JP5626227B2 - 導電性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
(b)前記樹脂成分中に分散され、炭素原子のみから構成されるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個積み重なって集合体を形成し、前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成している微細な炭素繊維
を含有する導電性樹脂組成物。
(b)前記(a)の工程で作製される分散液に、アルコールあるいは金属塩水溶液を加えて、複合材料を析出させる工程、および
(c)前記複合材料を濾過、洗浄および乾燥する工程
を含むことを特徴とする上記10に記載の導電性バインダーの製造方法。
(1)多層カーボンナノチューブ(グラファイト層が多層同心円筒状)(非魚骨状)
特公平3−64606、同3−77288
特開2004−299986
(2)カップ積層型カーボンナノチューブ(魚骨状(フィッシュボーン))
USP 4,855,091
M.Endo,
Y.A.Kim etc.:Appl.Phys.Lett.,vol80(2002)1267〜
特開2003−073928
特開2004−360099
(3)プレートレット型カーボンナノファイバー(トランプ状)
H.Murayama、
T.maeda,:Nature, vol345[No28](1990)791〜793
特開2004−300631
の3つのナノ構造炭素材料に大別される。
本発明の組成物中に配合される微細な炭素繊維および微細な炭素短繊維の代表的な特徴および代表的な製造方法は、次の項目にまとめられる。
炭素原子のみから構成されるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、好ましくは前記胴部の母線と繊維軸とのなす角θが15°より小さく、
前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個積み重なって集合体を形成し、
前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成していることを特徴とする微細な炭素繊維。
まず、微細な炭素繊維の製造方法は、次のとおりである。微細な炭素繊維は、触媒を用いて、気相成長法により製造される。触媒としては、好ましくはFe、Co、Ni、Al、MgおよびSiからなる群より選ばれる元素を含む触媒が使用され、供給ガスは、好ましくはCO及びH2を含む混合ガスである。最も好ましくは、コバルトのスピネル型結晶構造を有する酸化物に、マグネシウムが固溶置換した触媒を用いて、CO及びH2を含む混合ガスを触媒粒子に供給して気相成長法により、微細な炭素繊維を製造する。
以上により、微細な炭素繊維を製造することができる。次に、微細な炭素短繊維は、微細な炭素繊維を分離して短繊維とすることで製造することができる。好ましくは、微細な炭素繊維にずり応力を加えることにより製造する。具体的な短繊維化処理方法としては擂潰機、回転ボールミル、遠心ボールミル、遠心遊星ボールミル、ビーズミル、マイクロビーズミル、アトライタータイプの高速ボールミル、回転ロッドミル、振動ロッドミル、ロールミル、3本ロールミルなどが好適である。微細な炭素繊維の短繊維化は乾式でも、湿式でも行うことが可能である。湿式で行う場合、樹脂を共存させて、或は樹脂とフィラーを共存させて行うことも出来る。また短繊維化前の微細な炭素繊維は凝集した毛玉のような状態を構成しているので、このような状態を解きほぐす微小なメディアを共存させると解砕、短繊維化が進みやすい。また、微細なフィラーを共存させることで、微細な炭素繊維の短繊維化と、フィラーの混合および分散とを同時に行うことも出来る。乾式短繊維化における雰囲気は不活性雰囲気も酸化雰囲気も目的によって選択することが出来る。
本発明において、微細な炭素繊維または微細な炭素短繊維が分散される樹脂成分としては、種々の樹脂を使用することができる。
本発明の導電性樹脂組成物は、上述の微細な炭素繊維(微細な炭素短繊維を包含する)と樹脂成分を含有するものであり、微細な炭素繊維の優れた分散性のため、「従来の極細炭素繊維」に比べて広範囲で配合量を変化させることができる。微細な炭素繊維の配合量は、目的の導電性が得られる範囲で、かつ成形性の低下、成形品の機械的特性の低下を招かない範囲で適宜変更することができる。一般的には、配合量は、組成物総質量に対して、0.1〜40質量%、より好ましくは0.25〜10質量%、より好ましくは0.5〜8質量%である。
(a)樹脂成分の水分散液および/または水溶液に、微細な炭素繊維(微細な炭素短繊維を含む)とストラクチュア構造を有する炭素材料を、剪断力を有する攪拌機にて分散させる工程、
(b)前記(a)の工程で作製される分散液に、アルコールあるいは金属塩水溶液を加えて、複合材料を析出させる工程、
(c)前記複合材料を濾過、洗浄および乾燥する工程
<参考例A1>
イオン交換水500mLに硝酸コバルト〔Co(NO3)2・6H2O:分子量291.03〕115g(0.40モル)、硝酸マグネシウム〔Mg(NO3)2・6H2O:分子量256.41〕102g(0.40モル)を溶解させ、原料溶液(1)を調製した。また、重炭酸アンモニウム〔(NH4)HCO3:分子量79.06〕粉末220g(2.78モル)をイオン交換水1100mLに溶解させ、原料溶液(2)を調製した。次に、反応温度40℃で原料溶液(1)と(2)を混合し、その後4時間攪拌した。生成した沈殿物のろ過、洗浄を行い、乾燥した。
イオン交換水900mLに硝酸コバルト〔Co(NO3)2・6H2O:分子量291.03〕123g(0.42モル)を溶解させた後、さらに酸化マグネシウム(MgO:分子量40.30)17g(0.42モル)を加えて混合し原料スラリー(1)を調製した。また、重炭酸アンモニウム〔(NH4)HCO3:分子量79.06〕粉末123g(1.56モル)をイオン交換水800mLに溶解させ、原料溶液(2)を調製した。次に、室温で原料スラリー(1)と原料溶液(2)を混合し、その後2時間攪拌した。生成した沈殿物のろ過、洗浄を行い、乾燥した。これを焼成した後、乳鉢で粉砕し、48gの触媒を取得した。本触媒中のスピネル構造の結晶格子定数a(立方晶系)は0.8150nm、置換固溶によるスピネル構造中の金属元素の比はMg:Co=1.2:1.8であった。
硝酸マグネシウムの代わりに酢酸マグネシウム〔Mg(OCOCH3)2・4H2O:分子量214.45〕86g(0.40モル)を用いたほかは、参考例A1と同様に触媒調製を行った。得られた触媒中のスピネル構造の結晶格子定数a(立方晶系)は0.8137nm、置換固溶によるスピネル構造中の金属元素の比はMg:Co=0.8:2.2であった。
参考例A1と同様にして得た触媒を用いて、石英製反応管(内径75mmφ、高さ650mm)を立てて設置し、その中央部に石英ウール製の支持体を設け、その上に触媒0.9gを散布した。He雰囲気中で炉内温度を545℃に加熱した後、CO、H2からなる混合ガス(容積比:CO/H2=95.5/4.5)を原料ガスとして反応管の下部から1.45L/分の流量で7時間流し、微細な炭素繊維を合成した。
実施例、比較例で使用した各材料は次のとおりである。
(1)多層カーボンナノチューブ(アルドリッチ試薬):
外径5〜25nm、内径3〜10nm、層数3〜17、長さ0.5〜10μm
(2)プレートレット型カーボンナノファイバー((株)ジェムコ製CNF−P):
外径20〜100nm、長さ0.1〜1μm
(1)低密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)製LF441H)
(2)ポリアミド6(宇部興産(株)製UBEナイロン1010X1)
(3)ポリアミド6(宇部興産(株)製UBEナイロン1030B)
(4)ポリアミド66(宇部興産(株)製UBEナイロン2015B)
(5)ポリアミド6/66(宇部興産(株)製UBEナイロン5013B)
(6)ポリアミド6/66(宇部興産(株)製UBEナイロン5034B)
(7)ポリアミド6/66/12(宇部興産(株)製TERPALEX6434B)
(8)ポリアミド12(宇部興産(株)製UBESTA3012U)
(9)ポリアミド12(宇部興産(株)製UBESTA3030XA)
(10)アモルファスポリアミド(三井デユポンポリケミカル(株)製シーラー)
(11)ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ユーピロン H−4000、S−3000、E−2000)
(12)シリコーンゴム(東レダウコーニング(株)ゴム硬度30)
炭素繊維の粉末体積抵抗値は、粉体抵抗測定システムMCP−PD51型((株)ダイヤインスツルメンツ製)、樹脂組成物の体積抵抗値は、低抵抗率計ロレスタGP(MCP−T610)および高抵抗率計ハイレスタUP(MCP−HT450)((株)ダイヤインスツルメンツ製)で測定した。ゴム硬度は高分子計器(株)製アスカーゴム硬度計A型で測定した。
参考例A1と同様にして製造した微細な炭素繊維と低密度ポリエチレン樹脂とを適当量配合し、3本ロールミルで160℃にて均一に加熱溶融混合して、繊維を樹脂中に分散させた。得られた溶融組成物をペレット化して、導電性樹脂組成物を得た。このペレットをフィルム成形機により厚さ50μmのフィルムに溶融成形した。得られたフィルムの体積抵抗値(Ω・cm)(印加電圧10V)の測定結果を、配合組成とともに表1に示す。
カーボンナノチューブおよびトランプ状(プレートレット)炭素繊維と、低密度ポリエチレン樹脂とを実施例1と同様に配合、溶融混合、フィルム成形を行った。得られたフィルムの体積抵抗値の結果を、配合組成とともに表1に示す。
微細な炭素繊維とシリコーン生ゴムとを適当量配合し、3本ロールミルで均一に混合、分散し、導電性シリコーン組成物を得た。これを500μmの厚みにシート状に成形し、加硫した。シートの体積抵抗値(Ω・cm)(印加電圧10V)とゴム硬度を、配合組成とともに表2に示す。
参考例B1と同様に24ボールミル処理して得た微細な炭素短繊維と、シリコーン生ゴムとを適当量配合し、実施例2と同様の方法で3本ロールミルで均一に混合、分散し、導電性シリコーン組成物を得た。これを500μmの厚みにシート状に成形し、加硫した。シートの体積抵抗値(Ω・cm)(印加電圧10V)とゴム硬度を、配合組成とともに表2に示す。
カーボンナノチューブとシリコーンゴムとを実施例2と同様に、配合、混合し、シート成形、加硫を行った。得られたシートの体積抵抗値の結果を、配合組成とともに表2に示す。カーボンナノチューブ20質量%の配合物は、シリコーンゴムが硬くなり、シート化ができなかった。
微細な炭素繊維を7質量%、アモルファスポリアミドを93質量%で配合し、ヘンシェルミキサーで予備混合した後、配合物を二軸押出機により250℃で溶融混合し、溶融混合物をペレット化して導電性樹脂組成物を得た。このペレットを270℃にて溶融紡糸機(300デニール、48穴)を通して、ポリアミド繊維を得た。得られた糸の外径は、SEM観察から50μmで、単位長さ当たりの電気抵抗値(印加電圧10V)は7×109Ω/cmであった。
カーボンナノチューブ7質量%を、実施例3と同様に、アモルファスポリアミドに溶融混合、ペレット化し、溶融紡糸を行ったが、糸切れし、紡糸ができなかった。
微細な炭素繊維を7質量%、ナイロン6(宇部興産(株)製1010X1;相対粘度2.00)を93質量%で配合し、ヘンシェルミキサーで予備混合した後、配合物を二軸押出機により250℃で溶融混合しペレット化して導電性樹脂組成物を得た。このペレットを250℃にて射出成形し、ASTM規格に準拠して樹脂特性を測定した。またこのペレットを250℃にて溶融プレス成形し、体積抵抗値を測定した。結果を表3に示す。
ナイロン6(宇部興産(株)製1030B;相対粘度4.07)を使用した以外は、実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表3に示す。
実施例5で用いたナイロン6を用いて、微細な炭素繊維を用いることなく、実施例5の方法で樹脂物性を測定した。結果を表3に示す。
ナイロン66(宇部興産(株)製2015B;相対粘度2.45)を使用し、ペレット化のときの二軸押出機の温度を280℃、ペレットの射出成形のときの温度を280℃、ペレットの溶融プレス成形のときの275℃に設定した以外は実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表4に示す。
実施例7で用いたナイロン66を用いて、微細な炭素繊維を用いることなく、実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表4に示す。
ナイロン6/66共重合体(宇部興産(株)製5013B;相対粘度2.45;ナイロン6とナイロン66の成分比が85/15)を使用した以外は実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表5に示す。
ナイロン6/66共重合体(宇部興産(株)製5034B;相対粘度4.05;ナイロン6とナイロン66の成分比が80/20)を使用した以外は実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表5に示す。
実施例8で用いたナイロン6/66共重合体を用いて、微細な炭素繊維を用いることなく、実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表5に示す。
ナイロン6/66/12共重合体(宇部興産(株)製6434B;相対粘度4.05;ナイロン6とナイロン66とナイロン12との成分比が80/10/10)を使用し、ペレット化のときの二軸押出機の温度を230℃、ペレットの射出成形のときの温度を230℃、ペレットの溶融プレス成形のときの235℃に設定した以外は実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表6に示す。
実施例10で用いたナイロン6/66/12共重合体を用いて、微細な炭素繊維を用いることなく、実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表6に示す。
ナイロン12(宇部興産(株)製3012U;相対粘度1.60)を使用し、ペレット化のときの二軸押出機の温度を230℃、ペレットの射出成形のときの温度を230℃、ペレットの溶融プレス成形のときの235℃に設定した以外は実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表7に示す。
ナイロン12(宇部興産(株)製3030XA;相対粘度2.25)を使用し、ペレット化のときの二軸押出機の温度を230℃、ペレットの射出成形のときの温度を230℃、ペレットの溶融プレス成形のときの235℃に設定した以外は実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表7に示す。
実施例11で用いたナイロン12を用いて、微細な炭素繊維を用いることなく、実施例5と同様にサンプルを作成し、評価した。結果を表7に示す。
微細な炭素繊維3質量%を、ポリカーボネート樹脂97質量%で配合し、ヘンシェルミキサーで予備混合した後、配合物を二軸押出混練機により250℃で溶融混合し、溶融混合物をペレット化して導電性樹脂組成物を得た。このペレットを290℃にて溶融し、押出成形装置により厚さ100μm及び30μmのフィルム(30cm幅)を作成した。得られたフィルムの表面抵抗値(印加電圧10V)を測定した。結果を表8に示す。
カーボンナノチューブ3質量%を、実施例13と同様に、ポリカーボネート樹脂に溶融混合、ペレット化し、押出成形装置を用い、フィルム成形を行った。厚さ100μmのフィルムは作成するとこができたが、厚さ30μmのフィルムはサージングし、フィルムが途切れ、フィルム化は困難あった。得られたフィルムの表面抵抗値(印加電圧10V)を測定した。結果を表8に示す。
導電性バインダーの製造
10質量%PTFE(四フッ化エチレン樹脂)水分散液50gを含む水溶液300gに、微細な炭素繊維を5質量%分散させた水溶液40gを加えた。この溶液をホモジナイザーで攪拌しながら、アセチレンブラック5gを徐々に投入した。投入30分後、メタノールを加えて複合化合物を析出させた。ここで、メタノールで沈殿しない場合は、水溶液が酸性であるので、1〜3規定アンモニア水でアンモニア臭がするまで加えてアルカリ性にして、その後、メタノール100mlを加えて、複合化合物を析出させてもよい。その複合化合物を濾過、洗浄した後、80℃で乾燥させることにより、約10gの導電性バインダーを得た。この時の導電性バインダーの組成は、全導電材(微細な炭素繊維+アセチレンブラック)とPTFEの質量比は2:1、アセチレンブラックと微細な炭素繊維の質量比は2:1であった。
導電性バインダーを含むLiCoO2電極の製造
1.9%のCMC溶液8.77gに実施例14の導電性バインダー0.5gを加え、ジューサーミキサーを用いて15分間攪拌した。次いで電極活物質LiCoO26.0gを加え、さらに15分間攪拌することにより、電極用スラリーを作製した。得られたスラリーをアルミニウム箔に塗布、乾燥することにより電極を得た。電極中の組成は、活物質LiCoO2が90%、全バインダー(PTFE+CMC)5%、全導電材(アセチレンブラック+微細な炭素繊維)が5%である。
導電性バインダーを含むLiCoO2電極を用いた電池特性
正極に実施例15の電極、負極に金属Li、電解液に1M−LiPF6のエチレンカーボネート(EC)およびメチルエチルカーボネート(MEC)溶液(容量比でEC:MEC=3:7)を用いてコイン電池を作製し、充放電容量を測定した。充放電容量の測定は、1Cレートでの定電流で充電し、電圧が4.2Vに達した後、放電を1Cレートの定電流で行い、電圧が3.0Vに達するまでの容量を放電容量とした。結果を表9に示す。
1.9%のCMC溶液11.68gに、10質量%PTFE水分散液2.22g、微細な炭素繊維を15質量%分散させた水溶液1.48g、アセチレンブラック0.296gを加え、ジューサーミキサーを用いて15分間攪拌した。次いで電極活物質LiCoO28.0gを加え、さらに15分間攪拌することにより、電極用スラリーを作製した。得られたスラリーをアルミニウム箔に塗布、乾燥することにより電極を得た。
導電性バインダーを含むLiFePO4電極の製造
2.0%のCMC溶液10.0gに実施例14の導電性バインダー0.54gを加え、ジューサーミキサーを用いて15分間攪拌した。次いで電極活物質LiFePO44.27gを加え15分間攪拌し、さらに電極内の導電材などの分布を均一にするために、遊星型スラリー調整器を用いて、電極用スラリーを調整した。得られたスラリーをアルミニウム箔に塗布、乾燥、プレスすることにより電極を得た。電極中の組成は、活物質LiFePO4が85.4%、全バインダー(PTFE+CMC)7.6%、全導電材(アセチレンブラック+微細な炭素繊維)が7.2%である。
導電性バインダーを含むLiFePO4電極を用いた電池特性
正極に実施例17の電極、負極に金属Li、電解液に1M−LiPF6のエチレンカーボネート(EC)およびメチルエチルカーボネート(MEC)溶液(容量比でEC:MEC=3:7)を用いてコイン電池を作製し、充放電容量を測定した。充放電容量の測定は、2Cレートでの定電流で充電し、電圧が4.2Vに達した後、放電を2Cレートの定電流で行い電圧が2.8Vに達するまでの容量を放電容量とした。結果を表10および図9に示す。
2.0%のCMC溶液10.0gに、PTFE0.18g、微細な炭素繊維0.18g、アセチレンブラック0.18gを加え、ジューサーミキサーを用いて15分間攪拌した。次いで電極活物質LiFePO44.27gを加え15分間攪拌後、さらに電極内の導電材などの分布を均一にするために、遊星型スラリー調整器を用いて、電極用スラリーを調整した。得られたスラリーをアルミニウム箔に塗布、乾燥、プレスすることにより電極を得た。
12 頭頂部
13 胴部
21、21a、21b、21c 集合体
Claims (12)
- (a)樹脂成分、および
(b)前記樹脂成分中に分散され、炭素原子のみから構成されるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個積み重なって集合体を形成し、前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成している微細な炭素繊維
を含有する導電性樹脂組成物。 - 前記微細な炭素繊維の前記胴部の母線と繊維軸とのなす角θが15°より小さいことを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記微細な炭素繊維の前記集合体胴部の端の外径Dが5〜40nm、内径dが3〜30nmであり、該集合体のアスペクト比(L/D)が2〜150であることを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
- 前記微細な炭素繊維が、触媒として、マグネシウムが置換固溶したコバルトのスピネル型酸化物であって、MgxCo3−xOy (式中、yは式全体が電荷的に中性になるように選ばれる数である)で表したとき、マグネシウムの固溶範囲を示すxの値が、0.5〜1.5である触媒を用いた気相成長法により製造され、前記微細な炭素繊維中の灰分が4質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記微細な炭素繊維が、100個以下の前記集合体が連結して構成されている微細な炭素短繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記微細な炭素短繊維が、ずり応力を加えて短繊維化されて製造されたことを特徴とする請求項5記載の組成物。
- 組成物総質量に対して、前記微細な炭素繊維を0.1質量%以上、40質量%未満の量で含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記樹脂成分が、熱可塑性樹脂から選ばれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記樹脂成分が、ポリアミドであることを特徴とする請求項8記載の組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物とストラクチュア構造を有する炭素材料とが複合化されていることを特徴とする導電性バインダー。
- 請求項10に記載の導電性バインダーを含む蓄電デバイス電極。
- 請求項11に記載の蓄電デバイス電極を含む蓄電デバイス。
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