JP2005278528A - 播種施設 - Google Patents

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省三 矢野
Hiroichi Muta
博一 牟田
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Abstract

【課題】 播種施設内において、複数の設備が消毒する位置や対象に応じてそれぞれの消毒液をそれぞれの貯留タンクに貯留して使用する構成とすると、各々の貯留タンクを要する分、施設全体のスペースが大きくなったり、各々の消毒液を準備しなければならず、ランニングコストが高くなるおそれがある。
【解決手段】 育苗箱搬送コンベヤにより一定方向に搬送される育苗箱へ播種する播種設備と、該播種設備で播種する種子を消毒液により消毒する種子消毒設備52と、播種設備へ供給する育苗箱を消毒液により消毒する育苗箱消毒設備211とを備える播種施設において、種子消毒設備52と苗箱消毒設備211とへ消毒液を供給する共通の消毒液タンク201を設けた。
【選択図】 図3

Description

この発明は、育苗箱へ播種する播種設備を備える播種施設の技術分野に属するものである。
従来、育苗箱搬送コンベヤにより一定方向に搬送される育苗箱へ播種する播種設備と、該播種設備へ供給する育苗箱を洗浄する育苗箱洗浄設備と、播種設備で播種された育苗箱を高温多湿の環境の下で出芽させる出芽室と、該出芽室で出芽させた育苗箱を温度管理して所定の大きさに苗が生育するまで育苗する緑化室と、出芽室から緑化室へ育苗箱を搬送するにあたり該育苗箱を緑化台車へ棚積みする育苗箱積替装置とを備える播種育苗施設がある(特許文献1参照。)。また、この種の播種育苗施設には、一般的に、播種設備41で播種する種子を水に浸して芽出しさせるための浸種水槽を備える浸種設備を設けている。
また、育苗箱洗浄設備において、洗浄された空の育苗箱を該設備内に貯留する消毒液により消毒する構成とすることにより、育苗箱消毒設備を兼ねたものがある(特許文献2参照。)。
また、近年、浸種設備において、浸種水槽へ電解水等の消毒作用のある液体(消毒液)を充填し、種子を芽出しさせると共に消毒する構成とした種子消毒設備の開発が試みられている。
特開平5ー184242号公報 特開平6ー261637号公報
上記背景技術のように、施設内において、複数の設備が消毒する位置や対象に応じてそれぞれの消毒液をそれぞれの貯留タンクに貯留して使用する構成とすると、各々の貯留タンクを要する分、施設全体のスペースが大きくなったり、各々の消毒液を準備しなければならず、ランニングコストが高くなるおそれがある。
この発明は、上記課題を解決するべく次の技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、育苗箱搬送コンベヤ42により一定方向に搬送される育苗箱Cへ播種する播種設備41と、該播種設備41で播種する種子を消毒液により消毒する種子消毒設備52と、播種設備41へ供給する育苗箱Cを消毒液により消毒する育苗箱消毒設備211とを備える播種施設において、種子消毒設備52と苗箱消毒設備211とへ消毒液を供給する共通の消毒液タンク201を設けた播種施設とした。
従って、請求項1に記載の播種施設は、共通の消毒液タンク201から供給される消毒液により、種子消毒設備52で種子を消毒し、育苗箱消毒設備211で育苗箱Cを消毒する。そして、播種設備41により、消毒した育苗箱Cへ消毒した種子を播種する。
よって、請求項1に記載の発明によると、共通の消毒液タンク201から共通の消毒液
を種子消毒設備52と苗箱消毒設備211とへ供給する構成としたので、施設全体のコンパクト化や播種作業におけるランニングコストの低減が図れる。
以下、この発明の実施の一形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、播種施設の平面レイアウト図である。この播種育苗施設は、2階が育苗箱置場となっており、その育苗箱置場の育苗箱C,…が育苗箱供給装置40によって1階に設置した播種設備41に1枚ずつ順次供給される。播種設備41は図2に示す構成で、育苗箱Cを一定方向に搬送する育苗箱搬送コンベヤ42に沿って、育苗箱に床土を入れて鎮圧・均平する床土供給装置43、水稲用の灌水装置44、床土の上に種籾を播種する播種装置45、覆土を施す覆土供給装置46、野菜用の灌水装置47が設けられている。尚、床土供給装置43の育苗箱搬送下手側部分には、育苗箱に供給された床土を均平する均平部85を備えている。尚、野菜の種子を播種するときには、野菜用の灌水装置47を作動させ、覆土供給装置46により覆土した後に灌水するようになっている。播種設備41によって播種等を施された育苗箱は、段積み設備1によってパレットP又は出芽台車77の上に所定段数ずつ段積みされる。そして、段積みされた育苗箱を出芽室48に搬入して出芽させる。出芽室48で出芽させた段積状の育苗箱は育苗箱積替装置143で緑化台車146に棚積みされ、該緑化台車146ごと温度管理された緑化室200へ搬入して所定の大きさに苗が成育するまで育苗する。尚、前記出芽室48及び緑化室200は、それぞれ3室設けられている。
播種設備41の播種装置45の貯留する種籾の減少に伴って、種籾コンテナ50から自動的に該播種装置45へ種籾を供給する種籾供給コンベア51を設けている。この播種育苗施設には浸種水槽52を複数個(5個)設けており、水を張った該浸種水槽52内へ種籾を収容した状態の種籾コンテナ50を沈めて浸種して種子の芽出しを促進した後、その種子を播種装置45へ供給するようになっている。浸種水槽52へ供給される水は電気分解により生成される電解水(消毒液)であり、この浸種行程において種子の消毒も行う。従って、浸種水槽52は、浸種設備並びに種子消毒設備を構成している。前記電解水として生成される強酸性水と強アルカリ水とは、所望の温度に維持するべく共通の緑化室200に設けた酸性水タンク201及びアルカリ水タンク202に貯留されている。浸種水槽52へ供給する水は、前記タンク201,202内の貯留量等に応じて強酸性水か強アルカリ水か適宜選択することができるが、複数個備える浸種水槽52ごとに強酸性水と強アルカリ水とを振り分けて供給し、浸種行程が終わると各浸種水槽52内の強酸性水と強アルカリ水とを排水タンク203内で混合させて中和し、該排水タンク203から中和された水を排水するのが理想的である。尚、この播種育苗施設には種籾コンテナ50ごと収容できる催芽設備204も備えており、種籾コンテナ50内で種子の催芽させることもできる。
種籾コンテナ50は、計4個の種籾収容部205を備え、上部の四隅にクレーン等で吊り下げできるように吊下用環206、下部に脚部207を設けている。種籾収容部205の側面はパンチングで形成された網状プレート208で構成され、種籾収容部205の下部は変形可能な袋状の網体209で構成されている。従って、浸種水槽52内で種籾収容部205へ水(消毒液)が円滑に供給される。網体209の下端には開閉可能なファスナー210を備え、このファスナー210を開いて種籾収容部205内の種籾を種籾供給コンベア51へ落下供給して播種装置45へ供給するようになっている。種籾収容部205における種籾の排出部がファスナー210で構成されているので、種籾収容部205の排出口の開度を自由に調整することができ、播種装置45の種籾の残量に応じて必要量の種籾を排出することができる。尚、種籾収容部205の下部は変形可能な袋状の網体209で構成されているため、ファスナー210を種籾の排出途中で容易に開度調節したり完全に閉じたりすることができる。従来は、種籾収容部における種籾の排出部が剛体でスライド式のシャッタプレートにより構成され、該シャッタプレートが開状態と閉状態との2状態に切り替える構成であるので、種籾の排出量を調節することができず、また種籾の排出途中ではその排出口に種籾が充満しているため、シャッタプレートを閉じることができず、種籾を任意に排出することができなかった。
苗が取り出されて空になった育苗箱Cは、育苗箱洗浄設備211により洗浄され、再使用するようになっている。この育苗箱洗浄設備211は、育苗箱の搬送上手側から順に育苗箱自動供給部212、洗浄部213、水切り部214、消毒部215、段積部216を備えている。育苗箱自動供給部212は、段積された空の育苗箱Cを一枚づつ繰り出して育苗箱搬送経路に供給する。洗浄部213では、サイドブラシ217の回転により先ず育苗箱の側面が洗浄され、主ブラシ218の回転により育苗箱の上下面が洗浄される。前記サイドブラシ217及び主ブラシ218はそれぞれ育苗箱搬送経路に対して上下に振り分けて配置され、下側のサイドブラシ217及び主ブラシ218の下部から洗浄水槽219内に貯留した洗浄水を掻き上げながら育苗箱を洗浄する構成となっている。水切り部214では、水切りブラシ220の回転により育苗箱内面の水滴が除去された後、上下に配置されたエアノズル221からエアを吹き付けて育苗箱の水滴を完全に除去して水切りする。消毒部215では、緑化室200に設けた酸性水タンク201からの強酸性水を育苗箱へ噴霧する。従って、この育苗箱洗浄設備211は、育苗箱消毒設備でもある。段積部216では、育苗箱を所定枚数毎に段積する。この段積された空の育苗箱C,…を2階の育苗箱置場に搬送し、育苗箱置場から育苗箱供給装置40へ育苗箱C,…が供給されることにより、空の育苗箱Cが再使用されるようになっている。消毒部215で育苗箱Cを消毒することにより、育苗箱置場等に長期にわたり空の育苗箱Cを保管していても、育苗箱Cにカビが発生するようなことを防止できる。
酸性水タンク201からの強酸性水の供給経路は、浸種水槽52と前記消毒部215とに分岐して供給できるようになっており、分岐された経路のそれぞれに開閉バルブ222を設けている。従って、浸種作業をしないときあるいは育苗箱洗浄作業をしないときは、対応する開閉バルブ222を閉じて消毒液が無駄にならないようにする。尚、消毒部215から回収される強酸性水は、浸種水槽52と同様に排水タンク203内へ供給される。尚、アルカリ水タンク200から浸種水槽52への強アルカリ水の供給経路にも、開閉バルブ222を設けている。尚、播種育苗施設内において、浸種水槽52と育苗箱洗浄設備211とは酸性水タンク201から共に比較的近い位置に配置され、酸性水タンク201から浸種水槽52と育苗箱洗浄設備211とへの強酸性水の供給経路を短くでき、強酸性水の供給用配管を短く簡素に構成できる。尚、図3に破線で示すように、育苗箱洗浄設備211の洗浄部213へ消毒液(強酸性水)を供給する供給経路を設けてもよい。これにより、洗浄部213において、洗浄水槽219へ消毒液(強酸性水)が貯留されて、育苗箱Cを洗浄すると共に消毒作用を付加することができる。
次に、図10に基づいて、段積み設備1について説明する。この段積み設備1は、播種された育苗箱を供給する播種育苗箱供給装置としての播種育苗箱供給コンベヤ2が配置され、該コンベヤ2に隣接して平行に育苗箱搬出コンベヤ4が配置されている。
播種育苗箱供給コンベヤ2の始端部には後述する播種設備41の播種コンベヤ42の終端部が接続されており、播種コンベヤ42から播種育苗箱供給コンベヤ2に播種された育苗箱が1枚ずつ供給される。播種育苗箱供給コンベヤ2は、播種された育苗箱をその長手方向が搬送方向を向く状態で搬送する。播種育苗箱供給コンベヤ2の中間部には、水稲種子(籾)を播種した場合に、1枚ずつ搬送されてくる育苗箱を2段に積み重ねる第一育苗箱積重ね装置6と、2段になって搬送されてくる育苗箱を4段に積み重ねる第二育苗箱積重ね装置7とが設けられている。
第一育苗箱積重ね装置6は、図12に示すように、播種育苗箱供給コンベヤ2の育苗箱搬送路を挟んで両側に配置された上、下リフトスプロケット6a,6b,6a,bにリフトチエン6c,6cを巻き掛け、このリフトチエン6c,6cに所定間隔でリフト爪6d,…,6d,…を取り付けている。また、育苗箱搬送路の上方には、前、後送出しスプロケット6e,6f,6e,6fに送出しチエン6g,6gを巻き掛け、この送出しチエン6g,6gに所定間隔で送出し爪6h,…,6h,…を取り付けている。1枚目の育苗箱Cが所定位置にくると、リフト爪6d,6dが育苗箱の底部を支持して1ピッチ持ち上げ、次いで2枚目の育苗箱が所定位置にくると、これを次のリフト爪6d,6dが1ピッチ持ち上げ、リフト爪6d,6dで支持した状態で育苗箱を積み重ねる。このようにして育苗箱が2段に積み重ねられると、送出しチエン6g,6gが作動して、送出し爪6h,6hで押して搬送下手側に送り出す。第二育苗箱積重ね装置7も、基本構成は第一育苗箱積重ね装置6と同じであるので、その構成および動作の説明を省略する。しかして、播種育苗箱供給コンベヤ2の終端部には4段重ねになった播種された育苗箱が供給されることとなる。
播種育苗箱供給コンベヤ2の終端部には、播種育苗箱取上げ位置A1,A2が設定されている。この播種育苗箱取上げ位置に対応して、育苗箱搬出コンベヤ4には播種育苗箱段積み位置B1−1,B1−2,B1−3,B2−1,B2−2,B2−3が設定されている。そして、播種育苗箱段積み装置である播種育苗箱段積みロボット8によって、播種育苗箱取上げ位置の育苗箱を播種育苗箱段積み位置に段積みする。
播種育苗箱段積みロボット8は、中間部で折り曲げ可能なロボットアーム8aの先端部に、4段重ねした育苗箱の長手方向両端をつかんで保持することのできる2組の育苗箱チャック8b,8bが設けられている。ロボットアーム8a全体を上下に回動、及びロボットアーム8aの折り曲げ角度を変更することにより、各育苗箱チャック8b,8bを播種育苗箱取上げ位置と播種育苗段積み位置との間を移動させるとともに上下位置を調節するようになっている。
図13及び図14に示すように、育苗箱チャック8bは、チャック開閉シリンダ30で開閉させられる一対の把持爪31,31を備え、この一対の把持爪で4段重ねになった育苗箱の短辺部を両側から挟み付けて把持する。把持爪31の下端部は鉤状になっていて、把持の際にはこの鉤状部31aが最下段の育苗箱の底部に引っ掛かるようになっている。また、前後駆動手段32で前後方向に移動させられる前後位置規制体33と左右駆動手段34で左右方向に移動させられる左右位置規制体35とが各2対ずつ設けられ、把持爪31,31による把持に先行して育苗箱の前後位置及び左右位置を適正になるよう修正するようになっている。このため、把持爪31,31が育苗箱Cを正確に把持できる。なお、外面部に段Caが形成された育苗箱Cを把持するにあたり、この段の下側を把持爪31の鉤状下端部で支えるようにするため、一旦把持爪31,31が育苗箱を把持してから把持爪31,31を少しだけ上昇させて、鉤状部31a,31aを段Caの下面に係合させる。
播種育苗箱供給コンベヤ2の前記播種育苗箱取上げ位置A1,A2には、それぞれの位置に育苗箱を停止させる第一、第二育苗箱ストッパ11,12が設けられている。第一育苗箱ストッパ11は固定状態で設けられ、第二育苗箱ストッパ12は播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送面よりも下方に引っ込み可能に構成されている。
育苗箱搬出コンベヤ4は、パレット供給装置16にて供給される育苗箱段積み用のパレットPを一対のベルトの上に載せて搬送するようになっている。パレットPは、長手方向を搬送方向に向けて育苗箱を横に3列、縦に2列、平面視で計6枚並べられるスペースを有している。育苗箱搬出コンベヤ4には、パレットPの各育苗箱を並べる位置が前記播種育苗箱段積み位置B1−1,B1−2,B1−3,B2−1,B2−2,B2−3と合致するパレット停止位置でパレットPを停止させる第一パレットストッパ18と、終端部でパレットPを停止させる第二パレットストッパ20とが設けられている。第一パレットストッパ18は育苗箱搬出コンベヤ4の搬送面よりも下方に引っ込み可能に構成され、第二パレットストッパ20は固定状態に設けられている。
この段積み設備1は、育苗箱の有無を検出するフォトセンサPH1〜11が適所に設けられており、その検出結果に基づき各部の作動を制御する。以下、その動作を説明する。
播種設備41によって播種された育苗箱Cは、播種設備のコンベヤから播種育苗箱供給コンベヤ2に引き継がれる。1枚目の育苗箱が第一育苗箱積重ね装置6まで搬送されてPH1がONになると、第一育苗箱積重ね装置6のリフトチエンが作動して当該育苗箱を持ち上げる。2枚目の育苗箱が第一育苗箱積重ね装置6の下方まできてPH1が再度ONになると、次のリフト爪が2個目の育苗箱を持ち上げて2枚の育苗箱を積み重ねる。第一育苗箱積重ね装置6は、上記動作を繰り返して育苗箱を2段に積み重ねていく。
2段重ねの育苗箱が第二育苗箱積重ね装置7まで搬送されてPH2がONになると、第
二育苗箱積重ね装置7のリフトチエンが作動して当該育苗箱を持ち上げる。次の2段重ねの育苗箱が第二育苗箱積重ね装置7の下方まできてPH2が再度ONになると、それを次のリフト爪が持ち上げて2段重ねの育苗箱の上に2段重ねの育苗箱を積み重ねる。第二育苗箱積重ね装置7は、上記動作を繰り返して育苗箱を4段に積み重ねていく。
4段重ねの育苗箱は、播種育苗箱取上げ位置A1,A2に向けて搬送される。そして、第一及び第二育苗箱ストッパ11,12への搬送手前側にはそれぞれ減速用センサPH3−1,PH4−1及び停止用センサPH3−2,PH4−2を育苗箱の搬送上手側から順に設けている。初期状態では、第二育苗箱ストッパ12は播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送面よりも下方に引っ込んだ状態となっており、1組目の育苗箱を第一育苗箱ストッパ11側の減速用センサPH3−1が検出すると播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送速度を所定の速度に減速させ、その後第一育苗箱ストッパ11の直前にある停止用センサPH3−2が育苗箱Cを検出してから所定時間後に播種育苗箱供給コンベヤ2を停止させる。そして、2組目の育苗箱を第二育苗箱ストッパ12側の減速用センサPH4−1が検出すると播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送速度を所定の速度に減速させ、その後第二育苗箱ストッパ12の直前にある停止用センサPH4−2が育苗箱Cを検出してから所定時間後に播種育苗箱供給コンベヤ2を停止させる。
これにより、搬送速度が減速した状態で育苗箱Cが育苗箱ストッパ11,12へ当たるので、育苗箱ストッパ11,12への衝突時の衝撃が抑えられ、育苗箱C内の土寄りや土の飛び出し等を防止すると共に、育苗箱ストッパ11,12による育苗箱Cの停止位置が安定する。また、育苗箱ストッパ11,12の直前位置に設けた停止用センサPH3−2,PH4−2が育苗箱Cを検出してから所定時間後に播種育苗箱供給コンベヤ2を停止させる構成とすることにより、育苗箱ストッパ11,12に当接するまで確実に育苗箱Cを搬送することができ、育苗箱ストッパ11,12による育苗箱Cの停止位置が更に安定する。このように育苗箱Cの停止位置を適正に安定させることにより、播種育苗箱段積みロボット8で適確に育苗箱Cを取上げることができ、取上げ作業のトラブルを防止することができる。
尚、前記育苗箱ストッパ11,12に当接して停止する理論上の育苗箱Cの位置に対して、育苗箱チャック8b,8bの把持爪31,31の位置を、播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送方向においてその搬送上手側に偏位させている。すなわち、播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送下手側における前記育苗箱Cの端と把持する前の開いた状態の把持爪31との間隔x(実際は約20mm)より、播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送上手側における前記育苗箱Cの端と把持する前の開いた状態の把持爪31との間隔y(実際は約40mm)が大きくなるように、育苗箱チャック8b,8bが播種育苗箱供給コンベヤ2上から育苗箱を把持する位置を設定している。これにより、育苗箱チャック8b,8bにより適確に育苗箱を把持できるようにしている。別例として、前記両間隔x,yを同じにして育苗箱ストッパに当接して停止する理論上の育苗箱の両端に対する把持爪31,31の位置関係を同じにすることが考えられるが、停止用センサPH3−2,PH4−2が育苗箱Cを検出してから所定時間後に播種育苗箱供給コンベヤ2を停止させる構成としていることもあって、育苗箱ストッパ11,12まで到達せずに育苗箱が停止するおそれがあり、このときは停止している育苗箱の位置に対して把持爪31,31が播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送下手側に実質的に偏位することになり、前記搬送下手側の把持爪31が適正に育苗箱を把持できなかったりして育苗箱チャック8b,8bによる以降の育苗箱の搬送行程にトラブルを起こすことが考えられる。更に、育苗箱ストッパ11,12へ複数段(4段)に段積された育苗箱Cが搬送されるので、上下段の育苗箱Cが播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送方向にずれた状態で育苗箱ストッパ11,12位置へ供給されることが考えられる。このとき、上側の育苗箱Cが下側の育苗箱Cに対して育苗箱ストッパ11,12側(搬送下手側)に位置ずれしている場合は、播種育苗箱供給コンベヤ2が最下側の育苗箱Cを強制的に搬送することにより上側の育苗箱Cが育苗箱ストッパ11,12に先に当接して前記位置ずれが小さくなって解消される可能性があるが、逆に上側の育苗箱Cが下側の育苗箱
Cに対して育苗箱ストッパ11,12とは反対側(搬送上手側)に位置ずれしている場合は、下側の育苗箱Cが育苗箱ストッパ11,12に先に当接して前記位置ずれが解消されない。従って、育苗箱Cが段積されていることにより、育苗箱ストッパ11,12まで到達せずに育苗箱Cが停止してしまう可能性が更に生じる。
そして、各取上げ位置A1,A2に4段重ねの育苗箱が供給されて播種育苗箱供給コンベヤ2が停止すると、段積みロボット8が所定の動作を行い、各取上げ位置の育苗箱を後述する育苗箱搬出コンベヤ4上の適正位置へ段積みする。具体的には、2組の育苗箱チャック8b,8bが開いた状態で取上げ位置へ移動し、そこで育苗箱チャックが閉じて育苗箱をつかみ、次いで育苗箱をつかんだ育苗箱チャックが育苗箱搬出コンベヤ4上の適正位置まで移動し、そこで育苗箱チャック8b,8bが開いて育苗箱を解放するように作動する。
育苗箱チャック8b,8bを播種育苗箱供給コンベヤ2の取上げ位置から育苗箱搬出コンベヤ4上の適正位置へ移動させるためにロボットアーム8aが作動した時点において、停止用センサPH3−2,PH4−2のいずれかがONである場合は、「異常」として育苗箱段積み装置全体を停止させる。停止用センサPH3−2,PH4−2のいずれもがOFFである場合は、「正常」であると判断し、第二育苗箱ストッパ11を播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送面よりも下方に引っ込ませる。これにて播種育苗箱供給コンベヤ2は初期状態となり、前記と同様に、各取上げ位置A1,A2に4段重ねの育苗箱がそれぞれ供給される。
パレット供給装置16は、フォトセンサPH7がOFFであるとき育苗箱搬出コンベヤ4にパレットPを供給する。そして、搬出用モ−タ17の駆動により育苗箱搬出コンベヤ4を搬送作動させ、そのパレットPがパレット停止位置まで移動すると、育苗箱搬出コンベヤ4の搬送面よりも上方に突出した状態にある第一パレットストッパ18によって受け止められる。これにより、フォトセンサPH7,8がONになり、段積みロボット8が播種育苗箱段積み位置にあるパレットPに育苗箱の段積みを開始する。尚、最初のパレットPが供給されたときは、フォトセンサPH7,8がONになると、搬出用モ−タ17の駆動を停止して育苗箱搬出コンベヤ4の作動を停止する構成となっている。段積みロボット8による育苗箱の段積みは、次のように実行される。
1組目の育苗箱は播種育苗箱供給コンベヤ2から最も遠い段積み位置B1−1,B2−1に載置する。2組目の育苗箱は1組目の育苗箱の上に載置する。以下同様に、所定段数になるまで育苗箱を段積みする。最も遠い段積み位置B1−1,B2−1に育苗箱が所定段数だけ載置されると、次は真ん中の段積み位置B1−2,B2−2に育苗箱を段積みする。そして最後に、一番手前の段積み位置B3−1,B3−2に育苗箱を段積みする。そして、全播種育苗箱段積み位置B1−1,B1−2,B1−3,B2−1,B2−2,B2−3,B3−1,B3−2,B3−3に育苗箱が所定段数ずつ段積みされた時点で、第一パレットストッパ18が下降するとともに、搬出用モ−タ17が駆動して育苗箱搬出コンベヤ4が作動する。
育苗箱が所定段数ずつ段積みされたパレットPは、フォトセンサPH11がOFFで育苗箱搬出コンベア4の終端部すなわちパレット取出位置の上にパレットが存在しない場合、パレットPが育苗箱搬出コンベア4の終端部(パレット取出位置)まで送り込まれ第二パレットストッパ20によって停止させられる。上記条件を満たさない場合は、播種育苗箱段積み位置で待機する。このパレットPを育苗箱搬出コンベア4の終端部まで搬送するのに伴って、次のパレットPが育苗箱搬出コンベア4上で共に搬送されるが、フォトセンサPH8がOFFになって前のパレットPが第一パレットストッパ18の位置を完全に通過したことを検出すると、第一パレットストッパ18が上方に突出し、該第一パレットストッパ18が次のパレットPを受け止める。このとき、パレット供給装置16から播種育苗箱段積み位置までの距離より播種育苗箱段積み位置から育苗箱搬出コンベア4の終端部(パレット取出位置)までの距離の方が長いため、次のパレットPが第一パレットストッパ18(播種育苗箱段積み位置)に到達した後も前のパレットPが第二パレットストッパ20(パレット取出位置)に到達するまで育苗箱搬出コンベア4が作動し続ける。従って、次のパレットPが第一パレットストッパ18(播種育苗箱段積み位置)に到達してフォトセンサPH7,8がONになると、育苗箱搬出コンベア4が作動している状態でも、段積みロボット8が播種育苗箱段積み位置にあるパレットPに育苗箱の段積みを開始する。
このとき、育苗箱搬出コンベア4が作動しているため、播種育苗箱段積み位置にあるパレットPは、第一パレットストッパ18で受け止められて育苗箱搬出コンベア4に対して滑りながら停止していても、育苗箱搬出コンベア4から振動を受けやすく、その振動で段積みロボット8によるパレットPへの育苗箱の段積が不適正になるおそれがある。そこで、播種育苗箱段積み位置にパレットを固定できる固定装置19を設けており、該固定装置19により、播種育苗箱段積み位置にあるパレットPを搬送方向に対して左右両側から挟んで押圧して固定し、該パレットPの振動を低減するようにしている。この固定装置19は、パレットPが第一パレットストッパ18(播種育苗箱段積み位置)に到達してフォトセンサPH7,8がONの状態で、且つ搬出用モ−タ17が駆動して育苗箱搬出コンベア4が作動している状態のときだけ作動するようになっている。これにより、パレットPへの育苗箱の段積を適正に行えると共に、育苗箱搬出コンベア4により前のパレットPをパレット取出位置へ搬送している状態でもパレットPへの育苗箱の段積を行うことができるので、育苗箱の段積作業の作業能率が向上する。また、図16に示すように、施設のレイアウトに応じて育苗箱搬出コンベア4を伸長する等してパレット取出位置を所望の位置に設定することにより、たとえ播種育苗箱段積み位置からパレット取出位置までの距離が極端に長くなっても、段積作業の作業能率を低下させることがない。例えば、図16の(2)、(3)に示すように、施設の建造物の支柱hや段積みロボット8の防護カバ−iが育苗箱搬出コンベア4からパレットPを取り出す作業で邪魔にならないようにパレット取出位置を前記支柱h又は防護カバ−iから離したり、育苗箱搬出コンベア4の左右両側(段積みロボット8側)からパレットPが取り出せるようにパレット取出位置を段積みロボット8から離したりして、パレット取出位置を所望の位置に設定することができる。従来は、作業能率を考慮して播種育苗箱段積み位置からパレット取出位置までの距離を短くしなければならないので、パレット取出位置の設定の自由度が低かった。あるいは、育苗箱搬出コンベアが作動する間は段積作業を停止する必要があり、育苗箱の段積作業の作業能率が低下するおそれがあった。あるいは、育苗箱搬出コンベアを播種育苗箱段積み位置までの部分とパレット取出位置までの部分とに分割して別々に作動させる必要があり、装置全体が大がかりなものとなってコストアップを招くおそれがあった。
更に、パレットPが第一パレットストッパ18(播種育苗箱段積み位置)に到達してフォトセンサPH7,8がONの状態で、搬出用モ−タ17が駆動して育苗箱搬出コンベア4が作動している状態のときは、搬出用モ−タ17の駆動速度を超低速に減速して育苗箱搬出コンベア4の作動速度を超低速にし、育苗箱搬出コンベア4からの振動を抑制して、段積作業を開始する構成となっている。これにより、上述と同様にパレットPへの育苗箱の段積を適正に行えると共に、育苗箱の段積作業の作業能率が向上する。尚、この実施の形態は、播種育苗箱段積み位置のパレットPへの振動の伝達を抑制する構成として、固定装置19と育苗箱搬出コンベア4の作動速度の制御とを併用したが、何れか一方のみを採用してもよい。尚、育苗箱群を載せたパレットPが育苗箱搬出コンベア4の終端部(パレット取出位置)に送り込まれると、該パレットPをフォークリフトですくい上げて育苗箱搬出コンベヤ4の延長方向に取り出し、出芽室48まで運搬する。
ところで、図17は、上述の育苗箱搬出コンベア4に代えて設けられる台車搬送装置76を示すものである。この台車搬送装置76を設けることにより、上述のパレットPの代わりに出芽台車77に育苗箱を段積していく構成の育苗箱段積装置となる。尚、前記出芽台車77は、長手方向を搬送方向に向けて育苗箱を横に2列、縦に2列、平面視で計4枚並べられるスペースを有している。この台車搬送装置76は、出芽台車77に後側から当接して該出芽台車77を押す台車押し具78を備え、搬出用モ−タ17の駆動で作動する無端帯の搬送用ベルト78aにより台車押し具78を前後方向に移動させて出芽台車77を移動させる構成となっている。尚、搬送用ベルト79の適宜の位置に2個の台車押し具78を取り付けている。また、出芽台車77の前側に当接して該出芽台車77の前進を規制するストッパ(ストッパピン)79,80を出芽台車77の移動経路の左右両側から突出可能に設けており、このストッパ(ストッパピン)79,80は、播種育苗箱段積み位置で出芽台車77の前進を規制する第一ストッパ79と播種育苗箱段積み位置の手前で出芽台車77の前進を規制する第二ストッパ80とで前後2か所に設けられている。尚、出芽台車77の左右の車輪77aを案内して出芽台車77の移動を案内する左右2本の案内レ−ル81を備えている。
従って、フォトセンサPH7がOFFで台車搬送装置76の始端部に出芽台車77がないとき、人手により台車搬送装置76の始端部(案内レ−ル81の始端部)に出芽台車77を供給する。そして、搬出用モ−タ17の駆動により搬送用ベルト78aを作動させて台車押し具78を前側へ移動させ、その出芽台車77が第一ストッパ79によって受け止められる。これにより、フォトセンサPH7,8がONになり、段積みロボット8が播種育苗箱段積み位置にある出芽台車77に育苗箱の段積みを開始する。尚、最初の出芽台車77が供給されたときは、フォトセンサPH7,8がONになると、搬出用モ−タ17の駆動を停止して台車押し具78の作動を停止する構成となっている。そして、段積みロボット8による出芽台車77への育苗箱の段積が完了すると、第一ストッパ79が退避すると共に、搬出用モ−タ17が駆動して台車押し具78が作動し、出芽台車77を搬出する。このとき、フォトセンサPH8がOFFになって前の出芽台車77が第一ストッパ79の位置を完全に通過したことを検出すると、第一ストッパ79が突出して次の出芽台車77を受け止める。尚、2個の台車押し具78の離間距離は、出芽台車77の前後長より長く、前の出芽台車77が第一ストッパ79の位置を完全に通過した後に第一ストッパ79の位置に次の出芽台車77が供給される構成としている。尚、第二ストッパ80は、段積みロボット8が段積作業をしているときに突出して作用し、次の出芽台車77が播種育苗箱段積み位置に供給されないようにしている。尚、出芽台車77に育苗箱を段積する場合は、固定装置19により、段積作業の間は常時、播種育苗箱段積み位置にある出芽台車77を左右両側から挟んで押圧して固定し、出芽台車77が段積みロボット8の動作で勝手に移動しないようにしている。
これにより、出芽台車77に育苗箱を段積する場合、段積作業中に出芽台車77の位置ずれが発生するおそれがあるが、上述のように出芽台車77を固定できるので、育苗箱の段積作業を適正に行え、出芽台車77へ育苗箱を段積することができる。尚、出芽台車77へ育苗箱を段積することにより、出芽室48内へ出芽台車77ごと育苗箱を供給することができ、育苗箱の運搬が容易になる。尚、出芽台車77に育苗箱を段積する際には、播種育苗箱段積みロボット8(及び台車搬送装置76)の制御プログラムを切り替えて、出芽台車77へ育苗箱を横に2列、縦に2列、平面視で計4箇所に段積していく構成となっている。
出芽室48内で発芽した育苗箱群は、緑化台車146へ積み替えるにあたり、パレットP又は出芽台車77ごと育苗箱積替装置143に供給される。前記育苗箱積替装置143は、段積された育苗箱群を一枚の育苗箱の高さ分づつリフトする段積リフト部144と該段積リフト部144の育苗箱の段積を解除して該育苗箱を搬送する育苗箱搬送部145と該育苗箱搬送部145により搬送された育苗箱を緑化台車146…に棚積みする棚積部147とを備えて構成され、段積みされた育苗箱群を緑化台車146…にそれぞれ棚積していくようになっている。尚、この育苗箱積替装置143は、前記段積リフト部144、前記育苗箱搬送部145及び前記棚積部147により、2列の育苗箱群を同時にリフトし、2列の育苗箱群の段積を同時に解除し、段積が解除された2枚の育苗箱を同時に緑化台車146…に棚積みしていく構成となっている。
前記段積リフト部144は、フォ−ク148によりパレットP又は出芽台車77上の段積みされた育苗箱群をすくってリフト位置149へ供給すると共に、後述する苗検出センサ104からの信号により前記育苗箱群を一枚の育苗箱の高さ分づつリフトする構成となっている。尚、前記フォ−ク148は、フォ−ク昇降用モ−タ(図示せず)の正逆転により昇降する構成となっている。また、前記育苗箱搬送部145は、前記段積リフト部144から前記棚積部147へ育苗箱を搬送するロ−ラコンベア150と前記段積リフト部144のリフト位置149にある育苗箱群の最上の育苗箱を把持して前記ロ−ラコンベア150上へ供給する育苗箱載替装置151とを備えて構成される。前記育苗箱載替装置151は、段積リフト部144のリフト位置149にある最上の育苗箱を押付具152により上方から押し付けながら前後の把持部153により上方へ取り上げると共に、前記育苗箱を後方のロ−ラコンベア150の上方へ横移動させた後、育苗箱を下降させて該ロ−ラコンベア150上へ供給し前記把持部153の把持を解除する構成となっている。尚、把持部153の昇降、横移動及び把持の作動あるいは解除は、それぞれ把持部昇降シリンダ、把持部横移動シリンダ及び把持部153に設けた把持シリンダにより行われる。従って、この育苗箱積替装置143は、前記段積リフト部144にある育苗箱群の段積を解除して育苗箱を前記棚積部147へ搬送するようになっている。尚、前記ロ−ラコンベア150は、育苗箱を搬送するべく常時駆動している。そして、前記段積リフト部144は、段積された育苗箱の残り枚数が所定の枚数となる前記フォ−ク148により所定の高さまで育苗箱群をリフトしたら、前記フォ−ク148から前記育苗箱群を上部の引継ラグ154が引き継いで前記フォ−ク148と同様に全ての育苗箱が育苗箱載替装置143により段積みリフト部144からなくなるまで一枚の育苗箱の高さ分づつリフトするようになっている。従って、前記フォ−ク148は、前記引継ラグ154に育苗箱群を引き継いだ後、引継ラグ154が前記育苗箱群を所定高さづつリフトしている間に次の育苗箱群を段積リフト部144のリフト位置149へ供給すべく作動する構成となっている。尚、前記引継ラグ154は、無端帯の適宜位置に設けられ、引継ラグ作動用モ−タ(図示せず)の作動で上昇する構成となっている。
段積リフト部144には育苗箱群の最上の育苗箱の苗を検出する光電式の苗検出センサ104を設けており、該苗検出センサ104により上昇する育苗箱群の最上の育苗箱の苗が苗検出センサ104が配置される所定の高さに到達すると、制御装置を介してフォ−ク昇降用モ−タ又は引継ラグ作動用モ−タの作動を停止して段積リフト部144の上昇作動を停止させると共に、把持部昇降シリンダを作動させ把持部153を下降させて育苗箱載替装置151の作動を開始させる。尚、前記苗検出センサ104は、横方向(水平方向)に光を照射して物体を検出する構成となっている。また、制御装置には、苗検出センサ104の苗の検出から段積リフト部144の作動停止及び育苗箱載替装置151の作動開始を行わせるまでの遅延時間を変更可能なタイミング変更調節ダイヤル(図示せず)を設けている。
前記ロ−ラコンベア150には搬送上手側と搬送下手側とに育苗箱ストッパ155を設け、該育苗箱ストッパ155に搬送されてくる育苗箱が当接して育苗箱をロ−ラコンベア150上の所定の位置で停止させる構成となっている。前記育苗箱ストッパ155は、前記ロ−ラコンベア150の育苗箱搬送経路に対して出退可能になっており、該育苗箱を通過させるべく上方に退避する構成となっている。そして、前記搬送上手側と搬送下手側との育苗箱ストッパ155により、ローラコンベア150上の2位置で各々2枚の育苗箱を同時に停止できるようになっている。
前記棚積部147は、前記ロ−ラコンベア150の一側に設けた緑化台車昇降部159と、ロ−ラコンベア150に対して前記緑化台車昇降部159とは反対側に前記育苗箱ストッパ155に対応して搬送上手側と搬送下手側とにそれぞれ設けた押出装置160とを備えて構成される。また、前記緑化台車昇降部159において、緑化台車146の上下に所定間隔ごとに複数設けた育苗箱が載る棚157aのそれぞれがロ−ラコンベア150と同じ高さとなるように緑化台車146を昇降させる構成となっている。従って、この棚積部147は、前記緑化台車昇降部159において緑化台車146を昇降させて前記棚157aとロ−ラコンベア150とを同じ高さにした状態で、前記押出装置160により育苗箱ストッパ155により停止しているロ−ラコンベア150上の育苗箱を前記緑化台車146の棚に押し込んで育苗箱を棚積していく構成となっている。尚、前記押出装置160により、ロ−ラコンベア150で搬送される2枚の育苗箱を同時に緑化台車146の棚157aに押し込むようになっている。
前記緑化台車146は、キャスタ−付きの計4個の車輪157bを備えると共に、同じ
高さの棚157aに育苗箱Cが前後2列、左右2列で計4枚載置される構成となっている。そして、この緑化台車146に育苗箱を棚積みするにあたり、搬送下手側の前記育苗箱ストッパ155及び搬送下手側の前記押出装置160を作用させると共に緑化台車昇降部159において緑化台車146を間欠的に棚157aの上下ピッチごとに上昇させ、緑化台車146の前後一方側の最上の棚157aから順に下方に育苗箱を2枚づつ棚積していく。このとき、搬送上手側の育苗箱ストッパ155は育苗箱を通過させるべく上方に退避し搬送上手側の押出装置160は停止している。緑化台車146の前後一方の棚の最下まで育苗箱が棚積されると、今度は搬送上手側の育苗箱ストッパ155及び搬送上手側の前記押出装置160を作用させると共に緑化台車昇降部159において緑化台車146を間欠的に棚157aの上下ピッチごとに下降させ、緑化台車146の前後他方側の最下の棚157aから順に上方に育苗箱を2枚づつ棚積し、最上の棚157aまで棚積されて緑化台車146への棚積が完了する。
緑化台車昇降部159には、緑化台車146を載置する緑化台車載置枠161と前記緑化台車載置枠161を昇降させるための昇降用モ−タ162と前記昇降用モ−タ162の駆動により上下に作動する昇降用チェ−ン163とを設けている。前記緑化台車載置枠161は、当該施設のフロア面164より下側に堀り込んだ堀り込み部分165に入り込んで、上面を前記フロア面164と同じ高さにすることができる。よって、人手で緑化台車146を押すことにより車輪157bを回転させ該緑化台車146を移動させて緑化台車載置枠161に載置するとき、緑化台車146を登り傾斜において移動させる必要がなく水平方向に移動させるだけでよいので、緑化台車146の移動が容易に行える。また、前記緑化台車載置枠161は、平面視で中央部分に孔161aが開いた4角枠の形状になっており、平面視で緑化台車146の外周部にある4個の車輪157bの下側に当接して緑化台車146を支持する構成となっている。また、緑化台車昇降部159には、緑化台車載置枠161に載置されて昇降する緑化台車146の外周部に当接して該緑化台車146が前後左右に移動しないようにするための緑化台車ガイドローラ166を計8個設けている。前記緑化台車ガイドローラ166は、緑化台車146が最下降位置にあるとき該緑化台車146の上端より上側で且つ上下方向において該押出装置160に近い押出装置160より下側に設けられ、緑化台車昇降部159における緑化台車146の搬入、搬出時に邪魔にならず、押出装置160による育苗箱の挿入棚の位置決めを精度良く行える。緑化台車載置枠161の前後左右の4隅にはそれぞれ前記昇降用チェ−ン163を設け、この4本の昇降用チェ−ン163により前記緑化台車載置枠161を吊り下げ支持可能な構成となっている。そして、前記昇降用モ−タ162の駆動により、前記昇降用チェ−ン163が駆動して緑化台車載置枠161を昇降するようになっている。
育苗箱積替装置143で育苗箱が棚積みされた緑化台車146を緑化室内へ搬送する手段は、人手により緑化台車146を押して搬送する手段の他、緑化用移動台車167により自動的に緑化室内へ搬送することができる。緑化用移動台車167は、左右の遊転輪168と車体左右中央に設けた前後の駆動輪169との計4個の車輪により走行する。この緑化用移動台車167は、車体に対して昇降するリフタ−170と該リフタ−170及び前記駆動輪169の駆動を制御する制御盤171とリフタ−170及び駆動輪169の駆動するためのバッテリ−(図示せず)と車体の前後端それぞれのバンパ−173とを備えて構成され、前記リフタ−170の上昇により該リフタ−170が緑化台車146の左右中央部に下方から当接して前記緑化台車146の車輪157bをフロア面164から浮かせた状態で緑化台車146を支持し、走行することにより緑化台車146を搬送する構成となっている。
従って、育苗箱積替装置143の緑化台車昇降部159において空の緑化台車146へ育苗箱を棚積するべく前記緑化用移動台車167により前記緑化台車昇降部159へ前記緑化台車157を搬送するとき、緑化台車157を支持した緑化用移動台車167が前記緑化台車昇降部159の所定の位置まで緑化台車157を搬送して停止し、前記リフタ−170を下降して緑化台車昇降部159の緑化台車載置枠161上に緑化台車157の車輪157bを載せるようになっている。このとき、平面視で前記緑化台車載置枠161の
中央部分の孔161a内に前記緑化用移動台車167が納まるようになっているので、緑化台車載置枠161を昇降させても該緑化台車載置枠161と前記緑化用移動台車167とが干渉しない構成となっている。
これにより、緑化台車146を搬送した位置で緑化用移動台車167を停止させたまま緑化台車146に育苗箱を棚積していき、緑化台車146への育苗箱の棚積みが完了すると停止している前記緑化用移動台車167により緑化台車146を緑化台車昇降部159から搬出することができる。よって、緑化台車昇降部159からの緑化台車157の搬出において、格別に緑化用移動台車167を緑化台車昇降部159へ移動させる必要がなくなると共に棚積が完了した緑化台車146の搬出を即座に行え、緑化台車146の搬出作業の作業能率の向上を図ることができる。また、緑化用移動台車167により緑化台車昇降部159へ緑化台車146を搬入した状態で緑化台車146への棚積作業ができるので、緑化台車146への棚積作業を緑化台車146を搬入した後に即座に行え、前記棚積み作業の作業能率の向上を図ることができる。
尚、上記緑化台車146は同じ高さの棚157aに育苗箱Cを前後2列、左右2列で計4枚載置する構成であるが、同じ高さの棚に育苗箱Cを前後2列、左右3列で計6枚載置する異なる形態の緑化台車もある。棚積部147は、この異なる形態の緑化台車にも対応できるように構成されている。この緑化台車へ育苗箱Cを棚積みする際には、ローラコンベア150が育苗箱Cを左右に2枚搬送する構成であるので、押出装置160により緑化台車の棚に左右3枚の育苗箱Cを同時に供給することができない。棚積条件切替スイッチ(図示せず)の操作により、制御装置を前述のような押出装置160の作動毎に緑化台車146の棚157aの上下ピッチづつ緑化台車146を昇降させる「2枚モード」から後述する「3枚モード」へ切り替える。この「3枚モード」における動作手順を図23に基づいて説明すると、先ず押出装置160がその全ストローク分作動して緑化台車の棚にローラコンベア150で送られてきた2枚の育苗箱Cを押し込み、緑化台車を昇降させずに次に送られた2枚の育苗箱Cを押出装置160が育苗箱1枚だけ押し込まれる略半分のストロークだけ作動して緑化台車側へ押し出し、前行程で2枚の育苗箱Cが供給された同じ棚に育苗箱Cを1枚だけ供給して計3枚の育苗箱を供給する。棚に左右計3枚の育苗箱Cが供給されると、緑化台車を棚の上下ピッチ分昇降させ、押出装置160が全ストローク分作動してローラコンベア150で搬送された残り1枚の育苗箱Cを次の棚に押し込む。尚、この緑化台車146を昇降させてから前記残り1枚の育苗箱Cを押出装置160が棚に押し込むまでの間、前記残り1枚の育苗箱と次に搬送される2枚の育苗箱Cとが衝突しないように育苗箱搬送部145及び段積リフト部144の作動が停止する。そして、ローラコンベア150により次の2枚の育苗箱Cが搬送されると、押出装置160が全ストローク分作動して1枚の育苗箱が供給されている棚に前記2枚の育苗箱Cを押し込んで計3枚の育苗箱を供給し、緑化台車146を棚の上下ピッチ分昇降させる。以下、説明した動作手順を繰り返し、緑化台車の棚に左右3枚の育苗箱を供給していくようになっている。従って、この育苗箱積替装置143は、棚積条件切替スイッチにより棚への載置枚数が異なる緑化台車へも棚積作業をすることができ、汎用性に優れている。尚、図23には、押出装置160として、左右方向に回転する押出駆動チェ−ン224の適宜位置に設けられた構成のものを示している。
以上により、この播種育苗施設は、育苗箱搬送コンベヤ42により一定方向に搬送される育苗箱Cへ播種する播種設備41と、該播種設備41で播種する種子を酸性水(消毒液)により消毒する浸種設備(種子消毒設備)52と、播種設備41へ供給する育苗箱Cを酸性水により消毒する育苗箱洗浄設備(育苗箱消毒設備)211とを備え、浸種設備52と育苗箱洗浄設備211とへ酸性水を供給する共通の酸性水タンク201を設けている。従って、共通の酸性水タンク201から供給される強酸性水により、浸種設備52で芽出しをしながら種子を消毒し、育苗箱洗浄設備211で育苗箱Cを洗浄すると共に消毒する。そして、播種設備41により、育苗箱供給装置40から供給される消毒した育苗箱Cへ、種籾供給コンベア51から供給される消毒した種子を播種装置45により播種する。
よって、共通の酸性水タンク201から共通の消毒液(強酸性水)を浸種設備52と育
苗箱洗浄設備211とへ供給する構成としたので、従来のように育苗箱洗浄設備に消毒液を貯留する消毒液タンクを設ける必要が無く、また作業者が育苗箱洗浄設備へわざわざ消毒液を補給する必要が無いため作業の省力化を図ることができ、施設全体のコンパクト化や播種作業におけるランニングコストの低減が図れる。
播種施設のレイアウト図 播種設備の全体側面図 電解水の供給経路を判りやすく示す図 種籾コンテナを示す正面図 種籾コンテナを示す側面図 種籾コンテナを示す平面図 種籾収容部の下部を示す正面図 育苗箱洗浄設備を示す側面図 育苗箱洗浄設備を示す平面図 段積み設備の平面図 播種育苗箱段積みロボットの斜視図 (a)第一育苗箱積重ね装置の正面図、(b)第一育苗箱積重ね装置の側面図 (a)育苗箱チャックの正面図、(b)育苗箱チャックの側面図 育苗箱チャックの平面図 外面部に段が形成された育苗箱の形態を示す図 種々の段積み設備を示す平面図 台車搬送装置の動作を示す側面図 育苗箱積替装置の側面図 育苗箱積替装置の平面図 育苗箱積替装置の正面図 緑化台車を示す平面図 段積リフト部の要部を示す側面図 他の棚積部の動作を判りやすく示す図
符号の説明
41…播種設備、42…育苗箱搬送コンベヤ、52…浸種水槽(種子消毒設備)、201…酸性水タンク(消毒液タンク)、211…育苗箱洗浄設備(育苗箱消毒設備)、C…育苗箱

Claims (1)

  1. 育苗箱搬送コンベヤ42により一定方向に搬送される育苗箱Cへ播種する播種設備41と、該播種設備41で播種する種子を消毒液により消毒する種子消毒設備52と、播種設備41へ供給する育苗箱Cを消毒液により消毒する育苗箱消毒設備211とを備える播種施設において、種子消毒設備52と苗箱消毒設備211とへ消毒液を供給する共通の消毒液タンク201を設けた播種施設。
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