JP4946694B2 - 永久磁石式発電機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用のスタータジェネレータに用いて好適の、永久磁石式発電機の制御装置に関するものである。
近年、自動車において、例えば、電動パワーステアリングやナビゲーションシステムやオーディオ類やIT機器等の電力を使用して作動する各装置が多く搭載されるようになってきており、これらの機器類の普及に伴い自動車の電力消費も増大している。このため、従来型の自動車用発電機ではこの増大する電力消費に応じた電力を発電することは困難になってきており、より大きな発電電力を発生しうる自動車用発電機の開発が要望されている。
発電機としては、従来より永久磁石をロータに用いた永久磁石式発電機が広く知られている。この永久磁石式発電機はロータに永久磁石を用いるので、構造が簡単で大きな発電電力を得ることができる。このため、これを自動車用発電機に適用して発電電力の不足を解消することが考えられる。しかし、永久磁石式発電機は、エンジン等の駆動源の回転が変動すると、発電機のロータの回転数が変化し発電機の発電電圧が変化してしまうため、その発電電力をそのまま機器に用いることは不可能である。
自動車用発電機では、その電圧が12V又は24Vに定められているが、自動車用エンジンでは、回転数が数百回転(rpm)から数千回転(rpm)まで大幅に変化するため、数百回転(rpm)で12Vにセットされた発電電圧では、数千回転(rpm)では例えば100Vを超えてしまい、12V対応の電気機器には使用できない。このため、永久磁石式発電機を自動車用発電機に適用するためには、エンジン回転数が常に変動するにもかかわらず、発電電圧が略一定となるようにする必要がある。
そこで、特許文献1には、発電効率が高く且つ小型で装置コストを抑えることができるようにした、永久磁石式発電機が提案されている。
この永久磁石式発電機は、ロータに永久磁石部材を配設し、その永久磁石のN極,S極をカバーするステータの櫛部にそれぞれ巻線を巻回し、N極とS極に対応する巻線の巻回方向を互いに逆に巻回し、ステータと回転変動するロータとの間にステータに対して回転移動する磁束制御籠を配置するとともに、ステータにU,V及びW相から成る複数のコイルを巻き上げ、これらのコイルを並列結線した2種のコイル群を常用コイルと低速コイルに構成し、常用コイルと低速コイルとをスイッチを介して直列に結線し、エンジンのアイドリング等の低速時、中速時及び高速時に応答してスイッチのON・OFFを制御して予め決められた所定の発電電圧を得るように制御し、また、磁束制御籠をステータに対して回転移動させて磁束制御籠とステータとの間の空隙量を制御し、予め決められた一定の発電電圧を得るように制御するものである。
ここで、上述のような永久磁石式発電機において、一定の発電電圧を得る手法について、図11を用いて簡単に説明する。
永久磁石式発電機には、ステータの櫛部に巻回した巻数がN1のコイル(以下N1ターンという)と、ステータに対して回転移動可能でこの移動により櫛部へ流れる磁束を制御しうる磁束制御籠とが設けられている。
また、永久磁石式発電機では、籠位置を固定した場合にはロータ回転数に比例して発電電圧がリニアに上昇する特性を有している。したがって、発電電圧が規定電圧(14V)に達するまでは(ロータの回転数が所定回転数r01に達するまでは)、磁束制御籠を櫛部へ流れる磁束が最大となる位置にして、コイルの界磁により発電を行う(図11の矢印F1参照)。ここで、線aは、磁束制御籠が磁束を遮らず、櫛部へ流れる磁束が最大となる磁束制御籠位置における発電特性である。
そして、発電電圧が規定電圧に達すると、このままの状態では発電量が過多となってしまうため、ロータの回転数の増加に応じて磁束制御籠を移動させながら櫛部へ流れる磁束を減少させていくことにより、ロータの回転数が変化しても発電電圧は規定電圧を保持するように制御する(図11の矢印F2参照)。ここで、線bは、磁束制御籠により櫛部へ流れる磁束を最小とするような限界の磁束制御籠位置における発電特性であり、このような特性線a〜線bの間で磁束制御籠を回転させて籠位置を制御することにより、ロータ回転数r01〜r02の間で発電電圧を一定に保持することができる。
また、回転数r02以上の領域では、このN1ターンよりも巻数の少ないN2ターンのコイルに切り替えて、上述と同様の籠位置制御を行う(或いは、N1ターンとは逆向きに巻き上げられた弱め界磁用の巻線に通電し、弱め界磁を作用させてN1ターンの界磁を弱めて、籠位置制御を行う)ことにより一定電圧を発生させる。図11の場合では、回転数r02又はr02′以上ではN2ターンに切り替えて発電電圧が一定となるように磁束制御を実行し(線c〜線d、及び矢印F3参照)、エンジン回転数がさらに上昇して、このN2ターンで一定電圧制御ができなくなる回転数に達すると、その後N2ターンとは逆向きに巻き上げられた弱め界磁用の巻線に通電して、磁束制御を行う。
ところで、このようなコイル巻数の切り替えや磁束制御籠の位相制御は、主にエンジン回転数(ロータ回転数)をパラメータとしたマップを用いて求めている。また、このマップは、バッテリがある所定のバッテリSOC(残存容量)のときに目標電圧が得られるように予めキャリブレーションされている。したがって、実際の発電制御においては、現在のバッテリSOCを検出し、バッテリSOCの変動に応じた発電制御(例えばバッテリSOCが低下している場合には発電電圧を大きく設定する等)が必要がある。
一方、このような発電機をエンジンとトランスミッションとの間に配設することで、いわゆるISA(Integrated Starter and Alternator)システムを構築することができる。ここで、ISAシステムとは、停車時にはエンジンを停止させ、発進時には発電機をスタータとして用いるアイドリングストップスタート機能(アイドルストップ機能と略す)、車両の減速時に運動エネルギーを電気エネルギーに回生する減速エネルギー回生機能、及び発電機をモータとして駆動しエンジン駆動力をアシストするパワーアシスト機能の3つの機能を有するシステムであって、このようなISAシステムにより大幅な燃費改善効果を得ることができる。
このようなISAシステムにおいては、バッテリの残存容量(SOC)が低下している状態でアイドルストップやパワーアシストを行うと、バッテリの劣化を早めてしまう等の悪影響を及ぼすため、ISAシステムでは現在のバッテリの残存容量(SOC)を正しく検知することが重要となる。
そこで、従来よりバッテリSOCを検知する手法として、バッテリからの充電時及び放電時の電流を積算し、電流の収支に基づいてバッテリSOCを推定する手法(例えば特許文献2参照)や、バッテリ電圧を検出し、このバッテリ電圧からバッテリSOCを推定する手法(例えば特許文献3参照)が広く知られている。
特開2005−184948号公報 特開2006−149070号公報 特開2006−256690号公報
しかしながら、上述した従来のバッテリSOC推定手法(特許文献2及び3)では誤差が大きく精度が低いという課題がある。また、バッテリSOCを検知する手段を新たに設けると、この分だけコスト増になってしまう。
また、上述したように、発電制御においてはコイル巻数及び制御籠位相をエンジン回転数をパラメータとするマップから求めるオープンループ制御を適用しているが、このマップ値はある所定のバッテリSOCのときに目標電圧になるようにキャリブレーションした値であるため、バッテリSOCが変動してしまうと発電電圧が目標電圧値からずれてしまい、発電制御の精度が低下してしまう。
また、このような発電機をISAシステムに適用した場合、バッテリSOCが低下した状態でアイドルストップスタートを繰り返し実行するとバッテリの劣化を早めるという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、コスト増を招くことなく高い精度でバッテリのSOCを検知又は推定できるようにした、永久磁石式発電機の制御装置を提供することを目的とする。
このため、本発明の永久磁石式発電機の制御装置は、車両のエンジンに接続され該エンジンの駆動力により発電する永久磁石式の発電機と、該発電機の発電量を増減させる発電量調整手段と、該エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、該エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に基づいて該発電量調整手段に対する基本制御量を設定する基本制御量設定手段と、該発電機の目標発電電圧を設定する目標発電電圧設定手段と、該発電機の実際の発電電圧と該発電機の目標発電電圧との差に基づき該発電量調整手段に対する補正量を求める補正量設定手段と、該基本制御量設定手段で設定された基本制御量及び該補正量設定手段で設定された補正量に基づいて該発電量調整手段の作動を制御する制御手段と、該補正量設定手段で設定された補正量に基づきバッテリの残存容量を推定するバッテリ残存容量推定手段とを有することを特徴としている(請求項1)。
また、該制御手段は、該バッテリ残存容量判定手段で判定されたバッテリの残存容量に基づいて該車両のアイドルストップ制御の可否を判定するのが好ましい(請求項2)。
また、該制御手段は、該バッテリ残存容量判定手段で判定されたバッテリの残存容量に基づいて該目標発電電圧を設定するのが好ましい(請求項3)。
また、該残存容量判定手段は、一定時間毎に該補正量を平均化した値に基づいて該バッテリの残存容量を推定するのが好ましい(請求項4)。
また、該車両の電気負荷を検出する電気負荷検出手段を有し、該基本制御量設定手段は、該エンジン回転数に加えて電気負荷検出手段で検出された電気負荷に基づいて該基本制御量を設定するのが好ましい(請求項5)
また、該発電機が、該エンジンの出力軸に接続されるとともに永久磁石を備えたロータと、該ロータの外周側でハウジングに固定されるとともに巻線を備えたステータと、該ステータと該ロータとの間に配置され該ステータに対して相対移動して該永久磁石から該ステータへ流れる磁束を制御する磁束制御籠とを有し、該制御手段は、該車両の電気負荷と該エンジン回転数とに基づいて籠位置を設定する籠位置設定手段を備えているのが好ましい(請求項6)。
また、該巻線としては、巻き数及び/又は巻き方向の異なる複数の巻線が用意され、該制御手段は、該電気負荷と該エンジン回転数とに基づいて該複数の巻線から最適な巻線を選択する巻線設定手段を備えているのが好ましい(請求項7)
本発明の永久磁石式発電機の制御装置によれば、エンジン回転数に基づいて発電量調整手段に対する基本制御量を設定するとともに、発電機の実際の発電電圧と目標発電電圧との差に基づき発電量調整手段に対する補正量を求め、上記基本制御量及び上記補正量に基づいて発電量調整手段の作動を制御することにより、高い精度で発電機の作動を制御することができる。また、上記補正量とバッテリの残存容量(SOC)とは強い相関関係があるので、これを利用してバッテリSOCを推定することにより、コスト増を招くことなく高い精度でバッテリのSOCを推定することができる(請求項1)。
また、バッテリの残存容量に基づいて車両のアイドルストップ制御の可否を判定するので、バッテリの劣化を抑制することができる(請求項2)。
また、バッテリの残存容量に基づいて目標発電電圧を設定するので、バッテリの状態に適した精度の高い発電電圧を設定することができる(請求項3)。
また、一定時間毎に補正量を平均化するので、一時的なエンジン回転数の上昇による補正量の変動やノイズ等による補正量の変動を抑制することができる利点がある(請求項4)。
また、電気負荷とエンジン回転数とに基づいて基本制御量を設定することにより精度の高い発電制御を行うことができる。すなわち、電気負荷を考慮しない場合には、電気機器の負荷の変動に伴い目標電圧に対するオーバシュートやアンダシュートが生じて実際の発電電圧がハンチングするおそれがあったが、本発明によればエンジン回転数に加えて電気負荷に基づいて磁束制御籠の目標位相を設定するので、負荷変動が生じても発電電圧のハンチング抑制することができる(請求項5)。
また、籠位置設定手段を設けることにより、電気負荷とエンジン回転数とに基づいて籠位置を容易に且つ速やかに設定することができる(請求項6)。
また、巻線設定手段を設けることにより電気負荷とエンジン回転数とに基づいて最適な巻線を容易に且つ速やかに設定することができる(請求項7)。
以下、図面により、本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置について説明すると、本実施形態に係る永久磁石式発電機3は、図1に示すように、自動車用エンジン(以下、単にエンジンと記す)1と、このエンジン1に接続されたトランスミッション2との間に配置されたスタータジェネレータであって、エンジン1の始動用モータとしての機能と、エンジン1により駆動される発電機としての機能とを兼ね備えている。
また、この発電機3により、この車両にはいわゆるISA(Integrated Starter and Alternator)の機能が設けられている。そして、ISAを備えることにより、例えば車速が略0でブレーキオン等のアイドルストップ条件を満たすと、エンジンを停止させ、その後ブレーキオフ、或いはアクセルオン等のエンジン再始動条件を満たすと、発電機3をスタータとして用いエンジンを再始動させるようになっている。
この永久磁石式発電機3は、図2(a),(b),図3(a),(b)に示すように、エンジン1のシリンダブロック及びトランスミッション(ここでは、自動変速機)2のケースと一体に結合されたハウジング31と、このハウジング31に図示しない軸受を介して回転可能に支持された回転子のロータ33と、ロータ33の外周側に離隔するように配置されハウジング31に固定された回転子のステータ35とを備え、ステータ35とロータ33との間には、ステータ35に対して相対移動して永久磁石部材32からステータ35の櫛部35bへ流れる磁束を制御する磁束制御籠36が配設されている。
ロータ33は、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)11に接続され出力軸11と一体に回転するようになっており、ロータ33の外周面には、永久磁石部材32が周設されている。
ステータ35は、ステータコア35aとこのステータコア35aに巻き上げられた巻線(コイル)34とから構成されている。ステータコア35aは、周方向に離隔するように配置され形成された複数の櫛部35bと、これらの櫛部35b間に形成されたスロット部35cと、隣接する櫛部35bを連結するため周方向に延びるブリッジ部35dとを備え、巻線34はスロット部35bに配置されている。
磁束制御籠36は、図3(a),(b)に示すように、ステータ35とロータ33との間の隙間33aに配置され、図示しない軸受を介してハウジング31に回転自在に支持され、ステータ35に対して相対回転して磁束を制御する。この磁束制御籠36は、周方向に離隔するように配置されステータ35の櫛部35bと相対するように突起した複数の歯部36aを備えている。
そして、図3(a)に示すように、複数の歯部36aが、ステータ35の櫛部35bと同位相になると、ステータ35回りに生じる磁束を最大とし、図3(b)に示すように、複数の歯部36aの位相が、ステータ35の櫛部35bの位相とずれると、そのズレ量に応じてステータ35回りに生じる磁束は減少する。
この磁束制御籠36をハウジング31に対して回転させるために、磁束制御籠36には、図2に示すように、アクチュエータとしてのDCモータ(磁束制御用DCモータ)37がウォームギア38を介して接続され、図4に示すように、このDCモータ37を制御手段としてのコントローラ(スタータジェネレータ制御ユニット)40により制御するようになっている。なお、本実施形態においては、上記の磁束制御籠36とDCモータ37とウォームギア38とにより、発電機3の発電量を増減させる発電量調整手段6が構成されている。
また、ステータコア35aに巻き上げられた巻線34は、図4に示すように、第1の巻き数N1(N1は例えば24)だけ巻き上げられた第1の主巻線(第1メインコイル、N1ターンともいう)34aと、この第1コイル34aの界磁を弱めるように第1メインコイル34aとは逆向きに巻き上げられ有効巻き数が可変の弱め界磁用副巻線(サブコイル)34bと、第1の巻き数N1よりも少ない第2の巻き数N2(N2は例えば15)だけ第1メインコイルと同方向に巻き上げられた第2の主巻線(第2メインコイル、N2ターンともいう)34cとが並列に備えられ、整流器42を介してバッテリ41と接続されている。また、この電気回路には、各コイルを選択して使用するためのスイッチ43a〜43cが設けられている。
さらに、第1メインコイル34aは、コイル34a1とコイル34a2とが直列に組み合わされてなり、スイッチ43aを閉成し、スイッチ43b,43cを開成すれば、コイル34a1とコイル34a2とからなる第1メインコイル34aが通電し、巻き数N1に応じた大きな磁界が発生し、スイッチ43cを閉成し、スイッチ34a,43bを開成すれば、第2メインコイル34cが通電し、同一回転条件では巻き数N2に応じて第1メインコイル34aよりも弱い磁界が発生する。
また、第1メインコイル34aの一部であるコイル34a2は、第2の巻き数N2よりも少ない第3の巻き数N3(N3は例えば6)だけ巻き上げられた第3の主巻線(第3メインコイル、N3ターンともいう)として機能し、スイッチ43bを閉成し、スイッチ43a,43cを開成すれば、コイル34a2のみからなる第3メインコイルが通電し、巻き数N3に応じて第2メインコイル34cよりも弱い磁界が発生する。
また、サブコイル34bは、有効巻数を可変制御可能、或いはボリューム調整可能に構成されており、ボリュームを最小にすれば、サブコイル34bは実質的に非通電となる。また、サブコイル34bにはボリューム調整に応じた巻き数分だけ弱め界磁電流が流れ、この弱め界磁電流に応じて、第1メインコイル34a,第2メインコイル34c,第3メインコイル34a2の界磁を弱めることができるようになっている。
つまり、サブコイル34bは、第1メインコイル34aの通電時には、第1メインコイル34aの界磁を弱める第1の弱め界磁用副巻線(第1サブコイル)として機能し、第2メインコイル34cの通電時には、第2メインコイル34cの界磁を弱める第2の弱め界磁用副巻線(第2サブコイル)として機能し、第3メインコイル34a2の通電時には、第3メインコイル34a2の界磁を弱める第3の弱め界磁用副巻線(第3サブコイル)として機能する。ただし、本実施形態においては、第1メインコイル34aの通電時には、弱め界磁電流を用いないので、第1サブコイルとして機能することはない。これは、第1のメインコイル34aと第2のメインコイル34cとの特性の設定によるもので、本実施形態では第1サブコイルとして機能しなくても規定電圧を発生することが可能となっているからである。
これに対して、第1及び第2のメインコイル34a,34cの巻数の関係により、第1のメインコイル34aによる発電領域と第2のメインコイル34cによる発電領域との間に規定電圧を発電できない領域が存在する場合には、第1サブコイルを用いてこれら2つの発電領域の間で規定電圧を発電するようにしてもよい。
さて、コントローラ40は、永久磁石式発電機3による発電時には、主にロータの回転速度(即ち、エンジン回転数に応じたロータ回転数)rと、発電電圧Vとに応じて、磁束制御籠36の回転位相の制御と共に、各スイッチ43a〜43cの開閉制御、及び、サブコイル34bのボリューム調整を行うようになっている。
つまり、原則的には、磁束制御籠36の回転位相により発電電圧が一定となるように電圧調整を行い、籠制御で調整できる範囲を超えるとターン数を切り替えたり、サブコイル34bにより弱め界磁を作用させたりすることにより、電圧を一定値に制御するようになっている。
ところで、このような発電機3を自動車に搭載した場合には、車両の電気負荷の変動(ヘッドライトのオンオフやエアコンのオンオフ或いはオーディオのオンオフ等)によって発電特性が変化してしまい、発電制御が不安定となるおそれがある。
そこで、本実施形態では、エンジン回転数(ロータ回転数)に加え、この自動車に搭載された電気機器(発電機3で発電された電力により作動する電気機器)負荷状態もパラメータとして適用し、これらエンジン回転数及び電気負荷を用いてコイル34を切り換えたり磁束制御籠36の位相を変更したりするようになっている。
なお、本実施形態においては、具体的には、コイル34は、エンジン回転数の増大又は電気負荷の増大に従い、以下の順番で切り換えられるようになっている。
1.N1ターン
2.N2ターン
3.N2ターン+弱め界磁
4.N3ターン
5.N3ターン+弱め界磁
ここで、コイル34の選択及び磁束制御籠36の位相は、それぞれコントローラ40内に設けられたマップ(図5の符号7,8参照)により設定されるようになっている。これについては詳しくは後述する。
さて、次に本装置の要部構成について詳細に説明すると、図4及び図5に示すように、コントローラ40には、エンジン回転数(ロータ回転数)を検出するエンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)4と、上記電気機器(図示省略)の負荷を検出する負荷センサ(電気負荷検出手段)5とが接続されている。ここで、負荷センサ5は、具体的には各電気機器の作動を制御したり監視したりするECU(例えばエアコンECU)であって、各電気機器のECUとコントローラ40とが相互通信可能に接続されている。なお、負荷センサ5としては上述のものに限定されず、車両に設けられた電流センサ50(図4参照)とインパネに設けられた各電気機器の操作スイッチとから構成してもよい。
また、コントローラ40の内部には、図5に示すように、巻潜設定マップ(巻線設定手段)7,籠位置設定マップ(籠位置設定手段、又は基本制御量設定手段)8,補正量設定マップ(補正量設定手段)9,SOC判定マップ(バッテリ残存容量推定手段)10及びアイドルストップ可否判定手段12が設けられている。
このうち、巻線設定マップ7はエンジン回転数と電気負荷とに基づいて複数のコイル34から最適な巻線を選択する手段であって、本実施形態では図6(a)に示すようなマップとして設けられている。また、籠位置設定手段8は、エンジン回転数と電気負荷とに基づいて籠位置を設定する手段であって、本実施形態では図6(b)に示すようなマップとして設けられている。なお、これらのマップ7,8は、上述したように本実施形態ではエンジン回転数と電気負荷とをパラメータとしてコイル巻数及び籠位置を設定するマップとして構成されているが、少なくともエンジン回転数に基づいてコイル巻数及び籠位置を設定できればよく、電気負荷をパラメータとして設定しなくてもよい。ただし、より高い精度で発電制御を行うのであれば、電気負荷をパラメータとして適用するのが好ましい。
巻線設定マップ(巻線設定手段)7は、図6(a)に示すように、エンジン回転数と電気負荷とをパラメータとして、複数のコイル34(本実施形態ではN1ターン,N2ターン,N2ターン+弱め界磁,N3ターン及びN3ターン+弱め界磁の5つ)の中から1つを選択するためのマップであって、電気負荷を一定と仮定するとエンジン回転数が増大するほど巻数の小さい(発電量の小さい)コイルが選択されるような特性に設定されており、またエンジン回転数が一定と仮定すると電気負荷が増大するほど巻数の大きい(発電量の大きい)コイルが選択されるような特性になっている。
これは、基本的にコイル巻数が一定であれば、エンジン回転数が高くなるほど発電電圧が大きくなるからであり、発電電圧を一定に保持するにはエンジン回転数が高くなるほど発電量の小さいコイルを選択する必要があるからである。また、電気負荷が大きくなるとその分要求される発電量が増大するので、電気負荷の増大に応じて、発電量の大きいコイルが選択されるようになっている。
なお、巻線設定手段7は、図6(a)に示すようなマップに限定されず、エンジン回転数と電気負荷とからコイル巻数を設定するものであればどのようなマップであってもよいし、マップ以外の手段であってもよい。
一方、籠位置設定マップ8は、図6(b)に示すように、各コイル毎にそれぞれ独立したマップとしてコントローラ40に記憶されており、本実施形態においては、上述した5つのコイルのマップM1〜M5として記憶されている。また、各マップM1〜M5には電気負荷と回転数とに応じた籠位置(目標籠位置)がそれぞれ記憶されている。そして、上述の巻線設定手段7からの情報に基づいて、複数のマップの中から現在設定されているコイルに対応するマップを選択すると、このマップから電気負荷と回転数とに基づいて磁束制御籠36の目標籠位置(基本制御量)を求めるようになっている。なお、言うまでもなく各マップで設定される目標籠位置とは、そのときのエンジン回転数と電気負荷とにおいて発生電圧が目標電圧となるような籠位置である。
ところで、この籠位置設定マップ8では、バッテリ41が所定の残存容量(SOC)のとき(例えばSOC=80%のとき)に目標電圧Vtになるような籠位置がキャリブレーションされている。つまり、実バッテリSOCが、籠位置設定マップ8をキャリブレーションしたときの所定SOCと一致していれば、磁束制御籠36をこの籠位置設定マップ8で設定される籠位置に制御することで目標電圧Vtを得ることができるようになっている。
しかし、バッテリSOCが変化すると籠位置設定マップ8で得られた籠位置に磁束制御籠36を制御しても目標発電電圧を得ることができなくなる。さらに、本実施形態においては、バッテリ41のSOCに応じて要求発電量(即ち目標電圧)も変化するように構成されているため、上述のようなオープンループ制御のみでは、バッテリSOCが変化すると実際の発電電圧と目標電圧との乖離が大きくなる。
ここで、バッテリ41のSOCに応じた要求発電量(即ち目標電圧)の設定について簡単に説明すると、コントローラ40には、バッテリSOCとエンジン運転状態とに基づいて発電機2の目標発電電圧Vtを設定する目標発電電圧設定手段(図示省略)が設けられており、この目標発電電圧設定手段では、例えば図8に示すフローチャートにしたがって、目標電圧を設定するようになっている。
すなわち、まずステップS101において、SOCが所定値(80%)以上か否かを判定し、SOCが所定値(80%)以上であればステップS102〜S106においてエンジンの運転状態に基づいて目標電圧を設定するようになっている。なお、バッテリ41のSOCは後述するSOC判定マップにより求めることができる。そして、エンジン1が加速中であれば、目標電圧VtをVt1(例えば12V)に設定し(ステップS102,S104)、定常運転状態であれば目標電圧VtをVt2(>Vt1であって、例えば13.6V)に設定する(ステップS103,S106)。さらには、エンジン1が減速運転状態であれば、目標電圧をVt3(>Vt2であって、例えば14V)に設定する(ステップS102,S103及びS105)。
また、SOCが所定値(80%)未満であればステップS107〜S111において目標電圧が設定されるようになっている。なお、この場合には、エンジン運転状態が同じであれば、SOC所定値以上のときよりも高い電圧に目標電圧が設定されるようになっている。例えば、SOCが所定値未満でエンジン1が加速中であれば、目標電圧VtをVt1′(>Vt1;例えば13.6V)に設定し(ステップS107,S109)、定常運転状態であれば、目標電圧VtをVt2′(>Vt2、且つ>Vt1′;例えば14V)に設定し(ステップS108,S111)、さらには、エンジン1が減速運転状態であれば、目標電圧をVt3′(>Vt3、且つ>Vt2′;例えば14.4V)に設定する。なお、各目標電圧としては少なくとも以下の関係を満たしていればよい。
Vt1>Vt2>Vt3
Vt1′>Vt2′>Vt3′
Vt1′>Vt1
Vt2′>Vt2
Vt3>Vt3′
これは、SOCが低下している状況では、同じエンジン回転数、同じ負荷であっても余分に発電するように制御しないとSOC低下分を補うことができないからであり、また、同じSOCが低下している状況であっても、減速中の場合にはエンジン回転数も低下するため、目標電圧を加速時及び定常運転時の目標電圧よりも大きな値に設定する必要があるからである。
なお、詳しくは後述するが、本装置では、この目標発電電圧をパラメータにして新たにバッテリSOCが推定されるようになっており、次回目標発電電圧を設定する際には今回求めたバッテリSOCが用いられるようになっている。これにより、バッテリSOCは逐次更新されるようになっている。
一方、上述したように籠位置設定マップ8では、バッテリ41が所定のSOC(ここでは80%)のときに、目標電圧Vtになるような籠位置が設定されているため、目標電圧がSOCの変動にともない変動すると、目標電圧Vtと実際の発電電圧Vrとの間に乖離が生じることになる。
このため、本装置では、発電機2の実際の発電電圧Vrと目標発電電圧Vtとの差ΔVに基づき磁束制御籠36の目標籠位置(基本制御量)に対する補正量を求める補正量設定マップ(補正量設定手段)9が設けられている。
ここで、補正量設定マップ9は、上記電圧差ΔVをパラメータとして、この電圧差ΔVを解消する補正量を予めキャリブレーションにより記憶させたマップであって、このマップにより発電機2の発電電圧がフィードバック補正されるようになっている。したがって、この補正量設定マップ9は電圧フィードバック補正部ということもできる。なお、この補正量設定マップ9では、籠位置設定マップ8で設定される磁束制御籠36の目標籠位置(基本制御量)に対する補正位相(角度)として出力されるようになっている。
そして、上記籠位置設定マップ8で設定された籠位置に対し、補正量設定マップ9で設定された補正量を加えることにより、最終的な籠位置が設定されるようになっている。
また、このようにしてコイル34の巻数及び磁束制御籠36の位相が設定されると、コントローラ40からコイル34及びアクチュエータ(モータ)37に対して作動制御信号が出力される。そして、コイル34の巻数が切り換えられるとともに、アクチュエータ37が作動してウォームギア38を介して磁束制御籠36の位相が変更される。
ところで、図5に示すように、コントローラ40内には、磁束制御籠に対するフィードバック補正量をパラメータとしてバッテリの残存容量(SOC)を求めるSOC判定マップ10が設けられている。
このSOC判定マップ10は、バッテリSOCによりフィードバック補正量が変化するという特性を利用したものであって、本実施形態の場合には上述のようにSOC=80%を基準として籠位置設定マップ8を作成しているため、図7に示すようにフィードバック補正量が0のとき、バッテリSOCが80%となるようなマップとして設けられている。
なお、本実施形態では、フィードバック補正量は、磁束制御籠36に対する位相(角度)として与えられており、このフィードバック補正量が大きくなるほど発電電圧を抑制する側に補正量(補正位相)が設定され、逆に小さくなるほど発電電圧を増大させる側に補正量(補正位相)が設定される。
このため、SOC判定マップ10は、図7に示すようにフィードバック補正量が大きくなるほど(発電量が小さくなるほど)、現在のバッテリSOCが大きいと判定するような特性のマップに設定されている。なお、このSOC判定マップ10についても、予め実験等によりキャリブレーションにより求めたものが用いられる。
また、SOC判定マップ10では、所定の制御周期(例えば50msec)毎にフィードバック補正量が入力されるが、本実施形態においては、上記所定の制御周期毎に逐次SOCを推定するのではなく、一定時間毎(例えば10sec毎)にフィードバック補正量を平均し、該平均値を用いてバッテリSOCを推定するようになっている。
これは、ノイズ等によりフィードバック補正量が一時的に変動すると、バッテリSOCの推定値がハンチングするためであり、このようなハンチングを防止するべく、一定時間のフィードバック補正量の平均値を用いてバッテリSOCを推定するようになっている。
また、このようなフィードバック補正量の平均値に対して温度(気温)及び大気圧等の補正が行われるようになっている。すなわち、フィードバック補正量が同じ値であっても、気温や大気圧の影響により、実際のSOCに対して誤差が生じる。このため、本実施形態では図示しないマップにより温度をパラメータとして温度補正係数を求めるとともに、気圧をパラメータとして気圧補正係数を求めるようになっており、上記フィードバック補正量の平均値に各補正係数を乗じた結果を最終的なパラメータとして、図7に示すようなマップからバッテリSOCを求めるようになっている。
また、このSOC判定マップ10で推定されたバッテリSOCは、コントローラ40に設けられたアイドルストップ制御可否判定手段12に出力され、バッテリSOCに基づいてアイドルストップ制御の可否判定が行われるようになっている。そして、このアイドルストップ制御可否判定手段12では、例えばバッテリSOCが所定の閾値(例えば40%)を下回ると、アイドルストップ制御を禁止するようになっている。
これは、バッテリSOCが低下した状態でエンジンの再始動を頻繁に行うようなアイドルストップ制御を実行すると、バッテリ上がりが生じるおそれがあるほか、バッテリの劣化を早めるおそれがあるからである。
また、すでに説明したが、本実施形態ではバッテリSOCが低下すると、これを補うべく要求発電量も変化するようになっており、このSOC判定マップ10で推定されたバッテリSOCに基づいて、目標発電電圧が設定されるようになっている。つまり、このSOC判定マップ10でバッテリSOCが推定されると、このバッテリSOCは図示しない目標発電電圧設定手段に入力され、目標発電電圧設定手段では図8に示すようなフローチャートに基づいて目標発電電圧を設定するようになっている。
本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置は上述のように構成されているので、その作用について図9のフローチャートを用いて説明すると以下のようになる。
まず、ステップS1においてエンジン回転数と電気負荷とから巻線設定マップ7を用いてコイル34の巻数を決定する。次に、ステップS2に進み、ステップS1で設定された巻数のコイルに対応するマップを籠位置設定マップ8に記憶された複数のマップM1〜M5の中から選択するとともに、エンジン回転数と電気負荷とに基づいて選択されたマップから磁束制御籠36の目標籠位置(基本制御量)を設定する。
次に、ステップS3に進み、実発電電圧と目標発電電圧との電圧差に基づいて目標籠位置のフィードバック補正量を設定する。さらに、ステップS4において、一定時間毎にフィードバック補正量の平均値を算出するとともに、ステップS5において上記ステップS4で算出されたフィードバック補正量平均値に対して温度及び大気圧等に応じた補正を行う。
そして、ステップS6において、上記ステップS5で算出されたフィードバック補正量をステップS2で設定された磁束制御籠36の目標籠位置(基本制御量)に加えることにより目標籠位置を補正し、磁束制御籠36の位相を補正後目標籠位置に向けて制御する。また、これと同時にコイルの巻数も切り換える。
また、ステップS7において、上記フィードバック補正量に基づいてバッテリ41のSOCをが推定される。これはバッテリSOCが低下するほどフィードバック補正量が大きくなる特性を利用している。
そして、ステップS8では、推定されたバッテリSOCに基づいてアイドルストップ制御の可否判定を行い、例えばバッテリSOCが所定の閾値以下の場合には、アイドルストップ制御を禁止する。したがって、この場合には所定のアイドルストップ条件が成立してもエンジンを停止せずにアイドル状態が維持される。また、バッテリSOCが推定されると、アイドルストップ制御の可否判定以外にも、図8を用いて説明したフローチャートにしたがって目標発電電圧が更新される。
図10は、本装置の作用及び効果を説明するタイムチャートであって、(a)はコイル巻数、(b)は磁束制御籠位置、(c)は発電電圧、(d)はエンジン回転数(=ロータ回転数)をそれぞれ示している。また、(c)及び(d)において、実線は補正後の籠位置及び電圧値、破線は補正前の籠位置及び電圧値を示している。
さて、図10(d)に示すように、エンジン1が比較的低回転域で、且つ定常運転状態にあるときに、t=t1においてエンジン回転数が急増すると、(a)に示すように、コイル34の巻数は発電が小さくなる側のコイルに切り換えられるとともに、(b)に示すように、エンジン回転数に応じて磁束制御籠36の位相が変動する。また、これ以降もエンジン回転数の変動に伴い、(a),(b)に示すように、コイル巻数及び籠位相が変動する。
ここで、バッテリ41のSOCが低下している状態では、磁束制御籠36の補正を実行しないと、(c)に示すように目標発電電圧と実発電電圧(線S参照)との差が大きくなってしまい、電力が不足してしまうことになる。
これに対し、本装置のように、実発電電圧と目標発電電圧との差がなくなるようにフィードバック補正量を加味することにより、(b)に示すように籠位置が線Pから線Qに補正され、これにより、(c)に示すように発電電圧が目標電圧に近づけることができる(線R参照)。なお、(b)に示す網掛け処理を施した部分がフィードバック補正量に相当する。
そして、このときのフィードバック補正量に基づいて、図7に示すマップからバッテリSOCを推定し、推定されたSOCに基づいて、アイドルストップ制御の可否が判定されるとともに、目標発電電圧が新たに設定される。
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置によれば、少なくともエンジン回転数に基づいて磁束制御籠36(発電量調整手段)に対する目標籠位置(基本制御量)を設定するとともに、発電機の実際の発電電圧と目標発電電圧との差に基づき目標籠位置に対するフィードバック補正量を求め、上記フィードバック補正量を加味して磁束制御籠36(及びアクチュエータ37)の作動を制御することにより、高い精度で発電機の作動を制御することができる。また、上記フィードバック補正量とバッテリ41の残存容量(SOC)とは強い相関関係があるので、これを利用してバッテリSOCを推定することにより、コスト増を招くことなく高い精度でバッテリのSOCを推定することができるという特有の利点がある。
また、バッテリ41のSOCに基づいて車両のアイドルストップ制御の可否を判定するので、バッテリ41のSOCの低下により、アイドルストップ後の再始動ができなくなるような事態を回避することができ、精度の高いアイドルストップ制御を実現できる。また、SOCが低下した状態でアイドルストップ制御を続行するとバッテリの劣化を招くおそれがあるが、このようなバッテリの劣化を抑制することができる。また、バッテリの残存容量に基づいて目標発電電圧を更新していくので、バッテリ41の状態に適した精度の高い発電電圧を設定することができる。
また、SOC判定マップ10(バッテリ残存容量推定手段)においては、一定時間毎にフィードバック補正量を平均化して籠位置を補正するので、一時的なエンジン回転数の上昇による補正量の変動やノイズ等による補正量の変動を抑制することができる。
また、エンジン回転数に加えて電気負荷を用いて目標籠位置(基本制御量)を設定するので精度の高い発電制御を行うことができる。すなわち、電気負荷を考慮しない場合には、電気機器の負荷の変動に伴い目標電圧に対するオーバシュートやアンダシュートが生じて実際の発電電圧がハンチングするおそれがあったが、エンジン回転数及び電気負荷に基づいて磁束制御籠の目標位相を設定することにより、負荷変動が生じても発電電圧のハンチング抑制することができる。
また、籠位置設定手段(籠位置設定マップ)8を設けることにより、電気負荷とエンジン回転数とに基づいて籠位置を容易に且つ速やかに設定することができる。また、巻線設定手段(巻線設定マップ)7を設けることにより電気負荷とエンジン回転数とに基づいて最適な巻線を容易に且つ速やかに設定することができる。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上述の実施形態においては、SOC判定マップ10でバッテリSOCが推定されるとバッテリSOCを目標発電電圧設定手段にフィードバックし、フィードバックにより更新されたバッテリSOCと運転状態とに基づいて目標発電電圧を設定するように構成されているが、これに代えて目標発電電圧を設定する際のバッテリSOCをフィードバックせずに所定値(例えば80%)に固定しておいてもよい。この場合、目標発電電圧と実発電電圧との差異は大きくなるが、このような場合であっても、この電圧の偏差に基づいて実際のSOCを判定することができる。したがって、バッテリSOCを求めることのみを目的とするのであれば、求めたバッテリSOCを目標発電電圧設定手段にフィードバックしなくてもよい。
また、上述の実施形態では巻線設定手段7及び籠位置設定8において、パラメータとして実際のエンジン回転数を用いているが、この代わりに未来のエンジン回転数を予測した予測エンジン回転数を用いても良い。
この場合、予測エンジン回転数を用いたフィードフォワード制御により発電機3の作動を制御するのが好ましい。また、予測エンジン回転数を用いることにより、籠位置制御の応答遅れに起因する電圧制御のオーバシュートやアンダシュートをさらに抑制することができる。また、エンジン回転数の予測手法については、エンジン1の定常運転時には逐次最小二乗法(第1の予測手法)を用い、また、エンジンの1の過渡運転時には変速機2のトルクコンバータのトルク収支モデル(第2の予測手法)を用いてエンジン回転数を予測するのが好ましい。
また、上述では、目標発電電圧をバッテリSOCとエンジン運転状態とに応じて変更するように構成しているが、目標発電電圧を一定としてもよいし、単にエンジン運転状態に応じて変更するようにしてもよい。また、バッテリ残存容量推定手段では、一定時間毎にフィードバック補正量を平均化しているが、瞬時値を用いても良い。
なお、発電機2の細部の構成についても本実施形態のものに限定されず種々変更可能である。
本発明が適用される永久磁石式発電機を装備した車両用エンジンを示す側面図である。 本発明が適用される永久磁石式発電機の構成を示す図であり、(a)はその横断面図(ロータ回転軸と直交する断面図)、(b)はその縦断面図(ロータ回転軸に沿った断面図)である。 本発明が適用される永久磁石式発電機の磁束制御籠を示す拡大横断面図であり、(a)は磁束制御籠が磁束を最大とする位置にある状態を示し、(b)は磁束制御籠が磁束を減少させる位置にある状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の全体的な制御ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の要部構成に着目した制御ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の制御装置の要部について説明するための図であって、(a)は巻線設定マップの一例を示す図、(b)は籠位置設定マップの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機のバッテリ残存容量推定手段について説明する図である。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の目標発電電圧を設定するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の作用について説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る永久磁石式発電機の作用について説明するタイムチャートである。 従来の永久磁石式発電機の制御装置について説明する図である。
符号の説明
1 自動車用エンジン
2 トランスミッション
3 モータジェネレータ(永久磁石式発電機)
4 エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)
5 負荷センサ(電気負荷検出手段)
6 発電量調整手段
7 巻線設定マップ(巻線設定手段)
8 籠位置設定マップ(籠位置設定手段)
9 補正量設定マップ(補正量設定手段)
10 SOC判定マップ(バッテリ残存容量推定手段)
11 出力軸(クランクシャフト)
12 アイドルストップ制御可否判定手段
31 ハウジング
32 永久磁石部材
33 ロータ
33a 隙間
34 巻線(コイル)
35 ステータ
35a ステータコア
35b 櫛部
35c スロット部
35d ブリッジ部
36 磁束制御籠
36a 歯部
37 DCモータ(アクチュエータ)
38 ウォームギア
40 コントローラ又はスタータジェネレータ制御ユニット(制御手段)
41 バッテリ
42 整流器
43 スイッチ

Claims (7)

  1. 車両のエンジンに接続され該エンジンの駆動力により発電する永久磁石式の発電機と、
    該発電機の発電量を増減させる発電量調整手段と、
    該エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    該エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に基づいて該発電量調整手段に対する基本制御量を設定する基本制御量設定手段と、
    該発電機の目標発電電圧を設定する目標発電電圧設定手段と、
    該発電機の実際の発電電圧と該発電機の目標発電電圧との差に基づき該発電量調整手段に対する補正量を求める補正量設定手段と、
    該基本制御量設定手段で設定された基本制御量及び該補正量設定手段で設定された補正量に基づいて該発電量調整手段の作動を制御する制御手段と、
    該補正量設定手段で設定された補正量に基づきバッテリの残存容量を推定するバッテリ残存容量推定手段とを有する
    ことを特徴とする、永久磁石式発電機の制御装置。
  2. 該制御手段は、該バッテリ残存容量判定手段で判定されたバッテリの残存容量に基づいて該車両のアイドルストップ制御の可否を判定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  3. 該制御手段は、該バッテリ残存容量判定手段で判定されたバッテリの残存容量に基づいて該目標発電電圧を設定する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  4. 該残存容量判定手段は、一定時間ごとに該補正量を平均化した値に基づいて該バッテリの残存容量を推定する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  5. 該車両の電気負荷を検出する電気負荷検出手段を有し、
    該基本制御量設定手段は、該エンジン回転数に加えて電気負荷検出手段で検出された電気負荷に基づいて該基本制御量を設定する
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  6. 該発電機が、
    該エンジンの出力軸に接続されるとともに永久磁石を備えたロータと、
    該ロータの外周側でハウジングに固定されるとともに巻線を備えたステータと、
    該ステータと該ロータとの間に配置され該ステータに対して相対移動して該永久磁石から該ステータへ流れる磁束を制御する磁束制御籠とを有し、
    該制御手段は、該車両の電気負荷と該エンジン回転数とに基づいて籠位置を設定する籠位置設定手段をそなえている
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の永久磁石式発電機の制御装置。
  7. 該巻線としては、巻き数及び/又は巻き方向の異なる複数の巻線が用意され、
    該制御手段は、該電気負荷と該エンジン回転数とに基づいて該複数の巻線から最適な巻線を選択する巻線設定手段をそなえている
    ことを特徴とする、請求項6記載の永久磁石式発電機の制御装置。
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