JP6168723B2 - 表面処理アルミニウム材及びその製造方法 - Google Patents

表面処理アルミニウム材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面処理を施したアルミニウム材及びその製造方法に関し、詳細には、表面にアルミニウム酸化皮膜を有する接着性及び密着性に優れた棒状又は管状の表面処理アルミニウム材、ならびに、これを安定して製造する方法に関する。
純アルミニウム材又はアルミニウム合金材(以下、「アルミニウム材」と記す)は、軽量で適度な機械的特性を有し、かつ、美感、成形加工性、耐食性等に優れた特徴を有しているため、各種容器類、構造材、機械部品等に広く使われている。これらのアルミニウム材は、そのまま用いられることもある一方、各種表面処理を施すことで、耐食性、耐摩耗性、樹脂密着性、親水性、撥水性、抗菌性、意匠性、赤外放射性、高反射性等の機能を付加及び向上させて使用されることも多い。
例えば、耐食性及び耐摩耗性を向上させる表面処理法として、陽極酸化処理(いわゆるアルマイト処理)が広く用いられている。具体的には、非特許文献1、2に記載されている通り、アルミニウム材を酸性の電解液に浸漬して直流電流により電解処理を行うことによって、アルミニウム材表面に厚さ数〜数十μmの陽極酸化皮膜を形成させるもので、用途に応じて種々の処理方法が提案されている。
また、特に樹脂密着性を向上させる表面処理法として、特許文献1のようなアルカリ交流電解法が提案されている。すなわち、浴温40〜90℃のアルカリ性溶液を用いて、電流密度4〜50A/dmにて電気量が80C/dmを超える時間、交流電解処理を行なうものである。これにより、膜厚500〜5000オングストロームの酸化皮膜が形成された缶蓋用アルミニウム合金塗装用板が得るとしている。
しかしながら、上述の従来技術には以下のような問題があった。アルミニウム材の一形態として、押出加工や引抜加工によって得られる棒状や管状のアルミニウム材を挙げることができる。このようなアルミニウム材に対し、特許文献1のようなアルカリ交流電解処理に基づいた酸化皮膜を形成する場合に、アルミニウム材の形状によっては接着性や密着性の酸化皮膜が形成される部分と得られない部分が生じる問題である。
なお、特許文献1に開示される技術の類似技術として、非特許文献1、2に開示されるアルマイト処理が挙げられる。しかしながら、特許文献1の技術において問題となる上記現象はアルマイト処理では起こらない。すなわち、アルマイト処理では、アルミニウム材がどのような形状であっても概ね均一な酸化皮膜が得られる。このように、アルマイト処理とアルカリ交流電解処理とは、反応メカニズムが全く異なることが示唆される。
アルミニウムハンドブック第7版、179〜190頁、2007年、一般社団法人日本アルミニウム協会 日本工業規格JIS H8601、「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜」(1999)
特開平3−229895
本発明は、アルミニウム材の全面にわたって接着性及び密着性に優れた棒状又は管状の表面処理アルミニウム材、ならびに、このような表面処理アルミニウム材の安定した製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、接着性や密着性の低下は、アルミニウム材表面全体における酸化皮膜の形成ムラが原因であること、また、それを防止するためには、アルカリ交流電解処理において、一方の電極となるアルミニウム材表面と対電極との離間距離の変動を小さくすることが有効であることを見出した。
すなわち、本発明は請求項1において、表面に酸化皮膜が形成された棒状又は管状のアルミニウム材であって、前記酸化皮膜は表面側に形成された厚さ20〜500nmの多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成された厚さ3〜30nmのバリア型アルミニウム酸化皮膜層とから成り、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層には直径5〜30nmの小孔が形成されており、当該アルミニウム材表面全体における前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層との合計厚さの変動幅が、当該合計厚さの算術平均値の±50%以内であることを特徴とする表面処理アルミニウム材とした。
また、本発明は請求項2において、請求項1に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法であって、棒状又は管状のアルミニウム材の電極と当該電極を軸方向に沿って取囲む対電極とを用い、前記アルミニウム材の電極の全ての面が対電極に対して平行に対面し、両電極が互いに対面する部分における両電極の最大離間距離をその最小離間距離の150%以下として、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理を行うことを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方法とした。更に、本 発明は請求項3では請求項2において、前記アルミニウム材の電極が、長方形断面を有す る角管状であり、前記対電極が、長方形の径方向断面を有する角管状であり、当該対電極 の4つの内面に対してアルミニウム材の4つの表面がそれぞれ平行に対面するように、前 記アルミニウム材電極を対電極内に配置したものとした。
更に、本発明は請求項において、請求項1に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法であって、棒状又は管状のアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で、前記アルミニウム材の電極を軸回りに1回以上回転させながら交流電解処理を行うことを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方法とした。
本発明は請求項では請求項2〜4のいずれか一項において、前記対電極を黒鉛電極とするものとした。
本発明により、アルミニウム材の表面に樹脂などに対して高接着性で高密着性の酸化皮膜が均一に形成されるため、アルミニウム材全面にわたって接着性及び密着性に優れた表面処理アルミニウム材を安定して得ることができる。
具体的には、アルミニウム材表面の酸化皮膜を多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層との二層構造とする。そして、アルミニウム材の表面側に形成された20〜500nmの厚さを有し、かつ、直径5〜30nmの小孔を有する多孔性アルミニウム酸化皮膜層によって、それ自身の凝集破壊を抑制しつつその表面積を増大させることにより密着性を向上させる。また、アルミニウムの素地側に形成された3〜30nmの厚さを有するバリア型アルミニウム酸化皮膜層によって、それ自身の凝集破壊を抑制しつつアルミニウム素地と多孔性アルミニウム酸化皮膜層とを結合して接着性及び密着性を向上させる。更に、アルミニウム材表面全体における酸化皮膜の合計厚さの変動幅を、この合計厚さの算術平均値の±50%以内とすることによって、アルミニウム材表面の全体にわたって優れた接着性及び密着性が発揮される。
このようにして得られるアルミニウム材はその優れた接着性により、既存技術に基づく各種接着剤を用いた場合において極めて大きな接着強度が得られる。また、その優れた密着性により、例えば既存技術に基づく各種塗料、具体的には水性塗料、溶剤性塗料、粉体塗料、電着塗料等を塗装する際の下地処理として用いた場合において極めて大きな塗膜密着強度が得られる。
また、本発明に係る製造方法では、交流電解処理条件を適切に設定することによって、上記表面処理アルミニウム材を安定して製造することができる。
本発明に係る表面処理アルミニウム材の模式図である。
以下に、本発明の詳細を順に説明する。図1に示すように、本発明に係る表面処理アルミニウム材1は、一方の表面に酸化皮膜2が形成されており、この酸化皮膜2は表面側に形成された多孔性アルミニウム酸化皮膜層3と素地5側に形成されたバリア型アルミニウム酸化皮膜層4とから成る。そして、多孔性アルミニウム酸化皮膜層3には小孔31が形成されている。
A.アルミニウム材
本発明に用いるアルミニウム材としては、純アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられる。アルミニウム合金の成分には特に制限無く、JISに規定される合金をはじめとする各種合金を使用することができる。本発明に用いられるアルミニウム材の形状は棒状又は管状であり、従来技術に基づく押出加工や引抜加工によって成形することができる。ここで、棒状とは中実棒であって、軸方向に垂直な断面が円形の丸棒、断面が四角形(正方形や長方形)の角棒、断面が楕円形の丸棒、断面が三角形や五角形以上の多角形の角棒などをいう。また、管状とは中空管であって、軸方向に垂直な断面が円形や楕円形の丸管、断面が三角形、四角形(正方形や長方形)、五角形以上の多角形の角管などをいう。なお、棒状や管状のアルミニウム材において長さ方向とこれに直交する方向を径方向として、径方向に沿った断面中心を通り、かつ、長さ方向に沿った線を軸と定義する。すなわち、軸方向に垂直な断面とは、径方向に沿った断面である。
B.酸化皮膜
本発明に用いるアルミニウム材の表面には、表面側に形成された多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成されたバリア型アルミニウム酸化皮膜層とが設けられている。すなわち、アルミニウム材表面には、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の二層によって構成される酸化皮膜が設けられている。多孔性アルミニウム酸化皮膜層が強力な接着性や密着性を発揮する一方で、バリア型アルミニウム酸化皮膜層によって、アルミニウム酸化皮膜層全体とアルミニウム素地を強固に結合する。
B−1.多孔性アルミニウム酸化皮膜層
多孔性アルミニウム酸化皮膜層の厚さは、20〜500nmである。20nm未満では厚さが十分でないため、後述する小孔構造の形成が不十分になり易く接着力や密着力が低下する。一方、500nmを超えると、多孔性アルミニウム酸化皮膜層自体が凝集破壊し易くなり接着力や密着力が低下する。
図1に示すように、多孔性アルミニウム酸化皮膜層3は、その表面から深さ方向に向かう小孔31を備える。小孔の直径は5〜30nmであり、好ましくは10〜20nmである。この小孔は、樹脂層や接着剤などとアルミニウム酸化皮膜との接触面積を増大させ、その接着力や密着力を増大させる効果を発揮するものである。小孔の直径が5nm未満であると、接触面積が不足するため十分な接着力や密着力が得られない。一方、小孔の直径が30nmを超えると、多孔性アルミニウム酸化皮膜層全体が脆くなって凝集破壊を生じ接着力や密着力が低下する。
多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面積に対する小孔の全孔面積の比については、特に制限されるものではない。多孔性アルミニウム酸化皮膜層の見かけ上の表面積(表面の微小な凹凸等を考慮せず、長さと幅の乗算で表される面積)に対する小孔の全孔面積の比として、25〜75%が好ましい。25%未満では、接触面積が不足して十分な接着力や密着力が得られない場合がある。一方、75%を超えると、多孔性アルミニウム酸化皮膜層全体が脆くなって凝集破壊を生じ接着力や密着力が低下する場合がある。
B−2.バリア型アルミニウム酸化皮膜層
バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さは、3〜30nmである。3nm未満では、介在層として多孔性アルミニウム酸化皮膜層とアルミニウム素地との結合に十分な結合力を付与することができず、特に、高温・多湿等の過酷環境における結合力が不十分となる。一方、30nmを超えると、その緻密性ゆえにバリア型アルミニウム酸化皮膜層が凝集破壊し易くなり、かえって接着力や密着力が低下する。
B−3.酸化皮膜の全体厚さの変動幅
酸化皮膜全体の厚さ、すなわち、B−1に記載の多孔性アルミニウム酸化皮膜層とB−2に記載のバリア型アルミニウム酸化皮膜層との厚さの合計は、アルミニウム材のいかなる場所で測定しても、その変動幅が±50%以内でなければならない。すなわち、アルミニウム材表面における任意の複数箇所(10箇所以上が望ましく、これら各箇所においても10点以上の測定点とするのが望ましい)で測定した酸化皮膜全体厚さの平均をT(nm)とした場合、これら複数測定箇所の全てにおける酸化皮膜全体厚さが(0.5×T)〜(1.5×T)の範囲にある必要がある。(0.5×T)未満の箇所が存在すると、その箇所の酸化皮膜がその周囲より薄くなる。そうすると、この薄い箇所では、接着すべき接着剤や密着すべき樹脂層などと酸化皮膜との間に隙間が生じ易くなり、十分な接触面積を確保できずに接着力や密着力が低下する。
一方、(1.5×T)を超える箇所が存在すると、その箇所の酸化皮膜が周囲の周囲より厚くなる。そうすると、この厚い箇所では、密着すべき樹脂層などからの応力が集中し、酸化皮膜での凝集破壊を誘発して接着力や密着力が低下する。
なお、上記のような酸化皮膜の全体厚さが薄い箇所や厚い箇所では、周囲と比較して光学的特性が異なるため、茶褐色や白濁色といった色調の変化として目視可能な場合がある。
C.製造方法
C−1.第一の方法
以上のような条件を満たした酸化皮膜を表面に備えた表面処理アルミニウム材を製造するための一つの方法として、棒状又は管状のアルミニウム材の電極とこの電極を軸方向に沿って取囲む対電極とを用い、アルミニウム材の電極と対電極との最大離間距離を最小離間距離の150%以下として、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理することにより、アルミニウム材表面に酸化皮膜を形成する方法を挙げることができる。
交流電解処理工程において、電解溶液として用いるアルカリ水溶液は、りん酸ナトリウム、りん酸水素カリウム、ピロりん酸ナトリウム、ピロりん酸カリウム及びメタりん酸ナトリウム等のりん酸塩や;水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩や;水酸化アンモニウム;或いは、これらの混合物の水溶液を用いることができる。後述するように電解溶液のpHを特定の範囲に保つ必要があることから、バッファー効果の期待できるりん酸塩系物質を含有するアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。このようなアルカリ成分の濃度は、電解溶液のpHが所望の値になるように調整されるが、通常、1×10−4〜1モル/リットルである。なお、これらのアルカリ性水溶液には、汚れ成分に対する除去能力の向上のために界面活性剤を添加してもよい。
電解溶液のpHは9〜13とする必要があり、9.5〜12とするのが好ましい。pHが9未満の場合には、電解溶液のアルカリエッチング力が不足するため多孔性アルミニウム酸化皮膜層の多孔質構造が不完全となる。一方、pHが13を超えると、アルカリエッチング力が過剰になるため多孔性アルミニウム酸化皮膜層が成長し難くなり、更にバリア型アルミニウム酸化皮膜層の形成も阻害される。
電解溶液温度は35〜80℃とする必要があり、40〜70℃とするのが好ましい。電解溶液温度が35℃未満では、アルカリエッチング力が不足するため多孔性アルミニウム酸化皮膜層の多孔質構造が不完全となる。一方、80℃を超えるとアルカリエッチング力が過剰になるため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層ともに成長が阻害される。
アルカリ交流電解においては、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層を含めた酸化皮膜全体の厚さは、電気量、すなわち電流密度と電解時間の積によって制御され、基本的に電気量が多いほど酸化膜全体の厚さが増加する。このような観点から、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の交流電解条件は以下の通りとする。
用いる周波数は20〜100Hzである。20Hz未満では、電気分解としては直流的要素が高まる結果、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の多孔質構造の形成が進行せず、緻密構造となってしまう。一方、100Hzを超えると、陽極と陰極の反転が速すぎるため、酸化皮膜全体の形成が極端に遅くなり、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層ともに、所定の厚さを得るには極めて長時間を要することになる。
電流密度は4〜50A/dmとする必要がある。電流密度が4A/dm未満では、バリア型アルミニウム酸化皮膜層のみが優先的に形成されるために多孔性アルミニウム酸化皮膜層が得られない。一方、50A/dmを超えると、電流が過大になるため多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ制御が困難となり処理ムラが起こり易い。
電解時間は5〜60秒とする必要がある。5秒未満の処理時間では、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の形成が急激過ぎるため、いずれの酸化皮膜層も十分に形成されず、不定形のアルミニウム酸化物から構成される酸化皮膜となるためである。一方、60秒を超えると、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層が厚くなり過ぎたり再溶解するおそれがあるだけでなく、生産性も低下する。
電解処理の対極となる電極は、アルミニウム材を軸方向に沿って取囲む形状を有する。そして、一方の電極であるアルミニウム材と対電極との最大離間距離を、最小離間距離の150%以下とする必要がある。アルミニウム材の電極と対電極と距離、すなわち電極間距離の場所毎のバラツキを極力小さくすることで、アルミニウム材表面全体に電流が回り込み、均一な酸化皮膜を形成することができる。最大離間距離が最小離間距離の150%を超えて場所毎のバラツキが大きくなると、離間距離が小さいアルミニウム材表面部位に集中的に酸化皮膜が形成される傾向が強まり、アルミニウム材全体としての接着性や密着性が低下する。両電極の離間距離を上記のような範囲とするには、例えば、アルミニウム材電極の断面形状と相似形の内面形状であって、アルミニウム材電極の断面よりも大きな内面を有する筒状の電極を用い、アルミニウム材の電極を筒状電極の内部の中央に配置して電解する方法を挙げることができる。
対電極としては、電解溶液のアルカリ成分や温度に対して劣化せず、導電性に優れ、更に、それ自身が電気化学的反応を起こさない材質のものを使用する必要がある。このような点から、対電極としては黒鉛電極が好適に用いられる。これは、黒鉛電極が化学的に安定であり、かつ、安価で入手が容易であることに加え、黒鉛電極に存在する多くの気孔の作用により交流電解工程において電気力線が適度に拡散するため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層が共により均一になり易いためである。なお、黒鉛電極の他に、チタン電極を用いてもよい。
C−2.第二の方法
更に第二の方法として、棒状又は管状のアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で、アルミニウム材の電極を軸回りに1回以上回転させながら交流電解処理することにより、アルミニウム材表面に酸化皮膜を形成する方法を挙げることができる。
電解溶液の組成、pH及び温度、ならびに、電解条件としての周波数、電流密度及び電解時間については、第一の方法と同じである。

第二の方法では、アルミニウム材の電極の表面に均一な酸化皮膜層を形成するために、電極間距離の場所毎のバラツキを極力小さくする点では第一の方法と同じである。しかしながら、第一の方法ではアルミニウム材は静止状態にあるのに対して、この第二の方法ではアルミニウム材を軸回りに回転させながら電解処理する点で相違する。アルミニウム材を軸回りに1回以上回転させることで、アルミニウム材の表面全体を均一な電気的環境に晒すことができるため、均一な酸化皮膜層が形成される。ここで、アルミニウム材を軸回りに回転させるとは上記の軸の定義に従って、アルミニウム材の径方向に沿った断面中心を通り、かつ、長さ方向に沿った線である軸を中心としてその回りを回転することを意味する。
第二の方法においては、電解処理工程中にアルミニウム材を軸回りに1回以上回転させる必要がある。従って、電解時間内に1回転以上するように、アルミニウム材の電極の回転速度が設定される。電解時間は5〜60秒に設定されているので、回転速度は毎分1回転以上とする必要がある。一方、毎分100回転を超える回転速度では、アルミニウム材の電極表面近傍に、回転による攪拌に伴う気泡(キャビテーション)が発生して電解処理性能を損なう場合がある。
本発明における多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の構造観察と厚さの測定には、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察が好適に用いられる。具体的には、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ、ならびに、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径は、ウルトラミクロトームにより薄片試料を作製し、TEM観察することによって測定できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
実施例1〜17及び比較例1〜12
アルミニウム材として、長方形断面(外側の縦50mm×外側の横20mm)を有する角管状アルミニウム押出材(板厚2.0mm、JIS6063−T4、長さ150mm)を使用した。このアルミニウム材を一方の電極に用い、表1に示す形状と寸法の黒鉛電極を対電極に用いた。表1に示すように、Aでは平板状の黒鉛電極とアルミニウム材とを平行に対面するように配置した。また、B〜Eでは、正方形又は長方形の径方向断面を有する角管状黒鉛電極の4つの内面に対してアルミニウム材の4つの表面がそれぞれ平行に対面するように、アルミニウム材を黒鉛電極内に配置した。AとEの配置ではアルミニウム材を軸回りに回転させることによりアルミニウム材の4つの表面それぞれに、また、B、C及びDの配置ではアルミニウム材の4つの表面それぞれに、表面側の多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側のバリア型アルミニウム酸化皮膜層が形成される。実施例14〜17ではアルミニウム材を軸回りに回転させ、他の実施例と比較例では、アルミニウム材を回転させなかった。
Figure 0006168723
ピロりん酸ナトリウムを主成分とするアルカリ水溶液を、電解溶液として用いた。電解溶液のアルカリ成分濃度は、0.5モル/リットルとするとともに、塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液(いずれも濃度0.1モル/リットル)によってpHの調整を行なった。表2に示す電解条件にて、交流電解処理を実施して多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層を形成した。
Figure 0006168723
以上のようにして作製した供試材に対し、TEMにより断面観察を実施した。具体的には、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ、ならびに、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径を測定するために、ウルトラミクロトームを用いて供試材から断面観察用薄片試料を作製した。供試材の試料採取箇所は、実施例1〜17及び比較例1〜10、12においては、20mm×150mmの2つの面のいずれか一方から任意に1箇所選択した。比較例11では、50×150mmの2つ面のうち対電極面に平行に対面している方の面から任意に1箇所選択した。次いで、この薄片試料において観察視野(1μm×1μm)中の任意の10点を選択してTEM断面観察により、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ、ならびに、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径を各点で測定した(第1測定)。これらの厚さと直径については、10点の測定値の算術平均値を表3の第1測定に示す。
Figure 0006168723
次いで、供試材全体の表面における多孔性アルミニウム酸化皮膜とバリア型アルミニウム酸化皮膜の合計厚さの変動を調べるために第2測定を行った。この第2測定では、20mm×150mmの2つの面及び50×150mmの2つ面のそれぞれから任意に3箇所ずつ選択し、第1測定と同様にしてウルトラミクロトームにより薄片試料を12個作製した。そして、これら12個の薄片試料の各々についても第1測定と同様に、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さを10点測定した。そして、全部で12個の上記薄片試料における全120点の多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さの測定結果から、各点における多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さを足し算して合計厚さを求めて各点における酸化皮膜厚さとした。このようにして求めた120点の酸化皮膜厚さにおける最大値、最小値、ならびに、算術平均値を表3の第2測定に示した。更に、これら120点の酸化皮膜厚さの変動幅が算術平均値の±50%以内にあるか否かについても調べた。具体的には、算術平均値をT(nm)とした場合に、最大値及び最小値を含めた全ての合計厚さが(0.5×T)〜(1.5×T)の範囲にある場合を合格(○)とし、範囲にない場合を不合格(×)として、表3の第2測定に示した。
上記供試材に対し、以下の方法にて接着剤を用いた接着性と塗膜に対する密着性を評価した。
〔接着性評価〕
上記供試材に対し、透明感圧付着テープを12mm×30mmに貼り付け、指で十分に圧着した後に、貼り付け面に対して垂直方向に剥がす剥離試験を実施した。この際、デジタル荷重計によって剥離荷重を測定するとともに、供試材表面への糊残り状態を評価した。この評価試験は、供試材における20mm×150mmの2つの面及び50×150mmの2つ面のそれぞれから任意に3箇所ずつを選択して合計12箇所について実施し、下記基準で評価した。
○:最大剥離荷重が10N/cm以上で、かつ、テープの糊が供試材表面に完全に移行した状態
△:最大剥離荷重が7N/cm以上10N/cm未満、又は、テープの糊の一部のみが供試材表面に移行した状態
×:最大剥離荷重が7N/cm未満、又は、テープの糊が供試材表面に全く移行しない状態
結果を表4に示す。同表には、12箇所のうち上記○、△、×の箇所の数をそれぞれ示すが、全てが○の場合を合格、それ以外を不合格と判定した。
Figure 0006168723
〔密着性評価〕
上記供試材の表面に大日本塗料(株)製「Vフロン#2000」を塗布しこれを乾燥して(160℃,20分)、30μmの厚さの樹脂塗膜を形成した密着性試験片を作製した。JIS−K5600−5−6に準拠した方法で、この密着性試験片の樹脂塗膜にカッターナイフを用いて1mm角の碁盤目カットを入れた。次いで、試験片に125℃で30分のレトルト浸漬処理を施した後に、直ちに処理液から取り出して水分をふき取った。この試験片に対して、透明感圧付着テープによる剥離試験により塗膜残存率を調べた。この評価試験は、供試材における20mm×150mmの2つの面及び50×150mmの2つ面のそれぞれから任意に3箇所ずつを選択して合計12箇所について実施し、下記基準で評価した。
○:塗膜残存率が100%のもの
△:塗膜残存率が75%以上100%未満のもの
×:塗膜残存率が75%未満のもの
結果を表4に示す。同表には、12箇所のうち上記○、△、×の箇所の数をそれぞれ示すが、全てが○の場合を合格、それ以外を不合格と判定した。
実施例1〜17ではいずれも、酸化皮膜合計厚さの変動幅、接着性評価及び密着性評価が合格判定であった。これに対して比較例1〜12では、下記の理由により不合格判定であった。
比較例1では、交流電解処理における電解溶液のpHが低過ぎたため、アルカリエッチング力が不足した。そのため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔直径が不足し、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例2では、交流電解処理における電解溶液のpHが高過ぎたため、アルカリエッチング力が過剰になった。そのため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが不足し、また多孔性アルミニウム皮膜の小孔直径が過大となり、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例3では、交流電解処理における電解溶液の温度が低過ぎたため、アルカリエッチング力が不足した。そのため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の多孔質構造が不完全となり小孔直径が不足し、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例4では、交流電解処理における電解溶液の温度が高過ぎたため、アルカリエッチング力が過剰になった。そのため、多孔性アルミニウム皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが不足し、酸化皮膜合計厚さの変動幅、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例5では、交流電解処理における周波数が低過ぎたため、電気的状態が直流電解に近づいた。そのため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の形成が進行せず、バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが過大となった。そのため、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例6では、交流電解処理における周波数が高過ぎたため、陽極と陰極の反転が速過ぎた。そのため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の形成が極端に遅くなりその厚さが不足し、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例7では、交流電解処理における電流密度が低過ぎたため、バリア型アルミニウム酸化皮膜層が優先的に形成された。そのため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の厚さが不足し、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例8では、交流電解処理における電流密度が高過ぎたため、電解処理において電解溶液中にスパークが発生する等、制御が不安定になった。そのため、酸化膜全体が過剰に形成され、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが過大となる一方で、酸化皮膜合計厚さが極端に少ない部分も発生した。その結果、酸化皮膜合計厚さの変動幅、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例9では、交流電解処理における電解処理時間が短過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層が十分に形成されなかった。そのため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが不足し、酸化皮膜合計厚さの変動幅、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例10では、交流電解処理における電解処理時間が長過ぎたため、酸化膜全体が過剰に形成された。そのため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層が厚くなり過ぎ、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例11では、黒鉛電極板に平行に対面したアルミニウム材表面にのみ酸化皮膜が形成され、その他3つの面には酸化皮膜が殆ど形成されなかった。そのため、これら3つ面における酸化皮膜合計厚さの変動幅、接着性及び密着性が不合格であった。
比較例12では、対電極である黒鉛電極がアルミニウム材の電極を軸方向に沿って取囲むように両電極が配置されていたが、電極間距離の最大値が、最小値の150%を超えた。そのため、特に電極間距離の大きな2つ面(50mm×150mmの2つの面)において酸化皮膜の形成が十分に進行せず、酸化皮膜合計厚さの変動幅、接着性及び密着性が不合格であった。
本発明によれば、棒状又は管状のアルミニウム材全面にわたって接着性及び密着性に優れた表面処理アルミニウム材を安定して得ることができる。
1・・・表面処理アルミニウム材
2・・・酸化皮膜
3・・・多孔性アルミニウム酸化皮膜層
31・・・小孔
4・・・バリア型アルミニウム酸化皮膜層
5・・・素地

Claims (5)

  1. 表面に酸化皮膜が形成された棒状又は管状のアルミニウム材であって、前記酸化皮膜は表面側に形成された厚さ20〜500nmの多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成された厚さ3〜30nmのバリア型アルミニウム酸化皮膜層とから成り、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層には直径5〜30nmの小孔が形成されており、当該アルミニウム材表面全体における前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層との合計厚さの変動幅が、当該合計厚さの算術平均値の±50%以内であることを特徴とする表面処理アルミニウム材。
  2. 請求項1に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法であって、棒状又は管状のアルミニウム材の電極と当該電極を軸方向に沿って取囲む対電極とを用い、前記アルミニウム材 の電極の全ての面が対電極に対して平行に対面し、両電極が互いに対面する部分における両電極の最大離間距離をその最小離間距離の150%以下として、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理を行うことを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方法。
  3. 前記アルミニウム材の電極が、長方形断面を有する角管状であり、前記対電極が、長方 形の径方向断面を有する角管状であり、当該対電極の4つの内面に対してアルミニウム材 の4つの表面がそれぞれ平行に対面するように、前記アルミニウム材電極を対電極内に配 置した、請求項2に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法。
  4. 請求項1に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法であって、棒状又は管状のアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で、前記アルミニウム材の電極を軸回りに1回以上回転させながら交流電解処理を行うことを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方法。
  5. 前記対電極を黒鉛電極とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法。
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