以下、過給機付きエンジンの実施形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、例示である。
〈エンジンの全体構成〉
図1は、実施形態によるエンジンの吸気構造が適用された過給機付きエンジン(以下、単に「エンジン」と称する)の概略構成を示す。また、図2はエンジンの斜視図であり、図3はエンジンの正面図であり、そして図4はエンジンの平面図である。エンジン1は、フロントエンジン・フロントドライブタイプの車両に搭載されるガソリンエンジンであり、図1〜図3に示すように、機械駆動式の過給機(所謂スーパーチャージャ)50を備えた構成としている。
また、エンジン1は、図4に示すように、列状に配置された4つの気筒18を備えており、4つの気筒18が車幅方向に沿って配列されるように搭載される所謂、直列4気筒の横置きエンジンとして構成されている。これにより、本実施形態では、4つの気筒18の配列方向(気筒列方向)であるエンジン前後方向が車幅方向と略一致すると共に、エンジン幅方向が車両前後方向と略一致している。以下、特に断らない限り、前側とはエンジン幅方向の一方側(吸排気方向の吸気側であって、横置きエンジンの場合、車両前後方向の前側)を、後側とはエンジン幅方向の他方側(吸排気方向の排気側であって、横置きエンジンの場合、車両前後方向の後側)を、左側とはエンジン前後方向の一方側(気筒列方向の一方側であって、横置きエンジンの場合、車幅方向の左側)を、右側とはエンジン前後方向の他方側(気筒列方向の他方側であって、横置きエンジンの場合、車幅方向の右側)を指す。
図1に示すように、エンジン1は、主に、4つの気筒18(図1では1つの気筒のみを図示)を有するエンジン本体10と、エンジン本体10の前側(外部)に配置され、吸気ポート16を介して各気筒18に接続された吸気通路30と、エンジン本体10の後側に配置され、排気ポート17を介して各気筒18に接続された排気通路(図1にのみ図示)40とを備えている(所謂、前方吸気後方排気のエンジン)。過給機50は、吸気通路30上に配設されている。そして、図2〜図3に示すように、エンジン本体10の吸気側(前側)には、吸気通路30の他にも、過給機50用の駆動プーリ53、電気系統で使用する交流電流を発生するオルタネータ91、空調用のエアコンプレッサ92、始動時において完爆に至るまでエンジン本体10を駆動するスタータモータ93、及び、燃料供給システム95を構成する燃料ポンプ96等が配置されている。
エンジン本体10は、吸気通路30から供給された吸気と燃料との混合気を、気筒18内で燃焼させるように構成されている。具体的に、エンジン本体10は、4つの気筒18が設けられたシリンダブロック11と、このシリンダブロック11上に組み付けられたシリンダヘッド12と、シリンダブロック11の下側に配設され、潤滑油が貯留したオイルパン13とを有している。各気筒18内には、コンロッド141を介してクランクシャフト15と連結されたピストン14が往復動可能に嵌挿されている。
シリンダブロック11には、4つの気筒18が直列に配置されている。以下の記載において、図4に示す4つの気筒18を、気筒列方向に沿って右側から順に、1番気筒18a、2番気筒18b、3番気筒18c、及び4番気筒18dと称する場合がある。
シリンダヘッド12には、気筒18毎に、吸気ポート16及び排気ポート17が2つずつ形成されていると共に、これら吸気ポート16及び排気ポート17には、気筒18側の開口を開閉する吸気弁21及び排気弁22がそれぞれに配設されている。図4に、2番気筒18bに係る吸気ポート16の構成を示す。具体的には、本実施形態に係るシリンダヘッド12には、4つの気筒18のそれぞれに開口する吸気口16aと、吸気通路30の下流端(具体的には独立通路72)が取り付けられ且つ、該下流端を吸気口16aに接続するように、気筒18毎に形成された吸気ポート16とが、気筒18毎に2つずつ設けられている。吸気ポート16の上流端16bは、後述の取付面10aにおいて、それぞれ、気筒列方向に沿って並んで開口している。分配通路70は、各気筒18の吸気ポート16の上流端16bとそれぞれ連通するように且つ、該上流端16bをそれぞれ覆うように、気筒列方向に延設されている。また、8つの吸気ポート16を各々開閉する吸気弁21は、シリンダヘッド12に設けられた吸気カムシャフトによって駆動される。詳しくは、吸気カムシャフトが回動すると、吸気弁21の上端部には、吸気カムシャフトのカムを介して回動力が作用する。吸気弁21は、その回動力によって吸気口を開閉するように駆動される。排気側についても同様である。
シリンダヘッド12にはまた、気筒18毎に、燃料タンクから供給された燃料を気筒18内へ噴射するインジェクタ98が取り付けられている。燃料タンクとインジェクタ98との間は、燃料供給経路によって互いに連結されている。この燃料供給経路上には、燃料ポンプ96とコモンレール97とを含み且つ、インジェクタ98に、比較的高い燃料圧力で燃料を供給することが可能な燃料供給システム95が介設されている。燃料ポンプ96は、燃料タンクからコモンレール97へ燃料を圧送し、コモンレール97は、圧送された燃料を比較的高い燃料圧力で蓄えることが可能である。インジェクタ98が開弁することによって、コモンレール97に蓄えられている燃料がインジェクタ98の噴口から噴射される。
吸気通路30は、外部から導入された吸気(新気)を通過させて、エンジン本体10の気筒18内に供給するように構成されている。具体的に、吸気通路30上には、吸気の流れ方向に沿って上流側から順に、外部から導入された吸気を浄化するエアクリーナ31(図1にのみ図示)と、通過する吸気の流量を調整するスロットルバルブ32と、吸気を圧縮するように構成された機械駆動式の過給機50と、吸気の温度を調整可能に構成されたインタークーラ60とが配設されている。
吸気通路30の下流端は、各気筒18へ吸気を供給する分配通路70によって構成されている。分配通路70は、空気を一時的に蓄えるサージタンク71と、サージタンク71に蓄えられた空気を各気筒18へ分配する独立通路72とを有している。
また、吸気通路30上の各部を結ぶ通路として、吸気通路30は、エアクリーナ31よりも下流側に配設され、エアクリーナ31によって浄化された吸気を過給機50へ導く第1通路34と、過給機50によって圧縮された吸気をインタークーラ60へ導く第2通路35と、インタークーラ60を通過した空気を分配通路70へ導く第3通路36とを有している。
また、吸気通路30は、過給機50よりも上流側で分岐して、過給機50及びインタークーラ60の下流側で合流するように構成されている。具体的に、吸気通路30には、吸気通路30のうちスロットルバルブ32と過給機50との間の部分を、吸気通路30のうちインタークーラ60と分配通路70との間の部分に接続するバイパス通路80が設けられている。バイパス通路80には、該バイパス通路80を開閉可能なバイパスバルブ81が配設されている。
排気通路40は、気筒18内で発生した排気を外部へ排出するように構成されている。具体的に、排気通路40の上流側の部分は、気筒18毎に分岐して排気ポート17の外側端に接続された独立通路と該独立通路の各々が集合する集合部とを有する排気マニホールド(不図示)によって構成されている。この排気通路40における排気マニホールドよりも下流側には、排気中の有害成分を浄化する排気浄化触媒41、42が接続されている。
以下、エンジン1の吸気側(前側)の構成、特に、吸気通路30の立体構造と、その付近に取り付けられた部品の配置とについて説明する。
〈吸気側の構成〉
図5は吸気通路30の構成を示す斜視図であり、図6は吸気通路30の後面側の構成を一部破断して示す正面図であり、図7は吸気通路30の側面図であり、図8は吸気通路30の横断面図であり、そして、図9は吸気通路30の縦断面図(クランク軸方向視したときの縦断面図)である。
吸気通路30を構成する各部は、いずれも、エンジン本体10の前側、具体的には、エンジン本体10の前側面10aの側方(前方)に配置されている(図2〜図4、及び、図12を参照)。以下、エンジン本体10における吸気側の側面(具体的には、エンジン本体10の側面のうち、吸気通路30が接続された側面)10aを取付面10aと称する。取付面10aは、図3等に示すように、シリンダブロック11、及び、シリンダヘッド12の前側面によって構成されている。後述の如く、過給機50は、取付面10aに対して所定の間隔I1を空けて配置されている。そのような間隔I1を空けることで、過給機50の後面と取付面10aとの間に隙間が設けられるようになっている。第1通路34は、過給機50の左側において気筒列方向に沿って延設されており、過給機50の左端に接続されている。また、インタークーラ60は、過給機50に対して鉛直方向(重力方向)下方に隣接しており、過給機50と同様に、取付面10aに対して所定の間隔I2を空けて配置されている。さらに、インタークーラ60は、燃料ポンプ96とも並んで配置されている。第2通路35は、過給機50の前部とインタークーラ60の前部とを接続するように上下に延設されている。分配通路70は、過給機50と取付面10aとの間の隙間に位置しており、第3通路36は、分配通路70をインタークーラ60に接続するべく、インタークーラ60から過給機50にかけての部分と、取付面10aとの間の隙間に沿って延設されている。バイパス通路80は、第1通路34の途中から下方に向かって延びた後、エンジン本体10の内方(右方)へ向かって延び、インタークーラ60の左側部に接続されている。
次に、各部の構造及び配置について詳細に説明する。
第1通路34は、概ね、気筒列方向(左右)に延びる管状に形成されており、その上流端(左端)は、スロットルバルブ32が内蔵されたスロットルボディ34aによって構成されている。スロットルボディ34aは、金属製の短筒状に形成されており、図3〜図6等に示すように、両端の開口を左右に向けた姿勢で、取付面10aよりも左方且つ前方に位置するように配置されている。スロットルボディ34aの上流端(左端)には、不図示の通路を介してエアクリーナ31が接続されている一方、スロットルボディ34aの下流端(右端)には、第1通路34の他部である第1通路本体34bが接続されている。
第1通路本体34bは、図3〜図6に示すように、スロットルボディ34aを過給機50に接続するように構成されている。詳しくは、第1通路本体34bは、両端の開口を左右に向けた樹脂製の長筒状に構成されている。第1通路本体34bは、取付面10aの上側且つ左側部分の前方に位置するように且つ、スロットルボディ34aと同軸になるように配置されている。さらに詳しくは、第1通路本体34bは、図6に示すように、気筒列方向の外側から内方(左側から右方)に向かうにつれて略テーパ状に拡径するように形成されている。第1通路本体34bの上流端(左端)にはスロットルボディ34aの下流端が接続されている一方、下流端(右端)には過給機50の吸入口が接続されている。
また、第1通路本体34bには、バイパス通路80へ分岐する分岐部34cが開口している。図6に示すように、分岐部34cは、第1通路本体34bの上流側部分の下面に形成されており、バイパス通路80の上流端に接続されている。この分岐部34cは、図4〜図6等に示すように、過給機50、インタークーラ60、8つの吸気ポート16、及び、各吸気ポート16に接続された分配通路70よりも車幅方向の外側(左側)に位置している。
よって、エアクリーナ31で浄化されて第1通路34へ流入した吸気は、スロットルバルブ32を通過した後、第1通路本体34bの下流端から過給機50に吸入される(図6の矢印A1を参照)か、第1通路本体34bの途中で分岐部34cを介してバイパス通路80へ流入するか、することになる。
過給機50は、ルーツ式のスーパーチャージャとして構成されている。詳しくは、過給機50は、気筒列方向に沿って延びる回転軸を有する一対のロータ(不図示)と、ロータを収容しているケーシング52と、ロータを回転駆動する駆動プーリ53とを有しており、駆動プーリ53に巻き掛けられた駆動ベルト(不図示)を介してクランクシャフト15に駆動連結されている。
ケーシング52は、取付面10aに沿って気筒列方向(左右)に延びるように形成されており、ロータの収容空間と、過給機50を通過する吸気の流路とを区画している。詳しくは、ケーシング52は、気筒列方向に左端と前面とが開口した金属製の角筒状に形成されており、図4等に示すように、取付面10aの上側且つ左右方向略中央の部分に対して所定の間隔(図9を参照)I1を空けるように且つ、第1通路34と同軸になるように配置されている。ケーシング52の長手方向左端部には、ロータで圧縮する吸気を吸い込む吸入口が開口しており、第1通路34の下流端(右端)が接続されている。その一方で、ケーシング52の前面(エンジン本体10とは反対側の側部)には、図9に示すように、ロータで圧縮された吸気を吐き出す吐出口52bが開口しており、第2通路35の上流端(上端)が接続されている。
ここで、図4〜図6に示すように、過給機50の長手方向一端側(右端側)と他端側(左端側)とが、それぞれ分配通路70に締結されるようになっている。具体的には、ケーシング52後面(エンジン本体側の側面)の右端部にはボルト挿通孔を有する右端側ブラケット52Rが突設されている一方、ケーシング52後面の左端部には、右端側ブラケット52Rと同様に構成された左端側ブラケット52Lが突設されている。右端側ブラケット52Rのボルト挿通孔、及び、左端側ブラケット52Lのボルト挿通孔は、双方とも、上方から下方に向かってボルトが挿し通されるように形成されている(図14も参照)。
加えて、図5及び図9に示すように、過給機50は、第3通路36にも締結されるようになっている。具体的には、ケーシング52後面の左右方向略中央部には、左右に間隔を空けて配置された、各々がボルト挿入口を有している一対の中央ブラケット52Cが突設されている。中央ブラケット52Cのボルト挿入口は、ボルトが気筒列方向に挿入されるように形成されており、一方のブラケット52Cは、挿入されたボルトの基端側部分を支持する一方、他方のブラケット52Cは、同じボルトの先端側部分を支持するようになっている。
駆動プーリ53は、ケーシング52に収容されたロータを回転駆動するように構成されている。詳しくは、駆動プーリ53は、ケーシング52の右端から突出し且つ、第1通路34及びケーシング52に対して略同軸に延びる軸状に形成されている。駆動プーリ53の先端には駆動ベルトが巻き掛けられており、前述の如く、クランクシャフト15を過給機50に駆動連結するように構成されている。
よって、エンジン1の運転中、クランクシャフト15からの出力が、駆動ベルト、及び駆動プーリ53を介して伝達されて、ロータを回転させる。ロータが回転することで、第1通路34から吸い込んだ吸気を、圧縮した上で吐出口52bから吐き出すようになっている。吐き出された吸気は、ケーシング52の前側に配置された第2通路35に流入することになる。
第2通路35は、図2〜図3、図9、及び、図14等に示すように、過給機50をインタークーラ60に接続するように構成されている。前述の如く、過給機50とインタークーラ60とが上下に隣接していることから、本実施形態に係る第2通路35は、エンジン上下方向に沿って延びるように形成されている。また、第2通路35は、気筒列方向視したときに上下の両端がエンジン本体側(後側)に向かって湾曲するように形成されており、上端が過給機50のケーシング52の前部(吐出口52b)に接続されている一方、下端がインタークーラ60の前部に接続されている。具体的に、第2通路35は、左右(気筒列方向)に扁平な樹脂製の曲管部として形成されており、図2及び図9に示すように、ケーシング52の吐出口52bから、エンジン本体10の反対側(前側)へ凸を成すように湾曲しながら下方へ延びて、インタークーラ60の前部に接続されている。さらに詳しくは、第2通路35の上端付近の部分は、過給機50前面の一部を覆うように広がっており、そのことで、過給機50の前方には、第2通路35の上端によって区画された空間が位置するようになっている。同様に、第2通路35の下端付近の部分は、インタークーラ60前面の一部を覆うように広がっており、そのことで、インタークーラ60の前方には、第2通路35の下端によって形成された空間が位置するようになっている。
よって、図9の矢印A2に示すように、過給機50から第2通路35へ流入した吸気は、過給機50側から前方に向かって流れた後、第2通路35に沿って下方に向かって流れ、その後、インタークーラ60に向かって後方へ流れるようになっている。第2通路35を通過した吸気は、前側からインタークーラ60の内部に流入することになる。
また、過給機50及びインタークーラ60を第2通路35によって接続したことで、過給機50とインタークーラ60との間の上下の相対移動が規制されるようになっている。
図7〜図8等に示すように、インタークーラ60は、水冷式のインタークーラとして構成されており、吸気の冷却機能を有するコア61と、コア61の側部に取り付けられ且つ、コア61へ冷却水を導入する給水管62a、及び、コア61から冷却水を導出する排水管62bを支持するように構成されたコア接続部62と、コア61を収容するクーラハウジング63とを備えている。尚、図6に示すように、インタークーラ60の幅方向(左右方向)の寸法Wiは、過給機50の幅方向の寸法Wsよりも短くなっている。インタークーラ60は、本実施形態に係る「温度調整装置」を構成している。
図8〜図9等に示すように、コア61は、直方状に形成されており、その一側面(後面)が取付面10aに対向するように配置されている。コア61の前面が吸気の流入面を構成している一方、コア61の後面が吸気の流出面を形成しており、それぞれ、コア61において最も広い面となっている。コア61には、薄板材を扁平筒形にしたウォータチューブが複数配列されており、各ウォータチューブの外壁面には、波状のコルゲートフィンがロウ付け等により接続されている。このように構成することで、給水管62aから導入された冷却水は、各ウォータチューブに供給されて、高温の吸気を冷却することになる一方、吸気を冷却することで暖められた冷却水は、各ウォータチューブから排水管62bを介して導出されることになる。また、コルゲートフィンを設けたことで、各ウォータチューブの表面積が増加して放熱効果が向上するようになっている。
コア接続部62は、図6〜図8に示すように、矩形薄板状の部材であって、コア61の右側面に取り付けられ、給水管62a及び排水管62bをウォータチューブに接続するように構成されている。コア接続部62が、インタークーラ60の右側面、及び、コア61の収容空間S1の右側壁部を区画するようになっている。
クーラハウジング63は、コア61の収容空間S1、吸気通路30のうち第2通路35と第3通路36との間に介設された流路、及び、バイパス通路80を吸気通路30に合流させる流路を区画形成している。詳しくは、クーラハウジング63は、過給機50のケーシング52の下方位置において、ケーシング52と同様に、エンジン本体10の取付面10aに対して所定の間隔(図9を参照)I2を空けて配置されている。さらに詳しくは、クーラハウジング63は、略箱状に形成されており、その後面が取付面10aに対向している。クーラハウジング63には、コア61の収容空間S1を区画しているハウジング本体64と、バイパス通路80の下流端が接続され、該バイパス通路80を通過した吸気と、コア61によって冷却された吸気とが合流する合流部65とが設けられている。
ハウジング本体64は、取付面10aに沿って延び且つ、前面側と後面側とが開口した矩形薄箱状に形成されており、前面側の開口部64aには第2通路35の下流端が接続されている一方、後面側の開口部64bには第3通路36の上流端が接続されている。また、ハウジング本体64は、右側面も開口している。その開口部64cは、コア61をハウジング本体64内部に収容するときの挿入口として構成されており、コア接続部62によって閉塞されるようになっている。ハウジング本体64の頂壁部64d、底壁部64e、左側壁部64f、及びコア接続部62によって、コア61の収容空間S1が区画形成されている。以下で説明するように、底壁部64e及び左側壁部64fは、合流部65の内壁部も区画するようになっている。
よって、図8〜図9の矢印A3に示すように、第2通路35を通過した吸気は、前面側の開口部64aからハウジング本体64に流入し、前側から後方に向かって流れるようになっている。その際、ウォータチューブに供給された冷却水によって冷却されつつ、コア61を通過するようになっている。冷却された吸気は、ハウジング本体64の後面側の開口部64bから流出し、第3通路36に流入することになる。
合流部65は、図5〜図6、及び、図8〜図9に示すように、バイパス通路80の下流端が接続される入口部66と、その入口部66から流入した吸気を、クーラハウジング63においてコア61の収容空間S1よりも下流側(後側)の空間S2へ導く連通部67とを有している。本実施形態に係る合流部65は、樹脂製である。
入口部66は、図5〜図6等に示すように、インタークーラ60の左側面の下部に設けられ、その下部から左方へ突出した管状部として構成されている。入口部66の上流端(左端)は、左方に向かって開口しており、バイパス通路80の下流端が接続されている。
連通部67は、ハウジング本体64の左側壁部64fの外面と、底壁部64eの外面とに沿って延び且つ、インタークーラ60においてコア61よりも下流側の空間S2に連通している通路として区画されている。詳しくは、連通部67において、左側壁部64fの外方(左方)には、上下に延び且つ、入口部66の下流端(右端)とコア61後方の空間S2の左部とに連通する第1連通部67aが構成されている一方、底壁部64eの外方(下方)には、左右に延び且つ、第1連通部67aの下端とコア61後方の空間S2の底部とに連通する第2連通部67bが構成されている。第1連通部67a及び第2連通部67bは、入口部66から流入した吸気を、コア61後方の空間S2へ導く。尚、第2連通部67bのうちの一部は、図9の縦断面に示すように、下方に向かって膨出するように形成されている。そのように膨出させることで、吸気が第2連通部67bを流れる際の通気抵抗を低減することが可能になる。
よって、図6の矢印A6に示すように、バイパス通路80を通過した吸気は、入口部66を介して合流部65へ流入し、連通部67へ至る。連通部67へ至った吸気は、ハウジング本体64の左側壁部64fや底壁部64eの外面に沿って、コア61の後方へ回り込むように流れた後に、コア61後方の空間S2において、コア61を通過した吸気と合流するようになっている。例えば、バイパス通路80から連通部67へ至った吸気は、第1連通部67aに沿って下方へ流れた後、第2連通部67bに沿って右方へ流れることによってコア61後方の空間S2に流入したり(図6及び図9の矢印A8を参照)、或いは、第1連通部67aに沿って前方へ流れることによって空間S2に流入したり(図8の矢印A7を参照)することで合流するようになっている。
バイパス通路80は、上方から下方に向かって延びた後に、右方に向かって延びる曲管状に形成されており、その上流端(上端)は、バイパスバルブ81が内蔵されたバルブボディ80aによって構成されている一方、バルブボディ80aよりも下流側部分は、曲管部として形成されたバイパス通路本体80bによって構成されている。
バルブボディ80aは、金属製の短筒状に形成されており、図3〜図4に示すように、
第1通路34の下方において両端の開口を上下に向けた姿勢で配置されており、取付面10aの左端付近の部分よりも前方に位置するように配置されている。バルブボディ80aの上流端(上端)には、第1通路34の分岐部34cが接続されている一方、バルブボディ80aの下流端(下端)には、バイパス通路本体80bの上流端が接続されている。
バイパス通路本体80bは、第1通路34の分岐部34cをクーラハウジング63の合流部65に接続するように構成されている。詳しくは、バイパス通路本体80bは、樹脂製でエルボ状の曲管部として構成されており、第1通路34及びバルブボディ80aの下方且つ、インタークーラ60の左隣において、上方と右方とに開口を向けた姿勢で配置されている。バイパス通路本体80bは、バルブボディ80aと同様に、取付面10aの左端付近の部分よりも前方に位置するように配置されている。バイパス通路本体80bの上流端(上端)には、バルブボディ80aの下流端(下端)が接続されている一方、バイパス通路本体80bの下流端(右端)には、合流部65の入口部66が接続されている。
よって、図6の矢印A6に示すように、第1通路34から分岐してバイパス通路80へ流入した吸気は、バルブボディ80aに内蔵されたバイパスバルブ81を通過した後、バイパス通路本体80bに流入する。バイパス通路本体80bに流入した空気は、下方に向かって流れた後、右方に向かって流れ、入口部66を介して合流部65に流入することになる。
図10は、第3通路36及び分配通路70を前側から見て示す正面図であり、図11は、分配通路70の横断面図であり、図12は、分配通路70を一部横断して示す斜視図である。
第3通路36は、分配通路70と一体的に成形された樹脂製の部材であって、図6及び図9に示すように、インタークーラ60を分配通路70に接続するように構成されている。詳しくは、第3通路36は、上流側から順に、クーラハウジング63に締結され、インタークーラ60またはバイパス通路80を通過した吸気が流入する集合部36aと、集合部36aに集合した吸気を分配通路70へ導く導入部36bとを有している。また、集合部36aと導入部36bとの境界付近の前面には、図10〜図12に示すように、ケーシング52の中央ブラケット52C、52Cに締結される支持部37が設けられている。尚、第3通路36及び分配通路70は、本実施形態に係る「介在部」を構成している。
集合部36aは、前面側、すなわちクーラハウジング63側が開放された、前後の奥行が浅い箱状に形成されており、その開放部は、図8に示すように、ハウジング本体64後面側の開口部64bに接続されている。図9等に示すように、集合部36aは、ハウジング本体64の後面と、エンジン本体10の取付面10aとの間に位置するようになっている。また、集合部36aの後面には導入部36bの上流端が接続されている。
導入部36bは、略上下方向に延びる曲管部として形成されており、その上流端は集合部36aの後面に接続されている一方、その下流端はサージタンク71の下面中央部71a(図11〜図12を参照)に接続されている。この導入部36bは、図9等に示すように、集合部36aの後面からケーシング52の後面にかけての部分と、エンジン本体10の取付面10aとの間の隙間に沿って延びるように形成されている。
さらに詳しくは、図10に示すように、導入部36bの上流側部分(図10の区間P1に相当)は、集合部36aとの接続部から右斜め上方へ延びる一方、導入部36bの下流側部分(図10の区間P2に相当)は、上流側部分の上端からサージタンク71との接続部にかけて直上方へ延びるように形成されている。
支持部37は、図9等に示すように、気筒列方向にボルトを挿通可能に形成されており、挿し通したボルトを下方から支持することができるように構成されている。過給機50を所定の取付位置に配置したときに、ケーシング52の中央ブラケット52Cが、支持部37を気筒列方向の両側から挟み込むようになっている。そのように配置した状態において、中央ブラケット52Cのボルト挿入口と、支持部37とに1本のボルトを螺嵌することで、ケーシング52ひいては過給機50が、第3通路36に締結されるようになっている。螺嵌したボルトを介して、過給機50を第3通路36によって支持することが可能になる。
分配通路70は、図4〜図6、及び、図10〜図12に示すように、気筒列方向(左右方向)に延びるサージタンク71と、サージタンク71の後側に形成され、各吸気ポート16に接続された8つの独立通路72とを有している。この分配通路70は、図4等に示すように、過給機50とエンジン本体10との間に位置しており、具体的には、ケーシング52の後面と、エンジン本体10の取付面10aとの間に介在している。また、サージタンク71におけるエンジン本体10とは反対側の側面(前面)には、過給機50のケーシング52に設けた右端側ブラケット52Rが締結される右端側締結部71Rと、左端側ブラケット52Lが締結される左端側締結部71Lとが設けられている。
サージタンク71は、1番気筒18aに対応する吸気ポート16の配設位置から4番気筒18dに対応する吸気ポート16の配設位置にかけて気筒列方向に延び且つ、同方向の両端が閉塞された有底筒状に形成されている。また、サージタンク71下面には、図12に示すように、導入部36bの下流端が接続されている。詳しくは、導入部36bの下流側部分は、該下流側部分の延設方向がサージタンク71の延設方向に対して直交するように形成されている。また、導入部36bの下流側部分は、サージタンク71下面の気筒列方向中央部に接続されており、サージタンク71において、導入部36bとの接続部から気筒列方向の一端までの寸法D1が、該接続部から気筒列方向の他端までの寸法D2と等しくなっている(D1=D2)。このような構成とすることで、吸気の分配性能を確保することが可能となり、ひいては吸気効率の気筒間差を低減する上で有利になる。
サージタンク71におけるエンジン本体側の側面(後面)には、8つの独立通路72が形成されている。8つの独立通路72は、それぞれ、前後方向に沿って延びる通路として形成されており、一端側はサージタンク71内の空間に連通している一方、他端側は、エンジン本体側(後側)に開口している。8つの独立通路72は、それぞれ、8つの吸気ポート16の各々に対応する位置に形成されており、分配通路70をシリンダブロック11に締結することで、分配通路70を、吸気ポート16を介して各気筒18に接続することが可能になる。
よって、インタークーラ60から第3通路36へ流入した吸気は、集合部36aを通過した後(図9の矢印A4を参照)、導入部36bの上流側部分(区間P1)に沿って右斜め上方へ流れ、その後、導入部36bの下流側部分(区間P2)に沿って直上方へ流れるようになっている。導入部36bを通過した吸気は、サージタンク71の気筒列方向略中央に流入し、サージタンク71にて一時的に蓄えられた後、独立通路72から各気筒18へ供給される(図9の矢印A5を参照)ことになる。
ここで、右端側締結部71R、及び、左端側締結部71Lは、図4及び図14等に示すように、気筒軸方向(上下方向)に延び且つ、上方に向かって開口したボルト挿入部を有している。過給機50を前述の取付位置に配置すると、右端側ブラケット52Rは、右端側締結部71Rの上に載置される一方、左端側ブラケット52Lは、左端側締結部71Lの上に載置されるようになっている。そのように配置した状態で、右端側ブラケット52Rのボルト挿通口と、右端側締結部71Rのボルト挿入部とにボルトを挿入して螺嵌する一方、左端側ブラケット52Lのボルト挿通口と、左端側締結部71Lのボルト挿入部とに別のボルトを挿入して螺嵌することで、ケーシング52、ひいては過給機50が、分配通路70に締結されるようになっている。螺嵌したボルトを介して、過給機50を分配通路70によって支持することが可能になる。
本実施形態に係る吸気通路30では、エアクリーナ31で浄化された吸気は、第1通路34へ流入する。ここで、バイパスバルブ81を開閉することによって、バイパス通路80に吸気を流すか否かを切換可能である。第1通路34へ流入した吸気は、バイパスバルブ81を閉じているときには、第1通路34から過給機50へ導かれ、過給機50内で圧縮される。圧縮された吸気は、第2通路35へ吐出された後、インタークーラ60のコア61を通過する際に冷却された上で第3通路36へ至る。一方で、バイパスバルブ81を開いているときには、吸気は、第1通路34の途中から分岐したバイパス通路80を通過することで、過給機50及びコア61を迂回する。過給機50等を通過した吸気、又は、過給機50等を迂回した吸気は、コア61後方の空間S2を通過した後、第3通路36を介して分配通路70へ導かれ、8つの独立通路72の各々に分配される。
ここで、バイパス通路80を介して分配通路70へ導かれる吸気は、図6の矢印A4に示すように、下方へ凸を成すように湾曲した流路に沿って流れることになる。このような流路は、吸気の通気抵抗を低減する上で有効である。
次に、吸気通路30付近に取り付けられた部品、特に、前述のオルタネータ91、エアコンプレッサ92、スタータモータ93、及び燃料ポンプ96の配置について説明する。
図2〜図3に示すように、取付面10aの右端(図2〜図3の紙面左端)付近には、過給機50を構成する駆動プーリ53と、オルタネータ91と、エアコンプレッサ92とが、上方からこの順で並ぶように配置されている。詳しくは、オルタネータ91は、シリンダブロック11前面の右端付近において、インタークーラ60の左隣に配置されている。また、エアコンプレッサ92は、オルタネータ91よりも下方かつオイルパン13よりも上方の高さ位置に配置されている。オルタネータ91及びエアコンプレッサ92は、双方とも、駆動ベルトを介してクランクシャフト15に駆動連結されており、駆動ベルトによって伝達された動力によって作動する。
スタータモータ93は、インタークーラ60の下方に配置されている。詳しくは、スタータモータ93は、その駆動軸を左右に向けた姿勢で配置されており、図6等に示すように、ハウジング本体64の底壁部64eに沿って延設された第2連通部67bを挟んでコア61の下方に位置している。スタータモータ93は、専用のギアシステムを介してクランクシャフト15に駆動連結されており、エンジン1の始動時にクランクシャフト15を駆動する。
燃料ポンプ96は、過給機50をはじめとした各部と同じ側面、つまり、取付面10a側に位置するように締結されている。本実施形態に係る燃料ポンプ96は、プランジャ式のポンプであって、ポンプ駆動用のカム(不図示)を有していると共に、そのカムが、専用のタイミングチェーンを介してクランクシャフト15に駆動連結されている。クランクシャフト15により駆動されたカムが、タペットを介してプランジャを往復動させることによって、燃料の圧送が行われる。従来から知られているように、吸気カムシャフトによって燃料ポンプ96を駆動する構成も考えられるが、そのような構成では、例えば、吸気カムシャフトによって吸気側のVVTも駆動する場合、燃料ポンプ96の駆動に要するトルクの分だけ、VVTを駆動するためのトルクが不足してしまい、VVTを正常に作動することが出来なくなってしまう虞がある。本実施形態のように、燃料ポンプ96をクランクシャフト15により駆動することで、吸気カムシャフトによるVVTの駆動と両立させて、燃料ポンプ96として高圧燃料ポンプを用いる上で有利になる。それにより、燃料噴射量の緻密に制御して、ひいてはエンジンの燃費性能を向上させることが可能になる。また、このように構成する場合、燃料ポンプ96をエンジン本体10の側面に取り付けることが考えられるが、排気側の側面に取り付けてしまうと熱害が懸念されるため、燃料ポンプ96は、吸気側の側面10a付近に配設されることになる。
図13は燃料ポンプ96の構成を示す斜視図であり、図14は燃料ポンプの配置を示す縦断面図(クランク軸方向視したときの断面図)である。図13に示すように、燃料ポンプ96には、燃料の吸入口961と吐出口962とを有し、燃料が流出入する油路が形成されたポンプ本体96aと、タペットが上下動可能に収容されたタペット収容部96bと、カムが回動可能に収容されたカム収容部96cとが、この順で配設されている。本実施形態に係る燃料ポンプ96は、ポンプ本体を上方に向けて且つ、カム収容部96cを下方に向けた姿勢で取り付けられるようになっている。また、図14に示すように、燃料ポンプ96は、インタークーラ60及び過給機50と取付面10aとの間に位置するように取り付けられている。さらに、ポンプ本体96aの高さ位置は、過給機50の下側且つインタークーラ60の上側となっている。加えて、燃料ポンプ96の左右方向の取付位置は、図5の鎖線に示すように、第3通路36の左隣となっている。
ここで、図14に示すように、インタークーラ60の反燃料ポンプ側(具体的には、インタークーラ60を挟んでポンプ本体96aの反対側)、特に、吸気通路30をクランク軸方向視したときのインタークーラ60の下側には、第2連通部67bが位置している。この第2連通部67bは、本実施形態に係る中空の「緩衝部」を構成している。また、図8に示すように、吸気通路30を横断面視したときのインタークーラ60と燃料ポンプ96(具体的には、カム収容部96c)との間には、第1連通部67aと第3通路36とが介在している。また、インタークーラ60及び第2連通部67bを挟んでポンプ本体96aの反対側には、スタータモータ93が配設されている。
前記のように構成されたエンジン1を搭載した車両が衝突荷重を受けた結果、例えば、インタークーラ60に対して反燃料ポンプ側から荷重が加わった場合、その荷重は、インタークーラ60を燃料ポンプ側へ相対移動させるように作用する。しかしながら、インタークーラ60の反燃料ポンプ側に第2連通部67bを配設したことから、そのような荷重は、第2連通部67bを介してインタークーラ60に加わるようになる。第2連通部67bは中空の部材であるから、荷重の大きさに応じてつぶれることで、衝突の影響を緩和するクッションとして機能する。これにより、インタークーラ60の燃料ポンプ側への相対移動を抑制し、ひいては、燃料ポンプ96をインタークーラ60から保護することが可能になる。
特に、インタークーラ60が、ポンプ本体96aの下側に配置されているから、インタークーラ60に対して下方から衝突荷重が加わったときに、ポンプ本体96aをインタークーラ60から保護することが可能になる。
また、吸気通路30のうちの一部である第2連通部67bによって緩衝部を構成することで、新たな部品を設けることなく、燃料ポンプ96をインタークーラ60から保護することが可能になる。このことは、エンジン1の部品点数の抑制、すなわち、エンジン1の組立工程の増加抑制を図る上で有効である。
また、インタークーラ60とスタータモータ93との間に第2連通部67bが介在するように配置したから、反燃料ポンプ側から衝突荷重を受けたスタータモータ93が燃料ポンプ側へ相対移動したときに、スタータモータ93とインタークーラ60との接触を防止することが可能になる。そのことで、インタークーラ60の燃料ポンプ96側への相対移動を抑制し、ひいては、燃料ポンプ96をインタークーラ60から保護する上で有利になる。
また、反燃料ポンプ側から衝突荷重を受けたときに、スタータモータ93が第2連通部67bに当接することで、第2連通部67bを、スタータモータ93に対するクッションとして機能させることも可能になる。
また、吸気通路30のうちインタークーラ60に接続された第3通路36及び分配通路70が、インタークーラ60とエンジン本体10の取付面10aとの間に位置しているから、そのような配置によって、インタークーラ60のエンジン本体10に対する相対移動、特に、インタークーラ60のエンジン本体側への相対移動を規制することが可能になる。インタークーラ60の相対移動を規制することで、インタークーラ60に対して並んで配置された燃料ポンプ96を保護する上で有利になる。
また、分配通路70がシリンダブロック11に締結されていることから、インタークーラ60は、第3通路36及び分配通路70を介してエンジン本体10に取付固定されることになる。そのことで、インタークーラ60のエンジン本体10に対する相対移動を抑制し、ひいては燃料ポンプ96をインタークーラ60から保護する上で有利になる。
また、インタークーラ60は、エンジン本体10の反対側に接続された第2通路35を介して、過給機50によって支持されることになる。そのことで、インタークーラ60の過給機50に対する相対移動を抑制し、ひいては燃料ポンプ96をインタークーラ60から保護する上で有利になる。
また、過給機50は、エンジン本体10の取付面10aに沿って左右に延びるように配設されており、その左端側と右端側とが、それぞれ、右端側ブラケット52Rと、左端側ブラケット52Lとによって分配通路70に締結されていることから、過給機50を安定して支持することが可能になる。そのことで、過給機50を介してインタークーラ60を安定して支持することになり、ひいては燃料ポンプ96をインタークーラ60から保護する上で有利になる。
《他の実施形態》
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態では、エンジン1は、4気筒の横置きエンジンとして構成されていたが、これに限らず、3気筒エンジンとして構成したり、5気筒以上のエンジンとして構成したりしてもよい。また、エンジン1を縦置きエンジンとして構成してもよい。その場合、吸気通路30及び燃料ポンプ96は、エンジン本体10の左右いずれか一方の側面に配置されることになる。
また、前記実施形態では、過給機50は、機械駆動式の過給機として構成されていたが、これに限らず、電動式の過給機として構成してもよい。また、過給機は必須ではない。過給機を省略した場合、温度調整装置は、吸気の冷却ではなく、吸気の加熱を行うインテークウォーマとして構成されることになる。