JP6344975B2 - ダイヤモンド複合焼結体とその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド複合焼結体とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6344975B2
JP6344975B2 JP2014109577A JP2014109577A JP6344975B2 JP 6344975 B2 JP6344975 B2 JP 6344975B2 JP 2014109577 A JP2014109577 A JP 2014109577A JP 2014109577 A JP2014109577 A JP 2014109577A JP 6344975 B2 JP6344975 B2 JP 6344975B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond
sintered body
powder
composite sintered
sic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014109577A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015224158A (ja
Inventor
後藤 孝
孝 後藤
宏和 且井
宏和 且井
振華 賀
振華 賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Tohoku University NUC
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Mitsubishi Materials Corp filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2014109577A priority Critical patent/JP6344975B2/ja
Publication of JP2015224158A publication Critical patent/JP2015224158A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6344975B2 publication Critical patent/JP6344975B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

本発明は、工具材料、ヒートシンク等として好適な高硬度、高密度ダイヤモンド複合焼結体およびその製造方法に関する。
ダイヤモンド焼結体は、硬度、熱伝導性等の優れた特性を備えるため、従来から、耐摩耗性材料、切削工具材料、鉱山用掘削、石油掘削井戸の穿孔などの掘削工具用材料、ヒートシンク材料等の分野で幅広く利用されている。
しかし、ダイヤモンド粉末は、難焼結性を有しており、高温での焼結を行おうとするとダイヤモンドから黒鉛への相変態(黒鉛化)が生じるため、ダイヤモンド粉末の焼結は、一般的に、ダイヤモンドが熱力学的に不安定でない圧力・温度条件で行われている。また、場合により、ダイヤモンド粉末に耐熱性金属、炭化物、窒化物、酸化物、硼化物を被覆し、超硬合金、サーメット、セラミックス等の結合材を用いることで、超高圧発生装置を用いずに、ダイヤモンド複合焼結体を製造することが行われている。
例えば、特許文献1には、コーティング材で被覆したダイヤモンド粉体を体積で1%〜90%、結合材を体積で99%〜10%混合した混合物を、そのまま又は型押し成形後、圧力が2000MPa未満で、温度が1850℃を越えない、ダイヤモンドが熱力学的に安定ではないが準安定な圧力・温度の比較的緩い超高圧力の焼結条件において適宜の時間焼結することにより、密度85%以上、ビッカース硬度600以上の緻密で高硬度なダイヤモンド含有複合焼結体を製造することが提案されている。
そして、上記結合材は、周期律表第1b、2a、3a、4a、5a、6a、7a、8族金属、希土類族金属、Si、B、Alの酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、酸炭化物、炭窒化物、酸炭窒化物、硼化物、珪化物の内の選択された一種類以上の原料粉末から選択されることが提案されている。
また、例えば、特許文献2には、5〜150nmの厚みのSiC膜を被覆したダイヤモンド粒子からなる超硬質粒子と、WC基超硬合金、サーメット、セラミックス等の硬質材料を結合材として含むダイヤモンド複合焼結体において、複合焼結体中の超硬質粒子の含有量を10体積%以上30体積%以下とし、複合焼結体のビッカース硬度が硬質材料のビッカース硬度に対し、±15%の範囲内になるように超硬質粒子を複合焼結体中に分散させ、理論密度比が99%以上の緻密度を有するようにした耐摩耗性に優れ超硬質粒子が脱落し難いダイヤモンド複合焼結体が提案されている。
そして、その製造方法としては、最高キープ温度1800℃以下、圧力5〜200MPa、焼結時間30分以内の通電加圧焼結が好適であるとされている。
また、硬質材料のマトリックス(硬質材料の50体積%以上を占める材料)がAl、TiC、ZrO、Si、SiCのいずれか、もしくはそれらを複合化したセラミックスである場合には、優れた耐摩耗性、耐食性が期待されること、その内でもSiC、AlNは熱伝導率が高く、ダイヤモンドの非常に優れた熱伝導性を活かすことができるとされている。
特開平5−24922号公報 特開2001−192760号公報
しかし、前記特許文献1で提案されているダイヤモンド含有複合焼結体においては、その強度、靭性は、WC基超硬合金よりも劣るものであって、ダイヤモンド複合焼結体に求められる特性を十分に備えるものとはいえない。
また、前記特許文献2で提案されているダイヤモンド複合焼結体においては、ダイヤモンド粒子の含有量はわずか10体積%以上30体積%以下であるばかりか、結合材であるWC基超硬合金、サーメット、セラミックスの硬さに対して±15%の範囲内でしか硬さの変動がないため、ダイヤモンド複合焼結体の硬さはビッカース硬さでせいぜい20GPa程度であって、硬さが十分であるとはいえない。したがって、これを、例えば、切削工具として使用した場合には、ダイヤモンド工具のような強度と寿命を期待することはできない。
本発明者は、上記従来のダイヤモンド複合焼結体においては、十分な硬さが得られていないことに鑑み、硬さと緻密度を更に高めるべく鋭意検討したところ、超高圧発生装置を用いた焼結によってではなく、比較的低圧力であるにもかかわらず、従来のダイヤモンド複合焼結体に比して、高硬度かつ高密度のダイヤモンド複合焼結体を得ることができることを見出したのである。
すなわち、本発明は、ダイヤモンド粒子に所定厚の非晶質SiCを被覆したダイヤモンド/SiCコンポジット粉末を作製し、これをダイヤモンドの原料粉末とし、この原料粉末に結合材成分としてSiO粉末を所定量配合し、これをパルス通電加圧焼結(以下、「SPS」ともいう)することによってダイヤモンド複合焼結体を製造したところ、この方法で作製したダイヤモンド複合焼結体は、ダイヤモンド/SiCのコンポジット化によって、ダイヤモンドの黒鉛化が抑制され、通常はダイヤモンドが不安定な温度・圧力条件下での高温焼結においても黒鉛の(002)面の回折ピークが現れず、高硬度を有する(ビッカース硬さ約30GPa以上)とともに、高い相対密度を有する(約90%以上)ダイヤモンド複合焼結体を得ることができることを知見したのである。
本発明は上記知見に基づきなされたものであって、
「(1)ダイヤモンド粒子表面に非晶質SiCが被覆されたダイヤモンド/SiCコンポジット粉末と、結合材としてのSiO粉末との混合粉末を焼結してなるダイヤモンド複合焼結体であって、該複合焼結体に占めるダイヤモンド粒子の質量割合は40〜60質量%であり、また、該複合焼結体の相対密度は90%以上、ビッカース硬さは30GPa以上であり、さらに、Cu−Kα線でのX線回折測定において、2θ=26.4±0.5°に現れる黒鉛の(002)面の回折ピーク強度Iの、2θ=43.9±0.1°に現れるダイヤモンドの(111)面の回折ピーク強度Iに対する強度比I/Iが0.014以下であるダイヤモンド複合焼結体。
(2)ダイヤモンド粒子表面に非晶質SiCを被覆してダイヤモンド/SiCコンポジット粉末を作製し、このダイヤモンド/SiCコンポジット粉末と結合材としてのSiO粉末を混合し、この混合粉末を、加圧圧力:80〜120MPa、昇温速度:80〜130K/min、焼結温度:1750〜1900K、加熱時間:1〜10minの条件でパルス通電加圧焼結することを特徴とする前記(1)に記載のダイヤモンド複合焼結体の製造方法。」
に特徴を有するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、ダイヤモンド複合焼結体に占めるダイヤモンド粒子の質量割合を40〜60質量%と定めているが、これは、ダイヤモンド粒子の質量割合が40質量%未満である場合には、焼結条件等を工夫したとしてもビッカース硬さ30GPa以上を確保することができず、一方、ダイヤモンド粒子の質量割合が60質量%を超える場合には、複合焼結体の焼結性が低下し、複合焼結体の相対密度90%以上を確保することができなくなるという理由による。
本発明は、ダイヤモンド粒子表面に化学蒸着法で非晶質SiCを被覆してダイヤモンド/SiCコンポジット粉末を作製し、これを、結合材としてのSiO粉末を混合し、この混合粉末を、所定の条件でパルス通電加圧焼結(SPS)することによって、所望の硬さと相対密度を有するダイヤモンド複合焼結体を得る。
図1は、ダイヤモンド粒子表面に、非晶質のSiCを被覆するための本発明で使用する回転化学蒸着装置の一例の概略図を示す。
図1に示す回転化学蒸着装置において、電気炉の内部に石英室が設けられ、該石英室の内部には回転する反応装置が設けられ、該反応装置内部にダイヤモンド粒子が充填される。
反応装置内部に充填されたダイヤモンド粒子表面に、非晶質のSiCを被覆するに際しては、例えば、反応ガスとしてヘキサメチルジシラン、キャリアーガスとしてArガスからなる混合ガスを、電気炉で965〜1000Kに加熱した石英室内へ流量8〜9×10−7/secで導入し、反応装置を回転速度40〜50rpmで回転させながら、該反応装置内に充填された粒径2〜4μmのダイヤモンド粒子表面に230〜250分間非晶質のSiCを化学蒸着することによりダイヤモンド/SiCコンポジット粉末を作製することができる。
図2には、上記で作製されたダイヤモンド/SiCコンポジット粉末のTEM像の一例を示す。
図2によれば、ダイヤモンド粒子表面に約26nmの膜厚の非晶質SiCが被覆形成されていることが観察される。また、TEMの電子線回折像によってSiCが非晶質であることを確認した。
上記で作製されたダイヤモンド/SiCコンポジット粉末をダイヤモンド粉末の原料粉末として用い、そして、結合材としてSiO粉末を用い、これらを混合して、所定条件でパルス通電加圧焼結(SPS)を行い、ダイヤモンド複合焼結体を作製する。
後記する実施例からも明らかとなるが、コンポジット粉末を構成する成分である非晶質SiCと、結合材成分であるSiO粉末との組み合わせによって、従来のダイヤモンド複合焼結体を作製する際に必要であった超高圧装置が不要となるばかりか、超高圧装置を用いずとも目標とする高硬度、高密度を備えるダイヤモンド複合焼結体を得ることが可能となった。
パルス通電加圧焼結(SPS)を行うための装置としては、従来から知られているパルス通電加圧焼結(SPS)装置を使用することができる。
図3には、従来から知られているパルス通電加圧焼結(SPS)装置の一例の概略図を示す。
図3の装置では、パルス電源、油圧プレス等の加圧機構、雰囲気制御できる真空排気系を備えるとともに、粉体を装填し、加圧し、パルスを印加するために、焼結ダイ、上部ダイパンチ、下部ダイパンチ、上部パンチ電極、下部パンチ電極を備える。
本発明では、前記ダイヤモンド/SiCコンポジット粉末とSiO粉末との混合粉末を、パルス通電加圧焼結(SPS)装置内に配備された型内に充填した後、装置内を真空(0.1Pa未満)に引き、昇温速度:80〜130K/minで、焼結温度:1750〜1900Kにまで昇温・加熱し、上部ダイパンチ及び下部ダイパンチで80〜120MPaの加圧力を付加した状態で1〜10分間焼結することによって、高硬度、高密度を備えるダイヤモンド複合焼結体を得ることができる。
上記で得られた本発明のダイヤモンド複合焼結体は、相対密度は90%以上、ビッカース硬さは30GPa以上の高密度、高硬度のダイヤモンド複合焼結体であり、さらに、焼結体についてX線回折を行って回折ピークを測定したところ、ダイヤモンドの(111)面の回折ピークおよびSiOの回折ピークは観察されるものの、黒鉛の(002)面の回折ピークが観察されることはなかった。
このことから、本発明においては、通常の焼結温度より高温で焼結を行った場合でも、黒鉛の(002)面のX線回折ピークは現れず、ダイヤモンドの黒鉛化が抑制された高密度で高硬度のダイヤモンド複合焼結体を得ることができる。
本発明のダイヤモンド複合焼結体は、ダイヤモンド/SiCコンポジット粉末とSiO粉末との混合粉末を焼結してなるダイヤモンド複合焼結体であって、該複合焼結体に占めるダイヤモンド粒子の質量割合は40〜60質量%であり、また、該複合焼結体の相対密度は90%以上、ビッカース硬さは30GPa以上の高硬度、高密度ダイヤモンド複合焼結体であることから、例えば、工具用材料として適用した場合には、複合焼結体の緻密化による耐摩耗性の向上が図られるとともに、複合焼結体の高硬度化による靭性の向上が図られる。
また、本発明によるダイヤモンド複合焼結体の製造方法は、ダイヤモンド粉末の原料として、ダイヤモンド/SiCコンポジット粉末を用いたことにより、ダイヤモンドの黒鉛化が抑制され、高温度で焼結することが可能となり、従来使用していた超高圧装置を必要とせずに、目標とする高硬度、高密度を備え、かつ、ダイヤモンドの黒鉛化が抑制され、X線回折で黒鉛の(002)面の回折ピークが観察されないダイヤモンド複合焼結体を製造することが可能となった。
ダイヤモンド粒子表面に、非晶質のSiCを被覆するための本発明で使用する回転化学蒸着装置の一例の概略図を示す。 本発明で作製されたダイヤモンド/SiCコンポジット粉末のTEM像の一例を示す。 パルス通電加圧焼結(SPS)装置の一例の概略図を示す。
以下に、本発明を実施例に基づいて、具体的に説明する。
図1に示す回転化学蒸着装置の回転する反応装置内部に、平均粒径2〜4μmのダイヤモンド粒子を充填し、成膜温度(石英室内のダイヤモンド粒子の温度)を99Kに維持し、反応ガスとしてヘキサメチルジシラン、キャリアーガスとしてArガスからなる混合ガスを8.3×10−7/secの流量で石英室内へ導入し、回転速度45rpmで反応装置を回転させながら、240分間非晶質のSiCを化学蒸着することにより、数十nmの膜厚の非晶質SiCが被覆された本発明のダイヤモンド/SiCコンポジット粉末を作製した。
図2には、本発明のダイヤモンド/SiCコンポジット粉末のTEM像の一例を示すが、図2によれば、ダイヤモンド粒子表面に約26nmの膜厚の非晶質SiCが被覆形成されていることが観察される。また、TEMの電子線回折像によってSiCが非晶質であることを確認した。
次に、上記で作製した本発明のダイヤモンド/SiCコンポジット粉末に対して、所定量のSiO粉末を配合し、本発明の混合粉末1〜3を作製した。
次いで、上記本発明混合粉末1〜3を、図3に示すパルス通電加圧焼結(SPS)装置の型内に充填し、装置内を真空(0.1Pa未満)に引き、昇温速度:100K/minで、焼結温度:1823Kあるいは1873Kに昇温・加熱し、上部ダイパンチ及び下部ダイパンチで100MPaの加圧力を付加した状態で10分間焼結することによって、表1に示す成分割合を有する本発明ダイヤモンド複合焼結体1〜3を作製した。
上記で作製した本発明ダイヤモンド複合焼結体1〜3について、ダイヤモンドとSiCとSiOの含有比率によって求められる複合焼結体の理論密度に対する、アルキメデス法により測定された複合焼結体の密度の比率から、相対密度(%)を算出した。
表1に、算出した相対密度(%)の値を示す。
また、同じく上記本発明ダイヤモンド複合焼結体1〜3について、ビッカース硬度計でビッカース硬さHv(GPa)を測定した。
表1に、測定したビッカース硬さHv(GPa)の値を示す。
さらに、同じく上記本発明のダイヤモンド複合焼結体1〜3について、X線回折装置を用いて、ダイヤモンドの(111)面の回折ピーク強度及び黒鉛の(002)面の回折ピーク強度を測定し、そのピーク強度比を求めることにより、ダイヤモンド複合焼結体における黒鉛の存在の有無を判定した。
ここで、測定したダイヤモンドの(111)面の回折ピーク強度として2θ=43.9±0.1°の範囲内の最大カウント数をI、また、黒鉛の(002)面の回折ピーク強度として2θ=26.4±0.5°の範囲内の最大カウント数をIとした場合に、I/Iの値が0.014を超える場合に「黒鉛有り」と判定し、I/Iの値が0.014以下である場合には「黒鉛無し」と判定した。
表1に、黒鉛の存在の有無の判定結果を示す。
比較のため、平均粒径2〜4μmのダイヤモンド粒子に対して、所定量のSiO粉末を配合して、比較例の混合粉末1〜5を作製した。
即ち、比較例の混合粉末1〜5においては、ダイヤモンド粉末としてダイヤモンド/SiCコンポジット粉末を使用していない。
上記比較例の混合粉末1〜5を、図3に示すパルス通電加圧焼結(SPS)装置により、実施例の場合と同じ条件(但し、焼結温度は、1773K,1823K,1873K,1923K,1973K)で焼結して、比較例ダイヤモンド複合焼結体1〜5を作製した。
さらに比較のために、平均粒径2〜4μmのダイヤモンド粒子を、図3に示すパルス通電加圧焼結(SPS)装置の型内に充填し、装置内を真空(0.1Pa未満)に引き、昇温速度:100K/minで、焼結温度:1823Kに昇温・加熱し、上部ダイパンチ及び下部ダイパンチで100MPaの加圧力を付加した状態で10分間焼結することによって、表1に示す比較例ダイヤモンド焼結体6を作製した。
即ち、比較例ダイヤモンド焼結体6においては、ダイヤモンド粉末としてダイヤモンド/SiCコンポジット粉末を使用しておらず、また、焼結に際して結合材を使用していない。
比較例ダイヤモンド複合焼結体1〜5および比較例ダイヤモンド焼結体6について、実施例の場合と同様にして、相対密度(%)およびビッカース硬さHv(GPa)を測定し、さらに、本発明ダイヤモンド複合体の場合と同様の方法でX線回折からI/Iの値を求めることにより、比較例ダイヤモンド複合焼結体1〜6における黒鉛の存在の有無を判定した。
表1にその結果を示す。


表1に示される結果によれば、本発明ダイヤモンド複合焼結体1〜3においては、相対密度はいずれも90%以上と緻密であり、また、ビッカース硬さHvはいずれも30GPa以上であって、高硬度を備えている。さらに、X線回折による黒鉛のピークは観察されず、ダイヤモンドの黒鉛化が抑制されていることが分かる。
これに対して、ダイヤモンド粉末としてダイヤモンド/SiCコンポジット粉末を使用していない比較例ダイヤモンド複合焼結体1〜5では、相対密度が67.88〜83.40%、また、ビッカース硬さHvは4.0〜20.9GPaであって、本発明ダイヤモンド複合焼結体1〜3に比して、緻密性および硬さが劣ることは明らかである。
なお、ダイヤモンド粒子のみをパルス通電加圧焼結(SPS)した比較例ダイヤモンド焼結体6は、相対密度が54.50%、ビッカース硬さHvは6.7GPaであって、本発明ダイヤモンド複合焼結体1〜3に比して、緻密性および硬さが大きく劣るものであった。
本発明のダイヤモンド複合焼結体は、緻密性、硬度が高く、また、高温下での焼結においてダイヤモンドの黒鉛化による黒鉛の(002)面の回折ピークが現れないことから、これを工具刃先として利用した場合には、切削加工による温度上昇があった場合でも、一般的に切削温度は1000℃程度であるため、黒鉛化が生じる恐れはない。
したがって、本発明のダイヤモンド複合焼結体は、高熱発生を伴う切削加工、例えば、切削条件の高速化による高能率加工、アルミニウム複合材等の共削り加工、Ti合金等の難削材加工への適用や、高硬度と緻密性を必要とする鉱山用掘削、石油掘削井戸の穿孔などの掘削工具用材料において、大きな効果が発揮されることが期待される。













Claims (2)

  1. ダイヤモンド粒子表面に非晶質SiCが被覆されたダイヤモンド/SiCコンポジット粉末と、結合材としてのSiO粉末との混合粉末を焼結してなるダイヤモンド複合焼結体であって、該複合焼結体に占めるダイヤモンド粒子の質量割合は40〜60質量%であり、また、該複合焼結体の相対密度は90%以上、ビッカース硬さは30GPa以上であり、さらに、Cu−Kα線でのX線回折測定において、2θ=26.4±0.5°に現れる黒鉛の(002)面の回折ピーク強度Iの、2θ=43.9±0.1°に現れるダイヤモンドの(111)面の回折ピーク強度Iに対する強度比I/Iが0.014以下であるダイヤモンド複合焼結体。
  2. ダイヤモンド粒子表面に非晶質SiCを被覆してダイヤモンド/SiCコンポジット粉末を作製し、このダイヤモンド/SiCコンポジット粉末と結合材としてのSiO粉末を混合し、この混合粉末を、加圧圧力:80〜120MPa、昇温速度:80〜130K/min、焼結温度:1750〜1900K、加熱時間:1〜10minの条件でパルス通電加圧焼結することを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド複合焼結体の製造方法。
JP2014109577A 2014-05-27 2014-05-27 ダイヤモンド複合焼結体とその製造方法 Active JP6344975B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014109577A JP6344975B2 (ja) 2014-05-27 2014-05-27 ダイヤモンド複合焼結体とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014109577A JP6344975B2 (ja) 2014-05-27 2014-05-27 ダイヤモンド複合焼結体とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015224158A JP2015224158A (ja) 2015-12-14
JP6344975B2 true JP6344975B2 (ja) 2018-06-20

Family

ID=54841200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014109577A Active JP6344975B2 (ja) 2014-05-27 2014-05-27 ダイヤモンド複合焼結体とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6344975B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108160983B (zh) * 2017-12-23 2019-09-13 湖州一力电子有限公司 石墨烯铜基复合材料及其制备方法
CN111320476A (zh) * 2020-04-13 2020-06-23 北京科技大学广州新材料研究院 金刚石-碳化硅复合材料及其制备方法、电子设备
CN113716560A (zh) * 2021-07-15 2021-11-30 哈尔滨工业大学(威海) 一种人造金刚石表面刻蚀的方法
CN114875260B (zh) * 2022-05-26 2023-01-24 邵阳市东昇超硬材料有限公司 一种金刚石复合材料的制备方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02302367A (ja) * 1989-05-17 1990-12-14 Agency Of Ind Science & Technol ダイヤモンド含有高密度無機複合焼結体の製造法
JP2739129B2 (ja) * 1990-02-21 1998-04-08 日本碍子株式会社 複合部材の製造方法
JP2782685B2 (ja) * 1991-04-05 1998-08-06 工業技術院長 ダイヤモンド含有高硬度高密度複合焼結体及びその製造法
ZA934588B (en) * 1992-06-29 1994-02-01 De Beers Ind Diamond Abrasive compact
JP3422515B2 (ja) * 1993-03-08 2003-06-30 東海カーボン株式会社 炭素質基材の耐酸化性被膜形成法
JP3960484B2 (ja) * 1993-08-12 2007-08-15 独立行政法人産業技術総合研究所 被覆ダイヤモンド焼結体及びその製造法
IL143257A0 (en) * 1999-09-22 2002-04-21 Sumitomo Electric Industries Coated diamond, method for preparing the same and composite material comprising the same
JP3603950B2 (ja) * 1999-10-29 2004-12-22 住友電気工業株式会社 超硬質粒子含有複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015224158A (ja) 2015-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. Hot pressing of tantalum carbide with and without sintering additives
JP2014208567A (ja) 緻密質複合材料、その製法、接合体及び半導体製造装置用部材
JP6344975B2 (ja) ダイヤモンド複合焼結体とその製造方法
JP5447844B2 (ja) 高靭性立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料と切削工具
Zhang et al. Spark plasma sintering of Al2O3–cBN composites facilitated by Ni nanoparticle precipitation on cBN powder by rotary chemical vapor deposition
JP4848394B2 (ja) W−Ti−C系複合体及びその製造方法
JP2015044259A (ja) 耐欠損性にすぐれた立方晶窒化硼素焼結体切削工具
JP3476507B2 (ja) 立方晶窒化ホウ素含有焼結体の製造方法
JP6597620B2 (ja) 焼結体、焼結体を用いた工具、および焼結体の製造方法
Zhang et al. Densification of SiO2–cBN composites by using Ni nanoparticle and SiO2 nanolayer coated cBN powder
JP2008208027A5 (ja)
JP7039741B2 (ja) 複合セラミック組成物およびそれを形成する方法
JP2008208027A (ja) cBN焼結体
JP2007084382A (ja) 立方晶窒化硼素焼結体および被覆立方晶窒化硼素焼結体、並びにそれらからなる焼入鋼用切削工具
CN107285329B (zh) 一种二硼化钨硬质材料及其制备方法和应用
JP2006001829A (ja) チタン炭化物焼結体又はチタンシリコン炭化物焼結体、同製造方法、同加工方法又はコーティング方法及び同用基板
Borrell et al. Bulk TiCxN1− x–15% Co cermets obtained by direct spark plasma sintering of mechanochemical synthesized powders
US8741797B2 (en) Composite body including a nitride material, a carbide material, and an amorphous phase material
JP2004026555A (ja) 立方晶窒化ホウ素含有焼結体およびその製造方法
JPWO2016056487A1 (ja) 高温耐酸化性のレアメタルフリー硬質焼結体およびその製造方法
JP4171916B2 (ja) 耐熱性被覆部材
JP2004339591A (ja) W−Ti−C系複合体及びその製造方法
JP6265097B2 (ja) 焼結体、焼結体を用いた切削工具
CN112239360A (zh) 一种氧化硼与氧化镁及其反应产物协同增韧的碳化钨复合材料及其制备
JP2008208028A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180522

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6344975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250