JP6341210B2 - 透明基体の光学特性を評価する方法および透明基体 - Google Patents

透明基体の光学特性を評価する方法および透明基体 Download PDF

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Description

本発明は、透明基体の光学特性を評価する方法に関する。
一般に、画素を有するLCD(Liquid Crystal Display)装置のような表示装置の上には、該表示装置の保護のため、透明基体で構成された保護カバーが配置される。
しかしながら、表示装置上にこのような透明基体を設置した場合、透明基体を介して表示装置の表示画を視認しようとした際に、しばしば、周辺に置かれているものの映り込みが生じる場合がある。透明基体にそのような映り込みが生じると、表示画の視認者は、表示画を視認することが難しくなる上、不快な印象を受けるようになる。
そこで、このような映り込みを抑制するため、透明基体の表面に対して、アンチグレア処理が適用される場合がある。
なお、特許文献1には、特殊な装置を用いて、表示装置への映り込みを評価する方法が示されている。
特開2007−147343号公報
前述のように、周囲光の映り込みを抑制するため、透明基体には、しばしば、アンチグレア処理が実施される。
ところで、実際の透明基体では、周囲光の映り込みの抑制効果の他、防眩性およびぎらつきなどの特性も同時に把握したい場合がある。
しかしながら、これまで、透明基体の防眩性とぎらつきの両方を評価する方法は、あまり知られていない。特に、透明基体のぎらつきについては、これまでに評価手法が十分に確立しているとは言い難く、定量的に評価すること自体が難しいという問題がある。
なお、透明基体のぎらつき評価装置として、最近、SMS−1000装置(Display−Messtechnik&Systeme社製)が注目されている。このSMS−1000装置では、固体撮像素子を介して撮影された透明基体の一部の画像(輝度)の解析により、透明基体のぎらつきを評価できる。
しかしながら、本願発明者らの知見によれば、SMS−1000装置による評価では、しばしば、適正なぎらつきの測定結果が得られないことが認められている。すなわち、目視観察では、有意なぎらつきが認められないものの、SMS−1000装置による評価では、透明基体が顕著なぎらつきを示すと判断される場合と、その逆の結果が生じる場合とが存在する。
このように、現在も、透明基体の防眩性およびぎらつきの両方を適正に把握する技術が必要となっている。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、アンチグレア処理された透明基体の防眩性およびぎらつきの両方を適正に評価することが可能な評価方法を提供することを目的とする。
本発明では、透明基体の光学特性を評価する方法であって、
第1および第2の表面を有し、前記第1の表面がアンチグレア処理された透明基体の定量化された防眩性指標値を取得するステップと、
前記透明基体の定量化されたぎらつき指標値を取得するステップと、
を順不同に有し、
前記定量化された防眩性指標値は、
(a)第1および第2の表面を有する透明基体の前記第1の表面側から、前記透明基体の厚さ方向に対して20゜の方向に第1の光を照射し、前記第1の表面で反射する20゜正反射光の輝度を測定するステップと、
(b)前記第1の表面により反射される反射光の受光角度を−20゜〜+60°の範囲で変化させ、前記第1の表面で反射される全反射光の輝度を測定するステップと、
(c)以下の式(1)から、防眩性指標値Rを算定するステップと

防眩性指標値R=
(全反射光の輝度−20゜正反射光の輝度)/(全反射光の輝度) 式(1)

により得られ、
前記定量化されたぎらつき指標値は、
(A)前記透明基体を、前記第2の表面が表示装置の側になるようにして、前記表示装置の上に配置するステップと、
(B)前記表示装置をオンにした状態で、固体撮像素子を用いて前記透明基体を撮影し、第1の画像を取得するステップであって、前記固体撮像素子と前記透明基体の間の距離をdとし、前記固体撮像素子の焦点距離をfとしたとき、撮影の際の距離指数r(=d/f)は、8以上であるステップと、
(C)前記取得された第1の画像から、第1の輝度分布を形成するステップと、
(D)前記透明基体を、前記第2の表面と略平行な方向に動かし、前記透明基体を前記表示装置に対して移動させるステップと、
(E)前記(B)および(C)のステップを繰り返し、取得された第2の画像から、第2の輝度分布を形成するステップと、
(F)前記第1の輝度分布と前記第2の輝度分布の差分から、差分輝度分布ΔSを求めるステップと、
(G)前記差分輝度分布ΔSから、平均輝度分布ΔSaveおよび分散σを算定するとともに、以下の式(2)から、出力値Aを得るステップと、

出力値A=分散σ/平均輝度分布ΔSave 式(2)

(H)前記(A)〜(G)のステップを、基準用のアンチグレア処理された透明基体で実施して、出力値Aの代わりに、参照出力値Qを得るステップであって、該(H)のステップは、前記(A)〜(G)のステップの前、または前記(A)〜(G)のステップと並列に実施されるステップと、
(I)以下の式(3)から、ぎらつき指標値Gを求めるステップと、

ぎらつき指標値G=(出力値A)/(参照出力値Q) 式(3)

により得られることを特徴とする方法が提供される。
また、本発明では、第1および第2の表面を有し、前記第1の表面がアンチグレア処理された透明基体であって、
前述の本発明による方法で評価した際に、
前記防眩性指標値Rが0.4以上であり、
前記ぎらつき指標値Gが0.6以下であることを特徴とする透明基体が提供される。
本発明では、アンチグレア処理された透明基体の防眩性およびぎらつきの両方を適正に評価することが可能な評価方法を提供できる。
本発明の一実施形態による透明基体の防眩性を評価する方法のフローを概略的に示した図である。 防眩性指標値を取得する際に使用される、測定装置の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態による透明基体のぎらつきを評価する方法のフローを概略的に示した図である。 透明基体のぎらつきを評価する方法の一工程において得られた、第1の画像を模式的に示した図である。 透明基体のぎらつきを評価する方法の一工程において得られた、第1の輝度分布を模式的に示した図である。 各種透明基体において得られた、防眩性指標値R(横軸)とぎらつき指標値G(縦軸)との関係の一例をプロットした図である。 本発明の一実施形態による透明基体を模式的に示した図である。 各透明基体において得られた、目視による防眩性のレベル(縦軸)と、防眩性指標値R(横軸)の間の関係の一例を示したグラフである。 各透明基体において得られた、ぎらつき指標値G(縦軸)と、目視によるぎらつきのレベル(横軸)の間の関係の一例を示したグラフである。
以下、本発明について詳しく説明する。
前述のように、アンチグレア処理された透明基体において、防眩性とぎらつきの両特性を把握したい場合がある。しかしながら、現状では、透明基体の防眩性とぎらつきの両方を、客観的に評価できる方法はほとんど認められない。
特に、透明基体にアンチグレア処理を施工する手段としては、様々な方法が存在するため、アンチグレア処理された透明基体の表面も、様々な形態のものが存在する。このような様々な表面を有する透明基体の防眩性およびぎらつきを、同じ指標で一律に評価することは極めて難しい。
例えば、最近、透明基体のぎらつき評価装置として、SMS−1000装置が注目されている。しかしながら、本願発明者らの知見によれば、SMS−1000装置による評価では、しばしば、適正なぎらつきの測定結果が得られないことが認められている。すなわち、目視観察では、有意なぎらつきが認められない透明基体であっても、SMS−1000装置による評価では、透明基体が大きなぎらつきを示すと判断される場合と、その逆の結果が生じる場合とが存在する。
このように、透明基体のぎらつきにのみ着目しても、未だ十分に有効な測定手法が確立されているとは言い難い。さらに、透明基体の防眩性とぎらつきの両方に着目した評価手法に関しては、ほとんど存在しないのが実情である。
これに対して、本発明では、透明基体の光学特性を評価する方法であって、
第1および第2の表面を有し、前記第1の表面がアンチグレア処理された透明基体の定量化された防眩性指標値を取得するステップと、
前記透明基体の定量化されたぎらつき指標値を取得するステップと、
を順不同に有し、
前記定量化された防眩性指標値は、
(a)第1および第2の表面を有する透明基体の前記第1の表面側から、前記透明基体の厚さ方向に対して20゜の方向に第1の光を照射し、前記第1の表面で反射する20゜正反射光の輝度を測定するステップと、
(b)前記第1の表面により反射される反射光の受光角度を−20゜〜+60°の範囲で変化させ、前記第1の表面で反射される全反射光の輝度を測定するステップと、
(c)以下の式(1)から、防眩性指標値Rを算定するステップと

防眩性指標値R=
(全反射光の輝度−20゜正反射光の輝度)/(全反射光の輝度) 式(1)

により得られ、
前記定量化されたぎらつき指標値は、
(A)前記透明基体を、前記第2の表面が表示装置の側になるようにして、前記表示装置の上に配置するステップと、
(B)前記表示装置をオンにした状態で、固体撮像素子を用いて前記透明基体を撮影し、第1の画像を取得するステップであって、前記固体撮像素子と前記透明基体の間の距離をdとし、前記固体撮像素子の焦点距離をfとしたとき、撮影の際の距離指数r(=d/f)は、8以上であるステップと、
(C)前記取得された第1の画像から、第1の輝度分布を形成するステップと、
(D)前記透明基体を、前記第2の表面と略平行な方向に動かし、前記透明基体を前記表示装置に対して移動させるステップと、
(E)前記(B)および(C)のステップを繰り返し、取得された第2の画像から、第2の輝度分布を形成するステップと、
(F)前記第1の輝度分布と前記第2の輝度分布の差分から、差分輝度分布ΔSを求めるステップと、
(G)前記差分輝度分布ΔSから、平均輝度分布ΔSaveおよび分散σを算定するとともに、以下の式(2)から、出力値Aを得るステップと、

出力値A=分散σ/平均輝度分布ΔSave 式(2)

(H)前記(A)〜(G)のステップを、基準用のアンチグレア処理された透明基体で実施して、出力値Aの代わりに、参照出力値Qを得るステップであって、該(H)のステップは、前記(A)〜(G)のステップの前、または前記(A)〜(G)のステップと並列に実施されるステップと、
(I)以下の式(3)から、ぎらつき指標値Gを求めるステップと、

ぎらつき指標値G=(出力値A)/(参照出力値Q) 式(3)

により得られることを特徴とする方法が提供される。
本発明による透明基体の光学特性を評価する方法では、以下に詳しく示すように、アンチグレア処理の方法によらず、アンチグレア処理された透明基体の防眩性およびぎらつきの両方を、適正に評価することが可能になる。
また、本発明による方法では、透明基体の防眩性およびぎらつきとして、数値化された値が使用される。このため、防眩性およびぎらつきに関して、観察者の主観や先入観にとらわれず、これらの光学特性を、客観的かつ定量的に判断可能である。
(本発明による透明基体の光学特性を評価する方法の一実施形態について)
次に図面を参照して、本発明による方法に使用され得る、透明基体の防眩性およびぎらつきのそれぞれを評価する方法の一実施形態について説明する。
(防眩性評価方法)
図1には、本発明の一実施形態による透明基体の防眩性を評価する方法のフローを概略的に示す。
図1に示すように、この透明基体の防眩性を評価する方法(以下、「第1の方法」とも称する)は、
(a)第1および第2の表面を有する透明基体の前記第1の表面側から、前記透明基体の厚さ方向に対して20゜の方向に第1の光を照射し、前記第1の表面で正反射する光(以下、「20゜正反射光」ともいう)の輝度を測定するステップ(ステップS110)と、
(b)前記第1の表面により反射される反射光の受光角度を−20°〜+60°の範囲で変化させ、前記第1の表面により反射される第1の光(以下、「全反射光」ともいう)の輝度を測定するステップ(ステップS120)と、
(c)以下の式(1)から、防眩性指標値Rを算定するステップ(ステップS130)

防眩性指標値R=
(全反射光の輝度−20゜正反射光の輝度)/(全反射光の輝度) 式(1)

と、を有する。
以下、各ステップについて説明する。
(ステップS110)
まず、相互に対向する第1および第2の表面を有する透明基体が準備される。
透明基体は、透明である限り、いかなる材料で構成されても良い。透明基体は、例えば、ガラスまたはプラスチック等であっても良い。
透明基体がガラスで構成される場合、ガラスの組成は特に限られない。ガラスは、例えば、ソーダライムガラスまたはアルミノシリケートガラスであっても良い。
また、透明基体がガラスで構成される場合、第1および/または第2の表面は、化学強化処理されても良い。
ここで、化学強化処理とは、アルカリ金属を含む溶融塩中にガラス基板を浸漬させ、ガラス基板の最表面に存在するイオン半径の小さなアルカリ金属(イオン)を、溶融塩中に存在するイオン半径の大きなアルカリ金属(イオン)と置換する技術の総称を言う。化学強化処理法では、処理されたガラス基板の表面には、元の原子よりもイオン半径の大きなアルカリ金属(イオン)が配置される。このため、ガラス基板の表面に圧縮応力を付与することができ、これによりガラス基板の強度(特にワレ強度)が向上する。
例えば、ガラス基板がナトリウムイオン(Na)を含む場合、化学強化処理により、このナトリウムイオンは、例えばカリウムイオン(K)と置換される。または、例えば、ガラス基板がリチウムイオン(Li)を含む場合、化学強化処理により、このリチウムイオンは、例えばナトリウムイオン(Na)および/またはカリウムイオン(K)と置換されても良い。
一方、透明基体がプラスチックで構成される場合、プラスチックの組成は特に限られない。透明基体は、例えばポリカーボネート基板であっても良い。
なお、ステップS110の前に、透明基体の第1の表面を、アンチグレア処理するステップが実施される。アンチグレア処理の方法は、特に限られない。アンチグレア処理は、例えば、フロスト処理、エッチング処理、サンドブラスト処理、ラッピング処理、またはシリカコート処理等であっても良い。
本発明の一実施形態による防眩性測定方法では、透明基体の防眩性を示す定量的な指標値(防眩性指標値R)を用いて、各種透明基体を一律に評価できる。従って、アンチグレア処理の方法として、各種方法を採用することができる。
アンチグレア処理後の透明基体の第1の表面は、例えば、0.05μm〜1.0μmの範囲の表面粗さ(算術平均粗さRa)を有しても良い。
次に、準備された透明基体の第1の表面側から、透明基体の厚さ方向に対して20゜±0.5゜の方向に向かって、第1の光が照射される。第1の光は、透明基体の第1の表面で反射される。この反射光のうち、20゜正反射光を受光し、その輝度を測定して、「20゜正反射光の輝度」とする。
(ステップS120)
次に、第1の表面で反射される反射光の受光角度を−20°〜+60°の範囲で変化させ、同様の操作を実施する。この際に、透明基体の第1の表面で反射して、第1の表面から出射される第1の光の輝度分布を測定して合計し、「全反射光の輝度」とする。
(ステップS130)
次に、以下の式(1)から、防眩性指標値Rを算定する:

防眩性指標値R=
(全反射光の輝度−20゜正反射光の輝度)/(全反射光の輝度) 式(1)

この防眩性指標値Rは、後述するように、観察者の目視による防眩性の判断結果と相関し、人の視感に近い挙動を示すことが確認されている。例えば、防眩性指標値Rが大きな値(1に近い値)を示す透明基体は、防眩性に優れ、逆に防眩性指標値Rが小さな値を示す透明基体は、防眩性が劣る傾向にある。従って、この防眩性指標値Rは、透明基体の防眩性を判断する際の定量的指標として、使用可能である。
図2には、前述の式(1)で表される防眩性指標値Rを取得する際に使用される、測定装置の一例を模式的に示す。
図2に示すように、測定装置300は、光源350および検出器370を有し、測定装置300内に、透明基体210が配置される。透明基体210は、第1の表面212および第2の表面214を有する。光源350は、透明基体210に向かって、第1の光362を放射する。検出器370は、第1の表面212において反射される反射光364を受光し、その輝度を検出する。
なお、透明基体210は、第1の表面212が光源350および検出器370の側となるように配置される。従って、検出器370が検出する第1の光は、透明基体210で反射された反射光364である。また、透明基体210の一方の表面がアンチグレア処理されている場合、このアンチグレア処理されている表面が、透明基体210の第1の表面212となる。すなわち、この場合、透明基体210は、アンチグレア処理されている表面が光源350および検出器370の側となるようにして、測定装置300内に配置される。
また、第1の光362は、透明基体210の厚さ方向に対して、20゜傾斜した角度で照射される。なお、本願では、測定装置の誤差を考慮して、20゜±0.5゜の範囲を、角度20゜と定義する。
このような測定装置300において、光源350から透明基体210に向かって第1の光362を照射し、受光角度φが20゜となるように配置された検出器370を用いて、透明基体210の第1の表面212で反射される正反射光364を検出する。これにより、「20゜正反射光」が検出される。
次に、検出器370において、反射光364を測定する受光角度φを、−20゜〜+60゜の範囲で変化させ、同様の操作を実施する。
そして、受光角度φ=−20゜〜+60゜の範囲で、透明基体210の第1の表面212で反射された反射光364(全反射光という)の輝度分布を検出し、合計する。
ここで、受光角度φのマイナス(−)は、当該受光角度が、評価対象となる対象表面(上記例では第1の表面)の法線よりも、入射光側にあることを表し、プラス(+)は、当該受光角度が、対象表面の法線に比べて、入射光側にないことを表す。
得られた20゜正反射光の輝度および全反射光の輝度から、前述の式(1)により、透明基体210の防眩性指標値Rを取得できる。なお、このような測定は、市販のゴニオメータ(変角光度計)を使用することにより、容易に実施できる。
なお、第1の光の照射角度は60°〜5°の範囲から適宜選択できる。ただし、本願では、目視観察による防眩性評価と定量評価とが良好な相関を示す観点から、第1の光の照射角度として、20°を選択している。
(ぎらつき指標値について)
図3には、本発明の一実施形態による透明基体のぎらつきを評価する方法のフローを概略的に示す。
図3に示すように、この透明基体のぎらつきを評価する方法(以下、「第2の方法」とも称する)は、
(A)第1および第2の表面を有する透明基体を、第2の表面が表示装置の側になるようにして、前記表示装置の上に配置するステップ(ステップS210)と、
(B)前記表示装置をオンにした状態で、固体撮像素子を用いて前記透明基体を撮影し、第1の画像を取得するステップであって、前記固体撮像素子と前記透明基体の間の距離をdとし、前記固体撮像素子の焦点距離をfとしたとき、撮影の際の距離指数r(=d/f)は、8以上であるステップ(ステップS220)と、
(C)前記取得された第1の画像から、第1の輝度分布を形成するステップ(ステップS230)と、
(D)前記透明基体を、前記第2の表面と略平行な方向に動かし、前記透明基体を前記表示装置に対して移動させるステップ(ステップS240)と、
(E)前記(B)および(C)のステップを繰り返し、取得された第2の画像から、第2の輝度分布を形成するステップ(ステップS250)と、
(F)前記第1の輝度分布と前記第2の輝度分布の差分から、差分輝度分布ΔSを求めるステップ(ステップS260)と、
(G)前記差分輝度分布ΔSから、平均輝度分布ΔSaveおよび分散σを算定するとともに、以下の式(2)から、出力値Aを得るステップ(ステップS270)と、

出力値A=分散σ/平均輝度分布ΔSave 式(2)

(H)前記(A)〜(G)のステップを、基準用のアンチグレア処理された透明基体で実施して、出力値Aの代わりに、参照出力値Qを得るステップ(ステップS280)と、
(I)以下の式(3)から、ぎらつき指標値Gを求めるステップ(ステップS290)と、

ぎらつき指標値G=(出力値A)/(参照出力値Q) 式(3)

を有する。
以下、各ステップについて詳しく説明する。
(ステップS210)
まず、相互に対向する第1および第2の表面を有する透明基体が準備される。透明基体は、第1の表面がアンチグレア処理されている。
なお、透明基体の材質、組成等は、前述のステップS110において示したものと同様であるため、ここではこれ以上説明しない。
ただし、前述のように、従来、例えばエッチング処理内での条件変更のような、単一のアンチグレア処理方法間のみならず、複数存在するアンチグレア処理方法によって異なる様々な表面を有する透明基体のぎらつきを、同じ指標で一律に評価することは難しかった。
しかしながら、本発明の一実施形態によるぎらつき評価方法では、以降に示すように、透明基体のぎらつきを示す定量的な指標値(ぎらつき指標値G)を用いて、各種透明基体を一律に評価可能である。従って、本発明の一実施形態によるぎらつき評価方法は、アンチグレア処理の処理方法を選択する手段としても有用であることに留意する必要がある。
次に、表示装置が準備される。表示装置は、画素(ピクセル)を有するものである限り、特に限られない。表示装置は、例えば、LCD装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、PDP(Plasma Display Panel)装置、またはタブレット型表示装置等であっても良い。表示装置の解像度は、例えば132ppi以上が好ましく、186ppi以上がより好ましく、264ppi以上がさらに好ましい。
次に、表示装置の上に透明基体が配置される。この際には、透明基体は、第2の表面が表示装置の側になるようにして、表示装置の上に配置される。
(ステップS220)
次に、表示装置をONにした状態(すなわち画像を表示させた状態)で、固体撮像素子を用いて、透明基体を第1の表面側から撮影し、表示装置上に配置された透明基体の画像(第1の画像)を取得する。
固体撮像素子と透明基体の間の距離dは、所定の値に設定される。
なお、本願では、固体撮像素子と透明基体の間の距離dに対応する指標として、距離指数rを使用する。ここで、距離指数rは、固体撮像素子の焦点距離fおよび固体撮像素子と透明基体の間の距離dを用いて、以下の式(4)で表される:

距離指数r=(固体撮像素子と透明基体の間の距離d)/
(固体撮像素子の焦点距離f) 式(4)

なお、本願では、距離指数rは、8以上である。
これは、距離指数rが8よりも小さくなると、固体撮像素子と透明基体の間の距離dが小さくなり、透明基体のアンチグレア処理された第1の表面の形態の影響を受けやすくなるためである。従って、距離指数rを8以上とすることにより、適用されたアンチグレア処理の方法の相違による第1の表面の形態の差異の影響を有意に抑制した状態で、各種方法でアンチグレア処理された透明基体のぎらつきを、一律に評価することが可能となる。
距離指数rは、9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。
表示装置に表示させる像は、単一色(例えば緑色)の像であって、表示装置の表示画面全体に表示されることが好ましい。表示色の違いによる見え方の違い等の影響を極力小さくするためである。
固体撮像素子としては、例えば、電荷結合素子(CCD)や相補性金属酸化膜半導体(CMOS)が利用できる。いずれを採用する場合にも、高画素数を有するデジタルカメラ等を使用することが好ましい。
このステップにより、例えば図4に模式的に示すような第1の画像410が得られる。図4に示す例では、第1の画像410において、表示装置の一部の3行×3列に配列された9個のピクセルに対応した領域(以下、対応領域420−1〜420−9という)が明るく視認されている。
なお、図4では、明確化のため、各対応領域420−1〜420−9同士が十分に離間された状態で示されている。しかしながら、実際の画像では、各対応領域420−1〜420−9間の距離はより狭く、隣接する対応領域同士で、明るい部分が一部重なり合う場合もあることに留意する必要がある。
(ステップS230)
次に、ステップS220において撮影された第1の画像410が画像解析され、第1の輝度分布が形成される。第1の輝度分布は、XY平面上に、立体的なマップとして形成される。
図5には、このステップで得られる第1の輝度分布の一例を模式的に示す。
図5に示すように、第1の輝度分布430は、第1の画像410の各対応領域420−1〜420−9に対応する領域のそれぞれに、略正規分布形状の輝度分布成分q〜qを有する。より一般的には第1の輝度分布430は、i個の複数の輝度分布成分qの集まりで表される(iは2以上の整数)。
図5では、描写が複雑になることを避けるため、輝度分布成分q〜qは、2次元的に(すなわち非立体的に)示されていることに留意する必要がある。
なお、第1の輝度分布430の精度を高めるため、ステップS220において撮影される第1の画像410の枚数を増やし、このステップS230では、それぞれの第1の画像410に対して、同様の画像解析を実施しても良い。この場合、その後、各画像解析結果を平均化することにより、より精度の高い第1の輝度分布430が得られる。
(ステップS240)
次に、透明基体を、第2の表面と平行な方向にスライドさせ、透明基体を表示装置に対して相対移動させる。移動距離は、10mm未満であることが好ましく、例えば、数mmであっても良い。
(ステップS250)
次に、前記ステップS220〜ステップS230を繰り返す。すなわち、表示装置をONにした状態で、固体撮像素子により第2の画像を取得するとともに、第2の画像から、第2の輝度分布を形成する。
このステップにおいても、第2の輝度分布の精度を高めるため、固体撮像素子で撮影される第2の画像の枚数を増やしても良い。その後、それぞれの第2の画像に対して画像解析を実施して、各画像解析結果を平均化することにより、より精度の高い第2の輝度分布が得られる。
これにより、複数の輝度分布成分s(ここでiは2以上の整数)の集まりで表わされる第2の輝度分布が得られる。なお、輝度分布成分siは、輝度分布成分qiと同じ数で構成される。
(ステップS260)
次に、第1の輝度分布と第2の輝度分布の差分から、差分輝度分布ΔSが算定される。差分輝度分布ΔSは、第1の輝度分布および第2の輝度分布と同様に、略正規分布形状の輝度分布成分t(ここでiは2以上の整数)の集まりで表わされる。
(ステップS270)
次に、ステップS260で得られた差分輝度分布ΔSを用いて、平均輝度分布ΔSaveおよび分散σが算定される。
ここで、平均輝度分布ΔSaveは、差分輝度分布ΔSに含まれるi個の輝度分布成分tの絶対値を平均化することにより、求めることができる。また、分散σは、差分輝度分布ΔSに含まれるi個の輝度分布成分tと、平均輝度分布ΔSaveを用いて、以下の式(5)から求めることができる。
Figure 0006341210

得られた平均輝度分布ΔSaveおよび分散σから、以下の式(2)により、出力値Aが算定される

出力値A=分散σ/平均輝度分布ΔSave 式(2)

(ステップS280)
次に、基準(リファレンス)用のアンチグレア処理された透明基体を用いて、前述のステップS210〜ステップS270までのステップを実施する。これにより、前記式(2)の出力値Aの代わりに、参照出力値Qが取得される。
ぎらつき指標値は後述の(3)式のとおり得られた参照出力値Qとの比率で表されるため、参照出力値Qは測定再現性が強く求められ、測定毎の誤差より十分に大きいことが必要とされる。適切な参照出力値Qを与える基準(リファレンス)用のアンチグレア処理された透明基体を簡便に用意するには、ソーダライムガラスをフロスト・エッチングによるアンチグレア処理をした平板状のガラスで、60度グロス値がなるべく大きく、かつ粗さ曲線要素の平均長さRSmが70μm以上120μm未満のものであって、市販品として入手可能なものを選定すればよい。
ここで60度グロス値はJIS−Z8741に準拠した方法により鏡面光沢度として測定できる。60度グロス値はたとえば110以上であり、120以上がより好ましい。粗さ曲線要素の平均長さRSmはJIS B0601(2001)に準拠した方法により測定できる。粗さ曲線要素の平均長さRSmはたとえば70μm以上であり、80μm以上がより好ましく、かつ120μm未満であり、110μm未満が好ましい。
本発明の一実施形態においては、上記のような条件を満たす基準用のアンチグレア処理された透明基体として、60度グロス値が140%、かつ表粗さ曲線要素の平均長さRSmが85μmである、VRD140アンチグレア処理ガラス(旭硝子株式会社製)を選定した。
なお、このステップS280は、評価用のアンチグレア処理された透明基体を用いて、前述のステップS210〜ステップS270を実施する前に実施されても良い。または、このステップS280は、評価用のアンチグレア処理された透明基体におけるステップS210〜ステップS270の実施と並列に、実施されても良い。
(ステップS290)
次に、出力値Aおよび参照出力値Qを用いて、以下の式(3)から、ぎらつき指標値Gが求められる:

ぎらつき指標値G=(出力値A)/(参照出力値Q) 式(3)

このぎらつき指標値Gは、後述するように、観察者の目視によるぎらつきの判断結果と相関し、人の視感に近い挙動を示すことが確認されている。例えば、ぎらつき指標値Gが大きな透明基体は、ぎらつきが顕著であり、逆にぎらつき指標値Gが小さな透明基体は、ぎらつきが抑制される傾向にある。従って、このぎらつき指標値Gは、透明基体のぎらつきを判断する際の定量的指標として使用できる。
以上、図3〜図5を参照して、透明基体のぎらつきを評価する方法の一例について説明した。ただし、本発明において、透明基体のぎらつきを評価する方法は、これに限られるものではない。
例えば、前述のフローにおいて、ステップS260とステップS270の間に、差分輝度分布ΔSから、前記表示装置に由来する成分をフィルタ除去するステップ(ステップS265)を実施しても良い。差分輝度分布ΔSの代わりに、この操作によって得られる実効差分輝度分布ΔSを使用して、ステップS270を実施することにより、得られるぎらつき指標値Gの精度をよりいっそう向上させることができる。
ただし、このステップS265は、必要な際に行われれば良く、必ずしも実施する必要はない。
なお、以上説明した透明基体のぎらつきを評価する方法は、例えば、SMS−1000装置(Display−Messtechnik&Systeme社製)を用いることにより、容易に実施できる。
以上説明したような防眩性指標値R、およびぎらつき指標値Gを使用することにより、アンチグレア処理された透明基体の光学特性を、定量的に評価することが可能となる。
(2つの指標による評価)
次に、透明基体の2つの光学特性を同時に評価する方法およびその効果について説明する。
図6には、各種方法でアンチグレア処理された透明基体において得られた、防眩性指標値R(横軸)とぎらつき指標値G(縦軸)の関係をプロットした図の一例を示す。ここで、本データ取得のためのぎらつき評価における撮影の際の距離指数r=10.8である。
図6において、横軸の防眩性指標値Rが大きいほど、また縦軸のぎらつき指標値が小さいほど、透明基体の防眩性は向上し、透明基体のぎらつきは抑制される。
なお、図6には、参考のため、良好な防眩性と良好なぎらつき防止性とを兼ね備えた、理想的な透明基体の領域がidealと表示された○印で表されている。
ここで、単一の光学的特性、例えばぎらつき防止性のみを考慮して、各種透明基体の中から候補透明基体を選定した場合、図6のハッチングで示された領域Cに含まれる透明基体が一様に選定されることになる。すなわち、そのような方法では、防眩性の劣る透明基体が、選定候補透明基体に含まれてしまう。同様に、防眩性のみを考慮して、透明基体を選定した場合、図6のハッチングで示された領域Dに含まれる透明基体が一様に選定され、ぎらつき防止性の劣る透明基体が選定候補に含まれてしまう。
これに対して、図6のようなぎらつき指標値Gと防眩性Rの相関図を使用した場合、一度に両方の光学特性を考慮して、適正な透明基体を選定することが可能となる。すなわち、このような選定方法では、目的および用途などに応じて、透明基体を適正に選定することができ、すなわち、ぎらつき防止性と防眩性性に関して、最も良好な特性が発揮できるように透明基体を選定することが可能となる。
このように、本発明の一実施例による方法では、2つの光学的特性を一度に、定量的に考慮できるため、使用目的や用途等に応じて、透明基体をより適正に選定することが可能となる。
また、本発明による方法では、透明基体の防眩性指標値R、およびぎらつき指標値Gとして、数値化された値が使用される。このため、防眩性およびぎらつきに関して、観察者の主観や先入観にとらわれず、これらの光学特性を、客観的かつ定量的に判断可能である。
(本発明の一実施形態による透明基体)
次に、図7を参照して、本発明の一実施形態による透明基体について説明する。
図7には、本発明の一実施形態による透明基体(以下、単に「透明基体」と称する)900を模式的に示す。
透明基体900は、ガラスで構成される。ガラスの組成は、特に限られず、ガラスは、例えば、ソーダライムガラスまたはアルミノシリケートガラスであっても良い。
透明基体900は、第1の表面902および第2の表面904を有し、第1の表面902は、アンチグレア処理されている。
アンチグレア処理の方法は、特に限られない。アンチグレア処理は、例えば、フロスト処理、エッチング処理、サンドブラスト処理、ラッピング処理、またはシリカコート処理等であっても良い。透明基体の第1の表面902は、例えば、0.05μm〜1.0μmの範囲の表面粗さ(算術平均粗さRa)を有しても良い。
また、透明基体900は、第1の表面902および/または第2の表面904が、化学強化処理されていても良い。
透明基体900の寸法および形状は、特に限られない。例えば、透明基体900は、正方形状、矩形状、円形状、または楕円形状等であっても良い。
なお、透明基体900を表示装置の保護カバーとして使用する場合、透明基体900の厚さは、薄いことが好ましい。例えば、透明基体900の厚さは、0.2mm〜2.0mmの範囲であっても良い。
ここで、透明基体900は、前述の第1の方法(ステップS110〜ステップS130)を用いて測定される防眩性指標値Rが0.4以上であるという特徴を有する。また、この透明基体900は、前述の第2の方法(ステップS210〜ステップS290。ステップS265を含む)を用いて、距離指数r=8として測定されるぎらつき指標値Gが、0.6以下であるという特徴を有する。
防眩性指標値Rは、0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。
また、ぎらつき指標値Gは、0.5以下であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。
次に、各種透明基体を用いて実施した、防眩性評価およびぎらつき評価の結果について説明する。
(防眩性評価について)
各種方法で第1の表面がアンチグレア処理された透明基体の防眩性を、以下のような方法で評価した。
アンチグレア処理として、フロスト処理、エッチング処理、サンドブラスト処理、ラッピング処理、またはシリカコート処理を採用した。また、透明基体には、アルミノシリケートガラスを使用した。
まず、各透明基体を、第1の表面(すなわちアンチグレア処理された表面)の側から目視で観察し、防眩性をレベル1〜レベル12までの12段階で評価した。なお、観察方向は、透明基体の厚さ方向に対して、20゜の方向とした。
次に、変角光度計(GC5000L:日本電色工業社製)を用いて、前述のステップS110〜ステップS130に示したような操作を実施して、式(1)から、各透明基体の防眩性指標値Rを算定した。
図8には、各透明基体において得られた、目視による防眩性の評価レベル(縦軸)と、防眩性指標値R(横軸)の間の関係の一例を示す。
図8から、両者の間には、正の相関関係があることがわかる。
この結果は、防眩性指標値Rが観察者の目視による反射像拡散性の評価レベルの傾向と対応し、従って防眩性指標値Rを用いて、透明基体の反射像拡散性を判断できることを示唆する。換言すれば、防眩性指標値Rを使用することにより、透明基体の反射像拡散性を、客観的かつ定量的に判断できると言える。
(ぎらつきの評価について)
次に、前述の防眩性評価で使用した各種透明基体を使用して、これらの透明基体のぎらつきを、以下のような方法で評価した。
まず、各透明基体を表示装置(iPad(登録商標)、解像度264ppi)の上に直接配置する。この際には、各透明基体の第1の表面(すなわちアンチグレア処理された表面)が、観察者側となるようにして、透明基体を表示装置上に配置した。なお、表示装置から表示される像は、緑色単色の像とし、像の寸法は、19.6cm×14.6cmとした。
次に、この状態で、各透明基体を第1の表面側から目視で観察し、ぎらつきをレベル0〜レベル10までの11段階で評価した。レベル0は、ぎらつきがほとんど認められないことを表し、レベル10は、ぎらつきが極めて顕著であることを表す。また、この間のレベル値は、数値が大きいほど、ぎらつきが大きくなる傾向にある。
次に、SMS−1000装置(Display−Messtechnik&Systeme社製)を用いて、前述のステップS210〜ステップS290(ステップS265を含む)に示したような操作を実施して、式(3)から、各透明基体のぎらつき指標値Gを算定した。なお、基準用のアンチグレア処理された透明基体としては、VRD140アンチグレア処理ガラス(旭硝子株式会社製)を使用した。
表示装置には、前述のiPad(登録商標)を使用し、固体撮像素子と透明基体との間の距離dは、540mmとした。この距離dは、距離指数rで表すと、r=10.8に相当する。
図9には、各透明基体において得られた、ぎらつき指標値G(縦軸)と、目視によるぎらつきのレベル(横軸)の間の関係の一例を示す。
図9から、両者の間には、正の相関関係があることがわかる。
この結果は、ぎらつき指標値Gが観察者の目視によるぎらつきの判定結果の傾向と対応し、従ってぎらつき指標値Gを用いて、透明基体のぎらつきを判断できることを示唆する。換言すれば、ぎらつき指標値Gを使用することにより、透明基体のぎらつきを、客観的かつ定量的に判断できると言える。
このように、防眩性指標値Rおよびぎらつき指標値Gを、それぞれ、透明基体の防眩性およびぎらつきの定量的な指標として使用可能であることが確認された。
本発明は、例えば、LCD装置、OLED装置、PDP装置、およびタブレット型表示装置のような、各種表示装置等に設置される透明基体の光学特性評価に利用できる。
また、本願は2014年5月14日に出願した日本国特許出願2014−100343号に基づく優先権を主張するものであり同日本国出願の全内容を本願に参照により援用する。
210 透明基体
212 第1の表面
214 第2の表面
300 測定装置
350 光源
362 第1の光
364 反射光
370 検出器
410 第1の画像
420−1〜420−9 対応領域
430 第1の輝度分布
900 透明基体
902 第1の表面
904 第2の表面
輝度分布成分

Claims (8)

  1. 透明基体の光学特性を評価する方法であって、
    第1および第2の表面を有し、前記第1の表面がアンチグレア処理された透明基体の定量化された防眩性指標値を取得するステップと、
    前記透明基体の定量化されたぎらつき指標値を取得するステップと、
    を順不同に有し、
    前記定量化された防眩性指標値は、
    (a)第1および第2の表面を有する透明基体の前記第1の表面側から、前記透明基体の厚さ方向に対して20゜の方向に第1の光を照射し、前記第1の表面で反射する20゜正反射光の輝度を測定するステップと、
    (b)前記第1の表面により反射される反射光の受光角度を−20゜〜+60°の範囲で変化させ、前記第1の表面で反射される全反射光の輝度を測定するステップと、
    (c)以下の式(1)から、防眩性指標値Rを算定するステップと

    防眩性指標値R=
    (全反射光の輝度−20゜正反射光の輝度)/(全反射光の輝度) 式(1)

    により得られ、
    前記定量化されたぎらつき指標値は、
    (A)前記透明基体を、前記第2の表面が表示装置の側になるようにして、前記表示装置の上に配置するステップと、
    (B)前記表示装置をオンにした状態で、固体撮像素子を用いて前記透明基体を撮影し、第1の画像を取得するステップであって、前記固体撮像素子と前記透明基体の間の距離をdとし、前記固体撮像素子の焦点距離をfとしたとき、撮影の際の距離指数r(=d/f)は、8以上であるステップと、
    (C)前記取得された第1の画像から、第1の輝度分布を形成するステップと、
    (D)前記透明基体を、前記第2の表面と略平行な方向に動かし、前記透明基体を前記表示装置に対して移動させるステップと、
    (E)前記(B)および(C)のステップを繰り返し、取得された第2の画像から、第2の輝度分布を形成するステップと、
    (F)前記第1の輝度分布と前記第2の輝度分布の差分から、差分輝度分布ΔSを求めるステップと、
    (G)前記差分輝度分布ΔSから、平均輝度分布ΔSaveおよび分散σを算定するとともに、以下の式(2)から、出力値Aを得るステップと、

    出力値A=分散σ/平均輝度分布ΔSave 式(2)

    (H)前記(A)〜(G)のステップを、基準用のアンチグレア処理された透明基体で実施して、出力値Aの代わりに、参照出力値Qを得るステップであって、該(H)のステップは、前記(A)〜(G)のステップの前、または前記(A)〜(G)のステップと並列に実施されるステップと、
    (I)以下の式(3)から、ぎらつき指標値Gを求めるステップと、

    ぎらつき指標値G=(出力値A)/(参照出力値Q) 式(3)

    により得られることを特徴とする方法。
  2. 前記(G)のステップの前に、前記差分輝度分布ΔSから、前記表示装置に由来する成分をフィルタ除去して、実効差分輝度分布ΔSeを得るステップが実施され、
    前記(G)のステップでは、前記差分輝度分布ΔSの代わりに、前記実効差分輝度分布ΔSeが使用される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記防眩性指標値は、ゴニオメータを用いて取得されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記表示装置は、LCD装置、OLED装置、PDP装置、およびタブレット型表示装置からなる群から選択された一つであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 前記表示装置は、132ppi以上の解像度を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 前記透明基体は、ソーダライムガラスまたはアルミノシリケートガラスで構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 前記透明基体は、第1および第2の表面のうちの少なくとも一方が、化学強化処理されていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記アンチグレア処理は、前記透明基体の第1の表面に、フロスト処理、エッチング処理、サンドブラスト処理、ラッピング処理、およびシリカコート処理からなる群から選択された、少なくとも一つの処理方法を適用することにより実施される、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の方法。
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