JP2019115170A - ステータおよびステータの製造方法 - Google Patents

ステータおよびステータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コイルエンド部に配置部材を配置する場合にも、コイルエンド部と配置部材との固定強度を確保することが可能なステータとステータの製造方法を提供する。【解決手段】このステータ100は、ステータコア10と、コイル30と、ワニス70と、軸線方向において、接続部33aのステータコア10側とは反対側に配置されたバスバー部材50と、接続部33aとバスバー部材50との間に配置され、ワニス70とは異なるとともに、接続部33aにバスバー部材50を固定するための接着材60とを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、ステータおよびステータの製造方法に関する。
従来、配置部材を備えるステータおよびステータの製造方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、回転電機用端末モジュール(以下、「モジュール」とする)を備えたステータが開示されている。このステータには、ステータコアと、複数のセグメントコイルを有するステータコイルとが設けられている。セグメントコイルの一端を構成するコイルエンドは、ステータコアよりも軸線方向外側に配置されている。モジュールは、絶縁体により構成された本体部と、本体部の内部に設けられたバスバーと、複数の端部とを含む。また、モジュールは、コイルエンドのステータコアとは軸線方向の反対側に配置されている。そして、モジュールの端部と、コイルエンドとは、溶接により接合されている。
特開2013−115910号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のステータでは、モジュールは、コイルエンドに溶接されたモジュールの端部(端子)のみにより固定されているため、ステータに振動や衝撃が加わった場合に、溶接された部分(端子)に応力が集中すると考えられる。この場合、モジュールの溶接された部分の機械的強度を確保することは容易ではないと考えられる。したがって、上記特許文献1に記載のステータでは、コイルエンド(コイルエンド部)にモジュール(配置部材)を配置する場合に、コイルエンド部と配置部材との固定強度を確保することが容易ではないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、コイルエンド部に配置部材を配置する場合にも、コイルエンド部と配置部材との固定強度を確保することが可能なステータおよびステータの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるステータは、複数のスロットを含むステータコアと、互いに異なるスロットに収容される一対のスロット収容部と、一対のスロット収容部の少なくとも一方に接続されているとともにステータコアの軸線方向における端面から突出するコイルエンド部とを含むコイルと、複数のコイルエンド部の間に配置されたワニスと、軸線方向において、コイルエンド部のステータコア側とは反対側に配置された配置部材と、コイルエンド部と配置部材との間に配置され、ワニスとは異なるとともに、コイルエンド部に配置部材を固定するための接着材とを備える。
ここで、コイルエンド部と配置部材との固定強度を向上させるために、ワニスをステータに対して滴下することが考えられる。しかしながら、コイルエンド部に配置部材を配置した状態で、ワニスを滴下した場合には、コイルエンド部と配置部材との間にワニスが浸透せずに、コイルエンド部と配置部材との固定強度を向上させることは困難であると考えられる。これに対して、この発明の第1の局面によるステータでは、上記のように、コイルエンド部と配置部材との間に配置される接着材を設けることにより、滴下されたワニスがコイルエンド部と配置部材との間に浸透しない場合でも、ワニスとは異なる接着材により、コイルエンド部と配置部材とを接着して固定することができる。その結果、たとえば、ワニスおよび接着材による接合とは異なる接合方法によりコイルエンド部と配置部材とが接合された部分である接合部(たとえば、溶接部)が設けられている場合で、かつ、ステータに振動や衝撃が与えられた場合でも、接合部と接着材とにより、接合部に生じる応力を分散(減少)させることができる。この結果、接合部に生じる応力が過大になることを防止することができるので、コイルエンド部に配置部材を配置する場合にも、コイルエンド部と配置部材との固定強度を確保することができる。
この発明の第2の局面によるステータの製造方法は、上記のように、複数のスロットを含むステータコアと、コイルと、配置部材とを備えるステータの製造方法であって、ステータコアの複数のスロットのうちの互いに異なるスロットに、コイルの一対のスロット収容部を配置するとともに、ステータコアの軸線方向における端面から突出するように、一対のスロット収容部の少なくとも一方に接続されたコイルのコイルエンド部をステータコアに配置する工程と、軸線方向において、配置部材とコイルエンド部との間に、ワニスとは異なる接着材を配置する工程と、コイルエンド部のステータコア側とは反対側に、配置部材を配置する工程と、ワニスを複数のコイルエンド部の少なくとも一方に配置する工程と、接着材を硬化させることにより、コイルエンド部と配置部材とを固定する工程とを備える。
この発明の第2の局面におけるステータの製造方法では、上記のように構成することにより、コイルエンド部に配置部材を配置する場合にも、コイルエンド部と配置部材との固定強度を確保することが可能なステータの製造方法を提供することができる。
本発明によれば、上記のように、コイルエンド部に配置部材を配置する場合にも、コイルエンド部と配置部材との固定強度を確保することができる。
第1実施形態によるステータの平面図である。 第1実施形態によるステータの部分斜視図である。 第1実施形態によるコイルの斜視図である。 第1実施形態による接着材の構成を説明するための径方向内側から見た模式図である。 第1実施形態によるバスバー部材とコイルエンド部との間に配置された接着材を示す図(拡大図)である。 第1実施形態によるバスバー部材とコイルとが接続された状態を示す図である。 第1実施形態によるバスバー部材の平面図である。 第1実施形態による内径側リード線部の上面近傍の接着材の構成を示す図(a)と、内径側リード線部の上面近傍のワニスの構成を示す図(b)である。 第1実施形態による接着シートの構成を示す模式図である。 第1実施形態によるステータの製造工程を説明するためのフローチャートである。 第1実施形態によるコイルアッセンブリの斜視図である。 第1実施形態による接着シートを配置する工程を説明するための図である。 第1実施形態によるバスバー部材を配置する工程を説明するための図である。 第1実施形態による接着材を浸透させる工程(溶融工程)を説明するための図である。 第2実施形態によるステータの製造方法における接着シートを配置する工程を説明するための図である。 第2実施形態によるステータの製造方法におけるバスバー部材を配置する工程を説明するための図である。 第2実施形態による接着材を浸透させる工程(溶融工程)を説明するための図である。 変形例によるバスバー部材の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態の構成]
(ステータの構造)
図1〜図9を参照して、第1実施形態によるステータ100の構造について説明する。
本願明細書では、「軸線方向」とは、ステータコア10の回転軸線(符号O)(Z方向)に沿った方向(図1参照)を意味する。また、「周方向」とは、ステータコア10の周方向(A方向)を意味する。また、「径方向内側」および「内径側」とは、ステータコア10の中心に向かう方向(矢印B1方向)を意味する。また、「径方向外側」および「外径側」とは、ステータコア10の外に向かう方向(矢印B2方向)を意味する。また、下記の説明では、「上」および「下」という表現を用いているが、説明を容易にするために用いるものであり、ステータ100の使用状態および配置方向を限定するものではない。
図1に示すように、ステータ100は、円環状のステータコア10を備えている。たとえば、ステータ100は、インナーロータ型の回転電機の一部を構成し、ステータコア10は、ロータ20と径方向に対向するように配置されている。回転電機は、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータとして構成されている。
(ステータコアの構成)
図2に示すように、ステータコア10には、複数(たとえば、96個)のスロット11が設けられている。複数のスロット11には、それぞれ、コイル30が配置されている。スロット11は、たとえば、オープンスロットとして構成されている。すなわち、周方向において、スロット11の幅は、径方向に沿って略一定である。これにより、たとえば、スロット11は、コイル30が径方向内側から挿入可能に構成されている。
また、ステータコア10は、スロット11の径方向外側を円環状に接続するバックヨーク12(図1参照)と、隣り合うスロット11の間に設けられ、バックヨーク12から径方向内側に向かって延びる複数のティース13とを含む。また、スロット11には、コイル30とステータコア10とを絶縁するための絶縁部材14が配置されている。絶縁部材14は、たとえば、シート状の絶縁紙として構成されている。
(コイルの構成)
図3に示すように、ステータ100は、複数(たとえば、96個)のコイル30を備える。なお、図3は、複数のコイル30のうちの代表的な形状を示しており、コイル30は、図示の例に限られない。コイル30は、たとえば、平角導線31により形成されている。コイル30は、たとえば、平角導線31が複数回同芯巻きで巻回された略六角形状を有するカセットコイルとして構成されている。なお、本願明細書では、「平角導線」とは、一体として断面形状が略矩形形状を有する導線を意味する。すなわち、「平角導線」とは、1本の導体線により形成されているものに限らず、複数の導体線が束になった状態で平角に成形されたものも含む概念として記載している。
図4に示すように、コイル30は、1つのスロット11当りに2つのコイル30のスロット収容部32が径方向に重なるように配置されている。複数のコイル30は、それぞれ、互いに異なるスロット11に収容される一対のスロット収容部32と、一対のスロット収容部32同士を接続するコイルエンド接続部33a(以下、「接続部33a」とする)とを含む。また、接続部33aは、ステータコア10の軸線方向における端面10aまたは10bから突出するように構成されている。なお、図4では、説明のために、複数のコイル30のうちの2つのコイル30を図示し、バスバー部材50を模式的に図示している。また、接続部33aは、特許請求の範囲の「コイルエンド部」の一例である。
図2および図3に示すように、コイル30は、同芯巻きされた平角導線31の一方端部31aを有し、ステータコア10の径方向内側から径方向外側に延びるように成形され、スロット収容部32に接続された内径側リード線部33bを含む。また、コイル30は、同芯巻きされた平角導線31の他方端部31bを有し、ステータコア10の外径側に配置され、スロット収容部32に接続された外径側リード線部33cを含む。また、内径側リード線部33bおよび外径側リード線部33cは、スロット11よりも軸線方向の外側に配置されているコイルエンド部である。また、内径側リード線部33b(図4参照)は、接続部33aよりも軸線方向の外側(矢印Z1方向側)に配置されている。なお、内径側リード線部33bおよび外径側リード線部33cは、特許請求の範囲の「コイルエンド部」の一例である。
一方端部31aおよび他方端部31bは、径方向に沿って延びている。そして、複数のコイル30のうちの一のコイル30の内径側リード線部33bの一方端部31aと、複数のコイル30のうちの他のコイル30の他方端部31bとは、溶接されることより接合されて溶接部40を構成する。詳細には、コイル30は、一方端部31aおよび他方端部31bの被覆が剥がされた状態で接合されることにより、電気的に導通可能に接合されている。また、溶接部40は、一方端部31aと他方端部31bとが軸線方向にオーバーラップする状態で接合されている。また、溶接部40は、軸線方向に見て、バックヨーク12(スロット11の径方向外側)とオーバーラップする位置に配置されている。
(バスバー部材の構成)
図4に示すように、軸線方向において、接続部33aのステータコア10側とは反対側(矢印Z1方向側)には、バスバー部材50が配置されている。図5に示すように、バスバー部材50は、内径側リード線部33bから軸線方向に離間した状態(所定の隙間Dを隔てた状態)で、内径側リード線部33bおよび接続部33aの矢印Z1方向側に配置されている。なお、軸線方向における複数の内径側リード線部33bの各々高さ位置は、コイル30の寸法のばらつきや配置位置のばらつき起因してばらつきがある場合がある。つまり、所定の隙間Dは、一定ではなく、コイル30(内径側リード線部33bの上面34の高さ位置)によって異なる場合がある。なお、隙間Dは、0であってもよい。すなわち、バスバー部材50の後述する下面54と、接続部33aの上面34とが接触していてもよい。なお、バスバー部材50は、特許請求の範囲の「配置部材」の一例である。
図6に示すように、バスバー部材50は、コイル30の一方端部31aまたは他方端部31bに接続されている。具体的には、バスバー部材50の端子部51と、コイル30の一方端部31aまたは他方端部31bとが、軸線方向にオーバーラップする状態で溶接されている。バスバー部材50の端子部51は、径方向におけるバスバー部材50の側面から矢印Z2方向側に向かって略90度の角度で折り曲げられた後、さらに径方向外側に向かって略90度の角度で折り曲げられている。また、コイル30の一方端部31aまたは他方端部31bは、径方向外側に向かって折り曲げられている。そして、径方向に延びるように設けられる、バスバー部材50の端子部51とコイル30の一方端部31aまたは他方端部31bとが溶接(接合)されている。なお、バスバー部材50の端子部51とコイル30の一方端部31aまたは他方端部31bとは、溶接以外の方法で接合されていてもよい。また、バスバー部材50の端子部51とコイル30の一方端部31aまたは他方端部31bとは、電気的に導通した状態で接合されている。
また、図7に示すように、バスバー部材50の端子部51は、複数設けられており、複数の端子部51と、コイル30の複数の一方端部31a(または、複数の他方端部31b)とが接合されている。また、バスバー部材50は、円環状のステータコア10(図1参照)の形状に沿うように、円弧形状を有する。
また、バスバー部材50は、コイル30に電力を供給するための3相端子バスバーである。バスバー部材50(3相端子バスバー)は、3相(U相、V相およびW相)の交流電力が入力される3つの端子部52と、端子部52とコイル30とを電気的に接続するバスバー本体部53とを備えている。なお、バスバー部材50の外表面は、絶縁被覆されている。また、3相のバスバー本体部53のうちの2つは、軸線方向に沿って互いに重なるように配置されている。また、3相のバスバー本体部53のうちの残りの1つは、他の2つのバスバー本体部53に対して径方向位置が異なる状態で配置されている。
(接着材の構成)
図4および図5に示すように、第1実施形態では、ステータ100には、接続部33aおよび内径側リード線部33bとバスバー部材50との間に配置され、ワニス70とは異なるとともに、接続部33aおよび内径側リード線部33bにバスバー部材50を固定するための接着材60が設けられている。接着材60は、部材同士を接着して固定する機能を有するとともに、樹脂材料を含み絶縁性能を有する。なお、図4および図5では、説明のために接着材60が配置されている領域を、ハッチング加工して図示している。また、図7では、点線により囲まれる部分全体に、接着材60が配置されている。
接着材60は、第1実施形態では、硬化する接着材硬化温度T1未満で、かつ、常温T2よりも高い溶融温度T3以上に加熱されることにより溶融する性質を有する熱硬化性材料を含む。具体的には、接着材60は、接着材硬化温度T1以上に加熱されることにより、主剤と硬化剤とが反応して硬化する熱硬化性樹脂を含む。
本願明細書では、「溶融する」とは、固体の接着材60の少なくとも一部が、流動化、軟化、液化またはゲル化することを意味するものとして記載している。「硬化する」とは、接着材60(後述する接着シート160)の少なくとも一部が、流動性が低下すること、または、固体化することを意味するものとして記載している。そして、接着材硬化温度T1とは、たとえば、接着材60の主剤と硬化剤とが反応を開始する反応温度(たとえば、下限値)である。また、常温T2とは、たとえば、日本工業規格(JIS)により規定される常温(20℃±15℃)である。溶融温度T3とは、たとえば、接着材60の少なくとも一部が溶融する温度である。
また、第1実施形態では、接着材60は、ワニス70が硬化するワニス硬化温度T4の温度範囲R1に含まれる接着材硬化温度T1を有する熱硬化性材料を含む。たとえば、接着材60およびワニス70には、同様(同一)の熱硬化性樹脂(主剤または硬化剤のうちの少なくとも一方)が含有されている。ここで、温度範囲R1は、常温T2よりも高い温度であり、ワニス硬化温度T4近傍の温度である。すなわち、接着材硬化温度T1は、接着材60とワニス70とが同一の加熱温度で加熱された場合に、共に硬化されることが可能な温度である。なお、接着材硬化温度T1は、温度範囲R1内であれば、ワニス硬化温度T4以上であってもよく、ワニス硬化温度T4未満であってもよい。
接着材60の溶融温度T3は、常温T2よりも高く、かつ、接着材硬化温度T1およびワニス硬化温度T4未満の温度である。たとえば、溶融温度T3は、ステータ100にワニス70を滴下する前に実施される予備加熱工程における加熱温度範囲である温度範囲R2の範囲内の温度である。すなわち、接着材60(接着シート160)は、予備加熱工程において溶融するように構成されている。
具体的には、接着材60には、たとえば、主剤としてのエポキシ樹脂が含有されている。好ましくは、接着材60は、液状エポキシ樹脂を含む。また、主剤は、1種類のエポキシ樹脂のみならず、複数種のエポキシ樹脂、または、エポキシ樹脂以外の材料が含まれていてもよい。
また、接着材60には、たとえば、硬化剤としてのフェノール系樹脂が含有されている。硬化剤は、フェノール系樹脂が好ましいが、フェノール系樹脂に限られず、主剤に対して硬化剤として機能するものであればよい。
また、接着材60には、製膜性付与材を有する熱硬化性材料が含有されている。接着材60は、製膜性付与材を有する熱硬化性材料を含むことにより、第1実施形態では、溶融されて硬化される前において、接着材60が常温で柔軟性を有するシート状に形成されている。たとえば、製膜性付与材には、フェノキシ樹脂が含有されている。また、製膜性付与材は、フェノキシ樹脂が好ましいが、製膜性付与材として機能するものであれば、フェノキシ樹脂以外の材料でもよい。また、接着材60には、触媒および耐熱材が含有されている。
ここで、図4に示すように、第1実施形態では、接着材60は、バスバー部材50と内径側リード線部33bおよび接続部33aとの間に配置されている。具体的には、第1実施形態では、接着材60は、内径側リード線部33bのステータコア10側とは軸線方向反対側の端面である上面34と、バスバー部材50の接続部33a側の端面である下面54との間に配置されている。そして、接着材60は、硬化されることにより、バスバー部材50と内径側リード線部33bとを接着した状態で互いに固定させる機能を有する。なお、下面54は、特許請求の範囲の「配置部材のコイルエンド部側の端面」の一例である。また、上面34は、「コイルエンド部の配置部材側の端面」の一例である。
図5に示すように、接着材60は、上面34と下面54との間(隙間D)を満たすように配置されている。すなわち、上面34と下面54との間に配置された接着材60の厚みt1は、隙間Dの大きさと略同一である。図7に示すように、接着材60は、バスバー部材50の下面54の一部を覆うように配置されている。好ましくは、接着材60は、下面54の略全域を覆うように設けられている。これにより、バスバー本体部53の下面54の略全域が、接着材60により接続部33aおよび内径側リード線部33bに固定されている。
また、図4に示すように、第1実施形態では、接着材60は、複数の接続部33a同士の間に配置されている。詳細には、図8(a)に示すように、接着材60は、複数の内径側リード線部33bの隣接する上面34同士に亘って配置されている。すなわち、接着材60は、周方向に隣接する上面34同士を接続するように連続して形成されている。
図4に示すように、接着材60は、軸線方向に見て、バスバー部材50にオーバーラップする位置に配置された複数の内径側リード線部33b同士および接続部33a同士の間に配置されている。すなわち、接着材60は、バスバー部材50と接続部33aとの間から下方(矢印Z2方向)に向かって浸透した状態で、硬化されて配置されている。
また、接着材60は、軸線方向に見て、バスバー部材50にオーバーラップする位置に配置されたスロット11内に配置されており、接着材60によりスロット収容部32とスロット11および絶縁部材14とが固定されている。
たとえば、接着材60は、スロット11内において、バスバー部材50側のステータコア10の端面10aから、スロット11の軸線方向中心C1よりもバスバー部材50側とは反対側(矢印Z2方向側)の端面10bに亘って、配置されている。好ましくは、接着材60は、軸線方向中心C1に対して、ステータコア10を挟んで反対側(矢印Z2方向側)に配置されている複数の接続部33a同士の間に配置されている。これにより、接着材60は、軸線方向に見て、バスバー部材50が配置されているコイル30全体を固定するように配置されている。なお、図4では、接着材60(ハッチング部分)により、接続部33a同士の隙間、スロット収容部32とスロット11(ティース13)との隙間が満たされるように図示しているが、この例に限られない。すなわち、接着材60は、上記した部分の少なくとも一部に配置されていればよい。また、図4では、ワニス70の図示を省略しているが、たとえば、スロット11内または矢印Z2方向側の接続部33a同士の間にワニス70の一部が配置されていてもよい。
図8(a)に示すように、接着材60は、軸線方向に見て、バスバー部材50とオーバーラップする領域の複数の内径側リード線部33bの互いに隣接する上面34同士に亘って配置されている。そして、図8(b)に示すように、軸線方向に見て、ワニス70が、バスバー部材50とオーバーラップしない領域の複数の内径側リード線部33bの表面(上面34)に配置されている一方、隣り合う上面34に配置されたワニス70同士は、隙間を有するように離れて配置されている。すなわち、ステータ100の周方向において、上面34では、軸線方向に見て、接着材60およびワニス70の配置分布が異なる。
図9に示すように、第1実施形態では、接着材60は、シート状の状態から溶融されて硬化されることにより、バスバー部材50と内径側リード線部33bおよび接続部33aとを固定しているとともに、複数の接続部33a同士を固定している。
たとえば、接着材60は、ステータ100の製造時(溶融前でかつ硬化前)の常温T2の状態で、シート状の固体に形成されている。具体的には、接着材60は、シート状の状態で、基材フィルム161と粘着シート162とセパレートフィルム163とを含む。なお、以下の説明では、シート状の状態の接着材60を、「接着シート160」と記載して説明を行う。
セパレートフィルム163は、粘着シート162に対して剥離可能に構成されており、セパレートフィルム163は、接着シート160がステータ100に配置される際に、作業者または製造装置により剥離され、接着シート160の粘着シート162が露出される。そして、粘着シート162は、常温で接着性を有する。これにより、接着シート160は、バスバー部材50の下面54または接続部33aの上面34に貼付可能に構成されている。そして、基材フィルム161と粘着シート162とは、溶融温度T3以上に加熱されることにより、溶融し、接着材硬化温度T1以上に加熱されることにより硬化する性質を有する。
また、第1実施形態では、接着シート160は、常温T2の状態で、柔軟性を有する。たとえば、接着シート160は、弾性変形可能であり、可撓性を有する。これにより、コイル30の寸法ばらつきまたは取付位置のばらつきなどに起因して、複数の内径側リード線部33bまたは接続部33aの各々の高さ位置にばらつきがある場合でも、接着シート160は、内径側リード線部33bまたは接続部33aとバスバー部材50との両方に接触(密着)(図14参照)する。これにより、内径側リード線部33bまたは接続部33aとバスバー部材50との間の隙間が、接着シート160が溶融されて硬化された接着材60によって埋められている。
(ワニスの構成)
ステータ100には、複数の接続部33aの間に配置されたワニス70が設けられている。ワニス70は、たとえば、温度範囲R1において、ワニス硬化温度T4以上の温度に加熱されることにより硬化する熱硬化性樹脂を含む。また、ワニス70は、硬化される前の状態で、かつ、常温T2において、液体である。
詳細には、ワニス70は、軸線方向に見て、バスバー部材50とオーバーラップする位置とは異なる位置に配置されている接続部33a同士の間およびスロット11内に配置されている。言い換えると、接続部33a同士は、ワニス70により互いに固定されている。また、ワニス70は、軸線方向に見て、バスバー部材50とオーバーラップする位置とは異なる位置に限られず、バスバー部材50とオーバーラップする位置の一部にも浸透されていてもよい。また、ワニス70は、絶縁性を有する。
(ステータの製造方法)
次に、ステータ100の製造方法について説明する。図10には、ステータ100の各製造工程を示すフローチャートが示されている。
〈コイルアッセンブリを形成する工程〉
まず、図11に示すように、ステップS1において、複数のコイル30が円環状に配置されたコイルアッセンブリ80が形成される。具体的には、複数のコイル30が、スロット11のピッチ分ずらしながら、互いに周方向に隣接するように配置される。
〈スロット収容部をスロットに挿入する工程〉
次に、ステップS2において、スロット収容部32がスロット11に挿入される。詳細には、コイルアッセンブリ80(図11参照)がステータコア10よりも径方向内側の空間に配置された状態で、コイルアッセンブリ80を形成する複数のコイル30を、径方向内側から径方向外側に向かって押し出すことにより、コイル30のスロット収容部32が、ステータコア10のスロット11に挿入される。なお、スロット11には、予め、コイル30とステータコア10とを絶縁するための絶縁部材14が配置されている。なお、絶縁部材14は、スロット11に挿入される前のコイル30のスロット収容部32に予め取り付けられていてもよい。また、コイル30をスロット11に挿入する際には、図示しないガイド治具によってコイル30とティース13(絶縁部材14)との接触が抑制されている。
これにより、図4に示すように、第1実施形態では、ステータコア10の複数のスロット11のうちの互いに異なるスロット11に、コイル30の一対のスロット収容部32が配置されるとともに、ステータコア10の軸線方向における端面10aおよび10bから突出するように、一対のスロット収容部32同士を接続するコイル30の接続部33aと、スロット収容部32に接続された内径側リード線部33bおよび外径側リード線部33cとが、ステータコア10に配置される。
〈接着シートを配置する工程〉
次に、第1実施形態では、ステップS3において、軸線方向において、バスバー部材50と内径側リード線部33bおよび接続部33aとの間に、ワニス70とは異なる接着シート160が配置される。具体的には、図12に示すように、常温で固体のシート状に形成された接着シート160が、バスバー部材50の下面54に貼付される。また、接着シート160は、ステータ100が完成した状態の接着材60の厚みt1よりも大きい厚みt2を有する。また、接着シート160のセパレートフィルム163(図9参照)が取り除かれ、粘着シート162が下面54に接着される。また、図7に示すように、下面54の略全域に接着シート160が取り付けられる。
〈バスバー部材を配置する工程〉
次に、ステップS4において、スロット11にコイル30が配置された状態で、かつ、バスバー部材50に接着シート160が貼付された状態で、軸線方向において、接続部33aのステータコア10側とは反対側(矢印Z1方向側)にバスバー部材50が配置される。そして、図13に示すように、接着シート160を挟むように、バスバー部材50が内径側リード線部33bの上面34の矢印Z1方向側に配置される。ここで、接着シート160は、柔軟性を有するので、接着シート160は、内径側リード線部33bの上面34およびバスバー部材50の下面54に沿った形状に変形する。これにより、接着材60が、内径側リード線部33bの上面34およびバスバー部材50の下面54とに接触する。
〈溶接工程〉
次に、ステップS5において、スロット11に配置された複数のコイル30において、図2に示すように、一方端部31aおよび他方端部31bが溶接される。また、図6に示すように、バスバー部材50の端子部51と、コイル30の一方端部31aまたは他方端部31bが溶接される。
〈予備加熱工程および溶融工程〉
次に、ステップS6において、ステータコア10およびコイル30が予備加熱されるとともに、接着シート160が溶融される。具体的には、ステータコア10、コイル30、バスバー部材50および接着シート160の全体が、ワニス70が硬化するワニス硬化温度T4未満の温度範囲R2の温度に、加熱装置(図示せず)により加熱される。加熱装置では、たとえば、熱風炉またはヒーター等の加熱部が設けられている。
具体的には、温度範囲R2内の温度において、ワニス硬化温度T4未満で、かつ、接着材硬化温度T1未満で、かつ、常温T2よりも高い溶融温度T3以上に接着シート160が加熱されることにより、接着シート160が固体の状態から溶融され、図4に示すように、接着シート160(接着材60)を内径側リード線部33bとバスバー部材50との間に保持しながら、複数の接続部33aの間に接着材60(溶融した接着シート160を、以下「接着材60」とする)が浸透される。これにより、接着材60の厚みがt2からt1に変化する。
詳細には、内径側リード線部33bの上面34と、バスバー部材50の下面54との間に接着材60を保持するとともに、互いに隣り合う上面34同士の間に接着材60を保持(図8(a))しながら、溶融した接着材60が複数の接続部33aの間に浸透される。
これにより、図4に示すように、溶融した接着材60は、たとえば、複数の接続部33aの間を介して、スロット11内に進入し、スロット収容部32とスロット11(ティース13および絶縁部材14)との間を満たしながら、矢印Z2方向側の複数の接続部33aの間に到達する。
ここで、図14に示すように、製造中のステータ100(ステータコア10、コイル30、および、バスバー部材50)が軸線方向に対して反転(上下反転)される。すなわち、第1実施形態では、バスバー部材50が、内径側リード線部33bの上面34のよりも下方に配置されることにより、溶融した接着材60が内径側リード線部33bとバスバー部材50との間に保持されるとともに、溶融した接着材60が複数の接続部33aの間に浸透される。
〈ワニスを滴下する工程〉
次に、ステップS7において、コイル30を構成する平角導線31同士の間にワニス70が滴下されることにより、ワニス70が複数の接続部33aの間に配置される。たとえば、接続部33aの軸線方向の一方側から、軸線方向他方側に向かって、ノズル(図示せず)を用いて、ワニス70が滴下される。たとえば、ステータコア10とノズルとは、周方向に沿って互いに相対的に移動(回転)する。これにより、ステータコア10の周方向に沿うようにノズルが相対的に移動しながら、ワニス70が滴下される。これにより、ワニス70は、軸線方向に見て、バスバー部材50にオーバーラップしない位置の複数の接続部33a同士の間、および、スロット収容部32とスロット11(絶縁部材14)との間に浸透する。
〈溶融した接着材およびワニスを熱硬化させる工程〉
次に、ステップS8において、溶融した接着材60を硬化させることにより、内径側リード線部33bとバスバー部材50とが固定されるとともに、複数の接続部33a同士が固定される。具体的には、接着材60およびワニス70が共に、温度範囲R1内で、かつ、ワニス硬化温度T4以上で、かつ、接着材硬化温度T1以上に加熱されることにより、接着材60およびワニス70が共に硬化される。
詳細には、たとえば、製造中のステータ100の全体が加熱炉(熱風炉等)に配置され、加熱炉内が温度範囲R1内のワニス硬化温度T4以上で、かつ、接着材硬化温度T1に加熱される。これにより、バスバー部材50と内径側リード線部33bとの間に保持されている接着材60と、複数の接続部33a同士の間に浸透している接着材60およびワニス70と、スロット11内に浸透している接着材60およびワニス70とが硬化される。これにより、ステータ100が完成する。その後、ステータ100がロータ20と組み合わされることにより、回転電機が製造される。
[第2実施形態の構成]
(ステータの製造方法)
図10、図15〜図17を参照して、第2実施形態によるステータ200の製造方法について説明する。第2実施形態では、1種類の接着シート160がバスバー部材50と内径側リード線部33bとの間に配置される第1実施形態によるステータ100の製造方法とは異なり、溶融された状態で流動性が互いに異なる複数の接着シート360が、バスバー部材50と内径側リード線部33bとの間に配置される。なお、図10に示すように、第2実施形態では、ステップS1、S2、S103、S104、S5、S106、S7、および、S108がこの順に実施される。なお、ステップS1、S2、S5およびS7は、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
〈接着シートを配置する工程〉
第2実施形態では、ステップS103において、軸線方向において、バスバー部材50と内径側リード線部33b(上面34)との間に、ワニス70とは異なる接着シート360が配置される。具体的には、図15に示すように、常温で固体のシート状に形成され、溶融された状態で流動性が互いに異なる複数の接着シート360が、内径側リード線部33bの上面34に貼付される。たとえば、複数の接着シート360のうちの流動性が高い第1接着シート361が内径側リード線部33b側(矢印Z2方向側)に配置され、複数の接着シート360のうちの流動性が低い第2接着シート362が内径側リード線部33bとは反対側(矢印Z1方向側)に配置される。たとえば、第1接着シート361と第2接着シート362とは、積層した状態で配置される。
〈バスバー部材を配置する工程〉
次に、ステップS104において、スロット11にコイル30が配置された状態で、かつ、図16に示すように、上面34に接着シート360が貼付された状態で、軸線方向において、内径側リード線部33bのステータコア10側とは反対側(矢印Z1方向側)にバスバー部材50が配置される。
〈予備加熱工程および溶融工程〉
次に、ステップS106において、図17に示すように、ステータコア10およびコイル30が予備加熱されるとともに、接着シート360が溶融される。これにより、第2接着シート362が溶融した比較的流動性の低い第2接着材262がバスバー部材50と内径側リード線部33bとの間に保持されながら、第1接着シート361が溶融した比較的流動性の高い第1接着材261が複数の接続部33a同士の間に浸透する。
〈第1接着材、第2接着材およびワニスを熱硬化させる工程〉
次に、ステップS108において、第1接着材261、第2接着材262およびワニス70を硬化させることにより、内径側リード線部33bとバスバー部材50とが固定されるとともに、複数の接続部33a同士が固定される。これにより、第2実施形態によるステータ200が完成する。なお、第2実施形態によるステータ200のその他の製造工程および構成は、第1実施形態と同様である。
[第1および第2実施形態の構造の効果]
上記第1および第2実施形態の構造では、以下のような効果を得ることができる。
上記第1および第2実施形態では、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との間に配置される接着材(60、261、262)を設けることにより、滴下されたワニス(70)がコイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との間に浸透しない場合でも、ワニス(70)とは異なる接着材(60、261、262)により、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)とを接着して固定することができる。その結果、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)とを接合する接合部(40)が設けられている場合で、かつ、ステータ(100、200)に振動や衝撃が与えられた場合でも、接合部(40)と接着材(60、261、262)とにより、生じる応力を分散させることができる。この結果、接合部(40)に生じる応力が過大になることを防止することができるので、コイルエンド部(33a、33b)に配置部材(50)を配置する場合にも、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との固定強度を確保することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、配置部材(50)は、コイル(30)の端部(31a、31b)に接続されるバスバー部材(50)を含み、バスバー部材(50)は、接着材(60、261、262)によりコイルエンド部(33a、33b)に固定されている。このように構成すれば、ステータ(100、200)に振動や衝撃が与えられた場合でも、接着材(60、261、262)と、コイル(30)の端部(31a、31b)およびバスバー部材(50)が接続されている部分(40)とにより、生じる応力を分散させてコイル(30)の端部(31a、31b)に応力が集中するのを防止することができるので、コイルエンド部(33a、33b)とバスバー部材(50)との固定強度を、効果的に確保することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材(60、261、262)は、配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との間に配置されているとともに、複数のコイルエンド部(33a、33b)同士の間に配置されている。ここで、配置部材(50)とステータコア(10)との間に配置された複数のコイルエンド部(33a、33b)(配置部材(50)の直下のコイルエンド部(33a、33b))には、ワニス(70)が浸透しにくいと考えられる。すなわち、配置部材(50)により、コイルエンド部(33a、33b)同士の間へのワニス(70)の浸透が阻害されると考えられる。これに対して、上記実施形態のように構成することにより、ワニス(70)が比較的浸透しにくい部分である配置部材(50)とステータコア(10)との間に配置された複数のコイルエンド部(33a、33b)同士を、複数のコイルエンド部(33a、33b)同士の間に配置された接着材(60、261、262)により固定することができる。その結果、配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との固定強度のみならず、複数のコイルエンド部(33a、33b)同士の固定強度も確保することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材(60、261、262)は、コイルエンド部(33a、33b)のステータコア(10)側とは軸線方向反対側の端面(34)と、配置部材(50)との間に配置されているとともに、複数のコイルエンド部(33a、33b)の軸線方向の端面(34)同士に亘って配置されている。ここで、コイルエンド部(33a、33b)のステータコア(10)側とは軸線方向反対側の端面(34)と、配置部材(50)との間には、滴下されたワニス(70)を浸透させることは容易ではなく、端面(34)同士の間にワニス(70)を留まらせることは容易ではない。これに対して、上記実施形態のように構成すれば、接着材(60、261、262)により、コイルエンド部(33a、33b)の端面(34)と配置部材(50)とを固定することができるとともに、コイルエンド部(33a、33b)の端面(34)同士を固定することができる。その結果、接着材(60、261、262)により、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との固定強度を、より一層向上させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材(60、261、262)は、硬化する接着材硬化温度(T1)未満で、かつ、常温(T2)よりも高い溶融温度(T3)以上に加熱されることにより溶融する性質を有する熱硬化性材料を含む。このように構成すれば、接着材(60、261、262)が溶融される前の固体の状態で、一旦、接着材(160、360)を配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との間に配置した後に、接着材(60、261、262)を溶融させることができる。この結果、配置部材(50)のコイルエンド部(33a、33b)側の部分(端面(54))から、溶融された接着材(60、261、262)をコイルエンド部(33a、33b)に対して浸透させることができる。その結果、溶融された接着材(60、261、262)を硬化することにより、コイルエンド部(33a、33b)の端面(34)と配置部材(50)とを容易に固定することができるとともに、溶融することにより接着材(60、261、262)が浸透したコイルエンド部(33a、33b)同士の間を容易に固定することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材(60、261、262)は、シート状の状態から溶融されて硬化されることにより、配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)とを固定しているとともに、複数のコイルエンド部(33a、33b)同士を固定している。このように構成すれば、紛体や液体の接着材と異なり、接着材(160、360)がシート状の定形性を有するため、配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との間に容易に接着材(160、360)を配置することができる。また、接着材(160、360)をシート状に形成することにより、接着材(160、360)専用の滴下装置が必要にならないので、ステータ(100、200)の製造装置が複雑化するのを防止することができる。また、複数のコイルエンド部(33a、33b)同士を固定するために、ワニス(70)をステータ(100、200)全体に滴下する場合には、ワニス(70)を垂れ落ちや飛散が生じるとともに、ワニス(70)を付着不必要部分からワニス(70)の除去する作業(トリミング作業)が必要になる。これに対して、上記実施形態のように構成すれば、シート状の接着材(160、360)の膜厚や枚数を調整することにより、配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との間に配置される接着材(60、261、262)の量を容易に調整することができる。この結果、ワニス(70)を用いる場合に比べて、過不足なく適切な量の接着材(60、261、262)を配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との間に配置することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材(60、261、262)は、製膜性付与材を有する熱硬化性材料を含むことにより、溶融されて硬化される前において、常温(T2)で柔軟性を有するシート状に形成されている。このように構成すれば、製膜性付与材を接着材(60、261、262)に含有させることにより、容易に常温(T2)でシート状を有するように、接着材(160、360)を形成することができる。また、接着材(160、360)を常温(T2)で柔軟性を有するように形成することにより、複数のコイルエンド部(33a、33b)の高さ位置にばらつきがある場合でも、柔軟性を有するシート状の接着材(160、360)を高さ位置の異なる複数のコイルエンド部(33a、33b)の上面(34)に接触させることができるとともに、配置部材(50)に接触させることができる。この結果、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との間の隙間(D)を埋めることができる。これにより、配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との固定強度を、より一層確保(より強固に)することができる。
[第1および第2実施形態の製造方法の効果]
上記第1および第2実施形態の製造方法では、以下の効果を得ることができる。
上記第1および第2実施形態では、複数のスロットを含むステータコア(10)と、コイル(30)と、配置部材(50)とを備えるステータ(100、200)の製造方法であって、ステータコア(10)の複数のスロット(12)のうちの互いに異なるスロット(12)に、コイル(30)の一対のスロット収容部(32)を配置するとともに、ステータコア(10)の軸線方向における端面(10a、10b)から突出するように、一対のスロット収容部(32)の少なくとも一方に接続されたコイル(30)のコイルエンド部(33a、33b)をステータコア(10)に配置する工程(S2)と、軸線方向において、配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との間に、ワニス(70)とは異なる接着材(60、261、262)を配置する工程(S3、S103)と、コイルエンド部(33a、33b)のステータコア(10)側とは反対側に、配置部材(50)を配置する工程(S4、S104)と、ワニス(70)を複数のコイルエンド部(33a、33b)の少なくとも一方に配置する工程(S7)と、接着材(60、261、262)を硬化させることにより、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)とを固定する工程(S8、S108)とを備える。これにより、コイルエンド部(33a、33b)に配置部材(50)を配置する場合にも、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との固定強度を確保することが可能なステータ(100、200)の製造方法を提供することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材(160、360)を配置する工程(S3、S103)の後で、かつ、配置部材(50)を配置する工程(S4、S104)の後、接着材(60、261、262)を硬化させる工程(S8、S108)に先立って、接着材(160、360)を固体の状態から溶融させることにより、接着材(60、261、262)をコイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との間に保持しながら、溶融した接着材(60、261、262)を複数のコイルエンド部(33a、33b)の間に浸透させる工程(S6、S106)をさらに備え、接着材(60、261、262)を硬化させる工程(S8、S108)は、接着材(60、261、262)を硬化させることにより、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)とを固定するとともに、複数のコイルエンド部(33a、33b)同士を固定する工程である。このように構成すれば、溶融した接着材(60、261、262)を複数のコイルエンド部(33a、33b)の間に浸透させることができるので、配置部材(50)が配置され、ワニス(70)が浸透することが困難なコイルエンド部(33a、33b)の部分に接着材(60、261、262)を浸透させることができる。この結果、配置部材(50)をコイルエンド部(33a、33b)に配置する場合でも、複数のコイルエンド部(33a、33b)同士を効果的に固定させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材(60、261、262)を浸透させる工程(S6、S106)は、コイルエンド部(33a、33b)のステータコア(10)側とは軸線方向反対側の端面(34)と、配置部材(50)との間に接着材(60、261、262)を保持するとともに、複数のコイルエンド部(33a、33b)の軸線方向の端面(34)同士の間に接着材(60、261、262)を保持しながら、溶融した接着材(60、261、262)を複数のコイルエンド部(33a、33b)の間に浸透させる工程である。このように構成すれば、コイルエンド部(33a、33b)の端面(34)と、配置部材(50)との間に接着材(60、261、262)を保持させながら、複数のコイルエンド部(33a、33b)の間に接着材(60、261、262)を配置することができるので、配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との固定強度を確保しながら、複数のコイルエンド部(33a、33b)同士の固定強度を向上させることができる。
また、上記第1実施形態では、接着材(60)を浸透させる工程(S6)は、配置部材(50)を、コイルエンド部(33a、33b)のステータコア(10)側とは反対側の端面(34)のよりも下方に配置することにより、接着材(60)をコイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との間に保持しながら、溶融した接着材(60)を複数のコイルエンド部(33a、33b)の間に浸透させる工程である。このように構成すれば、コイルエンド部(33a、33b)とコイルエンド部(33a、33b)の下方に位置する配置部材(50)との間に、溶融して下方に流れる接着材(60)を容易に保持させることができる。この結果、接着材(60)をコイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との間に容易に保持しながら、溶融した接着材(60)を複数のコイルエンド部(33a、33b)の間に浸透させることができる。
また、上記第2実施形態では、接着材(261、262)を配置する工程(S103)は、溶融された状態で流動性が互いに異なる複数の接着材(261、262)を、配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との間に配置する工程であり、接着材(261、262)を浸透させる工程(S106)は、複数の接着材(261、262)のうちの流動性が低い接着材(262)をコイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との間に保持しながら、複数の接着材(261、262)のうちの流動性が高い接着材(261)を複数のコイルエンド部(33a、33b)の間に浸透させる工程である。このように構成すれば、比較的流動性が低いことにより流れ落ちにくい接着材(262)をコイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との間に保持しながら、比較的流動性が高く浸透しやすい接着材(261)を複数のコイルエンド部(33a、33b)の間に容易に浸透させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材(60、261、262)は、熱硬化性材料を含み、接着材(60、261、262)を浸透させる工程(S6、S106)は、熱硬化性材料が硬化する接着材硬化温度(T1)未満で、かつ、常温(T2)よりも高い溶融温度(T3)に接着材(60、261、262)を加熱させることにより、接着材(60、261、262)を溶融させて、複数のコイルエンド部(33a、33b)の間に接着材(60、261、262)を浸透させる工程であり、接着材(60、261、262)を硬化させる工程(S8、S108)は、接着材硬化温度(T1)以上に接着材(60、261、262)を加熱することにより、接着材(60、261、262)を硬化させる工程である。このように構成すれば、接着材(60、261、262)に他の材料を加えて化学反応させることによって、溶融させることや硬化させることを行う場合と異なり、接着材(60、261、262)の温度を調整するだけで、接着材(60、261、262)を配置部材(50)とコイルエンド部(33a、33b)との間に配置した状態で、接着材(60、261、262)を容易に溶融させることができるとともに、接着材(60、261、262)を容易に硬化させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、ワニス(70)を配置する工程(S7)に先立って行われ、ワニス(70)が硬化するワニス硬化温度(T4)未満で、コイル(30)およびステータコア(10)を加熱する予備加熱工程(S6、S106)をさらに備え、接着材(60、261、262)を浸透させる工程(S6、S106)は、予備加熱工程(S6、S106)において、接着材硬化温度(T1)未満で、かつ、溶融温度(T3)以上に接着材(60、261、262)が加熱されることにより、接着材(60、261、262)をコイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との間に保持しながら、接着材(60、261、262)を溶融させて、複数のコイルエンド部(33a、33b)の間に接着材(60、261、262)を浸透させる工程である。このように構成すれば、予備加熱工程(S6、S106)と、接着材(60、261、262)を浸透させる工程(S6、S106)とを共通化することができるので、接着材(60、261、262)を浸透させる工程(S6、S106)を予備加熱工程(S6、S106)とは別個に設ける場合と異なり、ステータ(100、200)の製造方法が複雑化するのを防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材(60、261、262)を硬化させる工程(S8、S108)は、ワニス(70)が硬化するワニス硬化温度(T4)以上で、かつ、接着材硬化温度(T1)以上に、ワニス(70)および接着材(60、261、262)を加熱することにより、ワニス(70)と接着材(60、261、262)とを共に硬化させる工程である。このように構成すれば、ワニス(70)を硬化させる工程(S8、S108)と、接着材(60、261、262)を硬化させる工程(S8、S108)とを共通化することができるので、接着材(60、261、262)を硬化させる工程(S8、S108)をワニス(70)を硬化させる工程(S8、S108)とは別個に設ける場合と異なり、ステータ(100、200)の製造方法が複雑化するのを、より一層防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材(160、360)を配置する工程(S3、S103)は、配置部材(50)を配置する工程(S4、S104)に先立って、常温(T2)で固体のシート状を有する接着材(160、360)を、コイルエンド部(33a、33b)の軸線方向の端面(34)か、または、配置部材(50)のコイルエンド部(33a、33b)側の端面(54)に貼付する工程である。このように構成すれば、接着材(60、261、262)を滴下することにより、コイルエンド部(33a、33b)の端面(34)か配置部材(50)の端面(54)に配置する場合と異なり、滴下装置(ディスペンサ等)が必要にならないので、ステータ(100、200)の製造装置が複雑化するのを防止することができる。また、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との比較的小さい隙間に接着材(60、261、262)を挿入する場合に比べて、コイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)とが離れた状態で、接着材(60、261、262)をコイルエンド部(33a、33b)か配置部材(50)に配置することができるので、容易に接着材(60、261、262)をコイルエンド部(33a、33b)と配置部材(50)との間に配置することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、ステータをインナーロータ型の回転電機の一部として構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ステータをアウターロータ型の回転電機の一部として構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、コイルが平角導線により構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コイルが平角導線以外の丸線(細線)などによって構成されていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、内径側リード線部の上面にバスバー部材を配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コイルエンド接続部の上面にバスバー部材を配置してもよい。この場合、コイルエンド接続部の上面とバスバー部材との間に接着材(接着シート)が配置される。
また、上記第1および第2実施形態では、接続部および内径側リード線部のステータコア側とは反対側(上方)にバスバー部材が配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接続部および内径側リード線部のステータコア側とは反対側(上方)に、接続部および内径側リード線部を覆う配置部材としての絶縁部材(複数のコイルエンド部を保護する保護部材)を配置してもよい。この場合、絶縁部材(保護部材)と接続部および内径側リード線部との間に設けられる接着材により、絶縁部材(保護部材)と接続部および内径側リード線部とが固定される。
また、上記第1および第2実施形態では、バスバー部材が、コイルに電力を供給するための3相端子バスバーである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、バスバー部材が、コイルと中性点とを接続する中性点バスバーであってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、スロット内に接着材を浸透させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接着材を複数の接続部同士の間のみに浸透させてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材の熱硬化性材料の主剤、硬化剤、製膜性付与材の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上記第1および第2実施形態で示した材料以外の材料により接着材(接着シート)を構成してもよく、ワニスと接着材との主剤が互いに異なる材料に構成されていてもよい。
また、上記第1実施形態では、バスバー部材を、内径側リード線部のステータコア側とは反対側の上面のよりも下方に配置した状態で接着シートを溶融させることにより、接着材を上面とバスバー部材との間に保持する例を示し、上記第2実施形態では、溶融された状態で流動性が互いに異なる複数の接着シートを、バスバー部材と内径側リード線部との間に配置することにより、接着材を内径側リード線部とバスバー部材との間に保持する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上記第1実施形態の構成と、上記第2実施形態の構成とを組み合わせて、溶融された状態で流動性が互いに異なる複数の接着シートを、バスバー部材が内径側リード線部のステータコア側とは反対側の上面のよりも下方に配置された状態で溶融させてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、溶融工程と予備加熱工程とを同時に実施する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、溶融工程の後に、予備加熱工程を実施してもよいし、予備加熱工程の後に、溶融工程を実施してもよい。なお、製造工程の増加を防止する観点からは、上記第1および第2実施形態のように、溶融工程と予備加熱工程とを同時に実施することが好ましい。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材とワニスとを共に硬化する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接着材を予め硬化させた後に、ワニスをステータに滴下してワニスを硬化してもよいなお、製造工程の増加を防止する観点からは、上記第1および第2実施形態のように、接着材とワニスとをと共に硬化することが好ましい。
また、上記第1実施形態では、バスバー部材に接着シートを貼付する例を示し、上記第2実施形態では、内径側リード線部の上面に接着シートを貼付する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、バスバー部材および内径側リード線部の上面の両方に、接着シートを貼付してもよいし、内径側リード線部の上面に接着シートを貼付せずに載置することにより、接着シートを配置してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、バスバー部材が、軸線方向に沿って重なる2つのバスバー本体部と、軸線方向に沿って重なる2つのバスバー本体部に対して径方向に隙間部を有した状態で配置される1つのバスバー本体部とにより構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図18に示す変形例のバスバー部材450のように、バスバー部材450の3つのバスバー本体部453が、軸線方向に沿って重なっていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、接着材が、バスバー部材の下面の略全域を覆うように設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接着材が、バスバー本体部の下面を部分的に覆っていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、コイルを同芯巻のカセットコイルとして構成するとともに、スロットに内径挿入可能に構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コイルを波巻きのセグメントコイルとして構成するとともに、スロットに軸線方向に挿入可能に構成してもよい。この場合、スロットは、フルオープンスロットよりもセミオープンスロットを採用することが、ステータの特性上、好ましい。
10 ステータコア 10a 端面
11 スロット 30 コイル
31a、31b 端部 32 スロット収容部
33a コイルエンド接続部(コイルエンド部)
33b 内径側リード線部(コイルエンド部)
33c 外径側リード線部(コイルエンド部)
34 上面(コイルエンド部の軸線方向の端面)
50、450 バスバー部材(配置部材)
54 下面(配置部材のコイルエンド部側の端面)
60 接着材 70 ワニス
100、200 ステータ 160 接着シート(接着材)
261 第1接着材(流動性が高い接着材)
262 第2接着材(流動性が低い接着材) 360 接着シート(接着材)
361 第1接着シート(接着材) 362 第2接着シート(接着材)

Claims (17)

  1. 複数のスロットを含むステータコアと、
    互いに異なる前記スロットに収容される一対のスロット収容部と、前記一対のスロット収容部の少なくとも一方に接続されているとともに前記ステータコアの軸線方向における端面から突出するコイルエンド部とを含むコイルと、
    複数の前記コイルエンド部の間に配置されたワニスと、
    軸線方向において、前記コイルエンド部の前記ステータコア側とは反対側に配置された配置部材と、
    前記コイルエンド部と前記配置部材との間に配置され、前記ワニスとは異なるとともに、前記コイルエンド部に前記配置部材を固定するための接着材とを備える、ステータ。
  2. 前記配置部材は、前記コイルの端部に接続されるバスバー部材を含み、
    前記バスバー部材は、前記接着材により前記コイルエンド部に固定されている、請求項1に記載のステータ。
  3. 前記接着材は、前記配置部材と前記コイルエンド部との間に配置されているとともに、前記複数のコイルエンド部同士の間に配置されている、請求項1または2に記載のステータ。
  4. 前記接着材は、前記コイルエンド部の前記ステータコア側とは軸線方向反対側の端面と、前記配置部材との間に配置されているとともに、前記複数のコイルエンド部の前記軸線方向の端面同士に亘って配置されている、請求項3に記載のステータ。
  5. 前記接着材は、硬化する接着材硬化温度未満で、かつ、常温よりも高い溶融温度以上に加熱されることにより溶融する性質を有する熱硬化性材料を含む、請求項3または4に記載のステータ。
  6. 前記接着材は、シート状の状態から溶融されて硬化されることにより、前記配置部材と前記コイルエンド部とを固定しているとともに、前記複数のコイルエンド部同士を固定している、請求項5に記載のステータ。
  7. 前記接着材は、製膜性付与材を有する前記熱硬化性材料を含むことにより、溶融されて硬化される前において、常温で柔軟性を有するシート状に形成されている、請求項6に記載のステータ。
  8. 前記接着材は、前記ワニスが硬化するワニス硬化温度範囲に含まれる前記接着材硬化温度を有する前記熱硬化性材料を含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載のステータ。
  9. 複数のスロットを含むステータコアと、コイルと、配置部材とを備えるステータの製造方法であって、
    前記ステータコアの前記複数のスロットのうちの互いに異なる前記スロットに、前記コイルの一対のスロット収容部を配置するとともに、前記ステータコアの軸線方向における端面から突出するように、前記一対のスロット収容部の少なくとも一方に接続された前記コイルのコイルエンド部を前記ステータコアに配置する工程と、
    軸線方向において、前記配置部材と前記コイルエンド部との間に、ワニスとは異なる接着材を配置する工程と、
    前記コイルエンド部の前記ステータコア側とは反対側に、前記配置部材を配置する工程と、
    前記ワニスを複数の前記コイルエンド部の少なくとも一部に配置する工程と、
    前記接着材を硬化させることにより、前記コイルエンド部と前記配置部材とを固定する工程とを備える、ステータの製造方法。
  10. 前記接着材を配置する工程の後で、かつ、前記配置部材を配置する工程の後、前記接着材を硬化させる工程に先立って、前記接着材を固体の状態から溶融させることにより、前記接着材を前記コイルエンド部と前記配置部材との間に保持しながら、溶融した前記接着材を複数の前記コイルエンド部の間に浸透させる工程をさらに備え、
    前記接着材を硬化させる工程は、前記接着材を硬化させることにより、前記コイルエンド部と前記配置部材とを固定するとともに、前記複数のコイルエンド部同士を固定する工程である、請求項9に記載のステータの製造方法。
  11. 前記接着材を浸透させる工程は、前記コイルエンド部の前記ステータコア側とは軸線方向反対側の端面と、前記配置部材との間に前記接着材を保持するとともに、前記複数のコイルエンド部の前記軸線方向の端面同士の間に前記接着材を保持しながら、溶融した前記接着材を複数の前記コイルエンド部の間に浸透させる工程である、請求項10に記載のステータの製造方法。
  12. 前記接着材を浸透させる工程は、前記配置部材を、前記コイルエンド部の前記ステータコア側とは反対側の端面のよりも下方に配置することにより、前記接着材を前記コイルエンド部と前記配置部材との間に保持しながら、溶融した前記接着材を複数の前記コイルエンド部の間に浸透させる工程である、請求項10または11に記載のステータの製造方法。
  13. 前記接着材を配置する工程は、溶融された状態で流動性が互いに異なる複数の前記接着材を、前記配置部材と前記コイルエンド部との間に配置する工程であり、
    前記接着材を浸透させる工程は、前記複数の接着材のうちの流動性が低い前記接着材を前記コイルエンド部と前記配置部材との間に保持しながら、前記複数の接着材のうちの流動性が高い前記接着材を複数の前記コイルエンド部の間に浸透させる工程である、請求項10〜12のいずれか1項に記載のステータの製造方法。
  14. 前記接着材は、熱硬化性材料を含み、
    前記接着材を浸透させる工程は、前記熱硬化性材料が硬化する接着材硬化温度未満で、かつ、常温よりも高い溶融温度に前記接着材を加熱させることにより、前記接着材を溶融させて、前記複数のコイルエンド部の間に前記接着材を浸透させる工程であり、
    前記接着材を硬化させる工程は、前記接着材硬化温度以上に前記接着材を加熱することにより、前記接着材を硬化させる工程である、請求項10〜13のいずれか1項に記載のステータの製造方法。
  15. 前記ワニスを配置する工程に先立って行われ、前記ワニスが硬化するワニス硬化温度未満で、前記コイルおよび前記ステータコアを加熱する予備加熱工程をさらに備え、
    前記接着材を浸透させる工程は、前記予備加熱工程において、前記接着材硬化温度未満で、かつ、前記溶融温度以上に前記接着材が加熱されることにより、前記接着材を前記コイルエンド部と前記配置部材との間に保持しながら、前記接着材を溶融させて、前記複数のコイルエンド部の間に前記接着材を浸透させる工程である、請求項14に記載のステータの製造方法。
  16. 前記接着材を硬化させる工程は、前記ワニスが硬化するワニス硬化温度以上で、かつ、前記接着材硬化温度以上に、前記ワニスおよび前記接着材を加熱することにより、前記ワニスと前記接着材とを共に硬化させる工程である、請求項14または15に記載のステータの製造方法。
  17. 前記接着材を配置する工程は、前記配置部材を配置する工程に先立って、常温で固体のシート状を有する前記接着材を、前記コイルエンド部の軸線方向の端面か、または、前記配置部材の前記コイルエンド部側の端面に貼付する工程である、請求項9〜16のいずれか1項に記載のステータの製造方法。
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