JP2010255548A - エンジン停止始動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの始動装置の作動要否を好適に判定し、必要でないのに始動装置が駆動されることによる不都合を抑制する。
【解決手段】ECU40は、エンジン10の再始動要求タイミングでのエンジン回転速度を始動要求時回転速度として検出するとともに、エンジン10の再始動要求後エンジン回転速度が上昇に転じたタイミングでのエンジン回転速度を上昇時回転速度として検出する。また、ECU40は、始動要求時回転速度と、予め定めた許容下限値よりも高回転側に設定されスタータ37の作動要否を判定するためのしきい値である始動判定値との比較結果に基づいて、エンジン10をスタータ37により始動するか、又はエンジン10の燃焼制御の再開によりエンジン10を始動する。そして、ECU40は、始動判定値を、過去のエンジン再始動における上昇時回転速度と許容下限値とに基づいて変更する。
【選択図】図1
【解決手段】ECU40は、エンジン10の再始動要求タイミングでのエンジン回転速度を始動要求時回転速度として検出するとともに、エンジン10の再始動要求後エンジン回転速度が上昇に転じたタイミングでのエンジン回転速度を上昇時回転速度として検出する。また、ECU40は、始動要求時回転速度と、予め定めた許容下限値よりも高回転側に設定されスタータ37の作動要否を判定するためのしきい値である始動判定値との比較結果に基づいて、エンジン10をスタータ37により始動するか、又はエンジン10の燃焼制御の再開によりエンジン10を始動する。そして、ECU40は、始動判定値を、過去のエンジン再始動における上昇時回転速度と許容下限値とに基づいて変更する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジン停止始動制御装置に関するものである。
従来、例えばアクセル操作やブレーキ操作などといった停車又は発進のための動作等を検知してエンジンの自動停止及び自動再始動を行う、所謂アイドルストップ機能を備えるエンジン制御システムが知られている。このアイドルストップ制御により、エンジンの燃費低減等の効果を図っている。
アイドルストップ制御においては種々の技術が提供されている。例えば、エンジン自動停止後の再始動時において、その始動要求時のエンジン回転速度に基づいてエンジンの始動態様を変更するものがある(例えば特許文献1参照)。特許文献1のエンジンの自動停止再始動制御では、エンジン自動再始動を行う場合、その始動要求時のエンジン回転速度がしきい値よりも低い場合にはスタータによりエンジン始動を行い、同しきい値よりも高い場合にはスタータを作動させることなく燃料供給の再開によりエンジン始動を行う。これにより、スタータの作動頻度を低減させるようにしている。
この特許文献1においては、エンジン再始動時にスタータを作動させるか否かを判定するためのしきい値を、エンジン暖機状態や補機の作動状況、発電機の負荷状態によって定めている。すなわち、エンジン回転速度の低下速度に応じて同しきい値を設定しており、エンジン回転速度の低下速度が大きいほど(例えばエンジン冷却水温が低いほど)しきい値を大きくしている。
エンジン始動要求が行われてから燃焼開始によりエンジン回転速度が上昇側に転じるまでには時間遅れが生じ、その遅れ時間でのエンジン回転速度の落ち込み量はエンジンの個体差(機差)により異なると考えられる。一方、上記特許文献1のように、エンジン暖機状態や補機の作動状況等に応じてスタータ要否判定のためのしきい値をそれぞれのエンジンで一律に設定する構成では、同しきい値の設定においてエンジンの個体差が好適に反映されず、結果として同しきい値を各エンジンに応じた適切な値に設定できないことが考えられる。その場合、燃焼によりエンジン始動可能であるにもかかわらずスタータが作動されたり、また逆に、燃焼によるエンジン始動ができない状況であるにもかかわらずスタータが作動されなかったりすることが考えられる。特に、スタータの作動回数が多くなると、スタータ作動による電力消費が多くなることや、スタータの磨耗が促進されることが懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、エンジンの始動装置の作動要否を好適に判定することができ、ひいては必要でないのに始動装置が駆動されることによる不都合を抑制することができるエンジン停止始動制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、エンジンの出力軸に初期回転を付与する始動装置を備えるエンジンに適用され、所定の自動停止条件が成立した場合に前記エンジンを自動停止し、前記エンジンの自動停止中に所定の始動条件が成立した場合に前記エンジンを再始動するエンジン停止始動制御装置に関するものである。そして、請求項1に記載の発明は、前記エンジンの再始動要求タイミングでのエンジン回転速度を始動要求時回転速度として検出する要求時回転速度検出手段と、前記エンジンの再始動要求後エンジン回転速度が上昇に転じたタイミングでのエンジン回転速度を上昇時回転速度として検出する上昇時回転速度検出手段と、前記始動要求時回転速度と、予め定めた許容下限値よりも高回転側に設定され前記始動装置の作動要否を判定するためのしきい値である始動判定値との比較結果に基づいて前記エンジンを前記始動装置により始動するか、又は前記エンジンの燃焼制御の再開により前記エンジンを始動する始動制御手段と、前記始動判定値を、過去のエンジン再始動における前記上昇時回転速度と前記許容下限値とに基づいて変更する判定値変更手段と、を備えることを特徴とする。
要するに、エンジンの自動停止再始動制御において、始動装置の劣化や電力消費を抑制する観点からすると、始動装置の作動頻度をできるだけ少なくするのが望ましい。そのため、始動装置の作動要否を判定するしきい値としての始動判定値は、始動装置の作動なしで確実にエンジン再始動できる範囲においてできるだけ低回転側に設けるのが望ましい。ここで、過去のエンジン再始動において、実際の始動タイミングにおけるエンジン回転速度の下限値として予め定めた許容下限値よりも、同タイミングでの計測値(上昇時回転速度)の方が大きかった場合には、始動判定値を低回転側に変更することが可能であり、その変更により始動装置が作動されにくくなると考えられる。
その点に鑑み、本発明では、過去のエンジン再始動時の上昇時回転速度と許容下限値との履歴に基づいて始動判定値を変更する。つまり、そのエンジンにおいて、許容下限値に対して上昇時回転速度に余裕があれば、その余裕分を上限として始動判定値を低回転側に変更する。また逆に、上昇時回転速度が許容下限値を下回った場合には、始動判定値を高回転側に変更する。これにより、始動判定値を、そのエンジンに応じて適切な値に設定することができ、ひいては必要なときに始動装置を作動させるとともに、必要でないのに始動装置が作動されるのを抑制することができる。
エンジン回転速度の変化に対する回転エネルギの変化量はエンジン回転速度に応じて異なり、高回転側ほど、エンジン回転速度の変化に対するエネルギ変化量が大きくなる。その点に鑑み、請求項2に記載の発明は、前記判定値変更手段が、前記上昇時回転速度に基づき算出される回転エネルギと前記許容下限値に基づき算出される回転エネルギとの偏差に基づいて前記始動判定値を変更する。この構成によれば、許容下限値に対する上昇時回転速度の余裕分を回転エネルギに置き換え、その余裕分のエネルギに基づいて始動判定値を変更するため、始動判定値の算出精度を高めることができる。
エンジン再始動要求タイミングでのエンジン回転速度(始動要求時回転速度)と始動判定値との差が大きいほど、許容下限値に対する上昇時回転速度の余裕分が見かけ上大きくなる。すなわち、許容下限値と上昇時回転速度との差分が同じであれば、始動要求時回転速度と始動判定値との差が大きいほど、許容下限値に対する上昇時回転速度の実際の余裕分が小さいと言える。その点に鑑み、請求項3に記載の発明は、前記判定値変更手段が、過去のエンジン再始動時の前記始動要求時回転速度と前記始動判定値との関係に応じて前記許容下限値に対する前記上昇時回転速度の余裕分を算出し、該余裕分に応じて前記始動判定値を変更する。こうすることで、エンジン回転速度の落ち込みタイミングでの実際の余裕分を正確に算出することができ、結果として始動判定値の設定をより適正に行うことができる。
エンジン始動要求が行われてから燃焼開始によりエンジン回転速度が上昇側に転じるまでに生じるエンジン回転速度の落ち込み量(回転落込量)は、エンジンの個体差だけでなく、エンジン再始動要求タイミングでのエンジン出力軸の回転角度(クランク角度)に応じて異なると考えられる。これは、エンジンの再始動要求後に燃焼が行われる気筒において、再始動要求タイミングのクランク角度が異なると、その始動要求から燃焼開始までの期間の長さが相違するからである。
その点に鑑み、請求項4に記載の発明は、前記エンジンの再始動要求タイミングでの前記出力軸の回転位置に対応づけて前記始動判定値を記憶する第1の記憶手段を備え、前記判定値変更手段が、前記再始動要求タイミングでの前記出力軸の回転位置に応じて前記第1の記憶手段から前記始動判定値を読み出し、該読み出した前記始動判定値を変更する。この構成によれば、始動判定値を、エンジン再始動要求タイミングでのクランク角度ごとに、その回転落込量に応じた適正な値に設定することができる。また、エンジン再始動要求タイミングでのクランク角度ごとに過去の履歴に基づく始動判定値の変更を実施することにより、クランク角度に応じてエンジン個体差による始動判定値への影響度合いが異なる場合であっても、その影響度合いの差異によることなく始動判定値を適正な値に設定することができる。
また、回転落込量は、例えば気筒の圧縮負荷、エンジンフリクション、出力軸の回転負荷といったエンジン又はエンジン駆動補機の運転状態に応じて異なる。その点に鑑み、請求項5に記載の発明は、前記エンジンの再始動要求タイミングでの該エンジン又はエンジン駆動補機の運転状態に対応づけて前記始動判定値を記憶する第2の記憶手段を備え、前記判定値変更手段が、前記再始動要求タイミングでの前記エンジン又はエンジン駆動補機の運転状態に応じて前記第2の記憶手段から前記始動判定値を読み出し、該読み出した前記始動判定値を変更する。この構成によれば、始動判定値を、エンジン再始動要求タイミングでのエンジン又はエンジン駆動補機の運転状態に応じて適切な値に設定することができる。また、エンジン再始動要求タイミングのエンジン運転状態等ごとに過去の履歴に基づく始動判定値の変更を実施することにより、エンジン運転状態等に応じてエンジン個体差による始動判定値への影響度合いが異なる場合であっても、その影響度合いの差異によることなく始動判定値を適正な値に設定することができる。
上述したように、エンジンの高回転側では、低回転側に比べてエンジン回転速度の変化に対するエネルギ変化量が大きくなる。したがって、始動判定値に対し比較的高回転でエンジン再始動要求があったときの履歴を用いて始動判定値を変更すると、始動判定値の算出誤差が大きくなることが考えられる。したがって、請求項6に記載の発明のように、前記判定値変更手段が、前記要求時回転速度が前記始動判定値を含む所定の低回転範囲内のときの前記上昇時回転速度を用いて前記始動判定値を変更する構成とするとよい。
以下、本発明を具体化した実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、車載多気筒ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしている。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御、アイドルストップ制御等を実施する。このエンジン制御システムの全体概略を示す構成図を図1に示す。
図1に示すエンジン10において、吸気管11(吸気通路)の最上流部にはエアクリーナ12が設けられ、エアクリーナ12の下流側には吸入空気量を検出するためのエアフロメータ13が設けられている。エアフロメータ13の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ15によって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ15に内蔵されたスロットル開度センサにより検出される。
スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられ、このサージタンク16には、吸気管圧力を検出するための吸気管圧力センサ17が設けられている。また、サージタンク16には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド18が接続されており、吸気マニホールド18において各気筒の吸気ポート近傍には燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁19が取り付けられている。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートには、それぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられている。この吸気バルブ21の開動作により空気と燃料との混合気が燃焼室23内に導入され、排気バルブ22の開動作により燃焼後の排ガスが排気管24(排気通路)に排出される。
エンジン10のシリンダヘッドには気筒毎に点火プラグ27が取り付けられている。点火プラグ27には、点火コイル等よりなる点火装置(図示略)を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ27の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
本システムには、スタータ37や交流発電機39、空調装置(エアコン)25といった補機類が各種設けられている。スタータ37は、バッテリ38と電気的に接続されており、ECU40からの指令信号に基づきバッテリ38から電力が供給されることでクランキングを開始してエンジン10を始動させる。交流発電機39は、エンジン10の出力軸としてのクランク軸35の回転に伴い交流電圧を誘起する。また、エアコン25は、エアコンスイッチがオンされた場合に図示しないコンプレッサがエンジン10により駆動され、これにより車内の空調を行う。
その他、本システムには、エンジン冷却水温を検出する冷却水温センサ34や、エンジン20の所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力することによりクランク軸35の回転位置(クランク角度)を検出するクランク角度センサ36、車両速度を検出する車速センサ32などが取り付けられている。冷却水温センサ34からのエンジン冷却水温、クランク角度センサ36からのクランク角度及びその検出値に基づき算出されるエンジン回転速度Ne、車速センサ32からの車速等といったエンジン10の運転状態を検出する各種センサからの信号は、電子制御ユニット40(以下、ECU40という)に入力される。
ECU40は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)41を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。すなわち、ECU40のマイコン41は、前述した各種センサなどから各々検出信号を入力し、それらの各種検出信号に基づいて燃料噴射量や点火時期等を演算して燃料噴射弁19や点火装置の駆動を制御したり、あるいはアイドルストップ制御を実施したりする。
アイドルストップ制御についてマイコン41は、所定のエンジン停止条件が成立した場合に燃料噴射及び点火を停止してエンジン10の自動停止を行う。また、エンジン停止中に所定のエンジン始動条件が成立した場合に、スタータ37によるクランキングによりエンジン10に初期回転を付与するとともに、燃料噴射及び点火を再開してエンジン10の自動再始動を行う。ここで、エンジン停止条件としては、例えばアクセルオフであること、ブレーキオンであること、車速が所定車速以下(例えば20km/h以下)であること等とする。また、エンジン始動条件としては、例えばアクセルオンであること、ブレーキオフであること等とする。
また、本実施形態では、車両停止中だけでなく車両減速中においてもアイドルストップ制御を実施する。具体的には、例えば中高速走行時にブレーキが踏み込まれて燃料カット制御に移行した場合、燃料供給の停止に伴い車両が次第に減速していく。そして、車速がエンジン停止の許可車速以下になったこと、ブレーキオンであること等を条件にエンジン10の自動停止を実施する。
ここで、アイドルストップ制御において、エンジン10の停止要求が生じた後、エンジン10が完全停止する前に(エンジン回転速度Neがゼロになる前に)エンジン10の再始動要求が行われることがある。特に、車両減速中にアイドルストップ制御を実施する車両では、車両停止中にのみ同制御を実施する車両に比べ、エンジン回転速度Neがゼロになる前にエンジン自動停止及び再始動が行われる可能性が高くなると考えられる。本システムでは、エンジン再始動を実施するのにあたり、その再始動時のエンジン回転速度Neに応じてエンジン10の始動態様を決定している。
具体的には、エンジン10の始動要求時のエンジン回転速度Neが所定値(始動判定値Neth)よりも低い場合には、スタータ37を駆動させてクランク軸35に回転力を付与することでエンジン始動を行う。一方、始動要求時のエンジン回転速度Neが始動判定値Neth以上の場合にはスタータ37を作動させず、燃料供給の再開により(自立復帰により)エンジン始動を行う。
ここで、始動判定値Nethについて本実施形態では、エンジン10の始動要求が行われてから燃焼開始によりエンジン回転速度Neが上昇に転じるまでに時間遅れが生じることに鑑み、その遅れ時間で生じるエンジン回転速度Neの低下分(回転落込量ΔNE)を考慮して設定してある。
図2は、エンジン再始動要求があった場合のエンジン回転速度Neの推移を示すタイムチャートである。なお、図2では、自立復帰によりエンジン再始動が実施された場合を想定している。
図2において、エンジン10の停止要求後であってエンジン回転速度Neがゼロになる前のタイミングt11でエンジン10の再始動要求が行われた場合、その再始動要求に伴い燃料供給が再開されるものの、初回の燃焼(初爆)が実際に実施されるタイミングt12までの遅れ時間TAではエンジン回転速度Neの低下が継続され、同時間TAにおいて回転落込量ΔNEだけ低下する。そこで本実施形態では、スタータ37の作動なしでのエンジン再始動を許容するエンジン回転速度の下限値として予め定めた許容下限値Nelowminに対し、エンジン再始動要求後におけるエンジン回転速度Neの落ち込み分を予め上乗せしておき、これを始動判定値Nethとしてある。
なお、許容下限値Nelowminは、燃焼開始に伴う振動や燃焼開始時におけるもたつき感を抑制する観点から定めた値であり、例えば50〜100rpmとする。
ところで、遅れ時間TAでの回転落込量ΔNEは種々の要因によって変動し、その要因の一つとして、エンジン10の製造ばらつきや経時変化等により生じるエンジン10の個体差が挙げられる。具体的には、例えば図3に示すように、エンジン再始動要求タイミングt21においてエンジン回転速度Neが始動判定値Nethを下回っている場合、あるエンジン(エンジンA)では、図中の一点鎖線で示すように、タイミングt21以降での回転落込量ΔNEAが大きく、スタータ37の作動によりエンジン回転速度Neの低下が停止されたタイミングt22においてエンジン回転速度Neが許容下限値Nelowminを下回っている。一方、別のエンジン(エンジンB)では、エンジンAと同じ条件であっても、図中の実線で示すように、その後の回転落込量ΔNEBが小さく、タイミングt22においてエンジン回転速度Neが許容下限値Nelowminを下回らないことが考えられる。この場合、エンジンBでは、タイミングt22でのエンジン回転速度NeBと許容下限値Nelowminとの関係において、回転速度NeBが許容下限値Nelowminよりも大きいにもかかわらず、スタータ37によるエンジン再始動が実施される。つまり、スタータ37の作動が必要でないにもかかわらずスタータ37が作動され、その結果、スタータ37の磨耗が促進されたり電力消費が多くなったりすることが考えられる。
上記問題に対し、本発明者らは、エンジンごとの回転落込量ΔNEの差異を過去の記録(履歴)に基づき学習することとし、具体的には、自立復帰によるエンジン再始動の過去の実施において、エンジン回転速度Neが上昇に転じたタイミングでのエンジン回転速度である上昇時回転速度Neminが許容下限値Nelowminよりも大きい場合、当該エンジン10では、許容下限値Nelowminに対する上昇時回転速度Neminの余裕分を上限として始動判定値Nethを低回転側に変更できると考え、本発明を完成するに至った。
すなわち、本実施形態では、過去のエンジン再始動における上昇時回転速度Neminと許容下限値Nelowminに基づいて始動判定値Nethを変更する。具体的には、エンジン回転速度Neがゼロになる前にエンジン再始動要求があり、かつ自立復帰によるエンジン再始動を行った場合の上昇時回転速度Nemin及び許容下限値NelowminをNe履歴情報として予め記憶しておき、その履歴情報に基づいて始動判定値Nethの学習を行う。これにより、エンジン個体差を要因とする回転落込量ΔNEの差異を始動判定値Nethに反映させるようにする。
始動判定値Nethの学習に際し、特に本実施形態では、エンジン回転速度Neに応じて回転エネルギErが異なることに着目し、エンジン回転速度Neの余裕分を回転エネルギErに置き換え、その回転エネルギErに基づいて始動判定値Nethを算出する。これにより、過去のエンジン再始動時のNe履歴情報に基づき算出される始動判定値Nethの算出精度を高めている。
始動判定値Nethの具体的な算出方法を以下説明する。図4は、始動判定値Nethの算出方法を説明するためのタイムチャートである。なお、図4では、エンジン再始動要求が始動判定値Nethよりも大きいエンジン回転速度でなされ、かつ再始動要求後エンジン回転速度Neが上昇に転じるタイミング(Ne落ち込み点)の回転速度である上昇時回転速度Neminが許容下限値Nelowminよりも大きい場合を想定している。
図4において、Ne落ち込み点(図中のA点)での回転エネルギの余裕分ΔEmargineは下記式(1)で表される。
また、図4ではエンジン再始動要求が始動判定値Nethよりも大きいエンジン回転速度Neでなされた場合を想定しているから、エンジン10の再始動要求タイミング(図中のB点)において始動判定値Nethで再始動要求があった場合には、Ne落ち込み点(A)での回転エネルギが、下記式(2)で表される量だけ低下する。
したがって、Ne落ち込み点(A)では、回転エネルギErの実際の余裕分(実余裕エネルギ)ΔEnenewとして、下記式(3)で表される量が存在する。
つまり、Ne落ち込み点(A)での回転エネルギが、今現在の値よりもΔEnenewだけ低い場合であっても、スタータ37の作動なしでエンジン再始動を行うことが可能と言える。これらを考慮すると、学習後の始動判定値Nenewは下記式(4)で表すことができる。
上記考えを基に本実施形態では、以下に示す履歴保存処理及び判定値学習処理を実施している。このうち、履歴保存処理は、エンジン回転速度Neがゼロになる前にエンジン再始動要求があり、かつその再始動が自立復帰により行われた場合に、そのときのエンジン再始動要求タイミングでの回転速度(再始動要求回転速度Nestart)及びNe落ち込み点での回転速度(上昇時回転速度Nemin)をNe履歴情報として記憶・保存する処理である。一方、判定値学習処理は、履歴保存処理にて保存されたNe履歴情報を用いて始動判定値Nethの再設定を行う処理である。
まず、履歴保存処理について説明する。図5は、履歴保存処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、ECU40のマイコン41により所定周期毎に実行される。
図5において、まずステップS10では、再始動フラグFstaが値1か否かを判定する。再始動フラグFstaは、エンジン自動停止の実行開始後にエンジン始動条件が成立したことを示すフラグであり、同条件が成立した場合に値1にセットされる。再始動フラグFstaが値0であることを条件にステップS11へ進む。
ステップS11では、エンジン10の自動停止要求に伴いエンジン自動停止の実行中か否かを判定し、ステップS12で、エンジン始動条件が成立したか否かを判定する。ステップS11及びステップS12で肯定判定された場合、ステップS13へ進み、再始動フラグFstaに値1をセットする。また、ステップS14で、エンジン始動条件成立時にクランク角度センサ36の検出値に基づき算出されるエンジン回転速度Ne(始動要求時回転速度Nestart)が始動判定値Nethよりも大きいか否かを判定する。始動要求時回転速度Nestartが始動判定値Nethよりも大きい場合、つまりエンジン回転速度Neがゼロになる前にエンジン再始動要求があり、かつ自立復帰によるエンジン再始動を実施した場合にはステップS15へ進み、始動要求時回転速度Nestartが所定の学習範囲S1内にあるか否かを判定する。
ここで、所定の学習範囲S1は、Ne履歴情報に基づく始動判定値Nethの学習を許可する回転速度として予め定めた範囲であり、本実施形態では、例えば図6に示すように、始動判定値Nethの現在値を下限とする回転速度変化幅αの領域を学習範囲S1に設定してある。これは、始動判定値Nethに対して十分に高回転側では、回転速度Neの変化量に対する回転エネルギErの変化量ΔErがNeth近傍の回転速度域よりも大きいため、比較的高回転でエンジン再始動要求があったときの履歴を用いて始動判定値Nethの学習を実施すると、始動判定値Nethの算出誤差が大きくなるからである。
また、本実施形態では、図6に示すように、エンジン10の再始動後最初の燃焼気筒(初爆が行われる気筒)における点火までのクランク回転角度ΔCAに対応づけて始動判定値Nethを記憶しており、これに伴い学習範囲S1を、最初の燃焼気筒における点火までの回転角度に応じて可変に設定してある。
最初の燃焼気筒における点火までのクランク回転角度に対応づけて始動判定値Nethを記憶しておくのは以下の理由からである。上述したように、エンジン10の再始動要求タイミングから燃焼開始によりエンジン回転速度NEが上昇側に転じるまでに生じるエンジン回転速度の落ち込み量ΔNEは種々の要因によって変動する。その要因として、エンジン個体差以外に、エンジン再始動後最初の燃焼気筒において、エンジン再始動要求があったときのクランク角度から同気筒の最初の点火タイミングまでのクランク軸35の回転角度(クランク回転角度)ΔCAの差異が含まれる。これは、点火タイミングまでのクランク回転角度が大きいほど遅れ時間TAが長くなり、結果として回転落込量ΔNEが大きくなるからである。なお、再始動時の点火タイミングが固定であれば、エンジン再始動要求時のクランク角度が進角側ほど遅れ時間TAが長くなり回転落込量ΔNEが大きくなる。したがって、本実施形態では、エンジン再始動後最初の燃焼気筒における点火タイミングまでのクランク回転角度ΔCAが大きいほど(エンジン再始動要求時のクランク角度が進角側ほど)、始動判定値Nethを大きく設定し、かつ学習範囲S1を高回転側に設定してある。
なお、エンジン再始動後最初の燃焼気筒とは、エンジン再始動要求後最初に燃料噴射が可能とされる気筒であり、例えばエンジン再始動要求時のクランク角度CAstartが吸気上死点前の所定回転角度内にある気筒をいう。
図5の説明に戻り、始動要求時回転速度Nestartが所定の学習範囲S1内にある場合にはステップS15で肯定判定がなされ、ステップS16へ進み、以下に示す判定値学習処理により今回のエンジン再始動の履歴を用いて始動判定値Nethの学習を行うべく、そのときの始動要求時回転速度Nestartを例えばECU40の所定場所に記憶する。併せて、エンジン再始動後最初の燃焼気筒におけるエンジン再始動要求タイミングでのクランク角度CAstartを記憶する。
その後、ステップS17で、エンジン回転速度Neが上昇に転じたか否かを判定し、上昇に転じた場合にはステップS18へ進み、エンジン回転速度Neが上昇に転じたタイミングでのエンジン回転速度Neとしての上昇時回転速度Neminをクランク角度センサ36の検出値に基づき算出し、同値を始動要求時回転速度Nestartに対応する場所に記憶する。また、始動時フラグFstaを値0にリセットする。
なお、本実施形態では、自立復帰によるエンジン再始動が成功したか失敗したかに関わらず、そのときのNe履歴情報を記憶するとともに、今回記憶したNe履歴情報が、自立復帰によるエンジン再始動成功時のものか失敗時のものかを併せて記憶する。つまり、始動要求時回転速度Nestartが始動判定値Neth以上であったにもかかわらず自立復帰によるエンジン再始動の際にエンジンストール(エンスト)した場合、始動要求時回転速度Nestartが学習範囲S1内にあればそのときのNe履歴情報を記憶し、同情報に基づいて以下の判定値学習処理により始動判定値Nethを再設定する。
次に、判定値学習処理について説明する。図7は、判定値学習処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、ECU40のマイコン41により所定周期毎に実行される。
図7において、まずステップS20では、始動判定値Nethの学習タイミングか否かを判定する。本実施形態では、上記の履歴保存処理にてNe履歴情報を記憶した場合に学習タイミングと判定する。始動判定値Nethの学習タイミングであればステップS21へ進み、記憶したNe履歴情報(Nestart,Nemin)及びCAstartを読み出す。
ステップS22では、Ne落ち込み点での回転エネルギの余裕分である実余裕エネルギΔEnenewを上記式(1)〜式(3)を用いて算出する。また、ステップS23では、算出した実余裕エネルギΔEnenewの正負を判定する。実余裕エネルギΔEnenewが正の値の場合にはステップS24へ進み、読み出したデータ(Nestart,Nemin,CAstart)が再始動成功時のデータか、あるいは失敗時のデータかを判定する。再始動成功時のデータであれば、ステップS25へ進み、読み出した各値に基づいて学習値Nenewを算出する。
学習値Nenewの算出について本実施形態では、上記式(4)を簡略化した下記の式(5)に基づいて算出する。
あるいは、下記式(6)又は式(7)により学習値Nenewを算出してもよい。
一方、読み出したデータが再始動失敗時のデータであれば、ステップS26へ進み、現在の始動判定値Nethに所定値βを加えた値を学習値Nenewとする。なお、所定値βは一定値としてもよいし、あるいは上昇時回転速度Neminと許容下限値Nelowminとの差分や、実余裕エネルギΔEnenewに応じて可変にしてもよい。
ステップS27では、始動判定値Nethを算出した学習値Nenewで更新する。更新に際し本実施形態では、始動判定値Nethの学習を始動要求タイミングでのクランク角度CAstartごとに個別に実施している。具体的には、クランク角度を所定角度ごとに複数領域に分割しておき、学習値Nenewの算出に用いたNe履歴情報に関連するクランク角度CAstartを含む領域の始動判定値Nethを、算出した学習値Nenewで更新する。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果を有する。
エンジン回転速度Neがゼロになる前にエンジン再始動要求があり、かつ自立復帰によるエンジン再始動が実施された場合に、その再始動時の再始動要求回転速度Nestart及び上昇時回転速度NeminをNe履歴情報として記憶し、その記憶したNe履歴情報に基づいて始動判定値Nethの学習を実施する構成としたため、始動判定値Nethをエンジン10に応じて適切な値に設定することができる。したがって、エンジン再始動時における始動態様をその再始動タイミングでのエンジン回転速度Nestartに応じて適正に定めることができる。その結果、必要なときにスタータ37を駆動させるとともに、必要でないのにスタータ37が駆動されるのを抑制することができる。
許容下限値Nelowminに対する上昇時回転速度Neminの余裕分を実余裕エネルギΔEnenewとして表し、その実余裕エネルギΔEnenewに基づいて始動判定値Nethの学習を実施する構成としたため、始動判定値Nethの算出精度を高めることができる。
実余裕エネルギΔEnenewを、上昇時回転速度Neminと許容下限値Nelowminとの関係に基づき算出される回転エネルギΔEmaigineから、始動要求時回転速度Nestartと始動判定値Nethとの関係に基づき算出される回転エネルギΔEstrtreqを差し引くことにより算出したため、エンジン回転速度Neの落ち込み点における実際の余裕分を正確に算出することができる。
エンジン10の再始動後最初の燃焼気筒における点火までのクランク回転角度ΔCA(再始動時における点火タイミングが固定であればエンジン再始動要求タイミングでのクランク角度CAstart)に応じて始動判定値Nethを可変に設定する構成としたため、エンジン再始動要求タイミングでのクランク角度CAstartの差異に起因する回転落込量ΔNEの差異に応じて始動判定値Nethを設定することができる。
Ne履歴情報に基づく始動判定値Nethの学習を、エンジン再始動後最初の燃焼気筒におけるエンジン再始動要求タイミングでのクランク角度CAstartごとに個別に実施する構成としたため、始動判定値Nethをクランク角度CAstartに応じた適正な値にすることができる。また、回転落込量ΔNEにおいて、クランク角度CAstartごとにエンジン個体差による影響度合いが異なる場合に、その影響度合いの差異によることなく各クランク角度CAstartの始動判定値を設定することができる。
始動要求時回転速度Nestartが所定の学習範囲S1内にある場合にNe履歴情報に基づく始動判定値Nethの学習を実施する構成としたため、始動判定値Nethの算出誤差が小さくなり、結果として始動判定値Nethの学習精度を高めることができる。
自立復帰によるエンジン再始動が失敗した場合についても始動判定値Nethの学習を実施する構成としたため、始動判定値Nethを高回転側に変更することができる。これにより、自立復帰によるエンジン再始動が実施されにくくなり、スタータ37の作動を必要とするときにスタータ37の作動を確実に実施させることができる。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
本発明は、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・再始動要求タイミングでのエンジン10又はエンジン駆動補機の運転状態に対応づけて始動判定値Nethを記憶する構成とし、Ne履歴情報に基づく始動判定値Nethの学習を、再始動要求時のエンジン運転状態等に応じて個別に実施する。ここで、回転落込量ΔNEは、エンジン個体差やエンジン再始動要求タイミングでのクランク角度CAstartの他に、例えば気筒の圧縮負荷、エンジンフリクション、出力軸としてのクランク軸35の回転負荷といったエンジン10又はエンジン駆動補機の運転状態に応じて異なる。したがって、エンジン運転状態等に対応づけて始動判定値Nethを設定するとよい。また、過去のエンジン再始動時のNe履歴情報を用いて始動判定値Nethの学習を行う際には、エンジン再始動要求時のエンジン運転状態等ごとに実施するとよい。これにより、始動判定値Nethをより適正な値にすることができる。
なお、気筒の圧縮負荷の判定は、例えばスロットル開度センサにより検出されるスロットル開度や、吸気管圧力センサ17により検出される吸気管圧力に基づいて行う。また、エンジンフリクションの判定は、例えば冷却水温センサ34により検出されるエンジン冷却水温に基づいて行う。クランク軸35の回転負荷の判定は、例えばエアコン25や交流発電機39の駆動状態に基づいて行う。
・図7のステップS27で始動判定値Nethを学習値Nenewで更新する場合、現在の始動判定値Nethから学習値Nenewの変更を段階的に行う構成とする。具体的には、例えばエンジン再始動条件が成立する毎に所定値Ne1ずつ始動判定値Nethを低回転側又は高回転側に変更することで、始動判定値Nethを徐々に学習値Nenewに変更する。こうすることにより、過去のエンジン再始動に関するNe履歴情報の信憑性が低い場合に、そのNe履歴情報に基づいて始動判定値Nethが大きく変更されるのを回避することができる。
・履歴保存処理でNe履歴情報を記憶し、判定値学習処理でその記憶したNe履歴情報に基づいて実余裕エネルギΔEnenewを算出し、更に学習値Nenewを算出する構成としたが、履歴保存処理で実余裕エネルギΔNenewを算出してこれを記憶し、判定値学習処理でその記憶した実余裕エネルギΔEnenewを用いて学習値Nenewを算出する構成としてもよい。
・Ne履歴情報に基づく始動判定値Nethの学習を気筒別に実施する構成とする。具体的には、エンジン再始動要求がなされた場合、その再始動後最初の燃焼気筒となる気筒が都度異なることに鑑み、気筒ごとに始動判定値Nethを記憶する構成とする。そして、再始動後最初の燃焼気筒になった気筒に対応する始動判定値Nethを学習値Nenewで更新する。
・履歴保存処理にてNe履歴情報を記憶した場合を学習タイミングとし、同タイミングで判定値学習処理による始動判定値Nethの学習を実施する構成としたが、学習タイミングは特に限定しない。例えば、履歴保存処理によるNe履歴情報の記憶が複数回実行された場合を学習タイミングとし、それらの複数のNe履歴情報に基づいて判定値学習処理による始動判定値Nethの学習を実施する構成とする。このとき、例えばそれぞれのNe履歴情報に基づいて実余裕エネルギΔEnenewを算出し、その平均値により学習値Nenewを算出してもよい。
・エンジン再始動要求後のエンジン回転速度Neの落ち込み点におけるエンジン回転速度Neの余裕分を回転エネルギで表し、その回転エネルギ(実余裕エネルギΔNenew)に基づいて始動判定値Nethの学習を行う構成としたが、エンジン再始動要求後のエンジン回転速度Neの落ち込み点におけるエンジン回転速度Neの余裕分をエンジン回転速度で表し、そのエンジン回転速度に基づいて始動判定値Nethの学習を行う構成とする。具体的には、上昇時回転速度Neminと許容下限値Nelowminとの差分(Nemin−Nelowmin)から、更に始動要求時回転速度Nestartと始動判定値Nethとの差分(Nestart−Neth)を差し引くことでNe落ち込み点における実余裕分を算出し、その実余裕分を現在の始動判定値Nethから差し引いた値を学習値Nenewとする。
・燃料噴射方式がポート式のエンジン10について説明したが、直噴式エンジンやディーゼルエンジンに本発明を適用してもよい。
10…エンジン、35…クランク軸(出力軸)、36…クランク角度センサ、37…スタータ(始動装置)、40…ECU(要求時回転速度検出手段、上昇時回転速度検出手段、始動制御手段、判定値変更手段、第1の記憶手段、第2の記憶手段)。
Claims (6)
- エンジンの出力軸に初期回転を付与する始動装置を備えるエンジンに適用され、
所定の自動停止条件が成立した場合に前記エンジンを自動停止し、前記エンジンの自動停止中に所定の始動条件が成立した場合に前記エンジンを再始動するエンジン停止始動制御装置であって、
前記エンジンの再始動要求タイミングでのエンジン回転速度を始動要求時回転速度として検出する要求時回転速度検出手段と、
前記エンジンの再始動要求後エンジン回転速度が上昇に転じたタイミングでのエンジン回転速度を上昇時回転速度として検出する上昇時回転速度検出手段と、
前記始動要求時回転速度と、予め定めた許容下限値よりも高回転側に設定され前記始動装置の作動要否を判定するためのしきい値である始動判定値との比較結果に基づいて前記エンジンを前記始動装置により始動するか、又は前記エンジンの燃焼制御の再開により前記エンジンを始動する始動制御手段と、
前記始動判定値を、過去のエンジン再始動における前記上昇時回転速度と前記許容下限値とに基づいて変更する判定値変更手段と、
を備えることを特徴とするエンジン停止始動制御装置。 - 前記判定値変更手段は、前記上昇時回転速度に基づき算出される回転エネルギと前記許容下限値に基づき算出される回転エネルギとの偏差に基づいて前記始動判定値を変更する請求項1に記載のエンジン停止始動制御装置。
- 前記判定値変更手段は、過去のエンジン再始動時の前記始動要求時回転速度と前記始動判定値との関係に応じて前記許容下限値に対する前記上昇時回転速度の余裕分を算出し、該余裕分に応じて前記始動判定値を変更する請求項1又は2に記載のエンジン停止始動制御装置。
- 前記エンジンの再始動要求タイミングでの前記出力軸の回転位置に対応づけて前記始動判定値を記憶する第1の記憶手段を備え、
前記判定値変更手段は、前記再始動要求タイミングでの前記出力軸の回転位置に応じて前記第1の記憶手段から前記始動判定値を読み出し、該読み出した前記始動判定値を変更する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエンジン停止始動制御装置。 - 前記エンジンの再始動要求タイミングでの該エンジン又はエンジン駆動補機の運転状態に対応づけて前記始動判定値を記憶する第2の記憶手段を備え、
前記判定値変更手段は、前記再始動要求タイミングでの前記エンジン又はエンジン駆動補機の運転状態に応じて前記第2の記憶手段から前記始動判定値を読み出し、該読み出した前記始動判定値を変更する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエンジン停止始動制御装置。 - 前記判定値変更手段は、前記要求時回転速度が前記始動判定値を含む所定の低回転範囲内のときの前記上昇時回転速度を用いて前記始動判定値を変更する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエンジン停止始動制御装置。
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