<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)について第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10における遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって形成することも可能である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が鉛直又は略鉛直に起立させた状態で着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び図柄表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。この場合、図柄表示ユニット38は、遊技領域の中央部を含むように配置されており、当該図柄表示ユニット38の下方に作動口36及び可変入賞装置35が上下に並べて配置されている。また、一般入賞口34は、作動口36及び可変入賞装置35を基準として左右にそれぞれ2個ずつ設けられており、スルーゲート37は、図柄表示ユニット38を基準として左右にそれぞれ1個ずつ設けられている。
一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、各入球部に内蔵された検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。なお、可変入賞装置35は、通常は遊技球が入球できない又は入球し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入球し易い所定の開放状態に切り替えられるようになっている。
その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図柄表示ユニット38は、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置を備えている。図柄表示ユニット38は、遊技盤33に設けられた方形状、具体的には四角形状(矩形状)の開口部33aを通じて図柄表示装置の表示面がパチンコ機10前方から視認可能となるように遊技盤33の背面側に配設されている(図5等参照)。
遊技盤33には、図4に示すように、図柄表示装置の表示面をパチンコ機10前方から視認可能とする開口部33aを規定するようにしてセンターフレーム41が配設されている。センターフレーム41は、開口部33aの上縁及び左右の側縁を規定するように設けられた屋根ユニット42と、開口部33aの下縁を規定するように設けられたステージユニット43と、を備えている。屋根ユニット42はその上枠部に球入口を有し、当該球入口に入った遊技球をステージユニット43上に導く一対のステージ誘導通路が形成されている。球入口に遊技球が入ることにより、その遊技球がステージユニット43上に誘導される。
ステージユニット43はその上面に、遊技球が転動可能な転動面44を有している。転動面44は、遊技球2個分程度の幅を有し、中央部を中心として左右対称な滑らかな流線形状となっている。具体的には、転動面44は、中央部が上方に盛り上がった山部45となっており、その左右は下方に凹んだ谷部46となっており、また左右両端は中央部よりも上方に位置している。
谷部46は、前方に向けて下方に傾斜した形状をなしている。十分に減速された状態で谷部46上に到達した遊技球は、谷部46の傾斜により誘導されて、谷部46の前縁からステージユニット43の下方に向けて排出される。
ステージユニット43における山部45の下方には誘導通路47が形成されており、山部45の後部に誘導通路47への入口が形成されているとともに山部45はその入口に向けて下り傾斜となっている。誘導通路47は前方に向けて下り傾斜となっており、誘導通路47に導入された遊技球は当該誘導通路47を通ってステージユニット43の下方へ排出される。誘導通路47の出口は、作動口36の鉛直上方に位置している。よって、誘導通路47を通過した遊技球は作動口36に入球し易くなっている。
センターフレーム41における屋根ユニット42には、第1特定表示部51及び第2特定表示部52が設けられている。また、ステージユニット43には、第1保留発光部53と第2保留発光部54とが設けられている。第1保留発光部53は、図柄表示装置及び第1特定表示部51に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され第1保留発光部53の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。第2保留発光部54は、第2特定表示部52に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され第2保留発光部54の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置の表示面には基本的に、複数種の図柄が所定の順序で変動表示される変動表示領域が複数設定され、各変動表示領域において図柄の変動表示が行われる。例えば複数種の図柄が所定の順序で配列された図柄列が、左、中及び右に並べて設定され、各図柄列において複数種の図柄が所定の順序で上下方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、大当たり状態(特別遊技状態)が発生することとなる。なお、図柄表示装置の具体的な構成は、図柄表示ユニット38の具体的な構成と合わせて、後に詳細に説明する。
第1特定表示部51では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定表示部52では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
遊技盤33には、内レール部55と外レール部56とが取り付けられており、これら内レール部55と外レール部56とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構57から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構57は、図3に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられたハンドル装置58が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、透明性を有する窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、無色透明のガラス材料により厚み寸法が同一又は略同一の板状に形成されているが、無色透明の合成樹脂材料により形成してもよい。窓パネル62が設けられていることにより、窓部61の開口が塞がれている。なお、窓パネル62は、鉛直方向に起立させて設けられているが、遊技機前後方向に傾斜させて設けてもよい。
窓部61の周囲には、装飾用発光部やエラー表示用発光部等の各種発光部が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部63と下側膨出部64とが上下に並設されている。上側膨出部63内側には上方に開口した上皿63aが設けられており、下側膨出部64内側には同じく上方に開口した下皿64aが設けられている。上皿63aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構57側へ導くための機能を有する。また、下皿64aは、上皿63a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は遊技盤33の背面図である。
図5に示すように、遊技盤33の背面には、主制御装置65及び音声発光制御装置66が搭載されている。主制御装置65は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、停電の発生を監視する停電監視基板とが、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス65aに収容されて構成されている。
音声発光制御装置66は、主制御装置65からの指示に従い音声や発光表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声発光制御基板を具備しており、音声発光制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス66aに収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図2に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。なお、裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、音声発光制御装置66や図柄表示ユニット38などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部74を有している。
払出機構部72は、保護カバー部74を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿63a又は下皿64aに排出される。なお、払出機構部72には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット73は、払出制御装置77と電源及び発射制御装置78とを備えている。これら払出制御装置77と電源及び発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置77は、払出装置76を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。電源及び発射制御装置78は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置58の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、遊技盤33に搭載された図柄表示ユニット38について詳細に説明する。図6は図柄表示ユニット38の構成を説明するための前方から見た遊技盤33の斜視図、図7は図柄表示ユニット38の構成を説明するための後方から見た遊技盤33の斜視図、図8は図柄表示ユニット38の構成を説明するための遊技盤33の背面図である。なお、図6〜図8においては、主制御装置65及び音声発光制御装置66を省略して示す。
図柄表示ユニット38は、遊技盤33の背面側に配設されている。図柄表示ユニット38は、既に説明したように図柄表示装置81を備えているとともに、図柄表示装置81を表示制御する表示制御装置82と、図柄表示装置81を支持する表示側支持機構83と、図柄表示装置81にて表示される画像の一部をパチンコ機10前方に向けて反射させるための反射用ユニット84と、反射用ユニット84を支持する反射側支持機構85と、を備えている。
図柄表示装置81は、10.6型の液晶表示装置である。ここで、図9及び図10を用いて図柄表示装置81の構成について詳細に説明する。図9及び図10は図柄表示ユニット38の図柄表示装置81を説明するための説明図である。
図柄表示装置81は、図9(a)に示すように、一対の透明基板間に液晶が封入されたTN型の液晶表示部90と、当該液晶表示部90の前方及び後方のそれぞれに設けられた偏光フィルム91と、後側の偏光フィルム91を通じて液晶表示部90の背面全体を照らすように後側の偏光フィルム91の後方に設けられたバックライト92と、前側の偏光フィルム91と液晶表示部90との間において当該液晶表示部90の前面の全体と対向するように設けられた視差バリアパネル93と、を備えている。この場合、前側の偏光フィルム91の前面により図柄表示装置81の表示面94が構成されているが、当該偏光フィルム91の前方に無色透明の保護フィルム又は無色透明の保護パネルといった保護部を設け、当該保護部の前面により図柄表示装置81の表示面94を構成してもよい。表示面94は全体又は略全体に亘って面一となる平面状に形成されている。
なお、液晶表示部90は、横方向に1280画素及び縦方向に768画素が設定され、合計1280×768の画素数を有しているが、画素数はこれに限定されることはなく任意である。また、液晶表示部90はTN型に限定されることはなく、例えばASV型のものを用いてもよい。また、視差バリアパネル93の位置は、その視差バリアとしての機能を発揮するのであれば、前側の偏光フィルム91の前方に配置してもよく、この場合、視差バリアパネル93の前面により図柄表示装置81の表示面94が構成される。また、視差バリアパネル93を、液晶表示部90と後側の偏光フィルム91との間に配置してもよく、後側の偏光フィルム91とバックライト92との間に配置してもよい。また、図柄表示装置81においてバックライト92の後方には、画像処理デバイスなどが設けられた制御基板が搭載されている。
図柄表示装置81は、表示制御装置82による液晶表示部90の表示制御態様と、視差バリアパネル93とによって視野角が調整されることで、マルチビュー表示、具体的にはデュアルビュー表示を可能とするように構成されている。つまり、図9(b)に示すように、図柄表示装置81の表示面94は、縦方向の両端側の領域が、それぞれデュアルビュー表示を行わない上側非調整領域95及び下側非調整領域96に設定されているとともに、これら両非調整領域95,96の間の領域が視野角調整領域97に設定されている。
ここで、視野角調整領域97において視野角が調整される具体的な構成について、図10(a)及び図10(b)を用いて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図10(b)において、液晶表示部90の液晶封入部分の厚みなどを実際のものよりも大きく示す。これは、液晶表示部を示す図10(b)以外の図においても同様である。
液晶表示部90に対する表示制御において視野角調整領域97では、図10(a)に示すように、横方向に一列に並んだ単位画素領域(1画素分の領域)101により横ライン領域が構成される。この場合、単位画素領域101の縦寸法分の幅寸法を有する横ライン領域が縦方向に多数並設されているとみなすことができる。これら縦方向に多数並設された各横ライン領域は、デュアルビュー表示を行う場合に上側表示領域102と下側表示領域103とに割り当てられる。これら上側表示領域102と下側表示領域103とは、縦方向に1画素単位で交互に並ぶように設定される。
上側表示領域102及び下側表示領域103の視野角を調整するようにして、視差バリアパネル93が設けられている。視差バリアパネル93は、図10(b)に示すように、無色透明なガラス板により形成されており、液晶表示部90に対して平行となるように配置されている。また、視差バリアパネル93において視野角調整領域97では遮光材料が蒸着されており、光の遮断を行う遮光層104が形成されている。なお、遮光層104を形成する材料としてカーボン含有材料が用いられているが、遮光層104を形成することができるのであれば任意である。遮光層104は縦方向に等間隔で形成されており、これら遮光層104の間は光を透過させる透過層105となっている。
各遮光層104及び各透過層105は共に、液晶表示部90の上側表示領域102及び下側表示領域103に対応させて横方向に直線的に形成されているとともに、縦方向に交互に並ぶように形成されている。また、各遮光層104及び各透過層105は共に、縦方向の幅寸法が、液晶表示部90の上側表示領域102及び下側表示領域103の縦方向の幅寸法と略同一となっている。そして、図柄表示装置81を鉛直方向に起立させた状態において表示面94の視野角調整領域97を上側から見下ろすように視認した場合には上側表示領域102及び下側表示領域103のうち上側表示領域102が視認可能となり、下側から見上げるように視認した場合に上側表示領域102及び下側表示領域103のうち下側表示領域103が視認可能となるように、上側表示領域102及び下側表示領域103の配置位置に対する遮光層104及び透過層105の配置位置が設定されている。
この場合、表示面94の視野角調整領域97を上側から見下ろすように視認した場合における上側表示領域102を視認可能とする入射角の範囲、及び表示面94の視野角調整領域97を下側から見上げるように視認した場合における下側表示領域103を視認可能とする入射角の範囲は、本図柄表示装置81では前者が「25°〜55°」となっているとともに後者が「−55°〜−15°」となっているが、図柄表示装置81における後述するマルチビュー表示の各表示が、パチンコ機10前方の所定の位置から良好に視認できるのであれば、具体的な範囲は任意である。
上記のように上側表示領域102と下側表示領域103とが縦方向に1画素単位で交互に配置されるように液晶表示部90が表示制御されることで、下側表示領域103を挟んで隣り合う上側表示領域102間の距離、及び上側表示領域102を挟んで隣り合う下側表示領域103間の距離を1画素分に抑えることが可能となる。これにより、視野角調整領域97においてマルチビュー表示を行うことを可能とした構成において、各画像を視野角調整領域97の全体に亘ってそれぞれ表示させつつ、各画像の内側に生じるブランクを極力目立たなくすることが可能となる。
マルチビュー表示を行うべく視差バリアパネル93が設けられた構成においては、図柄表示装置81の表示面94にて上側非調整領域95及び下側非調整領域96に比べ視野角調整領域97の輝度が低下することが懸念される。そうすると、表示面94において輝度の統一感が損なわれることが懸念される。これに対して、図柄表示装置81では、液晶表示部90と後側の偏光フィルム91との間に、透過量調整手段(透過量調整部)として透過量調整パネル106が設けられている。
透過量調整パネル106は、液晶表示部90の背面全体と対向するようにして設けられている。透過量調整パネル106は、バックライト92から照射された光のうち、液晶表示部90における上側非調整領域95に対応した領域及び下側非調整領域96に対応した領域に照射される光量が視野角調整領域97に対応した領域に照射される光量よりも少なくなるように、透過量調整パネル106における各非調整領域95,96に対応した領域と視野角調整領域97に対応した領域とで光の透過率が異なるように形成されている。例えば、透明度が異なるパネルを組み合わせることにより、縦方向の両端側とその間の領域とで光の透過率が異なるように形成されている。そして、透過量調整パネル106における各領域の光の透過率は、図柄表示装置81の表示面94を正面から見た場合に、両非調整領域95,96及び視野角調整領域97の輝度が同一又は略同一となるように設定されている。これにより、視差バリアパネル93が設けられた構成において、表示面94にて輝度の統一感が損なわれないようになっている。
なお、透過量調整パネル106は、液晶表示部90と後側の偏光フィルム91との間に設けられていることは必須ではなく、例えば後側の偏光フィルム91とバックライト92との間や、液晶表示部90と視差バリアパネル93との間や、視差バリアパネル93の前方に設けられていてもよい。また、透過量調整パネル106を不具備としてもよい。
図柄表示装置81の後方には、図7に示すように、表示制御装置82が設けられている。表示制御装置82は、音声発光制御装置66から入力する情報(コマンド)に基づいて図柄表示装置81を表示制御する表示制御基板と、当該表示制御基板を収容する基板ボックス82aと、を備えている。なお、基板ボックス82aは、収容している表示制御基板を外部から視認可能なように透明性を有する合成樹脂材料により形成されている。表示制御装置82は、図柄表示装置81の背面に着脱自在な状態で固定されており、これにより図柄表示装置81と表示制御装置82とが一体化されている。
表示制御装置82が一体化された図柄表示装置81は、表示側支持機構83を介して遊技盤33の背面に固定されており、遊技盤33の開口部33aを通じてパチンコ機10前方から表示面94が視認可能となっている。この場合に、開口部33aの周縁を囲むようにして配設されたセンターフレーム41には、開口部33aを塞ぐようにして透明板107が設けられている(図6及び図14参照)。透明板107は、無色透明の合成樹脂材料により形成されているが、無色透明のガラス材料により形成してもよい。透明板107が設けられていることにより、遊技領域を流下している遊技球が、開口部33aを通じて図柄表示装置81側に入り込んでしまうことが防止されている。なお、透明板107は、厚み寸法が同一又は略同一の板状に形成されており、板面が遊技盤33の盤面に対して平行又は略平行となっている。
次に、表示側支持機構83の構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、図7及び図8に加え、図11を適宜参照しながら説明する。図11は、図柄表示ユニット38を側方から見た状態を説明するための説明図である。
表示側支持機構83は、図7等に示すように、一対の表示側ベース板111,112を備えている。これら表示側ベース板111,112は共に比較的硬質な金属板であり、遊技盤33の背面に固定されているとともに、遊技盤33の背面から後方へ起立させて設けられている。一対の表示側ベース板111,112は左右方向に離間させて設けられており、これら表示側ベース板111,112の間に確保された空間に、表示制御装置82が一体化された図柄表示装置81が設けられている。
図柄表示装置81の両側部には、図8等に示すように、表示側ベース板111,112への支持箇所を構成する側板113,114が設けられている。各側板113,114はそれぞれ、図柄表示装置81の対応する側部の全体に亘って設けられており、下端部には対応する表示側ベース板111,112に向けて延びる軸部材115,116が固定されている。これら軸部材115,116は同一直線上に位置するようにして左右方向に延びており、それぞれ対応する表示側ベース板111,112に回転可能な状態で支持されている。この場合、軸部材115,116が支持されている位置は、表示側ベース板111,112において遊技盤33の背面側に偏倚された位置となっている。
表示側ベース板111,112のうち一方の表示側ベース板111には、当該表示側ベース板111に支持されている軸部材115に回転力を付与するための角度変更モータ117が固定されている。角度変更モータ117は、表示制御装置82と電気的に接続されており、当該表示制御装置82から駆動信号を受けることにより、出力軸117aを所定方向及びそれとは反対方向に回転させるものである。一方、表示制御装置82から駆動信号を受けていない状態では、出力軸117aの回転位置を保持する。角度変更モータ117は、出力軸117aを表示側ベース板111よりも図柄表示装置81側に突出させた状態で、当該表示側ベース板111の外側の板面に固定されている。
角度変更モータ117の出力軸117aには、図11に示すように、第1ギア118が固定されており、出力軸117aの回転に伴って当該第1ギア118が回転する。第1ギア118の回転力は、表示側ベース板111に回転可能に支持された第2ギア119及び第3ギア120を介して第4ギア121に伝達される。第1ギア118、第2ギア119及び第3ギア120が円形であるのに対して、第4ギア121は扇形に形成されており、円弧の中心部分に上記軸部材115が固定されている。この場合、第1ギア118、第2ギア119及び第3ギア120はそれぞれ支軸により保持された位置にて回転するが、第4ギア121は支軸を中心として図柄表示装置81と一体的に回動する。
なお、第1〜第4ギア118〜121は、図7に示すようにカバー部材122内に収容されているが、図8及び図11では説明の便宜上、当該カバー部材122を省略して示す。また、図11では説明の便宜上、表示側ベース板111を二点鎖線にて示す。
角度変更モータ117が動作し出力軸117aが回転した場合には、その回転力が第1ギア118、第2ギア119、第3ギア120及び第4ギア121を介して軸部材115に伝達される。これにより、角度変更モータ117の動作に伴って図柄表示装置81の表示面94の向きが変更される。この場合に、第1ギア118に対して、第2ギア119、第3ギア120及び第4ギア121は歯数が多いギア部分を有しているため、角度変更モータ117の出力軸117aの回転量に対する第4ギア121における回転量を比較した場合、第4ギア121の回転量が出力軸117aの回転量に比べ小さくなる。これにより、トルクの増大化が図られている。
また、図柄表示装置81の回動に際して一体的に回動する第4ギア121よりもパチンコ機10後方側に第3ギア120が配置されている。これにより、図柄表示装置81を回動させる場合の力の伝達が良好に行われ、さらには表示面94を傾斜させた状態の保持が良好に行われる。なお、ギア118〜121の数は上記のものに限定されることはなく任意であり、さらにはギア118〜121を不具備とし、角度変更モータ117の出力軸117aが軸部材115に直接連結されていてもよい。
表示面94の向きの詳細については後に説明するが、角度変更モータ117の駆動に伴って表示面94は、遊技盤33と平行又は略平行であり正面を向いた初期状態と、下端部を軸としてパチンコ機10後方に向けて傾き斜め上方を向いた大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態とに切り替えられる。この場合、角度変更モータ117などが設置された表示側ベース板111には、図柄表示装置81が切り替えられる回動位置に1対1で対応させて角度検知センサ123〜125が設けられている。
角度検知センサ123〜125は全て、発光部及び受光部を備えた光学式センサからなり、図8に示すように、図柄表示装置81に設けられた一方の側板113において側方に突出させて設けられたセンサカット部126が発光部と受光部との間を遮ることで、図柄表示装置81の検知が行われる。なお、図8においては、説明の便宜上、初期状態に対応した角度検知センサ123のみを示す。これら角度検知センサ123〜125の検知結果は表示制御装置82に入力され、表示制御装置82ではその入力結果に基づいて図柄表示装置81の回動の状態を把握するとともに、その把握結果に基づいて角度変更モータ117を駆動させる。
次に、反射用ユニット84及び反射側支持機構85について説明する。
上記のとおり図柄表示装置81の表示面94には、マルチビュー表示を可能とする視野角調整領域97が設定されており、さらに角度変更モータ117の駆動に伴って表示面94が斜め上方を向いた状態となる。この場合に、視野角調整領域97において液晶表示部90の下側表示領域103に表示された画像(図10(b)参照)はパチンコ機10前方から視認可能であるが、上側表示領域102に表示された画像はパチンコ機10前方から視認不可となる。これに対して、図柄表示ユニット38には、上側表示領域102に表示された画像がパチンコ機10前方から視認可能となるように、当該画像をパチンコ機10前方に向けて反射させる反射用ユニット84が設けられている。
反射用ユニット84は、図7及び図11に示すように、表面に反射面131を有する反射ミラー132と、当該反射ミラー132を支持する金属製のミラー支持体133と、を備えている。なお、反射面131は全体又は略全体に亘って面一となる平面状となっている。ミラー支持体133は反射ミラー132の裏面に重ね合わせられ当該反射ミラー132が固定されたベース部134と、当該ベース部134の左右両端から後方に起立した一対のフランジ部135,136と、を備えている。フランジ部135,136は、ベース部134の縦方向の略全体に亘って設けられているとともに、当該ベース部134よりも下方に延出させて設けられている。
反射用ユニット84は、反射側支持機構85を介して遊技盤33の背面に設けられており、反射ミラー132の反射面131をパチンコ機10前方に向けた状態で、遊技盤33の背面側における図柄表示装置81の上方に配置されている。反射側支持機構85は、図7等に示すように、一対の反射側ベース板137,138を備えている。これら反射側ベース板137,138は共に比較的硬質な金属板であり、遊技盤33の背面に固定されているとともに、遊技盤33の背面から後方へ起立させて設けられている。一対の反射側ベース板137,138は左右方向に離間させて設けられており、これら反射側ベース板137,138の間に確保された空間に、反射用ユニット84が設けられている。
各反射側ベース板137,138にはそれぞれ、同一形状のガイド溝139,140が形成されている。ガイド溝139,140は、若干パチンコ機10の前後方向に湾曲しながら縦方向に延びる第1ガイド領域139a,140aと、当該第1ガイド領域139a,140aの下端からパチンコ機10後方に向けて若干下り傾斜しながら延びる第2ガイド領域139b,140bと、を備えており、これら第1ガイド領域139a,140a及び第2ガイド領域139b,140bは連通されている。
反射側ベース板137,138のガイド溝139,140に対応させて、反射用ユニット84におけるミラー支持体133の各フランジ部135,136には、図8に示すように、左右方向に延びる同一の直線上に位置するようにして上側連結部135a,136aが設けられており、これら上側連結部135a,136aはそれぞれ対応する反射側ベース板137,138のガイド溝139,140に対して連結部材141を用いて連結されている。この場合、連結部材141はボルトとナットとからなり、連結部材141による連結は上側連結部135a,136aがガイド溝139,140に沿って移動可能なように行われている。なお、連結部材141によるガイド溝139,140への上側連結部135a,136aの連結は、所定の遊びを有するように行われているが、当該所定の遊びのない状態で連結を行うようにしてもよい。
また、ミラー支持体133の各フランジ部135,136におけるベース部134よりも下方へ延出した領域には、左右方向の同一の直線上に位置するようにして下側連結部135b,136bが設けられており、これら下側連結部135b,136bは、図柄表示装置81に設けられた側板113,114に対して連結部材142を用いて連結されている。この場合、連結部材142はボルトとナットとからなり、連結部材142による連結は図柄表示装置81に対して反射用ユニット84が回動可能なように行われている。
反射側ベース板137,138及び図柄表示装置81の側板113,114に対して反射用ユニット84が連結されていることにより、角度変更モータ117の駆動に伴って図柄表示装置81の表示面94が傾いた状態となる場合には、それに追従して反射ミラー132の反射面131が傾いた状態となるように反射用ユニット84が移動する。
なお、図柄表示装置81は、液晶表示部90を含む実際に表示を行うユニットと当該ユニットにおいて表示を行わせる制御基板とを有するとともに表示制御装置82が一体化されているのに対して、反射用ユニット84は表示に関して反射ミラー132のみを有する構成であるため、反射用ユニット84の方が図柄表示装置81に比べ軽量となる。この場合に、重量が相対的に大きい図柄表示装置81を角度変更モータ117によって直接駆動させ、重量が相対的に小さい反射用ユニット84を追従させることにより、角度の変更を良好に行うことができる。
次に、角度変更モータ117の駆動に伴って図柄表示装置81の表示面94及び反射用ユニット84の反射面131の向きが変更される様子について図12及び図13を用いて説明する。図12(a)〜(c)及び図13(a)〜(c)は、角度変更モータ117の駆動に伴って図柄表示装置81の表示面94及び反射用ユニット84の反射面131の向きが変更される様子を説明するための説明図であり、図12(a)〜(c)は図柄表示ユニット38を側方から見た状態を示し、図13(a)〜(c)は図柄表示ユニット38を斜め後方から見た状態を示す。
ここで、既に説明したように、角度変更モータ117は表示制御装置82から駆動信号を受けていない状態では出力軸117aの回転位置が保持されるものであり、出力軸117aの回転位置が保持されることで図柄表示装置81の回動角度が保持される。この場合に、本パチンコ機10では、保持される図柄表示装置81の回動角度として複数種類の角度、具体的には3種類の角度が設定されており、それに対応させて反射用ユニット84の追従位置が設定されている。換言すれば、角度変更モータ117、各ギア118〜121及び反射側ベース板137,138のガイド溝139,140を含めた位置変更手段は、図柄表示装置81の回動角度(回動位置)及び反射用ユニット84の追従位置を変更する機能だけでなく、各回動角度及び各追従位置にて図柄表示装置81及び反射用ユニット84を保持する機能も有している。
具体的には、角度変更モータ117においては、油圧や空圧などによって、表示制御装置82から駆動信号を受けていない状態で出力軸117aの回転位置が保持されるように構成されており、各ギア118〜121においては、表示制御装置82から角度変更モータ117に駆動信号が出力されていない状態で図柄表示装置81の回動角度を保持するように各ギア118〜121の噛み合い部分における摩擦が設定されており、さらに反射側ベース板137,138においては、第1ガイド領域139a,140aから第2ガイド領域139b,140bへと変化するコーナー部分や第2ガイド領域139b,140bの後端にて反射用ユニット84を補助保持可能なようにガイド溝139,140が形成されている。
なお、各回動角度及び各追従位置にて図柄表示装置81及び反射用ユニット84を保持する構成は、上記のものに限定されることはなく、角度変更モータ117における油圧などによる保持の構成を不具備とし、各ギア118〜121の噛み合い部分における摩擦とガイド溝139,140における補助保持とにより保持する構成としてもよい。また、各ギア118〜121の噛み合い部分における摩擦は保持機能を有しない程度に設定し、角度変更モータ117における油圧などによる保持とガイド溝139,140における補助保持とにより保持する構成としてもよい。また、ガイド溝139,140において補助保持機能が作用しない構成としてもよい。さらには、上記保持に関する構成に代えて、又は加えて、保持用の駆動部を設ける構成としてもよい。当該保持用の駆動部としては、各回動位置及び各追従位置に対応させてソレノイドなどの電動アクチュエータを設け、対応する電動アクチュエータを表示制御装置などにより駆動制御することで、各回動角度及び各追従位置における保持を可能とする構成としてもよい。
以下に、図柄表示装置81の回動角度及び反射用ユニット84の追従位置について、保持される3種類の状態を説明する。先ず、初期状態について説明する。
初期状態においては、図12(a)及び図13(a)に示すように、図柄表示装置81の表示面94が遊技盤33と平行又は略平行となるように図柄表示装置81が保持されている。この場合、上記のとおり図柄表示装置81に設けられた軸部材115は、表示側ベース板111において遊技盤33の背面側に偏倚された位置にて支持されており、図柄表示装置81の表示面94は開口部33aの後側開口面と対峙している。なお、当該後側開口面は既に説明したように、透明板107により塞がれているため、表示面94は透明板107と対峙しているとも言える。また、表示面94は、前扉枠14に設けられた窓パネル62に対して平行又は略平行となるように、透明板107を挟んで対峙しているとも言える。
反射用ユニット84の上側連結部135aはガイド溝139における第1ガイド領域139aの上端に位置しており、反射用ユニット84の反射面131が遊技盤33と平行又は略平行となっている。この場合、反射面131の全体が表示面94よりも上方にあるとともに、反射面131の略全体が遊技盤33の開口部33aよりも上方にあり、パチンコ機10前方から反射面131が概ね視認不可となっている。つまり、初期状態においては、上記のとおり表示面94が遊技盤33と平行又は略平行となっており当該表示面94の画像を反射面131にて反射させる必要がないため、反射用ユニット84は表示面94の視認性を低下させない位置であってパチンコ機10前方から概ね視認不可となる位置に配置される。初期状態において反射面131が視認不可とならない構成を想定すると、当該反射面131において表示面94における表示とは無関係なものが映し出されてしまう可能性が生じるが、反射面131を隠すことでこのような不都合の発生が抑制される。
次に、大当たり用傾斜状態について説明する。
初期状態において表示制御装置82から角度変更モータ117に傾斜動作用の駆動信号が出力されることで、当該角度変更モータ117の出力軸117aが傾斜動作用の方向に回転する。そうすると、第1ギア118→第2ギア119→第3ギア120→第4ギア121の順に出力軸117aの傾斜動作用の回転力が伝達されていき、当該回転力が図柄表示装置81に伝達される。図柄表示装置81は、傾斜動作用の回転力が伝達されることで、下端部において左右方向に延びるように設けられた軸部材115を回動軸として、後方へ傾斜するように回動する。そして、表示制御装置82により、図柄表示装置81の表示面94が遊技盤33に対して35度後方に傾いた状態となるまで角度変更モータ117が駆動制御され、その位置にて保持される。この状態が大当たり用傾斜状態である。当該大当たり用傾斜状態には、大当たり状態となる際に切り替えられ、大当たり状態中はその状態が保持される。
この場合の傾斜動作用の駆動信号の出力に際しては、表示制御装置82において角度検知センサ123〜125の検知結果に基づいて現状が初期状態でることが特定され、当該特定結果に基づいて、出力すべき駆動信号が傾斜動作用の駆動信号であること及びその駆動信号の出力継続期間が特定される。
大当たり用傾斜状態では、図12(b)及び図13(b)に示すように、表示面94が遊技盤33に対して35度後方に傾いた状態となることに対応して反射用ユニット84が追従し、反射用ユニット84の上側連結部135aはガイド溝139における第1ガイド領域139aの下端に移動する。そして、この位置では、開口部33aを通じて反射面131が視認可能となる位置であって、表示面94に対する反射面131の角度が直角又は略直角となるように、反射用ユニット84がパチンコ機10後方に向けて下り傾斜した状態となる。なお、この場合、表示面94及び反射面131は、前扉枠14に設けられた窓パネル62に対してパチンコ機10奥側に傾斜しているとも言える。
次に、リーチ用傾斜状態について説明する。
初期状態又は大当たり用傾斜状態において表示制御装置82から角度変更モータ117に傾斜動作用の駆動信号が出力されることで、既に説明したように、図柄表示装置81は下端部において左右方向に延びるように設けられた軸部材115を回動軸として、後方へ傾斜するように回動する。そして、表示制御装置82により、図柄表示装置81の表示面94が遊技盤33に対して45度後方に傾いた状態となるまで角度変更モータ117が駆動制御され、その位置にて保持される。この状態がリーチ用傾斜状態である。当該リーチ用傾斜状態には、所定のリーチ変動表示となる際に切り替えられ、当該所定のリーチ変動表示中はその状態が保持される。
この場合の傾斜動作用の駆動信号の出力に際しては、表示制御装置82において角度検知センサ123〜125の検知結果に基づいて現状が初期状態又は大当たり用傾斜状態であることが特定され、当該特定結果に基づいて、出力すべき駆動信号が傾斜動作用の駆動信号であること及びその駆動信号の出力継続期間が特定される。
なお、本パチンコ機10では、大当たり用傾斜状態からリーチ用傾斜状態へと、図柄表示装置81が回動される状況は発生しないが、図柄表示ユニット38は当該動作が可能なように構成されている。
リーチ用傾斜状態では、図12(c)及び図13(c)に示すように、表示面94が遊技盤33に対して45度後方に傾いた状態となることに対応して反射用ユニット84が追従し、反射用ユニット84の上側連結部135aはガイド溝139における第2ガイド領域139bの後端に移動する。そして、この位置では、開口部33aを通じて反射面131が視認可能となる位置であって、表示面94に対する反射面131の角度が直角又は略直角となるように、反射用ユニット84がパチンコ機10後方に向けて下り傾斜した状態となる。なお、当該リーチ用傾斜状態では、図示による説明は省略するが、図柄表示装置81の後側端部が裏パック71における保護カバー部74に近接した位置となっている。また、この場合、表示面94及び反射面131は、前扉枠14に設けられた窓パネル62に対してパチンコ機10奥側に傾斜しているとも言える。
上記のとおり、大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態のいずれにおいても、表示面94と反射面131との間の角度が直角又は略直角の状態に保持される。これは、表示面94と反射面131との間の角度を直角又は略直角に保持した状態で表示面94が初期状態からリーチ用傾斜状態へと切り替えられる場合に、反射用ユニット84の上側連結部135aが通過する軌道に合わせてガイド溝139が形成されていることによる。
ここで、図12(a)に示すように、初期状態では図柄表示装置81の表示面94が開口部33aの後側開口面と近い位置にて対峙する。一方、大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態においては、図柄表示装置81が後方に傾いた状態となるとともに、図柄表示装置81の表示面94に対する反射用ユニット84の反射面131の角度が直角又は略直角となるため、透明板107に対して表示面94及び反射面131が離間された状態となる。そうすると、この離間空間を通じて遊技盤33の背面側がパチンコ機10前方から視認可能となってしまうことが懸念される。
これに対して、図柄表示ユニット38は、図7及び図11に示すように、一対の遮蔽板143,144を備えている。これら遮蔽板143,144は、一対の表示側ベース板111,112間において図柄表示装置81を間に挟むようにして左右方向に離間させて配置されている。遮蔽板143,144は遊技盤33の背面からパチンコ機10後方に向けて起立させて設けられており、図12(c)及び図13(c)に示すように、図柄表示装置81がパチンコ機10後方に向けて最も傾斜した状態となるリーチ用傾斜状態であっても、開口部33aの後側開口面と表示面94及び反射面131との間の離間空間を開口部33aよりも側方において塞ぐように形成されている。そして、リーチ用傾斜状態において離間空間が開口部33aの側方にて塞がれることで、図12(b)及び図13(b)に示すように、同一の遮蔽板143,144により大当たり用傾斜状態においても同様に塞がれる。これにより、大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態において、上記離間空間を通じて、パチンコ機10の前方から遊技盤33の背面側を視認しようとしてもそれを行いづらくすることが可能となる。
なお、図12(c)及び図13(c)に示すように、リーチ用傾斜状態においては、反射用ユニット84の上端と開口部33aの後側開口面とが離間される。そうすると、この離間された空間を通じて遊技盤33の背面側が視認可能となってしまうことが懸念される。これに対して、例えば可動式の遮蔽板を図柄表示ユニット38に設け、リーチ用傾斜状態においては当該遮蔽板により反射用ユニット84の上端と開口部33aの後側開口面との間を遮蔽する構成としてもよい。但し、当該遮蔽板は反射用ユニット84の初期状態とリーチ用傾斜状態との間の移動を阻害しないように設ける必要がある。
次に、大当たり用傾斜状態又はリーチ用傾斜状態から初期状態側に向けて切り替わる場合について説明する。
大当たり用傾斜状態又はリーチ用傾斜状態において表示制御装置82から角度変更モータ117に復帰動作用の駆動信号が出力されることで、当該角度変更モータ117の出力軸117aが復帰動作用の方向に回転する。そうすると、第1ギア118→第2ギア119→第3ギア120→第4ギア121の順に出力軸117aの復帰動作用の回転力が伝達されていき、当該回転力が図柄表示装置81に伝達される。図柄表示装置81は、復帰動作用の回転力が伝達されることで、下端部において左右方向に延びるように設けられた軸部材115,116を回動軸として、前方へ起立するように回動する。
リーチ用傾斜状態から大当たり用傾斜状態へと切り替わる場合には、表示制御装置82により、図柄表示装置81の表示面94が遊技盤33に対して35度後方に傾いた状態となるまで角度変更モータ117が駆動制御されるとともに、この動作に追従するように反射用ユニット84が移動する。これにより、大当たり用傾斜状態へ切り替えられる。また、大当たり用傾斜状態又はリーチ用傾斜状態から初期状態へ切り替わる場合には、表示制御装置82により、遊技盤33に対する表示面94の角度が0度となるまで角度変更モータ117が駆動制御されるとともに、この動作に追従するように反射用ユニット84が移動する。これにより、初期状態へ切り替えられる。
なお、表示制御装置82において、復帰動作用の駆動信号を出力すること及びその駆動信号の出力継続期間が、角度検知センサ123〜125の検知結果に基づいて行われることは、傾斜動作用の駆動信号が出力される場合と同様である。
次に、初期状態、大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態での図柄表示ユニット38におけるマルチビュー表示との関係について図14を用いて説明する。図14(a)は初期状態における表示の態様を説明するための説明図、図14(b)は大当たり用傾斜状態における表示の態様を説明するための説明図、図14(c)はリーチ用傾斜状態における表示の態様を説明するための説明図である。
ここで、本パチンコ機10では、遊技盤33の開口部33aに対する遊技者の目の高さ位置を所定のものとするために、目の高さ位置を指定する指定手段を備えている。具体的には、図4に示すように、センターフレーム41における屋根ユニット42の左右の側枠部には、それぞれ1個ずつ高さ位置指定部145が付与されている。
高さ位置指定部145は、側枠部に対して着色を行うことにより付与されているが、これに限定されることはなく、側枠部に所定の凹凸を形成することにより付与するようにしてもよい。遊技者が目の高さ位置を高さ位置指定部145に合わせることにより、当該遊技者の目の高さ位置が開口部33aの縦方向の中央付近となり、遊技者は開口部33aを正面から視認することとなる。なお、例えばパチンコ機10が複数設置される遊技ホールにおいて、遊技者が座る椅子を高さ位置の調整が可能な構成とするとよい。また、高さ位置指定部145を不具備としてもよい。
以下の説明では、遊技者の目の高さ位置が高さ位置指定部145により指定された位置、すなわち遊技者が開口部33aを正面から視認している状態を基準とする。
初期状態においては、図14(a)に示すように、表示面94は遊技盤33と平行又は略平行であり、開口部33aを通じて、下端側の一部を除いた表示面94の略全体がパチンコ機10前方から視認可能となっている。遊技者の視線は、表示面94に対して垂直に向けられることとなり、視野角調整領域97に対しても遊技者の視線は垂直に向けられる。視野角調整領域97に対して遊技者の視線が垂直に向けられる状況では、当該視野角調整領域97にてマルチビュー表示を行ったとしてもそのマルチビュー表示の各画像が個別に視認されるのではなく、各画像が混在した状態が視認されることとなってしまうため、当該マルチビュー表示は行われない。
また、上記のとおり下端側の一部を除いた表示面94の略全体がパチンコ機10前方から視認可能となっている。したがって、上側非調整領域95、下側非調整領域96及び視野角調整領域97の全てにおいて統一された状態で画像の表示が行われる。なお、既に説明したように、初期状態においては、反射面131の略全体が遊技盤33の開口部33aよりも上方にあり、パチンコ機10前方から反射面131が概ね視認不可となっている。
大当たり用傾斜状態においては、図14(b)に示すように、表示面94は遊技盤33に対して第1傾斜角度として35度傾斜した状態となるとともに、表示面94に対する反射面131の角度は直角又は略直角となっている。当該状態では、開口部33aを通じてパチンコ機10前方から、表示面94だけでなく反射面131が視認可能となる。
また、反射面131の下端部の位置が、表示面94における上側非調整領域95と視野角調整領域97との境界部分と一致することとなり、さらには反射面131の下端部が当該位置において表示面94と当接又は近接した状態となっている。この場合、開口部33aを通じて表示面94及び反射面131を見た場合、表示面94と反射面131との間には隙間が生じない。但し、反射用ユニット84によって表示面94の上側非調整領域95が隠れた状態となる。つまり、大当たり用傾斜状態においては、表示面94における下側非調整領域96及び視野角調整領域97と、反射面131の略全体がパチンコ機10前方から視認可能となる。
表示面94に対する遊技者の視線の入射角は、初期状態に比べ35度広角となり、視野角調整領域97に対しても遊技者の視線は初期状態に比べ35度広角となる。また、反射面131に対する遊技者の視線も35度となり、当該角度においては反射面131にて表示面94の視野角調整領域97が映される。この場合に、反射面131にて映される領域は視野角調整領域97であり、下側非調整領域96は含まれない。但し、視野角調整領域97において、下側非調整領域96側の一部も反射面131にて映される領域に含まれない。
視野角調整領域97においてマルチビュー表示が行われることで、液晶表示部90の下側表示領域103において表示される画像が、表示面94に直接向けられる視線にて視認されるとともに、液晶表示部90の上側表示領域102において表示される画像が、反射面131に向けられる視線にて視認される。つまり、表示面94を基準として、視野角調整領域97を斜め下方から視認した場合の画像と当該視野角調整領域97を斜め上方から視認した場合の画像のうち、開口部33a側から直接視認することができない画像が、反射面131にて反射されることで開口部33a側から視認することができるようになる。
また、上記のとおり表示面94に対する反射面131の角度が直角又は略直角となっているため、反射面131にて反射されて表示面94が視認される場合の視線の経路において反射面131から表示面94まで光が進む距離だけ遊技者の視線を反射面131の後方へ延長させると、その延長させた位置は、表示面94を面一とした状態で上方に延長させた面に含まれる。つまり、遊技者から見た場合、反射面131にて反射される画像は、表示面94が同一平面上において上方に延長された位置にて表示されているように視認される。そして、この場合に遊技者に実質的に視認される表示領域の縦寸法は、開口部33aの縦寸法よりも大きくなる。ちなみに、遊技者に実質的に視認される表示領域において、表示面94の下側非調整領域96が遊技者にとって最も近い側となっている。
リーチ用傾斜状態においては、図14(c)に示すように、表示面94は遊技盤33に対して第2傾斜角度として45度傾斜した状態となるとともに、表示面94に対する反射面131の角度が直角又は略直角となっている。当該状態では、大当たり用傾斜状態と同様、開口部33aを通じてパチンコ機10前方から、表示面94だけでなく反射面131が視認可能となる。なお、表示面94の各領域95〜97に対する反射面131の位置も大当たり用傾斜状態と同様であり、開口部33aを通じて表示面94及び反射面131を見た場合、表示面94と反射面131との間には隙間が生じることはなく、さらには表示面94における下側非調整領域96及び視野角調整領域97と、反射面131の略全体がパチンコ機10前方から視認可能となる。
表示面94に対する遊技者の視線の入射角は、初期状態に比べ45度広角となり、視野角調整領域97に対しても遊技者の視線は初期状態に比べ45度広角となる。また、反射面131に対する遊技者の視線も45度となり、当該角度においては反射面131にて表示面94の視野角調整領域97が映される。この場合に、反射面131にて映される領域は視野角調整領域97であり、下側非調整領域96は含まれない。また、大当たり用傾斜状態と異なり、リーチ用傾斜状態では反射面131にて映される領域は視野角調整領域97の全体又は略全体と一致する。
視野角調整領域97においてマルチビュー表示が行われることで、大当たり用傾斜状態と同様に、液晶表示部90の下側表示領域103において表示される画像が、表示面94に直接向けられる視線にて視認されるとともに、液晶表示部90の上側表示領域102において表示される画像が、反射面131に向けられる視線にて視認される。また、大当たり用傾斜状態と同様に、表示面94に対する反射面131の角度が直角又は略直角となっているため、遊技者から見た場合、反射面131にて反射される画像は、表示面94が同一平面上において上方に延長された位置にて表示されているように視認される。
この場合に、上記のとおり、大当たり用傾斜状態では、視野角調整領域97において下側非調整領域96側の一部が反射面131にて映される領域に含まれないのに対して、リーチ用傾斜状態では、視野角調整領域97の全体が反射面131にて映される領域に含まれる。これにより、リーチ用傾斜状態では、遊技者に視認される表示領域は大当たり用傾斜状態に比べ大型化される。なお、遊技者に実質的に視認される表示領域において、表示面94の下側非調整領域96が遊技者にとって最も近い側であることは大当たり用傾斜状態と同様である。
ここで、リーチ用傾斜状態となっている状況において、マルチビュー表示を遊技者がパチンコ機10前方の所定の位置から視認する様子を図15に示す。図15に示すように、遊技者が所定の位置から窓パネル62を視認することにより、窓パネル62及び透明板107を通じて、表示面94及び反射面131を視認することができる。そして、表示面94に対する遊技者の視線の入射角が、上述した液晶表示部90の下側表示領域103を視認可能とする入射角の範囲に含まれていることにより、下側表示領域103において表示されている画像が視認可能となる。一方、上述した液晶表示部90の上側表示領域102を視認可能とする入射角の範囲には含まれていないため、表示面94を見たとしても上側表示領域102における画像を視認することはできない。
また、反射面131に対する遊技者の視線の入射角が、当該反射面131にて反射することによる表示面94における入射角として特定した場合に、上述した液晶表示部90の上側表示領域102を視認可能とする入射角の範囲に含まれていることにより、上側表示領域102において表示されている画像が反射面131を通じて視認可能となる。一方、上述した液晶表示部90の下側表示領域103を視認可能とする入射角の範囲には含まれていないため、反射面131を見たとしても下側表示領域103における画像を視認することはできない。
上記のように各表示領域102,103における画像は、パチンコ機10前方の所定の位置から、一方は表示面94から直接視認されるとともに、他方は反射面131を通じて視認されることとなる。また、既に説明したように、表示面94に対する反射面131の角度が直角又は略直角となっているため、反射面131にて反射されて表示面94が視認される場合の視線の経路において反射面131から表示面94まで光が進む距離だけ遊技者の視線を反射面131の後方へ延長させると、その延長させた位置は表示面94を面一とした状態で上方に延長させた面に含まれる。つまり、遊技者から見た場合、反射面131にて反射される画像は、表示面94が同一平面上において上方に延長された位置にて表示されているように視認される。なお、所定の位置は、図15の位置に限定されることはなく、表示面94及び反射面131を通じてマルチビュー表示を良好に視認することができるのであれば、任意である。
図柄表示装置81は、大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態のうち少なくともリーチ用傾斜状態において、開口部33aの正面から視野角調整領域97を直接視認した場合の輝度と、開口部33aの正面から反射面131にて映されたものを視認した場合の輝度とが同一となるように、視差バリアパネル93が設けられている。つまり、表示面94を基準として、液晶表示部90の上側表示領域102を45度斜め上方の位置から視認した場合の輝度と、液晶表示部90の下側表示領域103を45度斜め下方の位置から視認した場合の輝度とを比べた場合、前者の輝度が高くなるように、視差バリアパネル93が設けられている。そして、その輝度差は、反射面131にて反射されることで輝度が低下する量と略同一とされている。これにより、視野角調整領域97を直接視認した場合の画像と、反射面131にて反射された画像との間に、輝度差が生じ難くなり、遊技者にとっては、大型化された表示領域の画像を違和感なく視認することが可能となる。
上記のとおり大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態において、表示面94がパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように図柄表示装置81が配置されるとともに、表示面94の上方において反射面131がパチンコ機10後方に向けて下り傾斜となるように反射用ユニット84が配置されることで、開口部33aに比して大きな表示領域を確保することが可能となり、結果的に開口部33aを大型化することなく比較的大型な表示領域を確保することが可能となる。さらには、開口部33aに比して大きな表示領域を確保した状態での図柄表示ユニット38の前後方向寸法を小型化することができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図16のブロック図に基づいて説明する。図16では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置65に設けられた主制御基板151には、CPU152が搭載されている。CPU152には、当該CPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM153と、そのROM153内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM154と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPU152には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU152の入力側には、主制御装置65に設けられた停電監視基板155、払出制御装置77及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視基板155には電源及び発射制御装置78が接続されており、CPU152には停電監視基板155を介して電力が供給される。また、スイッチ群の一部として、作動口36及び可変入賞装置35などといった入球部に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置65のCPU152において入球部への入球判定が行われる。また、CPU152では、入球部のうち、作動口36への入球に基づいて大当たり発生判定を実行する。
ここで、CPU152にて大当たり発生判定を行う上での電気的な構成について図17を用いて説明する。
CPU152は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定表示部51の発光色の設定や、図柄表示装置81の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置81が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置81の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定表示部51に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置81における図柄の変動表示時間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、外れ図柄の組み合わせの設定に使用する外れ図柄カウンタC4とを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタC4は、CPU152内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM154の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM154には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納バッファが設けられており、これらの各エリアには、作動口36への遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口36に入球したタイミングでRAM154の保留球格納バッファに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口36に入球したタイミングでRAM154の保留球格納バッファに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口36に入球したタイミングでRAM154の保留球格納バッファに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。
第1変動種別カウンタCS1によってリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置81の表示態様が決定される。この場合に、各種リーチの一部として、図柄表示ユニット38を初期状態からリーチ用傾斜状態に変更させた状態でリーチ変動表示を行う特別リーチが含まれている。また、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定表示部51に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。この切替表示時間は、図柄表示装置81の図柄の変動表示時間に相当する。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定表示部51に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置81による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
外れ図柄カウンタC4は、大当たり抽選が外れとなった時に左列図柄、中列図柄、右列図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、所定範囲のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタC4は通常処理内で更新され、外れ図柄カウンタC4の値が、RAM154の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
図16の説明に戻り、CPU152の出力側には、停電監視基板155、払出制御装置77及び音声発光制御装置66が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入球部への入球判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置66には、後述する変動開始コマンドや大当たり開始コマンドなどの各種コマンドが出力される。また、CPU152の出力側には、可変入賞装置35に設けられた駆動部などが接続されており、大当たり状態においては当該駆動部の駆動制御が実行され、可変入賞装置35の開閉が実行される。
停電監視基板155は、主制御基板151と電源及び発射制御装置78とを中継し、また電源及び発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置78は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板151や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置78は、遊技球発射機構57の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構57は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置66は、主制御基板151から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたスピーカ部や発光部を駆動制御するとともに、表示制御装置82を制御するものである。
ここで、表示制御装置82の電気的構成について詳細に説明する。
表示制御装置82は、CPU162、プログラムROM163、ワークRAM164、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)165、キャラクタROM166及びビデオRAM167がそれぞれ個別にチップ化されて搭載された表示制御基板161を備えている。なお、任意の組み合わせで複合的にチップ化されていてもよい。
表示制御基板161のCPU162は、主制御装置65から出力され音声発光制御装置66を経由して出力されてくる図柄表示コマンド(変動開始コマンド、大当たり開始コマンド、大当たり終了コマンド等)を入力するとともに、入力コマンドを解析し又は入力コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP165の制御(具体的にはVDP165に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM163は、CPU162により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。ワークRAM164は、CPU162による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP165は、図柄表示装置81に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイス168を直接操作する一種の描画回路である。VDP165はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP165は、CPU162、ビデオRAM167等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、キャラクタROM166から所定のタイミングで読み出した画像データを用いてビデオRAM167に表示データ(又は描画データ)を作成し、その作成した表示データを用いて図柄表示装置81に所定の画像を表示させる。
ビデオRAM167は、図柄表示装置81に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM167の内容を書き替えることにより図柄表示装置81の表示内容が変更される。キャラクタROM166は、図柄表示装置81に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM166には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。なお、キャラクタROM166を複数設け、各キャラクタROM166に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM163に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM166に記憶する構成とすることも可能である。
図柄表示装置81は、画像処理デバイス168を備えており、当該画像処理デバイス168では、表示制御装置82から入力した駆動信号に基づいて液晶表示部90を駆動制御する。これにより、図柄表示装置81の表示面94において所定の画像が表示されるように、液晶表示部90が動作する。
また、表示制御基板161の入力側には、図柄表示ユニット38に設けられた複数の角度検知センサ123〜125が電気的に接続されているとともに、表示制御基板161の出力側には、同じく図柄表示ユニット38に角度変更モータ117が電気的に接続されている。表示制御基板161のCPU162では、角度検知センサ123〜125から入力した検知信号に基づいて、図柄表示ユニット38の図柄表示装置81及び反射用ユニット84が、初期状態、大当たり用傾斜状態又はリーチ用傾斜状態のいずれの状態にあるかを特定するとともに、それら各状態の切り替えを行う場合には、角度検知センサ123〜125の検知結果に基づいて角度変更モータ117を駆動制御する。
次に、主制御装置65のCPU152により実行される各種制御を図18〜図22のフローチャートを参照しながら説明する。以下の主制御装置65のCPU152により実行される各種制御の説明では、大当たり抽選に関する処理、その抽選結果を遊技者に教示するための処理及び大当たり状態中の処理に着目して説明を行う。かかるCPU152の処理としては、通常処理と、当該通常処理に割り込んで実行されるように定期的(例えば、2msec)に起動されるタイマ割込み処理と、を少なくとも備えており、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。
図18はタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理では先ずステップS101にて、各種センサなどからの信号読み込み処理を実行する。その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。その後、ステップS104にて始動入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
始動入賞処理では、図19のフローチャートに示すように、先ずステップS201にて、遊技球が作動口36に入球したか否かを判定する。遊技球が作動口36に入球したと判定すると、続くステップS202において、第1特定表示部51及び図柄表示装置81の作動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口36への入球があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS203に進み、作動保留球数Nを1加算する。続くステップS204では、前記ステップS103で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM154の保留球格納バッファの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。
次に、通常処理について、図20のフローチャートを用いて説明する。なお、通常処理は、電源投入に伴い実行されるメイン処理の後に実行される。
先ずステップS301では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データを従側の各制御基板に出力する。続くステップS302では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。続くステップS303では、外れ図柄カウンタC4の更新を実行する。外れ図柄カウンタC4の更新処理では、先ず外れ図柄カウンタC4の更新を実行し、その更新した外れ図柄カウンタC4の値が、前後外れリーチとなる外れリーチ図柄の組み合わせ、前後外れ以外リーチ図柄の組み合わせ、リーチとならない完全外れ図柄の組み合わせのいずれであるかが判定され、それぞれに対応したバッファ内に格納される。
外れ図柄カウンタC4の更新処理の後は、ステップS304にて第1特定表示部51に表示される色の切り替えを行うための第1特定表示部制御処理を実行する。第1特定表示部制御処理では、大当たり判定や第1特定表示部51に配設されたLEDの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定表示部制御処理において、図柄表示装置81による図柄の変動表示の設定も行われる。
第1特定表示部制御処理について、図21のフローチャートを用いて説明する。先ずステップS401では、現在大当たり状態であるか否かを判定する。続くステップS402では、第1特定表示部51が切り替え表示中であるか否かを判定する。そして、大当たり中でなくさらに第1特定表示部51が切り替え表示中でもない場合、ステップS403に進み、第1特定表示部51及び図柄表示装置81の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判定する。そして、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
大当たり状態中又は第1特定表示部51が切り替え表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、第1特定表示部51に表示される色の切り替えを開始する切替開始処理を実行する。また、この切替開始処理においては、RAM154のカウンタ用バッファに格納されている第2変動種別カウンタCS2の値を確認し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて第1特定表示部51における切替表示時間を決定する。なお、第2変動種別カウンタCS2の数値と切替表示時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
その後、ステップS407では、変動開始コマンド設定処理を実行する。当該変動開始コマンド設定処理では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりであると判定した場合、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応する図柄の情報を変動開始コマンド(変動用コマンド又は変動開始情報)として設定する。また、この際、RAM154のカウンタ用バッファに格納されている両変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて変動開始からリーチ発生までの経過時間及びリーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの経過時間を決定し、それらの情報を上記変動開始コマンドに含める。なお、両経過時間を合わせた時間が、上記切替表示時間と一致している。
また、変動開始コマンド設定処理では、大当たりでないと判定された場合、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ又は完全外れのいずれであるか否かを判定する。そして、前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ又は完全外れ図柄バッファのうち対応するバッファに格納されている外れ図柄カウンタC4の値に対応する図柄の情報を変動開始コマンドとして設定する。また、この際、RAM154のカウンタ用バッファに格納されている両変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて変動開始からリーチ発生までの経過時間及びリーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの経過時間を決定し、それらの情報を上記変動開始コマンドに含める。
変動開始コマンド設定処理にて設定された変動開始コマンドは、次回のステップS301の外部出力処理にて音声発光制御装置66に出力される。音声発光制御装置66では入力した変動開始コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたスピーカ部や発光部を駆動制御するとともに、当該変動開始コマンドを表示制御装置82に出力する。表示制御装置82では、音声発光制御装置66から入力した変動開始コマンドに基づいて、図柄表示装置81を表示制御する。変動開始コマンド設定処理を実行した後に、本第1特定表示部制御処理を終了する。
一方、ステップS402がYES、すなわち第1特定表示部51に表示される色の切り替え表示中である場合には、ステップS408に進み、切替表示時間が経過したか否かを判定する。上述したように、第1特定表示部51に表示される色の切替表示時間は予め設定されており、この切替表示時間が経過した時にステップS408にて肯定判定する。ステップS408において切替表示時間が経過していないと判定した場合には、ステップS409において表示色切替処理を実行する。この表示色切替処理により、各光源のスイッチがオンオフ制御され、第1特定表示部51に表示される色が切り替えられる。
ステップS408において切替表示時間が経過したと判定された場合には、ステップS410において切替終了処理を実行する。この切替終了処理は、第1特定表示部51に表示される色の切り替えを最終的にどの色で停止するかを判定し、判定された色の光源をオン制御するための処理である。この切替終了処理が行われた後、本第1特定表示部制御処理を終了する。
図20の通常処理の説明に戻り、第1特定表示部制御処理の後は、ステップS305にて大当たり状態制御処理を実行する。大当たり状態制御処理について、図22のフローチャートを用いて説明する。
大当たり状態制御処理では先ずステップS501にて、現在大当たり状態であるか否かを判定する。大当たり状態でない場合には、ステップS502にて、大当たり状態の発生タイミングであるか否かを判定する。大当たり状態の発生タイミングであるか否かの判定は、保留球格納エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり状態の発生に対応した値である遊技回であって、その遊技回における第1特定表示部51における切替表示及び図柄表示装置81における図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定することにより行われる。
大当たり状態の発生タイミングでない場合には、そのまま本大当たり状態制御処理を終了する。大当たり状態の発生タイミングである場合には、ステップS503にて大当たり状態の設定を行うとともに、ステップS504にて大当たり開始コマンド(大当たり開始情報)を設定した後に本大当たり状態制御処理を終了する。
大当たり状態の設定は、主制御基板151のRAM154に設けられた大当たりフラグ格納エリアに大当たりフラグを格納することにより行われ、当該大当たりフラグが格納されている状況では予め定められた態様で可変入賞装置35の開閉制御が実行される。また、ステップS504にて設定された大当たり開始コマンドは、次回のステップS301の外部出力処理にて音声発光制御装置66に出力される。音声発光制御装置66では入力した大当たり開始コマンドに基づいて、スピーカ部や発光部に対する大当たり状態に対応した駆動制御を開始するとともに、当該大当たり開始コマンドを表示制御装置82に出力する。表示制御装置82では、音声発光制御装置66から入力した大当たり開始コマンドに基づいて、大当たり状態に対応した図柄表示装置81の表示制御を開始する。
大当たり制御処理において、既に大当たり状態が発生している場合にはステップS501にて肯定判定をし、ステップS505に進む。ステップS505では、ラウンド切り替え用処理を実行する。具体的には、大当たり状態のラウンド毎に可変入賞装置35を開放し、可変入賞装置35の最大開放時間が経過したか、又は可変入賞装置35に規定数の遊技球が入球したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると可変入賞装置35を閉鎖する。
その後、ステップS506では、大当たり状態の終了条件が成立しているか否かを判定する。大当たり状態の終了条件とは、可変入賞装置35の開閉動作を1ラウンドとして、当該ラウンドが予め定められた規定の回数実行されることとして設定されている。終了条件が成立していない場合には、そのまま本大当たり状態制御処理を終了する。終了条件が成立している場合には、ステップS507にて大当たり状態の解除を行うとともに、ステップS508にて大当たり終了コマンド(大当たり終了情報)を設定した後に本大当たり状態制御処理を終了する。
大当たり状態の解除は、主制御基板151のRAM154から大当たりフラグを消去することにより行われ、当該大当たりフラグが消去されることで可変入賞装置35の開閉制御が行われなくなる。また、ステップS508にて設定された大当たり終了コマンドは、次回のステップS301の外部出力処理にて音声発光制御装置66に出力される。音声発光制御装置66では入力した大当たり終了コマンドに基づいてスピーカ部や発光部に対する大当たり状態に対応した駆動制御を終了するとともに、当該大当たり終了コマンドを表示制御装置82に出力する。表示制御装置82では、音声発光制御装置66から入力した大当たり終了コマンドに基づいて、大当たり状態に対応した図柄表示装置81の表示制御を終了する。
図20の通常処理の説明に戻り、大当たり状態制御処理の後はステップS306にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置78から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構57を動作させて1個の遊技球を発射させるための処理を実行する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS306の後はステップS307にて、RAM154内に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板155にて電源遮断が確認された場合に当該停電監視基板155から主制御基板151のCPU152のNMI端子に停電信号が出力されることにより格納され、電源が再び立ち上げられた際に消去されるフラグである。
停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS308にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS309では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。また、ステップS310では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。
一方、ステップS307にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS311以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS311では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS312にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドを払出制御装置77等の他の制御装置に対して出力する。そして、ステップS313にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS314にてRAM154のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、通常処理では上記処理以外にも、例えば第2特定表示部52を表示制御するための処理や作動口36に設けられた電動役物を開閉制御するための処理などが実行される。
次に、主制御装置65から音声発光制御装置66を経由して表示制御装置82に出力される各種コマンドに基づいて、当該表示制御装置82のCPU162により実行される各種制御を説明する。
先ず、音声発光制御装置66からコマンドを入力した場合に起動されるコマンド入力処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。コマンド入力処理は、音声発光制御装置66からコマンドを入力した時点で、他の処理に割り込んで起動される。
コマンド入力処理では、先ずステップS601にて、変動開始コマンドを入力したか否かを判定する。変動開始コマンドは、既に説明したように、1遊技回を開始する場合、すなわち第1特定表示部51における表示色の切り替え表示を開始する場合に出力されるコマンドであり、当該遊技回において大当たり状態が発生するか否か、リーチ変動表示が発生するか否か、リーチ変動表示が発生する場合に複数種設定されているうちのいずれのリーチ変動表示を行うか、図柄の変動表示時間を複数種設定されているうちのいずれの変動表示時間とするか、といった情報が含まれている。
変動開始コマンドを入力している場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS602に進む。ステップS602では、変動開始コマンドに含まれた情報から、当該遊技回において特別リーチ(特別リーチ変動表示)を発生させるか否かを判定する。
ここで、リーチ変動表示とは、図柄表示装置81の表示面94に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置81の表示面94内の予め設定された有効ライン上に、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。また、リーチ変動表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のリーチ演出表示を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面94の略全体においてリーチ演出表示を行うものが含まれる。
特別リーチとは、図柄表示ユニット38の図柄表示装置81及び反射用ユニット84が初期状態(図14(a)参照)からリーチ用傾斜状態(図14(c)参照)に切り替えられるとともに、マルチビュー表示(具体的には、デュアルビュー表示)の状態で行われるリーチ変動表示である。
特別リーチを発生させない場合には、ステップS603にて第1変動用処理を実行した後に、本コマンド入力処理を終了する。第1変動用処理では、変動開始コマンドに含まれた情報から、最終的に表示させる図柄の組み合わせの種類の情報、リーチ変動表示を行う場合にはそのリーチ変動表示の種類の情報、及び図柄の変動表示時間の情報などを特定し、それら特定した各情報を表示制御装置82のワークRAM164に一時記憶させる。各情報の特定に際しては、表示制御装置82のプログラムROM163に記憶されたテーブル情報が参照され、当該テーブル情報から変動開始コマンドに対応した情報が特定される。また、変動表示中であることを特定するための情報もワークRAM164に一時記憶させる。なお、第1変動用処理にてワークRAM164に一時記憶された情報は、該当する遊技回が終了したタイミングで消去される。
特別リーチを発生させる場合には、ステップS604にて第2変動用処理を実行した後に、本コマンド入力処理を終了する。第2変動用処理では、図柄表示装置81における図柄の変動表示の情報として、特別リーチに対応した変動表示の各情報を特定し、それら特定した各情報をワークRAM164に一時記憶させる。具体的には、最終的に表示させる図柄の組み合わせの種類の情報、特別リーチ用フラグといったようにリーチ変動表示として特別リーチを発生させることを特定するための情報、変動表示の終了後に大当たり状態が発生するか否かを特定するための情報、図柄の変動表示の開始から特別リーチを発生させるまでの変動表示時間の情報、及び特別リーチの開始から最終停止表示までの変動表示時間の情報などを特定し、それら特定した各情報を表示制御装置82のワークRAM164に一時記憶させる。
なお、各情報の特定に際して、プログラムROM163に記憶されたテーブル情報が参照されること、変動表示中であることを特定するための情報をワークRAM164に一時記憶させること、及びワークRAM164に一時記憶された情報が該当する遊技回が終了したタイミングで消去されることは、第1変動用処理と同様である。また、図柄の変動表示の開始から特別リーチを発生させるまでの変動表示時間、及び特別リーチの開始から最終停止表示までの変動表示時間をどのように計測するかは任意であるが、例えば、ワークRAM164に第1カウンタエリア(第1計測手段)と第2カウンタエリア(第2計測手段)とを設定しておき、第1カウンタエリアにて図柄の変動表示の開始から最終停止表示までの変動表示時間を計測し、第2カウンタエリアにて図柄の変動表示の開始から特別リーチを発生させるまでの変動表示時間を計測する構成としてもよい。
一方、変動開始コマンドを入力していない場合には、ステップS601にて否定判定をし、ステップS605に進む。ステップS605では、大当たり開始コマンドを入力したか否かを判定する。大当たり開始コマンドは既に説明したように、大当たり状態が発生する遊技回における第1特定表示部51での表示色の切り替え表示及び図柄表示装置81での図柄の変動表示が終了し、大当たり状態に移行する場合に出力されるコマンドである。
大当たり開始コマンドを入力している場合には、ステップS606にて開始用処理を実行した後に、本コマンド入力処理を終了する。開始用処理では、大当たり状態用の表示の情報を特定し、その特定した情報を表示制御装置82のワークRAM164に一時記憶させる。また、大当たり状態を開始させることを特定するための情報もワークRAM164に一時記憶させる。
大当たり開始コマンドを入力していない場合には、ステップS607にて大当たり終了コマンドを入力したか否かを判定する。大当たり終了コマンドは、既に説明したように、大当たり状態が終了した場合に出力されるコマンドである。
大当たり終了コマンドを入力している場合には、ステップS608にて終了用処理を実行した後に、本コマンド入力処理を終了する。終了用処理では、大当たり状態終了用の表示の情報を特定し、その特定した情報を表示制御装置82のワークRAM164に一時記憶させる。また、大当たり状態を終了させることを特定するための情報もワークRAM164に一時記憶させる。また、開始用処理にて記憶された大当たり状態用の表示の情報を、ワークRAM164から消去する。また、終了用処理にてワークRAM164に記憶された大当たり状態終了用の表示の情報は、当該表示が完了したタイミングで消去される。
大当たり終了コマンドを入力していない場合には、待機用処理を実行する。待機用処理では、前回の図柄の変動表示が終了したタイミングから待機用に設定された所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過している場合には待機用の表示の情報を特定し、その特定した情報を表示制御装置82のワークRAM164に一時記憶させる。
以上のように、コマンド入力処理が実行されることで、ワークRAM164に対して表示に関する情報が記憶される。表示制御装置82のCPU162では、詳細な説明は省略するが、繰り返し実行される表示用通常処理の一部として表示制御用処理を実行しており、当該表示制御用処理ではワークRAM164に記憶されている情報に基づいてVDP165に対して内部コマンドを生成し、その生成した内部コマンドをVDP165に出力する。VDP165では、CPU162から入力した内部コマンドに基づいて、図柄表示装置81に所定の画像を表示させる処理を実行する。
次に、表示制御装置82のCPU162において上記表示用通常処理の一部として実行されるマルチビュー表示用処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
マルチビュー表示用処理では、図柄表示ユニット38の図柄表示装置81及び反射用ユニット84を、初期状態(図14(a)参照)から大当たり用傾斜状態(図14(b)参照)又はリーチ用傾斜状態(図14(c)参照)に切り替え、それらの傾斜状態において図柄表示装置81にてマルチビュー表示(具体的には、デュアルビュー表示)を行うか否かを特定するとともに、その特定結果に対応した制御を実行するための処理である。
マルチビュー表示用処理では、先ずステップS701にて、ワークRAM164に記憶されている情報に基づいて図柄の変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、ワークRAM164に図柄の変動表示中であることを特定するための情報が記憶されているか否かを判定する。また、ステップS702では、ワークRAM164に記憶されている情報に基づいて特別リーチ中であるか否かを判定する。具体的には、ワークRAM164に特別リーチを発生させることを特定するための情報が記憶されているとともに、表示制御装置82にて計測されている変動表示時間の情報が特別リーチの実行されている時間に対応した情報であるか否かを判定する。
なお、特別リーチの開始に際してワークRAM164に特別リーチ中フラグといった特別リーチ中であることを特定するための情報を記憶させるとともに、特別リーチの終了に際して当該情報を消去するようにし、ステップS702では当該情報が記憶されているか否かを判定する構成としてもよい。
ステップS701及びステップS702の結果、変動表示中であり(ステップS701がYES)、特別リーチ中でない(ステップS702がNO)場合には、ステップS703〜ステップS706の特別リーチ開始用処理を実行する。また、変動表示中であり(ステップS701がYES)、特別リーチ中である(ステップS702がYES)場合には、ステップS707〜ステップS711の特別リーチ終了用処理を実行する。また、変動表示中でない(ステップS701がNO)場合には、ステップS712〜ステップS719の大当たり状態用処理を実行する。
以下、特別リーチ開始用処理、特別リーチ終了用処理及び大当たり状態用処理を個別に説明していく。先ず、特別リーチ開始用処理について説明する。
特別リーチ開始用処理では、先ずステップS703にて、表示制御装置82にて計測されている変動表示時間の情報が特別リーチの開始タイミングか否かを判定する。特別リーチの開始タイミングでない場合には、そのまま本マルチビュー表示用処理を終了する。
特別リーチの開始タイミングである場合には、ステップS704にて、マルチビュー表示状態の設定を行う。具体的には、マルチビュー表示用フラグといったように、マルチビュー表示状態であることを特定するための情報をワークRAM164に一時記憶させる。当該情報がワークRAM164に記憶されることにより、CPU162からVDP165に出力される内部コマンドには、マルチビュー表示用の描画を行わせるための情報が含まれる。
続くステップS705では、角度把握処理を実行する。角度把握処理では、図柄表示ユニット38に設けられた角度検知センサ123〜125の検知結果に基づいて、図柄表示ユニット38の状態が、初期状態、大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態のうち、いずれの傾斜状態であるかを特定する。この場合、特別リーチ開始用処理であるため、当該角度把握処理にて把握される状態は初期状態である。
その後、ステップS706にて特別リーチ用の角度変更処理を実行した後に、本マルチビュー表示用処理を終了する。特別リーチ用の角度変更処理では、ステップS705において把握された初期状態を基準としてリーチ用傾斜状態とするために、傾斜動作用の駆動信号及び復帰動作用の駆動信号のうちいずれを出力するかを特定するとともに、その特定した駆動信号の出力継続期間を特定する。これらの情報は、図柄表示ユニット38の現状の状態と切り替え先の状態との組み合わせに対して1対1で対応させてプログラムROM163に予め記憶されている。
特別リーチ用の角度変更処理にて特定された駆動信号は、表示用通常処理に対して定期的(例えば、2msec周期)に割り込んで実行される表示用タイマ割込み処理にて、角度変更モータ117に出力される。また、その出力は特別リーチ用の角度変更処理にて特定された出力継続期間に亘って行われる。これにより、図柄表示装置81及び反射用ユニット84の状態が、リーチ用傾斜状態に切り替えられる。そして、VDP165にてマルチビュー表示用の描画処理が実行されることで、既に説明したように、遊技者が実質的に視認する表示領域が初期状態に比べ大型化される。なお、出力継続期間の計測方法は任意であるが、例えば、リアルタイムクロックや、ワークRAM164に設けられたカウンタエリアや、駆動信号の出力回数などによって計測する構成が考えられる。これは、後述する他の角度変更処理や、角度復帰処理においもて同様である。
ここで、特別リーチ用の角度変更処理にて、初期状態からリーチ用傾斜状態に切り替えられるまでの間、図柄表示装置81の表示面94にて全面白色表示又は全面黒色表示といったように、図柄の変動表示とは関係しない切り替え用表示を行うよう、VDP165を制御する構成とすることが好ましい。つまり、前面同一色表示設定手段を備えた構成とすることが好ましい。例えば、上記同一色表示を行わずに、非マルチビュー表示用の画像を表示しながら図柄表示装置81の角度が変更されると、反射用ユニット84の反射面131にて上記非マルチビュー表示用の画像が単に反転された状態で映し出されてしまう。また、上記同一色表示を行わずに、マルチビュー表示用の画像を表示しながら図柄表示装置81の角度が変更されると、遊技者は表示面94において上側表示用の画像と下側表示用の画像とが混在した表示を一時的に視認することとなってしまう。また、図柄表示装置81の角度を変更しながら、非マルチビュー表示用の画像からマルチビュー表示用の画像に切り替える場合も同様の問題が生じうる。これに対して、上記同一色表示の設定を行うことで、図柄表示装置81の角度が変更されている間は、表示面94を視認したとしても同一色の表示のみが視認可能であり、それを映し出す反射面131を視認したとしても同一色の表示のみが視認可能となるため、表示の視認を違和感のないものとしつつ、図柄表示装置81の角度の変更を良好に行うことができる。上記同一色表示設定手段の構成は、後述する他の角度変更処理や、角度復帰処理においても同様である。
次に、特別リーチ終了用処理について説明する。
特別リーチ終了用処理では、先ずステップS707にて、表示制御装置82にて計測されている変動表示時間の情報が特別リーチの終了タイミングか否かを判定する。特別リーチの終了タイミングでない場合には、そのまま本マルチビュー表示用処理を終了する。
特別リーチの終了タイミングである場合には、ステップS708にて、ワークRAM164に変動表示の終了後に大当たり状態が発生することを特定するための情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり状態が発生する場合には、そのまま本マルチビュー表示用処理を終了する。
大当たり状態が発生しない場合には、ステップS709にて、マルチビュー表示状態の解除を行う。具体的には、ワークRAM164に記憶されているマルチビュー表示状態であることを特定するための情報を消去する。当該情報が消去されることにより、CPU162からVDP165に出力される内部コマンドには、マルチビュー表示用の描画を行わせるための情報が含まれなくなる。これにより、VDP165における描画処理では、通常表示用の描画に対応した処理が実行されることとなる。
続くステップS710では、ステップS705と同様に、角度把握処理を実行する。この場合、特別リーチ終了用処理であるため、当該角度把握処理にて把握される図柄表示ユニット38の状態はリーチ用傾斜状態である。
その後、ステップS711にて角度復帰処理を実行した後に、本マルチビュー表示用処理を終了する。角度復帰処理では、ステップS710において把握されたリーチ用傾斜状態を基準として初期状態に復帰させるために、傾斜動作用の駆動信号及び復帰動作用の駆動信号のうちいずれを出力するかを特定するとともに、その特定した駆動信号の出力継続期間を特定する。
角度復帰処理にて特定された駆動信号は、表示用通常処理に対して定期的(例えば、2msec周期)に割り込んで実行される表示用タイマ割込み処理にて、角度変更モータ117に出力される。また、その出力はステップS711の角度復帰処理にて特定された出力継続期間に亘って行われる。これにより、図柄表示ユニット38の状態が、初期状態に復帰される。
ここで、大当たり状態では、図柄表示ユニット38の状態が大当たり用傾斜状態に切り替えられる。この場合に、ステップS708の処理を実行することにより、特別リーチ後に大当たり状態が発生する場合には、図柄表示ユニット38の状態を初期状態に復帰させるのではなく、リーチ用傾斜状態のまま維持される。例えば、特別リーチ後に大当たり状態が発生する場合には、リーチ用傾斜状態から初期状態に復帰させた後に、大当たり用傾斜状態とする構成も想定されるが、この場合、図柄表示ユニット38の初期状態への復帰動作が無駄に行われたこととなる。これに対して、本構成とすることで、当該無駄な復帰動作を省略することが可能となる。
次に、大当たり状態用処理について説明する。
大当たり状態用処理では、先ずステップS712にて、大当たり状態を開始させることを特定するための情報がワークRAM164に記憶されているか否かを判定する。大当たり状態を開始させることを特定するための情報がワークRAM164に記憶されている場合には、ステップS713にて、マルチビュー表示状態の設定を行う。当該処理の内容は、ステップS704と同様である。なお、この際、ワークRAM164から大当たり状態を開始させることを特定するための情報を消去する。
続くステップS714では、ステップS705と同様に、角度把握処理を実行する。この場合、大当たり状態を開始させる場合の処理であるため、当該角度把握処理にて把握される図柄表示ユニット38の状態は、初期状態又はリーチ用傾斜状態である。すなわち、大当たり状態に移行する場合としては、特別リーチが行われることなく大当たり状態に移行する場合と、特別リーチが行われた後に大当たり状態に移行する場合とがあり、前者の場合には初期状態であり、後者の場合にはリーチ用傾斜状態である。
その後、ステップS715にて大当たり状態用の角度変更処理を実行した後に、本マルチビュー表示用処理を終了する。当該角度変更処理では、ステップS714において把握された状態が初期状態である場合には、当該初期状態を基準として大当たり用傾斜状態とするために、傾斜動作用の駆動信号及び復帰動作用の駆動信号のうちいずれを出力するかを特定するとともに、その特定した駆動信号の出力継続期間を特定する。また、ステップS714において把握された状態がリーチ用傾斜状態である場合には、当該リーチ用傾斜状態を基準として大当たり用傾斜状態とするために、傾斜動作用の駆動信号及び復帰動作用の駆動信号のうちいずれを出力するかを特定するとともに、その特定した駆動信号の出力継続期間を特定する。
大当たり状態用の角度変更処理にて特定された駆動信号は、表示用通常処理に対して定期的(例えば、2msec周期)に割り込んで実行される表示用タイマ割込み処理にて、角度変更モータ117に出力される。また、その出力はステップS715の角度変更処理にて特定された出力継続期間に亘って行われる。これにより、図柄表示ユニット38の状態が、大当たり用傾斜状態に切り替えられる。
一方、大当たり状態を開始させることを特定するための情報がワークRAM164に記憶されていない場合には、ステップS716にて、大当たり状態を終了させることを特定するための情報がワークRAM164に記憶されているか否かを判定する。大当たり状態を終了させることを特定するための情報がワークRAM164に記憶されていない場合には、そのまま本マルチビュー表示用処理を終了する。
大当たり状態を終了させることを特定するための情報がワークRAM164に記憶されている場合には、ステップS717にて、マルチビュー表示状態の解除を行う。当該処理の内容は、ステップS709と同様である。なお、この際、ワークRAM164から大当たり状態を終了させることを特定するための情報を消去する。
続くステップS718では、ステップS705と同様に、角度把握処理を実行する。この場合、大当たり状態を終了させる場合の処理であるため、当該角度把握処理にて把握される図柄表示ユニット38の状態は大当たり用傾斜状態である。
その後、ステップS719にて角度復帰処理を実行した後に、本マルチビュー表示用処理を終了する。角度復帰処理では、ステップS718において把握された大当たり用傾斜状態を基準として初期状態に復帰させるために、傾斜動作用の駆動信号及び復帰動作用の駆動信号のうちいずれを出力するかを特定するとともに、その特定した駆動信号の出力継続期間を特定する。
角度復帰処理にて特定された駆動信号は、表示用通常処理に対して定期的(例えば、2msec周期)に割り込んで実行される表示用タイマ割込み処理にて、角度変更モータ117に出力される。また、その出力はステップS719の角度復帰処理にて特定された出力継続期間に亘って行われる。これにより、図柄表示ユニット38の状態が、初期状態に復帰される。
次に、表示制御装置82のVDP165により実行される描画処理について説明する。
ここで、描画処理の説明に先立ち、図柄表示装置81の表示面94に画像を表示するための構成について図25を用いて説明する。図25(a)は表示制御装置82のビデオRAM167の構成を説明するための説明図、図25(b)は図柄表示装置81の画像処理デバイス168による液晶表示部90の駆動の様子を説明するための説明図である。
VDP165は、既に説明したように、CPU162、ビデオRAM167等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM167に記憶される表示データを、キャラクタROM166から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置81に表示させる機能を有している。この場合に、図柄表示装置81はマルチビュー表示、具体的にはデュアルビュー表示を可能とするものであり、図柄表示装置81の表示面94は、デュアルビュー表示を行わない上側非調整領域95及び下側非調整領域96と、デュアルビュー表示を可能とする視野角調整領域97とが設定されているとともに、視野角調整領域97については図柄表示装置81の液晶表示部90において上側表示領域102と下側表示領域103とが設定されている。
VDP165によって表示データの描画処理が行われるビデオRAM167には、上記各領域95,96,102,103に対応した描画エリアが設定されており、それら各描画エリアに表示データが描画されることにより各領域95,96,102,103にて描画された各表示データに対応した画像が表示される。
すなわち、ビデオRAM167は、図25(a)に示すように、縦方向に複数のエリア171〜174に区画されており、上から順に、上側非調整領域95に対応した非調整用上側描画エリア171と、視野角調整領域97の上側表示領域102に対応した調整用上側描画エリア172と、視野角調整領域97の下側表示領域103に対応した調整用下側描画エリア173と、下側非調整領域96に対応した非調整用下側描画エリア174と、に設定されている。VDP165は、ビデオRAM167の各エリア171〜174に描画した表示データを所定の出力タイミングで、図柄表示装置81の画像処理デバイス168に出力する。
画像処理デバイス168は、ビデオRAM167の各描画エリア171〜174に描画された表示データに基づいて液晶表示部90を駆動する。この場合、図25(b)に示すように、上側非調整領域95及び下側非調整領域96については、画像処理デバイス168はビデオRAM167の非調整用上側描画エリア171及び非調整用下側描画エリア174に描画されていた表示データをそのまま表示させる。
一方、視野角調整領域97における上側表示領域102及び下側表示領域103については、既に説明したように、視野角調整領域97に対応した液晶表示部90の領域では、縦方向において、上側表示領域102及び下側表示領域103とが1画素単位で交互に配置されるように設定されている。これに対応させて、画像処理デバイス168は、ビデオRAM167の調整用上側描画エリア172及び調整用下側描画エリア173に描画されていた表示データを、交互に並んだ上側表示領域102並びに下側表示領域103に対応させて分割するとともに、その分割した表示データをそれぞれ対応する上側表示領域102及び下側表示領域103に表示させる。
なお、上記のとおりビデオRAM167においては、調整用上側描画エリア172と調整用下側描画エリア173とは、上下に分けて設けられている。これに対して、液晶表示部90においては、上側表示領域102と下側表示領域103とは、縦方向に1画素単位で交互に並ぶように設定されている。したがって、ビデオRAM167の調整用上側描画エリア172及び調整用下側描画エリア173に描画されている各表示データは、実際に遊技者が視認する画像の様子に比べ縦方向に縮んだ状態となっている。
以上の構成を踏まえ、描画処理について図26のフローチャートを用いて説明する。なお、当該描画処理は、VDP165において定期的(例えば、2msec)に繰り返し起動される。
描画処理では、先ずステップS801にて、表示制御装置82のCPU162から入力している内部コマンドに基づいて、描画タイミングであるか否かを判定する。描画タイミングでない場合には、そのまま本描画処理を終了する。描画タイミングである場合には、ステップS802にて、CPU162から入力している内部コマンドに基づいて、マルチビュー表示状態であるか否かを判定する。
マルチビュー表示状態でない場合には、ステップS803にて、通常表示用の描画処理を実行した後に、本描画処理を終了する。一方、マルチビュー表示状態である場合には、ステップS804にて、マルチビュー表示用の描画処理を実行した後に、本描画処理を終了する。以下、通常表示用の描画処理及びマルチビュー表示用の描画処理について、個別に説明する。
先ず、通常表示用の描画処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明では、理解を容易なものとするために、図28を用いてビデオRAM167への表示データの描画の様子及び図柄表示ユニット38における実質的な表示領域の表示の様子を適宜説明する。図28(a)はビデオRAM167への表示データの描画の様子を説明するための説明図、図28(b)は図柄表示ユニット38の表示領域における表示の様子を説明するための説明図である。
通常表示用の描画処理では、先ずステップS901にて、ビデオRAM167の非調整用上側描画エリア171への描画処理を実行する。これにより、図28(a)に示すように、ビデオRAM167の非調整用上側描画エリア171に、CPU162からの内部コマンドに対応した表示データが描画される。
続くステップS902では、ビデオRAM167の調整用上側描画エリア172及び調整用下側描画エリア173への統一描画処理を実行する。当該統一描画処理では、ビデオRAM167の調整用上側描画エリア172及び調整用下側描画エリア173に対して、同一の表示データを描画する。これにより、図28(a)に示すように、ビデオRAM167の調整用上側描画エリア172及び調整用下側描画エリア173に、CPU162からの内部コマンドに対応した同一の表示データが描画される。
続くステップS903では、ビデオRAM167の非調整用下側描画エリア174への描画処理を実行する。これにより、図28(a)に示すように、ビデオRAM167の非調整用下側描画エリア174に、CPU162からの内部コマンドに対応した表示データが描画される。
その後、ステップS904に進み、ステップS901〜ステップS903にてビデオRAM167に描画した表示データをまとめて画像処理デバイス168に出力する出力処理を実行した後に、本通常表示用の描画処理を終了する。
上記通常表示用の描画処理におけるステップS901〜ステップS903が実行されることにより、図28(a)に示すように、ビデオRAM167の各領域171〜174に対して表示データが描画される。そして、この表示データがステップS904にて画像処理デバイス168に出力されることで、図28(b)に示すように、図柄表示装置81の表示面94において上記表示データに対応した画像が表示される。
ここで、マルチビュー表示を行わない通常表示では図柄表示ユニット38の状態が初期状態となっており、遊技者は図柄表示装置81の表示面94を基本的に正面から視認することとなる。そうすると、図柄表示装置81の視差バリアパネル93が図10(b)に示すように設けられた構成においては、遊技者は液晶表示部90の上側表示領域102及び下側表示領域103に表示された画像の両方を同時に視認することとなる。その一方、上記のとおり、液晶表示部90において上側表示領域102と下側表示領域103とは縦方向に1画素単位で交互に並ぶように設定されている。この場合に、上記のとおり調整用上側描画エリア172及び調整用下側描画エリア173に同一の表示データを描画することで、図柄表示装置81の表示面94では、図28(b)に示すように、当該同一の表示データが視野角調整領域97の全体に広げられた状態で表示される。
このようにマルチビュー表示を行うことが可能な図柄表示装置81においてマルチビュー表示を行わない通常表示では調整用上側描画エリア172及び調整用下側描画エリア173に同一の表示データを描画することで、通常表示における上側表示用の表示データと下側表示用の表示データとを共通のものとすることができる。よって、上側表示用の表示データと下側表示用の表示データとで個別に記憶させておく構成に比して、キャラクタROM166に記憶させておくべき表示データのデータ容量を削減することが可能となる。
次に、マルチビュー表示用の描画処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明では、理解を容易なものとするために、図30を用いてビデオRAM167への表示データの描画の様子及び図柄表示ユニット38における実質的な表示領域の表示の様子を適宜説明する。図30(a),(b)はビデオRAM167への表示データの描画の様子を説明するための説明図、図30(c)は図柄表示ユニット38の表示領域における表示の様子を説明するための説明図である。
ここで、既に説明したように、マルチビュー表示が行われる図柄表示ユニット38の状態としては、大当たり用傾斜状態(図14(b)参照)と、リーチ用傾斜状態(図14(c)参照)とがあり、マルチビュー表示用の描画処理では各傾斜状態に対応した描画処理を実行する。
マルチビュー表示用の描画処理では、先ずステップS1001にて、ビデオRAM167の非調整用上側描画エリア171への描画処理を実行する。但し、既に説明したように、マルチビュー表示が行われることとなる図柄表示ユニット38の大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態では、図柄表示装置81の表示面94における上側非調整領域95の前方に反射用ユニット84が配置され、当該上側非調整領域95をパチンコ機10前方から視認することができなくなる。したがって、当該描画処理では、表示データの描画を行うのではなく、上側非調整領域95の全体において黒色表示が行われるようにするための設定(バックライトの光が前方に出射されないようにするための設定)を行う。したがって、図30(a)に示すように、非調整用上側描画エリア171には、表示データの描画は行われない。
続くステップS1002では、ビデオRAM167の調整用上側描画エリア172への描画処理を実行する。これにより、図30(a)に示すように、ビデオRAM167の調整用上側描画エリア172に、CPU162からの内部コマンドに対応した表示データが描画される。当該表示データに対応した画像は、マルチビュー表示において反射用ユニット84の反射面131にて反射された後に遊技者に視認される。
続くステップS1003では、ビデオRAM167の調整用下側描画エリア173への描画処理を実行する。これにより、図30(a)に示すように、ビデオRAM167の調整用下側描画エリア173に、CPU162からの内部コマンドに対応した表示データが描画される。当該表示データに対応した画像は、マルチビュー表示において図柄表示装置81の表示面94から遊技者に直接視認される。
この場合に、調整用上側描画エリア172への描画処理(ステップS1002)及び調整用下側描画エリア173への描画処理(ステップS1003)では、例えば変動表示させる図柄の表示データといったように両描画エリア172,173に設定する表示データとしてキャラクタROM166において共通化されているものがある。このように表示データを共通化させることで、表示面94に画像を表示させる上での情報の記憶容量の削減を図ることが可能となる。
続くステップS1004では、ビデオRAM167の非調整用下側描画エリア174への描画処理を実行する。これにより、図30(a)に示すように、ビデオRAM167の非調整用下側描画エリア174に、CPU162からの内部コマンドに対応した表示データが描画される。
続くステップS1005では、上下反転処理を実行する。上下反転処理では、図30(b)に示すように、ビデオRAM167の各描画エリア171〜174のうち、調整用上側描画エリア172に描画された表示データを上下反転させる。
上記のとおり調整用上側描画エリア172の表示データに対応した画像は、マルチビュー表示において反射用ユニット84の反射面131にて反射された後に遊技者に視認されるため、反射面131における反射が表示面94の上方にて行われる構成においては、反射面131に映し出される画像は表示面94に表示されている画像を上下反転させたものとなる。これに対して、上下反転処理を実行し調整用上側描画エリア172の表示データを上下反転させておくことで、反射面131にて映し出される画像は本来、遊技者に視認させるべき画像となる。なお、当該上下反転処理の対象となる表示データとしては、例えば変動表示させる図柄の表示データなどが含まれる。
その後、ステップS1006に進み、ステップS1001〜ステップS1005にてビデオRAM167に描画した表示データをまとめて画像処理デバイス168に出力する出力処理を実行した後に、本マルチビュー表示用の描画処理を終了する。
上記マルチビュー表示用の描画処理におけるステップS1001〜ステップS1005が実行されることにより、図30(b)に示すように、ビデオRAM167の各描画エリア171〜174に対して表示データが描画される。そして、この表示データがステップS1006にて画像処理デバイス168に出力されることで、図30(c)に示すように、図柄表示装置81の表示面94及び反射用ユニット84の反射面131を含めた表示領域において上記表示データに対応した画像が表示される。
ここで、図柄表示ユニット38のリーチ用傾斜状態では、既に説明したように、反射面131にて映される領域は表示面94の視野角調整領域97の略全体と一致する。そうすると、図30(c)に示すように、ビデオRAM167の調整用上側描画エリア172に描画された表示データが、上下反転された状態であって反射面131の全体に広げられた状態の画像として遊技者に視認される。また、図柄表示装置81の表示面94における視野角調整領域97では、図30(c)に示すように、ビデオRAM167の調整用下側描画エリア173に描画された表示データが、全体に広げられた状態として遊技者に視認される。
また、マルチビュー表示用の描画処理において各描画エリア171〜174に対して表示データの設定が行われることにより、表示面94及び反射面131から構成される表示領域において、所定の背景画像などといった同一の絵柄が表示面94及び反射面131の境界を跨ぐようにして表示されるとともに、所定の図柄などが表示面94及び反射面131の境界を跨いで一方の面から他方の面に移動するように表示される。
次に、表示面94及び反射面131を含めた図柄表示ユニット38の表示領域における表示内容について、図柄の変動表示が行われる場合を例に挙げて説明する。図31(a)は特別リーチが行われていない状況における表示内容を説明するための説明図、図31(b)は特別リーチが行われている状況における表示内容を説明するための説明図である。
図柄の変動表示において特別リーチが行われていない状況では、図31(a)に示すように、図柄表示ユニット38は初期状態であり、表示面94が遊技盤33に対して平行又は略平行となっている。この場合、マルチビュー表示は行われておらず、ボーリング場の一のレーンにおける一部の領域を背景画像として図柄の変動表示が行われる。
図柄の変動表示において特別リーチが行われている状況では、図31(b)に示すように、図柄表示ユニット38はリーチ用傾斜状態であり、表示面94がその下端部を軸として遊技盤33に対して45度後方に傾斜した状態となっているとともに、反射面131が表示面94の上端部において当該表示面94に対して直交した状態となっている。この場合、マルチビュー表示が行われており、遊技者から見た場合、反射面131にて反射される画像は、表示面94が同一平面上において上方に延長された位置にて表示されるように視認される。そして、当該状態においてボーリング場の一のレーンの全体を含んだ画像を背景画像として、リーチ変動表示が行われる。これにより、リーチ変動表示を行う表示領域の大型化が図られ、リーチ変動表示がダイナミックに行われることに伴って、リーチ変動表示への注目度を高めることが可能となる。
ここで、リーチ図柄の組み合わせは、表示面94の下側非調整領域96にて表示されている。当該下側非調整領域96は、マルチビュー表示を行わない領域であり、視差バリアパネル93による視野角の調整が行われないため、視野角調整領域97に比べ解像度及び輝度が高くなっている。そして、このように解像度及び輝度が高い下側非調整領域96にてリーチ図柄の組み合わせを表示することで、遊技者に対してリーチ図柄の組み合わせを明確に認識させることができる。
ちなみに、リーチ用傾斜状態では、下側非調整領域96は表示面94においてパチンコ機10前側に位置する領域である。また、表示面94及び反射面131から構成される表示領域は、表示面94が前側となるようにして前後方向に傾斜しているように遊技者に視認されるため、下側非調整領域96は当該表示領域においてもパチンコ機10前側に位置する領域となる。つまり、下側非調整領域96は比較的目立つ領域であり、当該下側非調整領域96を、マルチビュー表示を行わない領域とすることにより、比較的目立つ位置における画像の解像度及び輝度を相対的に高めることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
デュアルビュー表示を行うことが可能な視野角調整領域97が表示面94に設定された図柄表示装置81と、当該視野角調整領域97に表示されている画像を反射させることが可能な反射面131を有する反射用ユニット84と、を備えた図柄表示ユニット38を設け、当該図柄表示ユニット38の大当たり用傾斜状態又はリーチ用傾斜状態といった傾斜状態においては、表示面94がパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように図柄表示装置81が配置されるとともに、表示面94の上方において反射面131がパチンコ機10後方に向けて下り傾斜となるように反射用ユニット84が配置されることで、視野角調整領域97の下側に向けて表示された画像がパチンコ機10前方から視認可能となるとともに、視野角調整領域97の上側に向けて表示された画像は反射面131に映し出されることでパチンコ機10前方から視認可能となるようにした。つまり、上記傾斜状態においては、表示面94及び反射面131が表示領域として構成され、さらに表示面94及び反射面131のそれぞれにおいて異なる画像を表示することが可能となる。これにより、表示面94のみにおいて画像の表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、上記傾斜状態は、上記のとおり、表示面94がパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように図柄表示装置81が配置されるとともに、表示面94の上方において反射面131がパチンコ機10後方に向けて下り傾斜となるように反射用ユニット84が配置されるため、遊技盤33の開口部33aに比して大きな表示領域を確保することが可能となり、結果的に開口部33aを大型化することなく比較的大型な表示領域を確保することが可能となる。さらには、開口部33aに比して大きな表示領域を確保した状態での図柄表示ユニット38の前後方向寸法を小型化することができる。
例えば、開口部33aを大型化して比較的大型な表示領域を確保する構成も想定されるが、この場合、遊技領域において遊技球が流下可能な領域を縮小する必要が生じる。そうすると、遊技領域における遊技球の流下態様が単調なものとなってしまい好ましくない。また、遊技盤33のサイズを上下方向又は左右方向に拡張する構成も想定されるが、遊技盤33の周囲には複数の電気機器が設置されており、遊技盤33のサイズを上下方向又は左右方向に拡張するとそれら電気機器の設置領域が縮小化されてしまい好ましくない。また、パチンコ機10のサイズを上下方向又は左右方向に拡張し、それに合わせて大型な遊技盤を設置するとともに、大型な表示面を有する図柄表示装置を配置する構成も想定されるが、パチンコ機10は遊技ホールなどにおいて既存の島設備に設置されるため、パチンコ機10のサイズを上下方向又は左右方向に拡張することは好ましくない。
さらにまた、開口部33aに比して大きな表示面を有する図柄表示装置をパチンコ機10後方に傾けて配置することで表示領域の大型化を図る構成も想定されるが、この場合、パチンコ機10の前後方向寸法が極端に大きくなってしまうことが懸念される。遊技ホールでは、パチンコ機10は島設備に対して背面を対向させた状態で配置されるため、パチンコ機10の前後方向寸法が極端に大きくなってしまうと、島設備へのパチンコ機10の対向配置を良好に行えなくなってしまうことが懸念される。
これに対して、上記のとおり、表示面94がパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように図柄表示装置81が配置されるとともに、表示面94の上方において反射面131がパチンコ機10後方に向けて下り傾斜となるように反射用ユニット84が配置されることで、上記のような不都合を生じさせることなく、表示領域の大型化を良好に実現することができる。
また、反射面131と表示面94とは左右に並設されているのではなく上下に並設されているため、遊技者にとってはマルチビュー表示に対する左右の目の視差による影響が低減される。つまり、左目と右目とでは、表示面94の所定の部位を視認する場合における横方向の視線の角度が異なっている。表示面94にて左右方向にマルチビュー表示が行われる構成を想定すると、表示面94に対する遊技者の視点の位置によっては、左目と右目との視線の角度の違いにより、視野角が左側に向けて設定された画像を左目で視認し、視野角が右側に向けて設定された画像を右目で視認してしまうことが想定される。これに対して、左目と右目とでは、表示面94の所定の部位を視認する場合における縦方向の視線の角度差は一般的に少ない。したがって、本パチンコ機10のように表示面94にて上下方向にマルチビュー表示を行うことで、左目と右目とでマルチビュー表示のそれぞれ異なる表示を視認してしまうといった不都合の発生が抑制され、遊技者にとってはマルチビュー表示に対する左右の目の視差による影響が低減される。
上記傾斜状態では、表示面94に対して反射面131が上方に配置されるようにした。パチンコ機10が設置される遊技ホールなどにおいては、天井に店内照明が設けられている。この場合に、上記のとおり表示面94に対して反射面131を上方に配置することで、光を反射し易い反射面131に店内照明からの光が映りこみにくくなる。
上記傾斜状態では、表示面94に対する反射面131の角度が直角又は略直角となるため、遊技者から見た場合、反射面131にて反射される画像は、表示面94が同一平面上において上方に延長された位置にて表示されているように視認される。これにより、上記表示領域が上下方向の途中位置で折れ曲がっているように視認される構成に比べ、大型化された上記表示領域の画像を違和感なく視認させることができる。
また、上記傾斜状態では、開口部33aを通じて表示面94及び反射面131を視認した場合に表示面94及び反射面131の間に隙間が生じていないように見える位置に図柄表示装置81及び反射用ユニット84が配置されるため、上記表示領域が連続的なものとなる。この点からも、大型化された上記表示領域の画像を違和感なく視認させることができる。
表示面94及び反射面131の位置を所定のものとする図柄表示ユニット38の状態として、上記傾斜状態以外に、表示面94が遊技盤33に対して平行又は略平行となり、反射面131において画像の反射が行われなくなる初期状態を設定した。そして、特別リーチや大当たり状態でない状況では、図柄表示ユニット38の状態を初期状態とし、特別リーチや大当たり状態では、図柄表示ユニット38の状態を上記傾斜状態に変更するようにした。これにより、特別リーチや大当たり状態ではこれら以外の状態に比べ、表示される画像の内容が変更されるだけでなく、表示領域のサイズも変更することが可能となり、特別リーチや大当たり状態への注目度を高めることが可能となる。
上記傾斜状態として、大当たり用傾斜状態とリーチ用傾斜状態とを設定し、特別リーチではリーチ用傾斜状態とするとともに、大当たり状態では大当たり用傾斜状態としたことにより、遊技状況に応じた表示領域のサイズの変更パターンが多様化される。
この場合に、大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態のいずれにおいても、表示面94に対する反射面131の角度が直角又は略直角となるようにし、さらには開口部33aを通じて表示面94及び反射面131を視認した場合に表示面94及び反射面131の間に隙間が生じていないように見える位置に図柄表示装置81及び反射用ユニット84が配置されるようにした。これにより、各傾斜状態において、反射面131にて反射される画像が表示面94を同一平面上において上方に延長させた位置にて表示されているように視認される状態が維持されるとともに、表示領域が連続的なものとなった状態が維持される。よって、傾斜状態を遊技状況に応じて変更するようにした構成において、いずれの傾斜状態においても、表示領域の画像を違和感なく視認させることができる。
また、大当たり用傾斜状態及びリーチ用傾斜状態においては、表示制御装置82のVDP165におけるマルチビュー表示用の描画処理(図29)にて、上下反転処理を実行するようにしたことにより、調整用上側描画エリア172及び調整用下側描画エリア173のそれぞれに設定する表示データが完全に別なものとするのではなく、少なくとも一部を共通化させたとしても、反射用ユニット84の反射面131にて映し出される画像を遊技者に本来見せるべき向きとすることができる。つまり、上下反転処理を実行するようにしたことにより、キャラクタROM166などにおける必要な記憶容量の削減を図りつつ、マルチビュー表示に際して反射面131にて映し出される画像を遊技者に良好に視認させることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、図柄表示ユニットにおけるマルチビュー表示に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下に、この相違する構成について図32を用いて説明する。図32(a)は初期状態における図柄表示ユニット181の構成を説明するための説明図、図32(b)は大当たり用傾斜状態における図柄表示ユニット181の構成を説明するための説明図、図32(c)はリーチ用傾斜状態における図柄表示ユニット181の構成を説明するための説明図である。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態と同一の構成については、同一の番号を付すとともに基本的にその説明を省略する。
図32(a)に示すように、図柄表示ユニット181は、上記第1の実施形態と同様に、図柄表示装置182と、反射用ユニット183と、を備えており、これら図柄表示装置182及び反射用ユニット183は当該反射用ユニット183が上側となるようにして上下に並設されている。そして、上記第1の実施形態と同様に、図柄表示ユニット181の状態として、図32(a)に示す初期状態と、図32(b)に示す大当たり用傾斜状態と、図32(c)に示すリーチ用傾斜状態と、が設定されている。なお、図32(a)〜(c)において符号184は図柄表示ユニット181を各状態で保持する機能を有する角度変更機構の一部を示し、符号185は反射用ユニット183の追従機構を示す。
上記第1の実施形態における図柄表示装置81では表示面94の一部にてマルチビュー表示を行う構成としたが、本実施形態における図柄表示装置182では表示面186の全体にてマルチビュー表示を行う。なお、マルチビュー表示として具体的にはデュアルビュー表示を行い、当該デュアルビュー表示は上記第1の実施形態と同様に上下方向に行われる。
図柄表示装置182において表示面186の全体でマルチビュー表示を行う構成に対応させて、反射用ユニット183の反射面187の縦寸法が上記第1の実施形態における反射用ユニット84よりも大きく設定されており、表示面186と反射面187との縦寸法が同一又は略同一となっている。本構成では、遊技盤33に形成された開口部33aを遊技者が正面から視認する場合を想定すると、遊技盤33に対する表示面186の傾斜角度が45度となる図32(c)のリーチ用傾斜状態において、表示面186のデュアルビュー表示における上側に向けた画像の全体が反射面187の全体に映し出されることとなる。
この場合、表示面186に対する反射面187の角度は直角又は略直角となっているため、上記第1の実施形態において既に説明したように、遊技者から見た場合、反射面187にて反射される画像は、表示面186が同一平面上において上方に延長された位置にて表示されているように視認される。そして、遊技者が視認する実質的な表示領域は、表示面186の縦寸法が2倍の図柄表示装置182を遊技盤33に対して45度後方に傾斜させた状態の表示面を視認する場合と一致する。これにより、上記第1の実施形態よりも表示領域の大型化を実現することができる。
さらにまた、反射面187においては、表示面186のデュアルビュー表示における上側に向けた画像以外は映し出されないため、当該上側に向けた画像以外のものが映し出されてしまうことが抑制され、表示領域における表示を遊技者に良好に視認させることができる。
但し、上記のように表示面186が45度後方に傾斜することとなるリーチ用傾斜状態に対応させて反射面187の寸法が設定された構成においては、図32(b)に示すように、表示面186が35度後方に傾斜することとなる大当たり用傾斜状態では、表示面186のデュアルビュー表示における上側に向けた画像の一部のみが反射面187の全体に映し出されることとなる。したがって、これに対応させて、リーチ用傾斜状態では表示面186のデュアルビュー表示における上側に向けた画像の設定が行われる。ちなみに、本構成によれば、大当たり用傾斜状態において、反射面187に表示面186以外のものが映し出されないようにすることができる。
また、本構成では、リーチ用傾斜状態において、遊技盤33の開口部33aを通じてパチンコ機10前方から表示面186及び反射面187の全体を視認可能とするために、開口部33aの縦寸法が表示面186の縦寸法よりも大きく設定されている。そうすると、図32(a)に示す図柄表示ユニット181の初期状態では、開口部33aを正面から見た場合、開口部33aの上縁と表示面186の上縁との間に隙間が生じてしまい、当該隙間を通じて、初期状態における反射面187の下端側や遊技盤33の背面側が視認されてしまうことが懸念される。
これに対して、遊技盤33の背面側には、開口部33aの上縁から当該開口部33aに対して出没するシャッタ部材188が設けられている。当該シャッタ部材188は、所定のシャッタ用駆動部により駆動されることで、開口部33aの上縁と表示面186の上縁との間の隙間を閉塞する閉塞位置と、開口部33aから上方へ没した退避位置とに移動可能に設けられている。
図柄表示ユニット181の初期状態ではシャッタ部材188が閉塞位置に移動することで、上記隙間が閉塞される。一方、図柄表示ユニット181の大当たり用傾斜状態やリーチ用傾斜状態では、シャッタ部材188が退避位置に移動することで、開口部33aの一部が閉塞されることはなく、上記のとおり開口部33aを通じて表示面186及び反射面187の全体が視認可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、図柄表示ユニットにおけるマルチビュー表示に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下に、この相違する構成について図33を用いて説明する。図33(a)は初期状態における図柄表示ユニット191の構成を説明するための説明図、図33(b)は大当たり用傾斜状態における図柄表示ユニット191の構成を説明するための説明図、図33(c)はリーチ用傾斜状態における図柄表示ユニット191の構成を説明するための説明図である。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態と同一の構成については、同一の番号を付すとともに基本的にその説明を省略する。
図33(a)に示すように、図柄表示ユニット191は、上記第1の実施形態と同様に、図柄表示装置192と、反射用ユニット193と、を備えており、これら図柄表示装置192及び反射用ユニット193は当該反射用ユニット193が上側となるようにして上下に並設されている。そして、上記第1の実施形態と同様に、図柄表示ユニット191の状態として、図33(a)に示す初期状態と、図33(b)に示す大当たり用傾斜状態と、図33(c)に示すリーチ用傾斜状態と、が設定されている。なお、図33(a)〜(c)において符号194は図柄表示ユニット191を各状態で保持する機能を有する角度変更機構の一部を示し、符号195は反射用ユニット193の追従機構を示す。
上記第1の実施形態における図柄表示装置81では表示面94の一部にてマルチビュー表示を行う構成としたが、本実施形態における図柄表示装置192では表示面196の全体でマルチビュー表示を行う。なお、マルチビュー表示として具体的にはデュアルビュー表示を行い、当該デュアルビュー表示は上記第1の実施形態と同様に上下方向に行われる。
図柄表示装置192において表示面196の全体でマルチビュー表示を行う構成に対応させて、反射用ユニット193の反射面197の縦寸法が上記第1の実施形態における反射用ユニット84よりも大きく設定されている。具体的には、図33(b)の大当たり用傾斜状態において遊技盤33に形成された開口部33aを遊技者が正面から視認した場合に、表示面196のデュアルビュー表示における上側に向けた画像の全体が反射面197の全体に映し出されるように設定されている。
この場合、表示面196に対する反射面197の角度は直角又は略直角となっているため、上記第1の実施形態において既に説明したように、遊技者から見た場合、反射面197にて反射される画像は、表示面196が同一平面上において上方に延長された位置にて表示されているように視認される。そして、遊技者が視認する実質的な表示領域は、表示面196の縦寸法が2倍の図柄表示装置192を遊技盤33に対して35度後方に傾斜させた状態の表示面を視認する場合と一致する。これにより、上記第1の実施形態よりも表示領域の大型化を実現することができる。
さらにまた、反射面197においては、表示面196のデュアルビュー表示における上側に向けた画像以外は映し出されないため、当該上側に向けた画像以外のものが映し出されてしまうことが抑制され、表示領域における表示を遊技者に良好に視認させることができる。
但し、上記のように表示面196が35度後方に傾斜することとなる大当たり用傾斜状態に対応させて反射面197の寸法が設定された構成においては、図33(c)に示すように、表示面196が45度後方に傾斜することとなるリーチ用傾斜状態では、表示面196のデュアルビュー表示における上側に向けた画像以外の領域が映し出される。つまり、表示面196よりも手前側の領域が映し出される。
この場合に、反射面197において遊技領域を流下する遊技球やセンターフレーム41のステージユニット43上を転動する遊技球が映し出されないように、図柄表示装置192及び反射用ユニット193の配置位置が設定されている。つまり、図柄表示装置192の回動軸が遊技盤33からパチンコ機10後方側に離間された位置に配置されている。また、遊技盤33の背面において開口部33aの下方には遮蔽板198が設けられており、反射面197における上記画像以外を映し出す領域には遮蔽板198が映し出される。これにより、遊技盤33の背面に搭載された制御装置などが反射面197に映し出されてしまうことが防止されている。
本構成では、大当たり用傾斜状態において、遊技盤33の開口部33aを通じてパチンコ機10前方から表示面196及び反射面197の全体を視認可能とするために、開口部33aの縦寸法が表示面196の縦寸法よりも大きく設定されている。そうすると、図33(a)に示す図柄表示ユニット191の初期状態では、開口部33aを正面から見た場合、開口部33aの上縁と表示面196の上縁との間に隙間が生じてしまい、当該隙間を通じて、初期状態における反射面197の下端側や遊技盤33の背面側が視認されてしまうことが懸念される。
これに対して、遊技盤33の背面側には、開口部33aの上縁から当該開口部33aに対して出没するシャッタ部材199が設けられている。当該シャッタ部材199は、所定のシャッタ用駆動部により駆動されることで、開口部33aの上縁と表示面196の上縁との間の隙間を閉塞する閉塞位置と、開口部33aから上方へ没した退避位置とに移動可能に設けられている。
図柄表示ユニット191の初期状態ではシャッタ部材199が閉塞位置に移動することで、上記隙間が閉塞される。一方、図柄表示ユニット191の大当たり用傾斜状態やリーチ用傾斜状態では、シャッタ部材199が退避位置に移動することで、開口部33aの一部が閉塞されることはなく、上記のとおり開口部33aを通じて表示面196及び反射面197の全体が視認可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、図柄表示ユニット201におけるマルチビュー表示に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下に、この相違する構成について説明する。図34(a)〜(c)は本実施形態における図柄表示ユニット201の構成を説明するための説明図である。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態と同一の構成については、同一の番号を付すとともに基本的にその説明を省略する。
図34(a)に示すように、図柄表示ユニット201は、上記第1の実施形態と同様に、図柄表示装置81と、反射用ユニット84と、を備えており、これら図柄表示装置81及び反射用ユニット84は当該反射用ユニット84が上側となるようにして上下に並設されている。また、図柄表示装置81の角度を変更させる角度変更機構を備えているとともに、図柄表示装置81の角度の変更に追従させて反射用ユニット84を移動させる追従機構を備えている。なお、図34(a)〜(c)において、符号202は図柄表示ユニット201を各状態で保持する機能を有する角度変更機構の一部を示し、符号203は反射用ユニット193の追従機構を示す。
但し、図柄表示ユニット201の状態として、上記第1の実施形態における初期状態、すなわち図柄表示装置81の表示面94が遊技盤33に対して平行又は略平行となりマルチビュー表示が行われない状態は設定されてない。図柄表示ユニット201の状態としては、表示面94が遊技盤33に対してパチンコ機10後方に向けて傾斜するとともに当該表示面94に対する反射面131の角度が直角又は略直角となった状態が、それぞれ表示面94の傾斜角度を異ならせて複数種類設定されている。
当該複数種類の状態としては、図34(a)に示す第1設定用傾斜状態と、図34(b)に示す第2設定用傾斜状態と、図34(c)に示す第3設定用傾斜状態と、が設定されている。第1設定用傾斜状態は、上記第1の実施形態における大当たり用傾斜状態と同様に、遊技盤33に対する表示面94の角度が第1設定用角度である35度となる状態である。第2設定用傾斜状態は、上記第1の実施形態におけるリーチ用傾斜状態と同様に、遊技盤33に対する表示面94の角度が第2設定用角度である45度となる状態である。第3設定用傾斜状態は、遊技盤33に対する表示面94の角度が第3設定用角度である55度となる状態である。
また、本実施形態では、図柄表示ユニット201の状態は、表示面94における図柄の変動表示の状態や遊技状態に応じて変更されるのではなく、第1設定用傾斜状態〜第3設定用傾斜状態のうち遊技者によって設定された状態が図柄の変動表示の状態や遊技状態に関係なく維持される。そして、表示面94及び反射面131を含めた図柄表示ユニット201の表示領域では、図柄の変動表示の状態や遊技状態に関係なく、マルチビュー表示(具体的には、デュアルビュー表示)が行われる。
遊技盤33に形成された開口部33aに対する目の高さ位置は遊技者によって異なっており、開口部33aを若干見上げることとなる遊技者と、開口部33aを正面から見ることとなる遊技者と、開口部33aを若干見下ろすこととなる遊技者とが想定される。そうすると、マルチビュー表示を良好に視認できる表示面94の角度は、遊技者によって異なるものとなる。例えば、表示面94に対する視線の入射角と反射面131に対する視線の入射角とが共に45度となる場合がマルチビュー表示を最も良好に視認できるように図柄表示装置81が形成されている場合には、開口部33aを若干見上げることとなる遊技者にとっては図34(a)の第1設定用傾斜状態が好ましく、開口部33aを正面から見ることとなる遊技者にとっては図34(b)の第2設定用傾斜状態が好ましく、開口部33aを若干見下ろすこととなる遊技者にとっては図34(c)の第3設定用傾斜状態が好ましい。当該事情に鑑みて、本実施形態では、図柄表示ユニット201の状態を遊技者が設定することができるようになっている。
そこで、以下に図柄表示ユニット201の状態を遊技者が設定するための電気的構成を説明する。図35は図柄表示ユニット201の状態の設定に関する電気的構成を説明するためのブロック図である。
図35に示すように、表示制御装置82は、上記第1の実施形態と同様に、CPU162、プログラムROM163、ワークRAM164、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)165、キャラクタROM166及びビデオRAM167がそれぞれ個別にチップ化されて搭載された表示制御基板161を備えている。表示制御装置82には、上記第1の実施形態と同様に、図柄表示ユニット201に設けられた図柄表示装置81、角度検知センサ123〜125及び角度変更モータ117が電気的に接続されており、表示制御装置82にて図柄表示装置81の表示制御が行われるとともに、角度検知センサ123〜125から入力した検知結果に基づいて角度変更モータ117を駆動させることにより図柄表示ユニット201の状態を変更させる。なお、角度検知センサ123〜125は、各設定用傾斜状態に1対1で対応させて設けられている。
この場合に、表示制御装置82には上記第1の実施形態と異なり、角度設定用操作装置204が電気的に接続されている。角度設定用操作装置204は、パチンコ機10の前扉枠14においてパチンコ機10前方から手動操作可能なように設けられている。角度設定用操作装置204には、調整モード切替ボタン205と、角度変更ボタン206とが設けられており、所定の状況下で調整モード切替ボタン205が操作されることにより、図柄表示ユニット201の状態の設定を可能とする制御処理が表示制御装置82のCPU162において開始されるとともに、当該制御処理中において角度変更ボタン206が操作されることにより図柄表示ユニット201の状態が変更される。
次に、表示制御装置82のCPU162にて実行される角度調整用処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。なお、角度調整用処理は、表示用通常処理の一部として実行される。
角度調整用処理では、先ずステップS1101にて、調整モード(調整状態)中であるか否かを判定する。調整モードとは、図柄表示ユニット201の状態を第1設定用傾斜状態、第2設定用傾斜状態及び第3設定用傾斜状態のうちいずれの傾斜状態とするかを設定可能なCPU162の状態であり、調整モード切替ボタン205が操作されることにより開始され、当該調整モード切替ボタン205が再度操作された場合又は図柄の変動表示が開始される場合に終了される。
なお、調整モードか否かの判定は、ワークRAM164に、調整モード用フラグといったように、調整モードであることを特定するための情報が記憶されているか否かを判定することにより行う。当該情報は、調整モード切替ボタン205が操作されて調整モードが開始される場合にワークRAM164に記憶され、調整モード切替ボタン205が再度操作され又は変動開始コマンドを入力して調整モードが終了される場合にワークRAM164から消去される。
調整モード中でない場合には、ステップS1101にて否定判定をし、ステップS1102〜ステップS1105の調整モード開始用処理を実行し、調整モード中である場合には、ステップS1101にて肯定判定をし、ステップS1106〜ステップS1110の調整モード終了用処理を実行する。
調整モード開始用処理では、先ずステップS1102にて、調整モードへの設定操作が行われているか否かを判定する。具体的には、調整モード切替ボタン205が操作されているか否かを判定する。操作されていない場合には、そのまま本角度調整用処理を終了する。操作されている場合には、ステップS1103にて、ワークRAM164に記憶されている情報に基づいて、図柄表示装置81の表示面94にて図柄の変動表示が行われているか否かを判定するとともに、ステップS1104にて、ワークRAM164に記憶されている情報に基づいて、大当たり状態中か否かを判定する。
図柄の変動表示中又は大当たり状態中のいずれかである場合には、そのまま本角度調整用処理を終了する。図柄の変動表示中及び大当たり状態中のいずれでもない場合には、ステップS1105にて、調整用表示の設定処理を実行した後に、本角度調整用処理を終了する。調整用表示の設定処理では、遊技者が図柄表示ユニット201の表示領域を視認しながら図柄表示ユニット201の状態の設定を行い易い画像が図柄表示装置81の表示面94にて表示されるようにするための処理である。
調整モード終了用処理では、先ずステップS1106にて、変動開始コマンドを入力しているか否かを判定するとともに、ステップS1107にて、設定完了操作がされているか否か、具体的には調整モード切替ボタン205が操作されているか否かを判定する。変動開始コマンドを入力しておらず、さらに設定完了操作がされていない場合には、ステップS1108に進む。
ステップS1108では、角度変更操作がされているか否か、具体的には、角度変更ボタン206が操作されているか否かを判定する。角度変更ボタン206が操作されていない場合には、そのまま本角度調整用処理を終了する。角度変更ボタン206が操作されている場合には、ステップS1109にて角度変更処理を実行した後に、本角度調整用処理を終了する。
角度変更処理では、角度検知センサ123〜125の検知結果に基づいて、第1設定用傾斜状態、第2設定用傾斜状態及び第3設定用傾斜状態のうちいずれの状態に設定されているかを把握し、その把握結果に基づいて状態を切り替えるために出力する駆動信号の種類及びその駆動信号の出力継続期間を特定する。これらの情報は、図柄表示ユニット201の現状の状態と切り替え先の状態との組み合わせに対して1対1で対応させてプログラムROM163に予め記憶されている。
角度変更処理にて特定された駆動信号は、表示用通常処理に対して定期的(例えば、2msec周期)に割り込んで実行される表示用タイマ割込み処理にて、角度変更モータ117に出力される。また、その出力は特別リーチ用の角度変更処理にて特定された出力継続期間に亘って行われる。なお、角度の変更順序は任意であるが、例えば、第1設定用傾斜状態→第2設定用傾斜状態→第3設定用傾斜状態→第1設定用傾斜状態→・・・の順で行われる。
一方、変動開始コマンドを入力している場合又は設定完了操作がされている場合には、ステップS1110に進み、調整モードの解除処理を実行した後に、本角度調整用処理を終了する。調整モードの解除処理では、ワークRAM164から調整モードを特定するための情報を消去するとともに、調整用表示を解除するための処理を実行する。この場合、図柄表示ユニット201の状態は第1設定用傾斜状態、第2設定用傾斜状態及び第3設定用傾斜状態のうち現状設定されている状態にて保持される。なお、変動開始コマンドを入力している場合には設定完了操作がされているか否かに関係なく角度調整用処理を終了させることで、図柄表示ユニット201の状態の設定よりも図柄の変動表示を優先させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、表示面94及び反射面131から構成される表示領域の向きを、遊技者の目の高さ位置に応じて調整することができ、表示領域の大型化を図った効果を遊技者の目の高さ位置に寄らずに発揮させることが可能となる。
なお、本実施形態において、角度設定用操作装置204がパチンコ機10内部又は背面部に設けられていてもよい。この場合、表示面94及び反射面131から構成される表示領域の向きを遊技ホール側において椅子の高さに応じて調整することができる。また、角度設定用操作装置204における各ボタン205,206を演出用のボタンとして使用してもよい。
<第5の実施形態>
本実施形態では、図柄表示ユニットにおけるマルチビュー表示に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下に、この相違する構成について説明する。図37(a)は本実施形態における図柄表示ユニット211の構成を説明するための説明図、図37(b)は図柄表示ユニット211の図柄表示装置212の構成を説明するための説明図である。
図37(a)に示すように、図柄表示ユニット211は、図柄表示装置212と、図柄表示装置212の上方に設けられた上側反射用ユニット213と、図柄表示装置212の下方に設けられた下側反射用ユニット214と、を備えている。これら図柄表示装置212、上側反射用ユニット213及び下側反射用ユニット214は、図柄表示装置212の表示面212aが遊技盤33に対して平行又は略平行となり、上側反射用ユニット213の反射面213aがパチンコ機10後方に向けて下り傾斜となり、下側反射用ユニット214の反射面214aがパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように配置されている。
また、図柄表示装置212の表示面212aの上縁と上側反射用ユニット213の下縁とが当接又は近接し、表示面212aの下縁と下側反射用ユニット214の上縁とが当接又は近接するように設けられている。そして、開口部33aを正面から見た場合に、上側反射用ユニット213の反射面213aの全体に表示面212aの全体が映し出されるように上側反射用ユニット213が形成されているとともに、下側反射用ユニット214の反射面214aの全体に表示面212aの全体が映し出されるように下側反射用ユニット214が形成されている。
図柄表示装置212は、上記第1の実施形態における図柄表示装置81と異なり、マルチビュー表示としてトリプルビュー表示を行うことが可能なように設けられている。つまり、図柄表示装置212は、図37(b)に示すように、液晶表示部215と、バックライト216と、視差バリアパネル217と、を備えており、表示面212aの全体が視野角調整領域となっており、表示面212aの全体でトリプルビュー表示が行われる。なお、図柄表示装置212は、一対の偏光フィルムも備えているが、図37(b)においては、これら偏光フィルムを省略して示す。
液晶表示部215に対する表示制御においては、液晶表示部215の横方向に一列に並ぶ横ライン領域が縦方向に1画素ずつ設定されており、縦方向に多数並んだ各横ライン領域は、トリプルビュー表示を行う場合に上側表示領域(第1表示領域)218と中央側表示領域(第2表示領域)219と下側表示領域(第3表示領域)220とに割り当てられる。これら各領域218〜220は、上から順に上側表示領域218→下側表示領域220→中央側表示領域219→上側表示領域218→下側表示領域220→中央側表示領域219→・・・という順番で、1画素単位で並ぶように設定されている。
上記各領域218〜220が設定されるように液晶表示部215が表示制御されることに対応させて、視差バリアパネル217が設けられている。つまり、視差バリアパネル217は、上記第1の実施形態における視差バリアパネル93と同様に、無色透明なガラス板221に対して遮光材料が蒸着されていることにより、多数の遮光層222が縦方向に等間隔で形成されているとともに、これら遮光層222の間は光を透過させる透過層223となっている。
各遮光層222及び透過層223は、上側表示領域にて表示される画像が表示面212aを正面から見た場合には視認不可であって、上側反射用ユニット213及び下側反射用ユニット214のうち上側反射用ユニット213の反射面213aのみに映し出されるように形成されている。また、中央側表示領域219にて表示される画像が表示面212aを正面から見た場合に視認可能であって、上側反射用ユニット213及び下側反射用ユニット214のいずれにおいても映し出されないように形成されている。また、下側表示領域220にて表示される画像が表示面212aを正面から見た場合には視認不可であって、上側反射用ユニット213及び下側反射用ユニット214のうち下側反射用ユニット214の反射面214aのみに映し出されるように形成されている。
上記構成の図柄表示ユニット211によれば、デュアルビュー表示よりも画像の解像度や輝度が低下するものの、上側反射用ユニット213の反射面213a及び下側反射用ユニット214の反射面214aのそれぞれにおいて画像が映し出されるため、実質的に遊技者が視認する表示領域を、表示面212aを挟んで上側及び下側のそれぞれに延長させることができ、表示領域のさらなる大型化を図ることが可能となる。
なお、図柄表示ユニット211は非可動式に限定されることはなく、可動式としてもよく、可動式とする場合、各反射面213a,214aの傾斜角度が複数段階で変更される構成としてもよい。
<第6の実施形態>
本実施形態では、図柄表示ユニットにおけるマルチビュー表示に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下に、この相違する構成について説明する。図38(a)は本実施形態における図柄表示ユニット231の構成を説明するための説明図、図38(b)は図柄表示ユニット231の図柄表示装置232の構成を説明するための説明図である。
図38(a)に示すように、図柄表示ユニット231は、図柄表示装置232と、図柄表示装置232の上方に設けられた上側反射用ユニット233と、図柄表示装置232の下方に設けられた下側反射用ユニット234と、を備えている。これら図柄表示装置232、上側反射用ユニット233及び下側反射用ユニット234は、図柄表示装置232の表示面232aが遊技盤33に対して平行又は略平行となり、上側反射用ユニット233の反射面233aがパチンコ機10後方に向けて下り傾斜となり、下側反射用ユニット234の反射面234aがパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように配置されている。
また、図柄表示装置232の表示面232aの上縁と上側反射用ユニット233の下縁とが当接又は近接し、表示面232aの下縁と下側反射用ユニット234の上縁とが当接又は近接するように設けられている。そして、開口部33aを正面から見た場合に、上側反射用ユニット233の反射面233aの全体に表示面232aの上半分が映し出されるように上側反射用ユニット233が形成されているとともに、下側反射用ユニット234の反射面234aの全体に表示面232aの下半分が映し出されるように下側反射用ユニット234が形成されている。
図柄表示装置232は、上記第1の実施形態における図柄表示装置81と同様に、マルチビュー表示としてデュアルビュー表示を行うことが可能なように設けられている。但し、表示面232aの上側と下側とでデュアルビュー表示の態様が異なるように設けられている。つまり、図柄表示装置232は、図38(b)に示すように、液晶表示部235と、バックライト236と、視差バリアパネル237と、を備えており、表示面232aの全体が視野角調整領域となっている。なお、図柄表示装置232は、一対の偏光フィルムも備えているが、図38(b)においては、これら偏光フィルムを省略して示す。
液晶表示部235に対する表示制御においては、液晶表示部235の横方向に一列に並ぶ横ライン領域が縦方向に1画素ずつ設定されており、縦方向に多数並んだ各横ライン領域は、縦方向の中央よりも上側の領域では、デュアルビュー表示を行う場合に上側表示領域238と中央側表示領域239とに割り当てられる。これら上側表示領域238及び中央側表示領域239は、1画素単位で交互に並ぶように設定されている。また、縦方向の中央よりも下側の領域では、デュアルビュー表示を行う場合に中央側表示領域239と下側表示領域240とに割り当てられる。これら中央側表示領域239及び下側表示領域240は、1画素単位で交互に並ぶように設定されている。
上記各領域238〜240が設定されるように液晶表示部235が表示制御されることに対応させて、視差バリアパネル237が設けられている。つまり、視差バリアパネル237は、上記第1の実施形態における視差バリアパネル93と同様に、無色透明なガラス板241に対して遮光材料が蒸着されていることにより、多数の遮光層242が縦方向に形成されているとともに、これら遮光層242の間は光を透過させる透過層243となっている。
各遮光層242及び各透過層243は、上側表示領域238にて表示される画像が表示面232aを正面から見た場合には視認不可であって、上側反射用ユニット233に映し出されるように形成されている。また、中央側表示領域239にて表示される画像が表示面232aを正面から見た場合に視認可能であって、上側反射用ユニット233及び下側反射用ユニット234のいずれにおいても映し出されないように形成されている。また、下側表示領域240にて表示される画像が表示面232aを正面から見た場合には視認不可であって、下側反射用ユニット234の反射面234aに映し出されるように形成されている。
すなわち、図柄表示装置232の表示面232aには、斜め上方及び前方に向けてデュアルビュー表示を行う上側視野角調整領域244と、斜め下方及び前方に向けてデュアルビュー表示を行う下側視野角調整領域245と、が設定されている。そして、これら上側視野角調整領域244と下側視野角調整領域245とは、表示面232aを縦方向に均等に二分している。また、それぞれの視野角調整領域244,245に対応させて反射用ユニット233,234が設けられている。
上記構成の図柄表示ユニット231によれば、上側反射用ユニット233の反射面233a及び下側反射用ユニット234の反射面234aのそれぞれにおいて画像が映し出されるため、実質的に遊技者が視認する表示領域を、表示面232aを挟んで上側及び下側のそれぞれに延長させることができ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
また、表示面232aを上側用のデュアルビュー表示を行う領域と下側用のデュアルビュー表示を行う領域とに区画することで、上記第5の実施形態のように図柄表示装置212においてトリプルビュー表示を行う構成に比べ、単位面積当たりの上側表示領域238、中央側表示領域239及び下側表示領域240の各画素数を多くすることが可能となり、トリプルビュー表示に比べ画像の解像度を高めることが可能となる。
なお、図柄表示ユニット231は非可動式に限定されることはなく、可動式としてもよく、可動式とする場合、各反射面233a,234aの傾斜角度が複数段階で変更される構成としてもよい。
<第7の実施形態>
本実施形態では、図柄表示ユニットにおけるマルチビュー表示に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下に、この相違する構成について説明する。図39(a),(b)は図柄表示ユニット251の構成を説明するための説明図、図40(a),(b)は図柄表示装置252の構成を説明するための説明図である。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態と同一の構成については、同一の番号を付すとともに基本的にその説明を省略する。
図39(a)に示すように、図柄表示ユニット251は、上記第1の実施形態と同様に、図柄表示装置252と、反射用ユニット253と、を備えており、これら図柄表示装置252及び反射用ユニット253は当該反射用ユニット253が上側となるようにして上下に並設されている。
図40(a)に示すように、図柄表示装置252は、上記第1の実施形態における図柄表示装置81と同様に、液晶表示部254と、バックライト255と、視差バリアパネル256と、を備えており、図40(b)に示すように、表示面257の上半分の領域はマルチビュー表示、具体的にはデュアルビュー表示を行うことが可能な視野角調整領域258となっており、表示面257の下半分の領域はマルチビュー表示が行われない非調整領域259となっている。なお、図柄表示装置252は、一対の偏光フィルムも備えているが、図40(a)においては、これら偏光フィルムを省略して示す。
液晶表示部254において視野角調整領域258では、マルチビュー表示に際して上側表示領域260と下側表示領域261とが縦方向に1画素単位で交互に並ぶように表示制御される。視差バリアパネル256は、上側表示領域260に表示される画像が上側から視認可能であり、下側表示領域261に表示される画像が下側から視認可能となるように形成されている。一方、液晶表示部254において非調整領域259では、上記のように上側表示領域260と下側表示領域261とに分けるような表示制御は行われず、さらに視差バリアパネル256において非調整領域259には遮光層262は形成されておらず全体が透過層263となっている。
図柄表示ユニット251は、上記第1の実施形態と同様に、遊技盤33に形成された開口部33aを通じて遊技者に視認される実質的な表示領域の大きさを可変とするための複数種類の状態が設定されている。但し、当該複数種類の状態としては、表示面257が遊技盤33に対して平行又は略平行となりマルチビュー表示が行われない図39(a)の初期状態と、表示面257が遊技盤33に対して45度後方に傾斜してマルチビュー表示が行われる図39(b)のリーチ用傾斜状態と、が設定されており、上記第1の実施形態における大当たり用傾斜状態に対応した状態は設定されていない。なお、大当たり用傾斜状態が設定されていてもよい。
初期状態では、表示面257の視野角調整領域258及び非調整領域259の両方が開口部33aを通じてパチンコ機10前方から視認可能となっている。但し、反射面264はその全体が、開口部33aよりも上方にあり、開口部33aを通じてパチンコ機10前方から視認不可となっている。
リーチ用傾斜状態では、上記のとおり、表示面257が遊技盤33に対して45度後方に傾斜した状態となるとともに、表示面257に対する反射面264の角度が直角又は略直角となる。そして、表示面257の視野角調整領域258及び非調整領域259の両方が開口部33aを通じてパチンコ機10前方から視認可能であるとともに、反射面264の全体が開口部33aを通じてパチンコ機10前方から視認可能となっている。ここで、反射用ユニット253の反射面264は、リーチ用傾斜状態において開口部33aを正面から見た場合に、視野角調整領域258の全体又は略全体を反射面264の全体又は略全体で表示するように設けられている。なお、図39(a),(b)において、符号265は図柄表示ユニット251を各状態で保持する機能を有する角度変更機構の一部を示し、符号266は反射用ユニット253の追従機構を示す。
次に、本実施形態における通常表示用の描画処理及びマルチビュー表示用の描画処理について、図41及び図42のフローチャートを用いて説明する。なお、通常表示用の描画処理は、上記第1の実施形態と同様に、図柄表示ユニット251が初期状態である場合において、表示制御装置82のVDP165にて実行される処理であり、マルチビュー表示用の描画処理は、上記第1の実施形態と同様に、図柄表示ユニット251がリーチ用傾斜状態である場合において、表示制御装置82のVDP165にて実行される処理である。また、以下の説明では、理解を容易なものとするために、図43を適宜参照する。図43(a)は初期状態における表示内容を説明するための説明図、図43(b)はリーチ用傾斜状態における表示内容を説明するための説明図である。
先ず、通常表示用の描画処理について説明する。
通常表示用の描画処理では、先ずステップS1201にて、表示面257の視野角調整領域258及び非調整領域259に対する背景画像の描画処理を実行する。具体的には、表示制御装置82のビデオRAM167における視野角調整領域258に対応した描画エリア及び非調整領域259に対応した描画エリアに、所定の背景画像に対応した背景画像用の表示データを描画する。なお、この場合、ビデオRAM167において液晶表示部254の上側表示領域260及び下側表示領域261に対しては同一の表示データを描画する。
続くステップS1202では、表示面257の非調整領域259に対する変動表示用図柄の描画処理を実行する。具体的には、表示制御装置82のビデオRAM167における非調整領域259に対応した描画エリアに、表示制御装置82のCPU162から入力した内部コマンドに対応した変動表示用図柄の表示データを描画する。
その後、ステップS1203に進み、ステップS1201及びステップS1202にてビデオRAM167に描画した表示データをまとめて画像処理デバイス168に出力する出力処理を実行した後に、本通常表示用の描画処理を終了する。
上記通常表示用の描画処理が実行されることにより、例えば、図柄表示ユニット251の初期状態で図柄の変動表示が行われる場合の表示内容は、図43(a)に示すものとなる。つまり、ボーリング場の一のレーンにおける一部の領域を背景画像として、表示面257の非調整領域259において図柄の変動表示が行われる。
視野角調整領域258には、視差バリアパネル256の遮光層262が配置されているため、非調整領域259に比べ、画像の解像度が低下するとともに、画像の輝度も低下する。このような事情において、上記のとおり図柄表示ユニット251の初期状態では、視野角調整領域258には背景画像のみを表示し、非調整領域259にて図柄の変動表示を行うようにすることで、解像度が高く且つ輝度も高い領域において図柄の変動表示が行われることとなり、遊技者にとっては当該変動表示を良好に視認することができる。変動表示後に停止表示された図柄の組み合わせが大当たり図柄の組み合わせである場合に大当たり状態へ移行するパチンコ機10においては、遊技者は基本的に変動表示されている図柄に注目するため、上記のように変動表示の視認性を良好なものとすることが好ましい。
次に、マルチビュー表示用の描画処理について説明する。
マルチビュー表示用の描画処理では、先ずステップS1301にて、表示面257の視野角調整領域258及び非調整領域259に対する背景画像の描画処理を実行する。当該処理の具体的な内容はステップS1201と同様である。
続くステップS1302では、表示面257の非調整領域259に対するリーチ図柄の描画処理を実行する。具体的には、表示制御装置82のビデオRAM167における非調整領域259に対応した描画エリアに、表示制御装置82のCPU162から入力した内部コマンドに対応したリーチ図柄の表示データを描画する。
続くステップS1303では、表示面257の視野角調整領域258の下側表示領域261に対する演出画像の描画処理を実行する。具体的には、表示制御装置82のビデオRAM167における上側表示領域260に対応した描画エリアに、表示制御装置82のCPU162から入力した内部コマンドに対応した演出画像の表示データを描画する。
続くステップS1304では、表示面257の視野角調整領域258の下側表示領域261に対する演出画像の描画処理を実行する。具体的には、表示制御装置82のビデオRAM167における下側表示領域261に対応した描画エリアに、表示制御装置82のCPU162から入力した内部コマンドに対応した演出画像の表示データを描画する。
続くステップS1305では、上下反転処理を実行する。上下反転処理では、上記第1の実施形態におけるマルチビュー表示用の描画処理におけるステップS1005と同様に、ビデオRAM167の各描画エリアのうち、下側表示領域261に対応した描画エリアに描画された表示データを上下反転させる。
その後、ステップS1306に進み、ステップS1301〜ステップS1305にてビデオRAM167に描画した表示データをまとめて画像処理デバイス168に出力する出力処理を実行した後に、本マルチビュー表示用の描画処理を終了する。
上記マルチビュー表示用の描画処理が実行されることにより、図柄表示ユニット251のリーチ用傾斜状態でリーチ変動表示が行われる場合の表示内容は、図43(b)に示すものとなる。つまり、ボーリング場の一のレーンの全体を含んだ画像を背景画像として、リーチ変動表示が行われる。
この場合、表示領域が初期状態よりも大型化するため、リーチ変動表示がダイナミックに行われることに伴って、リーチ変動表示への注目度を高めることが可能となる。また、解像度が高く且つ輝度も高い非調整領域259においてリーチ図柄の組み合わせが表示されるため、遊技者にとってはリーチ図柄の組み合わせを良好に視認することができ、遊技者に対してリーチ図柄の組み合わせを明確に認識させることができる。
<第8の実施形態>
本実施形態では、図柄表示ユニットにおけるマルチビュー表示に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下に、この相違する構成について説明する。図44(a)は本実施形態における図柄表示ユニット271の構成を説明するための説明図、図44(b)は図44(a)のA―A線断面を説明するための説明図、図45(a)は図柄表示ユニット271の初期状態の構成を説明するための説明図、図45(b)は図柄表示ユニット271のリーチ用傾斜状態の構成を説明するための説明図である。なお、以下の説明では、上記第1の実施形態と同一の構成については、同一の番号を付すとともに基本的にその説明を省略する。
図44(a)に示すように、図柄表示ユニット271は、上記第1の実施形態と同様に、図柄表示装置81と、反射用ユニット272と、を備えており、これら図柄表示装置81及び反射用ユニット272は当該反射用ユニット272が上側となるようにして上下に並設されている。なお、図44(a)において、符号273は図柄表示ユニット271を各状態で保持する機能を有する角度変更機構の一部を示し、符号274は反射用ユニット272の追従機構を示す。
図柄表示ユニット271は、上記第1の実施形態と同様に、遊技盤33に形成された開口部33aを通じて遊技者に視認される実質的な表示領域の大きさを可変とするための複数種類の状態が設定されている。但し、当該複数種類の状態としては、表示面94が遊技盤33に対して平行又は略平行となりマルチビュー表示が行われない図45(a)の初期状態と、表示面94が遊技盤33に対して45度後方に傾斜してマルチビュー表示が行われる図45(b)のリーチ用傾斜状態と、が設定されており、上記第1の実施形態における大当たり用傾斜状態に対応した状態は設定されていない。これら初期状態及びリーチ用傾斜状態における図柄表示装置81及び反射用ユニット272の状態は上記第1の実施形態と同様である。なお、大当たり用傾斜状態が設定されていてもよい。
ここで、反射用ユニット272は、図44(a)に示すように、前方に開放された箱状をなし内部に演出用部材(演出用役物)275が収容されたユニットベース276と、当該ユニットベース276の開口277を塞ぐように設けられたハーフミラー278と、を備えている。
ユニットベース276は、内部空間が開口277に向けて広口となるように形成されている。具体的には、図44(a)に示すように、天井面279及び底面280は開口277に向けて両者の距離が離れるように形成されており、図44(b)に示すように、両側面281も同様に開口277に向けて両者の距離が離れるように形成されている。なお、天井面279及び底面280の組み合わせ又は両側面281の組み合わせのいずれか一方が、開口277に向けて両者の距離が離れるように形成されていてもよい。
ユニットベース276の内部空間には、複数の反射ミラー283が設けられている。複数の反射ミラー283は、ユニットベース276の天井面279、底面280及び両側面281のそれぞれに対して個別に設けられているとともに、ユニットベース276において開口277と対向する奥面282に対しても設けられている。つまり、ユニットベース276の内面の全体が複数の反射ミラー283によって覆われている。そして、これら複数の反射ミラー283によってユニットベース276の内部空間には内側反射面284が形成されている。内側反射面284は、各反射ミラー283が薄型の板状に形成されていることに伴って、対応する各面279〜282に沿って形成されている。つまり、内側反射面284により区画された空間は、開口277に向けて広口となっている。
上記構成のユニットベース276に収容された演出用部材275は、ミラーボールのように球状の部材であり、ユニットベース276の底部に対して固定脚部285を介して固定されている。演出用部材275は、有色透明な合成樹脂材料により形成されており、内部が空洞となっている。そして、その空洞となった内部の空間には、発光ダイオードなどからなる演出用発光部286が内蔵されている。演出用発光部286は、演出用部材275における球面状の表面の略全体から外方に向けて光が照射されるように設けられている。演出用発光部286は、表示制御装置82と電気的に接続されており、当該表示制御装置82から発光用駆動信号を入力している間、光を照射する。
演出用部材275がユニットベース276の外部に露出しないように、当該ユニットベース276の開口277がハーフミラー278によって塞がれている。ハーフミラー278は、裏面側であるユニットベース276の内部空間が暗い状況においては、内部空間を表面側から視認不可又は視認困難なものとするとともに、表面である外側反射面287側から光が照射されたときには鏡のように周囲の景色を映し出すものである。また、裏面側であるユニットベース276の内部空間側から光を照射した場合には、その光が表面側から視認可能となるとともに、内部空間に設けられた演出用部材275が透過して表面側から視認可能となるものである。なお、ハーフミラー278としては、上記の機能を発揮するものであれば、公知又は周知のものを用いることができる。
演出用部材275の演出用発光部286から光が照射されていない状況では、外側反射面287において図柄表示装置81の表示面94に表示された画像が映し出される。一方、演出用部材275の演出用発光部286から光が照射されている状況では、外側反射面287において図柄表示装置81の表示面94に表示された画像が映し出されるとともに、表面側から当該外側反射面287を通じて演出用部材275が視認可能となる。
この場合に、上記のとおりユニットベース276の内部空間には内側反射面284が形成されているとともに、内側反射面284により区画された空間は、開口277すなわちハーフミラー278に向けて広口となっている。したがって、演出用部材275の表面から照射された光は、内側反射面284の複数箇所において反射し、さらにはハーフミラー278の裏面においても反射する。よって、演出用部材275の表面から光が照射された場合には、外側反射面287を見た場合、複数の演出用部材275が存在しているかのように視認される。
演出用部材275の光による演出は、図柄表示ユニット271の状態がリーチ用傾斜状態となり且つ図柄表示装置81の表示面94においてマルチビュー表示、具体的にはデュアルビュー表示が行われることとなる特別リーチの一部として発生する。すなわち、リーチ変動表示の特別リーチとして、本実施形態では、図柄表示ユニット271がリーチ用傾斜状態となり且つ図柄表示装置81の表示面94においてマルチビュー表示が行われるものの、演出用部材275による演出が行われない第1特別リーチと、図柄表示ユニット271がリーチ用傾斜状態となり且つ図柄表示装置81の表示面94においてマルチビュー表示が行われ、さらに演出用部材275による演出が行われる第2特別リーチと、が設定されている。
次に、表示制御装置82のCPU162により実行されるマルチビュー表示用処理について、図46のフローチャートを用いて説明する。
本実施形態におけるマルチビュー表示用処理では、先ずステップS1401にて、ワークRAM164に記憶されている情報に基づいて図柄の変動表示中であるか否かを判定する。図柄の変動表示中でない場合にはそのまま本マルチビュー表示用処理を終了する。
図柄の変動表示中である場合には、ステップS1402にて、ワークRAM164に記憶されている情報に基づいて第2特別リーチ中であるか否かを判定する。具体的には、ワークRAM164に特別リーチを発生させることを特定するための情報が記憶されているとともに、表示制御装置82にて計測されている変動表示時間の情報が第2特別リーチの実行されている時間に対応した情報であるか否かを判定する。
なお、第2特別リーチの開始に際してワークRAM164に第2特別リーチ中フラグといった第2特別リーチ中であることを特定するための情報を記憶させるとともに、第2特別リーチの終了に際して当該情報を消去するようにし、ステップS1402では当該情報が記憶されているか否かを判定する構成としてもよい。
また、ステップS1403では、ワークRAM164に記憶されている情報に基づいて第1特別リーチ中であるか否かを判定する。具体的には、ワークRAM164に特別リーチを発生させることを特定するための情報が記憶されているとともに、表示制御装置82にて計測されている変動表示時間の情報が第1特別リーチの実行されている時間に対応した情報であるか否かを判定する。
なお、第1特別リーチの開始に際してワークRAM164に第1特別リーチ中フラグといった第1特別リーチ中であることを特定するための情報を記憶させるとともに、第1特別リーチの終了に際して当該情報を消去するようにし、ステップS1403では当該情報が記憶されているか否かを判定する構成としてもよい。
ステップS1402及びステップS1403の結果、第2特別リーチ中及び第1特別リーチ中のいずれでもない(ステップS1402がNO及びステップS1403がNO)場合には、ステップS1404〜ステップS1407の第1特別リーチ開始用処理を実行する。また、第2特別リーチ中でなく(ステップS1402がNO)、第1特別リーチ中である(ステップS1403がYES)場合には、ステップS1408〜ステップS1410の第2特別リーチ開始用処理を実行する。また、第2特別リーチ中である(ステップS1402がYES)場合には、ステップS1411〜ステップS1415の第2特別リーチ終了用処理を実行する。
以下、第1特別リーチ開始用処理、第2特別リーチ開始用処理及び第2特別リーチ終了用処理を個別に説明していく。先ず、第1特別リーチ開始用処理について説明する。
第1特別リーチ開始用処理では、先ずステップS1404にて、表示制御装置82にて計測されている変動表示時間の情報が第1特別リーチの開始タイミングか否かを判定する。第1特別リーチの開始タイミングでない場合には、そのまま本マルチビュー表示用処理を終了する。
第1特別リーチの開始タイミングである場合には、ステップS1405にて、第1マルチビュー表示状態の設定を行う。具体的には、第1マルチビュー表示用フラグといったように、第1マルチビュー表示状態であることを特定するための情報をワークRAM164に一時記憶させる。当該情報がワークRAM164に記憶されることにより、CPU162からVDP165に出力される内部コマンドには、第1特別リーチ用の描画を行わせるための情報が含まれる。これにより、VDP165における描画処理では、マルチビュー表示用の描画に対応した処理であって第1特別リーチに対応した処理が実行される。
その後、ステップS1406にて角度把握処理を実行するとともに、ステップS1407にて角度変更処理を実行した後に本マルチビュー表示用処理を終了する。これら角度把握処理及び角度変更処理は、上記第1の実施形態におけるマルチビュー表示処理のステップS705及びステップS706と同様である。
次に、第2特別リーチ開始用処理を説明する。
第2特別リーチ開始用処理では、先ずステップS1408にて、表示制御装置82にて計測されている変動表示時間の情報が第2特別リーチの開始タイミングか否かを判定する。第2特別リーチの開始タイミングでない場合には、そのまま本マルチビュー表示用処理を終了する。
第2特別リーチの開始タイミングである場合には、ステップS1409にて、第2マルチビュー表示状態の設定を行う。具体的には、第2マルチビュー表示用フラグといったように、第2マルチビュー表示状態であることを特定するための情報をワークRAM164に一時記憶させる。当該情報がワークRAM164に記憶されることにより、CPU162からVDP165に出力される内部コマンドには、第2特別リーチ用の描画を行わせるための情報が含まれる。これにより、VDP165における描画処理では、マルチビュー表示用の描画に対応した処理であって第2特別リーチに対応した処理が実行される。なお、ステップS1409においてワークRAM164から第1マルチビュー表示状態であることを特定するための情報を消去する。
その後、ステップS1410にて発光演出開始処理を実行した後に、本マルチビュー表示用処理を終了する。発光演出開始処理が実行されることにより、反射用ユニット272の演出用発光部286に対する発光用駆動信号の出力が開始される。これにより、演出用発光部286からの光の照射が開始される。
次に、第2特別リーチ終了用処理について説明する。
第2特別リーチ終了用処理では、先ずステップS1411にて、表示制御装置82にて計測されている変動表示時間の情報が第2特別リーチの終了タイミングか否かを判定する。第2特別リーチの終了タイミングでない場合には、そのまま本マルチビュー表示用処理を終了する。
第2特別リーチの終了タイミングである場合には、ステップS1412にて、第2マルチビュー表示状態の解除を行う。具体的には、ワークRAM164に記憶されている第2マルチビュー表示状態であることを特定するための情報を消去する。当該情報が消去されることにより、CPU162からVDP165に出力される内部コマンドには、マルチビュー表示用の描画を行わせるための情報が含まれなくなる。これにより、VDP165における描画処理は、通常表示用の描画に対応した処理が実行されることとなる。
続くステップS1413では、発光演出終了処理を実行する。発光演出終了処理が実行されることにより、反射用ユニット272の演出用発光部286に対する発光用駆動信号の出力が停止される。これにより、演出用発光部286からの光の照射が終了される。
その後、ステップS1414にて角度把握処理を実行するとともに、ステップS1415にて角度復帰処理を実行した後に本マルチビュー表示用処理を終了する。これら角度把握処理及び角度復帰処理は、上記第1の実施形態におけるマルチビュー表示用処理のステップS710及びステップS711と同様である。
次に、表示制御装置82のVDP165により実行される描画処理について、図47のフローチャートを用いて説明する。
本実施形態における描画処理では、先ずステップS1501にて、表示制御装置82のCPU162から入力している内部コマンドに基づいて、描画タイミングであるか否かを判定する。描画タイミングでない場合には、そのまま本描画処理を終了する。描画タイミングである場合には、ステップS1502にて、CPU162から入力している内部コマンドに基づいて、第1マルチビュー表示状態又は第2マルチビュー表示状態であるか否かを判定する。
第1マルチビュー表示状態及び第2マルチビュー表示状態のいずれでもない場合には、ステップS1503にて、通常表示用の描画処理を実行した後に、本描画処理を終了する。通常表示用の描画処理は上記第1の実施形態における描画処理のステップS803と同様である。
第1マルチビュー表示状態又は第2マルチビュー表示状態である場合には、ステップS1504にて、第2マルチビュー表示状態であるか否かを判定する。第2マルチビュー表示状態でない場合には、ステップS1505にて、第1マルチビュー表示用の描画処理を実行した後に、本描画処理を終了する。第1マルチビュー表示用の描画処理は上記第1の実施形態における描画処理のステップS804と同様である。
第2マルチビュー表示状態である場合には、ステップS1506にて、第2マルチビュー表示用の描画処理を実行した後に、本描画処理を終了する。第2マルチビュー表示用の描画処理では、基本的に第1マルチビュー表示用の描画処理と同様の処理が実行される。但し、第2マルチビュー表示用の描画処理では、反射用ユニット272の外側反射面287に映し出される画像が演出用発光部286から光が照射されることに対応したものとなるように、ビデオRAM167の上側表示領域102に対応した描画エリアへの表示データの描画が行われる。つまり、既に説明したように、反射用ユニット272の外側反射面287はハーフミラー278により構成されているとともに、ユニットベース276の内部空間には内側反射面284が形成されているため、演出用発光部286から照射された光が照射されている状況では、上側表示領域102に表示された画像がユニットベース276の内側反射面284にて反射されたものも含めて外側反射面287にて映し出される可能性がある。これに対して、第2マルチビュー表示用の描画処理では、内側反射面284にて反射されたものも含めて外側反射面287にて映し出されたとしても影響が少ないように、ビデオRAM167の上側表示領域102に対応した描画エリアへの表示データの描画が行われる。
次に、表示面94及び外側反射面287を含めた図柄表示ユニット271の表示領域における表示内容について、図柄の変動表示が行われる場合を例に挙げて説明する。図48(a)は第1特別リーチ及び第2特別リーチの両方が行われていない状況における表示内容を説明するための説明図、図48(b)は第1特別リーチが行われている状況における表示内容を説明するための説明図、図48(c)は第2特別リーチが行われている状況における表示内容を説明するための説明図である。
第1特別リーチ及び第2特別リーチのいずれもが行われていない状況では、図48(a)に示すように図柄表示ユニット271は初期状態であり、表示面94が遊技盤33に対して平行又は略平行となっている。この場合、マルチビュー表示は行われておらず、ボーリング場の一のレーンにおける一部の領域を背景画像として図柄の変動表示が行われる。
第1特別リーチが行われている状況では、図48(b)に示すように、図柄表示ユニット271はリーチ用傾斜状態であり、表示面94がその下端部を軸として遊技盤33に対して45度後方に傾斜した状態となっているとともに、外側反射面287が表示面94の上端部において当該表示面94に対して直交した状態となっている。この場合、マルチビュー表示が行われており、遊技者から見た場合、外側反射面287にて反射される画像は、表示面94が同一平面上において上方に延長された位置にて表示されるように視認される。そして、当該状態においてボーリング場の一のレーンの全体を含んだ画像を背景画像として、リーチ変動表示が行われる。これにより、リーチ変動表示を行う表示領域の大型化が図られ、リーチ変動表示がダイナミックに行われることに伴って、リーチ変動表示への注目度を高めることが可能となる。
第2特別リーチが行われている状況では、図48(c)に示すように、図柄表示ユニット271は第1特別リーチと同様にリーチ用傾斜状態であり、表示面94ではマルチビュー表示が行われている。また、反射用ユニット272の演出用部材275から光が照射されており、この照射された光は直接又はユニットベース276内の内側反射面284にて複数箇所で反射された後に、ハーフミラー278の外側反射面287を透過する。また、表示面94では演出用部材275から光が照射されることに対応した画像が外側反射面287にて映し出されるようにマルチビュー表示が行われる。この場合、表示領域における表示面94側では第1特別リーチと同様の画像が表示されている。また、外側反射面287側では演出用部材275が複数存在するようにして視認されるとともにそれに対応した画像が映し出されており、この状態でリーチ変動表示が行われる。
以上のように本実施形態によれば、上記第1の実施形態における効果に加え、以下の効果を奏する。
リーチ用傾斜状態において表示面94とともに表示領域を構成する外側反射面287をハーフミラー278により構成し、さらに当該ハーフミラー278の後方に、演出用発光部286が内蔵された演出用部材275を設けた。そして、演出用発光部286から光が照射されていない場合には演出用部材275が視認不可となり、演出用発光部286から光が照射された場合にハーフミラー278を通じて演出用部材275が視認可能となる構成とした。これにより、表示領域を大型化するための構成を利用して演出用部材275を用いた演出を行うことが可能となる。
特に、本構成では、演出用発光部286からの光の照射の開始と停止とを切り替えることにより、表示領域における表示に対して物としての演出用部材275が重ね合わされた状態と、演出用部材275が視認不可となる状態との切り替えを行うことができる。したがって、演出用部材275を用いた演出の開始及び停止の切り替えに関する制御の処理負荷を低減することが可能となる。
ハーフミラー278の背面側にユニットベース276を設け、当該ユニットベース276に演出用部材275を収容するようにしたことにより、演出用発光部286から光が照射された場合、ハーフミラー278を通じてパチンコ機10前方から視認可能となる領域を、演出用部材275を含めたユニットベース276の内部空間に規定することができる。また、ユニットベース276はハーフミラー278に対して一体化されているため、ハーフミラー278の移動に合わせて演出用部材275が移動することとなり、両者の連動を良好に行うことができる。
ユニットベース276には、内周面の全体を覆うように反射ミラー283が設けられている。具体的には、ユニットベース276においてハーフミラー278と対向する奥面282に反射ミラー283が設けられている。また、天井面279、底面280及び両側面281に反射ミラー283が設けられている。そして、各反射ミラー283の内側反射面284により区画された空間は、ハーフミラー278に向けて広口となっている。したがって、演出用発光部286から光が照射された場合、演出用部材275の像はハーフミラー278と内側反射面284との間や、内側反射面284間で反射され、遊技者は複数の演出用部材275が存在しているかのように視認することができる。これにより、演出用部材275の数を抑えながら、演出用部材275を用いた演出への注目度を高めることが可能となる。
第1特別リーチが開始される場合に図柄表示ユニット271の状態を初期状態からリーチ用傾斜状態に変更するとともに、その後に第2特別リーチが開始される場合に上記リーチ用傾斜状態を維持した状態で演出用発光部286からの光の照射を開始するようにした。つまり、図柄の変動表示の状況に合わせて、表示領域のサイズの変更が行われるとともに、演出用部材275を用いた演出が行われるため、図柄の変動表示の状況に応じた表示領域の状態の切り替えを複数段階で行うことが可能となり、さらにはそれら各段階がそれぞれ異なる視的効果によって行われる。よって、図柄の変動表示への注目度を高めることが可能となる。
なお、本実施形態において、演出用部材275による演出が行われるタイミングは、上記のものに限定されることはなく、例えば、リーチ変動表示中に発生するのに加えて又は代えて、大当たり状態中に発生する構成としてもよい。また、図柄表示ユニット271が初期状態にある場合に、遊技盤33の開口部33aを通じてパチンコ機10前方から外側反射面287が視認可能な構成とし、図柄表示ユニット271の初期状態において演出用部材275による演出が行われる構成としてもよい。また、図柄表示ユニット271がリーチ用傾斜状態といった傾斜状態に固定された構成とし、図柄の変動表示がリーチ変動表示中でなくても演出用部材275による演出が行われる構成としてもよい。また、第2特別リーチではマルチビュー表示を行わないようにすることで、外側反射面287に画像が映し出されないようにしてもよい。
また、演出用部材275の形状は、球状に限定されることはなく任意である。また、ユニットベース276に反射ミラー283が設けられていなくてもよく、ユニットベース276に複数の演出用部材275が設けられていてもよい。また、反射ミラー283がユニットベース276の内周面の全体に設けられているのではなく、例えば奥面282のみに反射ミラー283が設けられていてもよい。また、各反射ミラー283の内側反射面284により区画された空間は、ハーフミラー278に向けて広口である必要はなく、内側反射面284における対向する面同士が平行又は略平行となった構成としてもよい。
また、演出用発光部286が演出用部材275に内蔵されていることは必須の構成ではなく、例えば、ユニットベース276の内部空間を照らすことが可能なように、当該ユニットベース276の壁部に演出用発光部286を設けてもよい。また、演出用部材275がハーフミラー278に対して一体化されておらず、図柄表示ユニット271がリーチ用傾斜状態に配置された場合にハーフミラー278の後方に演出用部材275が位置するように構成してもよい。また、演出用発光部286がユニットベース276の内部に設けられているのではなく、ユニットベース276よりもパチンコ機10前方に配置され、その位置からハーフミラー278に向けて光を照射する構成としてもよい。
<第9の実施形態>
本実施形態では、図柄表示装置の構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下に、この相違する構成について図49を用いて説明する。図49(a)〜(c)は本実施形態における図柄表示装置291を説明するための説明図である。
図49(a)に示すように、図柄表示装置291は、画像用液晶表示部292と、バックライト293と、を備えているとともに、視差バリアパネル93の代わりに、視差バリア用液晶表示部294を備えている。視差バリア用液晶表示部294は、画像用液晶表示部292の前方において当該画像用液晶表示部292の全体と対向するように設けられている。
図柄表示装置291は、画像用液晶表示部292を駆動させる第1画像処理デバイス(表示用画像処理手段)295と、視差バリア用液晶表示部294を駆動させる第2画像処理デバイス(遮光用画像処理手段)296と、を備えている。表示制御装置82により第1画像処理デバイス295が制御されることにより、画像用液晶表示部292において所定の画像が表示される。表示制御装置82により第2画像処理デバイス296が制御されることにより、視差バリア用液晶表示部294において遮光層297が表示された状態又は遮光層297が表示されていない状態のいずれかに設定される。
表示制御装置82は図49(b)に示すように、図柄表示ユニット38が初期状態であり、図柄表示装置291においてマルチビュー表示を行わない状況では、視差バリア用液晶表示部294において遮光層297が表示されないようにする。遮光層297が設けられた状態は遮光層297が設けられていない状態に比べ画像の解像度及び輝度が低下することとなるため、マルチビュー表示が行われない状況においては視差バリア用液晶表示部294に遮光層297を表示しないようにすることで、初期状態における画像の解像度及び輝度を低下させないようにすることができる。
一方、表示制御装置82は図49(c)に示すように、図柄表示ユニットがリーチ用傾斜状態(又は大当たり用傾斜状態)である場合には、視差バリア用液晶表示部294において遮光層297が表示されるようにする。これにより、上記第1の実施形態と同様に、リーチ用傾斜状態においてマルチビュー表示(デュアルビュー表示)を行うことができる。
以上のように本実施形態によれば、上記第1の実施形態に比べ、視差バリアに関して制御を行う必要があるものの、マルチビュー表示を可能としつつ、マルチビュー表示を行う必要がない状況における画像の解像度及び輝度を上記第1の実施形態に比べ高めることができる。
<第10の実施形態>
本実施形態では、図柄表示装置におけるマルチビュー表示に関する構成が上記各実施形態と異なっている。そこで、以下にその相違する構成について図50を用いて説明する。図50(a)〜(c)は本実施形態における図柄表示装置301の構成を説明するための説明図である。なお、図柄表示装置301は、一対の偏光フィルムも備えているが、図50(b)及び図50(c)においては、これら偏光フィルムを省略して示す。
図50(a)に示すように、図柄表示装置301の液晶表示部302に対する表示制御においてマルチビュー表示(具体的には、デュアルビュー表示)が行われる状況では、各単位画素領域303が上側表示領域304と下側表示領域305とに割り当てられる。この場合に、上記各実施形態における図柄表示装置では横方向に一列に並ぶ横ライン領域が縦方向に多数並設され、それら横ライン領域がデュアルビュー表示を行う場合に上側表示領域と下側表示領域とに割り当てられたが、本実施形態における図柄表示装置301では横ライン領域が設定されず、縦ライン及び横ラインのいずれにおいても上側表示領域304と下側表示領域305とが1画素単位で交互に並ぶように設定される。換言すれば、任意の上側表示領域304に対して上下左右の単位画素領域303は下側表示領域305に設定されているとともに、任意の下側表示領域305に対して上下左右の単位画素領域303は上側表示領域304に設定されている。
また、図柄表示装置301の視差バリアパネル306は、液晶表示部302が上記のように表示制御されることに対応させて、遮光層307及び透過層308が形成されている。つまり、図50(b)及び図50(c)に示すように、液晶表示部302の単位画素領域303のサイズに対応した遮光層307及び透過層308が、縦ライン及び横ラインのいずれにおいても交互に並ぶように形成されている。換言すれば、任意の遮光層307の上下左右の領域には透過層308が設けられているとともに、任意の透過層308の上下左右の領域には遮光層307が設けられている。
上記各実施形態のように横ライン領域毎に上側表示領域102と下側表示領域103とが交互に並ぶように設定された構成においては、例えば上側表示領域102に着目した場合、一の上側表示領域102とその隣の上側表示領域102との間には、単位画素領域101の縦寸法分の幅寸法を有するブランクが存在することとなる。そうすると、上側表示領域102による画像には、上記ブランクが横ラインとして存在することとなるため、当該ブランクが目立ってしまうことが懸念される。
これに対して、本図柄表示装置301のように、縦ライン及び横ラインのいずれにおいても上側表示領域304及び下側表示領域305が1画素単位で交互に並ぶように設定されているため、上記ブランクがラインとして存在するのではなく1画素単位の点として存在することとなる。そうすると、上記ブランクが目立たなくなり、解像度を擬似的に高めることが可能となる。
<第11の実施形態>
図柄表示装置81における表示面94と反射面131との間の角度の別パターンについて、図51(a)〜(c)を用いて説明する。図51(a)は表示面94と反射面131との間の角度が90度の場合を説明するための説明図、図51(b)は表示面94と反射面131との間の角度が鋭角の場合を説明するための説明図、図51(c)は表示面94と反射面131との間の角度が鈍角の場合を説明するための説明図である。
図51(a)に示すように、上記各実施形態では表示面94と反射面131との間の角度は90度に設定されている。この場合、遊技者が実質的に視認する表示領域は、表示面94が同一平面上において上方に延長されたものとなる。
図51(b)では、表示面94と反射面131との間の角度が鋭角に設定されている。この場合、遊技者が実質的に視認する表示領域は、表示面94側の表示領域に対して反射面131側の表示領域が、両者の境界を折れ曲がり線としてパチンコ機10前方側に折り曲げられた状態となる。
図51(c)では、表示面94と反射面131との間の角度が鈍角に設定されている。この場合、遊技者が実施的に視認する表示領域は、表示面94側の表示領域に対して反射面131側の表示領域が、両者の境界を折れ曲がり線としてパチンコ機10後方側に折り曲げられた状態となる。
以上のように、表示面94と反射面131との間の角度を図51(b)及び図51(c)に示すものとすることで、表示領域の大型化を図ることができるとともに、単一の図柄表示装置81を用いながら途中位置で折れ曲がった表示領域の形成を実現することが可能となる。
<第12の実施形態>
図柄表示装置311のマルチビュー表示に関する構成の変形例を、図52を用いて説明する。
図柄表示装置311は、上記第1の実施形態における図柄表示装置と同様に、液晶表示部312と、バックライト313と、視差バリアパネル314と、を備えている。そして、上側表示領域315と下側表示領域316とが設定されるように液晶表示部312が表示制御されるとともに、これら上側表示領域315及び下側表示領域316に対応させて視差バリアパネル314が設けられていることにより、上下方向にマルチビュー表示、具体的にはデュアルビュー表示を行うことが可能となっている。なお、図柄表示装置311は、一対の偏光フィルムも備えているが、図52においては、これら偏光フィルムを省略して示す。
この場合に、図柄表示装置311は、液晶表示部312とバックライト313との間(具体的には、液晶表示部312と後側の偏光フィルムとの間)に、輝度調整用手段として輝度調整用パネル317を備えている。輝度調整用パネル317は、無色透明の合成樹脂シートを基材として、液晶表示部312における下側表示領域316と対向する部位に、下側表示領域316に向けられる光の一部を当該下側表示領域316に隣接する上側表示領域315に拡散させる拡散層318が形成されたものである。これにより、下側表示領域316に比べ上側表示領域315に照射される光の量を多くすることが可能となり、上側表示領域315に表示される画像の輝度を下側表示領域316よりも高めることが可能となる。
上記第1の実施形態等においては、下側表示領域316に表示される画像は図柄表示装置311の表示面において直接視認されるのに対して、上側表示領域315に表示される画像は反射用ユニット84の反射面131に映し出され、この反射に際して当該画像の輝度は低下する。この場合に、上記のように上側表示領域315に表示される画像の輝度を下側表示領域316に表示される画像の輝度よりも高くすることにより、視差バリアパネル314において輝度の調整を行わなくても、反射面131にて映し出される上側表示領域315の画像の輝度と、表示面にて表示される下側表示領域316の画像の輝度とを同等のものとすることが可能となる。
なお、輝度調整用パネル317により照射される光の量を多くする対象は、上側表示領域315に限定されることはなく、上側表示領域315に代えて下側表示領域316に表示される画像が反射面にて反射される構成においては、下側表示領域316に照射される光の量を上側表示領域315に照射される光の量よりも多くするように輝度調整用パネル317を設けてもよい。
つまり、予め定められた視点から図柄表示ユニットの表示領域を視認した場合に、反射面に反射されることで視認可能となる画像の輝度と表示面において視認可能となる画像の輝度とが同一又は略同一となるように、表示面において、反射面にて反射された後に遊技者に視認されることとなる反射用表示領域と、反射面にて反射されずに遊技者に直接視認されることとなる非反射用表示領域とのうち、光源から非反射用表示領域に向けて照射された光の一部を反射用表示領域に分散させることで、反射用表示領域に与えられる光の量を当該非反射用表示領域に与えられる光の量よりも大きくする輝度調整用手段が設けられていればよい。
<第13の実施形態>
図柄表示ユニットの変形例を、図53を用いて説明する。図53(a)は本実施形態における図柄表示ユニット321を側方から見た場合の構成を説明するための説明図、図53(b)は図柄表示ユニット321を正面から見た場合の構成を説明するための説明図である。
図53(a)に示すように、図柄表示ユニット321は、図柄表示装置322と、反射用ユニット323と、を備えている。図柄表示装置322は、表示面324がパチンコ機10後方側に向けて上り傾斜となるように設けられている。図柄表示装置322は、表示面324の上側がデュアルビュー表示を可能とする視野角調整領域325に設定されているとともに、それよりも下側がデュアルビュー表示を行わない非調整領域326に設定されている。視野角調整領域325は、表示面324の上下方向にデュアルビュー表示を行うように設けられている。
反射用ユニット323は、図柄表示装置322から所定の距離だけ上方に離間された位置において、反射面327がパチンコ機10後方側に向けて下り傾斜となるように設けられている。また、反射用ユニット323は、表示面324に対する反射面327の角度が直角又は略直角となるように設けられているとともに、図柄表示ユニット321を正面から見た場合に反射面327の全体で視野角調整領域325の全体を映し出すように設けられている。
この場合に、図53(b)に示すように、正面から見て反射面327と表示面324との間に位置するように、可動役物328が設けられている。可動役物328は、横長の板状に設けられており、正面から見た場合に反射面327と表示面324との間の隙間を閉塞している。また、左右方向を回動軸として回動可能に設けられており、各板面に所定の文字や模様などが付されている。また、可動役物328は図53(a)に示すように、反射面327と視野角調整領域325との間の光の経路を遮らない位置に設けられている。
本構成によれば、図柄表示ユニット321において表示領域が可動役物328を挟んで上下にそれぞれ存在することとなる。この場合、表示領域の大型化を図りつつ、単一の図柄表示装置322を用いるだけで可動役物328を挟んだ上下の位置にて画像の表示を行うことが可能となる。
<第14の実施形態>
上記第7の実施形態における図柄表示装置252の構成の変形例を図54に示す。
図54に示すように、図柄表示装置252には、視野角調整領域258と非調整領域259とのそれぞれに対応させて第1バックライト331と第2バックライト332とが設けられている。また、図柄表示装置252には、表示制御装置82から出力される駆動信号に基づいて第1バックライト331を駆動させる第1光源駆動部333と、表示制御装置82から出力される駆動信号に基づいて第2バックライト332を駆動させる第2光源駆動部334と、が設けられている。
本構成によれば、液晶表示部254における視野角調整領域258に対応した領域に照射される光量と、液晶表示部254における非調整領域259に対応した領域に照射される光量と、を異ならせることが可能となる。そして、第1バックライト331から照射される光量を第2バックライト332から照射される光量よりも多く設定することにより、視野角調整領域258に表示される画像の輝度と、非調整領域259に表示される画像の輝度とを同程度のものとすることが可能となる。
なお、本構成において、図柄表示ユニット251の初期状態と、傾斜状態とで、第1バックライト331から照射される光量及び第2バックライト332から照射される光量のうち、少なくとも一方を変更させる構成としてもよい。
<第15の実施形態>
マルチビュー表示に係る構成の変形例を以下に説明する。
図55に示すように、遊技盤423の背面には図柄表示ユニット461が搭載されており、さらに当該図柄表示ユニット461の下方の位置となるように主制御装置ユニット462が搭載されているとともに、図柄表示ユニット461の一部として音声発光制御装置ユニット463が搭載されている。
主制御装置ユニット462は、取付台464と主制御装置465とを備えており、取付台464の設置面上に主制御装置465が設置された状態で取付台464が遊技盤423の背面に設置されている。主制御装置465は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、停電の発生を監視する停電監視基板とが、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス466に収容されて構成されている。
ちなみに、基板ボックス466に対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス466を構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス466を構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
音声発光制御装置ユニット463は、取付台467と音声発光制御装置468とを備えており、取付台467の設置面上に音声発光制御装置468が設置された状態で取付台467が図柄表示ユニット461のベースに対して設置されている。音声発光制御装置468は、主制御装置465からの指示に従い音声や発光表示、及び後述する表示制御装置の制御を司る音声発光制御基板を具備しており、音声発光制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス469に収容されて構成されている。
次に、図柄表示ユニット461について説明する。以下の説明では、図55とともに図56を適宜参照する。図56は背面側から見た図柄表示ユニット461の分解斜視図である。
図柄表示ユニット461は、前後一対の前側ベース481及び後側ベース482と、表示面429aにて図柄(絵柄)を表示するための図柄表示装置429と、図柄表示装置429を表示制御する表示制御装置483と、図柄表示装置429を移動させるための駆動機構484と、図柄表示装置429の移動に合わせて動作する可動物ユニット485と、表示制御装置483を冷却するための放熱ファン486,487と、既に説明した音声発光制御装置ユニット463と、を備えている。図柄表示装置429、表示制御装置483、駆動機構484、可動物ユニット485、放熱ファン486,487及び音声発光制御装置ユニット463は、後側ベース482に装着されており、当該後側ベース482は、遊技盤423の背面に固定されている前側ベース481にパチンコ機10後方から装着されて固定されている。
<図柄表示装置429>
図柄表示装置429は、10.6型の液晶表示装置である。ここで、図57及び図58を用いて図柄表示装置429の構成について詳細に説明する。図57及び図58は図柄表示装置429を説明するための説明図である。
図柄表示装置429は、図57に示すように、一対の透明基板間に液晶が封入されたTN型の液晶表示部491と、当該液晶表示部491の前方及び後方のそれぞれに設けられた偏光フィルム492と、後側の偏光フィルム492を通じて液晶表示部491の背面全体を照らすように後側の偏光フィルム492の後方に設けられたバックライト493と、前側の偏光フィルム492と液晶表示部491との間において当該液晶表示部491の前面の全体と対向するように設けられた視差バリアパネル494と、を備えている。この場合、前側の偏光フィルム492の前面により図柄表示装置429の表示面429aが構成されているが、当該偏光フィルム492の前方に無色透明の保護フィルム又は無色透明の保護パネルといった保護部を設け、当該保護部の前面により図柄表示装置429の表示面429aを構成してもよい。表示面429aは全体又は略全体に亘って面一となる平面状に形成されている。
なお、液晶表示部491は、横方向に1280画素及び縦方向に768画素が設定され、合計1280×768の画素数(ピクセル数又はドット数)を有しているが、画素数はこれに限定されることはなく任意であり、縦方向の画素数が他の偶数であってもよく、横方向の画素数が他の偶数であってもよく、縦方向又は横方向の画素数の少なくとも一方が奇数であってもよい。また、液晶表示部491はTN型に限定されることはなく、例えばASV型のものを用いてもよい。また、視差バリアパネル494の位置は、その視差バリアとしての機能を発揮するのであれば、前側の偏光フィルム492の前方に配置してもよく、この場合、視差バリアパネル494の前面により図柄表示装置429の表示面429aが構成される。また、視差バリアパネル494を、液晶表示部491と後側の偏光フィルム492との間に配置してもよく、後側の偏光フィルム492とバックライト493との間に配置してもよい。また、図柄表示装置429においてバックライト493の後方には、画像処理デバイスなどが設けられた制御基板が搭載されている。
図柄表示装置429は、表示制御装置483による液晶表示部491の表示制御態様と、視差バリアパネル494とによって視野角が調整されることで、マルチビュー表示、具体的にはデュアルビュー表示を可能とするように構成されている。
ここで、図柄表示装置429において視野角が調整される具体的な構成について、図58(a)及び図58(b)を用いて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図58(b)において、液晶表示部491の液晶封入部分の厚みなどを実際のものよりも大きく示す。これは、液晶表示部を示す図58(b)以外の図においても同様である。
液晶表示部491では、図58(a)に示すように、横方向に一列に並んだ単位画素領域(1画素分の領域)495により横ライン領域が構成される。この場合、単位画素領域495の縦寸法分の幅寸法を有する横ライン領域が縦方向に多数並設されているとみなすことができる。これら縦方向に多数並設された各横ライン領域は、デュアルビュー表示を行う場合に上側表示領域496と下側表示領域497とに割り当てられる。これら上側表示領域496と下側表示領域497とは、縦方向に1画素単位で交互に並ぶように設定される。
上側表示領域496及び下側表示領域497の視野角を調整するようにして、視差バリアパネル494が設けられている。視差バリアパネル494は、図58(b)に示すように、無色透明なガラス板により形成されており、液晶表示部491に対して平行となるように配置されている。また、視差バリアパネル494には遮光材料が蒸着されており、光の遮断を行う遮光層498が形成されている。なお、遮光層498を形成する材料としてカーボン含有材料が用いられているが、遮光層498を形成することができるのであれば任意である。遮光層498は縦方向に等間隔で形成されており、これら遮光層498の間は光を透過させる透過層499となっている。
各遮光層498及び各透過層499は共に、液晶表示部491の上側表示領域496及び下側表示領域497に対応させて横方向に直線的に形成されているとともに、縦方向に交互に並ぶように形成されている。また、各遮光層498及び各透過層499は共に、縦方向の幅寸法が、液晶表示部491の上側表示領域496及び下側表示領域497の縦方向の幅寸法と略同一となっている。そして、図柄表示装置429を鉛直方向に起立させた状態において表示面429aを上側から見下ろすように視認した場合には上側表示領域496及び下側表示領域497のうち上側表示領域496が視認可能となり、下側から見上げるように視認した場合に上側表示領域496及び下側表示領域497のうち下側表示領域497が視認可能となるように、上側表示領域496及び下側表示領域497の配置位置に対する遮光層498及び透過層499の配置位置が設定されている。
この場合、表示面429aを上側から見下ろすように視認した場合における上側表示領域496を視認可能とする入射角の範囲、及び表示面429aを下側から見上げるように視認した場合における下側表示領域497を視認可能とする入射角の範囲は、本図柄表示装置429では前者が「25°〜55°」となっているとともに後者が「−55°〜−15°」となっているが、図柄表示装置429における後述するマルチビュー表示の各表示が、パチンコ機10前方の所定の位置から良好に視認できるのであれば、具体的な範囲は任意である。
上記のように上側表示領域496と下側表示領域497とが縦方向に1画素単位で交互に配置されるように液晶表示部491が表示制御されることで、下側表示領域497を挟んで隣り合う上側表示領域496間の距離、及び上側表示領域496を挟んで隣り合う下側表示領域497間の距離を1画素分に抑えることが可能となる。これにより、図柄表示装置429においてマルチビュー表示を行うことを可能とした構成において、それぞれ異なる方向から視認可能となる各画像を表示面429aの全体に亘ってそれぞれ表示させつつ、各画像において縦方向の画素間に生じるブランクを極力目立たなくすることが可能となる。
ここで、画像とは、背景上において所定のキャラクタが表示されたもののことをいう。この場合、背景にキャラクタが含まれていてもよい。上記所定のキャラクタには、予告表示に際して表示される演出用キャラクタが含まれるとともに、遊技回の実行中であること及び大当たり当選の有無や大当たり種別といった遊技結果を報知するために用いられる図柄が含まれる。
図柄表示装置429の後方には、図56に示すように、表示制御装置483が設けられている。表示制御装置483は、音声発光制御装置468から入力する情報(コマンド)に基づいて図柄表示装置429を表示制御する表示制御基板と、当該表示制御基板を収容する基板ボックス501と、を備えている。基板ボックス501は、収容している表示制御基板を外部から視認可能なように透明性を有する合成樹脂材料により形成されている。表示制御装置483は、図柄表示装置429の背面に着脱自在な状態で固定されており、これにより図柄表示装置429と表示制御装置483とが一体化されている。
<図柄表示装置429の回動に係る構成>
表示制御装置483が一体化された図柄表示装置429は、後側ベース482に回動可能に支持されている。ここで、図柄表示装置429が後側ベース482に回動可能に支持されている構成について、図56に加え図59を適宜参照しながら説明する。図59は、後側ベース482内の様子を説明するための右側から見た遊技盤423の側面図であり、説明の便宜上、前側ベース481及び後側ベース482の右側部を省略している。
後側ベース482は、アクリル樹脂といった無色透明の合成樹脂により形成されている。但し、後側ベース482は無色透明に形成されていることは必須ではなく、有色透明に形成して後側ベース482よりも前側に搭載された部品を、後側ベース482を通じて視認可能とする構成としてもよく、不透明に形成して視認不可とする構成としてもよい。後側ベース482は、図56及び図59に示すように、前面側から背面側へ凹み且つ少なくとも前方に向けて開放された収容空間502を形成する膨出部503を備えている。
膨出部503は、図59に示すように、膨出部503の周囲に一体形成された周縁部504の上側領域からパチンコ機10後側に向けて下り傾斜させて形成された板状の天井傾斜部505と、当該天井傾斜部505の後縁に連続するようにして縦方向、具体的には鉛直方向に起立させて形成された板状の背面部506と、背面部506の下端及び周縁部504の下側領域の両方に連続するようにしてパチンコ機10前側に向けて下り傾斜させて形成された板状の底傾斜部507と、膨出部503の左右の側面を構成する各側壁部508と、を備えている(側壁部508については図56を参照)。
ちなみに、図56に示すように、膨出部503には、不透明に形成された被覆部材509がその前側から装着されている。当該被覆部材509は、天井傾斜部505の一部に対して収容空間502側にて対向する部位と、背面部506の一部に対して収容空間502側にて対向する部位と、両側壁部508に対して収容空間502側にて対向する部位と、を備えている。
左右一対の各側壁部508には、図56に示すように、その周囲の側面よりも側方に張り出した駆動受け部511が形成されており、当該駆動受け部511には収容空間502の内外に貫通するようにしてパチンコ機10横方向に延びる軸孔512が形成されている。軸孔512は左右の駆動受け部511にそれぞれ形成されており、各軸孔512は同一軸線上に配置されている。
軸孔512に対応させて図柄表示装置429の左右の側面にはそれぞれ、側方へと突出した軸部513が設けられている。この場合に、両軸部513のうち一方、具体的には右側面に設けられた軸部513は図柄表示装置429の右側面に固定された装置側ギア514に対して一体形成されている。これら左右一対の各軸部513は、左右方向に同一軸線上となるように配置されている。各軸部513が設けられた位置は、図59に示すように、図柄表示装置429の下縁寄りの位置となっており、より詳細には図柄表示装置429の縦方向の中央と下縁との中間位置となっている。また、各軸部513が設けられた位置は図柄表示装置429の表示面429a寄りの位置となっており、より詳細にはパチンコ機10前後方向で表示面429aと同じ位置又はそれよりも若干パチンコ機10前方の位置となっている。
図柄表示装置429は、左右の軸部513をそれぞれ対応する軸孔512に挿通させるようにして収容空間502内に配置されている。そして、収容空間502から駆動受け部511の外方に突出した各軸部513が当該外方から軸止め部材515に固定されていることにより、各軸部513の軸孔512からの抜けが防止され、図柄表示装置429が後側ベース482に対して回動可能に支持されている。この場合に、図56に示すように、左右の駆動受け部511内のそれぞれには対応する軸部513を挿通させた状態で、倒れ防止用の付勢手段としてねじりコイルバネ516が設けられている。
ねじりコイルバネ516は、図柄表示装置429の各回動位置において後述する表示用駆動モータ521の駆動力が付与されていない状態であっても、図柄表示装置429及び表示制御装置483の自重によってこれら一体物が回動位置から移動してしまわないように付勢力を付与している。但し、当該付勢力は、所定の回動位置に上記一体物を保持させるものの、当該一体物を初期位置へ復帰させない程度となっている。
なお、図柄表示装置429の倒れ防止用の構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、直立状態の図柄表示装置429がパチンコ機10前方へ向けて倒れてしまうのを防止するためのストッパ部材が設けられていてもよく、パチンコ機10後方へ傾斜した図柄表示装置429が予め定められた傾斜限界位置を超えて倒れてしまわないようにストッパ部材が設けられていてもよく、後述する表示用駆動モータ521の出力軸が非通電時において回転位置に所定の力で保持されるようにするとともにその所定の力によって図柄表示装置429が回動位置に保持される構成としてもよい。
回動可能に支持された図柄表示装置429は、駆動機構484により駆動されて回動する。駆動機構484は、図56に示すように、表示用の電動アクチュエータとして設けられた表示用駆動モータ521と、複数の駆動側ギア522〜524と、を備えており、これら表示用駆動モータ521及び駆動側ギア522〜524が支持板525に支持されていることによりユニット化されている。駆動機構484は、後側ベース482において左右の駆動受け部511のうち一方、具体的には右側の駆動受け部511の後方位置に搭載されている。つまり、駆動機構484は、図柄表示装置429の一方の軸部513、具体的には装置側ギア514に一体形成された軸部513に駆動力を付与するように設けられている。
表示用駆動モータ521は、出力軸521aを有するステッピングモータであり、出力軸521aが側方に突出するようにして後側ベース482の背面に搭載されている。表示用駆動モータ521は、表示制御装置483と電気的に接続されており、当該表示制御装置483から駆動信号を受けることにより、出力軸521aを所定方向及びそれとは反対方向に回転させるものである。ちなみに、表示用駆動モータ521が後側ベース482の背面に搭載されていることにより、駆動時の発熱の影響が前側ベース481と後側ベース482との間の空間に極力及ばないようになっている。
出力軸521aには第1駆動側ギア522が固定されている。また、駆動機構484は、第1駆動側ギア522の他に第2駆動側ギア523及び第3駆動側ギア524を備えており、これら第1〜第3駆動側ギア522〜524は、図59に示すように、後側ベース482の右側面においてパチンコ機10後側から前側に向けて第1駆動側ギア522→第2駆動側ギア523→第3駆動側ギア524の順に並設されて、歯車列を形成している。この場合、第1〜第3駆動側ギア524の中心軸は一直線上に配置されているとともに、当該直線がパチンコ機10後側から前側に向けて上り傾斜となるように配置されている。また、第2駆動側ギア523は、歯のピッチは同一であるが歯数が異なる2つのギア523a,523bが同一軸線上に並べて固定されており、これら2つのギア523a,523bは一体となって回転する。また、第3駆動側ギア524も、歯のピッチは同一であるが歯数が異なる2つのギア524a,524bが同一軸線上に並べて固定されており、これら2つのギア524a,524bは一体となって回転する。そして、第1駆動側ギア522は第2駆動側ギア523のうち歯数の多い側のギア523aと噛み合わされており、第2駆動側ギア523のうち歯数の少ない側のギア523bは第3駆動側ギア524のうち歯数の多い側のギア524aと噛み合わされている。
出力軸521aの回転に伴って第1駆動側ギア522が回転し、第1駆動側ギア522の回転力は、第2駆動側ギア523を介して第3駆動側ギア524に伝達される。第3駆動側ギア524は右側の駆動受け部511の真後ろの位置に配置されている。駆動受け部511には、図56に示すように、装置側ギア514を後側に向けて露出させるための開口部526が形成されており、この装置側ギア514に対して、図59に示すように、第3駆動側ギア524のうち歯数の少ない側のギア524bが噛み合わされている。これにより、第1駆動側ギア522及び第2駆動側ギア523を介して第3駆動側ギア524に伝達された出力軸521aの回転力は、第3駆動側ギア524を介して装置側ギア514に伝達され、装置側ギア514がその回転力によって回動するのに合わせて図柄表示装置429が回動し、図柄表示装置429の表示面429aの向きが変更される。
ちなみに、第1駆動側ギア522〜第3駆動側ギア524が円形であるのに対して、装置側ギア514は扇形に形成されており、円弧の中心部分に上記軸部513が一体形成されている。また、出力軸521aのトルクが装置側ギア514に対して増大化された状態で伝達されるように、装置側ギア514及び各駆動側ギア522〜524の歯数が設定されている。なお、ギアの数は上記のものに限定されることはなく任意であり、さらにはギアを不具備とし、表示用駆動モータ521の出力軸521aが軸部513に直接連結されていてもよい。
表示面429aの向きの詳細については後に説明するが、表示用駆動モータ521の駆動に伴って図柄表示装置429は、表示面429aが遊技盤423と平行又は略平行であり正面を向いた初期位置と、下側寄りの軸部513を中心にパチンコ機10後側に向けて予め定められた角度、具体的には表示面429aが遊技盤423に対してパチンコ機10後側に向けて35度傾斜した状態となるように傾き、表示面429aが斜め上方を向いた傾斜位置とに切り換えられる。この場合、後側ベース482の収容空間502は、図59に示すように所定の奥行きを有しており、図柄表示装置429が傾斜位置に配置された場合に図柄表示装置429や表示制御装置483が膨出部503の背面部506に接触しないようになっている(図64(b)参照)。
ちなみに、図柄表示ユニット461には、図柄表示装置429の回動位置、具体的には初期位置を検知するための検知センサが設けられており(図示略)、表示制御装置483では当該検知センサの検知結果に基づいて図柄表示装置429が初期位置に配置されているか否かを把握し、当該把握結果に基づいて図柄表示装置429の回動制御を実行する。
<可動物ユニット485>
次に、可動物ユニット485について説明する。図60(a)は前面側から見た可動物ユニット485の斜視図、図60(b)は背面側から見た可動物ユニット485の斜視図、図61は前面側から見た可動物ユニット485の分解斜視図、図62は可動物ユニット485の正面図である。
図60(a),(b)及び図61に示すように、可動物ユニット485は、支持ベース531と、支持ベース531に対してスライド移動可能に支持された反射ユニット532と、支持ベース531に対してスライド移動可能に支持されたシャッタユニット533と、これら反射ユニット532及びシャッタユニット533を動作させるための共通駆動機構534と、を備えている。
反射ユニット532は、ミラーユニット541を備えている。ミラーユニット541は、図61に示すように、第1反射面542aが表面に形成された第1反射ミラー542と、第1反射面542aよりも面積が狭い第2反射面543aが表面に形成された第2反射ミラー543と、が固定されたミラー支持部材544を備えているとともに、第1反射ミラー542に対応した第1枠部545a及び第2反射ミラー543に対応した第2枠部545bが一体形成された枠形成部材545を備えている。枠形成部材545がミラー支持部材544に対して前側から装着されていることで、両部材144,545が一体化されている。
第1枠部545a及び第2枠部545bは共に、正面の向きが遊技盤423と平行又は略平行となるように形成されている。第1枠部545aの後方に第1反射ミラー542が配置されており、当該第1反射ミラー542は上縁が第1枠部545aの上枠の背面側に当接又は近接しているとともにパチンコ機10後方に向けて下り傾斜している。したがって、第1反射面542aは斜め下方を向いた状態となっている。また、第2枠部545bの後方に第2反射ミラー543が配置されており、当該第2反射ミラー543は上縁が第2枠部545bの上枠の背面側に当接又は近接しているとともにパチンコ機10後方に向けて下り傾斜している。したがって、第2反射面543aは斜め下方を向いた状態となっている。
ミラー支持部材544及び枠形成部材545の両方は、第1反射ミラー542及び第2反射ミラー543の下方を塞がないように形成されている。つまり、反射ユニット532単体で見た場合、第1反射面542aは第1枠部545aの開口部を通じてパチンコ機10前方に向けて露出されているとともに、パチンコ機10下方に向けても露出されており、さらに第2反射面543aは第2枠部545bの開口部を通じてパチンコ機10前方に向けて露出されているとともに、パチンコ機10下方に向けても露出されている。
ミラーユニット541は、ミラー支持部材544において第1反射ミラー542及び第2反射ミラー543の支持部から上方に突出させて一体形成された取付部544aを介してミラー用可動板546に固定されている。ミラー用可動板546は支持ベース531とミラーユニット541との間に配置されているとともに、ミラー用可動板546の背面に一体形成されたボス546aが支持ベース531の左右方向の中間部分において縦方向に延びるように形成されたミラー用スライド溝547に前側から遊挿されるようにして配置されている。支持ベース531を挟んでミラー用可動板546の反対側には、ミラー用スライド溝547から抜け出ないようにボス546aを固定するミラー用抜け止め部材548が設けられている。但し、ミラー用抜け止め部材548による固定は、ミラー用可動板546のミラー用スライド溝547に沿った縦方向の移動を阻止しないように行われている。
ちなみに、支持ベース531は左右両側が左右方向の中央側に比べてパチンコ機10前方に向けて張り出すように、板状基部531aと、当該板状基部531aの左右両縁から前方に起立した左右一対の側壁部531bと、各側壁部531bの前縁部から外側であって側方に突出した左右一対のフランジ部531cと、を備えている。これら各部位のうち、板状基部531aの左右方向の中間部分に、ミラー用スライド溝547が形成されている。
ミラー用可動板546がミラー用スライド溝547に沿って縦方向に往復動するのに伴って、ミラーユニット541が縦方向に往復動する。つまり、ミラーユニット541は、縦方向に往復動可能なように支持ベース531に装着されている。この往復動の範囲には、遊技盤423において図柄表示装置429の表示面429aを露出させるための開口部435内に第1反射面542a及び第2反射面543aの全体が配置されたマルチ表示用位置と、それよりも上方へ移動した退避位置とが含まれている。
ミラーユニット541は、図柄表示装置429が傾斜位置に配置されている状態においてマルチ表示用位置に配置される。既に説明したように、図柄表示装置429の表示面429aはマルチビュー表示、より具体的にはデュアルビュー表示が可能となっており、さらに表示用駆動モータ521の駆動に伴って表示面429aが斜め上方を向いた状態となる。この場合に、液晶表示部491の下側表示領域497に表示された画像(図58(b)参照)は表示面429aから直接視認可能であるが、上側表示領域496に表示された画像は表示面429aを直接確認したとしても視認することができない。これに対して、上側表示領域496に表示された画像は、第1反射面542a及び第2反射面543aにより反射されることで、パチンコ機10前方から視認可能となる。この視認可能となる様子については後に詳細に説明する。
シャッタユニット533は、図61に示すように、シャッタ551を備えている。シャッタ551は、横長の矩形状に形成されているとともに前面に所定の文字による装飾が付与されたシャッタ部552と、当該シャッタ部552の上縁から上方に突出させて一体形成された左右一対の取付アーム部553と、を備えている。シャッタ551は、支持ベース531の板状基部531aとの間にミラーユニット541を挟むようにして配置されているとともに、各取付アーム部553がミラーユニット541を間に挟むようにして配置されている。
各取付アーム部553のそれぞれは対応するシャッタ用可動板554に固定されている。各シャッタ用可動板554は対応する取付アーム部553と支持ベース531との間に配置されているとともに、シャッタ用可動板554の背面に形成されたボス554aが支持ベース531の左右両側において縦方向に延びるように形成された左右一対のシャッタ用スライド溝555のそれぞれに前側から遊挿されるようにして配置されている。支持ベース531を挟んで各シャッタ用可動板554の反対側にはボス554aがシャッタ用スライド溝555から抜け出ないように固定するシャッタ用抜け止め部材556が設けられている。但し、シャッタ用抜け止め部材556による固定は、各シャッタ用可動板554のシャッタ用スライド溝555に沿った縦方向の移動を阻止しないように行われている。
各シャッタ用スライド溝555は支持ベース531の左右のフランジ部531cに形成されており、図60(a)に示すように、当該シャッタ用スライド溝555に遊挿された各シャッタ用可動板554に固定されるシャッタ551の取付アーム部553は、シャッタ部552がミラーユニット541の前方において当該ミラーユニット541との干渉が発生しない位置に配置されるように、後方への突出量が設定されている。
シャッタ用可動板554がシャッタ用スライド溝555に沿って縦方向に往復動するのに伴って、シャッタ551が縦方向に往復動する。つまり、シャッタ551は、縦方向に往復動可能なように支持ベース531に装着されている。この往復動の範囲には、遊技盤423において図柄表示装置429の表示面429aを露出させるための開口部435内にシャッタ部552が配置された閉塞位置と、開口部435から上方へ没した退避位置とが含まれている。
シャッタ551は、図柄表示装置429が初期位置に配置されている状態において閉塞位置に配置される。既に説明したとおり、図柄表示装置429はマルチビュー表示を行うために傾斜位置に配置されるとともに、この状況ではミラーユニット541がマルチ表示用位置に配置される。この場合、マルチビュー表示に際して開口部435を通じて表示面429a及び各反射面542a,543aの全体又は略全体を視認可能としながら、非マルチビュー表示に際して初期位置に配置されている図柄表示装置429の表示面429aを開口部435の全体と対峙させようとすると、表示面429aを大型化する必要が生じる。そうすると、図柄表示装置429のイニシャルコストが増加するとともに、傾斜位置において遊技盤423の後方への図柄表示装置429の突出量が増加してしまう。したがって、本パチンコ機10では、開口部435の縦寸法が表示面429aの縦寸法よりも大きく設定されている。但し、本構成においては、上記問題は解消されるものの、図柄表示装置429が初期位置に配置されている状態では開口部435の上縁と図柄表示装置429の上縁とが縦方向に離間される。
これに対して、図柄表示装置429が初期位置に配置されている状態ではシャッタ551が閉塞位置に配置される。また、シャッタ部552は、横方向の寸法が開口部435の横方向の寸法よりも大きく設定されているとともに、縦方向の寸法が初期位置に配置されている図柄表示装置429の上縁と開口部435の上縁との間の距離寸法よりも大きく設定されている。そして、シャッタ551が閉塞位置に配置されている状態において、開口部435の上縁と図柄表示装置429の上縁との間の隙間の全体を閉塞する。これにより、図柄表示装置429が初期位置に配置されている状態において、開口部435の上縁と図柄表示装置429の上縁との間の隙間から後側ベース482の収容空間502内等がパチンコ機10前方から視認可能となることが防止される。
上記のようにミラーユニット541及びシャッタ551は共に支持ベース531に対してスライド移動可能に設けられている。この場合に、これらミラーユニット541及びシャッタ551は共に、共通駆動機構534により駆動されてスライド移動する。以下、当該共通駆動機構534について説明する。
共通駆動機構534は、図61に示すように、可動手段用の電動アクチュエータとして設けられた共通用駆動モータ561と、複数の共通用ギア562〜564と、を備えており、これら共通用駆動モータ561及び共通用ギア562〜564が支持ベース531に支持されていることによりユニット化されている。共通用駆動モータ561は、出力軸561aを有するステッピングモータであり、支持ベース531に形成された開口部を通じて出力軸561aが前面側に突出するようにして支持ベース531の背面に固定されている。なお、共通用駆動モータ561の本体部161bは、図59に示すように、後側ベース482よりもパチンコ機10後側に突出している。これにより、駆動時の発熱の影響が前側ベース481と後側ベース482との間の空間に極力及ばないようになっている。
共通用駆動モータ561は、表示制御装置483と電気的に接続されており、当該表示制御装置483から駆動信号を受けることにより、出力軸561aを所定方向及びそれとは反対方向に回転させるものである。出力軸561aの回転力は共通用ギア562〜564に伝達される。共通用ギア562〜564は、図62に示すように、支持ベース531の前面側において当該支持ベース531に支持されている。また、共通用ギア562〜564は、シャッタユニット533における左右一対のシャッタ用抜け止め部材556の間において、ミラーユニット541におけるミラー用可動板546を挟んだ左右両側にそれぞれ複数配置されているとともに、それら左右両側に配置された各共通用ギア562〜564はミラー用可動板546を挟んで左右対称となるように配置されている。
つまり、共通用ギア562〜564は、ミラー用可動板546を左右に挟むようにして配置された左右一対の内側共通用ギア562と、これら内側共通用ギア562を左右に挟むようにして配置された左右一対の中間共通用ギア563と、これら中間共通用ギア563を左右に挟むようにして配置された左右一対の外側共通用ギア564と、を備えている。これにより、ミラー用可動板546を挟んだ左右両側のそれぞれに、歯車列が形成されている。ちなみに、各中間共通用ギア563は、第1中間共通用ギア563aと、第2中間共通用ギア563bとが同一軸線上に並べて固定されており、両ギア563a,563bは一体となって回転する。
左右一対の内側共通用ギア562の間に配置されているミラー用可動板546は、縦長の矩形板状に形成されており、対向する一対の長辺部にはそれぞれ縦方向に多数の歯が並設されている。ミラー用可動板546の左側の歯は左側の内側共通用ギア562の歯と噛み合っており、ミラー用可動板546の右側の歯は右側の内側共通用ギア562の歯と噛み合っている。つまり、ミラー用可動板546はラックとしての機能を有しており、各内側共通用ギア562はミラー用可動板546に対してピニオンギアとしての機能を有している。また、各内側共通用ギア562のそれぞれは、隣接している中間共通用ギア563の第1中間共通用ギア563aと噛み合っている。また、第2中間共通用ギア563bのそれぞれは、隣接している外側共通用ギア564と噛み合っている。
左右一対の外側共通用ギア564を間に挟むようにして配置されている各シャッタ用抜け止め部材556は、隣接する外側共通用ギア564に向く縦長のギア面を有しており、当該ギア面には縦方向に多数の歯が並設されている。また、各シャッタ用抜け止め部材556と対応する外側共通用ギア564との間には支持ベース531の側壁部531bが介在しているが、当該側壁部531bには、図61に示すように、外側共通用ギア564側に向けてシャッタ用抜け止め部材556の歯を露出させる開口部565が形成されている。当該開口部565を通じて露出しているシャッタ用抜け止め部材556の歯は、外側共通用ギア564の歯と噛み合っている。つまり、各シャッタ用抜け止め部材556はラックとしての機能を有しており、各外側共通用ギア564は各シャッタ用抜け止め部材556に対してピニオンギアとしての機能を有している。
上記各共通用ギア562〜564に対して、共通用駆動モータ561の出力軸561aは、一対の内側共通用ギア562のうち一方、具体的には左側の内側共通用ギア562に固定されており、出力軸561aの回転力は内側共通用ギア562に伝達され、内側共通用ギア562が回転する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、当該内側共通用ギア562を他方の内側共通用ギア562と区別するために、出力軸561aが固定された側を駆動元ギア562aと称するとともに、それとは異なる側を非駆動元ギア562bと称する。
駆動元ギア562aが回転することにより、その回転方向に応じてミラー用可動板546が上方又は下方にスライド移動し、当該ミラー用可動板546がスライド移動することで、それに合わせてミラーユニット541が上方又は下方にスライド移動する。また、ミラー用可動板546が上方又は下方にスライド移動することで非駆動元ギア562bが回転する。この場合、非駆動元ギア562bはミラー用可動板546を挟んで駆動元ギア562aの反対側に配置されているため、駆動元ギア562aの回転方向とは逆方向に回転する。
駆動元ギア562a及び非駆動元ギア562bが回転することにより中間共通用ギア563が回転するとともに、これら中間共通用ギア563が回転することにより外側共通用ギア564が回転する。そして、外側共通用ギア564が回転することにより、各シャッタ用抜け止め部材556が上方又は下方にスライド移動する。この場合、上記のとおり駆動元ギア562aと非駆動元ギア562bとが相互に逆方向となるように回転することで、左右一対の中間共通用ギア563も相互に逆方向となるように回転するとともに、左右一対の外側共通用ギア564も相互に逆方向となるように回転する。これにより、各シャッタ用抜け止め部材556は同一方向に移動し、これらシャッタ用抜け止め部材556が同一方向に移動することで、それに合わせてシャッタ551が上方又は下方にスライド移動する。
上記のように内側共通用ギア562にミラー用可動板546が噛み合わされているとともに、外側共通用ギア564にシャッタ用抜け止め部材556が噛み合わされている構成において、内側共通用ギア562と外側共通用ギア564との間には中間共通用ギア563が介在している。つまり、ミラー用可動板546とシャッタ用抜け止め部材556とが共に縦方向にスライド移動する構成において、ミラー用可動板546と各シャッタ用抜け止め部材556との間には、それぞれ個別に回転するギアが奇数個存在している。これにより、出力軸561aが回転した場合、各外側共通用ギア564は対応する内側共通用ギア562と同一方向に回転するため、ミラー用可動板546と各シャッタ用抜け止め部材556とは相互に逆方向にスライド移動する。したがって、ミラーユニット541が上方にスライド移動する場合にはシャッタ551が下方にスライド移動し、ミラーユニット541が下方にスライド移動する場合にはシャッタ551が上方にスライド移動する。
ちなみに、共通用ギア562〜564はいずれも各歯のピッチが同一となっているとともに、歯数は、内側共通用ギア562=外側共通用ギア564<第2中間共通用ギア563b<第1中間共通用ギア563aの関係となっている。したがって、出力軸561aのトルクに対して、外側共通用ギア564においてトルクの増大化が図られている。
ミラー用可動板546と各シャッタ用抜け止め部材556との縦方向の位置関係は、図62に示すように、ミラー用可動板546の上端部分の歯が各内側共通用ギア562の歯と噛み合っている状態において各シャッタ用抜け止め部材556の下端部分の歯が各外側共通用ギア564の歯と噛み合っている。また、各共通用ギア562〜564の歯数の設定により、ミラー用可動板546の下端部分の歯が各内側共通用ギア562の歯と噛み合っている状態において各シャッタ用抜け止め部材556の上端部分の歯が各外側共通用ギア564の歯と噛み合う構成となっている。当該構成によるミラーユニット541とシャッタ551との位置関係について図63を用いて説明する。
図63(a―1),(b−1)は可動物ユニット485の正面図、図63(a―2),(b−2)は可動物ユニット485の側面図である。また、図63(a―1),(a―2)と、図63(b−1),(b−2)とでミラーユニット541及びシャッタ551の相互の位置関係が異なっている。
図63(a―1),(a―2)では、ミラーユニット541は上側の限界位置に配置されている。この位置が既に説明したミラーユニット541の退避位置である。既に説明したとおり、ミラー用可動板546の下端部分の歯が各内側共通用ギア562の歯と噛み合っている状態では、各シャッタ用抜け止め部材556の上端部分の歯が各外側共通用ギア564の歯と噛み合うように構成されているため、シャッタ551は下側の限界位置に配置されている。この位置が既に説明したシャッタ551の閉塞位置である。
図63(b−1),(b−2)では、ミラーユニット541は下側の限界位置に配置されている。この位置が既に説明したミラーユニット541のマルチ表示用位置である。既に説明したとおり、ミラー用可動板546の上端部分の歯が各内側共通用ギア562の歯と噛み合っている状態では、各シャッタ用抜け止め部材556の下端部分の歯が各外側共通用ギア564の歯と噛み合うように構成されているため、シャッタ551は上側の限界位置に配置されている。この位置が既に説明したシャッタ551の退避位置である。
なお、図60(b)に示すように、支持ベース531の一方のフランジ部531cには、可動物ユニット485の動作状態を検知するための光学式の状態検知センサ566が上下に離間させて2個設けられている。シャッタ用抜け止め部材556には、シャッタ551が退避位置に配置されている場合に上側の状態検知センサ566の検知部を遮るとともに、シャッタ551が閉塞位置に配置されている場合に下側の状態検知センサ566の検知部を遮る検知対象部567を備えている。状態検知センサ566は表示制御装置483と電気的に接続されており、表示制御装置483では状態検知センサ566の検知結果に基づいて可動物ユニット485の動作状態を把握することができる。
ちなみに、状態検知センサ566がシャッタ551の位置を検知するように設けられているのではなく、ミラーユニット541の位置を検知するように設けられていてもよい。また、ミラーユニット541及びシャッタ551のそれぞれに対して状態検知センサが設けられていてもよい。また、ミラーユニット541及びシャッタ551における各位置間の移動量が同一又は略同一である構成に代えて、いずれか一方の移動量が大きく設定されている構成においては、その移動量が大きい側に対して状態検知センサが設けられているとよい。この場合、移動量が小さい側に対して状態検知センサが設けられている構成に比べ、ミラーユニット541及びシャッタ551の位置を正確に検知することができる。
ここで、上記のように単一の共通用駆動モータ561の駆動力によりミラーユニット541とシャッタ551との両方が縦方向にスライド移動する構成において、共通用ギア562〜564の介在によってミラーユニット541とシャッタ551とのスライド移動の方向が逆方向となっている。したがって、ミラーユニット541の重量負荷がシャッタ551の重量負荷をキャンセルする方向に作用するとともに、シャッタ551の重量負荷がミラーユニット541の重量負荷をキャンセルする方向に作用することとなる。これにより、ミラーユニット541及びシャッタ551の重量負荷を利用しながら、共通用駆動モータ561において必要な駆動力の低減が図られる。また、それに伴って共通用駆動モータ561の小型化が図られる。
また、左右両側にシャッタ用抜け止め部材556が設けられているとともに、その左右方向の中央箇所にミラー用可動板546が設けられた構成において、共通用駆動モータ561の出力軸561aは内側共通用ギア562の一方に固定されている。これにより、出力軸561aにかかるミラーユニット541の重量負荷と当該出力軸561aにかかるシャッタ551の重量負荷とが均等又はほぼ均等となる。よって、出力軸561aにおいてはミラーユニット541の重量負荷とシャッタ551の重量負荷とが相互にキャンセルされることとなり、共通用駆動モータ561において必要な駆動力の低減が図られる。
上記構成の可動物ユニット485は、シャッタ551がパチンコ機10前側及び支持ベース531がパチンコ機10後側となるようにして、当該支持ベース531のフランジ部531cを通じて後側ベース482にねじ止めされている。この場合、シャッタ部552の前面及びミラーユニット541の前面は共にパチンコ機10前方を向いている。つまり、可動物ユニット485において、共通用駆動モータ561及び共通用ギア562〜564が搭載されて駆動領域を構成する支持ベース531と、ミラーユニット541と、シャッタ551とは、パチンコ機10前側からシャッタ551→ミラーユニット541→支持ベース531の順に並んでいる。これにより、ミラーユニット541やシャッタ551の大型化を図りながら、ミラーユニット541及びシャッタ551を支持ベース531よりも遊技者の視点に近い側に配置することが可能となる。
なお、図示は省略するが、シャッタ551にはその裏面にLEDといった発光体を有する発光用基板が搭載されており当該発光体からシャッタ551に向けて光が照射されることで、その光がシャッタ551を透過し、パチンコ機10前方から視認できるようになっている。この場合に、当該発光用基板は、音声発光制御装置468と電気的に接続されており、当該音声発光制御装置468から駆動信号が出力されることで上記光が照射された状態となるが、後側ベース482において可動物ユニット485を覆う部位に形成された配線用孔部569(図4を参照)を通じて、発光用基板と音声発光制御装置468とを電気的に接続するための信号線(図示略)が設けられている。但し、シャッタ551は既に説明したとおり上下に往復動する構成であるため、当該往復動に際して上記信号線が追従することが可能なように配線用孔部569の大きさが設定されている。
<図柄表示装置429及び可動物ユニット485の動作位置>
次に、図柄表示装置429と可動物ユニット485との動作位置の関係について説明する。図64(a),(b)は、右側から見た遊技盤423の側面図であり、説明の便宜上、前側ベース481及び後側ベース482の右側部を省略している。図65(a),(b)は、遊技盤423の正面図である。
図64(a)及び図65(a)は、図柄表示装置429が初期位置に配置されている状態を示している。当該状態では、遊技盤423において図柄表示装置429の表示面429aを露出させるための開口部435の上縁と、図柄表示装置429の上縁との間の隙間を埋めるために、可動物ユニット485のシャッタ551が閉塞位置に配置されている。この場合、図64(a)に示すように、シャッタ551のシャッタ部552はその下縁部分が表示面429aよりもパチンコ機10前側において当該表示面429aと前後に対向しているとともに、その上縁部分が開口部435の上縁よりも上方に位置している。ちなみに、上記状態が、図柄表示ユニット461の初期状態(又は非マルチ表示状態)に相当する。
また、図64(a)に示すように、ミラーユニット541は図柄表示装置429と干渉しないように当該図柄表示装置429よりも上方に退避された退避位置に配置されている。この場合、ミラーユニット541の下縁は開口部435の上縁よりも下方に位置しているものの、ミラーユニット541はシャッタ部552よりもパチンコ機10後側に配置されており、図65(a)に示すように、ミラーユニット541はパチンコ機10前方から視認不可となっている。
図64(b)及び図65(b)は、図柄表示装置429が傾斜位置に配置されている状態を示している。この場合、シャッタ551はシャッタ部552が開口部435から上方に没した状態となるように退避位置に配置されている。代わりに、ミラーユニット541が下方にスライド移動して、当該ミラーユニット541は開口部435内に第1反射面542a及び第2反射面543aの全体が配置されたマルチ表示用位置に配置されている。ちなみに、上記状態が、図柄表示ユニット461のマルチ表示状態に相当する。
ミラーユニット541が配置されている位置は、図64(b)に示すように、表示面429aの鉛直上方となっており、ミラーユニット541の下縁側は表示面429aの上縁側に対してパチンコ機10の前側において当該表示面429aの上縁側と前後に対向している。この場合、第1反射面542a及び第2反射面543aは共に、表示面429aにおいて縦方向及び横方向の途中部分の領域に対してその上方の位置に配置されている。換言すれば、第1反射面542a及び第2反射面543aを下方(詳細には鉛直下方)へ投影させた範囲は、表示面429aにおいて縦方向及び横方向の途中部分の領域となっており、当該領域には表示面429aの縁部が含まれていない。また、第1反射面542a及び第2反射面543aは共に、表示面429aに対する角度が直角又は略直角となっている。
ここで、表示面429aの上方においてミラーユニット541が占める領域は、図65(b)に示すように、開口部435の上縁と表示面429aとの隙間の全体領域ではなく一部であり、第1反射面542aの左方や、第2反射面543aの上方などは開口部435との間に隙間が生じている。この場合、後側ベース482の膨出部503により規定された収容空間502が、上記隙間を通じてパチンコ機10前方から視認可能となるが、収容空間502の周面において視認可能となる箇所には既に説明した被覆部材509が装着されている。そして、当該被覆部材509は不透明であるとともに、その表面には所定の装飾が付与されている。これにより、マルチ表示状態において膨出部503を規定する部位や、無色透明の膨出部503を通じてその後方の部品がパチンコ機10前方から視認されてしまうことが防止されている。
図柄表示装置429の回動軸は、当該図柄表示装置429の下寄りの位置ではあるが、下縁よりも上方の位置となっている。したがって、図柄表示装置429が傾斜位置に配置されている状態では、図64(b)に示すように、当該図柄表示装置429において回動軸よりも下側の領域は初期位置の場合よりもパチンコ機10前側に変位する。これにより、図柄表示装置429が傾斜位置においてパチンコ機10後側へと突出する量が抑えられている。また、図柄表示装置429において回動軸よりも下側の領域のパチンコ機10前側への突出量は、当該下側の領域が遊技盤423や、当該遊技盤423の開口部435を塞ぐために設けられた透明パネル568と干渉しないように設定されている。
ちなみに、透明パネル568は、無色透明の合成樹脂材料により形成されているが、無色透明のガラス材料により形成してもよく、透明パネル568を通じてパチンコ機10前方から表示面429aや各反射面542a,543aを視認可能であれば、有色透明であってもよい。透明パネル568が設けられていることにより、遊技領域を流下している遊技球が、開口部435を通じて図柄表示装置429側に入り込んでしまうことが防止されている。なお、透明パネル568は、厚み寸法が同一又は略同一の板状に形成されており、板面が遊技盤423の盤面やパチンコ機10前面を構成する窓パネル62に対して平行又は略平行となっている。
<図柄表示ユニット461の各状態と画像の表示態様との関係>
次に、図柄表示ユニット461の各状態と画像の表示態様との関係について図66を用いて説明する。図66(a)は初期状態における画像の表示態様を説明するための説明図、図66(b),(c)はマルチ表示状態における画像の表示態様を説明するための説明図である。なお、以下の説明では、遊技者が開口部435を正面から視認している状態を基準とする。
初期状態においては、図66(a)に示すように、表示面429aは遊技盤423と平行又は略平行であり、縦方向の各両端側の一部を除いた表示面429aの略全体が、遊技盤423の開口部435を塞ぐ透明パネル568に対してその後方において対向している。遊技者の視線は、表示面429aに対して垂直に向けられることとなる。表示面429aに対して遊技者の視線が垂直に向けられる状況では、当該表示面429aにてマルチビュー表示を行ったとしてもそのマルチビュー表示の各画像が個別に視認されるのではなく、各画像が混在した状態で視認されることとなってしまうため、当該マルチビュー表示は行われない。
なお、既に説明したとおり、可動物ユニット485においてはシャッタ551が閉塞位置に配置されており、ミラーユニット541が退避位置に配置されている。
マルチ表示状態においては、図66(b),(c)に示すように、表示面429aは遊技盤423に対してマルチ用傾斜角度として35度傾斜した状態となる。また、可動物ユニット485においてシャッタ551が退避位置に配置される代わりにミラーユニット541がマルチ表示用位置に配置される。この場合、図66(b)に示すように、表示面429aに対する第1反射面542aの角度は直角又は略直角となっているとともに、図66(c)に示すように、表示面429aに対する第2反射面543aの角度は直角又は略直角となっている。当該状態では、透明パネル568を通じてパチンコ機10前方から、表示面429aだけでなく第1反射面542a及び第2反射面543aが視認可能となる。
また、第1反射面542a及び第2反射面543aの下端部の高さ位置が、表示面429aの上縁の高さ位置と同一又はそれよりも若干下方の位置となる。この場合、透明パネル568を通じて表示面429a及び各反射面542a,543aを見た場合、表示面429aと各反射面542a,543aとの間に縦方向の隙間が生じていないように視認される。
表示面429aに対する遊技者の視線の入射角は、初期状態に比べ35度広角となる。また、各反射面542a,543aに対する遊技者の視線の入射角も35度となり、当該角度においては各反射面542a,543aにて表示面429aの一部の領域が映される。当該状況において表示面429aにてマルチビュー表示が行われることで、液晶表示部491の下側表示領域497(図58(b)参照)において表示される画像が、表示面429aに直接向けられる視線にて視認されるとともに、液晶表示部491の上側表示領域496(図58(b)参照)において表示される画像が、各反射面542a,543aに向けられる視線にて視認される。つまり、表示面429aを基準として、表示面429aを斜め下方から視認した場合の画像と表示面429aを斜め上方から視認した場合の画像のうち、開口部435側から直接視認することができない画像が、各反射面542a,543aにて反射されることで開口部435側から視認することができるようになる。
また、上記のとおり表示面429aに対する各反射面542a,543aの角度が直角又は略直角となっているため、各反射面542a,543aにて反射されて表示面429aの画像が視認される場合の視線の経路において各反射面542a,543aから表示面429aまで光が進む距離だけ遊技者の視線を各反射面542a,543aの後方へ延長させると、その延長させた位置は、表示面429aを面一とした状態で上方に延長させた面に含まれる。つまり、遊技者から見た場合、各反射面542a,543aにて反射される画像は、表示面429aが同一平面上において上方に延長された位置にて表示されるように視認される。そして、この場合に遊技者に実質的に視認される表示領域の縦寸法は、開口部435の縦寸法よりも大きくなる。
また、既に説明したように、第1反射面542aは第1枠部545aの後方に設置されているとともに、第2反射面543aは第2枠部545bの後方に設置されている。そうすると、マルチ表示状態では、遊技者は、表示面429a以外に、空間的に区分けされた状態で複数の表示部が存在していると認識することとなる。これにより、単一の表示装置を用いながら、空間的に独立した複数の表示部が存在していると遊技者に認識させることができ、表示部の構成の多様化が図られる。
ここで、マルチ表示状態となっている状況において、マルチビュー表示を遊技者がパチンコ機10前方の所定の位置から視認する様子を、図67を用いて説明する。なお、図67では、第1反射面542a及び第2反射面543aのうち第1反射面542aのみを示しているが、第2反射面543aについても第1反射面542aと同様である。
図67に示すように、遊技者が所定の位置から窓パネル62を視認することにより、窓パネル62及び透明パネル568を通じて表示面429a及び第1反射面542aを視認することができる。そして、表示面429aに対する遊技者の視線の入射角が、上述した液晶表示部491の下側表示領域497を視認可能とする入射角の範囲に含まれていることにより、下側表示領域497において表示されている画像が視認可能となる。一方、上述した液晶表示部491の上側表示領域496を視認可能とする入射角の範囲には含まれていないため、表示面429aを見たとしても上側表示領域496における画像を視認することはできない。
第1反射面542aに対する遊技者の視線の入射角が、当該第1反射面542aにて反射することによる表示面429aにおける入射角として特定した場合に、上述した液晶表示部491の上側表示領域496を視認可能とする入射角の範囲に含まれていることにより、上側表示領域496において表示される画像が第1反射面542aを通じて視認可能となる。一方、上述した液晶表示部491の下側表示領域497を視認可能とする入射角の範囲には含まれていないため、第1反射面542aを見たとしても下側表示領域497における画像を視認することはできない。
上記のように各表示領域496,497における画像は、パチンコ機10前方の所定の位置から、一方は表示面429aから直接視認されるとともに、他方は第1反射面542aを通じて視認されることとなる。なお、所定の位置は、図67の位置に限定されることはなく、表示面429a及び各反射面542a,543aを通じてマルチビュー表示を良好に視認することができるのであれば、任意である。
以上説明したように、マルチ表示状態において、表示面429aがパチンコ機10後側に向けて上り傾斜となるように図柄表示装置429が配置されるとともに、表示面429aの上方において各反射面542a,543aがパチンコ機10後側に向けて下り傾斜となるようにミラーユニット541が配置されることで、開口部435に比して大きな表示領域を確保することが可能となり、結果的に開口部435を大型化することなく比較的大型な表示領域を確保することが可能となる。さらには、開口部435に比して大きな表示領域を確保した状態での図柄表示ユニット461の前後方向寸法を小型化することができる。
ちなみに、上記のようにマルチビュー表示が行われる構成において、マルチ表示状態にて窓パネル62の正面から表示面429aを直接視認した場合の輝度と、窓パネル62の正面から各反射面542a,543aにて映されたものを視認した場合の輝度とが同一となるように、視差バリアパネル494が形成されていてもよい。具体的には、表示面429aを基準として、液晶表示部491の上側表示領域496を35度斜め上方の位置から視認した場合の輝度と、液晶表示部491の下側表示領域497を35度斜め下方の位置から視認した場合の輝度とを比べた場合、前者の輝度が高くなるように、視差バリアパネル494を形成し、さらにその輝度差を、各反射面542a,543aにて反射されることで輝度が低下する量と略同一となるように設定する。これにより、表示面429aを直接視認した場合の画像と、各反射面542a,543aにて反射された画像との間に、輝度差が生じ難くなり、遊技者にとっては、大型化された表示領域の画像を違和感なく視認することが可能となる。
<音声発光制御装置ユニット463及び放熱ファン486,487>
次に、音声発光制御装置ユニット463及び放熱ファン486,487について説明する。図68は、遊技盤423における図柄表示ユニット461周辺を右側から見た側面図であり、説明の便宜上、前側ベース481及び後側ベース482の右側部と、駆動機構484と、を省略している。なお、図68(a)では図柄表示装置429が初期位置に配置されている状態を示しているが、図68(c)では図柄表示装置429が傾斜位置に配置されている状態を示している。
既に説明したように、表示制御装置483が一体化された図柄表示装置429を収容する収容空間502を形成している後側ベース482の膨出部503は、天井傾斜部505と、背面部506と、底傾斜部507と、を備えている。表示制御装置483が一体化された図柄表示装置429は、既に説明したように初期位置と傾斜位置との間で回動することとなるが、収容空間502は当該回動を許容する大きさに設定されている。
音声発光制御装置ユニット463は、天井傾斜部505の背面に搭載されている。音声発光制御装置ユニット463は、既に説明したとおり、取付台467と音声発光制御装置468とを備えており、設置面が天井傾斜部505の背面の傾斜と平行又は略平行となるようにして取付台467が固定されていることにより、音声発光制御装置468の正面も天井傾斜部505の背面の傾斜と平行又は略平行となっている。この場合、音声発光制御装置468の上端側は、可動物ユニット485を構成する共通用駆動モータ561の後方にて前後に並んでいる。上記のように音声発光制御装置ユニット463が配置されていることにより、可動物ユニット485を構成する共通用駆動モータ561や図示しない裏パックユニット15との干渉を抑えながら、パチンコ機10の内部空間を有効活用して音声発光制御装置ユニット463の設置空間を確保することができる。
天井傾斜部505には、図56及び図68(b)に示すように、天井側通気孔571が形成されている。当該天井側通気孔571が形成されている領域は、音声発光制御装置ユニット463が搭載されている領域に含まれているが、取付台467は所定の厚み寸法を有しているとともに、音声発光制御装置468の設置面572とは反対側は天井傾斜部505及び上側の側面にて開放された開放空間573が形成されており、天井側通気孔571の全体が取付台467によって塞がれていない。さらにまた、天井傾斜部505の前面側には既に説明したとおり被覆部材509が装着されているが、当該被覆部材509は天井側通気孔571の全体を塞がないように形成されている。したがって、図柄表示装置429が収容された収容空間502は、天井側通気孔571及び開放空間573を通じて後側ベース482の外部に開放されている。
底傾斜部507には、図56及び図68(c)に示すように、底側通気孔574が形成されている。当該底側通気孔574は、離間させた状態で複数形成されている。底傾斜部507において底側通気孔574が形成された領域には、底傾斜部507の背面側から放熱ファン486,487が複数設置されている。この場合、放熱ファン486,487は、表示制御装置483が一体化された図柄表示装置429がいずれの位置に配置されている状態であっても、放熱ファン486,487の送風面の延長領域に表示制御装置483の少なくとも一部が含まれるように配置されている。
各放熱ファン486,487は、図68(c)に示すように、ファンケース575内に羽根車576が設置された構成であり、音声発光制御装置468から駆動信号が出力されている間はファンモータ577が動作し羽根車576が回転する。なお、複数の放熱ファン486,487はそれぞれ送風量が異なるように、羽根車576の大きさが相互に異なっているが、これに限定されることはなく同一であってもよい。また、複数の放熱ファン486,487は横方向に並設されているが縦方向に並設されていてもよい。また、放熱ファン486,487の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよく、単数であってもよい。
羽根車576が回転することで、底側通気孔574から収容空間502に外気が取り込まれ、その外気が表示制御装置483に対して送風される。また、外気が取り込まれることにより、収容空間502内の空気が天井側通気孔571から排出される。すなわち、底側通気孔574が収容空間502における吸気口として機能し、天井側通気孔571が収容空間502における排気口として機能する。底側通気孔574から天井側通気孔571へと空気が流れることにより、図柄表示装置429や表示制御装置483により熱せられた空気を収容空間502外部へと良好に排出できる。
特に、表示制御装置483は、図68(c)に示すように、画像の描画指示処理を実行する表示CPU582及び表示CPU582の描画指示に基づき図柄表示装置429に対して描画処理を実行するVDP583が少なくとも搭載された表示制御基板581を備えており、図柄表示装置429の表示制御が実行されることでこれら表示CPU582及びVDP583が発熱する。これに対して、上記のように放熱ファン486,487を通じて収容空間502に対する送風が実行されることにより、収容空間502内の放熱を良好に行うことができる。
既に説明したとおり放熱ファン486,487は、表示制御装置483に一体化されているのではなく後側ベース482に固定されている。表示制御装置483の放熱を行う上では放熱ファン486,487を表示制御装置483に一体化させる構成も想定されるが、この場合、図柄表示装置429及び表示制御装置483の一体物の総重量が放熱ファン486,487の重量分増加することとなってしまう。そうすると、図柄表示装置429の回動軸及び表示用駆動モータ521の出力軸521aに掛かる重量負荷が増加してしまう。これに対して、放熱ファン486,487が図柄表示装置429と一体的に移動しない後側ベース482に固定されていることにより、図柄表示装置429の回動軸及び表示用駆動モータ521の出力軸521aに掛かる重量負荷を抑えながら、表示制御装置483の放熱を良好に行うことができる。
図柄表示ユニット461のマルチ表示状態では、図68(a)において二点鎖線にて示すように、表示制御装置483が一体化された図柄表示装置429が傾斜位置に配置される。この場合、表示制御装置483の基板ボックス501において、表示CPU582及びVDP583が搭載された表示制御基板581の板面(又は素子搭載面)と対向する表面板部584は、底傾斜部507に対して平行又は略平行となるとともに、表面板部584の略全体が底傾斜部507と近接した位置にて対向する。これにより、マルチ表示状態では、初期状態である場合に比べ、放熱ファン486,487は表面板部584に対して近い位置にて当該表面板部584に向けて送風を行うこととなる。したがって、マルチ表示状態では初期状態よりも、表示制御装置483が冷却され易くなる。
また、図68(c)に示すように、表面板部584には表示CPU582及びVDP583と対向する領域に通気孔585が形成されているとともに、マルチ表示状態では、当該通気孔585が形成された領域が底側通気孔574、すなわち放熱ファン486,487と近い位置にて対向することとなる。これにより、マルチ表示状態では、表示CPU582及びVDP583に向けて近い位置にて送風を行うことができ、表示CPU582及びVDP583の冷却効果が高められる。
マルチ表示状態では、後述するように初期状態に比べ複雑な描画処理が実行されるため、初期状態の場合よりも表示CPU582及びVDP583における発熱量が増加することとなる。これに対して、上記のようにマルチ表示状態における表示制御装置483と放熱ファン486,487との位置関係が上記のように設定されていることにより、表示CPU582及びVDP583の冷却を効率良く行うことができる。
ちなみに、図柄表示ユニット461のマルチ表示状態であっても、表示制御装置483は膨出部503に接しておらず、底側通気孔574と天井側通気孔571とが収容空間502を通じて連通された状態が維持されている。よって、マルチ表示状態であっても、両通気孔571,574間の空気の流れが完全に遮断されることはない。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について図69のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置465に設けられた主制御基板591には、MPU592が搭載されている。MPU592には、当該MPU592により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM593と、そのROM593内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM594と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU592には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU592の入力側には、主制御装置465に設けられた停電監視基板595、払出制御装置77及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視基板595には電源及び発射制御装置78が接続されており、MPU592には停電監視基板595を介して電力が供給される。また、MPU592では、大当たり発生抽選及び大当たり結果種別抽選が実行されるとともに、各遊技回のリーチ発生抽選や表示継続期間の決定抽選が実行される。
MPU592では、電源の立ち上げ後において所定の遊技進行用処理を繰り返し実行する。本パチンコ機10では、当該遊技進行用処理として、第1の周期で繰り返し実行される通常処理と、第1の周期よりも短い第2の周期で起動され、通常処理に対して割り込んで実行されるタイマ割込み処理とが設定されているが、遊技の進行を制御できるのであれば、具体的な処理構成は任意である。
遊技進行用処理の一部として、遊技回制御処理及び遊技状態移行処理が設定されている。遊技回制御処理では、遊技回の実行中及び開閉実行モード中のいずれでもなく、且つ保留球格納エリアに保留情報が保留記憶されていることを条件として、保留球格納エリアのデータシフト処理が実行される。また、データシフト処理が実行された場合、当否抽選処理、種別判定処理及び遊技回開始用処理が実行される。
当否抽選処理では、実行エリアにシフトされた保留情報のうち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報と、現状の当否抽選モードに対応した当否テーブルとを参照して、大当たり当選となるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、さらに種別判定処理を実行する。種別判定処理では、実行エリアにシフトされた保留情報のうち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報と、振分テーブルとを参照して、大当たり種別を特定する。
遊技回開始用処理では、実行エリアにシフトされた保留情報のうちリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報と、リーチ用テーブルとを参照して大当たり非当選であってもリーチ発生となるか否かを判定する。また、遊技回開始用処理では、大当たり当選の有無、大当たり種別及びリーチ発生の有無に対応した変動表示時間テーブルをROM593から読み出し、その読み出した変動表示時間テーブルと、そのタイミングにおける変動種別カウンタCSの数値情報とから今回の遊技回の変動表示時間を決定する。そして、遊技回開始用処理では、その決定した変動表示時間に対応した絵柄の変動表示を第1特定表示部51にて開始させるとともに、変動表示時間の情報を含む変動用コマンドと、大当たり当選の有無及び大当たり種別の情報を含む種別コマンドとを音声発光制御装置468に送信する。
ちなみに、変動表示時間は、大当たり当選の有無、大当たり種別及びリーチ発生の有無に対応した変動表示時間テーブルが読み出されて決定されるため、変動用コマンドにはリーチ発生の有無の情報が含まれていると言える。また、後述するように表示制御装置483では変動表示時間に応じてリーチ表示の種別を決定するため、変動用コマンドにはリーチ種別の情報が含まれているとも言える。
また、遊技回制御処理では、遊技回の実行中において変動表示中処理を実行し、変動開始用処理にて決定した変動表示時間が経過している場合には図柄表示装置429とは異なる専用の表示部において、その遊技回における大当たり当選の有無及び大当たり種別に対応した停止結果を表示させた状態で絵柄の変動表示を終了させる。また、音声発光制御装置468に対して遊技回の終了を指示するための終了コマンドを送信する。
遊技状態移行処理では、大当たり当選に対応した遊技回が終了している場合に開閉実行モードへの移行処理を実行し、可変入賞装置35の開閉処理を開始する。なお、開閉実行モードを開始する場合、開閉実行モード中、及び開閉実行モードを終了する場合などに、開閉実行モード用の各種コマンドを音声発光制御装置468に送信する。また、開閉実行モードが終了した場合には、当該モードの開始契機となった遊技回に係る大当たり種別に対応させて、当否抽選モードの移行やサポートモードの移行を実行する。
図69の説明に戻り、MPU592の出力側には、停電監視基板595、払出制御装置77及び音声発光制御装置468が接続されている。停電監視基板595と、払出制御装置77と、電源及び発射制御装置78との機能は、上記第1の実施形態と同様である。
音声発光制御装置468は、主制御装置465のMPU592から受信した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられた表示ランプ部やスピーカ部を駆動制御する。また、主制御装置465のMPU592から受信した各種コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置483に送信する。また、音声発光制御装置468は図柄表示ユニット461の放熱ファン486,487と電気的に接続されている。音声発光制御装置468は、動作中は常時、放熱ファン486,487に駆動信号を出力しており、これにより放熱ファン486,487による送風はパチンコ機10の電源投入中は常時行われている。
表示制御装置483は、表示CPU582、プログラムROM601、ワークRAM602、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)583、キャラクタROM603及びビデオRAM604がそれぞれ個別にチップ化されて搭載された表示制御基板581を備えている。なお、任意の組み合わせで複合的にチップ化されていてもよい。
表示制御基板581の表示CPU582は、主制御装置465から送信され音声発光制御装置468を経由して送信されてくる遊技回用コマンド(変動用コマンド、種別コマンド及び終了コマンド)及び開閉実行モード用の各種コマンドを受信するとともに、その受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP583への描画指示処理(具体的にはVDP583に対する内部コマンドの生成)を実行する。
また、表示制御基板581の出力側には、図柄表示ユニット461の表示用駆動モータ521及び共通用駆動モータ561が電気的に接続されている。表示CPU582は、これら駆動モータ521,561のそれぞれに対して駆動信号を出力することで図柄表示ユニット461を初期状態からマルチ表示状態に切り換えるとともに、これら駆動モータ521,561のそれぞれに対して駆動信号を出力することで図柄表示ユニット461をマルチ表示状態から初期状態に切り換える。
ちなみに、表示制御基板581の入力側には、図柄表示装置429の位置を検知する位置検知センサ(図示略)と、可動物ユニット485の状態を検知する状態検知センサ(図示略)とが電気的に接続されている。表示CPU582では、位置検知センサの検知結果に基づいて図柄表示装置429の位置を特定するとともに、状態検知センサの検知結果に基づいて可動物ユニット485においてミラーユニット541及びシャッタ551がいずれの位置に配置されているかを特定する。
プログラムROM601は、表示CPU582により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。換言すれば、プログラムROM601は、表示CPU582により各種制御が実行される場合に読み出し専用の目的で用いられるメモリである。また、プログラムROM601は、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。
ワークRAM602は、表示CPU582による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。換言すれば、ワークRAM602は、表示CPU582により各種制御が実行される場合に書き込み用及び読み出し用の両方の目的で用いられるメモリである。また、ワークRAM602は、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。
VDP583は、図柄表示装置429に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイス606を直接操作する一種の描画回路である。VDP583はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP583は、表示CPU582、ビデオRAM604等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、キャラクタROM603から読み出した画像データを用いてビデオRAM604に描画データを作成し、その作成した描画データに対応した画像を図柄表示装置429に表示させる。
キャラクタROM603は、図柄表示装置429に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものであり、画像データの読み出し専用の目的で用いられるとともに、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。このキャラクタROM603には、画像データとして、各種の表示図柄やキャラクタのビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM603を複数設け、各キャラクタROM603に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。
ビデオRAM604は、図柄表示装置429に表示させる画像に対応した描画データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM604の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置429の表示内容が変更される。換言すれば、ビデオRAM604は、図柄表示装置429に画像を表示させる場合に書き込み用及び読み出し用の両方の目的で用いられるとともに、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。
ビデオRAM604には、キャッシュ領域611及び描画用領域612が設けられている。キャッシュ領域611は、キャラクタROM603から読み出した画像データを記憶しておくためのエリアである。また、描画用領域612は、各描画タイミングにおける図柄表示装置429の表示面429aでの1フレーム分(単位時間分)の描画データを、キャッシュ領域611に読み出されている画像データを加工することでビデオRAM604内において作成する場合に用いられるエリアである。当該描画データの作成は、VDP583により実行される。
VDP583は、図柄表示装置429に設けられた画像処理デバイス606と描画信号用の信号経路(描画信号用の転送経路)SC1を通じて電気的に接続されている。描画用領域612に作成された描画データは、上記描画信号用の信号経路SC1を通じて画像処理デバイス606へと転送される。
なお、VDP583には図示しないライン用バッファが設けられており、描画用領域612から画像処理デバイス606へのデータ転送に際しては当該ライン用バッファが用いられる。但し、当該ライン用バッファが不具備であり、描画用領域612から画像処理デバイス606へデータ転送が直接行われる構成としてもよい。
画像処理デバイス606は、デバイス用バッファ614を備えている。VDP583から画像処理デバイス606へと転送された描画データはデバイス用バッファ614に書き込まれる。画像処理デバイス606では、デバイス用バッファ614に書き込まれた描画データを液晶表示部491に対して描画することにより、表示面429aにおいて所定の画像を表示させる。なお、上記描画データの転送に係る構成は、後に詳細に説明する。
<表示CPU582による処理>
次に、表示CPU582により実行される各種処理について説明する。表示CPU582は、表示用メイン処理を所定の周期(例えば、2msec)で繰り返し実行するように構成されており、当該表示用メイン処理には複数種類の処理が設定されている。当該複数種類の処理の一部として、変動開始用処理、変動終了用処理、大当たり演出用処理、描画指示用処理、振動用処理及びマルチ表示用処理が少なくとも含まれている。
変動開始用処理では、変動用コマンドを音声発光制御装置468から受信している場合に、当該変動用コマンドの内容と、同時に受信している種別コマンドの内容とから、その遊技回の変動表示時間を特定するとともに、大当たり当選の有無、大当たり種別及びリーチ発生の有無を把握してその把握結果に基づいて最終停止させる図柄の組み合わせを特定する。さらにまた、これら変動表示時間と、最終停止させる図柄の組み合わせとに基づいて、変動開始から最終停止させるまでの図柄の変動表示パターンを決定する。
ちなみに、プログラムROM601には、変動用コマンドから変動表示時間を特定するための変動表示時間テーブルが記憶されているとともに、ワークRAM602には、特定した変動表示時間の情報が格納されるエリアであってその格納された情報が表示用メイン処理の開始の度に1減算されるように更新される計測用カウンタエリアが設定されている。表示CPU582では、当該計測用カウンタエリアに記憶されている情報に基づいて遊技回の経過時間を把握する。
また、プログラムROM601には変動用コマンド及び種別コマンドの内容から最終停止させる図柄の組み合わせを特定するための停止結果テーブルが記憶されているとともに、変動表示時間の情報と、最終停止させる図柄の組み合わせの情報とから変動表示パターンを特定するための変動表示パターンテーブルが記憶されている。また、ワークRAM602には、変動表示パターンの情報が格納される変動表示パターンエリアが設定されており、表示CPU582では、計測用カウンタエリアに記憶されている情報と、変動表示パターンエリアに記憶されている情報とから、描画指示タイミングを特定するとともに、各描画指示タイミングにおける描画指示の内容を特定する。
変動終了用処理では、終了コマンドを音声発光制御装置468から受信している場合に、変動開始用処理にて決定された最終停止図柄の組み合わせを表示した状態で今回の遊技回を最終停止させるようにVDP583に対して描画指示を実行する。大当たり演出用処理では、開閉実行モード用の各種コマンドを音声発光制御装置468から受信している場合に、各コマンドに対応した演出の画像が表示面429aにて表示されるようにVDP583に対して描画指示を実行する。
描画指示用処理では、プログラムROM601から読み出されてワークRAM602に記憶されている表示パターンの情報と、所定の基準からの経過時間を計測する計測用カウンタエリアの情報とに基づいて、描画指示タイミングであるか否かを判定する。そして、描画指示タイミングであると判定した場合には、そのタイミングに対応した描画指示情報をVDP583に対して内部コマンドとして出力する。遊技回の演出について具体的には、描画指示用処理では、ワークRAM602に記憶されている変動表示パターンの情報と、計測用カウンタエリアにて計測されている情報とに基づいて、描画指示タイミングであるか否かを判定し、描画指示タイミングである場合には当該タイミングに対応した描画指示情報をVDP583に出力する。
振動用処理及びマルチ表示用処理は、遊技回の実行中に所定の演出を実行させるための処理である。これら振動用処理及びマルチ表示用処理について、以下にフローチャートを参照しながら説明する。先ず、演出の一種として図柄表示装置429又はシャッタ551を振動させるための振動用処理について、図70のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明では、当該振動用処理が実行されることによる作用を、図71(a),(b)の説明図を用いて適宜説明する。
ステップS1601では、図柄表示装置429において図柄の変動表示中であるか否かを判定する。図柄の変動表示中でない場合にはそのまま本振動用処理を終了する。図柄の変動表示中である場合にはステップS1602にて、表示面振動用リーチの遊技回であるか否かを判定する。この判定は、今回の遊技回の開始に際して決定されている変動表示パターンの情報を参照することで行われる。
表示面振動用リーチの遊技回である場合には、ステップS1603にて、上記変動表示パターンの情報と当該遊技回の経過時間とを参照することで、表示面振動用リーチの実行中であるか否かを判定する。表示面振動用リーチの実行中でない場合には、ステップS1604にて、上記変動表示パターンの情報と当該遊技回の経過時間とを参照することで、表示面振動用リーチの開始タイミングであるか否かを判定する。
表示面振動用リーチの開始タイミングでない場合には、そのまま本振動用処理を終了し、表示面振動用リーチの開始タイミングである場合には、ステップS1605に進む。ステップS1605では、表示用駆動モータ521の正逆動作を開始させるための処理を実行し、その後、本振動用処理を終了する。
ステップS1605の処理では、ワークRAM602に設けられた表示面振動状態フラグの格納エリアに表示面振動状態フラグを格納することで、表示面振動状態に設定する。当該表示面振動状態に設定されることにより、図示しない図柄表示装置429用の駆動信号出力処理にて、表示用駆動モータ521に対して、図柄表示装置429の第1動作用信号として正回転用信号が所定期間に亘って出力されている状態と、図柄表示装置429の第2動作用信号として逆回転用信号が所定期間に亘って出力されている状態とが交互に繰り返される。
このように表示用駆動モータ521に対して、正回転用信号と逆回転用信号とが交互に繰り返し出力されることにより、表示用駆動モータ521の出力軸521aは正回転と逆回転とを所定期間毎に交互に繰り返す。したがって、図柄表示装置429が初期位置に向けた方向と傾斜位置に向けた方向との回動を交互に繰り返す。
初期位置に向けた図柄表示装置429の移動量(回動量)は初期位置から傾斜位置に移動するまでの移動量よりも小さく設定されているとともに、傾斜位置に向けた図柄表示装置429の移動量は傾斜位置から初期位置に移動するまでの移動量よりも小さく設定されている。より詳細には、表示面振動用リーチは、図柄表示ユニット461が初期状態である状況において実行されるとともに、表示面429aがシャッタ部552とパチンコ機10前後方向に対向している状態が維持される範囲、すなわちパチンコ機10前方から見た状態で開口部435が表示面429aとシャッタ部552とにより閉塞され両者の間に隙間が生じない範囲において、図柄表示装置429の初期位置に向けた移動及び傾斜位置に向けた移動が行われる。つまり、これら各移動量は、図71(a)に示すように図柄表示装置429が振動していると遊技者が認識するように僅かなものとなっている。図柄表示装置429が振動することにより、表示面429aに注目している遊技者は、画像ではなく図柄表示装置429自体が振動していることを認識する。これにより、図柄表示装置429において視的効果が異なる演出を同時に行うことができるとともに、振動音が発生することに起因して、スピーカ部とは異なる部位を音源とした音を意図的に生じさせることができる。
ちなみに、表示面429aでは、図柄表示装置429が振動するように表示用駆動モータ521が駆動制御されている状況において図柄表示装置429の振動に対応した画像による演出が表示される。
振動用処理(図70)の説明に戻り、ステップS1603にて、表示面振動用リーチ中であると判定した場合には、ステップS1606にて、上記変動表示パターンの情報と当該遊技回の経過時間とを参照することで、表示面振動用リーチの終了タイミングであるか否かを判定する。表示面振動用リーチの終了タイミングでない場合には、そのまま本振動用処理を終了し、表示面振動用リーチの終了タイミングである場合には、ステップS1607に進む。ステップS1607では、表示用駆動モータ521の正逆動作を終了させるための処理を実行し、その後、本振動用処理を終了する。
ステップS1607の処理が実行されることにより、表示面振動状態フラグが消去されて表示面振動状態が解除されることで、上記図柄表示装置429用の駆動信号出力処理において正回転用信号及び逆回転用信号が交互に出力される状態が終了される。なお、当該終了タイミングは、表示面振動用リーチが実行される遊技回が終了したタイミングとして設定されているが、これに限定されることはなく、当該遊技回の途中のタイミングとして設定されていてもよい。
一方、ステップS1602にて、今回の遊技回が表示面振動用リーチの遊技回ではないと判定した場合には、ステップS1608にて、上記変動表示パターンの情報と当該遊技回の経過時間とを参照することで、シャッタ振動用リーチの実行中であるか否かを判定する。シャッタ振動用リーチの実行中でない場合には、ステップS1609にて、上記変動表示パターンの情報と当該遊技回の経過時間とを参照することで、シャッタ振動用リーチの開始タイミングであるか否かを判定する。
シャッタ振動用リーチの開始タイミングでない場合には、そのまま本振動用処理を終了し、シャッタ振動用リーチの開始タイミングである場合には、ステップS1610に進む。ステップS1610では、共通用駆動モータ561の正逆動作を開始させるための処理を実行し、その後、本振動用処理を終了する。
ステップS1610の処理では、ワークRAM602に設けられたシャッタ振動状態フラグの格納エリアにシャッタ振動状態フラグを格納することで、シャッタ振動状態に設定する。当該シャッタ振動状態に設定されることにより、図示しない可動物ユニット485用の駆動信号出力処理にて、共通用駆動モータ561に対して、可動物ユニット485の第1動作用信号として正回転用信号が所定期間に亘って出力されている状態と、可動物ユニット485の第2動作用信号として逆回転用信号が所定期間に亘って出力されている状態とが交互に繰り返される。
このように共通用駆動モータ561に対して、正回転用信号と逆回転用信号とが交互に繰り返し出力されることにより、共通用駆動モータ561の出力軸561aは正回転と逆回転とを所定期間毎に交互に繰り返す。したがって、シャッタ551が退避位置に向けた方向と閉塞位置とに向けた方向とのスライド移動を交互に繰り返す。
退避位置に向けたシャッタ551の移動量は閉塞位置から退避位置に移動するまでの移動量よりも小さく設定されているとともに、閉塞位置に向けたシャッタ551の移動量は退避位置から閉塞位置に移動するまでの移動量よりも小さく設定されている。より詳細には、シャッタ振動用リーチは、図柄表示ユニット461が初期状態である状況において実行されるとともに、シャッタ部552が表示面429aとパチンコ機10前後方向に対向している状態が維持される範囲、すなわちパチンコ機10前方から見た状態で開口部435が表示面429aとシャッタ部552とにより閉塞され両者の間に隙間が生じない範囲において、シャッタ551の退避位置に向けた移動及び閉塞位置に向けた移動が行われる。つまり、これら移動量は、図71(b)に示すようにシャッタ部552が振動していると遊技者が認識するように僅かなものとなっている。シャッタ551が振動することにより、表示面429aに注目している遊技者は、静止状態で表示面429aに隣接していたシャッタ部552が突然振動し出したことを認識する。これにより、表示面429aにて表示されている画像とは視的効果が異なる演出を提供することができるとともに、振動音が発生することに起因して、スピーカ部とは異なる部位を音源とした音を意図的に生じさせることができる。
ちなみに、表示面429aでは、シャッタ551が振動するように共通用駆動モータ561が駆動制御されている状況においてシャッタ551の振動に対応した画像による演出が表示される。
ここで、以上説明した表示面振動用リーチでは図柄表示装置429及びシャッタ551のうち図柄表示装置429のみが振動するように表示用駆動モータ521が駆動制御されるとともに、シャッタ振動用リーチでは図柄表示装置429及びシャッタ551のうちシャッタ551のみが振動するように共通用駆動モータが駆動制御される。例えば、図柄表示装置429及びシャッタ551の両方を同時に振動させる構成も考えられるが、そうすると、図柄表示ユニット461の初期状態において開口部435内に表示面429aとシャッタ551との間に隙間が生じてしまうことが想定され、見た目上好ましくない。これに対して、図柄表示装置429が振動する場合にはシャッタ551が振動しないようにするとともに、シャッタ551が振動する場合には図柄表示装置429が振動しないようにすることで、見た目上好ましいものとしながら、既に説明した演出効果を生じさせることができる。
振動用処理(図70)の説明に戻り、ステップS1608にて、シャッタ振動用リーチ中であると判定した場合には、ステップS1611にて、上記変動表示パターンの情報と当該遊技回の経過時間とを参照することで、シャッタ振動用リーチの終了タイミングであるか否かを判定する。シャッタ振動用リーチの終了タイミングでない場合には、そのまま本振動用処理を終了し、シャッタ振動用リーチの終了タイミングである場合には、ステップS1612に進む。ステップS1612では、共通用駆動モータ561の正逆動作を終了させるための処理を実行し、その後、本振動用処理を終了する。
ステップS1612の処理が実行されることにより、シャッタ振動状態フラグが消去されてシャッタ振動状態が解除されることで、上記シャッタ551用の駆動信号出力処理において正回転用信号及び逆回転用信号が交互に出力される状態が終了される。なお、当該終了タイミングは、シャッタ振動用リーチが実行される遊技回が終了したタイミングとして設定されているが、これに限定されることはなく、当該遊技回の途中タイミングとして設定されていてもよい。
次に、図柄表示ユニット461を初期状態又はマルチ表示状態に切り換えるためのマルチ表示用処理について、図72のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1701では、図柄表示装置429において図柄の変動表示中であるか否かを判定する。図柄の変動表示中でない場合にはそのまま本マルチ表示用処理を終了する。図柄の変動表示中である場合にはステップS1702にて、マルチ表示用リーチの実行中であるか否かを判定する。この判定は、今回の遊技回の開始に際して決定されている変動表示パターンの情報と、当該遊技回の経過時間とを参照することで行われる。
マルチ表示用リーチの実行中でない場合には、ステップS1703にて、上記変動表示パターンの情報と当該遊技回の経過時間とを参照することで、マルチ表示用リーチの開始タイミングであるか否かを判定する。マルチ表示用リーチの開始タイミングでない場合には、そのまま本マルチ表示用処理を終了し、マルチ表示用リーチの開始タイミングである場合には、ステップS1704〜ステップS1706の処理を実行した後に、本マルチ表示用処理を終了する。
ステップS1704では、マルチ表示状態の設定処理を実行する。具体的には、ワークRAM602に設けられたマルチ表示状態フラグの格納エリアにマルチ表示状態フラグを格納することで、マルチ表示状態に設定する。
続くステップS1705では、表示面傾斜用の駆動開始処理を実行する。具体的には、ワークRAM602に設けられたマルチ表示切換フラグの格納エリアにマルチ表示切換フラグを格納することで、マルチ表示切換状態に設定する。当該マルチ表示切換状態に設定されることにより、図示しない図柄表示装置429用の駆動信号出力処理にて、表示用駆動モータ521に対して、図柄表示装置429の第1動作用信号として正回転用信号が、図柄表示装置429が傾斜位置となるまで出力される。なお、図柄表示装置429が傾斜位置に配置された段階で、マルチ表示切換フラグが消去されて、マルチ表示切換状態が解除される。
続くステップS1706では、ミラーユニット配置用の駆動開始処理を実行する。具体的には、ワークRAM602に設けられたミラーユニット配置用フラグの格納エリアにミラーユニット配置用フラグを格納することで、ミラーユニット配置用の切換状態に設定する。当該切換状態に設定されることにより、図示しない可動物ユニット485用の駆動信号出力処理にて、共通用駆動モータ561に対して、可動物ユニット485の第1動作用信号として正回転用信号が、ミラーユニット541がマルチ表示用位置となるまで出力される。ミラーユニット541がマルチ表示用位置に向けて移動する場合には、シャッタ551が退避位置に向けて移動することとなり、ミラーユニット541がマルチ表示用位置に配置された状態ではシャッタ551が退避位置に配置された状態となる。なお、ミラーユニット541がマルチ表示用位置に配置された段階で、ミラーユニット配置用フラグが消去されて、ミラーユニット配置用の切換状態が解除される。
上記ステップS1704〜ステップS1706の処理が実行されることに起因して、図柄表示ユニット461が初期状態からマルチ表示状態に切り換えられる。この状態では、図柄表示装置429の表示面429aにてマルチ表示用の画像が表示される。これについては、VDP583や画像処理デバイス606による処理の説明に際して合わせて説明する。
一方、ステップS1702にて、マルチ表示用リーチ中であると判定した場合には、ステップS1707にて、上記変動表示パターンの情報と当該遊技回の経過時間とを参照することで、マルチ表示用リーチの終了タイミングであるか否かを判定する。マルチ表示用リーチの終了タイミングでない場合には、そのまま本マルチ表示用処理を終了し、マルチ表示用リーチの終了タイミングである場合には、ステップS1708〜ステップS1710の処理を実行した後に、本マルチ表示用処理を終了する。
ステップS1708では、マルチ表示状態の解除処理を実行する。具体的には、ワークRAM602からマルチ表示状態フラグを消去することで、マルチ表示状態を解除する。
続くステップS1709では、表示面復帰用の駆動開始処理を実行する。具体的には、ワークRAM602に設けられた復帰切換フラグの格納エリアに復帰切換フラグを格納することで、復帰切換状態に設定する。当該復帰切換状態に設定されることにより、図示しない図柄表示装置429用の駆動信号出力処理にて、表示用駆動モータ521に対して、図柄表示装置429の第2動作用信号として逆回転用信号が、図柄表示装置429が初期位置となるまで出力される。
なお、図柄表示装置429が初期位置に復帰された段階で、復帰切換フラグが消去されて、復帰切換状態が解除される。また、ステップS1705及びステップS1709の実行に基づき各種信号の出力を実行するための図柄表示装置429用の駆動信号出力処理は、図柄表示装置429を振動させる場合にも実行されるとともに、図柄表示装置429の正回転用信号及び逆回転用信号は当該図柄表示装置429を振動させる場合にも出力される信号である。
続くステップS1710では、シャッタ配置用の駆動開始処理を実行する。具体的には、ワークRAM602に設けられたシャッタ配置用フラグの格納エリアにシャッタ配置用フラグを格納することで、シャッタ配置用の切換状態に設定する。当該切換状態に設定されることにより、図示しない可動物ユニット485用の駆動信号出力処理にて、共通用駆動モータ561に対して、可動物ユニット485の第2動作用信号として逆回転用信号が、シャッタ551が閉塞位置となるまで出力される。シャッタ551が閉塞位置に向けて移動する場合には、ミラーユニット541が退避位置に向けて移動することとなり、シャッタ551が閉塞位置に配置された状態ではミラーユニット541が退避位置に配置された状態となる。
なお、シャッタ551が閉塞位置に配置された段階で、シャッタ配置用フラグが消去されて、シャッタ配置用の切換状態が解除される。また、ステップS1706及びステップS1710の実行に基づき各種信号の出力を実行するための可動物ユニット485用の駆動信号出力処理は、シャッタ551を振動させる場合にも実行されるとともに、可動物ユニット485の正回転用信号及び逆回転用信号はシャッタ551を振動させる場合にも出力される信号である。
上記ステップS1708〜ステップS1710の処理が実行されることに起因して、図柄表示ユニット461がマルチ表示状態から初期状態に切り換えられる。この状態では、図柄表示装置429の表示面429aにてマルチ表示用の画像が表示される。これについては、VDP583や画像処理デバイスによる処理の説明に際して合わせて説明する。
<VDP583による処理>
次に、表示制御装置483のVDP583により実行される描画処理について説明する。
ここで、描画処理の説明に先立ち、図柄表示装置429の表示面429aに画像を表示するための電気的構成について、図69及び図73を参照しながら説明する。図73(a)はビデオRAM604の描画用領域612の構成を説明するための説明図、図73(b)は画像処理デバイス606のデバイス用バッファ614の構成を説明するための説明図、図73(c)は画像処理デバイス606による液晶表示部491の駆動の様子を説明するための説明図である。
ビデオRAM604には、既に説明したように、描画用領域612が設けられており、当該描画用領域612には、複数の単位フレーム用エリア615が設定されている。なお、これら複数の単位フレーム用エリア615は同一の記憶容量となっており、図73(a)には、一方の単位フレーム用エリア615を示している。
各単位フレーム用エリア615は、各描画タイミングにおける図柄表示装置429の表示面429aでの1フレーム分の描画データを、キャッシュ領域611に読み出されている画像データを加工することでビデオRAM604内において作成する場合に用いられるエリアである。当該単位フレーム用エリア615が複数設定されていることにより、一の単位フレーム用エリアに作成された描画データを用いて描画処理が実行されている状況において、他の単位フレーム用エリアに対して今後用いられる描画データの作成が実行される。つまり、描画用領域612には、ダブルバッファ方式が採用されており、各単位フレーム用エリア615はフレームバッファとして機能する。
これら単位フレーム用エリア615にはそれぞれ、図柄表示装置429の表示面429aの画素(すなわち、単位画素領域495)に1対1で対応させて多数の単位エリアが含まれている。各単位エリアは、対応する単位画素領域495にていずれの色を表示するかを特定するためのデータを格納可能な記憶容量を有している。具体的には、本パチンコ機10では、フルカラー方式が採用されており、各単位画素領域495においてRGBのそれぞれに256色の設定が可能となっている。これに対応させて、各単位エリアにおいては、RGB各色に1バイト(8ビット)が割り当てられている。つまり、各単位エリアは、3バイトの記憶容量を有している。なお、フルカラー方式に限定されることはなく、例えば各単位画素領域495において256色のみ表示可能な構成においては、各単位エリアの記憶容量は1バイトでよい。
各単位フレーム用エリア615は、図73(a)に示すように、複数のエリア615a,615bに区画されており、上側描画フレーム(第1描画フレーム又は奇数用描画フレーム)615aと、下側描画フレーム(第2描画フレーム又は偶数用描画フレーム)615bとを備えている。上側描画フレーム615aは、図柄表示ユニット461の初期表示状態では、液晶表示部491における上側表示領域496及び下側表示領域497の両方に対応しているとともに、図柄表示ユニット461のマルチ表示状態では、液晶表示部491における上側表示領域496に対応している。また、下側描画フレーム251bは、図柄表示ユニット461のマルチ表示状態において液晶表示部491における下側表示領域497に対応している。なお、図73(c)には、液晶表示部491が上側表示領域496及び下側表示領域497に区画されている模式図を示す。
VDP583は、既に説明したように、描画用領域612に格納された描画データを、描画信号用の信号経路SC1を通じて図柄表示装置429の画像処理デバイス606に転送する。ここで、当該描画信号用の信号経路SC1について、詳細に説明する。描画信号用の信号経路SC1は、図69に示すように、表示制御基板581上に設けられた描画信号用信号線群621と、表示制御基板581と図柄表示装置429とを電気的に接続するように設けられたコネクタユニットとしての描画信号用ハーネス622と、図柄表示装置429に設けられた描画信号用信号線群623と、を備えている。
描画信号用信号線群621の信号線数、描画信号用ハーネス622の信号線数及び描画信号用信号線群623の信号線数は、液晶表示部491における縦方向の単位画素領域495(図58(a)参照)の数に対して半分の数である。つまり、描画信号用の信号経路SCは、上側表示領域496を構成する横ライン領域の数(すなわち、下側表示領域497を構成する横ライン領域の数)に1対1で対応した単位信号経路を備えている。
単位フレーム用エリア615に格納されている描画データの転送に際しては、液晶表示部491において上側表示領域496を構成する各単位画素領域495に対応した描画データが縦方向に一列分ずつパラレルで転送されるとともに、その後に液晶表示部491において下側表示領域497を構成する各単位画素領域495に対応した描画データが縦方向に一列分ずつパラレルで転送される。より詳細には、単位フレーム用エリア615の上側描画フレーム615aに描画データが格納されている場合には当該描画データが縦方向に一列分ずつパラレルで転送されるとともに、単位フレーム用エリア615の下側描画フレーム615bに描画データが格納されている場合には、上側描画フレーム615aの描画データの転送が完了した後に、当該下側描画フレーム615bの描画データが縦方向に一列分ずつパラレルで転送される。
ちなみに、上記構成の場合、描画データを転送する場合の1単位の情報は、1個の単位画素領域495に対応したデータとみなすことができるとともに、上側表示領域496(又は下側表示領域497)の単位画素領域495における縦方向に一列分のデータとみなすこともできる。
また、VDP583は、描画信号用の信号経路SC1とは別に設けられた転送信号用の信号経路(転送信号用の転送経路)SC2を通じて画像処理デバイス606と電気的に接続されている。当該転送信号用の信号経路SC2は図69に示すように、表示制御基板581上に設けられた転送信号用信号線群626と、表示制御基板581と図柄表示装置429とを電気的に接続するように設けられたコネクタユニットとしての転送信号用ハーネス627と、図柄表示装置429に設けられた転送信号用信号線群628と、を備えている。
転送信号用の信号経路SC2を通じて第1転送信号又は第2転送信号がVDP583から画像処理デバイス606に転送される。画像処理デバイス606では、第1転送信号を受信している場合には、現状転送されている描画用信号が上側表示領域496に係るものであると認識し、第2転送信号を受信している場合には、現状転送されている描画用信号が下側表示領域497に係るものであると認識する。
画像処理デバイス606は、既に説明したように、デバイス用バッファ614を備えている。デバイス用バッファ614には、図柄表示装置429の表示面429aの画素(すなわち、単位画素領域495)に1対1で対応させて多数の単位エリアが含まれている。VDP583から画像処理デバイス606へと転送された描画データはデバイス用バッファ614に書き込まれる。
デバイス用バッファ614は、図73(b)に示すように、複数のエリア614a,614bに区画されており、上側デバイスフレーム(第1デバイスフレーム又は奇数用デバイスフレーム)614aと、下側デバイスフレーム(第1デバイスフレーム又は偶数用デバイスフレーム)614bとを備えている。上側デバイスフレーム614aには、画像処理デバイス606にて第1転送信号を受信している場合に転送された描画データが書き込まれ、下側デバイスフレーム614bには、画像処理デバイス606にて第2転送信号を受信している場合に転送された描画データが書き込まれる。
画像処理デバイス606では、デバイス用バッファ614に書き込まれた描画データを液晶表示部491に対して描画することにより、表示面429aにおいて所定の画像を表示させる。この場合、デバイス用バッファ614の上側デバイスフレーム614aに格納されている描画データが液晶表示部491の上側表示領域496に描画され、デバイス用バッファ614の下側デバイスフレーム614bに格納されている描画データが液晶表示部491の下側表示領域497に描画される。
以上の構成を踏まえ、描画処理を図74のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該描画処理は、VDP583において定期的(例えば、2msec)に繰り返し起動される。
描画処理では、先ずステップS1801にて、表示CPU582から入力している描画指示情報に基づいて、描画データの作成タイミング又は転送タイミングであるか否かを判定する。ちなみに、描画指示情報は、表示面429aにおける1フレーム分の描画指示が設定された情報であり、ビットマップ画像のデータ情報及びビットマップ画像の各ドットの表示色を決定するための色パレットテーブルの情報が含まれている。
描画データの作成タイミング及び転送タイミングのいずれでもない場合には、そのまま本描画処理を終了し、作成タイミング又は転送タイミングのいずれかである場合には、ステップS1802に進む。ステップS1802では、マルチ表示状態であるか否かを判定し、マルチ表示状態でない場合には、ステップS1803にて、各種切換状態であるか否かを判定する。
なお、表示CPU582においてマルチ表示状態に設定された場合にその旨の内部コマンドがVDP583に出力されることで当該VDP583においてマルチ表示状態の設定が行われるとともに、表示CPU582においてマルチ表示状態が解除された場合にその旨の内部コマンドがVDP583に出力されることで当該VDP583においてマルチ表示状態が解除される。また、表示CPU582においてマルチ表示切換状態や復帰切換状態に設定された場合にその旨の内部コマンドがVDP583に出力されることで当該VDP583において各種切換状態の設定が行われるとともに、表示CPU582においてマルチ表示切換状態又は復帰切換状態が解除された場合にその旨の内部コマンドがVDP583に出力されることで当該VDP583において各種切換状態が解除される。
各種切換状態でない場合には、ステップS1804にて、通常表示用の描画処理を実行した後に、本描画処理を終了し、各種切換状態である場合には、ステップS1805にて、切換時用の描画処理を実行した後に、本描画処理を終了する。また、ステップS1802にて、マルチ表示状態であると判定した場合には、ステップS1806にて、マルチ表示用の描画処理を実行した後に、本描画処理を終了する。
以下、ステップS1804における通常表示用の描画処理及びステップS1806におけるマルチ表示用の描画処理について、フローチャートを参照しながら詳細に説明する。
ちなみに、ステップS1805の切換時用の描画処理では、表示面429aにおいて全面白色表示又は全面黒色表示といった全面同一色表示がなされるように、単位フレーム用エリア615への描画データの作成処理及びデバイス用バッファ614へのデータ転送処理が実行される。例えば、非マルチ表示用の画像を表示しながら図柄表示装置429が回動されると、可動物ユニット485の第1反射面542a及び第2反射面543aにて上記非マルチ表示用の画像が映し出されてしまう。また、マルチ表示用の画像を表示しながら図柄表示装置429が回動されると、遊技者は表示面429aにおいて上側表示用の画像と下側表示用の画像とが混在した表示を一時的に視認することとなってしまう。これに対して、上記同一色表示の設定を行うことで、図柄表示装置429が回動されている間は、表示面429aを視認したとしても同一色の表示のみが視認可能であり、それを映し出す第1反射面542a及び第2反射面543aを視認したとしても同一色の表示のみが視認可能となるため、表示の視認を違和感のないものとしつつ、図柄表示装置429の回動を良好に行うことができる。
なお、上記切換時において表示の視認を違和感のないものとするための構成としては、全面同一色表示がなされる構成に限定されることはなく、上下反転させていない状態及び上下反転させた状態のいずれにおいても違和感なく視認できるような幾何学模様等が表示される構成としてもよい。
ステップS1804における通常表示用の描画処理について、図75のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1901では、ビデオRAM604への転送処理を実行する。具体的には、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、ビデオRAM604へキャラクタROM603の画像データを転送するタイミングであるか否かを判定する。そして、当該転送タイミングであると判定した場合には、そのタイミングに対応した画像データをビデオRAM604に転送する。
続くステップS1902では、上側描画フレーム615aに対する描画データの作成処理を実行する。具体的には、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、描画データの作成タイミングであるか否かを判定する。そして、作成タイミングであると判定した場合には、今回の作成対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aに対して、今回のタイミングに対応した描画データを作成する。この描画データの作成に際しては、ビデオRAM604に既に転送されている画像データが用いられる(又は加工される)。キャラクタROM603に比べ、ビデオRAM604はデータの読み出し速度が速いものであるため、上記のようにビデオRAM604に一旦読み出した画像データを用いて描画データを作成することで、当該描画データの作成時間の短縮化が図られる。
ここで、通常表示用の描画処理では、単位フレーム用エリア615のうち上側描画フレーム615aに対して描画データの作成が行われるが、下側描画フレーム615bに対しては描画データの作成が行われない。したがって、当該下側描画フレーム615bは空き領域となる。そこで、通常表示用の描画処理が実行される状況では、当該下側描画フレーム615bはキャッシュ領域611と同様に、キャラクタROM603からの画像データの転送先エリアとして用いられる。これにより、ビデオRAM604のエリアの有効活用が図られるとともに、通常表示用の描画処理においてはマルチ表示用の描画処理に比べ大容量の画像データをビデオRAM604に一度に読み出すことができる。よって、通常表示用の描画処理では、マルチ表示用の描画処理に比べ、多様な画像又は描画に必要な画像データの容量が大きい画像を表示させることができる。
続くステップS1903では、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、第1転送タイミングであるか否かを判定する。当該転送タイミングである場合には、ステップS1904にて、転送信号用の信号経路SC2を通じた第1転送信号の出力を開始する。続くステップS1905では、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aに現状格納されている描画データが画像処理デバイス606へ転送されるようにデータの転送状態を設定する。
ステップS1903にて否定判定をした場合又はステップS1905の実行後は、ステップS1906にて、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、第2転送タイミングであるか否かを判定する。当該転送タイミングである場合には、ステップS1907にて、転送信号用の信号経路SC2を通じた第2転送信号の出力を開始する。続くステップS1908では、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における下側描画フレーム615bではなく上側描画フレーム615aに現状格納されている描画データが画像処理デバイス606へ転送されるようにデータの転送状態を設定する。
ステップS1906にて否定判定をした場合又はステップS1908の実行後は、本通常表示用の描画処理を終了する。
次に、ステップS1806におけるマルチ表示用の描画処理について、図76のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、ビデオRAM604への転送処理を実行する。当該転送処理の内容は、ステップS1901と基本的に同様であるが、後述するようにマルチ表示用の描画処理では単位フレーム用エリア615における下側描画フレーム615bにも描画データが作成されるため、当該下側描画フレーム615bは画像データの読み出し用には利用されない。つまり、当該ステップS2001では、キャッシュ領域611のみが画像データの読み出し用に利用される。
続くステップS2002では、反転させた状態での上側描画フレーム615aに対する描画データの作成処理を実行する。具体的には、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、上側描画フレーム615aへの描画データの作成タイミングであるか否かを判定する。そして、作成タイミングであると判定した場合には、今回の作成対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aに対して、今回のタイミングに対応した描画データを作成する。この場合に、描画指示情報に指示された状態で描画データを作成すると、当該描画データに対応した画像を液晶表示部491の上側表示領域496に表示した場合に上側表示領域496には所定の画像が上下逆になった状態で映し出されることとなる。
既に説明したように、上側表示領域496に表示される画像は、マルチビュー表示において第1反射面542a及び第2反射面543aにて反射された後に遊技者に視認されるため、第1反射面542a及び第2反射面543aにおける反射が表示面429aの上方にて行われる構成においては、第1反射面542a及び第2反射面543aに映し出される画像は表示面429aに表示されている画像を上下反転させたものとなる。これに対して、上側表示領域496にて上下反転した状態の画像が表示されるように、上側描画フレーム615aに対して描画データが作成されることで、第1反射面542a及び第2反射面543aにて映し出される画像は本来、遊技者に視認させるべき画像となる。
続くステップS2003では、下側描画フレーム615bに対する描画データの作成処理を実行する。具体的には、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、下側描画フレーム615bへの描画データの作成タイミングであるか否かを判定する。そして、作成タイミングであると判定した場合には、今回の作成対象の単位フレーム用エリア615における下側描画フレーム615bに対して、今回のタイミングに対応した描画データを作成する。この描画データは、ステップS2003の場合と異なり、画像が上下反転した状態とならないように作成される。
続くステップS2004では、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、第1転送タイミングであるか否かを判定する。当該転送タイミングである場合には、ステップS2005にて、転送信号用の信号経路SC2を通じた第1転送信号の出力を開始する。続くステップS2006では、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aに現状格納されている描画データが画像処理デバイス606へ転送されるようにデータの転送状態を設定する。
ステップS2004にて否定判定をした場合又はステップS2006の実行後は、ステップS2007にて、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、第2転送タイミングであるか否かを判定する。当該転送タイミングである場合には、ステップS2008にて、転送信号用の信号経路SC2を通じた第2転送信号の出力を開始する。続くステップS2009では、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における下側描画フレーム615bに現状格納されている描画データが画像処理デバイス606へ転送されるようにデータの転送状態を設定する。
<画像処理デバイス606による処理>
次に、画像処理デバイス606によるデバイス側処理を、図77に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該デバイス側処理は、画像処理デバイス606において定期的(例えば、2msec)に繰り返し起動される。
ステップS2101では、VDP583から第1転送信号を受信しているか否かを判定する。第1転送信号を受信している場合には、ステップS2102にて、VDP583から受信している描画データが、デバイス用バッファ614のうち上側デバイスフレーム614aに格納されるようにデータの格納状態を設定する。
ステップS2101にて否定判定をした場合又はステップS2102の実行後は、ステップS2103にて、VDP583から第2転送信号を受信しているか否かを判定する。第2転送信号を受信している場合には、ステップS2104にて、VDP583から受信している描画データが、デバイス用バッファ614のうち下側デバイスフレーム614bに格納されるようにデータの格納状態を設定する。
ステップS2103にて否定判定をした場合又はステップS2104の実行後は、ステップS2105にて、描画タイミングであるか否かを判定する。描画タイミングでない場合にはそのまま本デバイス側処理を終了し、描画タイミングである場合にはステップS2106に進む。
ステップS2106では、液晶表示部491における今回の描画対象が縦方向に奇数番目の横ライン領域であるか否かを判定し、奇数番目である場合にはステップS2107にて、上側デバイスフレーム614aの対応するエリアからの出力処理を実行する一方、偶数番目である場合にはステップS2108にて、下側デバイスフレーム614bの対応するエリアからの出力処理を実行する。その後、本デバイス側処理を終了する。
<描画データの作成及び転送の様子>
次に、上記各処理が実行されることによる描画データの作成及び転送の様子について説明する。
先ず、図78(a)を参照しながら、通常表示が行われる場合における描画データの作成及び転送の様子を説明する。
通常表示が行われる場合には、ビデオRAM604の各単位フレーム用エリア615には、上側描画フレーム615aに対してのみ描画データ(「A1」及び「A2」)が作成される。この場合、各単位フレーム用エリア615の下側描画フレーム615bは空き領域となっている。
VDP583は、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aに格納された描画データ(「A1」)を、先ず転送信号用の信号経路SC2を通じて第1転送信号を出力している状態で、描画信号用の信号経路SC1を通じて転送し、当該転送が完了した後に、今度は転送信号用の信号経路SC2を通じて第2転送信号を出力している状態で、同じく上側描画フレーム615aに格納された描画データを、描画信号用の信号経路SC1を通じて転送する。これにより、画像処理デバイス606のデバイス用バッファ614における上側デバイスフレーム614a及び下側デバイスフレーム614bのそれぞれには、同一の描画データ(「A1」)が格納される。
画像処理デバイス606は、上側デバイスフレーム614aに格納された描画データを、液晶表示部491の上側表示領域496に出力するとともに、下側デバイスフレーム614bに格納された描画データを、液晶表示部491の下側表示領域497に出力する。ここで、マルチビュー表示を行わない通常表示では図柄表示ユニット461が初期状態となっており、遊技者は図柄表示装置429の表示面429aを基本的に正面から視認することとなる。そうすると、図柄表示装置429の視差バリアパネル494が図58(b)に示すように設けられた構成においては、遊技者は液晶表示部491の上側表示領域496及び下側表示領域497に表示された画像の両方を同時に視認することとなる。その一方、上記のとおり、液晶表示部491において上側表示領域496と下側表示領域497とは縦方向に1画素単位で交互に並ぶように設定されている。この場合に、上記のとおり上側表示領域496及び下側表示領域497に同一の描画データを出力する。より詳細には、1ラインの上側表示領域496と当該上側表示領域496に連続する1ラインの下側表示領域497の組み合わせに対して同一の描画が行われるようにするとともに、各組み合わせ毎に上記同一の描画データに応じて異なる描画が行われるようにする。これにより、図柄表示装置429の表示面429aでは、上記同一の描画データが表示面429aの全体に広げられた状態で表示される。
上記構成とすることにより、通常表示が行われる場合には、各単位フレーム用エリア615には、上側描画フレーム615aに対してのみ描画データが作成される構成において、表示面429aではその全体にて、詳細には全ての単位画素領域495を用いて画像が表示される。よって、通常表示が行われる場合に、表示面429aを視認した遊技者が違和感を抱きづらくなる。特に、上記のとおり、上側表示領域496と下側表示領域497とは縦方向に1画素単位で交互に並ぶように設定されているとともに、同一の描画が行われるのは1ラインの上側表示領域496と当該上側表示領域496に連続する1ラインの下側表示領域497の組み合わせに限られるため、表示面429aを視認した遊技者が違和感を抱きづらくなるという効果が高められる。
また、通常表示における上側表示用の描画データと下側表示用の描画データとを共通のものとすることができる。よって、上側表示用の描画データと下側表示用の描画データとに対応した画像データを個別に記憶させておく構成に比して、キャラクタROM603に記憶させておくべき画像データのデータ容量を削減することが可能となる。
次に、図78(b)を参照しながら、マルチビュー表示が行われる場合における描画データの作成及び転送の様子を説明する。
マルチビュー表示が行われる場合には、ビデオRAM604の各単位フレーム用エリア615には、上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bのそれぞれに対して描画データが作成される(「B1」及び「C1」の組み合わせ、「B2」及び「C2」の組み合わせ)。この場合、上側描画フレーム615aには、通常表示の場合を基準として、上下反転させた状態で描画データが作成され、下側描画フレーム615bには、上下反転させていない状態で描画データが作成される。
VDP583は、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aに格納された描画データ(「B1」)を、転送信号用の信号経路SC2を通じて第1転送信号を出力している状態で、描画信号用の信号経路SC1を通じて転送し、当該転送が完了した後に、今度は転送信号用の信号経路SC2を通じて第2転送信号を出力している状態で、同一の単位フレーム用エリア615における下側描画フレーム615bに格納された描画データ(「C1」)を、描画信号用の信号経路SC1を通じて転送する。これにより、画像処理デバイス606のデバイス用バッファ614における上側デバイスフレーム614aには上側表示用の描画データが上下反転された状態で格納されるとともに、下側デバイスフレーム614bには下側表示用の描画データが上下反転されていない状態で格納される。
画像処理デバイス606は、上側デバイスフレーム614aに格納された描画データを、液晶表示部491の上側表示領域496に出力するとともに、下側デバイスフレーム614bに格納された描画データを、液晶表示部491の下側表示領域497に出力する。上側表示領域496に表示された画像は、第1反射面542a及び第2反射面543aにて反射された後に遊技者に視認され、下側表示領域497に表示された画像は表示面429aにおいて遊技者に直接視認される。これにより、開口部435を通じて遊技者に視認される表示領域の拡張を、単一の図柄表示装置429を用いて実現することができる。
ここで、上記のように通常表示が行われる状況では単位フレーム用エリア615において上側描画フレーム615aにのみ描画データが作成されるとともに、マルチビュー表示が行われる状況では単位フレーム用エリア615において上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bの両方に描画データが作成される構成において、デバイス用バッファ614には通常表示が行われる状況及びマルチビュー表示が行われる状況のいずれであっても、上側デバイスフレーム614a及び下側デバイスフレーム614bの両方に描画データが転送される。また、上側デバイスフレーム614aに転送される描画データは上側表示領域496の全ての単位画素領域495に対応したものであるとともに、下側デバイスフレーム614bに転送される描画データは下側表示領域497の全ての単位画素領域495に対応したものである。これにより、画像処理デバイス606は、通常表示が行われる状況及びマルチビュー表示が行われる状況のいずれであっても同様の描画処理を実行すればよいため、画像処理デバイス606の構成の複雑化を抑えることができる。
また、VDP583は、通常表示が行われる状況及びマルチビュー表示が行われる状況のいずれであっても、上側デバイスフレーム614aに向けた描画データの転送が完了した後に、下側デバイスフレーム614bに向けた描画データの転送を行う。これにより、両状況において共通の転送経路を用いることができ、ハード構成の簡素化が図られる。
また、VDP583は、上側デバイスフレーム614aに向けた描画データの転送に際しては第1転送信号を送信するとともに、下側デバイスフレーム614bに向けた描画データの転送に際しては第2転送信号を送信するものである。そして、画像処理デバイス606は、第1転送信号を受信している状況で転送されてきた描画データは上側デバイスフレーム614aに格納し、第2転送信号を受信している状況で転送されてきた描画データは下側デバイスフレーム614bに格納する。これにより、画像処理デバイス606は、通常表示が行われる状況及びマルチビュー表示が行われる状況のいずれであっても同様の描画データの格納処理を実行すればよいため、画像処理デバイス606の構成の複雑化を抑えることができる。
特に、マルチビュー表示が行われる状況では、下側表示領域497に表示される画像は上下反転された状態のものとなるが、当該上下反転された状態での描画データはVDP583において作成され、画像処理デバイス606はその描画データを液晶表示部491に対して単純に描画すればよい構成である。よって、この点からも画像処理デバイス606の構成の複雑化を抑えることができる。
<図柄表示ユニット461の表示領域における表示内容>
次に、表示面429a及び各反射面542a,543aを含めた図柄表示ユニット461の表示領域における表示内容について、遊技回用の演出を例に挙げて説明する。図79(a)はマルチ表示用リーチが行われていない状況における表示内容を説明するための説明図、図79(b)はマルチ表示用リーチが行われている状況における表示内容を説明するための説明図である。
マルチ表示用リーチが行われていない状況では、図79(a)に示すように、図柄表示ユニット461は初期状態であり、表示面429aが遊技盤423に対して平行又は略平行となっている。この場合、マルチビュー表示は行われておらず、例えば図79(a)に示すように、表示面429aに複数の表示領域が設定された状態において、各表示領域にて複数の図柄が所定の順序で変動表示される。なお、表示面429aの全体には所定の背景画像が表示されている。
マルチ表示用リーチが行われている状況では、図79(b)に示すように、図柄表示ユニット461はマルチ表示状態であり、表示面429aがその下縁側を回動軸として遊技盤423に対して35度後方に傾斜した状態となっているとともに、表示面429aに直交した状態の各反射面542a,543aが開口部435を通じて視認可能となっている。この場合、マルチビュー表示が行われており、遊技者から見た場合、各反射面542a,543aにて反射される画像は、表示面429aが同一平面上において上方に延長された位置にて表示されるように視認される。
当該マルチ表示用リーチでは、例えば図79(b)に示すように、表示面429aから直接視認される画像として、所定の背景画像上に複数のキャラクタCH1,CH2が表示されている。これら複数のキャラクタCH1,CH2は、表示面429aの奥行き方向に相対的に近い側及び遠い側に配置されていると遊技者に認識されるように表示されている。また、近い側のキャラクタCH1が射撃を行うキャラクタとして表示されるとともに、遠い側のキャラクタCH2が射撃されるキャラクタとして表示される。
各反射面542a,543aのうち相対的に面積が広い第1反射面542aでは、遠い側のキャラクタCH2が表示面429aから直接視認される大きさよりも拡大されているように表示される。つまり、第1反射面542aが銃器の照準器としての役目を有しているかのように、表示面429aの上側表示領域496において第1反射面542aにて反射される画像を表示する領域が表示制御される。一方、各反射面542a,543aのうち相対的に面積が狭い第2反射面543aでは、近い側のキャラクタCH1による遠い側のキャラクタCH2への射撃の結果が表示される。つまり、第2反射面543aが射撃結果報知用の役目を有しているかのように、表示面429aの上側表示領域496において第2反射面543aにて反射される画像を表示する領域が表示制御される。なお、当該マルチ表示用リーチでは、当該遊技回の遊技結果が大当たり結果である場合には、近い側のキャラクタCH1による射撃の結果、遠い側のキャラクタCH2が破壊されたように画像が表示され、大当たり結果でない場合には破壊が失敗したように画像が表示される。
ここで、第1反射面542a及び第2反射面543aの両方を合わせた総面積は表示面429aの面積よりも狭く設定されており、表示面429aには第1反射面542a及び第2反射面543aにより反射されない領域が存在する。この反射されない領域に含まれる上側表示領域496は、ブランク領域として設定されており、当該ブランク領域では黒色表示や白色表示といった同一色表示がなされる。
つまり、マルチビュー表示が行われる状況では、VDP583は、表示CPU582からの描画指示に基づき上側表示領域496に対応した描画データを作成する場合に、各反射面542a,543aに反射されることとなる領域については反射させるための画像に対応した描画データを作成し、ブランク領域については同一色表示を行わせるための描画データを作成する。この場合、同一色表示が地色に対応している場合には、描画データにおけるブランク領域に対応したデータとして地色を表示させるためのデータが設定される構成としてもよい。また、地色を表示させるためのデータが描画用領域612における各単位画素領域495に対応したエリアにおいて初期値として設定されている構成においては、その初期値を維持するように描画データが設定される構成としてもよい。また、描画データの一部に表示面429aの初期状態を維持するためのデータが含まれている場合、そのデータを受信した画像処理デバイス606では、そのデータに対応した単位画素領域495に対して初期状態とするための出力を行う。ちなみに、黒色表示を行った場合、表示面429aの全体的な輝度を抑えることができ、白色表示を行った場合、表示面429aの全体的な輝度を高めることができる。
なお、表示面429aにおいて第1反射面542aに反射される画像が表示される領域として設定されている範囲を第1反射面542aよりも広く設定してもよく、同様に、表示面429aにおいて第2反射面543aに反射される画像が表示される領域として設定されている範囲を第2反射面543aよりも広く設定してもよい。この場合、遊技者の視点の高さが縦方向に所定の範囲で変動したとしても、第1反射面542aや第2反射面543aにブランク領域に表示されている画像が映し出されづらくなる。
また、前扉枠14に遊技者が手動操作可能な操作部を設け、上記マルチ表示用リーチでは遊技者が操作部を操作することで、近い側のキャラクタCH1による射撃の照準を定めたり、射撃操作を行える構成としてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
デュアルビュー表示を行うことが可能な図柄表示装置429と、当該図柄表示装置429の表示面429aに表示されている画像を反射させることが可能な反射面542a,543aを有するミラーユニット541と、を備えた図柄表示ユニット461が設けられており、当該図柄表示ユニット461のマルチ表示状態においては、表示面429aがパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように図柄表示装置429が配置されるとともに、表示面429aの上方において反射面542a,543aがパチンコ機10後方に向けて下り傾斜となるようにミラーユニット541が配置されることで、表示面429aの下側に向けて表示された画像がパチンコ機10前方の所定の位置から直接視認可能となるとともに、表示面429aの上側に向けて表示された画像は反射面542a,543aに映し出されることでパチンコ機10前方の所定の位置から視認可能となる。つまり、上記マルチ表示状態においては、表示面429a及び反射面542a,543aが画像を表示するための領域として構成され、さらに表示面429a及び反射面542a,543aのそれぞれにおいて異なる画像を表示することが可能となる。これにより、表示面429aのみにおいて画像の表示が行われる構成に比べ、画像を表示するための領域の大型化を図ることができる。
特に、上記マルチ表示状態は、上記のとおり、表示面429aがパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように図柄表示装置429が配置されるとともに、表示面429aの上方において反射面542a,543aがパチンコ機10後方に向けて下り傾斜となるようにミラーユニット541が配置されるため、遊技盤423の開口部435に比して大きな表示領域を確保することが可能となり、結果的に開口部435を大型化することなく比較的大型な表示領域を確保することが可能となる。さらには、開口部435に比して大きな表示領域を確保した状態での図柄表示ユニット461の前後方向寸法を小型化することができる。
例えば、開口部435を大型化して比較的大型な表示領域を確保する構成も想定されるが、この場合、遊技領域において遊技球が流下可能な領域を縮小する必要が生じる。そうすると、遊技領域における遊技球の流下態様が単調なものとなってしまい好ましくない。また、遊技盤423のサイズを上下方向又は左右方向に拡張する構成も想定されるが、遊技盤423の周囲には複数の電気機器が設置されており、遊技盤423のサイズを上下方向又は左右方向に拡張するとそれら電気機器の設置領域が縮小化されてしまい好ましくない。また、パチンコ機10のサイズを上下方向又は左右方向に拡張し、それに合わせて大型な遊技盤を設置するとともに、大型な表示面を有する図柄表示装置を配置する構成も想定されるが、パチンコ機10は遊技ホールなどにおいて既存の島設備に設置されるため、パチンコ機10のサイズを上下方向又は左右方向に拡張することは好ましくない。
さらにまた、開口部435に比して大きな表示面を有する図柄表示装置をパチンコ機10後方に傾けて配置することで表示領域の大型化を図る構成も想定されるが、この場合、パチンコ機10の前後方向寸法が極端に大きくなってしまうことが懸念される。遊技ホールでは、パチンコ機10は島設備に対して背面を対向させた状態で配置されるため、パチンコ機10の前後方向寸法が極端に大きくなってしまうと、島設備へのパチンコ機10の対向配置を良好に行えなくなってしまうことが懸念される。
これに対して、上記のとおり、表示面429aがパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように図柄表示装置429が配置されるとともに、表示面429aの上方において反射面542a,543aがパチンコ機10後方に向けて下り傾斜となるようにミラーユニット541が配置されることで、上記のような不都合を生じさせることなく、表示領域の大型化を良好に実現することができる。
また、反射面542a,543aと表示面429aとは左右に並設されているのではなく上下に並設されているため、遊技者にとってはマルチビュー表示に対する左右の目の視差による影響が低減される。つまり、左目と右目とでは、表示面429aの所定の部位を視認する場合における横方向の視線の角度が異なっている。表示面429aにて左右方向にマルチビュー表示が行われる構成を想定すると、表示面429aに対する遊技者の視点の位置によっては、左目と右目との視線の角度の違いにより、視野角が左側に向けて設定された画像を左目で視認し、視野角が右側に向けて設定された画像を右目で視認してしまうことが想定される。これに対して、左目と右目とでは、表示面429aの所定の部位を視認する場合における縦方向の視線の角度差は一般的に少ない。したがって、本パチンコ機10のように表示面429aにて上下方向にマルチビュー表示を行うことで、左目と右目とでマルチビュー表示のそれぞれ異なる表示を視認してしまうといった不都合の発生が抑制され、遊技者にとってはマルチビュー表示に対する左右の目の視差による影響が低減される。
上記マルチ表示状態では、表示面429aに対して反射面542a,543aが上方に配置される。パチンコ機10が設置される遊技ホールなどにおいては、天井に店内照明が設けられている。この場合に、上記のとおり表示面429aに対して反射面542a,543aを上方に配置することで、光を反射し易い反射面542a,543aに店内照明からの光が映りこみにくくなる。
表示用駆動モータ521が設けられており、図柄表示装置429はマルチビュー表示が行われる傾斜位置とマルチビュー表示が行われない初期位置との間で回動される。このように表示面429aの向きを変更するように図柄表示装置429自身が変位されることにより、インパクトの大きい演出を行うことができる。また、マルチビュー表示が行われない状況では表示面429aが透明パネル568と平行又は略平行となることにより、当該状況における表示面429aの視認性を高めることが可能となる。
上記のように図柄表示装置429が変位可能に設けられた構成において、放熱ファン486,487は、表示制御装置483に一体化されているのではなく、図柄表示ユニット461の後側ベース482に固定されている。表示制御装置483の放熱を行う上では放熱ファン486,487を表示制御装置483に一体化させる構成も想定されるが、この場合、図柄表示装置429及び表示制御装置483の一体物の総重量が放熱ファン486,487の重量分増加することとなってしまう。そうすると、図柄表示装置429の回動軸及び表示用駆動モータ521の出力軸521aに掛かる重量負荷が増加してしまう。これに対して、放熱ファン486,487が図柄表示装置429と一体的に移動しない後側ベース482に固定されていることにより、図柄表示装置429の回動軸及び表示用駆動モータ521の出力軸521aに掛かる重量負荷を抑えながら、表示制御装置483の放熱を良好に行うことができる。
マルチビュー表示が行われない図柄表示ユニット461の初期状態では、単位フレーム用エリア615のうち上側描画フレーム615aに対して描画データの作成が行われるが、下側描画フレーム615bに対しては描画データの作成が行われない。したがって、当該下側描画フレーム615bは空き領域となる。そして、初期状態では当該下側描画フレーム615bがキャッシュ領域611と同様に、キャラクタROM603からの画像データの転送先エリアとして用いられる。これにより、ビデオRAM604のエリアの有効活用が図られるとともに、初期状態ではマルチ表示状態に比べ大容量の画像データをビデオRAM604に一度に読み出すことができる。よって、初期状態では、マルチ表示状態に比べ、多様な画像又は描画に必要な画像データの容量が大きい画像を表示させることができる。
また、上記のように下側描画フレーム615bを画像データの転送先として利用するのではない構成としてもよく、この場合であっても、描画データが作成されるエリアの広さはマルチ表示状態に比べて狭いため、描画データを作成する場合の処理時間に余裕が生まれる。したがって、これを利用して、多くのスプライトを表示したり、多くのエフェクトを表示したりすることが可能となる。
マルチビュー表示が行われる場合及びマルチビュー表示が行われない場合のいずれであっても、デバイス用バッファ614の上側デバイスフレーム614a及び下側デバイスフレーム614bの両方に描画データが転送される。また、上側デバイスフレーム614aに転送される描画データは上側表示領域496の全ての単位画素領域495に対応したものであるとともに、下側デバイスフレーム614bに転送される描画データは下側表示領域497の全ての単位画素領域495に対応したものである。これにより、画像処理デバイス606は、通常表示が行われる状況及びマルチビュー表示が行われる状況のいずれであっても同様の描画処理を実行すればよいため、画像処理デバイス606の構成の複雑化を抑えることができる。
ミラーユニット541はシャッタ551と共に可動物ユニット485として設けられている。マルチビュー表示に際して開口部435を通じて表示面429a及び各反射面542a,543aの全体又は略全体を視認可能としながら、非マルチビュー表示に際して初期位置に配置されている図柄表示装置429の表示面429aを開口部435の全体と対峙させようとすると、表示面429aを大型化する必要が生じる。そうすると、図柄表示装置429のイニシャルコストが増加するとともに、傾斜位置において遊技盤423の後方への図柄表示装置429の突出量が増加してしまう。これに対して、開口部435の縦寸法が表示面429aの縦寸法よりも大きく設定されている。但し、本構成においては、上記問題は解消されるものの、図柄表示装置429が初期位置に配置されている状態では開口部435の上縁と図柄表示装置429の上縁とが縦方向に離間される。これに対して、図柄表示装置429が初期位置に配置されている状態ではシャッタ551が閉塞位置に配置され、開口部435の上縁と図柄表示装置429の上縁との間の隙間の全体を閉塞する。これにより、図柄表示装置429が初期位置に配置されている状態において、開口部435の上縁と図柄表示装置429の上縁との間の隙間から後側ベース482の収容空間502内等がパチンコ機10前方から視認可能となることが防止される。
当該構成において、ミラーユニット541とシャッタ551とは単一の共通用駆動モータ561の駆動力により動作する。これにより、ミラーユニット541及びシャッタ551のそれぞれに対して個別に駆動モータを設ける構成に比べ、駆動モータの個数を減らすことができる。
また、上記のように単一の共通用駆動モータ561の駆動力によりミラーユニット541とシャッタ551との両方が縦方向にスライド移動する構成において、共通用ギア562〜564の介在によってミラーユニット541とシャッタ551とのスライド移動の方向が逆方向となっている。したがって、ミラーユニット541の重量負荷がシャッタ551の重量負荷をキャンセルする方向に作用するとともに、シャッタ551の重量負荷がミラーユニット541の重量負荷をキャンセルする方向に作用することとなる。これにより、ミラーユニット541及びシャッタ551の重量負荷を利用しながら、共通用駆動モータ561において必要な駆動力の低減が図られる。
表示CPU582にて振動用処理(図70)が実行されることにより、図柄表示装置429自身を振動させる演出が行われるとともに、シャッタ551を振動させる演出が行われる。これにより、遊技への注目度を高めることができる。この場合に、図柄表示装置429及びシャッタ551の両方が同時に振動することはなく、一方が振動している状況では他方が振動しない構成となっている。例えば、図柄表示装置429及びシャッタ551の両方を同時に振動させる構成も考えられるが、そうすると、図柄表示ユニット461の初期状態において開口部435内に表示面429aとシャッタ551との間に隙間が生じてしまうことが想定され、見た目上好ましくない。これに対して、図柄表示装置429及びシャッタ551の両方が同時に振動しないようにすることで、見た目上好ましいものとしながら、振動演出を実行するようにしたことによる効果を奏することができる。
なお、マルチビュー表示が行われる場合又はマルチビュー表示が行われない場合のいずれかにおいて、表示面429aの隅角部分に存在する1個又は2個の単位画素領域495において画像出力が行われない構成としてもよい。
<第16の実施形態>
本実施形態は、上記第15の実施形態において通常表示が行われる状況ではビデオRAM604の描画用領域612に格納される描画データのデータ容量が、マルチビュー表示の場合に比べて少なくて済むことに着目した実施形態であり、具体的な構成が上記第15の実施形態と異なっている。当該相違する構成について、以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第15の実施形態との相違点について説明し、同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図80は、本実施形態における通常表示用の描画処理を示すフローチャートである。
ステップS2201では、ビデオRAM604への転送処理を実行し、ステップS2202では、上側描画フレーム615aに対する描画データの作成処理を実行する。その後、ステップS2203に進む。なお、ステップS2201〜ステップS2202の処理の詳細は、上記第15の実施形態におけるステップS1901〜ステップS1902と同様である。
ステップS2203では、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、画像処理デバイス606への転送タイミングであるか否かを判定する。当該転送タイミングでない場合には、そのまま本通常表示用の描画処理を終了する。当該転送タイミングである場合には、ステップS2204にて、非マルチ信号の出力処理を実行する。上記第15の実施形態では、VDP583と画像処理デバイス606とは転送信号用の信号経路SC2を通じて電気的に接続されており、当該信号経路SC2を通じて第1転送信号又は第2転送信号の伝送が行われる構成としたが、本実施形態ではこれに代えて、VDP583と画像処理デバイス606とは非マルチ及びマルチ用の信号経路SC3を通じて電気的に接続されており、当該信号経路SC3を通じて非マルチ信号又はマルチ信号の転送が行われる(図83参照)。非マルチ信号は、通常表示用の描画データが送信される状態であることを画像処理デバイス606に認識させるための信号であり、マルチ信号は、マルチビュー表示用の描画データが送信される状態であることを画像処理デバイス606に認識させるための信号である。
なお、ステップS2204では、非マルチ信号がパルス信号として送信されるが、これに限定されることはなく、今回の描画データの転送が完了するまで非マルチ信号の送信が継続される構成としてもよい。
続くステップS2205では、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aからの転送開始処理を実行し、その後に本通常表示用の描画処理を終了する。これにより、上側描画フレーム615aに現状格納されている描画データが画像処理デバイス606へ転送されるようにデータの転送状態が設定される。
ここで、上記第15の実施形態では、描画信号用の信号経路SC1を構成する各種信号線群の信号線数が液晶表示部491における縦方向の単位画素領域495の数に対して半分の数として設定されていたが、本実施形態では、当該信号線数が液晶表示部491における縦方向の単位画素領域495の数以上、具体的には液晶表示部491における縦方向の単位画素領域495の数と同数として設定されている。当該構成において、上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bのうち上側描画フレーム615aからのみ描画データが転送される状況では、各種信号線群の信号線の一部であって上側描画フレーム615aに対応した信号線のみが用いられ、他の信号線では描画信号の伝送が行われない。
図81は、本実施形態におけるマルチ表示用の描画処理を示すフローチャートである。
ステップS2301では、ビデオRAM604への転送処理を実行し、ステップS2302では、反転させた状態での上側描画フレーム615aに対する描画データの作成処理を実行し、ステップS2303では、下側描画フレーム615bに対する描画データの作成処理を実行する。その後、ステップS2304に進む。なお、ステップS2301〜ステップS2303の処理の詳細は、上記第15の実施形態におけるステップS2001〜ステップS2003と同様である。
ステップS2304では、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、画像処理デバイス606への転送タイミングであるか否かを判定する。当該転送タイミングでない場合には、そのまま本マルチ表示用の描画処理を終了する。当該転送タイミングである場合には、ステップS2305にて、マルチ信号の出力処理を実行する。なお、当該マルチ信号はパルス信号として送信されるが、これに限定されることはなく、今回の描画データの転送が完了するまでマルチ信号の送信が継続される構成としてもよい。
続くステップS2306では、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bからの転送開始処理を実行し、その後に本マルチ表示用の描画処理を終了する。これにより、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bに現状格納されている描画データが画像処理デバイス606へ転送されるようにデータの転送状態が設定される。
ここで、既に説明したように、本実施形態における描画信号用の信号経路SC1を構成する各種信号線群の信号線数は、液晶表示部491における縦方向の単位画素領域495の数と同数として設定されている。したがって、上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bからの描画データの転送に際しては、液晶表示部491において上側表示領域496を構成する各単位画素領域495に対応した描画データ及び下側表示領域497を構成する各単位画素領域495に対応した描画データの両方が同時に、縦方向に一列分ずつパラレルで転送される。
図82は、本実施形態におけるデバイス側処理を示すフローチャートである。
ステップS2401では、マルチ信号を受信しているか否かを判定し、マルチ信号を受信している場合にはステップS2402にてマルチ状態に設定した後にステップS2403に進み、マルチ信号を受信していない場合にはステップS2402を実行することなくステップS2403に進む。マルチ状態とは、画像処理デバイス606において通常表示用の描画処理及びマルチビュー表示用の描画処理のうち、マルチビュー表示用の描画処理が実行される状態のことをいう。
なお、本実施形態では、既に説明したとおり、描画信号用の信号経路SC1を構成する各種信号線群の信号線数が液晶表示部491における縦方向の単位画素領域495の数と同数として設定されているため、通常表示の場合とマルチビュー表示の場合とで、デバイス用バッファ614への描画データの格納の仕方を変更する必要がない。よって、マルチ状態であるか否かに関係なく同一の態様でデバイス用バッファ614への描画データの格納が実行される。
ステップS2403では、非マルチ信号を受信しているか否かを判定する。非マルチ信号を受信している場合にはステップS2404にてマルチ状態を解除した後にステップS2405に進み、非マルチ信号を受信していない場合にはステップS2404を実行することなくステップS2405に進む。
ステップS2405では、描画タイミングであるか否かを判定し、描画タイミングでない場合にはそのまま本デバイス側処理を終了し、描画タイミングである場合にはステップS2406に進む。ステップS2406では、マルチ状態であるか否かを判定し、マルチ状態でない場合にはステップS2407にて非マルチ用の出力処理を実行した後に本デバイス側処理を終了し、マルチ状態である場合にはステップS2408にてマルチ用の出力処理を実行した後に本デバイス側処理を終了する。
非マルチ用の出力処理では、デバイス用バッファ614の上側デバイスフレーム614aに格納されている描画データのうち、1列分の横ライン領域の描画データを、液晶表示部491における縦方向に連続する複数の横ライン領域、具体的には縦方向に連続する2列分の横ライン領域のそれぞれに対して同様に出力する。これにより、縦方向に連続する一対の上側表示領域496の1列分の横ライン領域と下側表示領域497の1列分の横ライン領域とには同一の描画が行われる。一方、マルチ用の出力処理では、上記第15の実施形態におけるステップS2106〜ステップS2108と同様の処理を実行する。
図83は、本実施形態における描画データの作成及び転送の様子を説明するための説明図である。
先ず、図83(a)を参照しながら、通常表示が行われる場合における描画データの作成及び転送の様子を説明する。
通常表示が行われる場合には、ビデオRAM604の各単位フレーム用エリア615には、上側描画フレーム615aに対してのみ描画データ(「A1」及び「A2」)が作成される。この場合、各単位フレーム用エリア615の下側描画フレーム615bは空き領域となっている。
VDP583は、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aに格納された描画データ(「A1」)を、非マルチ及びマルチ用の信号経路SC3を通じて非マルチ信号を出力している状態で、描画信号用の信号経路SC1を通じて転送する。これにより、画像処理デバイス606のデバイス用バッファ614における上側デバイスフレーム614aに描画データ(「A1」)が格納される。この場合、デバイス用バッファ614の下側デバイスフレーム614bは空き領域となっている。
画像処理デバイス606は、既に説明した非マルチ用の出力処理を実行する。これにより、上側デバイスフレーム614aに格納された描画データが表示面429aの全体に広げられた状態で表示される。上記構成とすることにより、通常表示における上側表示用の描画データと下側表示用の描画データとを共通のものとすることができる。よって、上側表示用の描画データと下側表示用の描画データとに対応した画像データを個別に記憶させておく構成に比して、キャラクタROM603に記憶させておくべき画像データのデータ容量を削減することが可能となる。
次に、図83(b)を参照しながら、マルチビュー表示が行われる場合における描画データの作成及び転送の様子を説明する。
マルチビュー表示が行われる場合には、ビデオRAM604の各単位フレーム用エリア615には、上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bのそれぞれに対して描画データが作成される(「B1」及び「C1」の組み合わせ、「B2」及び「C2」の組み合わせ)。この場合、上側描画フレーム615aには、通常表示の場合を基準として、上下反転させた状態で描画データが作成され、下側描画フレーム615bには、上下反転させていない状態で描画データが作成される。
VDP583は、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bに格納された描画データ(「B1」及び「C1」)を同時に、非マルチ及びマルチ用の信号経路SC3を通じてマルチ信号を出力している状態で、描画信号用の信号経路SC1を通じて画像処理デバイス606に転送する。これにより、画像処理デバイス606のデバイス用バッファ614における上側デバイスフレーム614aには上側表示用の描画データが上下反転された状態で格納されるとともに、下側デバイスフレーム614bには下側表示用の描画データが上下反転されていない状態で格納される。
画像処理デバイス606は、既に説明したマルチ用の出力処理を実行する。これにより、上側デバイスフレーム614aに格納された描画データは液晶表示部491の上側表示領域496に出力されるとともに、下側デバイスフレーム614bに格納された描画データは液晶表示部491の下側表示領域497に出力される。
<第17の実施形態>
本実施形態は、上記第15の実施形態において通常表示及びマルチビュー表示のいずれが行われる状況であっても画像処理デバイス606において同一の処理を実行すればよく当該画像処理デバイス606の構成の簡素化が図られることに着目した実施形態であり、具体的な構成が上記第15の実施形態と異なっている。当該相違する構成について、以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第15の実施形態との相違点について説明し、同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図84は、本実施形態における描画処理を示すフローチャートである。
ステップS2501では、ビデオRAM604への転送処理を実行し、ステップS2502では、上側描画フレーム615aに対する描画データの作成処理を実行する。ここで、本実施形態では、VDP583において通常表示用の描画処理とマルチビュー表示用の描画処理とが個別に設定されているのではなく、通常表示及びマルチビュー表示のいずれであっても共通の描画処理が実行される。この場合、表示CPU582は、通常表示を実行すべき状態である場合には、上側描画フレーム615aに上下反転していない状態で描画データが作成されるように、上側描画フレーム615aの各単位エリアに作成すべきデータの情報を描画指示情報によって指示する一方、マルチビュー表示を実行すべき状態である場合には、上側描画フレーム615aに上下反転させた状態で描画データが作成されるように、上側描画フレーム615aの各単位エリアに作成すべきデータの情報を描画指示情報によって指示する。これにより、通常表示及びマルチビュー表示のいずれであっても共通の描画処理が実行される構成において、上側描画フレーム615aには各表示状態に応じた描画データが作成される。
続くステップS2503では、下側描画フレーム615bに対する描画データの作成処理を実行する。この場合、表示CPU582は、マルチビュー表示を実行すべき状態においては、上側描画フレーム615aに作成されている描画データとは異なる描画データが下側描画フレーム615bに作成されるように描画指示情報を出力するが、通常表示を実行すべき状態においては上側描画フレーム615aに作成されている描画データに類似した描画データが下側描画フレーム615bに作成されるように描画指示情報を出力する。
類似した描画データが作成される場合のステップS2503の処理について具体的に説明する。先ず、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、下側描画フレーム615bへの描画データの作成タイミングであるか否かを判定する。そして、作成タイミングであると判定した場合には、今回の作成対象の単位フレーム用エリア615における下側描画フレーム615bに対して、今回のタイミングに対応した描画データを作成する。この描画データの作成に際しては、ビデオRAM604に既に転送されている画像データが用いられる。また、下側描画フレーム615bに作成される描画データは、同一の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aに既に作成されている描画データと類似したものであり、具体的には、下側描画フレーム615bの各横ライン領域には、上側描画フレーム615aの縦方向に連続する一対の横ライン領域に作成されている描画データの間を繋ぐような描画データが作成される。
続くステップS2504では、表示CPU582から既に受信している描画指示情報に基づいて、画像処理デバイス606への転送タイミングであるか否かを判定する。当該転送タイミングでない場合には、そのまま本描画処理を終了する。当該転送タイミングである場合には、ステップS2505にて、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bからの転送開始処理を実行し、その後に本描画処理を終了する。これにより、上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bに現状格納されている描画データが画像処理デバイス606へ転送されるようにデータの転送状態が設定される。
ここで、本実施形態では、上記第16の実施形態と同様に、描画信号用の信号経路SC1を構成する各種信号線群の信号線数は、液晶表示部491における縦方向の単位画素領域495の数以上、具体的には液晶表示部491における縦方向の単位画素領域495の数と同数として設定されている。つまり、描画信号用の信号経路SC1は、液晶表示部491における各横ライン領域の数に1対1で対応させて単位信号経路を備えている。また、通常表示が実行される場合及びマルチビュー表示が実行される場合のいずれであっても、既に説明したように、上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bの両方に対して描画データが作成される。上記構成において、画像処理デバイス606への描画データの転送に際しては、通常表示が実行される場合及びマルチビュー表示が実行される場合のいずれであっても、液晶表示部491において上側表示領域496を構成する各単位画素領域495に対応した描画データ及び下側表示領域497を構成する各単位画素領域495に対応した描画データの両方が同時に、縦方向に一列分ずつパラレルで転送される。
図85は、本実施形態におけるデバイス側処理を示すフローチャートである。
ステップS2601では、描画タイミングであるか否かを判定する。描画タイミングでない場合にはそのまま本デバイス側処理を終了し、描画タイミングである場合にはステップS2602に進む。ステップS2602では、液晶表示部491における今回の描画対象が縦方向に奇数番目の横ライン領域であるか否かを判定し、奇数番目である場合にはステップS2603にて、上側デバイスフレーム614aの対応するエリアからの出力処理を実行する一方、偶数番目である場合にはステップS2604にて、下側デバイスフレーム614bの対応するエリアからの出力処理を実行する。その後、本デバイス側処理を終了する。
図86は、本実施形態における描画データの作成及び転送の様子を説明するための説明図である。
先ず、図86(a)を参照しながら、通常表示が行われる場合における描画データの作成及び転送の様子を説明する。
通常表示が行われる場合には、ビデオRAM604の各単位フレーム用エリア615の上側描画フレーム615aに描画データ(「A1」及び「A2」)が作成されるとともに、下側描画フレーム615bにそれに類似した描画データ(「A1’」及び「A2’」)が作成される。VDP583は、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bに格納された描画データ(「A1」及び「A1’」)を同時に、描画信号用の信号経路SC1を通じて画像処理デバイス606に転送する。これにより、画像処理デバイス606のデバイス用バッファ614における上側デバイスフレーム614aには上側表示用の描画データが格納されるとともに、下側デバイスフレーム614bには下側表示用の描画データが格納される。
画像処理デバイス606は、上側デバイスフレーム614aに格納された描画データを、液晶表示部491の上側表示領域496に出力するとともに、下側デバイスフレーム614bに格納された描画データを、液晶表示部491の下側表示領域497に出力する。これにより、上側デバイスフレーム614aに格納された描画データにおいて縦方向に連続する横ライン領域の各データの間に、下側デバイスフレーム614bに格納された描画データにおいて1列分の横ライン領域のデータが介在した状態の画像が表示面429aに表示される。この場合、上記第15の実施形態や上記第16の実施形態のように液晶表示部491において縦方向に連続する2つの単位画素領域495にて同一のデータが出力されるのではなく、各単位画素領域495のそれぞれに対応したデータが出力されるため、通常表示に際しての画像がより精細なものとなる。
次に、図86(b)を参照しながら、マルチビュー表示が行われる場合における描画データの作成及び転送の様子を説明する。
マルチビュー表示が行われる場合には、ビデオRAM604の各単位フレーム用エリア615には、上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bのそれぞれに対して描画データが作成される(「B1」及び「C1」の組み合わせ、「B2」及び「C2」の組み合わせ)。この場合、上側描画フレーム615aには、通常表示の場合を基準として、上下反転させた状態で描画データが作成され、下側描画フレーム615bには、上下反転させていない状態で描画データが作成される。
VDP583は、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bに格納された描画データ(「B1」及び「C1」)を同時に、描画信号用の信号経路SC1を通じて画像処理デバイス606に転送する。これにより、画像処理デバイス606のデバイス用バッファ614における上側デバイスフレーム614aには上側表示用の描画データが上下反転された状態で格納されるとともに、下側デバイスフレーム614bには下側表示用の描画データが上下反転されていない状態で格納される。
画像処理デバイス606は、上側デバイスフレーム614aに格納された描画データを、液晶表示部491の上側表示領域496に出力するとともに、下側デバイスフレーム614bに格納された描画データを、液晶表示部491の下側表示領域497に出力する。これにより、各反射面542a,543aにて反射させるための画像が上側表示領域496にて表示され、表示面429aから直接視認させるための画像が下側表示領域497にて表示される。
以上のとおり本実施形態では、VDP583は通常表示が実行される場合及びマルチビュー表示が実行される場合のいずれであっても、描画処理として設定された同一のサブルーチン(同一のプログラム)によって描画データの作成を行う。さらにはVDP583から画像処理デバイス606へ転送される描画データは、通常表示が実行される場合及びマルチビュー表示が実行される場合のいずれであっても、上側表示領域496に対応した描画データ及び下側表示領域497に対応した描画データの両方を含んでいるとともに、画像処理デバイス606への転送の仕方も同一である。したがって、VDP583において通常表示が実行される場合及びマルチビュー表示が実行される場合のそれぞれに対応した制御プログラムを備えている必要がないため、制御プログラムを記憶しておくのに必要な記憶容量の削減が図られる。
また、画像処理デバイス606は、通常表示が実行される場合及びマルチビュー表示が実行される場合のいずれであっても同一の態様でデバイス用バッファ614に描画データを格納すればよく、さらには同一の態様で液晶表示部491に対する描画処理を実行すればよい。したがって、画像処理デバイス606において通常表示が実行される場合及びマルチビュー表示が実行される場合のそれぞれに対応した制御プログラムを備えている必要がないため、制御プログラムを記憶しておくのに必要な記憶容量の削減が図られる。なお、画像処理デバイス606が制御プログラムにより所定の処理を実行するのではなく、ハード回路によって所定の処理を実行する構成も考えられるが、本構成において同一の態様で描画データが格納されるようにするとともに同一の態様で描画処理が実行されるようにすることで、当該ハード回路の構成の簡素化が図られる。
また、上記のように画像処理デバイス606において通常表示及びマルチビュー表示のうちいずれが実行される状況であるかを認識する必要がないため、上記第16の実施形態のような非マルチ及びマルチ用の信号経路SC3は不具備となっている。また、上側表示領域496に対応した描画データ及び下側表示領域497に対応した描画データは同時に転送されるため、上記第15の実施形態のような転送信号用の信号経路SC2は不具備となっている。したがって、VDP583と画像処理デバイス606との間の信号経路の構成についても簡素化が図られる。
<第18の実施形態>
本実施形態では、VDP583における描画処理の処理構成が上記第17の実施形態と異なっている。当該相違する構成について以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第17の実施形態との相違点について説明し、同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図87は、本実施形態における描画処理を示すフローチャートである。
ステップS2701では、ビデオRAM604の転送処理を実行し、ステップS2702では、上側描画フレーム615aに対する描画データの作成処理を実行し、ステップS2703では、下側描画フレーム615bに対する描画データの作成処理を実行し、ステップS2704では、画像処理デバイス606への転送タイミングであるか否かを判定する。これらステップS2701〜ステップS2704の処理は、上記第17の実施形態におけるステップS2501〜ステップS2504の処理と同様である。
ステップS2704にて画像処理デバイス606への転送タイミングであると判定した場合には、ステップS2705にて、デバイス用バッファ614において液晶表示部491の上側表示領域496に対応したエリアへの転送タイミングであるか否かを判定する。上側表示領域496に対応したエリアへの転送タイミングである場合にはステップS2706にて、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aからの転送処理を実行し、下側表示領域497に対応したエリアへの転送タイミングである場合にはステップS2707にて、今回の転送元対象の単位フレーム用エリア615における下側描画フレーム615bからの転送処理を実行する。つまり、本実施形態では、デバイス用バッファ614は上側デバイスフレーム614aと下側デバイスフレーム614bとに区別されておらず、上側表示領域496に対応した横ライン領域と下側表示領域497に対応した横ライン領域とが交互に配置されている。
ステップS2704にて否定判定をした場合、ステップS2706の処理を実行した後、又はステップS2707の処理を実行した後は、本描画処理を終了する。
ここで、本実施形態では、既に説明したとおり、デバイス用バッファ614は上側デバイスフレーム614aと下側デバイスフレーム614bとに区別されておらず、上側表示領域496に対応した横ライン領域と下側表示領域497に対応した横ライン領域とが交互に配置されている。上記構成であることにより、画像処理デバイス606は液晶表示部491への描画に際して、上側表示領域496及び下側表示領域497のうちいずれへの描画データの出力であるかを区別するのではなく、デバイス用バッファ614において単位エリアのアドレスの昇順又は降順に各描画データの出力を順次行うことで、液晶表示部491の上側表示領域496及び下側表示領域497のそれぞれに対応した画像を表示させる。これにより、画像処理デバイス606は液晶表示部491への描画に際して、上側表示領域496及び下側表示領域497のうちいずれへの描画データの出力であるかを区別する必要がなくなる。
なお、本実施形態の構成に代えて、各単位フレーム用エリア615への描画データの作成時点において、上側表示領域496に対応した描画データと下側表示領域497に対応した描画データとが縦方向に交互に配置された状態での描画データが作成される構成としてもよい。
<第19の実施形態>
本実施形態では、表示CPU582によるマルチ表示用処理の処理構成が上記第15の実施形態と異なっている。当該相違する構成について、以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第15の実施形態との相違点について説明し、同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図88は、本実施形態におけるマルチ表示用処理を示すフローチャートである。また、以下の説明では、当該マルチ表示用処理の実行に基づき行われる演出の説明に際して、図89を適宜参照する。
ステップS2801では、図柄表示装置429において図柄の変動表示中であるか否かを判定する。図柄の変動表示中でない場合にはそのまま本マルチ表示用処理を終了する。図柄の変動表示中である場合にはステップS2802にて、マルチ表示用リーチの実行中であるか否かを判定する。マルチ表示用リーチの実行中でない場合には、ステップS2803にて、マルチ表示用リーチの開始タイミングであるか否かを判定する。
マルチ表示用リーチの開始タイミングでない場合には、そのまま本マルチ表示用処理を終了し、マルチ表示用リーチの開始タイミングである場合には、ステップS2804〜ステップS2806の処理を実行した後に、本マルチ表示用処理を終了する。上記ステップS2801〜ステップS2806の処理は、上記第15の実施形態におけるマルチ表示用処理(図72)のステップS1701〜ステップS1706と同様である。上記ステップS2804〜ステップS2806の処理が実行されることに起因して、図柄表示ユニット461が初期状態からマルチ表示状態に切り換えられる。この状態では、図柄表示装置429の表示面429aにてマルチ表示用の画像が表示される。
ステップS2802にて、マルチ表示用リーチ中であると判定した場合には、ステップS2807にて、マルチ表示用リーチの終了タイミングであるか否かを判定する。マルチ表示用リーチの終了タイミングでない場合には、ステップS2808にて、振動用リーチの実行中であるか否かを判定する。振動用リーチの実行中でない場合には、ステップS2809にて、振動用リーチの開始タイミングであるか否かを判定する。
振動用リーチの開始タイミングでない場合には、そのまま本マルチ表示用処理を終了し、振動用リーチの開始タイミングである場合には、ステップS2810に進む。ステップS2810では、可動物ユニット485における共通用駆動モータ561の正逆動作を開始させるための処理を実行する。当該処理の具体的な内容は、振動させる対象がシャッタ551ではなくミラーユニット541であることを除き、上記第15の実施形態における振動用処理(図70)のステップS1610と同様である。当該ステップS2810の処理が実行されることにより、図89に示すようにミラーユニット541が振動した状態となる。
続くステップS2811では、ワークRAM602に設けられた振動用画像の表示状態フラグの格納エリアに当該フラグを格納することで、振動用画像の表示状態に設定した後に、本マルチ表示用処理を終了する。当該振動用画像の表示状態に設定されることにより、図89に示すように、表示面429aから直接視認される画像に含まれるキャラクタが振動しているかのように図柄表示装置429が表示制御される。具体的には、当該振動用画像の表示状態では、表示CPU582からVDP583に対して出力される描画指示情報において、下側表示領域497に対応した描画データとして所定のキャラクタが振動した状態となる描画データを作成するように指示がなされる。また、当該振動しているかのようなキャラクタの表示は、ミラーユニット541が振動している状態で行われる。
ちなみに、振動用画像の表示状態では、表示面429aから直接視認される画像に含まれるキャラクタが振動しているかのように図柄表示装置429が表示制御されるが、各反射面542a,543aを通じて視認される画像についてはこのような表示制御が行われるのではなく、代わりに、振動用リーチではない場合に比べブランク領域が縮小されて各反射面542a,543aに対応した画像が表示される領域が拡張される。これにより、ミラーユニット541が振動した場合に各反射面542a,543aにてブランク領域が映し出されてしまうことが抑制される。
なお、ミラーユニット541が振動した場合に各反射面542a,543aにてブランク領域が映し出されないようにするためには、振動用リーチ中であるか否かに関係なく、各反射面542a,543aに対応した画像が表示される領域が、ミラーユニット541が振動した場合を考慮して設定されている構成としてもよい。また、上記構成に代えて、各反射面542a,543aを通じて視認される画像についても振動しているかのように図柄表示装置429が表示制御される構成としてもよく、各反射面542a,543aを通じて視認される画像のみが振動しているかのように図柄表示装置429が表示制御される構成としてもよい。
マルチ表示用処理の説明に戻り、ステップS2808にて、振動用リーチ中であると判定した場合には、ステップS2812にて、振動用リーチの終了タイミングであるか否かを判定する。振動用リーチの終了タイミングでない場合には、そのまま本マルチ表示用処理を終了し、振動用リーチの終了タイミングである場合にはステップS2813に進む。ステップS2813では、共通用駆動モータ561の正逆動作を終了させるための処理を実行する。当該処理の具体的な内容は、振動を終了させる対象がシャッタ551ではなくミラーユニット541であることを除き、上記第15の実施形態における振動用処理(図70)のステップS1612と同様である。当該ステップS2813の処理が実行されることにより、ミラーユニット541の振動が終了される。
続くステップS2814では、ワークRAM602から振動用画像の表示状態フラグを消去することで、振動用画像の表示状態を解除した後に、本マルチ表示用処理を終了する。当該振動用画像の表示状態が解除されることにより、表示面429aから直接視認される画像に含まれるキャラクタが振動しているかのように表示されている状態が解除される。
一方、ステップS2807にて、マルチ表示用リーチの終了タイミングであると判定した場合には、ステップS2815〜ステップS2817の処理を実行した後に、本マルチ表示用処理を終了する。上記ステップS2815〜ステップS2817の処理は、上記第15の実施形態におけるマルチ表示用処理(図72)のステップS1708〜ステップS1710と同様である。上記ステップS2815〜ステップS2817の処理が実行されることに起因して、図柄表示ユニット461がマルチ表示状態から初期状態に復帰される。
以上詳述した本実施形態によれば、図柄表示装置429自身を振動させることなく、ミラーユニット541を振動させることができるとともに、表示面429aにおいてキャラクタが振動している状態を遊技者に視認させることができる。図柄表示装置429自身を振動させると、図柄表示装置429や当該図柄表示装置に一体化されている表示制御装置483の故障が懸念されるが、本実施形態によれば当該不都合を生じさせることなく、ミラーユニット541及び表示面429aに表示されるキャラクタの両方が振動することとなる演出を遊技者に提供することができる。
<第20の実施形態>
本実施形態では、音声発光制御装置468において放熱制御処理が実行される。当該放熱制御処理について、図90のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該放熱制御処理は、所定の周期(例えば、2msec)で繰り返し起動される。
ステップS2901では、マルチ表示状態であるか否かを判定する。音声発光制御装置468では、上記第15の実施形態と同様に、主制御装置465から送信された演出用のコマンドを受信している。音声発光制御装置468では、その受信したコマンドによって、図柄表示ユニット461がマルチ表示状態に切り換わるか否か、及びマルチ表示状態に切り換わる場合にはその切換開始タイミングと初期状態への復帰タイミングを把握する。ステップS2901では、その把握結果に基づいて、マルチ表示状態であるか否かを判定する。
ちなみに、本実施形態では、演出の内容や演出の継続時間の決定が、主制御装置465から送信された演出用のコマンドに基づいて音声発光制御装置68において行われ、その決定された内容が表示CPU582に送信されて図柄表示装置429における画像の表示が行われる構成である。当該構成において、音声発光制御装置468では、上記決定した演出の内容や演出の継続時間に基づいて上記切換開始タイミングや上記復帰タイミングを把握する。但し、かかる構成に限定されることはなく、上記演出の内容や演出の継続時間は上記第15の実施形態と同様に表示CPU582にて行われる構成において、表示CPU582と音声発光制御装置468とが双方向通信可能となっており、表示CPU582にて決定された演出の内容や演出の継続時間が音声発光制御装置468に送信される構成としてもよい。この場合、音声発光制御装置468は表示CPU582から受信した演出の内容や演出の継続時間に基づいて上記切換開始タイミングや上記復帰タイミングを把握する構成としてもよい。
マルチ表示状態でない場合には、ステップS2902にて低放熱状態に設定した後に、本放熱制御処理を終了する。一方、マルチ表示状態である場合には、ステップS2903にて高放熱状態に設定した後に、本放熱制御処理を終了する。低放熱状態では、放熱ファン486,487に対して低放熱用の駆動信号が出力され、低放熱対応の送風量となるように放熱ファン486,487が動作する。一方、高放熱状態では、放熱ファン486,487に対して高放熱用の駆動信号が出力され、低放熱対応の場合よりも単位時間当たりの送風量が多く設定された高放熱対応の送風量となるように放熱ファン486,487が動作する。
以上のとおり本実施形態によれば、表示制御装置483において発熱量が増加する可能性のあるマルチ表示状態では、初期状態に比べて放熱ファン486,487の送風量が多くなることにより、放熱を好適に行うことができる。また、初期状態ではマルチ表示状態に比べ放熱ファン486,487の送風量が少なくなることにより、省エネに貢献できる。
なお、初期状態であっても表示制御装置483の発熱量に応じて放熱ファン486,487の送風量が調整される構成としてもよく、初期状態では放熱ファン486,487による送風が行われずにマルチ表示状態においてのみ放熱ファン486,487による送風が行われる構成としてもよい。
<第21の実施形態>
本実施形態は、上記第15の実施形態において遊技盤423の開口部435を通じて遊技者が視認可能な領域の美観を損なうことなく図柄表示装置429自身を移動可能に設けることができることに着目した実施形態であり、具体的な構成が上記第15の実施形態と異なっている。当該相違する構成について、以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第15の実施形態との相違点について説明し、同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図91(a),(b)は本実施形態における図柄表示装置631及び開口部632を通じて視認可能な領域の構成を簡易的に示す正面図である。
図91(a)に示すように、図柄表示装置631はその表示面631aが長方形状となっている。当該表示面631aの長手方向の長さ寸法は、開口部632のいずれの辺よりも大きく設定されているとともに、表示面631aの短手方向の長さ寸法は、開口部632のいずれの辺よりも小さく設定されている。なお、当該図柄表示装置631では、上記第15の実施形態と異なり、マルチビュー表示を行うことができないようになっている。
図柄表示装置631は、その背面側が表示用駆動モータ633に連結されており、パチンコ機10前後方向に延びる回動軸を中心として回転可能に設けられている。当該回動軸は表示面631aの中央又は中央付近の位置となっているとともに、開口部632の中央又は中央付近の位置となっている。図柄表示装置631の回動位置として、図91(a)に示すように表示面631aの長辺方向がパチンコ機10左右方向となった第1回動位置と、図91(b)に示すように表示面631aの長手方向がパチンコ機10縦方向となった第2回動位置とが設定されている。なお、いずれの回転位置であっても表示面631aはパチンコ機10前方に向いている。
上記構成の場合、図柄表示装置631がいずれの回動位置に配置されている状況であっても、表示面631aの周縁部と開口部632の周縁部との間には隙間が生じる。これに対して、当該隙間を閉塞するためのシャッタ部材634,635が設けられている。当該シャッタ部材634,635として、図91(a)に示すように、図柄表示装置631が第1回動位置に配置されている状況において上記隙間を閉塞するための第1シャッタ部材634と、図91(b)に示すように、図柄表示装置631が第2回動位置に配置されている状況において上記隙間を閉塞するための第2シャッタ部材635と、を備えている。
第1シャッタ部材634は、図柄表示装置631を上下に挟むようにして配置されており、表示用駆動モータ633とは別に設けられた第1シャッタ用の駆動モータ636に駆動されて、開口部632内に配置された閉塞位置と、開口部632から没した退避位置とに移動する。当該第1シャッタ部材634は、図91(a)に示すように図柄表示装置631が第1回動位置に配置されている状況において閉塞位置に配置されて図柄表示装置631の周縁部と開口部632の周縁部との間の隙間を閉塞し、図91(b)に示すように図柄表示装置631が第2回動位置に配置されている状態において退避位置に配置される。
第2シャッタ部材635は、図柄表示装置631を左右に挟むようにして配置されており、表示用駆動モータ633及び第1シャッタ用の駆動モータ636とは別に設けられた第2シャッタ用の駆動モータ637に駆動されて、開口部632内に配置された閉塞位置と、開口部632から没した退避位置とに移動する。当該第2シャッタ部材635は、図91(a)に示すように図柄表示装置631が第1回動位置に配置されている状況において退避位置に配置され、図91(b)に示すように図柄表示装置631が第2回動位置に配置されている状況において閉塞位置に配置されて図柄表示装置631の周縁部と開口部632の周縁部との間の隙間を閉塞する。
上記構成によれば、表示面631aの向きが変更されるように図柄表示装置631自身が変位されることで、図柄表示装置631が変位不能に固定されている構成に比べ、表示態様の多様化が図られるとともに、当該表示態様の多様化を、開口部632を通じて視認可能な領域の美観を損なうことなく行うことができる。
以上説明した構成において、演出として図柄表示装置631が振動する構成としてもよく、各シャッタ部材634,635が振動する構成としてもよい。この場合、図柄表示装置631とシャッタ部材634,635とがそれぞれ異なる駆動モータ633,636,637により駆動される構成であるため、図柄表示装置631が振動する場合にはシャッタ部材634,635が振動しないようにするとともに、シャッタ部材634,635が振動する場合には図柄表示装置631が振動しないようにすることが可能である。当該構成とすることで、上記振動の演出に際して、パチンコ機10正面から視認している状態において、図柄表示装置631とシャッタ部材634,635との間の隙間が露出してしまうことを抑え易くなる。
また、演出としてシャッタ部材634,635は振動するが、図柄表示装置631自身は振動することなく、代わりに、表示面631aに表示されている画像に含まれるキャラクタが振動しているかのように図柄表示装置631が表示制御される構成としてもよい。図柄表示装置631自身を振動させると、図柄表示装置631や例えば図柄表示装置631に一体化されている表示制御装置の故障が懸念されるが、本実施形態によれば当該不都合を生じさせることなく、シャッタ部材634,635及び表示面631aに表示されるキャラクタの両方が振動することとなる演出を遊技者に提供することができる。
また、図柄表示装置631又は当該図柄表示装置631に表示制御装置が一体化されている場合には当該表示制御装置を放熱させるための放熱ファンを設けてもよい。この場合、当該放熱ファンを図柄表示装置631に一体化させるのではなく、図柄表示装置631とともに移動しないように分離させて設けることで、図柄表示装置631の回動軸や表示用駆動モータ633に対して放熱ファンの重量負荷の影響を及ぼすことなく放熱ファンを設けることができる。
なお、図柄表示装置631が第1回動位置又は第2回動位置のいずれかに配置されている場合にのみ図柄表示装置631の周縁部と開口部632の周縁部との間に隙間が生じる構成とした場合、第1シャッタ部材634及び第2シャッタ部材635のうち一方を不具備としてもよい。また、第1回動位置及び第2回動位置のそれぞれにおいて表示面631aを挟んだ両側にて開口部632との間に隙間が生じるのではなく、表示面631aに対して一方側にのみ開口部632との間に隙間が生じる構成においては、第1シャッタ部材634及び第2シャッタ部材635のそれぞれは、図柄表示装置631を間に挟むようにして設けられていなくてもよい。
<第22の実施形態>
本実施形態は、上記第15の実施形態において、可動物ユニット485の共通用駆動モータ561により駆動される一対の可動物のうち、一方の重量負荷により他方の重量負荷の一部がキャンセルされることに着目した実施形態であり、具体的な構成が上記第15の実施形態と異なっている。当該相違する構成について、以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第15の実施形態との相違点について説明し、同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図92は本実施形態における図柄表示装置641及びセンターフレーム642を簡易的に示す正面図である。
図92に示すように、センターフレーム642によって形成された開口部642aを通じて表示面641aが視認可能となるように図柄表示装置641が設置されている。図柄表示装置641は、上記第15の実施形態と異なり、移動可能には設けられていないとともに、マルチビュー表示を行うことができないようになっている。
センターフレーム642の屋根部分には、可動物ユニット643が設けられている。可動物ユニット643は、第1可動物644と、第2可動物645と、これらを駆動する共通用駆動モータ646と、を備えている。第1可動物644及び第2可動物645は共通用駆動モータ646を間に挟むようにして配置されており、これら第1可動物644及び第2可動物645は動力伝達部材647を通じて連結されている。動力伝達部材647には、両可動物644,645を連結する方向に沿って多数の歯が並設されており、当該歯は共通用駆動モータ646の駆動ローラと噛み合わされている。
共通用駆動モータ646と第1可動物644との連結経路上には第1従動ローラ648が設けられている。当該第1従動ローラ648が設けられていることにより、共通用駆動モータ646の駆動により第1可動物644が縦方向に移動する。また、共通用駆動モータ646と第2可動物645との連結経路上には第2従動ローラ649が設けられている。当該第2従動ローラ649が設けられていることにより、共通用駆動モータ646の駆動により第2可動物645が縦方向に移動する。これら第1可動物644及び第2可動物645は、図柄表示装置641の表示面641aにおける演出に合わせて開口部642aに対して出没する。つまり、第1可動物644及び第2可動物645は、演出を行うための演出部材である。また、これら第1可動物644及び第2可動物645には装飾が付与されているため、演出用の装飾部材としての機能も有する。
上記構成では、第1可動物644の自重による負荷が第2可動物645の自重による負荷に対してキャンセル方向に作用するとともに、第2可動物645の自重による負荷が第1可動物644の自重による負荷に対してキャンセル方向に作用する。これにより、共通用駆動モータ646において必要な駆動力の低減が図られ、それに伴って共通用駆動モータ646の小型化が図られる。
また、第1可動物644及び第2可動物645は、同一又は略同一の重量となっているとともに、共通用駆動モータ646の駆動ローラは、両従動ローラ648,649の中間位置に配置されている。したがって、両可動物644,645の負荷が、駆動ローラに対して左右方向(水平方向)のいずれか一方に偏って掛かることが抑えられ、当該負荷は駆動ローラに対して左右方向に略同一となるように掛かる。このように負荷を左右方向に略同一とすることで、左右方向に負荷が大きく異なる構成に比べ、駆動ローラに掛かる負荷が抑えられ、共通用駆動モータ646において必要な駆動力の低減が図られるため、共通用駆動モータ646の小型化が図られる。
なお、第1可動物644と第2可動物645との重量が大きく相違する場合には、駆動ローラに掛かる負荷が左右方向で同一又は略同一となるように、駆動ローラの位置を設定すればよい。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、上記各実施形態における各特徴的な構成を、所定の組み合わせで相互に適用してもよい。また、以下の別形態の各特徴的な構成を、上記各実施形態における各特徴的な構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。また、上記各実施形態と以下の別形態の各特徴的な構成を、所定の組み合わせで相互に適用してもよい。さらには、以下の各構成を、その構成の適用対象として例示していない実施形態に適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、表示面及び反射面の両方により表示領域が構成される場合、表示面に対して反射面が上方に配置される構成としたが、表示面に対して反射面が下方に配置された構成としてもよい。この場合、表示面がパチンコ機10後方に向けて下り傾斜となるように図柄表示装置を配置するとともに、反射面がパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように反射用ユニットを配置することで、遊技者によって実質的に視認される表示領域はパチンコ機10後方に向けて下り傾斜したものとなる。
また、表示面と反射面とが左右に配置された構成としてもよい。この場合、表示面及び反射面において相互に近い側がパチンコ機10後側に位置するとともに、表示面及び反射面において相互に遠い側がパチンコ機10前側に位置するように、これら表示面及び反射面を前後方向に傾斜させることで、遊技者によって実質的に視認される表示領域はパチンコ機10の左右方向の一方から他方に向かうほどパチンコ機10奥側に位置するように傾斜した状態となる。
ちなみに、上記のように表示面と反射面とが左右に配置される場合には、表示面を基準として右斜め前から当該表示面を見た場合に視認可能であって左斜め前から当該表示面を見た場合に視認不可である右側表示領域と、表示面を基準として左斜め前から当該表示面を見た場合に視認可能であって右斜め前から当該表示面を見た場合に視認不可である左側表示領域とを有するように図柄表示装置が表示制御される構成としてもよい。この場合、右側表示領域と左側表示領域とが縦ライン領域単位で構成されていてもよく、当該構成では右側表示領域と左側表示領域とが1ライン分の縦ライン領域単位で交互に配置されている構成としてもよく、右側表示領域と左側表示領域とが複数ライン分の縦ライン領域単位で交互に配置されている構成としてもよい。また、右側表示領域と左側表示領域とが縦方向及び横方向の両方において1個の単位画素領域毎に又は複数個の単位画素領域毎に交互に配置されている構成としてもよい。
(2)上記各実施形態では、視差バリアパネルを用いてマルチビュー表示を行う構成としたが、プリズムやレンチキュラレンズを用いてマルチビュー表示を行う構成としてもよい。また、画像を表示させる画像表示部は、液晶表示部に限定されることはなく、有機EL表示部、CRT等を用いてもよい。また、これら画像表示部に表示される画像は、動画に限定されることはなく静止画であってもよい。
また、画像表示部に代えて、前面に模様やキャラクタなどの絵が記された装飾シートを用いてもよい。この場合、装飾シートを、光透過性を有するようにガラスや合成樹脂材料により形成するとともに、装飾シートの表面に記す絵は、上側表示用の絵と下側表示用の絵とが縦方向に分割されて交互に配置された状態とする。そして、上側表示用の絵及び下側表示用の絵に対応させて視差バリアパネルを設けるとともに、装飾シートの背面に光を照射するバックライトを設ける。これにより、装飾シートによるデュアルビュー表示を行うことが可能となる。また、視差バリアパネルに代えて、機械的な構造により遮光層を設けるものを用いてもよい。
(3)上記第1の実施形態では、図柄表示装置81及び反射用ユニット84を有する図柄表示ユニット38において、角度変更モータ117を設け図柄表示装置81の表示面94の角度を変更可能とするとともに、当該表示面94の角度の変更に対して反射面131が追従するように反射用ユニット84が追従可能な構成としたが、これに限定されることはなく、表示面94及び反射面131により表示領域が構成された状態において図柄表示装置81及び反射用ユニット84を非可動式に設けてもよい。なお、本構成を、上記第2の実施形態や上記第3の実施形態といった上記第1の実施形態以外に対して適用してもよい。
(4)上記第1の実施形態において、リーチ用傾斜状態における表示面94の角度を、45度以外の角度としてもよい。また、大当たり用傾斜状態における表示面94の角度を、35度以外の角度としてもよい。また、リーチ用傾斜状態及び大当たり用傾斜状態に代えて、第1傾斜状態と第2傾斜状態とを設定し、これら第1傾斜状態と第2傾斜状態との間の切り替えを図柄の変動表示中に行うようにしてもよい。また、第1傾斜状態及び第2傾斜状態のうちの一方は図柄の変動表示中に切り替えられるとともに、第1傾斜状態及び第2傾斜状態のうちの他方はエラー報知といったように図柄の変動表示とは無関係なパチンコ機10の状態の報知を行う場合に切り替えられる構成としてもよい。また、初期状態を、表示面94が前後方向に僅かに傾斜している状態としてもよい。
(5)傾斜状態を、2段階ではなく3段階又は4段階以上設定してもよく、1段階のみとしてもよい。1段階のみ傾斜状態が設定された構成においては、当該傾斜状態に図柄の変動表示の状況に合わせて切り替えられる構成としてもよく、エラー報知といったように図柄の変動表示とは無関係なパチンコ機10の状態の報知を行う場合に切り替えられる構成としてもよい。また、初期状態を不具備とし、傾斜状態のみが設定された構成としてもよい。また、傾斜状態が段階的に保持されるのではなく、初期状態から所定の傾斜限度状態までの任意の状態において保持可能な構成としてもよい。なお、本構成を上記第2の実施形態や上記第3の実施形態といった上記第1の実施形態以外に対して適用してもよい。
(6)上記第1の実施形態では、遊技盤33の開口部33aを正面から見た場合に、液晶表示部90の上側表示領域102において表示された画像であって反射面131に映し出された画像と、液晶表示部90の下側表示領域103において表示された画像であって表示面94の視野角調整領域97において視認される画像との輝度が同程度となるように視差バリアパネル93を設けたが、これに限定されることはなく、いずれか一方の輝度が高くなるように視差バリアパネル93を設けてもよい。なお、本構成を、上記第2の実施形態や上記第3の実施形態といった上記第1の実施形態以外に対して適用してもよい。
(7)上記第1の実施形態では、リーチ用傾斜状態や大当たり用傾斜状態といった傾斜状態において、表示面及び反射面の両方を前後方向に傾斜させたが、パチンコ機10前方の所定の位置から遊技盤33の開口部33aを見た場合に、表示面におけるマルチビュー表示の各表示が表示面及び反射面のそれぞれにおいて視認可能となるのであれば、表示面又は反射面の一方が前後方向に傾斜していない構成としてもよい。また、上記第1の実施形態において、表示面94の全体を視野角調整領域97としてもよい。但し、反射用ユニット84の反射面131は表示面94よりも小型であるため、視野角調整領域97においてマルチビュー表示が行われたとしても、表示面94から上側に向けた画像の一部のみが反射面131において反射されることとなる。
(8)上記第1の実施形態等において、角度変更モータ117の位置や、表示制御装置82による角度変更モータ117の駆動制御の構成は任意である。また、図柄表示装置81と反射用ユニット84とでそれぞれ個別に角度変更モータ117を設けてもよい。また、角度検知センサ123〜125を不具備とし、代わりに角度変更モータ117として、ロータリーエンコーダを有するステッピングモータなどを用いる構成としてもよい。
(9)上記第1の実施形態等において、可変表示ユニットの状態を初期状態と傾斜状態との間で切り替える場合に、遊技盤33の開口部33aの奥側を視認不可とする扉部材(遮蔽部材)を設けてもよい。この場合、例えば、初期状態からリーチ用傾斜状態への切り替えといった表示領域のサイズを拡張する場合に、その切り替え過程を遊技者に視認させないようにすることができる。そうすると、遊技者から見た場合、表示領域が突然拡張された状態となり、演出として表示領域の拡張を行う場合に遊技者に与える視的効果を高めることができる。
(10)上記各実施形態において、液晶表示部の上側表示領域にて上下反転させたとしても同一の形状となる画像のみを表示する構成の場合、表示制御装置82のVDP165におけるマルチビュー表示用の描画処理にて上下反転処理を実行しない構成としてもよい。また、液晶表示部の上側表示領域にて表示される画像の表示データと、下側表示領域にて表示される画像の表示データとが独立してキャラクタROM166等に記憶されている構成においては、上側表示領域に表示される画像の表示データのうち、マルチビュー表示用の表示データについては予め上下反転させた状態でキャラクタROM166等に記憶させておくことで、マルチビュー表示用の描画処理にて上下反転処理を実行しない構成としてもよい。
(11)上記第1の実施形態では、表示制御装置82のVDP165における通常表示用の描画処理(図27)では、統一描画処理を実行する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、当該統一描画処理を実行するのではなく、代わりに、液晶表示部90において隣り合う上側表示領域102及び下側表示領域103にて1画素分ずれた画像を表示させることで、表示面94において単一の画像を表示させる構成としてもよい。なお、本構成を、上記各実施形態のうちいずれに対しても適用してよい。
(12)上記第1の実施形態において、ビデオRAM167の各描画エリア171〜174に表示データの設定を行う上で以下の処理構成を適用してもよい。すなわち、各描画エリア171〜174には、液晶表示部90における単位画素領域101毎にアドレスを設定するとともに、表示制御装置82のキャラクタROM166などに記憶されている表示データにもアドレスを設定する。そして、各描画エリア171〜174への表示データの設定に際しては、同一のサブルーチンを起動させる。この場合、当該サブルーチンにおいては、表示データの設定対象となる描画エリア171〜174の開始アドレスと終了アドレスとを開始アドレス特定用のエリア及び終了アドレス特定用のエリアに対して入力することで、その描画エリア171〜174の各アドレスに対して表示データにおける対応するアドレスの単位表示データが設定されるようにする。本構成とすることにより、共通のサブルーチンを通じて、各描画エリア171〜174に対して表示データの設定を行うことができる。
また、マルチビュー表示用の描画処理(図29)における上下反転処理では、通常の描画処理において表示データのアドレスを加算しながら設定するのに対して、表示データのアドレスを減算しながら設定することで、上記同一のサブルーチンにおいて上下反転させた画像の設定を行うことができる。
(13)窓パネル62がパチンコ機10後方に向けて上り傾斜となるように配置されているとともに、一般的な遊技者が遊技を行う場合には窓パネル62を見下ろすこととなる構成においては、図柄表示装置81にてマルチビュー表示を行う場合、図柄表示装置81の表示面94又は反射用ユニット84の反射面131の少なくとも一方がパチンコ機10の前後方向に傾斜していることは必須ではない。例えば、図柄表示装置81の表示面94及び反射用ユニット84の反射面131のうち一方が鉛直方向に起立するとともに、他方が水平方向に寝かせられた状態となることで、両方が窓パネル62に対してパチンコ機10奥側に傾斜した状態となる構成としてもよい。なお、本構成を、上記各実施形態のうちいずれに対しても適用してよい。
また、上記各実施形態におけるパチンコ機10において、一般的な遊技者が遊技を行う場合には窓パネル62を見下ろすこととなる構成においても、図柄表示装置81にてマルチビュー表示を行う場合、図柄表示装置81の表示面94又は反射用ユニット84の反射面131の少なくとも一方がパチンコ機10の前後方向に傾斜していることは必須ではない。例えば、図柄表示装置81の表示面94及び反射用ユニット84の反射面131のうち一方が鉛直方向に起立するとともに、他方が水平方向に寝かせられた状態となる構成としてもよい。本構成においては、マルチビュー表示に際して、表示面94及び反射面131の両方が、パチンコ機10前後方向に傾斜していない状態となるとともに、窓パネル62に対しても傾斜していない状態となる。なお、本構成を、上記各実施形態のうちいずれに対して適用してもよい。
(14)上記第1の実施形態では、図柄表示装置に対して表示制御装置が一体化された構成としたが、当該表示制御装置の位置は任意であり、例えば遊技盤33の背面に表示制御装置を固定してもよい。
(15)上記第1の実施形態では、主制御装置65から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置66により表示制御装置82が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置65から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置82が音声発光制御装置66を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置66と表示制御装置82とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置66,82が一の制御装置として設けられた構成としてもよい。
また、主制御装置65から音声発光制御装置66に出力されるコマンドの構成も任意である。例えば、変動開始コマンドには、図柄の変動表示時間、大当たり発生の有無などの情報が含まれるが、停止表示させる図柄の種類の情報は含まれない構成とするとともに、代わりに、図柄の種類の情報を含む種別コマンドが変動開始コマンドとは別に主制御装置65から音声発光制御装置66に出力される構成としてもよい。また、図柄の変動表示の停止に際して、主制御装置65から音声発光制御装置66に停止コマンド又は確定コマンドが出力される構成としてもよい。
また、音声発光制御装置66は、主制御装置65からコマンドを入力した場合に、当該コマンドをそのまま表示制御装置82に出力するのではなく、音声発光制御装置66において図柄の変動表示のパターンなどを特定するとともに、その特定結果を含めた情報を表示制御装置82に出力する構成としてもよい。したがって、特別リーチを行うか否かが音声発光制御装置66にて特定される構成としてもよい。
(16)上記第1の実施形態では、図柄の可変表示において特別リーチが発生する場合に、図柄表示ユニット38が初期状態からリーチ用傾斜状態へと切り換わる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、作動口36への1個の遊技球の入賞に対する1回の変動表示回において、図柄の変動表示の開始と図柄の変動表示の停止とが所定の複数回に亘って繰り返し行われ、最後の図柄の変動表示においてリーチ変動表示が発生する擬似連続変動演出が設定された遊技機においては、当該擬似連続変動演出が開始される場合やその途中などにおいて、図柄表示ユニット38が初期状態からリーチ用傾斜状態へと切り換わる構成としてもよい。その他、通常大当たり図柄の組合せが停止表示された後に、再度、変動等が行われ、最終的に確変大当たり図柄の組合せが停止表示される、いわゆる再抽選に際して、図柄表示ユニット38が初期状態からリーチ用傾斜状態へと切り換わる構成としてもよい。
(17)上記第1の実施形態では、主制御装置65において図柄表示装置81における図柄の変動表示の態様の一部を決定する構成としたが、これに代えて、主制御装置65では大当たり状態の発生の有無と図柄の変動表示時間のみを決定し、それ以外の変動表示の態様は音声発光制御装置66又は表示制御装置82において決定する構成としてもよい。
(18)上記第15の実施形態において、冷却手段として放熱ファン486,487を用いる構成に限定されることはなく、冷却手段としてヒートシンクを用いてもよく、ヒートポンプやペルチェ素子を用いてもよい。これらの構成であっても、表示用駆動モータ521への重量負荷を抑えるという観点からは、冷却手段を表示用駆動モータ521による変位対象から除外させて設けることが好ましい。
(19)上記第15の実施形態において、冷却手段による冷却対象は、図柄表示装置429と表示制御装置483との一体物や、膨出部503により区画形成された収容空間502に限定されることはなく、例えば、表示制御装置483が図柄表示装置429に一体化されておらず図柄表示装置429のみが表示用駆動モータ521に駆動されて変位する構成においては、当該図柄表示装置429が冷却対象である構成としてもよい。また、表示用駆動モータ521と冷却手段との位置関係を変更することで、当該表示用駆動モータ521が冷却手段の冷却対象に含まれる構成としてもよい。また、共通用駆動モータ561と冷却手段との位置関係を変更することで、当該共通用駆動モータ561が冷却手段の冷却対象に含まれる構成としてもよい。
また、図柄表示装置429が傾斜位置に配置された場合に放熱ファン486,487に近づく部品は、表示CPU582及びVDP583の両方に限定されることはなく、いずれか一方としてもよく、それに代えて又は加えて、所定の駆動用ドライバなどであってもよい。
(20)上記第15の実施形態において、冷却手段が設置される位置は、膨出部503の底傾斜部507に限定されることはなく、例えば膨出部503の天井傾斜部505、背面部506又は側壁部508のいずれかであってもよい。また、冷却手段が収容空間502内に設置されていてもよく、複数の冷却手段がそれぞれ異なる部位に設置されていてもよい。
(21)上記第15の実施形態において、放熱ファン486,487は主制御装置465や表示制御装置483といったように音声発光制御装置468とは異なる制御装置により駆動制御される構成としてもよい。また、制御装置により駆動制御されるのではなく、パチンコ機10の電源が投入されている状況では、常時駆動電力が供給される構成としてもよい。また、表示制御装置483や収容空間502内の温度を検知する検知センサと、当該検知センサの検知結果に基づいて放熱ファン486,487に駆動電力が供給された状態及び供給されていない状態のいずれかに切り換える切換回路とを設ける構成としてもよい。
(22)上記第15の実施形態において、図柄表示ユニット461の初期状態とマルチ表示状態とで比較した場合に初期状態の方が表示制御装置483の発熱量が多くなる構成としてもよい。この場合、高発熱状態及び低発熱状態のうち低発熱状態において冷却手段に対して表示制御装置483が近づくこととなる。当該構成の場合、高発熱状態を経由して表示制御装置483の温度が上昇している状況で当該表示制御装置483が冷却手段に近づくことで、温度が上昇している状態の表示制御装置483を良好に冷却することが可能となる。また、発熱量の変動が図柄表示装置429の位置と関係なく生じる構成としてもよい。この場合であっても、表示制御装置483の温度が上昇している状況で当該表示制御装置483が冷却手段に近づくことで、温度が上昇している状態の表示制御装置483を良好に冷却することが可能となる。
また、図柄表示装置429及び表示制御装置483の一体物は基本的に冷却手段に対して近い位置に配置されていて、所定のリーチ表示といった所定のタイミングにおいてのみ上記一体物と冷却手段との間の距離が遠くなる構成としてもよい。この場合、図柄表示装置429や表示制御装置483の冷却効率が高い状態が通常の状態となる。また、上記一体物の位置がいずれの位置であっても、当該一体物と冷却手段との間の相対的な距離が同一又は略同一となる構成としてもよい。
(23)上記第20の実施形態の構成とは逆に、図柄表示ユニット461の初期状態において冷却手段が低放熱状態となり、図柄表示ユニット461のマルチ表示状態において冷却手段が高放熱状態となる構成としてもよい。この場合、図柄表示装置429及び表示制御装置483の一体物と冷却手段との間の距離が遠い場合には冷却手段が高放熱状態となり、上記一体物と冷却手段との間の距離が近い場合には冷却手段が低放熱状態となるため、冷却手段が常に高放熱状態である構成に比べて省エネに貢献できるとともに、一体物と冷却手段との間の距離が遠い場合であっても当該一体物の冷却効率を高めることが可能となる。
(24)上記第15の実施形態において、図柄表示装置429を変位可能に設けるとともに冷却手段を表示用駆動モータ521の変位対象から除外することで表示用駆動モータ521への重量負荷の影響を低減しながら冷却手段を設けることができるという顕著な効果に着目した場合、当該構成をマルチビュー表示が行われない図柄表示装置が設けられたパチンコ機に対して適用してもよい。
この場合、図柄表示装置が一端を中心に回動する構成に限定されることはなく、図柄表示装置の厚み方向の回動軸を中心に回転する構成としてもよく、図柄表示装置が縦方向、横方向又は奥行き方向にスライド移動する構成としてもよい。これらの構成であっても、冷却手段は図柄表示装置の収容空間を冷却する構成としてもよく、図柄表示装置が所定の位置に配置された場合に当該図柄表示装置がそれまでよりも冷却手段に近づく構成としてもよく、冷却手段が放熱ファンである構成においては図柄表示装置がいずれの位置に配置されている状況であっても当該放熱ファンの送風面が図柄表示装置側を向いている構成としてもよい。
また、図柄表示装置に表示制御装置が一体化されていて、図柄表示装置よりも表示制御装置に近い側に対して冷却手段が設けられている構成としてもよい。また、マルチビュー表示が行われない構成であっても、上記一体物が冷却手段に近づく場合には、それよりも遠い場合に比べて、多くのスプライトが用いられる又は多くのエフェクトが用いられることで表示制御装置が高発熱状態となる構成としてもよい。この場合、高発熱状態となった表示制御装置を冷却手段にて効率良く冷却することが可能となる。
(25)上記第15の実施形態において、マルチビュー表示に係る構成や可動物ユニット485に係る構成といった放熱ファン486,487以外の構成に着目した場合、放熱ファン486,487を不具備としてもよく、放熱ファン486,487を図柄表示装置429又は表示制御装置483に一体化させてもよい。
(26)上記第15の実施形態において、マルチビュー表示が行われない状況では、各単位フレーム用エリア615における上側描画フレーム615aのみに描画データが作成される構成としたが、これに限定されることはなく、下側描画フレーム615bのみに描画データが作成される構成としてもよい。また、上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bのうち描画データが作成されるフレームが適宜変更される構成としてもよい。この場合、VDP583においていずれのフレームに対して描画データを作成したかを認識可能とする必要がある。
(27)上記第15の実施形態において、液晶表示部491にて上側表示領域496と下側表示領域497とが1個の単位画素領域495毎に交互に配置されている構成に限定されることはなく、複数の単位画素領域495毎に交互に配置されている構成としてもよい。但し、表示面429aにおける画像の表示を良好に行うためには、上記第15の実施形態のように、上側表示領域496と下側表示領域497とが1個の単位画素領域495毎に交互に配置されている構成とすることが好ましい。
(28)上記第15の実施形態において、マルチビュー表示が行われない状況では、各単位フレーム用エリア615の上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bのうち一方にのみ描画データが作成されるだけでなく、上側表示領域496及び下側表示領域497のうち一方のみに画像が表示される構成としてもよい。この場合、上側表示領域496及び下側表示領域497のうち他方には黒色表示又は白色表示といった地色が表示されることとなる。本構成によれば、1フレーム分の描画データの転送が完了するまでに要する時間や、画像処理デバイス606において1フレーム分の描画が完了するまでに要する時間に、上記第15の実施形態よりも余裕が生まれるため、この時間を利用してVDP583において多くのスプライトを用いた描画データの作成や多くのエフェクトを用いた描画データの作成を行うことが可能となる。但し、表示面429aに表示された画像を遊技者に違和感を抱かせることなく視認させるためには、上記第15の実施形態のように、上側表示領域496及び下側表示領域497の両方に画像が表示されることが好ましい。
(29)上記第15の実施形態では、ビデオRAM604においてキャッシュ領域611と描画用領域612とが予め区別されている構成としたが、これに限定されることはなく、表示CPU582やVDP583においてキャラクタROM603からの画像データの転送や描画データの作成に際して適宜エリアが設定される構成としてもよい。この場合、表示CPU582やVDP583において各エリアを設定するたびに、そのアドレスを表示CPU582やVDP583において特定できる構成とする必要がある。
(30)上記第15の実施形態において、マルチビュー表示が行われない状況ではVDP583はデバイス用バッファ614の上側デバイスフレーム614a及び下側デバイスフレーム614bのうち一方に対してのみ描画データを転送し、画像処理デバイス606においてその描画データを上側デバイスフレーム614a及び下側デバイスフレーム614bのそれぞれに記憶させる構成としてもよい。この場合、画像処理デバイス606の処理負荷が上記第15の実施形態よりも増加するものの、VDP583の処理負荷は上記第15の実施形態よりも軽減することができる。
(31)上記第15の実施形態では、液晶表示部491の多数の単位画素領域495は上側表示領域496と下側表示領域497との2つのグループに区分けされていたが、これに限定されることはなく、3つ以上のグループに区分けされていてもよい。
ちなみに、3つのグループに区分けされている場合としては、トリプルビュー表示が行われる構成が考えられる。具体的には、液晶表示部491において縦方向に多数並んだ各横ライン領域は、トリプルビュー表示を行う場合に上側表示領域(第1表示領域)と中央側表示領域(第2表示領域)と下側表示領域(第3表示領域)とに割り当てられるとともに、これら各領域は、上から順に上側表示領域→下側表示領域→中央側表示領域→上側表示領域→下側表示領域→中央側表示領域→・・・という順番で、1画素単位で並ぶように設定される。また、視差バリアパネル494は、上側表示領域にて表示される画像が表示面429aの斜め上方からのみ視認可能となり、中央側表示領域にて表示される画像が表示面429aの正面からのみ視認可能となり、下側表示領域にて表示される画像が表示面429aの斜め下方からのみ視認可能となるように形成される。
なお、本構成においては、上側表示領域にて表示された画像をパチンコ機10前方に向けて反射する反射面を表示面29の上方に設けるとともに、下側表示領域にて表示された画像をパチンコ機10前方に向けて反射する反射面を表示面429aの下方に設けることで、3つの表示領域にて表示されている画像をパチンコ機10前方からまとめて視認することができる。また、トリプルビュー表示が上下に行われる構成に限定されることはなく、横方向に行われる構成としてもよい。
また、4つ以上のグループに区分けされている場合としては、縦方向にデュアルビュー表示やトリプルビュー表示を行う領域と、横方向にデュアルビュー表示やトリプルビュー表示を行う領域とが一の液晶表示部491に混在している構成が考えられる。
上記構成であっても、マルチビュー表示が行われない状況では、一部の表示領域、具体的には1グループの表示領域に対応した描画データのみが作成される構成とすることで、各単位フレーム用エリア615の有効活用を図ることができるとともに、描画データの作成に要する時間を多くのスプライトや多くのエフェクトを表示するために割くことができる。
(32)上記第15の実施形態において、所定の状況では一部の表示領域に対応した描画データを作成するようにすることで、ビデオRAM604の有効活用を図ることができる又は描画データの作成に要する時間を多くのスプライトや多くのエフェクトを表示するために割くことができるという顕著な効果に着目した場合、当該構成をマルチビュー表示が行われない図柄表示装置が設けられたパチンコ機に対して適用してもよい。
(33)上記第17の実施形態では、各単位フレーム用エリア615が上側描画フレーム615aと下側描画フレーム615bとに区別されていたが、これに限定されることはなく、両フレーム615a,615bが区別されておらず、各単位フレーム用エリア615において上側表示領域496に対応したエリアと下側表示領域497に対応したエリアとが1個の単位画素領域495毎に交互に設定されている構成としてもよい。この場合、VDP583は、上側表示領域496と下側表示領域497とを区別することなく描画データを作成するとともに、その区別されていない描画データを画像処理デバイス606に転送することとなる。
(34)上記第17の実施形態において、各単位フレーム用エリア615とは別に合成用のバッファをVDP583又はビデオRAM604に設け、各単位フレーム用エリア615では上側表示領域496に対応した描画データと下側表示領域497に対応した描画データとを区別して作成するとともに、その作成後に合成用のバッファにおいて、上側表示領域496に対応した描画データと下側表示領域497に対応した描画データとが1個の単位画素領域495毎に交互に並べられた描画データが作成されるように描画データの合成を行う構成としてもよい。この場合、VDP583は、上側表示領域496と下側表示領域497とに区別されていない描画データを画像処理デバイス606に転送することとなる。
(35)表示面429aを見た場合に画像を視認可能な表示面429a内の面積又は位置の少なくとも一方が相互に異なるように複数の表示状態が設定されているとともに、いずれの表示状態であっても作成される描画データが表示面429aにおける同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるようにすることで、表示制御に係る構成を極端に複雑化させることなく、遊技への注目度の向上を図ることができるという顕著な効果に着目した場合、当該構成をマルチビュー表示が行われない図柄表示装置が設けられたパチンコ機に対して適用してもよい。
当該適用対象の構成としては、例えば、表示面429aの前方において当該表示面429aと対向する位置に配置されることで表示面429aの一部を隠す遮蔽部材が設けられた構成が考えられる。当該構成では、遮蔽部材が第1の位置と第2の位置とで切り換え配置されることでパチンコ機10前方から視認可能な表示面429aの領域が変更されることとなる。この場合に、遮蔽部材が第1の位置及び第2の位置のいずれに配置されている場合であっても表示面429aにおける同一の単位画素領域に対応した描画データを作成するようにすることで、上記のように遮蔽部材が設けられた構成において表示制御に係る構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
なお、上記遮蔽部材としては、扉のように開閉式のものや、シャッタのように出没式のものが考えられる。また、上記遮蔽部材の構成では、図柄表示装置429が変位不能に設けられていてもよい。また、表示面429a内における視認可能な面積を維持しつつ視認可能な位置を変更させるように遮蔽部材が動作する構成としてもよい。また、表示面429a内における視認可能な位置を維持しつつ視認可能な面積を変更させるように遮蔽部材が動作する構成としてもよい。
また、遮蔽部材の構成以外にも、図柄表示装置429自身が移動することでパチンコ機10前方に向けて露出される表示面429aの領域が変更される構成も考えられる。この場合に、図柄表示装置429がいずれの位置に配置されている場合であっても表示面429aにおける同一の単位画素領域に対応した描画データを作成するようにすることで、上記のように図柄表示装置429自身の移動に伴って視認可能な表示面429aの領域が変更される構成において表示制御に係る構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
(36)上記第15の実施形態では、VDP583から画像処理デバイス606への描画データの転送に際して、パラレルでデータ転送が行われる構成としたが、これに限定されることはなく、シリアルでデータ転送が行われる構成としてもよい。この場合、描画信号用の信号経路SC1は複数の信号経路が並設されてなるのではなく、単数の信号経路からなる構成としてもよい。本構成においては、デュアルビュー表示が行われる場合及び行われない場合のいずれであっても、データ転送の順序が横ライン領域の単位で又は単位画素領域495の単位で同一の態様で行われるようにすることで、データ転送に係る構成を簡素化することができる。また、シリアルでデータ転送を行う際にその転送に係るデータがいずれの単位画素領域495に対応しているものかの情報も転送されるようにすることで、デュアルビュー表示が行われる場合及び行われない場合のいずれであっても、同一の態様でデータ転送を行うことが可能となる。
また、上記第15の実施形態のように描画信号用の信号経路SC1が横ライン領域に対応させて複数の信号経路が並設されてなる構成において、それら各信号経路においてデータ転送が行われるタイミングが重複しない構成としてもよい。
(37)上記第15の実施形態のように描画信号用の信号経路SC1が上側表示領域496及び下側表示領域497のうち一方分の横ライン領域に対応した数の信号経路が並設されてなる構成を、上記第17の実施形態のようにVDP583にてデュアルビュー表示が行われない場合であっても上側表示領域496に対応した描画データと下側表示領域497に対応した描画データとの両方が作成される構成に適用してもよい。
また、上記第17の実施形態のように描画信号用の信号経路SC1が上側表示領域496及び下側表示領域497の全て分の横ライン領域に対応した数の信号経路が並設されてなる構成を、上記第15の実施形態のようにVDP583にてデュアルビュー表示が行われない場合には上側表示領域496及び下側表示領域497のうち一方に対応した描画データのみが作成される構成に適用してもよい。
(38)上記第15の実施形態において、表示面429aの全体がマルチビュー表示可能とされた構成ではなく、表示面429aの一部においてマルチビュー表示可能とされた構成に対して、上記各実施形態における描画データの作成に係る特徴的な構成や、描画データの転送に係る特徴的な構成を適用してもよい。この場合、例えば、マルチビュー表示の実行が不可である領域、具体的には視差バリアパネル494による視差調整が行われない領域についてはマルチビュー表示が行われる場合及び行われない場合のいずれであっても描画データが作成されるようにするとともに、マルチビュー表示の実行が可能である領域、具体的には視差バリアパネル494による視差調整が行われる領域についてはマルチビュー表示が行われない場合には視認可能となる方向が相互に異なる複数領域のうち一部の領域に対応した描画データのみが作成される構成とする。これにより、マルチビュー表示が行われない場合には作成される描画データの情報容量を小さくすることができる。
(39)上記第15の実施形態において、表示面429aを見た場合に画像を視認可能な表示面429a内の面積又は位置の少なくとも一方が相互に異なるように複数の表示状態が設定されているとともに、いずれの表示状態であっても描画データの転送が同一の態様で行われるようにすることで、画像処理デバイス606の構成を極端に複雑化させることなく、遊技への注目度の向上を図ることができるという顕著な効果に着目した場合、当該構成をマルチビュー表示が行われない図柄表示装置が設けられたパチンコ機に対して適用してもよい。
当該適用対象の構成としては、例えば、表示面429aの前方において当該表示面429aと対向する位置に配置されることで表示面429aの一部を隠す遮蔽部材が設けられた構成が考えられる。当該構成では、遮蔽部材が第1の位置と第2の位置とで切り換え配置されることでパチンコ機10前方から視認可能な表示面429aの領域が変更されることとなる。この場合に、遮蔽部材が第1の位置及び第2の位置のいずれに配置されている場合であっても表示面429aにおける同一の単位画素領域に対応した描画データが画像処理デバイス606に転送されるようにすることで上記のように遮蔽部材が設けられた構成において画像処理デバイス606の構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
なお、上記遮蔽部材としては、扉のように開閉式のものや、シャッタのように出没式のものが考えられる。また、上記遮蔽部材の構成では、図柄表示装置429が変位不能に設けられていてもよい。また、表示面429a内における視認可能な面積を維持しつつ視認可能な位置を変更させるように遮蔽部材が動作する構成としてもよい。また、表示面429a内における視認可能な位置を維持しつつ視認可能な面積を変更させるように遮蔽部材が動作する構成としてもよい。
また、遮蔽部材の構成以外にも、図柄表示装置429自身が移動することでパチンコ機10前方に向けて露出される表示面429aの領域が変更される構成も考えられる。この場合に、図柄表示装置429がいずれの位置に配置されている場合であっても表示面429aにおける同一の単位画素領域に対応した描画データが画像処理デバイス606に転送されるようにすることで、上記のように図柄表示装置429自身の移動に伴って視認可能な表示面429aの領域が変更される構成において画像処理デバイス606の構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
(40)上記第15の実施形態では、可動物ユニット485について第1可動部であるシャッタ551と第2可動部であるミラーユニット541とが、共通用駆動モータ561及び共通用ギア562〜564が搭載された駆動領域の前方において前後に並設された構成としたが、これに限定されることはなく、駆動領域の後方において前後に並設された構成としてもよい。
(41)上記第15の実施形態において、可動物ユニット485についてミラーユニット541とシャッタ551とのそれぞれに対して個別に駆動モータが設けられた構成としてもよい。この場合、ミラーユニット541の駆動モータについて、第1可動部をミラーユニット541とするとともに第2可動部を遊技者に視認されない位置にて移動する重り部材である構成としてもよい。当該構成であっても、ミラーユニット541と重り部材との間で重量負荷のキャンセルが行われることで、駆動モータにおいて必要な駆動力の低減が図られる。また、シャッタ551の駆動モータについて、第1可動部をシャッタ551とするとともに第2可動部を遊技者に視認されない位置にて移動する重り部材である構成としてもよい。当該構成であっても、シャッタ551と重り部材との間で重量負荷のキャンセルが行われることで、駆動モータにおいて必要な駆動力の低減が図られる。
また、上記のようにミラーユニット541とシャッタ551とのそれぞれに対して個別に駆動モータが設けられた構成においては、ミラーユニット541の駆動モータについて、第1可動部として大型のミラーユニットが設けられているとともに第2可動部として小型のミラーユニットが設けられている構成としてもよい。この場合、例えば図柄表示装置429にてマルチビュー表示が行われている状況において開口部435を通じて視認可能な範囲に出現するミラーユニットを大型のものと小型のものとで切り換えることで、画像が表示される領域のサイズの変更を良好に行うことができる。なお、当該構成をシャッタ551が設けられていない構成に対して適用してもよい。
また、上記のようにミラーユニット541とシャッタ551とのそれぞれに対して個別に駆動モータが設けられた構成においては、シャッタ551の駆動モータについて、第1可動部として大型のシャッタが設けられているとともに第2可動部として小型のシャッタが設けられている構成としてもよい。
(42)上記第15の実施形態において、可動物ユニット485における複数の可動部に共通させて設けられた電動アクチュエータは出力軸561aを回転させる回転モータに限定されることはなく、出力軸を往復動させるソレノイドであってもよい。この場合、ミラーユニット541とシャッタ551とをシーソー式に設け、出力軸の往復動に起因してシーソー式の伝達部材が押し引きされることでミラーユニット541及びシャッタ551が相互に逆方向に移動する構成が考えられる。また、当該シーソー式の構成においては、出力軸は一方の可動物に直付けされている構成としてもよい。
(43)上記第15の実施形態において、複数の可動部に対して共通の電動アクチュエータが設けられているとともに、一方の可動部が付勢されている方向に移動する場合には他方が付勢力に抗する方向に移動するようにそれら各可動部が設けられていることで、共通の電動アクチュエータにおいて必要な駆動力の低減が図られるという顕著な効果に着目した場合、当該構成を図柄表示装置429周辺に設けられた可動手段以外の可動手段に係る構成として適用してもよい。
例えば、払出装置76といったように遊技球の通過を阻止又は許容する阻止許容部材に対して上記構成を適用してもよい。具体的には、第1可動部として媒体通路に出没することで遊技媒体の通過を阻止又は許容する阻止許容部材を設けるとともに第2可動部として重り部材を設ける。
また、例えば第1可動部及び第2可動部が縦方向に移動するのではなく、横方向に移動する構成としてもよい。この場合、バネなどによって第1可動部が所定方向に付勢されるようにするとともに、上記バネとは異なるバネなどによって第2可動部が上記所定方向とは逆方向に付勢されるようにする。この場合であっても、第1可動部及び第2可動部のそれぞれに付勢力が付与されるとともに、お互いの付勢力がキャンセル方向に作用することとなる。
(44)上記第15の実施形態において、複数の可動部に対して共通の電動アクチュエータが設けられているとともに、一方の可動部が付勢されている方向に移動する場合には他方が付勢力に抗する方向に移動するようにそれら各可動部が設けられている構成以外の構成に着目した場合、ミラーユニット541とシャッタ551とがそれぞれ異なる駆動モータによって駆動される構成としてもよい。この場合、図柄表示装置429とミラーユニット541とが単一の駆動モータによって動作する構成としてもよく、図柄表示装置429とシャッタ551とが単一の駆動モータによって動作する構成としてもよい。
(45)上記第15の実施形態において、図柄表示装置429を振動させる機能及び可動物ユニット485を振動させる機能の両方を備えているのではなく、図柄表示装置429を振動させる機能又は可動物ユニット485を振動させる機能のいずれか一方を備えている構成としてもよい。
(46)上記第15の実施形態において、図柄表示ユニット461がマルチ表示状態である状況において図柄表示装置429を振動させる演出や、ミラーユニット541を振動させる演出が行われる構成としてもよい。また、図柄表示ユニット461が初期状態からマルチ表示状態に切り換えられる途中のタイミングや、マルチ表示状態から初期状態に切り換えられる途中のタイミングで振動演出が行われる構成としてもよい。
(47)上記第15の実施形態において、図柄表示装置429を振動させる演出とシャッタ551を振動させる演出とが同時に行われる構成としてもよい。この場合であっても、図柄表示装置429とシャッタ551とで別々の駆動モータが設けられていることにより、振動の度合いを相互に異ならせることが可能となる。例えば、図柄表示装置429の振動を弱く設定するとともにシャッタ551の振動を強く設定することが可能となる。
(48)上記第19の実施形態における振動演出が、図柄表示ユニット461が初期状態である状況において行われる構成としてもよい。
(49)図柄表示装置429を変位させる表示用駆動モータ521とは別に、ミラーユニット541及びシャッタ551といった可動手段を変位させる共通用駆動モータ561が設けられていることにより、図柄表示装置429及び可動手段の変位を良好に行うことができるという顕著な効果に着目した場合、当該構成をマルチビュー表示が行われない図柄表示装置が設けられたパチンコ機に対して適用してもよい。
例えば、図柄表示装置が複数設けられており、一方の図柄表示装置の表示面はパチンコ機10前方から常時視認可能であるとともに、他方の図柄表示装置の表示面は当該図柄表示装置の移動に伴ってパチンコ機10前方から視認可能となる位置と視認不可となる位置に切り換えられる構成において、各図柄表示装置に対して個別に電動アクチュエータが設けられた構成としてもよい。
また、例えば、図柄表示装置429用の振動モータと可動手段用の振動モータとが個別に設けられた構成としてもよい。この場合、図柄表示装置429の変位とは図柄表示装置429が振動することであり、可動手段の変位とは可動手段が振動することに該当する。
(50)上記第15の実施形態において、振動演出やマルチビュー表示の演出が行われるタイミングは任意であり、例えば遊技回用の演出としてではなく大当たり中の演出として行われる構成としてもよい。
(51)上記第15の実施形態において、マルチビュー表示が行われる場合、反射面542a,543aでは表示面429aの一部の領域が映し出される構成に限定されることはなく、表示面429aの全体又は略全体の領域が映し出される構成としてもよい。この場合、画像が表示される領域のさらなる大型化を図ることができる。
(52)画像処理デバイス606はプログラムデータに基づいて描画処理を実行するのではなく、専用のハード回路に基づいて描画処理を実行する構成としてもよい。
(52−1)当該構成を、上記第15の実施形態のように描画信号用の信号経路SC1が、上側表示領域496を構成する横ライン領域の数(すなわち、下側表示領域497を構成する横ライン領域の数)に1対1で対応させて単位信号経路が設けられている構成に対して適用した場合、以下の構成としてもよい。つまり、VDP583は、作成した描画データのうち、各横ライン領域を構成する単位画素領域495に対応した部分のデータを、各横ライン領域に対応した単位信号経路を通じて画像処理デバイス606に転送する構成とする。この場合に、VDP583は、第1転送信号を出力している状況において上側描画フレーム615aに作成された描画データのうち各横ライン領域を構成するデータをそれぞれ1対1で対応する単位信号経路を介して転送するとともに、第2転送信号を出力している状況において下側描画フレーム615bに作成された描画データのうち各横ライン領域を構成するデータをそれぞれ1対1で対応する単位信号経路を介して転送する。この点、各単位信号経路は、上側表示領域496における一の横ライン領域に対応しているとともに、下側表示領域497における一の横ライン領域に対応していると言える。
上記構成において、画像処理デバイス606は、各単位信号経路と液晶表示部491の各横ライン領域とを対応付ける調整回路と、一の単位信号経路から横ライン領域分のデータが転送されてきた場合にそのデータを当該横ライン領域の各単位画素領域495に対して順次出力する出力回路と、第1転送信号を受信している場合には各単位信号経路を上側表示領域496の各横ライン領域に対応付けるとともに第2転送信号を受信している場合には各単位信号経路を下側表示領域497の各横ライン領域に対応付ける切換回路と、を備えている構成としてもよい。当該構成とすれば、画像処理デバイス606において1フレーム分の描画データを記憶保持するためのデバイス用バッファ614が必要なくなる。
なお、上記構成において、VDP583は、各横ライン領域のデータを同時に転送するのではなく順次転送する構成としてもよく、同時に転送する構成としてもよい。また、上記構成の場合、描画データを転送する場合の1単位の情報は、1個の単位画素領域495に対応したデータとみなすことができるとともに、横ライン領域の1列分のデータとみなすこともできる。
(52−2)上記専用のハード回路を設ける構成を、上記第16の実施形態のように描画信号用の信号経路SC1が、液晶表示部491における各横ライン領域の数に1対1で対応させて単位信号経路が設けられているとともに、デュアルビュー表示が行われない場合には上側表示領域496及び下側表示領域497のうち一方にのみ対応した分の描画データが転送される構成に対して適用した場合、以下の構成としてもよい。つまり、VDP583は、作成した描画データのうち、各横ライン領域を構成する単位画素領域495に対応した部分のデータを、各横ライン領域に対応した単位信号経路を通じて画像処理デバイス606に転送する構成とする。この場合に、VDP583は非マルチ信号を出力している状況において上側描画フレーム615aに作成された描画データのうち各横ライン領域を構成するデータを全単位信号経路の一部であって各横ライン領域に1対1で対応する単位信号経路を介して転送するとともに、マルチ信号を出力している状況において上側描画フレーム615a及び下側描画フレーム615bに作成された描画データのうち各横ライン領域を構成するデータをそれぞれ1対1で対応する単位信号経路を介して転送する。
上記構成において、画像処理デバイス606は、各単位信号経路と液晶表示部491の各横ライン領域とを対応付ける調整回路と、マルチ信号を受信している場合において一の単位信号経路から横ライン領域分のデータが転送されてきた場合にそのデータを当該横ライン領域の各単位画素領域495に対して順次出力するマルチ用出力回路と、非マルチ信号を受信している場合において一の単位信号経路から横ライン領域分のデータが転送されてきた場合にそのデータを当該横ライン領域とそれに連続する予め定められた一の横ライン領域との両方の各単位画素領域495に対して順次出力する非マルチ用出力回路と、を備えている構成としてもよい。当該構成とすれば、画像処理デバイス606において1フレーム分の描画データを記憶保持するためのデバイス用バッファ614が必要なくなる。
なお、上記構成において、VDP583は、各横ライン領域のデータを同時に転送するのではなく順次転送する構成としてもよく、同時に転送する構成としてもよい。また、上記構成の場合、描画データを転送する場合の1単位の情報は、1個の単位画素領域495に対応したデータとみなすことができるとともに、横ライン領域の1列分のデータとみなすこともできる。
(52−3)上記専用のハード回路を設ける構成を、上記第17の実施形態のように描画信号用の信号経路SC1が、液晶表示部491における各横ライン領域の数に1対1で対応させて単位信号経路が設けられている構成に対して適用した場合、以下の構成としてもよい。つまり、VDP583は、作成した描画データのうち、各横ライン領域を構成する単位画素領域495に対応した部分のデータを、各横ライン領域に対応した単位信号経路を通じて画像処理デバイス606に転送する構成とする。
上記構成において、画像処理デバイス606は、各単位信号経路と液晶表示部491の各横ライン領域とを対応付ける調整回路と、一の単位信号経路から横ライン領域分のデータが転送されてきた場合にそのデータを当該横ライン領域の各単位画素領域495に対して順次出力する出力回路と、を備えている構成としてもよい。当該構成とすれば、画像処理デバイス606において1フレーム分の描画データを記憶保持するためのデバイス用バッファ614が必要なくなる。
なお、上記構成において、VDP583は、各横ライン領域のデータを同時に転送するのではなく順次転送する構成としてもよく、同時に転送する構成としてもよい。また、上記構成を上記第18の実施形態に適用してもよい。また、上記構成の場合、描画データを転送する場合の1単位の情報は、1個の単位画素領域495に対応したデータとみなすことができるとともに、横ライン領域の1列分のデータとみなすこともできる。
また、上記(52−1)、上記(52−2)及び上記(52−3)の構成を、デュアルビュー表示が横方向に行われる構成に対して適用してもよい。
(53)単位フレーム用エリア615やデバイス用バッファ614は、単位画素領域495の数と同一の単位エリアを備えている構成に限定されることはなく、単位画素領域495の数よりも多い数の単位エリアを備えている構成としてもよい。
(54)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
なお、スロットマシン又はパチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機に本発明を適用する場合、遊技機前面部に形成された窓部又は窓パネルを通じて、表示面及び反射面から構成される表示領域を遊技機前方から視認可能なように、図柄表示ユニットを設ける構成とすればよい。この場合、当該図柄表示ユニットとは別に、上記リール(回転体)を設けてもよく、図柄表示ユニットが上記リールとして代用される構成としてもよい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.表示領域(表示面429a)にて所定の表示を行う表示手段(図柄表示装置429)を備えた遊技機において、
前記表示手段を変位させる表示用駆動手段(表示用駆動モータ521)と、
前記表示手段の表示領域にて所定の表示を行わせることで発熱若しくは熱せられる箇所又は前記表示手段を変位させることで発熱若しくは熱せられる箇所の少なくともいずれかである冷却対象を冷却する冷却手段(放熱ファン486,487)と、
を備え、
当該冷却手段は、前記表示手段とともに変位しないように、前記表示用駆動手段による変位対象から除外させて設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、表示用駆動手段が設けられていることにより、表示手段を変位させることが可能である。これにより、表示手段にて所定の表示を行わせることによる演出だけでなく、表示手段自身を変位させる演出を行うことが可能となる。よって、表示手段への注目度を高めることが可能であるとともに、それに起因して遊技への注目度を高めることが可能である。
また、冷却手段が設けられていることにより表示手段の表示領域にて所定の表示を行わせることによる発熱の表示手段周囲への影響又は表示手段を変位させることによる発熱の表示手段周囲への影響が低減される。この場合に、当該冷却手段は、表示手段とともに変位しないように、表示用駆動手段による変位対象から除外させて設けられている。これにより、冷却手段の重量負荷の影響が表示用駆動手段に及ばないようにしながら、上記冷却効果を得ることができる。
以上より、表示手段による演出の実行に起因して生じる熱を良好に冷却できるようにしながら、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A2.表示領域(表示面429a)にて所定の表示を行う表示手段(図柄表示装置429)を備えた遊技機において、
前記表示手段を変位させる表示用駆動手段(表示用駆動モータ521)と、
前記表示手段の表示領域にて所定の表示を行わせることで発熱する箇所又は熱せられる箇所の少なくとも一方である冷却対象を冷却する冷却手段(放熱ファン486,487)と、
を備え、
当該冷却手段は、前記表示手段とともに変位しないように前記表示用駆動手段による変位対象から除外させて設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、表示用駆動手段が設けられていることにより、表示手段を変位させることが可能である。これにより、表示手段にて所定の表示を行わせることによる演出だけでなく、表示手段自身を変位させる演出を行うことが可能となる。よって、表示手段への注目度を高めることが可能であるとともに、それに起因して遊技への注目度を高めることが可能である。
また、冷却手段が設けられていることにより表示手段の表示領域にて所定の表示を行わせることによる発熱の表示手段周囲への影響が低減される。この場合に、当該冷却手段は、表示手段とともに変位しないように、表示用駆動手段による変位対象から除外させて設けられている。これにより、冷却手段の重量負荷の影響が表示用駆動手段に及ばないようにしながら、上記冷却効果を得ることができる。
以上より、表示手段による演出の実行に起因して生じる熱を良好に冷却できるようにしながら、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A3.前記表示手段の変位範囲には、当該表示手段と前記冷却手段との間の距離が相対的に遠い位置と近い位置とが含まれていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、表示手段の変位に伴って当該表示手段と冷却手段との間の距離が近くなることがあることにより、表示手段の変位に伴って表示手段又はその周辺の冷却効率が高くなる状況を生じさせることができる。
特徴A4.前記表示手段における表示状態には、前記表示領域にて所定の表示を行わせることによる発熱量が相対的に高低となった高発熱状態(マルチビュー表示が行われる状態)及び低発熱状態(マルチビュー表示が行われない状態)が含まれているとともに、これら高発熱状態と低発熱状態との間の遷移が前記表示手段の変位に伴って行われる構成であり、
前記冷却手段は、前記表示手段の位置が少なくとも前記高発熱状態に対応した位置となっている場合の前記冷却対象を冷却するように設けられていることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、高発熱状態と低発熱状態との間の遷移が表示手段の変位に伴って行われる構成であるため、例えば表示手段の変位に伴って表示領域における所定の表示を複雑化したりすることが可能である。これにより、表示手段への注目度を高めることが可能であるとともに、それに起因して遊技への注目度を高めることが可能である。当該構成において、表示手段の位置が少なくとも高発熱状態に対応した位置となっている場合に冷却対象を冷却するように冷却手段が設けられていることにより、高発熱状態となった場合の表示手段周囲への影響が低減される。
特徴A5.前記冷却手段は空気を送り込む送風手段(放熱ファン486,487)を備えており、
当該送風手段は、所定の表示が行われる場合における前記表示手段の変位位置がいずれであっても送風面が前記表示手段側を向くように設けられていることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、表示手段の変位位置がいずれであっても、送風手段の送風面が表示手段側を向くため、表示手段が変位可能であって冷却手段が表示手段とともに変位しないように設けられた構成において、表示手段の変位位置に関係なく表示手段又はその周辺を冷却することが可能となる。
なお、前記送風手段は、所定の表示が行われる場合における前記表示手段の変位位置がいずれであっても空気を送り出す送風面の延長線上に前記表示手段の少なくとも一部が含まれる位置に固定されている構成としてもよい。
また、所定の表示が行われる状況で前記表示手段が変位される場合、当該表示手段が単一の特定方向への回動により往復動する又は単一の特定方向へのスライド移動により往復動する構成としてもよい。この場合、前記送風手段を、前記送風面の向きが前記特定方向に対応した向きとなるように設置すればよい。
特徴A6.前記表示手段を表示制御する表示制御手段(表示制御装置483)を備え、当該表示制御手段は前記表示手段とともに変位するように当該表示手段に一体化されており、
前記冷却対象には、前記表示制御手段又は当該表示制御手段にて表示制御が行われることによる発熱によって熱せられる箇所の少なくとも一方が含まれていることを特徴とする特徴A2乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、表示制御手段が表示手段に一体化されていることにより、両者の情報のやり取りに関する構成を良好なものとすることが可能となる。また、表示制御手段にて表示手段の表示制御が行われた場合、当該表示制御手段が発熱することが考えられるが、冷却手段が設けられていることにより、当該発熱の表示制御手段やその周囲への影響が抑えられる。この場合に、上記特徴A2の構成を備え、冷却手段は、表示手段及び表示制御手段と一体化されていない。これにより、表示用駆動手段への重量負荷の影響を抑えながら、上記効果を奏することができる。
特徴A7.前記表示制御手段における表示制御状態には、発熱量が相対的に高低となった高発熱状態(マルチビュー表示が行われる状態)及び低発熱状態(マルチビュー表示が行われない状態)が含まれているとともに、これら高発熱状態と低発熱状態との間の遷移が前記表示手段の変位に伴って行われる構成であり、
前記冷却手段は、前記表示手段の位置が少なくとも前記高発熱状態に対応した位置となっている場合の前記冷却対象を冷却するように設けられていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、表示制御手段における高発熱状態と低発熱状態との間の遷移が表示手段の変位に伴って行われる構成とすることにより、例えば表示手段の変位に伴って表示領域における所定の表示を複雑化したりすることが可能である。これにより、表示手段への注目度を高めることが可能であるとともに、それに起因して遊技への注目度を高めることが可能である。当該構成において、表示手段の位置が少なくとも高発熱状態に対応した位置となっている場合に冷却対象を冷却するように冷却手段が設けられていることにより、高発熱状態となった場合の表示制御手段又は表示制御手段周囲への熱の影響が低減される。
特徴A8.前記表示制御手段は、前記表示手段における前記表示領域とは異なる面側に設置されていることで前記表示手段と一体化されており、
前記冷却手段は、前記表示手段の位置が前記高発熱状態に対応した位置の場合及び前記低発熱状態に対応した位置の場合のいずれにおいても前記冷却対象を冷却するように設けられているとともに、前記高発熱状態に対応した位置の場合の方が前記低発熱状態に対応した位置の場合よりも前記表示制御手段との間の距離が近くなるように設けられていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、冷却手段は、高発熱状態に対応した位置の場合の方が低発熱状態に対応した位置の場合よりも表示制御手段との間の距離が近くなるように設けられているため、高発熱状態に対応した位置及び低発熱状態に対応した位置のいずれにおいても冷却対象の冷却を可能としながら、高発熱状態に対応した位置での冷却効率を高めることができる。
なお、前記冷却手段は、前記表示手段の位置が前記高発熱状態に対応した位置の場合及び前記低発熱状態に対応した位置の場合のいずれにおいても前記冷却対象を冷却する位置であって、前記高発熱状態に対応した位置の場合の方が前記低発熱状態に対応した位置の場合よりも発熱源との間の距離が近くなる位置に固定されている構成としてもよい。
特徴A9.前記表示制御手段は、前記表示手段における前記表示領域とは異なる面側に設置されていることで前記表示手段と一体化されており、
前記冷却手段は空気を送り込む送風手段(放熱ファン486,487)を備えており、
当該送風手段は、所定の表示が行われる場合における前記表示手段の変位位置がいずれであっても送風面が前記表示制御手段側を向くように設けられていることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、表示手段及び表示制御手段の一体物の変位位置がいずれであっても、送風手段の送風面が表示制御手段側を向くため、上記一体物が変位可能であって冷却手段が当該一体物とともに変位しないように設けられた構成において、上記一体物の変位位置に関係なく表示制御手段を冷却することが可能となる。
特徴A10.前記送風手段は、前記表示制御手段による表示制御が行われる場合における前記表示手段の変位位置がいずれであっても空気を送り出す送風面の延長線上に前記表示制御手段の少なくとも一部が含まれる位置に固定されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、送風面の向きと表示制御手段の位置との関係を調整するという比較的簡素な構成により、上記特徴A9の作用効果を奏することができる。
なお、前記表示制御手段による表示制御が行われる状況で前記表示手段が変位される場合、当該表示制御手段が単一の特定方向への回動により往復動する又は単一の特定方向へのスライド移動により往復動する構成としてもよい。この場合、前記送風手段を、前記送風面の向きが前記特定方向に対応した向きとなるように設置すればよい。
特徴A11.前記表示手段の変位領域(収容空間502)を区画する区画部(膨出部503)を備えており、
前記冷却対象には、前記変位領域が含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、冷却手段により変位領域を冷却することにより、表示手段の変位位置がいずれであっても冷却効果を得ることができる。
特徴A12.前記冷却手段は、前記変位領域の外側に設置されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、変位領域を縮小化させることなく、冷却手段を設けることができる。
特徴A13.前記区画部は、高さ位置が相対的に高低となった高位側区画部(天井傾斜部505)と低位側区画部(底傾斜部507)とを備えており、
前記冷却手段は前記低位側区画部に設置されているとともに、前記高位側区画部には前記変位領域内の空気を当該変位領域の外部に逃がす通気孔(天井側通気孔571)が形成されていることを特徴とする特徴A11又はA12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、冷却手段が設けられた位置に対して排気機能を有する通気孔が高い位置に設けられていることにより、変位領域の冷却効果が高められる。
特徴A14.前記高位側区画部には、遊技機にて所定の動作が行われる場合に動作する遊技機構成部品(音声発光制御装置ユニット463)が搭載されているとともに、当該遊技機構成部品は、前記通気孔に対して当該通気孔の貫通方向の延長線上に少なくとも一部が含まれる位置であって前記通気孔を塞がない位置に配置されていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、高位側区画部は、変位領域を区画する機能と、変位領域内の空気を排気する機能と、遊技機構成部品を搭載する機能とを有することとなり、高位側区画部を有効活用することができる。
特徴A15.前記表示用駆動手段は、前記変位領域の外側に設置されていることを特徴とする特徴A11乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、表示用駆動手段が動作することによる発熱の変位領域への影響を抑えながら、表示手段を変位可能とすることができる。また、表示用駆動手段が変位領域内に設置された構成に比べ、冷却手段に要求される冷却能力が低減されるため、冷却手段の小型化や冷却手段の構成の簡素化が図られる。
特徴A16.前記表示手段は、前記表示領域を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示領域を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能であり、
さらに、前記表示領域における表示を反射させる反射面(反射面542a,543a)を有する反射手段(ミラーユニット541)を備えており、
前記表示手段の変位範囲には、前記表示領域において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となり、さらに前記表示領域において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示領域において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となるように前記表示領域と前記反射面との位置関係が設定される特別表示位置と、当該特別表示位置とは異なる非特別表示位置と、が含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、表示手段が特別表示位置に配置されている状態では、表示領域及び反射面のそれぞれにおいて所定の表示を行うことが可能となり、さらに表示領域及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示領域のみにおいて所定の表示が行われる構成に比べ、所定の表示が行われる領域の大型化を図ることができる。
また、表示手段の変位範囲には上記特別表示位置だけでなくそれとは異なる非特別表示位置が含まれているため、例えば遊技の途中でこれらの位置の切換を行うことで、所定の表示のさせ方を表示内容とは異なる手法により切り換えることができる。よって、所定の表示への注目度を高めることが可能であるとともに、それに起因して遊技への注目度を高めることが可能である。
さらにまた、冷却手段を備えていることにより、上記のように表示領域及び反射面のそれぞれにおいて所定の表示を行わせる上で発熱量が増加したとしても、その影響を抑えることができるとともに、冷却手段は表示手段とともに変位しないように設けられていることにより、表示用駆動手段への重量負荷の影響を抑えながら上記効果を奏することができる。
特徴A17.前記表示手段は、前記表示領域を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示領域を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能であり、
さらに、前記表示領域における表示を反射させる反射面(反射面542a,543a)を有する反射手段(ミラーユニット541)を備えており、
前記表示手段の変位範囲には、
前記表示領域において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となり、さらに前記表示領域において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示領域において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となるように前記表示領域と前記反射面との位置関係が設定される特別表示位置と、
前記表示領域における表示が前記反射面にて反射されなくなるように前記表示領域と前記反射面との位置関係が設定される非特別表示位置と、
が含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、表示手段が特別表示位置に配置されている状態では、表示領域及び反射面のそれぞれにおいて所定の表示を行うことが可能となり、さらに表示領域及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示領域のみにおいて所定の表示が行われる構成に比べ、所定の表示が行われる領域の大型化を図ることができる。
また、表示手段の変位範囲には上記特別表示位置だけでなくそれとは異なる非特別表示位置が含まれており、当該非特別表示位置では反射面にて所定の表示が映し出されなくなる。例えば所定の表示が行われる領域の大きさを遊技の途中で切り換えることで、所定の表示のさせ方を表示内容とは異なる手法により切り換えることができる。よって、所定の表示への注目度を高めることが可能であるとともに、それに起因して遊技への注目度を高めることが可能である。
さらにまた、冷却手段を備えていることにより、上記のように表示領域及び反射面のそれぞれにおいて所定の表示を行わせる上で発熱量が増加したとしても、その影響を抑えることができるとともに、冷却手段は表示手段とともに変位しないように設けられていることにより、表示用駆動手段への重量負荷の影響を抑えながら上記効果を奏することができる。
特徴A18.前記表示領域の遊技機前側に窓パネル(透明パネル568)を備えており、
前記表示手段が前記特別表示位置に配置されている状態では、前記表示領域において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示領域において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が前記窓パネルを通じて前記所定の位置から視認可能となるように、前記表示領域は前記窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となるとともに、当該表示領域の向く方向が前記反射面の向く方向に対して交差する方向となることを特徴とする特徴A16又はA17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、表示手段の特別表示位置は、表示領域が窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる位置であるため、所定の表示が行われる領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても当該領域の大型化を図ることができ、また仮に当該領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に当該領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、当該領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、当該領域の大型化を図ることができる。
さらには、表示領域及び反射面のそれぞれにおいて所定の表示が行われる場合、表示領域の向く方向が反射面の向く方向に対して交差する方向となるため、上記拡張された領域と同一の広さの表示領域を有する表示手段を窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜させる構成に比べ、所定の表示が行われる領域の拡張を図る上で遊技機前後方向の寸法を小さくすることができる。
特徴A19.前記表示手段が前記非特別表示位置に配置されている状態では、前記表示領域が前記窓パネルと平行又は略平行となることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機。
特徴A19によれば、特別表示位置と非特別表示位置とで表示領域の向きが変更されることとなるため、特別表示位置と非特別表示位置との間での構成の差異が明確なものとなる。また、非特別表示位置では反射面にて所定の表示が反射されなくなる構成に本構成を適用することで、非特別表示位置における表示領域の視認性を高めることが可能となる。
特徴A20.前記表示領域を前記第1の方向から視認した場合の表示と当該表示領域を前記第2の方向から視認した場合の表示とが異なるものとなる特別表示状態では、当該特別表示状態ではない状態に比べ、前記表示領域にて所定の表示を行わせることによる発熱量が増加する構成であり、
前記冷却手段は、前記表示手段の位置が少なくとも前記特別表示位置となっている場合の前記冷却対象を冷却するように設けられていることを特徴とする特徴A16乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、上記のように所定の表示が行われる領域の大型化を可能とした構成において、当該領域の大型化が行われた場合の表示手段周囲への熱の影響が低減される。
特徴A21.前記表示手段を表示制御する表示制御手段(表示制御装置483)を備え、当該表示制御手段は前記表示手段とともに変位するように前記表示手段に一体化されており、
前記冷却対象には、前記表示制御手段又は前記表示制御手段にて表示制御が行われることによる発熱によって熱せられる箇所の少なくとも一方が含まれており、
さらに、前記表示手段が前記特別表示位置に配置され、前記表示領域を前記第1の方向から視認した場合の表示と当該表示領域を前記第2の方向から視認した場合の表示とが異なるものとなる特別表示状態となるように前記表示制御手段により表示制御される状態では、当該特別表示状態となるように前記表示制御手段により表示制御されない状態に比べ、前記表示制御手段の発熱量が増加する構成であり、
前記冷却手段は、前記表示手段の位置が少なくとも前記特別表示位置となっている場合の前記冷却対象を冷却するように設けられていることを特徴とする特徴A16乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A21によれば、上記のように所定の表示が行われる領域の大型化を可能とした構成において、当該領域の大型化が行われた場合の表示制御手段周囲への熱の影響が低減される。
特徴A22.前記表示制御手段は、前記表示手段における前記表示領域とは異なる面側に設置されていることで前記表示手段と一体化されており、
前記冷却手段は、前記表示手段の位置が前記特別表示位置の場合及び前記非特別表示位置の場合のいずれにおいても前記冷却対象を冷却するように設けられているとともに、前記特別表示位置の場合の方が前記非特別表示位置の場合よりも前記表示制御手段との間の距離が近くなるように設けられていることを特徴とする特徴A21に記載の遊技機。
特徴A22によれば、冷却手段は、特別表示位置の場合の方が非特別表示位置の場合よりも表示制御手段との間の距離が近くなるように設けられているため、特別表示位置の場合及び非特別表示位置の場合のいずれにおいても冷却対象の冷却を可能としながら、発熱量が増加する特別表示位置での冷却効率を高めることができる。
特徴A23.前記表示手段は前記表示領域において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部491)を有しており、
前記表示制御手段は、少なくとも前記特別表示状態となるように前記表示手段を表示制御する場合、前記画像表示部において複数の第1画像用領域(下側表示領域497)及び複数の第2画像用領域(上側表示領域496)を設定するとともに、前記第1画像用領域間に前記第2画像用領域が配置され且つ前記第2画像用領域間に前記第1画像用領域が配置されるように前記画像表示部を表示制御するものであり、
前記表示手段は、前記表示領域からの光の出射方向を規定することで、前記複数の第1画像用領域に表示される第1画像を前記第1の方向から視認可能とするとともに前記複数の第2画像用領域に表示される第2画像を前記第2の方向から視認可能とする光規定手段(視差バリアパネル494)を備えていることを特徴とする特徴A21又はA22に記載の遊技機。
特徴A23によれば、表示領域を第1の方向から視認した場合の画像と当該表示領域を第2の方向から視認した場合の画像とを異ならせることが可能となる。
特徴A24.前記表示制御手段は、前記画像表示部に表示させる画像の描画情報を作成して描画情報記憶手段(単位フレーム用エリア615)に記憶させる描画情報作成手段(VDP583におけるステップS1902、ステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能など)を備えており、
当該描画情報作成手段は、前記特別表示状態となるように前記表示手段が表示制御されない場合、単位時間分の画像に対応した描画情報として、前記特別表示状態となるように前記表示手段が表示制御される場合よりも前記描画情報記憶手段において前記描画情報を記憶するために用いられる領域が小さい情報容量の描画情報を作成するものであることを特徴とする特徴A23に記載の遊技機。
特徴A24によれば、特別表示状態とならない場合において描画情報記憶手段に必要な領域が抑えられるため、例えば、描画情報記憶手段を有効活用することが可能となる。また、例えば、特別表示状態とならない場合において、単位時間分の画像に対応した描画情報を作成する場合の処理時間に余裕が生まれることが期待されるため、それを利用して多くのキャラクタを表示することが可能となる。
但し、上記構成においては特別表示状態において表示制御手段の発熱量が増加することが懸念されるが、少なくとも当該発熱量が増加する状況において冷却対象が冷却手段により冷却されるため、特別表示状態となった場合の表示制御手段又はその周囲への熱の影響が低減される。
特徴A25.前記描画情報記憶手段は、前記特別表示状態となるように前記表示手段が表示制御される場合に、前記第1画像用領域に表示される画像の描画情報を記憶する第1描画情報記憶手段(上側描画フレーム615a)と、前記第2画像用領域に表示される画像の描画情報を記憶する第2描画情報記憶手段(下側描画フレーム615b)と、を備えており、
前記描画情報作成手段は、前記特別表示状態となるように前記表示手段が表示制御される場合、前記第1描画情報記憶手段及び前記第2描画情報記憶手段のそれぞれに対して描画情報を作成する一方、前記特別表示状態となるように前記表示手段が表示制御されない場合、前記第1描画情報記憶手段及び前記第2描画情報記憶手段のいずれか一方に描画情報を作成するものであることを特徴とする特徴A24に記載の遊技機。
特徴A25によれば、特別表示状態とならない場合において描画情報記憶手段に必要な記憶容量が抑えられるため、描画情報記憶手段を有効活用することが可能となる。
特徴A26.前記表示制御手段は、
前記画像表示部に表示させる画像の描画情報を作成する描画情報作成手段(VDP583におけるステップS1902、ステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能など)と、
当該描画情報作成手段が作成した描画情報を、転送経路を介して前記表示手段に転送する転送手段(VDP583におけるステップS1905、ステップS1908、ステップS2006、ステップS2009の処理を実行する機能など)と、
を備えており、
前記表示手段は、前記転送経路を介して転送された描画情報に基づいて前記画像表示部に画像を表示させる表示実行手段(画像処理デバイス606)を備えており、
前記表示領域に単位時間分の画像を表示させるために前記転送手段が前記転送経路を介して転送する描画情報の情報容量が、前記特別表示状態となるように前記表示手段が表示制御されない場合の方が、前記特別表示状態となるように前記表示手段が表示制御される場合よりも小さいことを特徴とする特徴A23乃至A25のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A26によれば、特別表示状態において転送経路の発熱量が増加することが懸念されるが、少なくとも当該発熱量が増加する状況において冷却対象が冷却手段により冷却されるため、特別表示状態となった場合の表示制御手段又はその周囲への熱の影響が低減される。
上記特徴A群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、大当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて表示面にて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。また、抽選結果がいわゆる大当たり遊技状態への移行当選である場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後などにおいて、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
上記構成の遊技機での遊技は、始動入球部への入球が発生するように遊技球を発射させるという遊技と、始動入球部への入球が発生した場合にその抽選結果が当たりか否かを確認するという遊技とからなると言える。
ここで、遊技機においては、遊技への注目度を高める必要がある。遊技の注目度を高める上では、上記のように遊技球を発射させるという遊技においては遊技領域における遊技球の流下態様を多様化させる方法が考えられ、上記のように1遊技回毎に抽選結果が当たりか否かを確認するという遊技においては1遊技回毎に行われる表示演出の表示パターンを多様化する方法が考えられる。
しかしながら、前者については遊技領域の広さは限られているため遊技の多様化を図ろうとしても限界があり、後者については1遊技回毎の表示パターンを多様化したとしても、遊技への注目度を高めるという点においてやはり限界がある。したがって、遊技への注目度を高める上で未だ改良の余地がある。
一方、表示装置を備えた遊技機では、当該表示装置における絵柄の変動表示の実行に際して当該表示装置や当該表示装置を制御するための制御装置に設けられた電子部品が発熱する。この場合、当該電子部品やその周囲の冷却が効率良く行われないと、制御装置が誤作動してしまうといった問題が生じてしまう。
なお、以上の問題は、パチンコ遊技機に限定されるものではなく、表示面を有する表示装置を備えた他の遊技機においても同様に発生する問題である。
また、上記特徴A1〜A26のいずれか1の構成に対して、下記特徴B1〜B15、下記特徴C1〜C16、下記特徴D1〜D20、下記特徴E1〜E11、下記特徴F1〜F13、下記特徴G1〜G76のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴B群>
特徴B1.表示面(表示面429a)にて画像の表示を行う表示手段(図柄表示装置429)と、当該表示手段を表示制御する表示制御手段(表示制御装置483)と、を備え、
当該表示制御手段は、描画情報を作成して描画情報記憶手段に記憶させる描画情報作成手段(VDP583におけるステップS1902、ステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能など)を備えており、前記描画情報記憶手段に記憶された描画情報を出力することで前記表示面にて単位時間分の画像を表示させる構成である遊技機において、
前記描画情報作成手段は、
前記単位時間分の画像に対応した描画情報として、第1情報容量の描画情報を前記描画情報記憶手段に記憶させる第1描画情報作成手段(VDP583におけるステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能など)と、
前記単位時間分の画像に対応した描画情報として、前記描画情報記憶手段において前記描画情報を記憶させるために用いられる領域が前記第1情報容量の描画情報が記憶される場合よりも小さい第2情報容量の描画情報を前記描画情報記憶手段に記憶させる第2描画情報作成手段(VDP583におけるステップS1902の処理を実行する機能など)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、描画情報記憶手段に単位時間分の画像に対応した描画情報として第1情報容量の描画情報が記憶される場合と、第2情報容量の描画情報が記憶される場合とに状況に応じて切り換えられる。これにより、精細な画像又は複雑な画像を表示する場合などには第1情報容量の描画情報を作成するようにするとともに、そのような描画情報を要しない場合には第2情報容量の描画情報を作成するようにすることができる。そして、第2情報容量の描画情報が作成される場合には、例えば、第1情報容量の描画情報が作成される場合と比較して描画情報記憶手段の一部の領域が空き領域となるため、当該空き領域を有効活用することが可能となる。また、例えば、単位時間分の画像に対応した描画情報を作成する場合の処理時間に余裕が生まれることが期待されるため、それを利用して多くのキャラクタを表示することが可能となる。
特徴B2.前記第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に前記表示面において画像の表示が行われる領域が、前記第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に前記表示面において画像の表示が行われる領域と一致又は略一致するようにする画像表示調整手段(第15の実施形態のVDP583におけるステップS1905及びステップS1908の処理を実行する機能、第16の実施形態の画像処理デバイス606におけるステップS2407の処理を実行する機能など)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される領域は、第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される領域と同等となる。よって、第2情報容量の描画情報が作成される場合に、表示面を視認した遊技者が違和感を抱きづらくなる。
特徴B3.前記表示面は、多数の単位画素領域(単位画素領域495)が並べて構成されており、
前記第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に用いられる単位画素領域の数が、前記第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に用いられる単位画素領域の数と一致又は略一致するようにする画像表示調整手段(第15の実施形態のVDP583におけるステップS1905及びステップS1908の処理を実行する機能、第16の実施形態の画像処理デバイス606におけるステップS2407の処理を実行する機能など)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される領域は、第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される領域と同等となる。よって、第2情報容量の描画情報が作成される場合に、表示面を視認した遊技者が違和感を抱きづらくなる。
特徴B4.前記表示面は、多数の単位画素領域(単位画素領域495)が並べて構成されており、
前記表示手段は、前記多数の単位画素領域が区分けされて前記表示面に複数グループの画像用領域(上側表示領域496、下側表示領域497)を有するように制御されるとともに、単一の単位画素領域毎に又は複数の単位画素領域毎に異なるグループの画像用領域が所定方向に並ぶことで、全てのグループの画像用領域について同一グループの画像用領域間に他のグループの画像用領域が配置されるように制御される構成であり、
前記第1情報容量の描画情報は、前記複数グループの画像用領域の全てに対応した分の描画情報を有しており、前記第2情報容量の描画情報は、前記複数グループの画像用領域の一部に対応した分の描画情報であることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合であっても、その描画情報は複数グループの画像用領域の一部に対応した分である。そして、表示手段は、表示面に単一の単位画素領域毎に又は複数の単位画素領域毎に異なるグループの画像用領域が所定方向に並ぶことで、全てのグループの画像用領域について同一グループの画像用領域間に他のグループの画像用領域が配置されるように制御される。よって、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される範囲が、第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される範囲と同等であると遊技者に認識させることが可能となる。
なお、前記表示手段は、各画像用領域の単位画素領域により構成されるとともにそれら単一の単位画素領域が所定の順序で配列された組み合わせが、所定方向に繰り返し存在するように制御される構成としてもよい。
また、本特徴B4と対応する技術的特徴を有する構成として以下のものが考えられる。
特徴B4’.前記表示手段は前記表示面に複数の第1画像用領域(下側表示領域497)及び複数の第2画像用領域(上側表示領域496)を有するように制御されるとともに、前記第1画像用領域間に前記第2画像用領域が配置され且つ前記第2画像用領域間に前記第1画像用領域が配置されるように制御される構成であり、
前記描画情報記憶手段は、前記第1情報容量の描画情報が作成される場合に前記第1画像用領域に表示される画像の描画情報を記憶する第1描画情報記憶領域(上側描画フレーム615a)と、前記第1情報容量の描画情報が作成される場合に前記第2画像用領域に表示される画像の描画情報を記憶する第2描画情報記憶領域(下側描画フレーム615b)と、を備えており、
前記第1描画情報作成手段は、前記第1情報容量の描画情報として、前記第1描画情報記憶領域及び前記第2描画情報記憶領域のそれぞれに対して描画情報を作成する一方、前記第2描画情報作成手段は、前記第2情報容量の描画情報として、前記第1描画情報記憶領域及び前記第2描画情報記憶領域のうちいずれか一方に描画情報を作成するものであることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5.前記第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、異なるグループの画像用領域であって相互に隣接した所定の組み合わせにおいて同一の描画が行われるようにすることで、前記第2情報容量の描画情報を用いて、全ての前記画像用領域に画像が表示されるようにする画像表示調整手段(第15の実施形態のVDP583におけるステップS1905及びステップS1908の処理を実行する機能、第16の実施形態の画像処理デバイス606におけるステップS2407の処理を実行する機能など)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合であっても、全ての画像用領域に画像が表示されるため、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される範囲が、第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される範囲と同等であると遊技者に認識させることが可能となる。
また、本特徴B5と対応する技術的特徴を有する構成として以下のものが考えられる。
特徴B5’.前記第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、前記第2描画情報作成手段により前記第1描画情報記憶領域及び前記第2描画情報記憶領域のいずれか一方に作成された描画情報を、前記第1画像用領域に描画するとともに前記第2画像用領域にも描画する画像表示調整手段(第15の実施形態のVDP583におけるステップS1905及びステップS1908の処理を実行する機能、第16の実施形態の画像処理デバイス606におけるステップS2407の処理を実行する機能など)を備えていることを特徴とする特徴B4’に記載の遊技機。
特徴B6.前記表示手段は、各画像用領域の単位画素領域により構成されるとともにそれら単一の単位画素領域が所定の順序で配列された組み合わせが、所定方向に繰り返し存在するように制御される構成であり、
前記画像表示調整手段は、同一の前記組み合わせを構成する各単位画素領域において同一の描画が行われるようにすることで、前記第2情報容量の描画情報を用いて、全ての前記画像用領域に画像が表示されるようにするものであることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合であっても、全ての画像用領域に画像が表示されるため、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される範囲が、第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される範囲と同等であると遊技者に認識させることが可能となる。
特徴B7.前記表示制御手段は、前記描画情報作成手段が作成した描画情報を、転送経路を介して前記表示手段に転送する転送手段(VDP583におけるステップS1905、ステップS1908、ステップS2006、ステップS2009の処理を実行する機能など)を備えており、
前記表示手段は、
前記表示面において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部491)と、
前記転送経路を介して転送された描画情報に基づいて前記画像表示部に画像を表示させる表示実行手段(画像処理デバイス606)と、
を備えており、
前記画像表示調整手段は、前記第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、全ての前記画像用領域に対応した描画情報が前記第2情報容量の描画情報を用いて前記表示手段に向けて転送されるようにするものであることを特徴とする特徴B5又はB6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合であっても、全ての画像用領域に対応した描画情報が第2情報容量の描画情報を用いて表示手段に向けて転送される。よって、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合及び第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合のいずれであっても、表示実行手段は同様の処理を実行すればよい構成とすることが可能となる。これにより、表示実行手段の処理の複雑化を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴B8.前記画像表示調整手段は、前記描画情報の転送が行われる場合に前記第2情報容量の描画情報が特定の複数分転送されるようにすることにより、前記第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、全ての前記画像用領域に対応した描画情報が前記第2情報容量の描画情報を用いて前記表示手段に向けて転送されるようにするものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、一部に対応した分の描画情報を特定の複数分転送するという比較的簡素な構成により、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴B9.前記転送手段は、前記第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、前記第2情報容量の描画情報が特定の複数回転送されるようにするものであるとともに、前記第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、当該第1情報容量の描画情報を前記特定の複数回に亘って区分けして転送するものであることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合及び第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合のいずれであっても、転送手段は同一の処理を実行すればよい構成とすることが可能となる。これにより、転送手段の処理の複雑化を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することができる。
さらにまた、本構成によれば、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合及び第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合のいずれにおいても共通の転送経路を用いることが可能となる。この場合、それぞれ専用の転送経路を設ける構成に比べ、ハード構成の簡素化が図られる。
特徴B10.前記転送手段は、前記特定の複数回のうち、転送を実行している描画情報が何番目の転送回に係るものであるかを前記表示手段に認識させる転送情報(第1転送信号、第2転送信号)を出力するものであることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、描画情報が特定の複数回に亘って転送される構成において、表示制御手段から表示手段に向けて転送情報が転送されることにより、表示手段では転送されている描画情報が何番目の転送に係るものであるかを一義的に認識することができる。
特徴B11.前記表示制御手段は、前記描画情報作成手段が作成した描画情報を、転送経路を介して前記表示手段に転送する転送手段(VDP583におけるステップS1905、ステップS1908、ステップS2006、ステップS2009の処理を実行する機能など)を備えており、
前記表示手段は、
前記表示面において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部491)と、
転送されてきた描画情報に基づいて前記画像表示部に画像を表示させる表示実行手段(画像処理デバイス606)と、
を備えており、
前記画像表示調整手段は、前記第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、前記転送情報記憶手段に記憶されている前記第2情報容量の描画情報に対応した同一の描画が異なるグループの画像用領域であって相互に隣接した所定の組み合わせにおいて行われるようにすることで、前記第2情報容量の描画情報を用いて、全ての前記画像用領域に画像が表示されるようにするものであることを特徴とする特徴B5又はB6に記載の遊技機。
特徴B11によれば、第2情報容量の描画情報を用いて、全ての画像用領域に画像を表示させるための処理が表示実行手段にて実行されるため、表示制御手段の処理負荷を軽減させることが可能となる。これにより、表示制御手段の処理負荷の軽減を図りながら既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴B12.前記表示実行手段は、
前記第1情報容量の描画情報を用いて、全ての前記画像用領域に画像が表示されるようにする第1情報容量対応手段(画像処理デバイス606におけるステップS2408の処理を実行する機能)と、
前記第2情報容量の描画情報を用いて、全ての前記画像用領域に画像が表示されるようにする第2情報容量対応手段(画像処理デバイス606におけるステップS2407の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記転送手段は、画像の表示が前記第1情報容量の描画情報及び前記第2情報容量の描画情報のうちいずれを用いて実行すべき状況であるかを前記表示手段に認識させる状況認識用情報(非マルチ信号、マルチ信号)を出力するものであり、
前記画像表示調整手段は、前記状況認識用情報に基づいて、前記第1情報容量対応手段及び前記第2情報容量対応手段のうち、前記画像の表示の実行対象を切り換えるものであることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、表示手段では第1情報容量対応手段と第2情報容量対応手段との間での切換を良好に行うことができる。
特徴B13.前記表示手段は前記表示面をそれぞれ異なる複数の方向から視認した場合の画像を方向毎に異ならせることが可能であるとともに、当該複数の方向は前記複数グループの画像用領域と1対1で対応しており、
前記第1描画情報作成手段は、前記異なる複数の方向から視認した場合の画像を方向毎に異ならせる特別表示状態において前記第1情報容量の描画情報の作成を行うものであり、
前記第2描画情報作成手段は、前記特別表示状態ではない場合に、前記第2情報容量の描画情報の作成を行うものであることを特徴とする特徴B4乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B13によれば、特別表示状態では単一の表示面によって複数の態様の画像を同時に表示することができるため、画像の表示への注目度を高めることが可能であるとともに、それに起因して遊技への注目度を高めることが可能である。この場合に、特別表示状態ではない状況では一部の描画用領域についての描画情報が作成されなかったとしても、特別表示状態の場合に比べ問題が生じない。したがって、当該状況において第2情報容量の描画情報の作成が行われるようにすることで、描画情報記憶手段の有効活用を図ることが可能となる。
特徴B14.前記複数の方向には第1の方向と第2の方向とが含まれており、
さらに、前記表示面における画像を反射させる反射面(反射面542a,543a)を有する反射手段(ミラーユニット541)と、
前記表示面において前記第2の方向から視認可能な画像が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な画像と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された画像との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となる特別表示位置にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(ねじりコイルバネ516、表示用駆動モータ521、共通用駆動モータ561)と、
を備えていることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、表示手段が特別表示位置に配置されている状態では、表示面及び反射面のそれぞれにおいて画像の表示を行うことが可能となり、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる画像の表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて画像の表示が行われる構成に比べ、画像の表示が行われる領域の大型化を図ることができる。
特徴B15.前記表示制御手段は、画像情報を予め記憶した画像情報記憶手段(キャラクタROM603)をさらに備えており、
前記描画情報作成手段は、前記画像情報記憶手段から前記描画情報記憶手段に転送された画像情報を用いて前記描画情報の作成を行うものであることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B15によれば、第2情報容量の描画情報が作成される場合には、描画情報記憶手段において画像情報記憶手段から読み出した画像情報を書き込む領域を拡張することが可能となる。これにより、第2情報容量の描画情報が作成される場合には、その画像として動画を用いるといったように演出の多様化を図ることが可能となる。
上記特徴B群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、液晶表示装置といった表示面を有する表示装置が搭載されたものが知られている。かかる遊技機では、画像データが予め記憶されたメモリが搭載されているとともに、当該メモリから読み出した画像データを用いて作成された描画データが書き込まれるビデオRAMといったメモリが搭載されており、後者のメモリに書き込まれた描画データを用いて表示面において所定の画像が表示されることとなる。
ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、当該注目度の向上を図るための手法として、画像による演出態様を多様化したり、画像として複雑な動画や実写映像を用いたりする手法が考えられる。しかしながら、画像による演出態様の多様化などを図るために、描画データの書き込みが行われるメモリの容量を増大化させていくと、それだけイニシャルコストが高くなってしまう。したがって、この点について未だ改良の余地がある。
なお、以上の問題は、パチンコ遊技機に限定されるものではなく、表示装置を備えた他の遊技機においても同様に発生する問題である。
また、上記特徴B1〜B15のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A26、下記特徴C1〜C16、下記特徴D1〜D20、下記特徴E1〜E11、下記特徴F1〜F13、下記特徴G1〜G76のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴C群>
特徴C1.表示面(表示面429a)にて画像の表示を行う表示手段(図柄表示装置429)と、
単位時間分の画像を表示させるために用いられる描画情報を作成してその作成した描画情報を転送することで前記表示面にて前記単位時間分の画像が表示されるように前記表示手段を表示制御する表示制御手段(表示制御装置483)と、
を備えている遊技機において、
前記表示制御手段は、
遊技機前方の所定の位置から前記表示面を見た場合に画像を視認可能な前記表示面内の面積又は位置の少なくとも一方が相互に異なるようにする特別表示制御手段(表示CPU582におけるステップS1704〜ステップS1706の処理を実行する機能)及び非特別表示制御手段(表示CPU582におけるステップS1708〜ステップS1710の処理を実行する機能)と、
前記特別表示制御手段により制御が行われる場合及び前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合のいずれであっても、作成される描画情報が前記表示面における同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるようにする描画情報作成手段(VDP583におけるステップS2502及びステップS2503の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技機前方の所定の位置から表示面を見た場合に画像を視認可能な表示面内の面積又は位置の少なくとも一方が相互に異なる特別表示状態と非特別表示状態とが設定されているため、画像の視認のさせ方が複数パターン存在することとなる。これにより、遊技への注目度の向上を図ることが可能となる。
この場合に、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、作成される描画情報が表示面における同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものであるため、それぞれの状態に対応させて異なる位置及び面積での画像の表示に対応したものとする構成に比べ、描画情報の作成に係る構成を共通化させることが可能となる。よって、上記のように遊技への注目度の向上を図るようにした構成において、表示制御に係る構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
以上より、表示手段における表示への注目度の向上を通じた遊技への注目度の向上を良好に実現することが可能となる。
なお、上記特徴C1において、「同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるように」という構成に代えて、前記表示手段は、多数の単位画素領域が並べて構成されているとともにそれら単位画素領域に対して描画(画像出力)が行われることにより前記表示面を通じた画像の視認を可能とする画像表示部を備えており、前記描画情報作成手段は、前記特別表示制御手段により制御が行われる場合及び前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合のいずれであっても、作成される描画情報が同一の単位画素領域での画像の表示又は同一の単位画素領域に対する画像出力に対応したものとなるようにする構成としてもよい。
また、上記特徴C1において、「同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるように」という構成に代えて、前記描画情報作成手段は、同一の描画領域に対して描画情報の作成を行うという構成としてもよい。
特徴C2.表示面(表示面429a)にて画像の表示を行う表示手段(図柄表示装置429)と、
単位時間分の画像を表示させるために用いられる描画情報を作成してその作成した描画情報を転送することで前記表示面にて前記単位時間分の画像が表示されるように前記表示手段を表示制御する表示制御手段(表示制御装置483)と、
を備えている遊技機において、
前記表示手段は、前記表示面を見る角度に応じて視認される画像の種類を異ならせることが可能であり、
前記表示制御手段は、
前記表示面を見る角度に応じて視認される画像の種類が異なる特別表示状態となるようにする特別表示制御手段(表示CPU582におけるステップS1704〜ステップS1706の処理を実行する機能)と、
前記表示面を見る角度に応じて異なる種類の画像が視認される状態とならない非特別表示状態となるようにする非特別表示制御手段(表示CPU582におけるステップS1708〜ステップS1710の処理を実行する機能)と、
前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、作成される描画情報が前記表示面における同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるようにする描画情報作成手段(VDP583におけるステップS2502及びステップS2503の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、表示面を見る角度に応じて視認される画像の種類が異なる特別表示状態と、表示面を見る角度に応じて異なる種類の画像が視認される状態とならない非特別表示状態とが設定されていることにより、表示面内における画像の表示のさせ方が複数パターン存在することとなる。これにより、遊技への注目度の向上を図ることができる。
この場合に、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、作成される描画情報が表示面における同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものであるため、それぞれの状態に対応させて異なる位置及び面積での画像の表示に対応したものとする構成に比べ、描画情報の作成に係る構成を共通化させることが可能となる。よって、上記のように遊技への注目度の向上を図るようにした構成において、表示制御に係る構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
以上より、表示手段における表示への注目度の向上を通じた遊技への注目度の向上を良好に実現することが可能となる。
なお、上記特徴C2において、「同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるように」という構成に代えて、前記表示手段は、多数の単位画素領域が並べて構成されているとともにそれら単位画素領域に対して描画(画像出力)が行われることにより前記表示面を通じた画像の視認を可能とする画像表示部を備えており、前記描画情報作成手段は、前記特別表示制御手段により制御が行われる場合及び前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合のいずれであっても、作成される描画情報が同一の単位画素領域での画像の表示又は同一の単位画素領域に対する画像出力に対応したものとなるようにする構成としてもよい。
また、上記特徴C2において、「同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるように」という構成に代えて、前記描画情報作成手段は、同一の描画領域に対して描画情報の作成を行うという構成としてもよい。
特徴C3.前記表示手段は前記表示面において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部491)を有しており、
当該画像表示部は、複数の第1画像用領域(下側表示領域497)及び複数の第2画像用領域(上側表示領域496)を有するように制御されるとともに、前記第1画像用領域間に前記第2画像用領域が配置され且つ前記第2画像用領域間に前記第1画像用領域が配置されるように制御される構成であり、
さらに、前記表示手段は、前記表示面からの光の出射方向を規定することで、前記複数の第1画像用領域に表示される画像を第1の方向から視認可能とするとともに前記複数の第2画像用領域に表示される画像を第2の方向から視認可能とする光規定手段(視差バリアパネル494)を備えており、
前記特別表示制御手段は、前記特別表示状態として、前記複数の第1画像用領域の全体から第1画像が視認されるとともに前記複数の第2画像用領域の全体から前記第1画像とは異なる種類の第2画像が視認される状態となるようにするものであり、
前記非特別表示制御手段は、前記非特別表示状態として、前記複数の第1画像用領域及び前記複数の第2画像用領域のうち一方から画像が視認される状態となるようにする、又は前記複数の第1画像用領域及び前記複数の第2画像用領域の区別なく同一種類の画像が視認される状態となるようにするものであり、
前記描画情報作成手段は、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、作成される描画情報が同一の画像用領域での画像の表示に対応したものとなるようにするものであることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、表示状態として、表示面を見る角度に応じて視認される画像の種類が異なる特別表示状態と、表示面を見る角度に応じて異なる種類の画像が視認される状態とならない非特別表示状態とを設定することができる。また、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、作成される描画情報が同一の画像用領域での画像の表示に対応したものとなるため、特別表示状態と非特別表示状態とで描画情報の作成に係る構成を共通化させることが可能となる。
なお、上記特徴C3において、前記画像表示部は多数の単位画素領域が縦横に並べて構成されており、前記画像表示部は、縦方向又は横方向の少なくとも一方において、前記第1画像用領域と前記第2画像用領域とが前記単位画素領域毎に交互に配置されるように制御される構成としてもよい。
特徴C4.前記表示制御手段は、前記描画情報作成手段により作成された描画情報を記憶する描画情報記憶手段(単位フレーム用エリア615)を備えており、
当該描画情報記憶手段は、前記第1画像用領域に表示される画像の描画情報を記憶する第1描画情報記憶領域(上側描画フレーム615a)と、前記第2画像用領域に表示される画像の描画情報を記憶する第2描画情報記憶領域(下側描画フレーム615b)と、を備えており、
前記描画情報作成手段は、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、前記第1描画情報記憶領域及び前記第2描画情報記憶領域の両方に描画情報を記憶させるものであることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、第1描画情報作成領域及び第2描画情報作成領域の両方に描画情報が作成される構成であるため、描画情報の作成に係る構成を共通化させることが可能となる。
特徴C5.前記画像表示部は、多数の単位画素領域が並べて構成されており、前記第1画像用領域は前記単位画素領域の所定の組み合わせにより構成されているとともに前記第2画像用領域は前記単位画素領域の所定の組み合わせにより構成されており、
さらに、前記表示制御手段は、前記描画情報を前記表示手段に向けて転送する転送手段(VDP583におけるステップS2505の処理を実行する機能)を備えており、
当該転送手段は、前記単位画素領域の所定数分に描画を行わせるための情報を1単位として当該1単位の情報を特定数分転送することで前記描画情報の転送を行うものであるとともに、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、情報の転送単位と前記特定数とが同一となるように前記描画情報の転送を行うものであることを特徴とする特徴C3又はC4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、同一態様で描画情報の転送が行われるため、描画情報の転送に係る構成を共通化させることが可能となる。よって、上記のように遊技への注目度の向上を図るようにした構成において、表示制御に係る構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
なお、前記転送手段は、前記第1画像用領域に対応した描画情報の転送が完了した後に前記第2画像用領域に対応した描画情報の転送を行う構成であってもよく、前記第1画像用領域に対応した描画情報と前記第2画像用領域に対応した描画情報との転送とを同時に行う構成としてもよい。また、前記転送手段は、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、同一の転送経路を介して描画情報の転送を行う構成とすることが好ましい。この場合、描画情報の転送に係る構成が特別表示状態及び非特別表示状態の両方において共通のものとなるため、当該転送に係る構成の簡素化が図られる。
特徴C6.前記表示制御手段は、転送経路(描画信号用の信号経路SC1)を介して前記表示手段に向けて前記描画情報を転送する転送手段(VDP583におけるステップS2505の処理を実行する機能)を備えており、
前記表示手段は、前記描画情報の転送経路を介して転送されてきた描画情報が前記画像用領域のいずれに対応したものであるかを識別し、前記第1画像用領域に対応した描画情報に基づいて前記第1画像用領域に画像を表示させるとともに前記第2画像用領域に対応した描画情報に基づいて前記第2画像用領域に画像を表示させる表示実行手段(画像処理デバイス606)を備えており、
前記転送手段は、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、前記第1画像用領域に対応した描画情報と前記第2画像用領域に対応した描画情報とを、前記転送経路を介して前記表示手段に転送するものであることを特徴とする特徴C3乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、表示手段では転送されてきた情報がいずれの画像用領域に対応したものであるかを識別し、その識別結果に対応した描画を行えばよい。よって、上記のように遊技への注目度の向上を図るようにした構成において、表示手段における画像出力に係る構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
特徴C7.前記転送経路は、前記各画像用領域に対応した数の単位経路を備えており、
前記表示実行手段は、前記各単位経路のいずれかから情報が転送されてきた場合、その転送されてきた単位経路に対応した画像用領域に対して当該情報に基づく描画を行うことで、前記描画情報に対応した画像を前記表示面に表示させるものであり、
前記転送手段は、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、前記各単位経路を用いて前記描画情報の転送を行うものであることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、表示手段では各単位経路から転送されてきた情報に対応した画像出力を、その単位経路に対応した画像用領域に対して行えばよい。よって、上記のように遊技への注目度の向上を図るようにした構成において、表示手段における画像出力に係る構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
特徴C8.前記表示手段は前記表示面を第1の方向から視認した場合の画像と当該表示面を第2の方向から視認した場合の画像とを異ならせることが可能であり、
前記表示面における画像を反射させる反射面(反射面542a,543a)を有する反射手段(ミラーユニット541)を備え、
前記特別表示制御手段は、前記特別表示状態として、前記表示面において前記第2の方向から視認可能な画像が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な画像と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された画像との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となる状態となるようにするものであり、
前記非特別表示制御手段は、前記非特別表示状態として、前記反射面にて画像の反射が行われない状態となるようにするものであることを特徴とする特徴C2乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、特別表示状態では、非特別表示状態と異なり、表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる画像の表示を行うことが可能となる。これにより、特別表示状態では、非特別表示状態に比べ、同一の表示面を用いながら画像の表示が行われる領域の大型化が図られるため、特別表示状態と非特別表示状態とで画像の表示のさせ方に明確な差異が存在することとなり、これら状態の切り換えを通じて遊技への注目度の向上を図ることが可能となる。
特徴C9.前記表示面の遊技機前側に窓パネル(透明パネル568)を備えており、
前記特別表示状態では、前記表示面において前記第1の方向から視認可能な画像と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された画像との両方が前記窓パネルを通じて前記所定の位置から視認可能となるように、前記表示面は前記窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となるとともに、当該表示面の向く方向が前記反射面の向く方向に対して交差する方向となり、
前記非特別表示状態では、前記表示面が前記窓パネルと平行又は略平行となることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、特別表示状態では、表示面が窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となるため、画像の表示が行われる領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても当該領域の大型化を図ることができ、また仮に当該領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、当該領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、当該領域の大型化を図ることができる。
また、表示面及び反射面のそれぞれにおいて画像の表示が行われる場合、表示面の向く方向が反射面の向く方向に対して交差する方向となるため、上記拡張された領域と同一の広さの表示面を有する表示手段を窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜させる構成に比べ、画像の表示が行われる領域の拡張を図る上で遊技機前後方向の寸法を小さくすることができる。
さらにまた、非特別表示状態では表示面が窓パネルと平行又は略平行となることで、特別表示状態と非特別表示状態とで表示面の向きが変更されることとなり、両状態間の構成の差異が明確なものとなる。また、本構成によれば、非特別表示状態における表示面の視認性を高めることが可能となる。
特徴C10.前記表示手段は前記表示面において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部491)を有しており、
当該画像表示部は、複数の第1画像用領域(下側表示領域497)及び複数の第2画像用領域(上側表示領域496)を有するように制御されるとともに、前記第1画像用領域間に前記第2画像用領域が配置され且つ前記第2画像用領域間に前記第1画像用領域が配置されるように制御される構成であり、
さらに、前記表示手段は、前記表示面からの光の出射方向を規定することで、前記複数の第1画像用領域に表示される画像を第1の方向から視認可能とするとともに前記複数の第2画像用領域に表示される画像を第2の方向から視認可能とする光規定手段(視差バリアパネル494)を備えており、
前記特別表示制御手段は、前記特別表示状態として、前記複数の第1画像用領域の全体から第1画像が視認されるとともに前記複数の第2画像用領域の全体から前記第1画像とは異なる種類の第2画像が視認される状態となるようにするものであり、
前記非特別表示制御手段は、前記非特別表示状態として、前記複数の第1画像用領域及び前記複数の第2画像用領域のうち一方から画像が視認される状態となるようにする、又は前記複数の第1画像用領域及び前記複数の第2画像用領域の区別なく同一種類の画像が視認される状態となるようにするものであり、
前記描画情報作成手段は、前記特別表示状態においては前記複数の第1画像用領域に対応した描画情報と前記複数の第2画像用領域に対応した描画情報とがそれぞれ異なるものとなるように描画情報を作成する一方、前記非特別表示状態においては隣接する所定の組み合わせの第1画像用領域及び第2画像用領域に対して同一の描画が行われるように描画情報を作成するものであることを特徴とする特徴C8又はC9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、表示状態として特別表示状態と非特別表示状態とを設定することができる。この場合に、非特別表示状態では、隣接する所定の組み合わせの第1画像用領域及び第2画像用領域に対して同一の描画が行われるため、非特別表示状態において描画情報の作成に使用される情報を予め記憶しておくのに必要な記憶容量の削減が図られる。また、この場合であっても、同一の描画は隣接する所定の組み合わせの第1画像用領域及び第2画像用領域に対して行われる構成であるため、画像を見た遊技者が違和感を抱くことが抑えられる。
なお、前記表示制御手段は、前記描画情報作成手段により作成された描画情報を記憶する描画情報記憶手段(単位フレーム用エリア615)を備えており、
当該描画情報記憶手段は、前記第1画像用領域に表示される画像の描画情報を記憶する第1描画情報記憶領域(上側描画フレーム615a)と、前記第2画像用領域に表示される画像の描画情報を記憶する第2描画情報記憶領域(下側描画フレーム615b)と、を備えており、
前記描画情報作成手段は、前記特別表示状態においては前記第1描画情報記憶領域及び前記第2描画情報記憶領域に対してそれぞれ異なる描画情報を作成する一方、前記非特別表示状態においては前記第1描画情報記憶領域及び前記第2描画情報記憶領域に対して同一の描画情報を作成する構成としてもよい。
特徴C11.前記特別表示制御手段は、前記表示面において前記第2画像が前記表示面及び前記反射面の並ぶ方向に反転された状態で表示されるように前記第2画像用領域に対する描画を行わせるものであることを特徴とする特徴C8乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
表示面にて表示されている第2画像は反射面にて反射されることで表示面及び反射面の並ぶ方向に反転した状態となる。これに対して、特徴C11によれば、第2画像用領域に対する画像出力が、第2画像が表示面及び反射面の並ぶ方向に反転された状態で行われるため、反射面に映し出される画像は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。
特徴C12.前記描画情報作成手段に向けて描画指示情報を供給する描画指示手段(表示CPU582において描画指示情報を出力する機能)をさらに備え、
前記描画情報作成手段は、前記描画指示情報を受け取ったことに基づいて当該描画指示情報に対応した描画情報を作成する作成処理を実行するものであり、
前記描画指示手段は、前記特別表示状態においては前記第2画像用領域に表示される画像が前記並ぶ方向に反転された状態に対応した描画情報の作成を行うように描画指示情報を供給するものであることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
特徴C12によれば、特別表示状態における描画情報の作成に際しては、描画指示情報に従うことで、第2画像用領域に表示される画像が表示面及び反射面の並ぶ方向に反転された状態に対応した描画情報が作成される。これにより、特別表示状態と非特別表示状態とで供給される描画指示情報の種類を異ならせれば、各状態に対応した画像の表示を行うことができるため、描画情報の作成に係る処理として各情報に対応した専用の処理を個別に設ける必要がなくなる。よって、描画情報の作成に係る構成を共通化させることが可能となる。
特徴C13.前記表示制御手段は、
画像情報を予め記憶した画像情報記憶手段(キャラクタROM603)と、
前記描画情報作成手段により前記画像情報を用いて作成された描画情報を記憶する描画情報記憶手段(単位フレーム用エリア615)と、
を備えており、
前記描画情報作成手段は、前記特別表示制御手段により制御が行われる場合及び前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合のいずれであっても、前記描画情報記憶手段に対して同一の情報容量の描画情報を作成するものであることを特徴とする特徴C1乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、描画情報記憶手段に同一の情報容量の描画情報が作成される構成であるため、描画情報の作成に係る構成を共通化させることが可能となる。
特徴C14.前記表示手段は、多数の単位画素領域が並べて構成されているとともにそれら単位画素領域に対して描画が行われることにより前記表示面を通じた画像の視認を可能とする画像表示部(液晶表示部491)を備えており、
前記表示制御手段は、前記描画情報作成手段が作成した描画情報を前記表示手段に向けて転送する転送手段(VDP583におけるステップS2505の処理を実行する機能)を備えており、
当該転送手段は、前記単位画素領域の所定数分に描画を行わせるための情報を1単位として当該1単位の情報を特定数分転送することで前記描画情報の転送を行うものであるとともに、前記特別表示制御手段により制御が行われる場合及び前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合のいずれであっても、情報の転送単位と前記特定数とが同一となるように前記描画情報の転送を行うものであることを特徴とする特徴C1乃至C13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C14によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、同一態様で描画情報の転送が行われるため、描画情報の転送に係る構成を共通化させることが可能となる。よって、上記のように遊技への注目度の向上を図るようにした構成において、表示制御に係る構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
なお、前記転送手段は、同一の転送経路を介して描画情報の転送を行う構成とすることが好ましい。この場合、描画情報の転送に係る構成が特別表示状態及び非特別表示状態の両方において共通のものとなるため、当該転送に係る構成の簡素化が図られる。
特徴C15.前記描画情報作成手段に向けて描画指示情報を出力する描画指示手段(表示CPU582において描画指示情報を出力する機能)をさらに備え、
前記描画情報作成手段は、前記描画指示情報を入力したことに基づいて当該描画指示情報に対応した描画情報を作成する作成処理を実行するものであるとともに、前記特別表示制御手段により制御が行われる場合及び前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合のいずれであっても、同一の前記作成処理を実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C15によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、同一の作成処理を行えばよいため、描画情報の作成に係る構成を共通化させることが可能となる。
特徴C16.前記表示手段は、
前記表示面において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部491)と、
転送された描画情報に対応した画像出力を前記画像表示部に対して行う画像出力処理を実行する表示実行手段(画像処理デバイス606)と、
を備えており、
当該表示実行手段は、前記特別表示制御手段により制御が行われる場合及び前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合のいずれであっても、同一の前記画像出力処理を実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C16によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、表示手段では同一の画像出力処理を行えばよいため、画像出力に係る構成を共通化させることが可能となる。これにより、上記のように遊技への注目度の向上を図るようにした構成において、表示手段における画像出力に係る構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
上記特徴C群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、液晶表示装置といった表示面を有する表示装置と、当該表示装置を表示制御する表示制御装置とが搭載されたものが知られている。かかる遊技機では、表示制御装置にて描画データが作成されるとともに当該作成された描画データが表示装置に転送されることに基づき、表示面において所定の画像が表示されることとなる。
ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、当該注目度の向上を図るための手法として、画像による演出態様を多様化したり複雑化したりする手法が考えられる。しかしながら、当該注目度の向上を図るために、表示制御装置における表示制御に係る構成が極端に複雑化してしまうことは好ましくない。
なお、以上の問題は、パチンコ遊技機に限定されるものではなく、表示装置を備えた他の遊技機においても同様に発生する問題である。
また、上記特徴C1〜C16のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A26、上記特徴B1〜B15、下記特徴D1〜D20、下記特徴E1〜E11、下記特徴F1〜F13、下記特徴G1〜G76のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴D群>
特徴D1.表示面(表示面429a)にて画像の表示を行う表示手段(図柄表示装置429)と、当該表示手段を表示制御する表示制御手段(表示制御装置483)と、を備え、
当該表示制御手段は、
単位時間分の画像を表示させるために用いられる描画情報を作成する描画情報作成手段(VDP583におけるステップS1902、ステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能など)と、
当該描画情報作成手段により作成された描画情報に対応した単位時間分の画像が前記表示面にて表示されるように、当該作成された描画情報を転送する転送手段(VDP583におけるステップS1905、ステップS1908、ステップS2006及びステップS2009の処理を実行する機能など)と、
を備え、
前記表示手段は、転送されてきた描画情報に基づいて前記表示面にて画像を表示させるものである遊技機において、
前記表示制御手段は、遊技機前方の所定の位置から前記表示面を見た場合に画像を視認可能な前記表示面内の面積又は位置の少なくとも一方が相互に異なるようにする特別表示制御手段(表示CPU582におけるステップS1704〜ステップS1706の処理を実行する機能)及び非特別表示制御手段(表示CPU582におけるステップS1708〜ステップS1710の処理を実行する機能)を備えており、
前記転送手段は、前記特別表示制御手段により制御が行われる場合及び前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合のいずれであっても、前記表示手段に向けて転送される単位時間分の画像に対応した描画情報が前記表示面における同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるように描画情報の転送を行うものであることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技機前方の所定の位置から表示面を見た場合に画像を視認可能な表示面内の面積又は位置の少なくとも一方が相互に異なる特別表示状態と非特別表示状態とが設定されているため、画像の視認のさせ方が複数パターン存在することとなる。これにより、遊技への注目度の向上を図ることが可能となる。
この場合に、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、表示手段に向けて転送される単位時間分の画像に対応した描画情報が、表示面における同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるように、表示制御手段において描画情報の転送が行われる。これにより、異なる位置及び面積での画像の表示に対応した描画情報が転送される構成に比べ、画像の表示を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。よって、上記のように遊技への注目度の向上を図るようにした構成において、画像の表示を行うための表示手段における構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
以上より、表示手段における表示への注目度の向上を通じた遊技への注目度の向上を良好に実現することが可能となる。
特徴D2.前記表示手段は、多数の単位画素領域(単位画素領域495)が並べて構成されているとともにそれら単位画素領域に対して描画が行われることにより前記表示面を通じた画像の視認を可能とする画像表示部(液晶表示部491)を備えており、
前記転送手段は、前記単位画素領域の所定数分に描画を行わせるための情報を1単位として当該1単位の情報を特定数分転送することで前記描画情報の転送を行うものであるとともに、前記特別表示制御手段により制御が行われる場合及び前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合のいずれであっても、情報の転送単位と前記特定数とが同一となるように前記描画情報の転送を行うものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、同一態様で描画情報の転送が行われるため、描画情報の転送に係る構成を共通化させることが可能となるとともに、画像の表示を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。
特徴D3.前記表示手段は、
多数の単位画素領域が並べて構成されているとともにそれら単位画素領域に対して描画が行われることにより前記表示面を通じた画像の視認を可能とする画像表示部(液晶表示部491)と、
転送経路を介して転送されてきた描画情報に基づいて前記各単位画素領域に対して描画を行う表示実行手段(画像処理デバイス606)と、
を備えており、
前記転送経路は、前記多数の単位画素領域における所定の組み合わせの数に対応させて特定数の単位経路(描画信号用の信号経路SC1)を備えており、
前記表示実行手段は、前記各単位経路のいずれかから情報が転送されてきた場合、その転送されてきた単位経路に対応した単位画素領域に対して当該情報に基づく描画を行うものであり、
前記転送手段は、前記特別表示制御手段により制御が行われる場合及び前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合のいずれであっても、前記多数の単位画素領域と前記単位経路とに同一の対応関係を持たせて前記描画情報の転送を行うものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D3によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、同一態様で描画情報の転送が行われるため、描画情報の転送に係る構成を共通化させることが可能となるとともに、画像の表示を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。
特徴D4.前記表示面は多数の単位画素領域(単位画素領域495)が並べて構成されているとともに、それら単位画素領域に対して描画が行われることにより画像を表示させるものであり、
前記表示手段は、前記多数の単位画素領域が区分けされて複数グループの画像用領域(上側表示領域496、下側表示領域497)を有するように制御されるとともに、単一の単位画素領域毎に又は複数の単位画素領域毎に異なるグループの画像用領域が所定方向に並ぶことで、全てのグループの画像用領域について同一グループの画像用領域間に他のグループの画像用領域が配置されるように制御される構成であり、
前記描画情報作成手段は、
前記特別表示制御手段により制御が行われる場合に、前記複数グループの画像用領域の全てに対応した分の描画情報である第1情報容量の描画情報を描画情報記憶手段に作成する第1描画情報作成手段(VDP583におけるステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能など)と、
前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合に、前記複数グループの画像用領域の一部に対応した分の描画情報である第2情報容量の描画情報を描画情報記憶手段に作成する第2描画情報作成手段(VDP583におけるステップS1902の処理を実行する機能など)と、
を備え、
前記転送手段は、前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合、前記第2情報容量の描画情報を特定の複数分転送することにより、前記第2情報容量の描画情報を用いて全ての前記画像用領域に対応した描画情報を前記表示手段に向けて転送するものであることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、表示制御手段においては、画像の視認のさせ方に応じて、単位時間分の画像に対応した描画情報として、第1情報容量の描画情報が作成される場合と、第2情報容量の描画情報が作成される場合とに切り換えられる。これにより、精細な画像又は複雑な画像を表示する場合などには第1情報容量の描画情報を作成するようにするとともに、そのような描画情報を要しない場合には第2情報容量の描画情報を作成するようにすることができる。そして、第2情報容量の描画情報が作成される場合には、例えば、第1情報容量の描画情報が作成される場合と比較して描画情報記憶手段の一部の領域が空き領域となるため、当該空き領域を有効活用することが可能となる。また、例えば、単位時間分の画像に対応した描画情報を作成する場合の処理時間に余裕が生まれることが期待されるため、それを利用して多くのキャラクタを表示することが可能となる。
また、第2情報容量の描画情報に基づいて画像が表示される場合、当該第2情報容量の描画情報が特定の複数分転送されることで、全ての画像用領域に対応した描画情報が表示手段に転送されているようにする構成である。これにより、上記のように作成される描画情報の情報容量が必要に応じて切り換えられる構成であっても、画像の表示を行うための表示手段における構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。さらにまた、第2情報容量の描画情報を特定の複数分転送するという比較的簡素な構成により、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
なお、前記画像表示部は、各画像用領域の単位画素領域により構成されるとともにそれら単一の単位画素領域が所定の順序で配列された組み合わせが、所定方向に繰り返し存在するように制御される構成であり、前記表示実行手段は、同一の前記組み合わせを構成する各単位画素領域において同一の描画が行われるようにすることで、前記第2情報容量の描画情報を用いて、全ての前記画像用領域に画像が表示されるようにするものである構成としてもよい。この場合、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合であっても、全ての画像用領域に画像が表示されるため、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される範囲が、第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に表示面内において画像が表示される範囲と同等であると遊技者に認識させることが可能となる。
また、「一部に対応した分」は、前記複数グループの数に対する所定の約数である構成としてもよく、この場合、前記転送手段は、前記非特別表示制御手段により制御が行われる場合、前記複数グループの数を前記所定の約数で割った数分、前記第2情報容量の描画情報を転送することにより、前記第2情報容量の描画情報を用いて全ての前記画像用領域に対応した描画情報を前記表示手段に向けて転送する構成としてもよい。また、当該構成において、各グループの画像用領域を構成する単位画素領域の数が相互に同一である構成としてもよい。
特徴D5.前記転送手段は、前記第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、前記第2情報容量の描画情報が特定の複数回転送するとともに、前記第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、当該第1情報容量の描画情報を前記特定の複数回に亘って区分けして転送するものであることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合及び第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合のいずれであっても、転送手段は同一の処理を実行すればよい構成とすることが可能となる。これにより、転送手段の処理の複雑化を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することができる。
また、当該構成であることにより、表示手段はいずれの表示状態であったとしても同一の態様で描画を行えばよい構成とすることが可能となる。これにより、描画を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。
特徴D6.前記転送手段は、前記特定の複数回のうち、転送を実行している描画情報が何番目の転送回に係るものであるかを前記表示手段に認識させる転送情報(第1転送信号、第2転送信号)を出力するものであることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、描画情報が特定の複数回に亘って転送される構成において、表示制御手段から表示手段に向けて転送情報が転送されることにより、表示手段では転送されている描画情報が何番目の転送に係るものであるかを一義的に認識することができる。
特徴D7.表示面(表示面429a)にて画像の表示を行う表示手段(図柄表示装置429)と、当該表示手段を表示制御する表示制御手段(表示制御装置483)と、を備え、
当該表示制御手段は、
単位時間分の画像を表示させるために用いられる描画情報を作成する描画情報作成手段(VDP583におけるステップS1902、ステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能など)と、
当該描画情報作成手段により作成された描画情報に対応した単位時間分の画像が前記表示面にて表示されるように、当該作成された描画情報を転送する転送手段(VDP583におけるステップS1905、ステップS1908、ステップS2006及びステップS2009の処理を実行する機能など)と、
を備え、
前記表示手段は、転送されてきた描画情報に基づいて前記表示面にて画像を表示させるものである遊技機において、
前記表示手段は、前記表示面を見る角度に応じて視認される画像の種類を異ならせることが可能であり、
前記表示制御手段は、
前記表示面を見る角度に応じて視認される画像の種類が異なる特別表示状態となるようにする特別表示制御手段(表示CPU582におけるステップS1704〜ステップS1706の処理を実行する機能)と、
前記表示面を見る角度に応じて異なる種類の画像が視認される状態とならない非特別表示状態となるようにする非特別表示制御手段(表示CPU582におけるステップS1708〜ステップS1710の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記転送手段は、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、前記表示手段に向けて転送される単位時間分の画像に対応した描画情報が前記表示面における同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるように描画情報の転送を行うものであることを特徴とする遊技機。
特徴D7によれば、表示面を見る角度に応じて視認される画像の種類が異なる特別表示状態と、表示面を見る角度に応じて異なる種類の画像が視認される状態とならない非特別表示状態とが設定されていることにより、画像の視認のさせ方が複数パターン存在することとなる。これにより、遊技への注目度の向上を図ることができる。
この場合に、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、表示手段に向けて転送される単位時間分の画像に対応した描画情報が、表示面における同一の位置及び面積での画像の表示に対応したものとなるように、表示制御手段において描画情報の転送が行われる。これにより、異なる位置及び面積での画像の表示に対応した描画情報が転送される構成に比べ、画像の表示を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。よって、上記のように遊技への注目度の向上を図るようにした構成において、画像の表示を行うための表示手段における構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
以上より、表示手段における表示への注目度の向上を通じた遊技への注目度の向上を良好に実現することが可能となる。
特徴D8.前記表示手段は、多数の単位画素領域(単位画素領域495)が並べて構成されているとともにそれら単位画素領域に対して描画が行われることにより前記表示面を通じた画像の視認を可能とする画像表示部(液晶表示部491)を備えており、
当該画像表示部は、前記単位画素領域の所定の組み合わせにより構成される第1画像用領域(下側表示領域497)を複数有するように制御されるとともに、前記単位画素領域の所定の組み合わせにより構成される第2画像用領域(上側表示領域496)を複数有するように制御され、さらに前記第1画像用領域間に前記第2画像用領域が配置され且つ前記第2画像用領域間に前記第1画像用領域が配置されるように制御される構成であり、
前記表示手段は、前記表示面からの光の出射方向を規定することで、前記複数の第1画像用領域に表示される画像を第1の方向から視認可能とするとともに前記複数の第2画像用領域に表示される画像を第2の方向から視認可能とする光規定手段(視差バリアパネル494)を備えており、
前記特別表示制御手段は、前記特別表示状態として、前記複数の第1画像用領域の全体から第1画像が視認されるとともに前記複数の第2画像用領域の全体から前記第1画像とは異なる種類の第2画像が視認される状態となるようにするものであり、
前記非特別表示制御手段は、前記非特別表示状態として、前記複数の第1画像用領域及び前記複数の第2画像用領域のうち一方から画像が視認される状態となるようにする、又は前記複数の第1画像用領域及び前記複数の第2画像用領域の区別なく同一種類の画像が視認される状態となるようにするものであることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、同一の画像表示部を用いて特別表示状態と非特別表示状態との間での切り換えを行うことができる。
特徴D9.前記転送手段は、前記単位画素領域の所定数分に描画を行わせるための情報を1単位として当該1単位の情報を特定数分転送することで前記描画情報の転送を行うものであるとともに、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、情報の転送単位と前記特定数とが同一となるように前記描画情報の転送を行うものであることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、表示状態として、表示面を見る角度に応じて視認される画像の種類が異なる特別表示状態と、表示面を見る角度に応じて異なる種類の画像が視認される状態とならない非特別表示状態とを設定することができる。また、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、同一態様で描画情報の転送が行われるため、描画情報の転送に係る構成を共通化させることが可能となるとともに、画像の表示を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。
なお、上記特徴D9において、前記画像表示部は多数の単位画素領域が縦横に並べて構成されており、前記画像表示部は、縦方向又は横方向の少なくとも一方において、前記第1画像用領域と前記第2画像用領域とが前記単位画素領域毎に交互に配置されるように制御される構成としてもよい。
特徴D10.前記表示手段は、転送経路(描画信号用の信号経路SC1)を介して転送されてきた描画情報に基づいて前記各単位画素領域に対して描画を行う表示実行手段(画像処理デバイス606)を備えており、
前記転送経路は、前記多数の単位画素領域における所定の組み合わせの数に対応させて特定数の単位経路を備えており、
前記表示実行手段は、前記各単位経路のいずれかから情報が転送されてきた場合、その転送されてきた単位経路に対応した単位画素領域に対して当該情報に基づく描画を行うものであり、
前記転送手段は、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、前記多数の単位画素領域と前記単位経路とに同一の対応関係を持たせて前記描画情報の転送を行うものであることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D10によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、同一態様で描画情報の転送が行われるため、描画情報の転送に係る構成を共通化させることが可能となるとともに、画像の表示を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。
特徴D11.前記描画情報作成手段は、
前記特別表示状態である場合に、前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域の両方に対応した分の描画情報である第1情報容量の描画情報を描画情報記憶手段に作成する第1描画情報作成手段(VDP583におけるステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能など)と、
前記非特別表示状態である場合に、前記第1画像用領域又は前記第2画像用領域のいずれか一方に対応した分の描画情報である第2情報容量の描画情報を描画情報記憶手段に作成する第2描画情報作成手段(VDP583におけるステップS1902の処理を実行する機能など)と、
を備え、
前記転送手段は、前記非特別表示状態である場合、前記第2情報容量の描画情報を特定の複数分転送することにより、前記第2情報容量の描画情報を用いて前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域の両方に対応した描画情報を前記表示手段に転送するものであることを特徴とする特徴D8乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D11によれば、表示制御手段においては、画像の視認のさせ方に応じて、単位時間分の画像に対応した描画情報として、第1情報容量の描画情報が作成される場合と、第2情報容量の描画情報が作成される場合とに切り換えられる。そして、第2情報容量の描画情報が作成される場合には、例えば、第1情報容量の描画情報が作成される場合と比較して描画情報記憶手段の一部の領域が空き領域となるため、当該空き領域を有効活用することが可能となる。また、例えば、単位時間分の画像に対応した描画情報を作成する場合の処理時間に余裕が生まれることが期待されるため、それを利用して多くのキャラクタを表示することが可能となる。
また、第2情報容量の描画情報に基づいて画像が表示される場合、当該第2情報容量の描画情報が特定の複数分転送されることで、全ての画像用領域に対応した描画情報が表示手段に転送されているようにする構成である。これにより、上記のように作成される描画情報の情報容量が必要に応じて切り換えられる構成であっても、画像の表示を行うための表示手段における構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。さらにまた、第2情報容量の描画情報を特定の複数分転送するという比較的簡素な構成により、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴D12.前記転送手段は、前記第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、前記第2情報容量の描画情報が特定の複数回転送するとともに、前記第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合に、当該第1情報容量の描画情報を前記特定の複数回に亘って区分けして転送するものであることを特徴とする特徴D11に記載の遊技機。
特徴D12によれば、第2情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合及び第1情報容量の描画情報に基づいて画像の表示が実行される場合のいずれであっても、転送手段は同一の処理を実行すればよい構成とすることが可能となる。これにより、転送手段の処理の複雑化を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することができる。
また、当該構成であることにより、表示手段はいずれの表示状態であったとしても同一の態様で描画を行えばよい構成とすることが可能となる。これにより、描画を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。
特徴D13.前記転送手段は、前記特定の複数回のうち、転送を実行している描画情報が何番目の転送回に係るものであるかを前記表示手段に認識させる転送情報(第1転送信号、第2転送信号)を出力するものであることを特徴とする特徴D12に記載の遊技機。
特徴D13によれば、描画情報が特定の複数回に亘って転送される構成において、表示制御手段から表示手段に向けて転送情報が転送されることにより、表示手段では転送されている描画情報が何番目の転送に係るものであるかを一義的に認識することができる。
特徴D14.前記表示手段は、転送経路を介して転送されてきた描画情報が前記画像用領域のいずれに対応したものであるかを識別し、前記第1画像用領域に対応した描画情報に基づいて前記第1画像用領域に画像を表示させるとともに前記第2画像用領域に対応した描画情報に基づいて前記第2画像用領域に画像を表示させる表示実行手段(画像処理デバイス606)を備えており、
前記転送手段は、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、前記第1画像用領域に対応した描画情報と前記第2画像用領域に対応した描画情報とを、前記転送経路を介して前記表示手段に転送するものであることを特徴とする特徴D8乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D14によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、表示手段では転送されてきた転送情報がいずれの画像用領域に対応したものであるかを識別し、その識別結果に対応した描画を行えばよい。これにより、描画を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。
特徴D15.前記転送経路は、前記各画像用領域に対応した数の単位経路を備えており、
前記表示実行手段は、前記各単位経路のいずれかから情報が転送されてきた場合、その転送されてきた単位経路に対応した画像用領域に対して当該情報に基づく描画を行うことで、前記描画情報に対応した画像を前記表示面に表示させるものであり、
前記転送手段は、前記特別表示状態及び前記非特別表示状態のいずれであっても、前記各単位経路を用いて前記描画情報の転送を行うものであることを特徴とする特徴D14に記載の遊技機。
特徴D15によれば、特別表示状態及び非特別表示状態のいずれであっても、表示手段では各単位経路から転送されてきた情報に対応した画像出力を、その単位経路に対応した画像用領域に対して行えばよい。よって、上記のように遊技への注目度の向上を図るようにした構成において、描画を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。
特徴D16.前記表示手段は前記表示面を第1の方向から視認した場合の画像と当該表示面を第2の方向から視認した場合の画像とを異ならせることが可能であり、
前記表示面における画像を反射させる反射面(反射面542a,543a)を有する反射手段(ミラーユニット541)を備え、
前記特別表示制御手段は、前記特別表示状態として、前記表示面において前記第2の方向から視認可能な画像が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な画像と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された画像との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となる状態となるようにするものであり、
前記非特別表示制御手段は、前記非特別表示状態として、前記反射面にて画像の反射が行われない状態となるようにするものであることを特徴とする特徴D7乃至D14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D16によれば、特別表示状態では、非特別表示状態と異なり、表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる画像の表示を行うことが可能となる。これにより、特別表示状態では、非特別表示状態に比べ、同一の表示面を用いながら画像の表示が行われる領域の大型化が図られるため、特別表示状態と非特別表示状態とで画像の表示のさせ方に明確な差異が存在することとなり、これら状態の切り換えを通じて遊技への注目度の向上を図ることが可能となる。
特徴D17.前記表示面の遊技機前側に窓パネル(透明パネル568)を備えており、
前記特別表示状態では、前記表示面において前記第1の方向から視認可能な画像と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された画像との両方が前記窓パネルを通じて前記所定の位置から視認可能となるように、前記表示面は前記窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となるとともに、当該表示面の向く方向が前記反射面の向く方向に対して交差する方向となり、
前記非特別表示状態では、前記表示面が前記窓パネルと平行又は略平行となることを特徴とする特徴D16に記載の遊技機。
特徴D17によれば、特別表示状態では、表示面が窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となるため、画像の表示が行われる領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても当該領域の大型化を図ることができ、また仮に当該領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、当該領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、当該領域の大型化を図ることができる。
また、表示面及び反射面のそれぞれにおいて画像の表示が行われる場合、表示面の向く方向が反射面の向く方向に対して交差する方向となるため、上記拡張された領域と同一の広さの表示面を有する表示手段を窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜させる構成に比べ、画像の表示が行われる領域の拡張を図る上で遊技機前後方向の寸法を小さくすることができる。
さらにまた、非特別表示状態では表示面が窓パネルと平行又は略平行となることで、特別表示状態と非特別表示状態とで表示面の向きが変更されることとなり、両状態間の構成の差異が明確なものとなる。また、本構成によれば、非特別表示状態における表示面の視認性を高めることが可能となる。
特徴D18.前記特別表示制御手段は、前記表示面において前記第2画像が前記表示面及び前記反射面の並ぶ方向に反転された状態で表示されるように前記第2画像用領域に対する描画を行わせるものであることを特徴とする特徴D16又はD17に記載の遊技機。
表示面にて表示されている第2画像は反射面にて反射されることで表示面及び反射面の並ぶ方向に反転した状態となる。これに対して、特徴D18によれば、第2画像用領域に対する画像出力が、第2画像が表示面及び反射面の並ぶ方向に反転された状態で行われるため、反射面に映し出される画像は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。
特徴D19.前記転送手段は、前記特別表示状態においては前記第2画像用領域に表示される画像が前記並ぶ方向に反転された状態に対応した描画情報を前記表示手段に向けて転送するものであることを特徴とする特徴D18に記載の遊技機。
特徴D19によれば、第2画像用領域に表示される画像が反転された状態に対応した描画情報は表示制御手段において作成され、その作成された描画情報が表示手段に転送される。これにより、表示手段では第2画像用領域に表示される画像を反転させるための特別な処理を実行する必要はなく、転送されてきた描画情報に対応した描画を行うことで、第2画像用領域に表示される画像は自ずと反転された状態となる。よって画像の表示を行うための表示手段における構成を共通化させることが可能となる。
特徴D20.前記描画情報作成手段に向けて描画指示情報を供給する描画指示手段(表示CPU582において描画指示情報を出力する機能)をさらに備え、
前記描画情報作成手段は、前記描画指示情報を受け取ったことに基づいて当該描画指示情報に対応した描画情報を作成する作成処理を実行するものであり、
前記描画指示手段は、前記特別表示状態においては前記第2画像用領域に表示される画像が前記並ぶ方向に反転された状態に対応した描画情報の作成を行うように描画指示情報を供給するものであることを特徴とする特徴D18又はD19に記載の遊技機。
特徴D20によれば、特別表示状態における描画情報の作成に際しては、描画指示情報に従うことで、第2画像用領域に表示される画像が表示面及び反射面の並ぶ方向に反転された状態に対応した描画情報が作成される。これにより、特別表示状態と非特別表示状態とで供給される描画指示情報の種類を異ならせれば、各状態に対応した画像の表示を行うことができるため、描画情報の作成に係る処理として各情報に対応した専用の処理を個別に設ける必要がなくなる。よって、描画情報の作成に係る構成を共通化させることが可能となる。
上記特徴D群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、液晶表示装置といった表示面を有する表示装置と、当該表示装置を表示制御する表示制御装置とが搭載されたものが知られている。かかる遊技機では、表示制御装置にて描画データが作成されるとともに当該作成された描画データは表示装置に転送される。表示装置には画像処理デバイスが設けられており、当該画像処理デバイスにおいて上記転送された描画データに対応した画像出力が行われることにより、表示面において所定の画像が表示されることとなる。
ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、当該注目度の向上を図るための手法として、画像による演出態様を多様化したり複雑化したりする手法が考えられる。しかしながら、当該注目度の向上を図るために、表示装置における画像出力に係る構成が極端に複雑化してしまうことは好ましくない。
なお、以上の問題は、パチンコ遊技機に限定されるものではなく、表示装置を備えた他の遊技機においても同様に発生する問題である。
また、上記特徴D1〜D20のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A26、上記特徴B1〜B15、上記特徴C1〜C16、下記特徴E1〜E11、下記特徴F1〜F13、下記特徴G1〜G76のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴E群>
特徴E1.可動用駆動手段(共通用駆動モータ561)により駆動されて動作する可動手段(ミラーユニット541、シャッタ551)を備えた遊技機において、
前記可動手段は、それぞれ付勢された状態で設けられた第1可動部(シャッタ551)及び第2可動部(ミラーユニット541)を備えており、
前記可動用駆動手段が第1の駆動状態となった場合に前記第1可動部が付勢力に抗する方向に移動するとともに前記第2可動部が付勢されている方向に移動し、前記可動用駆動手段が第2の駆動状態となった場合に前記第1可動部が付勢されている方向に移動するとともに前記第2可動部が付勢力に抗する方向に移動するよう、前記第1可動部及び前記第2可動部の両方に前記可動用駆動手段の駆動力が付与されるようにする伝達手段(共通用ギア562〜564)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、第1可動部が付勢力に抗する方向に移動する場合には第2可動部が付勢されている方向に移動することにより、付勢力に抗する方向への第1可動部の移動に要する動力に対して第2可動部への付勢力が寄与することとなり、当該移動を行う上で必要な可動用駆動手段の駆動力の低減が図られる。一方、第2可動部が付勢力に抗する方向に移動する場合には第1可動部が付勢されている方向に移動することにより、付勢力に抗する方向への第2可動部の移動に要する動力に対して第1可動部への付勢力が寄与することとなる。これにより、可動用駆動手段において第1可動部を付勢力に抗する方向に移動させるのに要する駆動力及び可動用駆動手段において第2可動部を付勢力に抗する方向に移動させるのに要する駆動力の低減を図ることができる。
また、第1可動部及び第2可動部の一方の付勢力が他方を付勢力に抗する方向に移動させる動力として用いられる構成であるため、可動部のサイズを極端に小さくする必要はなく、可動部の動作性が極端に低下してしまうこともない。
以上より、駆動手段により駆動されて動作する可動手段の構成を良好なものとすることが可能となる。
特徴E2.前記第1可動部及び前記第2可動部は、縦方向に移動可能であって自重により下方向に付勢されるようにして設けられていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、第1可動部の重量負荷が第2可動部の重量負荷をキャンセルする方向に作用するとともに、第2可動部の重量負荷が第1可動部の重量負荷をキャンセルする方向に作用することとなる。これにより、第1可動部及び第2可動部の重量負荷を利用しながら、可動用駆動手段において必要な駆動力の低減が図られる。
特徴E3.前記可動用駆動手段及び前記伝達手段は、前記可動用駆動手段の出力部(出力軸561a)にかかる前記第1可動部の重量負荷と当該出力部にかかる前記第2可動部の重量負荷とが均等又はほぼ均等となるように設けられていることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、第1可動部の重量負荷と第2可動部の重量負荷とが相互にキャンセルされることとなり、可動用駆動手段において必要な駆動力の低減が図られる。
特徴E4.前記第1可動部は少なくとも所定の位置に配置されている状態において遊技者に視認される第1視認用領域(シャッタ部552の表面)を有しているとともに、前記第2可動部は少なくとも所定の位置に配置されている状態において遊技者に視認される第2視認用領域(反射面542a,543a)を有しており、
さらに、遊技機にて実行される演出に連動して前記第1視認用領域の位置及び前記第2視認用領域の位置が変更されるように前記可動用駆動手段を駆動制御する可動用駆動制御手段(表示CPU582におけるステップS1706及びステップS1710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、演出に連動して複数の物が同時に移動している様子を遊技者に視認させることが可能となる。この場合に、上記特徴E1の構成を備えていることにより、可動用駆動手段において必要な駆動力の低減を図りながら、視覚効果を高めることが可能となる。
特徴E5.前記可動用駆動手段及び前記伝達手段は駆動領域(支持ベース531)に設けられており、
前記各可動部及び前記駆動領域は、前記第1可動部において前記第1視認用領域が形成された部位及び前記第2可動部において前記第2視認用領域が形成された部位のうち一方が、他方と前記駆動領域との間の空間を移動するように配置されているとともに、前記駆動領域が遊技者の視点から遠い側となり且つ前記他方の部位が遊技者の視点から近い側となるようにして配置されていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E5によれば、第1視認用領域及び第2視認用領域の大型化を図りながら、第1視認用領域及び第2視認用領域を駆動領域よりも遊技者の視点に近い側に配置することが可能となる。
特徴E6.前記第1可動部及び前記第2可動部のうち前記他方の部位を含む可動部において駆動力を受ける受け部(シャッタ用抜け止め部材556)は、前記一方の部位を含む可動部を間に挟むようにして設けられていることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、各可動部への動力の伝達が良好に行われるようにしながら、第1可動部及び第2可動部のうち駆動領域から遠い側の可動部の受け部と近い側の可動部との干渉を回避することができる。
特徴E7.前記一方の部位を含む可動部の受け部として、単一の一方側受け部(ミラー用可動板546)を備えているとともに、前記他方の部位を含む可動部の受け部として、前記一方側受け部を挟むようにして配置された一対の他方側受け部(シャッタ用抜け止め部材556)を備えており、
前記伝達手段は、複数の歯車(共通用ギア562〜564)を備えており、
前記複数の歯車は、前記一方側受け部から各他方側受け部に向けて続く一対の歯車列を形成しており、
前記一方側受け部には、前記一方の部位を含む可動部の移動方向に多数の歯が並設されたラック領域が各歯車列のそれぞれに対応させて形成されており、
前記各他方側受け部のそれぞれには、前記他方の部位を含む可動部の移動方向に多数の歯が並設されたラック領域が対応する歯車列に対応させて形成されており、
前記可動用駆動手段は、所定方向及びそれとは反対方向に回転可能であっていずれかの歯車に連結された出力部(出力軸561a)を備えていることを特徴とする特徴E5又はE6に記載の遊技機。
特徴E7によれば、上記特徴E5を備えた構成において、可動用駆動手段の駆動力を第1可動部及び第2可動部の両方に良好に伝達することができる。
特徴E8.遊技機前面部に設けられた窓パネル(窓パネル62)を通じて遊技者に視認可能な視認領域を形成する視認領域形成部(遊技盤423)と、
所定の表示を行う表示領域(表示面429a)を有しているとともに、前記視認領域形成部に形成された開口部(開口部435)を介して前記表示領域が前記窓パネル側に露出されるようにして配置された表示手段(図柄表示装置429)と、
を備え、
前記第1可動部は、前記表示領域の周縁と前記開口部の周縁との間の所定空間が前記開口部を介して前記窓パネル側に露出しないように塞ぐシャッタ(シャッタ551)であり、
前記第2可動部は、前記シャッタが前記所定空間を露出させないように塞ぐ閉塞位置から前記開口部の周縁よりも外側に向けて移動した退避位置に配置される場合に、前記所定空間に対して配置される演出物(ミラーユニット541)であることを特徴とする特徴E4乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E8によれば、それまでシャッタにより塞がれていた所定空間を利用して演出物による演出が行われることとなるため、表示領域との重なりを抑えながら演出物による演出を表示領域と近い位置にて行うことができる。また、演出物による演出が行われない場合には、所定空間が露出されるのではなく、シャッタにより塞がれることとなるため、見た目上好ましいものとなる。
上記構成において上記特徴E1の構成を備えていることにより、シャッタ及び演出物に対して共通の可動用駆動手段を設ければよく、さらには可動用駆動手段においてシャッタ及び演出物を移動させるのに必要な駆動力の低減が図られる。
特徴E9.前記表示手段は変位可能に設けられているとともに、当該表示手段の変位範囲には、第1位置と、前記表示領域において少なくとも前記所定空間側の部位の前記窓パネルに対する相対距離が前記第1位置よりも遠くなる第2位置とが含まれており、
前記可動用駆動制御手段は、前記表示手段が前記第1位置に配置されている状態では前記シャッタが前記閉塞位置に配置され且つ前記演出物が前記窓パネルを通じて視認不可となる退避位置に配置されるように前記可動用駆動手段を駆動制御するとともに、前記表示手段が前記第2位置に配置されている状態では前記シャッタが前記退避位置に配置され且つ前記演出物が前記所定空間に対して配置されるように前記可動用駆動手段を駆動制御するものであることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
特徴E9によれば、表示手段自身が変位することとなるため、演出のインパクトが高められる。また、表示領域において少なくとも所定空間側の部位と窓パネルとの間の距離が遠くなる位置に表示手段が変位した場合に演出物による演出が行われる構成であるため、当該演出を行う場合に演出物を配置するための空間が広く確保される。さらにまた、シャッタが設けられているため、表示手段が第1位置に配置されている状況において所定空間が露出されないようになり、見た目上好ましいものとなる。例えば、表示手段が第1位置に配置されている状況においては開口部と表示領域との間に隙間が生じないように当該表示領域の大きさを設定する構成も考えられるが、当該構成では表示領域をそれだけ大型化させる必要が生じ、表示手段の変位を良好に行えなくなるおそれがあるが、シャッタが設けられていることによりこのような不都合の発生が抑えられる。
上記構成において上記特徴E1の構成を備えていることにより、シャッタ及び演出物に対して共通の可動用駆動手段を設ければよく、さらには可動用駆動手段においてシャッタ及び演出物を移動させるのに必要な駆動力の低減が図られる。
特徴E10.前記表示手段は前記表示領域を第1の方向から視認した場合の画像と当該表示領域を第2の方向から視認した場合の画像とを異ならせることが可能であり、
前記演出物は、前記表示領域における画像を反射させる反射面(反射面542a,543a)を有しており、
前記シャッタが前記退避位置に配置されているとともに前記演出物が前記所定空間に対して配置されている状態では、前記表示領域において前記第2の方向から視認可能な画像が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となり、さらに前記表示領域において前記第1の方向から視認可能な画像と前記表示領域において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された画像との両方が遊技機前方の所定の位置から前記窓パネルを通じて視認可能となることを特徴とする特徴E8又はE9に記載の遊技機。
特徴E10によれば、シャッタが退避位置に配置されているとともに演出物が所定空間に対して配置されている状態では、表示領域及び反射面のそれぞれにおいて異なる画像の表示を行うことが可能となる。これにより、同一の表示領域を用いながら画像の表示が行われる領域の大型化が図られる。その一方、シャッタが閉塞位置に配置されている状況では、反射面を通じた画像の視認ができなくなる。よって、シャッタ及び演出物の移動を通じて、画像の表示が行われる領域のサイズの変更が可能となるため、各状態において画像の表示のさせ方に明確な差異が存在することとなり、これら状態の切り換えを通じて遊技への注目度の向上を図ることが可能となる。
特徴E11.前記表示手段は変位可能に設けられているとともに、当該表示手段の変位範囲には、前記表示領域が前記窓パネルと平行又は略平行となる非特別表示位置と、前記表示領域が前記窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した特別表示位置と、が含まれており、
前記可動用駆動制御手段は、前記表示手段が前記非特別表示位置に配置されている状態では前記シャッタが前記閉塞位置に配置され且つ前記演出物が前記窓パネルを通じて視認不可となる退避位置に配置されるように前記可動用駆動手段を駆動制御するとともに、前記表示手段が前記特別表示位置に配置されている状態では前記シャッタが前記退避位置に配置され且つ前記演出物が前記所定空間に対して配置されるように前記可動用駆動手段を駆動制御するものであることを特徴とする特徴E10に記載の遊技機。
特徴E11によれば、特別表示位置では、表示領域が窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となるため、画像の表示が行われる領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても当該領域の大型化を図ることができ、また仮に当該領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、当該領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、当該領域の大型化を図ることができる。
また、表示領域及び反射面のそれぞれにおいて画像の表示が行われる場合、表示領域の向く方向が反射面の向く方向に対して交差する方向となるため、上記拡張された領域と同一の広さの表示領域を有する表示手段を窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜させる構成に比べ、画像の表示が行われる領域の拡張を図る上で遊技機前後方向の寸法を小さくすることができる。
また、非特別表示位置では表示領域が窓パネルと平行又は略平行となることで、特別表示位置と非特別表示位置とで表示領域の向きが変更されることとなり、両位置間の構成の差異が明確なものとなる。また、本構成によれば、非特別表示位置における表示領域の視認性を高めることが可能となる。
また、表示手段が第1位置に配置されている状況においては開口部と表示領域との間に隙間が生じないように当該表示領域の大きさを設定する構成も考えられるが、当該構成では表示領域をそれだけ大型化させる必要が生じ、表示手段の変位を良好に行えなくなるおそれがあるが、シャッタが設けられていることによりこのような不都合の発生が抑えられる。
上記特徴E群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、ソレノイドや回転モータといった駆動装置により駆動されて動作する可動部材が設けられたものが知られている。
例えば液晶表示装置等の周辺に可動部材を設け、遊技内容(例えば図柄の変動表示の内容)に応じて駆動装置により駆動されて可動部材が動作するようにすることにより、遊技中(例えば図柄の変動時)における遊技の興趣を高めるようにしている。また、当該構成以外にも、駆動装置により駆動されて動作する可動部材が、所定の遊技媒体通路における遊技媒体の通過を阻止又は許容するために設けられている構成や、所定の部位が遊技機前方から視認可能となる状態と視認不可となる状態とに切り換えるために設けられている構成が知られている。
ここで、遊技機の構成を良好なものとするためには、駆動装置について低駆動力化や小型化を図ることが好ましい。しかしながら、これら低駆動力化や小型化を図るために、可動部材のサイズを極端に小さくする必要が生じたり、可動部材の動作性が極端に低下してしまうことは好ましくない。
また、上記特徴E1〜E11のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A26、上記特徴B1〜B15、上記特徴C1〜C16、上記特徴D1〜D20、下記特徴F1〜F13、下記特徴G1〜G76のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴F群>
特徴F1.表示領域(表示面429a)にて所定の表示を行う表示手段(図柄表示装置429)と、
前記表示手段における演出に応じて変位するとともに、少なくとも特定の位置に配置されている状態において前記表示領域の周囲にて遊技機前方から視認可能となる可動手段(ミラーユニット541、シャッタ551)と、
前記表示手段を変位させる表示用駆動手段(表示用駆動モータ521)と、
前記表示手段の位置に応じた位置に配置されるように前記可動手段を変位させる可動用駆動手段(共通用駆動モータ561)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、表示手段と可動手段とが設けられているだけでなく、表示手段を変位させることが可能である。これにより、表示手段にて所定の表示を行わせる演出や可動手段を動作させる演出だけでなく、表示手段自身を変位させる演出を行うことが可能となる。よって、演出の多様化が図られ、それに起因して遊技への注目度を高めることが可能である。
また、上記構成において、表示手段を変位させる駆動手段と可動手段を変位させる駆動手段とが別々に設けられている。これにより、それぞれを個別に変位させることが可能となり、例えば表示手段における表示が良好に行われなくなる状況や、可動手段の機能が良好に発揮されなくなる状況の発生を抑えつつ、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
以上より、演出の意外性を良好に付与することが可能となる。
特徴F2.前記可動手段が振動するように前記可動用駆動手段を駆動制御する可動用振動制御手段(第15の実施形態の表示CPU582におけるステップS1610の処理を実行する機能、第19の実施形態の表示CPU582におけるステップS2810の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、演出として可動手段を振動させることが可能となり、遊技への注目度が高められる。この場合に、上記特徴F1の構成を備え、表示手段を変位させる駆動手段と可動手段を変位させる駆動手段とが別々に設けられているため、可動手段を振動させた場合に表示手段は振動させないようにすることが可能となる。よって、可動手段を振動させた場合の影響が表示手段にまで及ばないようにすることが可能となる。
特徴F3.前記表示手段が振動するように前記表示用駆動手段を駆動制御する表示用振動制御手段(表示CPU582におけるステップS1605の処理を実行する機能)を備え、
前記表示用振動制御手段により前記表示手段が振動するように駆動制御されている期間と前記可動用振動制御手段により前記可動手段が振動するように駆動制御されている期間とが重複しないように構成されていることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、可動手段を振動させる演出だけでなく、表示手段を振動させる演出も行うことが可能となり、遊技への注目度が高められる。この場合に、表示手段が振動している期間と可動手段が振動している期間とが重複しないように駆動制御が行われる。これにより、複数の物が同時に振動することによる不都合の発生を回避しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴F4.前記表示領域において絵柄が振動しているように表示を行うよう前記表示手段を表示制御する振動用表示制御手段(表示CPU582におけるステップS2811の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F2又はF3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、表示手段自身を振動させなくても表示領域において絵柄が振動しているかのような表示がなされる。これにより、表示手段自身を振動させることを通じた当該表示手段の故障などを回避しながら、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴F5.前記振動用表示制御手段は、前記可動手段が振動するように前記可動用振動制御手段により前記可動用駆動手段が駆動制御されている状況において、前記絵柄が振動している表示が前記表示領域において行われるように前記表示手段を表示制御するものであることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
特徴F5によれば、可動手段が振動している状況において、表示領域では絵柄が振動しているかのような表示がなされることとなるため、両者において一体的な振動演出を行うことが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。また、表示手段自身を振動させるのではなく表示領域において絵柄が振動しているかのような表示がなされる構成であるため、表示手段の故障などを回避しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴F6.前記表示領域の向きを変更させるように前記表示用駆動手段を駆動制御する表示変位用の駆動制御手段(第15の実施形態の表示CPU582におけるステップS1705及びステップS1709の処理を実行する機能、第19の実施形態の表示CPU582におけるステップS2805及びステップS2816の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F6によれば、表示領域の向きが変更されることにより、表示手段が変位された場合の見た目に明確な差異が生じることとなる。これにより、表示手段が変位された場合に遊技者を表示領域に注目させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴F7.前記表示領域の向きに応じた位置に前記可動手段が配置されるように前記可動用駆動手段を駆動制御する可動変位用の駆動制御手段(第15の実施形態の表示CPU582におけるステップS1706及びステップS1710の処理を実行する機能、第19の実施形態の表示CPU582にけるステップS2806及びステップS2817の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
特徴F7によれば、表示領域の向きが変更される構成において、可動手段は表示領域の向きに応じた位置に変位されるため、表示領域の向きの変更を通じた演出と可動手段の変位による演出とを一体的なものとして遊技者に提供することが可能となる。
特徴F8.遊技機前面部に設けられた窓パネル(窓パネル62)を通じて遊技者に視認可能な視認領域を形成する視認領域形成部(遊技盤423)を備え、
前記表示手段は、前記視認領域形成部に形成された開口部(開口部435)を介して前記表示領域が前記窓パネル側に露出されるようにして配置されており、
前記可動手段は、前記表示領域の周縁と前記開口部の周縁との間の所定空間が前記開口部を介して前記窓パネル側に露出しないように塞ぐシャッタ(シャッタ551)を備えており、
前記可動変位用の駆動制御手段は、前記表示領域が特定の方向を向くように前記表示手段が配置されている状況において前記所定空間が前記窓パネル側に露出しないように前記シャッタを閉塞位置に配置させるとともに、前記表示領域が前記特定の方向とは異なる所定の方向を向くように前記表示手段が配置されている状況においては前記シャッタを前記閉塞位置から前記開口部の外側に変位した位置に配置させるものであることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
特徴F8によれば、シャッタが設けられていることにより、表示領域の向きが変更された場合に表示領域の周縁と開口部の周縁との間に所定の隙間が生じたとしてもそれを塞ぐことが可能となり、見た目上好ましいものとなる。この場合に、上記特徴F1の構成を備え、表示手段を変位させる駆動手段とシャッタを変位させる駆動手段とが別々に設けられていることにより、表示領域の向きとシャッタの位置とを個別に変更することが可能となり、各動作を良好に行わせることが可能となる。
また、上記特徴F2を備えた構成においては、シャッタを振動させる演出を実行させる場合に表示手段は振動しないようにすることが可能となり、これによりシャッタと表示領域との重ね合わせ領域を極端に広く確保しなくても、シャッタを振動させた際にシャッタと表示領域との間の隙間が露出してしまうことを抑えることが可能となる。また、上記特徴F3を備えた構成においては、シャッタ又は表示手段の一方を振動させる演出を実行させる場合に他方は振動しないようにすることが可能となり、これによりシャッタと表示領域との重ね合わせ領域と極端に広く確保しなくても、一方を振動させた際にシャッタと表示領域との間の隙間が露出してしまうことを抑えることが可能となる。
特徴F9.前記可動手段は、前記表示領域における表示に応じて所定の画像を遊技者に視認させる演出物(ミラーユニット541)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F9によれば、演出物では表示領域における表示に応じて所定の画像を遊技者に視認させる演出が行われるため、演出物への注目度が高められ、それに起因して遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴F10.前記表示手段は前記表示領域を第1の方向から視認した場合の画像と当該表示領域を第2の方向から視認した場合の画像とを異ならせることが可能であり、
前記可動手段は、前記表示領域における画像を反射させる反射面(反射面542a,543a)を有する演出物(ミラーユニット541)を備えており、
前記表示手段及び前記演出物の相対位置には、
前記表示領域において前記第2の方向から視認可能な画像が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となり、さらに前記表示領域において前記第1の方向から視認可能な画像と前記表示領域において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された画像との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となる特別表示用の位置と、
前記反射面における画像の反射が行われなくなる非特別表示用の位置と、
が含まれていることを特徴とする特徴F1乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F10によれば、表示手段及び演出物の相対位置が特別表示用の位置である状況では、表示領域及び反射面のそれぞれにおいて異なる画像の表示を行うことが可能となる。これにより、同一の表示領域を用いながら画像の表示が行われる領域の大型化が図られる。その一方、表示手段及び演出物の相対位置が非特別表示用の位置である状況では、反射面を通じた画像の視認ができなくなる。よって、画像の表示が行われる領域のサイズの変更が可能となるため、各状態において画像の表示のさせ方に明確な差異が存在することとなり、これら状態の切り換えを通じて遊技への注目度の向上を図ることが可能となる。
また、上記特徴F2を備えた構成においては、演出物を振動させる演出を実行させる場合に表示手段は振動しないようにすることが可能となり、これにより両者を同時に振動させる構成に比べて、振動による演出に際して反射面における画像の反射が良好に行われなくなることを抑えることが可能となる。また、上記特徴F3を備えた構成においては、演出物又は表示手段の一方を振動させる演出を実行させる場合に他方を振動しないようにすることが可能となり、これにより両者を同時に振動させる構成に比べて、振動による演出に際して反射面における画像の反射が良好に行われなくなることを抑えることが可能となる。
また、上記特徴F4や上記特徴F5を備えた構成においては、表示手段自身を振動させてなくても演出物を振動させながら表示領域において絵柄が振動しているかのような表示を行うことが可能となり、表示手段の故障などを回避しながら、両者において一体的な振動演出を行うことが可能となる。
特徴F11.前記表示手段は、前記非特別表示用の位置では、前記表示領域よりも遊技機前側に設けられた窓パネルと前記表示領域が平行又は略平行となる位置に配置され、前記特別表示用の位置では、前記表示領域が前記窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜する位置に配置されるものであり、
前記演出物は、前記非特別表示用の位置では、前記窓パネルを通じて前記所定の位置から視認不可となる位置に配置され、前記特別表示用の位置では、当該反射面の向く方向が前記表示領域の向く方向に対して交差する方向となった状態で当該反射面が前記窓パネルを通じて前記所定の位置から視認可能となる位置に配置されるものであることを特徴とする特徴F10に記載の遊技機。
特徴F11によれば、特別表示用の位置では、表示領域が窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となるため、画像の表示が行われる領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても当該領域の大型化を図ることができ、また仮に当該領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、当該領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、当該領域の大型化を図ることができる。
また、表示領域及び反射面のそれぞれにおいて画像の表示が行われる場合、表示領域の向く方向が反射面の向く方向に対して交差する方向となるため、上記拡張された領域と同一の広さの表示領域を有する表示手段を窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜させる構成に比べ、画像の表示が行われる領域の拡張を図る上で遊技機前後方向の寸法を小さくすることができる。
また、非特別表示用の位置では表示領域が窓パネルと平行又は略平行となることで、特別表示用の位置と非特別表示用の位置とで表示領域の向きが変更されることとなり、両位置間の構成の差異が明確なものとなる。また、本構成によれば、非特別表示用の位置における表示領域の視認性を高めることが可能となる。
特徴F12.遊技機前面部に設けられた窓パネル(窓パネル62)を通じて遊技者に視認可能な視認領域を形成する視認領域形成部(遊技盤423)と、
所定の表示を行う表示領域(表示面429a)を有しているとともに、前記視認領域形成部に形成された開口部(開口部435)を介して前記表示領域が前記窓パネル側に露出されるようにして配置された表示手段(図柄表示装置429)と、
前記表示領域の向きが変更されるように前記表示手段を変位させる表示用駆動手段(表示用駆動モータ521)と、
前記表示領域が特定の方向を向くように前記表示手段が配置されている状況において前記表示領域の周縁と前記開口部の周縁との間の所定空間が前記開口部を介して前記窓パネル側に露出しないように塞ぐシャッタ(シャッタ551)と、
当該シャッタを変位させる可動用駆動手段(共通用駆動モータ561)と、
前記表示手段が振動するように前記表示用駆動手段を駆動制御する表示用振動制御手段(表示CPU582におけるステップS1605の処理を実行する機能)と、
前記シャッタが振動するように前記可動用駆動手段を駆動制御する可動用駆動制御手段(第15の実施形態の表示CPU582におけるステップS1610の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示用振動制御手段により前記表示手段が振動するように駆動制御されている期間と前記可動用振動制御手段により前記シャッタが振動するように駆動制御されている期間とが重複しないように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F12によれば、表示領域の向きが変更されることにより、表示手段が変位された場合の見た目に明確な差異が生じることとなる。これにより、表示手段が変位された場合に遊技者を表示領域に注目させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。また、シャッタが設けられていることにより、表示領域の向きが変更された場合に表示領域の周縁と開口部の周縁との間に所定の隙間が生じたとしてもそれを塞ぐことが可能となり、見た目上好ましいものとなる。
また、演出としてシャッタを振動させることが可能であるとともに、演出として表示手段を振動させることも可能であるため、遊技への注目度が高められる。この場合に、表示手段が振動している期間とシャッタが振動している期間とが重複しないように駆動制御が行われるため、シャッタ又は表示手段の一方を振動させる演出を実行させる場合に他方は振動しないようにすることが可能となり、これによりシャッタと表示領域との重ね合わせ領域と極端に広く確保しなくても、一方を振動させた際にシャッタと表示領域との間の隙間が露出してしまうことを抑えることが可能となる。
特徴F13.表示領域(表示面429a)にて所定の表示を行う表示手段(図柄表示装置429)と、
前記表示領域の向きが変更されるように前記表示手段を変位させる表示用駆動手段(表示用駆動モータ521)と、
前記表示領域における表示に応じて所定の画像を遊技者に視認させる演出物(ミラーユニット541)と、
当該演出物を変位させる可動用駆動手段(共通用駆動モータ561)と、
前記演出物が振動するように前記可動用駆動手段を駆動制御する可動用振動制御手段(第19の実施形態の表示CPU582におけるステップS2810の処理を実行する機能)と、
前記表示領域において絵柄が振動しているように表示を行うよう前記表示手段を表示制御する振動用表示制御手段(表示CPU582におけるステップS2811の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F13によれば、表示領域の向きが変更されることにより、表示手段が変位された場合の見た目に明確な差異が生じることとなる。これにより、表示手段が変位された場合に遊技者を表示領域に注目させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。また、演出物では表示領域における表示に応じて所定の画像を遊技者に視認させる演出が行われるため、演出物への注目度が高められ、それに起因して遊技への注目度を高めることが可能となる。
また、演出として演出物を振動させることが可能であるため、遊技への注目度が高められる。この場合に、表示手段では、表示手段自身を振動させなくても表示領域において絵柄が振動しているかのような表示がなされる。これにより、表示手段自身を振動させることを通じた当該表示手段の故障などを回避しながら、両者において一体的な振動演出を行うことが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
上記特徴F群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、液晶表示装置などといった表示面を有する表示装置が搭載されたものが知られている。また、表示装置の周辺に可動部材を設け、遊技内容(例えば図柄の変動表示の内容)に応じて可動部材が動作するようにしているものも知られている。
ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、当該注目度の向上を図るための手法として、演出に意外性を付与する手法が考えられる。しかしながら、当該意外性を付与する上で、表示装置における表示が良好に行われなくなる状況や、可動部材の機能が良好に発揮されない状況などが生じてしまうのは好ましくない。
また、上記特徴F1〜F13のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A26、上記特徴B1〜B15、上記特徴C1〜C16、上記特徴D1〜D20、上記特徴E1〜E11、下記特徴G1〜G76のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴G群>
特徴G1.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81等)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
なお、「保持手段」による「保持」は、表示手段及び反射手段が特別表示位置にて保たれていればよく、表示手段及び反射手段の両方が外力に対して変位が生じない状態で保たれている構成だけでなく、表示手段及び反射手段の少なくとも一方が外力に対して変位が生じうる状態で保たれている構成も含まれる。これは、以下も同様である。
特徴G2.特徴G1において、前記特別表示位置は、前記表示面及び前記反射面において相互に近い側が遊技機後側に位置するとともに、相互に遠い側が遊技機前側に位置するように、前記表示面及び前記反射面の両方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G2によれば、保持手段により保持される特別表示位置では、表示面及び反射面の両方が遊技機前後方向に傾斜した状態となるため、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えながら、表示領域の大型化を良好に行うことができる。すなわち、表示領域を設けるための空間の大きさが同一の場合で比較すると、表示面及び反射面のうちいずれか一方のみを遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示面及び反射面の両方を遊技機前後方向に傾斜させた方が、表示面及び反射面の総面積を広く確保することが可能となる。
特徴G3.特徴G1又はG2において、前記表示面及び前記反射面は共に平面状に形成されており、
前記特別表示位置は、前記表示面に対する前記反射面の角度が直角又は略直角となる位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G3によれば、保持手段により保持される特別表示位置では表示面に対する反射面の角度が直角又は略直角となることで、反射面を見た場合における光の経路の関係から、遊技者は反射面において映し出されている表示を表示面と同一平面上で表示されているように視認する。これにより、表示領域における表示を、遊技者に違和感を与えないように良好に行うことができる。
特徴G4.特徴G1乃至G3のいずれか1において、前記特別表示位置は、前記表示面及び前記反射面を前記所定の位置から見た場合に、前記表示面と前記反射面との間に隙間が生じていないように見える位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G4によれば、表示面及び反射面から構成される表示領域を所定の位置から見た場合、当該表示領域は表示面と反射面との境界で不連続なものとなることはなく連続的なものとなり、上記表示領域における表示を一体的なものとして、遊技者に違和感を与えないように良好に行うことができる。
特に、上記特徴G3を備えた構成においては、表示面及び反射面から構成される表示領域は、平面状なものとして視認されるとともに、連続的なものとして視認されることとなり、上記表示領域における表示を、当該表示領域と同一の大きさに形成された面一の表示面にて表示されているように視認させることができる。
なお、本特徴G4におけるより具体的な構成としては、前記特別表示位置を、前記反射面の前記表示面側の縁部が当該表示面上となる位置又は当該表示面に近接した位置とする構成が考えられる。
また、本特徴G4において、前記保持手段によって前記表示手段及び前記反射手段が前記特別表示位置に保持されている状況において前記表示面及び前記反射面を前記所定の位置から見た場合に前記表示面と前記反射面との境界を所定の絵柄が跨いだ状態が視認可能となる表示を行い得るように前記表示手段が構成されていてもよい。また、本特徴G4において、前記保持手段によって前記表示手段及び前記反射手段が前記特別表示位置に保持されている状況において前記表示面及び前記反射面を前記所定の位置から見た場合に前記表示面と前記反射面との境界を所定の絵柄が通過する状態が視認可能となる表示を行い得るように前記表示手段が構成されていてもよい。これらの場合、表示面及び反射面から構成される表示領域を連続的なものとした構成において、上記表示領域において一体的な表示を行うことができる。
また、上記特徴G4の構成に代えて、前記特別表示位置は、前記表示面及び前記反射面を前記所定の位置から見た場合に、これら表示面及び反射面において相互に近い側の端部が離間され両者の間に離間空間が生じているように見える位置であり、当該離間空間において前記所定の位置から見た場合における前記表示面と前記反射面との間の光の経路を遮らない位置に装飾部材が設けられた構成としてもよい。この場合、上記特徴G1等における効果を奏しつつ、さらには表示面及び反射面から構成される表示領域の中間部分に装飾部材が設けられることとなり、単一の表示手段を用いながら斬新な表示演出を行うことが可能となる。
特徴G5.特徴G1乃至G4のいずれか1において、前記表示手段は、前記第1の方向から視認可能な表示の輝度よりも前記第2の方向から視認可能な表示の輝度が高くなるように形成されていることを特徴とする遊技機。
表示面において第2の方向から視認可能な表示は反射面にて反射された後に遊技者に視認されるため、表示面及び反射面から構成される表示領域において反射面における表示は表示面における表示よりも所定の位置で見た場合の輝度が低下してしまうことが懸念される。これに対して、特徴G5によれば、表示手段は、第1の方向から視認可能な表示の輝度よりも第2の方向から視認可能な表示の輝度が高くなるように形成されているため、所定の位置から見た場合における反射面における表示の輝度と表示面における表示の輝度とを同程度のものとすることが可能となる。よって、上記表示領域における表示を、遊技者に違和感を与えないように良好に行うことができる。
なお、本特徴の具体的な構成としては、前記表示手段は、前記表示面において画像を表示させるための画像表示部と、前記表示面からの光の出射方向を規定することで、前記第1の方向から視認可能な画像と前記第2の方向から視認可能な画像とを異ならせる光規定手段と、を備えた構成においては、前記第1の方向から視認可能な表示の輝度よりも前記第2の方向から視認可能な表示の輝度が高くなるように前記光規定手段を設ける構成が考えられる。
特徴G6.特徴G1乃至G5のいずれか1において、前記表示手段は前記表示面において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部90等)を有しており、
当該画像表示部において複数の第1画像用領域(下側表示領域103等)及び複数の第2画像用領域(上側表示領域102等)を設定するとともに、第1画像用領域間に第2画像用領域が配置され且つ第2画像用領域間に第1画像用領域が配置されるように前記画像表示部を表示制御することが可能な表示制御手段(表示制御装置82)を備え、
さらに、前記表示手段は、前記表示面からの光の出射方向を規定することで、前記複数の第1画像用領域に表示される第1画像を前記第1の方向から視認可能とするとともに前記複数の第2画像用領域に表示される第2画像を前記第2の方向から視認可能とする光規定手段(視差バリアパネル93等)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G6によれば、表示面を第1の方向から視認した場合の画像と当該表示面を第2の方向から視認した場合の画像とを異ならせることが可能となる。
特徴G7.特徴G6において、前記表示制御手段は、前記表示面において前記第2画像が前記表示面及び前記反射面の並ぶ方向に反転された状態で表示されるように、前記第2画像用領域に対する画像の情報の設定を行う反転用制御手段(VDP165におけるステップS1005の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
表示面にて表示されている第2画像は反射面にて反射されることで表示面及び反射面の並ぶ方向に反転した状態となる。これに対して、特徴G7によれば、第2画像用領域に対する画像の情報の設定が、第2画像が表示面及び反射面の並ぶ方向に反転された状態で行われるため、反射面に映し出された画像は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。
特徴G8.特徴G7において、前記画像表示部に表示させる画像の情報を予め記憶する記憶手段(キャラクタROM166等)を備えており、
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている画像の情報を前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域に対して設定するものであり、
前記記憶手段において、前記第1画像用領域に表示される画像の情報及び前記第2画像用領域に表示される画像の情報は少なくとも一部が共通化されており、
前記反転用制御手段は、前記共通化されている画像の情報を前記第2画像用領域に対して設定する場合、当該画像の情報を前記表示面及び前記反射面の並ぶ方向に反転させた状態で設定を行うものであることを特徴とする遊技機。
特徴G8によれば、第1画像用領域に表示される画像の情報と第2画像用領域に表示される画像の情報とは少なくとも一部が共通化されているため、表示面に画像を表示させる上での情報の記憶容量の削減を図ることが可能となる。また、当該構成において、保持手段により保持される特別表示位置において、上記共通化されている画像の情報を第2画像用領域に対して設定する場合、当該画像の情報を表示面及び反射面の並ぶ方向に反転させた状態で行われるため、反射面に映し出された画像は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。つまり、表示面に画像を表示させる上での情報の記憶容量の削減を図りつつ、表示面及び反射面から構成される表示領域における画像の表示を良好に行うことができる。
特徴G9.特徴G7又はG8において、前記保持手段は、前記表示面及び前記反射面の位置を変更させる位置変更手段(角度変更モータ117及びガイド溝139,140等)を備えており、当該位置変更手段による変更範囲には、前記特別表示位置が含まれているとともに、前記所定の位置から見た場合に前記第1画像用領域に表示される画像及び前記第2画像用領域に表示される画像の両方が前記表示面においてまとめて視認可能となり且つ前記反射面における画像の反射が行われなくなる非特別表示位置(初期状態における位置)が含まれており、さらにこれら特別表示位置及び非特別表示位置のそれぞれにおいて前記表示手段及び前記反射手段を保持可能なものであり、
前記反転用制御手段は、前記表示手段及び前記反射手段が前記特別表示位置にて保持されている場合、前記表示面において前記第2画像が前記表示面及び前記反射面の並ぶ方向に反転された状態で表示されるように、前記第2画像用領域に対する画像の情報の設定を行い、前記表示手段及び前記反射手段が前記非特別表示位置にて保持されている場合、前記反転させた状態での設定を行わないものであることを特徴とする遊技機。
特徴G9によれば、保持手段によって表示手段及び反射手段が保持される位置として、特別表示位置と、非特別表示位置とが設定されていることにより、表示領域のサイズの変更が可能となる。特に、特別表示位置では、第2画像用領域に表示される画像は、所定の位置から見た場合に、反射面に映し出されることで視認可能となる構成であるのに対して、非特別表示位置では、第1画像用領域に表示される画像及び第2画像用領域に表示される画像の両方が、所定の位置から見た場合に、表示面においてまとめて視認可能となる構成であるため、特別表示位置及び非特別表示位置での表示領域のサイズの変更幅を大きく設定することが可能となる。
この場合に、特別表示位置では、表示面において第2画像が表示面及び反射面の並ぶ方向に反転された状態で表示されるように第2画像用領域に対する画像の情報の設定が行われることで、反射面に映し出される画像は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。一方、非特別表示位置では、表示面において第2画像が反転されていない状態で表示されるように、第2画像用領域に対する画像の情報の設定が行われることで、表示面に表示される画像は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。これにより、上記のように特別表示位置及び非特別表示位置が設定された構成において、各表示位置における画像の表示を良好に行うことができる。
特徴G10.特徴G6乃至G9のいずれか1において、前記画像表示部は、多数の単位画素領域(単位画素領域101)が縦横に並べて構成されており、
前記表示制御手段は、前記画像表示部の縦方向又は横方向の少なくとも一方において、前記第1画像用領域と前記第2画像用領域とが前記単位画素領域毎に交互に配置されるように前記画像表示部を表示制御することが可能であることを特徴とする遊技機。
特徴G10によれば、第2画像用領域を挟んで隣り合う第1画像用領域間の距離、及び第1画像用領域を挟んで隣り合う第2画像用領域間の距離を単位画素領域分に抑えることが可能となる。これにより、表示面において第1の方向から視認可能な画像と第2の方向から視認可能な画像とを異ならせることを可能とした構成において、各画像を表示面における同一の領域全体に亘ってそれぞれ表示させつつ、各画像の内側に生じるブランクを極力目立たなくすることが可能となる。
なお、縦方向及び横方向のいずれにおいても前記第1画像用領域と前記第2画像用領域とが前記単位画素領域毎に交互に配置されるように構成することで、上記各画像の内側に生じるブランクを極力目立たなくするという効果をより高めることができ、縦方向及び横方向のいずれか一方のみにおいて上記各画像用領域が交互に配置される構成に比べ、解像度を擬似的に高めることが可能となる。
特徴G11.特徴G6乃至G10のいずれか1において、前記光規定手段は、光を透過させるように形成された透明パネルに対して複数の遮光部を付与することにより形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G11によれば、光規定手段を比較的簡素な構成により設けることができる。
特徴G12.特徴G6乃至G10のいずれか1において、前記光規定手段は、遮光部及び透過部を表示可能な光規定用表示手段(視差バリア用液晶表示部294)であり、
前記表示制御手段により前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域において異なる画像を表示するよう表示制御が行われる場合に、これら第1画像用領域及び第2画像用領域に対応させて前記光規定用表示手段に前記遮光部が表示されるようにする光規定制御手段(表示制御装置82及び第2画像処理デバイス296)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G12によれば、第1画像用領域及び第2画像用領域において異なる画像を表示させる必要がない場合には、光規定用表示手段に遮光部を表示させず、透過部のみを表示させるようにすることができ、必要に応じて表示面に表示される画像の解像度を高めることができる。
特徴G13.特徴G6乃至G12のいずれか1において、前記画像表示部に表示させる画像の情報を予め記憶する記憶手段(キャラクタROM166等)を備えており、
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている画像の情報を前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域に対して設定する設定手段(VDP165等)を備えており、
前記記憶手段において、前記第1画像用領域に表示される画像の情報及び前記第2画像用領域に表示される画像の情報は少なくとも一部が共通化されていることを特徴とする遊技機。
特徴G13によれば、上記特徴G1の効果を奏しつつ、表示面に画像を表示させる上での情報の記憶容量の削減を図ることができる。
特徴G14.特徴G1乃至G13のいずれか1において、前記反射面は、前記特別表示位置において前記所定の位置から見た場合に、当該反射面の全体又は略全体において前記表示面の全体若しくは略全体を映し出すように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G14によれば、表示面及び反射面から構成される表示領域を極力大型化しつつ、所定の位置から見た場合において反射面に表示面における表示以外のものが映し出されてしまうことを抑制できる。
特徴G15.特徴G1乃至G14のいずれか1において、前記表示手段は、前記第1の方向及び前記第2の方向だけでなく第3の方向から視認した場合の表示も異ならせることが可能なものであり、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面を有する反射手段を前記反射手段とは別に備え、
前記特別表示位置は、少なくとも前記各反射面が遊技機前後方向に傾斜した状態において、各反射面のうち一方の反射面が、前記第2の方向から視認可能な表示を反射させて前記第1の方向から視認可能とする角度となるとともに、他方の反射面が、前記第3の方向から視認可能な表示を反射させて前記第1の方向から視認可能とする角度となるように、前記表示手段及び前記各反射手段が前記保持手段により保持される位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G15によれば、保持手段により保持される特別表示位置では、各反射面において表示面の表示がそれぞれ映し出されるため、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
特徴G16.特徴G1乃至G14のいずれか1において、前記表示手段は前記表示面に、表示面を前記第1の方向から視認した場合の表示と表示面を前記第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な第1領域(上側視野角調整領域244)と、表示面を前記第1の方向から視認した場合の表示と表示面を第3の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な第2領域(下側視野角調整領域245)とが設定されており、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面を有する反射手段を前記反射手段とは別に備え、
前記特別表示位置は、前記表示面の前記第1領域側に前記各反射面のうち一方の反射面が配置されるとともに、前記表示面の前記第2領域側に他方の反射面が配置され、少なくとも前記各反射面が遊技機前後方向に傾斜した状態において、前記一方の反射面が、前記第2の方向から視認可能な表示を反射させて前記第1の方向から視認可能とする角度となるとともに、前記他方の反射面が、前記第3の方向から視認可能な表示を反射させて前記第1の方向から視認可能とする角度となるように、前記表示手段及び前記各反射手段が前記保持手段により保持される位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G16によれば、保持手段により保持される特別表示位置では、各反射面において表示面の表示がそれぞれ映し出されるため、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
特に、本構成によれば、表示面の全体において第1の方向から視認可能な表示と、第2の方向から視認可能な表示と、第3の方向から視認可能な表示とを異ならせるのではなく、表示面の第1領域において第1の方向から視認可能な表示と第2の方向から視認可能な表示とを異ならせることを可能とするとともに、表示面の第2領域において第1の方向から視認可能な表示と第3の方向から視認可能な表示とを異ならせることを可能としたことにより、各表示の解像度が低下してしまうことを極力抑えつつ、上記効果を得ることができる。
特徴G17.表示面(表示面94等)を有し、少なくとも当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81等)と、
反射面(反射面131等)を有し、当該反射面が前記表示面に対して傾斜した状態となることで、前記第2の方向から視認可能な表示を前記反射面にて反射させて前記第1の方向から視認可能とする反射手段(反射用ユニット84等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G17によれば、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
また、表示面又は反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となるように表示手段及び反射手段を配置することで、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、表示面及び反射面により表示領域が構成される場合、表示面に対して反射面が傾斜した状態となるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
特徴G18.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81等)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面及び前記反射面の両方が遊技機前方から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G18によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
特徴G19.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81等)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前面部の窓パネルを通じて遊技機前方から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が前記窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G19によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
特徴G20.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81等)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備え、
前記特別表示位置は、前記表示面に対して前記反射面が上方又は下方に配置されるように前記表示手段及び前記反射手段が前記保持手段により保持される位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G20によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が上方又は下方に配置される位置であるため、遊技者にとっては、表示面及び反射面から構成される表示領域における表示に対する左右の目の視差による影響が低減される。つまり、右目と左目とでは、表示領域の所定の部位を視認する場合における横方向の視線の角度が異なっている。この場合に、表示面及び反射面が左右に設けられる構成を想定すると、表示領域に対する遊技者の視点の位置によっては、左目と右目との視線の角度の違いにより、視野角が左側に向けて設定された表示を左目で視認し、視野角が右側に向けて設定された画像を右目で視認してしまうことが想定される。これに対して、左目と右目とでは、表示領域の所定の部位を視認する場合における縦方向の視線の角度差は一般的に少ない。したがって、上記のとおり表示面に対して反射面を上方又は下方に配置することで、左目と右目とでそれぞれ異なる表示を視認してしまうといった不都合の発生が抑制され、遊技者にとっては上記表示領域に対する左右の目の視差による影響が低減される。
特徴G21.特徴G20において、前記特別表示位置は、前記表示面及び前記反射面において相互に近い側が遊技機後側に位置するとともに、相互に近い側が遊技機前側に位置するように、前記表示面及び前記反射面のうち一方が遊技機後側に向けて上り傾斜した状態となるとともに他方が遊技機後側に向けて下り傾斜した状態となる位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G21によれば、保持手段により保持される特別表示位置では、表示面及び反射面の両方が遊技機前後方向に傾斜した状態となるため、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えながら、表示領域の大型化を良好に行うことができる。すなわち、表示領域を設けるための空間の大きさが同一の場合で比較すると、表示面及び反射面のうちいずれか一方のみを遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示面及び反射面の両方を遊技機前後方向に傾斜させた方が、表示面及び反射面の総面積を広く確保することが可能となる。
特徴G22.特徴G21において、前記保持手段は、前記表示面に対して前記反射面が上方に配置されるように前記表示手段及び前記反射手段を保持するものであることを特徴とする遊技機。
遊技機が設置される遊技ホールなどにおいては、天井に店内照明が設けられている。この場合に、特徴G22によれば、表示面に対して反射面が上方に配置されるため、保持手段により保持される特別表示位置では反射面にて店内照明からの光が映りこみにくくなる。
特徴G23.特徴G20乃至G22のいずれか1において、前記表示面では、前記第2の方向から視認可能な表示内容が上下反転させた状態で表示される又は表示されていることを特徴とする遊技機。
保持手段により保持される特別表示位置において、表示面に対して反射面が上方又は下方に配置される構成では、表示面において第2の方向から視認可能な表示内容は反射面にて反射されることで上下反転した状態となる。これに対して、特徴G23によれば、表示面では、第2の方向から視認可能な表示内容が上下反転させた状態で表示される又は表示されているため、反射面に映し出された表示は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。
特徴G24.特徴G20乃至G22のいずれか1において、前記表示手段は前記表示面において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部90等)を有しており、
当該画像表示部において複数の第1画像用領域(下側表示領域103等)及び複数の第2画像用領域(上側表示領域102等)を設定するとともに、第1画像用領域間に第2画像用領域が配置され且つ第2画像用領域間に第1画像用領域が配置されるように前記画像表示部を表示制御することが可能な表示制御手段(表示制御装置82)を備え、
さらに、前記表示手段は、前記表示面からの光の出射方向を規定することで、前記複数の第1画像用領域に表示される第1画像を前記第1の方向から視認可能とするとともに前記複数の第2画像用領域に表示される第2画像を前記第2の方向から視認可能とする光規定手段(視差バリアパネル93等)を備えており、
前記表示制御手段は、前記表示面において前記第2画像が上下反転された状態で表示されるように、前記第2画像用領域に対する画像の情報の設定を行う反転用制御手段(VDP165におけるステップS1005の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G24によれば、表示面を第1の方向から視認した場合の画像と当該表示面を第2の方向から視認した場合の画像とを異ならせることが可能となる。
この場合に、保持手段により保持される特別表示位置において、表示面に対して反射面が上方又は下方に配置される構成では、表示面において表示されている第2画像は反射面にて反射されることで上下反転した状態となる。これに対して、本特徴によれば、第2画像用領域に対する画像の情報の設定が、第2画像が上下反転された状態で行われるため、表示面では第2画像が上下反転された状態で表示される。よって、反射面に映し出された画像は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。
特徴G25.特徴G24において、前記画像表示部に表示させる画像の情報を予め記憶する記憶手段(キャラクタROM166等)を備えており、
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている画像の情報を前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域に対して設定するものであり、
前記記憶手段において、前記第1画像用領域に表示される画像の情報及び前記第2画像用領域に表示される画像の情報は少なくとも一部が共通化されており、
前記反転用制御手段は、前記共通化されている画像の情報を前記第2画像用領域に対して設定する場合、当該画像の情報を上下反転させた状態で設定を行うものであることを特徴とする遊技機。
特徴G25によれば、第1画像用領域に表示される画像の情報と第2画像用領域に表示される画像の情報とは少なくとも一部が共通化されているため、表示面に画像を表示させる上での情報の記憶容量の削減を図ることが可能となる。また、当該構成において、保持手段により保持される特別表示位置において、上記共通化されている画像の情報を第2画像用領域に対して設定する場合、当該画像の情報を上下反転させた状態で行われるため、反射面に映し出された画像は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。つまり、表示面に画像を表示させる上での情報の記憶容量の削減を図りつつ、表示面及び反射面から構成される表示領域における画像の表示を良好に行うことができる。
特徴G26.特徴G24又はG25において、前記保持手段は、前記表示面及び前記反射面の位置を変更させる位置変更手段(角度変更モータ117及びガイド溝139,140等)を備えており、当該位置変更手段による変更範囲には、前記特別表示位置が含まれているとともに、前記所定の位置から見た場合に前記第1画像用領域に表示される画像及び前記第2画像用領域に表示される画像の両方が前記表示面においてまとめて視認可能となり且つ前記反射面における画像の反射が行われなくなる非特別表示位置(初期状態における位置)が含まれており、さらにこれら特別表示位置及び非特別表示位置のそれぞれにおいて前記表示手段及び前記反射手段を保持可能なものであり、
前記反転用制御手段は、前記表示手段及び前記反射手段が前記特別表示位置にて保持されている場合、前記表示面において前記第2画像が上下反転された状態で表示されるように、前記第2画像用領域に対する画像の情報の設定を行い、前記表示手段及び前記反射手段が前記非特別表示位置にて保持されている場合、前記上下反転させた状態での設定を行わないものであることを特徴とする遊技機。
特徴G26によれば、保持手段によって表示手段及び反射手段が保持される位置として、特別表示位置と、非特別表示位置とが設定されていることにより、表示領域のサイズの変更が可能となる。特に、特別表示位置では、第2画像用領域に表示される画像は、所定の位置から見た場合に、反射面に映し出されることで視認可能となる構成であるのに対して、非特別表示位置では、第1画像用領域に表示される画像及び第2画像用領域に表示される画像の両方が、所定の位置から見た場合に、表示面においてまとめて視認可能となる構成であるため、特別表示位置及び非特別表示位置での表示領域のサイズの変更幅を大きく設定することが可能となる。
この場合に、特別表示位置では、表示面において第2画像が上下反転された状態で表示されるように第2画像用領域に対する画像の情報の設定が行われることで、反射面に映し出される画像は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。一方、非特別表示位置では、表示面において第2画像が上下反転されていない状態で表示されるように、第2画像用領域に対する画像の情報の設定が行われることで、表示面に表示される画像は、本来、遊技者に視認させるべき状態となる。これにより、上記のように特別表示位置及び非特別表示位置が設定された構成において、各表示位置における画像の表示を良好に行うことができる。
特徴G27.特徴G26において、前記画像表示部は、多数の単位画素領域(単位画素領域101)が縦横に並べて構成されており、
前記表示制御手段は、前記画像表示部の縦方向又は横方向の少なくとも一方において、前記第1画像用領域と前記第2画像用領域とが前記単位画素領域毎に交互に配置されるように前記画像表示部を表示制御するものであり、
さらに、当該表示制御手段は、前記表示手段及び前記反射手段が前記非特別表示位置にて保持される場合に、前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域に対して同一の画像の情報を設定する同一画像設定手段(VDP165におけるステップS902の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G27によれば、第2画像用領域を挟んで隣り合う第1画像用領域間の距離、及び第1画像用領域を挟んで隣り合う第2画像用領域間の距離を単位画素領域分に抑えることが可能となる。これにより、特別表示位置において、第1画像及び第2画像を表示面における同一の領域全体に亘ってそれぞれ表示させつつ、各画像の内側に生じるブランクを極力目立たなくすることが可能となる。
本構成において、非特別表示位置では、第1画像用領域及び第2画像用領域に対して同一の画像の情報が設定されるため、非特別表示位置における画像の情報として第1画像用領域に対する情報と第2画像用領域に対する情報とを個別に記憶しておく必要はなく、個別に記憶しておく構成に比べ、表示面に画像を表示させる上での情報の記憶容量の削減を図ることができる。
また、このように記憶容量の削減を図った構成において、上記のとおり第2画像用領域を挟んで隣り合う第1画像用領域間の距離、及び第1画像用領域を挟んで隣り合う第2画像用領域間の距離を単位画素領域分に抑えられている。したがって、第1画像用領域及び第2画像用領域に対して同一の画像の情報を設定したとしても、表示面においてはその同一の画像の情報に対応した画像が一体的なものとして表示され、非特別表示位置における画像の表示が良好に行われる。
特徴G28.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81等)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面及び前記反射面の両方が遊技機前方から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備え、
前記特別表示位置は、前記表示面に対して前記反射面が上方又は下方に配置されるように前記表示手段及び前記反射手段が前記保持手段により保持される位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G28によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が上方又は下方に配置される位置であるため、遊技者にとっては、表示面及び反射面から構成される表示領域における表示に対する左右の目の視差による影響が低減される。つまり、右目と左目とでは、表示領域の所定の部位を視認する場合における横方向の視線の角度が異なっている。この場合に、表示面及び反射面が左右に設けられる構成を想定すると、表示領域に対する遊技者の視点の位置によっては、左目と右目との視線の角度の違いにより、視野角が左側に向けて設定された表示を左目で視認し、視野角が右側に向けて設定された画像を右目で視認してしまうことが想定される。これに対して、左目と右目とでは、表示領域の所定の部位を視認する場合における縦方向の視線の角度差は一般的に少ない。したがって、上記のとおり表示面に対して反射面を上方又は下方に配置することで、左目と右目とでそれぞれ異なる表示を視認してしまうといった不都合の発生が抑制され、遊技者にとっては上記表示領域に対する左右の目の視差による影響が低減される。
特徴G29.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81等)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前面部の窓パネルを通じて遊技機前方から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が前記窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備え、
前記特別表示位置は、前記表示面に対して前記反射面が上方又は下方に配置されるように前記表示手段及び前記反射手段が前記保持手段により保持される位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G29によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が上方又は下方に配置される位置であるため、遊技者にとっては、表示面及び反射面から構成される表示領域における表示に対する左右の目の視差による影響が低減される。つまり、右目と左目とでは、表示領域の所定の部位を視認する場合における横方向の視線の角度が異なっている。この場合に、表示面及び反射面が左右に設けられる構成を想定すると、表示領域に対する遊技者の視点の位置によっては、左目と右目との視線の角度の違いにより、視野角が左側に向けて設定された表示を左目で視認し、視野角が右側に向けて設定された画像を右目で視認してしまうことが想定される。これに対して、左目と右目とでは、表示領域の所定の部位を視認する場合における縦方向の視線の角度差は一般的に少ない。したがって、上記のとおり表示面に対して反射面を上方又は下方に配置することで、左目と右目とでそれぞれ異なる表示を視認してしまうといった不都合の発生が抑制され、遊技者にとっては上記表示領域に対する左右の目の視差による影響が低減される。
なお、上記特徴G20乃至G29のいずれかに対して、上記特徴G2乃至G16のいずれかの各特徴的な構成を適用してもよく、後述する特徴G30乃至G76のいずれかの各特徴的な構成を適用してもよい。
特徴G30.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81等)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記表示面及び前記反射面のうち少なくとも一方の位置を変更させる位置変更手段(角度変更モータ117及びガイド溝139,140等)を有し、当該位置変更手段による変更範囲には予め定められた複数の表示位置が含まれており、さらにこれら複数の表示位置のそれぞれにおいて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備えており、
前記複数の表示位置として、前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)が少なくとも設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴G30によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、保持手段によって表示手段及び反射手段が保持される位置として、特別表示位置を含めて複数の表示位置が設定されているため、必要に応じて表示位置の変更を行うことが可能となる。例えば、遊技状況に応じて表示位置を変更することで、遊技状況に応じた表示を行うことが可能となる。また、例えば、遊技者の視点に応じて表示位置の変更を可能とすることで、遊技者にとって表示を視認する上で良好な状態の設定が可能となる。
特徴G31.特徴G30において、前記複数の表示位置として、前記反射面において画像の反射が行われなくなる非特別表示位置(初期状態における位置)が設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴G31によれば、保持手段によって表示手段及び反射手段が保持される位置として、表示面及び反射面により表示領域が構成される特別表示位置と、表示面により表示領域が構成される非特別表示位置とが設定されていることにより、表示領域のサイズの変更が可能となる。例えば、遊技状況に応じて、特別表示位置と非特別表示位置との間で表示位置の変更を行うことで、遊技状況に応じた表示領域のサイズの変更が可能となる。
特徴G32.特徴G31において、前記特別表示位置は、少なくとも前記表示面が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であり、
前記非特別表示位置は、前記表示面が遊技機前後方向に傾斜することなく遊技機前方を向く位置又は遊技機前後方向の傾斜が前記特別表示位置よりも前記表示面が遊技機前方を向く側となる位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G32によれば、特別表示位置と非特別表示位置とで表示領域のサイズが変更されるだけでなく表示面の傾斜角度も変更されるため、両表示位置における表示領域の態様の変化をより大きなものとすることができる。また、非特別表示位置において、表示面が遊技機前後方向に傾斜することなく遊技機前方を向く位置又は遊技機前後方向の傾斜が特別表示位置よりも表示面が遊技機前方を向く側となる位置とすることにより、表示領域のサイズが特別表示位置よりも小さくなる非特別表示位置では、表示領域における表示を見易くすることが可能となる。
なお、特徴G32の構成に代えて、前記表示手段及び前記反射手段が前記特別表示位置に保持されている場合に、前記表示面及び前記反射面の両方を遊技機前方から視認可能とする窓部を備えた構成においては、前記特別表示位置は少なくとも前記表示面が前記窓部を基準として遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であり、前記非特別表示位置は前記表示面が前記窓部に対して平行又は略平行となる位置である構成としてもよい。
特徴G33.特徴G31又はG32において、前記表示面及び前記反射面は共に平面状に形成されており、
前記特別表示位置は、前記表示面に対する前記反射面の角度が直角又は略直角となる位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G33によれば、特別表示位置では表示面に対する反射面の角度が直角又は略直角となることで、反射面を見た場合における光の経路の関係から、遊技者にとっては反射面において映し出されている表示は表示面と同一平面上で表示されているように視認される。これにより、特別表示位置における表示領域での表示を、遊技者に違和感を与えないように良好に行うことができる。
また、非特別表示位置では表示面により表示領域が構成される場合、上記のように特別表示位置においても表示領域における表示が同一平面上で表示されているように視認される構成とすることで、両表示位置における表示領域の表示の見え方をサイズや表示面の角度以外において統一することができる。これにより、特別表示位置における表示領域での表示を、遊技者に違和感を与えないように良好に行うことができる。
特徴G34.特徴G31乃至G33のいずれか1において、前記特別表示位置は、前記表示面及び前記反射面を前記所定の位置から見た場合に、前記表示面と前記反射面との間に隙間が生じていないように見える位置であることを特徴とする遊技機。
特徴G34によれば、特別表示位置における表示領域を所定の位置から見た場合、当該表示領域は表示面と反射面との境界で不連続なものとなることはなく連続的なものとなり、上記表示領域における表示を一体的なものとして、遊技者に違和感を与えないように良好に行うことができる。
また、非特別表示位置では表示面により表示領域が構成される場合、上記のように特別表示位置においても表示領域を連続的なものとすることで、両表示位置における表示領域の表示の見え方をサイズや表示面の角度以外において統一することができる。これにより、特別表示位置における表示領域での表示を、遊技者に違和感を与えないように良好に行うことができる。
特徴G35.特徴G31乃至G34のいずれか1において、前記表示手段及び前記反射手段が前記特別表示位置に保持されている場合に、前記表示面及び前記反射面の両方を遊技機前方から視認可能とする窓部(開口部33a)を備えており、
前記保持手段は、前記非特別表示位置では、前記反射面の全体又は略全体が前記窓部を通じて視認不可若しくは視認しづらくなる位置に前記反射手段を保持するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G35によれば、非特別表示位置では、反射面において画像の反射が行われることに対応させて反射面の全体又は略全体が窓部を通じて視認不可若しくは視認しづらくなるため、非特別表示位置において不要となる反射面を隠すことができる。非特別表示位置において反射面が窓部を通じて視認可能な構成を想定すると、当該反射面において表示面における表示とは無関係なものが映し出されてしまう可能性が生じるが、反射面を隠すことでこのような不都合の発生が抑制される。
特徴G36.特徴G35において、前記位置変更手段は、前記表示面及び前記反射面のうち一方について遊技機前後方向に傾斜角度を変更させる角度変更手段(角度変更モータ117等)と、前記表示面並びに反射面において相互に近い側となる前記表示手段及び前記反射手段の各部位を連結する連結手段(連結部材142)と、前記一方の面の角度の変更に対して前記表示面及び前記反射面のうち他方を追従させる追従手段(ガイド溝139,140等)と、を備えており、
さらに、前記表示手段及び前記反射手段が前記非特別表示位置に保持されている場合に、前記反射面の全体が前記窓部を通じて視認不可又は視認しづらくなるように前記窓部の一部の領域を遮蔽する遮蔽手段(シャッタ部材188等)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G36によれば、表示面及び反射面のうち一方の傾斜角度が角度変更手段によって変更される場合、表示面及び反射面のうち他方がそれに追従して移動することとなるため、表示面及び反射面の表示位置の変更が連動して行われる。また、表示面及び反射面のそれぞれに対して角度変更手段を設ける構成に比べ、部材点数の削減が図られる。
また、本構成においては、表示手段と反射手段とが連結手段によって連結されているため、表示手段に対して反射手段の位置を独立させて移動させることができないため、非特別表示位置において窓部を通じて視認不可又は視認しづらくなる位置に反射面を退避させようとすると、それだけ窓部に対する表示面又は反射面の大きさなどに制約が生じてしまう。これに対して、本特徴の構成によれば、遮蔽手段が設けられており、当該遮蔽手段によって、反射面の全体が窓部を通じて視認不可又は視認しづらくなるように窓部の一部の領域が遮蔽される。これにより、非特別表示位置において窓部を通じて視認不可又は視認しづらくなる位置に反射面を退避させなくても、表示面の全体が窓部を通じて視認不可又は視認しづらくなるようにすることができ、上記のような制約が生じることはない。
特徴G37.特徴G31乃至G36のいずれか1において、前記表示手段は前記表示面において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部90等)を有しており、
当該画像表示部において複数の第1画像用領域(下側表示領域103等)及び複数の第2画像用領域(上側表示領域102等)を設定するとともに、第1画像用領域間に第2画像用領域が配置され且つ第2画像用領域間に第1画像用領域が配置されるように前記画像表示部を表示制御することが可能な表示制御手段(表示制御装置82)を備え、
さらに、前記表示手段は、前記表示面からの光の出射方向を規定することで、前記複数の第1画像用領域に表示される画像を前記第1の方向から視認可能とするとともに前記複数の第2画像用領域に表示される画像を前記第2の方向から視認可能とする光規定手段(視差バリアパネル93等)を備えており、
前記非特別表示位置は、前記所定の位置から見た場合に、前記第1画像用領域に表示される画像及び前記第2画像用領域に表示される画像の両方が前記表示面においてまとめて視認可能となる位置であり、
前記表示制御手段は、
前記表示手段及び前記反射手段が前記特別表示位置にて保持されている場合に、前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域にそれぞれ異なる画像を表示させる特別表示用表示制御手段(VDP165におけるマルチビュー表示用の描画処理)と、
前記表示手段及び前記反射手段が前記非特別表示位置にて保持されている場合に、前記第1画像用領域に表示される画像及び前記第2画像用領域に表示される画像により前記表示面において同一の画像が表示されるように、前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域に画像を表示させる非特別表示用表示制御手段(VDP165における通常表示用の描画処理)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G37によれば、表示面を第1の方向から視認した場合の画像と当該表示面を第2の方向から視認した場合の画像とを異ならせることが可能となり、特別表示位置では表示面及び反射面により構成される表示領域において画像を表示させることができる。
この場合に、特別表示位置では、第2画像用領域に表示される画像は、所定の方向から見た場合に、反射面に映し出されることで視認可能となる構成であるのに対して、非特別表示位置では、第1画像用領域に表示される画像及び第2画像用領域に表示される画像の両方が、所定の方向から見た場合に、表示面においてまとめて視認可能となる構成であるため、特別表示位置及び非特別表示位置での表示領域のサイズの変更幅を大きく設定することが可能となる。また、非特別表示位置では、第1画像用領域に表示される画像及び第2画像用領域に表示される画像により表示面において同一の画像が表示されるため、非特別表示位置での表示面における画像の表示を良好に行うことができる。
特徴G38.特徴G37において、前記画像表示部は、多数の単位画素領域(単位画素領域101)が縦横に並べて構成されており、
前記表示制御手段は、前記画像表示部の縦方向又は横方向の少なくとも一方において、前記第1画像用領域と前記第2画像用領域とが前記単位画素領域毎に交互に配置されるように前記画像表示部を表示制御するものであり、
さらに、当該非特別表示用表示制御手段は、前記表示手段及び前記反射手段が前記非特別表示位置にて保持されている場合に、前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域に対して同一の画像の情報を設定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G38によれば、第2画像用領域を挟んで隣り合う第1画像用領域間の距離、及び第1画像用領域を挟んで隣り合う第2画像用領域間の距離を単位画素領域分に抑えることが可能となる。これにより、特別表示位置において、複数の第1画像用領域により表示される画像及び複数の第2画像用領域により表示される画像を表示面における同一の領域全体に亘ってそれぞれ表示させつつ、各画像の内側に生じるブランクを極力目立たなくすることが可能となる。
本構成において、非特別表示位置では、第1画像用領域及び第2画像用領域に対して同一の画像の情報が設定されるため、非特別表示位置における画像の情報として第1画像用領域に対する情報と第2画像用領域に対する情報とを個別に記憶しておく必要はなく、個別に記憶しておく構成に比べ、表示面に画像を表示させる上での情報の記憶容量の削減を図ることができる。
また、このように記憶容量の削減を図った構成において、上記のとおり第2画像用領域を挟んで隣り合う第1画像用領域間の距離、及び第1画像用領域を挟んで隣り合う第2画像用領域間の距離を単位画素領域分に抑えられている。したがって、第1画像用領域及び第2画像用領域に対して同一の画像の情報を設定したとしても、表示面においてはその同一の画像の情報に対応した画像が一体的なものとして表示され、非特別表示位置における画像の表示が良好に行われる。
特徴G39.特徴G37又はG38において、前記光規定手段は、遮光部及び透過部を表示可能な光規定用表示手段(視差バリア用液晶表示部294)であり、
前記表示手段及び前記反射手段が前記特別表示位置にて保持されている場合に、これら第1画像用領域及び第2画像用領域に対応させて前記光規定用表示手段に前記遮光部を表示させるとともに、前記表示手段及び前記反射手段が前記非特別表示位置にて保持されている場合に、前記光規定用表示手段に前記遮光部が表示されないようにする光規定制御手段(表示制御装置82及び第2画像処理デバイス296)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G39によれば、特別表示位置にて表示面を第1の方向から視認した場合の画像と表示面を第2の方向から視認した場合の画像とを異ならせるようにした構成において、非特別表示位置では、光規定用表示手段に遮光部を表示させず、透過部のみを表示させるようにすることができ、表示面に表示される画像の解像度を特別表示位置の場合よりも高めることができる。
特徴G40.特徴G30乃至G39のいずれか1において、前記特別表示位置として、前記表示面又は前記反射面のうち少なくとも一方の遊技機前後方向の傾斜角度がそれぞれ異なる第1特別表示位置(大当たり状態における位置等)と第2特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置等)とが設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴G40によれば、表示面及び反射面により表示領域を構成した状態を第1特別表示位置と第2特別表示位置とで変更することができるため、例えば表示領域のサイズの変更や、表示面又は反射面のうち少なくとも一方について遊技機前後方向の傾斜角度の調整を行うことが可能となる。
特徴G41.特徴G30乃至G39のいずれか1において、前記特別表示位置として、前記表示面の遊技機前後方向の傾斜角度がそれぞれ異なる第1特別表示位置と第2特別表示位置とが設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴G41によれば、表示面及び反射面により表示領域を構成した状態を第1特別表示位置と第2特別表示位置とで変更することができるため、例えば表示領域のサイズの変更や、表示面について遊技機前後方向の傾斜角度の調整を行うことが可能となる。
特徴G42.特徴G41において、前記表示面及び前記反射面は共に平面状に形成されており、
前記保持手段は、前記第1特別表示位置及び前記第2特別表示位置のいずれにおいても、前記表示面に対する前記反射面の角度が直角又は略直角となるように前記表示手段及び前記反射手段を保持するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G42によれば、第1特別表示位置及び第2特別表示位置では表示面に対する反射面の角度が直角又は略直角となることで、反射面を見た場合における光の経路の関係から、遊技者にとっては反射面において映し出されている表示は表示面と同一平面上で表示されているように視認される。これにより、特別表示位置における表示領域での表示を、遊技者に違和感を与えないように良好に行うことができる。
また、第1特別表示位置及び第2特別表示位置のいずれにおいても、表示面に対する反射面の角度が直角又は略直角に保持されるため、例えば表示領域のサイズの変更や、表示面について遊技機前後方向の傾斜角度の調整を行う場合に、上記のような表示領域の状態を維持しながら行うことができる。
特徴G43.特徴G41又はG42において、前記保持手段は、前記第1特別表示位置及び前記第2特別表示位置のいずれにおいても、前記表示面及び前記反射面を前記所定の位置から見た場合に、前記表示面と前記反射面との間に隙間が生じていないように前記表示手段及び前記反射手段を保持するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G43によれば、第1特別表示位置及び第2特別表示位置において、表示領域を所定の位置から見た場合、当該表示領域は表示面と反射面との境界で不連続なものとなることはなく連続的なものとなり、上記表示領域における表示を一体的なものとして、遊技者に違和感を与えないように良好に行うことができる。
また、第1特別表示位置及び第2特別表示位置のいずれにおいても、所定の位置から見た場合に表示面と反射面との間に隙間が生じていないように構成されているため、例えば表示領域のサイズの変更や、表示面について遊技機前後方向の傾斜角度の調整を行う場合に、上記のような表示領域の状態を維持しながら行うことができる。
特徴G44.特徴G41乃至G43のいずれか1において、前記位置変更手段は、前記表示面及び前記反射面のうち一方について遊技機前後方向に傾斜角度を変更させる角度変更手段(角度変更モータ117等)と、前記表示面並びに反射面において相互に近い側となる前記表示手段及び前記反射手段の各部位を連結する連結手段(連結部材142)と、前記一方の面の角度の変更に対して前記表示面及び前記反射面のうち他方を追従させる追従手段(ガイド溝139,140等)と、を備えており、
前記第1特別表示位置は、前記表示面の遊技機前後方向の傾斜が前記第2特別表示位置よりも当該表示面が遊技機前方を向く側となる位置であり、
前記追従手段は、前記第1特別表示位置及び前記第2特別表示位置のいずれにおいても、前記表示面に対する前記反射面の角度が特定角度となるように前記表示面及び前記反射面のうち他方を追従させるものであり、
前記反射面は、前記第2特別表示位置において前記所定の位置から見た場合に、当該反射面の全体又は略全体において前記表示面の全体若しくは略全体を映し出すように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G44によれば、表示面及び反射面のうち一方の傾斜角度が角度変更手段によって変更される場合、表示面及び反射面のうち他方がそれに追従して移動することとなるため、表示面及び反射面の表示位置の変更が連動して行われる。また、表示面及び反射面のそれぞれに対して角度変更手段を設ける構成に比べ、部材点数の削減が図られる。
この場合に、反射面は、第2特別表示位置において所定の位置から見た場合に、当該反射面の全体又は略全体において表示面の全体若しくは略全体を映し出すように形成されているため、第2特別表示位置では、表示面及び反射面から構成される表示領域を極力大型化しつつ、所定の位置から見た場合において反射面に表示面における表示以外のものが映し出されてしまうことを抑制できる。
また、本構成では、第1特別表示位置は、表示面の遊技機前後方向の傾斜が第2特別表示位置よりも当該表示面が遊技機前方を向く側となる位置であり、さらに第1特別表示位置及び第2特別表示位置のいずれにおいても、表示面に対する反射面の角度が特定角度となるように表示面及び反射面のうち他方が追従される。したがって、第1特別表示位置では、所定の位置から見た場合において反射面では表示面の一部が表示されることとなるため、反射面に表示面における表示以外のものが映し出されてしまうことが抑制された状態が維持される。
特徴G45.特徴G41乃至G43のいずれか1において、前記位置変更手段は、前記表示面及び前記反射面のうち一方について遊技機前後方向に傾斜角度を変更させる角度変更手段(角度変更モータ117等)と、前記表示面並びに反射面において相互に近い側となる前記表示手段及び前記反射手段の各部位を連結する連結手段(連結部材142)と、前記一方の面の角度の変更に対して前記表示面及び前記反射面のうち他方を追従させる追従手段(ガイド溝139,140等)と、を備えており、
前記第1特別表示位置は、前記表示面の遊技機前後方向の傾斜が前記第2特別表示位置よりも当該表示面が遊技機前方を向く側となる位置であり、
前記追従手段は、前記第1特別表示位置及び前記第2特別表示位置のいずれにおいても、前記表示面に対する前記反射面の角度が特定角度となるように前記表示面及び前記反射面のうち他方を追従させるものであり、
前記反射面は、前記第1特別表示位置において前記所定の位置から見た場合に、当該反射面の全体又は略全体において前記表示面の全体若しくは略全体を映し出すように形成されており、
前記第2特別表示位置において前記所定の位置から見た場合に、前記反射面における前記表示面が映し出されない領域の全体に映し出されるようにブランク部材(遮蔽板198)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴G45によれば、表示面及び反射面のうち一方の傾斜角度が角度変更手段によって変更される場合、表示面及び反射面のうち他方がそれに追従して移動することとなるため、表示面及び反射面の表示位置の変更が連動して行われる。また、表示面及び反射面のそれぞれに対して角度変更手段を設ける構成に比べ、部材点数の削減が図られる。
この場合に、反射面は、第1特別表示位置において所定の位置から見た場合に、当該反射面の全体又は略全体において表示面の全体若しくは略全体を映し出すように形成されているため、第1特別表示位置では、表示面及び反射面から構成される表示領域を極力大型化しつつ、所定の位置から見た場合において反射面に表示面における表示以外のものが映し出されてしまうことを抑制できる。
また、本構成では、第1特別表示位置は、表示面の遊技機前後方向の傾斜が第2特別表示位置よりも当該表示面が遊技機前方を向く側となる位置であり、さらに第1特別表示位置及び第2特別表示位置のいずれにおいても、表示面に対する反射面の角度が特定角度となるように表示面及び反射面のうち他方が追従される。したがって、第2特別表示位置では、所定の位置から見た場合において反射面では表示面の全体が表示されることとなるため、表示面及び反射面から構成される表示領域を極力大型化した状態が維持される。但し、本構成においては、反射面に表示面以外のものが映し出されてしまう。これに対して、第2特別表示位置において所定の位置から見た場合に、反射面における表示面が映し出されない領域の全体に映し出されるようにブランク部材が設けられているため、遊技機内部など反射面に映し出させるべきでない領域が映し出されてしまうことが抑制される。
特徴G46.特徴G41乃至G43のいずれか1において、前面側に遊技媒体が流下する遊技領域が形成された遊技板(遊技盤33)を備えており、前記表示手段及び前記反射手段は前記保持手段を介して前記遊技板に支持されているとともに、当該遊技板に形成された窓部(開口部33a)を通じて、前記各特別表示位置において前記表示面及び前記反射面が視認可能となる構成であり、
前記位置変更手段は、前記表示面及び前記反射面のうち一方について遊技機前後方向に傾斜角度を変更させる角度変更手段(角度変更モータ117等)と、前記表示面並びに反射面において相互に近い側となる前記表示手段及び前記反射手段の各部位を連結する連結手段(連結部材142)と、前記一方の面の角度の変更に対して前記表示面及び前記反射面のうち他方を追従させる追従手段(ガイド溝139,140等)と、を備えており、
前記第1特別表示位置は、前記表示面の遊技機前後方向の傾斜が前記第2特別表示位置よりも当該表示面が遊技機前方を向く側となる位置であり、
前記追従手段は、前記第1特別表示位置及び前記第2特別表示位置のいずれにおいても、前記表示面に対する前記反射面の角度が特定角度となるように前記表示面及び前記反射面のうち他方を追従させるものであり、
前記反射面は、前記第1特別表示位置において前記所定の位置から見た場合に、当該反射面の全体又は略全体において前記表示面の全体又は略全体を映し出すように形成されており、
前記第2特別表示位置において前記所定の位置から見た場合に、前記反射面における前記表示面が映し出されない領域に、前記窓部よりも遊技機前方の領域が映し出されないように前記表示手段及び前記反射手段の位置が設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴G46によれば、表示面及び反射面のうち一方の傾斜角度が角度変更手段によって変更される場合、表示面及び反射面のうち他方がそれに追従して移動することとなるため、表示面及び反射面の表示位置の変更が連動して行われる。また、表示面及び反射面のそれぞれに対して角度変更手段を設ける構成に比べ、部材点数の削減が図られる。
この場合に、反射面は、第1特別表示位置において所定の位置から見た場合に、当該反射面の全体又は略全体において表示面の全体若しくは略全体を映し出すように形成されているため、第1特別表示位置では、表示面及び反射面から構成される表示領域を極力大型化しつつ、所定の位置から見た場合において反射面に表示面における表示以外のものが映し出されてしまうことを抑制できる。
また、本構成では、第1特別表示位置は、表示面の遊技機前後方向の傾斜が第2特別表示位置よりも当該表示面が遊技機前方を向く側となる位置であり、さらに第1特別表示位置及び第2特別表示位置のいずれにおいても、表示面に対する反射面の角度が特定角度となるように表示面及び反射面のうち他方が追従される。したがって、第2特別表示位置では、所定の位置から見た場合において反射面では表示面の全体が表示されることとなるため、表示面及び反射面から構成される表示領域を極力大型化した状態が維持される。
但し、本構成においては、第2特別表示位置では、反射面に表示面以外のものが映し出されてしまい、反射面に遊技領域や当該遊技領域を流下する遊技球が映し出されてしまうことが懸念される。これに対して、第2特別表示位置において所定の位置から見た場合に、反射面における表示面が映し出されない領域に、遊技板の窓部よりも遊技機前方の領域が映し出されないように構成されているため、反射面に遊技領域や当該遊技領域を流下する遊技球が映し出されてしまうことが抑制される。
特徴G47.特徴G40乃至G46のいずれか1において、前記表示手段及び前記反射手段の表示位置を変更させるべく操作される変更操作手段(角度設定用操作装置204)と、
当該変更操作手段の操作に基づいて、少なくとも前記第1特別表示位置及び前記第2特別表示位置の間で前記表示手段及び前記反射手段の表示位置を変更するよう前記位置変更手段を駆動制御する調整用変更制御手段(表示制御装置82のCPU162における角度調整用処理)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G47によれば、必要に応じて、表示面又は反射面のうち少なくとも一方について遊技機前後方向の傾斜角度の調整を行うことが可能となる。これにより、表示面及び反射面から構成される表示領域の状態を、遊技者にとって見やすい状態に調整することが可能となる。
なお、変更操作手段を遊技機前面部に設けてもよい。この場合、表示位置の変更を遊技者が行うことができる。また、変更操作手段を遊技機内部又は遊技機背面部に設けてもよい。この場合、表示位置の変更を、例えば遊技ホールの管理者等が行えるものの、遊技者は行えないようにすることができる。
特徴G48.特徴G30乃至G47のいずれか1において、遊技状況に応じて、前記表示手段及び前記反射手段の位置を前記複数の表示位置のいずれかに変更するよう前記位置変更手段を駆動制御する遊技用変更制御手段(表示制御装置82のCPU162におけるマルチビュー表示用処理)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G48によれば、遊技状況に応じて、表示領域のサイズを変更することが可能となり、遊技状況に応じた表示を良好に行うことができる。
特徴G49.特徴G48において、前記表示手段が有し、前記表示面において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部90等)と、
当該画像表示部において複数の第1画像用領域(下側表示領域103等)及び複数の第2画像用領域(上側表示領域102等)を設定するとともに、第1画像用領域間に第2画像用領域が配置され且つ第2画像用領域間に第1画像用領域が配置されるように前記画像表示部を表示制御することが可能な表示制御手段(表示制御装置82)と、
前記表示手段が有し、前記表示部からの光の出射方向を規定することで、前記複数の第1画像用領域に表示される画像を前記第1の方向から視認可能とするとともに前記複数の第2画像用領域に表示される画像を前記第2の方向から視認可能とする光規定手段(視差バリアパネル93等)と、
前記表示制御手段が有し、予め定められた開始条件が成立したことに基づいて、前記画像表示部に絵柄の変動表示を行わせる変動表示用制御手段(VDP165)と、
前記絵柄の変動表示が予め定められた特定表示となって停止表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置65のCPU152)と、
を備え、
前記遊技用変更制御手段は、前記絵柄の変動表示の状況に応じて、前記表示手段及び前記反射手段の位置を前記複数の表示位置のいずれかに変更するよう前記位置変更手段を駆動制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G49によれば、絵柄の変動表示の状況に応じて、表示領域のサイズを変更することが可能となり、絵柄の変動表示の状況に応じた表示を良好に行うことができる。
特徴G50.特徴G49において、前記変動表示用制御手段は、複数の絵柄列により絵柄の変動表示を行わせ、絵柄の変動表示を終了させる前段階として一部の絵柄列について絵柄の変動表示を停止させ、前記特定表示が停止表示される可能性があるリーチ絵柄の組み合わせを表示し、そのリーチ絵柄の組み合わせが表示されている状況下においてリーチ変動表示を行わせることが可能な構成であり、
前記遊技用変更制御手段は、前記絵柄の変動表示が前記リーチ変動表示となる場合又は複数種設定されたリーチ変動表示のうちの特別リーチ変動表示が行われる場合に、前記表示手段及び前記反射手段の位置が変更されるように前記位置変更手段を駆動制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G50によれば、絵柄の変動表示がリーチ変動表示となる場合又は複数種設定されたリーチ変動表示のうちの特別リーチ変動表示が行われる場合に、表示手段及び反射手段の表示位置が変更されるため、表示領域のサイズや傾斜角度などをリーチ変動表示又は特別リーチ変動表示とそれまでの変動表示とで変更することができ、リーチ変動表示又は特別リーチ変動表示への注目度を高めることが可能となる。
特徴G51.特徴G50において、前記複数の表示位置として、前記反射面において画像の反射が行われなくなる非特別表示位置(初期状態における位置)が設定されており、
前記遊技用変更制御手段は、前記絵柄の変動表示が前記リーチ変動表示となる場合又は複数種設定されたリーチ変動表示のうちの特別リーチ変動表示が行われる場合に、前記表示手段及び前記反射手段の位置が前記非特別表示位置から前記特別表示位置に変更されるように前記位置変更手段を駆動制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G51によれば、保持手段によって表示手段及び反射手段が保持される位置として、表示面及び反射面により表示領域が構成される特別表示位置と、表示面により表示領域が構成される非特別表示位置とが設定されていることにより、表示領域のサイズの変更が可能となる。そして、絵柄の変動表示がリーチ変動表示となる場合又は複数種設定されたリーチ変動表示のうちの特別リーチ変動表示が行われる場合に、非特別表示位置から特別表示位置に変更されるため、表示領域のサイズをリーチ変動表示又は特別リーチ変動表示とそれまでの変動表示とで変更することができ、リーチ変動表示又は特別リーチ変動表示への注目度を高めることが可能となる。
特徴G52.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81等)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記表示面及び前記反射面のうち少なくとも一方の位置を変更させる位置変更手段(角度変更モータ117及びガイド溝139,140等)を有し、当該位置変更手段による変更範囲には予め定められた複数の表示位置が含まれており、さらにこれら複数の表示位置のそれぞれにおいて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備えており、
前記複数の表示位置として、前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面及び前記反射面の両方が遊技機前方から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)が少なくとも設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴G52によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、保持手段によって表示手段及び反射手段が保持される位置として、特別表示位置を含めて複数の表示位置が設定されているため、必要に応じて表示位置の変更を行うことが可能となる。例えば、遊技状況に応じて表示位置を変更することで、遊技状況に応じた表示を行うことが可能となる。また、例えば、遊技者の視点に応じて表示位置の変更を可能とすることで、遊技者にとって表示を視認する上で良好な状態の設定が可能となる。
特徴G53.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81等)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記表示面及び前記反射面のうち少なくとも一方の位置を変更させる位置変更手段(角度変更モータ117及びガイド溝139,140等)を有し、当該位置変更手段による変更範囲には予め定められた複数の表示位置が含まれており、さらにこれら複数の表示位置のそれぞれにおいて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備えており、
前記複数の表示位置として、前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前面部の窓パネルを通じて遊技機前方から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が前記窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)が少なくとも設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴G53によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、保持手段によって表示手段及び反射手段が保持される位置として、特別表示位置を含めて複数の表示位置が設定されているため、必要に応じて表示位置の変更を行うことが可能となる。例えば、遊技状況に応じて表示位置を変更することで、遊技状況に応じた表示を行うことが可能となる。また、例えば、遊技者の視点に応じて表示位置の変更を可能とすることで、遊技者にとって表示を視認する上で良好な状態の設定が可能となる。
なお、上記特徴G30乃至G53のいずれかに対して、上記特徴G2乃至G29のいずれかの各特徴的な構成を適用してもよく、後述する特徴G54乃至G76のいずれかの各特徴的な構成を適用してもよい。
特徴G54.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な特別表示用領域(視野角調整領域97等)が前記表示面の一部の領域として設定されているとともに、他の領域に対して前記各方向から視認した場合の表示を同一とする非特別表示用領域(非調整領域95,96等)が設定された表示手段(図柄表示装置81等)を備えており、
さらに、前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記特別表示用領域において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記特別表示用領域において前記第1の方向から視認可能な表示と前記特別表示用領域において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G54によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、表示面には、上記特別表示用領域の他に、第1の方向から視認した場合の表示と第2の方向から視認した場合の表示とを同一とする非特別表示用領域が設定されている。特別表示用領域は非特別表示用領域に比べ表示内容が若干粗くなるものと考えられる。このような事情において、表示面に対して特別表示用領域と非特別表示用領域との両方を設定しておくことで、上記のとおり表示領域の大型化を図りつつ、表示の種類や内容に応じて、その表示を表示内容に粗さが生じていない状態で行うことが可能となる。
特徴G55.表示面(表示面94等)において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部90等)を有する表示手段(図柄表示装置81等)と、
前記画像表示部において複数の第1画像用領域(下側表示領域103等)及び複数の第2画像用領域(上側表示領域102等)を設定するとともに、第1画像用領域間に第2画像用領域が配置され且つ第2画像用領域間に第1画像用領域が配置されるように前記画像表示部を表示制御することが可能な表示制御手段(表示制御装置82)と、
を備え、
前記表示手段は、前記表示面からの光の出射方向を規定することで、前記複数の第1画像用領域に表示される画像を前記表示面に対する第1の方向から視認可能とするとともに前記複数の第2画像用領域に表示される画像を前記表示面に対する第2の方向から視認可能とする光規定手段(視差バリアパネル93等)を備えており、当該光規定手段によって画像の表示が規定される特別表示用領域(視野角調整領域97等)が前記表示面の一部の領域として設定されているとともに、当該表示面には前記光規定手段によって画像の表示が規定されない非特別表示用領域(非調整領域95,96等)が設定されており、
さらに、前記表示面における画像を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記特別表示用領域において前記第2の方向から視認可能な画像が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記特別表示用領域において前記第1の方向から視認可能な表示と前記特別表示用領域において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G55によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる画像を表示させることが可能となる。これにより、表示面のみにおいて画像の表示が行われる構成に比べ表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、表示面には、上記特別表示用領域の他に、第1の方向から視認した場合の画像と第2の方向から視認した場合の画像とを同一とする非特別表示用領域が設定されている。特別表示用領域は非特別表示用領域に比べ画像の解像度や輝度などが低くなるものと考えられる。このような事情において、表示面に対して特別表示用領域と非特別表示用領域との両方を設定しておくことで、上記のとおり表示領域の大型化を図りつつ、画像の種類や内容に応じて、その画像を解像度や輝度が相対的に高い状態で表示させることが可能となる。
特徴G56.特徴G55において、前記表示制御手段は、
予め定められた開始条件が成立したことに基づいて、前記非特別表示用領域において絵柄の変動表示が行われるように前記画像表示部を表示制御する変動表示用制御手段(VDP165におけるステップS1202等)と、
少なくとも前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域に背景用の画像又は前記絵柄の変動表示に対応した演出用の画像の少なくとも一方が表示されるように前記画像表示部を表示制御する補助表示用制御手段(VDP165におけるステップS1201等)と、
を備え、
前記絵柄の変動表示が予め定められた特定表示となって停止表示された場合に、遊技者に特典が付与されることを特徴とする遊技機。
絵柄の変動表示が停止表示された場合に遊技者に特典が付与される構成においては、変動表示されている絵柄を遊技者に明確に認識させる必要がある。これに対して、特徴G56によれば、相対的に画像の解像度や輝度が高い非特別表示用領域において絵柄の変動表示が行われるため、変動表示されている絵柄を遊技者に明確に認識させることができる。その一方、特別表示用領域においては背景用の画像又は絵柄の変動表示に対応した演出用の画像の少なくとも一方が表示されているため、特別表示用領域及び反射手段を設けることで表示領域の大型化を図ったことによる効果を奏することができる。
特徴G57.特徴G56において、前記保持手段は、前記表示面及び前記反射面の位置を変更させる位置変更手段(角度変更モータ117及びガイド溝139,140等)を備えており、当該位置変更手段による変更範囲には、前記特別表示位置が含まれているとともに、前記所定の位置から見た場合に前記第1画像用領域に表示される画像及び前記第2画像用領域に表示される画像の両方が前記表示面においてまとめて視認可能となり且つ前記反射面における画像の反射が行われなくなる非特別表示位置(初期状態における位置)が含まれており、さらにこれら特別表示位置及び非特別表示位置のそれぞれにおいて前記表示手段及び前記反射手段を保持可能なものであり、
前記変動表示用制御手段は、前記表示手段及び前記反射手段が前記非特別表示位置に保持されている場合、前記非特別表示用領域において絵柄の変動表示が行われるように前記画像表示部を表示制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G57によれば、保持手段によって表示手段及び反射手段が保持される位置として、特別表示位置と、非特別表示位置とが設定されていることにより、表示領域のサイズの変更が可能となる。特に、特別表示位置では、第2画像用領域に表示される画像は、所定の位置から見た場合に、反射面に映し出されることで視認可能となる構成であるのに対して、非特別表示位置では、第1画像用領域に表示される画像及び第2画像用領域に表示される画像の両方が、所定の位置から見た場合に、表示面においてまとめて視認可能となる構成であるため、特別表示位置及び非特別表示位置での表示領域のサイズの変更幅を大きく設定することが可能となる。
この場合に、非特別表示位置では、所定の位置から見た場合に第1画像用領域に表示される画像及び第2画像用領域に表示される画像の両方が表示面においてまとめて視認可能となるが、これら第1画像用領域及び第2画像用領域に対して光規定手段による遮光が行われている状態が維持されていると、非特別表示用領域に比べ特別表示用領域における画像の解像度などが低下している状態が維持される。これに対して、非特別表示位置では、非特別表示用領域において絵柄の変動表示が行われるため、変動表示されている絵柄を遊技者に明確に認識させることができる。
特徴G58.特徴G57において、前記変動表示用制御手段は、前記表示手段及び前記反射手段が前記特別表示位置に保持されている場合、少なくとも前記第1画像用領域及び前記第2画像用領域において絵柄の変動表示が行われるように前記画像表示部を表示制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G58によれば、特別表示位置では、少なくとも表示面の特別表示用領域及び反射面において絵柄の変動表示が行われるため、絵柄の変動表示をダイナミックに行うことが可能となる。
特徴G59.特徴G58において、前記変動表示用制御手段は、前記絵柄の変動表示として複数の絵柄列において絵柄の変動表示を行わせ、前記特定表示として大当たり絵柄の組み合わせを停止表示させるものであるとともに、絵柄の変動表示を終了させる前段階として一部の絵柄列について絵柄の変動表示を停止させ、前記大当たり絵柄の組み合わせが停止表示される可能性があるリーチ絵柄の組み合わせを表示し、そのリーチ絵柄の組み合わせが表示されている状況下において残りの絵柄列により絵柄のリーチ変動表示を行わせるものであり、さらに前記表示手段及び前記反射手段が前記特別表示位置に保持されている状況で前記リーチ変動表示が行われる場合、前記リーチ絵柄の組み合わせを前記非特別表示用領域に表示させるものであることを特徴とする遊技機。
上記特徴G58の構成を備え、特別表示位置では、少なくとも表示面の特別表示用領域及び反射面において絵柄の変動表示が行われる構成において、特徴G59によれば、特別表示位置においてリーチ変動表示が行われる場合、リーチ絵柄の組み合わせは非特別表示用領域に表示されるため、当該リーチ絵柄の組み合わせを遊技者に明確に認識させることができる。
特徴G60.特徴G55乃至G59のいずれか1において、前記表示手段は、前記画像表示部を裏面側から照らすバックライト(バックライト92)と、
当該バックライトから前記画像表示部における前記特別表示用領域に対応した領域に向けた光の方が前記非特別表示用領域に対応した領域に向けた光よりも光量が多くなるように、前記バックライトから前記画像表示部に照射される光の光量を調整する光量調整手段(透過量調整パネル106)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G60によれば、非特別表示用領域に対する特別表示用領域の輝度差を低減することが可能となる。
特徴G61.特徴G55乃至G60のいずれか1において、前記表示手段は、
前記画像表示部において前記特別表示用領域に対応した領域を裏面側から照らす第1バックライト(第1バックライト331)と、
前記画像表示部において前記非特別表示用領域に対応した領域を裏面側から照らす第2バックライト(第2バックライト332)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G61によれば、特別表示用領域と非特別表示用領域とでそれぞれ異なるバックライトが設けられているため、特別表示用領域に表示される画像の輝度と、非特別表示用領域に表示される画像の輝度とを個別に調整することが可能となる。また、本構成によれば、非特別表示用領域に対する特別表示用領域の輝度差を低減することが可能となる。
特徴G62.特徴G54乃至G61のいずれか1において、前記特別表示位置は、少なくとも前記表示面が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であり、
前記特別表示位置における前記表示面の遊技機前側となる領域が前記非特別表示用領域として設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴G62によれば、特別表示位置にて表示面が遊技機前後方向に傾斜した構成においては、表示面及び反射面から構成される表示領域も遊技機前後方向に傾斜しているように遊技者に視認される。そして、表示面及び反射面のうち表示面が上記表示領域において遊技機前側の領域となる。この場合に、特別表示位置において表示面の遊技機前側となる領域が非特別表示用領域として設定されていることにより、比較的目立つ位置における表示の粗さを抑えることが可能となる。
特徴G63.特徴G54乃至G62のいずれか1において、前記反射面は、前記特別表示位置において前記所定の方向から見た場合に、当該反射面の全体又は略全体において前記特別表示用領域の全体若しくは略全体を映し出すように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G63によれば、表示面に特別表示用領域と非特別表示用領域とが設定された構成において、特別表示用領域と反射面とから構成される表示領域を極力大きくしつつ、所定の位置から見た場合に反射面にて特別表示用領域以外の部分が映し出されてしまうことが抑制される。
特徴G64.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な特別表示用領域(視野角調整領域97等)が前記表示面の一部の領域として設定されているとともに、他の領域に対して前記各方向から視認した場合の表示を同一とする非特別表示用領域(非調整領域95,96等)が設定された表示手段(図柄表示装置81等)を備えており、
さらに、前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記特別表示用領域において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面及び前記反射面の両方が遊技機前方から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G64によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、表示面には、上記特別表示用領域の他に、第1の方向から視認した場合の表示と第2の方向から視認した場合の表示とを同一とする非特別表示用領域が設定されている。特別表示用領域は非特別表示用領域に比べ表示内容が若干粗くなるものと考えられる。このような事情において、表示面に対して特別表示用領域と非特別表示用領域との両方を設定しておくことで、上記のとおり表示領域の大型化を図りつつ、表示の種類や内容に応じて、その表示を表示内容に粗さが生じていない状態で行うことが可能となる。
特徴G65.表示面(表示面94等)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な特別表示用領域(視野角調整領域97等)が前記表示面の一部の領域として設定されているとともに、他の領域に対して前記各方向から視認した場合の表示を同一とする非特別表示用領域(非調整領域95,96等)が設定された表示手段(図柄表示装置81等)を備えており、
さらに、前記表示面における表示を反射させることが可能な反射面(反射面131等)を有する反射手段(反射用ユニット84等)と、
前記特別表示用領域において前記第2の方向から視認可能な表示が前記反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記反射面が傾斜した状態となり、さらに前記特別表示用領域において前記第1の方向から視認可能な表示と前記特別表示用領域において前記第2の方向から視認可能であって前記反射面にて反射された表示との両方が遊技機前面部の窓パネルを通じて遊技機前方から視認可能となるように前記表示面又は前記反射面の少なくとも一方が前記窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置又は大当たり用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記反射手段を保持する保持手段(表示側支持機構83及び反射側支持機構85等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G65によれば、表示手段と反射手段とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ、表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は反射面の少なくとも一方が窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、表示面には、上記特別表示用領域の他に、第1の方向から視認した場合の表示と第2の方向から視認した場合の表示とを同一とする非特別表示用領域が設定されている。特別表示用領域は非特別表示用領域に比べ表示内容が若干粗くなるものと考えられる。このような事情において、表示面に対して特別表示用領域と非特別表示用領域との両方を設定しておくことで、上記のとおり表示領域の大型化を図りつつ、表示の種類や内容に応じて、その表示を表示内容に粗さが生じていない状態で行うことが可能となる。
なお、上記特徴G54乃至G65のいずれかに対して、上記特徴G2乃至G53のいずれかの各特徴的な構成を適用してもよく、後述する特徴G66乃至G76のいずれかの各特徴的な構成を適用してもよい。
特徴G66.表示面(表示面94)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な外側反射面(外側反射面287)を有する外側反射部材(ハーフミラー278)と、
前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記外側反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記外側反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記外側反射面にて反射された表示との両方が遊技機前方の所定の位置から視認可能となるように前記表示面又は前記外側反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記外側反射部材を保持する保持手段(角度変更機構273及び追従機構274)と、
前記外側反射部材に対して光を照射可能な発光手段(演出用発光部286)と、
を備え、
前記外側反射部材は、前記発光手段から光が照射されていない場合には外側反射部材の後方側が遊技機前方から視認不可又は視認しづらいものとなり、前記発光手段から光が照射されている場合には当該光が外側反射部材を遊技機前方に向けて透過することで当該外側反射部材の後方側が遊技機前方から視認可能となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G66によれば、表示手段と外側反射部材とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び外側反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び外側反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は外側反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して外側反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、外側反射部材に向けて光を照射する発光手段が設けられており、発光手段から光が照射されることで当該光が外側反射部材を遊技機前方に向けて透過し、当該外側反射部材の後方側が遊技機前方から視認可能となる。本構成においては、表示領域を大型化するための構成を利用して光による演出を行うことが可能となり、表示領域における表示の態様を多様化することが可能となる。
なお、前記発光手段は、前記外側反射部材の後方に設けられ、前記外側反射部材における前記外側反射面とは反対側の面に対して光を照射可能な構成としてもよい。
特徴G67.特徴G66において、前記外側反射部材の後方側には、演出用部材(演出用部材275)が設けられており、前記発光手段から光が照射されていない場合には前記演出用部材が遊技機前方から視認不可又は視認しづらいものとなり、前記発光手段から光が照射されている場合には当該光が前記外側反射部材を遊技機前方に向けて透過することで前記演出用部材が遊技機前方から視認可能となることを特徴とする遊技機。
特徴G67によれば、表示領域を大型化するための構成を利用して演出用部材を用いた演出を行うことが可能となる。特に、本構成では、発光手段からの光の照射の開始と停止とを切り替えることにより、表示領域における表示に対して物としての演出用部材が重ね合わされた状態と演出用部材が視認不可又は視認しづらくなる状態との切り替えを行うことができる。したがって、当該演出用部材を用いた演出の開始及び停止の切り替えに関する制御の処理負荷を低減することが可能となる。
特徴G68.特徴G67において、前記外側反射部材との間に前記演出用部材が配置されるように設けられ、前記発光手段から光が照射されることによる前記演出用部材の像を前記外側反射部材における前記外側反射面とは反対側の面に向けて反射させる内側反射部材(反射ミラー283)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G68によれば、演出用部材を用いた演出が行われる場合、当該演出用部材の像は外側反射部材及び内側反射部材との間で反射され、遊技者は複数の演出用部材が存在しているかのように視認することとなる。これにより、演出用部材の数を抑えながら、演出用部材を用いた演出への注目度を高めることが可能となる。
特徴G69.特徴G67において、前記演出用部材を収容するとともに前記発光手段を有する収容部(ユニットベース276)が、前記外側反射部材の後方側に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴G69によれば、演出用部材が収容部に収容されているため、発光手段から光が照射された場合に、外側反射部材を通じて遊技機前方から視認可能となる領域を、演出用部材を含めた収容部の内部空間に規定することができる。
特徴G70.特徴G69において、前記収容部において前記外側反射部材との間に前記演出用部材が配置されるように設けられ、前記発光手段から光が照射されることによる前記演出用部材の像を前記外側反射部材における前記外側反射面とは反対側の面に向けて反射させる内側反射部材(反射ミラー283)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G70によれば、演出用部材を用いた演出が行われる場合、当該演出用部材の像は外側反射部材及び内側反射部材との間で反射され、遊技者は複数の演出用部材が存在しているかのように視認することができる。これにより、演出用部材の数を抑えながら、演出用部材を用いた演出への注目度を高めることが可能となる。
特徴G71.特徴G69又はG70において、前記収容部における前記外側反射部材の後方から当該外側反射部材に向けて延びる壁部であって前記演出用部材を挟んで対向する少なくとも一対の対向壁部(天井面279及び底面280等)には、前記発光手段から光が照射されることによる前記演出用部材の像を前記外側反射部材の前記反対側の面に向けて反射させる内側反射部材(反射ミラー283)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴G71によれば、演出用部材を用いた演出が行われる場合、当該演出用部材の像は外側反射部材及び内側反射部材との間で反射され、遊技者は複数の演出用部材が存在しているかのように視認することができる。これにより、演出用部材の数を抑えながら、演出用部材を用いた演出への注目度を高めることが可能となる。
特徴G72.特徴G69乃至G71のいずれか1において、前記保持手段は、前記表示面及び前記反射面のうち少なくとも一方の位置を変更させる位置変更手段(角度変更機構273)を有し、当該位置変更手段による変更範囲には前記特別表示位置を含めて予め定められた複数の表示位置が含まれており、さらにこれら複数の表示位置のそれぞれにおいて前記表示手段及び前記外側反射部材を保持するものであり、
前記収容部は前記外側反射部材に対して一体化されていることを特徴とする遊技機。
特徴G72によれば、保持手段によって表示手段及び外側反射部材が保持される位置として、特別表示位置を含めて複数の表示位置が設定されているため、必要に応じて表示位置の変更を行うことが可能となる。例えば、遊技状況に応じて表示位置を変更することで、遊技状況に応じた表示を行うことが可能となる。また、例えば、遊技者の視点に応じて表示位置の変更を可能とすることで、遊技者にとって表示を視認する上で良好な状態の設定が可能となる。
この場合に、演出用部材及び発光手段が設けられた収容部が外側反射部材に対して一体化されているため、外側反射部材の移動に合わせて演出用部材及び発光手段が移動することとなり、両者の連動を良好に行うことができる。
特徴G73.特徴G66乃至G72のいずれか1において、前記保持手段は、前記表示面及び前記外側反射面の位置を変更させる位置変更手段(角度変更機構273)を備えており、当該位置変更手段による変更範囲には、前記特別表示位置が含まれているとともに、前記外側反射面において表示の反射が行われない非特別表示位置(初期状態における位置)が含まれており、さらにこれら特別表示位置及び非特別表示位置のそれぞれにおいて前記表示手段及び前記外側反射部材を保持可能なものであり、
さらに、遊技状況に応じて、前記表示手段及び前記外側反射部材の位置を前記複数の表示位置のいずれかに変更するよう前記位置変更手段を駆動制御する遊技用変更制御手段(表示制御装置82のCPU162におけるステップS1406及びステップS1407等)と、
遊技状況に応じて、前記発光手段から光が照射されるように当該発光手段を発光制御する発光制御手段(表示制御装置82のCPU162におけるステップS1410及びステップS1413)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G73によれば、保持手段によって表示手段及び外側反射部材が保持される位置として、表示面及び外側反射面により表示領域が構成される特別表示位置と、表示面により表示領域が構成される非特別表示位置とが設定されていることにより、表示領域のサイズの変更が可能となる。そして、遊技状況に応じて特別表示位置と非特別表示位置との間で表示位置の変更が行われることにより、遊技状況に応じた表示領域のサイズの変更が可能となる。
この場合に、遊技状況に応じて発光手段から光が照射され、外側反射部材と発光手段からの光による演出が行われる。つまり、本構成によれば、遊技状況に応じて、表示領域のサイズの変更が行われるとともに、上記光による演出が行われるため、遊技状況に応じた表示領域の状態の切り替えを複数段階で行うことが可能となり、さらにはそれら各段階がそれぞれ異なる視的効果によって行われる。よって、表示領域への注目度を高めることが可能となる。
なお、前記発光制御手段は、前記表示手段及び前記外側反射部材が前記特別表示位置に保持されている場合において前記遊技状況が予め定められた特定遊技状況となっている場合に光が照射されるように前記発光手段を発光制御する構成としてもよい。この場合、上記光による演出が遊技状況に対してより関連づけられたものとなる。
特徴G74.特徴G73において、前記表示手段が有し、前記表示面において画像を表示させるための画像表示部(液晶表示部90等)と、
当該画像表示部において複数の第1画像用領域(下側表示領域103等)及び複数の第2画像用領域(上側表示領域102等)を設定するとともに、第1画像用領域間に第2画像用領域が配置され且つ第2画像用領域間に第1画像用領域が配置されるように前記画像表示部を表示制御することが可能な表示制御手段(VDP165)と、
前記表示手段が有し、前記表示面からの光の出射方向を規定することで、前記複数の第1画像用領域に表示される画像を前記第1の方向から視認可能とするとともに前記複数の第2画像用領域に表示される画像を前記第2の方向から視認可能とする光規定手段(視差バリアパネル93等)と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記表示面及び前記外側反射面を含めた表示領域において、複数の絵柄列により絵柄の変動表示を行わせ、絵柄の変動表示を終了させる前段階として一部の絵柄列について絵柄の変動表示を停止させ、予め定められた大当たり絵柄の組み合わせが停止表示される可能性があるリーチ絵柄の組み合わせを表示し、そのリーチ絵柄の組み合わせが表示されている状況下においてリーチ変動表示を行わせることが可能な変動表示用制御手段(VDP165における描画処理)を備え、
前記絵柄の変動表示が前記大当たり絵柄の組み合わせとなって停止表示された場合に、遊技者に特典が付与される構成であり、
前記遊技用変更制御手段は、前記絵柄の変動表示が前記リーチ変動表示となる場合又は複数種設定されたリーチ変動表示のうちの特別リーチ変動表示が行われる場合に、前記表示手段及び前記外側反射部材の位置が前記非特別表示位置から前記特別表示位置に変更されるように前記位置変更手段を駆動制御するものであり、
前記発光制御手段は、前記表示手段及び前記外側反射部材が前記特別表示位置に保持され、前記リーチ変動表示が行われている状況において所定のタイミングで、前記発光手段からの光の照射を開始させることを特徴とする遊技機。
特徴G74によれば、リーチ変動表示が行われる場合に、非特別表示位置から特別表示位置に変更されることで、リーチ変動表示に際して表示領域のサイズを拡張することができ、当該リーチ変動表示への注目度を高めることが可能となる。また、リーチ変動表示が行われている状況の所定のタイミングで発光手段からの光の照射が開始され、視的効果の異なる演出が行われるため、当該リーチ変動表示への注目度をより高めることが可能となる。
なお、前記変動表示用制御手段は、前記リーチ変動表示として、前記表示手段及び前記外側反射部材が前記特別表示位置に保持されている場合に第1リーチ変動表示を行わせる第1リーチ変動表示用制御手段と、前記リーチ変動表示として、前記表示手段及び前記外側反射部材が前記特別表示位置に保持され且つ前記発光手段から光が照射されている場合に前記第1リーチ変動表示とは異なる第2リーチ変動表示を行わせる第2リーチ変動表示用制御手段と、を備えた構成としてもよい。この場合、発光手段からの光の照射による演出と、表示領域におけるリーチ変動表示とがより関連したものとなる。
特徴G75.表示面(表示面94)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な外側反射面(外側反射面287)を有する外側反射部材(ハーフミラー278)と、
前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記外側反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記外側反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面及び前記外側反射面が遊技機前方から視認可能となるように前記表示面又は前記外側反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記外側反射部材を保持する保持手段(角度変更機構273及び追従機構274)と、
前記外側反射部材に対して光を照射可能な発光手段(演出用発光部286)と、
を備え、
前記外側反射部材は、前記発光手段から光が照射されていない場合には外側反射部材の後方側が遊技機前方から視認不可又は視認しづらいものとなり、前記発光手段から光が照射されている場合には当該光が外側反射部材を遊技機前方に向けて透過することで当該外側反射部材の後方側が遊技機前方から視認可能となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G75によれば、表示手段と外側反射部材とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び外側反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び外側反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は外側反射面の少なくとも一方が遊技機前後方向に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して外側反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、外側反射部材に向けて光を照射する発光手段が設けられており、発光手段から光が照射されることで当該光が外側反射部材を遊技機前方に向けて透過し、当該外側反射部材の後方側が遊技機前方から視認可能となる。本構成においては、表示領域を大型化するための構成を利用して光による演出を行うことが可能となり、表示領域における表示の態様を多様化することが可能となる。
なお、前記発光手段は、前記外側反射部材の後方に設けられ、前記外側反射部材における前記外側反射面とは反対側の面に対して光を照射可能な構成としてもよい。
特徴G76.表示面(表示面94)を有し、当該表示面を第1の方向から視認した場合の表示と当該表示面を第2の方向から視認した場合の表示とを異ならせることが可能な表示手段(図柄表示装置81)と、
前記表示面における表示を反射させることが可能な外側反射面(外側反射面287)を有する外側反射部材(ハーフミラー278)と、
前記表示面において前記第2の方向から視認可能な表示が前記外側反射面にて反射されることで前記第1の方向から視認可能となるように前記表示面に対して前記外側反射面が傾斜した状態となり、さらに前記表示面において前記第1の方向から視認可能な表示と前記表示面において前記第2の方向から視認可能であって前記外側反射面にて反射された表示との両方が遊技機前面部の窓パネルを通じて遊技機前方から視認可能となるように前記表示面又は前記外側反射面の少なくとも一方が前記窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる特別表示位置(リーチ用傾斜状態における位置)にて前記表示手段及び前記外側反射部材を保持する保持手段(角度変更機構273及び追従機構274)と、
前記外側反射部材に対して光を照射可能な発光手段(演出用発光部286)と、
を備え、
前記外側反射部材は、前記発光手段から光が照射されていない場合には外側反射部材の後方側が遊技機前方から視認不可又は視認しづらいものとなり、前記発光手段から光が照射されている場合には当該光が外側反射部材を遊技機前方に向けて透過することで当該外側反射部材の後方側が遊技機前方から視認可能となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G76によれば、表示手段と外側反射部材とが保持手段によって特別表示位置にて保持されることで、表示面及び外側反射面が表示領域として構成され、さらに表示面及び外側反射面のそれぞれにおいて異なる表示を行うことが可能となる。これにより、表示面のみにおいて表示が行われる構成に比べ表示領域の大型化を図ることができる。
特に、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面又は外側反射面の少なくとも一方が窓パネルに対して遊技機奥側に傾斜した状態となる位置であるため、表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張しなくても表示領域の大型化を図ることができ、また仮に表示領域を設けるための空間を遊技機上下方向や遊技機左右方向へ拡張させるとしても、単に表示領域を遊技機上下方向や遊技機左右方向に拡張させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の上記各方向への拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることができる。
さらには、保持手段により保持される特別表示位置は、表示面に対して外側反射面が傾斜した状態となる位置であるため、上記表示領域と同一の表示面を有する表示手段を遊技機前後方向に傾斜させる構成に比べ、表示領域を設けるための空間の遊技機前後方向の寸法を小型化することができる。
以上より、本構成によれば、表示領域を設けるための空間の拡張を抑えつつ、表示領域の大型化を図ることが可能となる。
さらに、外側反射部材に向けて光を照射する発光手段が設けられており、発光手段から光が照射されることで当該光が外側反射部材を遊技機前方に向けて透過し、当該外側反射部材の後方側が遊技機前方から視認可能となる。本構成においては、表示領域を大型化するための構成を利用して光による演出を行うことが可能となり、表示領域における表示の態様を多様化することが可能となる。
なお、前記発光手段は、前記外側反射部材の後方に設けられ、前記外側反射部材における前記外側反射面とは反対側の面に対して光を照射可能な構成としてもよい。
なお、上記特徴G66乃至G76のいずれかに対して、上記特徴G2乃至G65のいずれかの各特徴的な構成を適用してもよい。
上記特徴G群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技領域に対して遊技球が発射され、当該遊技領域内の各種入賞口に遊技球が入賞されるとそれに伴い所定個数の遊技球が払い出される。また、例えば遊技領域の中央部には液晶表示装置等よりなる図柄表示装置(絵柄表示装置)が設置され、この図柄表示装置により図柄が変動表示される。図柄の変動表示として具体的には、例えば左右方向又は上下方向に並ぶ3つの図柄列が設けられ、各図柄列毎に図柄が変動表示される。この場合、所定入賞口への入賞をトリガとして図柄表示装置による図柄の変動表示が開始され、その後、所定の変動パターンによる変動表示や演出表示を経て図柄の変動表示が停止される。そして、図柄の変動表示が停止された際に予め定められた図柄の組み合わせが停止表示されている場合に、例えば大当たり状態に移行し多量の遊技球が払い出される。
当該パチンコ遊技機において近年では、図柄表示装置の表示面が大型化される傾向にある。表示面を大型化することにより、例えば表示画像の迫力が向上され、演出表示の効果が高められると考えられる。また、例えば異常報知などを行う場合に、その表示態様の視認性が高められると考えられる。
しかしながら、図柄表示装置の表示面は上記のとおり遊技領域の中央部等に配置されているため、表示面を大型化しようとすると、遊技領域における図柄表示装置の周囲の領域などが狭められてしまう。例えば、遊技領域における遊技球の通過領域が狭められてしまうと、遊技球の流下パターンが制限され好ましくない。
そこで、パチンコ遊技機の上下方向又は左右方向のサイズを拡張することで、上記のような不都合を生じさせることなく表示面の大型化を図る構成も考えられる。しかしながら、パチンコ遊技機は遊技ホールなどにおいて既存の島設備に設置されるため、上下方向又は左右方向のサイズを変更するのは好ましくない。
なお、以上の問題は、パチンコ遊技機に限定されるものではなく、図柄表示装置を備えた他の遊技機においても同様に発生する問題である。
また、上記特徴G1〜G76のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A26、上記特徴B1〜B15、上記特徴C1〜C16、上記特徴D1〜D20、上記特徴E1〜E11、上記特徴F1〜F13のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に基づいて前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に基づいて前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。