JP2010105909A - 高密度カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法 - Google Patents

高密度カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容量特性に優れた電極を得ることができる高密度カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】所定量のカーボンナノチューブを所定量のイソプロピルアルコール中に混ぜ、撹拌することにより分散溶液を得た後、その溶液を100〜280MPaで超高圧処理し、得られた高分散溶液をろ過、乾燥することによりシート化し、このシートをさらに0.01〜100t/cm2のプレス圧力で圧延して、高密度化したカーボンナノチューブ集合体を得る。この高密度化したカーボンナノチューブシートは、カーボンナノチューブのミクロ凝集の大きさの標準偏差δが10nm以下となるように高分散された状態でシート状に堆積したものである。
【選択図】図4

Description

本発明は、高密度カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法に関するものである。
従来から、カーボンナノチューブ(以下、CNTと呼ぶ)を溶媒に撹拌、分散させ、紙等の多孔質体でフィルタリングして、紙状にしたCNT集合体(CNTペーパー)は、燃料電池の電極等、種々の電極材として用いられている。また、透過性が現れるまで超薄膜化したCNT集合体は、ガラス基板上に形成することで透明電極となり、ディスプレイ用途などへの応用が期待されている。
例えば、特許文献1には、電気二重層キャパシタ用分極性材料として、CNTを用いた試みが示されている。しかしながら、特許文献1に記載された発明においては、樹脂成分であるバインダーを用いているため、容量特性の良い電極が得られないといった問題点があった。
これを改善するために、特許文献2に示すように、導電性ファイバー、あるいは導電性チューブを、バインダーや導電補助材料などの材料を用いず、電極基板にその長手方向を略平行に付着接合させる提案もなされている。しかし、この特許文献2の発明は、導電性ファイバーあるいは導電性チューブを電気泳動法などの電着法を用いて電極基板に付着接合させるというものであり、電極基板に付着接合させるときに、導電性ファイバーあるいは導電性チューブを有機溶媒に分散させた溶液を超音波で撹拌しながら行うなど、複雑で手間のかかるものであった。
そこで、本出願人は上記の問題点を解決すべく、特許文献3に示すような発明を完成させた。すなわち、特許文献3に示した電気二重層キャパシタ用電極は、CNTを抄紙成型したシートが、集電体を構成し表面に凹凸部のある基材と、その凹凸部により一体化されていることを特徴とするものである。
また、CNTを抄紙成型したシートが、集電体を構成するエッチング箔の表面に形成された凹凸部によってエッチング箔と一体化されていることを特徴とするものである。また、基板上の触媒粒子を核として成長させたCNTが、エッチング箔の表面に形成された凹凸部によって該エッチング箔と一体化されていることを特徴とするものである。
特開2005−136020号公報 特開2006−222175号公報 特願2008−086002号公報
しかしながら、特許文献3に示された電気二重層キャパシタ用電極よりさらに電気的特性に優れた電極を得ることができる電極材料の開発が切望されていた。
本発明は、上述したような従来技術の課題を解決するために提案されたものであって、その目的は、容量特性に優れた電極を得ることができる高密度CNT集合体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の高密度CNT集合体は、集合体を構成するCNTのミクロ凝集の大きさの標準偏差δが10nm以下となるように高分散された状態でシート状に堆積し、堆積後の密度が0.5〜1.5g/cm3であることを特徴とする。すなわち、一定方向に配向せず、均一に分散した集合体である。また、前記CNTが単層CNTであること、堆積後の密度が1.1〜1.5g/cm3であること、前記CNTが多層CNTであること、堆積後の密度が0.5〜1.2g/cm3であることも、本発明の一態様である。
本発明の高密度CNT集合体の製造方法は、CNTを所定量の溶媒中に混ぜて撹拌することにより、そのミクロ凝集の大きさの標準偏差δが10nm以下となるように高分散された分散溶液を得た後、その溶液を100〜280MPaで超高圧処理し、得られた高分散溶液をろ過、乾燥することによりシート化し、このシートをさらに0.01〜100t/cm2のプレス圧力で圧延して、高密度化したCNT集合体を得ることを特徴とする。
本発明によれば、容量特性に優れた電極を得ることができる高密度CNT集合体及びその製造方法を提供することができる。特に、ミクロ凝集の大きさの標準偏差δが10nm以下となるように高分散された結果、集合体内のCNTが一方向に配向することなく均質な状態となるため、その電気的、強度的な特性が集合体のどの方向でも均等に現れる。従って、この高密度CNTを電気二重層キャパシタ用分極性材料として使用した場合に、密度、電気伝導度、容量密度などの特性に優れた電気二重層キャパシタを得ることができる。
従来例1の表面形態を示す図面代用写真。 実施例2の表面形態を示す図面代用写真。 従来例5の表面形態を示す図面代用写真。 実施例6の表面形態を示す図面代用写真。
以下、本発明を実施するための形態を、各技術的事項ごとに説明する。
(1)高密度CNT集合体の製造方法
所定量のCNT(単層CNT又は多層CNT)を、所定量のイソプロピルアルコール中に混ぜ、ホモジナイザーにより撹拌することにより分散溶液を得る。この溶液を所定の金属チャンバーに導入し、100〜280MPaの超高圧を印加する。この超高圧処理によって得られた高分散溶液を、PTFE濾紙(直径:35mm、平均細孔0.2μm)を用いて減圧ろ過し、抄紙成型によりシート化し、このシートをロールプレス、垂直プレス等によってさらに0.01〜100t/cm2のプレス圧力で圧延して、高密度化したシート(高密度CNT集合体)を得る。
ここで、本明細書において、「高密度CNT集合体」とは、CNTが高分散されて堆積した、密度が0.5〜1.5g/cm3であるCNT集合体をいい、「高密度CNTシート」とは、この高密度CNT集合体をシート化したものをいう。
(2)CNT
本発明の電極材料に用いられるCNTとしては、単層CNTと多層CNTの双方を使用することができ、これらを混合して使用しても良い。
多層CNTとしては、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長(CVD)法等により得られたCNTを使用することができる。直径は4〜50nm、好ましくは5〜30nmであり、長さは0.5〜100μm、比表面積が50〜300m2-1、CNTの純度が80〜100%のものを使用することができる。
単層CNTとしては、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長(CVD)法等により得られたCNTを使用することができる。直径は0.5〜4nm、好ましくは0.8〜3.5nmであり、長さは0.5〜100μm、比表面積が200〜600m2-1、CNTの純度が80〜100%のものを使用することができる。
(3)密度
多層CNTを用いて上記の方法により得られる高密度CNT集合体の密度は、0.5〜1.2g/cm3であることが好ましく、単層CNTを用いて上記の方法により得られる高密度CNT集合体の密度は、1.1〜1.5g/cm3であることが好ましい。それぞれ、上記の範囲内のものを電極材料として用いると、良好な電気的特性を有する電気二重層キャパシタ用電極等を得ることができる。
(4)超高圧処理
超高圧処理は、上記のようにして得られた分散溶液を所定の金属チャンバーに導入し、100〜280MPaの超高圧を印加する。なお、金属チャンバーとしては、スリット式チャンバー、ボール衝突チャンバー等を用いることができる。
上記のようにして超高圧を印加することにより、分散溶液と金属チャンバーの壁面、分散溶液と金属チャンバー内に設置されたスリット、あるいは、分散溶液と金属チャンバー内に導入されたボール等が高エネルギーで衝突し、これによりCNTのマクロ凝集がほぐれ、より高分散する。また、超高圧を印加することにより、溶液同士も高エネルギーで混じり合うため、これによってもCNTのマクロ凝集がほぐれ、より高分散する。
(5)シート化処理
シート化処理は、上記の超高圧処理によって得られた高分散溶液を、PTFE濾紙(直径:35mm、平均細孔0.2μm)を用いて減圧ろ過し、抄紙成型してシートを得た後、このシートを60℃で、3時間減圧乾燥を行う。
(6)圧延処理
圧延処理は、2本のロールの間を通して圧延するロールプレスや、上下から平行に圧力を加える垂直プレス等を用いて行い、プレスする圧力は0.01〜100t/cm2が好ましい。その理由は、圧力が弱すぎると高密度化が十分ではなく、高すぎると、CNTシートに欠陥ができるためである。
(7)マクロ凝集とミクロ凝集
CNTは、チャンバー中か、基板上に、CVD法で、微細なチューブを作製する。一本は1〜2nmであるが、作製時に凝集して、10〜50nmの束になってしまう。これを本願では、ミクロ凝集またはバンドルと呼ぶ。その後、これらのミクロ凝集を集合させると、その大きさは10〜100μmになる。これを本願ではマクロ凝集と名づける。
このマクロ凝集を含ませた溶液を、本願の超高圧処理による分散処理によって、分散させると、大きさが5〜50nmのミクロ凝集にほぐれて分散され、この溶液を紙抄き(抄紙)することによって、5〜50nmのミクロ凝集の集合体(シート)が形成される。この状態で、高分散しているので、密度も高密度化している。さらに、このシートをプレスで圧延するとミクロ凝集内部の空間が減少して、さらに密度は高まる。
以下、本発明の実施例を比較例と共に説明する。
(1)多層CNTを用いた場合
(実施例1)
多層CNT(MWCNT:直径10nm、長さ1〜10ミクロン、300m2/g)を約500mg計り取り、2Lのイソプロピルアルコール中に混ぜ、ホモジナイザーにより2分間撹拌し、MWCNT/イソプロピルアルコール分散溶液を作製した。この溶液を所定の金属チャンバーに導入し、200MPaの超高圧を印加し、得られた高分散溶液を、PTFE濾紙(直径:35mm、平均細孔0.2μm)を用いて減圧ろ過し、抄紙成型によりシートを得た。このシートを60℃、減圧乾燥した。このシートを、ロールプレスを用いて、プレス圧力10t/cm2で圧延し、高密度化したシート(高密度CNT集合体)を作製した。
(実施例2)
超高圧処理の条件を220MPaとした以外は、上記実施例1と同様にして高密度化したシートを作製した。
(実施例3)
超高圧処理の条件を250MPaとした以外は、上記実施例1と同様にして高密度化したシートを作製した。
(実施例4)
超高圧処理の条件を280MPaとした以外は、上記実施例1と同様にして高密度化したシートを作製した。
(比較例1)
圧延処理を行わなかった以外は、上記実施例1と同様にしてシート(CNT集合体)を作製した。
(比較例2)
圧延処理を行わなかった以外は、上記実施例2と同様にしてシートを作製した。
(比較例3)
圧延処理を行わなかった以外は、上記実施例3と同様にしてシートを作製した。
(比較例4)
圧延処理を行わなかった以外は、上記実施例4と同様にしてシートを作製した。
(従来例1)
上記実施例1と同様に、多層CNT(MWCNT:直径10nm、長さ1〜10ミクロン、300m2/g)を約500mg計り取り、2Lのイソプロピルアルコール中に混ぜ、ホモジナイザーにより2分間撹拌し、MWCNT/イソプロピルアルコール分散溶液を作製した。この分散溶液を、PTFE濾紙(直径:35mm、平均細孔0.2μm)を用いて減圧ろ過し、抄紙成型によりシートを得た。このシートを60℃、減圧乾燥した。このシートを、ロールプレスを用いて、プレス圧力10t/cm2で圧延し、シート(CNT集合体)を作製した。
(従来例2)
上記圧延処理の条件を20t/cm2とした以外は、上記従来例1と同様にしてシートを作製した。
(従来例3)
上記圧延処理を行わず、上記従来例1と同様にしてシートを作製した。
(従来例4)
上記圧延処理を行わず、ホモジナイザー処理の時間を10分とした以外は、上記従来例1と同様にしてシートを作製した。
(試験結果)
上記のようにして作製した従来例1及び実施例2の各シートについて、その表面形態をSEM観察により確認したところ、それぞれ図1、図2に示すような結果が得られた。これらのSEM写真から明らかなように、実施例2においては、CNT同士のマクロ凝集がほぐれ、高分散していることが確認された。
すなわち、図1及び図2の電子顕微鏡写真に基づいて、前記各シートのCNTのミクロ凝集の大きさを計測したところ、図1の従来例1のシートではミクロ凝集の大きさが1000〜50000nmであるのに対して、図2の実施例2のシートではミクロ凝集の大きさが10nm程度でほぼ均一になっていることが確認された。また、各シートにおけるミクロ凝集の変化は正規分布に近く、ある大きさに関しての偏りは見られなかった。すなわち、従来例1のシートと、実施例2のシートにおけるミクロ凝集は、それぞれ次のような特徴を有する。
(1) 最小値
従来例1…1000nm
実施例2…10nm
(2) 最大値
従来例1…50000nm
実施例2…10nm
(3) 平均値
従来例1…25000nm
実施例2…10nm
(4) 標準偏差
従来例1…8200nm
実施例2…0nm
このように、実施例2のシートでは、従来例1に比較して、細い径のCNTがシート全体に均一に分散していること(ミクロ凝集状態であること)が確認された。しかも、単に径の標準偏差が小さいだけでなく、電子顕微鏡写真から明らかなように、ミクロ凝集したCNTの方向性に偏りがないことも確認された。
また、上記の実施例、比較例及び従来例の各シートについて、密度、電気伝導度、容量密度、及び電解液含浸後の密度を測定したところ、表1に示すような結果が得られた。
なお、容量密度は、実施例、比較例及び従来例の各シートにアルミニウム集電体を貼り付けて電極とし、ラミネートセルを作製して充放電試験を行い、容量密度を算出した。電解液には1Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート・プロピレンカーボネート溶液を用いた。
また、電気伝導度は、実施例、比較例及び従来例の各シートを、1cm×1cmの大きさにカットし、四探針法により測定した。さらに、電解液含浸後の密度は、実施例、比較例及び従来例の各シートを、1Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート・プロピレンカーボネート溶液に真空下(−100kPa)で6時間浸漬し、含浸処理を行った後、該溶液から取り出し、密度を測定した。
表1から明らかなように、超高圧処理及び圧延処理の両方を実施した実施例1〜実施例4では、超高圧処理のみを実施した比較例1〜比較例4と比べて、密度、電気伝導度、容量密度のいずれにおいても極めて良好な結果が得られた。これは、圧延処理により、より高密度化が図れたためであると考えられる。このことは、圧延処理を行った従来例1・2の方が、圧延処理を行わなかった従来例3・4より、密度、電気伝導度、容量密度のいずれにおいても良好な結果が得られたことからも明らかである。
また、実施例1〜実施例4は、圧延処理のみを実施した従来例1・2と比べて、密度、容量密度のいずれにおいても良好な結果が得られた。また、超高圧処理のみを実施した比較例1〜比較例4は、超高圧処理及び圧延処理のいずれも実施しなかった従来例3・4と比べて、密度、電気伝導度、容量密度のいずれにおいても良好な結果が得られた。これは、超高圧処理により、CNTのマクロ凝集がほぐれ、分散性が高まったためであると考えられる。
また、電解液含浸による密度の低下は、従来例1においては電解液含浸前の75.0%に低下したのに対し、実施例2においては、電解液含浸前の83.3%に低下したに過ぎなかった。このことから、実施例2においては、電解液含浸後も高密度が維持され、高い容量密度が得られることが分かった。
(2)単層CNTを用いた場合
(実施例5)
単層CNT(SWCNT:直径1nm、長さ1〜10ミクロン、600m2/g)を約100mg計り取り、2Lのイソプロピルアルコール中に混ぜ、ホモジナイザーにより2分間撹拌し、SWCNT/イソプロピルアルコール分散溶液を作製した。この溶液を所定の金属チャンバーに導入し、200MPaの超高圧を印加し、得られた高分散溶液を、PTFE濾紙(直径:35mm、平均細孔0.2μm)を用いて減圧ろ過し、抄紙成型によりシートを得た。このシートを60℃、減圧乾燥した。このシートを、ロールプレスを用い、プレス圧力を10t/cm2として圧延し、高密度化したシート(高密度CNT集合体)を作製した。
(実施例6)
超高圧処理の条件を220MPaとした以外は、上記実施例5と同様にして高密度化したシートを作製した。
(実施例7)
超高圧処理の条件を250MPaとした以外は、上記実施例5と同様にして高密度化したシートを作製した。
(実施例8)
超高圧処理の条件を280MPaとした以外は、上記実施例5と同様にして高密度化したシートを作製した。
(比較例5)
圧延処理を行わなかった以外は、上記実施例5と同様にしてシート(CNT集合体)を作製した。
(比較例6)
圧延処理を行わなかった以外は、上記実施例6と同様にしてシートを作製した。
(比較例7)
圧延処理を行わなかった以外は、上記実施例7と同様にしてシートを作製した。
(比較例8)
圧延処理を行わなかった以外は、上記実施例8と同様にしてシートを作製した。
(従来例5)
上記実施例5と同様に、単層CNT(SWCNT:直径1nm、長さ1〜10ミクロン、600m2/g)を約100mg計り取り、2Lのイソプロピルアルコール中に混ぜ、ホモジナイザーにより2分間撹拌し、SWCNT/イソプロピルアルコール分散溶液を作製した。この分散溶液を、PTFE濾紙(直径:35mm、平均細孔0.2μm)を用いて減圧ろ過し、抄紙成型によりシートを得た。このシートを60℃、減圧乾燥した。このシートを、ロールプレスを用いて、プレス圧力10t/cm2で圧延し、シート(CNT集合体)を作製した。
(従来例6)
上記圧延処理の条件を20t/cm2とした以外は、上記従来例5と同様にしてシートを作製した。
(従来例7)
上記圧延処理を行わず、上記従来例5と同様にしてシートを作製した。
(従来例8)
上記圧延処理を行わず、ホモジナイザー処理の時間を10分とした以外は、上記従来例5と同様にしてシートを作製した。
(試験結果)
上記のようにして作製した従来例5及び実施例6の各シートについて、その表面形態をSEM観察により確認したところ、それぞれ図3、図4に示すような結果が得られた。これらのSEM写真から明らかなように、実施例6においては、CNT同士のマクロ凝集がほぐれ、高分散していることが確認された。
すなわち、図3及び図4の電子顕微鏡写真に基づいて、前記各シートのCNTのミクロ凝集の大きさを計測したところ、図3の従来例5のシートではミクロ凝集の大きさが1000〜100000nmであるのに対して、図4の実施例6のシートではミクロ凝集の大きさが4〜65nm程度でほぼ均一になっていることが確認された。また、各シートにおけるミクロ凝集の大きさの分布の変化は正規分布に近く、ある大きさに関しての偏りは見られなかった。すなわち、図3の従来例5のシートと、実施例6のシートにおけるミクロ凝集の大きさは、それぞれ次のような特徴を有する。
(1) 最小値
従来例5…1000nm
実施例6…4nm
(2) 最大値
従来例5…100000nm
実施例2…65nm
(3) 平均値
従来例5…50000nm
実施例2…35nm
(4) 標準偏差
従来例5…17000nm
実施例2…10nm
このように、実施例6のシートでは、従来例5に比較して、ミクロ凝集の大きさが小さいCNTがシート全体に均一に分散していることが確認された。しかも、単にミクロ凝集の大きさの標準偏差が小さいだけでなく、電子顕微鏡写真から明らかなように、バンドルされたCNTの方向性に偏りがないことも確認された。
なお、前記実施例2の多層CNT(マルチウォールCNT)は径が太いので、ほぐれやすい、分散しやすいために、ミクロ凝集が10nm程度とほぼ均一になるのに対して、実施例6の単層CNT(シングルウォールCNT)は径が細く凝集しやすいことから、ミクロ凝集の大きさにばらつきがあると思われる。
また、上記の実施例、比較例及び従来例の各シートについて、密度、電気伝導度、容量密度、及び電解液含浸後の密度を測定したところ、表2に示すような結果が得られた。
表2から明らかなように、超高圧処理及び圧延処理の両方を実施した実施例5〜実施例8では、超高圧処理のみを実施した比較例5〜比較例8と比べて、密度、電気伝導度、容量密度のいずれにおいても極めて良好な結果が得られた。これは、圧延処理により、より高密度化が図れたためであると考えられる。このことは、圧延処理を行った従来例5・6の方が、圧延処理を行わなかった従来例7・8より、密度、電気伝導度、容量密度のいずれにおいても良好な結果が得られたことからも明らかである。
また、実施例5〜実施例8は、圧延処理のみを実施した従来例5・6と比べて、密度、容量密度のいずれにおいても良好な結果が得られた。また、超高圧処理のみを実施した比較例5〜比較例8は、超高圧処理及び圧延処理のいずれも実施しなかった従来例7・8と比べて、密度、電気伝導度、容量密度のいずれにおいても良好な結果が得られた。これは、超高圧処理により、CNTのマクロ凝集がほぐれ、分散性が高まったためであると考えられる。
また、電解液含浸による密度の低下は、従来例5においては電解液含浸前の80%に低下したのに対し、実施例6においては、電解液含浸前の91.7%に低下したに過ぎなかった。このことから、実施例6においては、電解液含浸後も高密度が維持され、高い容量密度が得られることが分かった。

Claims (6)

  1. カーボンナノチューブがそのミクロ凝集の大きさの標準偏差δが10nm以下となるように高分散された状態でシート状に堆積し、堆積後の密度が密度が0.5〜1.5g/cm3であることを特徴とする高密度カーボンナノチューブ集合体。
  2. 前記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1に記載の高密度カーボンナノチューブ集合体。
  3. 密度が1.1〜1.5g/cm3であることを特徴とする請求項2に記載の高密度カーボンナノチューブ集合体。
  4. 前記カーボンナノチューブが、多層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1に記載の高密度カーボンナノチューブ集合体。
  5. 密度が0.5〜1.2g/cm3であることを特徴とする請求項4に記載の高密度カーボンナノチューブ集合体。
  6. 所定量のカーボンナノチューブを所定量のイソプロピルアルコール中に混ぜ、撹拌することによりそのミクロ凝集の大きさの標準偏差δが10nm以下となるように高分散された分散溶液を得た後、その溶液を100〜280MPaで超高圧処理し、得られた高分散溶液をろ過、乾燥することによりシート化し、このシートをさらに0.01〜100t/cm2のプレス圧力で圧延して、高密度化したカーボンナノチューブ集合体を得ることを特徴とする高密度カーボンナノチューブ集合体の製造方法。
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