JP6336870B2 - ビフェノール化合物及びそれを用いるオレフィン重合用触媒並びにオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

ビフェノール化合物及びそれを用いるオレフィン重合用触媒並びにオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、ビフェノール化合物、それを用いて得られる金属錯体、及びそれらによるα−オレフィン系重合用触媒、並びにα−オレフィン系重合体の製造方法に関し、更に詳しくは、特異的なビフェノール化合物に由来する部分構造を有する金属錯体のオレフィン重合用触媒への適用に係わり、その触媒は分子量の高いオレフィン重合体を製造し得て触媒活性の高い重合用触媒である。
ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂は、ポリオレフィン樹脂における主要ポリマーとして各種の産業分野において汎用され、卓越した重要な産業資材であるがゆえに更なる諸性能の向上が常に求められている。
このようなポリオレフィン樹脂の製造過程においては、使用される触媒は、チーグラーナッタ触媒やフィリップス触媒のような不均一系固体触媒と、メタロセン触媒のように溶媒可溶な金属錯体を使用する均一系触媒が専ら利用されている。
近年においては、メタロセン触媒の急激な発展に触発されて、メタロセン錯体とは異なる錯体、いわゆる、ポストメタロセン錯体の開発が盛んに進められている。このポストメタロセン錯体の一群において、特殊な構造の配位子を有する遷移金属錯体が注目され、主に二座配位子を有する遷移金属錯体が多数報告されている。
そして最近では、更に四座配位子を有する錯体群が研究され開発が進められており、例えば、これまでに、二つのフェノキソ配位子と二つのアミン配位子を有する四座錯体が報告され、エチレンやプロピレンなどのオレフィン重合用触媒としての有用性が報告されている(特許文献1及び非特許文献1を参照)。
これ以外にも、二つのフェノキソ配位子と二つのイミン配位子を有する四座錯体(特許文献2及び非特許文献2を参照)や、二つのフェノキソ配位子と二つのエーテル酸素配位子を有する四座錯体(特許文献3,4を参照)、二つのフェノキソ配位子と二つのチオエーテル配位子を有する四座錯体(特許文献5,6を参照)、二つのフェノキソ配位子と二つのホスフィン配位子を有する四座錯体(特許文献7及び非特許文献3を参照)、三つのフェノキソ配位子と一つのアミン配位子を有する四座錯体(非特許文献4を参照)、二つのフェノキソ配位子と一つのイミン配位子と一つのアミド配位子を有する四座錯体(特許文献8を参照)、二つのフェノキソ配位子と一つのアミン配位子と一つのエーテル酸素配位子を有する四座錯体(特許文献9及び非特許文献5を参照)、三つのアミン配位子と一つのアミド配位子を有する四座錯体(非特許文献6を参照)、二つのイミン配位子と二つのピリジン配位子を有する四座錯体(非特許文献7を参照)などがオレフィン重合用触媒として報告されている。
しかしながら、これまでに報告された四座配位子を有する錯体は、メタロセン錯体と比較して製造コストが低い利点を有しているものの、著しく触媒活性が低い場合や生成ポリマー分子量が低い場合があることから、ポリオレフィン重合用触媒としての更なる性能改良が求められている。
WO2002036638A2 WO2004069881A1 WO2012006230A1 WO2011109563A2 WO2011099583A1 WO2011099584A1 WO2006030192A1 WO2011158241A1 WO2001018010A1
S. Segal, A. Yeori, M. Shuster, Y. Rosenberg and M. Kol, Macromolecules, 2008, 41, 1612. Knight, P. D.; Clarke, A. J.; Kimberley, B. S.; Jackson, R. A.; Scott, P. Chem. Commun. 2002, 352-353. R. J. Long, D. J. Jones, V. C. Gibson and A. J. P. White, Organometallics, 2008, 27, 5960. C. Redshaw, M. A. Rowan, L.Warford, D. M. Homden, A. Arbaoui, M. R. J. Elsegood, S. H. Dale, T. Yamato, C. P. Casas, S. Matsui and S. Matsuura, Chem.-Eur. J., 2007, 13, 1090. Tshuva, E. Y.; Goldberg, I.; Kol, M.; Weitman, H.; Goldschmidt, Z. Chem. Commun. 2000, 379-380. WO2001018010A1 S. Bambirra, D. van Leusen, C. G. J. Tazelaar, A. Meetsma and B. Hessen, Organometallics, 2007, 26, 1014. K. Yliheikkil¨a, K. Axenov, M. T. R¨ais¨anen, M. Klinga, M. P. Lankinen, M. Kettunen, M. Leskel¨a and T. Repo, Organometallics, 2007, 26, 980.
本発明の目的、すなわち課題は、前記した四座配位子を有する遷移金属錯体における従来技術の問題点を鑑み、触媒活性も高く、高分子量オレフィン系重合体を製造可能であり、かつ、従来のメタロセン錯体に比して簡易な合成経路により安価に合成可能な、四座配位子を有する遷移金属錯体を開発することであり、そのために、そのような金属錯体を形成しうる配位子化合物、それによるポリオレフィン重合用触媒及びそれを用いたオレフィンの重合方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題の解決を目指して、金属錯体触媒における四座配位子を有する遷移金属錯体に使用し得て、高分子量の重合体を製造できる配位子化合物を種々探索した結果、四座配位子を有する遷移金属錯体として今までに報告されていない、新規なビフェノール化合物に由来するビフェノキソ部分構造を有する錯体に注目して、錯体構造の特異的な、化学的かつ立体的及び電子的な環境の構築を成し、かかる特定の構造を有するビフェノール化合物が、上記の目的に適う重合用触媒の成分として機能することを見い出し、本発明を創出するに至った。
かくして、本発明の基本構成を成すビフェノール化合物は、特異な構造を有するがゆえに四座配位子として新規であり、錯体構造の化学的かつ立体的及び電子的な環境の構築に特徴を有し、それらによってα−オレフィンの望ましい重合を可能とする触媒機能が顕現される。
そして、本発明の基本発明(第一発明)を構成するビフェノール化合物は、下記の一般式(1)で表されるビフェノール化合物である。
Figure 0006336870
(一般式(1)において、Q、Qは、各々独立して、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の二価の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基からなる群より選ばれた置換基を示す。Q〜Qは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリル基からなる群より選ばれた置換基を示す。T、Tは、各々独立して、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数2〜10のエステル基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数1〜12の置換イミノ基、炭素数5〜10の置換基を有してもよいピリジル基、炭素数4〜10の置換基を有してもよいピロリジル基、炭素数5〜10の置換基を有してもよいピペリジル基、炭素数4〜10の置換基を有してもよいヒドロフリル基、炭素数4〜10の置換基を有してもよいイミダゾリル基、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。m、nは、各々独立して、0,1,2より選ばれる任意の数を示す。)
なおここで、本発明で規定の錯体構造により、なぜ所望の触媒性能が発現できるかの理論的な推測を提示する。
本発明の基本的構成を成すビフェノール化合物は、四座配位子として新規であり、その配位子の化学的かつ立体的及び電子的な構造に特徴を有し、それによって、α−オレフィンの重合において特異な触媒機能が顕現される。
すなわち、そのビフェノール化合物は、構造が上記の一般式(1)で表されるものであって、本発明においてオレフィン重合用触媒の触媒成分として使用され、助触媒などと組み合わされてα−オレフィン重合用触媒を形成する。本発明における一般式(1)で示されるビフェノール化合物は、錯体形成の際にはビフェノキソ配位子としてキレート環状構造を形成することを基本的な特徴としており、こうした特徴が本発明の特異性をもたらすものと推定することができる。
具体的には、キレート環状構造を形成する四座配位子は、その錯体構造の安定化に寄与し、四座錯体においてしばしば観測される構造異性体の形成を抑制し、重合場を安定化することにより、ポリオレフィン重合の際に連鎖移動反応を抑制し、生成ポリオレフィンの分子量をより高分子側に制御していると考えられる。
なお、本発明におけるビフェノール化合物は、錯化により下記の一般式(2)に示されるように、五員環以上の金属ビフェノキソ構造を形成すると予想される。この五員環以上のキレートは高い安定性を示し、錯体触媒としての性能向上に寄与すると考えられる。
Figure 0006336870
(一般式(2)において、Q〜Q、T、T、m、及びnは、前述の一般式(1)で表されるビフェノール化合物における置換基と同じであり、Mは、4〜10族の遷移金属からなる群より選択された金属原子を示し、X、Xは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数1〜12の置換アミノ基又はハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。)
更に、ビフェノールの二つの水酸基構造に由来するビフェノキソ配位子は、例えばこれまでに報告されたジフェノキソ配位子と比較して、錯形成時における中心金属への電子ドナー性が高まっており、これにより、ポリオレフィン重合の際にβ脱離をはじめとする連鎖移動反応を抑制し、生成ポリオレフィンの分子量をより高分子側に制御していると考えられる。
ところで、既に前述したが、本発明は特許文献及び非特許文献として前掲した各文献による、従来発明とは、構成要件(発明の特定事項)において顕著な差異が見られ、本発明はそれらの従来文献からは窺えず、これまでに、2,2´−ビフェノール部分構造に由来する2,2´−ビフェノキソ基を有する四座錯体は報告されていない。
すなわち、本発明においては、特異で新規な四座配位子を形成しうるビフェノール化合物であり、錯体構造において特異な、化学的かつ立体的及び電子的な環境の構築が成されたことを、顕著な特徴とするものである。
以上において、本発明の創作の経緯と発明の基本的な構成と特徴について、概括的に記述したので、ここで本発明の全体的な構成を俯瞰して総括すると、本発明は次の発明単位群からなるものである。
段落0011〜0013に前掲した、一般式(1)で表されるビフェノール化合物が、基本発明(1)として構成され、更に、基本発明(1)のビフェノール化合物と4〜10族の遷移金属化合物である錯体前駆体とを反応させて得られる金属錯体、すなわち段落0015〜0017に前掲した一般式(2)で表される金属錯体が基本発明(2)として構成され、それ以下の各発明は、基本発明に付随的な要件を加え、或いはその実施の態様を示すものである。なお、全発明単位をまとめて発明群と称す。
そして、それ以下の発明としては、上記の金属錯体を含むオレフィン重合用触媒成分、下記の成分(A)及び(B)、更に必要に応じて(C)を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒である。
成分(A):上記の金属錯体、成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩、成分(C):有機アルミニウム化合物
更に、その他の発明として、成分(B)がアルミノキサンであるオレフィン重合用触媒、成分(B)がホウ素化合物であるオレフィン重合用触媒であり、また、前記のいずれかの重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合又は共重合する、オレフィン重合体の製造方法である。
従来のメタロセン錯体に比して簡易な合成経路により安価に合成可能であって、金属錯体を形成しうるビフェノール化合物、それによる触媒活性の高い、有用なポリオレフィン重合用触媒及びそれを用いたオレフィンの重合方法を提供することができ、本発明の特異なビフェノール化合物が錯化されたビフェノキソ配位子錯体により、高分子量のオレフィン重合体が製造可能となる。
なお、後記する各実施例のデータ及び各実施例と各比較例との対照により、本発明の重合用触媒は触媒活性が高く、本発明により製造されたポリマーでは、従来の四座錯体によるポリマーよりも分子量の高いことが実証されている。また、後述する合成経路から明らかなように、本発明の金属錯体は、従来のメタロセン錯体に比して、簡易な合成経路により比較的容易に合成することができるともいえる。
これにより、高い分子量を有するオレフィン系重合体を効率的に製造することが期待され、本発明の金属錯体によるポリオレフィン重合用触媒、及び、それを用いたオレフィンの重合方法は、工業的な観点から、非常に有用である。
本発明の実施例4で製造したエチレン重合体の、13C−NMRのチャート図である。 本発明の実施例12で製造したプロピレン重合体の、13C−NMRのチャート図である。
以下においては、本発明のビフェノール化合物、金属錯体、及び、それによる重合用触媒並びにそれを用いたオレフィン重合体の製造方法について、項目ごとに、詳細に説明する。
1.ビフェノール化合物について
(1)基本構成
本発明におけるビフェノール化合物は、下記の一般式(1)で示される。
Figure 0006336870
(一般式(1)において、Q、Qは、各々独立して、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の二価の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基からなる群より選ばれた置換基を示す。Q〜Qは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリル基からなる群より選ばれた置換基を示す。T、Tは、各々独立して、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数2〜10のエステル基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数1〜12の置換イミノ基、炭素数5〜10の置換基を有してもよいピリジル基、炭素数4〜10の置換基を有してもよいピロリジル基、炭素数5〜10の置換基を有してもよいピペリジル基、炭素数4〜10の置換基を有してもよいヒドロフリル基、炭素数4〜10の置換基を有してもよいイミダゾリル基、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。m、nは、各々独立して、0,1,2より選ばれる任意の数を示す。)
(2)Q1、について
炭素数1〜20の二価の炭化水素基であるQ、Qは、好ましくは、炭素数1〜12の二価の炭化水素基、更に好ましくは、炭素数1〜12のアルキレン基、フェニレン基、アルキレン−フェニレン−アルキレン基、ビフェニレン基である。
好ましい具体例は、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1,4−シクロへキシレン基、{メチレン−(1,4−シクロへキシレン)}基、{メチレン−(1,4−シクロへキシレン)−メチレン}基、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、3−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、3−ペンテニレン基、4−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、3−ヘキセニレン基、4−ヘキセニレン基、5−ヘキセニレン基、フェニレン基、メチレンフェニレン基、{メチレン−(1 ,4−フェニレン)−メチレン}基、ビフェニレン基であり、更に好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、4−ヘキセニレン基、{メチレン−(1,4−シクロへキシレン)−メチレン}基、フェニレン基、ビフェニレン基であり、特に好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、フェニレン基、ビフェニレン基である。
炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の二価の炭化水素基であるQ1、は、好ましくは、前述の炭素数1〜20の二価の炭化水素基を、炭素数3〜18のシリル基で置換した構造体が挙げられる。
好ましい具体例は、(トリメチルシリル)メチレン基、(1−トリメチルシリル)エチレン基、(2−トリメチルシリル)エチレン基、(1−トリエチルシリル)エチレン基、(2−トリエチルシリル)エチレン基、(1−トリメチルシリル)トリメチレン基、(2−トリメチルシリル)トリメチレン基、(3−トリメチルシリル)トリメチレン基、(1−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(2−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(3−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(4−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(1−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(2−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(3−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(4−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(5−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(1−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(2−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(3−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(4−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(5−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(6−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(トリメチルシリル)メチレン基、(1−トリメチルシリル)エチレン基、(2−トリメチルシリル)エチレン基、(1−トリエチルシリル)エチレン基、(2−トリエチルシリル)エチレン基であり、特に好ましくは、(トリメチルシリル)メチレン基、(1−トリメチルシリル)エチレン基、(2−トリメチルシリル)エチレン基である。
ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基であるQ1、は、好ましくは、前述の炭素数1〜20の二価の炭化水素基を、ハロゲン原子で置換した構造体が挙げられる。
好ましい具体例は、(クロロ)メチレン基、(1−クロロ)エチレン基、(2−クロロ)エチレン基、(1−ブロモ)エチレン基、(2−ブロモ)エチレン基、(1−クロロ)トリメチレン基、(2−クロロ)トリメチレン基、(3−クロロ)トリメチレン基、(1−クロロ)テトラメチレン基、(2−クロロ)テトラメチレン基、(3−クロロ)テトラメチレン基、(4−クロロ)テトラメチレン基、(1−クロロ)ペンタメチレン基、(2−クロロ)ペンタメチレン基、(3−クロロ)ペンタメチレン基、(4−クロロ)ペンタメチレン基、(5−クロロ)ペンタメチレン基、(1−クロロ)ヘキサメチレン基、(2−クロロ)ヘキサメチレン基、(3−クロロ)ヘキサメチレン基、(4−クロロ)ヘキサメチレン基、(5−クロロ)ヘキサメチレン基、(6−クロロ)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(クロロ)メチレン基、(1−クロロ)エチレン基、(2−クロロ)エチレン基、(1−ブロモ)エチレン基、(2−ブロモ)エチレン基であり、特に好ましくは、(クロロ)メチレン基、(1−クロロ)エチレン基、(2−クロロ)エチレン基である。
(3)Q〜Qについて
炭素数1〜20の炭化水素基であるQ〜Qは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基である。
ここで、アルキル基、シクロアルキル基の例は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、イソプロピル基、1−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、トリシクロヘキシルメチル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、エキソ−ノルボルニル基、エンド−ノルボニル基、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、及び5−デシル基などである。
これらの中で、好ましい置換基としては、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基である。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シンナミル基、スチリル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基が挙げられ、これらのアリール基の芳香環に存在させうる置換基の例としては、アルキル基、アリール基、融合アリール基、フェニルシクロヘキシル基、フェニルブテニル基、トリル基、キシリル基、p−エチルフェニル基などである。
これらの中で、好ましい置換基としては、フェニル基である。これらの具体例の中で、特に好ましい置換基としては、メチル基、エチル基、フェニル基であり、更に、特に好ましくは、メチル基である。
ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基であるQ〜Qは、好ましくは、前述の炭素数1〜20の炭化水素基を、ハロゲン原子で置換した構造体が挙げられる。
具体的に好ましい例として、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリル基であるQ〜Qは、好ましくは、炭素数3〜18のシリル基であり、好ましい具体例は、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基である。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、トリメチルシリル基又はジメチルフェニルシリル基であり、特に好ましくは、トリメチルシリル基である。
(4)T、Tについて
炭素数1〜10のアルコキシ基であるT、Tは、好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基などである。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基又はイソプロポキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
炭素数6〜20のアリーロキシ基であるT、Tは、好ましくは、炭素数6〜12のアリーロキシ基であり、好ましい具体例は、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ基及び2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、フェノキシ基、3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ基又は2,6−ジメチルフェノキシ基であり、特に好ましくは、フェノキシ基、3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ基である。
炭素数2〜10のアシル基であるT、Tは、好ましくは、炭素数2〜8のアシル基であり、好ましい具体例は、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ヴァレリル基、イソヴァレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基であり、特に好ましくは、ベンゾイル基である。
炭素数2〜10のエステル基であるT、Tは、好ましくは、炭素数2〜8のエステル基であり、好ましい具体例は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、(4−ヒドロキシブトキシ)カルボニル基、(4−グリシジルブトキシ)カルボニル基、フェノキシカルボニル基、スクシン酸無水物基、スクシン酸イミド基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、(4−ヒドロキシブトキシ)カルボニル基、スクシン酸無水物基が挙げられ、特に好ましくは、メトキシカルボニル基、スクシン酸無水物基である。
炭素数1〜12の置換アミノ基であるT、Tの好ましい具体例は、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノイソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、モノフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(トリメチルシリル)アミノ基、モルホリニル基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基は、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基である。
炭素数1〜12の置換イミノであるT、Tの好ましい具体例は、フェニルイミノ基、ペンタフルオロフェニルイミノ基、2,6−ジメチルフェニルイミノ基、3,5−ジ−t−ブチルフェニルイミノ基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基は、フェニルイミノ基、ペンタフルオロフェニルイミノ基である。
炭素数5〜10の置換基を有してもよいピリジル基であるT、Tの好ましい具体例は、2−ピリジル基、3−ピリジル基、2−(3−メチル)ピリジル基、2−(4−メチル)ピリジル基、3−(2−メチル)ピリジル基、3−(4−メチル)ピリジル基、2−(4−クロロメチル)ピリジル基、3−(4−クロロメチル)ピリジル基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、2−(4−メチル)ピリジル基が挙げられ、特に好ましくは、2−ピリジル基である。
炭素数4〜10の置換基を有してもよいピロリジル基であるT、Tの好ましい具体例は、2−ピロリジル基、3−ピロリジル基、2−(1−メチル)ピロリジル基、2−(1−ブチル)ピロリジル基、2−(1−シクロペンテニル)ピロリジル基、2−(4−メトキシカルボニル)ピロリジル基、2−(5−メトキシカルボニル)ピロリジル基、2−(6−メトキシカルボニル)ピロリジル基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、2−ピロリジル基、3−ピロリジル基、2−(1−メチル)ピロリジル基、2−(6−メトキシカルボニル)ピロリジル基が挙げられ、特に好ましくは、2−ピロリジル基である。
炭素数5〜10の置換基を有してもよいピペリジル基であるT、Tの好ましい具体例は、2−ピペリジル基、3−ピペリジル基、2−(1,2,3,6−テトラヒドロ)ピペリジル基、2−(1−メチル)ピペリジル基、2−(1−エチル)ピペリジル基、2−(4−メチル)ピペリジル基、2−(5−メチル)ピペリジル基、2−(6−メチル)ピペリジル基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、2−ピペリジル基、3−ピペリジル基、2−(1,2,3,6−テトラヒドロ)ピペリジル基、2−(6−メチル)ピペリジル基が挙げられ、特に好ましくは、2−ピペリジル基、2−(1,2,3,6−テトラヒドロ)ピペリジル基である。
炭素数4〜10の置換基を有してもよいヒドロフリル基であるT、Tの好ましい具体例は、2−テトラヒドロフリル基、3−テトラヒドロフリル基、2−(5−メチル)テトラヒドロフリル基、2−(5−イソプロピル)テトラヒドロフリル基、2−(5−エチル)テトラヒドロフリル基、2−(5−メトキシ)テトラヒドロフリル基、2−(5−アセチル)テトラヒドロフリル基、2−(4,5−ベンゾ)テトラヒドロフリル基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、2−テトラヒドロフリル基、3−テトラヒドロフリル基、2−(5−メチル)テトラヒドロフリル基、2−(5−イソプロピル)テトラヒドロフリル基、2−(4,5−ベンゾ)テトラヒドロフリル基が挙げられ、特に好ましくは、2−テトラヒドロフリル基、2−(5−メチル)テトラヒドロフリル基、2−(5−イソプロピル)テトラヒドロフリル基である。
炭素数4〜10の置換を有してもよいイミダゾリル基であるT、Tの好ましい具体例は、2−イミダゾリル基、2−(1−メチル)イミダゾリル基、2−(1−ベンジル)イミダゾリル基、2−(1−アセチル)イミダゾリル基、2−(4,5−ベンゾ)イミダゾリル基、2−(1−メチル−4,5−ベンゾ)イミダゾリル基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、2−イミダゾリル基、2−(1−メチル)イミダゾリル基、2−(4,5−ベンゾ)イミダゾリル基が挙げられ、特に好ましくは、2−(1−メチル)イミダゾリル基、2−(4,5−ベンゾ)イミダゾリル基である。
ハロゲンであるT、Tの好ましい具体例は、フッ素、塩素、臭素である。これらの中で、更に好ましい置換基は、塩素である。
(5)ビフェノール化合物の具体例
本発明の金属錯体に用いるビフェノール化合物の好ましい具体例として、以下のビフェノール化合物が挙げられる。これらは例示であり、これらに限定されないのは自明である。
Figure 0006336870
2.金属錯体について
(1)基本構成について
本発明における金属錯体は、ビフェノール化合物と、4〜10族の遷移金属化合物である錯体前駆体とを反応させて得られる金属錯体であり、具体的には下記の一般式(2)で示される金属錯体である。
Figure 0006336870
(一般式(2)において、Q〜Q、T、T、m、及びnは、前記一般式(1)で表されるビフェノール化合物における置換基と同じであり、Mは、4〜10族の遷移金属からなる群より選択された金属原子を示し、X、Xは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数1〜12の置換アミノ基、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。)
(2)Mについて
4〜10族の遷移金属からなる群より選択された金属原子であるMは、好ましくは、4〜6族の遷移金属であり、特に好ましくは、4族の遷移金属である。
好ましい具体例は、チタン、ジルコニウム、ハフニウムであり、更に好ましくは、ジルコニウム、ハフニウムである。
(3)X、Xについて
炭素数1〜20の炭化水素基であるX、Xは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基である。
ここで、アルキル基、シクロアルキル基の例は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、イソプロピル基、1−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、トリシクロヘキシルメチル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、エキソ−ノルボルニル基、エンド−ノルボニル基、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、及び5−デシル基などである。
これらの中で、好ましい置換基としては、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基である。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シンナミル基、スチリル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基が挙げられ、これらのアリール基の芳香環に存在させうる置換基の例としては、アルキル基、アリール基、融合アリール基、フェニルシクロヘキシル基、フェニルブテニル基、トリル基、キシリル基、p−エチルフェニル基などである。これらの中で、好ましい置換基としては、フェニル基である。
これらの具体例の中で、好ましい置換基としては、メチル基、アリル基、ベンジル基、フェニル基であり、特に好ましくは、メチル基、ベンジル基である。
炭素数1〜10のアルコキシ基であるX、Xは、好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基などである。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基又はイソプロポキシ基であり、特に好ましくは、イソプロポキシ基である。
炭素数6〜20のアリーロキシ基であるX、Xは、好ましくは、炭素数6〜12のアリーロキシ基であり、好ましい具体例は、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、及び2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、フェノキシ基又は2,6−ジメチルフェノキシ基であり、特に好ましくは、フェノキシ基である。
炭素数2〜10のエステル基であるX、Xは、好ましくは、炭素数2〜8のエステル基であり、好ましい具体例は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、(4−ヒドロキシブトキシ)カルボニル基、(4−グリシジルブトキシ)カルボニル基、フェノキシカルボニル基、スクシン酸無水物基、スクシン酸イミド基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、(4−ヒドロキシブトキシ)カルボニル基、スクシン酸無水物基が挙げられ、特に好ましくは、メトキシカルボニル基である。
炭素数1〜12の置換アミノ基であるX、Xの好ましい具体例は、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノイソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、モノフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(トリメチルシリル)アミノ基、モルホリニル基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい置換基は、ジメチルアミノ基である。
ハロゲンであるX、Xの好ましい具体例は、フッ素、塩素、臭素である。これらの中で、更に好ましい置換基は、塩素である。
上記の置換基X、Xの具体例の中で、特に好ましい置換基としては、メチル基、エチル基、ベンジル基、イソプロポキソ基、クロロ基であり、特に好ましくは、ベンジル基、クロロ基である。
(4)金属錯体の具体例
本発明の金属錯体の好ましい具体例として、以下のジルコニム錯体が挙げられる。これらは例示であり、これらに限定されないのは自明である。
Figure 0006336870
Figure 0006336870
3.ビフェノール化合物の合成及びビフェノールを反応させて得られる金属錯体の合成
(1)基本的な合成経路
本発明におけるビフェノール化合物の合成は、任意のビフェノール合成経路により行うことができる。
すなわち、具体例として、2,2´−ビフェノールを原料として置換基を導入する手法などが挙げられる。具体的なビフェノール合成例は、実施例における配位子の合成例として、詳細に記述されている。
ビフェノールを反応させて得られる金属錯体の合成経路は、目的化合物の構造から任意に定めることができるが、そのうちの具体例として、原料であるビフェノール化合物と錯体前駆体を反応させる経路や、原料であるビフェノール化合物を脱プロトン化した後に錯体前駆体を反応させる経路が挙げられる。
(2)錯体前駆体
本発明における4〜10族の遷移金属化合物である錯体前駆体は、好ましくは、4〜6族の遷移金属錯体であり、特に好ましくは、4族の遷移金属錯体である。
好ましい具体例は、四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタンなどのハロゲン化チタン、テトラキス(ジメチルアミド)チタン、ジクロロビス(ジメチルアミド)チタン、トリクロロ(ジメチルアミド)チタン、テトラキス(ジエチルアミド)チタンなどのアミドチタン、テトラ(イソプロポキソ)チタン、テトラ(n−ブトキソ)チタン、ジクロロ(ジイソプロポキソ)チタン、トリクロロ(イソプロポキソ)チタンなどのアルコキソチタン、ジクロロジメチルチタン、ジイソプロポキソ(ジメチル)チタン、トリクロロ(メチル)チタン、テトラベンジルチタンなどのアルキルチタン、及び上記各化合物のチタンをジルコニウム、ハフニウムに変更した化合物などである。
更に好ましくは、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフニウム、テトラキス(ジメチルアミド)チタン、テトラキス(ジメチルアミド)ジルコニウム、テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム、テトライソプロポキソチタン、テトライソプロポキソジルコニウム、テトライソプロポキソハフニウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラベンジルハフニウムであり、特に好ましくは、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフニウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラベンジルハフニウムである。
(3)錯体前駆体との反応
本発明における錯体前駆体の使用量は、一般式(1)で示されるビフェノール化合物1モルに対して、通常、0.5〜3モル、好ましくは0.7〜1.5モルの範囲である。
錯体合成反応は、α−オレフィンとの共重合に使用する反応器中で行ってもよいし、該反応器とは別の容器中で行ってもよい。錯形成後に、金属錯体を単離抽出して触媒に用いてもよいし、単離せずに触媒に用いてもよい。更に、後述する担体の存在下に実施することも可能である。
4.オレフィン重合用触媒
本発明の、ビフェノールを反応させて得られる金属錯体は、オレフィン重合用触媒成分を形成し、該触媒成分は、オレフィン重合用触媒に用いることができる。例えば、該金属錯体を成分(A)として含む、次に説明するオレフィン重合用触媒として、用いることが好ましい。
(1)オレフィン重合用触媒の成分
本発明のオレフィン重合用触媒としては、下記(A)、(B)及び任意に(C)成分を含むものである。
成分(A):一般式(1)で示されるビフェノール化合物を反応させて得られる金属錯体又は一般式(2)で示される金属錯体
成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩
成分(C):有機アルミニウム化合物
(2)各成分について
イ)成分(A)
成分(A)は、一般式(1)で示されるビフェノール化合物を反応させて得られる金属錯体又は一般式(2)で示される金属錯体であり、同一又は異なる二種以上を用いてもよい。
ロ)成分(B)
成分(B)としては、成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩である。
成分(B)の一つとして、有機アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。上記有機アルミニウムオキシ化合物は、分子中に、Al−O−Al結合を有し、その結合数は通常1〜100、好ましくは1〜50個の範囲にある。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、通常、有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得られる生成物である。
有機アルミニウムと水との反応は、通常、不活性炭化水素(溶媒)中で行われる。不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が使用できるが、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
有機アルミニウムオキシ化合物の調製に用いる有機アルミニウム化合物は、下記一般式で表される化合物がいずれも使用可能であるが、好ましくはトリアルキルアルミニウムが使用される。
(RAl(X(3−t)
(一般式中、Rは、炭素数1〜18、好ましくは1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などの炭化水素基を示し、Xは、水素原子又はハロゲン原子を示し、tは、1≦t≦3の整数を示す。)
トリアルキルアルミニウムのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などのいずれでも差し支えないが、メチル基、イソブチル基が好ましく、メチル基であることが特に好ましい。上記有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して使用することもできる。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は、0.25/1〜1.2/1、特に、0.5/1〜1/1であることが好ましく、反応温度は、通常−70〜100℃、好ましくは−20〜20℃の範囲にある。反応時間は、通常5分〜24時間、好ましくは10分〜5時間の範囲で選ばれる。反応に要する水として、単なる水のみならず、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物などに含まれる結晶水や反応系中に水が生成しうる成分も利用することもできる。
なお、上記した有機アルミニウムオキシ化合物のうち、アルキルアルミニウムと水とを反応させて得られるものは、通常、アルミノキサンと呼ばれ、特にメチルアルミノキサン(実質的にメチルアルミノキサン(MAO)からなるものを含む)は、有機アルミニウムオキシ化合物として、好適である。MAO溶液を溶媒留去して得られた固体状のドライメチルアルミノキサン(DMAO)もまた好適である。
もちろん、有機アルミニウムオキシ化合物として、上記した各有機アルミニウムオキシ化合物の2種以上を組み合わせて使用することもでき、また、前記有機アルミニウムオキシ化合物を前述の不活性炭化水素溶媒に溶解又は分散させた溶液としたものを用いても良い。
また、成分(B)の他の具体例として、ボラン化合物やボレート化合物が挙げられる。上記ボラン化合物をより具体的に表すと、トリフェニルボラン、トリ(o−トリル)ボラン、トリ(p−トリル)ボラン、トリ(m−トリル)ボラン、トリス(o−フルオロフェニル)ボラン、トリス(p−フルオロフェニル)ボラン、トリス(m−フルオロフェニル)ボラン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボランなどが挙げられる。
これらの中でも、トリス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボランがより好ましく、更に好ましくはトリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニル)ボランが好ましい化合物として例示される。
また、ボレート化合物を具体的に表すと、第1の例は、次の一般式で示される化合物である。
[L1−H][B(R2)(R3)(X4)(X5)]
一般式中、L1は中性ルイス塩基であり、Hは水素原子であり、[L1−H]は、アンモニウム、アニリニウム、ホスフォニウムなどのブレンステッド酸を示す。
アンモニウムとしては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリ(t−ブチル)アンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウムなどのトリアルキル置換アンモニウム、ジ(n−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウムなどのジアルキルアンモニウムを例示できる。
また、アニリニウムとしては、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−ジメチル−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムなどのN,N−ジアルキルアニリニウムが例示できる。
更に、ホスフォニウムとしては、トリフェニルホスフォニウム、トリブチルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムなどのトリアリールホスフォニウム、トリアルキルホスフォニウムが挙げられる。
また、一般式中、R2及びR3は、6〜20、好ましくは6〜16の炭素原子を含む、同じか又は異なる芳香族又は置換芳香族炭化水素基で、架橋基によって互いに連結されていてもよく、置換芳香族炭化水素基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などに代表されるアルキル基やフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンが好ましい。更に、X4及びX5は、ハイドライド基、ハライド基、1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、1個以上の水素原子がハロゲン原子によって置換された1〜20の炭素原子を含む置換炭化水素基である。
上記一般式で表される化合物の具体例としては、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを例示することができる。
これらの中でも、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレートが好ましい。
また、ボレート化合物の第2の例は、次の一般式で表される。
[L2][B(R2)(R3)(X4)(X5)]
一般式中、L2は、カルボカチオン、メチルカチオン、エチルカチオン、プロピルカチオン、イソプロピルカチオン、ブチルカチオン、イソブチルカチオン、t−ブチルカチオン、ペンチルカチオン、トロピニウムカチオン、ベンジルカチオン、トリチルカチオン、ナトリウムカチオン、プロトンなどが挙げられる。また、R2、R3、X4及びX5は、前記の段落0083の一般式における定義と同じである。
上記化合物の具体例としては、トリチルテトラフェニルボレート、トリチルテトラ(o−トリル)ボレート、トリチルテトラ(p−トリル)ボレート、トリチルテトラ(m−トリル)ボレート、トリチルテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピニウムテトラフェニルボレート、トロピニウムテトラ(o−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(p−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(m−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、NaBPh、NaB(o−CH−Ph)、NaB(p−CH−Ph)、NaB(m−CH−Ph)、NaB(o−F−Ph)、NaB(p−F−Ph)、NaB(m−F−Ph)、NaB(3,5−F−Ph)、NaB(C、NaB(2,6−(CF−Ph)、NaB(3,5−(CF−Ph)、NaB(C10、HBPh・2ジエチルエーテル、HB(3,5−F−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C・2ジエチルエーテル、HB(2,6−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(3,5−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C10・2ジエチルエーテルを例示することができる。
これらの中でも、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、NaB(C、NaB(2,6−(CF−Ph)、NaB(3,5−(CF−Ph)、NaB(C10、HB(C・2ジエチルエーテル、HB(2,6−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(3,5−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C10・2ジエチルエーテルが好ましい。
更に好ましくは、これらの中でもトリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、NaB(C、NaB(2,6−(CF−Ph)、HB(C・2ジエチルエーテル、HB(2,6−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(3,5−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C10・2ジエチルエーテルが挙げられる。
更に、成分(B)の具体例として、イオン交換性層状珪酸塩が挙げられる。イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する場合がある。)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、且つ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。珪酸塩は、各種公知のものが知られており、具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている。
本発明において、成分(B)として好ましく用いられるものは、スメクタイト族に属するもので、具体的にはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどを挙げることができる。中でも、共重合体部分の重合活性、分子量を高める観点からモンモリロナイトが好ましい。
大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英やクリストバライトなど)が含まれることが多く、本発明で用いられるスメクタイト族の珪酸塩に夾雑物が含まれていてもよい。
珪酸塩は酸処理及び/又は塩類処理を行ってもよい。該処理においては、対応する酸と塩基を混合して反応系内で塩を生成させて処理を行ってもよい。
成分(B)として、前記の有機アルミニウムオキシ化合物と、ボラン化合物やボレート化合物、イオン交換性層状珪酸塩との混合物を用いることもできる。更に、それぞれを単独でも用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
ハ)成分(C)
成分(C)として使用される、有機アルミニウム化合物の一例は、次の一般式で表される。
Al(R4)(3−a)
一般式中、R4は、炭素数1〜20の炭化水素基、Xは、水素、ハロゲン、アルコキシ基又はシロキシ基を示し、aは0より大きく3以下の数を示す。
一般式で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシドなどのハロゲン又はアルコキシ含有アルキルアルミニウムが挙げられる。
これらの中では、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。また、上記の有機アルミニウム化合物を2種以上併用してもよい。また、上記のアルミニウム化合物をアルコール、フェノールなどで変性して用いてもよい。これらの変性剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、フェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなどが例示され、好ましい具体例は、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノールである。
(3)触媒の調製法
本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製法においては、成分(A)、(B)、更に必要に応じて(C)を接触させる方法は、特に限定されないが、次の様な方法を例示することができる。
(i)成分(A)と成分(B)とを接触させた後に、成分(C)を添加する方法
(ii)成分(A)と成分(C)とを接触させた後に、成分(B)を添加する方法
(iii)成分(B)と成分(C)とを接触させた後に、成分(A)を添加する方法
(iv)各成分(A)、(B)、(C)を同時に接触させる方法。
更に、各成分中で別種の成分を混合物として用いてもよいし、別々に順番を変えて接触させてもよい。なお、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時又はオレフィンの重合時に行ってもよい。
又、成分(B)と成分(C)とを接触させた後、成分(A)と成分(C)の混合物を加えるというように、成分を分割して各成分に接触させてもよい。
上記の各成分(A)(B)(C)の接触は、窒素などの不活性ガス中において、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒中で行うことが好ましい。接触は、−20℃から溶媒の沸点の間の温度で行うことができ、特に室温から溶媒の沸点の間での温度で行うのが好ましい。
5.重合方法
(1)モノマー
上記したオレフィン重合用触媒は、α−オレフィンの単独重合又は二種類以上のα−オレフィンの共重合に使用可能である。
α−オレフィン類には、炭素数2〜30、好ましくは2〜8のものが包含され、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどが例示される。更に好ましくは、エチレン、プロピレンが挙げられる。
α−オレフィン類は、2種類以上のα−オレフィンを共重合させることも可能である。共重合は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれであっても差し支えない。もちろん、α−オレフィン以外のコモノマーを少量使用することも可能であり、この場合、スチレン、4−メチルスチレン、4−ジメチルアミノスチレンなどのスチレン類、1,4−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどのジエン類、ノルボルネン、シクロペンテンなどの環状化合物、ヘキセノール、ヘキセン酸、オクテン酸メチルなどの含酸素化合物類の重合性二重結合を有する化合物を挙げることができる。
(2)重合方法
本発明において、重合反応は、前記した担持触媒の存在下、好ましくはスラリー重合又は気相重合にて、行うことができる。スラリー重合の場合、実質的に酸素、水などを断った状態で、イソブタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素から選ばれる不活性炭化水素溶媒の存在下又は不存在下で、エチレンなどを重合させる。また、液状エチレンや液状プロピレンなどの液体モノマーも溶媒として使用できることはいうまでもない。
また、気相重合の場合、エチレンやコモノマーのガス流を導入、流通又は循環した反応器内においてエチレンなどを重合させる。本発明において、更に好ましい重合は、気相重合である。
重合条件は、温度が0〜250℃、好ましくは20〜110℃、更に好ましくは60〜100℃であり、圧力が常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜4MPa、更に好ましくは0.5〜2MPaの範囲にあり、重合時間としては5分〜10時間、好ましくは5分〜5時間が採用されるのが普通である。
重合系中に、水分除去を目的とした成分、いわゆるスカベンジャーを加えても何ら支障なく実施することができる。なお、かかるスカベンジャーとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、前記有機アルミニウムオキシ化合物、分岐アルキルを含有する変性有機アルミニウム化合物、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどのグリニヤ化合物が使用される。
これらのなかでは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、エチルブチルマグネシウムが好ましく、トリエチルアルミニウムが特に好ましい。
重合条件が互いに異なる2段階以上の多段階重合方式にも、支障なく適用することができる。
以下において、本発明を実施例によって具体的に説明し、本発明の構成の合理性と有意性及び従来技術に対する卓越性を実証する。
1.評価方法
(1)分子量及び分子量分布(Mw、Mn、Q値)
(測定条件)使用機種:ウォーターズ社製150C 検出器:FOXBORO社製MIRAN1A・IR検出器(測定波長:3.42μm) 測定温度:140℃ 溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB) カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本) 流速:1.0mL/分 注入量:0.2mL
(試料の調製)試料はODCB(0.5mg/mLのBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)を含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させた。
(分子量の算出)標準ポリスチレン法により行い、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行った。使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー社製の銘柄であり、F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000、である。各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成した。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いた。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いた。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
(2)融点(Tm)
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200示差走査熱量測定装置を使用して、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で20℃まで降温して結晶化させた後に、10℃/分で200℃まで昇温することにより融解曲線を得た。
融解曲線を得るために行った最後の昇温段階における主吸熱ピークのピークトップ温度を融点Tmとし、該ピークのピーク面積をΔHmとした。
(3)MFR及びFR
MFRは、JIS K6760に準拠し、190℃、2.16kg荷重で測定した。FR(フローレイト比)は、190℃、10kg荷重の条件で同様に測定したMFRであるMFR10kgとMFRとの比(=MFR10kg/MFR)から算出した。
(4)NMR
[試料調製]
厚さ100μm程度のフィルム状に成形した試料約250mgを外径10mmの試料管に量りとり、オルト−ジクロロベンゼン1.84mlと重水素化ブロモベンゼン0.46mlを添加した。試料管上部を窒素置換した後、試料管の蓋をし、130℃の高温槽で試料が均一になるまで加熱・溶解した。
[13C−NMR測定]
クライオプローブを装備したブルカー・バイオスピン社製 AVANCEIII400NMR測定装置を用いてゲート付きプロトンデカップリングによるNOE無しの条件で測定を行った。なお、励起パルスのフリップ角は90°とし、パルス間隔16.3秒、測定温度120℃、積算回数500回以上、スペクトル観測幅は24,0.38.5Hzとした。13C−NMRスペクトルの帰属は種々の文献を参考に行った。
本発明におけるビフェノール化合物1〜9の合成経路を以下に示す。なお、以下の合成例で特に断りのない限り、操作は精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は脱水・脱酸素したものを用いた。
[合成例1]ビフェノール化合物1の合成
(中間体化合物1Aの合成)
Figure 0006336870
水素化ナトリウム(17.2g,428mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に、2,2’−ビフェノール(20.0g,107mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液を0℃で加え、10℃で1時間撹拌した。この反応液に、クロロメチルメチルエーテル(35.2g,428mmol)を0℃で加え、10℃で12時間撹拌した。反応後、氷水(150mL)を加え、反応液を酢酸エチル(100mL×3回)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=15/1)で精製することにより、無色油状の化合物1Aを得た。収量15.0gで収率51%であった。
(中間体化合物1Bの合成)
Figure 0006336870
化合物1A(8.0g,29.6mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、ノルマルブチルリチウム(35.3mL,88.7mmol,2.5Mヘキサン溶液)を0℃で滴下し、10℃で2時間撹拌した。この反応液に、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(22.0g,118mmol)を−78℃で加え、10℃で12時間撹拌した。反応後、氷水(150mL)を加えた後、反応液を酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより、白色固体の化合物1Bを得た。収量5.3gで収率34%であった。
(中間体化合物1Cの合成)
Figure 0006336870
化合物1B(5.3g,10.1mmol)、2−ブロモピリジン(6.4g,40.4mmol)、炭酸ナトリウム(2.2g,20.2mmol)のジメチルエーテル(80mL)/水(10mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.58g,0.51mmol)を10℃で加え、12時間還流した。室温に冷却後、反応液を酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。水(100mL×3回)で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することにより、白色固体の化合物1Cを得た。収量2.2gであった。
(ビフェノール化合物1の合成)
Figure 0006336870
化合物1C(2.0g,4.67mmol)の酢酸エチル(100mL)溶液に、塩酸酢酸エチル溶液(100mL)を0℃で加え、10℃で20分間撹拌した。濃縮後、酢酸エチル(100mL)を加え、pH8になるまで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分液洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過、濃縮後、ペンタンで洗浄することにより、淡緑色固体のビフェノール化合物1を得た。収量1.6gで収率95%であった。
1H NMR (CDCl3, ppm): 14.93 (s, 2 H), 8.44 (d, J = 4.0 Hz, 2 H), 8.00 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.86 (m, 4 H), 7.43 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.23 (m, 2 H), 7.02 (t, J = 7.6 Hz, 2 H).
[合成例2]ビフェノール化合物2の合成
(中間体化合物2Aの合成)
Figure 0006336870
化合物1B(5.0g,9.50mmol)、2−ブロモ−6−イソプロピルピリジン(3.0g,19.0mmol)、炭酸ナトリウム(7.5g,19.0mmol)のジメチルエーテル(100mL)/水(20mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.0g,0.95mmol)を10℃で加え、12時間還流した。氷水(100mL)を加えた後、反応液を酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより、黄色油状の化合物2Aを得た。収量4.0gで収率83%であった。
(ビフェノール化合物2の合成)
Figure 0006336870
化合物2A(4.0g,7.80mmol)の酢酸エチル(40mL)溶液に、塩酸酢酸エチル溶液(60mL)を0℃で加え、10℃で40分間撹拌した。
氷水(50mL)を加えた後、濃縮し、酢酸エチル(100mL)を加え、pH8になるまで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分液洗浄した。飽和食塩水で分液洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、酢酸エチル(10mL)で洗浄することにより、黄色固体のビフェノール化合物2を得た。収量2.8gで収率84%であった。
1H NMR (CDCl3, ppm): 15.04 (br, 2 H), 7.86 (d, J = 6.4 Hz, 2 H), 7.79 (m, 4 H), 7.44 (d, J = 6.4 Hz, 2 H), 7.11 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.02 (d, J = 7.6 Hz, 2 H), 3.10 (m, 2 H), 1.32 (s, 6 H), 1.31 (s, 6 H).
[合成例3]ビフェノール化合物3の合成
(中間体化合物3Aの合成)
Figure 0006336870
化合物1A(15.0g,54.7mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に、ノルマルブチルリチウム(48.0mL,121mmol,2.5Mヘキサン溶液)を0℃で滴下し、10℃で2時間撹拌した。この反応液に、ジメチルホルムアミド(16.0g,219mmol)を0℃で加え、10℃で12時間撹拌した。反応後、氷水(150mL)を加えた後、反応液を酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。水(50mL×3回)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより、固体の化合物3Aを得た。収量3.6gで収率30%であった。
(中間体化合物3Bの合成)
Figure 0006336870
化合物3A(0.50g,1.51mmol)の酢酸エチル(30mL)溶液に、塩酸酢酸エチル溶液(10mL)を10℃で加え、10℃で30分間撹拌した。濃縮後、酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL×3回)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=5/1)で精製することにより、固体の化合物3Bを得た。収量0.34gで収率94%であった。
(ビフェノール化合物3の合成)
Figure 0006336870
化合物3B(1.70g,7.02mmol)のエタノール(200mL)溶液に、アニリン(3.72g,35.1mmol)を10℃で加え、10℃で12時間撹拌した。淡黄色の沈澱を回収し、エタノールで洗浄することで、黄色固体のビフェノール化合物3を得た。収量2.30gで収率92%であった。
1H NMR (CDCl3, ppm): 13.94 (s, 2 H), 8.73 (s, 2 H), 7.53 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.47 (m, 2 H), 7.42 (m, 4 H), 7.30 (m, 6 H), 7.08 (t, J = 7.2 Hz, 2 H).
[合成例4]ビフェノール化合物4の合成
(中間体化合物4Aの合成)
Figure 0006336870
2−ブロモピリジン(0.32g,2.0mmol)のジエチルエーテル(10mL)溶液に、ノルマルブチルリチウム(0.88mL,2.2mmol,2.5Mヘキサン溶液)を−78℃で滴下し、−78℃で1時間撹拌した。この反応液に、中間体3A(0.
30g,0.91mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を−78℃で加え、室温で16時間撹拌した。反応後、氷水(20mL)を加えた後、反応液を酢酸エチル(20mL×3回)で抽出した。飽和食塩水(50mL×3回)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、油状の化合物4Aを得た。収量0.3gで収率67%であった。
(ビフェノール化合物4の合成)
Figure 0006336870
化合物4A(10.0g,20.5mmol)のピリジン(100mL)溶液に、無水酢酸(100mL)を室温で加え、80℃で1時間半撹拌した。反応後、減圧下で濃縮し、エタノール(150mL)を加えて溶解した。この溶液に、トリエチルアミン(20.7g,205mmol)及びPd/C(8.7g,4.1mmol,5wt%)を室温で加えた後、フラスコ内を水素で置換し、水素圧50psi雰囲気下で12時間撹拌した。反応後、ろ過によりろ液を回収した。ろ過により取り除かれた固形物からの、酢酸エチル(50mL×3回)抽出液をろ液とともに、減圧下で濃縮した。これを再び酢酸エチル(20mL)に溶解し、ここにゆっくりと塩酸(20mL,10M)を室温で滴下し、LCMSにて原料消失を確認した。反応液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH9まで中和した後、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。飽和食塩水(150mL)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、白色固体の化合物4を得た。収量3.7gで収率49%であった。
1H NMR (CDCl3, ppm): 11.3 (br, 2 H), 8.43 (d, J = 4.0 Hz, 2 H), 7.65 (m, 2 H), 7.31 (m, 2 H), 7.25 (m, 2 H), 7.21 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.14 (m, 2 H), 6.94 (m, 2 H), 4.24 (s, 4 H).
[合成例5]ビフェノール化合物5の合成
(中間体化合物5Bの合成)
Figure 0006336870
ジフェニルアミン(4.85g,28.7mmol)に、水素化リチウム(1.57g,39.1mmol,60%ミネラルオイル)のジメチルホルムアミド(80mL)溶液を室温で加え、1時間撹拌した。この反応液に、化合物5A(6.00g,13.1mmol)のジメチルホルムアミド(20mL)溶液を加え、室温で16時間撹拌した。反応後、氷水(40mL)を加えた後、反応液を酢酸エチル(100mL×3回)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=5/1)で精製することにより、固体の化合物5Bを得た。収量6.7gで収率81%であった。
(ビフェノール化合物5の合成)
Figure 0006336870
化合物5B(4.70g,7.39mmol)の酢酸エチル溶液(10mL)に、塩酸・酢酸エチル溶液(80mL,1.0M)を室温で加え、2時間撹拌した。反応液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にてpH8になるまで洗浄し、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=5/1)で精製することにより、固体の化合物5を得た。収量2.4gで収率42%であった。
1H NMR (CDCl3, ppm): 8.22 (s, 2 H), 7.27 (m, 10 H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.14 (dd, J = 0.8, 8.4 Hz, 2 H), 7.02 (m, 4 H), 6.96 (m, 2 H), 5.05 (m, 4 H).
[合成例6]ビフェノール化合物6の合成
(中間体化合物6Bの合成)
Figure 0006336870
化合物6A(6.0g,13.0mmol)のジメチルホルムアミド(100mL)溶液に、ジイソプロピルアミン(10.5g,104mmol)、炭酸カリウム(14.4g,104mmol)を加え、24時間還流した。室温まで冷却後、氷水(200mL)を加え、反応液を酢酸エチル(200mL×3回)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=5/1)で精製することにより、固体の化合物6Bを得た。収量3.8gで収率58%であった。
(ビフェノール化合物6の合成)
Figure 0006336870
化合物6B(2.30g,4.60mmol)の酢酸エチル溶液(60mL)に、塩酸・酢酸エチル溶液(69mL,1.0M)を室温で加え、5時間撹拌した。反応液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にてpH8になるまで洗浄し、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出し、飽和食塩水(100mL×3回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、ペンタンで洗浄することにより、固体の化合物6を得た。収量1.7gで収率89%であった。
1H NMR (CDCl3, ppm): 11.89 (br, 2 H), 7.26 (d, J = 6.0 Hz, 2 H), 6.97 (d, J = 6.0 Hz, 2 H), 6.82 (t, J = 7.2 Hz, 2 H), 3.90 (s, 4 H), 3.20 (m, 2 H), 1.12 (d, J = 9.2 Hz, 24 H).
[合成例7]ビフェノール化合物7の合成
(中間体化合物7Cの合成)
Figure 0006336870
化合物7B(9.0g,17.1mmol)のテトラヒドロフラン(200mL)溶液に、水酸化ナトリウム(4.1g,103mmol)、過酸化水素水(10.5g,103mmol,30wt%)を室温で加え、6時間撹拌した。
反応後、氷水(200mL)を加えた後、塩酸(1M)をpH5になるまで加えた。反応液を酢酸エチル(200mL×3回)で抽出し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(200mL×3回)で洗浄し、飽和食塩水(100mL×3回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮により、白色固体の化合物7Cを得た。収量5.0gで収率95%であった。
(中間体化合物7Dの合成)
Figure 0006336870
化合物7C(5.0g,16.3mmol)、フェニルボロン酸(8.0g,65.2mmol)、酢酸銅II(3.9g,32.6mmol)、トリエチルアミン(34mL)、MS4A(34g)のジクロロメタン(300mL)溶液を、酸素雰囲気下で48時間撹拌した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより、白色固体の化合物7Dを得た。収量3.8gで収率50%であった。
(ビフェノール化合物7の合成)
Figure 0006336870
化合物7D(3.80g,8.30mmol)の酢酸エチル溶液(50mL)に、塩酸・酢酸エチル溶液(120mL,1.0M)を0℃で加え、室温で5時間撹拌した。反応液に氷水(200mL)を加え、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にてpH8になるまで洗浄し、飽和食塩水(100mL×3回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=5/1)で精製することにより、白色固体の化合物7を得た。収量2.4gで収率80%であった。
1H NMR (CDCl3, ppm): 11.89 (br, 2 H), 7.37 (dd, J = 3.8, 4.4 Hz, 4 H), 7.14 (m, 4 H), 7.09 (dd, J = 1.2, 8.8 Hz, 4 H), 6.97 (m, 4 H), 6.18 (s, 2 H).
[合成例8]ビフェノール化合物8の合成
(中間体化合物8Bの合成)
Figure 0006336870
化合物8A(0.15g,0.35mmol)のアセトン(10mL)溶液に、フェノール(0.083g,0.88mmol)、炭酸カリウム(0.20g,1.40mmol)を加え、12時間還流した。室温まで冷却後、ろ過、濃縮後、酢酸エチル(50mL)を加え、水酸化ナトリウム水溶液(20mL×3回,3M)で洗浄し、飽和食塩水(20mL×3回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮することにより、油状の化合物8Bを得た。収量0.15gで収率95%であった。
(ビフェノール化合物8の合成)
Figure 0006336870
化合物8B(2.00g,4.12mmol)の酢酸エチル溶液(60mL)に、塩酸・酢酸エチル溶液(60mL,1.0M)を0℃で加え、室温で6時間撹拌した。反応液に氷水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3回)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にてpH8になるまで洗浄し、飽和食塩水(50mL×3回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより、黄色油状の化合物8を得た。収量1.1gで収率68%であった。
1H NMR (DMSO-d6, ppm): 8.74 (s, 2 H), 7.36 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.31 (dd, J = 7.2, 8.4 Hz, 4 H), 7.16 (d, J = 7.6 Hz, 2 H), 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 4 H), 6.95 (m, 4 H), 5.14 (s, 4 H).
[合成例9]ビフェノール化合物9の合成
(中間体化合物9Bの合成)
Figure 0006336870
化合物9A(10.0g,37.0mmol)の1,4−ジオキサン(200mL)溶液に、(PinB)(11.3g,44.6mmol)、酢酸カリウム(5.4g,55.5mmol)、Pd(dppf)Cl(1.3g,1.85mmol)を加え、16時間還流した。室温まで冷却後、ろ過、濃縮し、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。飽和食塩水(50mL×3回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=20/1)で精製することにより、白色固体の化合物9Bを得た。収量6.7gで収率57%であった。
(中間体化合物9Cの合成)
Figure 0006336870
化合物9B(0.5g,1.58mmol)のエタノール(20mL)溶液に、水酸化ナトリウム(0.13g,3.2mmol)、HNOH・HCl(0.17g,2.4mmol)を加え、24時間還流した。室温まで冷却後、反応液に氷水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3回)で抽出し、飽和食塩水(50mL×3回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮することにより、淡黄色油状の化合物9Cを得た。収量0.28gで収率90%であった。
(中間体化合物9Eの合成)
Figure 0006336870
化合物9D(4.00g,8.70mmol)のアセトン(50mL)溶液に、化合物9C(4.48g,21.7mmol)、炭酸カリウム(4.80g,34.8mmol)を加え、24時間還流した。室温まで冷却後、ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=5/1)で精製することにより、無色油状の化合物9Eを得た。収量4.0gで収率66%であった。
(ビフェノール化合物9の合成)
Figure 0006336870
化合物9E(4.50g,6.30mmol)の酢酸エチル溶液(20mL)に、塩酸・酢酸エチル溶液(90mL,1.0M)を0℃で加え、室温で4時間撹拌した。反応液に氷水(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL×3回)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にてpH8になるまで洗浄し、飽和食塩水(80mL×3回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過、濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ペンタン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより、白色固体の化合物9を得た。収量1.6gで収率45%であった。
1H NMR (DMSO-d6, ppm): 8.69 (s, 2 H), 7.40 (br, 2 H), 7.15 (br, 2 H), 6.97 (m, 4 H), 6.83 (s, 4 H), 5.13 (m, 4 H), 1.27 (s, 36 H).
参考例1]
充分に窒素置換した30mLフラスコに、等モルのテトラベンジルジルコニウムとビフェノール化合物1をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを室温で5分間混合撹拌して錯体溶液を調製した。次に、内容積1.5Lの誘導撹拌機付ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン、MAO(2000当量/Zr)を精製窒素雰囲気下にオートクレーブ内に導入した(全量700mL)。所定の重合温度、エチレン圧2.0MPaに保持した後、先に調製した錯体溶液を圧入して重合を開始した。反応中は温度を一定に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。
エタノール(10mL)を圧入することで重合を終了した後、エチレンをパージ、オートクレーブを室温まで冷却し、得られたポリマーを、エタノール(1L)を用いて再沈させ、濾過により得られた固形物をエタノールで洗浄後、80℃で3時間減圧乾燥して回収した。
参考例2〜実施例11、比較例1(エチレン重合)]
参考例2〜実施例11、及び比較例1では、参考例1の操作に準じて、表1の重合条件にて重合体を製造した。比較例1では、公知文献(段落0007に前掲した非特許文献1)を参考に合成した、N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−ヒドロキシフェニルメチル)−N,N’−ジメチルエチレンジアミン(化合物10)を用いた。得られた重合体の物性評価結果を表1に、参考例4により得られた重合体の13CNMRチャートを図1に示す。なお参考例4により製造されたポリマーでは、末端は直鎖飽和末端(2.1炭素/1000炭素)とビニル基(2.0炭素/1000炭素)しか検出されなかった
Figure 0006336870
[実施例12(プロピレン重合)]
充分に窒素置換した30mLフラスコに、100μmolのテトラベンジルジルコニウムとビフェノール化合物4をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを室温で5分間混合撹拌して錯体溶液を調製した。次に、内容積1.5Lの誘導撹拌機付ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン、DMAO(10mmol)トルエン溶液を精製窒素雰囲気下にオートクレーブ内に導入した(全量700mL)。重合温度70℃、プロピレン圧1.0MPaに保持した後、先に調製した錯体溶液を圧入して重合を開始した。反応中は温度を一定に保ち、圧力が保持されるように連続的にプロピレンを供給した。
エタノール(10mL)を圧入することで重合を終了した後、プロピレンをパージ、オートクレーブを室温まで冷却し、得られたポリマーを、エタノール(1L)を用いて再沈させ、濾過により得られた固形物をエタノールで洗浄後、80℃で3時間減圧乾燥して回収した。収量9.6g、Mw63,000、Mw/Mn9.5、融点154.7℃、mm72.8%。得られた重合体の13CNMRチャートを図2に示す。
[実施例と比較例の結果の対照による考察]
参考例1〜実施例11では、分子量30万以上の高分子量ポリエチレンを製造できたのに対して、比較例1では分子量が一万以下にとどまった。参考例1〜実施例11の触媒活性も概ね良好である。
また、エチレンのみならずプロピレンの重合も可能であり、実施例12においては分子量6万以上のポリプロピレンを製造できることを示し、触媒活性も概ね良好であった。
以上のように、本発明の比較的簡易に合成できる金属錯体を使用することにより、比較例に比して高分子量のポリマーを得ることができ、触媒活性も概ね良好であった。これにより、本発明における構成の要件の合理性と有意性、及び本発明の従来技術に対する卓越性を明らかにした。


本発明による、簡易に合成できる金属錯体及びそれを含む触媒並びにオレフィンの重合方法により、従来の金属錯体よりも分子量の高いオレフィン系重合体を経済的に製造することができ、ポリオレフィンの工業的生産において産業上非常に有用である。

Claims (6)

  1. 下記の一般式(1)で表されるビフェノール化合物と、4族の遷移金属化合物である錯体前駆体からなる金属錯体を含むことを特徴とする、オレフィン重合用触媒成分。
    Figure 0006336870
    (一般式(1)において、Q、Qは、各々独立して、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の二価の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基からなる群より選ばれた置換基を示す。Q〜Qは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリル基からなる群より選ばれた置換基を示す。T、Tは、各々独立して、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数2〜10のエステル基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数1〜12の置換イミノ基、炭素数5〜10の置換基を有していてもよいピリジル基、炭素数4〜10の置換基を有していてもよいピロリジル基、炭素数5〜10の置換基を有していてもよいピペリジル基、炭素数4〜10の置換基を有していてもよいヒドロフリル基、炭素数4〜10の置換基を有していてもよいイミダゾリル基、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。m、nは、1を示す。)
  2. 一般式(1)で表されるビフェノール化合物と4族の遷移金属化合物である錯体前駆体からなる金属錯体が、下記の一般式(2)で表されることを特徴とする、請求項に記載のオレフィン重合用触媒成分
    Figure 0006336870
    (一般式(2)において、Q〜Q、T、T、m、及びnは、前記一般式(1)で表されるビフェノール化合物における置換基と同じであり、Mは、4族の遷移金属からなる群より選択された金属原子を示し、X、Xは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数1〜12の置換アミノ基、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。)
  3. 下記の成分(A)及び(B)、更に必要に応じて(C)を含むことを特徴とする、オレフィン重合用触媒。
    成分(A):請求項1又は2に記載の金属錯体
    成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩
    成分(C):有機アルミニウム化合物
  4. 成分(B)がアルミノキサンであることを特徴とする、請求項に記載のオレフィン重合用触媒。
  5. 成分(B)がホウ素化合物であることを特徴とする、請求項に記載のオレフィン重合用触媒。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合又は共重合することを特徴とする、オレフィン重合体の製造方法。
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