JP6339123B2 - ステータの製造方法及びステータの製造用治具 - Google Patents
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Description
先ず、略円環状の鋼板を複数枚積層させてステータコアを作製する一方で、複数の電気導体を束ねて略U字状に成形したコイル要素を複数作製する。次いで、作製した複数のコイル要素を円周方向に重ねながら円環状に整列させ、この状態で、各電気導体の先端部をステータコアに円環状に並設された各スロットに挿通する。次いで、各スロットから突出した複数の電気導体の先端部を円周方向に捻り曲げた後、その先端部同士を接合する。そして、各スロットから露出する電気導体の表面の一部に樹脂を塗布して絶縁処理する。これにより、回転電機のステータが製造される。
これにより、(1)の発明によれば、ステータコアに取り付けられた押さえ部材が、誘導加熱中に生じ得る鋼板の磁気浮上やそれによる鋼板の湾曲を防止できると共に、樹脂の塗布工程において、押さえ部材は、締結孔近傍に樹脂やワニス等が付着することを防止できる。
該押さえ部材を取り付けるだけで、電気導体への樹脂の塗布準備が完了するため、作業効率が向上すると共に、取り外された押さえ部材は、再利用することができる。
これにより、各押さえ部材は個別に取り外しが可能になると共に、各押さえ部材を取り付けた後にステータ構成部材(例えば三相線)が接続されたとしても、押さえ部材を取り外すことが可能となる。また、1つの押さえ部材が熱膨張により変形したとしても、該変形の影響は隣接する押さえ部材に伝わることがなく、押さえ部材の変形を防止できる。
これにより、押さえ部材はステータコアに一体に取り付けることができる。そのため、各工程の移行時等にステータコアの搬送が容易になると共に、締結部材は緩むことが無く、締結孔周辺への粉体樹脂の付着を確実に防止できる。
前記ステータコアの円周方向に分割して配置され、前記締結孔及びその近傍を上方から覆うと共に前記ステータコアの締結孔に締結可能に形成された孔部を有するステータの製造用治具(例えば、後述する押さえ部材50)。
上記(4)のステータの製造用治具は、ステータコアの締結孔に締結可能であると共に、ステータコアの円周方向に分割して形成される。これにより、各製造用治具を取り付けた後にステータ構成部材(例えば三相線)が接続されたとしても、各製造用治具を取り外すことが可能となる。また、1つの製造用治具が熱膨張により変形したとしても、該変形の影響は隣接する製造用治具に伝わることがないため、各製造用治具の変形を防止できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るステータの構成を示す斜視図である。図2は、ステータ1の平面図である。図3は、本実施形態に係る樹脂塗布前のステータ1の平面図である。
ステータ1は、略円環状に形成され、ステータコア2と、コイル3と、樹脂4と、押さえ部材(ステータ1の製造用治具)50と、を含んで構成される。ステータ1の内側には、図示しないロータが回転自在に配置される。また、ステータコア2の誘導加熱を行うための図示しない内コイルと外コイルがステータコア2の内周と外周にステータコア2を挟むように配置される。
スロット2Aはステータコア2の径方向断面形状がステータコアの内周縁から径方向外側に向かって放射状に延びるように形成される。各スロット2Aはステータコア2の内周面上に円周方向に等間隔で形成された回転軸方向に延びるスリット2Bに連通している。
6つの突出部21(21A〜21F)の水平方向の側面には、突出部21の先端部22から突出部21の裾部23に至るまでの間に凸部24(24A〜24F)が形成される第1湾曲部25(25A〜25F)と、突出部21の先端部22から突出部21の裾部23に至り湾曲する形状の第2湾曲部26(26A〜26F)と、が設けられる。
3つの突出部21A、21C、21Eは、ステータコア2の径方向外側から内側を見た際に、第1湾曲部25(25A、25C、25E)が左側に形成され、他方で、3つの突出部21B、21D、21Fは、第1湾曲部25(25B、25D、25F)が右側に形成される。これにより、隣接する2つの突出部21同士の間には、互いの第1湾曲部25同士、若しくは、第2湾曲部26同士が配置される。
このコイル3は、複数のコイル要素3Bを円周方向に重ねながら円環状に整列させた状態で、各スロット2Aに挿通される。また、コイル要素3Bの下方には、所定間隔ごとに配列した電気導体3Aの下方端部同士がTIG溶接等により接続される接続部3Dが形成されている。接続部3Dには絶縁のための樹脂4が塗布される。
図4及び図5に示すように、押さえ部材50は、締結孔(孔部)54と、ボルト(締結部材)60と、不図示のナットと、を含んで構成される。押さえ部材50は、締結孔54と、突出部21の締結孔27とを連通させた状態で、ボルト60及びナットにより締結される。押さえ部材50は、誘導加熱時の鋼板20の磁気浮上やそれによる鋼板の湾曲を防止する。ここでは、ナットを使用して締結したが、ナットの代わりにパレットにめねじを切ったものを使用しても構わない。
第1回転防止部55は、第1湾曲部25側に設けられる。第1回転防止部55は、本体部51からステータコア2の径方向外側に向かって延びた後、第1回転防止部55の先端部551が、図1に示す凸部24の一部に当接するように下方に折り返されて形成される。
また、第2回転防止部56は、第2湾曲部26側に設けられる。本体部51からステータコア2の径方向外側に向かって延びた後、第2回転防止部56の先端部561が第2湾曲部26の一部に当接するように下方に折り返されて形成される。
上下左右判別部57は、突出部21の形状と、本体部51の形状との整合性の判別を、容易にさせる。
本実施形態に係るステータ1の製造方法S1は、取り付け工程S2と、加熱工程S3と、樹脂塗布工程S4と、取り外し工程S5と、を含んで構成される。
このとき、連通した締結孔は押さえ部材50によりマスキングされた状態であり、該締結孔周辺に、樹脂やワニス等が付着することは無い。樹脂塗布工程S4においてコイル3の頂部に樹脂を塗布する工程を備えても構わない。この場合も、締結孔周辺に頂部から流れてきた樹脂が付着することはない。
なお、S2〜S5の各工程の間に他の部品をステータコアに取り付ける工程や、コイル同士を結線する工程などの他の工程を行っても問題ない。
先ず、締結孔27及びその近傍を覆うように、ステータコア2の上方から押さえ部材50を取り付ける取り付け工程S2を設けた。次いで、加熱工程S3と、樹脂塗布工程S4とを設け、電気導体3Aを加熱させた後、該電気導体3Aに樹脂4が塗布される。その後、取り外し工程S5を設け、絶縁処理がなされたステータコア2から押さえ部材50を取り外すことにより、回転電機に取り付け可能なステータ1が形成される。
これにより、本実施形態によれば、ステータコア2に取り付けられた押さえ部材50は、誘導加熱中に生じ得る鋼板20の磁気浮上やそれによる鋼板の湾曲を防止できると共に、樹脂塗布工程において、押さえ部材50は、締結孔27及びその近傍に樹脂やワニス等が付着することを防止できる。
また、該押さえ部材50を取り付けるだけで、電気導体3Aへの樹脂の塗布準備が完了するため、作業効率が向上すると共に、取り外された押さえ部材は、再利用することができる。
これにより、押さえ部材50は個別に取り外しが可能になると共に、ステータコア2の円周上、押さえ部材50同士の隙間を利用して、ステータコア2に通電加熱装置5などを着脱させることができる。また、1つの押さえ部材50が熱膨張により変形したとしても、該変形の影響は隣接する押さえ部材50に伝わることがなく、押さえ部材50の変形を防止できる。
これにより、押さえ部材50をステータコア2に一体に取り付けることができる。そのため、各工程の移行時等にステータコア2の搬送が容易になると共に、締結部材60は緩むことが無く、締結孔27への樹脂の付着を確実に防止することができる。
製造用治具50は、ステータコア2の締結孔27に締結可能であると共に、ステータコア2の円周方向に分割して形成される。これにより、各製造用治具50は、個別に取り外しが可能になると共に、1つの製造用治具50が熱膨張により変形したとしても、該変形の影響は隣接する製造用治具50に伝わることがないため、製造用治具50の変形を防止できる。
2…ステータコア
2A…スロット
3A…電気導体
4…樹脂
20…鋼板(薄板)
27…締結孔
50…押さえ部材
51…本体部
54…締結孔(孔部)
60…ボルト(締結部材)
Claims (3)
- 周縁部近傍に複数の締結孔が形成された薄板を、前記複数の締結孔が積層方向に並ぶように複数枚積層して形成される略円環状のステータコアと、該ステータコアに複数形成されたスロットに一部が挿入される電気導体と、を備えるステータの製造方法であって、
前記締結孔及びその近傍を上方から覆うと共に前記ステータコアを積層方向内側に押さえる押さえ部材を、前記ステータコアに取り付ける取り付け工程と、
前記ステータコアを誘導加熱により加熱する加熱工程と、
前記加熱工程で昇温された電気導体に樹脂を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程後の前記ステータコアから前記押さえ部材を取り外す取り外し工程と、を備え、
前記押さえ部材は、前記ステータコアの円周方向に分割して配置されるステータの製造方法。 - 前記取り付け工程では、前記押さえ部材に形成された孔部と、前記ステータコアの締結孔とを、同一の締結部材で締結することで前記ステータコアを積層方向内側に押さえる請求項1に記載のステータの製造方法。
- 周縁部近傍に複数の締結孔が形成された薄板を、前記複数の締結孔が積層方向に並ぶように複数枚積層して形成される略円環状のステータコアと、該ステータコアに複数形成されたスロットに一部が挿入される電気導体と、を備えるステータの製造用治具であって、
前記ステータコアの円周方向に分割して配置され、前記締結孔及びその近傍を上方から覆うと共に前記ステータコアの締結孔に締結可能に形成された孔部を有するステータの製造用治具。
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