JP2011047081A - 嵩密度の高い微細な炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

嵩密度の高い微細な炭素繊維およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリマーや粉体とのコンポジット化における分散性や混練性を改善し、コンポジットの加工性に優れ、またコンポジットの導電性、熱伝導性、摺動性、補強等の機能発現に優れる微細な炭素繊維の高嵩密度粉体及びその効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】炭素原子のみからなるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、前記胴部の母線と繊維軸のなす角θが0°<θ<15°であり、前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個層状に積み重なって集合体を形成し、前記集合体が、Head−to−Tail様式で数個〜数十個連結している微細な炭素繊維に衝撃圧縮応力を加えることにより、微細な炭素繊維の高嵩密度粉体を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は導電性に優れる微細な炭素繊維の高嵩密度粉体、およびその微細な炭素繊維の高嵩密度粉体を効率良く製造する方法に関する。詳しくは、触媒を使用する気相成長法による微細な炭素繊維を製造し、その後、この微細な炭素繊維に衝撃圧縮応力を加えることで減容されて得られる微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法に関する。
円筒チューブ状、魚骨状(フィッシュボーン、カップ積層型)、トランプ状(プレートレット)等に代表される微細な炭素繊維は、その形状、形態から様々な応用が期待されている。とりわけ円筒チューブ状の微細な炭素繊維(カーボンナノチューブ)は従来の炭素材料と比較し、強度、導電性等に優れるため、次世代の導電性材料として注目を集めている。
多層カーボンナノチューブ(多層同心円筒状)(非魚骨状)は、例えば、特公平3−64606、特公平3−77288、特表平9−502487、特開2004−299986等に記載されている。この構造のカーボンナノチューブは繊維全体が同心円状にSP2結合の炭素円筒で構成されているが、カーボンナノチューブの実際の形態は、これらの繊維が絡まった数μmから数百μmの粉体として存在する。
多層カーボンナノチューブは、グラファイト網面が繊維軸と平行であり、これに沿って電子が流れるため、単独の繊維における長軸方向の導電性は良好である。しかしながら、隣接する繊維間での導電性に関しては、側周面が円筒状に閉じたグラファイト網面で構成されているため、π電子の飛び出しによるジャンピング効果(トンネル効果)が期待できない。従って、カーボンナノチューブを導電性フィラーとして利用したポリマーとのコンポジットにおいては、繊維同士の接触が充分に確保されないと導電性が良好に発現されないという問題がある。
カーボンナノチューブに代表される微細な炭素繊維の製造方法として、従来、アーク放電法、気相成長法、レーザー法、鋳型法等が知られている。この中で触媒粒子を用いる気相成長法は、安価な合成方法として注目されているが、大量生産方法は確立されていない。また生成するカーボンナノチューブは結晶性の低い不均質な繊維となるため、高い導電性を要求される場合には黒鉛化処理が必要である。
例えば、特表平9−502487(特許文献1)には、従来技術として、特表平2−503334又は特開昭62−500943に記載の方法で製造される炭素フィブリル原料(円筒チューブ状)のXRD(X線回折)測定におけるグラファイト面間隔(d002)が0.354nmを示し、結晶性が充分でなくそのままでは導電性が低いことが記載されている。そして、このフィブリル原料を2450℃で処理することにより、グラファイト面間隔(d002)が0.340nmとなり結晶性の改善されたフィブリル材料が得られることが記載されている。
また、魚骨状(フィッシュボーン)型炭素繊維〔カップ積層型炭素繊維〕は、例えば、USP4,855,091、M.EndoおよびY.A.Kimらによる文献〔Appl.Phys.Lett.,vol80(2002)1267〜〕、特開2003−073928、特開2004−360099等に記載されている。この構造は、底のないカップを積層した形状である。この構造の炭素繊維は、特開2004−241300に記載されているように、繊維軸方向に傾斜を有するコーン形状の炭素基底面が積層した構造であり、炭素基底面間の層剥離や層間のずれを生じさせることが出来るため、繊維をさらに部分的に短繊維化して繊維の集合体を減容化、すなわち高嵩密度化することは容易である。
さらに、プレートレット型カーボンナノファイバー(トランプ状)は、例えば、H.MurayamaおよびT.maedaによる文献〔Nature, vol345[No28](1990)791〜793〕、特開2004−300631等に記載されている。この構造も基本的に魚骨状(フィッシュボーン)型炭素繊維〔カップ積層型炭素繊維〕と同様に繊維軸に対し垂直に炭素基底面円盤が積層した構造であるため、短繊維化は容易である。
魚骨状、トランプ状の微細繊維は、側周面にグラファイト網面の開放端が露出するため、隣接する繊維間の導電性はカーボンナノチューブに比べ向上する。しかしながら、グラファイト網面のC軸が繊維軸方向に対し傾斜あるいは平行して積層した構造であるため、単独の繊維における繊維軸長軸方向の導電性は低下してしまい、導電剤としては適さず、また、これらを短繊維化したものも導電剤として適さない。
上記の構造に加え、特開2006−103996(特許文献2)では、結晶格子の中核をなす炭素原子に化学的に結合した窒素原子を含み、一端が開き他端が閉じた釣鐘型の多層物質が単位構造ユニットとなり1つのユニットの閉じた端部が他のユニットの開いた端部へ差し込まれた形態の繊維構造体とその製造方法が開示されている。しかし、この繊維は、グラファイト網面において炭素原子と化学的に結合した窒素原子が含まれるため、グラファイト網面に構造的歪みが生じ、結晶性が低い、即ち導電性が低いという問題がある。
またApplied Physics A 2001(73)259−264(Ren Z.F.ら)(非特許文献1)においても、“bamboo−structure”と称した、前記特許文献2(特開2006−103996)類似の繊維構造が報告されている。この構造体の合成は、シリカに鉄を担持した触媒を使用し、アセチレン20vol%/アンモニア80vol%の混合ガスを使用して、750℃での気相成長法によって実施されている。この報告では、繊維構造体の化学組成分析は全く記述されていないが、原料中に含まれる不活性でない窒素分の濃度が非常に高いことから(59wt%)、該繊維構造体にも化学的に炭素原子と結合した窒素原子が含まれ、構造的乱れを生じていると考えられる。また触媒重量に対する生成物重量の比が6程度と著しく低いため、繊維成長が充分でなくアスペクト比が小さいという点も問題である。
さらに、Carbon 2003(41)2949−2959(Gadelle P. ら)(非特許文献2)においても、繊維を構成するグラファイト網面がコーン形状で、その開放端が繊維側周面に適当な間隔で露出した構造が報告されている。この文献では、クエン酸で共沈させたコバルト塩及びマグネシウム塩の混合物0.2gをHで活性化処理した後、CO及びHから成る原料ガス(H濃度:26vol%)と反応させることにより、4.185gの生成物を得ている。しかし、この方法で得られた繊維構造では、コーン形の側周面と繊維軸のなす角は22°程度と、繊維軸に対して大きく傾斜している。このため、単独の繊維の長軸方向の導電性については、前記の魚骨状炭素繊維と同様の問題がある。また、繊維成長が不充分でアスペクト比が小さいことから、ポリマーとのコンポジットにおいて導電性や補強性を付与することが困難である。更に、触媒重量に対する生成物重量が21と小さいため、製造法として効率的でないばかりでなく、不純物含量が多くなるために用途が制限される。
上記の如く様々な構造を有する微細な炭素繊維およびその製法が提案されているが、このような微細な炭素繊維は嵩高いため、例えば、樹脂との混合時において、フィーダーへの噛み込みが悪く定量性に欠けることや、空気の噛み込みにより溶融樹脂からの脱泡性が悪いなどの問題点を抱えている。さらに、噛み込み時に空気をはじき出し繊維が勢いよく飛び出すなど、取り扱い上の問題も抱えている。しかし、例えば、多層カーボンナノチューブを一般的に使用される工業的な方法(ボールミル、ビーズミル、ロッドミル、ディスクミル等)を用いて繊維の表面に構造欠陥を与えることなく、強固な炭素SP2結合を切断、すなわち繊維を部分的に切断して短繊維化することにより繊維を減容化し、繊維の嵩密度を上げることは困難である。
また、嵩密度の高い微細な炭素繊維やその製法についてはこれまであまり提案されておらず、提案されていても下記のように問題点を有している。
(1)特開2004−059409(特許文献3)では、CVD法で製造し、さらに酸素雰囲気下で酸化されたカーボンナノチューブの嵩密度が0.3g/cmであり、この酸化されたカーボンナノチューブを溶媒中に分散させ、機械的振動を加えて、束状化した嵩密度0.6g/cmの高嵩密度のカーボンナノチューブを製造する方法が記載されている。しかし、この方法では、カーボンナノチューブの表面には多くの開孔部や破裂部が導入され、欠陥の多いカーボンナノチューブに変質している。欠陥の多いカーボンナノチューブは表面積を増大させることが出来るので吸着材料或は吸蔵材料としては適するが、該カーボンナノチューブはカーボンナノチューブの高い結晶性を利用する導電材、補強材、熱伝導材、音響材等の用途には不適である。
(2)特開2004−137663(特許文献4)では、有機溶媒中でゲルまたはペーストを形成し、溶媒を除去してマットまたはプラグとして成型された微細な炭素繊維を取り出す方法が開示されている。炭素繊維の嵩密度については、0.001〜0.50g/cmとの記載があるが、他の材料に分散可能な粉体ではない。
(3)特開2008−308344(特許文献5)では、カーボンナノチューブを粉砕処理し、タップ密度を粉砕前の1.5〜10倍にすることが開示されている。粉砕処理後のタップ密度は、0.03〜0.2g/cmであり、充分に高いタップ密度ではない。
(4)特開2002−069755(特許文献6)では、3〜200nmの気相成長炭素繊維を液体と共に加圧し、0.1〜0.5g/cmの嵩密度にすることが開示されている。しかし、この方法では、液体との共存が必須条件であるため、液体の選択や後処理が必要となる。
(5)特開2003−285300号(特許文献7)では、ボールミル等のミリング装置を用いて繊維集合体を攪拌し、嵩密度を向上させる方法が開示されている。実施例において、最高0.95g/cmのタップ密度のカーボンチューブを得ている。しかし、繊維集合体としてカーボンナノチューブの集合体を使用しているため、コンポジット化後の導電性等の確保が難しいと思われ、またミリングの際溶媒を用いていることからその溶媒を除去する作用が必要となる。
(6)また、その他、微細な炭素繊維の嵩密度の報告もあるが、その微細な炭素繊維の嵩密度は、以下のとおりいずれも低い値である。
特開2005−324971(微細な炭素繊維の嵩密度:0.001〜0.05g/cm
特開2006−213755(微細な炭素繊維の嵩密度:0.005〜0.1g/cm
(7)なお、微細な炭素繊維と他の材料を複合した成型体の嵩密度については、以下のとおり多くの記載がある。
WO2004/038074(成型体嵩密度:0.015〜0.035g/cm
特開2005−008446(成型体嵩密度:1.50〜1.90g/cm
特開2005−137970(成型体嵩密度:0.5〜1.1g/cm
特開2005−149745(成型体嵩密度:0.05〜0.50g/cm
特開2007−042326(成型体嵩密度:0.4〜0.8g/cm
特開2007−191718(成型体嵩密度:1.5g/cm
特開2008−223133(成型体嵩密度:0.0001〜0.05g/cm
特表平9−502487号公報 特開2006−103996号公報 特開2004−059409号公報 特開2004−137663号公報 特開2008−308344号公報 特開2002−069755号公報 特開2003−285300号公報
Applied Physics A 2001(73)259−264(Ren Z. F.ら) Carbon 2003(41)2949−2959(Gadelle P.ら)
従来のカーボンナノチューブ等の微細な炭素繊維は、嵩高いために繊維混合時の定量性が悪く、また、複合時に炭素繊維が飛散しやすく作業環境上問題がある等、実用工業材料として好ましくない点がある。更に、複合化時に微細な炭素繊維が同伴する空気が原因で微細な炭素繊維の分散性が低下する。例えば、大量生産に適していると考えられる気相法で合成されるカーボンナノチューブは、繊維が互いに複雑に絡まった二次構造を形成しているため、元来分散性が悪い。さらに樹脂等と混合する際に、微細な炭素繊維が多量の空気を樹脂中に同伴するため、混練分散時のシェアが掛け難く、分散性が低下するばかりか、微小な空気の泡は脱泡されず複合材中に残留し、複合材物性を低下させることとなる。具体的に示せば、嵩密度0.1g/cmの微細な炭素繊維を樹脂に混練する場合、微細な炭素繊維の真密度が2g/cm程度であるので、混合時に取り込まれる微細な炭素繊維の真の体積はわずか5%であり、微細な炭素繊維は残り95%の空気を同伴することとなる。しかし、従来の方法で嵩密度の高い微細な炭素繊維を製造しようとしても、いずれも問題点がある。
本発明は、ポリマー或は粉体と微細な炭素繊維とのコンポジット化における定量性、分散性および混練性の上記問題を改善し、コンポジットの加工性に優れ、またコンポジットの導電性、熱伝導性、摺動性、補強等の機能発現に優れる微細な高嵩密度炭素繊維及びその効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の事項に関する。なお、本発明において、「微細な炭素繊維」とは、後述する気相成長法により得られる、図2に模式的に示される釣鐘状構造が積み重なって形成した集合体が連結した炭素繊維のことをいう。また、「微細な炭素繊維の高嵩密度粉体」とは、「微細な炭素繊維」に衝撃圧縮応力を加えた炭素繊維のことをいう。
1. 気相成長法により製造され、
炭素原子のみからなるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、
前記胴部の母線と繊維軸のなす角θが0°<θ<15°であり、
前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個層状に積み重なって集合体を形成し、
前記集合体が、Head−to−Tail様式で数個〜数十個連結している微細な炭素繊維を高嵩密度化して得られ、
嵩密度が0.15〜0.35g/cm、および/または、タップ密度が0.30〜0.65g/cmであることを特徴とする、微細な炭素繊維の高嵩密度粉体。
2. 前記集合体胴部の端の外径Dが5〜40nm、内径dが3〜30nmであり、該集合体のアスペクト比(L/D)が2〜150であることを特徴とする、上記1記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体。
3. 含有する灰分が4重量%以下であることを特徴とする上記1または2記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体。
4. X線回折法により測定される微細な高嵩密度炭素繊維の002面のピーク半価幅W(単位:degree)が、2〜4であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体。
5. X線回折法により測定される微細な高嵩密度炭素繊維のグラファイト面間隔(d002)が0.341〜0.350nmであることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体。
6. 導電材、導電助材、熱伝導材、摺動材、および研磨材としての上記1〜5のいずれかに記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の使用。
7. マグネシウムが置換固溶したコバルトのスピネル型酸化物を含む触媒上に、CO及びHを含む混合ガスを供給して反応させて成長させた微細な炭素繊維の粉体に衝撃圧縮応力を加えることを特徴とする微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
8. 前記スピネル型酸化物を、MgCo3−xで表したとき、マグネシウムの固溶範囲を示すxの値が、0.5〜1.5であることを特徴とする上記7記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
9. 前記衝撃圧縮処理を行うに際し、ミルを用いて高嵩密度化することを特徴とする上記7または8記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
10. 前記衝撃圧縮処理を行うに際し、振動ディスクミル、振動ロッドミル、振動ボールミル、回転ロッドミルのいずれかを用いて高嵩密度化することを特徴とする、上記7〜9のいずれかに記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
11. 前記衝撃圧縮応力による処理を、乾式で行うことを特徴とする上記7〜10のいずれかに記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
12. 前記衝撃圧縮応力による処理において、微細な炭素繊維間に結合剤を用いることなく処理することを特徴とする上記7から11のいずれかに記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
本発明の微細な高嵩密度炭素繊維は、嵩密度が高い、粉体として取り扱う場合に作業環境を汚染することが少ない、樹脂等への定量混合性が高い、混合時に空気を巻き込むことが少ない、得られた複合材中に残留する空気量が少ない、などの長所を有しており、その結果、得られる複合材の物性も優れている。また、本発明の微細な高嵩密度繊維の製法によると、小さなエネルギーで短繊維化および減容化が可能である。
(a)微細な炭素繊維を構成する最小構造単位(釣鐘状構造単位)を模式的に示す図である。(b)釣鐘状構造単位が、2〜30個積み重なった集合体を模式的に示す図である。 (a)集合体が間隔を隔てて連結し、繊維を構成する様子を模式的に示す図である。(b)集合体が間隔を隔てて連結する際に、屈曲して連結した様子を模式的に示す図である。 実施例1で製造した微細な炭素繊維のTEM写真像である。 微細な炭素繊維に横方向から圧縮応力が加えられた時、中間点で圧縮応力が引っ張り応力に転換される説明図である。 実施例1と2の処理時間と微細な高嵩密度炭素繊維の嵩密度およびタップ密度の関係を示す図である。
本発明の高嵩密度の微細な炭素繊維の原体、および高嵩密度化された微細な炭素繊維の粉体は、図1(a)に示すような釣鐘状構造を最小構造単位として有する。釣鐘(temple bell)は、日本の寺院で見られ、比較的円筒形に近い胴部を有しており、円錐形に近いクリスマスベルとは形状が異なる。図1(a)に示すように、構造単位11は、釣鐘のように、頭頂部12と、開放端を備える胴部13とを有し、概ね中心軸の周囲に回転させた回転体形状となっている。構造単位11は、炭素原子のみからなるグラファイト網面により形成され、胴部開放端の円周状部分はグラファイト網面の開放端となる。なお、図1(a)において、中心軸および胴部13は、便宜上直線で示されているが、必ずしも直線ではなく、後述する図2(b)及び図3のように曲線の場合もある。
胴部13は、開放端側に緩やかに広がっており、その結果、胴部13の母線は釣鐘状構造単位の中心軸に対してわずかに傾斜し、両者のなす角θは、15°より小さく、より好ましくは1°<θ<15°、更に好ましくは2°<θ<10°である。θが大きくなりすぎると、該構造単位から構成される微細繊維が魚骨状炭素繊維様の構造を呈してしまい、繊維軸方向の導電性が損なわれてしまう。一方θが小さいと、円筒チューブ状に近い構造となり、構造単位の胴部を構成するグラファイト網面の開放端が繊維外周面に露出する頻度が低くなるため、隣接繊維間の導電性が悪化する。
本発明の高嵩密度の微細な炭素繊維の原体、および高嵩密度の微細な炭素繊維には、欠陥、不規則な乱れが存在するが、このような不規則性を排除して、全体としての形状を捉えると、胴部13が開放端側に緩やかに広がった釣鐘状構造を有していると言える。本発明の高嵩密度の微細な炭素繊維の原体、および高嵩密度の微細な炭素繊維は、すべての部分においてθが上記範囲を示すことを意味しているのではなく、欠陥部分や不規則な部分を排除しつつ、構造単位11を全体的に捉えたときに、総合的にθが上記範囲を満たしていることを意味している。そこで、θの測定では、胴部の太さが不規則に変化していることもある頭頂部12付近を除くことが好ましい。より具体的には、例えば、図1(b)に示すように釣鐘状構造単位集合体21(下記参照)の長さをLとすると、頭頂側から(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点においてθを測定してその平均を求め、その値を、構造単位11についての全体的なθとしてもよい。また、Lについては、直線で測定することが理想であるが、実際は胴部13が曲線であることも多いため、胴部13の曲線に沿って測定した方が実際の値に近い場合もある。
頭頂部の形状は、高嵩密度の微細な炭素繊維の原体、および高嵩密度の微細な炭素繊維として製造される場合、胴部と滑らかに連続し、上側(図において)に凸の曲面となっている。頭頂部の長さは、典型的には、釣鐘状構造単位集合体について説明するD(図1(b))以下程度であり、d(図1(b))以下程度であるときもある。
さらに、後述するように活性な窒素を原料として使用しないため、窒素等の炭素以外の原子は、釣鐘状構造単位のグラファイト網面中に含まれない。このため繊維の結晶性が良好である。
本発明の高嵩密度の微細な炭素繊維の原体、および高嵩密度の微細な炭素繊維においては、図1(b)に示すように、このような釣鐘状構造単位が中心軸を共有して2〜30個積み重なって釣鐘状構造単位集合体21(以下、単に集合体という場合がある)を形成している。積層数は、好ましくは2〜25個であり、より好ましくは2〜15個である。
釣鐘状構造単位集合体21の胴部の外径Dは、5〜40nm、好ましくは5〜30nm、更に好ましくは5〜20nmである。Dが大きくなると形成される微細繊維の径が太くなるため、ポリマーとのコンポジットにおいて導電性能等の機能を付与するためには、多くの添加量が必要となってしまう。一方、Dが小さくなると形成される微細繊維の径が細くなって繊維同士の凝集が強くなり、例えばポリマーとのコンポジット調製において、分散させることが困難になる。胴部外径Dの測定は、集合体の頭頂側から、(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点で測定して平均することが好ましい。なお、図1(b)に胴部外径Dを便宜上示しているが、実際のDの値は、上記3点の平均値が好ましい。
また、集合体胴部の内径dは、3〜30nm、好ましくは3〜20nm、更に好ましくは3〜10nmである。胴部内径dの測定についても、釣鐘状構造単位集合体の頭頂側から、(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点で測定して平均することが好ましい。なお、図1(b)に胴部内径dを便宜上示しているが、実際のdの値は、上記3点の平均値が好ましい。
釣鐘状構造単位集合体21の長さLと胴部外径Dから算出されるアスペクト比(L/D)は、2〜150、好ましくは2〜50、更に好ましくは2〜20である。アスペクト比が大きいと、形成される繊維の構造が円筒チューブ状に近づき、1本の繊維における繊維軸方向の導電性は向上するが、構造単位胴部を構成するグラファイト網面の開放端が繊維外周面に露出する頻度が低くなるため、隣接繊維間の導電性が悪化する。一方、アスペクト比が小さいと構造単位胴部を構成するグラファイト網面の開放端が繊維外周面に露出する頻度が高くなるため、隣接繊維間の導電性は向上するが、繊維外周面が、繊維軸方向に短いグラファイト網面が多数連結して構成されるため、1本の繊維における繊維軸方向の導電性が損なわれる。
本発明の原体である微細な炭素繊維は、図2(a)に示すように、前記集合体がさらにHead−to−Tailの様式で連結することにより形成される。Head−to−Tailの様式とは、微細な炭素繊維の構成において、隣り合った前記集合体どうしの接合部位が、一方の集合体の頭頂部(Head)と他方の集合体の下端部(Tail)の組合せで形成されていることを意味する。具体的な接合部分の形態は、第一の釣鐘状構造単位集合体21aの下端開口部において、最内層の釣鐘状構造単位の更に内側に、第二の釣鐘状構造単位集合体21bの最外層の釣鐘状構造単位の頭頂部が挿入され、さらに、第二の釣鐘状構造単位集合体21bの下端開口部に、第三の釣鐘状構造単位集合体21cの頭頂部が挿入され、これがさらに連続することによって繊維が構成される。
微細な炭素繊維の1本を形成する各々の接合部分は、構造的な規則性を有しておらず、例えば第一の釣鐘状構造単位集合体と第二の釣鐘状構造単位集合体の接合部分の繊維軸方向の長さは、第二の釣鐘状構造単位集合体と第三の釣鐘状構造単位集合体の接合部分の長さと必ずしも同じではない。また、図2(a)のように、接合される二つの釣鐘状構造単位集合体が中心軸を共有して直線状に連結することもあるが、図2(b)の釣鐘状構造単位集合体21bと21cのように、中心軸が共有されずに接合して、結果として接合部分において屈曲構造を生じることもある。前記釣鐘状構造単位集合体の長さLは繊維ごとにおおむね一定である。しかしながら、気相成長法では、原料及び副生のガス成分と触媒及び生成物の固体成分が混在するため、発熱的な炭素析出反応の実施においては、前記の気体及び固体からなる不均一な反応混合物の流動状態によって一時的に温度の高い局所が形成されるなど、反応器内に温度分布が生じ、その結果、長さLにある程度のばらつきが生じることもある。
また、本発明の高嵩密度の微細な炭素繊維の原体および高嵩密度の微細な炭素繊維の効果は、集合体自体の曲がり、集合体の連結部分における屈曲が存在しても、ほとんど影響がないと考えられる。従って、TEM画像の中で、比較的直線に近い形状を有する集合体を観察して、構造に関する各パラメータを求め、その繊維についての構造パラメータ(θ、D、d、L)としてよい。
本発明の高嵩密度の微細な炭素繊維の原体である微細な炭素繊維のXRDにおいて、測定される002面のピーク半価幅W(単位:degree)は、2〜4の範囲である。Wが4を超えると、グラファイト結晶性が低く導電性も低い。一方、Wが2未満ではグラファイト結晶性は良いが、同時に繊維径が太くなり、樹脂等に導電性等の機能を付与するためには多くの添加量が必要となってしまう。
本発明の高嵩密度の微細な炭素繊維の原体および高嵩密度の微細な炭素繊維のXRD測定によって求められるグラファイト面間隔d002は、0.350nm以下、好ましくは0.341〜0.348nmである。d002が0.350nmを超えるとグラファイト結晶性が低くなり、導電性が低下する。一方、0.341nm未満の繊維は、製造の際に収率が低い。
本発明の高嵩密度の微細な炭素繊維に含有される灰分は、4重量%以下であり、通常の用途では、精製を必要としない。通常、0.3重量%以上1.5重量%以下であり、より好ましくは0.3重量%以上1重量%以下である。尚、灰分は、繊維を0.1グラム以上燃焼して残った酸化物の重量から決定される。
上記特徴をもつ微細な炭素繊維が集合した粉体に衝撃圧縮処理を行うと、炭素繊維間の距離が小さくなり、ある部分では微細な炭素繊維の釣鐘状構造単位接合部の一部で滑りによる切断が生じ、繊維は折り畳まれたりして減容化すると推定される。釣鐘状構造単位集合体の開放端の部分では、繊維軸に対し傾斜を持った炭素基底面で接合部が形成されている。この接合部は主として炭素基底面間の結合、即ちファンデルワールス力という緩やかな結合力で釣鐘状構造単位集合体が接合している部分であり、この部分にずり応力や衝撃圧縮応力が加わると、容易に炭素基底面間で滑りが生じ、釣鐘状構造単位集合体は接合部から滑り抜ける、あるいは引き抜けるように切断される。
衝撃圧縮応力が微細な炭素繊維に加わった状態を模式的に図4に示す。この場合、A、B、C点に加えられた力は、B’点を支点とする繊維軸方向に垂直な圧縮力と繊維軸方向に平行な張力として作用する。この張力が本発明の繊維の最も引っ張り強度の低い、言い換えれば、黒鉛AB面間(黒鉛基底面間)ですべりを起こし易い構造単位集合体の接合部で作用し、繊維はこの部分で分離切断する。
したがって、本発明において、衝撃圧縮応力を加えても、釣鐘状構造単位集合体の炭素SP2結合から成る繊維直胴部分では、繊維の切断が起こらず、繊維に対する損傷が小さい。
一方、釣鐘状構造単位集合体をもたない従来の炭素繊維は、繊維のほぼ全体が炭素SP2結合で出来ているため、大きな衝撃圧縮応力を加えたとき、切断された繊維の外壁は大きな損傷を受ける。
このような部分的な短繊維化により得られる高嵩密度の微細な炭素繊維は、釣鐘状構造単位集合体が数個(即ち2個から9個)から数十個程度(即ち100個以下、80個程度まで、好ましくは70個程度まで)、好ましくは、10個から50個程度連結した繊維長さである。この微細な高嵩密度炭素繊維1本のアスペクト比は5ないし200程度である。さらに好ましいアスペクト比は10ないし50である。
微細な炭素繊維が集合した高嵩密度粉体は、減容化しているため複合化時の取り扱いが容易であり、かつ複合材中に同伴する空気量も少ない。
また、上記のように衝撃圧縮処理により、炭素繊維の釣鐘状構造単位集合体接合部の一部が切断され、同部分でグラファイト網面は繊維外周面に露出する。この結果、1本の繊維における繊維軸方向の導電性を損なうことなく、前記π電子の飛び出しによるジャンピング効果(トンネル効果)によって隣接する繊維間の導電性は短繊維化前の微細な炭素繊維と同様に良好である。
本発明の高嵩密度化された微細な炭素繊維の長さは40〜1000nm、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜200である。
次に、本発明の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法について説明する。本発明の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体は、微細な炭素繊維に衝撃圧縮応力を加えて減容化して製造される。
まず、本発明の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の原体である微細な炭素繊維の製造方法は、次のとおりである。コバルトのスピネル型結晶構造を有する酸化物に、マグネシウムが固溶置換した触媒を用いて、CO及びHを含む混合ガスを触媒粒子に供給して気相成長法により、微細な炭素繊維を製造する。
Mgが置換固溶したコバルトのスピネル型結晶構造は、MgCo3−xで表される。ここで、xは、MgによるCoの置換を示す数であり、形式的には0<x<3である。また、yはこの式全体が電荷的に中性になるように選ばれる数で、形式的には4以下の数を表す。即ち、コバルトのスピネル型酸化物Coでは、2価と3価のCoイオンが存在しており、ここで、2価および3価のコバルトイオンをそれぞれCoIIおよびCoIIIで表すと、スピネル型結晶構造を有するコバルト酸化物はCoIICoIII で表される。Mgは、CoIIとCoIIIのサイトの両方を置換して固溶する。MgがCoIIIを置換固溶すると、電荷的中性を保つためにyの値は4より小さくなる。但し、x、y共に、スピネル型結晶構造を維持できる範囲の値をとる。
触媒として使用できる好ましい範囲として、Mgの固溶範囲は、xの値が0.5〜1.5であり、より好ましくは0.7〜1.5である。xの値が0.5未満の固溶量では、触媒の活性は低く、生成する微細な炭素繊維の量は少ない。xの値が1.5を超える範囲では、スピネル型結晶構造を調製することが困難である。
触媒のスピネル型酸化物結晶構造は、XRD測定により確認することが可能であり、結晶格子定数a(立方晶系)は、0.811〜0.818nmの範囲であり、より好ましくは0.812〜0.818nmである。aが小さいとMgの固溶置換が充分でなく、触媒活性が低い。また、0.818nmを超える格子定数を有する前記スピネル型酸化物結晶は調製困難である。
このような触媒が好適である理由として、本発明者らは、コバルトのスピネル構造酸化物にマグネシウムが置換固溶した結果、あたかもマグネシウムのマトリックス中にコバルトが分散配置された結晶構造が形成されることにより、反応条件下においてコバルトの凝集が抑制されていると推定している。
また、触媒の粒子サイズは、適宜選ぶことができるが、例えばメジアン径として、0.1〜100μm、好ましくは、0.1〜10μmである。
触媒粒子は、一般に基板または触媒床等の適当な支持体に、散布するなどの方法により載せて使用する。基板または触媒床への触媒粒子の散布は、触媒粒子を直接散布して良いが、エタノール等の溶媒に懸濁させて散布し、乾燥させることにより所望の量を散布しても良い。
触媒粒子は、原料ガスと反応させる前に、活性化させることも好ましい。活性化は通常、HまたはCOを含むガス雰囲気下で加熱することにより行われる。これらの活性化操作は、必要に応じて、HeやNなどの不活性ガスで希釈することにより実施することができる。活性化を実施する温度は、好ましくは400〜600℃、より好ましくは450〜550℃である。
気相成長法の反応装置に特に制限はなく、固定床反応装置や流動床反応装置といった反応装置により実施することができる。
気相成長の炭素源となる原料ガスは、CO及びHを含む混合ガスが利用される。
ガスの添加濃度{(H/(H+CO)}は、好ましくは0.1〜30vol%、より好ましくは2〜20vol%である。添加濃度が低すぎると円筒状のグラファイト質網面が繊維軸に平行したカーボンナノチューブ様の構造を形成してしまう。一方、30vol%を超えると釣鐘状構造体の炭素側周面の繊維軸に対する傾斜角が大きくなり、魚骨形状を呈するため繊維方向の導電性の低下を招く。
また、原料ガスは不活性ガスを含有していてもよい。不活性ガスとしては、CO、N、He、Ar等が挙げられる。不活性ガスの含有量は、反応速度を著しく低下させない程度が好ましく、例えば80vol%以下、好ましくは50vol%以下の量である。また、HおよびCOを含有する合成ガスまたは転炉排出ガス等の廃棄ガスを、必要により適宜処理して使用することもできる。
気相成長を実施する反応温度は、好ましくは400〜650℃、より好ましくは500〜600℃である。反応温度が低すぎると繊維の成長が進行しない。一方、反応温度が高すぎると収量が低下してしまう。反応時間は、特に限定されないが、例えば2時間以上であり、また12時間程度以下である。
気相成長を実施する反応圧力は、反応装置や操作の簡便化の観点から常圧で行うことが好ましいが、Boudouard平衡の炭素析出が進行する範囲であれば、加圧または減圧の条件で実施しても差し支えない。
この微細な炭素繊維の製造方法によれば、触媒単位重量あたりの微細な炭素繊維の生成量は、従来の製造方法、例えば非特許文献2記載の方法に比べて格段に大きいことが示された。この微細な炭素繊維の製造方法による微細な炭素繊維の生成量は、触媒単位重量あたり40倍以上であり、例えば40〜200倍である。その結果、前述のような不純物、灰分の少ない微細な炭素繊維の製造が可能である。
この微細な炭素繊維の製造方法により製造される微細な炭素繊維に特有な接合部の形成過程は明らかではないが、発熱的なBoudouard平衡と原料ガスの流通による除熱とのバランスから、前記触媒から形成されたコバルト微粒子近傍の温度が上下に振幅するため、炭素析出が断続的に進行することにより形成されるものと考えられる。即ち、[1]釣鐘状構造体頭頂部形成、[2]釣鐘状構造体の胴部成長、[3]前記[1]、[2]過程の発熱による温度上昇のため成長停止、[4]流通ガスによる冷却、の4過程が触媒微粒子上で繰り返されることにより、微細な炭素繊維構造特有の接合部が形成されると推定される。
本発明の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体は、上記の微細な炭素繊維に衝撃圧縮応力を加えることにより製造される。微細な炭素繊維は集合して絡み合った粉体として存在し、この粉体に衝撃圧縮応力を加えると、嵩密度および/またはタップ密度を向上させることができる。
衝撃圧縮応力を加えるために用いる具体的なミルとしては、振動ロッドミル、振動ボールミル、振動ディスクミル、擂潰機、回転ボールミル、遠心ボールミル、遠心遊星ボールミル、ビーズミル、マイクロビーズミル、アトライタータイプの高速ボールミル、回転ロッドミル、ロールミル、または、3本ロールミル等と振動ロッドミル、振動ボールミルもしくは振動ディスクミルとの組み合わせが挙げられる。これら粉砕機は微細な炭素繊維に対し、繊維方向と平行のずり応力のみならず垂直方向からの衝撃圧縮力を加えることができるが、特に多くの方向からの衝撃圧縮応力を加えることができる振動ロッドミル、振動ボールミル、振動ディスクミルを用いることが好ましい。微細な炭素繊維の高嵩密度化は乾式でも、湿式でも行うことが可能であるが、乾式で行うことがより好ましい。乾式で行う場合、樹脂やフィラー、溶媒と共存させることがないため、本発明の微細な高嵩密度炭素繊維のみの嵩密度を向上させることができる。乾式短繊維化における雰囲気は不活性雰囲気も酸化雰囲気も目的によって選択することが出来る。湿式で行う場合は、処理媒体の除去や乾燥凝集した微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の解砕が必要になる。
なお、高嵩密度化のときに結合剤を用いることにより嵩密度は大きく増加するが、樹脂中に微細な炭素繊維を混合する際、その分散性が阻害される。また、結合剤は、樹脂が硬化するという悪い影響を及ぼすため、本発明においては、結合剤を用いることなく、乾式で嵩密度を向上させることが最も望ましい。
本発明に用いる微細な炭素繊維は、小さなエネルギーで短繊維化することができるため、衝撃圧縮処理の際、粉砕容器やロッド、ボール等に与える衝撃が小さく、これら容器やロッド等が削られて発生するコンタミネーションが少ないことも特徴である。このことは、実施例1の表1及び実施例2の表2のXRDにより測定される炭素層間隔が大きく変化しないこと、および表面積が高嵩密度繊維化に相当する程度以上には増加しないことから明らかである。
微細な炭素繊維は凝集して不定形の凝集粒子(1μm〜100μm程度)として存在するが、衝撃圧縮処理により製造した高嵩密度の微細な炭素繊維は、一般に凝集粒子が圧縮されて平板状になったものが多く観察され、またそれらが層状に積層した部分が観察される。
微細な炭素繊維の嵩密度及びタップ密度は、任意の方法で測定できる。
嵩密度については、例えば、100mlのメスシリンダーに、振動を与えることなく試料となる微細な炭素繊維を約85ml挿入し、その試料の質量を体積で除した値を嵩密度とする。
また、タップ密度については、例えば、100mlのメスシリンダーに、振動を与えることなく試料となる微細な炭素繊維を約85ml挿入し、その後、その試料の体積が変化しなくなるまで100mlのメスシリンダーをタッピングして(通常800回から2000回タッピングを行う)、体積変化がなくなった時点の質量を体積で除した値をタップ密度とする。
本発明の高嵩密度化された炭素繊維の嵩密度は、0.15〜0.35g/cm、好ましくは0.20〜0.30g/cm、より好ましくは0.25〜0.30g/cmであり、また、タップ密度は、0.30〜0.65g/cm、好ましくは0.40〜0.60g/cm、より好ましくは0.45〜0.55g/cmである。
本発明による微細な炭素繊維の高嵩密度粉体は種々の樹脂あるいは無機材料の導電化および導電化補助に有効である。特に、球状、ウィスカー状、扁平状、ナノ粒子などの形態如何に関わらず、非導電性或は低導電性の半金属、酸化物、フッ化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、硫化物、および水素化物等の無機化合物、特に電池材料として用いられる固体材料の導電化および導電化補助に有効である。
また、本発明による微細な炭素繊維の高嵩密度粉体は、黒鉛構造を有する炭素に特有な高い熱伝導性や摺動性、さらには高い引っ張り強度と弾性率を生かして、導電化、導電化補助としての用途の他に、樹脂や無機材料と複合化することによる熱伝導材、摺動材、難燃化材および補強材のフィラーとして、あるいは研磨材として有用である。
以下に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
イオン交換水500mLに硝酸コバルト〔Co(NO・6HO:分子量291.03〕115g(0.40モル)、硝酸マグネシウム〔Mg(NO・6HO:分子量256.41〕102g(0.40モル)を溶解させ、原料溶液(1)を調製した。また、重炭酸アンモニウム〔(NH)HCO:分子量79.06〕粉末220g(2.78モル)をイオン交換水1100mLに溶解させ、原料溶液(2)を調製した。次に、反応温度40℃で原料溶液(1)と(2)を混合し、その後4時間攪拌混合した。生成した沈殿物のろ過、洗浄を行い、乾燥した。
これを焼成した後、乳鉢で粉砕し、43gの触媒を取得した。本触媒中のスピネル構造の結晶格子定数a(立方晶系)は0.8162nm、置換固溶によるスピネル構造中の金属元素の比はMg:Co=1.4:1.6であった。
石英製反応管(内径75mmφ、高さ650mm)を立てて設置し、その中央部に石英ウール製の支持体を設け、その上に触媒0.9gを散布した。He雰囲気中で炉内温度を550℃に加熱した後、CO、Hからなる混合ガス(容積比:CO/H=95.1/4.9)を原料ガスとして反応管の下部から1.28L/分の流量で7時間流し、微細な炭素繊維を合成した。
収量は53.1gであり、灰分を測定したところ1.5重量%であった。生成物のXRD分析で観察されたピーク半価幅W(degree)は3.156、d002は0.3437nmであった。実施例1で得られた微細な炭素繊維のTEM像を図3に示す。TEM画像から、得られた微細な炭素繊維を構成する釣鐘状構造単位及びその集合体の寸法に関するパラメータは、D=12nm、d=7nm、L=114nm、L/D=9.5、θは0から7°であり、平均すると約3°であった。また、集合体を形成する釣鐘状構造単位の積層数は約10であった。尚、D、dおよびθについては、集合体の塔頂から(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点について測定した。
川崎重工社製振動ディスクミルを用い空間容積が100mlの容器に、上記の方法で調製した8gの微細な炭素繊維を挿入し、所定時間処理を行った。処理時間と得られた微細な高嵩密度炭素繊維の嵩密度及びタップ密度の関係を図5に示す。図5より、ディスクミル未処理の微細な炭素繊維の嵩密度とタップ密度は0.09g/cmと0.16g/cmであるが、短時間のディスクミル処理で嵩密度とタップ密度が増加する状況が分かる。また処理時間と微細な高嵩密度炭素繊維のXRD分析から求められる黒鉛層間距離および比表面積との関係を表1に示す。表1から、微細な高嵩密度炭素繊維は高嵩密度化処理によってほとんど構造的な損傷を受けていないことが分かる。
<実施例2>
入江商会製振動ロッドミルを用い空間容積が800mlの容器に、実施例1と同様の製法で調製した60gの微細な炭素繊維を挿入し、所定時間処理を行った。処理時間と得られた高嵩密度化された微細な炭素繊維の嵩密度及びタップ密度の関係を図5に示す。図5より、短時間で微細な炭素繊維の密度が増加する状況が分かる。また、処理時間と微細な高嵩密度炭素繊維のXRD分析から求められる黒鉛層間距離および比表面積との関係を表2に示す。表2から、高嵩密度の微細な炭素繊維は高嵩密度化処理によってほとんど構造的な損傷を受けていないことが分かる。
<実施例3>
三本ロール混練機を用い東商ゴム社製シリコーンゴムXE20−C0510と実施例1の方法で調製し、上記振動ロッドミルで120分間処理した微細な炭素繊維の高嵩密度粉体を混練した。なお、充填剤として境化学製沈降性硫酸バリウムを全体量の25重量%添加した。予め沈降性硫酸バリウムと混練し、第一ローラーと第二ローラー間に微細な炭素繊維の高嵩密度粉体を山積みした。ロールへの噛み込みは良好であり、微細な高嵩密度炭素繊維が空気とともにはじかれたり、周囲に飛散したりすることはなかった。得られたシリコーンゴムと高嵩密度の微細な炭素繊維との複合材のゴム硬化後の体積抵抗値を表3に示す。表3より微細な高嵩密度炭素繊維は良好な導電材としての効果を示すことが分かる。
<実施例4>
炭素コートしたLiFePOを90重量部、呉羽化学性PVDF1100を5重量部、導電材として上記ディスクミルで10分間処理して調製した高嵩密度の微細な炭素繊維を5重量部、溶媒としてN−メチルピロリドンを110重量部の組成からなるスラリーを、日本精機製NBK混練機で20分間混練した。このスラリーをPETフィルム上にアプリケーターを用いて塗工、乾燥後、三菱化学製低抵抗率計ロレスタを用いてLiFePO電極の表面抵抗を測定した。その結果を表4に示す。
<比較例1>
三本ロール混練機を用い東商ゴム社製シリコーンゴムXE20−C0510と実施例1の方法で調製した微細な炭素繊維を振動ロッドミルで処理すること無く混練した。なお、充填剤として境化学製沈降性硫酸バリウムを全体量の25重量%添加した。予め沈降性硫酸バリウムと混練し、第一ローラーと第二ローラー間に微細な炭素繊維を山積みした。ロールへの噛み込み時に一部繊維の飛散が観察された。得られたシリコーンゴムと微細な炭素繊維複合材のゴム硬化後の体積抵抗値を表3に実施例と対比して示す。表3の比較例の各水準の体積抵抗値は実施例3に比べて20〜50%高く、振動ロッドミル処理を行った高嵩密度の微細な炭素繊維が良好な混練性と分散性を有していることが示された。
<比較例2>
比較例2−1として、炭素コートしたLiFePOを90重量部、呉羽化学性PVDF1100を5重量、導電材として実施例1と同様な方法で調製したが、ディスクミルで処理を行っていない微細な炭素繊維を5重量部、溶媒としてN−メチルピロリドンを110重量部の組成からなるスラリーを日本籍機製NBK混練機で20分間混練した。このスラリーを実施例4と同様にPETフィルム上にアプリケーターを用いて塗工、乾燥後、三菱化学製低抵抗率計ロレスタを用いてLiFePO電極の表面抵抗を測定した。その結果を表4に示す。
また、全く導電材を加えることなく調整したLiFePO電極の表面抵抗値も比較例2−2として示した。表4から高嵩密度化処理により微細な高嵩密度炭素繊維の分散性が改善され、著しく電極の表面抵抗が減少することが分かる。また比較例2−1は全く導電材を加えてない比較例2−2に近い表面抵抗を示すことからも、添加した導電材を有効に活用するためには分散しやすい状態で系に添加する必要があることが分かる。
11 構造単位
12 頭頂部
13 胴部
21、21a、21b、21c 集合体

Claims (12)

  1. 気相成長法により製造され、
    炭素原子のみからなるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、
    前記胴部の母線と繊維軸のなす角θが0°<θ<15°であり、
    前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個層状に積み重なって集合体を形成し、
    前記集合体が、Head−to−Tail様式で数個〜数十個連結している微細な炭素繊維を高嵩密度化して得られ、
    嵩密度が0.15〜0.35g/cm、および/または、タップ密度が0.30〜0.65g/cmであることを特徴とする、微細な炭素繊維の高嵩密度粉体。
  2. 前記集合体胴部の端の外径Dが5〜40nm、内径dが3〜30nmであり、該集合体のアスペクト比(L/D)が2〜150であることを特徴とする請求項1記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体。
  3. 含有する灰分が4重量%以下であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体。
  4. X線回折法により測定される微細な高嵩密度炭素繊維の002面のピーク半価幅W(単位:degree)が、2〜4であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体。
  5. X線回折法により測定される微細な高嵩密度炭素繊維のグラファイト面間隔(d002)が0.341〜0.350nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体。
  6. 導電材、導電助材、熱伝導材、摺動材、および研磨材としての請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の使用。
  7. マグネシウムが置換固溶したコバルトのスピネル型酸化物を含む触媒上に、CO及びHを含む混合ガスを供給して反応させて成長させた微細な炭素繊維の粉体に衝撃圧縮応力を加えることを特徴とする微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
  8. 前記スピネル型酸化物を、MgCo3−xで表したとき、マグネシウムの固溶範囲を示すxの値が、0.5〜1.5であることを特徴とする請求項7記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
  9. 前記衝撃圧縮処理を行うに際し、ミルを用いて高嵩密度化することを特徴とする請求項7または8記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
  10. 前記衝撃圧縮処理を行うに際し、振動ディスクミル、振動ロッドミル、振動ボールミル、回転ロッドミルのいずれかを用いて高嵩密度化することを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
  11. 前記衝撃圧縮応力による処理を、乾式で行うことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
  12. 前記衝撃圧縮応力による処理において、微細な炭素繊維間に結合剤を用いることなく処理することを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維の高嵩密度粉体の製造方法。
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