JP2009228538A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関のフライホイールダンパの共振周波数に相当する共振エンジン回転数を予測し、初爆後のエンジン回転数が該共振エンジン回転数を超過するように燃料噴射量及び時期を調整する。
【解決手段】内燃機関の始動制御装置1は、フライホイールダンパ101を備える内燃機関の始動制御装置1であって、内燃機関100の始動時に、燃料噴射を行う前に、フライホイールダンパ101の共振周波数に相当する共振エンジン回転数の予測値を算出する予測手段200と、内燃機関100の始動時におけるエンジン回転数が共振エンジン回転数の予測値を超過するように、燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出する算出手段200と、少なくとも第一回の燃料噴射を、算出された燃料噴射量及び燃料噴射時期において実行させる制御手段200とを備える。
【選択図】図4
【解決手段】内燃機関の始動制御装置1は、フライホイールダンパ101を備える内燃機関の始動制御装置1であって、内燃機関100の始動時に、燃料噴射を行う前に、フライホイールダンパ101の共振周波数に相当する共振エンジン回転数の予測値を算出する予測手段200と、内燃機関100の始動時におけるエンジン回転数が共振エンジン回転数の予測値を超過するように、燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出する算出手段200と、少なくとも第一回の燃料噴射を、算出された燃料噴射量及び燃料噴射時期において実行させる制御手段200とを備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関の始動に際して、燃料噴射などを行う内燃機関の始動制御装置の技術分野に関する。
内燃機関を搭載する車輌においては、例えば、クラッチ接続時の衝撃緩和のために、フライホイールダンパを備える内燃機関が従来知られている。このようなフライホイールダンパは、その構造に応じた固有の共振周波数を有しているため、内燃機関のエンジン回転数がこの共振周波数に一致する(或いは、その領域内である)場合には、該フライホイールダンパを含む内燃機関系において極端に激しい振動増幅(すなわち、共振)を引き起こす。例えば、スタータによる内燃機関の始動時において、このような共振が発生した場合、内燃機関に伝動される駆動トルクがフライホイールダンパを含む内燃機関の共振に費やされる一方で、内燃機関の回転始動に供される駆動トルクが低減するため、エンジン回転数の落ち込み、内燃機関の始動時間(すなわち、エンジン回転数が所定の回転数を超過するまでの所要時間)の遅延或いはエンジン始動失敗などに至る虞がある。このような不都合を避けるために、典型的に、始動時には、停止状態から上昇していくエンジン回転数が、前述の共振周波数と一致することを抑制するために、始動開始時においてこのような共振周波数と一致するエンジン回転数を超過するよう、燃料噴射量が調整されている。
特許文献1には、このような問題点を鑑みて、エンジン回転数が共振周波数領域に所定の時間停留した場合に、燃料噴射量を増量させることでエンジン回転数を上昇させる構成が開示されている。更に、この構成においては、燃料噴射量の増量分を記録すると共に、次回以降の始動開始時の燃料噴射量として設定することで、エンジン回転数が共振周波数領域に停留することを防ぐ。また、特許文献2には、エンジン回転数が共振周波数領域に所定の時間停留した場合に、燃料噴射量を減量、或いは燃料噴射を停止することにより、エンジン回転数を低減させることで共振周波数領域から離脱させる構成が開示されている。
しかしながら、フライホイールダンパの共振周波数は、周囲の気温や内燃機関の状態などに応じて刻一刻と変化することも知られている。例えば、特許文献3には、内燃機関の暖気状態に応じて、エンジン回転数が共振周波数領域に停留する時間が変動することが開示されている。
前述の特許文献1に記載の構成によれば、エンジン回転数が共振エンジン回転数領域に所定の時間停留したことを判断した後に燃料噴射量を増量するため、少なくとも停留時間分、始動時間が遅延してしまう。また、燃料噴射量の増量分を記録すると共に、次回始動時の燃料噴射量に適用する構成に依ったとしても、フライホイールダンパの共振周波数は環境によって逐次変化することから、記録時と次回始動時の始動条件が同一ではない可能性があり、必ずしも共振エンジン回転数を超過するエンジン回転数の実現が出来るとは言い切れない。他方で、燃料噴射量を多く設定することで、燃費の悪化やエンジン回転数の必要以上の急な立ち上がりによる車両振動の悪化を引き起こすという技術的問題もある。
また、特許文献2に記載の、エンジン回転数が共振エンジン回転数領域に所定の時間停留したことを判断した後にエンジン回転数を低減させることで共振エンジン回転数より離脱させる構成によれば、再度エンジン回転数を上昇させる時間が必要となることから、始動時間の大幅な遅延を引き起こすという技術的問題がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みて為されたものであり、エンジン回転数が共振エンジン回転数に停留することの無いよう、適切な燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出し得る内燃機関の始動制御装置を提供することを課題とする。
上記問題を解決するために、本発明の内燃機関の始動制御装置は、フライホイールダンパを備える内燃機関の始動制御装置であって、前記内燃機関の始動時に、燃料噴射を行う前に、前記フライホイールダンパの共振周波数に相当する共振エンジン回転数の予測値を算出する予測手段と、前記内燃機関の始動時におけるエンジン回転数が前記共振エンジン回転数の予測値を超過するように、燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出する算出手段と、少なくとも第一回の燃料噴射を、算出された前記燃料噴射量及び前記燃料噴射時期において実行させる制御手段とを備える。
本発明の内燃機関の始動制御装置によれば、例えばフライホイールダンパを備えるディーゼルエンジンである内燃機関の始動時に、該内燃機関のエンジン回転数が、フライホイールダンパの共振周波数に相当する共振エンジン回転数において停留することで、該フライホイールダンパを含む内燃機関の共振が発生することの無いよう、燃料噴射の態様が調整される。言い換えれば、内燃機関の燃焼工程における(好ましくは、第1回の燃焼、つまり初爆時)のエンジン回転数が、前述の共振エンジン回転数を上回るよう、燃料噴射の態様が調整される。つまり、瞬間的に共振エンジン回転数を上回るエンジン回転数を実現することで、内燃機関の共振が抑制される。
本発明では特に、予測手段の動作により、該内燃機関に備えられるフライホイールダンパの共振周波数、つまり該共振周波数に相当する共振エンジン回転数の予測値が予め算出される。より具体的には、予測手段は、内燃機関における燃料噴射前に、環境に応じて随時変化し得るフライホイールダンパの共振周波数(ひいては、共振エンジン回転数)の予測値を予め算出するよう構成されている。
次に、算出手段の動作により、始動時における内燃機関の初爆による最大エンジン回転数が、前述のごとく算出された共振エンジン回転数の予測値を上回るよう、燃料噴射量及び燃料噴射時期が算出される。そして、内燃機関の初爆時において、算出された燃料噴射量及び燃料噴射時期において、燃料噴射が実行されるよう、制御手段によって、内燃機関に備えられる燃料噴射ポンプ或いは燃料噴射弁の動作が制御される。
このように、本発明によれば、フライホイールダンパの共振周波数、ひいては該共振周波数に相当する共振エンジン回転数を予測した上で、内燃機関の始動時における初爆によるエンジン回転数が、該共振エンジン回転数を上回るための燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出すると共に、該燃料噴射量及び該燃料噴射時期において初爆時の燃料噴射が実行される。つまり、前述の如く初爆時のエンジン回転数が、共振エンジン回転数を上回る量となるよう制御することで、瞬間的に上昇するエンジン回転数が共振エンジン回転数に停留することを好適に抑制し得る。結果、エンジン回転数が共振エンジン回転数で停留することで(つまり、フライホイールダンパを含む内燃機関が共振を行うことで)、内燃機関の回転に寄与する駆動トルクが低減してしまうとともに、エンジン回転数が落ち込んでしまうことを好適に抑制することが出来る。更には、燃料噴射前に予め共振エンジン回転数を予測することができるため、何らかの要因で共振エンジン回転数が変動してしまう場合であっても、内燃機関の始動時における初爆によるエンジン回転数が、該共振エンジン回転数を上回るための適切な燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出することができる。また、適切な燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出することで、燃料噴射量過多などに起因する、車両振動を引き起こしかねない程の急激なエンジン回転数の立ち上がりを防ぐと共に、燃料噴射量不足などに起因するエンジン回転数の落ち込みをも抑制可能である。
以上説明したように、本発明に係る内燃機関の始動制御装置によれば、内燃機関の始動時にフライホイールダンパを含む内燃機関が共振を起こすことを好適に抑制し、結果、エンジン回転数の落ち込みや始動時間の遅延などを低減させることが出来る。
本発明の内燃機関の始動制御装置の一の態様は、前記フライホイールダンパの共振周波数に影響を及ぼす環境情報を検出する検出手段を更に備え、前記予測手段は、前記環境情報に基づき、前記フライホイールダンパの共振周波数に相当する共振エンジン回転数の予測値を算出する。
共振周波数(及び共振エンジン回転数)は、内燃機関の使用状況、或いは、気温などの該内燃機関の周囲の環境状況によって、随時変動する可能性がある。例えば、外気温度が低下するにつれて、フライホイールダンパを構成するバネ部のバネ定数が増大し、共振周波数が上昇する。更には、駆動に起因する内燃機関の各部における経時変化或いは経時劣化なども共振周波数の変動の一因となり得る。そこで、この態様によれば、予測手段によるフライホイールダンパの共振周波数の予測値の算出に当たって、該フライホイールダンパの共振周波数に影響し得る車両及び環境状況などの環境情報に基づく演算を行うことで、より精度の高い算出結果を得ることが出来る。
ここに、フライホイールダンパの共振周波数に影響し得る環境情報とは、典型的には、フライホイールダンパに備えられるバネにおけるバネ定数に影響し得るパラメータであるが、これらのパラメータに限らず、フライホイールダンパの共振周波数に影響し得る車両及び環境状況を好適に媒介し得るパラメータであれば、本態様における予測値の算出に用いられて構わないものである。
本発明における予測手段、算出手段及び制御手段は、好適な一具体例としてECUが挙げられ、同じく検出手段の好適な一具体例である、当該内燃機関の始動制御装置が搭載される車両の各部に設置された各種センサ類と、機械的、物理的或いは電気的などの態様を採って接続されるとともに、該センサ類において検出される車両状況或いは環境状況を好適に媒介し得るデータの入力を受けるよう構成されていても良い。このような構成によれば、フライホイールダンパの共振周波数に影響し得る各種データに基づいた予測演算を行うことで、フライホイールダンパの共振周波数、ひいては共振エンジン回転数をより高い精度で好適に予測演算し得る。
従って、このように構成された内燃機関の始動制御装置においては、内燃機関の始動時に、共振エンジン回転数を予め算出したうえで、始動時の内燃機関の初爆時における最大エンジン回転数が、該共振エンジン回転数を超過するために適切な燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出することが出来る。
上述の如く環境情報に基づいて共振エンジン回転数の予測値が算出される内燃機関の始動制御装置の態様では、前記環境情報は、前記内燃機関の駆動回数、前記内燃機関の駆動時間、及び周囲の気温の少なくとも1つを含むように構成してもよい。
このように構成すれば、フライホイールダンパの共振周波数に影響を及ぼし得るこれらのパラメータに基づいて、共振エンジン回転数の予測値をより高精度に予測することができる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<基本構成>
始めに、図1を参照して、本発明の実施形態に係るエンジンシステム1の基本構成について一部その動作を交えて説明する。ここに、図1は、エンジンシステム1の構成を概略的に表してなるブロック図である。
始めに、図1を参照して、本発明の実施形態に係るエンジンシステム1の基本構成について一部その動作を交えて説明する。ここに、図1は、エンジンシステム1の構成を概略的に表してなるブロック図である。
図1において、エンジンシステム1は、図示せぬ車両に搭載され、エンジン100、エンジンスタータ110及びECU200を備える。
次に、同じく図1を参照して、エンジン100の構成を、その動作の一部と共に説明する。エンジン100は、本発明に係る「内燃機関」の一例であり、本発明の内燃機関の始動制御装置の一例であるエンジンスタータ110によって始動制御が行われる、典型的にはディーゼルエンジンである。エンジン100には、燃料噴射ポンプ102、燃料噴射弁103が備えられ、これらの動作によって駆動時の燃料供給が行われる。
また、エンジンシステム1には、典型的には、バッテリィによって駆動されることで、駆動トルクを取り出すことが可能なモータであるエンジンスタータ110が備えられており、該エンジンスタータ110は、エンジン100の回転軸たる図示せぬクランクシャフトと、その駆動トルクを伝動可能な態様で接続されており、エンジン110の始動時に駆動トルクを供給する。
更に、エンジン100には、図示せぬフライホイールが装着されるとともに、該フライホイールを介してフライホイールダンパ101が備えられる。フライホイールダンパ101は、固有の共振周波数を有しており、エンジン100におけるエンジン回転数がこの共振周波数に相当する共振エンジン回転数となった場合、フライホイールダンパ101及び該フライホイールダンパ101と物理的に接続されるエンジン100などはともに共振する。尚、このようなフライホイールダンパ101の共振周波数は、エンジン100周囲の環境(例えば、外気温など)、及び該エンジン100の使用状況(例えば、駆動回数或いは駆動時間など)に応じて随時変化することが知られている。
典型的には、フライホイールダンパ101の共振周波数に相当する共振エンジン回転数は、エンジン100のアイドル回転数に比して低く設定されるものであり(言い換えれば、アイドル回転数が、共振エンジン回転数を上回るようエンジンシステム1が設計される)、始動後には(つまり、エンジン回転数がエンジン100の全工程において、少なくともアイドル回転数以上となった時期以降には)、前述の共振は基本的には発生しない。しかしながら、始動時にエンジン回転数が上昇していくことで共振エンジン回転数領域に達した場合には、前述の共振が発生することとなる。
図2は、従来型の(つまり、本実施形態に依らない)エンジン始動時のエンジン回転数の時間的変化を示すグラフである。図2に示されるように、エンジン回転数と共振エンジン回転数とが合致した場合、前述の共振により、エンジン100の入力トルクがエンジン100の振動に消費され、回転に寄与する入力トルクが低減することから、エンジン回転数が落ち込む。このようなエンジン回転数の落ち込みによって、エンジン100の始動に要する時間(つまり、始動時間)が遅延してしまう。
このとき、エンジン100の始動時における第1回の燃焼によって達成される初爆最大回転数と、続く回転数の落ち込みとの間には図3に示される相関関係があることが知られている。図3は初爆最大回転数と回転数落ち込みとの相関を示すグラフであり、図3に示されるように、初爆時の最大回転数を増加させることで、回転数落ち込みが低減される。
再び図1に戻って、次にECU200の構成と動作の説明を行う。ECU200には、エンジン100に設置され、エンジン100におけるエンジン回転数を好適に検出し得るエンジン回転数センサ202、エンジンシステム1近傍の車両内部に設置され、設置点における気温を好適に検出し得る気温センサ203、及びエンジン100の駆動回数及び駆動時間などを好適に検出し得る使用状況センサ204が夫々接続され、各センサにおいて検出されたデータの入力を受けられるよう構成されている。このようなデータの入力を受け、ECU200は、エンジン100の始動時において、フライホイールダンパ101の共振周波数、ひいては共振エンジン回転数の予測値を演算するとともに、該共振エンジン回転数の予測値を上回るエンジン回転数を達成するための、エンジン100における初爆時の燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出する。また、ECU200は、検出されたエンジン100の駆動回数及び駆動時間などを格納可能なメモリ201を備えて構成される。
<動作原理>
続いて、図4を参照して、本実施形態に係るエンジンシステム1の動作についてより詳細に説明する。ここに、図4は、エンジンシステム1の動作全体を概念的に示すフローチャートである。
続いて、図4を参照して、本実施形態に係るエンジンシステム1の動作についてより詳細に説明する。ここに、図4は、エンジンシステム1の動作全体を概念的に示すフローチャートである。
基本的に、エンジンシステム1では、図示せぬイグニションスイッチの操作などによって、車両のドライバから始動要求が与えられた際には、典型的にはバッテリィ駆動のモータであるエンジンスタータ110が駆動されることで動力がエンジン100に伝動されると共に、エンジン100も駆動することでエンジン回転数が上昇していく。このような始動要求を受けて、本発明に係るエンジンシステムの動作が開始される。
図4に示されるように、エンジン始動要求を受けたエンジンシステム1において、エンジンスタータ110が駆動されることで、エンジン100が回転を開始して始動が行われる(ステップS101)。このとき、気温センサ203において検出されるエンジン100周囲の外気温、及び使用状況センサ204において取得される、エンジン100の駆動回数及び駆動時間などの環境情報データが、ECU200に入力される(ステップS102)。ここで、エンジン100の駆動回数及び駆動時間の取得は、例えば、後述する工程においてメモリ201に格納される過去のエンジン100の駆動回数及び駆動時間を示すデータを取得することなどによって行われる。
続いて、ECU200において、入力された環境情報データに基づき、例えば予め設定されたマップを参照するなどの演算によって、フライホイールダンパ107の共振周波数、ひいては該共振周波数に相当する共振エンジン回転数の算出が行われる(ステップS103)。更に、算出された共振エンジン回転数を上回る初爆最大回転数が達成されるための適切な初爆時の燃料噴射量及び燃料噴射時期の算出が行われる(ステップS104)。
そして、ECU200の制御の下、算出された初爆時の燃料噴射量及び燃料噴射時期が実現されるよう、燃料噴射ポンプ102及び燃料噴射弁103が駆動され、エンジン100における第1回の燃料噴射、及び燃焼工程(すなわち、初爆)が行われる(ステップS105)。この初爆によってトルク入力を受けたエンジン100のエンジン回転数は、好適には、共振エンジン回転数の予測値を瞬間的に上回り、従って、共振エンジン回転数領域で停留することなく、エンジン100の共振を抑制することが出来る。
その後、今回の動作におけるエンジン100の駆動回数或いは駆動時間などのパラメータの変動分が、ECU200に備えられるメモリ201などに記憶される(ステップS106)。このような記憶の態様は、その一具体例として、エンジン回転数を監視することなどによって検出されるエンジン100の駆動状況が、エンジン100の駆動中には、随時、時間の経過が蓄積され、エンジン100の停止時(すなわち、エンジン回転数が零となった時点)に、蓄積された駆動時間がメモリ201に格納されるとともに、格納されていた駆動時間及び駆動回数に加算されることなどによって行われる。次回以降の始動動作において、これらの記憶されたパラメータが読み取られることで、ステップS102における環境情報データの取得動作が行われるよう構成される。
このように、始動動作毎に、フライホイールダンパ101の共振周波数を、その変動要因となり得る車両の周辺環境及びエンジン状況を媒介し得る数値データに基づいて予測演算を行い、第1回の燃焼工程において、該共振周波数に相当する共振エンジン回転数を上回るエンジン回転数が達成されるよう、適切な燃料噴射量及び時期を算出することで、共振が発生することによるエンジン回転数の落ち込み、及びそれに伴う始動時間の遅延を低減出来るとともに、過多な燃料噴射による燃費の悪化、及びエンジン回転数の急激な立ち上がりとそれに起因する車両振動をも抑制することが可能となる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の始動制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…エンジンシステム、100…エンジン、101…フライホイールダンパ、102…燃料噴射ポンプ、103…燃料噴射弁、110…エンジンスタータ、200…ECU、201…メモリ、202…エンジン回転数センサ、203…気温センサ
Claims (3)
- フライホイールダンパを備える内燃機関の始動制御装置であって、
前記内燃機関の始動時に、燃料噴射を行う前に、前記フライホイールダンパの共振周波数に相当する共振エンジン回転数の予測値を算出する予測手段と、
前記内燃機関の始動時におけるエンジン回転数が前記共振エンジン回転数の予測値を超過するように、燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出する算出手段と、
少なくとも第一回の燃料噴射を、算出された前記燃料噴射量及び前記燃料噴射時期において実行させる制御手段と
を備える内燃機関の始動制御装置。 - 前記フライホイールダンパの共振周波数に影響を及ぼす環境情報を検出する検出手段を更に備え、
前記予測手段は、前記環境情報に基づき、前記フライホイールダンパの共振周波数に相当する共振エンジン回転数の予測値を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の始動制御装置。 - 前記環境情報は、前記内燃機関の駆動回数、前記内燃機関の駆動時間、及び周囲の気温の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の始動制御装置。
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