JP2012149600A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブタイミング調整の応答性と回転位相ロックの確実性とを高める。
【解決手段】スリーブ66内の付勢調整構造94は、可動部材84と、スプール70を軸方向に付勢する第一復原力F1を発生の第一弾性部材80と、可動部材84を軸方向に付勢する第二復原力F2を発生の第二弾性部材82とを有する。可動部材84がスプールストッパ707との係合により第二復原力F2をスプール70に伝達する伝達状態と、可動部材84がスリーブストッパ666bとの係合により当該伝達を制限する制限状態とは、可動部材84が両ストッパ707,666bと係合する位置Pcを境に絞りロック領域Rls内で切り替わる。領域Rlsのうち位置Pcより進角領域Ra側にて制限状態を実現する一部での要素84,666bの接触面積は、領域Rlsのうち伝達状態を実現する残部での要素84,707の接触面積よりも大きい。
【選択図】図10

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを、供給源から供給される作動液により調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動回転するハウジング並びにカム軸と連動回転するベーンロータを備えたバルブタイミング調整装置が、知られている。例えば特許文献1には、ハウジング内にてベーンロータにより回転方向に区画した進角室又は遅角室へ作動液を導入することで、ハウジングに対するベーンロータの回転位相を進角側又は遅角側へ変化させる装置が、開示されている。
この特許文献1の装置には、ロック作動室からの作動液の排出により回転位相をロックする一方、ロック作動室への作動液の導入により当該ロックを解除するために、ロック手段(規制・ロック構造)が設けられている。そこで、特許文献1の装置では、ロック作動室に対する作動液の入出を、進角室及び遅角室に対する作動液の入出と同時に制御するために、それらの入出制御を、スリーブ内に収容されたスプールの軸方向への往復移動により実現するよう、制御弁が用いられている。
こうした特許文献1の装置において制御弁のスプールは、指令値に従って駆動源が軸方向に発生する駆動力と、付勢手段(スプリング)が当該駆動力に抗して軸方向に発生する弾性付勢力とのバランスに応じて、移動する。こうしたスプールの移動領域として特許文献1の装置では、可変領域(第二領域のうち進角領域)とロック領域(第一領域)とが設定されている。
まず、可変領域では、ロック作動室と連通するロック作動ポートが、進角室へ作動液を導入する導入ポートと共に、供給源から作動液の供給を受ける供給ポートに接続される。かかる接続形態によると、ロックの解除された回転位相が進角側へと変化することになる。一方、ロック領域では、供給ポートに接続される導入ポートとは異なり、ロック作動ポートは、作動液を排出するドレンポートに接続される。かかる接続形態によると、供給ポートへ供給の作動液が導入ポートから進角室に導入されて充填された状態にて、回転位相のロックが実現されることになる。これによれば、ロック領域から可変領域へのスプール移動に応じて作動液は、既に充填状態にある進角室に対して導入され得るので、回転位相を進角側へ速やかに変化させてバルブタイミング調整の応答性を高めることができるのである。
さらに、特許文献1の装置においてロック領域の一部は、供給ポートから導入ポートへの作動液の流通流量を絞る絞りロック領域(絞り領域)として、設定されている。これにより、可変領域から絞りロック領域へスプールを移動させた場合には、導入ポートから進角室への作動液の導入流量が抑えられて回転位相の進角側変化量が可及的に減少するので、所定の回転位相にロックさせ易くなるのである。
特開2010−285918号公報
さて、特許文献1の装置では、可変領域から絞りロック領域へスプールを移動させると、慣性力の作用によりスプールが絞りロック領域から外れることが、懸念される。この場合、供給ポートから導入ポートへの作動液の流通流量、ひいては進角室への作動液の導入流量が増大し、所定の回転位相におけるロックが困難となってしまうため、望ましくない。そこで、絞りロック領域においてスプールに移動抵抗を与える方法が考えられるが、その場合には、絞りロック領域から可変領域へのスプール移動が阻害されるため、回転位相ロックの解除によりバルブタイミング調整を開始する際の応答性を、低下させるおそれがある。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブタイミング調整の応答性と回転位相ロックの確実性とを共に高めるバルブタイミング調整装置を、提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを、供給源から供給される作動液により調整するバルブタイミング調整装置であって、クランク軸と連動回転するハウジングと、カム軸と連動回転し、ハウジング内において進角室及び遅角室を回転方向に区画し、作動液が進角室又は遅角室へ導入されることにより、ハウジングに対する回転位相が進角側又は遅角側へ変化するベーンロータと、作動液が入出するロック作動室を有し、ロック作動室からの作動液の排出により回転位相をロックし、ロック作動室への作動液の導入により当該ロックを解除するロック手段と、スリーブ内に収容されるスプールの軸方向への往復移動により、進角室及び遅角室に対する作動液の入出並びにロック作動室に対する作動液の入出を制御する制御弁と、スプールを軸方向に駆動する駆動力を、指令値に従って発生する駆動源と、スプールを駆動力に抗して軸方向に付勢する弾性付勢力を、発生する付勢手段とを、備え、制御弁は、進角室及び遅角室の一方へ作動液を導入する導入ポートと、ロック作動室と連通するロック作動ポートと、供給源から作動液の供給を受ける供給ポートと、作動液を排出するドレンポートと、スリーブに設けられるスリーブストッパと、スプールに設けられるスプールストッパとを、有し、スプールは、導入ポート及びロック作動ポートを共に供給ポートに接続することにより、ロックを解除した回転位相を変化させる可変領域と、導入ポートを供給ポートに接続し且つロック作動ポートをドレンポートに接続することにより、スリーブ内を通じて供給ポートから導入ポートへ流通する作動液の流量を絞りつつ、回転位相のロックを実現する絞りロック領域とに、移動するバルブタイミング調整装置において、
スリーブ内に設けられる付勢手段は、軸方向に往復移動する可動部材と、スプールを軸方向に付勢する第一復原力を発生する第一弾性部材と、可動部材を軸方向に付勢する第二復原力を発生する第二弾性部材とを、有し、可動部材がスリーブストッパから離脱してスプールストッパと係合することにより、第二復原力をスプールに伝達する伝達状態と、可動部材がスプールストッパから離脱してスリーブストッパと係合することにより、スプールへの第二復原力の伝達を制限する制限状態とは、可動部材がスリーブストッパ及びスプールストッパの双方に係合する切替位置を境に、絞りロック領域内において切り替わり、絞りロック領域のうち切替位置よりも可変領域側となる一部において伝達状態及び制限状態の一方が実現されることにより可動部材が係合対象のストッパと接触する面積は、絞りロック領域の残部において伝達状態及び制限状態の他方が実現されることにより可動部材が係合対象のストッパと接触する面積よりも、大きく設定される。
この発明の制御弁においてスリーブ内のスプールが移動する可変領域では、ロック作動室に連通するロック作動ポートが、進角室及び遅角室の一方へ作動液を導入する導入ポートと共に、供給源から作動液の供給を受ける供給ポートと接続される。かかる接続形態によると、ロック作動室への作動液の導入によりロックの解除された回転位相が、進角側及び遅角側のうち導入ポートからの作動液の導入対象室と対応する側へ変化することになる。一方、制御弁においてスリーブ内のスプールが移動する絞りロック領域では、供給ポートに接続される導入ポートとは異なり、ロック作動ポートは、作動液を排出するドレンポートと接続される。かかる接続形態によると、供給ポートへ供給の作動液が導入ポートから導入対象室に導入されて充填された状態にて、ロック作動室からの作動液の排出により回転位相のロックが実現されることになる。こうしたことから、絞りロック領域から可変領域へのスプール移動に応じて作動液は、既に充填状態にある導入対象室に対して導入され得るので、回転位相を速やかに変化させてバルブタイミング調整の応答性を高めることができるのである。
さらに、請求項1に記載の発明の絞りロック領域では、供給ポートから導入ポートへの作動液の流通流量が絞られる。故に、可変領域から絞りロック領域へスプールを移動させる場合には、導入ポートから導入対象室への作動液の導入流量が減少して回転位相の変化量が抑えられるので、所定の回転位相にロックさせ易くなる。
しかし、請求項1に記載の発明の絞りロック領域では、スリーブ内を通じて供給ポートから導入ポートへ流通する作動液の流量が絞られるので、作動液の流れによる流体力が当該スリーブ内のスプールに作用して変動すると、回転位相ロックを阻害する事態が懸念される。これは、指令値に従って駆動源が発生する駆動力と、付勢手段が発生する弾性付勢力とのバランスによるスプール位置に、流体力変動に起因するばらつきが生じると、当該スプール位置がずれることで絞り機能の悪化を招来するからである。
そこで、請求項1に記載の発明のスリーブ内には、第一弾性部材の第一復原力により軸方向に付勢されるスプールのスプールストッパに対して状態が切り替わる可動部材を、第二弾性部材の第二復原力により軸方向に付勢する付勢手段が、設けられる。こうした付勢手段において、可動部材がスプールストッパに係合する伝達状態では、第一復原力を受けるスプールに第二復原力が可動部材を通じて伝達されるので、スプールを付勢する弾性付勢力は、それら第一及び第二復原力との合力となる。一方、付勢手段において、可動部材がスプールストッパから離脱する制限状態では、第一復原力を受けるスプールへの第二復原力の伝達が制限されるので、スプールを付勢する弾性付勢力としては、第一復原力が単独で作用することになる。これらのことから、第一及び第二復原力の合力作用を現出する伝達状態と、第一復原力の単独作用を現出する制限状態とが、絞りロック領域内の切替位置を境に切り替わることで、駆動力に抗する弾性付勢力が当該切替位置にてステップ状に変化し得る。故に絞りロック領域内では、駆動力をステップ状の変化幅内の弾性付勢力に対してバランスさせることで、作用する流体力の変動に拘らずスプールの位置を切替位置にて安定させ得るので、絞り機能の発揮が確固たるものとなる。
ここで、請求項1に記載の発明の絞りロック領域では、切替位置よりも可変領域側となる一部において、スプールのスプールストッパに可動部材が係合する伝達状態と、スリーブのスリーブストッパに可動部材が係合する制限状態とのうち一方が、実現される。故に絞りロック領域の残部では、そうしたストッパとの係合形態のいずれかを可動部材が採る伝達状態及び制限状態のうちの他方が、実現されることになる。このような構成下、請求項1に記載の発明では特に、絞りロック領域のうち切替位置よりも可変領域側の一部にて可動部材が係合対象のストッパと接触する面積は、絞りロック領域の残部にて可動部材が係合対象のストッパと接触する面積よりも、大きく設定されるのである。
こうした面積設定によると、スプールが可変領域から切替位置へと移動したときに可動部材は、絞りロック領域のうち可変領域側の一部にて大きな接触面積で係合する方のストッパからは、作用するリンキング力が大きいために離脱し難くなる。その結果、絞りロック領域内の切替位置にてスプールストッパと係合する可動部材から、そうした大きなリンキング力に起因する移動抵抗を与えられるスプールについては、可変領域からの移動に伴う慣性力の作用に拘らず、当該切替位置からのずれを抑制され得る。したがって、切替位置にてステップ状に変化する弾性付勢力の作用と相俟って、供給ポートから導入ポートへの作動液の流通流量を絞る絞り機能が確実に発揮されることになるので、回転位相ロックの確実性を高めることができるのである。
一方、切替位置のスプールが可変領域へ移動するときに可動部材は、絞りロック領域のうち当該可変領域とは反対側の残部にて小さな接触面積で係合する方のストッパからは、作用するリンキング力が小さいために離脱し易い。その結果、絞りロック領域内にて、各ストッパが可動部材に係合する切替位置から可変領域側へと移動する際のスプールについては、当該可動部材とは離脱するストッパからのリンキング力の影響を抑えられて、与えられる移動抵抗が減少する。したがって、絞りロック領域から可変領域へのスプール移動が阻害され難くなるので、回転位相ロックの解除によりバルブタイミング調整を開始する際の応答性をも、高めることができるのである。
請求項2に記載の発明によると、可動部材は、径方向に沿って広がる環平面部が設けられてなり、絞りロック領域のうち切替位置よりも可変領域側となる一部において伝達状態及び制限状態の一方が実現されることにより、環平面部が係合対象の環平面状のストッパと同軸上に接触し、絞りロック領域の残部において伝達状態及び制限状態の他方が実現されることにより、環平面部が係合対象のテーパ面状のストッパと同軸上に接触する。
この発明では、径方向に沿って広がる可動部材の環平面部は、絞りロック領域の切替位置よりも可変領域側の一部にて環平面状ストッパと同軸上に接触する面積につき、同領域の残部にてテーパ面状ストッパと同軸上に接触する面積より、大きくなる。これにより、スプールが可変領域から切替位置へと移動したときに可動部材の環平面部は、絞りロック領域のうち可変領域側の一部にて大きな接触面積で係合する環平面状ストッパからは、作用するリンキング力が大きいために離脱し難くなる。その結果、絞りロック領域内の切替位置にて環平面部がスプールストッパに係合する可動部材から、そうした大きなリンキング力に起因する移動抵抗を与えられるスプールについては、慣性力の作用に拘らず、当該切替位置からのずれを抑制され得る。一方、切替位置のスプールが可変領域へ移動するときに可動部材の環平面部は、絞りロック領域のうち当該可変領域とは反対側の残部にて小さな接触面積で係合するテーパ面状ストッパからは、作用するリンキング力が小さいために離脱し易い。その結果、絞りロック領域内にて、各ストッパが可動部材の環平面部に係合する切替位置から可変領域側へと移動する際のスプールについては、当該環平面部とは離脱するテーパ面状ストッパからのリンキング力の影響が抑えられるので、移動抵抗が減少する。以上によれば、回転位相ロックの確実性を高めつつ、バルブタイミング調整の応答性をも高めることができるのである。
請求項3に記載の発明によると、可動部材は、周方向に連続する環平面部と、周方向に断続する部分平面部とが、設けられてなり、絞りロック領域のうち切替位置よりも可変領域側となる一部において伝達状態及び制限状態の一方が実現されることにより、環平面部が係合対象の環平面状のストッパと面接触し、絞りロック領域の残部において伝達状態及び制限状態の他方が実現されることにより、部分平面部が係合対象の環平面状のストッパと面接触する。
この発明では、絞りロック領域の切替位置よりも可変領域側の一部にて可動部材の周方向に連続する環平面部が環平面状ストッパと面接触する面積につき、同領域の残部にて可動部材の周方向に断続する部分平面部が環平面状ストッパと面接触する面積より、大きくなる。これにより、スプールが可変領域から切替位置へと移動したときに可動部材の環平面部は、絞りロック領域のうち可変領域側の一部にて大きな接触面積で係合する環平面状ストッパからは、作用するリンキング力が大きいために離脱し難くなる。その結果、絞りロック領域内の切替位置にて環平面部がスプールストッパに係合する可動部材から、そうした大きなリンキング力に起因する移動抵抗を与えられるスプールについては、慣性力の作用に拘らず、当該切替位置からのずれを抑制され得る。一方、切替位置のスプールが可変領域へ移動するときに可動部材の部分平面部は、絞りロック領域のうち当該可変領域とは反対側の残部にて小さな接触面積で係合する環平面状ストッパからは、作用するリンキング力が小さいために離脱し易い。その結果、絞りロック領域内にて、各ストッパが可動部材の各平面部に係合する切替位置から可変領域側へと移動する際のスプールについては、それら平面部のうち部分平面部とは離脱する環平面状ストッパからのリンキング力の影響が抑えられるので、移動抵抗が減少する。以上によれば、回転位相ロックの確実性を高めつつ、バルブタイミング調整の応答性をも高めることができるのである。
請求項4に記載の発明によると、駆動源は、軸方向のうち往方向に作用する駆動力を発生し、第一弾性部材は、軸方向のうち往方向とは反対の復方向に作用する第一復原力を発生し、第二弾性部材は、軸方向のうち往方向に作用し且つ第一復原力よりも小さい第二復原力を発生し、絞りロック領域のうち切替位置よりも可変領域側となる一部において制限状態が実現されることにより可動部材が係合対象のスリーブストッパと接触する面積は、絞りロック領域の残部において伝達状態が実現されることにより可動部材が係合対象のスプールストッパと接触する面積よりも、大きく設定される。
この発明の絞りロック領域にて可動部材がスプールストッパに係合する伝達状態では、往方向の駆動力に抗してスプールを付勢する弾性付勢力が、当該往方向とは反対の復方向に作用する第一復原力と、それよりも小さな当該往方向の第二復原力との合力となる。一方、絞りロック領域にて可動部材がスプールストッパから離脱する制限状態では、スプールへの第二復原力の伝達制限により、往方向とは反対の復方向の第一復原力のみが当該往方向の駆動力に抗する弾性付勢力として作用する。これらによれば、第一及び第二復原力の合力作用が現出する伝達状態と、第一復原力の単独作用が現出する制限状態とにつき、駆動力とバランスさせる弾性付勢力のステップ状変化を実現するように、絞りロック領域内にて確実に切り替え得る。したがって、絞りロック領域では、流体力の変動に拘らず、導入ポートへの作動液の流通流量を絞る絞り機能の発揮を確固たるものとして、回転位相ロックの確実性を高めることができるのである。
しかも請求項4に記載の発明では、絞りロック領域のうち切替位置よりも可変領域側の一部にて制限状態の可動部材がスリーブストッパと接触する面積は、絞りロック領域の残部にて伝達状態の可動部材がスプールストッパと接触する面積よりも、大きく設定される。これにより、スプールが可変領域から切替位置へと移動したときに可動部材は、絞りロック領域のうち可変領域側の一部にて大きな接触面積で係合するスリーブストッパからは、作用するリンキング力が大きいために離脱し難くなる。その結果、絞りロック領域内の切替位置にてスプールストッパと係合する可動部材から、そうした大きなリンキング力に起因する移動抵抗を与えられるスプールについては、慣性力の作用に拘らず、当該切替位置からのずれを抑制され得る。一方、切替位置のスプールが可変領域へ移動するときに可動部材は、絞りロック領域のうち当該可変領域とは反対側の残部にて小さな接触面積で係合するスプールストッパからは、作用するリンキング力が小さいために離脱し易い。その結果、絞りロック領域内にて、各ストッパが可動部材に係合する切替位置から可変領域側へと移動する際のスプールについては、当該可動部材とは離脱するスプールストッパからのリンキング力の影響が抑えられるので、移動抵抗が減少する。以上によれば、回転位相ロックの確実性を高めつつ、バルブタイミング調整の応答性をも高めることができるのである。
請求項5に記載の発明によると、駆動源は、軸方向のうち往方向に作用する駆動力を発生し、第一弾性部材及び第二弾性部材は、軸方向のうち往方向とは反対の復方向に作用する第一復原力及び第二復原力を、それぞれ発生し、絞りロック領域のうち切替位置よりも可変領域側となる一部において伝達状態が実現されることにより可動部材が係合対象のスプールストッパと接触する面積は、絞りロック領域の残部において制限状態が実現されることにより可動部材が係合対象のスリーブストッパと接触する面積よりも、大きく設定される。
この発明の絞りロック領域にて可動部材がスプールストッパに係合する伝達状態では、往方向の駆動力に抗してスプールを付勢する弾性付勢力が、当該往方向とは反対の復方向に作用する第一及び第二復原力の合力となる。一方、絞りロック領域にて可動部材がスプールストッパから離脱する制限状態では、スプールへの第二復原力の伝達制限により、往方向とは反対の復方向の第一復原力のみが当該往方向の駆動力に抗する弾性付勢力として作用する。これらによれば、第一及び第二復原力の合力作用が現出する伝達状態と、第一復原力の単独作用が現出する制限状態とにつき、駆動力とバランスさせる弾性付勢力のステップ状変化を実現するように、絞りロック領域内にて確実に切り替え得る。したがって、絞りロック領域では、流体力の変動に拘らず、導入ポートへの作動液の流通流量を絞る絞り機能の発揮を確固たるものとして、回転位相ロックの確実性を高めることができるのである。
しかも請求項5に記載の発明では、絞りロック領域のうち切替位置よりも可変領域側の一部にて伝達状態の可動部材がスプールストッパと接触する面積は、絞りロック領域の残部にて制限状態の可動部材がスリーブストッパと接触する面積よりも、大きく設定される。これにより、スプールが可変領域から切替位置へと移動したときに可動部材は、絞りロック領域のうち可変領域側の一部にて大きな接触面積で係合するスプールストッパからは、作用するリンキング力が大きいために離脱し難くなる。その結果、絞りロック領域内の切替位置にてスプールストッパと係合する可動部材から、そうした大きなリンキング力に起因する移動抵抗を与えられるスプールについては、慣性力の作用に拘らず、当該切替位置からのずれを抑制され得る。一方、切替位置のスプールが可変領域へ移動するときに可動部材は、絞りロック領域のうち当該可変領域とは反対側の残部にて小さな接触面積で係合するスリーブストッパからは、作用するリンキング力が小さいために離脱し易い。その結果、絞りロック領域内にて、各ストッパが可動部材に係合する切替位置から可変領域側へと移動する際のスプールについては、当該可動部材とは離脱するスリーブストッパからのリンキング力の影響が抑えられるので、移動抵抗が減少する。以上によれば、回転位相ロックの確実性を高めつつ、バルブタイミング調整の応答性をも高めることができるのである。
請求項6に記載の発明によると、絞りロック領域において、内燃機関の回転により駆動される供給源から供給ポートへ供給される作動液の導入ポートへの流通流量が、絞られる。
この発明のように、内燃機関の回転により駆動される供給源から供給ポートへ供給される作動液については、内燃機関の回転速度に応じて供給源からの供給流量(圧力)が変動するため、そうした作動液の流れによりスプールに与えられる流体力も変動する。しかし、上述したようにスプールストッパに対する可動部材の状態が絞りロック領域内にて切り替わることで、流体力の変動に拘らず、導入ポートへの作動液の流通流量を絞る絞り機能の発揮を確固たるものとして、回転位相ロックの確実性を高めることができるのである。
請求項7に記載の発明によると、ロック手段は、ロック作動室からの作動液の排出により回転位相を、最進角位相及び最遅角位相の間の中間ロック位相にロックし、ベーンロータは、平均的に遅角側に偏る変動トルクをカム軸から受け、絞りロック領域において、進角室と連通する導入ポートへの作動液の流通流量が、絞られる。
この発明の絞りロック領域では、供給ポートへ供給の作動液が導入ポートに連通の進角室へ導入されつつ、ロック作動室からの作動液の排出により回転位相が最進角位相及び最遅角位相間の中間ロック位相にロックされる。このとき、進角室への作動液の導入によりベーンロータに発生する進角側の回転力は、平均的に遅角側に偏るようにベーンロータがカム軸から受ける変動トルクに抗して働くので、回転位相の変化量を抑えた状態で中間ロック位相へのロックを実現し得る。しかも絞りロック領域では、上述したようにスプールストッパに対する可動部材の状態が絞りロック領域内にて切り替わるので、流体力の変動に拘らず、導入ポートへの作動液の流通流量を絞る絞り機能を確実に発揮し得る。したがって、これらによれば、回転位相ロックの確実性を高めることができるのである。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置の基本構成を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のバルブタイミング調整装置に作用する変動トルクについて説明するため特性図である。 図1のバルブタイミング調整装置の制御弁の具体的構成を示す断面図である。 図4の制御弁の別の作動状態を示す断面図である。 図4の制御弁の別の作動状態を示す断面図である。 図4の制御弁の別の作動状態を示す断面図である。 図4の制御弁の別の作動状態を示す断面図である。 図4の制御弁の特性を示す特性図である。 図4の制御弁の特徴を説明するための断面図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の制御弁の具体的構成を示す断面図である。 図11の可動部材を示す断面図(a)及び正面図(b)である。 図11の制御弁の特徴を説明するための断面図である。 本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置の制御弁の具体的構成を示す断面図である。 図14の制御弁の別の作動状態を示す断面図である。 図14の制御弁の別の作動状態を示す断面図である。 図14の制御弁の別の作動状態を示す断面図である。 図14の制御弁の別の作動状態を示す断面図である。 図14の制御弁の特徴を説明するための断面図である。 図14の制御弁の特性を示す特性図である。 図4の制御弁の変形例を示す断面図である。 図14の制御弁の変形例を示す断面図である。 図14の制御弁の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を車両の内燃機関に適用した例を、示している。バルブタイミング調整装置1は、「作動液」としての作動油を用いる流体駆動式であり、「動弁」としての吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本構成)
まず、バルブタイミング調整装置1の基本構成につき、説明する。図1,2に示すようにバルブタイミング調整装置1は、内燃機関においてクランク軸(図示しない)から出力される機関トルクをカム軸2へ伝達する伝達系に設置の回転機構部10と、当該回転機構部10を駆動するための作動油の入出を制御する制御部40とを、組み合わせてなる。
(回転機構部)
回転機構部10においてハウジング11は、シューケーシング12の軸方向両端部にリアプレート13及びフロントプレート15を締結してなる。シューケーシング12は、円筒状のハウジング本体120と、仕切部である複数のシュー121,122,123とを有している。各シュー121,122,123は、ハウジング本体120において回転方向に所定間隔ずつあけた箇所から径方向内側へ突出している。回転方向において隣り合うシュー121,122,123の間には、それぞれ収容室20が形成されている。リアプレート13は、タイミングチェーン(図示しない)を介してクランク軸と連繋するスプロケット134を、有している。かかる連繋により内燃機関の回転中は、クランク軸からスプロケット134へと機関トルクが伝達されることで、ハウジング11がクランク軸と連動して一定方向(図2の時計方向)に回転する。
ベーンロータ14は、ハウジング11内に同軸上に収容されており、軸方向両端部にてリアプレート13及びフロントプレート15と摺接する。ベーンロータ14は、円筒状の回転軸140と、複数のベーン141,142,143とを有している。回転軸140は、カム軸2に対して同軸上に固定されている。これによりベーンロータ14は、カム軸2と連動してハウジング11と同一方向(図2の時計方向)に回転可能且つハウジング11に対して相対回転可能となっている。ここで本実施形態の回転軸140は、軸本体140aの両側に、リアプレート13を軸方向に貫通してカム軸2に締結されるボス140bと、フロントプレート15を軸方向に貫通してハウジング11外に向かって開口するブッシュ140cとを、同軸上に締結してなる。
各ベーン141,142,143は、回転軸140の軸本体140aにおいて回転方向に所定間隔ずつあけた箇所から径方向外側へ突出し、それぞれ対応する収容室20に収容されている。各ベーン141,142,143は、それぞれ対応する収容室20を回転方向に分割することにより、作動油が入出する進角室22,23,24及び遅角室26,27,28を、ハウジング11内に区画している。具体的には、シュー121及びベーン141の間には進角室22が形成され、シュー122及びベーン142の間には進角室23が形成され、シュー123及びベーン143の間には進角室24が形成されている。一方、シュー122及びベーン141の間には遅角室26が形成され、シュー123及びベーン142の間には遅角室27が形成され、シュー121及びベーン143の間には遅角室28が形成されている。
ベーン141は、ハウジング11に対するベーンロータ14の回転位相をロックするためにフロントプレート15のロック孔152に嵌合するロック部材16を、収容している。それと共にベーン141は、ロック部材16をロック孔152から離脱させて回転位相のロックを解除するために作動油が導入されるロック作動室17を、形成している。
以上の構成により回転機構部10では、ロック部材16による回転位相のロックが解除された状態にて、進角室22,23,24への作動油導入且つ遅角室26,27,28からの作動油排出により回転位相が進角側へ変化し、それに応じてバルブタイミングが進角する。一方、回転位相ロックが解除された状態にて、遅角室26,27,28への作動油導入且つ進角室22,23,24からの作動油排出により回転位相が遅角側へ変化し、それに応じてバルブタイミングが遅角することになる。
こうしたバルブタイミング調整において回転機構部10により実現可能な回転位相のうち、内燃機関の始動時に規制する回転位相の領域として本実施形態では、最遅角位相及び最進角位相の間の所定位相から最進角位相に至るまでの規制位相領域が、設定されている。また特に本実施形態では、そうした規制位相領域の中でも特に最適な始動性を確保するための中間ロック位相として、ロック部材16によりロックが実現されるときの回転位相が、設定されている。こうした設定によれば、内燃機関の始動時に、気筒への吸入空気量が吸気弁の閉弁遅延により過度に減少する事態を抑制して、内燃機関の始動を許容することができるのである。
(制御部)
制御部40において進角主通路41は、回転軸140の内周部に沿って形成されている。進角分岐通路42,43,44は回転軸140を貫通し、それぞれ対応する進角室22,23,24及び共通の進角主通路41と連通している。遅角主通路45は、回転軸140の内周部に開口する溝により形成されている。遅角分岐通路46,47,48は回転軸140を貫通し、それぞれ対応する遅角室26,27,28及び共通の遅角主通路45と連通している。ロック作動通路49は回転軸140を貫通し、ロック作動室17と連通している。
主供給通路50は回転軸140を貫通し、「供給源」であるポンプ4にカム軸2の搬送通路3を介して連通している。ここでポンプ4は、内燃機関の回転に伴ってクランク軸により駆動されるメカポンプであり、当該回転中は、ドレンパン5から吸入した作動油を継続的に吐出する。
副供給通路52は回転軸140を貫通し、主供給通路50から分岐している。副供給通路52は、ポンプ4から供給される作動油を、主供給通路50を通じて受ける。副供給通路52の中途部と、主供給通路50において当該副供給通路52の分岐部分よりもポンプ4側の中途部とには、それぞれリード式の逆止弁(リード弁)520,500が設けられている。ここで副逆止弁520は、副供給通路52において作動油が主供給通路50側に逆流するのを防止し、また主逆止弁500は、主供給通路50において作動油がポンプ4側に逆流するのを防止する。
ドレン回収通路54は、回転機構部10及びカム軸2の外部に設けられている。ドレン回収部としてのドレンパン5と共に大気に開放されるドレン回収通路54は、当該ドレンパン5へ作動油を排出可能となっている。
制御弁60は、駆動源90への通電により発生する駆動力と、付勢調整構造94の発生する弾性付勢力とを利用して、スリーブ66内のスプール70を軸方向に往復移動させるスプール弁である。制御弁60は、進角ポート661、遅角ポート662、ロック作動ポート663、主供給ポート664、副供給ポート665及びドレンポート666を有している。ここで、進角ポート661は進角主通路41と連通し、遅角ポート662は遅角主通路45と連通し、ロック作動ポート663はロック作動通路49と連通している。また、主供給ポート664は主供給通路50と連通し、副供給ポート665は副供給通路52と連通し、一対のドレンポート666はドレン回収通路54と連通している。制御弁60は、スプール70の移動に応じて、これらポート661,662,663,664,665,666間の接続状態を切り替える。
制御回路96は、例えばマイクロコンピュータ等を主体に構成される電子回路であり、駆動源90及び内燃機関の各種電装品(図示しない)と電気接続されている。制御回路96は、内部メモリに記憶のコンピュータプログラムに従って、駆動源90への通電を含む内燃機関の回転を制御する。
(ベーンロータのへの変動トルク作用)
次に、カム軸2からベーンロータ14に作用する変動トルクにつき、説明する。内燃機関の回転中は、カム軸2により開閉駆動される吸気弁からのスプリング反力等に起因して生じる変動トルクが、当該カム軸2を通じて回転機構部10のベーンロータ14へと作用する。図3に例示するように変動トルクは、ハウジング11に対する進角側に作用する負トルクと、ハウジング11に対する遅角側に作用する正トルクとの間において交番変動する。ここで、特に本実施形態の変動トルクについては、カム軸2及びそれを支持する軸受(図示しない)間のフリクション等に起因して、正トルクのピークトルクT+が負トルクのピークトルクT−よりも大きくなっており、それらの平均トルクTaveが正トルク側に偏っている。したがって、内燃機関の回転中においてベーンロータ14は、カム軸2から伝達される変動トルクにより、ハウジング11に対する遅角側に平均的に偏って付勢されるようになっている。
(ベーンロータの付勢構造)
次に、ベーンロータ14を中間ロック位相に向かって付勢するための付勢構造につき、説明する。図1に示す回転機構部10において、ハウジング11のフロントプレート15には、第一係止ピン150が設けられている。第一係止ピン150は、ハウジング11外へ向かってフロントプレート15から突出する円柱状に形成され、要素11,14からなる回転機構部10の回転中心線Oに対して偏心且つ実質平行に配置されている。また、ベーンロータ14の回転軸140においてハウジング11外へ向かってフロントプレート15よりも突出するブッシュ140cには、アーム140d及び第二係止ピン140eが設けられている。アーム140dは、フロントプレート15に対して実質平行に対向する平板状に形成されている。第二係止ピン140eは、アーム140dからフロントプレート15に向かって突出する円柱状に形成され、回転軸140の回転中心線Oに対して偏心且つ実質平行に配置されている。第二係止ピン140eは、回転中心線Oに対する偏心距離が第一係止ピン150の場合と実質同一距離となるように、且つ当該第一係止ピン150の回転軌跡上から回転機構部10の軸方向に外れるように、配置されている。
ベーンロータ14の回転軸140のうちブッシュ140cの外周側には、金属製のアシストスプリング18が配置されている。アシストスプリング18は、実質同一平面上にて素線を巻いてなる渦巻きスプリングであり、その渦巻き中心が回転中心線Oと心合わせされた状態でフロントプレート15及びアーム140dの間に配置されている。アシストスプリング18の内周側端部は、ブッシュ140cの外周部に巻装されて巻装部180を形成している。アシストスプリング18の外周側端部は、U字状に屈曲されて係止部181を形成している。係止部181は、第一係止ピン150及び第二係止ピン140eのうち回転位相に応じたピンにより、係止可能となっている。
以上の構成下、中間ロック位相よりも遅角側に回転位相が変化した状態にてアシストスプリング18の係止部181は、ハウジング11の第一係止ピン150により係止される。このとき、ベーンロータ14の第二係止ピン140eが係止部181から離脱するので、当該ベーンロータ14は、アシストスプリング18がねじり弾性変形により発生する復原力を受けることで、進角側の中間ロック位相へ向かって付勢される。ここで本実施形態では、ベーンロータ14を進角側に付勢するアシストスプリング18の復原力は、遅角側に偏った変動トルクの平均値よりも大きくなるように、設定されている。
一方、中間ロック位相よりも進角側に回転位相が変化した状態にてアシストスプリング18の係止部181は、ベーンロータ14の第二係止ピン140eにより係止される。このとき、ハウジング11の第一係止ピン150が係止部181から離脱するので、アシストスプリング18によるベーンロータ14の付勢は制限されることになる。
(回転位相のロック構造)
次に、回転位相のロック及び解除を実現する「ロック手段」としてのロック構造につき、説明する。図1,2に示すように、ハウジング11をなすフロントプレート15は、回転方向に沿って延伸し且つ両端部が閉塞された有底溝状の規制孔151と、当該規制孔151の進角側端部の底面に開口する有底円筒孔状のロック孔152とを、有している(図4も参照)。
ベーンロータ14においてベーン141は、円筒状のロック部材16を回転機構部10の回転中心線Oに対して平行に収容する収容孔141aを、有している。収容孔141aは、規制位相領域においてリアプレート13の規制孔151と軸方向に対向し、また特に、中間ロック位相において同リアプレート13のロック孔152と軸方向に対向する。
収容孔141aには、金属製の圧縮コイルスプリングからなるロックスプリング19が、ロック部材16と同軸上に収容されている。ロックスプリング19は、ベーン141に固定されるリテーナ141bと、ロック部材16との間に介装されて圧縮弾性変形することにより、当該ロック部材16をフロントプレート15側へ付勢する復原力を、発生する。また、収容孔141aは、ロック部材16を軸方向に挟んでロックスプリング19と反対側に、ロック作動室17を形成している。このロック作動室17に導入される作動油の圧力を受けることでロック部材16は、ロックスプリング19の復原力に抗してフロントプレート15とは反対側へ移動可能となっている。
以上の構成により、ロック部材16が規制孔151及びロック孔152の双方から離脱した状態にて、ロック作動室17から作動油が排出されると、ロック部材16はフロントプレート15側へ移動して、まず規制孔151に進入する。これにより規制位相領域に規制された回転位相が、変動トルク及びアシストスプリング18の復原力等の作用を受けて中間ロック位相に達すると、ロック部材16はさらにフロントプレート15側へと移動して、ロック孔152に嵌合する。以上により、回転位相が中間ロック位相にてロックされることになるので、回転位相に応じたバルブタイミングの変化が確実に制限される。
一方、ロック部材16が規制孔151を通してロック孔152に嵌合した状態にて、ロック作動室17に所定圧以上の作動油が導入されると、ロック部材16はフロントプレート15とは反対側へ移動して、それらの孔151,152から離脱する。これにより、回転位相の規制もロックも解除されるので、回転位相に応じたバルブタイミングの自由な調整が可能となる。
(制御弁の詳細構造)
次に、制御弁60の詳細構造につき、説明する。図1に示すように制御弁60において、金属により円筒状に形成されるスリーブ66は、連動回転要素2,14に同軸上に内蔵されている。スリーブ66は、カム軸2に螺着固定される雄螺子状の固定部667を一端部に有し、当該カム軸2との間にベーンロータ14の回転軸140を挟持する円環鍔状のフランジ部668を他端部に有している。図4に示すようにスリーブ66には、フランジ部668側の軸方向端部から固定部667側の軸方向端部に向かって順に、一方のドレンポート666、進角ポート661、主供給ポート664、遅角ポート662、ロック作動ポート663、副供給ポート665及び他方のドレンポート666が設けられている。さらにスリーブ66には、スプール70の所定位置において進角ポート661及び主供給ポート664間の作動油の流通量を絞るために、周方向に連続して延伸する円環板状のスリーブ絞り669が、設けられている。
制御弁60において、金属により円筒状に形成されるスプール70は、スリーブ66内に同軸上に収容されてスリーブ66の内周面により摺動支持されることで、軸方向のうち往方向Dg(固定部667側に向かう方向)と復方向Dr(フランジ部668側に向かう方向)とに往復移動可能となっている。スプール70には、その所定位置において進角ポート661及び主供給ポート664間の作動油の流通量を絞るために、周方向に連続して延伸する円環板状のスプール絞り704が、設けられている。尚、図4に示すようにスリーブ絞り669の内周面の内径よりもスプール絞り704の外周面の外径を小さくして、それら周面間に径方向の隙間を形成することで、作動油の流通量を絞る構成としてもよいし、図示はしないが、スリーブ絞り669の内周面とスプール絞り704の外周面とを嵌合により摺動させて、当該摺動界面の軸方向のシール長さを短くすることで、作動油の流通量を絞る構成としてもよい。
スプール70は、径方向中央部を軸方向に延伸する円筒孔状の連通通路705を、有している。連通通路705は、スプール70の両側の軸方向端部に開口部705aを形成しており、当該スプール70の移動に拘らず両ドレンポート666と連通する。さらに連通通路705は、スプール70の軸方向中間部に開口部705bを形成しており、遅角ポート662及びロック作動ポート663のうち当該スプール70の移動に応じた少なくとも一方と連通可能となっている。
以上の構成下、図9のロック領域Rlにスプール70が移動した状態では、図4,5に示すように進角ポート661が主供給ポート664と接続される。かかる接続形態により、ポンプ4から通路3,50へ供給される作動油は、ポート664,661及び通路41,42,43,44を通じて進角室22,23,24に導入される。また、スプール70のロック領域Rlへの移動状態では、遅角ポート662が通路705を介して各ドレンポート666と接続される。かかる接続形態により遅角室26,27,28の作動油は、通路46,47,48,45及びポート662,666を通じて通路54の下流側のドレンパン5に排出される。さらに、スプール70のロック領域Rlへの移動状態では、ロック作動ポート663が通路705を介して各ドレンポート666と接続される。かかる接続形態によりロック作動室17の作動油は、通路49及びポート663,666を通じて通路54の下流側のドレンパン5に排出される。
ここで、図9に示すように本実施形態のロック領域Rlには、絞りロック領域Rlsと増大ロック領域Rliとが設定されている。具体的に絞りロック領域Rlsは、ロック領域Rlのうちスプール70の復方向Drの移動端P0から往方向Dgにずれた領域に、設定されている。この絞りロック領域Rlsでは、図5に示すようにスプール絞り704がスリーブ絞り669の径方向内側に配置されることで、主供給ポート664からスリーブ66内の絞り669,704間を通じて進角ポート661へと流通する作動油が、進角室22,23,24に導入される。これにより絞りロック領域Rlsでは、主供給ポート664から進角ポート661への作動油の流通流量であって、当該進角ポート661から進角室22,23,24への作動油の導入流量が、絞られることになる。
一方、図9に示すように増大ロック領域Rliは、ロック領域Rlのうち絞りロック領域Rlsに対して復方向Drに隣接し且つスプール70の復方向Drの移動端P0を含む領域に、設定されている。この増大ロック領域Rliでは、主供給ポート664から進角ポート661へと流通して進角室22,23,24に導入される作動油の流量が、図4に示す移動端P0に近付くほど、絞りロック領域Rlsよりも大きい範囲で漸次増大する。
こうした増大ロック領域Rli及び絞りロック領域Rlsを含むロック領域Rlに対して往方向Dgにずれる図9の進角領域Raにスプール70が移動した状態では、図6に示すように進角ポート661が主供給ポート664と接続される。かかる接続形態により、ポンプ4から通路3,50へ供給される作動油は、ポート664,661及び通路41,42,43,44を通じて進角室22,23,24に導入される。また、スプール70の進角領域Raへの移動状態では、遅角ポート662が通路705を介して各ドレンポート666と接続される。かかる接続形態により遅角室26,27,28の作動油は、通路46,47,48,45及びポート662,666を通じて通路54の下流側のドレンパン5に排出される。さらに、スプール70の進角領域Raへの移動状態では、ロック作動ポート663が副供給ポート665と接続される。かかる接続形態により、ポンプ4から通路3,50,52へ供給される作動油は、ポート665,663及び通路49を通じてロック作動室17に導入される。
進角領域Raに対して往方向Dgにずれて並ぶ図9の保持領域Rhにスプール70が移動した状態では、図7に示すように進角ポート661及び遅角ポート662が他のいずれのポートに対しても遮断され得る。かかる遮断形態により進角室22,23,24及び遅角室26,27,28には、作動油が留められる。また、スプール70の保持領域Rhへの移動状態では、ロック作動ポート663が副供給ポート665と接続される。かかる接続形態により、ポンプ4から通路3,50,52へ供給される作動油は、ポート665,663及び通路49を通じてロック作動室17に導入される。
保持領域Rhに対して往方向Dgにずれて並ぶ図9の遅角領域Rrにスプール70が移動した状態では、図8に示すように進角ポート661が通路705を介して各ドレンポート666と接続される。かかる接続形態により進角室22,23,24の作動油は、通路42,43,44,41及びポート661,666を通じて通路54の下流側のドレンパン5に排出される。また、スプール70の遅角領域Rrへの移動状態では、遅角ポート662が主供給ポート664と接続される。かかる接続形態により、ポンプ4から通路3,50へ供給される作動油は、ポート664,662及び通路45,46,47,48を通じて遅角室26,27,28に導入される。さらに、スプール70の遅角領域Rrへの移動状態では、ロック作動ポート663が副供給ポート665と接続される。かかる接続形態により、ポンプ4から通路3,50,52へ供給される作動油は、ポート665,663及び通路49を通じてロック作動室17に導入される。
(制御弁の駆動構造)
次に、制御弁60の駆動構造につき、説明する。図1に示すように、制御弁60を駆動するために制御部40には、駆動源90がスリーブ66外に設けられていると共に、「付勢手段」としての付勢調整構造94がスリーブ66内に設けられている。
具体的に駆動源90は、本実施形態では電磁ソレノイドであり、内燃機関の固定節(例えばチェーンカバー)に固定されている。駆動源90において金属によりロッド状に形成される駆動軸91は、スプール70を軸方向に挟んで固定部667とは反対側に同軸上に配置され、軸方向に往復移動可能となっている。駆動軸91は、駆動源90の内蔵スプリング(図示しない)から復原力を受けることで、スリーブ66内となる一方のドレンポート666(以下、この一方のドレンポート666を、「ドレンポート666a」ともいう)に進入してスプール70の軸方向端部と常に当接する。こうした構成により駆動源90は、「指令値」として制御された通電電流を制御回路96からソレノイドコイル(図示しない)に与えられることで、駆動軸91によりスプール70を図4の往方向Dgに駆動するように、当該通電電流に従う駆動力を発生する。
図4〜8に示すように付勢調整構造94は、弾性部材80,82及び可動部材84を組み合わせてなる。金属製の圧縮コイルスプリングからなる第一弾性部材80は、スリーブ66内に同軸上に収容されている。第一弾性部材80は、スリーブ66の固定部667とスプール70の固定部667側の軸方向端部との間に介装されて圧縮弾性変形することにより、当該スプール70を復方向Drに付勢する第一復原力F1を、発生する。
金属製のコイルスプリングからなる第二弾性部材82は、スリーブ66のドレンポート666a内に同軸上に収容されている。第二弾性部材82は、ドレンポート666aに固定される金属製のリテーナ660と、可動部材84との間に介装されて圧縮弾性変形することにより、当該可動部材84を往方向Dgに付勢する第二復原力F2を、発生する。
金属によりフランジ付円筒状に形成される可動部材84は、スリーブ66のドレンポート666a内に同軸上に収容されて、往方向Dg及び復方向Drに往復移動可能となっている。可動部材84において最外周部を形成する本体筒部840は、スリーブ66のドレンポート666aに同軸上に嵌合することで、当該ポート666aの内周面により径方向外側から摺動支持されている。可動部材84において最内周部を形成するフランジ部841は、その径方向内側にスプール70の軸方向端部706が同軸上に遊挿されている。このフランジ部841は、第二弾性部材82のうち往方向Dgの端部(即ち、リテーナ660とは反対側の端部)と常に係合することで、当該往方向Dgに第二復原力F2を受けている。
ここで特に、第一実施形態の可動部材84において円環板状のフランジ部841は、径方向に沿って広がり且つ周方向に連続する円環平面状の環平面部841aを、往方向Dgを向く板面の全体により形成している。これにより環平面部841aは、スリーブ66のドレンポート666aが形成する円環平面状のスリーブストッパ666bに対し、往方向Dgに面接触にて係合可能且つ復方向Drへ離脱可能となるよう、同軸上に配置されている。それと共に環平面部841aは、スプール70においてスリーブストッパ666bよりも小径に形成されるテーパ面状(円錐面状)のスプールストッパ707に対し、内周縁部を往方向Dgに線接触にて係合可能且つ復方向Drへ離脱可能となるよう、同軸上に配置されている。これらの配置形態により、環平面部841aが係合対象のスリーブストッパ666bと接触する面積は、同環平面部841aが係合対象のスプールストッパ707と接触する面積よりも、大きく設定されているのである。
こうした構成の付勢調整構造94は、環平面部841aがスリーブストッパ666bから離脱してスプールストッパ707に係合する状態(図4及び図10(a)参照)と、環平面部841aがスプールストッパ707から離脱してスリーブストッパ666bに係合する状態(図6〜8及び図10(b)参照)とに、切り替わる。ここで各状態の切替位置Pcは、スリーブ絞り669の端部669aの径方向内側にスプール絞り704の端部704aが重なる位置P1(図10(a)参照)と、スリーブ絞り669の端部669bの径方向内側にスプール絞り704の端部704bが重なる位置P2(図10(b)参照)との間に、収められている。これにより重なり位置P1,P2間においては、絞り669,704の軸方向の重なり長さが一定となることで、それら絞り669,704間における作動油の圧損が実質的に変化しないので、絞り機能が安定することになる。そこで、図9に示すように位置P1,P2間が絞りロック領域Rlsと定められている付勢調整構造94では、当該領域Rls内のうち、環平面部841aが両ストッパ666b,707と係合する位置(図5参照)に、切替位置Pcが設定されているのである。
このような第一実施形態によると、絞りロック領域Rlsのうち図9の如く位置P1,Pc間となる伝達領域Rls_tにおいて、付勢調整構造94が図10(a)の如き伝達状態へと移行する。このとき可動部材84は、第二弾性部材82の往方向Dgの第二復原力F2により環平面部841aをスプールストッパ707に係合させて当該復原力F2をスプール70へ伝達しつつ、環平面部841aをスリーブストッパ666bから復方向Drへ離脱させる。ここで第一実施形態では特に、伝達状態にて発生する第二復原力F2につき、それとは反対方向Drに第一弾性部材80から作用する第一復原力F1よりも、小さく調整されている。これによりスプール70は、往方向Dgに作用する第二復原力F2よりも大きな第一復原力F1が作用するので、復方向Drへと付勢された状態になる。したがって、駆動源90の駆動力に抗してスプール70を付勢する復方向Drの弾性付勢力として、第一及び第二復原力F1,F2の合力が作用することになる。また、このような第一及び第二復原力F1,F2の合力作用は、図4に示すように、付勢調整構造94が伝達状態へと移行する増大ロック領域Rliにおいても、現出することになる。
一方、絞りロック領域Rlsのうち図9の如く位置Pc,P2間となる制限領域Rls_rにおいて付勢調整構造94は、図10(b)の如き制限状態へと移行する。このとき可動部材84は、環平面部841aから往方向Dgへスプールストッパ707を離脱させるスプール70の相対移動を許容して、第二弾性部材82の同方向Dgの第二復原力F2により環平面部841aをスリーブストッパ666bに係合させる。これによりスプール70は、可動部材84を通じての第二復原力F2の伝達を制限されるので、復方向Drに作用する第一弾性部材80の第一復原力F1によって付勢された状態となる。したがって、駆動源90の駆動力に抗してスプール70を付勢する復方向Drの弾性付勢力として、第一復原力F1が単独作用することになる。また、このような第一復原力F1の単独作用は、図6,7,8に示すように、付勢調整構造94が制限状態へと移行する領域Ra,Rh,Rrにおいても、現出することになる。
ここまで説明の作動特性によれば、第一及び第二復原力F1,F2の合力作用と第一復原力F1の単独作用とが切替位置Pcを境に切り替わることで、図9に示すように、駆動力に抗する復方向Drの弾性付勢力が絞りロック領域Rls内にてステップ状に変化する。ここで、付勢力のステップ状変化の幅W1については、切替位置Pcにてスプール70に作用する駆動力及び流体力のばらつき予測幅の総和よりも大きく設定することで、弾性付勢力の変化幅W1内の付勢力に駆動力を確実にバランスさせることが可能となるのである。
(バルブタイミング調整作動)
次に、バルブタイミング調整装置1によるバルブタイミングの調整作動につき、説明する。
(1)進角作動
回転中の内燃機関において、実位相が目標位相に対する許容偏差より遅角側にある等の運転条件が成立するとき、制御回路96は駆動源90への通電を制御して、図6の進角領域Raにスプール70を駆動する。その結果、通路41,42,43,44を介して進角室22,23,24に連通する進角ポート661と、通路3,50を介してポンプ4に連通する主供給ポート664とが接続されることで、作動油が進角室22,23,24に導入される。また、通路45,46,47,48を介して遅角室26,27,28に連通する遅角ポート662と、通路54に連通する各ドレンポート666とが通路705を介して接続されることで、遅角室26,27,28から作動油が排出される。さらにまた、通路49を介してロック作動室17に連通するロック作動ポート663と、通路3,50,52を介してポンプ4に連通する副供給ポート665とが接続されることで、ロック作動室17に作動油が導入される。
以上の進角作動によれば、ロック作動室17への作動油導入による回転位相のロック解除下、進角室22,23,24への作動油導入と、遅角室26,27,28からの作動油排出とが制御される。故に、回転位相を迅速に進角側へと変化させて、バルブタイミングの進角応答性を高めることが可能である。
(2)保持作動
回転中の内燃機関において、実位相が目標位相に対する許容偏差内にある等の運転条件が成立するとき、制御回路96は駆動源90への通電を制御して、図7の保持領域Rhにスプール70を駆動する。その結果、通路41,42,43,44を介して進角室22,23,24に連通する進角ポート661が他のポートに対して遮断されるので、それら進角室22,23,24に作動油が留められる。また、通路45,46,47,48を介して遅角室26,27,28に連通する遅角ポート662も他のポートに対して遮断されるので、それら遅角室26,27,28にも作動油が留められる。さらにまた、上記(1)に準じてロック作動ポート663が副供給ポート665と接続されることで、ロック作動室17に作動油が導入される。
以上の保持作動によれば、ロック作動室17への作動油導入による回転位相のロック解除下、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28のいずれにも作動油が留められる。故に、変動トルクの影響による回転位相変化の範囲内にて、バルブタイミングを保持することが可能である。
(3)遅角作動
回転中の内燃機関において、実位相が目標位相に対する許容偏差より進角側にある等の運転条件が成立するとき、制御回路96は駆動源90への通電を制御して、図8の遅角領域Rrにスプール70を駆動する。その結果、通路41,42,43,44を介して進角室22,23,24に連通する進角ポート661と、通路54に連通する各ドレンポート666とが通路705を介して接続されることで、進角室22,23,24から作動油が排出される。また、通路45,46,47,48を介して遅角室26,27,28に連通する遅角ポート662と、通路3,50を介してポンプ4に連通する主供給ポート664とが接続されることで、作動油が遅角室26,27,28に導入される。さらにまた、上記(1)に準じてロック作動ポート663が副供給ポート665と接続されることで、ロック作動室17に作動油が導入される。
以上の遅角作動によれば、ロック作動室17への作動油導入による回転位相のロック解除下、遅角室26,27,28への作動油導入と、進角室22,23,24からの作動油排出とが制御される。故に、回転位相を遅角側へ迅速に変化させて、バルブタイミングの遅角応答性を高めることが可能である。
(4)ロック作動
回転中の内燃機関において、例えば作動油の圧力が低下するアイドル運転時等には、制御回路96は駆動源90への通電を制御して、ロック領域Rlの絞りロック領域Rlsのうち図5の切替位置Pcにスプール70を駆動する。その結果、通路41,42,43,44を介して進角室22,23,24に連通する進角ポート661と、通路3,50を介してポンプ4に連通する主供給ポート664とが接続されることで、絞り669,704により絞られた作動油が進角室22,23,24に導入される。また、通路45,46,47,48を介して遅角室26,27,28に連通する遅角ポート662と、通路54に連通する各ドレンポート666とが通路705を介して接続されることで、遅角室26,27,28から作動油が排出される。さらにまた、通路49を介してロック作動室17に連通するロック作動ポート663と、通路54に連通する各ドレンポート666とが通路705を介して接続されることで、ロック作動室17から作動油が排出される。
以上のロック作動によれば、ロック領域Rlの一部をなす絞りロック領域Rlsにおいて、進角室22,23,24への小流量の作動油導入と、遅角室26,27,28及びロック作動室17からの作動油排出とが制御される。このときベーンロータ14には、進角室22,23,24への作動油導入により発生する回転力並びにアシストスプリング18の復原力が進角側に向けて作用すると共に、カム軸2からの変動トルクが平均的に遅角側に偏って作用する。こうして進遅角両側の力がベーンロータ14に作用することで回転位相が規制位相領域に達すると、ロック部材16が規制孔151に進入して回転位相を当該領域内に規制する。これにより、規制位相領域内の中間ロック位相にてロック部材16がロック孔152に嵌合し易くなるので、内燃機関の回転中において回転位相を確実にロック可能である。また、回転位相のロック後においては、進角室22,23,24に作動油を充填した状態にて、上記(1)の進角作動に備えることも可能である。
(5)停止作動
エンジンスイッチのオフ等の停止指令に応じて内燃機関の回転を停止させるのに伴って、制御回路96は駆動源90への通電を制御して、ロック領域Rlの絞りロック領域Rlsのうち図5の切替位置Pcにスプール70を駆動する。その結果、上記(4)に準じて進角ポート661が主供給ポート664と接続されることで、絞り669,704により絞られた作動油が進角室22,23,24に導入される。また、上記(4)に準じて遅角ポート662及びロック作動ポート663が各ドレンポート666と接続されることで、遅角室26,27,28及びロック作動室17から作動油が排出される。
以上の停止作動によれば、上記(4)と同様の原理により、進遅角両側の力がベーンロータ14に作用することで回転位相が規制位相領域に達すると、ロック部材16が規制孔151に進入して回転位相を当該領域内に規制する。これにより、規制位相領域内の中間ロック位相にてロック部材16がロック孔152に嵌合し易くなるので、内燃機関の回転が完全に停止するまでの間において回転位相を確実にロック可能である。
(6)始動作動
エンジンスイッチのオン等の始動指令に応じて内燃機関をクランキングにより始動させるのに伴って、制御回路96は駆動源90への通電を制御して、ロック領域Rlのうち図4の増大ロック領域Rliにスプール70を駆動する。その結果、通路41,42,43,44を介して進角室22,23,24に連通する進角ポート661と、通路3,50を介してポンプ4に連通する主供給ポート664とが接続されることで、上記(4)よりも増量された作動油が進角室22,23,24に導入される。また、上記(4)に準じて遅角ポート662及びロック作動ポート663が各ドレンポート666と接続されることで、遅角室26,27,28及びロック作動室17から作動油が排出される。
以上の始動作動によれば、ロック領域Rlの一部をなす増大ロック領域Rliにおいて、遅角室26,27,28及びロック作動室17から作動油を排出させた状態を維持しつつ、進角室22,23,24への作動油導入が上記(4)よりも大流量となるように制御される。これにより、始動期間中に中間ロック位相を維持したまま、作動油を進角室22,23,24に充填して、上記(1)の進角作動に備えることが可能となる。
尚、ストール等により回転位相がロックされずに内燃機関が停止した後の始動時においても、増大ロック領域Rliでは、遅角室26,27,28及びロック作動室17から作動油を排出させた状態を維持しつつ、進角室22,23,24への作動油導入が実現され得る。このときベーンロータ14には、進角室22,23,24への作動油導入により発生する回転力並びにアシストスプリング18の復原力が進角側に向けて作用すると共に、カム軸2からの変動トルクが平均的に遅角側に偏って作用する。こうして進遅角両側の力がベーンロータ14に作用することで回転位相が規制位相領域に達すると、ロック部材16が規制孔151に進入して回転位相を当該領域内に規制する。これにより、規制位相領域内の中間ロック位相にてロック部材16がロック孔152に嵌合し易くなるので、始動期間中において回転位相を確実にロック可能である。
(作用効果)
ここまで説明した装置1における制御弁60の進角領域Raでは、ロック作動室17に連通するロック作動ポート663と、進角室22,23,24に連通する進角ポート661とはそれぞれ、ポンプ4から作動油供給を受ける供給ポート665,664に接続される。かかる接続形態によると、ロック作動室17への作動油導入によりロックの解除された回転位相が、進角側へと変化することになる。一方、制御弁60のロック領域Rlでは、主供給ポート664に接続される進角ポート661とは異なり、ロック作動ポート663は、作動油を排出する各ドレンポート666と接続される。かかる接続形態によると、主供給ポート664へ供給の作動油が進角ポート661から進角室22,23,24に導入されて充填された状態で、ロック作動室17からの作動油排出により回転位相のロックが実現される。これによれば、ロック領域Rlの各領域Rls,Rliから進角領域Raへスプール70を移動させることで作動油は、既に充填状態にある進角室22,23,24に対して導入されることになるので、回転位相を速やかに変化させてバルブタイミングの進角応答性を高めることができるのである。
さらに、制御弁60においてロック領域Rlの一部は、スリーブ絞り669の径方向内側にスプール絞り704を配置して主供給ポート664から進角ポート661への作動油の流通流量を絞る絞りロック領域Rlsに、設定されている。これによれば、進角領域Raから絞りロック領域Rlsへスプール70を移動させた場合に、進角ポート661から進角室22,23,24への作動油の導入流量が減少して回転位相の変化量が可及的に抑えられるので、回転位相を中間ロック位相にロックさせ易くなる。
しかし、スリーブ66内を通じて主供給ポート664から進角ポート661へ流通する作動油の流量を絞る絞りロック領域Rlsでは、作動油の流れによる流体力が当該スリーブ66内のスプール70に作用して変動すると、回転位相ロックを阻害する事態が懸念される。これは、通電電流に従って駆動源90が発生する駆動力と、付勢調整構造94が発生する弾性付勢力とのバランス位置に、流体力変動に起因するばらつきが生じると、スリーブ絞り669の径方向内側からスプール絞り704がずれて絞り機能の悪化を招来するからである。
そこで、制御弁60のスリーブ66内には、第一弾性部材80の第一復原力F1により付勢されるスプール70のストッパ707に対して状態が切り替わる可動部材84を、第二弾性部材82の第二復原力F2により付勢する付勢調整構造94が、設けられている。こうした構造94にて可動部材84がスプールストッパ707に係合する伝達状態では、第一復原力F1を受けるスプール70に第二復原力F2が可動部材84を通じて伝達されるので、スプール70を付勢する弾性付勢力は、それら復原力F1,F2の合力となる。一方、構造94にて可動部材84がスプールストッパ707から離脱する制限状態では、第一復原力F1を受けるスプール70への第二復原力F2の伝達が制限されるので、スプール70を付勢する弾性付勢力としては、第一復原力F1が単独で作用することになる。これらのことから、第一及び第二復原力F1,F2の合力作用を現出する伝達状態と、第一復原力F1の単独作用を現出する制限状態とが、絞りロック領域Rls内の切替位置Pcを境に切り替わることで、駆動力に抗する弾性付勢力がステップ状に変化し得る。故に領域Rls内では、駆動力をステップ状変化の幅W1内の弾性付勢力に対してバランスさせることで、作用する流体力の変動に拘らずスプール70の位置を切替位置Pcにて安定させ得ることから、絞り機能の発揮が確固たるものとなる。
ここで付勢調整構造94の制限状態は、領域Ra,Rh,Rrと共に、絞りロック領域Rlsのうち切替位置Pcより進角領域Ra側の制限領域Rls_rにて、可動部材84の環平面部841aが係合対象のスリーブストッパ666bと接触することで、実現される。一方、構造94の伝達状態は、領域Rliと共に、絞りロック領域Rlsのうち切替位置Pcを挟んで進角領域Raとは反対側の伝達領域Rls_tにて、可動部材84の環平面部841aが係合対象のスプールストッパ707と接触することで、実現される。そして、このような構造94において制限領域Rls_rでの環平面部841a及びスリーブストッパ666bの接触面積が、伝達領域Rls_tでの環平面部841a及びスプールストッパ707の接触面積よりも、大きく設定されているのである。
こうした面積設定の結果、進角領域Raから切替位置Pcへのスプール70の移動時に環平面部841aは、当該領域Ra側の制限領域Rls_rにて大面積の係合対象となるスリーブストッパ666bからは、作用するリンキング力が大きく、離脱し難い。故に、絞りロック領域Rls内の切替位置Pcにて環平面部841aがスプールストッパ707に係合する可動部材84から、そうした大きなリンキング力に起因する移動抵抗を与えられるスプール70は、慣性力の作用に拘らず当該位置Pcからのずれを抑制され得る。したがって、領域Rls内における絞り機能の発揮は、切替位置Pcにてステップ状に変化する弾性付勢力の作用と相俟って、さらに確固たるものとなる。このことから、内燃機関の回転中又は停止に伴ってスプール70を切替位置Pcへ駆動する制御回路96によれば、主供給ポート664から進角ポート661への作動油の流通流量を確実に絞って、回転位相ロックの確実性を高めることができる。ここで特に、内燃機関の停止時に回転位相ロックの確実性が高められることによれば、内燃機関の次の始動時には、中間ロック位相から内燃機関のクランキングを行って始動性を保障可能となるのである。
一方、切替位置Pcから進角領域Raへのスプール70の移動時に環平面部841aは、当該領域Raとは反対側の伝達領域Rls_tにて小面積の係合対象となるスプールストッパ707からは、作用するリンキング力が小さく、離脱し易い。故に領域Rls内にて、各ストッパ666b,707が環平面部841aに係合する切替位置Pcから領域Ra側へ移動する際のスプール70は、離脱するストッパ707からのリンキング力の影響を、抑えられ得る。これにより、可動部材84から受ける移動抵抗の減少するスプール70については、領域Rlsから領域Ra側への移動を阻害され難くなるので、回転位相ロックの解除によりバルブタイミング調整を開始する際の応答性をも、高めることができるのである。
以上に加え、内燃機関の回転により駆動されるポンプ4から制御弁60の主供給ポート664へと供給される作動油については、内燃機関の回転速度に応じてポンプ4からの供給流量(圧力)が変動するため、そうした作動油の流れによりスプール70に与えられる流体力も変動する。しかし、上述したようにスプールストッパ707に対する可動部材84の状態が絞りロック領域Rls内にて切り替わることによれば、流体力の変動に拘らず、進角ポート661への作動油流量を絞る絞り機能の発揮を確固たるものとして、回転位相ロックの確実性を高めることができる。
また加えて、制御弁60のロック領域Rlでは、主供給ポート664へ供給の作動油が進角ポート661から進角室22,23,24へと導入されつつ、ロック作動室17からの作動油排出により回転位相が最進角位相及び最遅角位相間の中間ロック位相にロックされる。このとき、進角室22,23,24への作動油導入によりベーンロータ14に発生する進角側の回転力は、平均的に遅角側に偏るようにベーンロータ14が受ける変動トルクに抗して働くので、回転位相の変化量を抑えた状態にて中間ロック位相へのロックを実現し得る。しかも、こうしたロック領域Rlのうち絞りロック領域Rls内において、上述したようにスプールストッパ707に対する可動部材84の状態が切り替わるので、流体力の変動に拘らず、進角ポート661への作動油流量を絞る絞り機能を確実に発揮し得る。したがって、これらによれば、回転位相ロックの確実性を高めることができるのである。
さらに加えて、内燃機関の始動に伴って駆動源90への通電を制御することで、スプール70を増大ロック領域Rliに駆動する制御回路96によれば、主供給ポート664から進角ポート661への作動油の流通流量が絞りロック領域Rlsよりも増大する。これにより内燃機関の始動時には、先の停止時にロックされた回転位相としての中間ロック位相を維持したまま、進角ポート661から進角室22,23,24への作動油の導入流量を増大させることができる。したがって、導入流量の増大により作動油が進角室22,23,24に確実に充填された状態から、進角領域Raへとスプール70を移動させることで、回転位相を速やかに変化させることができるので、例えば始動直後等における高い進角応答性の達成に貢献可能である。また、このときのスプール70については、領域Rliから切替位置Pcを越えて領域Raへと移動することになるので、上述の面積設定により移動抵抗を減少させて、例えば始動直後等に進角作動を開始する際の応答性をも高めることが、可能である。しかも、これらの効果を齎す始動時の領域Rliのうちスプール70の復方向Drの移動端P0では、例えば駆動源90への通電電流を零等に調整することで消費電力が抑えられるので、始動時に車両のバッテリの電圧が降下しても、当該駆動源90の作動が可能となる。
尚、このように顕著な作用効果を齎す第一実施形態においては、進角ポート661が特許請求の範囲に記載の「導入ポート」に相当し、進角領域Raが特許請求の範囲に記載の「可変領域」に相当しているのである。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。図11〜13に示す第二実施形態では、「付勢手段」としての付勢調整構造294の可動部材284が、互いに径方向にずれて面一に連続する二種類の平面部2841a,2841bを、フランジ部2841のうち往方向Dgを向く板面により形成している。ここで、フランジ部2841のうち外周部に設けられて周方向に連続する環平面部2841aは、円環平面状のスリーブストッパ666bに対し、往方向Dgに面接触にて係合可能且つ復方向Drへ離脱可能となるように、同軸上に配置されている。これに対し、周方向の複数個所に等間隔に開口部2841cが開口することで当該周方向に断続する部分平面部2841bは、フランジ部2841のうち環平面部2841aよりも径方向内側となる内周部に、設けられている。これにより部分平面部2841bは、スプール270においてスリーブストッパ666bよりも小径に形成される環平面状のスプールストッパ2707に対し、往方向Dgに面接触にて係合可能且つ復方向Drへ離脱可能となるよう、同軸上に配置されている。
こうした構成の付勢調整構造294は、環平面部2841aがスリーブストッパ666bから離脱して部分平面部2841bがスプールストッパ2707に係合する伝達状態(図13(a)参照)と、部分平面部2841bがスプールストッパ2707から離脱して環平面部2841aがスリーブストッパ666bに係合する制限状態(図13(b)参照)とに、切り替わる。ここで、第一実施形態と同様に位置P1,P2間の絞りロック領域Rls内に収められた切替位置Pc(図11参照)では、環平面部2841aがスリーブストッパ666bに係合し且つ部分平面部2841bがスプールストッパ2707に係合するのである。
これにより構造294の制限状態は、領域Ra,Rh,Rrと共に、絞りロック領域Rlsのうち切替位置Pcより進角領域Ra側の制限領域Rls_rにて、可動部材284の環平面部2841aが係合対象のスリーブストッパ666bと接触することで、実現される。一方、構造294の伝達状態は、増大ロック領域Rliと共に、絞りロック領域Rlsのうち切替位置Pcを挟んで進角領域Raとは反対側の伝達領域Rls_tにて、可動部材284の部分平面部2841bが係合対象のスプールストッパ2707と接触することで、実現される。そして、このような付勢調整構造294において、制限領域Rls_rでの環平面部2841a及びスリーブストッパ666bの接触面積が、伝達領域Rls_tでの部分平面部2841b及びスプールストッパ2707の接触面積よりも、大きく設定されているのである。
こうした面積設定の結果、進角領域Raから切替位置Pcへのスプール270の移動時に環平面部2841aは、当該領域Ra側の制限領域Rls_rにて大面積の係合対象となるスリーブストッパ666bからは、作用するリンキング力が大きく、離脱し難い。故に、領域Rls内の切替位置Pcにて環平面部2841aがスプールストッパ2707に係合する可動部材284から、そうした大きなリンキング力に起因する移動抵抗を与えられるスプール270は、慣性力の作用に拘らず当該位置Pcからのずれを抑制され得る。したがって、領域Rls内における絞り機能の発揮は、切替位置Pcにてステップ状に変化する弾性付勢力の作用と相俟って、さらに確固たるものとなるので、内燃機関の回転中又は停止時における回転位相ロックの確実性を高めることができるのである。
一方、切替位置Pcから進角領域Raへのスプール270の移動時に部分平面部2841bは、当該領域Raとは反対側の伝達領域Rls_tにて小面積の係合対象となるスプールストッパ2707からは、作用するリンキング力が小さく、離脱し易い。故に、領域Rls内にて、各ストッパ666b,2707が各平面部2841a,2841bに係合する切替位置Pcから領域Ra側へ移動する際のスプール270は、離脱するストッパ2707からのリンキング力の影響を、抑えられ得る。これにより、可動部材284から受ける移動抵抗の減少するスプール270については、領域Rlsから領域Ra側への移動を阻害され難くなるので、回転位相ロックの解除によりバルブタイミング調整を開始する際の応答性をも、高めることができるのである。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。図14〜20に示す第三実施形態では、「付勢手段」としての付勢調整構造394につき、スリーブ366内のドレンポート666aに形成されるリテーナ部3666bと可動部材384との間に、金属製コイルスプリングからなる第二弾性部材382が介装されている。第二弾性部材382は、それらリテーナ部3666b及び可動部材384の間にて圧縮弾性変形することにより、当該可動部材384を復方向Drに付勢する第二復原力F2を、発生する。
また、付勢調整構造394において金属により段付円筒状に形成される可動部材384は、スリーブ366のドレンポート666a内に同軸上に収容されて、往方向Dg及び復方向Drに往復移動可能となっている。可動部材384において最内周部となる小径部3840は、スプール370の一部としてフランジ付円筒状に形成されてなる金属製のブッシュ3706に同軸上に嵌合することで、当該ブッシュ3706の外周面により径方向内側から摺動支持されている。可動部材384において最外周部となる大径部3841は、スリーブ366のドレンポート666a内に同軸上に遊挿されることで、当該ドレンポート666aの内周面から径方向内側に離間している。可動部材384において大小径部3841,3840間を接続する段差部3842は、第二弾性部材382のうち復方向Drの端部(即ち、リテーナ部3666bとは反対側の端部)と係合することで、当該復方向Drに第二復原力F2を受けている。
ここで特に、第三実施形態の可動部材384において円筒状の大径部3841は、復方向Drを向く軸方向端面の全体により、周方向に連続する筒端面部3841aを形成している。これにより筒端面部3841aは、スリーブ366の一部としてのリテーナ3660が形成する円環平面状のスリーブストッパ3660aに対し、復方向Drに面接触にて係合可能且つ往方向Dgへ離脱可能となるよう、同軸上に配置されている。また、第三実施形態の可動部材384において円環板状の段差部3842は、復方向Drを向く板面の全体により、周方向に連続する環平面部3842aを形成している。これにより環平面部3842aは、スプール370においてブッシュ3706がフランジ部により形成する円弧形平面状のスプールストッパ3707に対し、復方向Drに面接触にて係合可能且つ往方向Dgへ離脱可能に配置されている。そして、これらの配置形態により、環平面部3842aが係合対象のスプールストッパ3707と接触する面積は、筒端面部3841aが係合対象のスリーブストッパ3660aと接触する面積よりも、大きく設定されているのである。
こうした構成の付勢調整構造394は、筒端面部3841aがスリーブストッパ3660aから離脱して環平面部3842aがスプールストッパ3707に係合する状態(図16〜18及び図19(b)参照)と、筒端面部3841aがスリーブストッパ3660aに係合して環平面部3842aがスプールストッパ3707から離脱する状態(図14及び図19(a)参照)とに、切り替わる。ここで、第一実施形態と同様に位置P1,P2間の絞りロック領域Rls内に収められた切替位置Pc(図15参照)では、筒端面部3841aがスリーブストッパ3660aと係合し且つ環平面部3842aがスプールストッパ3707に係合するのである。
このような第三実施形態によると、絞りロック領域Rlsのうち図20の如く位置Pc,P2間となる伝達領域Rls_tにおいて、付勢調整構造394が図19(b)の如き伝達状態へと移行する。このとき可動部材384は、第二弾性部材382の復方向Drの第二復原力F2により環平面部3842aをスプールストッパ3707に係合させて当該復原力F2をスプール370へ伝達しつつ、筒端面部3841aをスリーブストッパ3660aから往方向Dgへ離脱させる。これによりスプール370は、第一弾性部材80の第一復原力F1及び第二弾性部材382の第二復原力F2の双方により、復方向Drへ付勢された状態になる。したがって、駆動源90の駆動力に抗してスプール370を付勢する復方向Drの弾性付勢力として、第一及び第二復原力F1,F2の合力が作用することになる。また、このような第一及び第二復原力F1,F2の合力作用は、図16,17,18に示すように、付勢調整構造394が伝達状態へと移行する領域Ra,Rh,Rrにおいても、現出することになる。
一方、絞りロック領域Rlsのうち図20の如く位置P1,Pc間となる制限領域Rls_rにおいて付勢調整構造394は、図19(a)の如き制限状態へと移行する。このとき可動部材384は、環平面部3842aから復方向Drへスプールストッパ3707を離脱させるスプール370の相対移動を許容して、第二弾性部材382の同方向Drの第二復原力F2により筒端面部3841aをスリーブストッパ3660aに係合させる。これによりスプール370は、可動部材384を通じての第二復原力F2の伝達を制限されるので、復方向Drに作用する第一弾性部材80の第一復原力F1によって付勢された状態となる。したがって、駆動源90の駆動力に抗してスプール370を付勢する復方向Drの弾性付勢力として、第一復原力F1が単独作用することになる。また、このような第一復原力F1の単独作用は、図14に示すように、付勢調整構造394が制限状態へと移行する増大ロック領域Rliにおいても、現出することになる。
ここまで説明の作動特性によれば、第一復原力F1の単独作用と第一及び第二復原力F1,F2の合力作用とが切替位置Pcを境に切り替わることで、図20に示すように、駆動力に抗する復方向Drの弾性付勢力が絞りロック領域Rls内にてステップ状に変化する。ここで、付勢力のステップ状変化の幅W2については、切替位置Pcにてスプール370に作用する駆動力及び流体力のばらつき予測幅の総和よりも大きく設定することで、弾性付勢力の変化幅W2内の付勢力に駆動力を確実にバランスさせることが可能となる。故に領域Rls内では、駆動力をステップ状変化の幅W2内の弾性付勢力に対してバランスさせることで、作用する流体力の変動に拘らずスプール370の位置を切替位置Pcにて安定させ得ることから、絞り機能の発揮が確固たるものとなるのである。
以上より第三実施形態では、伝達領域Rls_tにおける環平面部3842a及びスプールストッパ3707の接触面積が、制限領域Rls_rにおける筒端面部3841a及びスリーブストッパ3660aの接触面積よりも、大きく設定されている。こうした面積設定の結果、進角領域Raから切替位置Pcへのスプール370の移動時に環平面部3842aは、当該領域Ra側の伝達領域Rls_tにて大面積の係合対象となるスプールストッパ3707からは、作用するリンキング力が大きく、離脱し難い。故に、領域Rls内の切替位置Pcにて環平面部3842aがスプールストッパ3707に係合する可動部材384から、そうした大きなリンキング力に起因する移動抵抗を与えられるスプール370は、慣性力の作用に拘らず当該位置Pcからのずれを抑制され得る。したがって、領域Rls内における絞り機能の発揮は、切替位置Pcにてステップ状に変化する弾性付勢力の作用と相俟って、さらに確固たるものとなるので、内燃機関の回転中又は停止時における回転位相ロックの確実性を、高めることができるのである。
一方、切替位置Pcから進角領域Raへのスプール370の移動時に筒端面部3841aは、当該領域Raとは反対側の制限領域Rls_rにて小面積の係合対象となるスリーブストッパ3660aからは、作用するリンキング力が小さく、離脱し易い。故に、領域Rls内にて、各ストッパ3660a,3707が各面部3841a,3842aに係合する切替位置Pcから領域Ra側へ移動する際のスプール370は、離脱するストッパ3660aからのリンキング力の影響を、抑えられ得る。これにより、可動部材384から受ける移動抵抗の減少するスプール370については、領域Rlsから領域Ra側への移動を阻害され難くなるので、回転位相ロックの解除によりバルブタイミング調整を開始する際の応答性をも高めることができるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的には、図21に変形例を示すように、第一実施形態の付勢調整構造94のうち可動部材84の環平面部841aを、スリーブストッパ666bとの接触面積よりも小さな面積にて、円環平面状のスプールストッパ4707と接触させてもよい。また、図22に変形例を示すように、第三実施形態の付勢調整構造394のうち大径部3841を除去した可動部材584の環平面部3842aを、スプールストッパ3707との接触面積よりも小さな面積にて、テーパ面状(円錐面状)のスリーブストッパ5660aと接触させてもよい(この場合、環平面部3842aの外周縁部がスリーブストッパ5660aと線接触することになる)。さらに、図23に変形例を示すように、第三実施形態の付勢調整構造394のうち大径部3841を除去した可動部材684の段差部6842に、第二実施形態に準ずる環平面部2841a並びに複数の開口部2841cを有する部分平面部2841bを内外周逆に設けて、環平面部2841aと円環平面状のスプールストッパ6707との接触面積よりも小さな面積にて、部分平面部2841bを円環平面状のスリーブストッパ3660aに接触させてもよい。
制御弁60については、進角ポート661の形成位置と遅角ポート662の形成位置とをスリーブ66,366にて入れ替えてもよく、この場合には、遅角ポート662が特許請求の範囲に記載の「導入ポート」に相当し、ロック領域Rlに対して往方向Dgにずれて並ぶこととなる遅角領域Rrが特許請求の範囲に記載の「可変領域」に相当する。また、制御弁60については、連動回転要素2,14の双方に内蔵させる以外にも、連動回転要素2,14の一方に内蔵にさせる、あるいは連動回転要素2,14の外部に配置してもよい。
制御弁60の駆動構造については、電磁ソレノイドからなる駆動源90を備えるもの以外にも、例えば電動式のピエゾアクチュエータ又は油圧アクチュエータ等からなる駆動源を備えたものであってもよい。また、制御回路96については、内燃機関の停止に伴う制御によりスプール70,270,370を増大ロック領域Rliに移動させるものであってもよいし、内燃機関の始動に伴う制御によりスプール70,270,370を絞りロック領域Rlsに移動させるものであってもよい。加えて、スプール70,270,370に対する可動部材84,284,384,584,684の状態が切り替わる絞りロック領域Rlsについては、増大ロック領域Rliに対して復方向Drに並ぶように、例えば当該復方向Drの移動端P0に設定してもよい。
「供給源」としてのポンプ4については、クランク軸の回転により駆動されるメカポンプ以外にも、例えば電動ポンプ等であってもよい。また、「ロック手段」としてのロック構造によりロックする回転位相については、最遅角位相及び最進角位相の間となる中間ロック位相に設定する以外にも、最遅角位相又は最進角位相に設定してもよく、さらにその場合等には、アシストスプリング18によるベーンロータ14の付勢構造を省いてもよい。加えて、ロック構造については、規制位相領域を設定するために規制孔151を設ける構造以外にも、当該規制孔151を設けない構造を採用してもよく、さらにそれ以外にも、ロック部材16を複数に分割して各分割体を個別のロックスプリング19により付勢する構造を、採用してもよい。
そして、以上の本発明は、「動弁」としての吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、それら吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に適用することができるのである。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、3 搬送通路、4 ポンプ(供給源)、5 ドレンパン、10 回転機構部、11 ハウジング、12 シューケーシング、13 リアプレート、14 ベーンロータ、15 フロントプレート、16 ロック部材(ロック手段)、17 ロック作動室(ロック手段)、19 ロックスプリング(ロック手段)、22,23,24 進角室、26,27,28 遅角室、40 制御部、41 進角主通路、42,43,44 進角分岐通路、45 遅角主通路、46,47,48 遅角分岐通路、49 ロック作動通路、50 主供給通路、52 副供給通路、54 ドレン回収通路、60 制御弁、66,366 スリーブ、70,270,370 スプール、80 第一弾性部材、82,382 第二弾性部材、84,284,384,584,684 可動部材、90 駆動源、91 駆動軸、94,294,394 付勢調整構造、96 制御回路、140 回転軸、141,142,143 ベーン、151 規制孔(ロック手段)、152 ロック孔(ロック手段)、660,3660 リテーナ、661 進角ポート、662 遅角ポート、663 ロック作動ポート、664 主供給ポート、665 副供給ポート、666,666a ドレンポート、666b,3660a,5660a スリーブストッパ、669 スリーブ絞り、669a,669b 端部、704 スプール絞り、704a,704b 端部、705 連通通路、706 軸方向端部、707,2707,3707,4707,6707 スプールストッパ、840 本体筒部、841,2841 フランジ部、841a,2841a,3842a 環平面部、2841b 部分平面部、2841c 開口部、3666b リテーナ部、3706 ブッシュ、3840 小径部、3841 大径部、3841a 筒端面部、3842,6842 段差部、Dg 往方向、Dr 復方向、F1 第一復原力、F2 第二復原力、P0 移動端、P1,P2 位置、Pc 切替位置、Ra 進角領域、Rh 保持領域、Rl ロック領域、Rli 増大ロック領域、Rls 絞りロック領域、Rls_r 制限領域、Rls_t 伝達領域、Rr 遅角領域、W1,W2 変化幅

Claims (7)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを、供給源から供給される作動液により調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランク軸と連動回転するハウジングと、
    前記カム軸と連動回転し、前記ハウジング内において進角室及び遅角室を回転方向に区画し、作動液が前記進角室又は前記遅角室へ導入されることにより、前記ハウジングに対する回転位相が進角側又は遅角側へ変化するベーンロータと、
    作動液が入出するロック作動室を有し、前記ロック作動室からの作動液の排出により前記回転位相をロックし、前記ロック作動室への作動液の導入により当該ロックを解除するロック手段と、
    スリーブ内に収容されるスプールの軸方向への往復移動により、前記進角室及び前記遅角室に対する作動液の入出並びに前記ロック作動室に対する作動液の入出を制御する制御弁と、
    前記スプールを軸方向に駆動する駆動力を、指令値に従って発生する駆動源と、
    前記スプールを前記駆動力に抗して軸方向に付勢する弾性付勢力を、発生する付勢手段とを、備え、
    前記制御弁は、
    前記進角室及び前記遅角室の一方へ作動液を導入する導入ポートと、
    前記ロック作動室と連通するロック作動ポートと、
    前記供給源から作動液の供給を受ける供給ポートと、
    作動液を排出するドレンポートと、
    前記スリーブに設けられるスリーブストッパと、
    前記スプールに設けられるスプールストッパとを、有し、
    前記スプールは、
    前記導入ポート及び前記ロック作動ポートを共に前記供給ポートに接続することにより、ロックを解除した前記回転位相を変化させる可変領域と、
    前記導入ポートを前記供給ポートに接続し且つ前記ロック作動ポートを前記ドレンポートに接続することにより、前記スリーブ内を通じて前記供給ポートから前記導入ポートへ流通する作動液の流量を絞りつつ、前記回転位相のロックを実現する絞りロック領域とに、移動するバルブタイミング調整装置において、
    前記スリーブ内に設けられる前記付勢手段は、
    軸方向に往復移動する可動部材と、
    前記スプールを軸方向に付勢する第一復原力を発生する第一弾性部材と、
    前記可動部材を軸方向に付勢する第二復原力を発生する第二弾性部材とを、有し、
    前記可動部材が前記スリーブストッパから離脱して前記スプールストッパと係合することにより、前記第二復原力を前記スプールに伝達する伝達状態と、前記可動部材が前記スプールストッパから離脱して前記スリーブストッパと係合することにより、前記スプールへの前記第二復原力の伝達を制限する制限状態とは、前記可動部材が前記スリーブストッパ及び前記スプールストッパの双方に係合する切替位置を境に、前記絞りロック領域内において切り替わり、
    前記絞りロック領域のうち前記切替位置よりも前記可変領域側となる一部において前記伝達状態及び前記制限状態の一方が実現されることにより、前記可動部材が係合対象のストッパと接触する面積は、前記絞りロック領域の残部において前記伝達状態及び前記制限状態の他方が実現されることにより、前記可動部材が係合対象のストッパと接触する面積よりも、大きく設定されることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記可動部材は、径方向に沿って広がる環平面部が設けられてなり、
    前記絞りロック領域のうち前記切替位置よりも前記可変領域側となる一部において前記伝達状態及び前記制限状態の一方が実現されることにより前記環平面部が係合対象の環平面状のストッパと同軸上に接触し、
    前記絞りロック領域の残部において前記伝達状態及び前記制限状態の他方が実現されることにより前記環平面部が係合対象のテーパ面状のストッパと同軸上に接触することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記可動部材は、周方向に連続する環平面部と、周方向に断続する部分平面部とが、設けられてなり、
    前記絞りロック領域のうち前記切替位置よりも前記可変領域側となる一部において前記伝達状態及び前記制限状態の一方が実現されることにより、前記環平面部が係合対象の環平面状のストッパと面接触し、
    前記絞りロック領域の残部において前記伝達状態及び前記制限状態の他方が実現されることにより、前記部分平面部が係合対象の環平面状のストッパと面接触することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記駆動源は、軸方向のうち往方向に作用する前記駆動力を発生し、
    前記第一弾性部材は、軸方向のうち前記往方向とは反対の復方向に作用する前記第一復原力を発生し、
    前記第二弾性部材は、軸方向のうち前記往方向に作用し且つ前記第一復原力よりも小さい前記第二復原力を発生し、
    前記絞りロック領域のうち前記切替位置よりも前記可変領域側となる一部において前記制限状態が実現されることにより前記可動部材が係合対象の前記スリーブストッパと接触する面積は、前記絞りロック領域の残部において前記伝達状態が実現されることにより前記可動部材が係合対象の前記スプールストッパと接触する面積よりも、大きく設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記駆動源は、軸方向のうち往方向に作用する前記駆動力を発生し、
    前記第一弾性部材及び第二弾性部材は、軸方向のうち前記往方向とは反対の復方向に作用する前記第一復原力及び前記第二復原力を、それぞれ発生し、
    前記絞りロック領域のうち前記切替位置よりも前記可変領域側となる一部において前記伝達状態が実現されることにより前記可動部材が係合対象の前記スプールストッパと接触する面積は、前記絞りロック領域の残部において前記制限状態が実現されることにより前記可動部材が係合対象の前記スリーブストッパと接触する面積よりも、大きく設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記絞りロック領域において、前記内燃機関の回転により駆動される前記供給源から前記供給ポートへ供給される作動液の前記導入ポートへの流通流量が、絞られることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記ロック手段は、前記ロック作動室からの作動液の排出により前記回転位相を、最進角位相及び最遅角位相の間の中間ロック位相にロックし、
    前記ベーンロータは、平均的に遅角側に偏る変動トルクを前記カム軸から受け、
    前記絞りロック領域において、前記進角室と連通する前記導入ポートへの作動液の流通流量が、絞られることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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