JP5983850B1 - 導電性樹脂組成物、成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量であり、高い導電性、高い熱伝導性および良好な外観の成形体を成形できる導電性樹脂組成物およびそれを用いた成形体を提供すること。【解決手段】融点55℃以上93℃以下であり、かつ真密度0.92g/mL以下であるポリエチレン樹脂、エチレンとα—オレフィンとの共重合体樹脂またはポリプロピレン系樹脂であるポリオレフィン系樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、カーボンブラック(C)とを含んでなる導電性樹脂組成物であり、カーボンナノチューブ(B)の嵩密度が、0.005g/mL〜0.10g/mLであり、ポリオレフィン系樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、カーボンブラック(C)との合計100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)5〜15質量部と、カーボンブラック(C)5〜15質量部とを含んでなることを特徴とする導電性樹脂組成物およびそれを用いた成形体。【選択図】 なし

Description

本発明は、成形後も高い導電性及び熱伝導性を示す導電性樹脂組成物、成形体及びその製造方法に関する。
ICやLSIを用いた電子機器部品の包装材として、熱可塑性樹脂を成形したトレイ、エンボスキャリアテープなどが知られている。トレイやエンボスキャリアテープの基材は、一般的に樹脂シート等の樹脂成形品が使用されている。樹脂成形品は、導電性が無いため表面抵抗値や体積抵抗率が高いため、帯電による電子部品の絶縁破壊やゴミの付着による電子部品の機能低下などの問題を引き起こすことがある。そのため、樹脂成形品自体にカーボンブラックのような導電性粒子を練り混むことで、帯電防止能や静電気拡散能を付与している。さらに、電子部品分野や自動車分野では金属部分の代替として、樹脂成形品が使用されつつあり、カーボンブラックでは達成できない程度の導電性が求められている。また、金属代替として、熱伝導性が求められることも多い。
特に電子部品分野では、携帯端末の小型化及び高性能化により身体に装着可能なサイズに小型したコンピュータ(ウェアラブルコンピュータ)が注目されており、ウェアラブルコンピュータに使われる電子デバイスは、カード、カバン、腕時計、衣服、靴のような、人体の身の回りのものに備わっていることが理想的であり、さらなる軽量化が要求されている。また、自動車分野でも更なる燃費の改善のために軽量化のニーズは高い。
カーボンナノチューブは、その特性からエレクトロニクス(トランジスター素子、配線など)、エネルギー(燃料電池用電極材料、太陽光発電装置、ガス貯蔵など)、電子放出(フラットパネル装置など)、化学(吸着剤、触媒、センサーなど)、複合材料(導電性プラスチック、強化材料、難燃ナノコンポジットなど)など様々な分野での応用が期待されており、その中でも特に導電性用途への応用が特に期待されており、カーボンブラックでは達成できない、高導電な成型体が実現できる可能性を秘めている。さらにカーボンナノチューブは素材としての熱伝導性も高く、導電性と熱伝導性を備えたまさに金属代替材料として高い可能性を有している。また、カーボンナノチューブは中に中空を有するという形状からカーボンブラックよりも真密度が低く、導電材料の軽量化という点では注目度が高い。
しかし、カーボンナノチューブはアスペクト比が非常に大きく、複雑に絡み合った二次粒子の状態のものが多い。そのため樹脂成形品中に分散する難易度は非常に高い。
カーボンナノチューブを樹脂中に分散させる技術としては、カーボンナノチューブをプラズマで処理することにより絡まりをほぐし樹脂へ分散させる方法が開示されている(特許文献1参照)。また、イオン性液体とカーボンナノチューブを主成分とし、導電性を発現させる技術(特許文献2参照)や、マトリックスポリマーと電子導電性繊維状充填剤とイオン性液体を成分とし、電子導電性繊維状充填剤の分散性に優れ、かつ、電気抵抗のばらつきが小さくする技術が開示されている(特許文献3参照)。
一方、カーボンナノチューブを配合した樹脂組成物は射出成形をした場合、樹脂中に十分にカーボンナノチューブが分散した場合でも、十分な導電性が発現し難いという問題がある。その理由として、特に射出成形等のような成形方法においては、成形体表面に樹脂の存在比率が高い層(スキン層)が形成されてしまうことが主な要因の一つと考えられている。スキン層の形成を低減するためには、成形体中のカーボンナノチューブ濃度を高める方法があるが、コストアップや加工難度が増大するという懸念があり、成形条件(金型温度の高温化、成形温度の高温化、射出速度の低速度化等)による問題解決が試みられているものの、成形サイクルの長期化、成形体表面光沢の消失、成形体の物性が劣化するなどの問題点が挙げられる。一方、2種の樹脂を含むポリマーアロイを海島構造もしくは共連続状態の連続層へカーボンナノチューブを選択的に配合することで、カーボンナノチューブが低濃度でも導電性を発現する技術が開示されている(特許文献4、5)。しかし、これらの方法ではポリマーアロイを形成する2種以上の樹脂が非相溶である必要性があるため成形体の物性低下が著しいという問題があった。
高い導電性と高い熱伝導性を両立させるためには、金属フィラーを充填させたり、電気伝導性の高い炭素材料と熱伝導性の高いセラミック材料を共存させるなどの方法が考えられるが、金属フィラーやセラミック材料は比重が大きいものが多く、軽量化という目的には適していない。
特開2003−306607号公報 特開2004−255481号公報 特開2005−220316号公報 特開2005−187811号公報 特開2010−024261号公報
本発明は、軽量であり、高い導電性、高い熱伝導性および良好な外観の成形体を成形できる導電性樹脂組成物およびそれを用いた成形体の提供を目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に達した。
すなわち、本発明の実施態様は、融点55℃以上93℃以下であり、かつ真密度0.92g/mL以下である、ポリエチレン樹脂、エチレンとα―オレフィンとの共重合体樹脂またはポリプロピレン系樹脂であるポリオレフィン系樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、カーボンブラック(C)とを含んでなる導電性樹脂組成物であり、カーボンナノチューブ(B)の嵩密度が、0.005g/mL〜0.10g/mLであり、ポリオレフィン系樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、カーボンブラック(C)との合計100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)5〜15質量部と、カーボンブラック(C)5〜15質量部とを含んでなることを特徴とする導電性樹脂組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、ポリオレフィン系樹脂(A)が、メタロセン系プラストマーである上記導電性樹脂組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、カーボンナノチューブ(B)は、平均直径が5〜30nmであり、かつ平均アスペクト比が100〜1000である上記導電性樹脂組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、カーボンブラック(C)のDBP吸油量が、100mL/100g〜400mL/100gである上記導電性樹脂組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、上記導電性樹脂組成物を用いて成形された成形体に関する。
また、本発明の実施態様は、上記導電性樹脂組成物を、ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも27℃〜62℃高い温度で成形することを特徴とする成形体の製造方法に関する。
上記本発明によると、特定の融点と真密度を有するポリオレフィン系樹脂に、カーボンナノチューブとカーボンブラックを適量配合することで、一般に二次凝集しているカーボンナノチューブの表面を覆い、カーボンナノチューブ間に導電パスを形成する。これにより成形体は高い導電性と高い熱伝導性、良好な外観が得られた上、極めて軽量であるという予想外の効果が得られた。
本発明により軽量で高い導電性と高い熱伝導性および良好な外観の成形体を成形できる導電性樹脂組成物、ならびに成形体を提供できる。
<導電性樹脂組成物>
本発明の導電性樹脂組成物は、融点55℃以上93℃以下であり、かつ真密度0.92g/mL以下であるポリオレフィン系樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、カーボンブラック(C)とを含んでなる導電性樹脂組成物である。
<ポリオレフィン系樹脂(A)>
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂(A)は、融点が55℃以上93℃以下であり、かつ真密度が0.92g/mL以下であるポリオレフィン系樹脂(A)であることを特徴とする。
一般的なポリオレフィン系樹脂の内、比較的真密度の低いポリエチレン樹脂は、真密度や分岐量によって高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のように分類され、融点や真密度が大きく異なるが、一般的なポリエチレン系樹脂の多くは、融点が100℃を超え、真密度が0.92より大きく0.96以下である。しかし、本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂(A)は、融点55℃以上93℃以下であり、かつ真密度0.92g/mL以下であることを特徴としており、難分散性であるカーボンナノチューブに対して極めて良好な分散媒として働くことを本発明者らは見出した。したがって、ポリオレフィン系樹脂(A)を用いることにより、効率よくカーボンナノチューブを分散し、カーボンナノチューブ由来の高い導電性を活かした導電性樹脂組成物を形成することができる。
また、カーボンナノチューブは、一般的には耐熱性のある材料ではあるが、高温で樹脂と混練する際にカーボンナノチューブ表面が傷つき、欠陥が生じることがある。カーボンナノチューブ表面の欠陥は、特に熱伝導性の著しい低下を引き起こす恐れがある。ポリオレフィン系樹脂(A)を用いることで、カーボンナノチューブ表面の欠陥を可能な限り抑制することができるため、高い熱伝導性を維持することができる。
さらに樹脂自体の真密度が低い為、導電性樹脂組成物としても、さらにそれを成形した成形体としても、極めて軽量かつ高い導電性および熱伝導性を有する。
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂(A)は、融点が55℃以上93℃以下であることを特徴とする。カーボンナノチューブ(B)は吸油量が大きく、分散が進むにつれ、加工時の粘度が著しく高くなる。しかしながら、粘度を下げるために加工温度を高くすると樹脂の劣化やカーボンナノチューブ(B)の劣化が促進されるため、成形体を製造する際の加工温度はできるだけ低いことが好ましく、結果として、ポリオレフィン系樹脂(A)の融点が上記の範囲であることにより、加工温度を低く抑えることができ、高い導電性及び熱伝導性を持った成形体を得ることができる。尚、ポリオレフィン系樹脂(A)の融点は、JIS−K7121に準拠し、示差走査熱量計(DSC220、セイコーインスツル社製)を用いて測定した値である。
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂(A)は、真密度が0.92g/mL以下であることを特徴とする。真密度が低いことは、軽量な成形体を得る上で有益であるが、カーボンナノチューブ(B)の分散性にとっても好ましい。真密度が低いと、非晶性が高いため、カーボンナノチューブ(B)をより高効率で分散することができ、高い導電性と良好な外観の成形体を成形できる導電性樹脂組成物を形成することができる。ポリオレフィン系樹脂(A)の真密度は、0.90g/mL以下であることが好ましい。真密度の下限値は特に制限はないが、一般に0.85g/mL未満のポリオレフィン系樹脂を作ることは難しいことから、実質的にポリオレフィン系樹脂(A)真密度の下限値は0.85g/mL以上が好ましい。尚、真密度は、JIS−K7112に準拠し、水を用いて、ピクノメーターによる液相置換法により求めた。
上記の融点と真密度の範囲内のポリオレフィン系樹脂、具体例には、ポリエチレン樹脂(PE樹脂(HDPE、LDPE、LLDPE));エチレンと、炭素数4〜30の不飽和単量体[プテン(1−ブテン等)、C5〜30のα−オレフィン(1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−デセン、1−ドデセン等)の共重合体(共重合比30/70〜99/1、好ましくは50/50〜95/5);ポリプロピレン系樹脂(PP樹脂);プロピレンと、炭素数4〜30の不飽和単量体(同上)との共重合体(共重合比、同上);エチレンとプロピレンとの共重合体(共重合比0.5/99.5〜30/70、好ましくは2/98〜20/80);炭素数4以上のオレフィン(ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1等)の重合体等が挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂の内、PE樹脂およびPP樹脂が好ましく、PE樹脂がより好ましい。また、PE樹脂の中でも、特にメタロセン系触媒を用いて合成したPE樹脂が、より好ましい。ポリオレフィン系樹脂(A)は、単独または2種類以上を併用できる。
<カーボンナノチューブ(B)>
本発明に用いられるカーボンナノチューブは、グラフェンシートを丸めて円筒状にしたような構造をしており、単層の場合は単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、多層の場合は多層カーボンナノチューブ(MWCNT)と呼ばれ、電子顕微鏡等で1本1本のカーボンナノチューブを観察することができる。カーボンナノチューブは、カーボンナノチューブ繊維同士が、一次凝集して絡み合ったり、バンドル状の一次凝集体を形成するが、一次凝集体が凝集して二次以上の凝集体を形成することもある。また、カーボンナノチューブの真密度は、概ね1.4g/mLであり、カーボンブラック(1.8〜1.9g/mL)やグラファイト(真密度2.1〜2.3g/mL)と比較して、炭素材料としては低く、また高い導電性を有するため、軽量な導電性材料として公的な性質を有する。
カーボンナノチューブ(B)の含有量は、ポリオレフィン系樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、カーボンブラック(C)との合計100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)5〜15質量部であ、5〜10質量部がより好ましい。5質量部以上含有することにより、十分な導電性を発現することができ、また15質量部以下含有することにより、カーボンナノチューブの分散不良が生じ難くなり、押出時やフィルム成形時にカーボンナノチューブの未分散凝集塊の発生を抑制させることができる。
カーボンナノチューブ(B)は、平均直径が5〜30nmであることが好ましく、10−20nmであることがより好ましい。また、平均アスペクト比は、100〜1000であることが好ましい。このような物性を持ったカーボンナノチューブは、より高い導電性の成形体を得ることができる。なお、ここでいう平均直径とは、電子顕微鏡観察より求めた個々のカーボンナノチューブの短軸長の数平均値を意味し、平均アスペクト比とは、電子顕微鏡観察より求めた個々のカーボンナノチューブの短軸長(平均直径)と長軸長の数平均値の比であり、下記の式(1)により算出された値である。
式(1) 平均アスペクト比=長軸長の数平均値÷平均直径
カーボンナノチューブ(B)の嵩密度は、0.005〜0.10g/mLであり、0.01〜0.05g/mLであることが好ましい。上記範囲の嵩密度を有するカーボンナノチューブを使用した場合、ポリオレフィン系樹脂(A)に対する分散性が良好となり、混練時の発熱を抑えられると共に、混練時のカーボンナノチューブ表面に発生する欠陥を抑制することができるため、熱伝導性の低下を抑制することができる。カーボンナノチューブ(B)の真密度は、JIS−R7222に準拠し、ブタノールを用いて、ピクノメーターによる液相置換法により求めた。
カーボンナノチューブ(B)は、適度なバンドル構造を有するものが好ましい。ここで、バンドル構造とは、個々のカーボンナノチューブ繊維が一定方向に配向している構造を意味する。カーボンナノチューブは二次粒子で存在するのが一般的であり、例えば一般的な一次粒子であるカーボンナノチューブが複雑に絡み合っている状態でもよく、ほぐれ易くカーボンナノチューブを直線状にしたバンドル構造を有するものもある。バンドル構造を有するカーボンナノチューブは、カーボンナノチューブ一本一本が絡み合ったものではなく、束状になっているものである。このため、絡み合った一次凝集体と比較して、カーボンナノチューブ繊維が一次凝集体から解れ易く、ポリオレフィン系樹脂(A)への分散が容易である。また、カーボンナノチューブがバンドル状であり、易分散性を有することは、高い熱伝導性を発現する上でも有利である。
カーボンナノチューブ(B)は、単層カーボンナノチューブ、2層またはそれ以上で巻いた多層カーボンナノチューブでも、これらが混在するものであっても良いが、コスト面および強度面から多層カーボンナノチューブであることが好ましい。また、カーボンナノチューブの側壁がグラファイト構造ではなく、アモルファス構造をもったカーボンナノチューブであっても構わない。
カーボンナノチューブ(B)は、一般にレーザーアブレーション法、アーク放電法、化学気相成長法(CVD法)、燃焼法などで製造できるが、どのような方法で製造したカーボンナノチューブでも構わない。特にCVD法は、通常、400〜1000℃の高温下において、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、珪酸塩、珪藻土、アルミナシリカ、シリカチタニア、およびゼオライトなどの担体に鉄やニッケルなどの金属触媒を担持した触媒微粒子と、原料の炭素含有ガスとを接触させることにより、カーボンナノチューブを安価に、かつ大量に生産することができる方法であり、本発明に使用するカーボンナノチューブとして好ましい。
<カーボンブラック(C)>
本発明に用いられるカーボンブラック(C)は、導電性を有する無定形炭素であり、油やガスを不完全燃焼させたり、分解したりして製造できる。本発明におけるカーボンブラック(C)の役割は、射出成形や押出成形後、成形体内部に取り込まれたカーボンナノチューブ(B)表面との間に導電パスを形成することである。
導電性材料としてカーボンナノチューブのみを配合した導電性樹脂組成物は、射出成形をして成形体を製造した場合、組成物中に十分にカーボンナノチューブが分散された状態であっても、導電性が発現し難い場合がある。その理由としては、成形体表面に、樹脂の存在比率が高くカーボンナノチューブが低濃度の層(いわゆる「スキン層」)が形成されてしまうことが要因と考えられている。つまり、樹脂組成物中に、樹脂の存在比率が高くカーボンナノチューブが低濃度の部分と、樹脂の存在比率が低くカーボンナノチューブが高濃度の部分とが共存すると、各々の部分で溶融時の粘度(溶融粘度)が異なるため、例えば押出成型する場合、粘度が低く流動性の高い樹脂の存在比率が高い部分が成型時に先に押し出されることとなり、成形体表面がスキン層に覆われて、成型体の導電性が低下するものと考えられる。
一方、カーボンブラックは、カーボンナノチューブと比較して、一般的に比表面積や吸油量が低いため、カーボンブラックを含む樹脂組成物は、カーボンナノチューブのみを含む樹脂組成物よりも、溶融粘度が高くなりにくく、成形体表面にスキン層が形成されにくい。また、カーボンブラックはカーボンナノチューブとの親和性も良好なため、カーボンナノチューブが成形体内部に取り込まれても、成形体表面に存在するカーボンブラックとの間に導電パスを形成できるため、本発明の成形体は高い導電性を発現することができる。
カーボンブラック(C)としては、気体若しくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、及び、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラック等の各種のものを単独で、若しくは2種類以上併せて使用することができる。又、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。
カーボンブラック(C)の含有量は、ポリオレフィン系樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、カーボンブラック(C)との合計100質量部に対して、5〜15質量部含有であ、5〜12質量部がより好ましい。5質量部以上含有することで、カーボンナノチューブ(B)と表面との間に十分な導電パスを形成することができ、成形時の導電性を向上させることができ、15質量部以下の含有量にすることで、分散状態がより良好となり、また本発明の軽量化を実現することができる。
カーボンブラック(C)のDBP吸油量は、100mL/100g〜400mL/100gであることが好ましく、更には100mL/100g〜200mL/100gであることが好ましい。DBP吸油量が、100mL/100g〜400mL/100gの範囲内であることで、カーボンブラック(C)のポリオレフィン系樹脂(A)に対する分散性をより向上できる。なおDBP吸油量とは、空隙容積を測定することでカーボンブラックのストラクチャーを間接的に定量化するもので、JIS K 6217−4に準拠して測定した数値である。尚、「DBP」とは、Dibutylphtalateの略称である。
カーボンブラック(C)の一次粒子径は、0.005〜1μmが好ましく、0.01〜0.2μmがより好ましい。ここでいう一次粒子径とは、電子顕微鏡等で測定された粒子20個の平均値である。
市販のカーボンブラックとしては、例えば、ニテロン#10、#200及び#300等の新日化カーボン社製ファーネスブラック;
トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック;
プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック;
Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック;
#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック;
MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック;
Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック;
ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック、
デンカブラックHS−100、FX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の導電性樹脂組成物には、必要に応じて、耐酸化安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、分散剤、カップリング剤、結晶造核剤、樹脂充填材等の添加剤を含んでもよい。
本発明の導電性樹脂組成物の製造は、特に限定されるものではない。例えば、ポリオレフィン系樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、カーボンブラック(C)、更に必要に応じて上記添加剤とを混合し、ヘンシェルミキサーやタンブラー、ディスパー等で混合し、ニーダー,ロールミル,スーパーミキサー,ヘンシェルミキサー,シュギミキサー,バーティカルグラニュレーター,ハイスピードミキサー,ファーマトリックス,ボールミル,スチールミル,サンドミル,振動ミル,アトライター,バンバリーミキサーのような回分式混練機、二軸押出機、単軸押出機、ローター型二軸混練機等で混合や溶融混練分散し、ペレット状、粉体状、顆粒状あるいはビーズ状等の形状の樹脂組成物を得ることができる。本発明では、溶融混錬に二軸押出機を用いるのが好ましい。
<成形体>
本発明の成形体は、本発明の導電性樹脂組成物を用いて成形することで製造することができる。成形時、必要に応じて希釈樹脂(ポリオレフィン系樹脂(A)等)を導電性樹脂組成物に配合してもよい。成形体は、導電性樹脂組成物を通常50℃〜350℃に設定した成形機にて溶融混合後に、所望する成形体の形状に形成し、冷却することで得ることができる。成形体の形状は、板状、棒状、繊維、チューブ、パイプ、ボトル、フィルムなどを得ることができる。
また、成形方法は、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファー成形、T−ダイ成形やインフレーション成形のようなフィルム成形、カレンダー成形、紡糸等を用いることができる。
本発明の成形体を製造する際、本発明の導電性樹脂組成物を、ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも27℃〜62℃高い温度で成形する上記の範囲の加工温度(成形温度)であれば、加工温度を低く抑えることができ、ポリオレフィン系樹脂(A)やカーボンナノチューブ(B)の劣化を抑制することができ、高い導電性を有する成形体を製造することができる。
本発明の成形体の用途としては、特に限定されるものではないが、半導体を搬送するトレーや半導体を梱包するのに用いられる保護材や袋等に好適に使用することができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は、本発明を何ら制限するものではない。なお、実施例中、特に断りがない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。以下に、カーボンナノチューブの製造例について説明する。
(カーボンナノチューブ(B1)の製造例1)
酢酸コバルト・四水和物200g、酢酸マグネシウム・四水和物172g、アスコルビン酸125gをビーカーに秤取り、精製水を1000g加えて、完全に溶解するまで撹拌した。耐熱性容器に移し替え、電気オーブンを用いて、雰囲気温度170±5℃の温度で120分乾燥させ水分を蒸発させた後、乳鉢で粉砕して触媒(a)の前駆体を得た。得られた触媒(a)前駆体400gを耐熱容器に秤取り、マッフル炉にて、空気中500℃±5℃雰囲気下で30分焼成した後、乳鉢で粉砕して触媒(a)を得た。次いで、加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10リットルの横型反応管の中央部に、触媒(a)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。アルゴンガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気をアルゴンガスで置換し、横型反応管中の酸素濃度を1体積%以下とした。外部ヒーターにて加熱し、横型反応管の中心部が750℃まで加熱した。引き続き、水素を毎分0.1リットルで1分導入し触媒を活性化処理し、その後、アセチレンガスを毎分1リットルの速度で注入し、4時間反応させてカーボンナノチューブを製造した。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換し、100℃以下の温度で取り出し、カーボンナノチューブ集合体を得た。得られたカーボンナノチューブ集合体を80メッシュの金網で粉砕ろ過して、カーボンナノチューブ(B1)を得た。
(カーボンナノチューブ(B2)の製造例2)
水酸化コバルト・四水和物72g、酢酸マグネシウム・四水和物172g、アスコルビン酸125gをビーカーに秤取り、精製水を1000g加えて、完全に溶解するまで撹拌した。耐熱性容器に移し替え、電気オーブンを用いて、雰囲気温度170±5℃の温度で120分乾燥させ水分を蒸発させた後、乳鉢で粉砕して触媒(c)の前駆体を得た。得られた触媒(c)前駆体400gを耐熱容器に秤取り、マッフル炉にて、空気中500℃±5℃雰囲気下で30分焼成した後、乳鉢で粉砕して触媒(c)を得た。次いで、加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10リットルの横型反応管の中央部に、触媒(c)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。アルゴンガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気をアルゴンガスで置換し、横型反応管中の酸素濃度を1体積%以下とした。外部ヒーターにて加熱し、横型反応管の中心部が750℃まで加熱した。引き続き、水素を導入し、毎分0.1リットルで1分導入し触媒を活性化処理し、その後アセチレンガスを毎分1リットルの速度で注入し、4時間反応させてカーボンナノチューブを製造した。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換し、100℃以下の温度で取り出し、カーボンナノチューブ集合体を得た。得られたカーボンナノチューブ集合体を80メッシュの金網で粉砕ろ過して、カーボンナノチューブ(B2)を得た。
カーボンナノチューブ(B3)として、ナノシル社製のカーボンナノチューブNC7000(単に「NC7000」と略記することがある)を用いた。以下に、カーボンナノチューブの体積抵抗率、嵩密度、真密度、構造、平均直径、平均アスペクト比の測定方法を示す。
(体積抵抗率)
粉体抵抗システムMCP−PD51(三菱化学アナリティック社製)を用いて体積抵抗率(Ω・cm)を測定した。具体的にはカーボンナノチューブ粉末を1.2g量り取り、20kNの荷重時の値を体積抵抗率とした。
(嵩密度)
測定装置としてスコットボリュームメータ(筒井理化学器機社製)を用いて嵩密度を測定した。カーボンナノチューブ粉末を測定装置上部より直円筒容器に流し入れ、山盛りになったところですり切った一定容積の試料質量を測定した。この質量と容器容積の比から下記の式(3)に基づいて算出した。
式(3) 嵩密度(g/mL)=
(すり切った一定容積のカーボンナノチューブの質量(g))÷(容器容積(mL))
(真密度)
真密度は、JIS−R7222に準拠し、ブタノールを用いたピクノメーター(比重びん)による液相置換法により求めた。
(平均直径)
走査型電子顕微鏡(日本電子(JEOL)社製、JSM−6700M))を用いて加速電圧5kVにてカーボンナノチューブを観察し、5万倍の画像(画素数1024×1280)を撮影した(図1a等)。次いで、撮影された画像にて任意のカーボンナノチューブ20個について、各々の短軸長を測定し、それら短軸長の数平均値をカーボンナノチューブの平均直径とした。
(平均アスペクト比)
上述した平均直径と同様にしてカーボンナノチューブの画像を撮影した。次いで、撮影された画像にて任意のカーボンナノチューブ20個について、各々の長軸長を測定し、それら長軸長の数平均値をカーボンナノチューブの平均長さとした。下記の式(4)により平均アスペクト比を算出した。
式(4) 平均アスペクト比=長軸長の数平均値÷平均直径
表1〜表3に、実施例および比較例で使用したポリオレフィン系樹脂(A1)〜(A8)、カーボンナノチューブ(B1)〜(B3)、カーボンブラック(C1)〜(C2)の物性値を示す。
実施例で使用した原料は、以下のとおりである。
<ポリオレフィン系樹脂(A)>
(A1)PE樹脂1(メタロセン系プラストマー、カーネルKS−260、日本ポリエチレン社製)融点:92℃、真密度:0.90g/mL、熱伝導率:0.32W/m・K
(A2)PE樹脂2(メタロセン系プラストマー、カーネルKJ−640T、日本ポリエチレン社製)融点:58℃、真密度:0.88g/mL、熱伝導率:0.31W/m・K
(A3)PE樹脂3(メタロセン系プラストマー、エクセレンFX558、住友化学社製)融点:79℃、真密度:0.89g/mL、熱伝導率:0.32W/m・K
(A4)PP樹脂(低密度ポリプロピレン、エルモーデュS400、出光興産社製)融点:93℃、真密度:0.87g/mL、熱伝導率:0.15W/m・K
(A5)α―オレフィンPE共重合体樹脂(α−オレフィンコポリマー、タフマーDF−840、三井化学社製)融点:66℃、真密度:0.88g/mL、熱伝導率:0.28W/m・K
(A6)PE樹脂4(低密度ポリエチレン、ノバテックLD LJ802、日本ポリエチレン社製)融点:108℃、真密度:0.92g/mL、熱伝導率:0.36W/m・K
(A7)PE樹脂5(高密度ポリエチレン、ノバテックHD HF133、日本ポリエチレン社製)融点:128℃、真密度:0.94g/mL、熱伝導率:0.45W/m・K
(A8)PP樹脂2(ランダムポリプロピレン、プライムポリプロJ226T、プライムポリマー社製)融点:140℃、真密度:0.91g/mL、熱伝導率:0.18W/m・K
<カーボンナノチューブ(B)>
(B1)製造例1のカーボンナノチューブ
(B2)製造例2のカーボンナノチューブ
(B3)NC7000(ナノシル社製)
<カーボンブラック(C)>
(C1)デンカブラック(アセチレンブラック粉、平均粒径35nm、DBP吸油量:150mL/100g、真密度:1.81g/mL、電気化学工業社製)
(C2)ニテロン♯10(ファーネスブラック粉、平均粒径40nm、DBP吸油量:128mL/100g、真密度:1.89g/mL、新日化カーボン社製)
[実施例1]
(導電性樹脂組成物1の製造)
PP樹脂1(A1)90部およびカーボンナノチューブ(B1)5部、カーボンブラック(C1)5部をスーパーミキサー(カワタ社製)に投入し、25℃にて3分間撹拌して混合物を得た。次いで前記混合物を二軸押出し機(日本プラコン社製)に投入し、200℃で押し出し、ペレタイザーでカットすることで導電性樹脂組成物1を得た。
(成形体1の作成)
導電性樹脂組成物1を、射出成形機(東芝機械社製IS−100F型)を用いて射出成形を行い、縦30mm×横40mm×高さ3mmの直方体の成形体1を作成した。
<成形体の体積抵抗率>
抵抗率計「ロレスタGP」(ロレスタGP MCP−T610型抵抗率計、JIS−K7194準拠、4端子4探針法定電流印加方式、三菱化学アナリテック社製)(0.5cm間隔の4端子プローブ)を用い、成形体の体積抵抗率(Ω・cm)を測定した。
<成形体の熱伝導率>
ホットディスク法熱物性測定装置(TPS−500 京都電子工業製)を使用して、直径7mmφのセンサーを用いて、熱伝導率(単位:W/m・K)を測定した。
<成形体の外観評価>
成形体をビデオマイクロスコープ「VHX−900」(キーエンス社製)を用いて倍率500倍にて表面観察を行い、成形体表面上の異物の数を計測し、下記の基準にて評価した。異物の数が少ないほど良好である。
○:5個未満(良好)
△:5個以上、10個未満(使用可能)
×:10個以上(不良)
[実施例2〜6]および[比較例1〜6]
(導電性樹脂組成物2〜12の製造)
導電性樹脂組成物1のポリオレフィン系樹脂、カーボンナノチューブ及びカーボンブラックを、表4および表5の原料と配合量に変更した以外は、実施例1と同様な方法により、それぞれ導電性樹脂組成物2〜12を得た。尚、表4および表5中の数値は、質量部を表し、空欄は使用していないことを表す。
(成形体2〜12の製造)
導電性樹脂組成物1を導電性樹脂組成物2〜12にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、成形体を作成し、体積抵抗率、熱伝導率及び比重の測定と外観評価を行った。評価結果を表6に示す。
表6の結果から実施例1〜6の成形体1〜6は、比較例1〜6の成形体7〜12よりも、低い体積抵抗率および良好な外観を示すとともに高い熱伝導性を示し、さらに軽量な成形体となり、良好な結果が得られることが明らかとなった。
[実施例21]
<導電性シートの作成>
導電性樹脂組成物1を、T−ダイ押出機で120℃にて押出成形し、厚さ500μmの導電性シート1を作製した。
<導電性シートの表面抵抗率>
抵抗率計「ロレスタGP」(0.5cm間隔の4端子プローブ)を用い、導電性シートの表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
<導電性シートの熱伝導率>
ホットディスク法熱物性測定装置(TPS−500 京都電子工業製)を使用して、直径7mmφのセンサーを用いて、熱伝導率(単位:W/m・K)を測定した。
[実施例22〜26]、[比較例21〜26]
導電性樹脂組成物を変更した以外は、実施例21と同様にして、導電性樹脂組成物2〜12で導電性シート2〜12を作成し、表面抵抗率、熱伝導率および比重を測定した。評価結果を表7に示す。
表7の結果から実施例21〜26の導電性シート1〜6は、比較例21〜26の導電性シート7〜12よりも、低い表面抵抗率を示すとともに高い熱伝導性を示し、さらに軽量な導電シートとなり、良好な結果が得られることが明らかとなった。
Figure 0005983850
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Claims (6)

  1. 融点55℃以上93℃以下であり、かつ真密度0.92g/mL以下である、ポリエチレン樹脂、エチレンとα―オレフィンとの共重合体樹脂またはポリプロピレン系樹脂であるポリオレフィン系樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、カーボンブラック(C)とを含んでなる導電性樹脂組成物であり、カーボンナノチューブ(B)の嵩密度が、0.005g/mL〜0.10g/mLであり、ポリオレフィン系樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、カーボンブラック(C)との合計100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)5〜15質量部と、カーボンブラック(C)5〜15質量部とを含んでなることを特徴とする導電性樹脂組成物。
  2. ポリオレフィン系樹脂(A)が、メタロセン系プラストマーである請求項1記載の導電性樹脂組成物。
  3. カーボンナノチューブ(B)は、平均直径が5〜30nmであり、かつ平均アスペクト比が100〜1000である請求項1または2記載の導電性樹脂組成物。
  4. カーボンブラック(C)のDBP吸油量が、100mL/100g〜400mL/100gである請求項1〜3いずれか記載の導電性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の導電性樹脂組成物を用いて成形された成形体。
  6. 請求項1〜4いずれか記載の導電性樹脂組成物を、ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも27℃〜62℃高い温度で成形することを特徴とする成形体の製造方法。
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