JP6354142B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえばパチンコ機等といった遊技機に関するものである。
従来、遊技機の一例であるパチンコ機には、遊技盤を始めとして各種制御装置等を支持するミドル枠が、本体を支持する機枠に対して片開き可能に蝶着されているとともに、遊技盤の前方空間(遊技領域)を閉塞するための前扉が、ミドル枠に対して片開き可能に蝶着されている。この前扉は、遊技領域内で球詰まりが発生した等により遊技中しばしば開閉される。しかしながら、前扉を開放すると、たとえば球詰まりしていた遊技球がこぼれ落ち、前扉の蝶着部へ進入して球噛みを起こしてしまうことがある。そこで、従来では、前扉の蝶着部に遊技球が通過可能な排出孔を形成し、当該排出孔を介して蝶着部へ進入した遊技球を蝶着部外へ排出するようにしていた(たとえば特許文献1及び2)。
特開2010−172375号公報 特開2013−116229号公報
しかしながら、前扉の蝶着部に排出孔を形成すると、排出孔を介してたとえばピアノ線を遊技領域へ侵入させるといった不正行為が行われやすい等、不正防止の点で問題が生じる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、蝶着部に排出孔を形成したりすることなく、前扉の蝶着部における球噛みを防止することができる遊技機を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、遊技機本体を支持する機枠に対し、ガラス板を支持する前扉が、その上下位置を蝶着部として片開き可能とされている遊技機であって、前記前扉の下側の蝶着部において、前記前扉を閉姿勢から所定角度以上まで開放した開姿勢とした際、前記前扉の後端縁と前記前扉の後方に位置する前記機枠側との間の前後方向での距離が遊技球1個の直径以上となり、前記前扉の後端縁と前記機枠側との間に、遊技球が通過可能で且つ左右方向で遊技機外に開通する隙間が形成されるとともに、前記前扉の前記所定角度を下回る前記閉姿勢側での回動に際しては、前記前扉の後端縁と前記機枠側との前後方向での距離が遊技球1個の直径未満となるまで、前記前扉の後端縁が前記機枠側へ近接するようになっており、さらに、前記前扉の蝶着側の側面における下端部に、前記前扉を前記開姿勢から前記閉姿勢へと回動する際に、前記隙間へ進入していた遊技球が前記側面側から入り込み可能で、且つ、前記前扉の前面側へも開口した凹部が設けられているとともに、前記機枠側における閉姿勢にある前記前扉の蝶着側の後面に対向する面であって、当該対向面における前記前扉の回動時に前記前扉の蝶着側の側面の下端部が対向する箇所に、上下長さが遊技球1個の直径以下で、且つ、上端部が前方へ折り曲げられた金属板を有し、その折り曲げ部の先端縁が、左右方向で遊技機の外側へ向かって徐々に前方へせり出す曲線状に形成された案内手段が取り付けられていることを特徴とする。
なお、前扉の下側の蝶着部において、遊技球の直径以下の上下方向長さを有する板状体で、上端部が前方へ折り曲げられてなる案内手段を立設するとともに、当該案内手段の折り曲げ部の先端縁を、左右方向で遊技機外側へ向かうにつれて徐々に前方へせり出す曲線状に形成するといった構成を付加してもよい。
本発明によれば、前扉の下側の蝶着部において、前扉を閉姿勢から所定角度以上まで開放した開姿勢とした際、前扉の後端縁と前扉の後方に位置する機枠側との間の前後方向での距離が遊技球1個の直径以上となり、前扉の後端縁と機枠側との間に、遊技球が通過可能で且つ左右方向で遊技機外に開通する隙間が形成されるとともに、前扉の所定角度を下回る閉姿勢側での回動に際しては、前扉の後端縁と機枠側との前後方向での距離が遊技球1個の直径未満となるまで、前扉の後端縁が前記機枠側へ近接するようにしている。したがって、蝶着部において前扉と機枠側との隙間内へ遊技球が進入したとしても、開姿勢にある前扉を閉姿勢側へ回動させるだけで、前扉に押し出される格好で、遊技球は隙間から遊技機外へ排出されることになる。そのため、前扉の蝶着部からの球抜き作業が非常に容易であるし、従来の如く蝶着部に排出孔を開設したりする必要がないため、防犯性が損なわれることもない。
また、前扉の蝶着側の側面における下端部に、前扉を開姿勢から閉姿勢へと回動する際に、隙間へ進入していた遊技球が側面側から入り込み可能で、且つ、前扉の前面側へも開口した凹部が設けられているため、たとえ球貸機等が隣設されていたとしても、隙間から排出されようとする遊技球は凹部へ入り込むため、前扉と球貸機との間に挟まったりしない。したがって、前扉と球貸機との間で球噛みがおきてしまうという事態を防止することができる。
さらに、機枠側における閉姿勢にある前扉の蝶着側の後面に対向する面であって、当該対向面における前扉の回動時に前扉の蝶着側の側面の下端部が対向する箇所に、上下長さが遊技球1個の直径以下で、且つ、上端部が前方へ折り曲げられた金属板を有し、その折り曲げ部の先端縁が、左右方向で遊技機の外側へ向かって徐々に前方へせり出す曲線状に形成された案内手段が取り付けられている。したがって、前扉を回動する際、前扉の蝶着側の側面の下端部と機枠側との距離を遊技球1個の直径未満で保ちやすく、球噛みの発生を一層抑制することができるし、極めてスムーズに遊技球を隙間から遊技機外へ排出することができる。
パチンコ機を前面側から示した説明図である。 遊技盤を前面側から示した説明図である。 パチンコ機を後面側から示した説明図である。 前扉及び遊技盤が取り外されたパチンコ機を前方から示した説明図である。 図4中の領域Aを拡大して示した説明図である。 扉蝶着部部分の水平断面を示した説明図であり、前扉は取り外された状態にある。 扉蝶着部部分の水平断面を示した説明図であり、前扉は閉姿勢にある。 扉蝶着部部分の水平断面を示した説明図であり、前扉は開放角度60度の開姿勢にある。 扉蝶着部部分の水平断面を示した説明図であり、前扉は開放角度110度の開姿勢にある。
以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。また、図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。さらに、図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を嵌め込み設置してなる前扉4が、ミドル枠5に対し、左端縁を軸として片開き可能に上下位置で蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字からなる装飾図柄やキャラクター等を表示するための演出用表示部6が設けられている。さらに、演出用表示部6を囲むように電動役物70等を備えたセンター部材26が遊技盤2に設置されており、該センター部材26の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口19が設けられている。また、センター部材26の左方には、遊技球が流下可能な左打ち用スペースSLが形成されており、左打ち用スペースSLを流下する遊技球に限り、始動入賞口19へ入賞し得るようになっている。
一方、センター部材26の右方にも遊技球が流下可能な右打ち用スペースSRが形成されている。また、該右打ち用スペースSRには、遊技球が通過可能なゲート部材20と、動作可能な舌片(図示せず)を備えた始動入賞役物17とが設けられている。該始動入賞役物17は、舌片の作動に伴い、内蔵された入賞口(図示せず)への遊技球の入賞を可能とする開状態と、入賞口への遊技球の入賞を不可能とする閉状態との何れか一方の状態へ変化するようになっている。さらに、右打ち用スペースSRの下部(センター部材26の下方で、始動入賞口19の右側となる位置)には、開閉可能な扉部材を有する2つの大入賞アタッカー18a、18bが設置されている。そして、遊技球を左打ち用スペースSLではなく右打ち用スペースSRを流下させることにより、ゲート部材20を通過させたり、開状態にある始動入賞役物17へ入賞させたり、さらには開成した大入賞アタッカー18a、18bへ効率良く入賞させることができる。なお、センター部材26の左右を問わず、遊技領域16の略全面には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。また、遊技領域16外となる遊技盤2の右下部には、特別図柄を表示するための7セグメント表示器からなる特別図柄表示部(図示せず)が設けられている。
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴いミドル枠5に対して片開き可能になっている一方、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させ、遊技球の遊技領域16への打ち込み強度を調整するためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な押しボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられている。加えて、前扉4の上部及びには、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを内蔵したランプ部材15、15・・が設けられている。
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が、ミドル枠5を介して機枠3に設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂大当たり抽選等)を実行するためのメイン制御装置(図示せず)、演出用表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置(図示せず)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置(図示せず)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置(図示せず)、及び表示制御装置や音制御装置等の動作を統合的に制御するサブ制御装置(図示せず)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
以上のようなパチンコ機1では、遊技者はハンドル9を回動操作して発射装置10を作動させ、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込み、まずは左打ち用スペースSLを流下させて始動入賞口19への遊技球の入賞を狙う。そして、遊技球の入賞検知に起因して実行される所謂大当たり抽選の結果が「大当たり」になると、特別図柄表示部及び演出用表示部6に夫々所定の「大当たり図柄」が確定表示される(たとえば、演出用表示部6に「7、7、7」と確定表示させる)。また、「大当たり図柄」が確定表示されると、大入賞アタッカー18a、18bの扉部材を所定回数にわたって断続的に開成させるといった所謂「大当たり状態」が生起する。そこで、遊技者は、右打ち用スペースSRを流下させる「右打ち」を行い、断続的に開成する大入賞アタッカー18a、18bへの遊技球の入賞を狙う。
また、大当たり状態終了後、特別図柄表示部での図柄の確定表示回数が所定回数に達するまで、始動入賞役物17が頻繁に開状態となる所謂時短状態が生起する。そこで、遊技者は、当該時短状態が終了するまで「右打ち」を継続して、ゲート部材20への遊技球の通過、及び始動入賞役物17への遊技球の入賞を狙う。そして、図柄の確定表示回数が所定回数に達して時短状態が終了すると、「右打ち」を止めて左打ち用スペースSLを流下させる上記遊技へと戻る。
(前扉の蝶着部における球抜き構造)
ここで、本発明の要部となる前扉4の蝶着部における球抜き構造について、詳細に説明する。
図4は、前扉4及び遊技盤2が取り外されたパチンコ機1を前方から示した説明図である。図5は、図4中の領域Aを拡大して示した説明図である。図6は、扉蝶着部44部分の水平断面を示した説明図であり、前扉4は取り外された状態にある。図7は、扉蝶着部44部分の水平断面を示した説明図であり、前扉4は閉姿勢にある。図8は、扉蝶着部44部分の水平断面を示した説明図であり、前扉4は開放角度60度(閉姿勢を基準とする)の開姿勢にある。図9は、扉蝶着部44部分の水平断面を示した説明図であり、前扉4は開放角度110度の開姿勢にある。
ミドル枠5は、上下方向に長い矩形状に組まれた金属製のフレーム体であって、前面側の上部には遊技盤2を、前面側の下部には貯留皿8やハンドル9を備えた下側部材41を夫々設置可能となっている一方、後面側には種々の制御装置を設置可能となっている。そして、ミドル枠5は、機枠3の前面側の左上部及び左下部に設けられた上蝶着部42及び下蝶着部43に蝶着されており、機枠3に対し、左端縁を軸として片開き可能となっている。また、下側部材41の上面で、上蝶着部42と上下方向で対向する位置には、前扉4の下側を蝶着するための扉蝶着部44が設けられている。そして、前扉4は、上部を上蝶着部42に、下部を扉蝶着部44に夫々蝶着されており、ミドル枠5に対し、左端縁を軸として片開き可能となっている。なお、ミドル枠5の左側枠部(特に前扉4の後方に位置する箇所)の前端縁は、図6に示す如く左側(外側)へ折り曲げられて機枠2の前方へせりだしており、当該折り曲げ部の前面は、閉姿勢にある前扉4の左側縁部の後面と対向する対向面45となっている。
上記扉蝶着部44は、水平方向で平らな平坦部46を有しており、平坦部46の前寄りとなる位置には、前扉4の底面に設けられた軸孔(図示せず)へ挿入可能な軸部47が突設されている。また、軸部47の更に前方には、前扉4の開放角度が特定角度(ここでは110度)になると前扉4の所定箇所に当接して、前扉4の更なる開方向への回動を規制する規制リブ48が突設されている。さらに、平坦部46の後端縁は、上記対向面45に突き当たっており、その後端縁から対向面45に沿って上方へ立設されるような態様で、案内板49が対向面45に取り付けられている。
該案内板49は、金属板の上端部を前方へ略90度折り曲げてなるもので、その折り曲げ部49aの先端縁は、左側(外側)へ向かうにつれて徐々に前方へせり出す曲線状に形成されている。また、案内板49の上下長さ(平坦部46から折り曲げ部49aまでの長さ)は、遊技球1個の半分程度(たとえば6mm)とされている。なお、案内板49の外側面は、対向面45の左端部から前方へ突設された外面リブ51によって覆われている。
一方、前扉4の左側面は、閉姿勢において外面リブ51と略面一となっており、前扉4の左側面の後端縁部4aとミドル枠5の外面リブ51の前面との間は、非常に近接している。また、前扉4の後面で、閉姿勢において案内壁49の折り曲げ部49aの前方に位置する箇所には、後方へ突出する突起部52が設けられているとともに、当該突起部52に補強板53が取り付けられており、補強板53の後端縁と案内板49の前面との間も非常に近接している。さらに、前扉4の左側面下端部(蝶着箇所の近傍位置)には、右方へ凹んでいるとともに前扉4の前面側に開口した球すくい部54(図1に示す)が設けられている。球すくい部54は、遊技球が入り込み可能な上下高さ及び左右幅を有しているとともに、その底面は左側(外側)へ向かって徐々に下降傾斜し、前扉4の底面までの厚みが薄肉となるテーパ状に形成されている。
そして、前扉4を開閉する際における扉蝶着部44での動きについて説明すると、閉姿勢にある前扉4(図7に示す)を開方向へ回動させると、前扉4の左側面の後端縁部4aが案内板49の前方を左から右へ横切るように移動する(図8)。この移動に際して、後端縁部4aと案内板49の折り曲げ部49aの先端縁との前後距離は、遊技球1個の直径以下(厳密には遊技球の半径以下)しか離れないようになっている。また、更に開方向へ前扉4の開放角度が最大となるまで回動させると、後端縁部4aが前方を向き、前扉4の左側面(球すくい部54を含む)や前面が案内板49側を向くような姿勢となる(図9)。このとき、前扉4と案内板49の折り曲げ部49aの先端縁との隙間55は、遊技球1個の直径以上(本実施形態では、11mm以上となっている)離れ、且つ、左側がパチンコ機1の外方に開通しており、当該隙間55が、扉蝶着部44へ進入してきた遊技球を扉蝶着部44外へ排出するための排出路として機能することになる。
なお、前扉4を閉方向へ回動させる際、前扉4の左側面の後端縁部4aは、言うまでもなく上記開方向へ回動させる際の移動軌跡を逆方向へたどることになる。
ここで、扉蝶着部44での球抜き作用について説明する。
たとえば遊技領域16内で球詰まりが生じる等すると、前扉4を開放させて球詰まりを解消する必要が生じる。そのため前扉4を開放させると、遊技領域16内から遊技球がこぼれ落ち、扉蝶着部44の平坦部46上へ進入しようとすることがある。このとき、たとえば前扉4の左側面の後端縁部4aが案内板49の前方に位置している等、前扉4の開放角度が小さい場合、後端縁部4aがミドル枠5側に近接しているため、遊技球の平坦部46上への進入は阻止される。一方、たとえば前扉4が最大まで開放している等、前扉4の開放角度が大きいと、前扉4と案内板49との隙間55へ、すなわち平坦部46上へ遊技球は進入する。しかしながら、隙間55へ勢いよく飛び込んだ遊技球は、隙間55を通ってそのままパチンコ機1外へ排出される。また、たとえ隙間55内に停留したとしても、前扉4を閉方向へ回動させると、後端縁部4aがミドル枠5側へ遊技球の直径以下の距離となるまで近接しながら回動するため、停留していた遊技球は、前扉4の左側面に押し出される格好で、折り曲げ部49aの先端縁に案内されながら隙間55内を左方(パチンコ機1の外方)へ移動し、最終的にパチンコ機1外へ排出される。
ただ、パチンコ機1外(パチンコ機1の左方)へ排出しようとしても、一般的にパチンコ機1の左隣には球貸機(図示せず)が設置されているため、前扉4の左側面と球貸機との間で球噛みをおこすことも考えられる。しかしながら、上記実施形態のパチンコ機1によれば、前扉4の左側面の下端部に球すくい部54が設けられているため、前扉4の左側面と球貸機とで挟まれそうになった遊技球は、球すくい部54内へ入り込む。そして、球貸機が設置されているが故に、球すくい部54内から左方へこぼれ落ちたりすることなく、球すくい部54内で保持されたままパチンコ機1の前側へ移動し、前扉4の閉塞に伴いパチンコ機1の前面側に排出される。
(本実施形態のパチンコ機による効果)
以上のような構成を有するパチンコ機1では、前扉4を所定の開放角度以上まで開放させた際、前扉4の左側面とミドル枠5側との間に、遊技球が通過可能で且つ左側がパチンコ機1外へ開通する隙間55が形成されるようにしている。また、前扉4の所定の開放角度を下回る閉姿勢側での回動において、後端縁部4aとミドル枠5側との前後方向での距離が遊技球1個の直径以下となる距離まで、後端縁部4aがミドル枠5側へ近接するように構成している。したがって、たとえ前扉4とミドル枠5側との隙間55内へ遊技球が進入したとしても、開放している前扉4を閉塞させるだけで(厳密に言えば閉方向への回動により)、前扉4の左側面に押し出される格好で、遊技球は隙間55からパチンコ機1外へ排出されることになる。そのため、扉蝶着部44からの球抜き作業が非常に容易であるし、従来の如く扉蝶着部44に排出孔を開設したりする必要がないため、防犯性が損なわれることもない。
また、前扉4の左側面下端部(蝶着箇所の近傍位置)に、右方へ凹んでいるとともに前扉4の前面側に開口しており、遊技球が入り込み可能な球すくい部54を設けており、隙間55から排出されようとする遊技球を球すくい部54内へ入り込ませるようにしている。したがって、パチンコ機1外へ排出されようとする遊技球がパチンコ機1に隣設されている球貸機との間に挟まってしまい、結果的に前扉4と球貸機との間で球噛みがおきてしまうという事態を防止することができる。
さらに、球すくい部54の底面を外側へ向かって徐々に下降傾斜し、前扉の底面までの厚みが薄肉となるテーパ状に形成しているため、遊技球をスムーズに球すくい部54内へ導くことができ、前扉4と球貸機との間での球噛みを一層確実に防止することができる。
加えて、扉蝶着部44の平坦部46の後端縁に、ミドル枠5の対向面45に沿って遊技球の半径程度の高さを有する案内板49を立設し、案内板49の上端に折り曲げ部49aを設けるとともに、折り曲げ部49aの先端縁を、左側へ向かうにつれて徐々に前方へせり出す曲線状に形成している。したがって、前扉4が回動する際、後端縁部4aが案内板49の前方を左右に通過する際には、後端縁部4aとミドル枠5側との距離を遊技球の直径以下で保ち続けさせることができ、球噛みの発生を一層抑制することができるし、隙間55内の遊技球を、折り曲げ部49aの先端縁に沿ってスムーズにパチンコ機1外(パチンコ機1の前面側)へ排出することができる。
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、遊技機全体の構成は勿論、扉蝶着部における球抜き構造に係る構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
たとえば、上記実施形態では、前扉の後端縁部とミドル枠とが対向するとしているが、前扉の後端縁部が機枠と対向するように構成してもよく、上記実施形態の「ミドル枠側」とは「機枠側」の下位概念となる。
また、上記実施形態では、前扉の上側とミドル枠の上側とを同じ上蝶着部に蝶着させているが、夫々別の蝶着部に蝶着させたとしても何ら問題はない。加えて、前扉やミドル枠を左右どちらの側縁を軸として片開き可能に取り付けるかについても適宜設計変更可能である。
さらに、前扉をどの程度の角度まで開放させると、遊技球が通過可能で且つ左側が遊技機外へ開通する隙間が形成されるのかについて(すなわち、所定の開放角度を具体的に何度とするか)についても適宜変更可能である。
さらにまた、案内板の有無や大きさ、その前面の形状は勿論、凹部の有無や大きさ、凹部の形状についても、言うまでもなく設計変更可能である。
加えて、上記実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機について説明しているが、本発明は、たとえば封入式パチンコ機等といった他の遊技機に対しても当然適用可能である。
なお、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、前扉、ミドル枠、凹部、案内手段等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。さらには、全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば容易に考えられる事項である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
1・・パチンコ機(遊技機)、3・・機枠、4・・前扉、4a・・後端縁部、5・・ミドル枠、41・・下側部材、42・・上蝶着部、44・・扉蝶着部、45・・対向面、46・・平坦部、47・・軸部、48・・規制リブ、49・・案内板(案内手段)、54・・球すくい部(凹部)、55・・隙間。

Claims (1)

  1. 遊技機本体を支持する機枠に対し、ガラス板を支持する前扉が、その上下位置を蝶着部として片開き可能とされている遊技機であって、
    前記前扉の下側の蝶着部において、
    前記前扉を閉姿勢から所定角度以上まで開放した開姿勢とした際、前記前扉の後端縁と前記前扉の後方に位置する前記機枠側との間の前後方向での距離が遊技球1個の直径以上となり、前記前扉の後端縁と前記機枠側との間に、遊技球が通過可能で且つ左右方向で遊技機外に開通する隙間が形成されるとともに、
    前記前扉の前記所定角度を下回る前記閉姿勢側での回動に際しては、前記前扉の後端縁と前記機枠側との前後方向での距離が遊技球1個の直径未満となるまで、前記前扉の後端縁が前記機枠側へ近接するようになっており、
    さらに、前記前扉の蝶着側の側面における下端部に、
    前記前扉を前記開姿勢から前記閉姿勢へと回動する際に、前記隙間へ進入していた遊技球が前記側面側から入り込み可能で、且つ、前記前扉の前面側へも開口した凹部が設けられているとともに、
    前記機枠側における閉姿勢にある前記前扉の蝶着側の後面に対向する面であって、当該対向面における前記前扉の回動時に前記前扉の蝶着側の側面の下端部が対向する箇所に、
    上下長さが遊技球1個の直径以下で、且つ、上端部が前方へ折り曲げられた金属板を有し、その折り曲げ部の先端縁が、左右方向で遊技機の外側へ向かって徐々に前方へせり出す曲線状に形成された案内手段が取り付けられていることを特徴とする遊技機。
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