の育苗箱Cが育苗箱供給装置101によって1階に設置した播種設備102に1枚ずつ順次供給される。
図2に示す播種設備102は、育苗箱Cを一定方向に搬送する育苗箱搬送コンベヤ103に沿って上流側から下流側に向けて順番に、育苗箱Cに床土を入れて鎮圧・均平する床土供給装置104、水稲用の灌水装置105、床土の上に種籾を播種する播種装置106、覆土を施す覆土供給装置107、野菜用の灌水装置108が設けられている。
尚、床土供給装置104の育苗箱搬送下手側部分には、育苗箱Cに供給された床土を均平する均平部109を備えている。また、野菜の種子を播種するときには、野菜用の灌水装置108を作動させ、覆土供給装置107により覆土した後に灌水するようになっている。
播種設備102によって播種等を施された育苗箱Cは、段積・積付・移載設備110によって、パレット又は出芽台車111の上に所定枚数積み重ねられた育苗箱が移載される。そして、パレット又は出芽台車111の上に積み重ねられた育苗箱を出芽室112に搬入して出芽させる。出芽室112で出芽させた積み重ねられた育苗箱は育苗箱積替装置143(図12参照)で緑化台車146に棚積みされ、該緑化台車146ごと温度管理された緑化室200へ搬入して所定の大きさに苗が成育するまで育苗する。尚、前記出芽室112及び緑化室200は、それぞれ3室設けられている。
また、図1に示す播種育苗施設では、播種設備102の播種装置106の貯留する種籾の減少に伴って、種籾コンテナ114(図1参照)から自動的に該播種装置106へ種籾を供給する種籾供給コンベア115を設けている。
この播種育苗施設には浸種水槽116を複数個(例えば、5個)設けており、水を張った該浸種水槽116内へ種籾を収容した状態の種籾コンテナ114を沈めて浸種して種子の芽出しを促進した後、その種子を播種装置106へ供給するようになっている。浸種水槽116へ供給される水は電気分解により生成される電解水(消毒液)であり、この浸種行程において種子の消毒も行う。
従って、浸種水槽116は、浸種設備並びに種子消毒設備を構成している。前記電解水として生成される強酸性水と強アルカリ水とは、所望の温度に維持するべく共通の緑化室200に設けた酸性水タンク201及びアルカリ水タンク202に貯留されている(図1参照)。浸種水槽116へ供給する水は、前記タンク201,202内の貯留量等に応じて強酸性水か強アルカリ水か適宜選択することができるが、複数個備える浸種水槽116ごとに強酸性水と強アルカリ水とを振り分けて供給し、浸種行程が終わると各浸種水槽116内の強酸性水と強アルカリ水とを混合させて中和し、中和された水を排水するのが理想的である。尚、この播種育苗施設には種籾コンテナ114ごと収容できる催芽設備204も備えており、種籾コンテナ114内で種子を催芽させることもできる。
次に、図3〜図5を用いて、段積・積付・移載設備110について説明する。
図3は、段積・積付・移載設備110の平面図であり、図4は、段積・積付・移載設備110の側面図であり、図5(a)は、段積・積付・移載設備110の正面図である。
また、図5(b)は、後述する積付装置118の対向する一対の可動アーム126a、126bの先端部に設けられた第1保持爪164a、第2保持爪164bの内、第2保持爪164bの拡大正面図である。尚、第1保持爪164aと第2保持爪164bは同じ形状である。
図3〜図5に示す通り、この段積・積付・移載設備110は、育苗箱搬送コンベヤ103の終端部に配置され、該育苗箱搬送コンベヤ103で1枚ずつ搬送されてくる育苗箱Cを下方から持ち上げて所定枚数(例えば、10枚)まで段積することで段積育苗箱Cαを形成する段積装置117と、該段積装置117で段積された段積育苗箱Cαをまとめて把持して、X軸に平行な方向(図4参照)に横移動し、積付アーム119の所定位置に積付けることで段積育苗箱群Cβを形成する積付装置118と、該積付装置118で段積育苗箱Cαが所定回数(例えば、2回)積付けられる積付アーム119と、段積育苗箱群Cβが形成された該積付アーム119をZ軸に平行な方向(図5(a)参照)に上下移動、及びY軸に平行な方向(図5(a)参照)に横移動させて、その段積育苗箱群Cβをまとめて出芽台車111上の所定位置に移載する移載機構120とを備えている。
また、段積・積付・移載設備110は、図3に示す通り、段積・積付・移載設備110による各種動作を制御する制御部110aや、育苗箱Cの種類(種類によって育苗箱Cの高さが異なる)、段積する枚数、積み付ける回数等の各種初期値の設定を行う操作盤(図示省略)等を収納した制御ボックス110bを備えている。
また、積付装置118が、積付アーム119上の同じ位置に複数回、段積育苗箱Cαを積み付ける作業を行うことで段積育苗箱群Cβを形成する場合において、上記制御盤は、その複数回の積み付け動作の過程で、段積装置117が段積みする育苗箱の枚数を異ならせるための設定も可能に構成されている。例えば、作業者は、段積・積付・移載設備110において、3回の積み付け作業で計35枚の段積育苗箱群Cβの形成を実施させる場合、制御盤を用いて、1回目の積み付けにおける段積育苗箱Cαの枚数を10枚と設定し、2回目の積み付けにおける段積育苗箱Cαの枚数を12枚と設定し、3回目の積み付けにおける段積育苗箱Cαの枚数を13枚と設定することが可能である。
また、1回の積み付けにおける段積育苗箱Cαの枚数を設定する構成としてもよい。例えば、3回の積み付け作業で段積育苗箱群Cβの形成を実施させる場合、制御盤を用いて、1回の積み付けにおける段積育苗箱Cαの枚数を10枚と設定した場合は計3回の積み付けで計30枚の段積育苗箱群Cβが形成され、1回の積み付けにおける段積育苗箱Cαの枚数を15枚と設定した場合は計3回の積み付けで計45枚の段積育苗箱群Cβが形成されることになる。
また、積み付け作業で得られる段積育苗箱群Cβの枚数と、1回の積み付けにおける段積育苗箱Cαの枚数とを設定する構成とし、段積育苗箱Cαの枚数の設定に連動して積み付けの回数が自動的に設定される構成としてもよい。例えば、段積育苗箱群Cβの枚数を計30枚に設定し、段積育苗箱Cαの枚数を10枚とした場合、積み付けの回数が3回に自動的に設定され、段積育苗箱群Cβの枚数を計30枚に設定し、段積育苗箱Cαの枚数を15枚とした場合、積み付けの回数が2回に自動的に設定され、段積育苗箱群Cβの枚数を計40枚に設定し、段積育苗箱Cαの枚数を15枚とした場合、積み付けの回数が3回に自動的に設定され、1回目及び2回目の積み付けにおいて段積育苗箱Cαの枚数を15枚となり、最後(3回目)の積み付けにおいて段積育苗箱群Cβの枚数に必要な残りの枚数(10枚)が積み付けられることになる。
これにより、本実施の形態では、段積育苗箱群Cβを形成する育苗箱の枚数を変更することが出来る。また、段積育苗箱群Cβを形成する育苗箱の枚数の設定が容易になる。
従って、種々の育苗箱、育苗条件、積付条件に対応出来る。
尚、本実施の形態の積付アーム119と移載機構120とを包括する構成は、本発明の移載装置の一例にあたる。
次に、上述した段積装置117について、図6(a)〜図6(f)を用いて、更に説明する。
図6(a)は、段積装置117に、育苗箱Cが育苗箱搬送コンベヤ103で搬送されてきた状態を示す正面図であり、図6(b)は、図6(a)に示す段積装置117の側面図である。
図6(c)は、段積装置117により育苗箱Cが持ち上げられた状態を示す正面図であり、図6(d)は、図6(c)に示す段積装置117の側面図である。
図6(e)は、段積装置117により持ち上げられた育苗箱Cが育苗箱搬送コンベヤ103の上方で支持されている状態を示す正面図であり、図6(f)は、図6(e)に示す段積装置117の側面図である。
なお、図6(b)、図6(d)、図6(f)では、図中の右側の偏心カム121の回動軸123と一体回転する駆動カム124の図示を省略した。
即ち、段積装置117は、育苗箱搬送コンベヤ103で搬送される育苗箱Cの底面に接触して該育苗箱Cを持ち上げる(図6(a)〜図6(d)参照)偏心カム121と、該偏心カム121で持ち上げられた育苗箱Cの縁部を支える(図6(e)、図6(f)参照)支持板122とを備えている。
偏心カム121は、偏心した回動軸123で駆動する円板であり、持ち上げる育苗箱Cの前後左右に計4個設けられている(図6(a)、図6(b)参照)。4個の偏心カム121は、同じ位相で駆動回転(図6(b)の時計回りの矢印参照)し、同時に育苗箱Cを持ち上げる(図6(c)、図6(d)参照)。支持板122は、左右に2枚設けられ、スプリングで左右外側に付勢され、偏心カム121の回動軸123と一体回転する駆動カム124の駆動により、駆動カム124の突部124aに押されて育苗箱C側(左右内側)へ向けて移動する(図6(a)、図6(b)、図6(e)、図6(f)参照)。従って、支持板122は、左右外側から育苗箱C側(左右内側)へ向けて移動して育苗箱Cの縁部の下方に突出する構成となっている。
段積装置117は、育苗箱搬送コンベヤ103で育苗箱Cが搬送されてくる毎に、上記の動作を繰り返す。
これにより、育苗箱搬送コンベヤ103で1枚ずつ搬送されてくる育苗箱Cが、段積装置117の支持板122上に既に支持された状態の育苗箱Cの下方から持ち上げられて所定枚数(例えば、10枚)まで段積みされる。
また、段積装置117には、段積みされた育苗箱Cの下流側の側部に接触し、段積育苗箱Cαの姿勢を垂直に保持するための段積ガイド部材が設けられている。
以下に、図7(a)〜図8(c)を用いて、段積ガイド部材について説明する。
図7(a)〜図7(c)は、本発明の段積ガイド部材の一例としての第1段積ガイド部材180を説明するための概略図であり、図8(a)〜図8(c)は、本発明の段積ガイド部材の他の例としての第2段積ガイド部材190を説明するための概略図である。
図7(a)は第1段積ガイド部材180の平面図であり、図7(b)は第1段積ガイド部材180の側面図であり、図7(c)は第1ストッパ部の構成を示す概略図である。
また、図8(a)は第2段積ガイド部材190の平面図であり、図8(b)は第2段積ガイド部材190の側面図であり、図8(c)は第2ストッパ部が最下点まで下降した状態を示す概略側面図である。
図7(a)〜図7(b)に示す通り、第1段積ガイド部材180は、段積装置117の段積コンベア103aの終点部の両外側に配置された一対の開閉シリンダ181と、開閉シリンダ181に連結されると共に、段積みされた育苗箱Cの終点部側の側部Csに接触して段積育苗箱Cαの姿勢を垂直に保持する第1ストッパ部182とを備える。
また、第1ストッパ部182の高さは、段積育苗箱Cαの最大の高さより高く設定されている。
また、第1ストッパ部182は、図7(a)〜図7(c)に示す通り、棒状の第1ストッパ棒状部材182aに対して、取り替え可能なパイプ状の第1ストッパパイプ状部材182bを被せる構成である。尚、第1ストッパパイプ状部材182bは、衝撃を吸収する弾性体であっても良い。
更に、段積作業開始前には、制御部110aからの指令に応じて、開閉シリンダ181の可動部に連結された第1ストッパ部182が、段積みされた育苗箱Cの終点部側の側部Csに接触する方向に伸びることで、段積コンベア103aで送り込まれてくる育苗箱Cによる衝撃等で、段積みされた育苗箱Cの段積姿勢がX軸方向(図4参照)にずれることが防止される。
また、積付装置118による積み付け作業開始前には、制御部110aからの指令に応じて、開閉シリンダ181の可動部に連結された第1ストッパ部182が、段積みされた育苗箱Cの終点部側の側部Csの位置から両外側に退避する方向に縮むことで、積付装置118の一対の可動アーム126a、126bにより移送される段積育苗箱Cαが第1ストッパ部182に衝突することが避けられる。
尚、本実施の形態の育苗箱搬送コンベヤ103(図2参照)は、播種設備102において一定播種速度を維持する播種装置106のコンベアと、育苗箱同士のコンベア上の間隔を広げるための早送りコンベアと、段積み作業のために終部での衝撃を和らげるために低速とした段積コンベア103a(図7(a)参照)の3種類の速度差のあるコンベアで構成されている。
これにより、第1段積ガイド部材180の第1ストッパ部182が、段積育苗箱Cαの移送経路外へ退避するので、積付装置118は、段積育苗箱Cαを高位まで上昇させてから横移動させなくても良い。そのため、段積された育苗箱の段積姿勢の悪化を防止出来ると共に、作業能率の向上が図れる。換言すれは、段積される育苗箱の姿勢がずれない様に的確に案内するために、第1ストッパ部182の高さを十分に高くすることが出来、育苗箱の段積姿勢の向上が図れる。
尚、積付装置118における段積育苗箱Cαの移送経路については、図9(a)〜図9(c)を用いて更に後述する。
次に、図8(a)〜図8(c)を用いて、本発明の段積ガイド部材の他の例としての第2段積ガイド部材190について説明する。
図8(a)〜図8(b)に示す通り、第2段積ガイド部材190は、段積装置117の段積コンベア103aの終点部の下方に配置された昇降シリンダ191と、昇降シリンダ191に連結されると共に、段積みされた育苗箱Cの終点部側の側部Csに接触して段積育苗箱Cαの姿勢を垂直に保持する第2ストッパ部192とを備える。
また、第2ストッパ部192の高さは、上昇時には、段積育苗箱Cαの最大の高さより高く伸びる様に設定されていると共に、下降時には、育苗箱Cが5枚程度段積みされた高さを下限としている。
この様に、下降時において、第2ストッパ部192の高さの下限を決めた理由は、第2ストッパ部192を仮に完全に下降させた場合、再度、上昇させるまでの間に、育苗箱Cが送り込まれて段積みされてしまうことを避けるためである。これにより、サイクルタクトの短縮(処理能力の向上)が図れる。
段積作業開始前には、制御部110aからの指令に応じて、昇降シリンダ191の可動部に連結された第2ストッパ部192が、段積みされた育苗箱Cの終点部側の側部Csに接触する方向に伸びることで、段積コンベア103aで送り込まれてくる育苗箱Cによる衝撃等で、段積みされた育苗箱Cの積み上げ姿勢がX軸方向(図4参照)にずれることが防止される。
また、積付装置118による積み付け作業開始前には、制御部110aからの指令に応じて、昇降シリンダ191の可動部に連結された第2ストッパ部192が、段積みされた育苗箱Cの終点部側の側部Csの位置から下方に退避する方向に縮むことで、積付装置118の一対の可動アーム126a、126bにより移送される段積育苗箱Cαが第2ストッパ部192に衝突することが避けられる。
これにより、第2段積ガイド部材190の第2ストッパ部192が、段積育苗箱Cαの移送経路外へ退避するので、積付装置118は、段積育苗箱Cαを高位まで上昇させてから横移動させなくても良い。そのため、段積された育苗箱の段積姿勢の悪化を防止出来ると共に、作業能率の向上が図れる。換言すれは、段積される育苗箱の姿勢がずれない様に的確に案内するために、第2ストッパ部192の高さを十分に高くすることが出来、育苗箱の段積姿勢の向上が図れる。
また、第2ストッパ部192を、段積育苗箱Cαの移送経路外へ退避させる場合において、完全に下降するのではなく、育苗箱Cが5枚程度段積みされた高さを最低限確保する構成としたことで、育苗箱Cが早めに送り込まれてきた場合でも、段積姿勢を確実に保持出来る。これにより、サイクルタクトの短縮が図れる。
次に、上述した積付装置118について、図3〜図5を用いて、更に説明する。
即ち、積付装置118は、所定の段積枚数(例えば、10枚)に段積された段積育苗箱Cαをまとめて把持して移動する構成であり、一対の可動アーム126a、126bで段積育苗箱Cαを把持する。
積付装置118は、積付アーム119上に、上記段積枚数に段積された段積育苗箱Cαを順に上側に積み付ける動作を複数回(例えば、計3回)繰り返すことにより、育苗箱Cを所定の積付枚数(計30枚)に積付ける構成となっている。
一対の可動アーム126a、126bは、図3に示す通り、平面視で、段積育苗箱Cαの長辺側となる側面に接触する構成であり、X軸方向(図3参照)に沿って2組設けられている。一対の可動アーム126a、126bは、上下移動用モータ127によりZ軸方向(図4参照)に沿って上下動し、横移動用モータ128(図3参照)により駆動する積付用ラック129(図4参照)を介してX軸方向に沿って横移動し、第1空気圧アクチュエータ162a、第2空気圧アクチュエータ162bによりX軸方向に沿って配置されたアクチュエータ回動軸126c回りに回動する構成となっている。
尚、積付用ラック129は、段積装置117側に配置された積付用ラック支持第1柱129Aと、積付アーム119側に配置された積付用ラック支持第2柱129Bとにより、所定高さを維持して支持されている。
また、一対の可動アーム126a、126bの先端部には、把持する段積育苗箱Cαを下方から支えるための段積育苗箱Cα側に突出する第1保持爪164a、第2保持爪164b(図5(a)参照)を設けている。
また、第2保持爪164bは、図5(b)に示す通り、根本部の厚みより先端部の方の厚みが細くなる様に、第2保持爪164bの上面164b1、及び下面164b2が傾斜している。第1保持爪164aについてもこれと同じ構成である。
尚、第2保持爪164bについては、その一方の側面(図5(b)に示した側面)に、後述する第1光電式センサ301、第2光電式センサ302、第3光電式センサ303から発射される光を反射するための反射板164b3(図5(b)参照)が取り付けられている。第1光電式センサ301〜第3光電式センサ303による反射光の検知結果は、制御部110aが第1空気圧アクチュエータ162aの作動開始時期を決定することに用いられる。これらについては、更に後述する。
第1保持爪164a、及び第2保持爪164bの上面、及び下面がともに傾斜している構成としたことで、一対の保持爪の開き動作による段積育苗箱Cαの急激な落下を防止出来、育苗箱内の土寄りを防止出来る。また、積付アーム119上の所定位置に既に移送されている段積育苗箱Cαの上に、次の段積育苗箱Cαを積み付ける場合は、次の段積育苗箱Cα、及び既に移送されている段積育苗箱Cαが、一対の保持爪の開き動作で横方向へずれにくく(移動しにくく)なるので、次の段積育苗箱Cαと、既に移送されている段積育苗箱Cαとの位置ずれを防止出来、段積育苗箱群Cβの積付姿勢が良好となる。
更にまた、本実施の形態の積付装置118では、段積育苗箱Cαの把持を解除するタイミングを、第1保持爪164aと第2保持爪164bとで、異ならせる構成としている。
即ち、制御部110aは、第1空気圧アクチュエータ162aの作動を開始させた後、予め定められた一定時間経過後、第2空気圧アクチュエータ162bの作動を開始させる制御を行う。尚、この予め定められた一定時間は、制御ボックス110bに設けられた操作盤により、作業者が任意の値に設定可能に構成されている。
これにより、第2保持爪164bが、第1保持爪164aよりも上記一定時間だけ遅れて段積育苗箱Cαの下面から離れる。換言すれば、第1保持爪164aが、第2保持爪164bよりも上記一定時間だけ先に段積育苗箱Cαの下面から離れる。
上記動作により、一対の保持爪が段積育苗箱Cαから同時に離れる従来の積付装置に比べて、段積育苗箱Cαを把持する一方側の第1保持爪164aが、他方側の第2保持爪164bよりも先に離れるので、段積育苗箱Cαの急激な落下を防止できて、落下による衝撃が減少するので、その結果として、育苗箱内の土寄りを防止出来る。
また、積付アーム119上の所定位置に既に移送されている段積育苗箱Cαの上に、次の段積育苗箱Cαを積み付ける場合は、次の段積育苗箱Cαの最下段の育苗箱における一方の長辺側(第1保持爪164aで把持されている側)を先に、既に移送されている段積育苗箱Cαの最上段の育苗箱の一方の長辺側に合わせ、その後、次の段積育苗箱Cαの最下段の育苗箱における他方の長辺側(第2保持爪164bで把持されている側)を、既に移送されている段積育苗箱Cαの最上段の育苗箱の他方の長辺側に合わせることが出来るので、次の段積育苗箱Cαと既に移送されている段積育苗箱Cαとの位置ずれを防止出来、段積育苗箱群Cβの積付姿勢が良好となる。
尚、既に移送されている段積育苗箱Cαの上に、次の段積育苗箱Cαを積み付ける場合の上記効果は、育苗箱Cの上面側の凹凸形状と、下面側の凸凹形状が、互いに契合する構成において、顕著に発揮される。
また、本実施の形態の積付装置118では、積付動作の繰り返し回数を一例として3回とし、第2保持爪164bの高さ方向(図5(a)のZ軸方向)の位置を検知する第1光電式センサ301〜第3光電式センサ303が設けられている場合について説明する。
以下に、図3〜図5(b)を用いて、第1光電式センサ301〜第3光電式センサ303について説明する。
第1光電式センサ301〜第3光電式センサ303は、段積・積付・移載設備110の積付アーム119側に配置された積付用ラック支持第2柱129Bの側面において、所定高さの位置に固定された第1センサ取付ステー311〜第3センサ取付ステー313にそれぞれ固定されている。
第1センサ取付ステー311、第2センサ取付ステー312、第3センサ取付ステー313は、図5(a)に示す様に、積付用ラック支持第2柱129Bの側面に根本部が固定され、Y軸に平行に配置された矩形状の板状部材であると共に、先端部の両側の側面の内、第2保持爪164bが存在する側の側面に、第1光電式センサ301〜第3光電式センサ303が、積付アーム119の所定位置(積付位置)の上面を基準として、それぞれ所定高さの位置に固定されている。ここで、積付アーム119の所定位置(積付位置)の上面は、積付アーム119に設けられた、後述する、最初の段積育苗箱Cαを載せるための載せ板119bの上面である。
また、第1光電式センサ301〜第3光電式センサ303は、図4に示すX軸に平行な方向であって、且つ、第2保持爪164bが存在する側に向けて水平方向に光を発射する投光部(図示省略)と、その光の反射光を受光する受光部(図示省略)を有する光電式センサである。
即ち、積付装置118が、積付動作において、段積育苗箱Cαを把持した状態で下降してくる際に、積付動作中において何回目の積み付けであるかの情報に応じて、第1光電式センサ301〜第3光電式センサ303の内の、何れか一つの対応するセンサから水平方向に発射されている光が、第2保持爪164bの側面に取り付けられた反射板164b3で再び水平方向に反射した場合、その反射光を第1光電式センサ301〜第3光電式センサ303の内の、何れか一つの対応するセンサで受光することで、積付アーム119の所定位置(積付位置)の上面を基準として、第2保持爪164bの高さ方向における位置が検知される構成である。
具体的には、第1光電式センサ301の固定位置は、第2保持爪164bの下面と、積付アーム119の載せ板119bとの間の距離が、第1の値に達したときに、第1光電式センサ301の受光部が、第1光電式センサ301の投光部から発射された光を、第2保持爪164bの反射板164b3で反射された反射光として受光する様に設定されている。
尚、第1の値は、育苗箱Cの種類(種類によって、育苗箱Cの高さが異なる)に依存せず一定とする。
また、第2光電式センサ302の固定位置は、第2保持爪164bの下面と、積付アーム119の載せ板119bとの間の距離が、第2の値に達したときに、第2光電式センサ302の受光部が、第2光電式センサ302の投光部から発射された光を、第2保持爪164bの反射板164b3で反射された反射光として受光する様に設定されている。
尚、第2の値は、育苗箱Cの種類が、その高さが最も高いものを使用した場合を想定し、その育苗箱Cの最も高い高さの値に、段積装置117の段積枚数(例えば、10枚)を乗じた段積育苗箱Cαの全体高さに、上記第1の値を加算した値とする。
また、第3光電式センサ303の固定位置は、第2保持爪164bの下面と、積付アーム119の載せ板119bとの間の距離が、第3の値に達したときに、第3光電式センサ303の受光部が、第3光電式センサ303の投光部から発射された光を、第2保持爪164bの反射板164b3で反射された反射光として受光する様に設定されている。
尚、第3の値は、育苗箱Cの種類が、その高さが最も高いものを使用した場合を想定し、その育苗箱Cの高さの値に、段積装置117の段積枚数(例えば、10枚)×2を乗じた段積育苗箱Cαの2回の積み付け後の全体高さに、上記第1の値を加算した値とする。
また、育苗箱Cの種類は、作業者により、制御ボックス110bの操作盤を介して、複数種類の中から、何れの種類を使用するのかについて、作業前に予め設定可能に構成されていると共に、作業中に設定変更可能に構成されている。使用する育苗箱Cの種類が、操作盤を介して設定されることで、制御部110aには、育苗箱Cの高さ情報が設定される。
制御部110aは、第3光電式センサ303、第2光電式センサ302、又は第1光電式センサ301による反射光を検知したと判定した時から、制御部110aに内蔵された遅延タイマー(図示省略)において、所定の設定時間のカウントダウンを開始させて、第1空気圧アクチュエータ162aの作動開始時期を制御する。ここで、所定の設定時間は、育苗箱Cの高さ情報と、積付動作中において何回目の積み付けであるかの情報とに応じて、制御部110aが決定する。
例えば、積付装置118の積付動作の繰り返し回数が3回であるとして、第1回目の積付動作の場合、制御部110aは、第1光電式センサ301により反射光が検知されたと判定した時から、遅延タイマーの第1設定時間が経過後に、一対の可動アーム126a、126bの下降を停止させる指令を出すと共に段積育苗箱Cαの把持を解除させる解除指令を出して、第1空気圧アクチュエータ162aの作動を開始する。
ここで、第1設定時間は、一対の可動アーム126a、126bの開き動作による段積育苗箱Cαの落下の衝撃を抑えることが出来、育苗箱内の土寄りを防止出来る様に、調整可能に構成されている。尚、第1設定時間は、育苗箱Cの種類には依存しない。
また、第2回目の積付動作の場合、制御部110aは、第2光電式センサ302により反射光が検知されたと判定した時から、遅延タイマーの第2設定時間が経過後に、一対の可動アーム126a、126bの下降を停止させる指令を出すと共に段積育苗箱Cαの把持を解除させる解除指令を出して、第1空気圧アクチュエータ162aの作動を開始する。ここで、第2設定時間は、制御部110aにおいて次の様に設定される。
即ち、上述した第2の値から、第1の値を減じ、更に、予め入力された実際に使用する育苗箱Cの高さ情報に対応した高さの値に段積装置117の段積枚数(例えば、10枚)を乗じた段積育苗箱Cαの実際の全体高さの値を減じて得られた「差分距離」を、第2保持爪164bが下方に移動する速度で除算して得られた時間に、上記第1設定時間を加算して得られた時間を第2設定時間とする。
また、第3回目の積付動作の場合、制御部110aは、第3光電式センサ303により反射光が検知されたと判定した時から、遅延タイマーの第3設定時間が経過後に、一対の可動アーム126a、126bの下降を停止させる指令を出すと共に段積育苗箱Cαの把持を解除させる解除指令を出して、第1空気圧アクチュエータ162aの作動を開始する。ここで、第3設定時間は、制御部110aにおいて次の様に設定される。
即ち、上述した第3の値から第1の値を減じ、更に、予め入力された実際に使用する育苗箱Cの高さ情報に対応した高さの値に段積装置117の段積枚数(例えば、10枚)×2を乗じた段積育苗箱Cαの2回の積み付け後の実際の全体高さの値を減じて得られた「差分距離」を、第2保持爪164bが下方に移動する速度で除算して得られた時間に、上記第1設定時間を加算して得られた時間を第3設定時間とする。
ところで、従来の積付装置では、使用する育苗箱の種類が異なる場合、種類により育苗箱の高さが異なるので、2回目の積み付け以降において、一対の保持爪の下降停止位置(高さ)及び開き動作の開始位置(高さ)を変更する必要がある。そのために、一対の保持爪の高さ方向の位置を検知する近接スイッチの取り付け高さを、使用する育苗箱の種類が異なる度に変更するという作業が必要となり、作業効率が低下したり、調整ミスが生じるなどの問題がある。
これに対して、上記構成では、使用する育苗箱の種類が異なる場合でも、制御ボックス110bの操作盤から、使用する育苗箱の種類を予め設定することにより、制御部110aが、使用する育苗箱の種類に応じて、遅延タイマーの設定時間である、第2設定時間及び第3設定時間を自動的に変更するので、作業者が、第2光電式センサ302、及び第3光電式センサ303の取り付け高さを変更する必要がない。尚、第2設定時間及び第3設定時間の各々を、作業者が個別に設定可能な構成としてもよい。
尚、本実施の形態の第2光電式センサ302、及び第3光電式センサ303は、本発明の位置検知部の一例にあたる。
次に、図9(a)〜図9(c)を用いて、積付装置118における段積育苗箱Cαの移送経路について説明する。
図9(a)〜図9(c)は、積付装置118における段積育苗箱Cαの移送経路について説明するための概略斜視図である。
図9(a)に示す通り、積付装置118から積付アーム119に最初(1回目)に積付けるとき、後述する退避位置Iにある積付アーム119上の載せ板119bの上面は、段積された段積育苗箱Cαを把持する把持位置Jにおける段積育苗箱Cαの下面よりも下位の位置となる。
従って、積付装置118の一対の可動アーム126a、126bは、段積育苗箱Cαを把持して把持位置Jから若干浮上し、X軸方向(図9(a)参照)に沿って横移動して積付アーム119上へ移動し、退避位置Iまで下動する。
一対の可動アーム126a、126bの下動する過程で、第1光電式センサ301(図4参照)により、第2保持爪164bに取り付けられた反射板164b3からの反射光が受光されると、制御部110aは、遅延タイマーを作動させて第1設定時間が経過後に、一対の可動アーム126a、126bの下動を停止すると共に、第1空気圧アクチュエータ162aの作動を開始させて、可動アーム126aの先端部に設けられた第1保持爪164aを外側へ可動させて段積育苗箱Cαの一方側の把持を解除する。
その後、制御部110aは、予め定められた一定時間経過後、第2空気圧アクチュエータ162bの作動を開始させることで、可動アーム126bの先端部に設けられた第2保持爪164bを外側へ可動させて段積育苗箱Cαの他方側の把持を解除する。
次に、図9(b)に示す様に、積付装置118から積付アーム119に2回目の段積育苗箱Cαを積付けるとき、把持位置Jにおける段積育苗箱Cαの下面と積付アーム119上の1回目に既に積み付けられた段積育苗箱Cαの上面とは略同じ高さとなる。
尚、2回目の段積育苗箱Cαを積付ける前に、積付アーム119は、退避位置Iから通常位置H(図9(b)参照)に上動する構成である。退避位置I及び通常位置Hについては、更に後述する。
従って、積付装置118の一対の可動アーム126a、126bは、段積育苗箱Cαを把持して把持位置Jから若干浮上し、X軸方向(図9(a)参照)に沿って横移動して積付アーム119上へ移動し、1回目の段積育苗箱Cαの上面まで若干下動する。
一対の可動アーム126a、126bの下動する過程で、第2光電式センサ302(図4参照)により、第2保持爪164bに取り付けられた反射板164b3からの反射光が受光されると、制御部110aは、遅延タイマーを作動させて第2設定時間が経過後に、一対の可動アーム126a、126bの下動を停止すると共に、第1空気圧アクチュエータ162aの作動を開始させて、可動アーム126aの先端部に設けられた第1保持爪164aを外側へ可動させて段積育苗箱Cαの一方側の把持を解除する。
その後、制御部110aは、予め定められた一定時間経過後、第2空気圧アクチュエータ162bの作動を開始させることで、可動アーム126bの先端部に設けられた第2保持爪164bを外側へ可動させて段積育苗箱Cαの他方側の把持を解除する。
次に、図9(c)に示す様に、積付装置118から積付アーム119に3回目の段積育苗箱Cαを積付けるとき、把持位置Jにおける段積育苗箱Cαの下面よりも積付アーム119上の2回目に既に積み付けられた段積育苗箱Cαの上面が高くなる。
従って、積付装置118の一対の可動アーム126a、126bは、段積育苗箱Cαを把持して把持位置Jから上記2回目の段積育苗箱Cαの上面よりも若干高い位置まで上動し、横移動して積付アーム119上へ移動し、2回目の段積育苗箱Cαの上面まで若干下動する。
一対の可動アーム126a、126bの下動する過程で、第3光電式センサ303(図4参照)により、第2保持爪164bに取り付けられた反射板164b3からの反射光が受光されると、制御部110aは、遅延タイマーを作動させて第3設定時間が経過後に、一対の可動アーム126a、126bの下動を停止すると共に、第1空気圧アクチュエータ162aの作動を開始させて、可動アーム126aの先端部に設けられた第1保持爪164aを外側へ可動させて段積育苗箱Cαの一方側の把持を解除する。
その後、制御部110aは、予め定められた一定時間経過後、第2空気圧アクチュエータ162bの作動を開始させることで、可動アーム126bの先端部に設けられた第2保持爪164bを外側へ可動させて段積育苗箱Cαの他方側の把持を解除する。
これにより、積付装置118による段積育苗箱Cαの移送動作において、段積育苗箱Cαの急激な落下を防止できて、落下による衝撃が減少するので、その結果として、育苗箱内の土寄りを防止出来る。
また、積付アーム119上の所定位置に既に移送されている段積育苗箱Cαの上に、次の段積育苗箱Cαを積み付ける場合は、上述した通り、次の段積育苗箱Cαと既に移送されている段積育苗箱Cαとの位置ずれを防止出来、段積育苗箱群Cβの積付姿勢が良好となる。
次に、図3〜図5(a)、図10(a)〜図10(c)を用いて、積付アーム119について説明する。
図10(a)は、段積育苗箱群Cβを出芽台車111の奥側の載置位置の載台111a上に載置する状況を示す斜視図であり、図10(b)は、段積育苗箱群Cβを出芽台車111の手前側の載置位置の載台111a上に載置する状況を示す斜視図である。また、図10(c)は、出芽台車111の前後左右計4箇所の載置位置の載台111a上に段積育苗箱群Cβが載置されている状況を示す斜視図である。
積付アーム119は、2本のアーム体119aと、各アーム体119aの先端部に各々設けた載せ板119bとを備え、移動用モータ179により駆動する移載用ラックを介してY軸方向(図3参照)に沿って移動し、下方に設けたパンタグラフ機構130(図5(a)参照)により上下移動する。
また、積付アーム119は、段積育苗箱群Cβを先端側に載せた2本のアーム体119aがY軸方向に沿って移動する際に、傾きが生じることを防止するために、12個のローラ119c(図3、図5(a)参照)で上下を挟みながら移動させる構成としている。
また、アーム体119aの上方には、アーム体119aの上側に配置されたローラ119cの内、図5(a)中において最も左側に描かれたローラ119cの更に左側に、傾斜角度をつけたスクレーパ119dが設けられている。これにより、段積育苗箱群Cβを出芽台車111に載置する際等にアーム体119a上に載る又は付着した土等を、積付アーム119が段積育苗箱群Cβを出芽台車111に載置した後に戻り作動するとき、スクレーパ119dが除去する構成である。
これにより、ローラ119cとアーム体119aの間に土等が挟まって、積付アーム119上の段積育苗箱群Cβの積付姿勢が悪化することを防止出来る。
また、土等による積付アーム119の作動不良(不適切な速度変化、振動等)を防止出来る。
従って、段積育苗箱群Cβの移載精度の向上が図れる。
また、上記構成により、積付アーム119の異常停止の防止と、異常停止に伴う作業時間の低減を抑制出来る。
また、作業前、作業後の点検時間の削減が図れる。
尚、アーム体119a上に載る又は付着する土等を除去するために、上記のスクレーパ119dに代えて、又は、上記のスクレーパ119dに加えて、エア噴出装置(図示省略)を設けても良い。この構成によれば、非常停止時、異常停止時、作業終了時、手動操作(ボタン押し)時において、ローラ119c周辺へのエアーブローを実施することで、ローラ119cへの土等の噛み込みを防止出来る。
これにより、上記効果に加えて、清掃困難場所における清掃および、安全作業の実施が図れる。
上記構成により、積付装置118が、例えば10枚段積された段積育苗箱Cαを3回に分けて上下に積み付けて、計30枚の段積育苗箱群Cβ(図5(a)参照)を積付アーム119の載せ板119b上に積付けると、移動用モータ179の駆動により積付アーム119が、Y軸方向に沿って往行程の移動をして、待機する出芽台車111(図3参照)内まで移動し、パンタグラフ機構130により積付アーム119が下動して段積育苗箱群Cβを出芽台車111の桟状の載台111a(図3参照)へ移し、その後、横移動用モータ128の駆動により積付アーム119が、Y軸方向に沿って復行程の移動をして退避位置Iまで移動し、パンタグラフ機構130により退避位置Iから元の通常位置Hへ上動する(図10(b)参照)。
出芽台車111は、前後左右計4箇所の載置位置に段積育苗箱群Cβを載置する構成となっており(図10(c)参照)、載置位置が積付アーム119に対向する位置にくるべく適宜移動する。従って、積付アーム119は、該積付アーム119の手前側の載置位置と奥側の載置位置とに段積育苗箱群Cβを載置する。図10(c)では、出芽台車111の計4箇所の載置位置に段積育苗箱群Cβを載置する順番を、1〜4で示した。
尚、出芽台車111は、育苗箱搬送コンベヤ103に沿って並行に設けた台車走行レール131(図5(a)参照)上を矢印P方向(図3、図10(c)参照)に走行する構成となっている。
また、本実施の形態では、積付アーム119は、出芽台車111の手前側と奥側の位置に段積育苗箱群Cβを載置する構成とし、奥側の位置に載置するときは、通常位置Hから往行程の横移動で段積育苗箱群Cβを所定位置にある載台111a上へ移動し、下動して段積育苗箱群Cβを載台111a上へ移載し、復行程の横移動で上動しながら通常位置Hへ復帰する構成である。
また、積付アーム119は、出芽台車111の手前側の位置に載置するときは、通常位置Hから往行程の横移動で段積育苗箱群Cβを所定位置にある載台111a上へ移動し、下動して段積育苗箱群Cβを載台111a上へ移載し、復行程の横移動で退避位置Iへ移動し、積付装置118による1回目の積み付け作業後であって2回目の積み付け作業の前に退避位置Iから通常位置Hへ上動する構成としている。
よって、上記構成によれば、出芽台車111の奥側の位置に段積育苗箱群Cβを載置するときは、積付アーム119が復行程の横移動で上動しながら通常位置Hへ復帰するので、積付アーム119の通常位置Hへの復帰を早めることができ、作業能率の向上が図れる。
また、上記構成によれば、出芽台車111の手前側の位置に段積育苗箱群Cβを載置する場合でも、積付装置118により、積付アーム119に最初に段積育苗箱Cαを積付けるときは、退避位置Iにある積付アーム119に直接積付けるので、積付アーム119が退避位置Iから通常位置Hに上動するのを待たずして段積育苗箱Cαを積付けることができ、作業能率の向上が図れる。
尚、段積装置117が、例えば、計10枚の育苗箱Cを段積して段積育苗箱Cαを形成して、積付装置118が最初の段積育苗箱Cαを積付アーム119に積付けるまでの所要時間は、積付アーム119が通常位置Hから段積育苗箱群Cβを出芽台車111の手前側の載置位置に載置して退避位置Iに戻るまでの所要時間と略同等である。
次に、出芽台車111の前輪111Fと後輪111Rについて説明する(図3、図10(c)参照)。
本実施の形態では、固定車輪の前輪111Fは、高硬度樹脂車輪又は、鉄車輪として、自在車輪の後輪111Rは、弾性を有する樹脂、ゴム等で構成されている。
これにより、段積育苗箱群Cβを出芽台車111上に載置する場合、図10(c)に示す様に、最初に前輪111F側から載置するため、出芽台車111は、前輪111F側に偏って段積育苗箱群Cβの荷重がかかるが、前輪111Fが変形することがないので、従来の様に前輪111F側に傾斜することが防止出来る。
そのため、積付アーム119が、段積育苗箱群Cβを出芽台車111上の後輪111R側に載置する場合、段積育苗箱群Cβの底面と出芽台車111の載台111aの上面が平行となり、従来の様に互いに干渉することがないので、出芽台車111への載置精度の向上が図れると共に、載置ミスを防止出来る。
また、後輪111Rは、弾性を有する材料で構成されているので、スリップ防止が図れる。
次に、図11〜図12を用いて、出芽台車111の段積育苗箱群Cβから育苗箱を2枚ずつ取り出して緑化台車146の棚に積み替える育苗箱積替装置143について説明する。
図11は、育苗箱積替装置143の側面図であり、図12は、育苗箱積替装置143の平面図である。
段積された段積育苗箱群Cβ1〜Cβ4(図12参照)を収容する出芽台車111は、約3日間出芽室112内で発芽処理される。出芽室112内で発芽した段積育苗箱群は、緑化台車146へ積み替えるにあたり、出芽台車111ごと育苗箱積替装置143に供給される。
育苗箱積替装置143は、図11〜図12に示す通り、段積リフト部144と、育苗箱搬送部145と、育苗箱搬送部145により搬送された育苗箱Cを緑化台車146に棚積みする棚積部147とを備え、出芽台車111に段積みされた段積育苗箱群Cβ1〜Cβ4の内、最初に、出芽台車111の前輪111F側の2列分の段積育苗箱群Cβ1、Cβ2から育苗箱Cを2枚ずつ取り出して、緑化台車146の前後一方側の棚にそれぞれ棚積みし、その後、出芽台車111の後輪111R側の2列分の段積育苗箱群Cβ3、Cβ4から育苗箱Cを2枚ずつ取り出して、緑化台車146の前後他方側の棚にそれぞれ棚積みする構成である。
段積リフト部144は、フォーク148で、出芽台車111の前輪111F側の2列分の段積育苗箱群Cβ1、Cβ2(図12参照)をすくってリフト位置149へ供給して、段積された育苗箱群Cβ1、Cβ2を一枚の育苗箱の高さ分ずつ上昇させ、全ての育苗箱を育苗箱搬送部145に供給した後、再び、フォーク148で、出芽台車111の後輪111R側の2列分の段積育苗箱群Cβ3、Cβ4(図12参照)をすくってリフト位置149へ供給して、上記と同様に上昇させて、育苗箱搬送部145に供給する構成である。
育苗箱搬送部145は、段積リフト部144により上昇されてくる段積育苗箱群Cβの上層から順番に2枚の育苗箱Cを取り出して、ローラコンベア150に載せて、棚積部147側へ搬送する構成である。
また、育苗箱搬送部145において、ローラコンベア150の上方には、搬送される育苗箱Cに対して上方から灌水するための第2灌水装置158が設けられている。また、ローラコンベア150の下方には、ローラコンベア150のローラに固着した土等を取り除くスクレーパ(図示省略)と、当該ローラへ水を噴射させるノズル(図示省略)とが設けられている。当該ノズルは、第2灌水装置158と連動させて同じタイミングで水を噴射させる構成である。
これにより、スクレーパでは除去しきれない、ローラに固着した土等もノズルから噴射される水により除去可能となる。
また、ローラコンベア150には、搬送下手側と搬送上手側とに第1育苗箱ストッパ155aと第2育苗箱ストッパ155bが設けられ、第1育苗箱ストッパ155a又は第2育苗箱ストッパ155bに、搬送されてくる2枚の育苗箱Cが当接して、ロ−ラコンベア150上の所定の位置で停止させる構成となっている。
第1育苗箱ストッパ155a、及び第2育苗箱ストッパ155bは、ロ−ラコンベア150の育苗箱搬送経路に対して出退可能になっており、育苗箱Cを通過させる場合は、上方に退避する構成となっている。
そして、段積育苗箱群Cβ1、Cβ2から取り出されて順次搬送されてくる2枚の育苗箱C1、C2(図12参照)については、搬送下手側の第1育苗箱ストッパ155aにより、ローラコンベア150上の搬送下手側の第1停止位置で停止される。また、段積育苗箱群Cβ3、Cβ4から取り出されて順次搬送されてくる2枚の育苗箱C3、C4(図12参照)については、搬送上手側の第2育苗箱ストッパ155bにより、ローラコンベア150上の搬送上手側の第2停止位置で停止される。
また、棚積部147は、ロ−ラコンベア150の一側に設けた緑化台車昇降部159と、平面視でロ−ラコンベア150に対して緑化台車昇降部159とは反対側に第1育苗箱ストッパ155a、第2育苗箱ストッパ155bに対応して搬送下手側と搬送上手側とにそれぞれ設けた第1押出装置160a、第2押出装置160bとを備えて構成される。
また、緑化台車昇降部159において、緑化台車146の上下に所定間隔ごとに複数設けた育苗箱Cが載る棚157のそれぞれがロ−ラコンベア150と同じ高さとなるように緑化台車146を昇降させる構成となっている。
従って、この棚積部147は、緑化台車昇降部159において緑化台車146を間欠的に、棚157の上下間隔のピッチ毎に上昇させて各棚157とロ−ラコンベア150とを同じ高さにした状態で、第1押出装置160aを用いて、第1育苗箱ストッパ155aにより停止しているロ−ラコンベア150上の2枚の育苗箱C1、C2を緑化台車146の一方側の最上段の棚157から順に同時に押し込んで最下段まで棚積みをする。
その後、更に、棚積部147は、緑化台車昇降部159において緑化台車146を間欠的に棚157の上下間隔のピッチ毎に下降させて各棚157とロ−ラコンベア150とを同じ高さにした状態で、第2押出装置160bを用いて、第2育苗箱ストッパ155bにより停止しているロ−ラコンベア150上の2枚の育苗箱C3、C4を緑化台車146の他方側の最下段の棚157から順に同時に押し込んで最上段まで棚積みをする。
ここで、第1押出装置160a、第2押出装置160bの押出速度は、インバータにより可変となっている。即ち、育苗箱Cの種類や土・水の充填量による重量差に応じて、押出速度が調整可能に構成されているので、押出速度の不足による緑化台車146内への挿入不足や、過剰な押出速度による育苗箱の回転ずれや過大な衝撃の発生を防止出来る。
また、平面視で、緑化台車146の、第1押出装置160a、第2押出装置160bと対向する位置には、同時に押し出されてきた2枚の育苗箱の移動を停止させるための、最下段の棚157の下側から最上段の棚157の上側に亘り上下に長い第1育苗箱位置決めバー157a、及び第2育苗箱位置決めバー157bがそれぞれ立設されている。
更にまた、平面視で、緑化台車146に対して、ローラコンベア150とは反対側にある緑化台車昇降部159のフレーム159aには、ロ−ラコンベア150とを同じ高さの位置に、第1育苗箱位置決めバー157a、及び第2育苗箱位置決めバー157bのそれぞれの両側に一対の第1規制装置171a、171b、及び一対の第2規制装置172a、172bが配置されている。
また、一対の第1規制装置171a、171b、及び一対の第2規制装置172a、172bは、それぞれ、緑化台車146の棚157に対して出退可能の構成された接触部173を有している。
例えば、緑化台車146の棚157に2枚の育苗箱C1、C2が同時に押し出されるより前に、一対の第1規制装置171a、171bの各シリンダが伸張することで、第1育苗箱位置決めバー157aの両側に、接触部173が予め押し出される。
ここで、例えば、一対の第1規制装置171a、171bの内、緑化台車146の進行方向Q(図12参照)を基準として、前側に配置された装置を前側の第1規制装置171aと称し、後側に配置された装置を後側の第1規制装置171bと称する。一対の第2規制装置172a、172bについても、上記と同様とする。
本実施の形態では、接触部173が予め押し出される位置は、例えば、一対の第1規制装置171a、171bの内、後側の第1規制装置171bの接触部173が押し出される位置の方が、前側の第1規制装置171aの接触部173が押し出される位置より、ローラコンベア150から、わずかに遠くなる様に構成されている。
これにより、緑化台車146の棚157に2枚の育苗箱C1、C2が同時に押し出された場合、育苗箱C2の側面の中央部が、第1育苗箱位置決めバー157aに当たると共に、2枚の育苗箱C1、C2は、第1育苗箱位置決めバー157aを支点として、平面視で、時計回りの方向にわずかに回動して停止する。
そして、緑化台車146は、一対の第1規制装置171a、171b及び一対の第2規制装置172a、172bの接触部173が出退する位置には、棚枠(図示省略)を構成するフレームが上下に配列される複数の棚157の上下にわたって設けられていない。
棚枠は、緑化台車146を構成するフレーム本体(直方体状の枠体)であり、棚157を支持している。棚枠を構成する長方形状の枠の内側に接触部173が突出する構成であり、棚枠は、最上段の棚157の上側から最下段の棚157の下側に亘り上下に長い。
これにより、育苗箱Cを棚積みするために緑化台車146を昇降させる範囲では棚枠が、突出する接触部173と干渉することは無い。
尚、棚157は、育苗箱Cの左右両端部の底面のみを支持する左右一対の支持プレート157R、157Lで構成されており、この左右の支持プレート157R、157Lの間に接触部173が位置する構成である。
一対の第1規制装置171a、171bは、緑化台車昇降部159により緑化台車146が棚157の上下間隔のピッチ分ずつ上昇する間、接触部173が押し出された位置にあり、緑化台車146が前進する前に、緑化台車146内から接触部173を退避させるためにシリンダを縮める。
育苗箱の棚積みが完了した後、作業者が、上下に配列される複数の棚157の側方(即ち、第1押出装置160a及び第2押出装置160bの側)において、育苗箱が棚157から脱落するのを防止するための棒状の規制体(図示省略)を緑化台車146に装着する構成となっている。
この棒状の規制体は、上述した第1育苗箱位置決めバー157a、及び第2育苗箱位置決めバー157bと同じ構成の部材であり、育苗箱を緑化台車146の棚157に投入を開始するまでは、図12に示す第1育苗箱位置決めバー157a、及び第2育苗箱位置決めバー157bと対向する位置に装着されている。しかし、育苗箱を緑化台車146の棚157に投入開始する際には、一旦、棒状の規制体を外し、育苗箱の棚積みが完了した後、育苗箱を棚157に投入するために外した側(第1押出装置160a及び第2押出装置160bの側)に、棚157から育苗箱が脱落しないようにするために再び棒状の規制体を装着する構成である。
一対の第2規制装置172a、172bの接触部173についても上記と同様の構成である。
これにより、緑化台車146内における、育苗箱Cの押し込み位置を適正に出来、緑化台車146内に棚積みされた育苗箱Cが、育苗箱積替装置143の構造物(例えば、フレーム等)に干渉することを防止出来る。
また、押出装置160a、160bを高速で作動させることが出来るので、作業能率の向上が図れる。
尚、上述では、緑化台車146を棚157の1ピッチ分ずつ上昇させながら棚積みする構成について説明したが、緑化台車146を先に上昇させておき、棚157の1ピッチ分ずつ下降させながら棚積みする構成としてもよい。また、第1押出装置160a及び第2押出装置160bにより、育苗箱を緑化台車146の前後の棚157に一度に押し込む構成について説明したが、単一の押出装置により、先に、緑化台車146を棚157の1ピッチ分ずつ上昇させながら前側の棚157に育苗箱を押し込み、次に、緑化台車を前進させて後側の棚157に育苗箱を押し込む構成としてもよい。
次に、図13(a)〜図13(c)を用いて、網袋用の浸種コンテナ400を2段重ねにして浸種水槽116(図1参照)に入れる構成について説明する。
図13(a)〜図13(c)は、網袋用の浸種コンテナ400を2段重ねにして浸種水槽116に入れる手順を示す説明図である。図13(d)は、図13(a)の図中に示すS部の拡大図である。
図13(a)に示す通り、浸種コンテナ400の対向する側壁の上端部の両端(図13(a)中の奥側と手前側)には、上下に回動可能な掛け金401がそれぞれ設けられており、それら計4個の掛け金401の下方には、掛け金401を引っ掛けるフック402が設けられている。
また、図13(a)のS部の拡大図(図13(d)参照)に示す様に、フック402の内側面402a、即ち、掛け金401を引っ掛ける面は、浸種コンテナ400の側壁に向けて傾斜している。
尚、浸種コンテナ400には籾袋410が収められている。
これにより、2台の浸種コンテナ400にそれぞれ籾袋410を入れた後(図13(a)参照)、クレーン420で浸種コンテナ400の一方を他方の上に積み重ね、下方の浸種コンテナ400の掛け金401を上方に回動して、上方の浸種コンテナ400のフック402に引っ掛けることで(図13(b)参照)、1基の浸種水槽116に2台の浸種コンテナ400を重ねて入れることが出来(図13(c)参照)、浸種水槽116の数を減らすことが出来る。
また、2台の浸種コンテナ400をクレーン420で吊り下げて浸種水槽116に沈める際、フック402の内側面402aが傾斜しているので、掛け金401が浸種コンテナ400の側壁にしっかりと当接し、上下に重ねられた浸種コンテナ400の連結部のガタツキの発生を防止出来る。
次に、図14を用いて、種籾脱水機500の振動低減について説明する。
図14は、種籾脱水機500の側面図である。
図14に示す様に、種籾脱水機500の種籾を入れるバスケット501の下方に、バスケット501に投入する種籾と同じ重さの円盤状のウェイト502が、バスケット501の回動の中心軸を兼ねたウェイト回動軸502aに対して取り付けられている。
また、バスケット501の下端部から下方に突き出したバスケット回動軸501aは、バスケット回動ベルト501bを介してバスケット回動モータ501cに連結されている。
また、ウェイト502は、ウェイト回動ベルト502bを介して、バスケット501と逆方向にウェイト502を回動させるウェイト回動モータ502cに連結されている。
尚、バスケット回動軸501aは、ウェイト回動軸502aに対して、遊嵌接続されている。
これにより、ウェイト502をバスケット501の回転方向に対して逆方向に回転させることが出来るので、脱水時の振動が打ち消されて、振動の低減が図れる。
従って、種籾脱水機500を床面に固定するアンカーボルトの径を細くすることや、アンカーボルトの本数を減らすことが出来る。
尚、上記実施の形態では、光電式センサを用いて、第2保持爪164bの高さ方向における位置を検知して、その検知結果に応じた遅延タイマーの設定時間の経過後に、段積育苗箱Cαの把持を解除させる解除指令出す構成について説明したが、これに限らず例えば、第1保持爪164aと第2保持爪164bの内、少なくとも何れか一方の保持爪と、積付アーム119の所定位置に既に移送されている段積育苗箱Cαの最上段との高さ方向の「間隔」を画像データとして取得するCCDカメラ(図示省略)を、積付用ラック支持第2柱129Bの上部側面に配置し、その画像データから上記「間隔」を算出する構成であっても良い。この構成の場合、制御部110aは、一対の保持爪を下降させ、CCDカメラにより取得された画像データから上記「間隔」を算出し、その算出した値が所定値に達したと判定した際、段積育苗箱Cαの把持を解除させる解除指令を出す構成であると共に、その所定値は、調整が可能に構成されている。尚、段積育苗箱Cαを積付アーム119の所定位置に最初に積み付ける場合の解除指令を出すタイミングは、上記の第1光電式センサ301を利用しても良い。ここで、上記CCDカメラは、本発明の間隔検知部の一例にあたる。
また、上記実施の形態では、第2保持爪164bに反射板164b3を取り付けて、第2保持爪164bの高さ方向における位置を直接に光電式センサを用いて検知する構成について説明したが、これに限らず例えば、可動アーム126a又は126bの上部に配置されたアクチュエータ回動軸126c等に反射板を取り付けて、光電式センサでアクチュエータ回動軸126cの位置を検知することにより、保持爪の位置を間接に検知する構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、積付装置118が、積付アーム119の載せ板119b上に1回目〜3回目の全ての積み付け動作において、段積育苗箱Cαの把持を解除するタイミングを、第1保持爪164aと第2保持爪164bとで、異ならせる構成について説明したが、これに限らず例えば、1回目の積み付け動作では、両側の全ての保持爪を同時に開動し、2回目以降は、片側の2箇所の保持爪を先に開動し、予め定められた一定時間後に、反対側の2箇所の保持爪を開動する構成であっても良い。これにより、段積育苗箱Cα同士の積み付けずれの防止が可能となる。
また、上記実施の形態では、第2保持爪164bの上面164b1、及び下面164b2が傾斜しており、且つ、第1保持爪164aの上面、及び下面についても同様に傾斜している構成につい説明したが、これに限らず例えば、上面及び下面の何れか一方の面が傾斜している構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、制御部110aは、第1光電式センサ301〜第3光電式センサ303による反射光の検知結果に基づいて、第1空気圧アクチュエータ162aの作動開始時期を決定する第1制御を行うと共に、第1空気圧アクチュエータ162aの作動を開始させた後、予め定められた一定時間経過後、第2空気圧アクチュエータ162bの作動を開始させる第2制御を行う場合について説明したが、これに限らず例えば、上記第1制御、及び第2制御の内、何れか一方の制御を行わない構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、第1空気圧アクチュエータ162aの作動を開始させた後、予め定められた一定時間経過後、第2空気圧アクチュエータ162bの作動を開始させることにより、積付装置118において、段積育苗箱Cαの把持を解除するタイミングを、第1保持爪164aと第2保持爪164bとで、異ならせる構成について説明したが、これに限らず例えば、第1空気圧アクチュエータ162aの作動を開始させるタイミングと、第2空気圧アクチュエータ162bの作動を開始させるタイミングは同時とし、且つ、第1空気圧アクチュエータ162aの作動速度の方を、第2空気圧アクチュエータ162bの作動速度より速くすることにより、上記把持を解除するタイミングを、第1保持爪164aと第2保持爪164bとで、異ならせる構成としても良い。
また、上記実施の形態では、積付装置118は、育苗箱Cが複数枚段積された段積育苗箱Cαを、積み付ける構成とした場合について説明したが、これに限らず例えば、本発明の積付装置は、一枚の育苗箱Cを対向配置された一対の保持爪により把持して所定位置に移送する動作を繰り返す際に、所定位置に既に移送された育苗箱Cの上に次の育苗箱Cを積み付ける構成であっても良い。この場合でも、上記と同様、育苗箱の急激な落下を防止出来るので、育苗箱内の土寄りを防止出来、また、積付姿勢が良好となるという効果を発揮する。
また、上記実施の形態では、積付装置118が、段積育苗箱Cαを積付アーム119の所定位置に積み付けることで段積育苗箱群Cβを形成して、その後、積付アーム119を移動させて出芽台車111上に移載する構成について説明したが、これに限らず例えば、パレット600や出芽台車111に直接積み付ける構成であっても良い(図15参照)。図15は、パレット600に直接積み付ける第2積付装置618を用いた積付機構の概略平面図である。この場合、図15に示す様に、第2積付装置618は、段積育苗箱Cαをパレット600の所定位置に複数回積み付けることで段積育苗箱群Cβを形成する。第2積付装置618の一対の可動アームは図示を省略したが、上記実施の形態の一対の可動アーム126a、126b(図4、5参照)と基本的に同じ構成である。
ここで、パレット600の所定位置に段積育苗箱Cαを積み付ける順番は、第2積付装置618から遠い側、即ちパレット600の奥側から優先して積み付ける。図15では、中央位置にあるパレット600において、最初に一番奥側の位置に段積育苗箱群Cβ21が積み付けられた後、その手前側の位置に段積育苗箱群Cβ22が積み付けられて、その後、更にその手前側の位置に段積育苗箱群Cβ23が積み付けられた後、最後に最も手前側の位置に段積育苗箱群Cβ24が積み付けられた状態を示している。尚、左側のパレット600には、段積育苗箱群Cβの積み付けが完了した状態を示している。
また、図15の積付機構では、パレット600に直接積み付ける構成について説明したが、これに限らず例えば、パレット600に代えて出芽台車111に直接積み付ける構成であっても良い。
また、上記実施の形態の積付装置においては、積付途中で異常停止した場合、どこまで積付したかを記憶しておき、作業再開時には、記憶した情報に基づいて積付を開始する構成であっても良い。