JP2011060432A - 微細な炭素繊維で覆われた粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝集体の状態の微細な炭素繊維を化学処理等を行うことなく直接固体粒子に被覆する方法、および該方法により製造された微細な炭素繊維で覆われた粒子を提供することを目的とする。
【解決手段】微細な炭素繊維の凝集体と、大きさが0.01μm以上、100μm未満の担体粒子とを剪断力を加えて混練することにより、微細な炭素繊維で覆われた粒子を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化物粒子及び有機物粒子等の担体の固体粒子を微細な炭素繊維で被覆された機能性粒子、特に導電性粒子に関する。さらに、該粒子を用いたエネルギーデバイス材料、帯電防止用及び電磁波遮蔽用材料、電子機器用部材等に有用な導電性、補強性、摺動性、難燃性に優れる材料に関する。
多くの固体材料が電子材料として用いられているが、電子材料として興味ある構造を有するものの、導電性が全く無いか、或は導電性が低いために電子材料として活用されていない材料も多い。また導電性は示すが実用域の高い導電性を有しないために導電材の配合量が多くなり、固体材料が本来持っている特性が充分発現されない場合や過剰の導電材の配合によって組成物の成形加工が困難になる場合が多い。
従来から、固体材料の固有特性を維持しながら導電性を付与する方法として、固体材料(担体)表面を導電性物質(金属、酸化物、炭素等)で被覆する方法がある。金属(Ag,Cu,Ni等)で被覆すると、高い導電性が得られるが担体との密着性、金属の耐食性に問題がある。酸化物としては主にアンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)が被覆に用いられるが、被覆量(10質量%以上)が多く、被覆できる担体が限られ、特殊な方法で被覆される。これに対し炭素で被覆する方法は簡便で、担体の制限を受けない。炭素で被覆する方法としては、高温で熱分解する有機物を炭素前駆体として使用し、蒸発させた有機物を固体表面で熱分解させて炭素を析出被覆する気相熱分解法(hemical apor eposition:CVD法)(特許文献1:特開平09−059428、特許文献2:特開2001−015111)や、有機物前駆体溶液と固体を混合した後に非酸化性雰囲気下で熱分解させる方法とがある(特許文献3:特開2001−229733)。しかしながら、いずれの方法においても、熱分解で生成した炭素は、高導電性を示すグラファイト質構造を有しないため高い導電性の確保は難しい。また、高導電性を確保するために炭素繊維を高気流中で衝撃力により被覆する方法が提案されているが、担体となる固体材料が衝撃により固体表面の変質、形状崩壊は避けられない(特許文献4:特開2004−186075)。
リチウムイオン二次電池の正極剤として有望なリチウム燐酸鉄が検討されているが、リチウムリン酸鉄には導電性が無い。この材料に直接CVD法や有機物を炭素前駆体として存在させ熱処理、即ち炭化することにより炭素を導電材とする等の方法が可能であるが、高い導電性を得るためにCVD温度や炭素化温度を高くする必要がある。しかしながらCVD温度や炭素化温度を高くするとリン酸鉄リチウムが結晶溶融を起こす結果、リン酸鉄リチウムの表面積が低下してハイレートな充放電特性が損なわれる問題が新たに生じる。またサブミクロンもしくはナノサイズのリン酸鉄リチウムは従来から用いられてきた炭素繊維等の導電材を混合するのみでは導電性は確保できない。そのため、ナノサイズの導電材を均一に粒子表面に分散被覆させる導電化方法と高導電性の微細なフィラーが求められている。
近年、ナノサイズの導電性フィラーとして、代表的な微細な炭素繊維であるカーボンナノチューブ(CNT)が注目されており、これの開繊、分散方法について種々の提案がなされている。
カーボンナノチューブ等の微細な炭素繊維は、大量生産方式において現在最も有望とされる合成方法である触媒気相成長方法(遷移金属含有粒子をCO、炭化水素等の炭素含有ガスと高温で接触させ、熱分解により生成した炭素を遷移金属含有粒子を起点として繊維状に成長させる方法)により得られるが、触媒気相成長方法で合成された直後の微細な炭素繊維は、アスペクト比3以上の繊維が複雑に互いに絡み合った1μm以上、5000μm未満の凝集体を形成している。このためこの凝集体を開繊して繊維単糸毎に分散した状態を形成することは極めて難しい。
上記微細な炭素繊維の凝集体を開繊、分散する方法として、化学的な処理を施し、表面に官能基を導入して分散溶剤との親和性を高めることで溶剤への分散を可能にした提案が多くなされている(特許文献5:特開2001−048511、特許文献6:特開2003−300716、特許文献7:特開2005−104762、特許文献8:特開2004−168570、特許文献9:特開2003−238126、特許文献10:特開2005−089738)。また単純に特殊な界面活性剤を添加して混合分散方法も提案されている(特許文献11:特開2005−154630)。これらの方法において、固体粒子への微細な炭素繊維の被覆は、化学的な処理等でいったん微細な炭素繊維の凝集体を開繊、分散したものを用いることで達成されているが、化学的な処理により微細な炭素繊維表面の機能の低下は免れない。
特開平09−059428号公報 特開2001−015111号公報 特開2001−229733号公報 特開2004−186075号公報 特開2001−048511号公報 特開2003−300716号公報 特開2005−104762号公報 特開2004−168570号公報 特開2003−238126号公報 特開2005−089738号公報 特開2005−154630号公報
本発明は、上記問題を解決するため、凝集体の状態の微細な炭素繊維を化学処理等を行うことなく直接固体粒子に被覆する方法、および該方法により製造された微細な炭素繊維で覆われた粒子を提供することを目的とする。さらに、製造された該粒子を用いて、高い導電性、摺動性等の機能性を付与した電子材料、例えば電池正極及び負極材料、導電性インク、電磁シールド用材料、帯電防止用材料、摺動性部材、難燃性材料等を提供することを目的とする。
これまで、固体粒子と微細な炭素繊維の凝集体との単なる混合では実質的に微細な炭素繊維の開繊、分散が不可能であった。本発明者は、微細な炭素繊維の凝集体の分散媒体として、大きさを限定した固体粒子を用い、溶媒を適当量添加して、もしくは溶媒を添加することなく、これらの混合物に剪断力を作用させた。これにより、微細な炭素繊維の凝集体が開繊、分散し、繊維を損傷することなく、直接固体粒子表面が均一に微細な炭素繊維で被覆されることを見出した。すなわち、本発明は、以下の事項に関する。
1. 大きさが0.01μm以上、100μm未満の粒子と、
この粒子の表面を覆う開繊された微細な炭素繊維と、
を有する微細な炭素繊維で覆われた粒子。
2. 微細な炭素繊維が、表面に直接固着されていることを特徴とする上記1に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
3. 微細な炭素繊維が、炭素を介して表面に固着されていることを特徴とする、上記1に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
4. 前記粒子が、ポリイミド、ポリアミドまたはポリプロピレンであることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
5. 前記粒子が、電池活物質であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
6. 前記微細な炭素繊維が、気相成長法により製造され、そのグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する構造単位を形成し、前記構造単位が、中心軸を共有して2〜30個層状に積み重なって集合体を形成し、前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成していること特徴とする、上記1から5のいずれかに記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
7. 前記微細な炭素繊維において、繊維軸方向に対し15°より小さな角度で黒鉛AB面(黒鉛基底面)が配列したことを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
8. 前記微細な炭素繊維において、前記集合体胴部の端の外径Dが5〜40nm、内径dが3〜30nmであり、該集合体のアスペクト比(L/D)が2〜150であることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
9. 前記微細な炭素繊維が、Fe、Co、Ni、Al、MgおよびSiからなる群より選ばれる元素を含む触媒を用いた気相成長法により製造され、該微細な炭素繊維中の灰分が4重量%以下であることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
10. 前記微細な炭素繊維が、マグネシウムが置換固溶したコバルトのスピネル型酸化物を含む触媒上に、CO及びHを含む混合ガスを供給して反応させ、微細な炭素繊維を成長させることにより製造されることを特徴とする、上記1〜9のいずれかに記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
11. 前記スピネル型酸化物を、MgCo3−xで表したとき、マグネシウムの固溶範囲を示すxの値が、0.5〜1.5であることを特徴とする上記1〜10のいずれかに記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
12. 前記微細な炭素繊維の含有量が、総質量の0.1質量%以上、10質量%以下の量であることを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の微細な炭素繊維に覆われた粒子。
13. 微細な炭素繊維の凝集体と、
大きさが0.01μm以上、100μm未満の担体粒子とを、剪断力を加えて混練する工程を含む、微細な炭素繊維で覆われた粒子の製造方法。
14. 上記13において、さらに、焼成する工程、または担体粒子の一部を溶融させる工程を含むことを特徴とする微細な炭素繊維で覆われた粒子の製造方法。
本発明によれば、担体の固体粒子と微細な炭素繊維の凝集体を剪断力により混練する際、その剪断力が固体粒子を媒介して効率的に微細な炭素繊維に与えられる。これにより、微細な炭素繊維の切断を出来るだけ抑制しながら、効率良く開繊、分散させ、固体粒子の表面上に均等に被覆させることができる。従って、高い導電性、熱伝導性、摺動性、難燃性等が付与された固体粒子を得ることができる。
(a)微細な炭素繊維を構成する最小構造単位(釣鐘状構造単位)を模式的に示す図である。(b)釣鐘状構造単位が、2〜30個積み重なった集合体を模式的に示す図である。 (a)集合体が間隔を隔てて連結し、繊維を構成する様子を模式的に示す図である。(b)集合体が間隔を隔てて連結する際に、屈曲して連結した様子を模式的に示す図である。 参考例で製造した微細な炭素繊維AのTEM写真像である。 微細な炭素繊維に横方向から剪断力が加えられた時、中間点で剪断力が引っ張り応力に転換される説明図である。 実施例1で製造した微細な炭素繊維Aで被覆されたリン酸鉄リチウムのSEM写真像である(50000倍)。 実施例3で製造した微細な炭素繊維Aで被覆されたマンガン酸リチウムのSEM写真像である(3000倍)。 実施例3で製造した微細な炭素繊維Aで被覆されたマンガン酸リチウムのSEM写真像である(30000倍)。 実施例4で製造した微細な炭素繊維Aで覆われ固定されたポリイミド粉末(被覆量2質量%)のSEM写真像である(3000倍)。 実施例4で製造した微細な炭素繊維Aで覆われ固定されたポリイミド粉末(被覆量2質量%)のSEM写真像である(100000倍)。 実施例5で製造した微細な炭素繊維Aで覆われたチタン酸リチウム(被覆量2質量%)のSEM写真像である(100000倍)。
<微細な炭素繊維の構造>
本発明に用いられる微細な炭素繊維の凝集体を構成する微細な炭素繊維は、特に限定されないが、炭素電極のアーク放電や、触媒を浮遊あるいは固定させた状態でガス状の炭素含有化合物を500℃以上に加熱した触媒上で熱分解することによって析出、成長した外径100nm以下、アスペクト比3以上の単層あるいは多層のグラファイト層をもつ微細な炭素繊維であることが好ましい。微細な炭素繊維は、その形状、形態、構造から、主に以下の四つのナノ構造炭素材料が報告されている。
[1]多層カーボンナノチューブ(グラファイト層が多層同心円筒状)(非魚骨状)
特公平3−64606、同3−77288(Hyperion Catalysis International Inc.)
特開2004−299986(三菱マテリアル)
[2]カップ積層型カーボンナノチューブ(魚骨状(フィッシュボーン))
USP 4,855,091(Method for the preparation of carbon filaments)
M.Endo, Y.A.Kime etc.:Appl.Phys.Lett.,vol80(2002)1267〜
特開2003−073928(GSIクレオス)
特開2004−360099(三菱化学)
[3]節型カーボンナノファイバー(非魚骨構造)
J.P.Pinheiro, P.Gadelle etc.:Carbon,41(2003)2949〜2959
P.E.Nolan,M.J.Schabel,D.C.Lynch:Carbon,33[1](1995)79〜85
[4] プレートレット型カーボンナノファイバー(トランプ状)
H.Murayama、 T.maeda,:Nature, vol345[No28](1990)791〜793
特開2004−300631(三菱マテリアル)
本発明には、上記のナノ構造をもつ炭素繊維のほか、下記特徴の構造を有する微細な炭素繊維を用いることができる。該微細な炭素繊維は、図1(a)に示すような釣鐘状構造を最小構造単位として有する。釣鐘(temple bell)は、日本の寺院で見られ、比較的円筒形に近い胴部を有しており、円錐形に近いクリスマスベルとは形状が異なる。図1(a)に示すように、構造単位11は、釣鐘のように、頭頂部12と、開放端を備える胴部13とを有し、概ね中心軸の周囲に回転させた回転体形状となっている。構造単位11は、炭素原子のみからなるグラファイト網面により形成され、胴部開放端の円周状部分はグラファイト網面の開放端となる。なお、図1(a)において、中心軸および胴部13は、便宜上直線で示されているが、必ずしも直線ではなく、後述する図3のように曲線の場合もある。
胴部13は、開放端側に緩やかに広がっており、その結果、胴部13の母線は釣鐘状構造単位の中心軸に対してわずかに傾斜し、両者のなす角θは、15°より小さく、より好ましくは1°<θ<15°、更に好ましくは2°<θ<10°である。θが大きくなりすぎると、該構造単位から構成される微細繊維が魚骨状炭素繊維様の構造を呈してしまい、繊維軸方向の導電性が損なわれてしまう。一方θが小さいと、円筒チューブ状に近い構造となり、構造単位の胴部を構成するグラファイト網面の開放端が繊維外周面に露出する頻度が低くなるため、隣接繊維間の導電性が悪化する。
微細な炭素繊維には、欠陥、不規則な乱れが存在するが、このような不規則性を排除して、全体としての形状を捉えると、胴部13が開放端側に緩やかに広がった釣鐘状構造を有していると言える。微細な炭素繊維は、すべての部分においてθが上記範囲を示すことを意味しているのではなく、欠陥部分や不規則な部分を排除しつつ、構造単位11を全体的に捉えたときに、総合的にθが上記範囲を満たしていることを意味している。そこで、θの測定では、胴部の太さが不規則に変化していることもある頭頂部12付近を除くことが好ましい。より具体的には、例えば、図1(b)に示すように釣鐘状構造単位集合体21(下記参照)の長さをLとすると、頭頂側から(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点においてθを測定してその平均を求め、その値を、構造単位11についての全体的なθとしてもよい。また、Lについては、直線で測定することが理想であるが、実際は胴部13が曲線であることも多いため、胴部13の曲線に沿って測定した方が実際の値に近い場合もある。
頭頂部の形状は、微細な炭素繊維として製造される場合、胴部と滑らかに連続し、上側(図において)に凸の曲面となっている。頭頂部の長さは、典型的には、釣鐘状構造単位集合体について説明するD(図1(b))以下程度であり、d(図1(b))以下程度であるときもある。
さらに、後述するように活性な窒素を原料として使用しないため、窒素等の他の原子は、釣鐘状構造単位のグラファイト網面中に含まれない。このため繊維の結晶性が良好である。
微細な炭素繊維においては、図1(b)に示すように、このような釣鐘状構造単位が中心軸を共有して2〜30個積み重なって釣鐘状構造単位集合体21を形成している。積層数は、好ましくは2〜25個であり、より好ましくは2〜15個である。
釣鐘状構造単位集合体21の胴部の外径Dは、5〜40nm、好ましくは5〜30nm、更に好ましくは5〜20nmである。Dが大きくなると形成される微細繊維の径が太くなるため、ポリマーとのコンポジットにおいて導電性能等の機能を付与するためには、多くの添加量が必要となってしまう。一方、Dが小さくなると形成される微細繊維の径が細くなって繊維同士の凝集が強くなり、例えばポリマーとのコンポジット調製において、分散させることが困難になる。胴部外径Dの測定は、集合体の頭頂側から、(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点で測定して平均することが好ましい。なお、図1(b)に胴部外径Dを便宜上示しているが、実際のDの値は、上記3点の平均値が好ましい。
また、集合体胴部の内径dは、3〜30nm、好ましくは3〜20nm、更に好ましくは3〜10nmである。胴部内径dの測定についても、釣鐘状構造単位集合体の頭頂側から、(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点で測定して平均することが好ましい。なお、図1(b)に胴部内径dを便宜上示しているが、実際のdの値は、上記3点の平均値が好ましい。
釣鐘状構造単位集合体21の長さLと胴部外径Dから算出されるアスペクト比(L/D)は、2〜150、好ましくは2〜50、更に好ましくは2〜20である。アスペクト比が大きいと、形成される繊維の構造が円筒チューブ状に近づき、1本の繊維における繊維軸方向の導電性は向上するが、構造単位胴部を構成するグラファイト網面の開放端が繊維外周面に露出する頻度が低くなるため、隣接繊維間の導電性が悪化する。一方、アスペクト比が小さいと構造単位胴部を構成するグラファイト網面の開放端が繊維外周面に露出する頻度が高くなるため、隣接繊維間の導電性は向上するが、繊維外周面が、繊維軸方向に短いグラファイト網面が多数連結して構成されるため、1本の繊維における繊維軸方向の導電性が損なわれる。
微細な炭素繊維は、図2(a)に示すように、前記集合体がさらにHead−to−Tailの様式で連結することにより形成される。Head−to−Tailの様式とは、微細な炭素繊維の構成において、隣り合った前記集合体どうしの接合部位が、一方の集合体の頭頂部(Head)と他方の集合体の下端部(Tail)の組合せで形成されていることを意味する。具体的な接合部分の形態は、第一の釣鐘状構造単位集合体21aの下端開口部において、最内層の釣鐘状構造単位の更に内側に、第二の釣鐘状構造単位集合体21bの最外層の釣鐘状構造単位の頭頂部が挿入され、さらに、第二の釣鐘状構造単位集合体21bの下端開口部に、第三の釣鐘状構造単位集合体21cの頭頂部が挿入され、これがさらに連続することによって繊維が構成される。この微細な炭素繊維に剪断力を加えることにより、釣鐘状構造単位集合体接合部で黒鉛基底面間の滑りを生じ、微細な炭素繊維は短繊維化されるが、微細な炭素繊維に固体粒子を媒介して剪断力を加えても微細な炭素繊維の基本構造接合部の一部で切断が生じる。このような部分的な短繊維化により得られる微細な炭素繊維は、釣鐘状構造単位集合体が数個から数十個程度、好ましくは、10個から50個程度連結した繊維長さである。この微細な炭素繊維1本のアスペクト比は5ないし200程度である。さらに好ましいアスペクト比は10ないし50である。剪断力を加えても、釣鐘状構造単位集合体の炭素SP2結合から成る繊維直胴部分では、繊維の切断が起こらず、また釣鐘状構造単位集合体よりも小さく切断されることはない。
微細な炭素繊維の1本の微細繊維を形成する各々の接合部分は、構造的な規則性を有しておらず、例えば第一の釣鐘状構造単位集合体と第二の釣鐘状構造単位集合体の接合部分の繊維軸方向の長さは、第二の釣鐘状構造単位集合体と第三の釣鐘状構造単位集合体の接合部分の長さと必ずしも同じではない。また、図2(a)のように、接合される二つの釣鐘状構造単位集合体が中心軸を共有して直線状に連結することもあるが、図2(b)の釣鐘状構造単位集合体21bと21cのように、中心軸が共有されずに接合して、結果として接合部分において屈曲構造を生じることもある。前記釣鐘状構造単位集合体の長さLは繊維ごとにおおむね一定である。しかしながら、気相成長法では、原料及び副生のガス成分と触媒及び生成物の固体成分が混在するため、発熱的な炭素析出反応の実施においては、前記の気体及び固体からなる不均一な反応混合物の流動状態によって一時的に温度の高い局所が形成されるなど、反応器内に温度分布が生じ、その結果、長さLにある程度のばらつきが生じることもある。
微細な炭素繊維は、微細な炭素繊維のXRDにおいて、測定される002面のピーク半価幅W(単位:degree)は、2〜4の範囲である。Wが4を超えると、グラファイト結晶性が低く導電性も低い。一方、Wが2未満ではグラファイト結晶性は良いが、同時に繊維径が太くなり、樹脂等に導電性等の機能を付与するためには多くの添加量が必要となってしまう。
微細な炭素繊維のXRD測定によって求められるグラファイト面間隔d002は、0.350nm以下、好ましくは0.341〜0.348nmである。d002が0.350nmを超えるとグラファイト結晶性が低くなり、導電性が低下する。一方、0.341nm未満の繊維は、製造の際に収率が低い。
微細な炭素繊維に含有される灰分は、4重量%以下であり、通常の用途では、精製を必要としない。通常、0.3重量%以上1.5重量%以下であり、より好ましくは0.3重量%以上1重量%以下である。尚、灰分は、繊維を0.1グラム以上燃焼して残った酸化物の重量から決定される。
また、上記特徴をもつ微細な炭素繊維は、後述の気相成長法による生成直後は数十μmから数mmの塊状に複雑に絡み合った凝集体を形成している。
上記特徴をもつ微細な炭素繊維は、PCT/JP2009/054210に記載があるように、応力により容易にその接合部で分離できる。本発明においても、微細な炭素繊維の凝集体と担体の固体粒子とを後述の方法で混練すると、微細な炭素の凝集体の中に固体粒子が進入し、混練の剪断力が微細な炭素繊維の凝集体に与えられる。これにより、上記構造単位集合体の接合部は互いに隣接する黒鉛基底面で接合しているため、繊維軸に平行な応力が加わることにより黒鉛基底面間で容易に滑りが生じ、構造単位集合体はお互いに引き抜けるように一部切断される。このとき、構造単位集合体がファンデルワールス力で接合した構造であるため、小さなエネルギーで接合部を分離することができ、得られた微細な炭素繊維は何ら損傷を受けることはない。
従って、特に上記特徴をもつ微細な炭素繊維を用いた場合は、繊維切断を出来るだけ抑制しながら効率良く、凝集体を開繊、分散させ、被覆させることができ、導電性に優れる固体粒子が提供される。微細な炭素繊維内において、一部の釣鐘状構造単位集合体の接合部で構造単位間の分離を起こした同部分のグラファイト網面は繊維外周面に露出し、グラファイト層端面はより活性な部位として存在する。この結果、微細な炭素繊維が固体粒子表面に付着し、表面が微細な炭素繊維で被覆された固体粒子が得られる。
混練による剪断力が微細な炭素繊維に加わった状態を図4に示す。この場合、A、B、C点に加えられた力は、B’点を支点とする繊維軸方向に垂直な圧縮力と繊維軸方向に平行な張力として作用する。この張力が本発明の繊維の最も引っ張り強度の低い、言い換えれば、黒鉛AB面間(黒鉛基底面間)ですべりを起こし易い構造単位集合体の接合部で作用し、繊維はこの部分で分離切断される。
<微細な炭素繊維の製造方法>
微細な炭素繊維の製造方法としては、アーク放電法や気相成長法、レーザー法、鋳型法等が知られている。触媒を用いて気相成長法により微細な炭素繊維を製造する場合、触媒としては、好ましくはFe、Co、Ni、Al、MgおよびSiからなる群より選ばれる元素を含む触媒が使用され、供給ガスは、好ましくはCO及びHを含む混合ガスである。最も好ましくは、コバルトのスピネル型結晶構造を有する酸化物に、マグネシウムが固溶置換した触媒を用いて、CO及びHを含む混合ガスを触媒粒子に供給して気相成長法により、微細な炭素繊維を製造する。以下、気相成長法による上記釣鐘状構造体を有する微細な炭素繊維の製造方法について、一例として説明する。
上記釣鐘状構造単位を有する微細な炭素繊維は、コバルトのスピネル型結晶構造を有する酸化物に、マグネシウムが固溶置換した触媒を用いて、CO及びHを含む混合ガスを触媒粒子に供給して気相成長法により、製造する。
Mgが置換固溶したコバルトのスピネル型結晶構造は、MgCo3−xで表される。ここで、xは、MgによるCoの置換を示す数であり、形式的には0<x<3である。また、yはこの式全体が電荷的に中性になるように選ばれる数で、形式的には4以下の数を表す。即ち、コバルトのスピネル型酸化物Coでは、2価と3価のCoイオンが存在しており、ここで、2価および3価のコバルトイオンをそれぞれCoIIおよびCoIIIで表すと、スピネル型結晶構造を有するコバルト酸化物はCoIICoIII で表される。Mgは、CoIIとCoIIIのサイトの両方を置換して固溶する。MgがCoIIIを置換固溶すると、電荷的中性を保つためにyの値は4より小さくなる。但し、x、y共に、スピネル型結晶構造を維持できる範囲の値をとる。
触媒として使用できる好ましい範囲として、Mgの固溶範囲は、xの値が0.5〜1.5であり、より好ましくは0.7〜1.5である。xの値が0.5未満の固溶量では、触媒の活性は低く、生成する微細な炭素繊維の量は少ない。xの値が1.5を超える範囲では、スピネル型結晶構造を調製することが困難である。
触媒のスピネル型酸化物結晶構造は、XRD測定により確認することが可能であり、結晶格子定数a(立方晶系)は、0.811〜0.818nmの範囲であり、より好ましくは0.812〜0.818nmである。aが小さいとMgの固溶置換が充分でなく、触媒活性が低い。また、0.818nmを超える格子定数を有する前記スピネル型酸化物結晶は調製困難である。
このような触媒が好適である理由として、本発明者らは、コバルトのスピネル構造酸化物にマグネシウムが置換固溶した結果、あたかもマグネシウムのマトリックス中にコバルトが分散配置された結晶構造が形成されることにより、反応条件下においてコバルトの凝集が抑制されていると推定している。
また、触媒の粒子サイズは、適宜選ぶことができるが、例えばメジアン径として、0.1〜100μm、好ましくは、0.1〜10μmである。
触媒粒子は、一般に基板または触媒床等の適当な支持体に、散布するなどの方法により載せて使用する。基板または触媒床への触媒粒子の散布は、触媒粒子を直接散布して良いが、エタノール等の溶媒に懸濁させて散布し、乾燥させることにより所望の量を散布しても良い。
触媒粒子は、原料ガスと反応させる前に、活性化させることも好ましい。活性化は通常、HまたはCOを含むガス雰囲気下で加熱することにより行われる。これらの活性化操作は、必要に応じて、HeやNなどの不活性ガスで希釈することにより実施することができる。活性化を実施する温度は、好ましくは400〜600℃、より好ましくは450〜550℃である。
気相成長法の反応装置に特に制限はなく、固定床反応装置や流動床反応装置といった反応装置により実施することができる。
気相成長の炭素源となる原料ガスは、CO及びHを含む混合ガスが利用される。
ガスの添加濃度{H/(H+CO)}は、好ましくは0.1〜30vol%、より好ましくは2〜20vol%である。添加濃度が低すぎると円筒状のグラファイト質網面が繊維軸に平行したカーボンナノチューブ様の構造を形成してしまう。一方、30vol%を超えると釣鐘状構造体の炭素側周面の繊維軸に対する傾斜角が大きくなり、魚骨形状を呈するため繊維方向の導電性の低下を招く。
また、原料ガスは不活性ガスを含有していてもよい。不活性ガスとしては、CO、N、He、Ar等が挙げられる。不活性ガスの含有量は、反応速度を著しく低下させない程度が好ましく、例えば80vol%以下、好ましくは50vol%以下の量である。また、HおよびCOを含有する合成ガスまたは転炉排出ガス等の廃棄ガスを、必要により適宜処理して使用することもできる。
気相成長を実施する反応温度は、好ましくは400〜650℃、より好ましくは500〜600℃である。反応温度が低すぎると繊維の成長が進行しない。一方、反応温度が高すぎると収量が低下してしまう。反応時間は、特に限定されないが、例えば2時間以上であり、また12時間程度以下である。
気相成長を実施する反応圧力は、反応装置や操作の簡便化の観点から常圧で行うことが好ましいが、Boudouard平衡の炭素析出が進行する範囲であれば、加圧または減圧の条件で実施しても差し支えない。
この微細な炭素繊維の製造方法によれば、触媒単位重量あたりの微細な炭素繊維の生成量は、従来の製造方法に比べて格段に大きいことが示された。この微細な炭素繊維の製造方法による微細な炭素繊維の生成量は、触媒単位重量あたり40倍以上であり、例えば40〜200倍である。その結果、前述のような不純物、灰分の少ない微細な炭素繊維の製造が可能である。
この微細な炭素繊維の製造方法により製造される微細な炭素繊維に特有な接合部の形成過程は明らかではないが、発熱的なBoudouard平衡と原料ガスの流通による除熱とのバランスから、前記触媒から形成されたコバルト微粒子近傍の温度が上下に振幅するため、炭素析出が断続的に進行することにより形成されるものと考えられる。即ち、[1]釣鐘状構造体頭頂部形成、[2]釣鐘状構造体の胴部成長、[3]前記[1]、[2]過程の発熱による温度上昇のため成長停止、[4]流通ガスによる冷却、の4過程が触媒微粒子上で繰り返されることにより、微細な炭素繊維構造特有の接合部が形成されると推定される。
<固体粒子>
本発明において使用される担体の固体粒子の形状は、特に限定されないが、球状もしくは擬似球状(棒状、紡錘状、多面体粒子)が好適である。大きさは、好ましくは粒径0.01μm以上、100μm未満、より好ましくは粒径0.02μm以上、53μm未満である。粒径が小さすぎると微細な炭素繊維の凝集体の大きさに対し無機物粉末の粒子径が小さいため剪断力が弱く、凝集体の開繊が進まない。粒径が大きすぎると微細な炭素繊維の凝集体に侵入することが困難となり開繊効果が低下する。
本発明に好適な被覆担体となる固体粒子としては、特に限定されないが、酸化物、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、フッ化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、硫化物、および水素化物等の無機化合物および有機物が挙げられ、通常の各種機能性フィラーが利用できる。具体的には炭素粒子、黒鉛粒子、黒鉛炭素複合粒子、チタン酸リチウム粒子、コバルト酸リチウム粒子、ニッケル酸リチウム粒子、マンガン酸リチウム粒子、燐酸鉄リチウム粒子、前記リチウム化合物の混合物の粒子等のリチウムイオン電池活物質の他に、顔料(硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化錫、酸化ジルコニウム、コバルトブルー、チタンイエロー等)、導電性フィラー(銀、銅、ニッケル、Alドープ酸化亜鉛、ITO、ATO、ITO又はATO被覆二酸化チタン、窒化物、炭化物、ホウ化物)、磁性フィラー(フェライト、Sm/Co、Nd/Fe/B等)、熱伝導性フィラー(Ag、BN、AlN、Al)、耐熱性フィラー(粘土鉱物、タルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム等)、難燃性フィラー(ホウ酸亜鉛、赤燐、リン酸アンモニウム、水酸化マグネシウム等)、防音防振性フィラー(鉄粉、硫酸バリウム、フェライト等)、熱線輻射フィラー(ハイドロタルサイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等)等、ゴム加硫剤(硫黄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム)、有機ポリマー粒子(ポリイミド粒子、ポリアミド粒子、ポリプロピレン粒子等)があげられる。
<溶媒>
本発明においては、混練の際には溶媒を用いてもよいし、無溶媒でもよい。溶媒を用いる場合は、微細な炭素繊維および固体粒子と親和性のあるものが好ましく、例えば非プロトン性極性溶媒(N−メチルー2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等)、アルコール類(エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール等)、芳香族化合物(キシレン、シクロヘキサノール、トルエン等)、水等が挙げられ、特にエタノール、N−メチルー2−ピロリドン、水、キシレンが好ましい。
<微細な炭素繊維で覆われた粒子の製造方法>
本発明においては、大きさが0.01μm以上、100μm未満の固体粒子と、微細な炭素繊維の凝集体とを混合し、下記のように剪断力を加える。これにより、微細な炭素繊維の凝集体が開繊され、微細な炭素繊維が分散付着された固体粒子が得られる。
<混練>
本発明の剪断力を加えることができる装置としては、特に限定されないが、例えば、乳鉢、ボールミル、遠心ボールミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、アトライタータイプの高速ボールミル、ロールミル等を用いることができる。
混練時間は、特に限定されないが、15秒以上、180分以下が好ましく、30秒以上、150分以下がより好ましい。混練時間が長すぎると微細な炭素繊維が固体粒子表面に付着されず粒子内部に入り被覆効果が低下し、短すぎると微細な炭素繊維凝集体の開繊が進まず固体粒子の分散付着が十分ではない。
混練する際の各成分の供給量は、溶媒を用いる場合は、固体粒子の100重量部に対して、微細な炭素繊維の凝集体は、0.1重量部以上、10重量部以下が好ましく、0.3重量部以上、8重量部以下がより好ましく、溶媒は、0.1重量部以上、200重量部以下、好ましくは0.2重量部以上、100重量部以下で用いる。溶媒を用いない場合は、固体粒子の100重量部に対し、微細な炭素繊維の凝集体を0.1重量部以上、10重量部以下で、好ましくは0.2重量部以上、8重量部以下で用いる。
<固着>
本発明の微細な炭素繊維で覆われた固体粒子においては、微細な炭素繊維が、固体粒子の表面に、固定、固着されていてもよい。微細な炭素繊維の凝集体と固体粒子のみを混練した場合、微細な炭素繊維は、単に静電気力、凝集力(ファンデルワールス力)で固体粒子表面に分散付着していると考えられる。したがって、例えば、表面に微細な炭素繊維が分散付着した固体粒子を用いて各種溶媒中でスラリーを調製する場合等は、粒子表面の微細な炭素繊維が剥がれて溶媒中で再凝集し、微細な炭素繊維と固体粒子の分離が起こりやすい。そのため、微細な炭素繊維を固体粒子表面に固定、固着することが好ましい場合がある。
分散付着した微細な炭素繊維を固体粒子表面に固定する方法として、結着剤を用いる方法と、結着剤は用いずに固体粒子の表面に固定する方法が挙げられる。
結着剤を用いる場合、例えば、炭素、水系結着剤、非水系結着剤、あるいはフッ素系結着剤を用いることができる。炭素を用いる方法としては、炭素前駆体を用いる方法やCVD法を用いる方法等が挙げられる。
炭素前駆体を用いる場合は、炭素前駆体をそのまま、または溶媒に溶解した溶液を、微細な炭素繊維および固体粒子と共に前述のように混練し、微細な炭素繊維を開繊し分散した後、混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理する。これにより、前駆体が炭素に転換され、微細な炭素繊維が炭素を介して表面に分散結着された固体粒子が得られる。炭素前駆体としては、コールタール、コールタールピッチ、石油系重質油、石油系ピッチ、蔗糖などの多価アルコール、フェノール樹脂やフラン樹脂などを用いることができる。
CVD法を用いる場合は、前述のように微細な炭素繊維と固体粒子を溶媒と共に、または溶媒を用いることなく混練し、開繊して分散した微細な炭素繊維を固体粒子の表面に付着させた後、該固体粒子を炭化用熱処理炉に導入し、有機物をガス状にして炭化用熱処理炉に供給する。これにより、固体粒子の表面上に炭素が析出し、微細な炭素繊維が炭素を介して固定される。CVD用有機物としては、メタンやエタンなどのC1からC10程度の飽和炭化水素、アセチレン、エチレンなどのC2からC5程度の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノールなどのアルコール類を用いることができる。
炭素前駆体の炭化温度およびCVD処理温度は、担体粒子自身の高温変態と炭素との反応性により制限される。炭素前駆体を炭素化するときの温度は、高いほど好ましいが、固体粒子の機能を阻害する溶融変形や結晶構造の変化を来たさない温度に留めることが好ましい。例えば、コバルト、マンガン、ニッケルの酸化物は高温度では還元され熱処理前とは全く異なる化合物に変化してしまう。熱処理により還元を受けないリン酸鉄リチウムでも粒子は500℃以上で溶融を開始し、粒子表面積の低下と粒子合体を起こす。したがってリン酸鉄リチウムの場合でも炭素前駆体の炭化温度およびCVD温度は450℃〜900℃が好ましい。シリカ、アルミナ、ジルコニア等の場合、固体粒子に添加した炭素前駆体の炭化処理やCVD処理によっても構造変化が起きないか少ないため、炭化温度やCVD温度は1000℃以上とすることもできる。
上記炭素化等に伴う熱処理においては、材料および熱処理温度に依存するが、粒子が溶融合体することもある。これにより粒子表面が減少し、この結果表面に分散付着していた微細な炭素繊維は粒子界面に局在化することになる。この結果導電チャンネルが増大して粒子の導電性は向上するという効果が得られる。
水系結着剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、CMCなどのセルロース類、蔗糖等が挙げられ、非水系結着剤としては、タール、ピッチ等が挙げられ、またはフッ素系結着剤としては、ポリビニルフルオライド等が挙げられる。これらの結着剤は、固体粒子が、炭化時に還元が起きるコバルト、マンガン、ニッケルの酸化物であるときや、加熱溶融する有機物ポリマー粒子に特に好適に使用される。
なお、微細な炭素繊維の表面固定に要する結着剤量は、微細な炭素繊維に対して50質量%以下、好ましくは20質量%以下である。
一方、結着剤は用いずに、微細な炭素繊維を固体粒子の表面に直接固着することも可能である。例えば、製造された微細な炭素繊維が分散付着された粒子を、焼結または一部溶融させることで固着することができる。また、固体粒子を溶解または軟化させる溶媒を適量加えて固体粒子と微細な炭素繊維を混練することで、微細な炭素繊維を固体粒子の表面に固定できる。
<微細な炭素繊維で覆われた粒子>
本発明の微細な炭素繊維で覆われた固体粒子においては、固体粒子を被覆する微細な炭素繊維の被覆量は、総質量に対して、0.1以上、10質量%以下、より好ましくは0.25以上、7.5質量以下、最も好ましくは0.5以上、5質量%以下である。0.1質量%未満は、機能性の発現が見られず、10質量%越えても効果は変わらない。
<微細な炭素繊維に覆われた粒子の用途>
本発明に用いる微細な炭素繊維は、黒鉛構造を有するため、高い熱伝導性や摺動性、さらには高い引っ張り強度と弾性率を有する。従って、この微細な炭素繊維を被覆した固体粒子は、導電材、導電化補助材として有用なだけでなく、樹脂や無機材料と複合化することによる熱伝導性材料、摺動性材料、難燃化材料および補強材料のフィラーとして、ならびに研磨材として有用である。
以下に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
実施例で使用した微細な炭素繊維は次の通りである。
<参考例>
[1]微細な炭素繊維A:グラファイト質釣鐘状構造単位を有する微細な炭素繊維
イオン交換水500mLに硝酸コバルト〔Co(NO・6HO:分子量291.03〕115g(0.40モル)、硝酸マグネシウム〔Mg(NO・6HO:分子量256.41〕102g(0.40モル)を溶解させ、原料溶液(1)を調製した。また、重炭酸アンモニウム〔(NH)HCO:分子量79.06〕粉末220g(2.78モル)をイオン交換水1100mLに溶解させ、原料溶液(2)を調製した。次に、反応温度40℃で原料溶液(1)と(2)を混合し、その後4時間攪拌混合した。生成した沈殿物のろ過、洗浄を行い、乾燥した。
これを焼成した後、乳鉢で粉砕し、43gの触媒を取得した。本触媒中のスピネル構造の結晶格子定数a(立方晶系)は0.8162nm、置換固溶によるスピネル構造中の金属元素の比はMg:Co=1.4:1.6であった。
石英製反応管(内径75mmφ、高さ650mm)を立てて設置し、その中央部に石英ウール製の支持体を設け、その上に触媒0.9gを散布した。He雰囲気中で炉内温度を550℃に加熱した後、CO、Hからなる混合ガス(容積比:CO/H=95.1/4.9)を原料ガスとして反応管の下部から1.28L/分の流量で7時間流し、微細な炭素繊維凝集体を合成した。
収量は53.1gであり、灰分を測定したところ1.5重量%であった。生成物のXRD分析で観察されたピーク半価幅W(degree)は3.156、d002は0.3437nmであった。本参考例で得られた微細な炭素繊維AのTEM像を図3に示す。TEM画像から、得られた微細な炭素繊維を構成する釣鐘状構造単位及びその集合体の寸法に関するパラメータは、D=12nm、d=7nm、L=114nm、L/D=9.5、θは0から7°であり、平均すると約3°であった。また、集合体を形成する釣鐘状構造単位の積層数は約10であった。尚、D、dおよびθについては、集合体の塔頂から(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点について測定した。
[2]微細な炭素繊維B:同心円状多層カーボンナノチューブ(アルドリッチ試薬)
外径5〜25nm、内径3〜10nm、層数3〜17、長さ0.5〜10μm、アスペクト比50〜400)の極細炭素繊維が毛玉状に集合した凝集体(毛玉外径5〜100μm、空孔直径500nm)。
<実施例1>
平均幅30nm、厚さ5nm、長さ80nmのリン酸鉄リチウム94質量部に対し、微細な炭素繊維A5質量部、炭素前駆体としてコールタール2.6質量部(炭化歩留まり38wt%)、溶媒としてエタノールを適当量加えて混合後、本体内径直径5cmメノウ製ボール遠心遊星ミルを用いて、回転数250RPMで2時間混合した。尚、用いたボールはメノウ製であり、その直径10mmであった。混合終了後、混合物は磁性坩堝にいれ、750℃、1時間窒素気流中で熱処理した。熱処理後の微細な炭素繊維Aが分散被覆されたリチウム化燐酸鉄を走査電子顕微鏡で観察したところ、図5のように微細な炭素繊維Aは粒子界面に局在するものの視野全体に均一分散している状態が観察できた。また微細な炭素繊維のアスペクト比は20ないし50程度に減少していた。炭素を結着剤とした微細な炭素繊維Aが分散被覆されたリン酸鉄リチウムを100kg/cmGに加圧し、直流抵抗計で測定したところ体積抵抗率は2×10Ω・cmであった。
微細な炭素繊維Aが分散被覆されたリン酸鉄リチウムに対し5wt%のPVDFを結着剤として用い、溶媒をNMPとしてPETフィルム上に100μmの厚みで塗工膜を調製した。乾燥後の極細炭素繊維分散被覆リン酸鉄リチウム塗工膜の表面抵抗率は、低抵抗率計ロレスタGP(MCP−T610)および高抵抗率計ハイレスタUP(MCP−HT450)((株)ダイヤインスツルメンツ製)で測定し、表面抵抗率は3×10Ω/□であった。
<実施例2>
実施例1と同一のリン酸鉄リチウムと微細な炭素繊維AとBを用い、表1の条件でリン酸鉄リチウムと微細な炭素繊維の組成および熱処理条件を変化させて微細な炭素繊維被覆リン酸リチウムを調製し、実施例1と同一の方法でそれぞれの体積抵抗率とPETフィルム上に調製した塗工膜の表面抵抗率を測定した。
<比較例1〜2>
実施例1の微細な炭素繊維をケッチェンブラックEC600JD(ケッチェン・ブラック・インターナショナル(株)製)に変えた以外すべて同様の方法でケッチェンブラックが分散被覆されたリン酸鉄リチウムを調製し、実施例1と同一の方法でそれぞれの体積抵抗率とPETフィルム上に調製した塗工膜の表面抵抗率を測定した。
その結果を表1に示す。
<実施例3>
多面体擬似球形状マンガン酸リチウム(平均粒子径15μm、粉末体積抵抗率3×10Ω・cm)99質量部に対し、微細な炭素繊維A1質量部、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適当量加えて混合後、3本ロールミルで剪断混練し、溶媒を210℃にて乾燥させた。微細な炭素繊維分Aが分散被覆されたマンガン酸リチウムを走査電子顕微鏡で観察したところ図6A、図6Bのように微細な炭素繊維Aがマンガン酸リチウム表面に均一分散している状態が観察できた。微細な炭素繊維で覆われたマンガン酸リチウムの粉末抵抗率は、4×10Ω・cmを示した。
<実施例4>
真球状ポリイミド粉末(宇部興産製(株)UIP−R(平均粒子径6.4μm)と、微細な炭素繊維Aと、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適当量加えて混合後し、3本ロールミルで剪断混練し、溶媒を210℃にて乾燥させた。微細な炭素繊維で被覆、固定化されたポリイミド粉末の体積抵抗率を表2に、また走査電子顕微鏡による観察を図7A、図7Bに示した。
<実施例5>
多面体擬似球形状チタン酸リチウム(本荘ケミカル(株)製 比表面積3.4m/g、嵩密度0.29g/m、平均一次粒子径0.5μm、粉末体積抵抗率4×10Ω・cm)98質量部に対し、微細な炭素繊維A2質量部、溶媒としてN−メチルピロリドンを適当量加えて混合後、3本ロールミルで剪断混練し、溶媒を210℃にて乾燥させた。微細な炭素繊維で覆われたチタン酸リチウムの粉末抵抗率は、5×10Ω・cmを示した。また微細な炭素繊維分Aを分散被覆したチタン酸リチウムの走査電子顕微鏡による観察を図8に示した。微細な炭素繊維で被覆されたチタン酸リチウムは、嵩密度0.6g/mと増大し、粉体の流動性が増加した。
本発明の微細な炭素繊維で被覆された固体粒子は、黒鉛構造を有する微細な炭素に覆われているため高い熱伝導性や摺動性等を保持した導電化材、導電化補助材として有用である。さらに、樹脂や無機材料と複合化することによる熱伝導性材料、摺動性材料、難燃化材料および補強材料のフィラーとして、あるいは研磨材として有用である。また、電気電子分野や自動車分野におけるエネルギーデバイス材料、電磁波遮蔽材料、帯電防止材料の用途にも有用である。
11 構造単位
12 頭頂部
13 胴部
21、21a、21b、21c 集合体

Claims (14)

  1. 大きさが0.01μm以上、100μm未満の粒子と、
    この粒子の表面を覆う開繊された微細な炭素繊維と、
    を有する微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  2. 微細な炭素繊維が、表面に直接固着されていることを特徴とする請求項1に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  3. 微細な炭素繊維が、炭素を介して表面に固着されていることを特徴とする、請求項1に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  4. 前記粒子が、ポリイミド、ポリアミドまたはポリプロピレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  5. 前記粒子が、電池活物質であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  6. 前記微細な炭素繊維が、気相成長法により製造され、そのグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する構造単位を形成し、前記構造単位が、中心軸を共有して2〜30個層状に積み重なって集合体を形成し、前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成していること特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  7. 前記微細な炭素繊維において、繊維軸方向に対し15°より小さな角度で黒鉛AB面(黒鉛基底面)が配列したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  8. 前記微細な炭素繊維において、前記集合体胴部の端の外径Dが5〜40nm、内径dが3〜30nmであり、該集合体のアスペクト比(L/D)が2〜150であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  9. 前記微細な炭素繊維が、Fe、Co、Ni、Al、MgおよびSiからなる群より選ばれる元素を含む触媒を用いた気相成長法により製造され、該微細な炭素繊維中の灰分が4重量%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  10. 前記微細な炭素繊維が、マグネシウムが置換固溶したコバルトのスピネル型酸化物を含む触媒上に、CO及びHを含む混合ガスを供給して反応させ、微細な炭素繊維を成長させることにより製造されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  11. 前記スピネル型酸化物を、MgCo3−xで表したとき、マグネシウムの固溶範囲を示すxの値が、0.5〜1.5であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維で覆われた粒子。
  12. 前記微細な炭素繊維の含有量が、総質量の0.1質量%以上、10質量%以下の量であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の微細な炭素繊維に覆われた粒子。
  13. 微細な炭素繊維の凝集体と、
    大きさが0.01μm以上、100μm未満の粒子とを、剪断力を加えて混練する工程を含む、微細な炭素繊維で覆われた粒子の製造方法。
  14. 前項において、さらに、焼成する工程、または粒子の一部を溶融させる工程を含むことを特徴とする微細な炭素繊維で覆われた粒子の製造方法。
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