以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1及び図2を参照して、本実施の形態の半導体装置1は、主に、半導体素子2、接合部3、及び支持部材4を備える。
半導体素子2として、半導体レーザ素子のような光半導体素子、またはパワー半導体素子を例示することができる。半導体素子2は、半導体基板21と、半導体層22と、第1の電極23と、他方の電極24とを有する。半導体基板21の材料として、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、インジウムリン(InP)、炭化シリコン(SiC)、シリコン(Si)を例示することができる。半導体層22は、半導体素子2の機能を奏する層を含む。例えば、半導体素子2が半導体レーザ素子である場合には、半導体層22は、レーザ光を放射する活性層を含む。半導体素子2がパワー半導体素子である場合には、半導体層22は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、または絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を構成する半導体層を含んでもよい。
第1の電極23は、半導体素子2の電極のうち、支持部材4側に位置する電極である。第1の電極23は、金(Au)を含んでいてもよい。本実施の形態では、第1の電極23の材料は、金(Au)である。第1の電極23と半導体層22との密着力を高めるために、第1の電極23と半導体層22との間に、図示しない密着層が設けられてもよい。密着層として、ニッケル(Ni)/パラジウム(Pd)/金(Au)を例示することができる。他方の電極24は、半導体素子2の電極のうち、支持部材4と反対側に位置する電極である。他方の電極24は、金(Au)を含んでいてもよい。他方の電極24の材料として、金(Au)、ニッケル(Ni)/パラジウム(Pd)/金(Au)を例示することができる。
支持部材4は、半導体素子2を支持する部材である。支持部材4として、サブマウント、絶縁基板を例示することができる。支持部材4は、半導体基板21及び半導体層22の少なくとも1つと異なる熱膨張係数を有してもよい。半導体素子2で発生する熱を効率的に放散するために、支持部材4は、高い熱伝導率を有することが好ましい。支持部材4の材料として、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、銅(Cu)、銅(Cu)合金を例示することができる。
支持部材4は、第2の電極5を含む。第2の電極5は、金(Au)を含んでいない。接合部3と接する第2の電極5の表面は、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料であってもよい。このような材料として、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)を例示することができる。接合部3と接する第2の電極5の表面は、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)のいずれかで形成されていてもよい。第2の電極5は、例えば、ニッケル(Ni)コーティング層が施されたアルミニウム(Al)、チタン(Ti)/白金(Pt)、銅(Cu)のいずれかで形成されてもよい。ニッケル(Ni)コーティング層は、第2のはんだ層33と第2の電極5との密着性を高めるために設けられている。チタン(Ti)は、支持部材4と第2の電極5との密着性を高めるために設けられている。
第2の電極5と、錫(Sn)を含むはんだ合金から構成される第2のはんだ層33との界面に、金属間化合物が形成されることがある。接合部3と接する第2の電極5の表面が、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料で形成されるため、この金属間化合物の膜厚は、AuSn4の金属間化合物の膜厚よりも小さい。また、金属間化合物の生成量が少ないため、第2のはんだ層33と第2の電極5との界面にカーケンダルボイドが多量に発生することを防止することができる。そのため、接合部3の信頼性が低下することをさらに抑制することができる。
半導体素子2と支持部材4との間に接合部3が設けられる。接合部3は、半導体素子2の第1の電極23と支持部材4の第2の電極5とを接合する。接合部3は、半導体素子2側から順に、第1のはんだ層31と、拡散防止層32と、第2のはんだ層33とを含む。接合材料3pを加熱し、溶融し、冷却することによって、接合部3が形成される。
第1のはんだ層31は、金(Au)を含むはんだ合金から形成されてもよい。第1のはんだ層31は、金錫(Au−Sn)系はんだ合金で構成されてもよい。金錫(Au−Sn)系はんだ合金は、金錫(Au−Sn)はんだ合金、または、金(Au)と錫(Sn)と他の金属元素を含み、他の金属元素は金(Au)及び錫(Sn)よりも含有量が少ないはんだ合金を意味する。本実施の形態では、第1のはんだ層31は、Au5SnとAuSnとで構成される金錫(Au−Sn)はんだ合金である。金錫(Au−Sn)はんだ合金は、70Au−Snと82Au−Snとの間の組成を有してもよい。本明細書において、元素記号の前の数字は、はんだ合金中の当該元素の割合を重量パーセントで表した数字である。例えば、70Au−Snは、金(Au)を70重量%含む金錫(Au−Sn)はんだ合金を意味する。より特定的には、第1のはんだ層31を構成する金錫(Au−Sn)はんだ合金の組成は、80Au−Snであってもよい。80Au−Snはんだ合金の融点は280℃である。
第1のはんだ層31を構成する金錫(Au−Sn)はんだ合金の組成は、70Au−Snと80Au−Snとの間であってもよい。接合部3の第1のはんだ層31の組成を70Au−Snと80Au−Snとの間に定めることにより、金(Au)の含有量が多い第1のはんだ層31を得ることができる。そのため、接合材料3pを加熱する際に、第1のはんだ層31と拡散防止層32との界面に金属間化合物が形成されて、第1のはんだ層31中に含まれる錫(Sn)の量が減少しても、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1の上昇を抑制することができる。そのため、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1が上昇して、第1のはんだ層31の溶融が十分でないことによる、接合部3における半導体素子2と支持部材4との接合不良を防止することができる。
第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する。第2のはんだ層33の第2の融点Tm2は、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも、10℃以上、好ましくは30℃以上、さらに好ましくは50℃以上低くてもよい。第2のはんだ層33は、室温(25℃)よりも、100℃以上高い第2の融点Tm2を有してもよい。第2のはんだ層33は錫(Sn)を含む。第2のはんだ層33は、金(Au)を含まない。第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31よりも、金(Au)の含有量が少なく、かつ、錫(Sn)の含有量が多いため、第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有してもよい。第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31と同程度の厚さを有してもよい。第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31と同程度の体積を有してもよい。
第2のはんだ層33は、錫ビスマス(Sn−Bi)系はんだ合金、錫銀(Sn−Ag)系はんだ合金、錫銅(Sn−Cu)系はんだ合金、錫亜鉛(Sn−Zn)系はんだ合金のいずれかで形成されてもよい。錫ビスマス(Sn−Bi)系はんだ合金は、錫ビスマス(Sn−Bi)合金、または、錫(Sn)とビスマス(Bi)と他の金属元素を含み、他の金属元素は錫(Sn)及びビスマス(Bi)よりも含有量が少ない合金を意味する。他の元素として、銀(Ag)、銅(Cu)、インジウム(In)を例示することができる。
特定的には、錫ビスマス(Sn−Bi)系はんだ合金として、Sn−57Bi、Sn−1Ag−57Biを例示することができる。錫銀(Sn−Ag)系はんだ合金は、錫銀(Sn−Ag)合金、または、錫(Sn)と銀(Ag)と他の金属元素を含み、他の金属元素は錫(Sn)及び銀(Ag)よりも含有量が少ない合金を意味する。
他の元素として、銅(Cu)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)を例示することができる。錫銅(Sn−Cu)系はんだ合金は、錫銅(Sn−Cu)合金、または、錫(Sn)と銅(Cu)と他の金属元素を含み、他の金属元素は錫(Sn)及び銅(Cu)よりも含有量が少ない合金を意味する。他の元素として、銀(Ag)、ニッケル(Ni)を例示することができる。錫亜鉛(Sn−Zn)系はんだ合金は、錫亜鉛(Sn−Zn)合金、または、錫(Sn)と亜鉛(Zn)と他の金属元素を含み、他の金属元素は錫(Sn)及び亜鉛(Zn)よりも含有量が少ない合金を意味する。他の元素として、ビスマス(Bi)を例示することができる。本実施の形態では、第2のはんだ層33は、138℃の第2の融点Tm2を有するSn−57Biはんだ合金で形成されている。
拡散防止層32は、金(Au)を含まない。そのため、第2のはんだ層が錫を含んでいても、拡散防止層32と第2のはんだ層33との界面に、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることがない。
拡散防止層32は、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間に位置する。拡散防止層32は、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する。第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散によってAuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が大きな膜厚で形成されることを、拡散防止層32は抑制することができる。
また、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2よりも高い第1の融点Tm1を有する第1のはんだ層31が第2のはんだ層33に拡散して、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2が上昇することを、拡散防止層32によって防止することができる。例えば、第1のはんだ層31が金(Au)を含む場合、拡散防止層32によって、第1のはんだ層31に含まれる金(Au)が、第2のはんだ層33に拡散して、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2が上昇することを防止することができる。そのため、接合材料3pの第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と室温のような第2の温度T2との温度差が増大することを抑制することができる。
拡散防止層32を構成する材料は、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料であってもよい。拡散防止層32を構成する材料は、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料であってもよい。金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料である、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料として、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)を例示することができる。
拡散防止層32と、錫(Sn)を含むはんだ合金から構成される第2のはんだ層33との界面に、金属間化合物が形成されることがある。例えば、拡散防止層32がニッケル(Ni)で構成される場合、拡散防止層32と、錫(Sn)を含むはんだ合金から構成される第2のはんだ層33との界面に、Ni3Sn4で構成される金属間化合物が形成されることがある。しかし、Ni3Sn4からなる金属間化合物の厚さは、AuSnからなる金属間化合物の厚さの4分の1未満にすぎない。
拡散防止層32が鉄(Fe)で構成される場合、拡散防止層32と、錫(Sn)を含むはんだ合金から構成される第2のはんだ層33との界面に、FeSn2で構成される金属間化合物が形成されることがある。しかし、鉄(Fe)の錫(Sn)に対する拡散速度は、ニッケル(Ni)の錫(Sn)に対する拡散速度よりも遅く、金(Au)の錫(Sn)に対する拡散速度の約1万分の1にすぎない。拡散防止層32が鉄(Fe)からなる場合には、拡散防止層32がニッケル(Ni)からなる場合よりも、拡散防止層32を薄くすることができる。
本実施の形態では、拡散防止層32が、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料で形成されるため、この金属間化合物の膜厚を、AuSn4の金属間化合物の膜厚よりも小さくすることができる。また、金属間化合物の生成量が少ないため、第2のはんだ層33と拡散防止層32との界面、及び第1のはんだ層31と拡散防止層32との界面に、カーケンダルボイドが多量に発生することを防止することができる。そのため、接合部3の信頼性が低下することを抑制することができる。
拡散防止層32は、1μm以上100μm以下、好ましくは1μm以上50μm以下、さらに好ましくは5μm以上10μm以下を有してもよい。拡散防止層32は、第1のはんだ層31及び第2のはんだ層のそれぞれよりも薄くてもよい。拡散防止層32は、第1のはんだ層31及び第2のはんだ層のそれぞれよりも小さな体積を有してもよい。
半導体素子2で発生する熱を効率的に放散するために、半導体装置1は、半導体素子2と反対側の支持部材4上に、ヒートシンク6をさらに備えてもよい。ヒートシンク6として、銅板を例示することができる。
半導体素子2の他方の電極24と支持部材4の第2の電極5とは、配線7を通じて、電源8と電気的に接続されている。配線7として、金(Au)ワイヤを例示することができる。電源8から、電圧及び電流の少なくとも1つを半導体素子2の第1の電極23と他方の電極24との間に印加して、半導体素子2を動作させる。
図3から図7を参照して、本実施の形態の半導体装置1の製造方法及び接合材料3pについて説明する。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、半導体素子2の第1の電極23と、半導体素子2を支持する支持部材4の第2の電極5との間に、接合材料3pを設ける。支持部材4の第2の電極5上に接合材料3pを形成し(図3を参照)、それから、接合材料3pの上に半導体素子2を載置すること(図4を参照)によって、半導体素子2の第1の電極23と、半導体素子2を支持する支持部材4の第2の電極5との間に、接合材料3pを設けてもよい。
支持部材4の第2の電極5上に接合材料3pを形成すること(図3を参照)は、めっき、または蒸着のような方法によって、支持部材4の第2の電極5上に第2のはんだ層33を形成することと、めっき、または蒸着のような方法によって、第2のはんだ層33上に拡散防止層32を形成することと、めっき、または蒸着のような方法によって、拡散防止層32上に第1のはんだ層31を形成することとを含んでもよい。
本実施の形態では、第1のはんだ層31は、金錫(Au−Sn)系合金で形成されている。第1のはんだ層31は、接合部3の最上層である。周囲の雰囲気に露出する接合部3の最上面、すなわち、半導体素子2に最も近い面は、金錫(Au−Sn)系はんだ合金からなる第1のはんだ層31で形成されている。そのため、本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、フラックスを準備する必要がなく、かつ、周囲の雰囲気を水素ガスなどの還元雰囲気とする必要が無い。
接合材料3pの上に半導体素子2を載置すること(図4を参照)は、例えば、以下のように行ってもよい。接合材料3pが形成された支持部材4をステージ80上に載置する。カメラなどの観察装置90で、半導体素子2及び接合材料3pの位置を認識する。吸着装置などの保持部81によって半導体素子2を保持しながら、保持部81を有する搬送装置82によって、半導体素子2を接合材料3p上に位置決めして載置する。
接合材料3pは、第1のはんだ層31と、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する第2のはんだ層33と、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間に設けられた拡散防止層32とを備える。拡散防止層32は、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する。第2のはんだ層33は錫(Sn)を含む。拡散防止層32と第2のはんだ層33とは、金(Au)を含まない。第1のはんだ層31は、金(Au)を含むはんだ合金から形成されてもよい。
第1のはんだ層31は、金錫(Au−Sn)系合金で構成されてもよい。第1のはんだ層31は、金錫(Au−Sn)合金であり、この金錫(Au−Sn)合金は、70Au−Snと82Au−Snとの間の組成を有してもよい。
第2のはんだ層33は、錫ビスマス(Sn−Bi)系はんだ合金、錫銀(Sn−Ag)系はんだ合金、錫銅(Sn−Cu)系はんだ合金、錫亜鉛(Sn−Zn)系はんだ合金のいずれかで形成されてもよい。
拡散防止層32を構成する材料は、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料であってもよい。拡散防止層32を構成する材料は、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料であってもよい。拡散防止層32は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)のいずれかで形成されてもよい。
図5及び図6を参照して、本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、接合材料3pを、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1以上の第1の温度T1で加熱する。接合材料3pを加熱することは、図5に示すように、ステージ80に接続された加熱装置84によって、ステージ80及び支持部材4を加熱し、加熱されたステージ80及び支持部材4によって、接合材料3pを加熱してもよい。赤外線ヒータまたは熱風ヒータによって、半導体素子2と支持部材4との周囲を加熱することによって、接合材料3pを加熱してもよい。
半導体素子2または支持部材4の温度を測定するために、保持部81、またはステージ80は、図示しない温度測定部を有してもよい。この温度測定部により測定された半導体素子2または支持部材4の温度に基いて、加熱装置84を制御してもよい。この温度測定部により測定された半導体素子2または支持部材4の温度に基いて、加熱装置84を制御することによって、半導体素子2及び支持部材4の温度を確実に第1のはんだ層31の第1の融点Tm1以上に加熱することができる。そのため、第1のはんだ層31の溶融不足による、接合部3における半導体素子2と支持部材4との接合不良を防止することができる。
第1のはんだ層31または第2のはんだ層33が溶融している間に、半導体素子2が移動することを防止するため、第1のはんだ層31または第2のはんだ層33が溶融している間、保持部81で半導体素子2を保持したままにすることが好ましい。
第2のはんだ層33の第2の融点Tm2は、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低いので、第1の温度T1では、第1のはんだ層31及び第2のはんだ層33は溶融している。本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、時間t1の間、接合材料3pの温度を第1の温度T1に保持してもよい。接合材料3pの温度を第1の温度T1に保持する時間t1は、5秒以上5分以下、好ましくは30秒以上3分以下、さらに好ましくは、30秒以上2分以下であってもよい。
図7を参照して、接合材料3pを第1の温度T1で加熱した後、接合材料3pを、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2未満の第2の温度T2まで冷却して、半導体素子2と支持部材4とを接合する接合部3を形成する。加熱装置84によるステージ80の加熱を停止するとともに、図7に示すように、半導体素子2と支持部材4とに冷却装置85から20℃から30℃の温度を有する冷風を吹き付けることによって、接合材料3pを冷却してもよい。第2の温度T2は、20℃から30℃の温度のような室温であってもよい。ステージ80を冷却することによって、接合材料3pを冷却してもよい。
この冷却工程において、接合材料3pの温度が第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低いが第2のはんだ層33の第2の融点Tm2よりも高くなると、第1のはんだ層31は凝固して、半導体素子2の第1の電極23と第1のはんだ層31との接合は完了するが、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する第2のはんだ層33は溶融したままである。この冷却工程において、さらに接合材料3pを冷却して、接合材料3pの温度が第2のはんだ層33の第2の融点Tm2よりも低くなると、第2のはんだ層33も凝固する。第2のはんだ層33が凝固することによって、支持部材4の第2の電極5と第2のはんだ層33との接合も完了する。こうして、半導体素子2の第1の電極23と支持部材4の第2の電極5との接合する接合部3が形成される。第1のはんだ層31または第2のはんだ層33が溶融している間に、半導体素子2が移動することを防止するために、第1のはんだ層31または第2のはんだ層33が溶融している間、保持部81で半導体素子2を保持したままにすることが好ましい。
本実施の形態の半導体装置1、接合材料3p及び半導体装置1の製造方法の効果を説明する。
本実施の形態の半導体装置1は、第1の電極23を有する半導体素子2と、半導体素子2を支持する支持部材4とを備える。支持部材4は、第2の電極5を含む。半導体装置1は、半導体素子2の第1の電極23と支持部材4の第2の電極5とを接合する接合部3を、さらに備える。接合部3は、半導体素子2側から順に、第1のはんだ層31と、拡散防止層32と、第2のはんだ層33とを含む。第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する。拡散防止層32は、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する。第2のはんだ層33は錫(Sn)を含む。第2の電極5と、拡散防止層32と、第2のはんだ層33とは、金(Au)を含まない。
本実施の形態の半導体装置1では、第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する。拡散防止層32は、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する。第1のはんだ層31が第2のはんだ層33に拡散することにより、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2が上昇して、接合部3の第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と室温のような第2の温度T2との温度差が増大することを、拡散防止層32は抑制することができる。そのため、接合材料3pがすべて凝固する温度と室温のような第2の温度T2との温度差、すなわち、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と室温のような第2の温度T2との温度差を小さくすることができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1によれば、半導体素子2と支持部材4との熱膨張係数の差、及び、接合材料3pの融点と室温のような第2の温度T2との温度差によって半導体素子2に発生する応力を低減することができる。
例えば、第2のはんだ層33の材料として、80Au−20Snはんだを用いる比較例では、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と25℃の第2の温度T2との温度差は、255℃である。これに対し、第2のはんだ層33の材料として、138℃の第2の融点Tm2を有するSn−57Biはんだを用いた本実施の形態の一例では、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と25℃の第2の温度T2との温度差は、113℃にまで小さくすることができる。半導体素子2と支持部材4とをバイメタルとみなして、熱応力計算により半導体素子2に加わる応力を求めると、比較例では、半導体素子2に加わる応力が20MPaであるのに対し、本実施の形態の一例では、半導体素子2に加わる応力を9MPaにまで低減することができる。その結果、本実施の形態によれば、比較例よりも、半導体素子2に加わる応力を50%以上低減することができる。
本実施の形態の半導体装置1では、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間に、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する拡散防止層32が設けられている。第2の電極5と、拡散防止層32と、第2のはんだ層33とは、金(Au)を含まない。そのため、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33とが相互に拡散して、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることを、拡散防止層32によって防止することができる。さらに、第2のはんだ層33と拡散防止層32との界面、及び、第2のはんだ層33と支持部材4の第2の電極5の界面との間に、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることがない。その結果、本実施の形態の半導体装置1によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を提供することができる。
本実施の形態の半導体装置1では、第1のはんだ層31は、金錫(Au−Sn)系はんだ合金で形成され、第2のはんだ層33は、錫ビスマス(Sn−Bi)系はんだ合金、錫銀(Sn−Ag)系はんだ合金、錫銅(Sn−Cu)系はんだ合金、錫亜鉛(Sn−Zn)系はんだ合金のいずれかで形成されてもよい。そのため、第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する。接合材料3pがすべて凝固する温度と室温のような第2の温度T2との温度差、すなわち、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と室温のような第2の温度T2との温度差を小さくすることができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1によれば、半導体素子2と支持部材4との熱膨張係数の差、及び、接合材料3pの融点と室温のような第2の温度T2との温度差によって半導体素子2に発生する応力を低減するとともに、信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を提供することができる。
本実施の形態の半導体装置1では、拡散防止層32は、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料で形成されてもよい。そのため、第2のはんだ層33が錫(Sn)を含んでいても、拡散防止層32と第2のはんだ層33との間に、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることがない。その結果、本実施の形態の半導体装置1によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を提供することができる。
本実施の形態の半導体装置1では、拡散防止層32は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)のいずれかで形成されてもよい。ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)は、いずれも、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料である、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料である。そのため、拡散防止層32と第2のはんだ層33との間に金属間化合物が形成されたとしても、この金属間化合物の膜厚は、AuSn4の金属間化合物の膜厚よりも十分に小さい。その結果、本実施の形態の半導体装置1によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を提供することができる。
本実施の形態の半導体装置1では、接合部3と接する第2の電極5の表面は、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料で形成されてもよい。そのため、第2のはんだ層33が錫(Sn)を含んでいても、第2の電極5と第2のはんだ層33との間に、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることがない。その結果、本実施の形態の半導体装置1によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を提供することができる。
本実施の形態の半導体装置1では、接合部3と接する第2の電極5の表面は、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)のいずれかで形成されてもよい。ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)はいずれも、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料である、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料である。そのため、第2の電極5と第2のはんだ層33との間に金属間化合物が形成されたとしても、この金属間化合物の膜厚は、AuSn4の金属間化合物の膜厚よりも十分に小さい。その結果、本実施の形態の半導体装置1によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を提供することができる。
本実施の形態の接合材料3pは、第1のはんだ層31と、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する第2のはんだ層33と、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間に設けられた拡散防止層32とを備える。拡散防止層32は、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する。第2のはんだ層33は錫(Sn)を含む。拡散防止層32と第2のはんだ層33とは、金(Au)を含まない。
本実施の形態の接合材料3pは、第1のはんだ層31と、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する第2のはんだ層33と、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間に設けられた拡散防止層32とを備える。拡散防止層32は、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する。第1のはんだ層31が第2のはんだ層33に拡散することにより、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2が上昇して、接合材料3pの第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と室温のような第2の温度T2との温度差が増大することを、拡散防止層32は抑制することができる。そのため、半導体素子2と支持部材4との熱膨張係数の差、及び、接合材料3pの融点と室温のような第2の温度T2との温度差によって半導体素子2に発生する応力を低減することができる。
例えば、第2のはんだ層33の材料として、80Au−20Snはんだを用いる比較例では、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と25℃の第2の温度T2との温度差は、255℃である。これに対し、第2のはんだ層33の材料として、138℃の第2の融点Tm2を有するSn−57Biはんだを用いた本実施の形態の一例では、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と25℃の第2の温度T2との温度差は、113℃にまで小さくすることができる。半導体素子2と支持部材4とをバイメタルとみなして、熱応力計算により半導体素子2に加わる応力を求めると、比較例では、半導体素子2に加わる応力が20MPaであるのに対し、本実施の形態の一例では、半導体素子2に加わる応力を9MPaにまで低減することができる。その結果、本実施の形態によれば、比較例よりも、半導体素子2に加わる応力を50%以上低減することができる。
本実施の形態の接合材料3pでは、拡散防止層32は、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する。第2のはんだ層33は錫(Sn)を含む。拡散防止層32と第2のはんだ層33とは、金(Au)を含まない。そのため、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33とが相互に拡散してAuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が大きな膜厚で形成されることを、拡散防止層32によって防止することができる。さらに、第2のはんだ層33と拡散防止層32との界面、及び、第2のはんだ層33と支持部材4の第2の電極5との界面に、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることがない。その結果、本実施の形態の接合材料3pによれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を得ることができる。
本実施の形態の接合材料3pでは、第1のはんだ層31は、金錫(Au−Sn)系はんだ合金で形成され、第2のはんだ層33は、錫ビスマス(Sn−Bi)系はんだ合金、錫銀(Sn−Ag)系はんだ合金、錫銅(Sn−Cu)系はんだ合金、錫亜鉛(Sn−Zn)系はんだ合金のいずれかで形成されてもよい。そのため、第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する。接合材料3pがすべて凝固する温度と室温のような第2の温度T2との温度差、すなわち、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と室温のような第2の温度T2との温度差を小さくすることができる。その結果、本実施の形態の接合材料3pによれば、半導体素子2と支持部材4との熱膨張係数の差、及び、接合材料3pの融点と室温のような第2の温度T2との温度差によって半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を得ることができる。
本実施の形態の接合材料3pでは、拡散防止層32は、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料で形成されてもよい。そのため、第2のはんだ層33が錫(Sn)を含んでいても、拡散防止層32と第2のはんだ層33との間に、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることがない。その結果、本実施の形態の接合材料3pによれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を得ることができる。
本実施の形態の接合材料3pでは、拡散防止層32は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)のいずれかで形成されてもよい。ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)は、いずれも、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料である、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料である。そのため、拡散防止層32と第2のはんだ層33との間に金属間化合物が形成されたとしても、この金属間化合物の膜厚は、AuSn4の金属間化合物の膜厚よりも十分に小さい。その結果、本実施の形態の接合材料3pによれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を得ることができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法は、半導体素子2の第1の電極23と、半導体素子2を支持する支持部材4の第2の電極5との間に、接合材料3pを設けることを備える。接合材料3pは、半導体素子2側から順に、第1のはんだ層31と、拡散防止層32と、第2のはんだ層33とを含む。第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する。拡散防止層32は、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する。第2のはんだ層33は錫(Sn)を含む。第2の電極5と、拡散防止層32と、第2のはんだ層33とは、金(Au)を含まない。本実施の形態の半導体装置1の製造方法は、接合材料3pを、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1以上の第1の温度T1で加熱することと、接合材料3pを第1の温度T1で加熱した後、接合材料3pを、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2未満の第2の温度T2まで冷却して、半導体素子2の第1の電極23と支持部材4の第2の電極5とを接合する接合部3を形成することとを、さらに備える。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、第1のはんだ層31と、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する第2のはんだ層33とを有する接合材料3pを第1の温度T1で加熱した後、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2未満の第2の温度T2まで冷却して、接合部3を形成している。拡散防止層32は、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する。第1のはんだ層31が第2のはんだ層33に拡散することにより、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2が上昇して、接合材料3pの第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と室温のような第2の温度T2との温度差が増大することを、拡散防止層32は抑制することができる。そのため、接合材料3pがすべて凝固する温度と室温のような第2の温度T2との温度差、すなわち、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と室温のような第2の温度T2との温度差を小さくすることができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2と支持部材4との熱膨張係数の差、及び、接合材料3pの融点と室温のような第2の温度T2との温度差によって半導体素子2に発生する応力を低減することができる。
例えば、第2のはんだ層33の材料として、80Au−20Snはんだを用いる比較例では、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と25℃の第2の温度T2との温度差は、255℃である。これに対し、第2のはんだ層33の材料として、138℃の第2の融点Tm2を有するSn−57Biはんだを用いた本実施の形態の一例では、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と25℃の第2の温度T2との温度差は、113℃にまで小さくすることができる。半導体素子2と支持部材4とをバイメタルとみなして、熱応力計算により半導体素子2に加わる応力を求めると、比較例では、半導体素子2に加わる応力が20MPaであるのに対し、本実施の形態の一例では、半導体素子2に加わる応力を9MPaにまで低減することができる。その結果、本実施の形態によれば、比較例よりも、半導体素子2に加わる応力を50%以上低減することができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間に、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33との間の相互拡散を防止する拡散防止層32が設けられている。第2の電極5と、拡散防止層32と、第2のはんだ層33とは、金(Au)を含まない。そのため、第1のはんだ層31と第2のはんだ層33とが相互に拡散して、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることを、拡散防止層32によって防止することができる。さらに、第2のはんだ層33と拡散防止層32との界面、及び、第2のはんだ層33と支持部材4の第2の電極5の界面との間に、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることがない。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を製造することができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、第1のはんだ層31は、金錫(Au−Sn)系はんだ合金で形成され、第2のはんだ層33は、錫ビスマス(Sn−Bi)系はんだ合金、錫銀(Sn−Ag)系はんだ合金、錫銅(Sn−Cu)系はんだ合金、錫亜鉛(Sn−Zn)系はんだ合金のいずれかで形成されてもよい。そのため、第2のはんだ層33は、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1よりも低い第2の融点Tm2を有する。接合材料3pがすべて凝固する温度と室温のような第2の温度T2との温度差、すなわち、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2と室温のような第2の温度T2との温度差を小さくすることができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2と支持部材4との熱膨張係数の差、及び、接合材料3pの融点と室温のような第2の温度T2との温度差によって半導体素子2に発生する応力を低減するとともに、信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を製造することができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、拡散防止層32は、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料で形成されてもよい。そのため、第2のはんだ層33が錫(Sn)を含んでいても、拡散防止層32と第2のはんだ層33との間に、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることがない。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を製造することができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、拡散防止層32は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)のいずれかで形成されてもよい。ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)は、いずれも、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料である、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料である。そのため、拡散防止層32と第2のはんだ層33との間に金属間化合物が形成されたとしても、この金属間化合物の膜厚は、AuSn4の金属間化合物の膜厚よりも十分に小さい。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を製造することができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、接合部3と接する第2の電極5の表面は、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料で形成されてもよい。そのため、第2のはんだ層33が錫(Sn)を含んでいても、第2の電極5と第2のはんだ層33との間に、AuSn4のような、硬く、かつ、脆い金属間化合物が、大きな膜厚で形成されることがない。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を製造することができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、接合部3と接する第2の電極5の表面は、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)のいずれかで形成されてもよい。ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)はいずれも、金(Au)に比べて、錫(Sn)への拡散速度が小さい材料である、または、金(Au)に比べて、錫(Sn)と金属間化合物を形成しにくい材料である。そのため、第2の電極5と第2のはんだ層33との間に金属間化合物が形成されたとしても、この金属間化合物の膜厚は、AuSn4の金属間化合物の膜厚よりも十分に小さい。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を製造することができる。
(実施の形態2)
図3から図5、図7、並びに図8を参照して、実施の形態2に係る半導体装置1の製造方法を説明する。実施の形態2の半導体装置1の製造方法は、基本的には、図3から図7に示す実施の形態1の半導体装置1の製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
図8を参照して、本実施の形態の半導体装置1の製造方法は、接合材料3pを第2の温度T2まで冷却することは、接合材料3pの温度を、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1未満かつ第2のはんだ層33の第2の融点Tm2以上の第3の温度T3に保持することを含む。第3の温度T3は、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2よりも、0℃以上20℃以下だけ高いことが好ましく、0℃以上10℃以下だけ高いことがさらに好ましい。すなわち、第3の温度T3と第2のはんだ層33の第2の融点Tm2との温度差ΔT2は、0℃以上20℃以下であることが好ましく、0℃以上10℃以下であることがさらに好ましい。
接合材料3pを第1の温度T1から冷却して、接合材料3pの温度が第3の温度T3に達すると、冷却装置85を停止して、加熱装置84を動作させることによって、接合材料3pの温度を第3の温度T3に保持することができる。接合材料3pの温度を第3の温度T3に保持する時間t2は、10秒以上5分以下であることが好ましく、30秒以上2分以下であることがさらに好ましい。接合材料3pの温度を第3の温度T3に保持する時間t2が経過した後に、加熱装置84を停止して、冷却装置85を動作させることによって、接合材料3pを室温のような第2の温度T2まで冷却する。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法の効果を説明する。本実施の形態の半導体装置1の製造方法の効果は、実施の形態1の半導体装置1の製造方法の効果に加えて、以下の効果を有する。
半導体素子2と、支持部材4と、第2のはんだ層33とは、互いに異なる材料から形成される等の理由によって、半導体素子2と、支持部材4と、第2のはんだ層33とは、互いに異なる熱容量を有することがある。半導体素子2と、支持部材4と、第2のはんだ層33とが互いに異なる熱容量を有するため、半導体素子2と、支持部材4と、第2のはんだ層33との間で温度の下がり方が互いに異なる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、接合材料3pを第2の温度T2まで冷却することは、接合材料3pの温度を、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1未満かつ第2のはんだ層33の第2の融点Tm2以上の第3の温度T3に保持することを含む。そのため、本実施の形態では、半導体素子2と、支持部材4と、第2のはんだ層33とは、互いに異なる熱容量を有していても、接合材料3pを冷却する途中で、半導体素子2の温度と、支持部材4の温度と、第2のはんだ層33の温度との差を小さくすることができる。本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、第2のはんだ層33が凝固し終えた時点における、半導体素子2の温度と支持部材4の温度との差を小さくすることができる。その結果、半導体素子2と支持部材4との熱膨張係数の差、及び、接合材料3pの融点と室温のような第2の温度T2との温度差によって半導体素子2に発生する応力をさらに低減することができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、第3の温度T3は、第2のはんだ層33の第2の融点Tm2よりも0℃以上20℃以下高くてもよい。第2のはんだ層33の第2の融点Tm2よりも0℃以上20℃以下高い第3の温度T3で、接合材料3pの温度を保持するため、第2のはんだ層33が凝固し終えた時点における、半導体素子2の温度と支持部材4の温度との差をより一層小さくすることができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2と支持部材4との熱膨張係数の差、及び、接合材料3pの融点と室温室温のような第2の温度T2との温度差によって半導体素子2に発生する応力をさらに低減することができる。
(実施の形態3)
図3、図4、図6、図7及び図9を参照して、実施の形態3に係る半導体装置1の製造方法を説明する。実施の形態3の半導体装置1の製造方法は、基本的には、図4から図7に示す実施の形態1の半導体装置1の製造方法と同様の工程を備え、同様の効果を得ることができるが、主に以下の点で異なる。
図9を参照して、本実施の形態の半導体装置1の製造方法において、接合材料3pを第1の温度T1で加熱することは、半導体素子2を支持部材4の方向(z方向)に押圧することを含む。半導体素子2を支持部材4の方向(z方向)に押圧するため、半導体素子2の第1の電極23と接合材料3pの第1のはんだ層31との接触が強くなる。そのため、半導体素子2と接合部3との接合力を高めることができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を製造することができる。
(実施の形態4)
図3、図4、図6、図7及び図10を参照して、実施の形態4に係る半導体装置1の製造方法を説明する。実施の形態4の半導体装置1の製造方法は、基本的には、図4から図7に示す実施の形態1の半導体装置1の製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法において、接合材料3pを第1の温度T1で加熱することは、半導体素子2を支持部材4の方向(z方向)に押圧しながら、半導体素子2、接合材料3p及び支持部材4がスタックされる方向(z方向)と交差する方向(例えば、xy面に平行な方向)に、支持部材4に対して半導体素子2を振動させることを含む。本実施の形態では、半導体素子2を支持部材4の方向に、0.5MPa以上の圧力で押圧することが好ましい。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法の効果を説明する。本実施の形態の半導体装置1の製造方法の効果は、実施の形態1の半導体装置1の製造方法の効果に加えて、以下の効果を有する。
半導体素子2の第1の電極23の表面及び接合材料3pの表面に、有機物などの不純物が付着していることがある。本実施の形態の半導体装置1の製造方法において、接合材料3pを第1の温度T1で加熱することは、半導体素子2を支持部材4の方向(z方向)に押圧しながら、半導体素子2、接合材料3p及び支持部材4がスタックされる方向(z方向)と交差する方向(例えば、xy面に平行な方向)に、支持部材4に対して半導体素子2を振動させることを含む。本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、半導体素子2を支持部材4の方向(z方向)に押圧しながら、半導体素子2、接合材料3p及び支持部材4がスタックされる方向(z方向)と交差する方向(例えば、xy面に平行な方向)に、支持部材4に対して半導体素子2を振動させることによって、半導体素子2の第1の電極23の表面と接合材料3pの表面が擦り合わされる等して、半導体素子2の第1の電極23の表面及び接合材料3pの表面に付着する不純物を除去することができる。
また、本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、半導体素子2を支持部材4の方向(z方向)に押圧しながら、半導体素子2、接合材料3p及び支持部材4がスタックされる方向(z方向)と交差する方向(例えば、xy面に平行な方向)に、支持部材4に対して半導体素子2を振動させることによって、接合材料3pの第1のはんだ層31が流動する。半導体素子2の第1の電極23と接合材料3pの第1のはんだ層31との間の相互拡散が促進される。そのため、半導体素子2と接合部3との接合力を向上させることができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を製造することができる。
(実施の形態5)
図11を参照して、実施の形態5に係る接合材料3pを説明する。本実施の形態の接合材料3pは、基本的には、図3から図7に示す実施の形態1の接合材料3pと同様の構成を備えるが、第1のはんだ層31及び第2のはんだ層33の少なくとも1つは、複数の層で構成されている点で主に異なる。
図11を参照して、本実施の形態に係る接合材料3pの第1のはんだ層31は、複数の層(錫層34、金層35)で構成されてもよい。第1のはんだ層31における複数の層(錫層34、金層35)は、それぞれ、第1のはんだ層31を構成する複数の元素(不可避不純物を除く)のうち1つの元素のみを有する層である。第1のはんだ層31における複数の層(錫層34、金層35)は、互いに異なる元素を有する。本実施の形態において、第1のはんだ層31における複数の層は、それぞれ、第1のはんだ層31を構成する複数の元素のうち1つの元素のみを有することは、第1のはんだ層31における複数の層は、それぞれ、この1つの元素に加えて、不可避不純物を含んでもよいことを意味する。
例えば、接合部3の第1のはんだ層31が金錫(Au−Sn)はんだ合金である場合には、接合材料3pの第1のはんだ層31は、錫層34と、金層35とで構成される。本実施の形態の接合材料3pでは、錫層34は、金層35よりも、拡散防止層32側に位置する。金層35は、錫層34よりも、拡散防止層32側に位置してもよい。
本実施の形態の接合材料3pでは、金層35の厚さは、錫層34の厚さの1.3倍以上1.7倍以下であってもよい。金層35の厚さを、錫層34の厚さの1.3倍以上1.7倍以下とすることによって、接合材料3pを加熱し、溶融し、冷却して得られる接合部3の第1のはんだ層31の組成を、80Au−Snと82Au−Snとの間に定めることができる。
本実施の形態の接合材料3pでは、金層35の厚さは、錫層34の厚さの0.8倍以上1.3倍以下であってもよい。金層35の厚さを、錫層34の厚さの0.8倍以上1.3倍以下とすることによって、接合材料3pを加熱し、溶融し、冷却して得られる接合部3の第1のはんだ層31の組成を、70Au−Snと80Au−Snとの間に定めることができる。
図11を参照して、本実施の形態に係る接合材料3pの第2のはんだ層33は、複数の層(錫層36、ビスマス層37)で構成されてもよい。第2のはんだ層33における複数の層(錫層36、ビスマス層37)は、それぞれ、第2のはんだ層33を構成する複数の元素(不可避不純物を除く)のうち1つの元素のみを有する層である。第2のはんだ層33における複数の層(錫層36、ビスマス層37)は、互いに異なる元素を有する。本実施の形態において、第2のはんだ層33における複数の層は、それぞれ、第2のはんだ層33を構成する複数の元素のうち1つの元素のみを有することは、第2のはんだ層33における複数の層は、それぞれ、この1つの元素に加えて、不可避不純物を含んでもよいことを意味する。
例えば、接合部3の第2のはんだ層33が錫ビスマス(Sn−Bi)はんだ合金である場合には、接合材料3pの第2のはんだ層33は、錫層36とビスマス層37とで構成される。本実施の形態の接合材料3pでは、錫層36は、ビスマス層37よりも、拡散防止層32側に位置する。ビスマス層37は、錫層36よりも、拡散防止層32側に位置してもよい。
本実施の形態の接合材料3pでは、錫層36の厚さは、ビスマス層37の厚さと等しくてもよい。錫層36の厚さをビスマス層37の厚さと等しくすることによって、接合材料3pを加熱し、溶融し、冷却して得られる接合部3の第2のはんだ層33の組成を、Sn−57Biに定めることができる。
図4から図7、並びに図11を参照して、本実施の形態に係る半導体装置1の製造方法を説明する。実施の形態5の半導体装置1の製造方法は、基本的には、図3から図7に示す実施の形態1の半導体装置1の製造方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態に係る半導体装置1の製造方法において、半導体素子2の第1の電極23と、半導体素子2を支持する支持部材4の第2の電極5との間に、接合材料3pを設けることは、第1のはんだ層31を形成することと、第2のはんだ層33を形成することとを含む。第1のはんだ層31を形成することは、それぞれが、第1のはんだ層31を構成する複数の元素(不可避不純物を除く。)のうち1つの元素のみを有する複数の層(錫層34、金層35)を形成することを含んでもよい。第1のはんだ層31における複数の層(錫層34、金層35)は、互いに異なる元素を有する。第2のはんだ層33を形成することは、それぞれが、第2のはんだ層33を構成する複数の元素(不可避不純物を除く。)のうち1つの元素のみを有する複数の層(錫層36、ビスマス層37)を形成することを含んでもよい。第2のはんだ層33における複数の層(錫層36、ビスマス層37)は、互いに異なる元素を有する。
より特定的には、めっきまたは蒸着などの方法により、支持部材4の第2の電極5上に、錫層34及び金層35を形成して、第1のはんだ層31を形成する。めっきまたは蒸着などの方法により、第1のはんだ層31上に、拡散防止層32を形成する。めっきまたは蒸着などの方法により、拡散防止層32上に、錫層36及びビスマス層37を形成して、第2のはんだ層33を形成する。それから、接合材料3pの上に半導体素子2を載置する。このようにして、半導体素子2の第1の電極23と、半導体素子2を支持する支持部材4の第2の電極5との間に、接合材料3pを設けてもよい。
本実施の形態の接合材料3pと半導体装置1の製造方法との効果を説明する。本実施の形態の接合材料3pと半導体装置1の製造方法との効果は、実施の形態1の接合材料3pと半導体装置1の製造方法との効果に加えて、以下の効果を有する。
本実施の形態の接合材料3pにおける第1のはんだ層31(金錫(Au−Sn)はんだ合金)は、複数の層(錫層34、金層35)で構成され、第1のはんだ層31における複数の層(錫層34、金層35)は、それぞれ、第1のはんだ層31を構成する複数の元素のうち1つの元素のみを有する層である。第1のはんだ層31(金錫(Au−Sn)はんだ合金)における複数の層(錫層34、金層35)は、互いに異なる元素を有する。接合材料3pを加熱し、溶融すると、第1のはんだ層31(金錫(Au−Sn)はんだ合金)を構成する複数の層(錫層34、金層35)が混ざり合う。そのため、接合材料3pを加熱し、溶融して、冷却することによって形成される接合部3の第1のはんだ層31の組成は、接合材料3pの第1のはんだ層31を構成する複数の層(錫層34、金層35)のそれぞれの厚さの比によって定まる。
第1のはんだ層31(金錫(Au−Sn)はんだ合金)における複数の層(錫層34、金層35)は、互いに異なる元素を有するため、第1のはんだ層31を構成する複数の層(錫層34、金層35)のそれぞれの厚さを正確に定めることは容易である。本実施の形態の接合材料3pによれば、設計のとおりの組成を有する接合部3の第1のはんだ層31を容易に形成することができる。その結果、本実施の形態の接合材料3pによれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を容易に得ることができる。
これに対し、例えば、複数の元素を有する合金を蒸着源に用いて第1のはんだ層31を蒸着によって形成すると、設計のとおりの組成を有する第1のはんだ層31を形成することは困難である。その理由は、蒸着源に用いられる合金は複数の元素を含み、この複数の元素は互いに異なる蒸気圧を有するからである。すなわち、蒸着源に用いられる合金には、蒸着源に用いられる合金が加熱された時に蒸発しやすい元素と蒸発しにくい元素が含まれているからである。本実施の形態の接合材料3pによれば、このような困難を克服することができる。
本実施の形態の接合材料3pにおける第2のはんだ層33(錫ビスマス(Sn−Bi)はんだ合金)は、複数の層(錫層36、ビスマス層37)で構成され、第2のはんだ層33における複数の層(錫層36、ビスマス層37)は、それぞれ、第2のはんだ層33を構成する複数の元素のうち1つの元素のみを有する層である。第2のはんだ層33(錫ビスマス(Sn−Bi)はんだ合金)における複数の層(錫層36、ビスマス層37)は、互いに異なる元素を有する。接合材料3pを加熱し、溶融すると、第2のはんだ層33(錫ビスマス(Sn−Bi)はんだ合金)を構成する複数の層(錫層36、ビスマス層37)が混ざり合う。そのため、接合材料3pを加熱し、溶融して、冷却することによって形成される接合部3の第2のはんだ層33の組成は、接合材料3pの第2のはんだ層33を構成する複数の層(錫層36、ビスマス層37)のそれぞれの厚さの比によって定まる。
第2のはんだ層33(錫ビスマス(Sn−Bi)はんだ合金)における複数の層(錫層36、ビスマス層37)は、互いに異なる元素を有するため、第2のはんだ層33を構成する複数の層(錫層36、ビスマス層37)のそれぞれの厚さを正確に定めることは容易である。本実施の形態の接合材料3pによれば、設計のとおりの組成を有する接合部3の第2のはんだ層33を容易に形成することができる。その結果、本実施の形態の接合材料3pによれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を容易に得ることができる。
これに対し、例えば、複数の元素を有する合金を蒸着源に用いて第2のはんだ層33を蒸着によって形成すると、設計のとおりの組成を有する第2のはんだ層33を形成することは困難である。その理由は、蒸着源に用いられる合金は複数の元素を含み、この複数の元素は互いに異なる蒸気圧を有するからである。すなわち、蒸着源に用いられる合金には、蒸着源に用いられる合金が加熱された時に蒸発しやすい元素と蒸発しにくい元素が含まれているからである。本実施の形態の接合材料3pによれば、このような困難を克服することができる。
本実施の形態の接合材料3pでは、第1のはんだ層31は、錫層34と金層35とで構成され、金層35の厚さは、錫層34の厚さの1.3倍以上1.7倍以下であってもよい。金層35の厚さを、錫層34の厚さの1.3倍以上1.7倍以下とすることによって、接合材料3pを加熱し、溶融し、冷却して得られる接合部3の第1のはんだ層31の組成を、80Au−Snと82Au−Snとの間に定めることができる。その結果、本実施の形態の接合材料3pによれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を得ることができる。
本実施の形態の接合材料3pでは、第1のはんだ層31は、錫層34と金層35とで構成され、金層35の厚さは、錫層34の厚さの0.8倍以上1.3倍以下であってもよい。金層35の厚さを、錫層34の厚さの0.8倍以上1.3倍以下とすることによって、接合材料3pを加熱し、溶融し、冷却して得られる接合部3の第1のはんだ層31の組成を、70Au−Snと80Au−Snとの間に定めることができる。
接合材料3pを加熱する際に、第1のはんだ層31に含まれる錫(Sn)と拡散防止層32とが反応して、第1のはんだ層31と拡散防止層32との界面に金属間化合物が形成されることがある。このような金属間化合物が形成されると、第1のはんだ層31中に含まれる錫(Sn)の量が減少して、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1が高くなる。第1のはんだ層31の第1の融点Tm1が高くなると、半導体素子2と第1のはんだ層31との接合が不良になりやすく、接合部3の信頼性が低下する。
これに対し、本実施の形態の接合材料3pによれば、接合材料3pを加熱し、溶融し、冷却して得られる接合部3の第1のはんだ層31の組成を、70Au−Snと80Au−Snとの間に定めることができ、金(Au)の含有量が多い第1のはんだ層31を得ることができる。そのため、接合材料3pを加熱する際に、第1のはんだ層31と拡散防止層32との界面に金属間化合物が形成されて、第1のはんだ層31中に含まれる錫(Sn)の量が減少しても、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1の上昇を抑制することができる。その結果、本実施の形態の接合材料3pによれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を得ることができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法において、半導体素子2の第1の電極23と、半導体素子2を支持する支持部材4の第2の電極5との間に、接合材料3pを設けることは、第1のはんだ層31(金錫(Au−Sn)はんだ合金)を形成することを含む。第1のはんだ層31を形成することは、それぞれが、第1のはんだ層31を構成する複数の元素のうち1つの元素のみを有する複数の層(錫層34、金層35)を形成することを含む。第1のはんだ層31における複数の層(錫層34、金層35)は、互いに異なる元素を有する。接合材料3pを加熱し、溶融すると、第1のはんだ層31(金錫(Au−Sn)はんだ合金)を構成する複数の層(錫層34、金層35)が混ざり合う。そのため、接合材料3pを加熱し、溶融して、冷却することによって形成される接合部3の第1のはんだ層31の組成は、接合材料3pの第1のはんだ層31を構成する複数の層(錫層34、金層35)のそれぞれの厚さの比によって定まる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、互いに異なる元素を有する複数の層(錫層34、金層35)を形成することによって、第1のはんだ層31を形成するため、第1のはんだ層31を構成する複数の層(錫層34、金層35)のそれぞれの厚さを正確に定めることは容易である。本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、設計のとおりの組成を有する接合部3の第1のはんだ層31を容易に形成することができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を容易に製造することができる。
これに対し、例えば、複数の元素を有する合金を蒸着源に用いて第1のはんだ層31を蒸着によって形成すると、設計のとおりの組成を有する第1のはんだ層31を形成することは困難である。その理由は、蒸着源に用いられる合金は複数の元素を含み、この複数の元素は互いに異なる蒸気圧を有するからである。すなわち、蒸着源に用いられる合金には、蒸着源に用いられる合金が加熱された時に蒸発しやすい元素と蒸発しにくい元素が含まれているからである。本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、このような困難を克服することができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法において、半導体素子2の第1の電極23と、半導体素子2を支持する支持部材4の第2の電極5との間に、接合材料3pを設けることは、第2のはんだ層33(錫ビスマス(Sn−Bi)はんだ合金)を形成することを含む。第2のはんだ層33を形成することは、それぞれが、第2のはんだ層33を構成する複数の元素のうち1つの元素のみを有する複数の層(錫層36、ビスマス層37)を形成することを含む。第2のはんだ層33における複数の層(錫層36、ビスマス層37)は、互いに異なる元素を有する。接合材料3pを加熱し、溶融すると、第2のはんだ層33(錫ビスマス(Sn−Bi)はんだ合金)を構成する複数の層(錫層36、ビスマス層37)が混ざり合う。そのため、接合材料3pを加熱し、溶融して、冷却することによって形成される接合部3の第2のはんだ層33の組成は、接合材料3pの第2のはんだ層33を構成する複数の層(錫層36、ビスマス層37)のそれぞれの厚さの比によって定まる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法では、互いに異なる元素を有する複数の層(錫層36、ビスマス層37)を形成することによって、第2のはんだ層33を形成するため、第2のはんだ層33を構成する複数の層(錫層36、ビスマス層37)のそれぞれの厚さを正確に定めることは容易である。本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、設計のとおりの組成を有する接合部3の第2のはんだ層33を容易に形成することができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を容易に製造することができる。
これに対し、例えば、複数の元素を有する合金を蒸着源に用いて第2のはんだ層33を蒸着によって形成すると、設計のとおりの組成を有する第2のはんだ層33を形成することは困難である。その理由は、蒸着源に用いられる合金は複数の元素を含み、この複数の元素は互いに異なる蒸気圧を有するからである。すなわち、蒸着源に用いられる合金には、蒸着源に用いられる合金が加熱された時に蒸発しやすい元素と蒸発しにくい元素が含まれているからである。本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、このような困難を克服することができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法において、第1のはんだ層31は、錫層34と金層35とで構成され、金層35の厚さは、錫層34の厚さの1.3倍以上1.7倍以下であってもよい。金層35の厚さを、錫層34の厚さの1.3倍以上1.7倍以下とすることによって、接合材料3pを加熱し、溶融し、冷却して得られる接合部3の第1のはんだ層31の組成を、80Au−Snと82Au−Snとの間に定めることができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を製造することができる。
本実施の形態の半導体装置1の製造方法において、第1のはんだ層31は、錫層34と金層35とで構成され、金層35の厚さは、錫層34の厚さの0.8倍以上1.3倍以下であってもよい。金層35の厚さを、錫層34の厚さの0.8倍以上1.3倍以下とすることによって、接合材料3pを加熱し、溶融し、冷却して得られる接合部3の第1のはんだ層31の組成を、70Au−Snと80Au−Snとの間に定めることができる。
接合材料3pを加熱する際に、第1のはんだ層31に含まれる錫(Sn)と拡散防止層32とが反応して、第1のはんだ層31と拡散防止層32との界面に金属間化合物が形成されることがある。このような金属間化合物が形成されると、第1のはんだ層31中に含まれる錫(Sn)の量が減少して、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1が高くなる。第1のはんだ層31の第1の融点Tm1が高くなると、半導体素子2と第1のはんだ層31との接合が不良になりやすく、接合部3の信頼性が低下する。
これに対し、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、接合材料3pを加熱し、溶融し、冷却して得られる接合部3の第1のはんだ層31の組成を、70Au−Snと80Au−Snとの間に定めることができ、金(Au)の含有量が多い第1のはんだ層31を得ることができる。そのため、接合材料3pを加熱する際に、第1のはんだ層31と拡散防止層32との界面に金属間化合物が形成されて、第1のはんだ層31中に含まれる錫(Sn)の量が減少しても、第1のはんだ層31の第1の融点Tm1の上昇を抑制することができる。その結果、本実施の形態の半導体装置1の製造方法によれば、半導体素子2に発生する応力を低減するとともに信頼性の高い接合部3を備える半導体装置1を製造することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。