JPH05191001A - プリント配線用基板およびその製造方法 - Google Patents

プリント配線用基板およびその製造方法

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JPH05191001A JP5387391A JP5387391A JPH05191001A JP H05191001 A JPH05191001 A JP H05191001A JP 5387391 A JP5387391 A JP 5387391A JP 5387391 A JP5387391 A JP 5387391A JP H05191001 A JPH05191001 A JP H05191001A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着剤との密着性に優れ、曲げ加工等の加工
性のある柔軟性に富む酸化皮膜を有し、耐熱性、絶縁性
に富む酸化皮膜を有するアルミニウムプリント配線用基
板およびその製造法を確立する。 【構成】 アルミニウムまたはアルミニウム合金板を粗
面化した後、浴温35〜80℃のアルカリ水溶液中で電
流密度4〜50A/dm2 にて電気量が80C/dm2
を越えるように交流電解処理をなし、500〜5000
Åの酸化皮膜を形成させる。この結果枝分れ構造を有す
る多孔性でポア径の大きい酸化皮膜が形成され、加工に
際して塗膜密着性に優れたプリント配線用基板が得られ
る。更に該加工法は高電流密度での電解が可能であり、
脱脂洗浄と多孔性酸化皮膜の生成を同一槽で単一の処理
で行えるだけでなく廃液処理も容易な優れた方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器、例えばテレ
ビ、オーディオ、ビデオレコーダー等の家庭用電気器
具、計算機、通信機、事務用機器、自動車等に使用され
る放熱性の良いアルミニウムまたはアルミニウム合金を
ベースとし、これに樹脂層を介して金属箔を貼付したプ
リント配線基板用基材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板は、一枚の絶縁板上の
片面または両面に銅箔を貼着し、それをエッチングして
配線路を形成し、これに電子部品を取りつけて機器を構
成している。近年は電子機器の小型化、軽量化と共に、
これとは相容れない要求である高性能化、高集積化され
た多層プリント配線基板、高密度実装化が行われてい
る。このためプリント配線基板自体の放熱が重視され、
伝熱性の低い絶縁板に代わり、アルミニウム板をベース
とした基板が使われるようになってきた。
【0003】このアルミニウム板をベースとしたプリン
ト配線基板は、アルミニウム板およびアルミニウム箔
(以下、両者をアルミニウム板という。)にエポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等か
らなる樹脂層を介して銅箔等の金属箔を貼着させること
によって形成される。
【0004】しかしながら、このアルミニウム板と樹脂
層とは、銅箔と樹脂層との間の接着力が強固であるのに
比して、接着力が極めて低く、電子機器の使用中に剥れ
てしまう危険があり、この改善のため多くの提案がなさ
れてきた。
【0005】すなわち、アルミニウム板の表面処理とし
ては、アルカリ溶液中に浸漬してエッチング処理をする
化学的エッチング処理方法(特公昭55−12754
号)、酸性溶液中で陽極酸化処理して、多孔性の酸化皮
膜を設ける方法(特公昭63−44059号)、酸性溶
液中での電解処理によりマイクロポアを形成する方法
(特開昭59−51593号)、あるいはこれらを組み
合わせた方法(特公昭60−49593号)等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の多くの
提案は一長一短があって、実用化に問題がある。
【0007】まず、化学的エッチング処理法は、処理時
間が長く生産性が劣ることのほか、均一なエッチングが
行われ難いため、接着力の劣る表面層が残り、またエッ
チング処理中に表面にスマット等の溶解残渣が生成する
ため、樹脂層との接着力、とりわけ半田耐熱性に劣り、
回路部品の半田付時にふくれが生ずる危険性があること
がわかった。
【0008】次に、陽極酸化処理法は、この方法も処理
時間が長く生産性に劣ることのほかに、得られる酸化処
理皮膜が硬いため、折り曲げ、打ち抜き等の加工時にヒ
ビ割れを生じ、高温での密着性不良を招いている。更
に、この酸化処理皮膜は吸湿性があり、吸湿すれば密着
不良を招きやすい。
【0009】またこの酸化皮膜は伝熱性が低く、せっか
くのアルミニウムの特性を損ない、放熱性を低下させ、
アルミニウム−プリント配線基板の特性を失わせるもの
である。
【0010】また、酸性溶液中での電解処理法は、前処
理または後処理工程が必要であり、複雑であって生産性
に問題があり、消費電力も大きく、得られたアルミニウ
ム板にポアが形成されるため、ポイド(空隙)を生じ、
吸湿条件下では水がたまりやすく、樹脂層の耐熱密着性
低下の原因となる。
【0011】また、これらを組み合わせた方法も高い電
力消費、低い生産性、表面皮膜が硬いための加工性の低
下、低熱伝導性などいくつかの問題点があり、また実用
化には改良すべき点が残っている。
【0012】本発明者らは、吸湿条件下においても樹脂
層との耐熱密着性の良い皮膜を形成し、絶縁性の維持、
折り曲げ、打ち抜き等の加工においても皮膜のヒビ割
れ、剥離などのない優れた加工性を有する基板およびそ
の基板の高い生産性を有する製造法の開発を目的とし
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
またはアルミニウム合金板に中心線平均粗さ(Ra)が
0.5〜5μmとなるよう粗面化処理をし、更に該表面
にアルカリ性水溶液中にて交流電解処理により膜厚50
0〜5000Åの酸化皮膜が形成されているプリント配
線用基板を提供することにより、上記の要求を満たすプ
リント配線用基板を提供することができた。更に、アル
ミニウムまたはアルミニウム合金板に中心線平均粗さ
(Ra)が0.5〜5μmとなるように粗面化処理を施
し、更にpH9〜13、浴温35〜85℃のアルカリ性
水溶液中で電流密度4〜50A/dm2 にて、電気量が
80C/dm2 を越えることとなる時間、交流電解処理
を行うことを特徴とするプリント配線用基板の製造方法
により、該基板を高い生産性を有する製造方法を提供で
きた。
【0014】本発明において、粗面化処理は機械的また
は電気化学的な手段によって行うことができる。
【0015】機械的な手段としては、粗面化したロール
を用いた圧延(ロール表面の粗さの転写)、ショットブ
ラスト、エアブラスト、液体ホーニング、ブラシグレイ
ニング等の方法が採用できる。この中で特に200〜3
00メッシュのアランダムを研削材として用いたエアブ
ラスト法が簡便でかつ均一な凹凸形状を得るのに好まし
い方法である。
【0016】電気化学的な手段としては硝酸、塩酸、ま
たは硫酸等の鉱酸、スルフォン酸等の有機酸あるいはこ
れらの混合物中で交流または直流アノード電解すること
によることができる。
【0017】このような粗面化により中心線平均粗さ
(Ra)が0.5〜5μmの凹凸が得られるようにす
る。表面粗さが0.5μm未満では凹凸が小さく、単に
通常の圧延したアルミニウム板との差が少なく、形状効
果による塗膜接着性の向上は充分でない。また表面粗さ
が5μmを越えると、絶縁樹脂層接着時に塗膜厚さの薄
い部分の形成が避けられず、電気絶縁性が不十分とな
る。
【0018】このように粗面化処理をしたアルミニウム
材料は次にアルカリ交流電解処理をし、酸化皮膜を形成
させる。
【0019】本発明によるアルカリ交流電解で得られる
酸化皮膜は、ポア径が大きく(直径約200Å、通常の
硫酸陽極酸化皮膜では約50Å程度)、多数の枝分かれ
構造を有している。そのため、エポキシ樹脂等の接着剤
を用いて積層したときこれらの物質がポアの内部まで侵
入し易いので、酸化皮膜表面に形成された官能基(−O
H基等)とエポキシ樹脂等の接着剤が持つ官能基との高
い結合力が得られ、粗面化の凹凸のアンカー効果と相ま
って接着剤とアルミニウム板との間で強い密着性が得ら
れる。
【0020】本発明のプリント配線用基板において酸化
皮膜の膜厚が500〜5000Åと薄いこと、また枝分
かれを有する細孔構造となっていること、表面に細い凹
凸がある結果、該酸化皮膜は柔軟性に富み、180°曲
げ加工を行なっても該酸化皮膜にクラック、剥離等を生
ぜず、その結果その表面に塗布した接着剤、塗膜等に剥
離が生じないので絶縁性が維持できる。
【0021】しかし、膜厚が500Å以下ではポアの長
さが短いため、樹脂層の官能基と結合する有効面積が小
さいため密着性が劣ることになる。また、5000Åを
越えると塗膜密着性は500〜5000Åの場合と比較
して特に向上しないばかりか、厚膜化に伴い酸化皮膜の
柔軟性が減少し、成形加工時にクラックを生じ易くなる
のでムダである。
【0022】アルカリ性水溶液のアルカリ源としては、
特に限定はしないが、リン酸ナトリウム、リン酸カリウ
ム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リン
酸+水酸化ナトリウムといったリン酸塩を含むものが好
ましい。リン酸塩を含有する液の場合は、ポア径が大き
くなり易いので、特に高い密着性が得られる。他に炭酸
ナトリウム等のアルカリ又はアルカリ土類炭酸塩、水酸
化ナトリウム等のアルカリ又はアルカリ土類水酸化物の
水溶液、もしくはこれらのうちの2種以上の混合物であ
っても良い。また、アルミニウム表面との液濡れ性及び
及び脱脂性を良くするために界面活性剤を含んでいても
良い。
【0023】電解液のpHは9〜13、好ましくはpH
10〜12である。
【0024】pHが9未満では脱脂性が劣り、アルミニ
ウム板表面の圧延油、圧延中に形成された酸化皮膜の溶
解除去が出来ない。また、浴電圧が上昇して不均一な電
解(焼け)が起こり易く設備費用もかかる。pHが13
を越えると生成した酸化皮膜に対する溶解性が強すぎ
て、密着性に優れた多孔性皮膜が形成されなくなる。
【0025】浴温は35〜85℃の範囲、好ましくは6
0〜80℃の範囲が良い。浴温が35℃未満では、脱
脂、洗浄効果が不充分で処理に時間がかかる。一方、浴
温が85℃を越えると溶解性が強すぎて必要な厚みの陽
極酸化皮膜が得られ難く、密着性に優れた多孔性皮膜が
形成されなくなる。
【0026】交流電解時の電流密度は4〜50A/dm
2 、好ましくは5〜30A/dm2が良い。電流密度が
4A/dm2 未満では電解時に発生する気泡の量が不充
分で、表面洗浄効果が劣り、また密着性に優れた多孔性
酸化皮膜の生成が不充分で好ましくない。電流密度50
A/dm2 を越えると電解電圧が高くなりすぎ、漏電等
の生産上の不具合を起こし易く、反応熱による電解ムラ
(焼け)が発生し易く、設備費用もかさむ。
【0027】電気量(総電気量)は80C/dm2 を越
える電気量とする必要がある。
【0028】電気量が80C/dm2 以下では多孔性酸
化皮膜が薄く、その上に形成される接着剤との密着性が
不充分で、また脱脂・洗浄作用も劣る。
【0029】更に細かく見ると、極性がプラスの時の電
気量(アノード電気量とする)は40C/dm2 を越え
る範囲が好ましい。アノード電気量が40C/dm2
下では、多孔性酸化皮膜の成長が不充分で、洗浄作用も
充分に行なわれない。
【0030】極性がマイナスの時の電気量(カソード電
気量とする)は40C/dm2 以上が好ましい。カソー
ド電気量が40C/dm2 未満では洗浄作用が不充分に
なる。
【0031】電流波形は交流波形であればよく、正弦波
交流、矩形波、台形波、三角波等でよく、またアノード
電気量とカソード電気量が異なっていても良い。
【0032】電解時間は必要電気量と電流密度の関係か
ら設定すれば良い。高電流密度であれば短時間の処理で
済む。
【0033】5182等の厚い自然酸化皮膜の形成され
るアルミニウム合金に対しては、あらかじめ酸性溶液等
で自然酸化皮膜を除去した後に電解処理を行なうように
すると、電解液寿命の延長及び電解による多孔性皮膜形
成において均一性が増すので効果的である。
【0034】電解前の清浄化処理は必要に応じて行なっ
ても良い。例えば、圧延油等が極めて多量に存在する場
合は、トリクロルエタン等の溶剤洗浄、苛性ソーダ水溶
液等のアルカリ性溶液による浸漬洗浄等が有効である。
【0035】
【作用】本発明は、粗面化によりアルミニウム材表面に
中心線平均粗さ(Ra)で0.5〜5μmの凹凸を与
え、更にアルカリ性溶液中で交流を用いて電解処理をす
ることによりアルミニウム材表面の脱脂、洗浄をすると
共に接着剤との密着性に優れた多孔性酸化皮膜が形成さ
れたアルミニウムプリント配線基板およびその製造法に
関するものであり、幾何学的な凹凸と相まって優れた接
着剤密着性を有するプリント配線基板を提供するもので
ある。以下、本発明の作用を説明する。
【0036】 粗面化されたため、表面の凹凸により
表面積増大効果および接着剤との密着性が改善され、金
属箔を積層した後エッチング処理をしても剥離のしない
接着ができる。
【0037】 アルカリ性溶液はそれ自体脱脂性を有
している。更に交流波形による電解処理が同時に行なわ
れるので、より強い洗浄作用が働く。
【0038】すなわち、アノード反応時には酸素ガスが
発生するのでアルミニウム表面に付着している圧延油等
の有機物が酸化除去され、強い脱脂、洗浄性を発揮す
る。また、カソード洗浄時には水素気泡が発生し、気泡
の膨張による機械的洗浄作用が働き、通常の脱脂におい
て認められるスマットが付着しにくく、強力な洗浄作用
が発現される。
【0039】以上の各作用の相乗効果により強力な脱
脂、洗浄効果が発揮され、短時間で接着剤との密着性に
悪影響を与えるアルミニウム板表面の圧延油、スマット
等を除去すると同時に清浄、均一な表面を有する多孔性
酸化皮膜が形成される。
【0040】 通常の陽極酸化処理は35℃未満で行
われる場合が多く、硫酸陽極酸化では20℃以下の場合
が多い。これに対して本法は35〜85℃の高温で交流
電解するものであり、高電流密度での電解が可能とな
り、高速の化学反応がおこる。すなわち、電解液温度が
高いために液抵抗が小さく、電流密度を高い値に設定で
きるので、酸化皮膜生成速度が大きい。
【0041】アルカリ性溶液中での交流電流によって生
成する酸化皮膜は、一般的な酸性水溶液中での直流電解
により陽極酸化して形成させた酸化皮膜に比べると、こ
の電解液のエッチング性が大きいために非常に多孔性で
ポア径が大きく、また交流電解であるために枝分かれ構
造を有したものとなる。
【0042】これに対し、一般的な酸性浴での直流電解
では、時間と共に浴電圧が急激に上昇し、高速処理に必
要な高電流密度の電解が困難になる。また酸化皮膜が枝
分かれ構造をとらないため、皮膜がアルカリ性浴からの
酸化皮膜に比して柔軟性に欠けることとなる。
【0043】一方酸性水溶液を用いた場合は、バリヤー
型の酸化皮膜が厚くなり易く、高電流密度で短時間処理
しようとすると、アルカリ性水溶液に比べ、5倍以上の
高電圧が必要となる。また、このような液中で無理に高
電圧を掛けると、“焼け”と称される不均一な反応(部
分的な電気抵抗不均一に基づく電流の集中に伴う発熱に
よる溶解)が起こり易く、外観を損なうばかりか塗膜密
着性も劣り、スパークの発生等安全性の点においても問
題が多い。また、酸性水溶液では通常酸濃度は10%以
上、pH=1〜2以下で、廃液処理、薬液取扱い上の点
でも不利である。
【0044】このように、あらかじめ粗面化したアルミ
ニウム材をアルカリ性水溶液中で交流電解処理すること
により形成された酸化皮膜は、表面が清浄であり、また
非常に多孔質でしかも枝分かれ構造を有し、接着剤との
密着性が著しく改善され、そのうえ柔軟性に富むため、
180°の折り曲げのごとき苛酷な成形を行なっても割
れ、接着剤との剥離を生じないため、曲げ加工、エッチ
ング処理後も強固な密着性、絶縁性を維持できることと
なる。
【0045】また、脱脂洗浄と多孔性酸化皮膜の生成が
同一槽で同一の電解処理により同時に行なわれ、しかも
その電解時間が短いため、従来よりも作業時間が短縮さ
れ、生産性が向上すると共に、設備コストも安価とな
る。更に、化成処理と異なりクロム水溶液のような人体
に有害な物質を使用しないので操業面及び保全上大きな
利点となる。
【0046】
【実施例】試験法 銅張り積層板を55mm×25mmの大きさに切断
し、耐熱密着性試験片とした。 次にこの試験片をオートクレーブ中にて121℃×16
時間吸湿させた後、260℃のハンダ浴上に浮かべ、熱
衝撃を与えた。その後銅箔を引きはがして、アルミの露
出面積により耐熱密着性を評価した。 銅張り積層板をオートクレーブ中にて121℃×1
6時間吸湿させた後、90°ピール強度を測定した。 電気絶縁性に関してはJIS C 6481にした
がって耐電圧を調べた。
【0047】(実施例1)JIS A1100−H24
(厚さ0.115mm)にエアブラスト処理し、、中心
線平均粗さ(Ra)0.56〜4.8μmの粗面化アル
ミニウム板を得た。
【0048】次にアルカリ交流電解(正弦波、2%−ピ
ロリン酸ナトリウム水溶液、周波数50Hz、NaOH
でpH調整)した。
【0049】次に上記表面処理アルミニウム板に厚さ3
5μmの電解銅箔に電気絶縁用のエポキシ樹脂を塗布後
乾燥したエポキシ樹脂付き銅箔を重ね、40Kgf/c
2の圧力で、温度170℃にて90分間加熱加圧硬化
させ、厚さ100μmの絶縁樹脂層を持つアルミニウム
ベース銅張り積層板を作成した。試験結果を表1に示
す。
【0050】(比較例1)JIS A1100−H24
(厚さ0.115mm)にエアブラスト処理し、中心線
平均粗さ(Ra)=0.15および6.0〜15μmの
粗面化アルミニウム板を得た。
【0051】次にアルカリ交流電解(正弦波、2%−ピ
ロリン酸ナトリウム水溶液、周波数50Hz、NaOH
でpH調整)した。
【0052】次に上記表面処理アルミニウム板に厚さ3
5μmの電解銅箔に電気絶縁用エポキシ樹脂を塗布後乾
燥したエポキシ樹脂付き銅箔を重ね、40Kgf/cm
2 の圧力で、温度170℃にて90分間加熱加圧硬化さ
せ、厚さ100μmの絶縁樹脂層を持つアルミニウムベ
ース銅張り積層板を作成した。試験結果を表1に示す。
【0053】
【0054】(実施例2)JIS A1100−H24
(厚さ0.115mm)にエアブラスト処理し、、中心
線平均粗さ(Ra)2.0μmの粗面化アルミニウム板
を得た。ついで表2に示すような条件でアルカリ交流電
解(周波数50Hz)した。
【0055】さらに上記表面処理アルミニウム板に厚さ
35μmの電解銅箔に電気絶縁用のエポキシ樹脂を塗布
後乾燥したエポキシ樹脂付き銅箔を重ね、40Kgf/
cm2 の圧力で、温度170℃にて90分間加熱加圧硬
化させ、厚さ100μmの絶縁樹脂層を持つアルミニウ
ムベース銅張り積層板を作成した。試験結果を表2に示
す。
【0056】(比較例2)JIS A1100−H24
(厚さ0.115mm)にエアブラスト処理し、中心線
平均粗さ(Ra)=2.0μmの粗面化アルミニウム板
を得た。ついで表2に示すような条件でのアルカリ交流
電解(周波数50Hz)処理板および電解処理なし板を
得た。
【0057】次に上記表面処理アルミニウム板に厚さ3
5μmの電解銅箔に電気絶縁用のエポキシ樹脂を塗布後
乾燥したエポキシ樹脂付き銅箔を重ね、40Kgf/c
2の圧力で、温度170℃にて90分間加熱加圧硬化
させ、厚さ100μmの絶縁樹脂層を持つアルミニウム
ベース銅張り積層板を作成した。試験結果を表2に示
す。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明は粗面化処理、アルカリ水溶液中
での交流電解により酸化皮膜が形成されたアルミニウム
プリント配線用基板であり、この基板を製造するために
中心線平均粗さ(Ra)が0.5〜5μmとなるように
粗面化処理をした後、特定の水溶液、電解温度、電流密
度、電気量で交流電解処理をすることが必要であること
を見いだした。
【0060】このような処理方法は、粗面化による表面
積増大効果、アンカー効果による塗膜の密着性の向上に
加え、アルカリ水溶液の交流電解処理による強力な洗浄
作用、枝分かれ構造を有し、多孔性でポア径が大きく、
かつ比較的柔軟性のある酸化皮膜の形成による接着剤と
の密着性・絶縁性に優れたアルミニウムプリント配線用
基板を提供する。
【0061】更に該製造法は液抵抗の少ない高温の交流
電解をするため、高電流密度で短時間で必要な厚さの酸
化皮膜を形成させることができ、また脱脂工程と酸化皮
膜生成工程を同一の処理で同時に行えるため設備コスト
も安価となり、クロム等の有害物質の使用もないので廃
液処理、薬液の取り扱いでも極めて有利である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金板
    に中心線平均粗さ(Ra)が0.5〜5μmとなるよう
    粗面化処理をし、更に該表面にアルカリ性水溶液中にて
    交流電解処理により膜厚500〜5000Åの酸化皮膜
    が形成されているプリント配線用基板。
  2. 【請求項2】 アルミニウムまたはアルミニウム合金板
    に中心線平均粗さ(Ra)が0.5〜5μmとなるよう
    に粗面化処理を施し、更にpH9〜13、浴温35〜8
    5℃のアルカリ性水溶液中で電流密度4〜50A/dm
    2 にて、電気量が80C/dm2 を越えることとなる時
    間、交流電解処理を行うことを特徴とするプリント配線
    用基板の製造方法。
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