JP6201495B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、カーボンナノチューブを含む樹脂組成物およびその成形物に関する。
従来、電子機器等に使用する樹脂成形体に帯電防止性等の導電性を付与する場合、熱可塑性樹脂にカーブンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子を配合した樹脂組成物を使用して樹脂成形体が製造されている。これら導電性粒子の中でもカーボンナノチューブは、導電性と軽さを両立した樹脂成形品が得られるため、盛んに使用されている。しかし、カーボンナノチューブは、一般に二次粒子、あるいは三次粒子といった凝集体として存在しているため粒子間の凝集力が高く、熱可塑性樹脂と共に溶融・混錬を行った際に粒子が解れ難く分散性が劣る。そのため所望の導電性を得るためにはカーボンナノチューブを多量に配合する必要があるが、その結果、樹脂成形品の機械強度が低下する問題があった。
そこで、特許文献1では、カーボンナノチューブを凝集させた球状のカーボンナノチューブ集合体に加工して、熱可塑性樹脂に配合することで、分散性を改善した樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2では、予め成形した樹脂成形体とカーボンナノチューブ等を超臨界状態で処理することで、樹脂成形体の表面にカーボンナノチューブを付着させることで樹脂成形体に導電性を付与する方法が開示されている。
特開2005−239531号公報 特開2006−8945号公報
しかし、特許文献1の樹脂組成物は、分散性は向上したが、所定の導電性を得るためには多量のカーボンナノチューブを配合する必要があったため、低い水準で機械強度と導電性が両立できたに過ぎなかった。
また、特許文献2の樹脂組成物は、超臨界処理できる装置の大きさが制限されているため、大きな樹脂成形体でカーボンナノチューブの付着処理を行うことは出来なかった。また、複雑な形状の樹脂組成物に前記付着処理を行うと全体的に均一な付着処理が出来ず、さらに樹脂成形品を大量生産すること難しい問題があった。
本発明は、分散性と導電性を両立し、良好な機械強度を有する樹脂成形体を成形できる樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明は、熱可塑性樹脂、カーボンナノチューブを含む樹脂組成物であり、前記カーボンナノチューブをメタノールに浸漬した後の体積膨張率が500%以上であることを構成とする。
上記構成の本発明によると、メタノールに浸漬したときに体積が500%以上に膨張するカーボンナノチューブは凝集体の粒子が解れ易いため、熱可塑性樹脂に前記カーボンナノチューブを配合して、溶融・混錬工程を行うとカーボンナノチューブの分散性が良好でありながら導電性が優れる効果が得られた。さらに、前記カーボンナノチューブを使用した樹脂成形体は機械強度が優れている効果も得られた。
本発明により、分散性と導電性を両立し、良好な機械強度を有する樹脂成形体を成形できる樹脂組成物を提供できた。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、カーボンナノチューブを含む。前記カーボンナノチューブは、メタノールに浸漬した後の体積膨張率が500%以上である。カーボンナノチューブは、通常、凝集体として存在しているが、本発明では溶剤(例えば、メタノール)に浸漬すると一定水準以上に体積が膨張する性質のカーボンナノチューブを使用したことが重要である。前記カーボンナノチューブは、凝集体が解れ易いため分散性が良好である。そのため、前記カーボンナノチューブを含む樹脂組成物を溶融混錬する際、カーボンナノチューブの凝集体は、熱可塑性樹脂を取り込み易いことで前記凝集体が解れ、大きく膨張するため成形された樹脂成形体は、機械強度および導電性が優れている効果が得られたと推測している。なお、凝集体が解れるとは、凝集体中の複雑に絡み合っているカーボンナノチューブ間の距離が大きくなることであり、解れ易いとは、凝集体中のカーボンナノチューブ間に樹脂や溶媒等の分散媒体を容易に取り込み、カーボンナノチューブ同士の距離が大きくなることにより凝集体が膨張して大きくなることである。なお、カーボンナノチューブは、本来一次粒子であるが本発明では特に断りを入れない限り、二次粒子や三次粒子等を含めた凝集体として説明する。また、カーボンナノチューブはCNTと称することもある。
本発明においてカーボンナノチューブは、公知のカーボンナノチューブの中からメタノールに浸漬した後に体積膨張率が500%以上のカーボンナノチューブを選択して使用すれば良い。前記体積膨張率の上限は、数値が高いほど好ましく特に限定されないが、現在の製造技術では5000%程度である。一方、体積膨張率は500%以上になることで樹脂を凝集体に取り込み易く、解れ易くなるため分散性および導電性をより高い水準で両立し易くなる。
本発明において体積膨張率は、カーボンナノチューブを25℃雰囲気でメタノール中に浸漬したときの体積膨張率である。
また、本発明においてカーボンナノチューブの平均繊維径は、0.5〜100nmが好ましく、1〜50nmがより好ましい。なお、前記平均繊維径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用した拡大画像(5万倍から10万倍)から任意に選択した約20〜30本のカーボンナノチューブについて繊維径の長さを計測し、その平均値を平均繊維径(nm)とした。
前記体積膨張率は、下記で示した方法で測定し、下記式(1)により算出した。
25℃雰囲気で直径35mm×高さ78mmのガラス瓶に、メタノール40ccとカーボンナノチューブ0.2gを投入し60分放置後、メタノール中のカーボンナノチューブの高さを測定し、分散前の高さとした。超音波分散機(SONIFIER MODEL450D BRANSON製)を用いて、出力5Wで30分間超音波分散を行い60分静置した。その後、メタノール中のカーボンナノチューブの高さを測定し、超音波分散後の高さとした。
体積膨張率=超音波分散後の高さ÷分散前の高さ×100 ・・・・式(1)
次に体積膨張率が500%以上のカーボンナノチューブが得やすい製造方法の1例を説明する。なお、本発明においてカーボンナノチューブは、当該製造方法に限定して解釈されないことはいうまでも無い。
カーボンナノチューブの製造に使用する触媒は、活性成分および担体成分からなる。そして前記活性成分は鉄、コバルト、およびニッケルのいずれかの酸化物、担体成分はマグネシア、および、アルミナのいずれかであり、前記酸化物が、前記マグネシア、および、アルミナのいずれかに担持された触媒が好ましい。前記触媒の平均粒子径は、1μm〜30μmが好ましい。前記範囲内であることでカーボンナノチューブ製造時に収率がより向上する。なお、平均粒子径は、D50平均粒子径でありMalvern Instruments社製の粉体粒度分布計mastersizer2000を用いて乾式で測定し、積算(累積)重量百分率で積算値50%の粒度を平均粒子径(D50)として算出した。
前記触媒は、具体的には、例えば、活性成分を酢酸コバルト・四水和物および担体成分を酢酸マグネシウムとした触媒、活性成分を無水酢酸コバルトおよび担体成分を水酸化マグネシウムとした触媒、活性成分をクエン酸鉄(III)・水和物および担体成分を水酸化マグネシウムとした触媒等が挙げられる。これらは単独または2種以上併用できる。
本発明においてカーボンナノチューブは、前記触媒を使用して製造することが好ましい。
具体的には、炭素源としての原料ガスを加熱下、この触媒に接触させて、カーボンナノチューブの析出反応を行い製造する。
前記炭素源としての原料ガスは、例えば、炭素を含むガスとしてメタンやエチレン、プロパン、ブタン、アセチレンなどの炭化水素や、一酸化炭素、メタノールやエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール等が挙げられる。
また、必要に応じて、還元雰囲気下で活性化した後、又は還元性ガスと共にカーボンナノチューブ原料ガスと接触させて製造することが好ましい。
カーボンナノチューブを製造する方法は、大気圧より減圧した雰囲気で原料ガスを導入する方法(以下、減圧法とする)、または大気圧下で原料ガスを導入する方法(以下、常圧法とする)、いずれの方法も使用できる。
減圧法は、減圧が可能で、外部ヒーターで加熱が可能な反応管内に、本発明のカーボンナノチューブ合成用触媒を設置し、反応管内部の空気を真空ポンプで吸引して減圧後、窒素やアルゴン等の不活性ガスを導入して、更に吸引して減圧することで、反応管内の酸素濃度を0.1%以下とした後、所定の反応温度で炭化水素ガス、必要に応じて水素ガス等の還元性ガスを混合して反応管内に導入してカーボンナノチューブを製造する方法である。
常圧法は、常圧にて、窒素やアルゴン等の不活性ガスを導入して、反応管内部の空気を不活性ガスで置換して、反応管内の酸素濃度を0.1%以下とした後、所定の反応温度で炭化水素ガス、必要に応じて水素ガス等の還元性ガスを混合して反応管内に導入してカーボンナノチューブを製造する方法である。
カーボンナノチューブの製造温度は、500〜1000℃が好ましく、600〜900℃がより好ましい。500〜1000℃の範囲内であることで解れ易いカーボンナノチューブが得易くなる。
原料ガスの供給量は、従来公知の任意の値から、適宜選択し決定すれば良いが、反応時の圧力は、減圧法の場合は大気圧以下圧力100Pa以上が好ましい。圧力が100Pa未満であると原料ガスが少なく、優れた炭素出力が得られない。
常圧法の原料ガスの供給量は、常圧以上40kPa以下、特に常圧以上30kPa以下とすることが好ましい。反応時間は、反応温度や触媒と原料ガスとの接触比率に応じて任意に設定されるが、通常0.5〜6時間程度である。
反応終了後には、アルゴンガスや窒素等の不活性ガスを用いて原料ガスを置換することが好ましい。
前記カーボンナノチューブは、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜15重量部含むことが好ましく、2〜8重量部がより好ましい。1〜15重量部を含むことで分散性および導電性をより高い水準で両立し易くなる。
本発明において熱可塑性樹脂は、樹脂成形体を製造できる樹脂であれば良く、公知の樹脂を使用できる。具体的には、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー、アイオノマー樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、エチレンアクリル酸エチル共重合体、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・塩素化ポリスチレン・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・EPDM・スチレン共重合樹脂、シリコーンゴム・アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、メタクリル樹脂、エチレン・メチルメタクリレートコポリマー樹脂、エチレン・エチルアクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ4フッ化エチレン樹脂、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂、4フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂、ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ナイロン4,6、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12、ナイロン6,T、ナイロン9,T、芳香族ナイロン樹脂、ポリアセタール樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、非晶性コポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン樹脂、ポリフロロアルコキシ樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、生分解樹脂、バイオマス樹脂が挙げられる。これらは単独または2種以上併用できる。
本発明の樹脂組成物は、任意成分として酸化防止剤、紫外線吸収剤、HALS、帯電防止剤、染料、顔料、分散剤、カップリング剤、結晶造核剤、および充填材等を配合できる。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、カーボンナノチューブを溶融混合または溶融混錬することで分散を行うことで製造できる。樹脂組成物の形状は、ペレット状、粉体状、顆粒状またはビーズ状等が好ましい。
前記製造に使用する装置は、混合は、例えばヘンシェルミキサーやタンブラー、ディスパー等が好ましい。また混錬は、例えばニーダー,ロールミル,スーパーミキサー,ヘンシェルミキサー,シュギミキサー,バーティカルグラニュレーター,ハイスピードミキサー,ファーマトリックス,ボールミル,スチールミル,サンドミル,振動ミル,アトライター,バンバリーミキサー等の回分式混練機、二軸押出機、単軸押出機、またはローター型二軸混練機等を挙げることができる。これらの中でも二軸押出機が好ましい。
本発明の樹脂成形体は、上記樹脂組成物を成形機に投入し、溶融混合後または溶融混錬後に所望の形状に成形し得ることができる。成形体の形状は、板状、棒状、繊維、チューブ、パイプ、ボトル、フィルムなどを得ることができる。前記溶融温度は、熱可塑性樹脂の種類により適宜選択できるが、一般的には50℃〜350℃である。
前記成形は、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファー成形、フィルム成形、カレンダー成形、紡糸等公知の成形方法を使用できる。
本発明の樹脂成形体は、例えば、ノートパソコンやテレビの筐体、半導体のキャリアテープ等の導電性ないし帯電防止性が要求される用途に好ましく使用できる。また、ゴルフクラブ等の強度と軽さを必要とする成形品の用途等にも好ましく使用できる。
本発明を具体的に実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。また「部」は、「重量部」を意味する。
[製造例1] 触媒の製造(A)
酢酸コバルト・四水和物200部、酢酸マグネシウム・四水和物172部、七モリブデン酸六アンモニウム・四水和物3.5部をビーカーに量り取り、精製水を1488部加えて、完全に溶解するまで攪拌した。耐熱性容器に移し替え、電気オーブンを用いて、雰囲気温度150±5℃の温度で60分乾燥させ水分を蒸発させた後、乳鉢で粉砕して平均粒子径15μmの触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体300部を耐熱容器に量り取り、マッフル炉にて、空気中380℃±5℃雰囲気下で60分焼成した後、乳鉢で粉砕して平均粒子径2μm、残炭分8mass%の触媒(A)を得た。
[製造例2] カーボンナノチューブ(A)の製造
減圧が可能で、外部ヒーターで加熱可能な横型反応管の中央部に、得られた触媒(A)1.0g を散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。横型反応管中の空気を真空ポンプにて1×103Paまで減圧後、アルゴンガスを8×104Paまで注入し、再度真空ポンプにて1×103Paまで減圧する、を2回繰り返して、横型反応管中の酸素濃度を0.1体積%以下とした。1×103Paに保ちながら外部ヒーターにて加熱し、横型反応管の中心部が850℃になるまで加熱した。合成温度850±5℃に保ち、ブタン/プロパン混合ガスを注入し、3×104Pa〜6×104Paに反応管内の圧力を維持しながら3時間反応させてカーボンナノチューブを製造した。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換し、200℃以下の温度で取り出し、カーボンナノチューブ(A)を得た。得られたカーボンナノチューブ(A)は、導電性、分散性を比較するため、その後目開き40メッシュのステンレス製金網で粉砕ろ過した。なおカーボンナノチューブ(A)の粉体抵抗率は1.8×10-2(Ω・cm)、体積膨張率は2500%であった。
<体積膨張率>
体積膨張率は、下記で示した方法で測定し、下記式(1)により算出した。
直径35mm×高さ78mmのガラス瓶に、メタノール40ccと評価用のカーボンナノチューブ0.2gを量り取り、室温で60分放置後溶媒中のカーボンナノチューブの高さを測定し、分散処理前の高さとした。BRANSON製 超音波分散機 SONIFIER MODEL450Dを用いて、出力5Wで30分間分散処理し、60分静置した後、溶媒中のカーボンナノチューブの高さを測定し、超音波分散処理後の高さとした。
体積膨張率=超音波分散処理後の高さ÷分散処理前の高さ×100 ・・・・式(1)
(実施例1)
得られたカーボンナノチューブ(A)3部およびポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロンS3000F)100部を変質しない適切な加工温度に設定した二軸押出機で溶融混練しペレット状の樹脂組成物を作成した後、前記樹脂組成物を280℃に設定したTダイ成形機に投入し、厚さ100μmのフィルム状の樹脂成形体を得た。
(実施例2〜4)
カーボンナノチューブ(A)及びポリカーボネート樹脂の配合比を表1の通りに変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形体を作成した。
(実施例5)
ポリカーボネート樹脂をポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、プライムポリプロJ105G)に変更した以外は実施例2と同様にして樹脂組成物及び成形体を作成した。
(実施例6)
ポリカーボネート樹脂をポリカーボネート/スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン樹脂(PC/ABS樹脂:ダイセルポリマー社製、ノバロイS1100)に変更した以外は実施例2と同様にして樹脂組成物及び成形体を作成した。
[製造例3] 触媒(B)の製造
酢酸コバルト・四水和物200部、酢酸マグネシウム・四水和物172部をビーカーに量り取り、精製水を1488部加えて、完全に溶解するまで攪拌した。耐熱性容器に移し替え、電気オーブンを用いて、雰囲気温度130±5℃の温度で60分乾燥させ水分を蒸発させた後、乳鉢で粉砕して平均粒径(D50)40μmの触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体300部を耐熱容器に量り取り、マッフル炉にて、空気中470℃±5℃雰囲気下で60分焼成した後、乳鉢で粉砕して平均粒子径2μm、残炭分8mass%の触媒(B)を得た。
[製造例4] カーボンナノチューブ(B)の製造
減圧が可能で、外部ヒーターで加熱可能な横型反応管の中央部に、得られた触媒(B)1.0g を散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。横型反応管中の空気を真空ポンプにて1×103Paまで減圧後、アルゴンガスを8×104Paまで注入し、再度真空ポンプにて1×103Paまで減圧する、を2回繰り返して、横型反応管中の酸素濃度を0.1体積%以下とした。1×103Paに保ちながら外部ヒーターにて加熱し、横型反応管の中心部が750℃になるまで加熱した。合成温度750±5℃に保ち、ブタン/プロパン混合ガスを注入し、3×104Pa〜6×104Paに反応管内の圧力を維持しながら3時間反応させてカーボンナノチューブを製造した。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換し、200℃以下の温度で取り出し、カーボンナノチューブ(B)を得た。得られたカーボンナノチューブ(B)は、導電性、分散性を比較するため、その後目開き40メッシュのステンレス製金網で粉砕ろ過した。なおカーボンナノチューブ(B)の粉体抵抗率は1.2×10-2(Ω・cm)、体積膨張率は1200%であった。
(実施例7)
カーボンナノチューブ(A)をカーボンナノチューブ(B)に変更した以外は実施例2と同様に行い樹脂組成物及び成形体を得た。
(比較例1)
カーボンナノチューブ(A)をARKEMA社製 カーボンナノチューブ(Graphistregth C100)(以下、カーボンナノチューブ(C)という)の置き換えた以外は、実施例2と同様に行い樹脂組成物及び樹脂成形体を得た。なおカーボンナノチューブ(C)の粉体抵抗率は2.3×10-2(Ω・cm)、体積膨張率は200%であった。
(比較例2)
カーボンナノチューブ(A)をカーボンナノチューブ(C)に置き換えた以外は、実施例5と同様に行い樹脂組成物及び樹脂成形体を得た。
(比較例3)
カーボンナノチューブ(A)をカーボンナノチューブ(C)に置き換えた以外は、実施例5と同様に行い樹脂組成物及び樹脂成形体を得た。
得られた樹脂組成物及び樹脂成形体について下記物性評価を行った。結果を表1および表2に示す。
<導電性>
得られた樹脂成形体(フィルム)の表面抵抗率を抵抗率測定機(ロレスタGP MCP−T610 三菱化学社製)を用いて測定した。
<分散性>
得られた樹脂成形体(フィルム)を目視にて観測し、下記基準に基づき分散性を判断した。
◎:樹脂成形体の表面にカーボンナノチューブの凝集体が視認できない。(特に良好)
○:樹脂成形体の表面にカーボンナノチューブの凝集体がわずかに視認できる。(良好)
△:樹脂成形体の表面にカーボンナノチューブの凝集体が視認できる。(不良)
×:樹脂成形体の表面にカーボンナノチューブの凝集体が多数視認できる。(特に不良)
<機械物性用試験片成形>
得られた樹脂組成物を260℃に設定した射出成形機(IS−100F 東芝機械社製)に投入し、JIS K 7152−1(ISO 294−1)に準拠して、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmのシャルピー衝撃試験用短冊形試験片を作成した、また、前記同様の方法で中央部が長さ80mm×幅10mm×厚み4mm、チャック部が長さ50mm×幅20mm×厚み4mmのISO多目的ダンベル試験片を成形した。
<ノッチ付きシャルピー衝撃強度>
得られた短冊形試験片の中央部に2mmの切れ込み(ノッチ)を形成し、デジタル衝撃試験機(東洋精機製作所社製)を用い、JIS K 7111に準拠し、ノッチ付きシャルピー衝撃強度を測定した。
<引張破壊点伸び率、引張降伏点強度、引張破壊点強度>
得られたISO多目的ダンベル試験片を用い、JIS k 7161(ISO527−1)に準拠し、ストログラフ VE10D(東洋精機製作所社製)を用いて引張破壊点伸び率、引張降伏点強度および引張破壊点強度を測定した。
Figure 0006201495
Figure 0006201495

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂、カーボンナノチューブを含み、
    前記カーボンナノチューブは、酢酸コバルト・四水和物と酢酸マグネシウム、無水酢酸コバルトと水酸化マグネシウム、およびクエン酸鉄(III)・水和物と水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくともいずれかを含む触媒の存在下、製造されたものであり、
    前記カーボンナノチューブは、メタノール40ccとカーボンナノチューブ0.2gを投入し60分放置後、メタノール中のカーボンナノチューブの高さを測定し、分散前の高さとし、次いで超音波分散機で30分間超音波分散を行い60分静置し、その後、メタノール中のカーボンナノチューブの高さを測定し、超音波分散後の高さを基に下記数式(1)を用いて計算した体積膨張率が500%以上であることを特徴とする樹脂組成物。
    数式(1) 体積膨張率=超音波分散後の高さ÷分散前の高さ×100
  2. 前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、前記カーボンナノチューブを1〜15重量部含む、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載の樹脂組成物を成形してなる、成形体。
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