JP7065666B2 - 接合体、回転電機、及び回転電機の製造方法 - Google Patents
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Description
ここで、例えばターミナル等の接続端子に、アルミ線をはんだにより接合するのは困難である。このため、ターミナル等の接続端子に、抵抗溶接によってアルミ線を接合するさまざまな技術が提案されている。
なお、抵抗溶接は、被接合体の金属を重ね合わせ、溶接する箇所を電極で挟み、この電極によって被接合体に適当な加圧力を加えて被接合体に電流を供給する。すると、溶接部位の接触抵抗により発生するジュール熱でお互いが溶融接着される。
これに対し、端子に、各アルミ線を1本ずつ抵抗溶接することが考えられる。このような場合、端子に対する各アルミ線の接合作業が煩わしいものとなってしまうという課題があった。
また、第2被接合体、及び第3被接合体のそれぞれを、別々の電極で第1被接合体に向かって加圧することができるので、第1被接合体と第2被接合体との間の接触抵抗と、第1被接合体と第3被接合体との間の接触抵抗とをほぼ均一にすることができる。このため、各被接合体の剥離強度を一定に保つことができる。
また、第1凹部に第1凸部が嵌るとともに、第2凹部に第2凸部が嵌る。このため、第1接合部において、第1被接合体と第2接合体との間にアンカー効果を生じさせることができる。また、第2接合部において、第1被接合部と第3被接合部との間にアンカー効果を生じさせることができる。このため、第1被接合体と第2被接合体とを抵抗溶接した際、及び第1被接合体と第3被接合体とを抵抗溶接した際、これら3つの被接合体の剥離強度を十分確保することができる。
また、第2被接合体、及び第3被接合体のそれぞれを、別々の電極で第1被接合体に向かって加圧することができるので、第1被接合体と第2被接合体との間の接触抵抗と、第1被接合体と第3被接合体との間の接触抵抗とをほぼ均一にすることができる。このため、各被接合体の剥離強度を一定に保つことができる。
また、第1凹部に第1凸部が嵌るとともに、第2凹部に第2凸部が嵌る。このため、第1接合部において、第1被接合体と第2接合体との間にアンカー効果を生じさせることができる。また、第2接合部において、第1被接合部と第3被接合部との間にアンカー効果を生じさせることができる。このため、第1被接合体と第2被接合体とを抵抗溶接した際、及び第1被接合体と第3被接合体とを抵抗溶接した際、これら3つの被接合体の剥離強度を十分確保することができる。
図1は、回転電機1の斜視図である。
図1に示すように、回転電機1は、例えば、車両用エンジンを始動するために用いられたり車両用エンジンのクランクシャフト(不図示)の回転を利用して発電するために用いられたりする。
なお、以下の説明では、ロータ3の回転軸線方向を単に軸方向、ロータ3の回転方向を周方向、軸方向及び周方向に直交するロータ3の径方向を単に径方向と称して説明する。
ステータコア4は、電磁鋼板を積層したり、軟磁性粉を加圧成形したりして形成される。ステータコア4は、略円環状に形成された本体部4aと、本体部4aの外周面から径方向外側に向かって放射状に突出する複数のティース部4bとを有している。
図2に示すように、複数のコイル6は、U相、V相、W相の3相構造になっている。また、複数のコイル6はスター結線されており、結線回路が2並列となっている。このように、結線回路が2並列のスター結線されるコイル6の中性点として、ターミナル8が機能している。つまり、図1に示すように、ターミナル8には、各相のコイル6の端末部6aが2本ずつ、合計6本の端末部6aが接合される。
図1、図3、図4に示すように、ターミナル8は、インシュレータ5のティース部4bよりも径方向内側で、かつ軸方向の一端側に配置されている。また、ターミナル8は、一部がインシュレータ5に埋設された形で配置されている。
2つの端子31,32のうち、第1端子31は、第1端子31の厚さ方向からみて略四角形状に形成されている。第1端子31の両面は、それぞれコイル6の端末部6aが1本ずつ接合されるターミナル側接合面31a,31b(第1ターミナル側接合面31a、第2ターミナル側接合面31b)とされている。
そして、これら第1端子31と2つのコイル6の端末部6aとにより、接合体10Aを構成している。
第1ターミナル側接合面32aには、第1端子31に形成されたものと同様のターミナル凹部15が形成されている。ターミナル凹部15上にコイル6の端末部6aが配置され、小端子32Aとコイル6の端末部6aとが接合されている。
そして、これら小端子32Aと2つのコイル6の端末部6aとにより、接合体10Bを構成している。すなわち、第2端子32は、2つの接合体10Bを有している。
図5は、接合体10Aの構成を示す簡略図である。
図3に示すように、接合体10Aは、コイル6の端末部6aと第1端子31の第1ターミナル側接合面31aとが接合された第1接合部34を有する。第1接合部34には、コイル6の第1端子31と接合される面である第1コイル側接合面14Aに、第1端子31のターミナル凹部15に嵌入可能なコイル凸部7が形成されている。すなわち、コイル凸部7は、第1端子31の厚さ方向(第1ターミナル側接合面31a及び第1コイル側接合面14Aの法線方向)からみて環状で、かつ四角形状に形成されている。また、コイル凸部7は、断面矩形状に形成されている。
次に、図6に基づいて、第1端子31の加工方法について説明する。
図6は、第1端子31の加工方法を示す説明図である。
図6に示すように、第1端子31は、金型18,19(第1金型18、第2金型19)を用いてプレス加工を施すことにより、第1ターミナル側接合面31aにターミナル凹部15(図5参照)が形成されるとともに、第2ターミナル側接合面31bにターミナル凸部17(図5参照)が形成される。
第1金型18には、第1端子31側の第1押圧面18bに、断面矩形状の金型凸部18aが形成されている。第2金型19には、第1端子31側の第2押圧面19bに、第1金型18の金型凸部18aが嵌入可能な金型凹部19aが形成されている。そして、これら2つの金型18,19の各押圧面18b,19bによって第1端子31を挟み、所定の圧力で加圧する(図6における矢印参照)。すると、図5に示すように、第1端子31の第1ターミナル側接合面31aにターミナル凹部15が形成されるとともに、第2ターミナル側接合面31bにターミナル凸部17が形成される。
次に、コイル6と第1端子31との接合手順について説明する。
ここで、第1端子31と、この第1端子31の2つのターミナル側接合面31a,31bに配置される2つのコイル6は、同時に接合される。
なお、第2端子32の各小端子32A,32Bも、第1端子31と同様の手順で、それぞれ2つのコイル6が、抵抗溶接によって各小端子32A,32Bに接合される。
また、第1端子31において、抵抗溶接によって第2接合部35が形成された第2コイル側接合面14Bに、コイル凹部9が形成されている。また、第2接合部35が形成された第2ターミナル側接合面31bに、ターミナル凸部17が形成されている。そして、コイル凹部9にターミナル凸部17が嵌るような形で、コイル6と第1端子31とが溶融接着される。このため、コイル凹部9とターミナル凸部17とによって、コイル6と第1端子31との間に、アンカー効果を生じさせることができる。
したがって、抵抗溶接された各接合体10A,10Bにおけるコイル6と各端子31,32との剥離強度を十分確保することができる。
また、2つのコイル6をそれぞれ別々の電極21,22で第1端子31に向かって加圧することができるので、各コイル6と第1端子31との間の接触抵抗を、ほぼ均一にすることができる。このため、各コイル6の剥離強度を一定に保つことができる。
さらに、ターミナル凹部15、及びターミナル凸部17は、環状に加え、四角形状に形成されている。このため、抵抗溶接した後のコイル6と第1端子31との相対位置のずれを確実に防止できる。また、コイル6と第1端子31との間のアンカー効果を確実に高めることができる。
例えば、上述の実施形態では、上述の実施形態では、回転電機1は、例えば、車両用エンジンを始動するために用いられたり車両用エンジンのクランクシャフトの回転を利用して発電するために用いられたりする場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな機器の駆動用、発電用として用いることが可能である。
また、上述の実施形態では、ターミナル8を構成する2つの端子31,32の各第1ターミナル側接合面31a,32aに、ターミナル凹部15を形成し、各第2ターミナル側接合面31b,32bに、ターミナル凸部17を形成した場合について説明した。さらに、ターミナル凹部15、及びターミナル凸部17は、第1端子31の厚さ方向(第1ターミナル側接合面31a及び第1コイル側接合面14Aの法線方向)からみて環状で、かつ四角形状に形成されている場合について説明した。そして、抵抗溶接時に、各コイル6に、ターミナル凹部15やターミナル凸部17に対応するように、コイル凸部7やコイル凹部9が形成される場合について説明した。
しかしながら、これに限られるものではなく、各端子31,32の第1ターミナル側接合面31a,32aや第2ターミナル側接合面31b,32bに、さまざまな形でターミナル凹部15やターミナル凸部17を形成してよい。そして、ターミナル凹部15やターミナル凸部17の形状に応じて、コイル6の各コイル側接合面14A,14Bに、コイル凸部7やコイル凹部9を形成すればよい。
例えば、図7に示すように、各端子31,32の各ターミナル側接合面31a~32bに、それぞれターミナル凹部15を形成してもよい。各ターミナル凹部15は、各端子31,32の厚さ方向で対向している。
そこで、例えば、図8に示すように、各端子31,32の側辺に逃げ部36を形成することにより、各端子31,32の両面に不要な歪み等を形成することなく、ターミナル凹部15を形成できる。なお、各端子31,32の両面(ターミナル側接合面31a~32b)にターミナル凹部15のみを形成する以下のいずれかの変形例についても同様である。
なお、ターミナル凸部17とターミナル凹部15とを逆のターミナル側接合面31a~32bに形成してもよい。
また、各端子31,32の両面(ターミナル側接合面31a~32b)に、それぞれターミナル凹部15とターミナル凸部17とを形成することにより、各コイル6のそれぞれに、対応する端子31,32が互い違いの凹凸に嵌合されることになる。このため、各コイル6の剥離強度を、確実に高めることができる。
なお、ターミナル凸部17とターミナル凹部15とを逆のターミナル側接合面31a~32bに形成してもよい。
なお、ターミナル凸部17とターミナル凹部15とを逆のターミナル側接合面31a~32bに形成してもよい。
このように構成することで、抵抗溶接の際に、ターミナル凹部15にコイル凸部7を予め嵌めておくことができる。また、ターミナル凸部17にコイル凹部9を予め嵌めておくことができる。このため、各端子31,32の各ターミナル側接合面31a~32bと、対応するコイル6の各コイル側接合面14A,14Bとの位置関係を高精度に決めることができる。
Claims (7)
- 第1被接合体の第1接合面と、第2被接合体の第2接合面とを重ね合わせ、抵抗溶接によって前記第1接合面と前記第2接合面とが接合される第1接合部を有するとともに、
前記第1被接合体の前記第1接合面と対向する第3接合面と、第3被接合体の第4接合面とを重ね合わせ、抵抗溶接によって前記第3接合面と前記第4接合面とが接合される第2接合部を有し、
前記第1接合面及び前記第3接合面の少なくともいずれか一方に、少なくとも1つの第1凹部及び少なくとも1つの第1凸部のいずれか一方が形成され、
前記第1接合面及び前記第3接合面の少なくともいずれか他方に、少なくとも1つの第1凹部及び少なくとも1つの第1凸部のいずれか他方が形成され、
前記第2接合面及び前記第4接合面の少なくともいずれか一方に、少なくとも1つの第2凹部及び少なくとも1つの第2凸部のいずれか一方が形成され、
前記第2接合面及び前記第4接合面の少なくともいずれか他方に、少なくとも1つの第2凹部及び少なくとも1つの第2凸部のいずれか他方が形成されており、
前記第2被接合体は、前記第2被接合体を挟んで前記第2接合面とは反対側に形成され、前記第1接合面に前記第2接合面を押し付ける第1電極が押し当てられる第1押し当て面を有し、
前記第3被接合体は、前記第3被接合体を挟んで前記第4接合面の反対側に形成され、前記第3接合面に前記第4接合面を押し付ける第2電極が押し当てられる第2押し当て面を有する
ことを特徴とする接合体。 - 前記第1接合面及び前記第3接合面のそれぞれに、前記第1凹部及び前記第1凸部が形成され、
前記第2接合面及び前記第4接合面のそれぞれに、前記第2凹部及び前記第2凸部が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の接合体。 - 前記第1凹部、前記第1凸部、前記第2凹部、及び前記第2凸部は、断面矩形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接合体。 - 前記第1凹部、前記第1凸部、前記第2凹部、及び前記第2凸部は、前記第1接合面、前記第2接合面、前記第3接合面、及び前記第4接合面の各々法線方向からみて環状に形成されている
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の接合体。 - 前記第1凹部、前記第1凸部、前記第2凹部、及び前記第2凸部は、前記第1接合面、前記第2接合面、前記第3接合面、及び前記第4接合面の各々法線方向からみて四角形状に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の接合体。 - 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の接合体を有する回転電機であって、
前記第1被接合体は、ターミナルであり、
前記第2被接合体、及び前記第3被接合体は、ステータに巻回されているアルミ合金からなるコイルである
ことを特徴とする回転電機。 - 請求項6に記載の回転電機における前記ターミナルの厚さ方向両面から第1金型と第2金型とを押圧してプレス加工を施すことにより、前記第1接合面及び前記第3接合面の少なくともいずれか一方に、少なくとも1つの第1凹部及び少なくとも1つの第1凸部のいずれか一方を形成するとともに、前記第1接合面及び前記第3接合面の少なくともいずれか他方に、少なくとも1つの第1凹部及び少なくとも1つの第1凸部のいずれか他方を形成する回転電機の製造法であって、
前記第1金型の第1押圧面及び前記第2金型の第2押圧面のいずれか一方には、前記第1凹部及び前記第1凸部の少なくともいずれか一方を形成するための第1金型凸部及び第1金型凹部の少なくともいずれか一方が設けられ、
前記第1金型の第1押圧面及び前記第2金型の第2押圧面のいずれか他方には、前記第1金型凹部及び前記第1金型凸部の少なくともいずれか一方と対向する面に、前記第1金型凹部及び前記第1金型凸部の少なくともいずれか一方を受け入れる第2金型凹部及び第2金型凸部の少なくともいずれか一方が設けられている
ことを特徴とする回転電機の製造方法。
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