JP5370295B2 - 内燃機関の機関油温推定装置及びこれを具備する内燃機関のバルブタイミング可変装置 - Google Patents

内燃機関の機関油温推定装置及びこれを具備する内燃機関のバルブタイミング可変装置 Download PDF

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Description

本発明は、機関始動時の機関油温を推定する内燃機関の機関油温推定装置及びこれを具備して吸気バルブや排気バルブのバルブタイミングを変更する内燃機関のバルブタイミング可変装置に関する。
内燃機関が冷間状態にあるときには、機関油の温度が低くその粘度も高いことから機関油が供給される部位の摺動抵抗が暖機完了後と比較すると大きくなり、また機関油を流通させる際の圧力損失が大きいものとなるため、油圧機器、潤滑部位、冷却部位等々、内燃機関の各部位に供給される機関油の量も暖機完了後と比較して少なくなる傾向がある。このため、内燃機関の各種制御では、こうした機関冷間時における機関油の温度をも考慮した制御が多く見受けられる。例えば、機関油を作動媒体として吸気バルブや排気バルブのバルブタイミングを変更するバルブタイミング制御においては、機関始動時における機関油温の代替値として機関冷却水温を採用している。そして、この機関冷却水温が低いときには、機関油温が低くその粘度が高いため、暖機完了後のように機関油温が上昇した状態と比較して、バルブタイミングの変更速度が低いとしてその制御を行うようにしている。
例えば、特許文献1に記載のバルブタイミング制御装置は、機関始動時における機関停止からの経過時間を測定し、経過時間が所定時間以上である場合には、機関冷却水温が機関雰囲気温度に収束していると判断して、機関雰囲気温度または機関冷却水温を機関油温として推定している。
ところが、機関停止から機関始動まで所定時間が経過していたとしても、機関停止時の温度状況によっては、機関油温や機関冷却水温が機関雰囲気温度に未だ十分に収束していない過渡的な状態にある場合もある。こうした状況下において、機関油温の代替値として機関冷却水温を選択すると、実際の機関油温と機関冷却水温に基づいて推定される機関油温との間に無視できない程度の乖離が生じる可能性があることも否定できない。
これに対して、特許文献2に記載の油温推定装置では、前回の機関停止時に機関冷却水温等に基づいて機関油温を推定してこれを記憶し、この記憶値を機関停止後からの経過時間に基づいて補正して機関油温を逐次算出している。そしてこれにより、機関冷却水温が機関雰囲気温度に収束していない過渡的な状態であっても、この判定結果に基づいて機関油温を推定するようにしている。
特開2003−254098号公報 特開2005−207297号公報
このような油温推定装置では、機関停止時における内燃機関の温度状況が異なる場合であってもこれら種々の状況を全て考慮したうえで機関油温を推定する必要があり、またこうした推定のための処理を機関始動時まで継続して実行する必要がある。このため、これに伴う演算負荷は極めて大きいものとなり、またこうした負荷の大きい演算によって極めて高い信頼性をもって機関油温を推定できる保証もない。
本発明は、上記課題をもとに発明されたものであり、内燃機関の始動時における機関油温を容易かつ適切に推定することに貢献する内燃機関の機関油温推定装置、および、この装置を有する内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的としている。
〔1〕本機関油温推定装置の独立した一形態は、次の事項を有する。前記機関油温推定装置は、雰囲気温度検知センサ、複数の相関温度検知センサ、および、制御装置を有し、前記雰囲気温度検知センサは、前記内燃機関の雰囲気温度である機関雰囲気温度に応じて変化する雰囲気温度信号を出力し、個々の前記相関温度検知センサは、前記機関油温と相関を有する温度である相関温度に応じて変化する相関温度信号を出力し、前記制御装置は、前記内燃機関の始動時において、前記雰囲気温度信号により示唆される前記機関雰囲気温度、および、個々の前記相関温度信号により示唆される個々の前記相関温度の分布が所定範囲内に収束しているとき、前記機関雰囲気温度および複数の前記相関温度のうちの最も低い温度を前記機関油温の代替値として選択する。
〔2〕本機関油温推定装置の独立した一形態は、次の事項を有する。前記機関油温推定装置は、雰囲気温度検知センサ、複数の相関温度検知センサ、および、制御装置を有し、前記雰囲気温度検知センサは、前記内燃機関の雰囲気温度である機関雰囲気温度に応じて変化する雰囲気温度信号を出力し、個々の前記相関温度検知センサは、前記機関油温と相関を有する温度である相関温度に応じて変化する相関温度信号を出力し、前記制御装置は、前記内燃機関の始動時において、前記雰囲気温度信号により示唆される前記機関雰囲気温度、および、個々の前記相関温度信号により示唆される個々の前記相関温度のうちの最も高い温度と最も低い温度との差である温度差に基づいて、前記機関油温を算出するための第1演算形態または第2演算形態を選択し、前記第1演算形態は、前記温度差が所定値以下のときに選択される演算形態であって、前記機関雰囲気温度および複数の前記相関温度の中から前記機関油温の代替値を選択し、前記第2演算形態は、前記温度差が前記所定値よりも大きいときに選択される演算形態であって、少なくとも複数の前記相関温度のうちの特定の相関温度を用いて前記機関油温を算出する。
〔3〕本機関油温推定装置の独立した一形態は、次の事項を有する。前記機関油温推定装置は、雰囲気温度検知センサ、複数の相関温度検知センサ、および、制御装置を有し、前記雰囲気温度検知センサは、前記内燃機関の雰囲気温度である機関雰囲気温度に応じて変化する雰囲気温度信号を出力し、個々の前記相関温度検知センサは、前記機関油温と相関を有する温度である相関温度に応じて変化する相関温度信号を出力し、前記複数の相関温度検知センサのうちの1つである変速機用油温センサは、前記内燃機関の駆動力を車両駆動系に伝達する変速機に取り付けられ、前記変速機の油の温度に応じて変化する前記相関温度信号を出力し、前記制御装置は、前記内燃機関の始動時において、前記機関雰囲気温度および複数の前記相関温度のうちの最も高い温度と最も低い温度との差が所定値よりも大きいことが前記雰囲気温度信号および複数の前記相関温度信号により示唆されるとき、少なくとも前記変速機用油温センサの相関温度信号を用いて前記機関油温を算出する。
〔4〕本機関油温推定装置の独立した一形態は、次の事項を有する。前記機関油温推定装置は、雰囲気温度検知センサ、複数の相関温度検知センサ、および、制御装置を有し、前記雰囲気温度検知センサは、前記内燃機関の雰囲気温度である機関雰囲気温度に応じて変化する雰囲気温度信号を出力し、個々の前記相関温度検知センサは、前記機関油温と相関を有する温度である相関温度に応じて変化する相関温度信号を出力し、前記制御装置は、前記内燃機関の始動時において、前記機関雰囲気温度および複数の前記相関温度のうちの最も高い温度と最も低い温度との差が所定値以下であることが、前記雰囲気温度信号および複数の前記相関温度信号により示唆されるとき、前記機関雰囲気温度、および、複数の前記相関温度のうちの最も低い温度を前記機関油温の代替値として選択する。
〔5〕本機関油温推定装置の独立した一形態は、次の事項を有する。前記機関油温推定装置は、雰囲気温度検知センサ、複数の相関温度検知センサ、および、制御装置を有し、前記雰囲気温度検知センサは、前記内燃機関の雰囲気温度である機関雰囲気温度に応じて変化する雰囲気温度信号を出力し、個々の前記相関温度検知センサは、前記機関油温と相関を有する温度である相関温度に応じて変化する相関温度信号を出力し、前記制御装置は、前記内燃機関の始動時において、前記雰囲気温度信号により示唆される前記機関雰囲気温度、および、個々の前記相関温度信号により示唆される個々の前記相関温度の分布が所定範囲内に収束していないとき、予め設定した相対温度を前記機関油温の代替値として選択し、選択した前記代替値に基づいて前記機関油温を推定し、前記複数の相関温度において、前記内燃機関の停止後における前記機関油温との乖離度合の最大値が最も小さい温度を前記相対温度として設定する。
〔6〕前記機関油温推定装置は、次の事項を有する。前記制御装置は、前記分布が前記所定範囲内に収束しているとき、前記機関雰囲気温度および複数の前記相関温度のうちの最も低い温度を前記機関油温の代替値として選択する。
〔7〕前記機関油温推定装置は、次の事項を有する。前記制御装置は、前記相対温度を前記代替値として選択したとき、前記相対温度よりも低く、かつ、前記相対温度に対して前記機関油温との乖離度合の最大値に相当する分の差を有する温度を前記機関油温として算出する。
〔8〕前記機関油温推定装置は、次の事項を有する。前記複数の相関温度検知センサのうちの1つである変速機用油温センサは、前記内燃機関の駆動力を車両駆動系に伝達する変速機に取り付けられ、前記変速機の油の温度に応じて変化する信号を出力し、前記制御装置は、前記変速機用油温センサの出力信号により示唆される前記変速機の油の温度を前記機関油温の代替値として選択する。
〔9〕本内燃機関のバルブタイミング可変装置の独立した一形態は、次の事項を有する。前記バルブタイミング可変装置は、可変動弁機構、ロック機構、および、請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の機関油温推定装置を有し、前記可変動弁機構は、前記内燃機関の機関油を作動媒体として吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを変更する構造を有し、前記ロック機構は、前記バルブタイミングを特定時期にロックする構造を有し、前記制御装置は、前記内燃機関の冷間時において、前記バルブタイミングが前記特定時期から変更されるとき、前記バルブタイミングの変更量を前記機関油温に基づいて変化させる。
〔10〕本内燃機関のバルブタイミング可変装置の独立した一形態は、次の事項を有する。前記可変動弁機構は、排気バルブのバルブタイミングを変更する排気側可変動弁機構を有し、前記制御装置は、前記内燃機関の冷間時において、前記排気側可変動弁機構を制御することにより前記排気バルブのバルブタイミングを前記特定時期から前記バルブタイミングの変更量分にわたり遅角する。
〔1〕〜〔5〕の装置は、次の効果を奏する。
内燃機関の停止後において、機関油温および相関温度が機関雰囲気温度に収束していない過渡的な状態を容易かつ正確に判断しやすくなる。このため、内燃機関の始動時における機関油温を容易かつ適切に推定しやすくなる。
〔5〕の装置は、次の効果を奏する。
推定した機関油温が実際の機関油温から著しく乖離する状況が生じにくくなる。
〔6〕の装置は、次の効果を奏する。
分布が所定温度範囲内にあるとき、各温度と機関雰囲気温度との乖離が小さい。しかし、実際の機関油温に対する機関油温の代替値の差が存在することがある。機関油温の代替値が実際の機関油温に対して差を有し、かつ、機関油温の代替値が実際の機関油温よりも高い場合、機関油の粘度が実際の粘度よりも低く推定され、機関油の圧力損失が実際の圧力損失よりも小さく推定されるおそれが生じる。このように推定された場合、例えば、機関油の供給部位における摺動抵抗が実際の抵抗よりも小さく推定され、内燃機関の油圧機器、潤滑部位、または、冷却部位等に供給される機関油の量が実際の量よりも多く推定される。
しかし、このように推定されることは、内燃機関の制御に関する安定性および信頼性の観点から好ましくない。安定性および信頼性の観点からすると、摺動抵抗が実際の摺動抵抗より小さく推定される場合よりも、摺動抵抗が実際の摺動抵抗よりも大きく推定されることが好ましい。また、安定性および信頼性の観点からすると、油圧機器等に対する機関油の供給量が実際の供給量よりも多く推定される場合よりも、油圧機器等に対する機関油の供給量が実際の供給量よりも少なく推定されることが好ましい。
本機関油温推定装置によれば、各温度のうちの最も小さい温度が機関油温の代替値として選択される。このため、機関油温が実際の機関油温よりも高く推定される状況が生じにくくなる。このため、内燃機関の制御に関する安定性および信頼性が低下しにくくなる。
〔7〕の装置は、次の効果を奏する。
機関油温が実際の機関油温よりも高く推定される状況が生じにくくなる。
〔8〕の装置は、次の効果を奏する。
本願発明者は、各種の条件下において内燃機関の運転を停止し、その後の実際の機関油温と各種温度との推移を実験により観察し、次の知見を得た。すなわち、機関油温に対する変速機用油温の乖離度合の最大値は、機関油温に対する変速機用油温とは別の各種温度の乖離度合の最大値よりも小さくなる。
本機関油温推定装置は、上記知見に基づいて、複数の相関温度のうちの変速機用油温を機関油温の代替値として選択する。このため、機関油温が適切に推定されやすくなる。
〔9〕の装置は、次の効果を奏する。
機関油温が低いとき、可変動弁機構の作動媒体である機関油の粘度が高い。このため、可変動弁機構の作動応答性、すなわち、バルブタイミングの動作速度が低下する。このため、内燃機関の停止時において、バルブタイミングが特定時期に到達する前にクランクシャフトの回転が停止する状況が生じやすくなる。バルブタイミングが特定時期に到達する前にクランクシャフトの回転が停止した場合、ロック機構がロックしていない。そして、内燃機関の始動時においてロック機構がロックしていない場合、バルブタイミングの不要な変動が生じる。なお、内燃機関の冷間時は、機関油温が低い状況の一例に該当する。
本バルブタイミング可変装置は、機関油温が低いときのバルブタイミングの変更量を機関油温が高いときのバルブタイミングの変更量よりも小さくする。このため、バルブタイミングが特定時期に到達する前にクランクシャフトの回転が停止する状況が生じにくくなる。
〔10〕の装置は、次の効果を奏する。
排気バルブのバルブタイミングが遅角された場合、点火が行われてから排気バルブが開弁されるまでの期間が長くなるため、燃焼室における混合気の燃焼時間が確保されやすくなる。このため、内燃機関の冷間時において、排気バルブのバルブタイミングが遅角された場合、燃焼室から未燃燃料が排出されにくくなる。一方、内燃機関の冷間時のように機関油温が低いとき、排気側可変動弁機構の作動媒体である機関油の粘度が高いため、その作動応答性が低下する。
本バルブタイミング可変装置は、内燃機関の冷間時における排気バルブのバルブタイミングの遅角量を、機関油温が高いときにおける排気バルブのバルブタイミングの遅角量よりも小さくする。このため、バルブタイミングが特定時期に到達する前にクランクシャフトの回転が停止する状況が生じにくくなる効果、および、未燃燃料が排出されにくくなる効果が得られる。
本発明の一実施形態にかかる制御装置と、同制御装置の制御対象である内燃機関の概略構成を示す模式図。 クランク角とバルブリフト量及びバルブタイミングとの関係を示すグラフ。 機関油温と変速機用油温及び冷却水温との相関関係を示す相関図。 同実施形態の機関油温の推定処理について、その処理手順を示すフローチャート。 車両走行時における機関回転速度と機関負荷とにより設定される基本遅角量を算出するためのマップ。 車両停止時における機関回転速度と機関負荷とにより設定される基本遅角量を算出するためのマップ。 車両走行時における積算吸入空気量と機関油温とにより設定される上限ガード値を算出するためのマップ。 車両停止時における積算吸入空気量と機関油温とにより設定される上限ガード値を算出するためのマップ。 車両走行時における積算吸入空気量と最終目標バルブタイミングとの関係を示す説明図。 車両停止時における積算吸入空気量と最終目標バルブタイミングとの関係を示す説明図。 同実施形態の冷間時排気側バルブタイミング制御の最終目標バルブタイミング算出処理について、その処理手順を示すフローチャート。 機関始動後における吸気温及び外気温の推移を示すグラフ。 本発明のその他の実施形態の機関油温の推定処理について、その処理手順の一部分を示すフローチャート。
以下、この発明を排気バルブのバルブタイミングを変更するバルブタイミング可変装置の制御装置として具体化した一実施形態について説明する。
図1に示されるように、内燃機関10の燃焼室11には、吸気を外部から同燃焼室11に取り込む吸気通路21と、同燃焼室11の排気を外部に排出する排気通路31とがそれぞれ接続されている。吸気通路21には吸入空気量Gaをその開度(スロットル開度TA)に応じて調節するスロットルバルブ22が設けられている。排気通路31には排気に含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物を浄化する三元触媒が担持された排気浄化装置32が設けられている。
また、内燃機関10には、機関燃焼の安定化、排気性状や燃費の改善、機関出力の増大等々を図るために、バルブタイミング可変装置が設けられている。このバルブタイミング可変装置は、吸気バルブ41のバルブタイミングを変更する吸気側可変動弁機構40と、排気バルブ51のバルブタイミングを変更する排気側可変動弁機構50といった各別の可変動弁機構を備えている。
吸気側可変動弁機構40は、オイルポンプ12から供給される作動油の油圧に基づいて、吸気カムシャフト(図示略)のクランクシャフト(図示略)に対する相対回転位相を変更することにより、吸気バルブ41のバルブタイミングを変更する。一方、排気側可変動弁機構50は、オイルポンプ12から供給される作動油の油圧に基づいて、排気カムシャフト(図示略)のクランクシャフトに対する相対回転位相を変更することにより、排気バルブ51のバルブタイミングを変更する。尚、このオイルポンプ12はクランクシャフトの回転に基づいて駆動される機関駆動式のポンプである。
また、こうしたバルブタイミング可変装置を含め、内燃機関10の各種装置は制御装置60により制御される。この制御装置60は、CPUの他、メモリ、A/D変換回路、駆動回路等々を有して構成されている。また、この制御装置60には各種のセンサが接続されその検出信号が適宜取り込まれる。例えば、水温センサ71はウォータージャケット(図示略)内を循環する機関冷却水の温度(以下、「冷却水温θw」という)を検出する。吸気温センサ72は、内燃機関10が取り込む吸入空気の温度を検出する。スロットルポジションセンサ73はスロットル開度TAを検出する。吸気通路21に設けられたエアフロメータ74は吸入空気量Gaを検出する。外気温センサ75は、外気の温度(以下、「外気温θout」という)を検出する。クランクポジションセンサ76はクランクシャフトの回転角を検出し、制御装置60はこの回転角に基づいて単位時間当りのクランクシャフトの回転数、即ち機関回転速度NEを算出する。排気側カムポジションセンサ77は排気カムシャフトの回転位相に対応した信号を出力する。自動変速機(図示略)に設けられる変速機用油温センサ78は、同自動変速機における油圧操作及び各種歯車機構の潤滑に供される変速機用油の温度(以下、「変速機用油温θat」)を検出する。車速センサ79は、車速を検出する。そして、制御装置60は、上記各種センサ71〜79の検出信号を適宜取り込むことにより各種演算処理を実行し、その結果に基づいて内燃機関10やその補機を制御する。
例えば、制御装置60は、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて吸気バルブ41や排気バルブ51のバルブタイミングについてその目標値を設定するとともに、それら吸気バルブ41及び排気バルブ51の実際のバルブタイミングがその目標値と一致するように吸気側可変動弁機構40や排気側可変動弁機構50を駆動する。
またこれらバルブタイミング可変装置の各可変動弁機構40,50には、吸気バルブ41及び排気バルブ51のバルブタイミングをそれぞれ特定時期にてロックするためのロック機構45,55がそれぞれ設けられている。即ち、吸気側可変動弁機構40に設けられたロック機構45は、吸気バルブ41のバルブタイミングを最遅角時期にロックする一方、排気側可変動弁機構50に設けられたロック機構55は、排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期にロックする。このように各ロック機構45,55は、吸気バルブ41と排気バルブ51とのバルブオーバーラップを小さくすることにより、通常始動時において排気の吹き返しを抑制して良好な機関始動性を確保するようにしている。
但し、通常始動時であればこのように排気の吹き返しを抑制することにより良好な機関始動性を確保することができるものの、冷間始動時及び同始動直後では、燃焼室11において混合気が霧化され難い状態にあるため、混合気の不完全燃焼が生じて排気に含まれる燃料の未燃成分が増加しやすい。また、排気浄化装置32にあってもその触媒床温が活性化温度にまで温度上昇していないため、このように排気に含まれる燃料の未燃成分が増加しても、これを十分に浄化することができない。
そこで、本実施形態の制御装置60は、冷間時にはこうした未燃燃料の排出量を減少させるべく、排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させて同排気バルブ51の開弁時期を遅らせる制御(以下、「冷間時排気側バルブタイミング制御」という)を実行するようにしている。
図2に示されるように、排気バルブ51をその通常始動時に適したバルブタイミングよりも遅角させてその開弁時期を遅らせた場合、換言すれば排気側可変動弁機構50のロック機構55により排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期にロックした場合よりも同バルブタイミングを遅角した場合、点火が行われてから排気バルブ51が開弁するまでの期間がその遅角量に相当する期間だけ長くなる。即ち、混合気の燃焼期間を長く確保することができる。このように、排気バルブ51の開弁時期を遅くして混合気の燃焼可能な期間を拡大することにより、未燃燃料の低減を図るようにしている。
このように機関冷間時には、未燃燃料の排出量を低減すべく排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させることが要求されるものの、このように排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させる際には以下のように排気側可変動弁機構50の作動応答性も考慮することが望ましい。
即ち、機関冷間時のように機関油の温度(以下、「機関油温θe」という)が低いときには、その粘度が高いため、これを作動媒体とする排気側可変動弁機構50の作動応答性、即ちバルブタイミングを変更する際の速度が低下する。このため、上述したように排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させているときに機関停止操作がなされた場合には、そのときの遅角量の大きさによってはバルブタイミングが最進角時期に戻る前に機関運転が停止するといった状況が発生し得る。即ち、機関停止操作がなされた場合でもクランクシャフトが惰性回転している間は、オイルポンプ12を駆動してバルブタイミングを最進角時期側に戻すことができるが、遅角量が大きい場合には、バルブタイミングが最進角時期に戻る前にクランクシャフトの惰性回転が停止するため、ロック機構55をロック状態とすることができなくなる。
このため、本実施形態では、こうした機関冷間時にあっては、排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させること、そうした遅角操作中に機関停止操作がなされても排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期に戻してロック機構55によりロックできること、といった2つの要求事項がいずれも満たされるようにしている。具体的には、機関始動時の機関油温θeを適切に推定し、その推定された機関油温θeに基づいて機関冷間時に排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させる際の遅角量を設定するようにしている。
次に、図3及び図4を参照して、機関始動時における機関油温の推定処理について説明する。図3は、内燃機関10が種々の運転状態にある状況下で機関運転を停止したとき、その機関運転を停止したときから所定期間経過したときの機関油温θeと、同機関油温θeに対応する変速機用油温θat及び冷却水温θwとの相関関係を示す相関図である。
同図3において、機関油温θeが「γ」であるときには、機関停止前の運転状態によって変速機用油温θatは「α1」となる場合や「α2」となる場合があり、同様に、冷却水温θwについても「β1」となる場合や「β2」となる場合がある。しかしながら、このように機関停止前の運転状態が異なる場合であっても、機関油温θeに対する変速機用油温θatの乖離度合は同図3に示すその最大値(以下、「最大乖離度合Δα」という)を上回ることはない。一方、冷却水温θwの同乖離度合にかかる最大値(以下、「最大乖離度合Δβ」という)は、この変速機用油温θatの最大乖離度合Δαよりも大きい。即ち、変速機用油温θatは冷却水温θwと比較して機関油温θeと高い相関関係を有している。
図4は、機関始動時における機関油温θeを推定する際の一連の処理を示すフローチャートである。
図4に示されるように、この推定処理において制御装置60は、まずステップS110において始動時であるか否かを判定する。即ち、運転者により機関始動操作がなされたか否かを判定する。ステップS110において始動時である旨の判定がなされた場合(ステップS110:YES)、ステップS120において、水温センサ71、外気温センサ75、変速機用油温センサ78により、それぞれ冷却水温θw、外気温θout、変速機用油温θatを検出する。なお、ここでの機関始動時とは、クランキングから自立運転可能となるまでの期間を指す。
次にステップS130において、ステップS120において検出した冷却水温θw、変速機用油温θat、外気温θoutの各温度についてその分布が所定範囲内に収束しているか否かを判定する。具体的には、それら各温度θw,θat,θoutのうちの最も高い温度と最も低い温度との差(以下、「温度差Δθ」という)が所定値Δθα以内か否かについて判定する。ここで、温度差Δθが所定値Δθα以内である場合は、機関油温θeを含めそれら各温度θw,θatと外気温θoutとの間の乖離は小さく、外気温θoutに収束しているとみなすことができる(ステップS130:YES)。
一方、温度差Δθが所定値Δθαよりも大きい場合は、機関油温θeを含め、それら各温度θw,θat,θoutについての分布が所定範囲内に収束しておらず、収束に至る前の過渡的な状態にあると判断する(ステップS130:NO)。
ステップS130において、温度差Δθが所定値Δθα以内である旨の判定がなされた場合(ステップS130:YES)、ステップS140において、冷却水温θw、変速機用油温θat、外気温θoutのうちの最も低い温度を機関始動時の機関油温θeとして設定する。
ここで、冷却水温θw、変速機用油温θat、外気温θoutのうちの最も低い温度を選択するようにしているのは、以下の理由による。
即ち、推定される機関油温θeが実際の温度よりも高い場合には、同機関油の粘度が実際よりも低く、またこれが流通する際に生じる圧力損失も小さいものと推定されてしまう懸念がある。そしてこのようなかたちで推定がなされた場合には、例えば機関油の供給部位における摺動抵抗が実際よりも小さいものと判断されたり、内燃機関10の油圧機器、潤滑部位、冷却部位等々に供給される機関油の量が実際よりも多いものと判断されたりする。しかしながら、通常、摺動抵抗であれば実際よりも大きく、油圧機器等に対する機関油の供給量であれば実際よりも少ないものとして判断した場合のほうが、これら摺動抵抗の他、油圧機器、潤滑部位、冷却部位等々に対する機関油の供給量を考慮した各機関制御についてそれらの安定性・信頼性を保証するうえでは望ましい。このため、上述したように各温度θw,θat,θoutのうち最も低い温度を機関始動時の機関油温θeとして推定するようにしている。
一方、ステップS130において、温度差Δθが所定値Δθαよりも大きい旨の判定がなされた場合(ステップS130:NO)、即ち、機関油温θeと冷却水温θw及び変速機用油温θatとの間に乖離が生じていると想定される場合、ステップS150において、機関油温θeと冷却水温θw及び変速機用油温θatとの相関関係(図3参照)に基づいて、機関油温θeとの乖離度合の最大値が最も小さい相対温度として予め求められている変速機用油温θatを機関油温θeとして選択する。さらに、変速機用油温θatを最大乖離度合Δαに相当する分だけ低下させた温度を機関油温θeとして設定する。このように設定された機関油温θeは、機関停止時の温度状況や停止後の経過時間にかかわらず実際の機関油温θeと同じ温度となるか常に低い温度となるため、この推定される機関油温θeが実際の機関油温θeよりも高くなるといった状況を避けることができ、上述したような機関油温θeに関連する制御の安定性・信頼性が大きく悪化することを回避することができるようになる。
続いて図5〜図11を参照して、機関油温の推定処理により推定された機関始動時の機関油温θeに基づいて実行される冷間時排気側バルブタイミング制御の目標バルブタイミング算出処理について詳しく説明する。
上述したように、冷間時排気側バルブタイミング制御における排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させる際の遅角量は、遅角操作中に機関停止操作がなされても排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期に戻してロック機構55によりロックできる量であることが望ましい。またこれに加えて、車両走行時であるか車両停止時であるかによってもその遅角量は異なるものとなる。
即ち、車両走行時は、アクセル操作が解除されてから、運転者による機関停止操作を経て機関の停止に至るため、機関が停止されるまでに時間的に余裕がある。このため、遅角操作中に機関停止操作がなされても排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期に戻してロック機構55によりロックするための時間を確保することができる。これに対して、車両停止時は、機関が停止されるまでの時間が車両走行時に比べて短いため、車両走行時と同等の遅角量にて遅角操作がなされ、この遅角操作中に機関停止操作がなされた際には、排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期に戻すことができず、バルブタイミングをロック機構55によりロックできないといったおそれがある。
そこで、本実施形態では、冷間時排気側バルブタイミング制御において排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させる際の遅角量(以下、「基本遅角量VTb」という)をマップ演算を通じて求めるようにし、その際に用いられる演算用マップを車両走行時と車両停止時とで切り分けて制御装置60のメモリに記憶するようにしている。なお、車両走行時か車両停止時かについては、車速センサ79により検出される車速が判定値以上であることを条件に車両が走行中であると判定することができる。
図5及び図6に示されるように、冷間時排気側バルブタイミング制御において基本遅角量VTbを求めるための演算用マップは、車両走行時及び車両停止時のいずれの場合においても機関回転速度NEと機関負荷KLとをそのパラメータとしている。即ち、これら演算用マップを参照することにより、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて基本遅角量VTbを求めることができる。
図5に示されるように、車両走行時の基本遅角量VTbrunは、その最大値VTb4から最小値VTb0までの範囲で変化する。同図5において、VTb0,VTb1,VTb2,VTb3,VTb4は、機関回転速度NE及び機関負荷KLに対応する基本遅角量VTbrunの代表値を示している。一方、図6に示されるように、車両停止時の基本遅角量VTbstopは、その最大値VTb3から最小値VTb0までの範囲で変化する。同図6において、VTb0,VTb1,VTb2,VTb3は機関回転速度NE及び機関負荷KLに対応する基本遅角量VTbstopの代表値を示している。そしてこれら各代表値については(VTb4>VTb3>VTb2>VTb1>VTb0)なる大小関係が成立しており、機関回転速度NE及び機関負荷KLが同じ場合であれば、車両停止時に設定される基本遅角量VTbstopは車両走行時に設定される基本遅角量VTbrunよりも小さい値となる。また、車両走行時に対応する基本遅角量VTbrunは、車両停止時における基本遅角量VTbstopの設定態様と比較してきめ細かく設定されている。尚、本実施形態において上記VTb0は「0」に設定されているため、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて選択される基本遅角量VTbrun,VTbstopは「0」となり排気バルブ51のバルブタイミングにかかる遅角制御は禁止されることとなる。
さらに、上述したように、機関冷間時には、排気側可変動弁機構50の作動応答性、即ちバルブタイミングを変更する際の速度が低下するため、排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させること、そうした遅角操作中に機関停止操作がなされても排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期に戻してロック機構55によりロックできること、といった2つの要求事項がいずれも満たされるように遅角量を設定するのが望ましい。
そこで本実施形態では、この遅角量を適切に設定するために、機関始動時に推定された機関油温θeと機関始動時からの積算吸入空気量ΣGaとに基づいて制限するための上限ガード値VTgを設定し、この上限ガード値VTgと上述した基本遅角量VTbとに基づいて最終的に目標とされるバルブタイミング(以下、「最終目標バルブタイミングVTf」という)を決定するようにしている。
また、この上限ガード値VTgの設定に際しても、車両が停止中か走行中かを考慮してこれを設定するのが望ましい。そこで、本実施形態では、冷間時排気側バルブタイミング制御において上限ガード値VTgをマップ演算を通じて求めるようにし、その際のマップを車両走行時と車両停止時とで切り分けて制御装置60のメモリに記憶するようにしている。
図7及び図8は、車両走行時に対応した上限ガード値VTgrun及び車両停止時に対応したVTgstopをそれぞれ示している。これら各図に示されるように、車両走行時及び車両停止時のいずれの場合に対応する上限ガード値VTgrun,VTgstopについても、これらを求める演算用マップは積算吸入空気量ΣGaと機関油温θeとをそのパラメータとしている。即ち、これら演算用マップを参照することにより、積算吸入空気量ΣGa及び機関油温θeに基づいて上限ガード値VTgを求めることができる。
図7に示されるように、車両走行時の上限ガード値VTgrunは、その最大値VTg4から最小値VTg0までの範囲で変化する。同図7において、VTg0,VTg3,VTg4は、積算吸入空気量ΣGa及び機関油温θeに対応する上限ガード値VTgrunの代表値を示している。一方、図8に示されるように、車両停止時の上限ガード値VTgstopは、その最大値VTg3から最小値VTg0までの範囲で変化する。同図8において、VTg0,VTg1,VTg2,VTg3は積算吸入空気量ΣGa及び機関油温θeに対応する上限ガード値VTgstopの代表値を示している。そしてこれら各代表値については(VTg4>VTg3>VTg2>VTg1>VTg0)なる大小関係が成立しており、積算吸入空気量ΣGa及び機関油温θeが同じ場合であれば、車両停止時に設定される上限ガード値VTgstopは車両走行時に設定される上限ガード値VTgrunよりも小さい値に設定される。このように、車両停止時は、機関が停止されるまでの時間が車両走行時に比べて短いため、車両停止時における上限ガード値VTgは小さく設定されている。尚、本実施形態において上記VTg0は「0」であるため、積算吸入空気量ΣGa及び機関油温θeに基づいて選択される上限ガード値VTgrun,VTgstopは「0」となり、排気バルブ51のバルブタイミングにかかる遅角制御は禁止されることとなる。
ところで上述したように、冷間時排気側バルブタイミング制御は、機関冷間時、即ち機関油温θeが低いときに、燃焼状態の安定化及びこれに起因する未燃燃料の排出を抑制することを目的として実施される。但し、機関始動後において所定時間が経過すれば、燃焼室11の温度が上昇して混合気の燃焼が促進されることにより未燃燃料の排出が少なくなるため、冷間時排気側バルブタイミング制御を実行する必要性が低いものとなる。さらに、排気浄化装置32の触媒床温が活性化温度にまで上昇すると、燃焼室11から多少の未燃燃料が排出されたとしても排気浄化装置32により浄化することができるため、排気性状に悪影響を及ぼすことがなくなる。この場合には、冷間時排気側バルブタイミング制御を実行して、混合気の燃焼時間を長く確保することに意義がなくなることとなる。
そこで、本実施形態では、機関油温θeに基づいて燃焼室11や排気浄化装置32の初期温度状態を把握するとともに、積算吸入空気量ΣGaに基づいて燃焼室11や排気浄化装置32の温度上昇度合を把握するようにしている。即ち、図7及び図8に示す上限ガード値VTgrun,VTgstopは、基本的に機関油温θeが低いときほど、また積算吸入空気量ΣGaが多いときほど小さな値に設定されることとなる。
図9及び図10に示されるように、冷間時排気側バルブタイミング制御における最終目標バルブタイミングVTfは、図5及び図6にて算出された基本遅角量VTbと、図7及び図8にて算出された上限ガード値VTgとに基づいて求められる。
すなわち、図9及び図10に実線にて示されるように、基本遅角量VTbが上限ガード値VTgよりも大きい場合には、最終目標バルブタイミングVTfが上限ガード値VTgと等しい値に設定される。これにより、機関冷間時において、排気側可変動弁機構50の作動応答性が確保できないときほど、冷間時排気側バルブタイミング制御を通じて制御される排気バルブ51のバルブタイミングの遅角量が小さくなる。また、機関温度が上昇して混合気の燃焼状態が向上するほど、さらには排気浄化装置32が活性化して排気に含まれる未燃燃料を効率的に浄化することができるようになるほど、冷間時排気側バルブタイミング制御を通じて制御される排気バルブ51のバルブタイミングの遅角量が小さくされる。
具体的には、図9及び図10に一点鎖線で示されるように、積算吸入空気量ΣGaが「S1」よりも大きくなるほど小さくなり、「S2」に到達したときに「0」になるように上限ガード値VTgを設定している。尚、「S1」は、機関温度が上昇して、ある程度排気側可変動弁機構50の作動応答性が確保できるとともに、ある程度安定した混合気の燃焼状態が得られ、且つ排気浄化装置32が活性化し始めるときの積算吸入空気量ΣGaである。「S2」は、さらに機関温度が上昇して、排気側可変動弁機構50の作動応答性が確保できるとともに、安定した混合気の燃焼状態が得られ、排気浄化装置32が完全に活性化するときの積算吸入空気量ΣGaである。
図9に示されるように、車両走行時は、遅角操作中に機関停止操作がなされても排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期に戻してロック機構55によりロックするための時間を確保することができるため、機関冷間時において、基本遅角量VTbを上限ガード値VTgにより制限する必要がない。よって、積算吸入空気量ΣGaが「S1」に達するまでは、基本遅角量VTbを最終目標バルブタイミングVTfとして設定する。なお、「S1」以降は、冷間時排気側バルブタイミング制御による混合気の燃焼向上が徐々に必要とされなくなるため、上限ガード値VTgを最終目標バルブタイミングVTfとして設定する。
一方、図10に示されるように、車両停止時は、機関が停止されるまでの時間が車両走行時に比べて短いため、バルブタイミングをロック機構55によりロックできないといったおそれがある。このため、機関冷間時において、排気側可変動弁機構50の作動応答性が確保できないときほど、上限ガード値VTgにより基本遅角量VTbを制限する必要がある。これにより、積算吸入空気量ΣGaが「S1」に達するまでの間において、基本遅角量VTbが上限ガード値VTgを上回る際には、上限ガード値VTgを最終目標バルブタイミングVTfとして設定するとともに、基本遅角量VTbが上限ガード値VTg以下となる際には、基本遅角量VTbを最終目標バルブタイミングVTfとして設定するようにしている。なお、「S1」以降は、冷間時排気側バルブタイミング制御による混合気の燃焼向上が徐々に必要とされなくなるため、上限ガード値VTgを最終目標バルブタイミングVTfとして設定する。
このように、本実施形態では、車両走行時及び車両停止時についてそれぞれ、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて設定される基本遅角量VTbに機関油温θe及び積算吸入空気量ΣGaに基づいて設定される上限ガード値VTgを適用して、冷間時排気側バルブタイミング制御における最終目標バルブタイミングVTfを設定するようにしている。
図11を参照して、冷間時排気側バルブタイミング制御の目標バルブタイミング算出処理について説明する。なお、本処理は、機関冷間時に制御装置60により所定の制御周期で繰り返し実行される。
この処理を開始すると、制御装置60は、まずステップS210において、車両走行時か車両停止時かを判断したうえで、図5または図6の演算用マップを参照して、機関回転速度NEと機関負荷KLとに基づいて基本遅角量VTbを算出する。次に、ステップS220において、ステップS210にて判定された車両の状態、すなわち車両走行時または車両停止時用に設定された図7または図8の演算用マップを参照して、積算吸入空気量ΣGaと機関油温θeとに基づいて上限ガード値VTgを算出する。そして、ステップS230において、ステップS210にて算出された基本遅角量VTbがステップS220にて算出された上限ガード値VTgよりも小さいか否かを判定する。
ステップS230において、基本遅角量VTbが上限ガード値VTgよりも小さい旨の判定がなされた場合(ステップS230:YES)、上限ガード値VTgによる冷間時排気側バルブタイミング制御における遅角量の制限が必要ないと判断して、ステップS240において、最終目標バルブタイミングVTfを基本遅角量VTbに設定する。一方、ステップS230において、基本遅角量VTbが上限ガード値VTg以上である旨の判定がなされた場合(ステップS230:NO)、上限ガード値VTgによる冷間時排気側バルブタイミング制御における遅角量を制限する必要があると判断して、ステップS250において、最終目標バルブタイミングVTfを上限ガード値VTgに設定する。
こうして機関始動時の機関油温θe及び積算吸入空気量ΣGaに基づいて最終目標バルブタイミングVTfを算出すると、制御装置60はこの最終目標バルブタイミングVTfに基づいて排気側可変動弁機構50を駆動する。即ち、排気バルブ51のバルブタイミングを最終目標バルブタイミングVTfに一致させるように排気側可変動弁機構50を駆動して排気バルブ51のバルブタイミングの遅角量を設定する。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)冷却水温θw,変速機用油温θat,外気温θoutのうちの最も高い温度と最も低い温度との差Δθが所定値Δθα以内か否かについて判定するようにした。温度差Δθが所定値Δθα以内である場合は、機関油温θeを含めそれら各温度θw,θatと外気温θoutとの間の乖離は小さく、外気温θoutに収束しているとみなすことができる。一方、温度差Δθが所定値Δθαよりも大きい場合は、機関油温θeを含め、それら各温度θw,θat,θoutについての分布が所定範囲内に収束しておらず、過渡的な状態にあると判断することができるようになる。
(2)温度差Δθが所定値Δθα以内である旨の判定がなされた場合、冷却水温θw、変速機用油温θat、外気温θoutのうちの最も低い温度を機関始動時の機関油温θeとして設定した。これにより、機関油温θeが実際よりも高い温度として推定されることを抑制することができ、これに起因して機関油温θeに関連する制御の安定性・信頼性が大きく悪化することを回避することができるようになる。
(3)温度差Δθが所定値Δθαよりも大きい旨の判定がなされた場合、即ち、機関油温θeと冷却水温θw及び変速機用油温θatとの間に乖離が生じていると想定される場合、変速機用油温θatを機関油温θeとして選択するようにした。これにより、実際の機関油温θeと推定される機関油温θeとが著しく異なった状況に至ることを回避することができる。
(4)温度差Δθが所定値Δθαよりも大きい旨の判定がなされた場合、変速機用油温θatを最大乖離度合Δαに相当する分だけ低下させた温度を機関油温θeとして設定するようにした。これにより、その推定値は機関停止時の温度状況や停止後の経過時間にかかわらず実際の機関油温θeと同じ温度となるか常に低い温度となる。このため、この推定される機関油温θeが実際の機関油温θeよりも高くなるといった状況を避けることができ、機関油温θeに関連する制御の安定性・信頼性が大きく悪化することを回避することができるようになる。
(5)機関雰囲気温度として外気温θoutを採用するようにした。これにより、吸気温θalを機関雰囲気温度として採用する場合に比べて、機関停止後の機関熱の影響を受けることのないものを機関雰囲気温度とすることができる。
(6)基本遅角量VTbに上限ガード値VTgを適用して、すなわち機関始動時に推定される機関油温θeと機関始動後の温度上昇量を考慮して冷間時排気側バルブタイミング制御における最終目標バルブタイミングを設定するようにした。これにより、排気側可変動弁機構50の作動応答性が低下しているときであっても、排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期に戻して、ロック機構55によりロックできるようになる。
ここで、推定された機関油温θeは、上述したように適正な機関油温θeであるため、冷間時排気側バルブタイミング制御における信頼性やロック機構55によるロックの確実性を担保することができる。
(7)車両運転時か車両停止時かを切り分けて、冷間時排気側バルブタイミングにおける最終目標バルブタイミングVTfを設定するようにした。これにより、車両停止時において、機関が停止されるまでの時間が短い場合に、遅角操作がなされ、この遅角操作中に機関停止操作がなされても、排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期に戻してロック機構55によりロックできるようになる。
(8)機関温度が上昇して混合気の燃焼状態が向上するほど、さらに排気浄化装置32が活性化して排気に含まれる未燃燃料を効率的に浄化することができるようになるほど、冷間時排気側バルブタイミング制御を通じて制御される排気バルブ51のバルブタイミングの遅角量を小さく設定した。これにより、不必要に排気バルブ51のバルブタイミングが遅角されることを抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示す態様をもって実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態では、温度差Δθが所定値Δθαよりも大きい旨の判定がなされた場合、変速機用油温θatから最大乖離度合Δαに相当する温度を減算した値を機関油温θeとして設定したが、この減算補正を省略して、変速機用油温θatを機関油温θeとして設定することもできる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(3)および(5)〜(8)の作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、温度差Δθが所定値Δθαよりも大きい旨の判定がなされた場合、変速機用油温θatから最大乖離度合Δαに相当する温度を減算した値を機関油温θeとして推定したが、機関運転状態に関わらず機関油温θeを常に下回るような相関温度を予め求めておき、これを機関油温θeとして推定することもできる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(3)および(5)〜(8)の作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、温度差Δθが所定値Δθαよりも大きい旨の判定がなされた場合、始動時の機関油温θeを推定するための機関雰囲気温度を外気温θoutとしたが、外気温θoutに代えてこれを吸気温θalとすることもできる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(4)および(6)〜(8)の作用効果を奏することができる。
一般に、始動直後には機関熱によって吸気通路21に温度上昇した吸気が滞留している可能性があるため、このように温度上昇した吸気温θalとは別の吸気温θalを機関雰囲気温度として検出することが好ましい。
そこで、この実施形態では、機関始動後に所定時間が経過した後、換言すれば吸気通路21の温度上昇した吸気が燃焼室11側に掃気されて機関熱の影響をほとんど受けていない外気が吸気通路21に導入されるようになった後に吸気温θalを検出し、これを機関雰囲気温度として採用するようにしている。
図12に示されるように、タイミングt1にて機関始動されると、タイミングt1〜t2の間では、機関停止時の温度状況の影響を受けて、吸気温θalは外気温θoutと乖離が生じた状態となっている場合が多い。そして、タイミングt2以降では、外気が導入されるにつれて吸気温θalが外気温θoutに収束する傾向にある。そして、タイミングt3において、吸気温θalが外気温θoutに収束するときの吸気温θalを検出し、これを機関雰囲気温度として採用する。
図13を参照して、機関雰囲気温度として吸気温θalを採用した場合における機関油温の推定処理について説明する。なお、この機関油温の推定処理は、機関始動時の機関油温θeを推定するための処理であり、制御装置60において、機関始動時であることの条件が成立しているときに実行される。
この処理では、図4におけるステップS110において始動時である旨の判定がなされた場合(ステップS110:YES)、ステップS310において、機関始動後、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS310にて、機関始動後に所定時間が経過した旨の判定がなされた場合(ステップS310:YES)、吸気温θalが外気温θoutに収束していると判断して、ステップS320において、このときの吸気温θalを検出する。以降の処理は、図4のステップS130以降の処理を採用して、図4に示される機関油温θeの推定処理における外気温θoutに替えて、ステップS320において検出された吸気温θalを採用する。ステップS310にて、機関始動後に所定時間が経過していない旨の判定がなされた場合(ステップS310:NO)、所定時間が経過するまで待機する。
このように外気温θoutに替えて吸気温θalを採用する場合には、外気温センサ75を有していない内燃機関においても、吸気温θalが外気温θoutに収束した後には機関油温θeの推定処理を適切に実行することができる。一方、吸気温θalが外気温θoutに収束するまでの過渡的な状態にあるときには、本処理により機関油温θeを適切に推定することができない。このため、同油温θeを推定するまでの時間が長くなり、機関始動後すぐに機関油温θeを推定し、この推定した機関油温θeを内燃機関10が実行する種々の制御に活用することができないこととなる。
・上記実施形態では、温度差Δθが所定値Δθα以内である旨の判定がなされた場合、冷却水温θw、変速機用油温θat、外気温θoutのうちの最も低い温度を機関始動時の機関油温θeとして設定するようにした。これに対して、温度差Δθが所定値Δθα以内である場合には、各温度θe,θw,θatが外気温θoutに収束していると判断して、外気温θoutを機関油温θeとして推定するようにしてもよい。こうした構成であっても、上述した(1)および(3)〜(8)の作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、車両走行時及び車両停止時について、それぞれの基本遅角量VTbに上限ガード値VTgを設定して最終目標バルブタイミングVTfを算出するようにしたが、車両走行時に限っては、機関冷間時における上限ガード値VTgを設定することなく、最終目標バルブタイミングVTfを算出することもできる。即ち、車両走行時には、機関が停止されるまでの時間をある程度確保することができ、機関停止に先立って排気バルブ51のバルブタイミングを最進角時期にロックすることができるため、上限ガード値VTgによる基本遅角量VTbの制限処理を省略することもできる。
この場合には、上記実施形態の冷間時排気側バルブタイミング制御において、ステップS210にて基本遅角量VTbを算出した後、車両走行時か車両停止時か否かを判定する。そして、車両走行時である旨の判定がなされた場合、ステップS220及びステップS230の処理を省略して、ステップS240にて最終目標バルブタイミングVTfを基本遅角量VTbに設定するようにする。こうした構成であっても、上述した(1)〜(5)および(7)および(8)の作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、推定された機関油温θeと積算吸入空気量ΣGaとに基づいて上限ガード値VTgを算出するようにしたが、推定された機関油温θeのみに基づいて上限ガード値VTgを設定することもできる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(8)の作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、機関始動時をクランキングから自立運転可能となるまでの期間としたが、自立運転可能となった直後、すなわち自立運転が可能となってから、混合気の燃焼によって燃焼室11内の温度が変化しない期間も機関始動時とすることもできる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(8)の作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、機関冷間時に排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させて未燃燃料の排出を抑制する構成を示したが、これに代えて若しくはこれに加えて、吸気バルブ41のバルブタイミングを進角させる構成を採用することもできる。この構成を採用した場合には、吸気バルブ41のバルブタイミングを進角させることにより、排気通路31から燃焼室11に排気の一部を吹き返すことにより、即ち内部EGR量を増大させることにより、燃焼室11内部の温度を上昇させることができる。そしてこのように燃焼室11内部の温度を上昇させることにより混合気の燃焼を促進させることができ、未燃燃料の排出を抑制することができるようになる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(8)に準じた作用効果を奏することができる。
・先の変形例において、排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させるとともに吸気バルブ41のバルブタイミングを進角させる構成を例示したが、例えば、機関低負荷時には燃料噴射量が少ないため、このときに、排気バルブ51のバルブタイミングが遅角されるとともに吸気バルブ41のバルブタイミングが進角されることにより、バルブオーバーラップが増大すると、内部EGR量が増大されて、燃焼室11内部の温度が上昇し混合気の霧化が促進されるようになるものの、燃焼室11に導入される混合気の量が減少することに起因して燃焼が不安定になる傾向がある。一方、機関高負荷時には燃料噴射量が確保できるため、バルブオーバーラップを増大させて内部EGRを増大させても燃焼が不安定になることはないため、吸気バルブ41を進角させることにより内部EGRを増大させて霧化を促進させることにより、未燃燃料の排出を抑制することができる。
このように、機関高負荷時には、排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させるとともに、吸気バルブ41のバルブタイミングを進角させる一方、機関低負荷時には、吸気バルブ41のバルブタイミングを進角させることなく、排気バルブ51のバルブタイミングを遅角させる構成とすることも考えられる。
10…内燃機関、11…燃焼室、12…オイルポンプ、21…吸気通路、22…スロットルバルブ、31…排気通路、32…排気浄化触媒、40…吸気側可変動弁機構、41…吸気バルブ、45…ロック機構、50…排気側可変動弁機構、51…排気バルブ、55…ロック機構、60…制御装置、71…水温センサ、72…吸気温センサ、73…スロットルポジションセンサ、74…エアフロメータ、75…外気温センサ、76…クランクポジションセンサ、77…排気側カムポジションセンサ、78…変速機用油温センサ、79…車速センサ。

Claims (10)

  1. 内燃機関の機関油の温度である機関油温を推定する内燃機関の機関油温推定装置であって、
    前記機関油温推定装置は、雰囲気温度検知センサ、複数の相関温度検知センサ、および、制御装置を有し、
    前記雰囲気温度検知センサは、前記内燃機関の雰囲気温度である機関雰囲気温度に応じて変化する雰囲気温度信号を出力し、
    個々の前記相関温度検知センサは、前記機関油温と相関を有する温度である相関温度に応じて変化する相関温度信号を出力し、
    前記制御装置は、
    前記内燃機関の始動時において、前記雰囲気温度信号により示唆される前記機関雰囲気温度、および、個々の前記相関温度信号により示唆される個々の前記相関温度の分布が所定範囲内に収束しているとき、前記機関雰囲気温度および複数の前記相関温度のうちの最も低い温度を前記機関油温の代替値として選択する
    内燃機関の機関油温推定装置。
  2. 内燃機関の機関油の温度である機関油温を推定する内燃機関の機関油温推定装置であって、
    前記機関油温推定装置は、雰囲気温度検知センサ、複数の相関温度検知センサ、および、制御装置を有し、
    前記雰囲気温度検知センサは、前記内燃機関の雰囲気温度である機関雰囲気温度に応じて変化する雰囲気温度信号を出力し、
    個々の前記相関温度検知センサは、前記機関油温と相関を有する温度である相関温度に応じて変化する相関温度信号を出力し、
    前記制御装置は、
    前記内燃機関の始動時において、前記雰囲気温度信号により示唆される前記機関雰囲気温度、および、個々の前記相関温度信号により示唆される個々の前記相関温度のうちの最も高い温度と最も低い温度との差である温度差に基づいて、前記機関油温を算出するための第1演算形態または第2演算形態を選択し、
    前記第1演算形態は、前記温度差が所定値以下のときに選択される演算形態であって、前記機関雰囲気温度および複数の前記相関温度の中から前記機関油温の代替値を選択し、
    前記第2演算形態は、前記温度差が前記所定値よりも大きいときに選択される演算形態であって、少なくとも複数の前記相関温度のうちの特定の相関温度を用いて前記機関油温を算出する
    内燃機関の機関油温推定装置。
  3. 内燃機関の機関油の温度である機関油温を推定する内燃機関の機関油温推定装置であって、
    前記機関油温推定装置は、雰囲気温度検知センサ、複数の相関温度検知センサ、および、制御装置を有し、
    前記雰囲気温度検知センサは、前記内燃機関の雰囲気温度である機関雰囲気温度に応じて変化する雰囲気温度信号を出力し、
    個々の前記相関温度検知センサは、前記機関油温と相関を有する温度である相関温度に応じて変化する相関温度信号を出力し、
    前記複数の相関温度検知センサのうちの1つである変速機用油温センサは、前記内燃機関の駆動力を車両駆動系に伝達する変速機に取り付けられ、前記変速機の油の温度に応じて変化する前記相関温度信号を出力し、
    前記制御装置は、
    前記内燃機関の始動時において、前記機関雰囲気温度および複数の前記相関温度のうちの最も高い温度と最も低い温度との差が所定値よりも大きいことが、前記雰囲気温度信号および複数の前記相関温度信号により示唆されるとき、少なくとも前記変速機用油温センサの相関温度信号を用いて前記機関油温を算出する
    内燃機関の機関油温推定装置。
  4. 内燃機関の機関油の温度である機関油温を推定する内燃機関の機関油温推定装置であって、
    前記機関油温推定装置は、雰囲気温度検知センサ、複数の相関温度検知センサ、および、制御装置を有し、
    前記雰囲気温度検知センサは、前記内燃機関の雰囲気温度である機関雰囲気温度に応じて変化する雰囲気温度信号を出力し、
    個々の前記相関温度検知センサは、前記機関油温と相関を有する温度である相関温度に応じて変化する相関温度信号を出力し、
    前記制御装置は、
    前記内燃機関の始動時において、前記機関雰囲気温度および複数の前記相関温度のうちの最も高い温度と最も低い温度との差が所定値以下であることが、前記雰囲気温度信号および複数の前記相関温度信号により示唆されるとき、前記機関雰囲気温度、および、複数の前記相関温度のうちの最も低い温度を前記機関油温の代替値として選択する
    内燃機関の機関油温推定装置。
  5. 内燃機関の機関油の温度である機関油温を推定する内燃機関の機関油温推定装置であって、
    前記機関油温推定装置は、雰囲気温度検知センサ、複数の相関温度検知センサ、および、制御装置を有し、
    前記雰囲気温度検知センサは、前記内燃機関の雰囲気温度である機関雰囲気温度に応じて変化する雰囲気温度信号を出力し、
    個々の前記相関温度検知センサは、前記機関油温と相関を有する温度である相関温度に応じて変化する相関温度信号を出力し、
    前記制御装置は、
    前記内燃機関の始動時において、前記雰囲気温度信号により示唆される前記機関雰囲気温度、および、個々の前記相関温度信号により示唆される個々の前記相関温度の分布が所定範囲内に収束していないとき、予め設定した相対温度を前記機関油温の代替値として選択し、選択した前記代替値に基づいて前記機関油温を推定し、
    前記複数の相関温度において、前記内燃機関の停止後における前記機関油温との乖離度合の最大値が最も小さい温度を前記相対温度として設定する
    内燃機関の機関油温推定装置。
  6. 前記制御装置は、前記分布が前記所定範囲内に収束しているとき、前記機関雰囲気温度および複数の前記相関温度のうちの最も低い温度を前記機関油温の代替値として選択する
    請求項5に記載の内燃機関の機関油温推定装置。
  7. 前記制御装置は、前記相対温度を前記代替値として選択したとき、前記相対温度よりも低く、かつ、前記相対温度に対して前記機関油温との乖離度合の最大値に相当する分の差を有する温度を前記機関油温として算出する
    請求項5または6に記載の内燃機関の機関油温推定装置。
  8. 前記複数の相関温度検知センサのうちの1つである変速機用油温センサは、前記内燃機関の駆動力を車両駆動系に伝達する変速機に取り付けられ、前記変速機の油の温度に応じて変化する信号を出力し、
    前記制御装置は、前記変速機用油温センサの出力信号により示唆される前記変速機の油の温度を前記機関油温の代替値として選択する
    請求項5〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の機関油温推定装置。
  9. 内燃機関のバルブタイミング可変装置であって、
    前記バルブタイミング可変装置は、可変動弁機構、ロック機構、および、請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の機関油温推定装置を有し、
    前記可変動弁機構は、前記内燃機関の機関油を作動媒体として吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを変更する構造を有し、
    前記ロック機構は、前記バルブタイミングを特定時期にロックする構造を有し、
    前記制御装置は、前記内燃機関の冷間時において、前記バルブタイミングが前記特定時期から変更されるとき、前記バルブタイミングの変更量を前記機関油温に基づいて変化させる
    内燃機関のバルブタイミング可変装置。
  10. 前記可変動弁機構は、排気バルブのバルブタイミングを変更する排気側可変動弁機構を有し、
    前記制御装置は、前記内燃機関の冷間時において、前記排気側可変動弁機構を制御することにより前記排気バルブのバルブタイミングを前記特定時期から前記バルブタイミングの変更量分にわたり遅角する
    請求項9に記載の内燃機関のバルブタイミング可変装置。
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