JP6358881B2 - ウエーハの研削方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウエーハの厚みを測定しながら所望の厚みに研削するウエーハの研削方法に関し、特に、ワイヤーソーでスライスされたウエーハを研削するウエーハの研削方法に関する。
半導体ウエーハの製造方法においては、ワイヤーソーでインゴットを薄くスライスすることで、アズスライスウエーハ(以下、単にウエーハと記す)が形成される。このようなウエーハには、加工で生じるうねりによって凸凹面が形成されている。この凸凹面を除去するために、スライス後のウエーハの表面を研削する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。上記各特許文献においては、高速回転する研削ホイールをウエーハの凸凹面に接触させ、所定厚みになるまで研削加工が実施される。これにより、凸凹面が除去され、ウエーハの表面が平坦に形成される。
特開平11−170169号公報 特開平11−111653号公報
ところで、ウエーハを所定厚みまで研削する場合、ウエーハの厚みを測定しながら研削が実施される。厚み測定には、例えば、接触式のゲージが用いられ、測定針を回転するウエーハの表面に接触させ、ウエーハの上面高さからウエーハの厚みが測定される。しかしながら、接触式のゲージの場合、ウエーハの凸凹面によって測定針が跳ね上げられてしまい、測定結果には、測定針が跳ね上げられた分だけの誤差が含まれていた。
このため、研削装置は、誤差が含まれた状態でウエーハの厚みが測定されても、その誤差を吸収するように実際のウエーハの厚みより大きい厚みの値を設定して、研削加工を実施する。この場合、厚みを大きく設定した分だけ、研削砥石がウエーハの表面に対して離れた位置から研削砥石の研削送り制御が開始される。よって、研削砥石がウエーハの表面に接触するまで研削砥石が空転した状態になり、無駄な時間となっていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ウエーハを所定厚みまで研削する時間を短縮することができるウエーハの研削方法を提供することを目的とする。
本発明のウエーハの研削方法は、ワイヤーソーでスライスされ少なくとも上面が凸凹面のウエーハを研削砥石で研削するウエーハの研削方法であって、チャックテーブルでウエーハの下面を吸引保持するウエーハ保持工程と、ウエーハ保持工程で保持したウエーハの上面にゲージを接触させチャックテーブルを研削加工で使用する回転速度よりも低速で回転させウエーハの上面高さを測定するウエーハ上面高さ測定工程と、ウエーハ上面高さ測定工程の後、ゲージを測定禁止状態にする研削準備工程と、研削準備工程の後、チャックテーブルを研削加工の回転速度で回転させ、少なくともウエーハの凸凹面を整えてゲージの跳ね上がりを防止する研削量でウエーハを初期研削する初期研削工程と、初期研削工程の後、チャックテーブルを研削加工の回転速度で回転させると共に該ゲージの測定禁止状態を解除してウエーハの上面にゲージを接触させゲージで測定するウエーハの上面高さが予め設定される仕上げ高さと一致するまでウエーハの上面を研削する仕上げ研削工程と、からなる。
この構成によれば、加工前のウエーハを研削加工時の回転速度より低速で回転させながらゲージがウエーハの上面に接触されるため、ゲージの上下動がウエーハの凸凹面に追従し易くなる。よって、凸凹面や回転速度によってゲージが跳ね上げられるのを抑えることができ、研削加工前のウエーハの厚みを精度よく測定することができる。このため、ゲージの跳ね上がりを考慮して予めウエーハの厚みを実際の厚みより大きく設定する必要が無く、初期研削開始前に、研削砥石がウエーハの上面に接触する位置まで研削砥石を位置付けることができる。よって、初期研削開始後の研削砥石の空転時間を短縮することができる。また、初期研削工程の間は、ゲージが測定禁止状態のため、ウエーハの上面高さが測定されない。よって、ゲージの跳ね上がりを考慮することなく、ウエーハを研削加工に適した速度で回転させることができるため、ウエーハの上面が研削され、凸凹面が平坦に整えられる。仕上げ研削工程では、ウエーハの凸凹面が整えられているため、ゲージが跳ね上げられることなくウエーハの上面高さを正確に測定することができる。また、ウエーハの仕上げ高さを測定しながら仕上げ研削が実施されるため、ウエーハを所定厚みまで仕上げ研削することができる。以上のように、研削開始位置を高精度に検出することで、研削開始後の研削砥石の空転時間を最小限に抑えることができ、ウエーハを仕上げ厚みまで研削する時間を短縮することができる。
また、本発明の上記ウエーハの研削方法は、初期研削工程において、ウエーハ上面高さ測定工程で測定したウエーハの上面の最高位置から最低位置までウエーハを初期研削する。
本発明によれば、研削開始位置を高精度に検出することで、ウエーハを所定厚みまで研削する時間を短縮することができる。
本実施の形態に係る研削装置の模式図である。 比較例及び本実施の形態に係るゲージ周辺の部分拡大図である。 本実施の形態に係るウエーハ保持工程の一例を示す図である。 本実施の形態に係るウエーハ上面高さ測定工程の一例を示す図である。 本実施の形態に係る研削準備工程の一例を示す図である。 本実施の形態に係る初期研削工程の一例を示す図である。 本実施の形態に係る仕上げ研削工程の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係る研削装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る研削装置の模式図である。なお、本実施の形態では、図1に示す構成に限定されない。研削装置は、ウエーハに対して研削加工を実施可能であれば、どのように構成されてもよい。
図1に示すように、研削装置1は、チャックテーブル2に保持されたウエーハWを研削砥石32で研削するように構成されている。ウエーハWは略円板状に形成されており、ワイヤーソーでインゴットを薄くスライスして形成されるアズスライスウエーハで構成される。スライスされたウエーハWの表面には凸凹面が形成されており、ウエーハWの一方の面には、ウエーハWの凸凹面を吸収するように樹脂Rが塗布されている。樹脂Rは、例えば、紫外線硬化型の樹脂や、熱硬化型の樹脂で構成される。
樹脂Rが塗布されることでウエーハWの一方の凸凹面が平坦に均されて、樹脂R側の面(下面)を下側に向けてウエーハWをチャックテーブル2に全面吸着させることが可能になる。なお、アズスライスウエーハは、例えば、シリコン、ガリウムヒ素、セラミック、ガラス、サファイアで構成される。
チャックテーブル2は、上面視円形状に形成されており、モータ等の回転手段20によって回転可能に構成されている。チャックテーブル2の上面にはポーラスセラミック材によって保持面21が形成されている。保持面21は、チャックテーブル2内の流路を通じて吸引源22に接続されている。ウエーハWは、保持面21に生じる負圧によって保持面21上に吸引保持される。
チャックテーブル2の上方には、研削手段3が設けられている。研削手段3は、円筒状のスピンドル30の下端にマウント31を設けて構成される。マウント31の下面には、複数の研削砥石32が環状に配置された研削ホイール33が装着される。研削砥石32は、例えば、ダイヤモンド砥粒をメタルボンドやレジンボンド等の結合剤で固めたダイヤモンド砥石で構成される。また、研削手段3には、チャックテーブル2に対して研削砥石32を鉛直方向に接近離反させる研削送り手段34が設けられている。
チャックテーブル2の側方には、ウエーハWの上面高さを測定するゲージ4が設けられている。ゲージ4は、接触式のハイトゲージであり、本体部40からチャックテーブル2に延びるアーム41の先端に測定針42を設けて構成される。アーム41の基端側は、本体部40の内部で支持されており、アーム41は、その支持部を支点に上下方向へ揺動可能になっている。測定針42は、先端を下方に向けてアーム41の先端に取り付けられる。
測定の際には、測定針42の先端がウエーハWの上面Waに接触される。チャックテーブル2が回転されると、測定針42は、ウエーハWの表面形状に追従して上下動する。このとき、本体部40は、アーム41の揺動量から測定針42の上下移動量を検出する。これにより、ウエーハWの上面高さが測定される。また、測定を実施しない場合には、測定針42がウエーハWの上面Waから離間した位置で、アーム41の角度を保持することが可能になっている。
また、研削装置1には、研削装置1の各部を統括制御する制御手段5が設けられている。制御手段5は、ゲージ4の動作制御、ゲージ4の測定結果に基づく研削手段3の研削制御、チャックテーブル2の回転速度制御等の各種制御を実施する。制御手段5は、各種処理を実行するプロセッサや、メモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。メモリには、ウエーハWの上面高さ測定結果、目標となるウエーハWの仕上げ厚み、チャックテーブル2の回転速度等が格納される。
このように構成される研削装置1では、一方の面に樹脂Rが塗布されたウエーハWがチャックテーブル2に吸引保持され(ウエーハ保持工程)、ゲージ4によってウエーハWの上面高さが測定される(ウエーハ上面高さ測定工程)。その後、ゲージ4の測定針42がウエーハWの上面Waから離間され(研削準備工程)、研削手段3によってウエーハWの上面Waが初期研削される(初期研削工程)。そして、再び測定針42をウエーハWの上面Waに接触させ、ウエーハWの上面高さを測定しながら、仕上げ研削が実施される(仕上げ研削工程)。以上の工程を経て、ウエーハWの上面が平坦に形成される。
以下、図2から図7を参照して、本実施の形態に係るウエーハの研削方法について従来のウエーハの研削方法と比較して説明する。図2は、比較例及び本実施の形態に係るゲージ周辺の部分拡大図であり、図2Aは比較例を示し、図2Bは本実施の形態を示している。また、図3は本実施の形態に係るウエーハ保持工程、図4はウエーハ上面高さ測定工程、図5は研削準備工程、図6は初期研削工程、図7は仕上げ研削工程のそれぞれ一例を示す図である。
図2Aに示すように、従来のウエーハの研削方法では、ゲージ4でウエーハWの上面高さを測定する際に、研削加工時と同じ回転速度(例えば、300rpm)でチャックテーブル2(図1参照)を回転させていた。よって、ウエーハWの上面Waに接触した測定針42は、チャックテーブル2の回転速度が速すぎるためにウエーハWの凸凹面に追従することができず、ウエーハWの上面Waから跳ね上がってしまっていた。このように、従来では、ウエーハWの上面高さの測定結果に測定針42が跳ね上がった分の誤差が含まれており、ウエーハWの上面高さが正確に測定されないという事態が生じていた。
一方、本実施の形態においては、図2Bに示すように、ウエーハWの凸凹面で測定針42が跳ね上がってしまうのを防止するために、測定の際には、チャックテーブル2の回転速度を研削加工時よりも低速にしている(例えば、30rpm)。これにより、測定針42がウエーハWの上面Waから跳ね上がることなく、測定針42の先端がウエーハWの上面Waに接触した状態が維持され、測定針42は凸凹面に追従して上下動する。これにより、ウエーハWの上面高さを正確に測定することが可能になっている。この場合、測定針42の先端は、凸凹面の形状に沿って移動できる大きさを有していることが好ましい。
以下、本実施の形態に係るウエーハの研削方法の各工程について説明する。図3に示すように、先ず、ウエーハ保持工程が実施される。ウエーハ保持工程では、不図示の搬送手段によって、ウエーハWがチャックテーブル2に搬送され、樹脂Rが塗布された側の面(下面)を下方に向けて、ウエーハWは、チャックテーブル2の保持面21上に載置される。ウエーハWは、保持面21に生じる負圧によって、チャックテーブル2に吸引保持される。
ウエーハ保持工程の後には、ウエーハ上面高さ測定工程が実施される。図4に示すように、ウエーハ上面高さ測定工程では、先ず、ウエーハWの上面Waの所定箇所にゲージ4の測定針42が接触される。ウエーハWの上面Waの所定箇所とは、例えば、ウエーハWの径方向における中心と外周との中間位置を示す。そして、チャックテーブル2を回転させることによって、所定箇所におけるウエーハ上面高さが全周にわたって測定される。
図2において説明したように、ウエーハ上面高さ測定工程では、チャックテーブル2を低速回転させることで、測定針42の跳ね上がりを防止しながらウエーハWの上面高さを正確に測定することができる。また、その測定結果から、ウエーハWの凸凹面の最高位置を認識することができる。この最高位置は、後の初期研削工程における研削開始位置を示している。なお、ウエーハ上面高さ測定工程におけるチャックテーブル2の回転速度は、30rpmに限らず、ウエーハWの凸凹面の形状等に合わせ、測定針42がウエーハWの上面Waから跳ね上がらない程度に適宜変更が可能である。
ウエーハ上面高さ測定工程の後には、研削準備工程が実施される。図5に示すように、研削準備工程では、測定針42がウエーハWの上面Waから離間した状態で固定され、ゲージ4はウエーハWの上面高さを測定しない測定禁止状態に設定される。また、ウエーハ上面高さ測定において測定されたウエーハWの上面高さに基づいて、研削手段3の送り制御が実施される。これにより、研削手段3は、上述した研削開始位置、すなわち、研削砥石32の研削面32aがウエーハWの凸凹面の最上位置に接触する高さに位置付けられる。
以上により、研削準備工程が終了する。本実施の形態では、高精度に得られたウエーハWの上面高さの測定結果に基づいて研削手段3が研削開始位置に位置付けられることで、後の初期研削工程において、研削砥石とウエーハWの上面Waとが接触した状態で研削を開始することができる。このため、研削砥石32(研削ホイール33)の空転時間を最小限に抑えることができ、研削時間を短縮することができる。
研削準備工程の後には、初期研削工程が実施される。図6に示すように、初期研削工程では、研削加工に適した回転速度(例えば、300rpm)でチャックテーブル2を回転させると共に、研削砥石32を所定の回転速度で回転させることで、研削砥石32の研削面32aとウエーハWの上面Waとが回転接触される。これにより、ウエーハWの上面Waが初期研削され、ウエーハWの上面Waが整えられる。上述したように、研削準備工程において、研削砥石32の研削面32aとウエーハWの上面Waとが接触する研削開始位置に研削手段3が位置付けられているため、研削砥石32の回転開始直後から研削加工を実施することができ、研削砥石32の空転時間を最小限に抑えることができる。
また、初期研削工程では、測定針42がウエーハWの上面Waから離間しているため、ウエーハWの上面高さが測定されない。そこで、初期研削工程における研削手段3の研削送り量は、ウエーハ上面高さ測定工程におけるウエーハW上面高さの測定結果に基づいて制御される。例えば、ウエーハWの上面Waの最高位置と最低位置との差を研削送り量とすることができる。この場合、初期研削工程において、ウエーハWの凸凹面を除去して平坦に整えるまでの研削量を最小限に抑えることができる。ウエーハWの上面Waが平坦に整えられることにより、後の仕上げ研削工程において、ゲージ4でウエーハWの上面高さを測定しながら仕上げ研削を実施する場合に、測定針42の跳ね上がりを防止することができる。また、初期研削後のウエーハWの上面Waは、後の仕上げ研削工程でウエーハWの上面高さを測定する際の基準面として機能する。
なお、本実施の形態では、初期研削工程において、ウエーハWの上面Waの最高位置から最低位置まで研削される構成としたが、この構成に限定されない。初期研削工程では、ウエーハWの凸凹面が少しでも整えられればよい。例えば、研削量は、ウエーハWの凹凸面を整えて、通常研削時のチャックテーブル2の回転速度で測定針42がウエーハWの上面Waから跳ね上がるのを防止できる程度であればよい。また、初期研削工程における研削送り量は、予め設定された送り量としてもよいし、研削時間で制御されてもよい。
初期研削工程の後には、仕上げ研削工程が実施される。図7に示すように、仕上げ研削工程では、ゲージ4の測定針42をウエーハWの上面Wa(基準面)に接触させ、基準面に対するウエーハWの上面高さを測定しながら仕上げ研削加工が実施される。このときのチャックテーブル2の回転速度は、例えば、初期研削工程時と同じ300rpmに設定される。研削砥石32の回転速度も同様に、初期研削工程と同じ回転速度に設定される。なお、この場合、初期研削工程の加工条件(チャックテーブル2の回転速度、研削砥石32の回転速度、研削送り速度等)のまま研削加工を継続し、測定針42をウエーハWの上面に接触させるだけで、初期研削工程から仕上げ研削工程に移行させることができる。
仕上げ研削工程では、基準面に対するウエーハWの上面高さを監視しながら研削加工を実施し、ウエーハWの上面高さが予め設定された仕上げ高さと一致するまで、研削手段3が研削送りされる。この結果、ウエーハWは、所定の仕上げ厚みまで仕上げ研削される。以上のように、初期研削工程及び仕上げ研削工程を連続的に実施することができるため、研削手段3及びチャックテーブル2を停止することなく、研削加工を継続することができる。この結果、ウエーハWを所定厚みまで研削する時間を短縮することができる。
仕上げ研削工程が実施された結果、ウエーハWは所定の厚みまで研削され、今度はウエーハWの下面側の凸凹面が研削される。この場合、ウエーハWの下面側の樹脂Rを剥がした後、ウエーハWの下面側を上に向けて、平坦に整えられた上面Wa側をチャックテーブル2の保持面21に吸引保持させる。そして、上述した各工程が実施されることにより、ウエーハWの反対面も平坦に整えられる。
以上のように、本実施の形態に係るウエーハの研削方法によれば、加工前のウエーハWを研削加工時の回転速度より低速で回転させながら測定針42がウエーハWの上面Waに接触されるため、測定針42の上下動がウエーハWの凸凹面に追従し易くなる。よって、凸凹面や回転速度によって測定針42が跳ね上げられるのを抑えることができ、研削加工前のウエーハWの厚みを精度よく測定することができる。このため、測定針42の跳ね上がりを考慮して予めウエーハWの厚みを実際の厚みより大きく設定する必要が無く、初期研削開始前に、研削砥石32がウエーハWの上面Waに接触する位置まで研削砥石32を位置付けることができる。よって、初期研削開始後の研削砥石の空転時間を短縮することができる。
また、初期研削工程の間は、測定針42がウエーハWの上面Waから離間された状態、すなわち、ゲージ4が測定禁止状態のため、ウエーハWの上面高さが測定されない。よって、測定針42の跳ね上がりを考慮することなく、ウエーハWを研削加工に適した速度で回転させることができるため、ウエーハWの上面Waが研削され、凸凹面が平坦に整えられる。仕上げ研削工程では、ウエーハWの凸凹面が整えられているため、測定針42が跳ね上げられることなくウエーハWの上面高さを正確に測定することができる。また、ウエーハWの仕上げ高さを測定しながら仕上げ研削が実施されるため、ウエーハWを所定厚みまで仕上げ研削することができる。以上のように、研削開始位置を高精度に検出することで、研削開始後の研削砥石32の空転時間を最小限に抑えることができ、ウエーハWを仕上げ厚みまで研削する時間を短縮することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記した実施の形態では、研削準備工程において、ゲージ4の測定禁止状態は、測定針42がウエーハWの上面Waから離間される状態としたが、この構成に限定されない。研削準備工程で測定針42をウエーハWの上面Waから離間させずに、測定針42をウエーハWの上面Waに接触させたまま初期研削工程を実施してもよい。この場合、初期研削工程では、ゲージ4の測定結果を制御手段5側が受け付けない、ゲージ4の測定をオフする等、ゲージ4を測定禁止状態に設定し、仕上げ研削工程では、ゲージ4の測定禁止状態を解除すればよい。これにより、測定針42がウエーハWの凸凹面によって、ウエーハWの上面Waから跳ね上がったとしても、研削送り制御に影響を与えることがない。また、測定針42をウエーハWの上面Waから離間させることなく初期研削加工を実施することができるため、ゲージ4の動作を簡略化することができる。
また、上記した実施の形態では、ウエーハWの上面Waの径方向における中心と外周との中間位置に、測定針42の先端を接触させてウエーハWの上面高さを測定する構成としたが、この構成に限定されない。ウエーハWの上面高さの測定箇所は、ウエーハWの中心側でもよく、外周側でもよい。ウエーハWの中心側で上面高さを測定する場合、ウエーハWの凸凹面に対する測定針42の周速が小さくなるため、測定針42の跳ね上がり防止効果が高められる。ウエーハWの外周側で上面高さを測定する場合、測定距離が長くなるため、ウエーハWの最高位置及び最低位置を精度よく検出することができる。
また、上記した実施の形態では、1つのゲージ42でウエーハWの上面高さを測定する構成としたが、この構成に限定されない。2つのゲージを用いてウエーハWの上面高さを測定してもよい。この場合、一方のゲージの測定針をウエーハWの上面に接触させ、他方のゲージの測定針をチャックテーブル2の上面に接触させ、それぞれのゲージの測定結果の差分からウエーハWの上面高さを算出する。
以上説明したように、本発明は、ウエーハを所定厚みまで研削する時間を短縮することができるという効果を有し、特に、ワイヤーソーでスライスされたウエーハを研削するウエーハの研削方法に有用である。
W ウエーハ
Wa ウエーハの上面
1 研削装置
2 チャックテーブル
3 研削手段
32 研削砥石
4 ゲージ

Claims (2)

  1. ワイヤーソーでスライスされ少なくとも上面が凸凹面のウエーハを研削砥石で研削するウエーハの研削方法であって、
    チャックテーブルでウエーハの下面を吸引保持するウエーハ保持工程と、
    該ウエーハ保持工程で保持したウエーハの上面にゲージを接触させ該チャックテーブルを研削加工で使用する回転速度よりも低速で回転させウエーハの上面高さを測定するウエーハ上面高さ測定工程と、
    該ウエーハ上面高さ測定工程の後、該ゲージを測定禁止状態にする研削準備工程と、
    該研削準備工程の後、該チャックテーブルを研削加工の回転速度で回転させ、少なくともウエーハの凸凹面を整えて該ゲージの跳ね上がりを防止する研削量でウエーハを初期研削する初期研削工程と、
    該初期研削工程の後、該チャックテーブルを研削加工の回転速度で回転させると共に該ゲージの測定禁止状態を解除してウエーハの上面に該ゲージを接触させ該ゲージで測定するウエーハの上面高さが予め設定される仕上げ高さと一致するまでウエーハの上面を研削する仕上げ研削工程と、
    からなるウエーハの研削方法。
  2. 該初期研削工程において、該ウエーハ上面高さ測定工程で測定したウエーハの上面の最高位置から最低位置までウエーハを初期研削することを特徴とする請求項1記載のウエーハの研削方法。
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