JP6337705B2 - 可変バルブタイミング装置 - Google Patents
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Description
なお、所定の回転体とは、例えば、特許文献1に開示された「シューハウジング12(「ハウジング18」の一部)」や「ベーンロータ14」である。
このため、可変バルブ装置では、作動油の粘性に対応して、低温時でも開閉タイミングを適切に進角または遅角させることができるように、油圧制御弁から回転体に至る油圧回路に関し、様々な改善策が検討されている。
そこで、アクチュエータに関しても、低温時に動作させて油圧を調節することができるようにしておく必要がある。
したがって、乾式の可変バルブ装置のアクチュエータにおいて低温時の動作を確保するには、アクチュエータ内における氷結を解消することが必要となる。
さらに、油圧制御弁はスプール弁であり、弁体としてのスプールは、自身の軸方向に駆動されて油圧を調節し、回転体の回転軸とスプールの軸とは同軸である。また、アクチュエータは、コイルの内周側にスプールと同軸のロッドを有し、油圧制御弁の軸方向の一方側に配置され、コイルへの通電によりロッドを介してスプールを軸方向の他方側に駆動することで油圧を調節する。
そして、油圧制御弁またはアクチュエータには、油圧制御から軸方向の一方側に漏出した作動油がコイルの内周側へ流入するのを抑制する部品が組み入れられており、制御手段は、内燃機関が始動する前にコイルに電流を与えて加熱する暖機モードを有する。
これにより、内燃機関が始動する前に、コイルの発熱によってアクチュエータ内における氷結を解消することができる。このため、アクチュエータの低温時の動作を確保することができる。
なお、回転体の回転軸とスプールの軸とを同軸にすることで、油圧制御弁から回転体に至る油圧回路に関し、油路の圧損を低減することができる。そして、油路の圧損を低減した可変バルブ装置において、更に、アクチュエータで暖機モードを実行することで、可変バルブ装置の動作範囲を低温側に拡大することができる。このため、更なる燃費向上、排気エミッション低減および出力向上等を達成することができる。
以上により、内燃機関の回転数ゼロ、かつ、外気温度閾値以下を暖機モード実行の条件とすることで、暖機モードの実行による無駄な電力の消費を防止することができる。
内燃機関の始動が予見されないときも暖機モードの実行が無用である。よって、内燃機関の始動予見を暖機モード実行の条件とすることで、暖機モードの実行による無駄な電力の消費を防止することができる。
これにより、コイルを含む電気回路の抵抗の大きさに応じて電流の指令値を求めることができるので、高い電流をコイルに与えることで急速に暖機することができ、逆に、暖機モードの実行による過剰な電力消費を防止することもできる。
これにより、暖機モードの開始に伴うスプールの急激な加速を防止することができる。このため、スプールがストッパ等に衝突することで生じる衝突音を緩和することができる。
これにより、氷結が充分に進行した状態を選択して暖機モードを実行することができる。このため、暖機モード実行の効果を高めることができる。
これにより、車載バッテリの充電量が低いときに暖機モードを実行せずに、スタータによる内燃機関の始動を優先することができる。
これにより、油圧制御弁から回転体に至る油圧回路に関し、油路の圧損を低減することができる。そして、油路の圧損を低減した可変バルブ装置において、更に、アクチュエータで暖機モードを実行することで、可変バルブ装置の動作範囲を低温側に拡大することができる。このため、更なる燃費向上、排気エミッション低減および出力向上等を達成することができる。
実施例1の可変バルブ装置1の構成を、図面を用いて説明する。
可変バルブ装置1は、燃費向上、排気エミッション低減および出力向上等を目的として、内燃機関のバルブの開閉タイミングを進角させたり遅角させたりするものであり、以下の調整機構2、油圧制御弁3、電磁式のアクチュエータ4、制御手段5、始動予見手段6、回転数検出手段7および温度検出手段8等を備える。
よって、調整機構2、油圧制御弁3およびアクチュエータ4の詳細ならびに周辺の構造は、第1の先願の第1実施形態に記載のとおりであり、詳細説明を省略する。
また、ECU5は、低温時の動作を確保するため、内燃機関が始動する前にコイル15に電流を与えて加熱する暖機モードを有する。
なお、ECU5に信号を出力する各種センサ等とは、以下に説明する始動予見手段6、回転数検出手段7および温度検出手段8等である。
ECU5は、始動予見手段6から出力される信号に基づき内燃機関の始動を予見し、回転数検出手段7から出力される信号に基づき内燃機関の回転数がゼロであることを確認し、さらに、温度検出手段8から出力される信号に基づき外気温が所定の閾値以下であることを確認したときに、暖機モードを開始する。さらに、ECU5は、内燃機関の回転数がゼロから増加する前に、暖機モードを終了する。
なお、暖機モードの終了には様々な態様を考えることができる。例えば、暖機モードの実行時間を予め規定しておくとともに、規定した時間に達したときに暖機モードを終了してもよい。また、イグニッションスイッチがONしたときに暖機モードを終了してもよい。
実施例1の可変バルブ装置1は乾式であり、ECU5は、内燃機関が始動する前にコイル15に電流を与えて加熱する暖機モードを有する。
これにより、内燃機関が始動する前に、コイル15の発熱によってアクチュエータ4内における氷結を解消することができる。このため、アクチュエータ4において可動コア17等の移動が氷結によって妨げられなくなるので、アクチュエータ4の低温時の動作を確保することができる。
以上により、内燃機関の始動予見、外気温閾値以下、かつ、内燃機関の回転数ゼロを暖機モード実行の条件とすることで、暖機モードの実行による無駄な電力の消費を防止することができる。
これにより、油圧制御弁3から回転体に至る油圧回路に関し、油路の圧損を低減することができる。そして、油路の圧損を低減した可変バルブ装置1において、更に、アクチュエータ4で暖機モードを実行することで、可変バルブ装置1の動作範囲を低温側に拡大することができる。このため、更なる燃費向上、排気エミッション低減および出力向上等を達成することができる。
実施例2の可変バルブ装置1によれば、ECU5は、温度検出手段8から出力される信号に応じて印加電流の指令値を求める。
これにより、コイル15を含む電気回路の抵抗の大きさに応じて印加電流の指令値を求めることができるので、高い電流をコイル15に与えることで急速に暖機することができ、逆に、暖機モードの実行による過剰な電力消費を防止することもできる。
実施例3の可変バルブ装置1によれば、ECU5は、印加電流の指令値をゼロから漸増する(図6参照。)。
これにより、暖機モードの開始に伴うスプール13の急激な加速を防止することができる。このため、スプール13がストッパ等に衝突することで生じる衝突音を緩和することができる。なお、本実施例のストッパ等はスリーブ22に設けられている。
実施例4の可変バルブ装置1によれば、ECU5は、複数の矩形波をなすように印加電流を複数回に分けてコイル15に与える(図7参照。)。
実施例5の可変バルブ装置1は、内燃機関の停止時間をカウントする計時手段24を備え、ECU5は、計時手段24によるカウント値が所定の閾値を超えているときに、暖機モードを実行する。また、計時手段24には、例えば、ECU5内に設けられた計時装置を利用することができる(図8参照。)。
その後、時間t1に暖機モードが終了し、さらに、時間t2にスタータ20により内燃機関が始動されて回転数がゼロから増加する。
実施例6の可変バルブ装置1によれば、温度検出手段8は、少なくとも2つ設けられている(図11参照:以下、実施例6では2つの温度検出手段8を温度検出手段8A、8Bとして説明する。)。そして、ECU5は、温度検出手段8A、8Bから出力される信号に基づき、暖機モードを実行するか否かを決める。
その後、時間t1に暖機モードが終了し、さらに、時間t2にスタータ20により内燃機関が始動されて回転数がゼロから増加する。
実施例7の可変バルブ装置1は、車載バッテリの電圧を検出し、車載バッテリの電圧を示す信号をECU5に出力するバッテリ検出手段26を備える(図14参照。)。そして、ECU5は、バッテリ検出手段26から出力される信号に基づき、暖機モードを実行するか否かを決める。なお、バッテリ検出手段26には周知の電圧センサを採用することができる。
以上により、車載バッテリの充電量が低いときに暖機モードを実行せずに、スタータ20による内燃機関の始動を優先することができる。
可変バルブ装置1の態様は実施例に限定されず、種々の変形例を考えることができる。
例えば、図17に示すように、アクチュエータ4内への作動油の流入を遮断する乾式の可変バルブ装置1において、実施例1〜7と同様の暖機モードの実行、および、暖機モードの実行可否の判断を行うようにしてもよい。
なお、図20のフローチャートにおけるステップS41、S42、S43はそれぞれ実施例1のステップS2、S3、S4と同一であり、説明を省略する。
その後、時間t1に暖機モードが終了し、さらに、時間t2にスタータ20により内燃機関が始動されて回転数がゼロから増加する。
Claims (9)
- 車両に搭載され、所定の回転体(11、12)を油圧により回転させることで、内燃機関の吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを進角させたり遅角させたりする可変バルブタイミング装置(1)において、
前記回転体(11、12)に与える油圧を調節する油圧制御弁(3)と、この油圧制御弁(3)の弁体を駆動する駆動力を発生する電磁式のアクチュエータ(4)と、このアクチュエータ(4)のコイル(15)に与える電流を操作することで前記油圧制御弁(3)による油圧の調節を制御する制御手段(5)とを備え、
前記油圧制御弁(3)はスプール弁であり、弁体としてのスプール(13)は、自身の軸方向に駆動されて油圧を調節し、前記回転体(11、12)の回転軸と前記スプール(13)の軸とは同軸であり、
前記アクチュエータ(4)は、前記コイル(15)の内周側に前記スプール(13)と同軸のロッド(18)を有し、前記油圧制御弁(3)の軸方向の一方側に配置され、前記コイル(15)への通電により前記ロッド(18)を介して前記スプール(13)を軸方向の他方側に駆動することで油圧を調節し、
前記油圧制御弁(3)または前記アクチュエータ(4)には、前記油圧制御弁(3)から軸方向の一方側に漏出した作動油が前記コイル(15)の内周側へ流入するのを抑制する部品が組み入れられており、
前記制御手段(5)は、前記内燃機関が始動する前に前記コイル(15)に電流を与えて加熱する暖機モードを有することを特徴とする可変バルブタイミング装置(1)。 - 請求項1に記載の可変バルブタイミング装置(1)において、
前記内燃機関の回転数に相当する信号を検出し、前記回転数を示す信号を前記制御手段(5)に出力する回転数検出手段(7)と、
外気温度、または、車両のいずれかの部位における温度であって外気温度に応じて変化する外気相当温度を検出し、前記外気温度または前記外気相当温度を示す信号を前記制御手段(5)に出力する温度検出手段(8)とを備え、
前記制御手段(5)は、
前記回転数検出手段(7)から出力される信号に基づき前記内燃機関の回転数がゼロであることを確認し、さらに、前記温度検出手段(8)から出力される信号に基づき前記外気温度が所定の閾値以下であることを確認したときに、前記暖機モードを開始し、
前記内燃機関の回転数がゼロから増加する前に、前記暖機モードを終了することを特徴とする可変バルブタイミング装置(1)。 - 請求項1または請求項2に記載の可変バルブタイミング装置(1)において、
前記内燃機関の始動を前記制御手段(5)に予見させる信号を出力する始動予見手段(6)を備え、
前記制御手段(5)は、前記始動予見手段(6)から出力される信号に基づき前記内燃機関の始動を予見したときに、前記暖機モードを実行することを特徴とする可変バルブタイミング装置(1)。 - 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング装置(1)において、
外気温度、または、車両のいずれかの部位における温度であって外気温度に応じて変化する外気相当温度を検出し、前記外気温度または前記外気相当温度を示す信号を前記制御手段(5)に出力する温度検出手段(8)を備え、
前記制御手段(5)は、前記温度検出手段(8)から出力される信号に応じて、前記暖機モードの実行時に前記コイル(15)に与える電流の指令値を求めることを特徴とする可変バルブタイミング装置(1)。 - 請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング装置(1)において、
前記制御手段(5)は、前記暖機モードの実行時に、前記コイル(15)に与える電流の指令値をゼロから漸増することを特徴とする可変バルブタイミング装置(1)。 - 請求項1ないし請求項5の内のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング装置(1)において、
前記内燃機関の停止時間をカウントする計時手段(24)を備え、
前記制御手段(5)は、前記計時手段(24)によるカウント値が所定の閾値を超えているときに、前記暖機モードを実行することを特徴とする可変バルブタイミング装置(1)。 - 請求項1ないし請求項6の内のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング装置(1)において、
外気温度、または、車両のいずれかの部位における温度であって外気温度に応じて変化する外気相当温度を検出し、前記外気温度または前記外気相当温度を示す信号を前記制御手段(5)に出力する温度検出手段(8)を備え、
前記温度検出手段(8)は、少なくとも2つ設けられており、
前記制御手段(5)は、2つの前記温度検出手段(8A、8B)から出力される信号に基づき、前記暖機モードを実行するか否かを決めることを特徴とする可変バルブタイミング装置(1)。 - 請求項7に記載の可変バルブタイミング装置(1)において、
前記制御手段(5)は、2つの前記温度検出手段(8A、8B)から出力される信号に基づき、2つの前記温度検出手段(8A、8B)により検出された温度の差を求め、この温度の差が所定の閾値よりも小さいときに、前記暖機モードを実行することを特徴とする可変バルブタイミング装置(1)。 - 請求項1ないし請求項8の内のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング装置(1)において、
車載バッテリの電圧を検出し、前記車載バッテリの電圧を示す信号を前記制御手段(5)に出力するバッテリ検出手段(26)を備え、
前記制御手段(5)は、前記バッテリ検出手段(26)から出力される信号に基づき、前記暖機モードを実行するか否かを決めることを特徴とする可変バルブタイミング装置(1)。
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