JP6352087B2 - 表面処理アルミニウム材及びその製造方法 - Google Patents

表面処理アルミニウム材及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、表面処理を施した純アルミニウム材又はアルミニウム合金材(以下、「アルミニウム材」と記す)及びその製造方法に関し、詳細には樹脂密着性と耐食性、耐疵付き性を併せもつ酸化皮膜層が形成されている表面処理アルミニウム材及びその製造方法に関する。
アルミニウム材は軽量でかつ適度な機械的特性を有し、更に、美感、導電性、放熱性、耐食性及びリサイクル性に優れた特徴を有するため、様々な構造部材、熱交換部材、容器類、包装類、電子機器類、機械類等に使用されている。また、これらのアルミニウム材の一部又は全体に表面処理を施すことで、耐食性、絶縁性、密着性、抗菌性、耐摩耗性等の性質を付与させたり向上させたりした上で使用されることも多い。
例えば、アルミニウム材に耐食性を付与させる場合には、陽極酸化処理(いわゆるアルマイト処理)が広く用いられている。具体的には、非特許文献1、2に記載されている通り、アルミニウム材を酸性の電解浴に浸漬して直流電流により電解処理を行うことによって、陽極酸化皮膜を形成させるもので、用途に応じて種々の処理方法が提案されている。
また、近年自動車産業を中心に省資源化や省エネルギー化が進んでおり、アルミニウム材を構造部材に適用する際には、更なる軽量化を図るためアルミニウム材の一部又は全体を樹脂と接合した構造部材が提案されている。例えば、熱交換器のように放熱性が求められる場合などは、アルミニウム材表面の全体ではなく、一部のみを樹脂と接合した構造部材が採用されることが多い。また、自動車用ボディシート等では、樹脂と接合するだけではなく表面を塗装する場合もある。更に、これらの構造部材は、曲げ加工等が行なわれることもあり、曲げ加工を施してから樹脂と接合したり、塗装したりすることもある。
このようなアルミニウム材を樹脂と接合した部材や塗装部材などを製造する場合にも、アルミニウム材の樹脂密着性を向上させるために表面処理が必要となる。例えば、特許文献1のようなアルカリ交流電解法が提案されている。すなわち、浴温35〜85℃でアクリル化合物濃度0.1〜10重量%のアルカリ性溶液を用いて、電流密度4〜50A/dmにて交流電解処理を行なうものである。これにより、膜厚50〜500nmの酸化皮膜が形成されたアルミニウム材が得られるとしている。
アルミニウムハンドブック第7版、第179〜190頁、2007年、一般社団法人日本アルミニウム協会 日本工業規格JIS H8601、「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜」(1999)
特開2009−228064号
上記の従来技術において、特許文献1の樹脂密着性を向上させる表面処理では、酸化皮膜の厚さが50〜500nmと薄く、特にバリア層の厚さが3〜30nmと極端に薄いことから、表面処理アルミニウム材表面が樹脂と密着していない箇所では、非特許文献1、2に記載されているような耐食性は望めない。表面に塗装を施した場合においても同様に、バリア層の厚さが薄いことから、耐疵付き性が劣ってしまう問題があった。
また、非特許文献1、2に記載される耐食性を向上させる表面処理では、通常、封孔処理が施されており、特許文献1のような高密着性が望めないだけではなく、前処理工程、電解処理工程、封孔工程と工程数が多く、コスト高を招く虞があった。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、樹脂との密着性と耐食性、耐疵付き性を併せもつ酸化皮膜が形成されているアルミニウム材、ならびに、この酸化皮膜を短時間のプロセスで形成できる製造方法を見出した。
すなわち、本発明は請求項1において、アルミニウム材と、その少なくとも一方の表面に形成された2層構造の酸化皮膜とを含み、前記酸化皮膜は、アルミニウム材側のバリア型酸化皮膜層と、当該バリア型酸化皮膜層上の樹枝状酸化皮膜層とからなり、前記バリア型酸化皮膜層が30nmを超え2000nm以下の厚さを有し、前記樹枝状酸化皮膜層が20〜500nmの厚さを有し、かつ、その表面に直径5〜30nmの小孔が形成されていることを特徴とする表面処理アルミニウム材とした。
また、本発明は請求項において、アルミニウム材と、その少なくとも一方の表面に形成された3層構造の酸化皮膜とを含み、前記酸化皮膜は、アルミニウム材側のバリア型酸化皮膜層と、当該バリア型酸化皮膜層上の多孔性酸化皮膜層と、当該多孔性酸化皮膜層上の樹枝状酸化皮膜層とからなり、前記バリア型酸化皮膜層が、30nmを超え2000nm以下の厚さを有し、前記樹枝状酸化皮膜層が20〜500nmの厚さを有し、かつ、その表面に直径5〜30nmの小孔が形成されており、前記多孔性酸化皮膜層が100nm以下の厚さを有することを特徴とする表面処理アルミニウム材とした。
本発明は請求項では請求項1に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法において、表面処理されるアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温35〜85℃であり、かつ、溶存アルミニウム濃度が5〜1000ppmのアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数10〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理した後に、交流電解処理で用いた電解溶液又はこれと異なる電解溶液を用いて、定電圧30〜1000Vに達してからその定電圧での保持時間を5秒未満とする条件で直流電解処理することにより、前記2層構造の酸化皮膜を形成することを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方法とした。
本発明は請求項では請求項に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法において、表面処理されるアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温35〜85℃であり、かつ、溶存アルミニウム濃度が5〜1000ppmのアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数10〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理した後に、交流電解処理で用いた電解溶液又はこれと異なる電解溶液を用いて、定電圧30〜1000Vに達してからその電圧での保持時間を5〜300秒とする条件で直流電解処理することにより、前記3層構造の酸化皮膜を形成することを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方法とした。
本発明は請求項では請求項又はにおいて、前記アルミニウム材が、交流電解処理終了後から直流電解処理開始前までの間に、交流電解処理で用いた電解溶液中又は直流電解で用いる電解溶液中に浸漬されている時間が60秒以内であるものとした。
本発明は請求項では請求項のいずれか一項において、前記直流電解処理に用いる電解溶液が、交流電解処理で用いる電解溶液と同じであるものとした。
本発明によって、樹脂密着性と耐食性、耐疵付き性を併せもつ酸化皮膜が形成されていることを特徴とする表面処理アルミニウム材、ならびに、この酸化皮膜を短時間のプロセスで形成できる製造方法を提供できる。
本発明に係る2層構造の酸化皮膜が形成された表面処理アルミニウム材の模式図である。 本発明に係る3層構造の酸化皮膜が形成された表面処理アルミニウム材の模式図である。 本発明に係るアルミニウム材の電解装置を示す正面図である。
本発明に係る表面処理アルミニウム材は、第1実施態様として、酸化皮膜が2層構造のもの、第2実施態様として、酸化皮膜が3層構造のものである。以下に、それぞれについて詳細に説明する。
A.第1実施態様の表面処理アルミニウム材
図1に示すように、第1実施態様の表面処理アルミニウム材は、アルミニウム材1の表面に酸化皮膜1が形成されている。酸化皮膜1は、アルミニウム材側のバリア型酸化皮膜層4とその上の樹枝状酸化皮膜層5とから構成される。樹枝状酸化皮膜層5の表面には、深さ方向に向かう小孔51が形成されている。
A−1.アルミニウム材
本発明に用いるアルミニウム材としては、純アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられる。アルミニウム合金の成分には特に制限無く、JISに規定される合金をはじめとする各種合金を使用することができる。
A−2.酸化皮膜1におけるバリア型酸化皮膜層
2層構造の酸化皮膜1におけるバリア型酸化皮膜層4の厚さは、30nmを超え2000nm以下であり、好ましくは50〜1500nmである。30nm以下では、厚さが十分ではないため、十分な耐食性や耐疵付き性が得られない。一方、2000nmを超えると、バリア型酸化皮膜層4にクラックが入り、反って局部的に耐食性が低下する。また、2000nmを超えると、直流電解処理において1000V以上の高電圧をかける必要があり、生産性が悪化する虞がある。
A−3.酸化皮膜1における樹枝状酸化皮膜層
樹枝状酸化皮膜層5の厚さは、20〜500nmであり、好ましくは30〜400nmである。20nm未満では厚さが不十分となり、後述する小孔構造が形成され難くなり、樹脂との密着性が低下する。一方、500nmを超えると、樹枝状酸化皮膜層自体が凝集破壊し易くなり、樹脂との密着性が低下する。
また、樹枝状酸化皮膜層5の表面には深さ方向に向かう小孔51が形成されている。この小孔51の直径は5〜30nmであり、好ましくは7〜25nmである。この小孔51は、樹脂などの被接合物(以下、単に「樹脂など」と記す)と酸化皮膜1との接触面積を増大させ、その密着性を増大させる。小孔51の直径が5nm未満であると、接触面積が不足するため十分な密着性が得られない。一方、小孔51の直径が30nmを超えると、樹枝状酸化皮膜層自体が脆くなって凝集破壊を生じる。なお、図1では、小孔51は樹枝状酸化皮膜層5を深さ方向に貫通していないが、貫通していても良い。
B.第2実施態様の表面処理アルミニウム材
図2に示すように、第2実施態様の表面処理アルミニウム材は、アルミニウム材1の表面に酸化皮膜2が形成されている。酸化皮膜2は、アルミニウム材側のバリア型酸化皮膜層4と、その上の多孔性酸化皮膜層6と、更にその上の樹枝状酸化皮膜層5とから構成される。樹枝状酸化皮膜層5の表面には、深さ方向に向かう小孔51が形成されている。すなわち、第2実施態様の表面処理アルミニウム材は、バリア型酸化皮膜層4と樹枝状酸化皮膜層5との間に、多孔性酸化皮膜層6が介在する点で、第1実施態様の表面処理アルミニウム材と構造上相違する。
B−1.アルミニウム材
アルミニウム材としては、第1実施態様と同様に、純アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられる。アルミニウム合金の成分には特に制限無く、JISに規定される合金をはじめとする各種合金を使用することができる。
B−2.酸化皮膜2におけるバリア型酸化皮膜層
3層構造の酸化皮膜2におけるバリア型酸化皮膜層4の厚さは、2層構造の酸化皮膜1におけるバリア型酸化皮膜層4と同じく、30nmを超え2000nm以下であり、好ましくは50〜1500nmである。30nm以下では、厚さが十分ではないため、十分な耐食性や耐疵付き性が得られない。一方、2000nmを超えると、バリア型酸化皮層4にクラックが入り、反って局部的に耐食性が低下する。また、2000nmを超えると、直流電解処理において1000V以上の高電圧をかける必要があり、生産性が悪化する虞がある。
B−2.酸化皮膜2における樹枝状酸化皮膜層
樹枝状酸化皮膜層5の厚さは、2層構造の酸化皮膜1における樹枝状酸化皮膜層5と同じく、20〜500nmであり、好ましくは30〜400nmである。20nm未満では厚さが不十分となり、後述する小孔構造が形成され難くなり、樹脂との密着性が低下する。一方、500nmを超えると、樹枝状酸化皮膜層自体が凝集破壊し易くなり、樹脂との密着性が低下する。
また、樹枝状酸化皮膜層5の表面には、2層構造の酸化皮膜1と同じく、深さ方向に向かう小孔51が形成されている。この小孔の直径は5〜30nmであり、好ましくは7〜25nmである。この小孔51は、樹脂などと酸化皮膜2との接触面積を増大させ、その密着性を増大させる。小孔51の直径が5nm未満であると、接触面積が不足するため十分な密着性が得られない。一方、小孔51の直径が30nmを超えると、樹枝状酸化皮膜層自体が脆くなって凝集破壊を生じてしまうことがある。なお、図2に示す樹枝状酸化皮膜層5では、2層構造の樹枝状酸化皮膜層5と同様に小孔51は樹枝状酸化皮膜層5を深さ方向に貫通していないが、貫通していても良い。
B−3.酸化皮膜2における多孔性酸化皮膜層
3層構造の酸化皮膜2における多孔性酸化皮膜層6の厚さは100nm以下であり、好ましくは85nm以下である。この多孔性酸化皮膜層6は、樹枝状酸化皮膜層5とは構造が異なり、小孔がアルミニウム材表面に対して垂直方向に成長していることが特徴である。この多孔性酸化皮膜層6が、バリア型酸化皮膜層4と樹枝状酸化皮膜層5の間に介在することにより、表面処理したアルミニウム材を曲げ加工した際に酸化皮膜2全体にクラック等が入り難くなり、また、表面処理アルミニウム材に対する耐疵付き性が更に向上して、いわば緩衝材の作用効果を奏する。この多孔性酸化皮膜層6の厚さが100nmを超えると、曲げ加工の際に多孔性酸化皮膜層内部にクラックが生じる虞がある。なお、図2に示す多孔性酸化皮膜層6の小孔は、多孔性酸化皮膜層6を深さ方向に貫通しているが、貫通していなくても良い。
C.表面処理アルミニウム材の製造方法
以下に、本発明に係る表面処理アルミニウム材の製造方法について説明する。
C−1.第1実施態様の表面処理アルミニウム材の製造方法
以上のような条件を満たした2層構造の酸化皮膜を表面に備えた第1実施態様の表面処理アルミニウム材を製造するための一つの方法として、表面処理されるアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温35〜85℃であり、かつ、溶存アルミニウム濃度が5〜1000ppmのアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数10〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理した後に、交流電解処理で用いた電解溶液又はこれと異なる電解溶液を用いて、定電圧30〜1000Vに達してからその電圧での保持時間を5秒未満とする条件で直流電解処理することにより、2層構造の酸化皮膜を形成する方法を挙げることができる。
本発明において、交流電解処理及び直流電解処理されるアルミニウム材と対電極の形状は特に限定されるものではないが、アルミニウム材と対電極との距離を均一にし、安定して電解処理皮膜を形成するには、アルミニウム材と対電極は板形状のものが好適に用いられる。図3に示すように、結線された対電極板7、8を用意し、これら2枚の対電極板7、8の間に表面処理されるアルミニウム板9の両方の表面をそれぞれ、対電極板7、8の表面と平行になるように設置することが好ましい。対向するアルミニウム材9と対電極7、8の面同士の寸法はほぼ同一として、両電極を静止状態で電解操作を行なうのが好ましい。また、表面処理されるアルミニウム板9の一方の表面のみを処理する場合には、対電極板接続スイッチ122を切ることによってアルミニウム材9の一方の表面のみ(アルミニウム材9の図中における右側の表面)を処理することもできる。
本発明における、表面処理工程は、交流電解処理後に直流電解処理を行なうことを特徴とする。直流電解の後に交流電解を行なうと、樹枝状酸化皮膜層が最表層に形成されず、樹脂などの被接合物との密着性が低下してしまう。なお、交流電解処理後であって直流電解処理前に、アルミニウム材を水洗や乾燥等してもよい。
交流電解処理と直流電解処理において同じ電解溶液13(電解浴)を使用する場合は、図3に示すように、交流電源10と直流電源11を電源切り替えスイッチ121で切り替えられるよう並列に接続する。また、交流電解処理用の電解槽と直流電解処理用の電解槽を別個に用意して、それぞれ電解処理を行なってもよい。この場合には、それぞれの電解槽の電解溶液は異なるものが用いられる。
本発明では、交流電解処理と直流電解処理において、表面処理されるアルミニウム材と対電極とを用いる。対電極の材質は特に限定されるものではないが、電解溶液の成分や温度に対して劣化せず、導電性に優れ、更に、それ自身が電気化学的反応を起こさない材質のものを使用する必要がある。このような点から、対電極としては黒鉛電極が好適に用いられる。これは、黒鉛電極が化学的に安定であり、かつ、安価で入手が容易であることに加え、黒鉛電極に存在する多くの気孔の作用により交流電解工程において電気力線が適度に拡散するため、樹枝状酸化皮膜層が均一になり易いためである。また、交流電解処理と直流電解処理において、対電極の材質が異なっていてもよい。
交流電解処理において、電解溶液として用いるアルカリ水溶液は、りん酸ナトリウム、りん酸水素ナトリウム、ピロりん酸ナトリウム、ピロりん酸カリウム及びメタりん酸ナトリウム等のりん酸塩;水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;水酸化アンモニウム;或いは、これらの混合物の水溶液を用いることができる。後述するように電解溶液のpHを特定の範囲に保つ必要があることから、バッファー効果の期待できるりん酸塩系物質を含有するアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。このようなアルカリ水溶液に含まれるアルカリ成分の濃度は、電解溶液のpHが所望の値になるように適宜調整されるが、通常、1×10−4〜1モル/リットルで、好ましくは1×10−3〜0.8モル/リットルである。なお、これらのアルカリ性水溶液には、アルミニウム材表面の清浄度を上げるために界面活性剤やキレート剤等を添加してもよい。
交流電解処理で使用する電解溶液のpHは9〜13であり、好ましくは9.5〜12.5である。pHが9未満では電解溶液のアルカリエッチング力が不足するため、樹枝状酸化皮膜層が不定形となり、密着性が発現されない場合がある。一方、pHが13を超えると、アルカリエッチング力が過剰になるため酸化皮膜が成長し難くなり、所望の樹枝状酸化皮膜層及びバリア型酸化皮膜層形成が阻害される。
交流電解処理で使用する電解溶液の温度は35〜85℃であり、好ましくは40〜80℃である。電解溶液温度が35℃未満の場合、アルカリエッチング力が不足するため樹枝状酸化皮膜層の形成が不定形となり、密着性が発現されない場合がある。85℃を超えるとアルカリエッチング力が過剰になるため、所望の樹枝状酸化皮膜層形成が阻害される。
交流電解処理で使用する電解溶液中に含有される溶存アルミニウム濃度は、5〜1000ppmとする必要があり、10〜500ppmとするのが好ましい。溶存アルミニウム濃度が5ppm未満の場合は、交流電解反応初期における酸化皮膜の形成反応が急激に生起するため、局部的に厚い樹枝状酸化皮膜層が形成されてしまう。一方、溶存アルミニウム濃度が1000ppmを超える場合は、電解溶液の粘度が増大して電解処理においてアルミニウム材表面付近の均一な対流が妨げられるのと同時に、溶存アルミニウムが樹枝状酸化皮膜層形成を抑制する方向に作用する。
交流電解処理における周波数は10〜100Hzで、好ましくは20〜80Hzである。10Hz未満では、電気分解としては直流的要素が高まる結果、樹枝状酸化皮膜層の形成が進行せず、樹脂などの被接合物との密着性が発現されない。一方、100Hzを超えると、陽極と陰極の反転が速すぎるため、酸化皮膜全体の形成が極端に遅くなり、樹枝状酸化皮膜層の所定の厚さを得るには極めて長時間を要することになる。なお、交流電解における電解波形は特に限定されず、正弦波、矩形波、台形波、三角波等の波形を用いることが出来る。
交流電解処理における電流密度は4〜50A/dmで、好ましくは5〜30A/dmである。電流密度が4A/dm未満では、所定の厚さの樹枝状酸化皮膜層を得るには極めて長時間を要する。一方、50A/dmを超えると、電流が過大になるため樹枝状酸化皮膜層の厚さ制御が困難となり処理ムラが起こり易い。
交流電解工程における電解時間は5〜60秒で、好ましくは10〜50秒である。5秒未満の処理時間では、所定の厚さの樹枝状酸化皮膜層が形成されず、樹脂などの被接合物との密着性が発現しない。一方、60秒を超えると、樹枝状酸化皮膜層が厚くなり過ぎたり、樹枝状酸化皮膜層が再溶解したりする虞がある。また、生産性も低下するため好ましくない。
交流電解処理終了後から直流電解処理開始前までの間に、交流電解処理で用いた電解溶液中又は直流電解で用いる電解溶液中にアルミニウム材が浸漬されている時間は60秒以内が好ましく、40秒以内がより好ましい。電解をしない状態でアルミニウム材が電解溶液中に浸漬されている時間が60秒を超えると、樹枝状酸化皮膜が一部溶解し密着性が低下する場合がある。
バリア型酸化皮膜層は交流電解処理によっても形成されるが、直流電解によりバリア型酸化皮膜層を更に成長することができる。交流電解処理の後に行なわれる直流電解処理は、対電極を陰極として、直流の定電圧を印加することで行なわれる。直流電解処理は、所定の定電圧を瞬間的に印加することもできるが、ムラの発生を抑制するためには、印加電圧を徐々に増加して目標とする所定の定電圧に達する方法、すなわちソフトスタート方式が好ましい。この直流電解処理の定電圧は30〜1000V、好ましくは50〜850Vである。30V未満の定電圧では、所定の厚さのバリア型酸化皮膜が形成されず、耐食性や耐疵付き性が低下してしまう。一方、1000Vを超えると、樹枝状酸化皮膜の小孔が塞がってしまうことがあり、樹脂などとの密着性が低下する場合がある。
直流電解処理では、2層構造の酸化皮膜を形成させる場合は、定電圧である30〜1000Vに達してから、その定電圧での保持時間を5秒未満とする。この保持時間は、好ましくは、1秒以上5秒未満である。なお、この保持時間を0秒としてもよい。この場合は、ソフトスタート方式を用いて定電圧に電圧が達したら、その定電圧に保持をせずに直ちに直流電解処理を終了するものである。定電圧での保持時間が5秒以上になると、後述するように皮膜構造は3層構造となる。
直流電解工程で使用する電解溶液は、特に限定されるものではないが、通常、1×10−5〜10モル/リットルの支持電解質を含む水溶液を用いる。また、工程の簡素化のため、交流電解工程で使用する電解溶液と同じものを用いるのが好ましい。
C−2.第2実施態様の表面処理アルミニウム材の製造方法
上述の3層構造の酸化皮膜を表面に備えた第2実施態様の表面処理アルミニウム材を製造するための一つの方法として、表面処理されるアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温35〜85℃であり、かつ、溶存アルミニウム濃度が5〜1000ppmのアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数10〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理した後に、交流電解処理で用いた電解溶液又はこれと異なる電解溶液を用いて、定電圧30〜1000Vに達してからその電圧での保持時間を5〜300秒とする条件で直流電解処理することにより、3層構造の酸化皮膜を形成する方法を挙げることができる。
本発明において、3層構造の酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム材の製造方法は、前述の2層構造の酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム材の製造方法と、同様の材料及び用具を用い、交流電解処理までは同様の方法で行なう。
交流電解処理終了後から直流電解処理開始前までの間に、交流電解処理で用いた電解溶液中又は直流電解で用いる電解溶液中に浸漬されている時間は、2層構造の酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム材の製造方法と同様に60秒以内が好ましく、40秒以内がより好ましい。電解をしない状態でアルミニウム材が電解溶液中に浸漬されている時間が60秒を超えると、樹枝状酸化皮膜が一部溶解し、密着性が低下する場合がある。
交流電解処理の後に行なわれる直流電解処理は、2層構造の酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム材の製造方法と同様に、対電極を陰極として、直流の定電圧を印加することで行なわれる。直流電解処理は、所定の定電圧を瞬間的に印加することもできるが、ムラの発生を抑制するためには、印加電圧を徐々に増加して目標とする所定の定電圧に達する方法、すなわちソフトスタート方式が好ましい。この直流電解処理の定電圧は30〜1000V、好ましくは50〜850Vである。30V未満の定電圧では、所定の厚さのバリア型酸化皮膜が形成されず、耐食性や耐疵付き性が低下してしまう。一方、1000Vを超えると、樹枝状酸化皮膜の小孔が塞がってしまうことがあり、樹脂などとの密着性が低下する場合がある。
直流電解処理では、3層構造の酸化皮膜を形成させる場合は、定電圧である30〜1000Vに達してから、その定電圧での保持時間を5〜300秒とする。この保持時間は、好ましくは10〜120秒である。保持時間を5秒以上とすることで、バリア型酸化皮膜層と樹枝状酸化皮膜層の間に多孔性酸化皮膜層が形成されて3層構造の酸化皮膜となる。一方、保持時間が300秒を超えると樹枝状酸化皮膜層の小孔が塞がってしまうことがあり、樹脂などの被接合物との密着性が低下する場合がある。また、生産性の低下も招く。
本発明における樹枝状酸化皮膜層、多孔性酸化皮膜層及びバリア型酸化皮膜層の構造観察と厚さ、ならびに、小孔の直径の測定には、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察が好適に用いられる。具体的には、樹枝状酸化皮膜層、多孔性酸化皮膜層及びバリア型酸化皮膜層の厚さ、ならびに、樹枝状酸化皮膜層表面の小孔の直径は、ウルトラミクロトーム等により薄片に加工し、TEM観察することによって測定される。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明における好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施例1〜74及び比較例1〜31
電解処理されるアルミニウム材として、縦500mm×横500mm×板厚1.0mmを有するJIS5052の平板を使用した。互いに結線されて対向する2枚の黒鉛の対電極板間において、アルミニウム合金板の両面がそれぞれ、対抗する黒鉛の対電極板面と平行になるように配設して電解処理を行った。両対電極板の寸法は、縦500mm×横550mm×板厚2.0mmとした。実施例73〜74では、図3における接続スイッチ122を切ることで、図中右側面のみに電解処理を行なった。
交流電解処理に用いる電解溶液には、表1〜6に示すpH、温度及び溶存アルミニウム濃度を有するピロりん酸ナトリウムを主成分とするアルカリ性水溶液を使用した(0.1モル/リットルのNaOH水溶液でpHを調整)。このアルカリ性水溶液の電解質濃度は、0.1モル/リットルとした。電解溶液と電解槽は、実施例71及び72を除き交流電解処理と直流電解処理で同一のものを使用した。電解溶液を収容する電解槽中に、アルミニウム合金板と両対電極を配置し、表1〜6に示す電解条件で交流電解処理を実施した。次いで、交流電解処理終了後の状態のままで、すなわち、電解処理を行っていない同じ電解槽中において、交流電解処理終了後から直流電解処理開始前までの間、アルミニウム材を表1〜7に示す時間浸漬した。更に、その状態のまま、表1〜6に示す電解条件で、両対電極をそれぞれ陰極として直流電解処理を実施した。なお、直流電解処理ではソフトスタート方式を採用し、印加電圧を0Vから徐々に増加して目標とする所定の定電圧まで1〜180秒で到達後に、その定電圧で電解処理を行った。
実施例71及び72では、電解溶液と電解槽は、交流電解処理と直流電解処理で別のものを使用した。交流電解処理で用いた電解溶液と電解槽は、他の実施例及び比較例のものと同じである。一方、直流電解処理に用いた電解溶液には、25℃のほう酸を主成分とする中性の水溶液を使用した。(0.1モル/リットルのNaOH水溶液でpHを調整)。交流電解処理終了後、アルミニウム材を表4に示す時間、交流電解処理浴に浸漬した。次に、アルミニウム材を直流電解処理用の電解槽に入れ替え、表4に示す電解条件で、両対電極をそれぞれ陰極として直流電解処理を実施した。なお、直流電解処理ではソフトスタート方式を採用し、印加電圧を0Vから徐々に増加して目標とする所定の定電圧まで1〜180秒で到達後に、その定電圧で電解処理を行った。
以上のようにして、実施例1〜72及び比較例1〜31では、アルミニウム材の両面に、実施例73〜74では、片面に酸化皮膜を形成した。直流電解処理電解後に、アルミニウム材を電解槽から速やかに取り出し、純水で水洗して室温の大気中で自然乾燥した。
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比較例32〜38
実施例1で用いたのと同じアルミニウム材、2つの対電極、ならびに、電解溶液と電解槽を用いて、これまた実施例1と同じ電極の配置で電解処理を行った。
比較例32では、直流電解処理は行わず、実施例1と同じ正弦波を用いて表7に示す条件で交流電解処理のみを行なった。
比較例33及び34では、交流電解処理は行わず、表7に示す条件で直流電解処理のみを行った。
比較例35及び36では、交流電解処理は行わず直流電解処理を2回行った。具体的には、まず、表7に示す条件で1度目の直流電解処理を行い、次いで、この直流電解処理終了後から2回目の直流電解処理開始前までの間、アルミニウム材を表7に示す時間そのままの状態で浸漬した。更に、第1回目と同じ電解槽中で表7に示す条件で2回目の直流電解処理を行った。
比較例37では、実施例1において、交流電解処理と直流電解処理を入れ替えて行った。交流電解処理、浸漬処理及び直流電解処理の条件は、実施例1と同じである。
比較例38では、直流電解処理は行わず交流電解処理を2回行った。具体的には、まず、表7に示す条件で1度目の交流電解処理を行い、次いで、この交流電解処理終了後から2回目の交流電解処理開始前までの間、アルミニウム材を表7に示す時間そのままの状態で浸漬した。更に、第1回目と同じ電解槽中で表7に示す条件で2回目の交流電解処理を行った。
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以上のようにして、アルミニウム材の両面に酸化皮膜を形成した。酸化皮膜形成後の水洗、乾燥は実施例1と同じである。
[酸化皮膜の厚さ及び構造の測定]
以上のようにして作製したアルミニウム材の試料に対し、TEMにより酸化皮膜層の断面観察を実施した。具体的には、酸化皮膜層の厚さ、酸化皮膜層の構造(酸化皮膜層の層数及び形状)、ならびに、樹枝状酸化皮膜層の小孔の直径を測定した。酸化皮膜層の厚さ、酸化皮膜層の構造、ならびに、樹枝状酸化皮膜層の小孔の直径を観察するために、ウルトラミクロトームを用いて供試材から断面観察用薄片試料を作製した。次に、この薄片試料において観察視野(1μm×1μm)中の任意の100点を選択してTEM断面観察により、酸化皮膜層の厚さの測定、酸化皮膜層の構造観察、ならびに、樹枝状酸化皮膜層の小孔の直径を各点で測定した。結果を、表8〜14に示す。なお、これらの表に示す酸化皮膜層の厚さと樹枝状酸化皮膜層の小孔の直径については、100点の測定結果の算術平均値とした。なお、実施例73〜74では、酸化皮膜を形成した面で評価を実施した。
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[1.酸化皮膜の耐食性評価]
上記のように作製したアルミニウム材の試料から長さ50mm、50mmに切断した供試材を10枚用意した。耐食性試験は、塩水噴霧試験方法(JIS Z 2371)に記載の中性塩水噴霧試験によって行った。供試材を中性塩水噴霧試験にかけて48時間後に取出し、腐食減量を測定して下記の基準で評価した。
◎:腐食減量が1.0g/m未満のもの
○:腐食減量が1.0g/m以上1.5g/m未満のもの
△:腐食減量が1.5g/m以上2.0g/m未満のもの
×:腐食減量が2.0g/m以上のもの
結果を表15〜21に示す。同表には、10個の供試材のうちの上記◎、○、△、×の個数をそれぞれ示すが、全てが◎又は○からなる場合を合格、それ以外を不合格と判定した。なお、実施例73〜74では、酸化皮膜を形成した面で評価を実施した。
Figure 0006352087
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[2.耐疵付き性評価]
上記のアルミニウム材の試料から長さ50mm、50mmに切断した供試材を10枚用意した。供試材表面に大日本塗料(株)製「Vフロン#2000」を塗布しこれを乾燥して(160℃,20分)、30μmの厚さの樹脂塗膜を形成した試験片を作製した。この樹脂被覆アルミニウム板についてグラベロメーターを用いてチッピング試験を実施し、剥離及び傷の度合いを評価した。チッピング試験には7号砕石(200g)を使用し、エア圧0.5MPaの条件で実施した。評価基準は、以下の通りである。
◎:樹脂被覆アルミニウム板全体の1%未満の面積に、傷が認められる。
○:樹脂被覆アルミニウム板全体の1%以上10%未満の面積に傷が認められる。
△:樹脂被覆アルミニウム板全体の10%以上30%未満の面積に傷が認められる。
×:樹脂被覆アルミニウム板全体の30%以上の面積に傷が認められる。
結果を表15〜21に示す。同表には、10個の試験片のうちの上記◎、○、△、×の個数をそれぞれ示すが、全てが◎又は○からなる場合を合格、それ以外を不合格と判定した。なお、実施例73〜74では、酸化皮膜を形成した面で評価を実施した。
[3.樹脂密着性評価]
上記耐疵付き性試験で用いたのと同じ樹脂被覆アルミニウム板の試験片を作製した。試験片を中性塩水噴霧試験にかけて48時間後に取出した。この試験片に対して、透明感圧付着テープによる剥離試験を実施した。塗膜残存率によって密着性を下記の基準で評価した。なお、密着性試験片は同じ供試材から10個の試験片を作製して、それぞれについて評価した。
◎:塗膜残存率が95%以上のもの
○:塗膜残存率が80%以上95%未満のもの
△:塗膜残存率が65%以上80%未満のもの
×:塗膜残存率が65%未満のもの
結果を表15〜21に示す。同表には、10個の試験片のうちの上記◎、○、△、×の個数をそれぞれ示すが、全てが◎又は○からなる場合を合格、それ以外を不合格と判定した。
[4.総合評価]
上記酸化皮膜の耐食性評価、耐疵付き性評価及び樹脂密着性評価の全てが合格であったものを総合評価が合格とし、これら各評価の少なくともいずれか一つが不合格のものを総合評価が不合格とした。
表8、10、11、15、17、18に示すように、実施例1〜18、38〜52、68、69、71及び73では、製造方法が本発明要件を満たすため、本発明に係る2層の酸化皮膜を有する表面処理アルミニウムが得られた。その結果、酸化皮膜の耐食性が良好で、酸化皮膜に樹脂塗装した場合の耐疵付き性及び樹脂塗膜密着性が良好であり、総合評価が合格であった。
また、表9、11、16、18に示すように、実施例19〜37、53〜67、70、72及び74では、製造方法が本発明要件を満たすため、本発明に係る3層の酸化皮膜を有する表面処理アルミニウムが得られた。その結果、酸化皮膜の耐食性が良好で、かつ、酸化皮膜に樹脂塗装した場合の耐疵付き性が非常に良好で、樹脂塗膜密着性が良好であり、総合評価が合格であった。
表12〜14、19〜21に示すように、これに対して比較例1〜38では、製造方法が本発明要件を満たしていないため、本発明に係る2層又は3層の酸化皮膜を有する表面処理アルミニウムが得られなかった。すなわち、形成した酸化皮膜が本発明要件を満たす2層又は3層の構造とならず、その結果、酸化皮膜の耐食性、酸化皮膜に樹脂塗装した場合の耐疵付き性と樹脂塗膜密着性の各評価の少なくとも一つが不合格であり、総合評価が不合格となった。
具体的には、比較例1では、交流電解処理における電解溶液のpHが低すぎたため、アルカリエッチング力が弱くなり、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例2では、交流電解処理における電解溶液のpHが高すぎたため、アルカリエッチングが過剰となり、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例3では、交流電解処理における電解溶液の温度が低すぎたため、アルカリエッチング力が弱くなり、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例4では、交流電解処理における電解溶液の温度が高すぎたため、アルカリエッチングが過剰となり、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例5では、交流電解処理における電解溶液中に溶存アルミニウムが存在しなかったため、交流電解処理において酸化皮膜が急激に形成し、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層が厚くなりすぎ、小孔の直径が不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例6では、交流電解処理における電解溶液中に溶存アルミニウムが少なすぎたため、交流電解処理において酸化皮膜が急激に形成し、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層が厚くなりすぎ、小孔の直径が不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例7では、交流電解処理における電解溶液中に多量の溶存アルミニウムが存在したため、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の形成が抑制されその厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例8では、交流電解処理における周波数が低すぎたため、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の形成が抑制されその厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例9では、交流電解処理における周波数が高すぎたため、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の形成速度が極端に遅くなり、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例10では、交流電解処理における電流密度が低すぎたため、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の形成速度が極端に遅くなり、樹枝状酸化皮膜層の厚さと、小孔の直径が不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例11では、交流電解処理における電流密度が高すぎたため、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の形成速度が極端に速くなり、樹枝状酸化皮膜層が厚くなりすぎ、また、小孔の直径が粗大化した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例12では、交流電解処理における電解時間が短すぎたため、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例13では、交流電解処理における電解時間が長すぎたため、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層が厚くなりすぎ、また、小孔の直径が粗大化した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例14では、直流電解処理における電解電圧が低すぎたため、2層構造皮膜のうち、バリア型酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、耐食性と耐疵付き性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例15では、直流電解処理における電解電圧が高すぎたため、2層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の小孔の直径が不足し、バリア型酸化皮膜層が厚くなりすぎクラックが生じた。その結果、耐食性と樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例16では、交流電解処理における電解溶液のpHが低すぎたため、アルカリエッチング力が弱くなり、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例17では、交流電解処理における電解溶液のpHが高すぎたため、アルカリエッチングが過剰となり、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例18では、交流電解処理における電解溶液の温度が低すぎたため、アルカリエッチング力が弱くなり、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例19では、交流電解処理における電解溶液の温度が高すぎたため、アルカリエッチングが過剰となり、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例20では、交流電解処理における電解溶液中に溶存アルミニウムが存在しなかったため、交流電解処理において酸化皮膜が急激に形成し、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層が厚くなりすぎ、また、小孔の直径が不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例21では、交流電解処理における電解溶液中に溶存アルミニウムが少なすぎたため、交流電解処理において酸化皮膜が急激に形成し、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層が厚くなりすぎ、また、小孔の直径が不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例22では、交流電解処理における電解溶液中に多量の溶存アルミニウムが存在したため、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の形成が抑制されその厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例23では、交流電解処理における周波数が低すぎたため、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の形成が抑制されその厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例24では、交流電解処理における周波数が高すぎたため、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の形成速度が極端に遅くなり、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例25では、交流電解処理における電流密度が低すぎたため、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の形成速度が極端に遅くなり、樹枝状酸化皮膜層の厚さと、また、小孔の直径が不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例26では、交流電解処理における電流密度が高すぎたため、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の形成速度が極端に速くなり、樹枝状酸化皮膜層が厚くなりすぎ、また、小孔の直径が粗大化した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例27では、交流電解処理における電解時間が短すぎたため、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例28では、交流電解処理における電解時間が長すぎたため、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層が厚くなりすぎ、また、小孔の直径が粗大化した。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例29では、直流電解処理における電解電圧が低すぎたため、3層構造皮膜のうち、バリア型酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、耐食性と耐疵付き性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例30では、直流電解処理における電解電圧が高すぎたため、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の小孔の直径が不足した。また、バリア型酸化皮膜層が厚くなりすぎたため、バリア型酸化皮膜層と多孔性酸化皮膜層にクラックが生じた。その結果、耐食性と樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例31では、直流電解処理における電解時間が長すぎたため、3層構造皮膜のうち、樹枝状酸化皮膜層の小孔の直径が不足した。また、多孔性酸化皮膜層の厚さが厚くなりすぎてクラックが発生した。その結果、耐疵付き性と樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例32では、直流電解処理を行わず交流電解処理のみを行ったため、2層の酸化皮膜が形成したが、バリア型酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、耐食性と耐疵付き性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例33では、交流電解処理を行わず直流電解処理のみを2秒間行なったため、バリア型酸化皮膜層のみが形成され、樹枝状酸化皮膜層と多孔性酸化皮膜層は形成されなかった。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例34では、交流電解処理を行わず直流電解処理のみを30秒間行なったため、バリア型酸化皮膜層のみが形成され、樹枝状酸化皮膜層と多孔質酸化皮膜層は形成されなかった。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例35では、交流電解処理を行わず2秒間の直流電解処理を2回行なったが、バリア型酸化皮膜層のみが形成され、樹枝状酸化皮膜層と多孔質酸化皮膜層は形成されなかった。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例36では、交流電解処理を行わず30秒間の直流電解処理を2回行なったが、バリア型酸化皮膜層のみが形成され、樹枝状酸化皮膜層と多孔質酸化皮膜層は形成されなかった。その結果、樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例37では、先に2秒間の直流電解処理を行ない、アルカリ浸漬を5秒間行った後に交流電解処理を行なった。3層の酸化皮膜が形成したが、表層から順に、バリア型酸化皮膜層、樹枝状酸化皮膜層、バリア型酸化皮膜層が形成され、適切な順序とならなかった。また、表層から3層目のバリア型酸化皮膜層の厚さが不足した。その結果、耐食性、耐疵付き性及び樹脂密着性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例38では、直流電解処理を行なわず。交流電解処理を2度行ったため、4層の酸化皮膜が形成した。その結果、耐食性と耐疵付き性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
本発明によれば、表面が耐食性と樹脂密着性に優れ、かつ耐疵付き性に優れた表面処理アルミニウム材を得ることができる。これにより、本発明に係る表面処理アルミニウム材は、アルミニウム材に耐食性と樹脂密着性、耐疵付き性が求められるアルミニウム−樹脂接合部材や樹脂塗装アルミニウム材に好適に用いられる。
1‥‥‥2層構造の酸化皮膜
2‥‥‥3層構造の酸化皮膜
3‥‥‥アルミニウム材
4‥‥‥バリア型酸化皮膜層
5‥‥‥樹枝状酸化皮膜層
51‥‥‥小孔
6‥‥‥多孔性酸化皮膜層
7‥‥‥対電極板
8‥‥‥対電極板
9‥‥‥アルミニウム板電極
10‥‥‥交流電源
11‥‥‥直流電源
121‥‥‥電源切り替えスイッチ
122‥‥‥対電極接続スイッチ
13‥‥‥電解溶液

Claims (6)

  1. アルミニウム材と、その少なくとも一方の表面に形成された2層構造の酸化皮膜とを含み、前記酸化皮膜は、アルミニウム材側のバリア型酸化皮膜層と、当該バリア型酸化皮膜層上の樹枝状酸化皮膜層とからなり、前記バリア型酸化皮膜層が30nmを超え2000nm以下の厚さを有し、前記樹枝状酸化皮膜層が20〜500nmの厚さを有し、かつ、その表面に直径5〜30nmの小孔が形成されていることを特徴とする表面処理アルミニウム材。
  2. アルミニウム材と、その少なくとも一方の表面に形成された3層構造の酸化皮膜とを含み、前記酸化皮膜は、アルミニウム材側のバリア型酸化皮膜層と、当該バリア型酸化皮膜層上の多孔性酸化皮膜層と、当該多孔性酸化皮膜層上の樹枝状酸化皮膜層とからなり、前記バリア型酸化皮膜層が、30nmを超え2000nm以下の厚さを有し、前記樹枝状酸化皮膜層が20〜500nmの厚さを有し、かつ、その表面に直径5〜30nmの小孔が形成されており、前記多孔性酸化皮膜層が100nm以下の厚さを有することを特徴とする表面処理アルミニウム材。
  3. 請求項1に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法において、表面処理されるアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温35〜85℃であり、かつ、溶存アルミニウム濃度が5〜1000ppmのアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数10〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理した後に、交流電解処理で用いた電解溶液又はこれと異なる電解溶液を用いて、定電圧30〜1000Vに達してからその電圧での保持時間を5秒未満とする条件で直流電解処理することにより、前記2層構造の酸化皮膜を形成することを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方法。
  4. 請求項2に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法において、表面処理されるアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温35〜85℃であり、かつ、溶存アルミニウム濃度が5〜1000ppmのアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数10〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理した後に、交流電解処理で用いた電解溶液又はこれと異なる電解溶液を用いて、定電圧30〜1000Vに達してからその定電圧での保持時間を5〜300秒とする条件で直流電解処理することにより、前記3層構造の酸化皮膜を形成することを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方法。
  5. 前記アルミニウム材が、交流電解処理終了後から直流電解処理開始前までの間に、交流電解処理で用いた電解溶液中又は直流電解で用いる電解溶液中に浸漬されている時間が60秒以内である、請求項又はに記載の表面処理アルミニウム材の製造方法。
  6. 前記直流電解処理に用いる電解溶液が、交流電解処理で用いる電解溶液と同じである、請求項のいずれか一項に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法。
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