以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
ここでは、図面を参照しながら、本発明の段積設備の一実施の形態であるパレット式段積設備1について説明する。
図1(a)は、本実施の形態のパレット式段積設備1の平面図であり、図1(b)は、本実施の形態のパレット式段積設備1の側面図である。
図1(a)に示す通り、本実施の形態のパレット式段積設備1は、育苗箱受け取り位置101に一つずつ送り込まれる育苗箱10を一定方向に移動させて、終端部の搬送下流側育苗箱取出位置A1、搬送上流側育苗箱取出位置A2へ搬送する育苗箱コンベア100と、育苗箱コンベア100で搬送されてくる育苗箱10を、取出位置A1、A2で2連同時に上昇動作を繰り返すことにより5段重ねして2連5段積の育苗箱群10Gを形成する育苗箱積み上げ装置200と、取出位置A1、A2に形成された育苗箱群10Gを把持して持ち上げて、育苗箱コンベア100に並行して配置された育苗箱搬出コンベア300に設定されている6箇所の段積位置B1−1、B1−2、B1−3、B2−1、B2−2、B2−3へ2連5段積の育苗箱群10G(10G−1、10G−2)をそれぞれ移載する段積ロボット400と、を備えている。
また、育苗箱搬出コンベア300は、上述した2連5段積の育苗箱群10Gを、段積ロボット400の位置から見て、奥側と中央と手前側の3列配置可能なパレット20をパレット受け取り位置301で受け取った後(図1(a)のパレットの搬入方向を示す矢印E参照)、矢印D方向にパレット20を搬送し、段積作業位置302で停止し、パレット20上への段積ロボット400による育苗箱群10Gの段積作業が完了した後、そのパレット20を搬出位置303へ搬送する構成である(図1(a)のパレットの搬出方向を示す矢印F参照)。
尚、育苗箱10は、床土上に例えば種籾が播種されて覆土を施された状態のものである。
また、育苗箱コンベヤ100は、育苗箱受け取り位置101から1枚ずつ搬送されてくる育苗箱10を、2連5段積の育苗箱群10Gを取り出す取出位置A1,A2側へ搬送する第一コンベヤ100−1と、2連の育苗箱群10Gの内の搬送上流側に位置する上流側育苗箱取出位置A2上で育苗箱10を搬送する第二コンベヤ100−2と、2連の育苗箱群10Gの内の搬送下流側に位置する下流側育苗箱取出位置A1上で育苗箱10を搬送する第三コンベヤ100−3とを備えて構成される。
尚、育苗箱積み上げ装置200による、2連5段積の育苗箱群10Gを形成の動作については、図6〜図7を参照しながら後述する。
また、これら第一コンベア100−1から第三コンベア100−3には、それぞれ個別に、幅方向の中央部において一定の間隔を隔てて配置された左右一対の第一搬送ベルト102−1Lと102−1R、左右一対の第二搬送ベルト102−2Lと102−2R、及び、左右一対の第三搬送ベルト102−3Lと102−3Rが、平面視でC方向に移動可能に設けられている。そして、これら左右一対の搬送ベルトを、第一から第三のコンベア毎に個別に駆動する第一コンベア駆動モーター103−1,第二コンベア駆動モーター103−2、及び、第三コンベア駆動モーター103−3が、第一から第三の各コンベアの先端側(下流側)において、コンベア育苗箱搬出コンベア300とは反対側、即ち、段積ロボット400側にそれぞれ配置されている。
通常は、制御装置(図示省略)により、第一コンベヤ100−1、第二コンベヤ100−2及び第三コンベヤ100−3は、同じ定速の搬送速度に設定されている。従って、育苗箱コンベヤ100は、育苗箱受け取り位置101に一つずつ送り込まれる育苗箱10を、通常は、一定速度で育苗箱積み上げ装置200側へ搬送する構成としている。
また、育苗箱コンベヤ100の搬送下流側育苗箱取出位置A1,搬送上流側育苗箱取出位置A2には、それぞれの位置に育苗箱10を停止させる第一育苗箱ストッパ、第二育苗箱ストッパ(図示省略)が設けられている。第一育苗箱ストッパは、左右一対の第三搬送ベルト102−3L、102−3Rの幅方向の中央部において固定状態で設けられ、第二育苗箱ストッパは、左右一対の第二搬送ベルト102−2L、102−2Rの幅方向の中央部において、搬送面よりも下方に引っ込み可能に構成されている。
育苗箱コンベヤ100により、育苗箱10は1枚ずつ取出位置A1,A2に向けて搬送される。そして、第一及び第二育苗箱ストッパの搬送方向上流側にはそれぞれ減速用センサーPH1−1,PH2−1及び停止用センサーPH1−2,PH2−2を、育苗箱10の搬送方向上流側から下流側に向けて順に設けている。
初期状態では、第二育苗箱ストッパは育苗箱コンベヤ100の搬送面よりも下方に引っ込んだ状態となっている。そして、最初の育苗箱10を第一育苗箱ストッパ側の減速用センサーPH1−1が検出すると、制御装置は、第三コンベヤ100−3の搬送速度を所定の速度に減速させ、その後、第一育苗箱ストッパの直前にある停止用センサーPH1−2が、その育苗箱10を検出してから所定時間後に第三コンベヤ100−3を停止させる。この時、制御装置は、第二育苗箱ストッパを、育苗箱コンベヤ100の搬送面よりも下方に引っ込んだ状態から上方に突き出した状態に移動させる。
そして、二つ目の育苗箱10を第二育苗箱ストッパ側の減速用センサーPH2−1が検出すると、制御装置は、第二コンベヤ100−2の搬送速度を所定の速度に減速させ、その後、第二育苗箱ストッパの直前にある停止用センサーPH2−2が、2つ目の育苗箱10を検出してから所定時間後に第二コンベヤ100−2を停止させる。また、これに連動して、第一コンベア100−1も停止させる。
これにより、搬送速度が減速した状態で一つ目と二つ目の育苗箱10が第一、及び第二育苗箱ストッパ(図示省略)へ当たるので、第一、及び第二育苗箱ストッパへの衝突時の衝撃が抑えられ、育苗箱10内の土寄りや土の飛び出し等を防止すると共に、第一、及び第二育苗箱ストッパによる育苗箱10の停止位置が安定する。
また、第一、及び第二育苗箱ストッパの直前位置に設けた停止用センサーPH1−2,PH2−2が育苗箱10を検出してから所定時間後に第三コンベア100−3、第二コンベア100−2、及び第一コンベア100−1を停止させる制御装置を備えた構成とすることにより、育苗箱ストッパに当るまで確実に育苗箱10を搬送することができ、育苗箱ストッパによる育苗箱10の停止位置が安定する。
このように育苗箱10の停止位置を適正に安定させることにより、段積ロボット400で適確に2連5段積の育苗箱群10Gを取上げることができ、取上げ作業のトラブルを防止することができる。
尚、本実施の形態の育苗箱コンベア100が、本発明の育苗箱コンベアの一例にあたり、本実施の形態の育苗箱積み上げ装置200が、本発明の育苗箱上昇機構の一例にあたる。また、本実施の形態の第一コンベア駆動モーター103−1から第三コンベア駆動モーター103−3を含む構成が、本発明の育苗箱コンベア駆動部の一例にあたる。また、本実施の形態の段積ロボット400が、本発明の移載装置の一例にあたる。また、本実施の形態の2箇所の取出位置A1と取出位置A2を含む構成が、本発明の取出位置の一例にあたり、6箇所の段積位置B1−1、B1−2、B1−3、B2−1、B2−2、及びB2−3を含む構成が、本発明の段積位置の一例にあたる。
次に、段積ロボット400の構成と動作について、図1(a)〜図5(c)を用いて説明する。
図2は、段積ロボット400の側面図であり、図3(a)は、育苗箱チャック420−1,420−2の正面図であり、図3(b)は、育苗箱チャック420−1の右側側面図である。
段積ロボット400は、中間部で折り曲げ可能なロボットアーム410と、その先端部に、2連5段積した育苗箱群10Gを、取出位置A1に配置された5段積の育苗箱群10G−1と、取出位置A2に配置された5段積の育苗箱群10G−2とのそれぞれの長手方向両端をつかんで把持することのできる2組の育苗箱チャック420−1,420−2と、2組の育苗箱チャック420−1,420−2のそれぞれに設けられ、育苗箱群10G−1、10G−2の把持ミスを検知する光電式センサーユニット430と、ロボットアーム410を駆動する動力機構(図示省略)及びこれら一連の動作を制御する制御部440を有するロボット本体部450とを備えている。
制御部440からの指令により、ロボットアーム410全体を上下に回動、及びロボットアーム410の折り曲げ角度を変更し、各育苗箱チャック420−1,420−2を育苗箱群の取出位置A1、A2と段積位置B1−1〜B2−3との間を移動させるとともに上下位置を調節する構成になっている。
また、2組の育苗箱チャック420−1、420−2は、それぞれ、上端側に平面視で長方形状の枠体421−1,421−2を有し、それら2つの枠体421−1と421−2とを所定の間隔を隔てて連結固定する連結部材422により、互いに連結固定されて、ロボットアーム410の先端部に回動可能に固定されている。
また、各枠体421−1,421−2の長手方向の両端部には、一対のチャック開閉シリンダ423−1で開閉させられる下方に延びた一対の把持アーム424−1と、一対のチャック開閉シリンダ423−2で開閉させられる下方に延びた一対の把持アーム424−2とを備えている。また、これらの把持アーム424−1,424−2の下端部には、それぞれ一対の把持爪425が設けられており、この一対の把持爪425で5段重ねになった育苗箱群10G−1、10G−2の短辺部を両側から挟み付けて把持する構成である。
尚、把持爪425の先端部は鉤状になっていて、把持の際にはこの鉤状部425aが最下段の育苗箱の底部に引っ掛かる構成である。
また、各枠体421−1,421−2の短手方向の両端部には、一対の位置規制体開閉シリンダ426−1で開閉させられる下方に延びた一対の位置規制体427−1と、一対の位置規制体開閉シリンダ426−2で開閉させられる下方に延びた一対の位置規制体427−2とを備えている。これらの位置規制体427−1,427−2は、把持アーム424−1,424−2の把持爪425による把持に先行して5段積みされている各育苗箱10の短手方向の位置を適正にすべく修正する構成である。
また、各枠体421−1,421−2の、ロボット本体部450側に面する長辺には、下端部428aに光電式センサーユニット430が固定された光電式センサーユニット固定フレーム428の上端部428bがそれぞれ固定されている。
次に、主として図4を用いて、光電式センサーユニット430の構成と動作について説明する。
図4は、光電式センサーユニット430の概略斜視図である。
図4に示す通り、光電式センサーユニット430は、育苗箱10の外側面に光を発射する投光面431aと、その外側面からの反射光を受光する受光面431bを有する光電式センサー本体431と、光電式センサー本体431の上部に配置されたエア噴出装置435とを有する構成である。
また、このエア噴出装置435には、投光面431aと受光面431bに、制御部440からの指令により所定のタイミングでエア(図4中の矢印)を吹き付ける為のエア噴出口435aを下面に備えており、噴出されたエアが、エア噴出装置435の投光面431aと受光面431bに当たる構成である。
また、光電式センサーユニット430は、光電式センサーユニット固定フレーム428の下端部428aにおいて、投光面431aと受光面431bが、把持アーム424−1(242−2)により把持された最下段の育苗箱10の外側面10aに面する位置に固定されており、光電式センサーユニット固定フレーム428は、段積ロボット400側から視て位置規制体427−1(427−2)の右横に並行に配置されている。
上述した通り、投光面431aと受光面431bにエアを吹き付ける構成としたことにより、育苗箱群10Gの把持ミスを検知する光電式センサー本体431の投光面431a及び/又は受光面431bへの土などの付着を防止し、育苗箱群10Gの検出を確実に行えて、段積精度の向上、又は段積作業におけるトラブルの防止が図れる。
また、制御部440からの指令により取出位置及び段積位置でない位置でエア噴出装置435がエアを吹き出すので、吹き出すエアが育苗箱10の中に収まっている土を吹き飛ばすことが防止出来る。
尚、本実施の形態の2組の育苗箱チャック420−1,420−2を含む構成が、本発明の把持部の一例にあたり、制御部440が、本発明の制御部の一例にあたる。また、本実施の形態の光電式センサー本体431が、本発明の光電式センサーの一例にあたり、エア噴出装置435が、本発明のエア噴出装置の一例にあたる。
次に、主として図5(a)〜図5(c)を用いて、エア噴出装置435がエアを吹き出す位置およびタイミングについて更に説明する。
図5(a)〜図5(c)は、エア噴出装置435がエアを吹き出す位置およびタイミングについて説明する模式図である。
本実施の形態では、段積ロボット400が、2連5段積の育苗箱群10G−1,10G−2を段積位置に移載する順番は、段積ロボット400から視て、最初に奥側の段積位置B1−1とB2−1に、次に、中央の段積位置B1−2とB2−2に、そして最後に手前側の段積位置B1−3とB2−3に移載するものとする。
図5(a)に示す通り、段積ロボット400は、制御部440からの指令により、取出位置A1、A2の真上に2組の育苗箱チャック420−1,420−2を移動させた後、2連5段積された育苗箱群10G−1、10G−2の高さまで垂直降下させて(図5(a)の矢印Vd参照)、位置規制体427−1、427−2を内側に向けて移動させて5段積された各育苗箱10の短手方向の位置を適正に整列させた後、把持アーム424−1,424−2を内側に向けて移動させて、把持爪425により5段積の2連の育苗箱群10G−1と10G−2をそれぞれ把持する。
そして、段積ロボット400は、制御部440からの指令により、光電式センサー本体431を作動させて育苗箱群10G−1、10G−2を把持したことを確認すると、育苗箱群10G−1、10G−2を把持したまま2組の育苗箱チャック420−1,420−2を所定距離だけ垂直上昇した後、奥側の段積位置B1−1、B2−1の真上の位置まで水平移動させて、そこから、パレット20の上まで垂直降下させて、位置規制体427−1、427−2と、把持アーム424−1,424−2とを外側に向けて移動させて、奥側の段積位置B2−1、B1−1への積み付けを実行する(図5(a)の図中の右側に示された育苗箱チャック420−2参照)。
その後、段積ロボット400は、制御部440からの指令により、奥側の段積位置への積み付けを完了した2組の育苗箱チャック420−1,420−2をその位置から所定高さHまで垂直上昇させた後(図5(a)の矢印Vu参照)、取出位置A1、A2の真上まで2組の育苗箱チャック420−1,420−2を水平移動させて、再び、2連5段積された育苗箱群10G−1、10G−2の高さまで垂直降下させて(図5(a)の矢印Vd参照)、その後、上記の動作を中央の段積位置B1−2、B2−2(図5(b)参照)、及び、手前側の段積位置B1−3、B2−3(図5(c)参照)の各位置に応じて繰り返す。
尚、制御部440は、上記一連の動作の最中に、育苗箱10の把持ミスや、移載途中での育苗箱10の落下などが発生した時には、光電式センサー本体431からの異常信号を受けて、段積ロボット400の動作を緊急停止させる。
図5(a)に示す通り、上述した奥側の段積位置B1−1、B2−1に段積する際の一連の動作の内、制御部440が、エア噴出装置435に指令を出して、光電式センサー本体431の投光面431aと受光面431bにエアの吹き付けを実行させる時期は、2組の育苗箱チャック420−1,420−2を奥側の段積位置B1−1、B2−1から上昇させて、取出位置側へ水平移動させる途中であって、且つ、エア噴出装置435のエア噴出口435aが平面視で取出位置A1,A2と奥側の段積位置420−1,420−2の間に位置している第1期間Iaである。
また、図5(b)に示す通り、中央の段積位置B1−2、B2−2に段積する際の一連の動作の内、制御部440が、エア噴出装置435に指令を出して、光電式センサー本体431の投光面431aと受光面431bにエアの吹き付けを実行させる時期は、2組の育苗箱チャック420−1,420−2を中央の段積位置B1−2、B2−2から上昇させて、取出位置側へ水平移動させる途中であって、且つ、エア噴出装置435のエア噴出口435aが平面視で取出位置A1,A2と中央の段積位置B1−2、B2−2の間に位置している第2期間Ibである。
また、図5(c)に示す通り、手前側の段積位置B1−3、B2−3に段積する際の一連の動作の内、制御部440が、エア噴出装置435に指令を出して、光電式センサー本体431の投光面431aと受光面431bにエアの吹き付けを実行させる時期は、2組の育苗箱チャック420−1,420−2を手前側の段積位置B1−3、B2−3から上昇させて、取出位置側へ水平移動させる途中であって、且つ、エア噴出装置435のエア噴出口435aが平面視で取出位置A1,A2と手前側の段積位置B1−3、B2−3の間に位置している第3期間Icである。
これにより、異なる段積位置に対応して、エアが育苗箱の中に収まっている土を吹き飛ばすことを確実に防止しながら、光電式センサー本体431の投光面431a及び受光面431bへの土などの付着を確実に防止出来、育苗箱10の検出を確実に行えて、段積精度の向上、及び段積作業におけるトラブルの防止が図れるという効果を発揮する。
次に、図6〜図7を用いて、育苗箱積み上げ装置200の構成及び動作について説明する。
図6(a)は、育苗箱積み上げ装置200の概略平面図であり、図6(b)は、育苗箱積み上げ装置200の概略側面図である。また、図7(a)〜図7(c)は、育苗箱積み上げ装置200の動作を説明するための模式図である。
図6(a)、図6(b)に示すとおり、育苗箱積み上げ装置200は、2つの取出位置A1とA2に対応して第二コンベア100−2と第三コンベア100−3に設けられている。
具体的には、育苗箱積み上げ装置200は、(1)第一コンベア100−1側から搬送され、取出位置A1及び取出位置A2に減速停止した各育苗箱10の下方位置(待機位置)に待機して設けられた、育苗箱10の底面を支持して持ち上げる長方形状の持ち上げ板部材210と、(2)持ち上げ板部材210により持ち上げられた育苗箱10を上方位置で保持する保持部材220と、(3)持ち上げ板部材210を昇降させるための、第三コンベア100−3の段積ロボット400側の側面部に設けられた駆動モーター230と、(4)駆動モーター230からの駆動力を伝達する第1回動軸231aの中央部に連結されて、持ち上げ板部材210の下部に当接して回動可能に配置された第1カム232aと、(5)駆動モーター230の第1回動軸231aの先端部から駆動力を得て、第二コンベア100−2側の持ち上げ板部材210の下部に当接して回動可能に配置された第2カム232bに第2回動軸231bを介して駆動力を伝達するチェーン機構240とを備えている。
上記構成により、第一コンベア駆動モーター103−1、第二コンベア駆動モーター103−2、第三コンベア駆動モーター103−3、及び駆動モーター230が、第一コンベア100−1、第二コンベア100−2、第三コンベア100−3において、育苗箱搬出コンベア300とは反対側、即ち、段積ロボット400側にそれぞれ配置されているので、育苗箱コンベア100と育苗箱搬出コンベア300の段積位置とを近づけることが出来る。これにより、段積ロボット400の移載工程を短く出来、段積作業能率の向上が図れる。また、各種駆動モーターが、育苗箱コンベア100の一方側に集中的に配置されているので、各種駆動モーターの修理や交換などのメンテナンス性が向上する。
また、第二コンベア100−2に配置された持ち上げ板部材210は、平面視で、左右一対の第二搬送ベルト102−2Lと102−2Rとの間を上下移動可能に構成されており、第三コンベア100−3に配置された持ち上げ板部材210は、平面視で、左右一対の第三搬送ベルト102−3Lと102−3Rとの間を上下移動可能に構成されている。また、各持ち上げ板部材210の縦方向の寸法(長辺の寸法)は、育苗箱10の縦方向の寸法(長辺の寸法)の3分の2以上であり、持ち上げ板部材210の横方向の寸法(短辺の寸法)は、育苗箱10の横方向の寸法(短辺の寸法)の3分の2以上である。
また、各持ち上げ板部材210には、安定的な昇降動作を実現させるために、下面の四隅から下方に向けて一定寸法だけ突き出した円柱状のガイドピン211が立設されている。一方、第二コンベア100−2、及び第三コンベア100−3には、ガイドピン211に対応する位置に、ガイドピン211をスライド移動可能に保持する円筒状のガイドピン支持部材105が固定配置されている。
また、第三コンベア100−3に配置された保持部材220は、第三コンベア100−3の幅方向の両端縁部の上方位置において回動自在に保持された左右一対の長方形状の板状保持部材221L、221Rを有している(図7(a)参照)。そして、左右一対の板状保持部材221L、221Rは、図7(a)に示す通り、側面視で、それらの板状保持部材先端部221La、221Raが、互いに対向する水平位置(図7(a)において、破線で示した板状保持部材221L、221Rの位置を参照)にある状態から、支持軸222L、222Rを回動中心として上方に向けて回動して90°を越えない範囲で回動自在に構成されている。
即ち、図7(a)に示す通り、持ち上げ板部材210が、第1カム232aの回動により、その下面を押し上げられることで、左右一対の第三搬送ベルト102−3Lと102−3Rとの間の待機位置から上昇を開始して、取出位置A1に停止している育苗箱10と接触した後、その下面を押し上げる。そして、育苗箱10が上昇を開始し、水平状態にある左右一対の板状保持部材221Lと221R(図7(a)では破線で示した)の下面を押し上げる。
これにより、左右一対の板状保持部材221L、221Rは、支持軸222L、222Rを中心として回動を開始し、その後、育苗箱10の長辺側の下端部11の位置が、板状保持部材先端部221La、221Raより上方に移動した時、育苗箱10との接触状態から開放されて、自重により元の位置、即ち、水平位置に戻る。
ここで、持ち上げ板部材210の短辺の寸法が、水平状態にある左右一対の板状保持部材221L、221Rの板状保持部材先端部221Laと221Raとの間の寸法より小さく構成されている。
従って、その後、持ち上げ板部材210が、第1カム232aの回動により、下降を開始すると、図7(b)に示す通り、持ち上げ板部材210は、水平状態にある左右一対の板状保持部材221L、221Rの板状保持部材先端部221Laと221Raとの間を通過して下方に移動して待機位置に戻るが、育苗箱10は、板状保持部材先端部221Laと221Raとの間を通過することが出来ず、水平状態にある左右一対の板状保持部材221L、221Rの上部に受け渡されて、その位置に保持される。
その後、引き続き、第一コンベア100−1側から取出位置A1に搬送されてきた別の育苗箱10−2に対しても、図7(c)に示す通り、上記と同様の動作が実行される。
但し、この時、水平状態にある左右一対の板状保持部材221L、221Rの上部には、最初に保持された育苗箱10−1が既に存在している点で、上記の説明と異なる。
具体的には、持ち上げ板部材210により上昇する別の育苗箱10−2が、左右一対の板状保持部材221L、221Rを押し上げると同時に、最初に保持されていた育苗箱10−1も間接的に押し上げて、最終的には、最初に保持されていた育苗箱10−1は、別の育苗箱10−2の上端部により完全に支持された状態となり(図7(c)参照)、その後、別の育苗箱10−2の長辺側の下端部12の位置が、板状保持部材先端部221La、221Raより上方に移動した時、別の育苗箱10−2との接触状態から開放されて、自重により元の位置、即ち、水平位置に戻る。
その後、持ち上げ板部材210が、第1カム232aの回動により、下降を開始すると、図7(b)で説明した通り、持ち上げ板部材210は、水平状態にある左右一対の板状保持部材221L、221Rの板状保持部材先端部221Laと221Raとの間を通過して下方に移動して待機位置に戻るが、2段積された育苗箱10−1、10−2は、板状保持部材先端部221Laと221Raとの間を通過することが出来ず、水平状態にある左右一対の板状保持部材221L、221Rにより保持される。
尚、第二コンベア100−2に配置された保持部材220についても、上述した第三コンベア100−3に配置された保持部材220と同じ構成であるので、その説明を省略する。
育苗箱積み上げ装置200が、上記の動作を、取出位置A1とA2において同時に繰り返すことにより、取出位置A1、A2において、水平状態にある左右一対の板状保持部材221L、221Rの上部に、2連5段積の育苗箱群10G−1、10G−2が同時に形成される。
尚、第1カム232aは、持ち上げ板部材210が育苗箱10と接触する時と、育苗箱10が板状保持部材221L、221Rと接触する時と、持ち上げ板部材210が最上部に達した時と、育苗箱10が水平状態にある板状保持部材221L、221Rの上部に受け渡される時において低速回転となり、それ以外は、原則、高速回転となる構成であり、速度変更時は比例的に加減速する構成である。また、第2カム232bについても、チェーン機構240により連結されているので、第1カム232aと同じ回転速度制御が行われる。
これにより、育苗箱10の積み上げ精度の向上と、育苗箱への損傷防止が図られる。
尚、本実施の形態の育苗箱積み上げ装置200が、本発明の育苗箱上昇機構の一例にあたり、本実施の形態の持ち上げ板部材210が、本発明の持ち上げ板部材の一例にあたり、本実施の形態の保持部材220が、本発明の保持部材の一例にあたる。また、本実施の形態の第一コンベア駆動モーター103−1、第二コンベア駆動モーター103−2、及び第三コンベア駆動モーター103−3を含む構成が、本発明の育苗箱コンベア駆動部の一例にあたり、本実施の形態の駆動モーター230が、本発明の育苗箱上昇機構駆動部の一例にあたる。
(実施の形態2)
ここでは、図面を参照しながら、上記実施の形態で説明した、光電式センサー本体431にエアを吹き付けるエア噴出装置435を備えた段積ロボット400を利用した育苗センターの一実施の形態について説明する。
図8(a)は、育苗センターの構成を示す模式図であり、図8(b)は、播種プラントにおける、播種装置と覆土供給装置の間に設けられた播種ムラ検査装置を示す概略平面図である。尚、上記実施の形態と同じ構成について同じ符号を付し、その説明を省略する。
図8(a)に示す通り、本実施の形態の育苗センターは、種籾供給工程500と、播種工程600と、床土供給工程700と、出芽工程800とから構成されている。
また、播種工程600は、苗箱供給装置610から供給される育苗箱に、床土供給工程700の培土供給装置710から供給される土を入れて鎮圧・均平する土詰装置620と、灌水を行う灌水装置630と、種籾供給工程500から供給される種籾を播種する播種装置640と、播種状態を検査する播種ムラ検査装置650と、播種状態が正常と判定された育苗箱に対して覆土を施す覆土供給装置660と、覆土された育苗箱10をパレット20に所定段数ずつ段積する段積ロボット400とを備えている。
また、パレット20に段積された育苗箱は、出芽工程800に搬入され、出芽させた後、所定の大きさに苗が生育するまで育苗する緑化室(図示省略)に搬送するか、又は、出芽苗として出荷する。
播種ムラ検査装置650では、図8(b)に示す通り、播種された育苗箱を播種装置640側から覆土供給装置660に搬送するための搬送コンベア651と並行に別のコンベア652が設けられている。
また、播種装置640側には、搬送コンベア651の上部に、育苗箱の中の播種状態を撮影するためのカメラ653が配置されており、カメラ653の撮影データを作業者が目視で処理、又は画像処理装置が自動的にリアルタイムで処理して、播種状態が正常かどうかを判定して、正常でないと判定されたときは、作業者がスイッチを押すことにより、又は、画像処理装置からの正常でない旨の判定結果により、判定対象となった育苗箱をエアーシリンダー654により隣に設けられた別のコンベア652へ移動させる構成である。
別のコンベア652へ移動された育苗箱に対しては、作業者が、播種ムラのある場所に手で播種して正常な状態に戻した後、次工程へと搬送される。
これにより、播種ムラを含む育苗箱の出荷を防止することが出来て、品質向上を図れる。
次に、図8を用いて、灌水装置630の灌水制御について説明する。
従来は、給水ポンプ(図示省略)のON/OFF制御は、スナップスイッチを入り/切りする構成であり、スナップスイッチは通常は入り状態であるため、育苗箱への灌水のON/OFF制御は、灌水装置630の育苗箱搬送方向を基準として上流端に設けられた灌水装置用光電スイッチ631で育苗箱が搬送されてきたことを検知することで、電磁弁(図示省略)を開き灌水を行い、育苗箱が灌水装置630から搬出されると、電磁弁を閉じて灌水を停止するとともに、給水ポンプから供給されてくる水をリリーフ弁で戻していた。
この為、給水ポンプはスナップスイッチを切らない限り稼働しており、給水ポンプへの負荷が大きく、電力の無駄が発生していた。また、仮に、給水ポンプを電磁弁と同時に稼働させる構成を採用したとすると、立ち上がり時の圧力不足で初めの育苗箱への灌水が不十分となる。
そこで、本実施の形態では、土詰装置620の上流端に配置された、育苗箱が搬送されてきたことを検知する土詰装置制御用光電スイッチ621を利用して、上記給水ポンプと上記電磁弁とを制御する構成である。
即ち、土詰装置制御用光電スイッチ621がONで、上記給水ポンプが稼働し、OFF後、所定時間経過した後に給水ポンプが停止する。更に、灌水装置用光電スイッチ631がONで、上記電磁弁が開き灌水を開始し、OFF後、所定時間経過した後に上記電磁弁が閉じて灌水を停止する。
これにより、給水ポンプが常時稼働することが防止出来て、電力消費量を低減することが出来、労力や水(薬液)の無駄を省くことも可能となる。更に、灌水装置用光電スイッチ631より上流側に配置された土詰装置制御用光電スイッチ621がONしたときに、給水ポンプの稼働を開始するので、灌水装置用光電スイッチ631がONで給水ポンプの稼働を開始する構成に比べて、給水の圧力不足により初めの育苗箱への灌水量が不足するという問題も防止出来る。
尚、上述した給水ポンプの灌水制御は、自動運転時のみ行われる構成である。
次に、図9(a)、図9(b)を用いて、培土供給装置710の構成、及び培土昇降機713の制御について説明する。
図9(a)は、図8(a)で説明した土詰装置620、及び培土供給装置710などを中心としたレイアウトの概略側面図であり、育苗箱搬送方向を図中の矢印Mで示した。また、図9(b)は、図9(a)で示したレイアウトを、育苗箱搬送方向を基準として上流側から下流側を視たときの概略側面図である。
尚、図8(a)、図8(b)で示したものと同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図9(a)、図9(b)に示す通り、培土供給装置710は、培土ホッパー711と、培土ホッパー711から供給される培土を搬送するインターロックフィーダー712と、搬送されてくる培土を上方に持ち上げる培土昇降機713と、上方に持ち上げられた培土を、土詰装置620の上部に設けられた培土タンク622及び覆土供給装置660の上部に設けられた覆土タンク661に供給する正逆搬送装置714を備えている。
また、土詰装置620の土詰装置本体部623の下部には、土詰装置620からの漏れ土(リターン土)を培土昇降機713の下部713aに導くための培土リターン部624が設けられている。
ここで、従来の培土昇降機の運転制御について、便宜上、本実施の形態の図9(a)、図9(b)を用いて説明する。
従来の制御では、培土昇降機713は、播種作業中は常に運転状態であり、休憩時間や作業終了時には、その都度、作業者が操作スイッチ(図示省略)を入/切操作していた。
即ち、従来の場合、培土タンク622と覆土タンク661が満杯になると、インターロックフィーダー712は停止するが、インターロックフィーダー712が停止中であっても、土詰装置620からの漏れ土を培土昇降機713で処理する必要がり、しかも、その漏れ土の量は、育苗箱の供給状況や播種対象となる品種などにより大きく増減するため、培土昇降機713は、播種作業中は連続運転を行っていた。
そこで、本実施の形態の培土昇降機713の運転制御は次の通り行うものとする。
(制御例1)
制御例1は、次の条件1)〜3)を満たす制御である。
1)インターロックフィーダー712の運転停止後、一定時間(T1)経過後に培土昇降機713を運転停止する。
2)インターロックフィーダー712の運転開始後、一定時間(T2)経過後に培土昇降機713を運転開始する。
3)インターロックフィーダー712の運転停止の間、土詰装置620又は播種装置640の稼働積算時間が一定時間(T3)を越えると、一定時間(T4)培土昇降機713を運転する。
この制御により、培土昇降機713を常時運転する必要がなく、運転時間を制限出来るので、培土昇降機713の部品の消耗や消費電力量を抑制することが可能となる。また、休憩時間などにおいて、作業者が培土昇降機の操作スイッチを入/切操作する必要が無くなり省略化が図れる。
(制御例2)
制御例2は、次の条件1)〜3)を満たす制御である。
1)培土昇降機713の運転の開始・停止を、インターロックフィーダー712の運転の開始・停止にリンクさせる。
但し、培土昇降機713の運転のリンクのさせ方としては、開始・停止のタイミングをタイマー機能により遅延させる制御も含まれる。その場合は、制御例1の1)と2)に記載した制御条件と同じである。
2)インターロックフィーダー712の運転停止中は、土詰装置620の稼働積算時間(T5)により、培土昇降機713の運転を制御する。
3)土詰装置620の稼働積算時間(T5)は、苗箱供給装置610、インターロックフィーダー712、又は播種装置640の運転状況により補正する。
この制御により、培土昇降機713の運転を、土詰装置620の稼働積算時間(T5)に、苗箱供給装置610、インターロックフィーダー712、及び播種装置640の少なくとも何れか一つの運転状況を加味して制御することが出来るので、培土昇降機713の下部713aにリターン土を溜めることなく、稼働時間を最小限に抑えることが出来る。そのため、培土昇降機713の部品の消耗や消費電力量を抑制することが可能となる。また、休憩時間などにおいて、作業者が培土昇降機の操作スイッチを入/切操作する必要が無くなり省力化が図れる。
次に、図10、図11を用いて、培土昇降機713への負荷の低減例について説明する。
図10は、培土昇降機713への負荷の低減を実現するための改良型土詰装置1620、培土供給装置710、及び覆土タンク661などを中心としたレイアウトの概略側面図であり、育苗箱搬送方向を図中の矢印Mで示した。尚、図9(a)、図9(b)で示したものと同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
また、図11は、改良型培土タンク1622、及び覆土タンク661への培土の供給制御を説明するフロー図である。
図10に示す改良型土詰装置1620は、上述した土詰装置620を改良したものであり、内部を区画仕切板1621でA区画1623AとB区画1623Bの2区画に区切った改良型培土タンク1622と、その改良型培土タンク1622の上部に設けられた、A区画1623AとB区画1623Bの何れに培土を投入するかを切り替える投入切替用シャッター1624と、改良型培土タンク1622のA区画1623Aの下端部に設けられた、培土の排出を制御するA区画用排出シャッター1625A、改良型培土タンク1622のB区画1623Bの下端部に設けられた、培土の排出を制御するB区画用排出シャッター1625Bとを備えている。
また、改良型培土タンク1622のA区画1623Aと、B区画1623Bには、それぞれA区画満杯検知センサー1626Aと、B区画満杯検知センサー1626Bが設けられており、覆土タンク661には、覆土タンク満杯検知センサー662が設けられている。尚、ここでは、培土タンクを2区画に区切る構成について説明したが、これに限らず例えば、3区画や4区画など更に多くの区画に区切っても良い。
以上の構成のもとで、改良型培土タンク1622からの培土の排出制御については、A区画1623Aからの培土の排出と、B区画1623Bからの培土の排出と、A区画1623AとB区画1623Bの両方から同時に培土を排出するという3通りの切り替え制御を行うものとする。
また、A区画1623AとB区画1623Bの両方から同時に培土を排出するときの、改良型培土タンク1622と覆土タンク661への培土の投入の順番の優先順位については、優先順位の高いものから順に、A区画1623A、覆土タンク661、B区画1623Bとする構成(図11のステップS102〜S108参照)と、優先順位の高いものから順に、B区画1623B、覆土タンク661、A区画1623Aとする構成(図11のステップS202〜S208参照)を切り替えることとした(図11のステップS101参照)。
また、上述したA区画1623AとB区画1623Bとの優先順位の切り替は(図11のステップS101参照)、インターロックフィーダー712の稼働積算時間で切り替えることとした。
ところで、従来の構成では、培土タンク全体が満杯になるまでは、覆土タンクへの培土の投入は行わず、また、覆土タンクへの培土投入中であっても、培土タンクが一定量減ると培土タンク側へ培土投入が切り替わる制御が行われていた。
その為、従来の培土昇降機は、十分大きな処理能力を備えている必要があった。
従って、図10、図11で説明した改良型培土タンク1620を用いた上記制御によれば、培土昇降機713に掛かる負荷を従来より低減することが出来るので、従来より低い能力の培土昇降機713を選定することが出来る。
尚、上記実施の形態では、エア噴出装置435がエアを吹き出す位置について、図5(a)〜図5(c)に示した通り、2組の育苗箱チャック420−1,420−2を各段積位置から上昇させて、取出位置側へ水平移動させる途中であって、且つ、エア噴出装置435のエア噴出口435aが平面視で取出位置A1,A2と各段積位置の間に位置している期間とした構成について説明したが、これに限らず例えば、制御部440は、エア噴出口435aが、段積位置にある育苗箱群10G−1、10G−2から、及び取出位置にある育苗箱群10G−1、10G−2からそれぞれ所定距離以上離れた位置にあるタイミングで、エア噴出装置435にエアの吹き付けを実行させる構成でも良い。
この構成によれば、育苗箱群からの距離を一定以上離す為に、2組の育苗箱チャック420−1,420−2を取出位置まで帰還させる時の高さを図5(a)〜図5(c)で説明した高さHよりも更に高く設定して所定距離以上離れた位置を水平移動させる構成とすることにより、育苗箱群10G−1、10G−2の上方にある期間を避けることなくエアの吹き出しが可能となる。
また、上記実施の形態では、段積ロボット400が、2連5段積の育苗箱群10G−1,10G−2を段積位置に移載する順番について、奥側から手前側に行う構成について説明したが、これに限らず例えば、手前側から奥側に行う構成でも良い。この構成では、エア噴出装置435がエアを吹き出すタイミングは、段積位置に関わらず、一律に、2組の育苗箱チャック420−1,420−2を、それぞれの段積位置から上昇させて、取出位置側へ水平移動させる途中であって、且つ、エア噴出装置435のエア噴出口435aが平面視で取出位置A1,A2と手前側の段積位置B1−3、B2−3の間に位置している第3期間Ic(図5(c)参照)と設定しても良い。
また、上記実施の形態では、本発明の把持部の一例として、2組の育苗箱チャック420−1,420−2を備えた構成について説明したが、これに限らず、育苗箱チャックは、1つでも良いし、或いは3つ以上でも良い。
また、上記実施の形態では、本発明の育苗箱上昇機構の一例として、育苗箱10を2連5段積の育苗箱群10G−1、10G−2とする構成について説明したが、これに限らず例えば、1連で複数段積でも良いし、2連以上で複数段積でも良い。
また、上記実施の形態では、本発明のエア噴出装置の一例として、光電式センサー本体431の受光面431bと投光面431aの両方にエアを吹き付ける構成について説明したが、これに限らず例えば、受光面431b又は投光面431aにエアを吹き付ける構成であっても良い。