JP4910910B2 - 永久磁石式発電機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用のスタータジェネレータに用いて好適の、永久磁石式発電機の制御装置に関するものである。
近年、自動車において、例えば、電動パワーステアリングやナビゲーションシステムやオーディオ類やIT機器等の電力を使用して作動する各装置が多く搭載されるようになってきており、これらの機器類の普及に伴い自動車の電力消費も増大している。このため、従来型の自動車用発電機ではこの増大する電力消費に応じた電力を発電することは困難になってきており、より大きな発電電力を発生しうる自動車用発電機の開発が要望されている。
発電機としては、従来より永久磁石をロータに用いた永久磁石式発電機が広く知られている。この永久磁石式発電機はロータに永久磁石を用いるので、構造が簡単で大きな発電電力を得ることができる。このため、これを自動車用発電機に適用して発電電力の不足を解消することが考えられる。しかし、永久磁石式発電機は、エンジン等の駆動源の回転が変動すると、発電機のロータの回転数が変化し発電機の発電電圧が変化してしまうため、その発電電力をそのまま機器に用いることは不可能である。
自動車用発電機では、その電圧が12V又は24Vに定められているが、自動車用エンジンでは、回転数が数百回転(rpm)から数千回転(rpm)まで大幅に変化するため、数百回転(rpm)で12Vにセットされた発電電圧では、数千回転(rpm)では例えば100Vを超えてしまい、12V対応の電気機器には使用できない。
このため、永久磁石式発電機を自動車用発電機に適用するためには、エンジン回転数が常に変動するにもかかわらず、発電電圧が略一定となるようにする必要がある。
そこで、特許文献1及び2には、発電効率が高く且つ小型で装置コストを抑えることができるようにした、永久磁石式発電機が提案されている。
この永久磁石式発電機は、ロータに永久磁石部材を配設し、その永久磁石のN極,S極をカバーするステータの櫛部にそれぞれ巻線を巻回し、N極とS極に対応する巻線の巻回方向を互いに逆に巻回し、ステータと回転変動するロータとの間にステータに対して回転移動する磁束制御籠を配置するとともに、ステータにU,V及びW相から成る複数のコイルを巻き上げ、これらのコイルを並列結線した2種のコイル群を常用コイルと低速コイルに構成し、常用コイルと低速コイルとをスイッチを介して直列に結線し、エンジンのアイドリング等の低速時、中速時及び高速時に応答してスイッチのON・OFFを制御して予め決められた所定の発電電圧を得るように制御し、また、磁束制御籠をステータに対して回転移動させて磁束制御籠とステータとの間の空隙量を制御し、予め決められた一定の発電電圧を得るように制御するものである。
ここで、上述のような永久磁石式発電機において、一定の発電電圧を得る手法について、図11を用いて簡単に説明する。
永久磁石式発電機には、ステータの櫛部に巻回した巻数がN1のコイル(以下N1ターンという)と、ステータに対して回転移動可能でこの移動により櫛部へ流れる磁束を制御しうる磁束制御籠とが設けられている。
また、永久磁石式発電機では、籠位置を固定した場合にはロータ回転数に比例して発電電圧がリニアに上昇する特性を有している。したがって、発電電圧が規定電圧(14V)に達するまでは(ロータの回転数が所定回転数r01に達するまでは)、磁束制御籠を櫛部へ流れる磁束が最大となる位置にして、コイルの界磁により発電を行う(図11の矢印F1参照)。ここで、線aは、磁束制御籠が磁束を遮らず、櫛部へ流れる磁束が最大となる磁束制御籠位置における発電特性である。
そして、発電電圧が規定電圧に達すると、このままの状態では発電量が過多となってしまうため、ロータの回転数の増加に応じて磁束制御籠を移動させながら櫛部へ流れる磁束を減少させていくことにより、ロータの回転数が変化しても発電電圧は規定電圧を保持するように制御する(図11の矢印F2参照)。ここで、線bは、磁束制御籠により櫛部へ流れる磁束を最小とするような限界の磁束制御籠位置における発電特性であり、このような特性線a〜線bの間で磁束制御籠を回転させて籠位置を制御することにより、ロータ回転数r01〜r02の間で発電電圧を一定に保持することができる。
また、回転数r02以上の領域では、このN1ターンよりも巻数の少ないN2ターンのコイルに切り替えて、上述と同様の籠位置制御を行う(或いは、N1ターンとは逆向きに巻き上げられた弱め界磁用の巻線に通電し、弱め界磁を作用させてN1ターンの界磁を弱めて、籠位置制御を行う)ことにより一定電圧を発生させる。図11の場合では、回転数r02又はr02′以上ではN2ターンに切り替えて発電電圧が一定となるように磁束制御を実行し(線c〜線d、及び矢印F3参照)、エンジン回転数がさらに上昇して、このN2ターンで一定電圧制御ができなくなる回転数に達すると、その後N2ターンとは逆向きに巻き上げられた弱め界磁用の巻線に通電して、磁束制御を行う。なお、発電電圧が一定となるように制御する技術としては、例えば特許文献3が挙げられる。
以上のように、永久磁石式発電機では、離散系のコイル巻数切り換えええ制御と連続系の磁束制御籠の籠位置制御とを組み合わせ、エンジン回転数が変化すると磁束制御籠の位置を変化させることによって磁束強度をコントロールして電圧制御を行い、制御籠の制御範囲を超えると、コイルの巻数を電気的に切り換えええて電圧を一定に保持している。
特開2005−184948号公報 特開2003−92900号公報 特開2003−264996号公報
ところで、通常自動車に搭載される発電機には種々の電気機器が直接又はバッテリを介して間接的に接続されており、これら電気機器の電気負荷が変化した場合にも発電電圧が変動してしまう。このため、電気負荷が変動した場合にも目標電圧に対するオーバシュートやアンダシュートが生じ、やはり発電電圧のハンチングが生じてしまうおそれがある。
このような課題に対しては、エンジン回転数に加えて、電気負荷をもパラメータとしてコイルのターン数切り換え制御や籠位置制御を行うことで安定した発電制御を実現することができる。
しかし、図12に示すように電気機器による電気負荷の中でも点火プラグによるスパーク時(点火時)の放電電流は比較的大きく、このスパーク時の放電電流により極めて短い周期で無視できない電気負荷変動が生じる。このため、電気負荷をパラメータにコイルや籠位置を制御しようとすると、コイルのターン数や籠位置が頻繁に切り換わってしまい、安定した電圧制御を行うことができなくなる。
なお、このような課題を解決する手法として、フィルタ処理が広く知られている。そして、フィルタ処理を行う、具体的にはローパスフィルタを介装することで負荷の変動を抑制し、電圧変動を収束させることが可能となる。しかしながら、このようなフィルタ処理を行うと、他の電気機器のスイッチオン等により電気負荷が急変した時には応答性が著しく遅れてしまい、やはり電圧変動の原因になるという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、短い周期で電気負荷が変動しても応答遅れを生じることなく発電電圧値を一定に保持できるようにした、永久磁石式発電機の制御装置を提供することを目的とする。
このため、本発明の永久磁石式発電機の制御装置は、点火プラグによる火花点火により着火する火花点火式のエンジンに接続され、前記エンジンの駆動力により発電する永久磁石式の発電機と、前記発電機の発電量を増減させる発電量調整手段と、車両に供給される電気負荷を検出する電気負荷検出手段と、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記電気負荷検出手段から出力された電気負荷と前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数とに基づいて、前記発電量調整手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記点火プラグの非通電時には前記電気負荷検出手段で検出された電気負荷を使用し、前記点火プラグの点火通電時には、前記電気負荷検出手段で検出された電気負荷をマスク処理することを特徴としている(請求項1)。
また、前記制御手段は、前記点火プラグの点火通電時には、前記電気負荷検出手段で検出された電気負荷を直前の値にホールドすることでマスク処理を実行するのが好ましい(請求項2)。
また、前記制御手段は、前記電気負荷検出手段から出力された電気負荷に対して、前記点火プラグの点火通電時における電気負荷の平均値を加算した値を用いて前記発電量調整手段を制御するのが好ましい(請求項3)。
また、前記制御手段は、前記エンジン回転数が第1所定回転数以上の高回転域では、前記電気負荷のマスク処理を禁止するのが好ましい(請求項4)。
また、前記制御手段は、前記エンジン回転数に基づいて前記点火通電期間に占めるマスク処理期間を設定するとともに、前記点火通電期間の中心と前記マスク処理期間の中心とが一致するように前記マスク処理の開始時期を設定するのが好ましい(請求項5)。
また、前記制御手段は、前記エンジン回転数が第2所定回転数未満の低回転領域では前記点火通電期間の全期間をマスク処理期間に設定するのが好ましい(請求項6)。
また、前記制御手段は、前記エンジン回転数が前記第2所定回転数以上の回転領域では前記エンジン回転数の上昇とともに前記マスク処理期間を漸減させるのが好ましい(請求項7)。
また、前記発電機は、前記エンジンの出力軸に接続されるとともに永久磁石を備えたロータと、前記ロータの外周側でハウジングに固定されるとともに巻線を備えたステータと、前記ステータと前記ロータとの間に配置され前記ステータに対して相対移動して前記永久磁石から前記ステータへ流れる磁束を制御する磁束制御籠とを有し、前記制御手段は、前記電気負荷と前記エンジン回転数とに基づいて籠位置を設定する籠位置設定手段をそなえているのが好ましい。
さらには、前記巻線は、巻き数及び/又は巻き方向の異なる複数の巻線を有し、前記制御手段は、前記電気負荷と前記エンジン回転数とに基づいて前記複数の巻線から最適な巻線を選択する巻線設定手段をそなえているのが好ましい。
本発明の永久磁石式発電機の制御装置(請求項1)によれば、点火プラグの非通電時には電気負荷検出手段で検出された電気負荷を出力し、点火プラグの点火通電時には、前記電気負荷検出手段で検出された電気負荷をマスク処理するので、点火プラグのように極めて短い周期で大きく変動するような電気負荷に対して、この電気負荷変動を抑制して出力することができ、安定した発電制御を実行することができる利点があるほか、フィルタ処理のように他の電気機器のスイッチオン等により電気負荷が急変した時には応答性が著しく低下するといった事態を回避することができる。
また、本発明の永久磁石式発電機の制御装置(請求項2)によれば、点火プラグの点火通電時には、前記電気負荷検出手段で検出された電気負荷を直前の値にホールドして出力するので、マスク処理期間中における電気負荷を安定させることができ、より安定した発電制御を実行することができる。
また、本発明の永久磁石式発電機の制御装置(請求項3)によれば、点火プラグの点火通電時における電気負荷の平均値を加算することにより、マスク処理期間中における実電気負荷との乖離を是正することができ、より精度の高い制御を実行することができる。
また、本発明の永久磁石式発電機の制御装置(請求項4)によれば、第1所定回転数(Ne2)以上の高回転域では点火期間の占める割合が大きくなり電気負荷変動が抑制されるため、電気負荷のマスク処理を禁止することで、制御の安定性を確保することができる。
また、本発明の永久磁石式発電機の制御装置(請求項5)によれば、エンジン回転数に応じたマスク処理を実行することができる。つまり、低回転域では点火インターバルが十分にあるため、点火通電時におけるマスク処理時間を長くすることで、検出される電気負荷の安定化を図ることができる利点がある。また、点火通電時の全期間に亘り電気負荷をマスク処理してしまうと、回転数が上昇するにしたがい実電気負荷を計測できる時間が少なくなってしまうので、高回転になるほどマスク処理期間の占める割合が小さくなるように設定することで、実電気負荷を計測できる時間を確保することができる。
また、本発明の永久磁石式発電機の制御装置(請求項6)によれば、前記エンジン回転数が所定の低回転領域では前記点火通電期間の全期間をマスク処理期間に設定するので、検出される電気負荷をより安定させることができる。
また、本発明の永久磁石式発電機の制御装置(請求項7)によれば、点火通電時の全期間に亘り電気負荷をマスク処理してしまうと、回転数が上昇するにしたがい実電気負荷を計測できる時間が少なくなってしまうので、エンジン回転数の上昇とともにマスク処理期間を漸減させることで、実電気負荷を計測できる時間を確保することができる。
また、籠位置設定手段を設けることにより、電気負荷とエンジン回転数とに基づいて籠位置を容易に且つ速やかに設定することができる(請求項8)。
また、巻線設定手段を設けることにより電気負荷とエンジン回転数とに基づいて最適な巻線を容易に且つ速やかに設定することができる(請求項9)。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図10は本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置について説明するための図であって、これらの図に基づいて説明する。
本実施形態に係る永久磁石式発電機3は、図2に示すように、自動車用エンジン(以下、単にエンジンと記す)1と、このエンジン1に接続されたトランスミッション2との間に配置されたスタータジェネレータであって、エンジン1の始動用モータとしての機能と、エンジン1により駆動される発電機としての機能とを兼ね備えている。
この永久磁石式発電機3は、図3(a),(b),図4(a),(b)に示すように、エンジン1のシリンダブロック及びトランスミッション(ここでは、自動変速機)2のケースと一体に結合されたハウジング31と、このハウジング31に図示しない軸受を介して回転可能に支持された回転子のロータ33と、ロータ33の外周側に離隔するように配置されハウジング31に固定された回転子のステータ35とを備え、ステータ35とロータ33との間には、ステータ35に対して相対移動して永久磁石部材32からステータ35の櫛部35bへ流れる磁束を制御する磁束制御籠36が配設されている。
ロータ33は、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)11に接続され出力軸11と一体に回転するようになっており、ロータ33の外周面には、永久磁石部材32が周設されている。
ステータ35は、ステータコア35aとこのステータコア35aに巻き上げられた巻線(コイル)34とから構成されている。ステータコア35aは、周方向に離隔するように配置され形成された複数の櫛部35bと、これらの櫛部35b間に形成されたスロット部35cと、隣接する櫛部35bを連結するため周方向に延びるブリッジ部35dとを備え、巻線34はスロット部35bに配置されている。
磁束制御籠36は、図4(a),(b)に示すように、ステータ35とロータ33との間の隙間33aに配置され、図示しない軸受を介してハウジング31に回転自在に支持され、ステータ35に対して相対回転して磁束を制御する。この磁束制御籠36は、周方向に離隔するように配置されステータ35の櫛部35bと相対するように突起した複数の歯部36aを備えている。
そして、図4(a)に示すように、複数の歯部36aが、ステータ35の櫛部35bと同位相になると、ステータ35回りに生じる磁束を最大とし、図4(b)に示すように、複数の歯部36aの位相が、ステータ35の櫛部35bの位相とずれると、そのズレ量に応じてステータ35回りに生じる磁束は減少する。
この磁束制御籠36をハウジング31に対して回転させるために、磁束制御籠36には、図3に示すように、アクチュエータとしてのDCモータ(磁束制御用DCモータ)37がウォームギア38を介して接続され、図5に示すように、このDCモータ37を制御手段としてのコントローラ(スタータジェネレータ制御ユニット)40により制御するようになっている。なお、本実施形態においては、上記コイル34,磁束制御籠36,DCモータ37及びウォームギア38等により、発電機3の発電量を増減させる発電量調整手段6が構成されている。
また、ステータコア35aに巻き上げられた巻線34は、図5に示すように、第1の巻き数N1(N1は例えば24)だけ巻き上げられた第1の主巻線(第1メインコイル、N1ターンともいう)34aと、この第1コイル34aの界磁を弱めるように第1メインコイル34aとは逆向きに巻き上げられ有効巻き数が可変の弱め界磁用副巻線(サブコイル)34bと、第1の巻き数N1よりも少ない第2の巻き数N2(N2は例えば15)だけ第1メインコイルと同方向に巻き上げられた第2の主巻線(第2メインコイル、N2ターンともいう)34cとが並列に備えられ、整流器42を介してバッテリ41と接続されている。また、この電気回路には、各コイルを選択して使用するためのスイッチ43a〜43cが設けられている。
さらに、第1メインコイル34aは、コイル34a1とコイル34a2とが直列に組み合わされてなり、スイッチ43aを閉成し、スイッチ43b,43cを開成すれば、コイル34a1とコイル34a2とからなる第1メインコイル34aが通電し、巻き数N1に応じた大きな磁界が発生し、スイッチ43cを閉成し、スイッチ34a,43bを開成すれば、第2メインコイル34cが通電し、同一回転条件では巻き数N2に応じて第1メインコイル34aよりも弱い磁界が発生する。
また、第1メインコイル34aの一部であるコイル34a2は、第2の巻き数N2よりも少ない第3の巻き数N3(N3は例えば6)だけ巻き上げられた第3の主巻線(第3メインコイル、N3ターンともいう)として機能し、スイッチ43bを閉成し、スイッチ43a,43cを開成すれば、コイル34a2のみからなる第3メインコイルが通電し、巻き数N3に応じて第2メインコイル34cよりも弱い磁界が発生する。
また、サブコイル34bは、有効巻数を可変制御可能、或いはボリューム調整可能に構成されており、ボリュームを最小にすれば、サブコイル34bは実質的に非通電となる。また、サブコイル34bにはボリューム調整に応じた巻き数分だけ弱め界磁電流が流れ、この弱め界磁電流に応じて、第1メインコイル34a,第2メインコイル34c,第3メインコイル34a2の界磁を弱めることができるようになっている。
つまり、サブコイル34bは、第1メインコイル34aの通電時には、第1メインコイル34aの界磁を弱める第1の弱め界磁用副巻線(第1サブコイル)として機能し、第2メインコイル34cの通電時には、第2メインコイル34cの界磁を弱める第2の弱め界磁用副巻線(第2サブコイル)として機能し、第3メインコイル34a2の通電時には、第3メインコイル34a2の界磁を弱める第3の弱め界磁用副巻線(第3サブコイル)として機能する。ただし、本実施形態においては、第1メインコイル34aの通電時には、弱め界磁電流を用いないので、第1サブコイルとして機能することはない。これは、第1のメインコイル34aと第2のメインコイル34cとの特性の設定によるもので、本実施形態では第1サブコイルとして機能しなくても規定電圧を発生することが可能となっているからである。
これに対して、第1及び第2のメインコイル34a,34cの巻数の関係により、第1のメインコイル34aによる発電領域と第2のメインコイル34cによる発電領域との間に規定電圧を発電できない領域が存在する場合には、第1サブコイルを用いてこれら2つの発電領域の間で規定電圧を発電するようにしてもよい。
さて、コントローラ40は、永久磁石式発電機3による発電時には、主にロータの回転速度(即ち、エンジン回転数に応じたロータ回転数)rと、発電電圧Vとに応じて、磁束制御籠36の回転位相の制御とともに、各スイッチ43a〜43cの開閉制御、及び、サブコイル34bのボリューム調整を行うようになっている。
つまり、原則的には、磁束制御籠36の回転位相により発電電圧が一定となるように電圧調整を行い、籠制御で調整できる範囲を超えるとターン数を切り替えたり、サブコイル34bにより弱め界磁を作用させたりすることにより、電圧を一定値に制御するようになっている。
ところで、既に〔発明が解決しようとする課題〕の欄でも述べたように、このような発電機3を自動車に搭載した場合には、車両の電気負荷の変動(ヘッドライトのオンオフやエアコンのオンオフ或いはオーディオのオンオフ等)によって発電特性が変化してしまい、発電制御が不安定となるおそれがあった。
そこで、本実施形態では、エンジン回転数(ロータ回転数)に加え、この自動車に搭載された電気機器(発電機3で発電された電力により作動する電気機器)負荷状態もパラメータとして適用し、これらエンジン回転数及び電気負荷を用いてコイル34を切り換えたり磁束制御籠36の位相を変更したりするようになっている。
なお、本実施形態においては、具体的には、コイル34は、エンジン回転数の増大又は電気負荷の増大に従い、以下の順番で切り換えられるようになっている。
1.N1ターン
2.N2ターン
3.N2ターン+弱め界磁
4.N3ターン
5.N3ターン+弱め界磁
以下、本装置の要部構成について詳細に説明すると、図6に示すように、コントローラ40には、エンジン回転数(ロータ回転数)を検出するエンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)4と、バッテリ41から電気機器(図示省略)に供給される電流量(電気負荷)を検出する負荷センサ(電気負荷検出手段)50とが接続されている。ここで、負荷センサ50は、バッテリ41から各種電気機器に供給される電力を検出するする電流センサであって、バッテリ41に付設されている。そして、この電流センサ50により、車両全体に供給される電力量が検出されるようになっている。
また、コントローラ40の内部には、いずれも図示を省略するが、双方向性バスによって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、TIM(タイマー)、CPU(マイクロプロセッサ)、入力ポート及び出力ポート等が設けられている。
また、このコントローラ40には、図6に示すように、巻線設定マップ(巻線設定手段)7,籠位置設定マップ(籠位置設定手段)8,回転数予測手段9,電流マスク部12及びディレイタイマ(遅延時間設定手段)13等が設けられている。このうち、回転数予測手段9は、現在のエンジン回転数Neに基づいて、未来の回転数を予測する手段であって、本実施形態ではこの予測エンジン回転数を用いたフィードフォワード制御により発電機3の作動を制御するようになっている。なお、このような予測エンジン回転数を用いて発電機3の作動を制御するのは、籠位置制御の応答遅れに起因する電圧制御のオーバシュートやアンダシュートを解消するためであって、詳しくは後述する。
また、巻線設定マップ7は予測エンジン回転数と電気負荷とに基づいて複数のコイル34から最適な巻線を選択する手段であって、本実施形態では図1(a)に示すようなマップとして設けられている。また、籠位置設定マップ8は、予測エンジン回転数と電気負荷とに基づいて籠位置を設定する手段であって、本実施形態では図1(b)に示すようなマップとして設けられている。
巻線設定マップ(巻線設定手段)7は、図1(a)に示すように、予測エンジン回転数と電気負荷とをパラメータに、複数のコイル34(本実施形態ではN1ターン,N2ターン,N2ターン+弱め界磁,N3ターン及びN3ターン+弱め界磁の5つ)の中から1つを選択するためのマップであって、電気負荷を一定と仮定するとエンジン回転数が増大するほど巻数の小さい(発電量の小さい)コイルが選択されるような特性に設定されており、またエンジン回転数が一定と仮定すると電気負荷が増大するほど巻数の大きい(発電量の大きい)コイルが選択されるような特性になっている。
これは、基本的にコイル巻数が一定であれば、エンジン回転数が高くなるほど発電電圧が大きくなるからであり、発電電圧を一定に保持するにはエンジン回転数が高くなるほど発電量の小さいコイルを選択する必要があるからである。また、電気負荷が大きくなるとその分要求される発電量が増大するので、電気負荷の増大に応じて、発電量の大きいコイルが選択されるようになっている。
なお、巻線設定マップ7は、図1(a)に示すようなものにマップに限定されず、エンジン回転数(予測エンジン回転数)と電気負荷とからコイル巻数を設定するものであればどのようなマップであってもよいし、マップ以外の手段であってもよい。
また、籠位置設定マップ8は、図1(b)に示すように、各コイルごとにそれぞれ独立したマップとしてコントローラ40に記憶されており、本実施形態においては、上述した5つのコイルのマップM1〜M5として記憶されている。また、各マップM1〜M5には電気負荷と予測回転数とに応じた籠位置(目標籠位置)がそれぞれ記憶されている。そして、上述の巻線設定マップ7からの情報に基づいて、複数のマップの中から現在設定されているコイルに対応するマップを選択すると、このマップから電気負荷と予測回転数とに基づいて目標籠位置を求めるようになっている。なお、言うまでもなく各マップで設定される目標籠位置とは、そのときのエンジン回転数と電気負荷とにおいて発生電圧が規定電圧(14V)となるような籠位置である。
次に、これらの巻線設定マップ7及び籠位置設定マップ8において、エンジン回転数センサ4で検出された実エンジン回転数ではなく、予測エンジン回転数を用いる理由について説明する。
上述の籠位置設定マップ(籠位置設定手段)8において磁束制御籠36の目標位相が設定されると、コントローラ40からアクチュエータ(モータ)37に対して作動制御信号が出力され、これによりアクチュエータ37が作動してウォームギア38を介して磁束制御籠36の位相が変更されることになる。しかし、この目標位相設定から、実際に磁束制御籠36が目標位相に到達するまでには、実際には機構的な要因、例えばモータ37の応答遅れ、ウォームギア38のガタ、磁束制御籠36の慣性、各要素36〜38での摩擦などにより作動遅れ又は応答遅れΔt(例えば300mmsec程度)が生じる。
そこで、本実施形態では、回転数予測手段9において、発電量調整手段(磁束制御籠36及びモータ37)の応答遅れを見越して時間Δtだけ先のエンジン回転数を予測し、この予測エンジン回転数に基づいてコイル34を切り換えたり磁束制御籠36の位相を変更したりするようになっている。
ここで、回転数予測手段9ではエンジンの運転状態に応じて2つの予測手法を使い分けており、エンジン1の定常運転時には逐次最小二乗法(第1の予測手法)を用い、また、エンジンの1の過渡運転時には変速機2のトルクコンバータのトルク収支モデル(第2の予測手法)を用いてエンジン回転数を予測するようになっている。これは、第1の予測手法が特にエンジン1の定常運転時に高い精度でエンジン回転数を予測することができ、また、第2の予測手法が特にエンジン1の過渡運転時に高い精度でエンジン回転数を予測できるからである。なお、ここではエンジン回転数の予測手法の詳細な説明については省略する。
そして、上述したように、巻線設定マップ7及び籠位置設定マップ8では、この予測回転数を用いてコイル34の巻線設定や籠位置を設定することにより、コントローラ40ではフィードフォワード制御が実行されることになる。
ところで、上述したように、巻線設定マップ7及び籠位置設定マップ8では、予測エンジン回転数と電気負荷とに基づいて複数のコイル34から最適なコイルを選択するとともに、最適な籠位置を設定するようになっているが、電気負荷が極めて短い周期(例えば10mmsecオーダー)で大きく変動すると、これら巻線設定マップ7及び籠位置設定マップ8では、選択されるコイルのターン数が頻繁に切り換わることになる。したがって、これに伴い籠位置制御に適用されるマップ(M1〜M5)も頻繁に切り換わるとともに、目標籠位置も頻繁に変動してしまい、安定した電圧制御を行うことができなくなる。
このような課題に対しては、電気負荷にフィルタ(ローパスフィルタ)処理を行い、負荷変動をなますことも考えられるが、フィルタによるなまし制御では、他の電気機器(例えばエアコン)のスイッチオン等により電気負荷が急変した時には応答性が著しく遅れてしまい、やはり電圧変動の原因になるおそれがある。
そこで、本実施形態では、上述のように短い周期で大きく電気負荷が変動する電装品、具体的には点火プラグに対して、電気負荷が急激に上昇する期間は電気負荷をそのまま取り込むのではなく、コントローラ40において負荷をマスクするような制御を行うようになっている。
このため、図6に示す電流マスク部12では、点火プラグの非スパーク時(非通電時)には負荷センサ50で検出された電気負荷をそのまま巻線設定マップ7及び籠位置設定マップ8に出力する一方で、点火プラグのスパーク時(点火通電時)には、負荷センサ50で得られた電気負荷を直前の値にホールドして巻線設定マップ7及び籠位置設定マップ8に出力する(即ちマスク処理を施す)ようになっている。
ただし、このようなマスク処理を行うと、出力される電気負荷が全体として実際の電気負荷よりも低下してしまい、正しい発電制御を実行できなくなるため、電流マスク部12から出力された電気負荷に対して、低下した電気負荷分を補うための電気負荷補正部12aが設けられている。この電気負荷補正部12aでは、電流マスク部12からの出力値に対して、点火通電時における電気負荷(つまり、マスク時における電気負荷)の平均値を加算するものであって、これにより、実際の電気負荷の平均値と各マップ7,8に出力される電気負荷の平均値とが略等しくなり、マスク処理による電気負荷の低下を相殺するようになっている。なお、実電気負荷の平均値の演算については後述する。
尚、ここでは点火プラグのスパーク時(点火通電時)の電気負荷を直前の値にホールドする方法を例示するが、その手法に限ることなく、点火プラグのスパーク時(点火通電時)の電気負荷を点火プラグの非スパーク時(非通電時)の平均値に設定してもよい。または、予め実験値や経験値から導いた所定値に設定してもよい。
以下、マスク処理について詳しく説明すると、図7において、(a)は点火プラグに対する点火信号を示し、(b)は電流値(電気負荷)の変動を示している。また、(b)において、破線は実際の電流値の変動を示しており、実線は本実施形態におけるマスク処理を施した後の電流値の変動を示している。
図7(a)において周期的に突出しているのが点火onを指示するパルス信号であって、このパルスタイミングは図示しないエンジンECUから出力される。また、点火onの信号が出力されている時間(或いは、実際に点火プラグが通電している時間)をドエル時間又はドエル角といい、このドエル時間はエンジンECU内でバッテリ電圧に基づいて設定されるようになっている。また、コントローラ40と図示しないエンジンECUとはバスによって相互通信可能に接続されており、電流マスク部12ではドエル時間に関する情報を得ることができるようになっている。
また、図7(b)の破線において周期的に突出している部分が点火プラグのスパークによる電流(電気負荷)の増大を示しており、実線で示すように、このようなスパーク時にはスパーク開始直前の電流値にホールドするマスク処理を行うことにより、電流値の急激な変動を抑制するようになっている。
また、上述のようにエンジンECUにはドエル時間がメモリされており、また、ドエル時間中(スパーク期間中)の電流値(電気負荷)についてはエンジンECUで算出されるようになっている。具体的には、エンジンECUでは、点火プラグのドエル時間における消費電流値を積分していくことにより、ドエル時間(即ちマスク期間中)の電気負荷を求めるようになっている。エンジンECUでは、上述のようにしてマスク期間中における電気負荷を算出するとともに、これを単位時間当たりの電気負荷に平均化し、この平均化した値を電気負荷補正部12aに出力するようになっている。
そして、図6に示すように、電気負荷補正部12aではマスク時の消費電気負荷の平均値を電流マスク部12から出力された電気負荷に加算することにより、マスク処理による電気負荷の低下分を相殺する(マスク処理期間中における実電気負荷との乖離を是正する)ようになっている。
なお、マスク処理した期間における電気負荷増大分の単位時間あたり平均値を予めキャリブレーション等により求めておき、この平均値を加算することで、マスク処理による電気負荷の低下分を相殺するようにしてもよい。また、エンジンECUにおいて、マスク処理した期間における電気負荷に対する非マスク期間における実電気負荷のゲイン(係数)を算出する、又は当該ゲインを予めキャリブレーション等により求めておき、このゲインを電流マスク部12からの出力値に積算するように構成してもよい。
また、図6に示すディレイタイマ13は、エンジン回転数に基づいて点火通電期間(ドエル時間)に対するマスク処理期間を設定するとともに、この点火通電期間とマスク処理期間との差に基づいて、点火通電開始(スパーク開始)からマスク開始までの時間(遅延時間)を設定するものである。
ここで、図8(a)に示すように、エンジン回転数が所定回(第2所定回転数)Ne未満の低回転域では、マスク期間=ドエル時間に設定されるようになっている。つまり、スパーク時には通電時間の全期間がマスク処理されて、通電開始直前時の電気負荷にホールドされるようになっている。換言するとこの運転域では遅延時間=0に設定される。
これは比較的低回転域では、点火インターバル(点火と点火との間)が長く、点火時に全期間マスク処理しても、非通電時に電気負荷を検出するのに十分な時間が得られるからである。
一方、エンジン回転数が高回転域となると、点火インターバルが減少して、相対的に全運転期間中ドエル時間が占める割合が大きくなる。このため、点火時にドエル時間の全てをマスク処理してしまうと、電気負荷を検出するための時間が大幅に低下してしまい、非通電時の電気負荷を確実に検出することができなくなる。そこで、エンジン回転数Ne1以上の高速域では、多少の電気負荷の変動を犠牲にしても(つまり多少の電気負荷変動が生じても)マスク時間を低減して、電気負荷の検出時間を確保するようにしているのである。
この場合には、ディレイタイマ13によりディレイ(遅延時間D)が設定される。このディレイDは、図8(b)に示すように、ドエル開始からマスク処理開始までの所定時間であって、エンジンECUからの情報とエンジン回転数Neとに基づいて設定されるようになっている。
なお、ディレイタイマ13では以下のようにしてディレイ時間Dを設定する。まず、エンジンECUにおいて、ドエル開始(通電開始タイミング)とドエル時間とが設定されると、ディレイタイマ13はエンジンECUからこれらの情報を受け取る。一方、ディレイタイマ13ではエンジン回転数に基づいて、マスク期間を求める。なお、このマスク期間はエンジン回転数Neをパラメータとして設定されるものであって、ディレイタイマ13に予め設定されたディレイ時間設定マップ13a(図9参照)に基づいて設定される。具体的には、このマップでは上述のように所定回転数Ne1以下では全ドエル時間がマスク期間に設定され、エンジン回転数の上昇に伴いマスク期間は減少する(ディレイ時間が漸増する)特性に設定されている。
そして、図9に示すマップに基づいてマスク期間を求めると、ディレイタイマ13では、マスク期間の中心と、エンジンECUから得たドエル時間の中心とが一致するように、ドエル開始からマスク処理開始までのディレイ時間Dを算出するようになっている。そして、マスク処理部12ではディレイタイマ13で設定されたディレイ時間Dだけマスク開始時間を遅延させることにより、高速運転時においても確実に且つ安定して電気負荷を検出することができるようになっている。
なお、上述したエンジン回転数Ne1未満の低速域では、図9のハッチング領域に対応しており、マスク期間とドエル時間とを一致させることにより、ディレイ時間=0に設定されるようになっている
また、マスク処理部12にはマスク処理禁止部121が設けられている。このマスク処理禁止部121は、エンジン回転数Neが高回転域と判定される所定回転数(第1所定回転数)Ne2(>Ne1)となると、マスク処理自体を禁止して、負荷センサ50で検出された電気負荷をそのまま出力するようになっている。
これは所定回転数Ne2以上の高回転域では点火期間の占める割合が大きくなるとともに、非点火期間が極めて短くなり、マスク処理を施しても意味のある電気負荷が得られない可能性があること、及び、このよう高回転域では上述のように点火期間の占める割合が大きくなるため、電気負荷変動自体が抑制されるためマスク処理を施す必要がなくなるからである。
このため、上述のように、本実施形態においては所定回転数Ne2以上ではマスク処理を禁止することにより、発電制御の安定化を図るようにしている。
本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置は上述のよう構成されているので、その作用について図10のフローチャートを用いて説明すると以下のようになる。
まず、ステップS101においてエンジン回転数とドエル時間とに基づいて電気負荷のマスク時間を設定する。また、このステップS101では全ドエル時間とマスク期間との中心が一致するように、ドエル開始からマスク開始までのディレイ時間を設定する。
次に、ステップS102に進み、マスク期間中における単位時間当たりの電気負荷(平均点火電流値)を算出し実際に検出された電気負荷に加算する。
そして、ステップS103ではエンジンECUから点火信号が出力されたか否かを判定し、点火信号を受信するとステップS104に進んで、ディレイタイマをスタートさせる。その後、ステップS101で設定されたディレイ時間が経過したと判定されると、ステップS105に進み電気負荷のマスク処理が実行される。なお、ここでのマスク処理は、電気負荷をマスク処理開始直前に検出された実電気負荷に保持する処理であって、このマスク処理期間は上記直前の電気負荷にホールドされる。
そして、ステップS106においてマスク時間の経過が判定されるとステップS107に進み、マスク処理が終了する。
また、このようにして得られた電気負荷は、巻線設定マップ(巻線設定手段)7及び籠位置設定マップ(籠位置設定手段)8に出力され、これら巻線設定マップ7及び籠位置設定マップ8では、上記電気負荷と予測エンジン回転数に基づいてコイル34を設定するとともに、目標籠位置を求め、この目標籠位置となるように籠位置制御が実行される。
したがって、本装置によれば、点火プラグの非スパーク時(非通電時)には負荷センサ50で検出された電気負荷をそのまま巻線設定マップ7及び籠位置設定マップ8に出力し、点火プラグのスパーク時(点火通電時)には、負荷センサ50で得られた電気負荷を直前の値にホールドして巻線設定マップ7及び籠位置設定マップ8に出力する(即ちマスク処理を施す)ので、点火プラグのように短い周期で大きく電気負荷が変動しても、発電制御に用いる電気負荷の変動を抑制することができる。したがって、コイル34の選定や籠位置の設定に対する変動を抑制でき安定した発電制御を実現することができる。
なお、このようなマスク処理に代えてフィルタ(ローパスフィルタ)処理を行った場合には、他の電気機器のスイッチオン等により電気負荷が急変した時には応答性が著しく低下するという問題があるが、本実施形態のようなマスク処理を行うことによりこのような事態を回避することができる。
また、上述したマスク処理のみでは、マスク処理時における実際の電気負荷の増大分が考慮されていないことになる。そこで、上記マスク処理に加えて点火プラグの点火通電時における電気負荷の平均値を加算することにより、全体として電気負荷のマスク処理期間中による増大分を考慮した電気負荷を得ることができ、より精度の高い発電制御を実行することができる。
また、所定回転数Ne2以上の高回転域では点火期間の占める割合が大きくなり電気負荷変動が抑制されるため、電気負荷のマスク処理を禁止することで、制御の安定性を確保することができる。
また、エンジン回転数に基づいてドエル時間(点火通電期間)に占める全マスク処理期間を設定するとともに、ドエル時間の中心とマスク処理期間の中心とが一致するようにマスク処理期間の開始時期を設定することにより、エンジン回転数に応じたマスク処理を実行することができる。つまり、低回転域では点火インターバルが十分にあるため、点火通電時におけるマスク処理時間を長くすることで、検出される電気負荷の安定化を図ることができる。また、高回転域では点火通電時の全期間に亘り電気負荷をマスク処理してしまうと実電気負荷を計測できる時間が少なくなってしまうので、高回転になるほどマスク処理期間の占める割合が小さくなるように設定することで、実電気負荷を計測できる時間を確保することができる。
また、エンジン回転数が所定の低回転領域ではドエル時間の全期間をマスク処理期間に設定するので、検出される電気負荷をより安定させることができる。また、高回転域ではドエル時間の全期間に亘り電気負荷をマスク処理してしまうと実電気負荷を計測できる時間が少なくなってしまうので、エンジン回転数の上昇とともにマスク処理期間を漸減させることで、実電気負荷を計測できる時間を確保することができる。
また、本実施形態のような籠位置設定マップ8を設けることにより、電気負荷とエンジン回転数とに基づいて籠位置を容易に且つ速やかに設定することができる。また、同様に巻線設定マップ7を設けることにより電気負荷とエンジン回転数とに基づいて最適な巻線を容易に且つ速やかに設定することができる。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上述の実施形態では巻線設定マップ7及び籠位置設定8において、パラメータとして予測エンジン回転数を用いているが、この代わりに実際のエンジン回転数を用いてもよい。また、エンジン回転数の予測手法に関しては上述したものに限定されず、種々の手法を適用することができる。
本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置の要部について説明するための図であって、(a)は巻線設定マップの一例を示す図、(b)は籠位置設定マップの一例を示す図である。 本発明が適用される永久磁石式発電機を装備した車両用エンジンを示す側面図である。 本発明が適用される永久磁石式発電機の構成を示す図であり、(a)はその横断面図(ロータ回転軸と直交する断面図)、(b)はその縦断面図(ロータ回転軸に沿った断面図)である。 本発明が適用される永久磁石式発電機の磁束制御籠を示す拡大横断面図であり、(a)は磁束制御籠が磁束を最大とする位置にある状態を示し、(b)は磁束制御籠が磁束を減少させる位置にある状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置に要部構成について説明するための制御ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置の作用について説明する図であって、(a)は点火信号を示す図、(b)は実電気負荷及びマスク処理後の電気負荷を示す図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置の作用について説明する図であって、(a)はエンジン低回転域におけるマスク処理について説明する図、(b)は高回転域におけるマスク処置について説明する図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置の作用について説明する図であってマスク期間を設定するマップの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置における作用を説明するフローチャートである。 従来の永久磁石式発電機の制御装置について説明する図である。 本発明の課題について説明する図である。
符号の説明
1 自動車用エンジン
2 トランスミッション
3 モータジェネレータ(永久磁石式発電機)
4 エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)
5 負荷センサ(電気負荷検出手段)
6 発電量調整手段
7 巻線設定マップ(巻線設定手段)
8 籠位置設定マップ(籠位置設定手段)
9 回転数予測手段
11 出力軸(クランクシャフト)
12 電流マスク部
12a 電気負荷補正部
13 ディレイタイマ(遅延時間設定手段)
13a ディレイ時間設定マップ
31 ハウジング
32 永久磁石部材
33 ロータ
33a 隙間
34 巻線(コイル)
35 ステータ
35a ステータコア
35b 櫛部
35c スロット部
35d ブリッジ部
36 磁束制御籠
36a 歯部
37 DCモータ(アクチュエータ)
38 ウォームギア
40 コントローラ又はスタータジェネレータ制御ユニット(制御手段)
41 バッテリ
42 整流器
43 スイッチ
50 電気負荷検出手段

Claims (9)

  1. 点火プラグによる火花点火により着火する火花点火式のエンジンに接続され、前記エンジンの駆動力により発電する永久磁石式の発電機と、
    前記発電機の発電量を増減させる発電量調整手段と、
    車両に供給される電気負荷を検出する電気負荷検出手段と、
    前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    前記電気負荷検出手段から出力された電気負荷と前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数とに基づいて前記発電量調整手段を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記点火プラグの非通電時には前記電気負荷検出手段で検出された電気負荷を使用し、前記点火プラグの点火通電時には、前記電気負荷検出手段で検出された電気負荷をマスク処理する
    ことを特徴とする、永久磁石式発電機の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記点火プラグの点火通電時には、前記電気負荷検出手段で検出された電気負荷を直前の値にホールドすることでマスク処理を実行する
    ことを特徴とする、請求項1記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記電気負荷検出手段から出力された電気負荷に対して、前記点火プラグの点火通電時における電気負荷の平均値を加算した値を用いて前記発電量調整手段を制御する
    ことを特徴とする、請求項2記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記エンジン回転数が第1所定回転数以上の高回転域では、前記電気負荷のマスク処理を禁止する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記エンジン回転数に基づいて前記点火通電期間に占めるマスク処理期間を設定するとともに、前記点火通電期間の中心と前記マスク処理期間の中心とが一致するように前記マスク処理の開始時期を設定する
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記エンジン回転数が第2所定回転数未満の低回転領域では前記点火通電期間の全期間をマスク処理期間に設定する
    ことを特徴とする、請求項5記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記エンジン回転数が前記第2所定回転数以上の回転領域では前記エンジン回転数の上昇とともに前記マスク処理期間を漸減させる
    ことを特徴とする、請求項6記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  8. 前記発電機は、
    前記エンジンの出力軸に接続されるとともに永久磁石を備えたロータと、
    前記ロータの外周側でハウジングに固定されるとともに巻線を備えたステータと、
    前記ステータと前記ロータとの間に配置され前記ステータに対して相対移動して前記永久磁石から前記ステータへ流れる磁束を制御する磁束制御籠とを有し、
    前記制御手段は、前記電気負荷と前記エンジン回転数とに基づいて籠位置を設定する籠位置設定手段をそなえている
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  9. 前記巻線は、巻き数及び/又は巻き方向の異なる複数の巻線を有し、
    前記制御手段は、前記電気負荷と前記エンジン回転数とに基づいて前記複数の巻線から最適な巻線を選択する巻線設定手段をそなえている
    ことを特徴とする、請求項8記載の永久磁石式発電機の制御装置。
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