JP6364764B2 - 炭素複合シートの製造方法 - Google Patents
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Description
以下の実施例1と比較例1の条件によりシートを作成し、炭素繊維が添加されることによる導電性及び柔軟性について確認した。
実施例1の長尺カーボンナノチューブ(ナノシル社、品番NC7000)は、平均繊維径が9.5nm、平均繊維長が1.5μmであり、アスペクト比が157である。まず、この長尺カーボンナノチューブを高圧ジェットミキシング処理によってイソプロピルアルコールに高分散させた。高圧ジェットミキシング処理では、長尺カーボンナノチューブ1.5gに対して1リットルの割合のイソプロピルアルコールを、150MPaのノズル圧で噴出して、長尺カーボンナノチューブをイソプロピルアルコールに高分散させた。この噴出は計3回行った。
使用した長尺カーボンナノチューブは実施例1と同じであるが、比較例1では、炭素繊維を無添加とした。その他は実施例1と同じである。すなわち、長尺カーボンナノチューブをジェットミキシング処理により水に高分散させた後、その分散液を減圧濾過し、乾燥後に堆積物を濾紙から剥離することで、比較例1の炭素シートを得た。
実施例1の炭素複合シートと比較例1の炭素シートを濾紙上で乾燥させた後、カメラでシートの形成状態を撮影した。その結果を図1に示す。図1に示すように、比較例1の炭素シートは割れが生じてしまい、1枚の完全なシートを得ることができなかった。すなわち、炭素繊維、接着剤、及びバインダーを無添加とすると、長尺カーボンナノチューブのみでシートを形成できなかった。一方、実施例1のように、炭素繊維を添加すると、接着剤やバインダーが無添加であっても、割れが生じることなく、1枚の完全な炭素複合シートを得ることができた。
実施例1の炭素複合シートと以下の比較例2の製造条件により作成した炭素複合シートを作成し、製造方法の相違による導電性及び柔軟性の変化について確認した。
比較例2では、長尺カーボンナノチューブと炭素繊維との混合に対して高圧ジェットミキシング処理を行うことで、長尺カーボンナノチューブと炭素繊維を共に高分散処理した。その他は実施例1と同じである。
実施例1と比較例2の炭素複合シートが破断するまでシートの折曲げを繰り返し、両者の耐折強さを比較した。その結果を図3の表に示す。図3に示すように、比較例2の炭素複合シートは2回目の折曲げで破断してしまった。長尺カーボンナノチューブと炭素繊維とを共に高分散処理すると、炭素繊維が裁断されてしまい、その結果として柔軟性が低下してしまったものと考えられる。
(実施例2)
炭素繊維の添加比率を変化させて、添加比率ごとの導電率及びシートが破断するまでの折曲げ回数を確認した。炭素繊維の添加比率を除き、使用する長尺カーボンナノチューブ及び炭素繊維の種類と炭素複合シートの製造方法は、実施例1と同じである。
炭素繊維の添加比率に応じた破断までの折曲げ回数と導電率を図4に示す。図4の各グラフは横軸が炭素繊維の添加比率であり、上図の縦軸が破断までの折曲げ回数、下図の縦軸が導電率である。
(実施例3)
炭素繊維のアスペクト比を変化させて、アスペクト比ごとの導電率及びシートが破断するまでの折曲げ回数を確認した。添加する炭素繊維のアスペクト比を変化させ、また炭素繊維の添加比率が30重量%であるのを除き、使用する長尺カーボンナノチューブ及び炭素繊維の種類と炭素複合シートの製造方法は、実施例1と同じである。
図5は、炭素繊維のアスペクト比と破断までの折曲げ回数との関係を示すグラフである。図5に示すように、炭素繊維が添加されていれば、柔軟性の向上が確認できる。この柔軟性は、アスペクト比が250以内である場合は飛躍的に向上していき、アスペクト比が250を超えると減少に転じることが確認された。また、アスペクト比が250までの柔軟性の向上に対して、アスペクト比が250を超えた場合の柔軟性の減少は相対的に緩やかであることが確認された。
以上のように、長尺カーボンナノチューブと炭素繊維の混合物をシート状に抄紙成型すると、それにより得られる炭素複合シートに良好な導電性と柔軟性を付与することができる。特に、炭素繊維の添加比率が10重量%以上40重量%以内であると、炭素複合シートの柔軟性は特異的に向上する。また、炭素繊維のアスペクト比を250以内に抑えると、導電性の低下に比して柔軟性向上が著しくなり、良好な導電性を維持しつつ、高い柔軟性を有する炭素複合シートを得ることができる。
Claims (5)
- 繊維長が1μm以上の長尺カーボンナノチューブと繊維長が50mm未満の炭素繊維との混合物をシート状に成型する炭素複合シートの製造方法であって、
長尺カーボンナノチューブを、前記長尺カーボンナノチューブのバンドルを解して溶液中に散在させる分散処理し、
前記分散処理した後に、炭素繊維を添加して前記長尺カーボンナノチューブと前記炭素繊維とを溶媒中に散在させる混合処理し、
前記混合処理をして得た混合溶媒を濾過して炭素複合物をシート状に成型するとともに、
得られたシート状の炭素複合シートにおける炭素繊維の添加比率は、長尺カーボンナノチューブと炭素繊維との合計に対して10重量%以上30重量%以下であること、
を特徴とする炭素複合シートの製造方法。 - 前記炭素繊維のアスペクト比は径に対する長さの比が250以下であること、
を特徴とする請求項1に記載の炭素複合シートの製造方法。 - 前記長尺カーボンナノチューブは、繊維径が50nm未満及びアスペクト比が100以上であること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の炭素複合シートの製造方法。 - 前記炭素繊維は、繊維径が50nm以上であること、
を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の炭素複合シートの製造方法。 - 前記分散処理はジェットミキシング処理であり、
前記混合処理はホモジナイズ処理であること、
を特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の炭素複合シートの製造方法。
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