JP6490464B2 - 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒およびオレフィン系重合体の製造方法 - Google Patents

遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒およびオレフィン系重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィン系重合体の製造方法に関する。
従来からエチレン重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体などのオレフィン系重合体を製造するための触媒として、チタン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒、およびバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒が知られている。
また、高い重合活性でオレフィン系重合体を製造することのできる触媒としてジルコノセンなどのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)とからなるメタロセン系触媒が知られている。
近年、次世代のオレフィン重合用触媒として様々なポストメタロセン触媒が報告されている(例えば非特許文献1)。オレフィン重合用触媒の技術分野において、高活性かつ高機能なポストメタロセン触媒を研究し提供することは、非常に重要である。なかでも、多座型の配位子を持つポストメタロセン触媒は、その安定性や機能性において魅力的ではあるが、工業的に利用できる高活性な触媒はあまり知られておらず、その開発が強く望まれている。
一方、本出願人は配位子骨格や置換基の変換によって、オレフィン重合用触媒の高活性化や、それによって得られるオレフィン系重合体に様々な機能や特長を付与できることを既に見出している(例えば非特許文献2)。
Chemical Reviews 2003, 103, 283−315. Chemical Reviews 2011, 111, 2363−2449.
前述のとおり、多座型のポストメタロセン触媒において、工業的に利用できる高活性な触媒はあまり知られていない。また多座型の触媒であることを活かした、特にオレフィン系重合体の高機能化に役立つような性能を引き出すことも必要である。
本発明が解決しようとする課題は、オレフィン系重合体の高機能化に役立つような性能を引き出すことを可能とするオレフィン重合用触媒に用いられる新規な遷移金属化合物、該遷移金属化合物を含有するオレフィン重合用触媒および該触媒の存在下で行うオレフィン系重合体の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討をした結果、多座型の配位子であり、配位子にビフェニル骨格を有する特定の遷移金属化合物を含有するオレフィン重合用触媒は、優れたオレフィン重合活性を示すことを見出して本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下の[1]〜[10]に関する。
[1]下記一般式(I)で表される遷移金属化合物(A)。
(一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族の遷移金属原子を示し、
、Cは炭素原子を示す。
、Dは、置換基Rを1つ有する酸素原子(ORで表される構造)、置換基Rを1つ有する硫黄原子(SRで表される構造)、置換基Rを2つ有する窒素原子(N(Rで表される構造)、または、置換基Rを2つ有するリン原子(P(Rで表される構造)を示し、D、Dは互いに同一でも異なっていてもよい。
、Lは酸素原子、硫黄原子、置換基Rを有する窒素原子(NRで表される構造)、または、置換基Rを有するリン原子(PRで表される構造)を示し、L、Lは互いに同一でも異なっていてもよい。
、EはそれぞれCとL、CとLを結ぶ炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を少なくとも1つ含む連結基を示し、E,Eは互いに同一でも異なっていてもよく、さらに下記R〜Rに記載の置換基を有していてもよい。
〜Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、その環はさらに上記置換基を有していてもよい。ただし、R は炭化水素基である。
nは、Mの原子価を示す。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
[2]前記一般式(I)において、C−E−LおよびC−E−Lが下記一般式(II)で表される構造を形成する[1]に記載の遷移金属化合物(A)。
(一般式(II)において、
、Qは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を示す。
y、zはそれぞれQ,Qの数を示し、0もしくは1〜5の整数を示す。y、zが0の場合、C,Cとベンゼン環が直接結合する態様を示す。y、zが2〜5の整数の場合、複数存在するQ,Qは隣接するもの同士、互いに結合して単結合、若しくは二重結合を形成する。なお、二重結合を形成する場合、当該二重結合を形成するQ若しくはQにはA、Aの置換基は存在しないものとする。
〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、その環はさらに上記置換基を有していてもよい。
〜Aは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、その環はさらに上記置換基を有していてもよい。)
[3]前記R〜Rが水素原子または炭化水素基から選ばれる[1]または[2]に記載の遷移金属化合物(A)。
]前記R〜R16、A〜Aが水素原子または炭化水素基から選ばれる[2]または[3]に記載の遷移金属化合物(A)。
]前記Mが周期律表第4族の遷移金属原子であり、nが4である[1]〜[]のいずれか1項に記載の遷移金属化合物(A)。
]前記y、zが0または1である請求項[2]〜[]のいずれか1項に記載の遷移金属化合物(A)。
][1]〜[]のいずれか一項に記載の遷移金属化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒。
]前記遷移金属化合物(A)に加えて、
(B)(B−1)有機金属化合物、
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および、
(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物、
を含む、[]に記載のオレフィン重合用触媒。
][]または[]に記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを単独重合または共重合させる、オレフィン系重合体の製造方法。
なお、本発明において「重合」という語は、「単独重合」と「共重合」とを包含した意味で用いる。また、「重合体」という語は、「単独重合体」と「共重合体」とを包含した意味で用いる。
本発明の遷移金属化合物は、ビフェニル構造を中心とし、芳香環を連結した構造を持つことから、遷移金属化合物全体がリジッドな構造をとる。そのため、該遷移金属化合物をオレフィン重合用触媒として用いることにより、高いオレフィン重合活性を示す。さらに、該遷移金属化合物の分子構造(配位子構造)を種々変換することにより、オレフィン系重合体の分子量を指標とした場合、低分子量のオリゴマー領域から高分子量のポリマー領域まで幅広く合成することができる。
また、上記効果に加えて、本発明が奏する別の効果としては、該遷移金属化合物の分子構造(配位子構造)、特に基本骨格に対して特定のグループの置換基を有することにより、高い末端ビニル化率を有する重合体を得ることもできる。さらに2種類以上のオレフィンを共重合することもできる。
上記のように、本発明の遷移金属化合物は、特定の基本骨格を有することで高いオレフィン重合活性を示し、さらに配位子構造、特に置換基の種類等を変化させることで様々な種類のオレフィン系重合体を得ることができる。
実施例2で製造した化合物(B)の単結晶X線構造解析結果を示した図である。 実施例3で製造した化合物(C)の単結晶X線構造解析結果を示した図である。
以下、本発明にかかる遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィン系重合体の製造方法についてさらに詳細に説明する。
<遷移金属化合物(A)>
本発明にかかる遷移金属化合物(以下遷移金属化合物(A)と記載する)は、下記一般式(I)で表わされる。
上記一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族の遷移金属原子(3族にはランタノイドも含まれる)を示し、好ましくは3〜9族(3族にはランタノイドも含まれる)の遷移金属原子であり、より好ましくは3〜6族から選ばれる遷移金属原子であり、さらに好ましくは4族または6族から選ばれる遷移金属原子であり、特に好ましくは4族の遷移金属原子である。具体的には、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金などであり、好ましくはスカンジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ロジウム、イリジウムなどであり、より好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンなどであり、さらに好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、クロムであり、特に好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
上記一般式(I)において、R〜Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、その環は置換基を有していてもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基などの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;トリル基、iso−プロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジ−tert−ブチルフェニル基、トリ−iso−プロピルフェニル基などのアルキル置換アリール基;などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、そのような水素原子がハロゲンで置換された炭化水素基として、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、そのような炭化水素基で置換された炭化水素基として、例えば、ベンジル基、クミル基、トリチル基などのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基;ケイ素含有基;ゲルマニウム含有基;またはスズ含有基を有していてもよい。
前記ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジン、カルバゾール、フェナントロリンなどの含窒素化合物、フラン、ピラン、ベンゾフラン、ベンゾピランなどの含酸素化合物、チオフェン、ベンゾチオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アリール基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
前記ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基などが挙げられ、より具体的には、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基、トリベンジルシリル基などが挙げられる。これらの中では、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリベンジルシリル基などが好ましく、特にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリベンジルシリル基が好ましい。前記炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、トリベンジルシロキシ基などが挙げられる。
前記ゲルマニウム含有基または前記スズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムまたはスズに置換した基が挙げられる。
〜Rは前述のように、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基になり得るが、これらの例としては、上記炭化水素基が有していてもよい基として挙げた各々の基と同様のものが挙げられる。
酸素含有基のうち、アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられ、アリーロキシ基として具体的には、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,5−ジ−tert−ブチルフェノキシ基などが挙げられ、エステル基として具体的には、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基などが挙げられ、アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基などが挙げられる。
窒素含有基のうち、アミノ基として具体的には、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられ、イミノ基として具体的には、メチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、ブチルイミノ基、フェニルイミノ基などが挙げられ、アミド基として具体的には、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基などが挙げられ、イミド基として具体的には、アセトイミド基、ベンズイミド基などが挙げられる。
イオウ含有基のうち、チオエステル基として具体的には、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基、メチルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基などが挙げられ、アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられ、アリールチオ基として具体的には、フェニルチオ基、メチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられ、スルホンエステル基として具体的には、スルホン酸メチル基、スルホン酸エチル基、スルホン酸フェニル基などが挙げられ、スルホンアミド基として具体的には、フェニルスルホンアミド基、N−メチルスルホンアミド基、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド基などが挙げられる。
上記R〜Rとしては、水素原子、炭化水素基、もしくはヘテロ環式化合物残基であることが好ましく、水素原子、炭化水素基であることがより好ましい。炭化水素基としては特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基もしくはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基が好ましい。
ヘテロ環式化合物残基としては特に、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジン、カルバゾール、フェナントロリンなどの含窒素化合物、フラン、ピラン、ベンゾフラン、ベンゾピランなどの含酸素化合物、チオフェン、ベンゾチオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アリール基などの置換基がさらに置換した基が好ましい。
また、前述のように、上記一般式(I)のR〜Rのうちの2個以上の基は、互いに連結して環を形成してもよい。より具体的には、R〜Rのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基は、互いに連結して脂肪族環、芳香環または、窒素原子などのヘテロ原子を含むヘテロ環などの環を形成してもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
上記一般式(I)において、C、Cは炭素原子を示す。
上記一般式(I)において、D、Dは、置換基Rを1つ有する酸素原子(ORで表される構造)、置換基Rを1つ有する硫黄原子(SRで表される構造)、置換基Rを2つ有する窒素原子(N(Rで表される構造)、または、置換基Rを2つ有するリン原子(P(Rで表される構造)を示し、D、Dは互いに同一でも異なっていてもよい。なお、 炭化水素基である。炭化水素基のうち、炭素原子数が1の場合には該遷移金属化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒を用いて得られる重合体はオリゴマー領域の分子量を持つ傾向がある。一方、炭素原子数が3以上の場合には高分子量の重合体が得られる傾向がある。上記D、Dのうち、好ましくは置換基Rを1つ有する酸素原子である。
上記一般式(I)において、L、Lは酸素原子、硫黄原子、置換基Rを有する窒素原子(NRで表される構造)、または、置換基Rを有するリン原子(PRで表される構造)を示し、L、Lは互いに同一でも異なっていてもよい。なお、Rについては上述したR〜Rで例示したものと同様の置換基の種類を選択することができる。これらのうち、好ましくは酸素原子若しくは置換基Rを有する窒素原子である。
上述した本発明の効果のうち、高い末端ビニル化率を有する重合体を得ることができるものとしてはL、Lは酸素原子であることが好ましい。
なお、一般式(I)においてDとM、DとM、LとM、LとMの間の結合は、遷移金属原子Mの種類(周期律表の族)によって共有結合または配位結合となる。また、DとM、DとMの間の結合の有無が明確でない場合においても、本発明においては多座型のポストメタロセン触媒として取り扱う。
上記一般式(I)において、E、EはそれぞれCとL、CとLを結ぶ炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を少なくとも1つ含む連結基を示す。具体的には置換基を有していてもよい炭化水素基、前記炭化水素基の炭素原子の全部または一部がケイ素原子で置換されたもの、前記炭化水素基の炭素原子の全部または一部がゲルマニウム原子で置換されたものが挙げられる。前記置換基としては、上記R〜Rで例示したものと同様の置換基の種類を選択することができる。また、E,Eは互いに同一でも異なっていてもよい。
さらにE、Eは、C−E−LおよびC−E−Lの構造として表した際に、それぞれ下記一般式(II)で表される構造を形成することが好ましい。
上記一般式(II)において、Q、Qは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子、ケイ素原子、または、ゲルマニウム原子を示す。
上記一般式(II)において、y、zはそれぞれQ,Qの数を示し、0もしくは1〜5の整数を示す。y、zが0の場合、C,Cとベンゼン環が直接結合する態様を示す。y、zが2〜5の整数の場合、複数存在するQ,Qは隣接するもの同士、互いに結合して単結合、若しくは二重結合を形成する。なお、二重結合を形成する場合、当該二重結合を形成するQ若しくはQにはA、Aの置換基は存在しないものとする。
上記一般式(II)において、R〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、その環はさらに置換基を有していてもよい。R〜R16の具体例としては、前記一般式(I)のR〜Rで例示したものと同様のものが挙げられる。これらのうち、R〜R16は、水素原子、炭化水素基、もしくはヘテロ環式化合物残基が好ましい。炭化水素基の好ましい例示としては、R〜Rで好ましい態様として例示したものと同様のものが挙げられる。ヘテロ環式化合物残基の好ましい例示としては、R〜Rで好ましい態様として例示したものと同様のものが挙げられる。
また、y、zが1〜5の場合、すなわちQ,Qが存在する場合、A〜Aとしては、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭化水素基である。炭化水素基の好ましい例示としては、R〜Rで好ましい態様として例示したものと同様のものが挙げられる。
上記一般式(II)において、E、Eは、C−E−LおよびC−E−Lの構造として表されるが、当該2つの構造については置換基の結合態様を含め、同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(I)においてXは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記炭化水素基としては、上記R〜Rの説明で例示したものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、アイコシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基;フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのアリール基などが挙げられる。ただし、前記炭化水素基はこれらに限定されるものではない。また、これらの炭化水素基には、ハロゲン化炭化水素基、具体的には炭素原子数1〜20の炭化水素基の少なくとも一つの水素がハロゲンに置換した基も含まれる。これらのうち、ハロゲン化炭化水素基としては、炭素原子数が1〜10のハロゲン化炭化水素基が好ましい。
前記酸素含有基としては、ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコシキ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基などのアリーロキシ基;フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基などのアリールアルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げられる。ただし、前記酸素含有基はこれらに限定されるものではない。
前記イオウ含有基としては、上記R〜Rの説明で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、メチルスルフォネート基、トリフルオロメタンスルフォネート基、フェニルスルフォネート基、ベンジルスルフォネート基、p−トルエンスルフォネート基、トリメチルベンゼンスルフォネート基、トリイソブチルベンゼンスルフォネート基、p−クロルベンゼンスルフォネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート基などのスルフォネート基;
メチルスルフィネート基、フェニルスルフィネート基、ベンジルスルフィネート基、p−トルエンスルフィネート基、トリメチルベンゼンスルフィネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート基などのスルフィネート基;アルキルチオ基;アリールチオ基などが挙げられる。ただし、前記イオウ含有基はこれらに限定されるものではない。
前記窒素含有基として具体的には、上記R〜Rの説明で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、アミノ基;メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基などのアルキルアミノ基;フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。ただし、前記窒素含有基はこれらに限定されるものではない。
前記ホウ素含有基として具体的には、BR(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基またはハロゲン原子等を示す)が挙げられる。
前記アルミニウム含有基として具体的には、AlR(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基またはハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記リン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン基、トリブチルホスフィン基、トリシクロヘキシルホスフィン基などのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン基、トリトリルホスフィン基などのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト基、エチルホスファイト基、フェニルホスファイト基などのホスファイト基(ホスフィド基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ハロゲン含有基として具体的には、PF、BFなどのフッ素含有基、ClO、SbClなどの塩素含有基、IOなどのヨウ素含有基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ヘテロ環式化合物残基としては、上記R〜Rの説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
前記ケイ素含有基として具体的には、上記R〜Rの説明で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、フェニルシリル基、ジフェニルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基などの炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基などの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基などのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基などのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
前記ゲルマニウム含有基として具体的には、上記R〜Rの説明で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基が挙げられる。
前記スズ含有基として具体的には、上記R〜Rの説明で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基が挙げられる。
これらのうち、Xとしては、ハロゲン原子または炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(I)においてnは、Mの価数を満たす数であり、通常は3〜7の整数、好ましくは3〜6の整数、より好ましくは3または4である。nが4以上の場合には、複数存在するXは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。また複数存在するXで示される基は、互いに結合して環を形成してもよい。
以下に、上記一般式(I)で表される遷移金属化合物(A)の具体的な例を示すが、遷移金属化合物(A)はこれらに限定されるものではない。
なお、上記例示中、Meはメチル基を、Phはフェニル基を、Adはアダマンチル基を、Buはtert−ブチル基を、Prはイソプロピル基を示す。また上記例示において、ジルコニウムをチタン、ハフニウム、またはクロムに置き換えた遷移金属化合物も、遷移金属化合物(A)の好ましい例として挙げることができる。
このような遷移金属化合物(A)の製造方法は、特に限定されることなく、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、遷移金属化合物(A)を構成する配位子は、2,2’−ジアルコキシビアリール類から誘導されるボロン酸とハロゲン化フェノール類の鈴木−宮浦カップリング反応、または3,3’−ジヨード−2,2’−ジアルコキシビアリール類とヘテロ芳香族化合物から誘導されるボロン酸類との鈴木−宮浦カップリング反応、もしくは、2,2’−ジアルコキシビアリールのケイ素化体とヘテロ芳香族化合物の保護体との反応の後に、保護基がある場合には適切な脱保護剤により保護基を脱離させることにより得られる。さらに得られた配位子のアルコキシ基の変換によって、新たな配位子を得ることも可能である。
2,2’−ジアルコキシビアリール類から誘導されるボロン酸とハロゲン化フェノール類の鈴木−宮浦カップリング反応は、具体的にはこれら化合物と塩基性化合物、触媒としてパラジウム触媒、パラジウム触媒の配位子となる化合物の混合物に溶媒1を加える。これらは溶媒に溶解していても良いし、していなくても良く、配位子となる化合物は加えても加えなくても良い。また、このカップリング反応に際して、ハロゲン化フェノール類は保護を施しておくのが好ましい。
次いで、塩酸、p−トルエンスルホン酸などのような脱保護剤により保護基を脱離させると、配位子が得られる。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リン酸三カリウムなどが挙げられるが、この限りではない。パラジウム触媒としては具体的には、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、塩化アリルパラジウムダイマーなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒の配位子となる化合物として具体的には、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、ジ−tert−ブチル(メチル)ホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルなどのホスフィン化合物、および、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチル(メチル)ホスホニウム塩などの、ホスフィン化合物の塩が挙げられるが、この限りではない。
また、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなどの、上記ホスフィン化合物とパラジウムとの錯体化合物や、{1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン}(3−クロロピリジル)パラジウム二塩化物のような、カルベン型化合物とパラジウムとの錯体化合物を触媒として用いてもよい。
溶媒1としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもテトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、プロパノール等の極性溶媒、またはトルエン、キシレン等の炭化水素溶媒が好ましい。また、上記溶媒に水を加えたものを溶媒として用いてもよく、混合比としては、水/溶媒比が0/100〜25/75であることが好ましい。
2,2’−ジアルコキシビアリールから誘導されるボロン酸は、溶媒2中、2,2’−ジアルコキシビアリールをアルキルリチウム試薬によってリチオ化した後、ボロン酸エステルを加えることで合成できる。
溶媒2は具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)などが挙げられるがこの限りではない。
アルキルリチウム試薬は具体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられるがこの限りではない。また、活性化剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを加えてもよく、これらは溶媒量用いてもよい。
ボロン酸エステルは具体的にはトリメトキシボロン酸、トリエトキシボロン酸、トリイソプロポキシボロン酸などが挙げられるがこの限りではない。
2,2’−ジアルコキシビアリールは、市販品で入手できるものをそのまま使用できるが、合成する場合には、例えば2,2’−ジヒドロキシビアリールをアルキル化することにより得られる。具体的には2,2’−ジヒドロキシビアリール、塩基性化合物とアルキル化剤を溶媒3中で混合する。
2,2’−ジヒドロキシビアリールは、具体的には2,2’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−1,1’‐ビナフチル、5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビ−2−ナフトール、6,6’−ジブロモ−1,1’−ビ−2−ナフトールなどが挙げられるが、この限りではない。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどが挙げられるが、この限りではない。
アルキル化剤は具体的にはジメチル硫酸、ヨウ化メチル、ジメチルカルボナート、ジエチルカルボナート、ブロモプロパン、ブロモブタン、イソブテンなどが挙げられるが、この限りではない。
溶媒3は、具体的にはアセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられるが、この限りではない。
ハロゲン化フェノール類の保護は、例えば、常法に従い実施する。保護基としては、tert−ブチル基、トリチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、メトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、メタンスルホニル基、アセチル基、ピバロイル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基が挙げられるがこの限りではない。
ハロゲン化フェノール類は市販品で入手できるものをそのまま使用できるが、合成する場合は、例えば2−メトキシフェニルボロン酸類とハロゲン化アリール類との鈴木−宮浦カップリング反応、続く脱メチル化とハロゲン化により得られる。具体的には、2−メトキシフェニルボロン酸類、ハロゲン化アリール類、塩基性化合物、触媒としてパラジウム触媒、パラジウム触媒の配位子となる化合物の混合物に溶媒4を加える。これらは溶媒4に溶解していても良いし、していなくても良く、配位子となる化合物は加えても加えなくても良い。その後、例えば三臭化ホウ素などの脱メチル化剤を作用させた後、ハロゲン化剤を作用させることで合成できる。
2−メトキシフェニルボロン酸類として具体的には、2−メトキシフェニルボロン酸、(2−メトキシ‐5−メチルフェニル)ボロン酸、(5−イソプロピル‐2−メトキシフェニル)ボロン酸、5−tert−ブチル−2−メトキシフェニルボロン酸、(2−メトキシ−5−トリフルオロフェニル)ボロン酸などが挙げられるがこの限りではない。
ハロゲン化アリール類は具体的には、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、o‐ブロモトルエン、m−ブロモトルエン、p−ブロモトルエン、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、1−ブロモアントラセン、2−ブロモアントラセン、9−ブロモアントラセン、1−ブロモフェナントレン、2−ブロモフェナントレン、3−ブロモフェナントレン、4−ブロモフェナントレン、9−ブロモフェナントレン、3,5−ジ−tert−ブチルブロモベンゼン、2,4,6−トリイソプロピルブロモベンゼン、ブロモメシチレン、p−メトキシブロモベンゼン、p−トリフルオロメチルブロモベンゼンなどが挙げられるが、この限りではない。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リン酸三カリウムなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒としては具体的には、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、塩化アリルパラジウムダイマーなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒の配位子となる化合物として具体的には、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、ジ−tert−ブチル(メチル)ホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルなどのホスフィン化合物、および、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチル(メチル)ホスホニウム塩などの、ホスフィン化合物の塩が挙げられるが、この限りではない。
また、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなどの、上記ホスフィン化合物とパラジウムとの錯体化合物や、{1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン}(3−クロロピリジル)パラジウム二塩化物のような、カルベン型化合物とパラジウムとの錯体化合物を触媒として用いてもよい。
溶媒4としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもテトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、プロパノール等の極性溶媒、またはトルエン、キシレン等の炭化水素溶媒が好ましい。また、上記溶媒に水を加えたものを溶媒として用いてもよく、混合比としては、水/溶媒比が0/100〜25/75であることが好ましい。
ハロゲン化剤として、具体的には臭素、N−ブロモスクシンイミド、1,2−ジブロモエタン、ヨウ素、N−ヨードスクシンイミド、1,2−ジヨードエタンなどが挙げられるが、この限りではない。
3,3’−ジヨード‐2,2’−ジアルコキシビアリール類とヘテロ芳香族化合物から誘導されるボロン酸類との鈴木−宮浦カップリング反応は、具体的にはこれら化合物と塩基性化合物、触媒としてパラジウム触媒、パラジウム触媒の配位子となる化合物の混合物に溶媒5を加える。これらは溶媒5に溶解していても良いし、していなくても良く、配位子となる化合物は加えても加えなくても良い。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リン酸三カリウムなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒としては具体的には、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、塩化アリルパラジウムダイマーなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒の配位子となる化合物として具体的には、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、ジ−tert−ブチル(メチル)ホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルなどのホスフィン化合物、および、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチル(メチル)ホスホニウム塩などの、ホスフィン化合物の塩が挙げられるが、この限りではない。
また、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなどの、上記ホスフィン化合物とパラジウムとの錯体化合物や、{1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン}(3−クロロピリジル)パラジウム二塩化物のような、カルベン型化合物とパラジウムとの錯体化合物を触媒として用いてもよい。
溶媒5としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもテトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、プロパノール等の極性溶媒、またはトルエン、キシレン等の炭化水素溶媒が好ましく、これらは任意の割合で混合されていてもよい。また、上記溶媒に水を加えたものを溶媒として用いてもよく、混合比としては、水/溶媒比が0/100〜25/75であることが好ましい。
3,3’−ジヨード‐2,2’−ジアルコキシビアリール類は前記2,2’−ジメトキシビアリールを、溶媒6中、アルキルリチウム試薬によるリチオ化の後、例えばヨウ素や1,2−ジヨードエタン、N−ヨードスクシンイミドなどを加えることで合成できる。
溶媒6は具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)などが挙げられるがこの限りではない。
アルキルリチウム試薬は具体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられるがこの限りではない。また、活性化剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを加えてもよく、これらは溶媒量用いてもよい。
ヘテロ芳香族化合物から誘導されるボロン酸類は、対応するヘテロ芳香族化合物のブロモ化、続くアルキルリチウム試薬によるリチオ化の後、ボロン酸エステルを加える方法、またはヘテロ芳香族化合物のアミノ基のケイ素化、続くイリジウム触媒による炭素−水素結合のホウ素化と塩基性化合物による脱ケイ素化反応により合成できる。ヘテロ芳香族化合物のブロモ化は、ヘテロ芳香族化合物に、例えばN−ブロモスクシンイミドなどのブロモ化剤を溶媒7中で加えて実施する。
溶媒7は具体的にはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどが挙げられるがこの限りではない。
アルキルリチウム試薬は具体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられるがこの限りではない。また、活性化剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを加えてもよく、これらは溶媒量用いてもよい。
ボロン酸エステルは具体的にはトリメトキシボロン酸、トリエトキシボロン酸、トリイソプロポキシボロン酸などが挙げられるがこの限りではない。
ヘテロ芳香族化合物のアミノ基のケイ素化は、具体的にはヘテロ芳香族化合物に対して、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基性化合物を、トルエンなどの溶媒中で、ジエチルシラン、ジメチルシリルクロリドなどのケイ素化試薬を作用させることで実施する。または前記塩基性化合物の代わりに、例えばジ−μ−クロロビス−(p−シメン)クロロルテニウムなどのルテニウム触媒を作用させてもよい。
炭素−水素結合のホウ素化反応と塩基性化合物による脱ケイ素化反応は、具体的には前記ヘテロ芳香族化合物のアミノ基のケイ素化体に対して、例えばジ−μ−クロロビス[(η−シクロオクタ−1,5−ジエン)イリジウム]などのイリジウム触媒、イリジウム触媒の配位子となる化合物の混合物に対して、テトラヒドロフラン(THF)などの溶媒とピナコールボラン、ビス(ピナコラト)ジボロンなどのホウ素化合物を加え、反応後、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの塩基性化合物を作用させて実施する。
イリジウム触媒の配位子として、具体的にはビピリジン、4,4’−ジ−tert−ブチルビピリジン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリンなどが挙げられるが、この限りではない。
ヘテロ芳香族化合物は市販されているものを使用できるが、合成する場合には、例えば、ハロゲン化インドール類またはハロゲン化カルバゾール類とアリールボロン酸類との鈴木−宮浦カップリング反応により得られる。具体的には、ハロゲン化インドール類またはハロゲン化カルバゾール類、アリールボロン酸類、塩基性化合物、触媒としてパラジウム触媒、パラジウム触媒の配位子となる化合物の混合物に溶媒8を加える。これらは溶媒に溶解していても良いし、していなくても良く、配位子となる化合物は加えても加えなくても良い。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リン酸三カリウムなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒としては具体的には、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、塩化アリルパラジウムダイマーなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒の配位子となる化合物として具体的には、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、ジ−tert−ブチル(メチル)ホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルなどのホスフィン化合物、および、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチル(メチル)ホスホニウム塩などの、ホスフィン化合物の塩が挙げられるが、この限りではない。
また、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなどの、上記ホスフィン化合物とパラジウムとの錯体化合物や、{1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン}(3−クロロピリジル)パラジウム二塩化物のような、カルベン型化合物とパラジウムとの錯体化合物を触媒として用いてもよい。
溶媒8としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもテトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、プロパノール等の極性溶媒、またはトルエン、キシレン等の炭化水素溶媒が好ましく、これらは任意の割合で混合されていてもよい。また、上記溶媒に水を加えたものを溶媒として用いてもよく、混合比としては、水/溶媒比が0/100〜25/75であることが好ましい。
ハロゲン化インドール類として、具体的には2−クロロインドール、2−ブロモインドール、2−ヨードインドール、3−クロロインドール、3−ブロモインドール、3−ヨードインドール、4−クロロインドール、4−ブロモインドール、4−ヨードインドール、5−クロロインドール、5−ブロモインドール、5−ヨードインドール、6−クロロインドール、6−ブロモインドール、6−ヨードインドールなどが挙げられるが、この限りではない。
ハロゲン化カルバゾール類として、具体的には2,7−ジクロロカルバゾール、2,7−ジブロモカルバゾール、2,7−ジヨードカルバゾール、3,6−ジクロロカルバゾール、3,6−ジブロモカルバゾール、3,6−ジヨードカルバゾール、4,5−ジクロロカルバゾール、4,5−ジブロモカルバゾール、4,5−ジヨードカルバゾールなどが挙げられるが、この限りではない。
アリールボロン酸類として、具体的にはフェニルボロン酸、o‐メチルフェニルボロン酸、m−メチルフェニルボロン酸、p−メチルフェニルボロン酸、1−ナフチルボロン酸、2−ナフチルボロン酸、1−アントラセンボロン酸、2−アントラセンボロン酸、9−アントラセンボロン酸、1−フェナントレンボロン酸、2−フェナントレンボロン酸、3−フェナントレンボロン酸、4−フェナントレンボロン酸、9−フェナントレンボロン酸、3,5−ジ−tert−ブチル−フェニルボロン酸、メシチルボロン酸、2,4,6−トリイソプロピルフェニルボロン酸、4−メトキシボロン酸、4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸などが挙げられるがこの限りではない。
2,2’−ジアルコキシビアリールのケイ素化体とヘテロ芳香族化合物の保護体の反応は、2,2’−ジアルコキシビアリールのケイ素化体、ハロゲン化されたヘテロ芳香族化合物の保護体と、例えばビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム触媒の混合物に、例えばテトラヒドロフラン(THF)などの溶媒と塩基性化合物を加える方法と、2,2’−ジアルコキシビアリールのクロロケイ素化体、リチオ化されたヘテロ芳香族化合物を溶媒9中で反応させる方法をとることができる。
次いで、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの脱保護剤を作用させることにより、配位子を得ることができる。
塩基性化合物とは、具体的にはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)などが挙げられるが、この限りではない。
溶媒9は具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)などが挙げられるがこの限りではない。
2,2’−ジアルコキシビアリールのケイ素化体は、前記2,2’−ジアルコキシビアリールを溶媒10中、アルキルリチウム試薬によるリチオ化の後、ケイ素化剤を加えることで合成できる。
溶媒10は具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)などが挙げられるがこの限りではない。
アルキルリチウム試薬は具体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられるがこの限りではない。また、活性化剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを加えてもよく、これらは溶媒量用いてもよい。
ケイ素化剤としては、具体的にはクロロジメチルシラン、クロロジエチルシラン、クロロジイソプロピルシラン、ジ−tert−ブチルクロロシラン、クロロジフェニルシラン、ジイソブチルクロロシラン、メチルエチルクロロシランなどが挙げられるが、この限りではない。
ハロゲン化されたヘテロ芳香族化合物の保護体は、例えばハロゲン化されたヘテロ芳香族化合物のアミノ基を常法に従って保護基によって保護する方法と、ヘテロ芳香族化合物のアミノ基を常法に従って保護基によって保護した後に、アルキルリチウム試薬によってリチオ化し、ハロゲン化剤によってハロゲン化する方法によって得られるが、この限りではない。
保護基とは具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジフェニルカルバモイル基、ジイソプロピルカルバモイル基などが挙げられるが、この限りではない。
アルキルリチウム試薬は具体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられるがこの限りではない。また、活性化剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを加えてもよく、これらは溶媒量用いてもよい。
ハロゲン化剤として、具体的には臭素、N−ブロモスクシンイミド、1,2−ジブロモエタン、ヨウ素、N−ヨードスクシンイミド、1,2−ジヨードエタンなどが挙げられるが、この限りではない。
ハロゲン化されたヘテロ芳香族化合物は、具体的には7−クロロインドール、7−ブロモインドール、7−ヨードインドール、7−ブロモ−2−メチルインドール、7−ブロモ−5−メチルインドール、、7−ブロモ−3−メチル−1H−インドール、7−ブロモ−2−(2−フェニル)−1H−インドール、7−ブロモ−2−(4−メチルフェニル)−1H−インドール、7−ブロモ−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−1H−インドール、7−ブロモ−2−(4−メトキシフェニル)−1H−インドール、7−ブロモ−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドールなどが挙げられるが、この限りではない。
ヘテロ芳香族化合物は、具体的にはインドール、2−メチルインドール、5−メチルインドール、2,3−ジメチルインドール、2−フェニルインドール、カルバゾール、3,6−ジ−tert−ブチル−9H−カルバゾール、3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール、3,4,5,6−ジベンゾカルバゾール、1,2−ベンゾカルバゾール、3,4−ベンゾカルバゾールなどが挙げられるが、この限りではない。
2,2’−ジアルコキシビアリールのクロロケイ素化体は、2,2’−ジアルコキシビアリールのケイ素化体と、例えば三塩化鉄などの鉄触媒の混合物に対して、ジクロロメタンなどの溶媒と塩化アセチルなどの塩素化剤を加えることで得られる。
2,2’−ジアルコキシビアリールのケイ素化体は、2,2’−ジアルコキシビアリールを溶媒11中、アルキルリチウム試薬によるリチオ化の後、ケイ素化剤を加えることで合成できる。
溶媒11は具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)などが挙げられるがこの限りではない。
アルキルリチウム試薬は具体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられるがこの限りではない。また、活性化剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを加えてもよく、これらは溶媒量用いてもよい。
ケイ素化剤としては、具体的にはクロロジメチルシラン、クロロジエチルシラン、クロロジイソプロピルシラン、ジ−tert−ブチルクロロシラン、クロロジフェニルシラン、ジイソブチルクロロシラン、メチルエチルクロロシランなどが挙げられるが、この限りではない。
リチオ化されたヘテロ芳香族化合物は、前記ヘテロ芳香族化合物のアミノ基を常法に従って保護基によって保護した後に、アルキルリチウム試薬によってリチオ化する方法によって得られる。
保護基とは具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジフェニルカルバモイル基、ジイソプロピルカルバモイル基などが挙げられるが、この限りではない。
アルキルリチウム試薬は具体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられるがこの限りではない。また、活性化剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを加えてもよく、これらは溶媒量用いてもよい。
得られた配位子のアルコキシ基の変換によって、新たな配位子を得ることもできる。具体的には、ヒドロキシ基の保護の後にアルコキシ基の脱離と再アルキル化を行い、最後に脱保護することによって得られる。
ヒドロキシ基の保護は、具体的には、ジクロロメタンなどの溶媒中で、イミダゾールなどの塩基性化合物の存在下、適切なケイ素化剤を作用させることにより実施される。この際、マイクロ波照射により反応を促進することもできる。
ケイ素化剤は具体的にはトリイソプロピルシリルクロリド、tert‐ブチルジメチルクロロシラン、tert‐ブチルクロロジフェニルシランなどが挙げられるが、この限りではない。
アルコキシ基の脱離は、ジクロロメタンなどの溶媒中で、三臭化ホウ素などの試薬を作用させることにより、実施される。
再アルキル化は、塩基性化合物の存在下、溶媒12中でハロゲン化アルキルを作用させることにより、実施される。
塩基性化合物は具体的には炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどが挙げられるが、この限りではない。
溶媒12は具体的にはアセトニトリル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などが挙げられるがこの限りではない。
ハロゲン化アルキルは具体的にはヨードエタン、2−ヨードプロパン、2−ヨード−2−メチルプロパン、ヨードシクロヘキサン、ベンジルブロミドなどが挙げられるが、この限りではない。
脱保護は、テトラブチルアンモニウムフルオリド、フッ化水素‐ピリジン、フッ化水素カリウムなど、このような反応に一般的に用いられているものを使用できるが、この限りではない。
次に、こうして得られた配位子を遷移金属M含有化合物と反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することができる。具体的には、合成した配位子を溶媒に溶解し、必要に応じて塩基と接触させてアニオン体を調製した後、金属ハロゲン化物、金属アルキル化物、金属アミド化物等の金属化合物と低温で混合し、−78℃から室温、もしくは還流条件下で、約1〜48時間攪拌する。溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等の極性溶媒、トルエン等の炭化水素溶媒、ジクロロメタンなどが好ましく使用される。また、アニオン体を調製する際に使用する塩基としては、n−ブチルリチウム等のリチウム塩、水素化ナトリウム等のナトリウム塩等の金属塩や、トリエチルアミン、ピリジン等を例示することができるが、この限りではない。
また、化合物の性質によっては、アニオン体調製を経由せず、配位子と金属化合物とを直接反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することもできる。さらに、合成した遷移金属化合物中の金属Mを、常法により別の遷移金属と交換することも可能である。また、例えばR〜R16の一つ以上が水素である場合には、合成の任意の段階において、水素以外の置換基を導入することができる。
また、遷移金属化合物を単離せず、配位子と金属化合物との反応溶液をそのまま重合に用いることもできる。
<オレフィン重合用触媒>
本発明にかかるオレフィン重合用触媒は、前記一般式(I)で表される遷移金属化合物(A)を含むことを特徴とする。
さらに本発明にかかるオレフィン重合用触媒は、遷移金属化合物(A)と共に、(B)(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物および(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
なお、本明細書においてオレフィンとは、炭素・炭素二重結合を分子中に一つ有する炭化水素を示す。
本発明のオレフィン重合用触媒が含む、遷移金属化合物(A)としては、前述の遷移金属化合物(A)が用いられる。
以下、本発明にかかるオレフィン重合用触媒の構成成分として好ましく用いられる化合物(B)群を詳細に説明する。
〔化合物(B)〕
本発明のオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)に加えて、(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含むことが、重合活性の点から好ましい。
以下、化合物(B−1)、(B−2)、(B−3)について説明する。
((B−1)有機金属化合物)
本発明で用いられる(B−1)有機金属化合物として、具体的には下記の一般式(B−1a)で表わされる有機アルミニウム化合物、一般式(B−1b)で表わされる周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、および一般式(B−1c)で表わされる周期律表第2族または第12族金属のジアルキル化合物が挙げられる。なお、(B−1)有機金属化合物には、後述する(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は含まないものとする。
Al(OR (B−1a)
上記一般式(B−1a)中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3、qは0≦q<3、rは0≦r<3、sは0≦s<3の数であり、かつp+q+r+s=3である。)
AlR (B−1b)
上記一般式(B−1b)中、MはLi、NaまたはKを示し、Rは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
(B−1c)
上記一般式(B−1c)中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、MはMg、ZnまたはCdである。
前記一般式(B−1a)で表わされる有機アルミニウム化合物としては、次のような化合物を例示できる。
Al(OR3−p
(式中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、pは好ましくは1.5≦p≦3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
AlY3−p
(式中、Rは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは好ましくは0<p<3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
AlH3−p
(式中、Rは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、pは好ましくは2≦p<3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
Al(OR
(式中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3、qは0≦q<3、sは0≦s<3の数であり、かつp+q+s=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。
一般式(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物としてより具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;
ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
(i−CAl(C10(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
2.5Al(OR0.5で表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム(式中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す);
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
また(B−1a)に類似する化合物も本発明に使用することができ、そのような化合物として例えば、窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、(CAlN(C)Al(Cなどを挙げることができる。
前記一般式(B−1b)に属する化合物としては、LiAl(C、LiAl(C15などを挙げることができる。
前記一般式(B−1c)に属する化合物としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛、ジメチルガドミウム、ジエチルカドミウムなどを挙げることができる。
またその他にも、(B−1)有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリドなどを使用することもできる。
また重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、例えばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組み合わせ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組み合わせなどを、前記(B−1)有機金属化合物として使用することもできる。
上記のような(B−1)有機金属化合物は、1種類単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
((B−2)有機アルミニウムオキシ化合物)
本発明で用いられる(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物としては、具体的には、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン等が挙げられる。
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお前記アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、得られたアルミノキサンを溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記一般式(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であることが好ましい。
本発明で用いられる(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
(一般式(III)中、R17は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示し、4つのR18は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。)
前記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(IV)で表されるアルキルボロン酸と、有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
19−B(OH) (IV)
(一般式(IV)中、R19は前記一般式(III)におけるR17と同じ基を示す。)
前記一般式(IV)で表されるアルキルボロン酸の具体的な例としては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記一般式(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
前記有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
上記のような(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
((B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物)
本発明で用いられる、遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
具体的には、前記ルイス酸としては、BR(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される化合物が挙げられ、例えばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどである。
前記イオン性化合物としては、例えば下記一般式(V)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(V)中、R20はH、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオンまたは遷移金属を有するフェロセニウムカチオンであり、R21〜R24は、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。)。
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
15としては、カルボニウムカチオンおよびアンモニウムカチオンが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることもできる。
前記トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、例えばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素などが挙げられる。
前記N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、例えばN,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
前記ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、例えばジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式(VI)または(VII)で表されるホウ素化合物などを挙げることもできる。
(式(VI)中、Etはエチル基を示す。)
(式(VII)中、Etはエチル基を示す。)
イオン化イオン性化合物(化合物(B−3))の例であるボラン化合物として具体的には、例えば、デカボラン;
ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
イオン化イオン性化合物の例であるカルボラン化合物として具体的には、例えば4−カルバノナボラン、1,3−ジカルバノナボラン、6,9−ジカルバデカボラン、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン、2,7−ジカルバウンデカボラン、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム7−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
イオン化イオン性化合物の例であるヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素および錫から選ばれる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子とを含む化合物である。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ゲルマノタングストバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、およびこれらの酸の塩が挙げられるが、この限りではない。また、前記塩としては、前記酸の、例えば周期律表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等の有機塩が挙げられる。
イオン化イオン性化合物の例であるイソポリ化合物は、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種の原子の金属イオンから構成される化合物であり、金属酸化物の分子状イオン種であるとみなすことができる。具体的には、バナジン酸、ニオブ酸、モリブデン酸、タングステン酸、およびこれらの酸の塩が挙げられるが、この限りではない。また、前記塩としては、前記酸の例えば周期律表第1族または第2族の金属、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等の有機塩が挙げられる。
上記のようなイオン化イオン性化合物((B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
遷移金属化合物(A)に加えて、助触媒成分としてのメチルアルミノキサンなどの(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物を併用すると、オレフィン化合物に対して非常に高い重合活性を示す。
また、本発明にかかるオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)と、(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)イオン化イオン性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とともに、必要に応じて下記の担体(C)を含んでもよい。
〔担体(C)〕
本発明で用いられる担体(C)は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。担体(C)に上記遷移金属化合物(A)および化合物(B)を担持させることで、良好なモルフォロジーのポリマーが得られる。
前記無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物または固体状有機アルミニウムオキシ化合物が好ましい。
前記多孔質酸化物として、具体的にはSiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThOなど、またはこれらを含む複合物または混合物を使用することができ、さらに、例えば天然または合成ゼオライト、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgOなどを使用することができる。これらのうち多孔質酸化物としては、SiOおよび/またはAlを主成分とするものが好ましい。
なお、上記多孔質酸化物は、少量のNaCO、KCO、CaCO、MgCO、NaSO、Al(SO、BaSO、KNO、Mg(NO、Al(NO、NaO、KO、LiOなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支えない。
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる多孔質酸化物は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m/g、好ましくは100〜700m/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm/gの範囲にあることが望ましい。このような多孔質酸化物は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
上記無機ハロゲン化物としては、MgCl、MgBr、MnCl、MnBr等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
上記粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、上記イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl型、CdI型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
さらに、粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO・HO、α−Zr(HPO、α−Zr(KPO・3HO、α−Ti(HPO、α−Ti(HAsO・HO、α−Sn(HPO・HO、γ−Zr(HPO、γ−Ti(HPO、γ−Ti(NHPO・HOなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上であることが好ましく、0.3〜5cc/gであることが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜30000Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl、ZrClなどの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)、Zr(OR)、PO(OR)、B(OR)などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al13(OH)247+、[Zr(OH)142+、[FeO(OCOC
などの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)、Al(OR)、Ge(OR)などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基などを示す)などを加水分解して得た重合物、SiOなどのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物なども挙げられる。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状有機アルミニウムオキシ化合物としては、前記(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物を不溶化させて得られる固体成分であり、特開平11−140113号公報、特開2000−38410号公報、特開2000−95810号公報、国際公開2010/55652号パンフレットなどに記載の方法により得ることができる。
前述のように担体(C)は無機または有機の化合物であるが、有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
本発明にかかるオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)、好ましくは上記化合物(B)、必要に応じて担体(C)を含むが、これらと共に、必要に応じてさらに下記の特定の有機化合物成分(D)を含むこともできる。
〔有機化合物成分(D)〕
本発明において有機化合物成分(D)は、必要に応じて、本発明のオレフィン重合用触媒の重合性能(例えば、触媒活性)および生成ポリマーの物性(例えば、生成ポリマーの高分子量化)を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
前記アルコール類および前記フェノール性化合物としては、通常、R25−OHで表されるものが使用され、ここで、R25は炭素原子数1〜50の炭化水素基(フェノール類の場合は炭素原子数は6〜50)または炭素原子数1〜50(フェノール類の場合は炭素原子数は6〜50)のハロゲン化炭化水素基を示す。
アルコール類としては、R25がハロゲン化炭化水素基のものが好ましい。また、フェノール性化合物としては、水酸基のα,α’−位が炭素数1〜20の炭化水素で置換されたものが好ましい。
上記カルボン酸としては、通常、R26−COOHで表されるものが使用される。R26は炭素原子数1〜50の炭化水素基または炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基を示し、特に、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基が好ましい。
上記リン化合物としては、P−O−H結合を有するリン酸類、P−OR、P=O結合を有するホスフェート、ホスフィンオキシド化合物が好ましく使用される。
上記スルホン酸塩としては、下記一般式(VIII)で表されるものが挙げられる。
(一般式(VIII)中、Mは周期律表第1〜14族の元素であり、R27は水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基であり、Zは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基または炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基であり、tは1〜7の整数であり、uは1≦u≦7となる整数である。また、t−uはt−u≧1となる整数である。
<オレフィン系重合体の製造方法>
本発明にかかるオレフィン系重合体の製造方法では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを単独重合または共重合することによりオレフィン系重合体を得る。なお、前述のように、本明細書においてオレフィンとは、炭素・炭素二重結合を分子中に一つ有する炭化水素を示す。
なお、本発明のオレフィン系重合体の製造方法では、上記オレフィン重合用触媒の存在下で、オレフィンの単独重合、またはオレフィンの共重合を行う。本発明において、オレフィンの共重合とは、モノマーの少なくとも1種がオレフィンであればよく、二種以上のオレフィンを共重合することも、オレフィン以外のモノマーと、オレフィンとを共重合することもできる。
重合における、本発明の触媒を構成する各成分の使用法、重合器への添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)遷移金属化合物(A)を単独で重合器に添加する方法。
(2)遷移金属化合物(A)をおよび化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)化合物(B)を担体(C)に担持した触媒成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)遷移金属化合物(A)と化合物(B)とを担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
(6)遷移金属化合物(A)と化合物(B)とを担体(C)に担持した触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(7)化合物(B)を担体(C)に担持した触媒成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(8)化合物(B)を担体(C)に担持した触媒成分、遷移金属化合物(A)、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一であっても異なっていてもよい。
(9)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、および化合物(B)を担体(C)に担持した成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(10)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、化合物(B)を担体(C)に担持した成分、および化合物(B)を任意の順序重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(11)遷移金属化合物(A)、化合物(B)、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(12)化合物(B)と有機化合物成分(D)をあらかじめ接触させた成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(13)化合物(B)と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(14)遷移金属化合物(A)と化合物(B)を予め接触させた触媒成分、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(15)遷移金属化合物(A)と化合物(B)を予め接触させた触媒成分、および化合物(B)、有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(16)遷移金属化合物(A)と化合物(B)を予め接触させた触媒成分、および化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め接触させた成分を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(17)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、化合物(B)、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(18)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、および化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め接触させた成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(19)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め任意の順序で接触させた触媒成分を重合器に添加する方法。
(20)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め任意の順序で接触させた触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一であっても異なっていてもよい。
(21)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した触媒を重合器に添加する方法。
(22)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一であっても異なっていてもよい。
上記の担体(C)に遷移金属化合物(A)が担持された固体触媒成分、担体(C)に遷移金属化合物(A)および化合物(B)が担持された固体触媒成分には、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに触媒成分が担持されていてもよい。
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、また(共)重合に供するオレフィン(モノマー)自身を溶媒として用いることもできる。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、遷移金属化合物(A)は、反応容積1リットル当り、通常10−12〜10−2モル、好ましくは10−10〜10−3モルになるような量で用いられる。
(B−1)有機金属化合物は、(B−1)有機金属化合物と、遷移金属化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−1)/M〕が通常0.01〜200000、好ましくは0.05〜100000となるような量で用いられる。(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物中のアルミニウム原子と、遷移金属化合物(A)中の全遷移金属(M)とのモル比〔(B−2)/M〕が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(イオン化イオン性化合物)(B−3)は、(B−3)イオン化イオン性化合物と、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−3)/M〕が、通常1〜1000、好ましくは1〜500となるような量で用いられる。
有機化合物成分(D)は、化合物(B)が(B−1)有機金属化合物の場合には、モル比〔(D)/(B−1)〕が通常0.01〜100、好ましくは0.1〜50となるような量で用いられる。化合物(B)が(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物の場合には、モル比〔(D)/(B−2)〕が通常0.001〜20、好ましくは0.005〜10となるような量で用いられる。化合物(B)が(B−3)イオン化イオン性化合物の場合は、モル比〔(D)/(B−3)〕が通常0.01〜100、好ましくは0.1〜50となるような量で用いられる。
また、このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm−G、好ましくは常圧〜50kg/cm−Gの条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
得られるオレフィン系重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。さらに、使用する化合物(B)の量により調節することもできる。
このような本発明のオレフィン重合用触媒により重合することができるオレフィンとしては、特に限定されないが、炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン;炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒は、オレフィンと他のモノマーとを共重合することもできる。他のモノマーとしては、オレフィン以外のモノマーであればよく、特に限定はされないが、例えば極性基(例えばカルボニル基、水酸基、エーテル結合基など)および重合性の炭素・炭素二重結合を分子中に有するモノマー(以下、極性基含有モノマーとも記す。)が挙げられる。
極性基含有モノマーとしては、具体的には、例えばアクリル酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸、10−ウンデセン酸、11−ドデセン酸、12−トリデセン酸、13−テトラデセン酸、14−ペンタデセン酸、15−ヘキサデセン酸、16−ヘプタデセン酸、17−オクタデセン酸、18−ノナデセン酸、19−エイコセン酸、20−ヘニコセン酸、21−ドコセン酸、22−トリコセン酸、メタクリル酸、2−メチルペンテン酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2,2−ジメチル−4−ペンテン酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、2,6−ヘプタジエン酸、2−(4−イソプロピルベンジリデン)−4−ペンテン酸、アリルマロン酸、2−(10−ウンデセニル)マロン酸、フマル酸、イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−カルボン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸類、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩類、およびこれら不飽和カルボン酸類のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、(5−ノルボルネン−2−イル)エステルなどの不飽和カルボン酸エステル類(該不飽和カルボン酸がジカルボン酸である場合にはモノエステルであってもジエステルであってもよい)、およびこれら不飽和カルボン酸類のアミド、N,N−ジメチルアミド等の不飽和カルボン酸アミド類(該不飽和カルボン酸がジカルボン酸である場合にはモノアミドであってもジアミドであってもよい);
無水マレイン酸、無水イタコン酸、アリルコハク酸無水物、イソブテニルコハク酸無水物、(2,7−オクタジエン−1−イル)コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などの不飽和カルボン酸無水物類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;
塩化ビニル、フッ化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、臭化アリル、塩化アリル、フッ化アリル、ヨウ化アリルなどのハロゲン化オレフィン類;
アリルトリメチルシラン、ジアリルジメチルシラン、3−ブテニルトリメチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン、アリルトリフェニルシラン等のシリル化オレフィン類;
アクリロニトリル、2−シアノビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン、2,3−ジシアノビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン等の不飽和ニトリル類;
アリルアルコール、3−ブテノール、4−ペンテノール、5−ヘキセノール、6−へブテノール、7−オクテノール、8−ノネノール、9−デセノール、10−ウンデセノール、11−ドデセノール、12−トリデセノール等の不飽和アルコール化合物、およびこれらの酢酸エステル、安息香酸エステル、プロピオン酸エステル、カプロン酸エステル、カプリン酸エステル、ラウリン酸エステル、ステアリン酸エステル等の不飽和エステル類;
ビニルフェノール、アリルフェノール等の置換フェノール類;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アリルメチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテル、アリルメタリルエーテル、メトキシスチレン、エトキシスチレン、アリルアニソール等の不飽和エーテル類;
ブタジエンモノオキシド、1,2−エポキシ−7−オクテン、3−ビニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン等の不飽和エポキシド類;
アクロレイン、ウンデセナール等の不飽和アルデヒド類、およびこれらのジメチルアセタール、ジエチルアセタールなどの不飽和アセタール類;
メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、アリルメチルケトン、アリルエチルケトン、アリルプロピルケトン、アリルブチルケトン、アリルベンジルケトン等の不飽和ケトン類、およびこれらのジメチルアセタール、ジエチルアセタールなどの不飽和アセタール類;アリルメチルスルフィド、アリルフェニルスルフィド、アリルイソプロピルスルフィド、アリルn−プロピルスルフィド、4−ペンテニルフェニルスルフィド等の不飽和チオエーテル類;
アリルフェニルスルホキシド等の不飽和スルホキシド類;
アリルフェニルスルホン等の不飽和スルホン類;
アリルジフェニルホスフィン等の不飽和ホスフィン類;
アリルジフェニルホスフィンオキシドのような不飽和ホスフィンオキシド類などが挙げられる。
さらに、前記極性基含有モノマーとしては、例えば、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、4−(3−ブテニロキシ)安息香酸メチル、メトキシスチレン、エトキシスチレン、トリフルオロ酢酸アリル、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、(2H−ペルフルオロプロピル)−2−プロペニルエーテル、リナロールオキシド、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール、2−(アリロキシ)エタノール、N−アリルモルホリン、アリルグリシン、N−ビニルピロリドン、アリルトリクロロシラン、アクリルトリメチルシラン、アリルジメチル(ジイソプロピルアミノ)シラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、アリロキシトリメチルシラン、アリロキシトリフェニルシランなども挙げられ、本発明のオレフィン重合用触媒によってオレフィンと共重合させることができる。
また、極性基含有モノマー以外の他のモノマーとしては、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなどを用いることができる。本発明のオレフィン重合用触媒存在下では、これらのモノマーも、オレフィンと共重合することができる。
前記ジエンまたはポリエンとしては、炭素原子数が4〜30、好ましくは4〜20であり二個以上の炭素・炭素二重結合を有する環状または鎖状の化合物が挙げられる。具体的には、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン;
7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンなどが挙げられる。
さらに他のモノマーとしては、芳香族ビニル化合物を用いることができる。具体的にはスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、などの官能基含有スチレン誘導体;
および3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒は上記に説明したように、高いオレフィン重合活性かつ高い末端ビニル化率を示し、共重合を行う際には、コモノマー含量の高い共重合体を得ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、合成例および実施例で得られた化合物の構造は、270MHz H NMR(日本電子 GSH−270)、FD−質量分析(日本電子 SX−102A)、単結晶X線構造解析装置等を用いて決定した。
X線構造解析は以下のように実施した。単結晶は、パラトン−Nオイル(Hampton Research社製)に浸し、MicroMounts(MiTeGen社製)の上にマウントした。回折データは、X線源として多層膜ミラーを備えたCu微小焦点型高輝度X線発生装置(λ=1.54178Å)およびPHOTON100CMOS検出器を搭載したBrukerAXS社製D8Ventureにより測定した。データ収集の間、結晶を冷窒素流中に浸した(−180℃)。回折データは、Bruker Instrument Serviceプログラムを用いてωスキャン法により収集した。格子パラメーターは、SAINTプログラムを使用して決定・精密化し、吸収補正は、SADABSプログラムを使用した。空間群はXPREPプログラムを用いて決定し、初期位相はSHELXT−2013プログラムを用いて決定した。分子構造精密化は、SHELXL−2013プログラムを使用した。使用したプログラムは、すべてBruker AXS,Inc.(米国ウィスコンシン州マディソン)から入手可能である。
重合体の重量平均分子量Mw、分子量分布(Mw/Mn)、粘度平均分子量Mvは、Waters社製Alliance GPC 2000型を用い以下のようにして測定した。分離カラムとして、カラムサイズが直径7.5mm、長さ30cmであるTSK GMH6−HTを用い、カラム温度を140℃とし、移動相にはo−ジクロルベンゼンおよび酸化防止剤としてBHT0.025重量%を用い、1.0ml/分で展開させ、試料濃度を0.15重量%とし、試料注入量を500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンには、東ソー社製のものを用いた。
エチレンのみからなる重合体中の末端ビニル化率は、H NMRによって算出した。すなわち、重合体を1,1,2,2−テトラクロロエタン−dに完全に溶解させ、120℃におけるH NMRを測定すると、該重合体の各水素のピークは、末端の飽和メチル基(A)が0.8〜0.9ppm、ビニル基のピークが4.8〜5.1ppm(B)と5.5〜5.8ppm(C)に観測される。末端ビニル化率V(mol%)は、(A)、(B)、(C)のピーク面積を各々S、S、およびSとし、下記式にて算出した。
V(mol%)={(S+S)/3}/(S/3)×200
実施例で得られた共重合体のコモノマーの含量は、IR(日本分光 FT/IR―4200)によって測定した。すなわち、重合体を180℃に加熱したホットプレスにて溶解延伸後、室温下加圧冷却することで得られたフィルムを測定サンプルとして用い、光源波長5000cm−1〜400cm−1間で測定した。プロピレン含量は、プロピレンに基づくC−CH骨格振動(1150cm−1)をキーバンドとし、キーバンドの吸光度(D1150)と内部標準バンド(4320cm−1:C−H伸縮振動とメチレン、メチル変角振動の結合音)の吸光度(D4320)との比[D1150/D4320]により求めた。
(1)配位子の合成
[合成例1]
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、水素化ナトリウム(油性)1.38g(60wt%、34.5mmol)を仕込み、ヘキサンで洗浄し、減圧下乾燥させた。テトラヒドロフラン40mLを加えた後、氷冷下で2−ブロモ−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール5.73g(20.0mmol)を少しずつ加えた。室温で3時間攪拌した後、氷冷下でクロロメチルメチルエーテル2.42g(182mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、氷冷下で水を少しずつ加えて反応をクエンチした。ヘキサンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮することで、褐色油状物6.7gを得た。
次に、充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、2,2−ジメトキシビフェニル3.21g(15.0mmol)とジエチルエーテル30mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン3.57g(30.8mmol)を仕込み、−78℃でn−ブチルリチウム溶液22.8mL(ヘキサン溶液、1.58M、36.0mmol)をゆっくりと滴下した。室温で5時間撹拌したのち、−78℃でトリメトキシボラン17.6g(170mmol)を加えた。室温まで昇温しながら一晩攪拌した。6N水酸化ナトリウム水溶液75mLを加えて室温で1時間攪拌し、ジエチルエーテルで洗浄することで得られた水相に、氷冷下で濃塩酸70mLを加えた。吸引ろ過により析出物を回収し、無色固体を4.22g得た。
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に得られた無色固体3.54g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.92g(0.80mmol)、水酸化バリウム8水和物7.44g(24.0mmol)、ジメトキシエタン35mL、水5.8mLを仕込み、これに得られた褐色油状物化合物5.96gを加え、オイルバス中80℃で24時間加熱した。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタンを加え、セライトを通してろ過した。ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに通し、油状物3.32gを得た。200mLの反応器に得られた油状物3.32gとメタノール30mLを仕込み、60℃に加熱しながら濃塩酸8mLを少しずつ加えた。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mLで中和し、酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、下記式(1)で示した目的物(以下化合物(1)という)が0.39g(収率13%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.44‐7.31(8H,m,ArH),7.22(2H,d,J=2.3Hz,ArH),6.82(2H,s,OH)3.36(6H,s,OCH),1.46(18H,s,C(CH),1.35(18H,s,C(CH)ppm.
[合成例2]
充分に乾燥および窒素置換した1000mLの反応器に、2−フェニルフェノール23.8g(140mmol)、ジクロロメタン500mL、ジイソプロピルアミン2mLを仕込んだ。N−ブロモスクシンイミド25.0g(140mmol)を少しずつ加え、室温で1晩反応させた。反応溶液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに通し、無色液体を27.8g得た。充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、水素化ナトリウム(油性)2.49g(60wt%、62.0mmol)を仕込み、ヘキサンで洗浄し、減圧下乾燥させた。テトラヒドロフラン80mLを加えた後、得られた無色液体10.0g(40.0mmol)を氷冷下ゆっくりと滴下した。室温で1時間攪拌した後、氷冷下でクロロメチルメチルエーテル4.83g(60.0mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、氷冷下で水を少しずつ加えて反応をクエンチした。ジクロロメタンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式(2)で示した目的物(以下化合物(2)という)が8.4g(収率58%)得られた。
GC−質量分析(M):292
[合成例3]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、2,2−ジメトキシビフェニル6.45g(30.0mmol)とジエチルエーテル60mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン7.15g(61.5mmol)を仕込み、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム溶液45.6mL(ヘキサン溶液、1.58M、72.0mmol)をゆっくりと滴下した。室温で5時間撹拌したのち、−78℃でトリメトキシボラン23.3g(224mmol)を加えた。室温まで昇温しながら一晩攪拌した。反応溶液を濃縮乾固し、ヘキサンで洗浄した後、十分に減圧乾燥することで、無色固体を得た。これに、化合物(2)8.4g(29mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.66g(1.44mmol)、水酸化バリウム8水和物9.46g(30.0mmol)、ジメトキシエタン90mL、水15mLを仕込み、オイルバス中80℃で15時間加熱した。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタンを加え、セライトを通してろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記式(3)で示した目的物(以下化合物(3)という)が3.9g(収率43%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.63−7.17(22H,m,ArH),4.43(4H,s,OCH),3.39(6H,s,CHCH ),2.71(6H,s,ArOCH)ppm.
[合成例4]
充分に乾燥した500mLの反応器に、合成例3で得られた化合物(3)3.9g(6.1mmol)、アセトン30mL、メタノール30mLを仕込み、50℃に加熱しながら濃塩酸10mLを少しずつ加えた。反応溶液を半分ほど減圧濃縮し、氷冷した。得られた析出物を吸引ろ過により回収し、下記式(4)で示した目的物(以下化合物(4)という)が3.0g(収率89%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.62−7.30(20H,m,ArH),7.12−7.09(4H,m,ArH,OH),3.35(6H,s,OCH)ppm.
[合成例5]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、1−ブロモ−3,5−ジ−tert−ブチルベンゼン8.50g(31.6mmol)、(2−メトキシ−5−メチルフェニル)ボロン酸5.35g(32.2mmol)、リン酸三カリウム(KPO)22.6g(106mmol)、酢酸パラジウム(II)0.15g(0.64mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.58g(1.4mmol)、テトラヒドロフラン50mL、イオン交換水12.5mLを仕込み、25℃で3時間撹拌した。反応液に水を加えて反応をクエンチした。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液を留去することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(5)で示した目的物(以下化合物(5)という)が9.28g(収率93%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.37(3H,m,ArH),7.08−7.14(2H,m,ArH),6.88(1H,d,J=8.2Hz,ArH),3.78(3H,s,OCH),2.34(3H,s,ArCH),1.36(18H,s,C(CH)ppm.
[合成例6]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、合成例5で得られた化合物(5)9.28g(29.9mmol)、ジクロロメタン100mLを仕込み、−78℃に冷却した。この反応液に三臭化ホウ素35.9mL(35.9mmol、1Mジクロロメタン溶液)を滴下した。室温まで昇温し、4時間攪拌した後、水を加えてクエンチした。有機層を分液し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を留去することで、下記式(6)で示した目的物(以下化合物(6)という)が7.82g(収率88%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.46(1H,t,J=1.8Hz,ArH),7.27(2H,d,J=1.8Hz,ArH),7.05(2H,m,ArH),6.88−6.91(1H,m,ArH),5.17(1H,s,OH),2.33(3H,s,ArCH),1.36(18H,s,C(CH)ppm.
[合成例7]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、合成例6で得られた化合物(6)7.82g(26.3mmol)、ジクロロメタン40mL、酢酸60mLを仕込んだ。氷冷下、臭素(1.8mL,5.6mmol)を滴下し、室温で30分攪拌した。亜硫酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチし、ジクロロメタンで可溶分を抽出した。得られた分画を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液を留去することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(7)で示した目的物(以下化合物(7)という)が9.51g(収率96%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.45(1H,t,J=1.8Hz,ArH),7.31(2H,d,J=1.8Hz,ArH),7.29(1H,m,ArH),7.04(1H,m,ArH),5.54(1H,s,OH),2.31(3H,s,ArCH),1.36(18H,s,C(CH)ppm.
[合成例8]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、水素化ナトリウム(9.51g,60wt%)を仕込み、ペンタン25mLで3回洗浄した。テトラヒドロフラン40mLを仕込み、0℃に冷却した。合成例7で得られた化合物(7)9.51g(25.3mmol)をテトラヒドロフラン40mLに溶解させた溶液を、10分かけて滴下した。室温で1.5時間撹拌し、クロロメチルメチルエーテル(2.58mL,32.9mmol)を加えて、さらに1.5時間撹拌した。ジエチルエーテルで可溶分を抽出し、得られた分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液を留去することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(8)で示した目的物(以下化合物(8)という)が10.6g(定量的収率)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.36−7.39(2H,m,ArH),7.31(2H,d,J=1.8Hz,ArH),7.10(1H,m,ArH),4.69(2H,s,CH),3.03(3H,s,OCH),2.33(3H,s,ArCH),1.35(18H,s,C(CH)ppm.
[合成例9]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル2.68g(12.5mmol)とジエチルエーテル30mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン3.90mL(25.9mmol)を仕込み、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム溶液19.0mL(ヘキサン溶液、1.60M、30.4mmol)を20分かけて滴下した。室温で5時間攪拌した後、トリメトキシボラン16.2mL(145mmol)を5分かけて滴下した。室温まで昇温しながら一晩攪拌した。ろ液を留去した後、ヘキサンで3回洗浄し、減圧下乾燥させることで白色固体を得た。これに対して、合成例8で得られた化合物(8)7.00g(16.7mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.96g(0.84mmol)、水酸化バリウム8水和物7.90g(25.0mmol)、ジメトキシエタン37.5mL,イオン交換水6.3mLを仕込み、オイルバス中で40時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタンを用いてセライト濾過した。ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(9)で示した目的物(以下化合物(9)という)が0.86g(収率12%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.35−7.46(10H,m,ArH),7.16−7.22(6H,m,ArH),4.38(4H,s,CH),3.45(6H,s,CHCH ),2.66(6H,s,ArOCH),2.38(6H,s,ArCH),1.35(36H,s,C(CH)ppm.
[合成例10]
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、合成例9で得られた化合物(9)0.86g(0.97mmol)、メタノール70mL、ジエチルエーテル20mL、アセトン20mL、ジクロロメタン20mL、濃塩酸12mLを加え、50℃で1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタンで可溶分を抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(10)で示した目的物(以下化合物(10)という)が0.64g(収率82%)得られた。
H NMR(270MHz,C):7.77(4H,d,J=1.8Hz,ArH),7.58(2H,t,J=1.8Hz,ArH),7.39(2H,d,J=2.1Hz,ArH),7.34(2H,dd,J=1.7,7.6Hz,ArH),7.13−7.19(4H,m,ArH),7.001(2H,s,OH),6.995(2H,t,J=6.9Hz,ArH),3.05(6H,s,OCH),2.25(6H,s,ArCH),1.35(36H,s,C(CH)ppm.
[合成例11]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、2−ブロモ−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン12.0g(42.4mmol)、(2−メトキシ−5−メチルフェニル)ボロン酸14.1g(85.0mmol)、リン酸三カリウム(KPO)27.0g(127mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(クロロホルム付加物)0.44g(0.42mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.35g(0.85mmol)、トルエン100mLを仕込み、100℃で17時間撹拌した。反応液を室温まで冷却したのち、セライト濾過した。ろ液を留去することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(11)で示した目的物(以下化合物(11)という)が5.61g(収率41%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.10−7.13(1H,m,ArH),7.04(2H,s,ArH),6.82−6.86(2H,m,ArH),3.68(3H,s,OCH),2.93(1H,sept,J=6.9Hz,CH),2.56(2H,sept,J=6.9Hz,CH),2.30(3H,s,ArCH),1.30(6H,d,J=6.9Hz,CH(CH ),1.07(6H,d,J=6.9Hz,CH(CH ),1.06(6H,d,J=6.8Hz,CH(CH )ppm.
[合成例12]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、合成例11で得られた化合物(11)5.61g(17.3mmol)、ジクロロメタン50mLを仕込み、−78℃に冷却した。この反応液に三臭化ホウ素20.8mL(20.8mmol、1Mジクロロメタン溶液)を滴下した。室温まで昇温し、1.5時間攪拌した後、水を加えてクエンチした。有機層を分液し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を留去することで、下記式(12)で示した目的物(以下化合物(12)という)が5.23g(収率97%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.06−7.10(3H,m,ArH),6.83−6.89(2H,m,ArH),4.46(1H,s,OH),2.94(1H,sept,J=6.9Hz,CH),2.61(2H,sept,J=6.9Hz,CH),2.30(3H,s,ArCH),1.30(6H,d,J=6.9Hz,CH(CH ),1.11(6H,d,J=6.9Hz,CH(CH ),1.07(6H,d,J=6.8Hz,CH(CH )ppm.
[合成例13]
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に、合成例12で得られた化合物(12)5.23g(16.8mmol)、ジクロロメタン50mL、酢酸50mLを仕込んだ。氷冷下、臭素(1.2mL,3.6mmol)を滴下し、室温で40分攪拌した。亜硫酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチし、ジクロロメタンで可溶分を抽出した。得られた分画を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液を留去することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(13)で示した目的物(以下化合物(13)という)が6.23g(収率95%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.31(1H,m,ArH),7.08(2H,m,ArH),6.80(1H,m,ArH),5.01(1H,s,OH),2.94(1H,sept,J=6.9Hz,CH),2.55(2H,sept,J=6.9Hz,CH),2.28(3H,s,ArCH),1.30(6H,d,J=6.8Hz,CH(CH ),1.12(6H,d,J=6.8Hz,CH(CH ),1.06(6H,d,J=6.8Hz,CH(CH )ppm.
[合成例14]
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に、水素化ナトリウム0.96g(60wt%,24mmol)、テトラヒドロフラン20mLを仕込み、0℃に冷却した。合成例13で得られた化合物(13)6.23g(16.0mmol)をテトラヒドロフラン30mLに溶解させた溶液を、10分かけて滴下した。室温で3時間撹拌し、クロロメチルメチルエーテル(1.63mL,20.8mmol)を加えて、さらに2時間撹拌した。ジエチルエーテルで可溶分を抽出し、得られた分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液を留去することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(14)で示した目的物(以下化合物(14)という)が6.93g(定量的収率)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.39(1H,m,ArH),7.03(2H,s,ArH),6.90(1H,m,ArH),4.68(2H,s,CH),2.91(1H,sept,J=6.8Hz,CH),2.90(3H,s,OCH),2.56(2H,sept,J=6.8Hz,CH),2.30(3H,s,ArCH),1.26(6H,d,J=6.8Hz,CH(CH ),1.20(6H,d,J=6.8Hz,CH(CH ),1.04(6H,d,J=6.8Hz,CH(CH )ppm.
[合成例15]
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に、2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル1.92g(8.96mmol)とジエチルエーテル20mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン2.77mL(18.4mmol)を仕込み、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム溶液13.4mL(ヘキサン溶液、1.60M、21.5mmol)を20分かけて滴下した。室温で5時間攪拌した後、トリメトキシボラン11.3mL(101mmol)を5分かけて滴下した。室温まで昇温しながら一晩攪拌した。ろ液を留去した後、ヘキサンで3回洗浄し、減圧下乾燥させることで白色固体を得た。これに対して、合成例14で得られた化合物(14)5.18g(12.0mmol)、酢酸パラジウム(II)0.16g(0.72mmol)、リン酸三カリウム(KPO)8.37g(39.5mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.58g(1.4mmol)テトラヒドロフラン40mL,イオン交換水10mLを仕込み、オイルバス中で136時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチルで可溶分を抽出した。有機層を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(15)で示した目的物(以下化合物(15)という)が1.68g(収率31%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.35(4H,m,ArH),7.13−7.19(4H,m,ArH),7.03(4H,s,ArH),6.96(2H,m,ArH),4.32(4H,s,CH),3.35(6H,s,CHCH ),2.91(2H,sept,J=6.8Hz,CH),2.78(4H,sept,J=6.8Hz,CH),2.59(6H,s,ArOCH),2.35(6H,s,ArCH),1.27(12H,d,J=6.9Hz,CH(CH ),1.17(12H,d,J=6.8Hz,CH(CH ),1.08(12H,d,J=6.7Hz,CH(CH )ppm.
[合成例16]
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に、合成例15で得られた化合物(15)1.68g(1.83mmol)、メタノール40mL、ジクロロメタン40mL、濃塩酸10mLを加え、45℃で1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタンで可溶分を抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(16)で示した目的物(以下化合物(16)という)が1.16g(収率76%)得られた。
H NMR(270MHz,C):7.37(2H,dd,J=7.6,1.8Hz,ArH),7.13−7.18(8H,m,ArH),6.97−7.03(4H,m,ArH),6.47(2H,s,OH),3.20(6H,s,OCH),3.01(4H,sept,J=6.8Hz,CH),2.93(2H,sept,J=6.8Hz,CH),2.20(6H,s,ArCH),1.33(12H,d,J=6.9Hz,CH(CH ),1.21(12H,d,J=6.8Hz,CH(CH ),1.20(12H,d,J=6.9Hz,CH(CH )ppm.
[合成例17]
充分に乾燥、窒素置換した300mLの反応器に、4−tert−ブチルフェノール20.0g(133mmol)、酢酸100mLを仕込み、一塩化ヨウ素25.0g(154mmol)を加えた。120℃で7.5時間加熱還流した後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチした。ジクロロメタンで可溶分を抽出、得られた分画を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液を留去することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、赤褐色固体が15.4g得られた。充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、水素化ナトリウム(1.85g,60wt%,46.2mmol)を仕込み、ヘキサン10mLで2回洗浄した。得られた赤褐色固体8.36gをテトラヒドロフラン40mLに溶解させた溶液を水冷下2.5時間かけて滴下した。室温で2時間撹拌した後、氷冷下、クロロメチルメチルエーテル(3.00mL,39.9mmol)を加えて、さらに30分間撹拌した。100mLの水を加えてクエンチし、有機層を抽出し、得られた分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液を留去することで、下記式(17)で示した目的物(以下化合物(17)という)が9.34g(収率96%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.76(1H,d,J=8.9Hz,ArH),7.26−7.31(1H,m,ArH),6.99(1H,d,J=8.9Hz,ArH),5.21(2H,s,CH),3.51(3H,s,OCH),1.28(9H,s,C(CH)ppm.
[合成例18]
充分に乾燥、窒素置換した200mLの反応器に、合成例17で得られた化合物(17)11.2g(34.9mmol)、3,6−ビス(tert−ブチル)カルバゾール10.0g(35.8mmol)、ヨウ化銅1.30g(6.82mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン1.04g(11.8mmol)、リン酸三カリウム(KPO)23.2g(109mmol)、トルエン80mLを仕込み、24時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、テトラヒドロフラン100mLを加えてろ過した。ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらにアセトニトリルを用いて再結晶化することで、下記式(18)で示した目的物(以下化合物(18)という)が6.00g(収率36%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):8.127−8.133(2H,m,ArH),7.41−7.44(4H,m,ArH),7.30−7.33(1H,m,ArH),7.08−7.11(2H,m,ArH),4.92(2H,s,CH),3.20(3H,s,OCH),1.46(18H,s,C(CH),1.32(9H,s,C(CH)ppm.
[合成例19]
充分に乾燥、窒素置換した200mLの反応器に、合成例18で得られた化合物(18)6.00g(12.7mmol)、テトラヒドロフラン60mLを仕込み、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム溶液9.54mL(ヘキサン溶液、1.60M、15.3mmol)を10分かけて滴下した。室温で2時間攪拌した後、ヨウ素4.84g(19.1mmol)を15分かけて加えた。室温で2時間攪拌した後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチし、ジクロロメタンで可溶分を抽出した。得られた分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液を留去することで下記式(19)で示した目的物(以下化合物(19)という)が7.60g(定量的収率)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):8.10(2H,d,J=2.0Hz,ArH),7.90(1H,d,J=2.6Hz,ArH),7.42−7.48(3H,m,ArH),7.14(2H,d,J=8.6Hz,ArH),4.40(2H,s,CH),2.83(3H,s,OCH),1.46(18H,s,C(CH),1.31(9H,s,C(CH)ppm.
[合成例20]
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に、2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル2.08g(9.71mmol)とジエチルエーテル20mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン3.00mL(19.9mmol)を仕込み、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム溶液14.6mL(ヘキサン溶液、1.60M、23.3mmol)を20分かけて滴下した。室温で5時間攪拌した後、トリメトキシボラン12.3mL(110mmol)を5分かけて滴下した。室温まで昇温しながら一晩攪拌した。ろ液を留去した後、ヘキサンで3回洗浄し、減圧下乾燥させることで白色固体を得た。これに対して合成例19で得られた化合物(19)7.75g(13.0mmol)、酢酸パラジウム(II)0.18g(0.78mmol)、リン酸三カリウム(KPO)9.08g(42.8mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.64g(1.56mmol)、テトラヒドロフラン40mL、イオン交換水10mLを仕込み、オイルバス中80℃で18時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチルで可溶分を抽出した。有機層を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(20)で示した目的物(以下化合物(20)という)が2.48g(収率33%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):8.11(4H,d,J=1.8Hz,ArH),7.41−7.57(12H,m,ArH),7.22−7.29(6H,m,ArH),4.22(4H,s,CH),3.48(6H,s,CHCH ),2.47(6H,s,ArOCH),1.45(36H,s,C(CH),1.35(18H,s,C(CH)ppm.
[合成例21]
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に、合成例20で得られた化合物(20)2.48g(2.15mmol)、メタノール40mL、ジクロロメタン40mL、濃塩酸30mLを加え、45℃で6時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタンで可溶分を抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(21)で示した目的物(以下化合物(21)という)が0.87g(収率38%)得られた。
H NMR(270MHz,C):8.41(4H,d,J=1.4Hz,ArH),7.61(4H,dd,J=10.9,2.5Hz,ArH),7.45−7.50(6H,m,ArH),7.36−7.40(4H,m,ArH),7.20(2H,dd,J=7.6,1.8Hz,ArH),7.03(2H,t,J=7.6Hz,ArH),6.67(s,2H,OH),3.15(6H,s,OCH),1.42(36H,s,C(CH),1.23(18H,s,C(CH)ppm.
[合成例22]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、水素化カリウム1.00g(25.0μmol)を装入し、テトラヒドロフラン40mLを加え、0℃に冷却した。ここに、7−ブロモインドール5.00g(25.5mmol)をテトラヒドロフラン30mLに溶解させた溶液を0℃においてキャヌラで加え、0℃で15分間撹拌した。続いて、ドライアイス/メタノールバスで−78℃に冷却し、tert−ブチルリチウム溶液170mL(0.3Mペンタン溶液、51.0mmol)をキャヌラで加え、ドライアイス/メタノールバスをはずし、10分間撹拌した。再度−78℃に冷却し、トリメトキシボラン6.0mL(51mmol)をシリンジで添加後、ドライアイス/メタノールバスをはずし、3時間撹拌し反応させた。その後、水を添加して反応を停止させ、酢酸エチルを加えた後、水層に10%塩酸水溶液を加えてpHを1に調節した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ過し、得られたろ液を濃縮乾固することによって、下記式(22)で示した目的物(以下化合物(22)という)の粗成生物を得た。この粗成生物はこれ以上精製せず、そのまま次の反応に使用した。
[合成例23]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.347g(0.300mmol)、およびJ.Am.Chem.Soc.1984,(106),3286.に記載の方法に従って合成した3,3’−ジヨード−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル2.98g(6.40mmol)を装入し、ここにトルエン7.5mL、1.0M炭酸ナトリウム水溶液18mL(18mmol)、およびエタノール7.5mLを追加した。得られた懸濁液を、合成例22で得られた化合物(22)の粗生成物4.1g、トルエン20.0mL、エタノール20.0mLで調製した懸濁液に、キャヌラを用いて室温で添加した。1.5時間還流後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.347g(0.300mmol)、トルエン20.0mL、エタノール20.0mLを追加し、さらに4時間還流した。反応後、懸濁液を乾固し、得られた粗成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することによって、下記式(23)で示した目的物(以下化合物(23)という)が17.3g(収率78%)得られた。
H NMR(270MHz,C):8.59(2H,brs,NH),7.79(2H,d,J=7.9Hz,ArH),7.44(2H,dd,J=5.6,1.3Hz,ArH),7.41(2H,dd,J=6.1,1.5Hz,ArH),7.34(2H,dd,J=7.6,2.0Hz,ArH),7.30(2H,t,J=7.6Hz,ArH),7.08(2H,t,J=7.6Hz,ArH),6.84(2H,t,J=2.8Hz,ArH),6.62(2H,dd,J=3.0,2.0Hz,ArH),2.85(6H,s,OCH)ppm.
[合成例24]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、9−ブロモアントラセン25.4g(98.7mmol)、テトラヒドロフラン200mLを装入し、得られた溶液を−78℃に冷却した。ここに、n−ブチルリチウム溶液71.3mL(ヘキサン溶液、1.66M、118mmol)を−78℃において滴下漏斗から2時間かけて滴下した。得られたオレンジ色溶液を撹拌しながら15時間かけて−20℃まで昇温し、1M塩酸50mLを滴下漏斗からゆっくり加えた。得られた白色懸濁液を1Lの反応器に移し、撹拌しながらさらに1M塩酸450mLを加えた。ここにジエチルエーテルを加えた後、有機層を分離し、有機層を水で洗浄、続いて無水硫酸マグネシウムによる乾燥を行った後、乾燥剤をろ過した。得られたろ液を濃縮乾固し得られた固体にヘキサン200mLを加え、激しく撹拌後、濾過することによって、下記式(24)で示した目的物(以下化合物(24)という)が17.0g(収率78%)得られた。
H NMR(270MHz,THF−d):8.78−8.68(2H,m,ArH),8.55(1H,d,J=8.0Hz,ArH),8.04(1H,s,ArH),7.76(1H,d,J=8.0Hz,ArH),7.70−7.48(4H,m,ArH),2.55(2H,s,OH)ppm.
[合成例25]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に合成例24で得られた化合物(24)17.0g(76.5mmol),4−ブロモインドール20.0g(102mmol)と、炭酸カリウム21.4g(155mmol)、水84mL(15分間窒素バブリング)、1,4−ジオキサン159mLで調製した溶液を装入した。得られた溶液に、室温においてビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム0.662g(2.55mmol)、トリ−o−トリルホスフィン1.55g(5.10mmol)、1,4−ジオキサン32mLより調製したスラリーを添加後、遮光下、室温で撹拌しながら19時間反応させた。反応後、2N水酸化ナトリウム水溶液50mLを添加して反応をクエンチし、酢酸エチルで可溶分を抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、茶色オイルを得た。この茶色オイルにヘキサン100mLを加え、激しく撹拌した後、得られた溶液を0℃で4日間保存することによって無色固体が析出した。これをろ過回収し、下記式(25)で示した目的物(以下化合物(25)という)が18.9g(収率84%)得られた。。
H NMR(270MHz,THF−d):10.31(1H,brs,NH),8.82(2H,t,J=8.4Hz,ArH),7.89(1H,t,J=8.4Hz,ArH),7.68−7.50(3H,m,ArH),7.50−7.34(2H,m,ArH),7.23(1H,t,J=8.1Hz,ArH),7.18−7.09(2H,m,ArH),6.04(1H,m,ArH)ppm.
[合成例26]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に合成例25で得られた化合物(25)5.00g(16.0mmol),ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II),ダイマー0.10g(0.17mmol),ジエチルシラン3.3mL(1.5mmol)、およびトルエン8.5mLを装入した。得られた溶液を室温で撹拌しながら19時間反応させた後、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II),ダイマー0.10g(0.17mmol),ジエチルシラン1.8mL(0.82mmol)、およびトルエン30mLを追加し、さらに室温で48時間撹拌を続けた。H−NMRで反応が終了していることを確認後、反応液を濃縮乾固して茶色オイルを得た。ここにクロロ(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I),ダイマー57mg(0.085mmol),4,4’−ジ−tert−ブチルビピリジン46mg(0.17mmol),ビス(ピナコラト)ジボロン4.33g(17.0mmol),テトラヒドロフラン17mLを加え、続いてピナコールボラン0.12mL(0.85mmol)を加え、80℃で7時間還流した。反応後、得られた懸濁液を濃縮乾固し、テトラヒドロフラン34mLを加えて再溶解後、3M酢酸ナトリウム水溶液8.5mLを添加し、20分間撹拌し、ジエチルエーテルで可溶分を抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、下記式(26)で示した目的物(以下化合物(26)という)の粗成生物を得た。この粗成生物はこれ以上精製せず、そのまま次の反応に使用した。
[合成例27]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.46g(0.40mmol)、およびJ.Am.Chem.Soc.1984,(106),3286.に記載の方法に従って合成した3,3’−ジヨード−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル1.99g(4.26mmol)を装入し、ここにトルエン5.0mL、1.0M炭酸ナトリウム水溶液12mL(12mmol)、およびエタノール5.0mLを追加した。得られた懸濁液に、合成例26で得られた化合物(26)の粗生成物7.15g、トルエン13.0mL、エタノール13.0mLから調製した懸濁液をキャヌラを用いて室温で添加した。9時間還流後、懸濁液を乾固し、得られた粗成生物をテトラヒドロフランで洗浄し、下記式(27)で示した目的物(以下化合物(27)という)が2.33g(収率69%)得られた。
H NMR(270MHz,THF−d):8.99(2H,brs,NH),8.80(4H,t,J=9.0Hz,ArH),7.75−7.38(16H,m,ArH),7.19(2H,t,J=2.5Hz,ArH),6.28(2H,t,J=2.5Hz,ArH),3.34(6H,s,OCH)ppm.
[合成例28]
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に1−ブロモ−3,5−ジ−tert−ブチルベンゼン10.3g(38.4mmol)、酢酸パラジウム(II)0.36g(1.6mmol),ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン0.62g(1.6mmol),水酸化リチウム一水和物4.03g(96.0mmol),およびインドール3.75g(32.0mmol)を装入し、窒素置換を行った。ここに、水100mL(15分間窒素バブリング)を添加後、還流しながら35時間反応させた。反応後、1N塩酸250mL、酢酸エチル500mLを添加し、激しく撹拌した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することによって、下記式(28)で示した目的物(以下化合物(28)という)が3.37g(収率35%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):8.20(1H,brs,NH),7.92(1H,d,J=7.6Hz,ArH),7.52(2H,d,J=1.7Hz,ArH),7.43(1H,d,J=7.3Hz,ArH),7.39−7.35(2H,m,ArH),7.29−7.15(2H,m,ArH),1.40(18H,s,C(CH)ppm.
[合成例29]
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に合成例28で得られた化合物(28)1.00g(3.27mmol),ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II),ダイマー0.040g(0.070mmol),およびトルエン10mLを装入後、ジエチルシラン1.89mL(14.7mmol)を添加した。得られた溶液を80℃に加熱しながら35時間反応させた。GC−MSで反応が終了していることを確認後、反応液を濃縮乾固して茶色オイルを得た。ここにクロロ(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I),ダイマー0.011g(0.016mmol),4,4’−ジ−tert−ブチルビピリジン9.0mg(0.033mmol),ビス(ピナコラト)ジボロン0.830g(3.27mmol),テトラヒドロフラン6mLを加え、続いてピナコールボラン0.024mL(0.16mmol)を加え、80℃で加熱しながら31時間反応させた。反応後、得られた懸濁液を濃縮乾固し、テトラヒドロフラン10mLを加えて再溶解後、3M酢酸ナトリウム水溶液1.6mLを添加し、20分間撹拌した後、ジエチルエーテルで可溶分を抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、下記式(29)で示した目的物(以下化合物(29)という)の粗成生物を得た。この粗成生物はこれ以上精製せず、そのまま次の反応に使用した。
[合成例30]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.40g(0.34mmol)、およびJ.Am.Chem.Soc.1984,(106),3286.に記載の方法に従って合成した3,3’−ジヨード−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル0.38g(0.82mmol)を装入し、ここにトルエン16.0mL、1.0M炭酸ナトリウム水溶液4.58mL(4.58mmol)、およびエタノール16.0mLを追加した。得られた懸濁液に、合成例29で得られた化合物(29)の粗生成物1.41g、トルエン13.0mL、エタノール13.0mLより調製した懸濁液をキャヌラを用いて室温で添加した。21時間還流後、懸濁液を乾固し、得られた粗成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することによって、下記式(30)で示した目的物(以下化合物(30)という)が0.17g(収率25%)得られた。
H NMR(270MHz,C):8.62(2H,brs,NH),8.31(2H,d,J=7.6Hz,ArH),7.77(4H,d,J=2.0Hz,ArH),7.56−7.28(10H,m,ArH),7.15−7.05(4H,m,ArH),2.98(6H,s,OCH),1.37(36H,s,C(CH)p
pm.
[合成例31]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、水素化カリウム0.70g(0.17mmol)を装入し、テトラヒドロフラン10mLを加え、0℃に冷却した。ここに、Angew.Chem.Int.Ed.2011,(50),12214.に従って合成した1−ブロモ−3,6−ジ−tert−ブチル−9H−カルバゾール6.42g(18.0mmol)をテトラヒドロフラン30mLに溶解させた溶液を0℃においてキャヌラで加え、0℃で35分間撹拌した。続いて、ドライアイス/メタノールバスで−78℃に冷却し、滴下漏斗からtert−ブチルリチウム溶液22.4mL(1.6Mペンタン溶液、35.9mmol)を加え、ドライアイス/メタノールバスをはずし、30分間撹拌した。再度−78℃に冷却し、トリメトキシボラン4.0mL(36mmol)をシリンジで添加後、ドライアイス/メタノールバスをはずし、3時間撹拌し反応させた。その後、水を添加して反応を停止させ、酢酸エチルを加えた後、水層に10%塩酸を加えてpHを1に調節した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ過し、得られたろ液を濃縮乾固することによって、下記式(31)で示した目的物(以下化合物(31)という)の粗成生物を得た。この化合物(31)の粗成生物はこれ以上精製せず、そのまま次の反応に使用した。
[合成例32]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.24g(0.21mmol)、およびJ.Am.Chem.Soc.1984,(106),3286.に記載の方法に従って合成した3,3’−ジヨード−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル2.10g(4.51mmol)を装入し、ここにトルエン5.5mL、1.0M炭酸ナトリウム水溶液12.7mL(12.7mmol)、およびエタノール5.5mLを追加した。得られた懸濁液に、合成例31で得られた化合物(31)の粗生成物6.42g、トルエン14.0mL、エタノール14.0mLで調製した懸濁液をキャヌラを用いて室温で添加した。1.5時間還流後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.24g(0.21mmol)、トルエン5.5mL、エタノール5.5mLを追加し、さらに4時間還流した。反応後、懸濁液を乾固し、得られた粗成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=96/4)で精製することによって、下記式(32)で示した目的物(以下化合物(32)という)が3.01g(収率87%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):8.55(2H,s,NH),8.16(2H,d,J=1.5Hz,ArH),8.12(2H,d,J=1.5Hz,ArH),7.67(2H,d,J=1.7Hz,ArH),7.61(1H,d,J=1.7Hz,ArH),7.61(1H,d,J=1.7Hz,ArH),7.58(1H,d,J=1.7Hz,ArH),7.53(1H,d,J=1.7Hz,ArH),7.50(1H,d,J=1.7Hz,ArH),7.39(1H,d,J=8.0Hz,ArH),7.37(1H,d,J=8.0Hz,ArH),7.25(2H,d,J=10.0Hz,ArH),6.97(2H,d,J=10.0Hz,ArH),3.26(s,6H,OCH),1.53(18H,s,C(CH),1.45(18H,s,C(CH)ppm.
[合成例33]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、2,2’−ジメトキシビフェニル5.36g(25.0mmol)とジエチルエーテル100mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン6.10g(52.5mmol)を仕込み、−78℃に冷却した。これにn−ブチルリチウム溶液36.6mL(ヘキサン溶液、1.64M、60.0mmol)をゆっくりと滴下した。室温で5時間撹拌したのち、−78℃でクロロジメチルシラン7.1g(75mmol)を加えた。室温まで昇温しながら一晩攪拌し、その後、氷冷下で水を少しずつ加えて反応をクエンチした。ヘキサンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式(33)で示した目的物(以下化合物(33)という)が4.95g(収率60%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.50−7.43(4H,m,ArH),7.15(2H,t,J=7.4Hz),4.49(2H,sept,J=3.6Hz,SiH),3.41(6H,s,OCH),0.38(12H,d,J=3.6Hz,SiCH)ppm.
[合成例34]
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、7−ヨードインドール2.2g(9.1mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム31mg(0.090mmol)とジクロロメタン20mLを仕込み、これに水酸化ナトリウム0.955g(23.9mmol)を加え、1時間室温で撹拌した。氷冷下、塩化アセチル1.07g(13.6mmol)を滴下し、さらに6時間室温で撹拌した。水を少しずつ加えて反応をクエンチし、ジクロロメタンで可溶分を抽出した。得られた分画を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式(34)で示した目的物(以下化合物(34)という)が1.35g(収率52%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.88(1H,dd,J=7.4,0.8Hz,ArH),7.57(1H,dd,J=7.6,1.0Hz,ArH),7.43(1H,d,J=3.6Hz,ArH),6.98(1H,t,J=7.7Hz,ArH),6.59(1H,d,J=3.6Hz,ArH),2.65(3H,s,CH)ppm.
[合成例35]
充分に乾燥および窒素置換した20mLの反応器に、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム34mg(0.066mmol)とテトラヒドロフラン1mLを仕込み、これに合成例33で得られた化合物(33)331mg(1.00mmol)とテトラヒドロフラン1mLで調製した溶液を加え、さらに合成例34で得られた化合物(34)382mg(1.34mmol)、トリエチルアミン339mg(3.35mmol)を加えた。室温で4日間撹拌した後、水を加え、ジクロロメタンで可溶分を抽出した。得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式(35)で示した目的物(以下化合物(35)という)が285mg(収率44%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.64(2H,dd,J=7.3,1.0Hz,ArH),7.55(2H,dd,J=7.7,1.2Hz,ArH),7.36−7.28(6H,m,ArH),7.22(2H,d,J=4.0Hz,ArH),7.02(2H,t,J=7.4Hz,ArH),6.59(2H,d,J=3.6Hz,ArH),2.75(6H,s,OCH),2.21(6H,s,C(O)CH),0.64(12H,s,SiCH)ppm.
[合成例36]
充分に乾燥した50mLの反応器に、合成例35で得られた化合物(35)1.08g(1.67mmol)とメタノール5mLを仕込み、これに水酸化ナトリウム338mg(8.45mmol)とメタノール15mLで調製した溶液を加え、室温で24時間撹拌した。析出した固体を吸引ろ過により回収し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、下記式(36)で示した目的物(以下化合物(36)という)が656mg(収率70%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):9.30(2H,s,NH),7.66(2H,d,J=7.6Hz,ArH),7.53(2H,dd,J=7.3,2.0Hz,ArH),7.43−7.40(4H,m,ArH),7.23−7.11(4H,m,ArH),7.06(2H,t,J=2.8Hz,ArH),6.48(2H,dd,J=3.3,2.0Hz,ArH),2.96(6H,s,OCH),0.75(12H,s,SiCH)ppm.
[合成例37]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、3,6−ジ−tert−ブチルカルバゾール2.7g(9.6mmol)とテトラヒドロフラン100mLを仕込み、これにn−ブチルリチウム溶液6.2mL(ヘキサン溶液、1.59M、9.9mmol)を0℃で滴下し、3時間室温で攪拌した。引き続き、N,N−ジエチルカルバモイルクロリド1.5mL(12mmol)を氷冷下に加え、終夜室温で攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、酢酸エチルで可溶分を抽出した。得られた抽出物を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式(37)で示した目的物(以下化合物(37)という)を2.89g(収率79%)得た。
H−NMR(270MHz,CDCl):8.03(2H,dd,J=1.7,0.8Hz,ArH),7.50(2H,dd,J=8.6,1.7Hz,ArH),7.45(2H,dd,J=8.6,0.8Hz,ArH),3.54(4H,q,J=7.1Hz,NCH),1.45(18H,s,C(CH),1.22(6H,t,J=7.1Hz,NCH )ppm.
[合成例38]
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に、化合物(33)2.2g(6.5mmol)とジクロロメタン70mLを仕込み、これに無水塩化第二鉄20mg(0.10mmol)と塩化アセチル1.4mL(20mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。得られた反応液を減圧濃縮し、テトラヒドロフラン70mLに室温で溶解させ、塩素化反応液を調製した。充分に乾燥および窒素置換した300mLの別反応器に、合成例37で得られた化合物(37)2.9g(7.6mmol)とテトラヒドロフラン90mLを仕込み、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン1.3mL(8.8mmol)を加えた。引き続き、s−ブチルリチウム溶液8.5mL(1.0Mシクロヘキサン−ヘキサン溶液、8.5mmol)を−78℃で滴下して2時間同温度で攪拌し、これに調製した塩素化反応液をゆっくり添加した。終夜攪拌して室温まで昇温した後、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、酢酸エチルで可溶分を抽出した。得られた抽出物を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式(38)で示した目的物(以下化合物(38)という)を2.32g(収率52%)得た。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.98(4H,dd,J=7.5,2.0Hz,ArH),7.60(2H,d,J=2.0Hz,ArH),7.37−7.47(6H,m,ArH),7.23(2H,d,J=8.6Hz,ArH),7.08(2H,t,J=7.5Hz,ArH),3.71(4H,brs,NCH),3.16(4H,brs,NCH),2.79(6H,s,OMe),1.42(18H,s,C(CH),1.25(18H,s,C(CH),1,20(12H,s,NCH ),0.68(12H,s,SiCH)ppm.
[合成例39]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、水素化アルミニウムリチウム0.95g(25mmol)を仕込み、これに合成例38で得られた化合物(38)2.1g(1.9mmol)のテトラヒドロフラン溶液115mLを注意深く添加して80℃で3時間加熱した。冷却後、滴下ロートを使用して蒸留水を滴下し、反応を停止した。水酸化ナトリウム水溶液を添加して攪拌した後、酢酸エチルで可溶分を抽出した。得られた抽出物を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮残渣を再結晶(メタノール、室温)により精製し、下記式(39)で示した目的物(以下化合物(39)という)を1.31g(収率74%)得た。
H−NMR(270MHz,CDCl):8.56(2H,s,NH),8.08(2H,d,J=2.0Hz,ArH),8.02(2H,d,J=2.0Hz,ArH),7.65(2H,d,J=2.0Hz,ArH),7.50(2H,dd,J=7.3,1.6Hz,ArH),7.44(2H,dd,J=7.6,2.0Hz,ArH),7.35(2H,dd,J=8.6,2.0Hz,ArH),7.26(2H,dd,J=8.6,0.7Hz,ArH),7.16(2H,t,J=7.4Hz,ArH),3.00(6H,s,OCH),1.45(18H,s,C(CH),1.41(18H,s,C(CH),0.79(12H,s,SiCH)ppm.
[合成例40]
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に、合成例33で得られた化合物(33)3.0g(9.1mmol)とジクロロメタン70mLを仕込み、これに無水塩化第二鉄10mg(0.060mmol)と塩化アセチル1.35mL(19.0mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。得られた反応液を減圧濃縮し、テトラヒドロフラン70mLに室温で溶解させ、塩素化反応液を調製した。充分に乾燥および窒素置換した300mLの別反応器に、2−フェニルフェノール(メトキシメチル)エーテル2.30g(10.7mmol)とテトラヒドロフラン80mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液8.7mL(1.6Mヘキサン溶液、14mmol)を氷冷下滴下した。3時間同温度で攪拌し、これに調製した塩素化反応液をゆっくり添加した。終夜攪拌して室温まで昇温した後、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、酢酸エチルで可溶分を抽出した。得られた抽出物を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーと再結晶(酢酸エチル/ヘキサン、室温)により精製し、下記式(40)で示した目的物(以下化合物(40)という)を2.82g(収率58%)得た。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.50−7.29(18H,m,ArH),7.15(2H,t,J=6.1Hz,ArH),7.11(2H,t,J=6.1Hz,ArH),4.32(4H,s,CH),3.06(6H,s,CHCH ),2.88(6H,s,ArOCH),0.66(12H,s,SiCH)ppm.
[合成例41]
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に合成例40で得られた化合物(40)2.1g(2.6mmol)とトルエン50mLを仕込み、モンモリロナイトK100を4.28g加えて4時間室温で攪拌した。更にモンモリロナイトK100を2.14g追加して3時間攪拌した後、吸引濾過でモンモリロナイトを除去した。濾液を減圧濃縮した後、残渣を再結晶(ジクロロメタン/ヘキサン、0℃)により精製し、下記式(41)で示した目的物(以下化合物(41)という)を0.77g(収率42%)得た。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.47−7.31(16H,m,ArH),7.25(2H,dd,J=7.4,1.8Hz,ArH),7.12(2H,t,J=7.4Hz,ArH),6.98(2H,t,J=7.4Hz,ArH),5.72(2H,s,OH),3.13(6H,s,OCH),0.65(12H,s,SiCH)ppm.
[合成例42]
30mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)0.30g(0.54mmol)、イミダゾール0.297g(4.36mmol)、トリイソプロピルシリルクロリド0.42g(2.2mmol)を仕込み、マイクロ波(30W)を4時間照射しながら130℃で反応させた。得られた粗生成物にヘキサン/酢酸エチル=95/5を25mL加え激しく撹拌後、不溶解物を除去した。得られたろ液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することによって、下記式(42)で示した目的物(以下化合物(42)という)を0.246g(収率52%)得た。
H NMR(270MHz,CDCl):7.65−6.97(22H,m,ArH),3.38(6H,s,OCH),0.76(18H,s,CHCH ),0.73(18H,s,CHCH ),0.41(6H,m,CH)ppm.
[合成例43]
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、合成例42で得られた化合物(42)0.25g(0.28mmol)とジクロロメタン10mLを仕込み、0℃に冷却した。ここに、0℃で三臭化ホウ素溶液0.66mL(1.0Mジクロロメタン溶液、0.66mmol)をゆっくりと滴下した。同温度で15分撹拌後、水5mLをゆっくり添加し、反応を停止した。ここにジクロロメタンと水を加え、有機層を抽出後、炭酸水素ナトリウ水溶液と水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)により精製し、下記式(43)で示した目的物(以下化合物(43)という)を0.128g(収率54%)得た。
H NMR(270MHz,CDCl):7.55−7.06(22H,m,ArH),6.79(6H,s,OH),0.71(36H,d,J=7.3Hz,CHCH ),0.32(6H,m,CH)ppm.
[合成例44]
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、合成例43で得られた化合物(43)0.13g(0.15mmol)、炭酸水素カリウム0.15g(1.5mmol)、2−ヨードプロパン0.26g(1.5mmol)、アセトニトリル10mLを仕込み、114時間還流した。その後、2−ヨードプロパン0.26g(1.5mmol)を追加し、さらに24時間還流した。得られた反応溶液を乾固した後、ジクロロメタン、水、1N塩酸を加え、ジクロロメタン層を抽出後、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95/5)により精製し、下記式(44)で示した目的物(以下化合物(44)という)を0.039g(収率28%)得た。
H NMR(270MHz,CDCl):7.95−6.95(22H,m,ArH),4.08−3.53(2H,brs,OCH),0.95−0.58(48H,brs,CH),0.58−0.30(6H,m,SiCH)ppm.
[合成例45]
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、合成例44で得られた化合物(44)39mg(0.042mmol)とジクロロメタン5mLを仕込んだ。ここに、室温においてテトラブチルアンモニウムフルオリド溶液0.21mL(1.0Mテトラヒドロフラン溶液,0.21mmol)をゆっくりと滴下した。室温において3時間撹拌後、塩化アンモニウム水溶液1mLをゆっくり添加し、反応を停止した。ここにジクロロメタンと水を加え、ジクロロメタン層を抽出後、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)により精製し、下記式(45)で示した目的物(以下化合物(45)という)を12mg(収率47%)得た。
H NMR(270MHz,CDCl):7.80−7.05(24H,m,ArH,OH),3.90−3.30(2H,m,CH),0.85−0.60(12H,m,CH)ppm.
[合成例46]
充分に乾燥および窒素置換した300mLの反応器に、合成例8で得られた化合物(8)5.03g(12.0mmol)を仕込み、テトラヒドロフラン20mLを加えた後、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム溶液8.1mL(ヘキサン溶液、1.63M、13.2mmol)をゆっくりと滴下した。室温で3時間撹拌したのち、−78℃でトリメトキシボラン3.74g(36.0mmol)を加えた。室温まで昇温しながら一晩攪拌した。反応溶液を濃縮乾固し、ヘキサンで洗浄した後、十分に減圧乾燥することで、無色粘性固体を得た。これにJournalof the American Chemical Society 2005,127,8244.記載の方法により合成した2−ブロモ−1−イソプロポキシ−4−メチルベンゼン2.29g(10mmol)、酢酸パラジウム23mg(0.10mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2‘,6’−ジメトキシビフェニル83mg(0.20mmol)、リン酸カリウム4.25g(20.0mmol)、テトラヒドロフラン20mL、水5mLを仕込み、オイルバス中80℃で4時間加熱した。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタンを加え、セライトを通してろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記式(46)で示した目的物(以下化合物(46)という)が3.6g(収率95%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.42(2H,d,J=2.0Hz,ArH),7.35(1H,d,J=1.6Hz,ArH),7.14−7.04(4H,m,ArH),6.86(1H,d,J=8.2Hz,ArH),4.44−4.35(1H,m,OCH),4.29(2H,s,OCH),2.54(3H,s,CHCH ),2.37(3H,s,ArOCH),2.31(3H,s,ArOCH),1.35(18H,s,C(CH),1.28(6H,d,J=6.3Hz,CH(CH )ppm.
[合成例47]
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、合成例46で得られた化合物(46)4.89g(10.0mmol)を仕込み、ジエチルエーテル20mL、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン1.74g(15.0mmol)を仕込み、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム溶液9.2mL(ヘキサン溶液、1.63M、15.0mmol)をゆっくりと滴下した。室温で5時間撹拌したのち、−78℃で1,2−ジブロモエタン3.76g(20.0mmol)を加えた。室温まで昇温しながら一晩攪拌した後、氷冷下で水を少しずつ加えて反応をクエンチした。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式(47)で示した目的物(以下化合物(47)という)が3.1g(収率55%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.43−7.35(4H,m,ArH),7.20−7.15(3H,m,ArH),4.35(2H,s,OCH),4.02−3.98(1H,m,OCH),2.64(3H,s,CHCH ),2.33(3H,s,ArOCH),2.32(3H,s,ArOCH),1.36(18H,s,C(CH),1.10(6H,d,J=6.3Hz,CH(CH )ppm.
[合成例48]
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例47で得られた化合物(47)1.7g(3.0mmol)を仕込み、ジエチルエーテル10mLを加えた後、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム溶液2.2mL(ヘキサン溶液、1.63M、3.6mmol)をゆっくりと滴下した。室温で3時間撹拌したのち、−78℃でトリメトキシボラン0.62g(6.0mmol)を加えた。室温まで昇温しながら一晩攪拌した。反応溶液を濃縮乾固することで、無色粘性固体を得た。これに合成例47で得られた化合物(47)1.4g(2.5mmol)、酢酸パラジウム5.6mg(0.025mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2‘,6’−ジメトキシビフェニル21mg(0.050mmol)、リン酸カリウム1.1g(5.0mmol)、テトラヒドロフラン10mL、水1.3mLを仕込み、オイルバス中80℃で5時間加熱した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチルを加え、セライトを通してろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記式(48)で示した目的物(以下化合物(48)という)が1.2g(収率50%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.43−7.36(8H,m,ArH),7.26−6.85(6H,m,ArH),4.43(4H,s,OCH),3.84(2H,br s,OCH),2.72(6H,s,CHCH ),2.38(6H,s,ArOCH),2.32(6H,s,ArOCH),1.36(36H,s,C(CH),0.80(12H,d,J=6.3Hz,CH(CH )ppm.
[合成例49]
充分に乾燥した100mLの反応器に、合成例48で得られた化合物(48)2.4g(2.5mmol)、トルエン10mL、メタノール10mLを仕込み、濃塩酸4mLを少しずつ加えた後、60℃で2時間加熱した。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。熱メタノールから再結晶することで精製し、下記式(49)で示した目的物(以下化合物(49)という)が0.36g(収率16%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.42−7.35(8H,m,ArH),7.24−7.15(6H,m,ArH),3.76−3.67(2H,m,OCH),2.43(6H,s,ArOCH),2.39(6H,s,ArOCH),1.30(36H,s,C(CH),0.82(12H,br,CH(CH )ppm.
(2)遷移金属化合物の合成
[実施例1]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、四塩化チタン42mg(0.22mmol)、トルエン2mLを仕込み、これに対して合成例1で得られた化合物(1)125mg(0.200mmol)、トルエン2mLで調製した溶液を室温で滴下した。室温で5時間攪拌した後、反応溶液を1/3程度濃縮し、ヘキサン8mLを加え、析出物をグラスフィルターによりろ過、回収することで下記式(A)で示されるえんじ色固体(以下チタン化合物(A)という)を66mg(収率45%)得た。
H NMR(270MHz,C):7.61(2H,d,J=2.6Hz,A
rH),7.28(2H,d,J=2.6Hz,ArH),7.07−6.84(6H,
m,ArH),3.75(6H,s,OCH),1.80(18H,s,C(CH
),1.32(18H,s,C(CH)ppm.
[実施例2]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、テトラベンジルジルコニウム95mg(0.20mmol)、トルエン2mLを仕込み、これに対して合成例1で得られた化合物(1)126mg(0.200mmol)、トルエン2mLで調製した溶液を室温で滴下した。遮光下、室温で5時間攪拌した後、反応溶液を1/3程度濃縮し、ヘキサン6mLを加え、析出物をグラスフィルターによりろ過、回収することで下記式(B)で示される黄色固体(以下ジルコニウム化合物(B)という)を65mg(収率36%)得た。単結晶X線構造解析には、ベンゼン/ヘキサン溶液中、−30℃で得られた薄黄色柱状晶を用いた。
H NMR(270MHz,C):7.85(2H,d,J=2.6Hz,ArH),7.44(2H,d,J=2.6Hz,ArH),7.11(2H,dd,J=7.6,2.0Hz,ArH),6.95−6.61(14H,m,ArH),3.33(2H,d,J=9.6Hz,CH),3.05(2H,d,J=9.6Hz,CH),2.32(6H,s,OCH),1.95(18H,s,C(CH),1.53(18H,s,C(CH)ppm.
単結晶X線構造解析により決定した化合物Bの分子構造は、図1に示した。
[実施例3]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例1で得られた化合物(1)127mg(0.200mmol)、テトラベンジルハフニウム109mg(0.200mmol)、トルエン4mLを仕込み、遮光下、室温で24時間攪拌した。反応溶液を1/3程度濃縮し、ヘキサン10mLを加え、析出物をグラスフィルターによりろ過、回収することで下記式(C)で示されるクリーム色固体(以下ハフニウム化合物(C)という)を73mg(収率37%)得た。単結晶X線構造解析には、ベンゼン/ヘキサン溶液中、室温で得られた無色板状晶を用いた。
H NMR(270MHz,C):7.87(2H,d,J=2.6Hz,ArH),7.45(2H,d,J=2.6Hz,ArH),7.09(2H,dd,J=7.7,1.8Hz,ArH),6.99−6.57(14H,m,ArH),2.92(2H,d,J=10.4Hz,CH),2.77(2H,d,J=10.4Hz,CH),2.36(6H,s,OCH),1.93(18H,s,C(CH),1.53(18H,s,C(CH)ppm.
単結晶X線構造解析により決定した化合物Cの分子構造は、図2に示した。
[実施例4]
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)222mg(0.400mmol)、トルエン4mLとTHF80μLを加え、−78℃でn−ブチルリチウム溶液0.63mL(ヘキサン溶液、1.60M、1.0mmol)を滴下した。これを室温で1時間撹拌することで、アニオン溶液を調製した。次に、充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、四塩化チタン溶液0.4mL(トルエン溶液、1M、0.4mmol)とエーテル8mLを仕込み、これに対して調製したアニオン溶液を−78℃で滴下した。室温で18時間撹拌し、得られた赤色懸濁液を減圧下で濃縮乾固した。得られた残渣に対してグローブボックス中でトルエン10mLを加え、シリンジフィルターでろ過した。ろ液を2mL程度まで濃縮し、ヘキサン10mLを加え、析出物をグラスフィルターによりろ過、回収することで粗生成物を得た。これをトルエン2mLとヘキサン10mLにより精製することで下記式(D)で示される橙色固体(以下チタン化合物(D)という)を94mg(収率35%)得た。
H NMR(270MHz,C):7.84(4H,d,J=7.3Hz、ArH),7.51(2H,dd,J=7.6,1.6Hz,ArH),7.34−7.26(10H,m,ArH),7.14−7.09(2H,m、ArH),7.00−6.95(4H,m、ArH),3.23(6H,s,OCH)ppm
FD−質量分析(M):666
[実施例5]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、テトラベンジルジルコニウム185mg(0.400mmol)、トルエン4mLを仕込み、これに対して合成例4で得られた化合物(4)223mg(0.400mmol)、トルエン4mLで調製した溶液を室温で滴下した。遮光下、室温で20時間攪拌した後、反応溶液を濃縮乾固した。得られた残渣をジクロロメタン4mLに溶解し、ヘキサン15mLを加え、析出物をグラスフィルターによりろ過、回収することで下記式(E)で示される黄緑色固体(以下ジルコニウム化合物(E)という)を221mg(収率66%)得た。
H NMR(270MHz,C):7.92(4H,dd,J=8.2,1.3Hz,ArH),7.55(2H,dd,J=7.4,1.8Hz,ArH),7.37(2H,dd,J=7.6,2.0Hz,ArH),7.25−6.57(24H,m,ArH),2.31(2H,d,J=8.9Hz,CH),2.22(6H,s,OCH)2.12(2H,J=8.9Hz,CH)ppm.
[実施例6]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、テトラベンジルハフニウム220mg(0.400mmol)、トルエン4mLを仕込み、これに対して合成例4で得られた化合物(4)223mg(0.400mmol)、トルエン4mLで調製した溶液を室温で滴下した。遮光下、室温で1晩攪拌した後、反応溶液を半分程度濃縮し、ヘキサン10mLを加え、析出物をグラスフィルターでろ別した。ろ液から析出した固体をグラスフィルターによりろ過、回収することで、下記式(F)で示される灰褐色固体(以下ハフニウム化合物(F)という)を197mg(収率53%)得た。
H NMR(270MHz,C):7.87(4H,dd,J=8.2,1.3Hz、ArH),7.54(2H,dd,J=7.6,1.6Hz,ArH),7.37(2H,dd,J=7.6,2.0Hz,ArH),7.25−6.56(24H,m,ArH),2.25(6H,s,OCH),1.97(2H,d,J=10.1Hz,CH),1,65(2H,d,J=10.1Hz,CH)ppm.
[実施例7]
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例10で得られた化合物(10)0.20g(0.25mmol)、トルエン10mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、テトラベンジルジルコニウム 0.11g(0.25mmol)を含むトルエン溶液7mLに滴下した。滴下終了後、遮光下室温で1時間撹拌した。反応液の溶媒を留去した後、減圧乾燥することにより下記式(G)で示される淡黄色粉末の化合物(以下ジルコニウム化合物(G)という)を0.16g(収率59%)得た。
H NMR(270MHz,C):7.85(4H,d,J=2.0Hz,ArH),7.56(2H,t,J=1.8Hz,ArH),7.42(2H,m,ArH),6.81−7.23(16H,m,ArH),6.51(2H,t,J=7.3Hz,ArH),2.43(2H,d,J=8.6Hz,CH),2.34(6H,s,OCH),2.22(6H,s,ArCH),1.95(2H,d,J=8.6Hz,CH),1.35(36H,s,C(CH)ppm.
[実施例8]
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例16で得られた化合物(16)0.20g(0.25mmol)、トルエン10mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、テトラベンジルジルコニウム 0.11g(0.25mmol)を含むトルエン溶液7mLに滴下した。滴下終了後、遮光下室温で1時間撹拌した。反応液の溶媒を留去した後、ペンタンおよびジクロロメタンの混合溶媒から室温で再結晶化することで、下記式(H)で示される淡黄色粉末の化合物(以下ジルコニウム化合物(H)という)を0.069g(収率26%)得た。
H NMR(270MHz,C):7.29−7.51(8H,m,ArH),7.12(2H,dd,J=7.7,1.8Hz,ArH),6.94(6H,q,J=7.8Hz,ArH),6.87(2H,dd,J=7.3,2.0Hz,ArH),6.63(2H,t,J=7.3Hz,ArH),6.32(4H,d,J=7.2Hz,ArH),3.77(2H,sept,J=6.8Hz,CH(CH),2.94(2H,sept,J=6.8Hz,CH(CH),2.75(2H,sept,J=6.8Hz,CH(CH),2.45(6H,s,OCH),2.34(6H,s,ArCH),2.34(2H,d,J=8.6Hz,CH),1.93(2H,d,J=9.0Hz,CH),1.46(6H,d,J=6.6Hz,CH(CH ),1.29−1.37(24H,m,CH(CH ),1.08(6H,d,J=6.8Hz,CH(CH )ppm.
[実施例9]
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例21で得られた化合物(21)0.325g(0.305mmol)、トルエン5mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、テトラベンジルジルコニウム 0.139g(0.305mmol)を含むトルエン溶液5mLに滴下した。滴下終了後、遮光下室温で1時間撹拌した。反応液の溶媒を留去した後、ペンタンおよびジクロロメタンの混合溶媒から−36℃で再結晶化することで、下記式(I)で示される淡黄色粉末の化合物(以下ジルコニウム化合物(I)という)を0.089g(収率22%)得た。
H NMR(270MHz,C):8.26(2H,d,J=1.6Hz,ArH),8.12(2H,d,J=1.3Hz,ArH),7.66−7.71(6H,m,ArH),7.29−7.42(6H,m,ArH),6.90−7.09(10H,m,ArH),6.67(2H,t,J=7.4Hz,ArH),5.83(4H,d,J=7.3Hz,ArH),2.26(d,2H,J=9.6Hz,CH),2.19(6H,s,OCH),1.47(d,2H,J=9.5Hz,CH),1.36(18H,s,C(CH),1.33(18H,s,C(CH,1.31(18H,s,C(CH)ppm.
[実施例10]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例23で得られた化合物(23)29mg(0.065mmol)、およびベンゼン−dを0.8mL装入し、ここにテトラキス(ジメチルアミノ)チタン15μL(0.065mmol)をマイクロシリンジを用いて室温で添加した。2時間後、得られた茶色懸濁液を濃縮乾固し、下記式(J)で示される茶色固体(以下チタン化合物(J)という)を37mg(収率99%)得た。
H NMR(270MHz C):7.99−6.55(16H,m,ArH),2.87(6H,s,OCH),2.19(6H,s,N(CH),2.16(6H,s,N(CH)ppm.
[実施例11]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例23で得られた化合物(23)103mg(0.232mmol)、およびトルエン1.0mLを装入し、ここにテトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム64.0mg(0.239mmol)をトルエン1mLに溶解した溶液を室温で添加した。室温で17時間撹拌後、得られた無色懸濁液を濃縮乾固し、下記式(K)で示される無色固体(以下ジルコニウム化合物(K)という)を144mg(定量的収率)得た。
H NMR(270MHz C):7.91(2H,dd,J=7.9,1.2Hz,ArH),7.69(2H,dd,J=7.6,1.6Hz,ArH),7.65(2H,dd,J=7.9,1.6Hz,ArH),7.54(2H,dd,J=7.4,1.5Hz,ArH),7.38(2H,t,J=7.6Hz,ArH),7.16(2H,t,J=7.6Hz,ArH),6.80(4H,m,ArH),2.55(6H,s,OCH),1.45(6H,d,J=6.3Hz,N(CH),1.15(6H,d,J=6.3Hz,N(CH)ppm.
[実施例12]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例23で得られた化合物(23)24mg(0.054mmol)、およびベンゼン−dを0.4mL装入し、ここにテトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム19.8mg(0.0558mmol)をベンゼン−d0.4mLに溶解した溶液を室温で添加した。2時間後、得られた茶色懸濁液を濃縮乾固し、下記式(L)で示される無色固体(以下ハフニウム化合物(L)という)を38mg(定量的収率)得た。
H NMR(C):7.93(2H,dd,J=7.7,1.2Hz,ArH),7.71(2H,dd,J=7.4,1.2Hz,ArH),7.67(2H,dd,J=7.9,1.6Hz,ArH),7.57(2H,dd,J=7.3,1.6Hz,ArH),7.39(2H,t,J=7.6Hz,ArH),7.16(2H,t,J=7.6Hz,ArH),6.82(2H,d,J=3.0Hz,ArH),6.65(2H,d,J=3.0Hz,ArH),2.65(6H,s,OCH),1.45(6H,d,J=6.3Hz,N(CH),1.16(6H,d,J=5.9Hz,N(CH)ppm.
[実施例13]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例27で得られた化合物(27)15mg(0.019mmol)、およびベンゼン−d0.7mLを装入し、ここにテトラキス(ジメチルアミノ)チタン4.6μL(0.020mmol)をマイクロシリンジを用いて室温で添加した。2時間後、得られた黄色懸濁液を濃縮乾固し、下記式(M)で示される茶色固体(以下チタン化合物(M)という)を18mg(定量的収率)得た。
H NMR(270MHz,C):8.66−8.50(4H,dd,J=11.0,8.0Hz,ArH),8.61(2H,d,J=8.1Hz,ArH),8.03(2H,s,ArH),7.82−7.05(16H,m,ArH),6.69(2H,d,J=2.9Hz,ArH),2.93(18H,brs,OCH,N(CH)ppm.
[実施例14]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例27で得られた化合物(27)300mg(0.376mmol)、およびトルエン10mLを装入し、ここにテトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム0.106g(0.395mmol)をトルエン10mLに溶解した溶液を室温で添加した。室温で17時間撹拌後、得られた無色懸濁液を濃縮乾固し、下記式(N)で示される無色固体(以下ジルコニウム化合物(N)という)を367mg(定量的収率)得た。
H NMR(270MHz,THF−d):8.87−8.75(4H,m,ArH),8.09−6.92(26H,m,ArH),6.35−6.02(2H,m,ArH),2.59(6H,s,OCH),2.45−2.10(6H,m,N(CH)ppm.
[実施例15]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例27で得られた化合物(27)15mg(0.019mmol)、およびベンゼン−d0.3mLを装入し、ここにテトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム7.0mg(0.020mmol)をベンゼン−d0.4mLに溶解した溶液を室温で添加した。2時間後、得られた無色溶液を濃縮乾固し、下記式(O)で示される無色固体(以下ハフニウム化合物(O)という)を20mg(定量的収率)得た。
H NMR(270MHz,C):8.66−8.55(4H,dd,J=16.0,8.0Hz,ArH),8.42−7.90(4H,m,ArH),7.75−7.10(22H,m,ArH),6.80−6.68(2H,m,ArH),2.91(18H,brs,OCH,N(CH)ppm.
[実施例16]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例30で得られた化合物(30)10mg(0.012mmol)、およびベンゼン−d0.7mLを装入し、ここにテトラキス(ジメチルアミノ)チタン2.8μL(0.012mmol)をマイクロシリンジを用いて室温で添加した。3時間後、得られた黄色懸濁液を濃縮乾固し、下記式(P)で示される茶色固体(以下チタン化合物(P)という)を12mg(定量的収率)得た。
H NMR(270MHz,C):8.40−8.26(2H,m,ArH),8.05−7.80(4H,m,ArH),7.70−6.80(14H,m,ArH),2.92(6H,s,OCH),2.20(6H,s,N(CH),2.18(6H,s,N(CH),1.44(36H,s,C(CH)ppm.
[実施例17]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例30で得られた化合物(30)10mg(0.012mmol)、およびベンゼン−d0.3mLを装入し、ここにテトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム4.2mg(0.016mmol)をベンゼン−d0.4mLに溶解した溶液を室温で添加した。3時間後、得られた黄色溶液を濃縮乾固し、下記式(Q)で示される黄色固体(以下ジルコニウム化合物(Q)という)を12mg(収率99%)得た。
H NMR(270MHz,C):8.80−6.80(20H,m,ArH),2.53(6H,s,OCH),2.17(6H,s,N(CH),2.15(6H,s,N(CH),1.44(36H,brs,C(CH)ppm.
[実施例18]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例32で得られた化合物(32)400mg(0.520mmol)、およびキシレン10mLを装入し、ここにテトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム0.153g(0.572mmol)をキシレン10mLに溶解した溶液を室温で添加した。135℃で50分加熱後、得られた溶液を濃縮乾固し、シクロヘキサンで再結晶することによって、下記式(R)で示される無色固体(以下ジルコニウム化合物(R)という)を51mg(収率10%)得た。
H NMR(270MHz,C):8.40(2H,d,J=2.0Hz、ArH),8.26(1H,d,J=2.0Hz,Ar−H),8.22(1H,s,ArH),7.78(1H,d,J=2.0Hz、ArH),7.71(1H,dd,J=7.3,2.0Hz、ArH),7.45−7.25(5H,m、ArH),7.25−7.15(2H,m,ArH),2.79(6H,s,OCH),2.45(12H,s,N(CH),1.50(9H,s,C(CH),1.49(9H,s,C(CH),1.484(9H,s,C(CH),1.478(9H,s,C(CH).
[実施例19]
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例36で得られた化合物(36)56.1mg(0.100mmol)にトルエン4mLとテトラヒドロフラン16μLを加え、氷冷下、n−ブチルリチウム溶液0.12mL(ヘキサン溶液、1.64M、0.20mmol)を滴下した。室温まで昇温した後、オイルバス中60℃で1時間撹拌した。得られた黄色懸濁液を−78℃に冷却し、四塩化ジルコニウム29.2mg(0.130mmol)を加え、室温まで昇温しながら24時間撹拌した。得られた懸濁液をトルエン6mLで洗浄しながらセライトでろ過し、ろ液を1mL程度まで減圧濃縮後、ヘキサン10mLを加えた。析出物をグラスフィルターでろ過、回収することで、下記式(S)で示される黄色固体(以下ジルコニウム化合物(S)という)を25.8mg(収率36%)得た。
H NMR(270MHz,C):8.23(2H,d,J=3.3Hz、ArH),7.76−7.71(4H,m,ArH),7.46(2H,dd,J=7.4,1.8Hz,ArH),7.24(2H,t,J=7.6Hz,ArH),7.00(2H,t,J=7.6Hz,ArH),6.89(2H,dd,J=7.3,1.6Hz,ArH),6.54(2H,d,J=3.3Hz,ArH),3.24(6H,s,OCH),0.95(6H,s,SiCH),0.65(6H,s,SiCH)ppm.
[実施例20]
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例36で得られた化合物(36)112mg(0.200mmol)にトルエン8mLとテトラヒドロフラン34μLを加え、氷冷下、n−ブチルリチウム溶液0.27mL(ヘキサン溶液、1.58M、0.42mmol)を滴下した。室温まで昇温した後、オイルバス中60℃で1時間撹拌した。これを減圧下で濃縮乾固し、薄黄色固体を得た。得られた薄黄色固体をトルエン2.5mLに懸濁し、これに四塩化ハフニウム71mg(0.22mmol)とトルエン2.5mLで調製した懸濁液を加えた。室温で24時間撹拌し、反応液をシリンジフィルターでろ過した。ろ液を1mL程度まで減圧濃縮し、ヘキサン20mLを加えた。析出物をグラスフィルターでろ過、回収することで、下記式(T)で示されるクリーム色固体(以下ハフニウム化合物(T)という)を113mg(収率70%)得た。
H NMR(270MHz,C):8.07(2H,d,J=3.6Hz、ArH),7.80−7.75(4H,m,ArH),7.46(2H,dd,J=7.6,1.6Hz,ArH),7.25(2H,t,J=7.4Hz,ArH),7.00(2H,t,J=7.6Hz,ArH),6.88(2H,dd,J=7.6,1.6Hz,ArH),6.59(2H,d,J=3.3Hz,ArH),3.30(6H,s,OCH),0.93(6H,s,SiCH),0.65(6H,s,SiCH)ppm.
[実施例21]
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例39で得られた化合物(39)179mg(0.200mmol)にトルエン8mLとテトラヒドロフラン36μLを加え、‐78℃に冷却した。これにn−ブチルリチウム溶液0.28mL(ヘキサン溶液、1.58M、0.44mmol)を滴下し、室温まで昇温した後、オイルバス中60℃で3時間撹拌した。これを減圧下で濃縮乾固し、薄黄色固体を得た。得られた薄黄色固体をジクロロメタン4mLに溶解し、これに四塩化ジルコニウム47mg(0.20mmol)とジクロロメタン4mLで調製した懸濁液を加えた。室温で24時間撹拌し、反応液をシリンジフィルターでろ過した。ろ液を1mL程度まで減圧濃縮し、ヘキサン20mLを加え、再び減圧濃縮した。得られた析出物をグラスフィルターでろ過、回収することで、下記式(U)で示される黄色固体(以下ジルコニウム化合物(U)という)を45mg(収率21%)得た。
H NMR(270MHz,C):8.41(2H,d,J=2.0Hz、ArH),8.26(2H,d,J=2.3Hz,ArH),8.17(2H,d,J=1.6Hz,ArH),7.85(2H,d,J=8.9Hz,ArH),7.57(2H,dd,J=7.3,2.0Hz,ArH),7.12−7.00(4H,m,ArH),6.68(2H,dd,J=8.9,2.3Hz,ArH),3.37(6H,s,OCH),1.50(18H,s,C(CH),1.18(6H,s,SiCH),1.16(18H,s,C(CH),0.74(6H,s,SiCH)ppm.
[実施例22]
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に合成例41で得られた化合物(41)155mg(0.220mmol)を装入し、トルエン10mLとテトラヒドロフラン38μL(0.47mmol)を加えた後、−78℃でn−ブチルリチウム0.29mL(1.6Mヘキサン溶液、0.46mmol)を添加した。室温まで昇温し、さらに60℃で80分加熱し、アニオン溶液を調製した。充分に窒素置換した30mLの反応器に四塩化ジルコニウム51mg(0.22mmol)を装入し、トルエン2mLに懸濁させ−78℃に冷却した。これに対してアニオン溶液をゆっくりと滴下し、その後、室温まで昇温した。終夜攪拌の後に、グラスフィルターで不溶物を除き、ろ液を減圧下で濃縮して無色固体を得た。下記式(V)で示される黄色固体(以下ジルコニウム化合物(V)という)を180mg(収率99%)得た。
H NMR(270MHz,C):7.61−6.78(22H,m,ArH),2.60(6H,s,OCH),0.78(6H,s,SiCH),0.74(6H,s,SiCH)ppm.
[実施例23]
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)222mg(0.400mmol)、トルエン4mLとTHF80μLを加え、−78℃でn−ブチルリチウム溶液0.63mL(ヘキサン溶液、1.60M、1.0mmol)を滴下した。これを室温で1時間撹拌することで、アニオン溶液を調製した。次に、充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、塩化クロム(III)テトラヒドロフラン錯体150mg(0.400mmol)とTHF4mLを仕込み、これに対して調製したアニオン溶液を−78℃で滴下した。室温で17時間撹拌し、得られた茶色懸濁液を減圧下で濃縮乾固した。得られた残渣に対してグローブボックス中でジクロロメタン10mLを加え、シリンジフィルターでろ過した。ろ液を1mL程度まで濃縮し、ヘキサン10mLを加え、析出物をグラスフィルターによりろ過、回収することで下記式(W)で示される橙色固体(以下クロム化合物(W)という)を230mg(収率90%)得た。
FD−質量分析(M):635
[実施例24]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例45で得られた化合物(45)5.7mg(9.4μmol)、およびベンゼン−d0.3mLを装入し、ここにテトラベンジルジルコニウム5.2mg(11.5μmol)をベンゼン−d 0.4mLに溶解した溶液を室温で添加した。遮光下、5時間室温で反応後、下記式(X)で示される化合物(以下ジルコニウム化合物(X)という)のベンゼン−d溶液を得た。
H NMR(270MHz,C):7.85−6.60(20H,m,ArH
),5.71(2H,d,J=7.6Hz,ArH),3.80(2H,m,CH),1.96(2H,d,J=6.9Hz,CH),1.75(2H,d,J=6.9Hz,CH),0.79(6H,dd,J=17.0,6.1Hz,CH),0.13(6H,dd,J=9.9,5.9Hz,CH)ppm.
[実施例25]
グローブボックス中、充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、テトラベンジルジルコニウム114mg(0.250mmol)、トルエン2.5mLを仕込み、これに対して合成例49で得られた化合物(49)222mg(0.250mmol)、トルエン2.5mLで調製した溶液を室温で滴下した。遮光下、室温で5時間攪拌した後、0.45μmのシリンジフィルターでろ過し、ろ液を濃縮乾固することで下記式(Y)で示される黄色固体(以下ジルコニウム化合物(Y)という)を204mg(収率70%)得た。
H NMR(270MHz,C):7.94−7.28(12H,m,ArH),7.22−6.84(8H,m,ArH),6.36(4H,br,ArH),4.28−4.16(2H,m,OCH),2.29−2.21(16H,s,CHPh,ArOCH),1.38(36H,s,C(CH),1.10−0.82(12H,br,CH(CH )ppm.
[実施例26]
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で0.625mmol、引き続き、実施例4で得られたチタン化合物(D)を0.5μmol加え重合を開始した。
エチレンを100リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、25℃で5分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、少量の塩酸を含む100mLの水を加えて激しく振とうし、静置した後に水層を取り除いた。この操作を合計3回繰り返した後、溶媒を減圧下で留去し、さらに80℃にて10時間減圧乾燥した。
得られたポリエチレンは、1.34gであった。重合活性は32.1×10kg/mol−Ti・hrであり、Mw15000、Mw/Mn=1.71、末端ビニル化率は85mol%であった。結果を表1に示す。
[実施例27〜33]
表1に示す化合物を用いて、表1に示すように重合条件を変えた以外は、実施例26と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表1に示す。
[実施例34]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例5で得られたジルコニウム化合物(E)を0.05μmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.0006mmol加え重合を開始した。
エチレンを100リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、25℃で5分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、少量の塩酸を含む100mLの水を加えて激しく振とうし、静置した後に水層を取り除いた。この操作を合計3回繰り返した後、溶媒を減圧下で留去し、さらに80℃にて10時間減圧乾燥した。
得られたポリエチレンは、1.11gであった。重合活性は266×10kg/mol−Zr・hrであり、Mw181、Mw/Mn=1.69、末端ビニル化率は99mol%であった。結果を表1に示す。
[実施例35〜40]
表1に示す化合物を用いて、表1に示すように重合条件を変えた以外は、実施例34と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表1に示す。
[実施例41]
10mLのガラス製バイアルを装着したスクリーニング装置にトルエン(反応溶液全量が5mLとなるように設定する)を挿入し、温度を75℃、エチレン圧力を8kg/cm−Gに設定した。メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.5mmol、引き続き、実施例10で得られたチタン化合物(J)1.5μmolに対して、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)0.075mmolを加えて調製した触媒溶液を挿入し、重合を開始した。圧力セル中のエチレン圧力と温度設定を重合中コンピュータ制御で維持した。20分間の重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、反応物に少量の塩酸を含む20mLのメタノールを加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたポリエチレンは0.101gであった。重合活性は202kg/mol−Ti・hrであった。結果を表2に示す。
[実施例42〜44]
表2に示す化合物を用いて、表2に示すように重合条件を変えた以外は、実施例41と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表2に示す。
[実施例45]
10mLのガラス製バイアルを装着したスクリーニング装置にトルエン(反応溶液全量が5mLとなるように設定する)を挿入し、温度を75℃、エチレン圧力を8kg/cm−Gに設定した。トリイソブチルアルミニウム(TIBA)をアルミニウム原子換算で0.15mmol、引き続き、実施例10で得られたチタン化合物(J)1.5μmolに対して、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)0.075mmolを加えて調製した触媒溶液を挿入し、さらにトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。圧力セル中のエチレン圧力と温度設定を重合中コンピュータ制御で維持した。20分間の重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、反応物に少量の塩酸を含む20mLのメタノールを加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたポリエチレンは0.195gであった。重合活性は390kg/mol−Ti・hrであった。結果を表2に示す。
[実施例46〜48]
表2に示す化合物を用いて、表2に示すように重合条件を変えた以外は、実施例45と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表2に示す。
[実施例49]
10mLのガラス製バイアルを装着したスクリーニング装置にトルエン(反応溶液全量が5mLとなるように設定する)を挿入し、温度を100℃、エチレン圧力を8kg/cm−Gに設定した。メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で0.15mmol、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)をアルミニウム原子換算で0.015mmol、引き続き、実施例13で得られたチタン化合物(M)を1.5μmol挿入し、重合を開始した。圧力セル中のエチレン圧力と温度設定を重合中コンピュータ制御で維持した。20分間の重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、反応物に少量の塩酸を含む20mLのメタノールを加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたポリエチレンは0.521gであった。重合活性は1,042kg/mol−Ti・hrであり、Mv306,000であった。結果を表2に示す。
[実施例50]
表2に示す化合物を用いて、表2に示すように重合条件を変えた以外は、実施例49と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表2に示す。
[実施例51]
10mLのガラス製バイアルを装着したスクリーニング装置にトルエン(反応溶液全量が5mLとなるように設定する)を挿入し、温度を75℃、エチレン圧力を8kg/cm−Gに設定した。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で3.00mmol、引き続き、実施例18で得られたジルコニウム化合物(R)を1.5μmol加え重合を開始した。圧力セル中のエチレン圧力と温度設定を重合中コンピュータ制御で維持した。20分間の重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、反応物に少量の塩酸を含む20mLのメタノールを加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたポリエチレンは0.334gであった。重合活性は669kg/mol−Zr・hrであり、Mv100,000であった。結果を表2に示す。
[実施例52〜53]
表2に示す化合物を用いて、表2に示すように重合条件を変えた以外は、実施例51と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表2に示す。
[実施例54]
10mLのガラス製バイアルを装着したスクリーニング装置にトルエン(反応溶液全量が5mLとなるように設定する)を挿入し、温度を75℃、エチレン圧力を8kg/cm−Gに設定した。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.015mmol、引き続き、実施例13で得られたチタン化合物(M)を1.5μmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。圧力セル中のエチレン圧力と温度設定を重合中コンピュータ制御で維持した。20分間の重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、反応物に少量の塩酸を含む20mLのメタノールを加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたポリエチレンは0.151gであった。重合活性は303kg/mol−Ti・hrであり、Mv1,785,000であった。結果を表2に示す。
[実施例55〜59]
表2に示す化合物を用いて、表2に示すように重合条件を変えた以外は、実施例54と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表2に示す。
[実施例60]
10mLのガラス製バイアルを装着したスクリーニング装置にトルエン(反応溶液全量が5mLとなるように設定する)を挿入し、温度を75℃、エチレン圧力を4kg/cm−G、プロピレン圧力を4kg/cm−Gに設定した。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.125mmol、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)をアルミニウム原子換算で0.015mmol、引き続き、実施例18で得られたジルコニウム化合物(R)を1.5μmol加え重合を開始した。圧力セル中の圧力と温度設定を重合中コンピュータ制御で維持した。20分間の重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、反応物に少量の塩酸を含む20mLのメタノールを加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたエチレン・プロピレン共重合体は0.083gであった。重合活性は167kg/mol−Zr・hrであり、Mv87,400、IRにより測定したプロピレン含量は5.1mol%であった。結果を表3に示す。
[実施例61]
10mLのガラス製バイアルを装着したスクリーニング装置にトルエン(反応溶液全量が5mLとなるように設定する)を挿入し、温度を75℃、エチレン圧力を4kg/cm−G、プロピレン圧力を4kg/cm−Gに設定した。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.015mmol、引き続き、実施例18で得られたジルコニウム化合物(R)を1.5μmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。圧力セル中の圧力と温度設定を重合中コンピュータ制御で維持した。20分間の重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、反応物に少量の塩酸を含む20mLのメタノールを加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたエチレン・プロピレン共重合体は0.174gであった。重合活性は347kg/mol−Zr・hrであり、Mv207,000、IRにより測定したプロピレン含量は16.8mol%であった。結果を表3に示す。
[実施例62〜63]
表3に示す化合物を用いて、表3に示すように重合条件を変えた以外は、実施例61と同様にしてエチレン・プロピレン共重合を行った。結果を表3に示す。
[実施例64]
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入し、エチレン100リットル/hrおよびプロピレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、実施例24で得られたジルコニウム化合物(X)を0.05μmol加え重合を開始した。
エチレン100リットル/hr、プロピレン100リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、少量の塩酸を含む100mLの水を加えて激しく振とうし、静置した後に水層を取り除いた。この操作を合計3回繰り返した後、溶媒を減圧下で留去し、さらに80℃にて10時間減圧乾燥した。
得られたエチレン・プロピレン共重合体は、0.209gであった。重合活性は25.0×10kg/mol−Zr・hrであり、Mw97800、Mw/Mn=1.96、Tm133℃であった。
[実施例65]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hrおよびプロピレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例24で得られたジルコニウム化合物(X)を0.05μmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
エチレン100リットル/hr、プロピレン100リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、少量の塩酸を含む100mLの水を加えて激しく振とうし、静置した後に水層を取り除いた。この操作を合計3回繰り返した後、溶媒を減圧下で留去し、さらに80℃にて10時間減圧乾燥した。
得られたエチレン・プロピレン共重合体は、0.234gであった。重合活性は28.0×10kg/mol−Zr・hrであり、Mw102,000、Mw/Mn=1.95、Tm134℃であった。
[実施例66]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、プロピレンを100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例24で得られたジルコニウム化合物(X)を0.5μmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
プロピレンを100リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、25℃で5分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、少量の塩酸を含む100mLの水を加えて激しく振とうし、静置した後に水層を取り除いた。この操作を合計3回繰り返した後、溶媒を減圧下で留去し、さらに80℃にて10時間減圧乾燥した。
得られたポリプロピレンは、6mgであった。重合活性は156kg/mol−Zr・hrであり、Tm118℃であった。
[実施例67]
充分に窒素置換した内容積100mLのオートクレーブにメチルアルミノキサン(MAO)のトルエン溶液29mL(アルミニウム原子換算で0.37mmol相当)と実施例5で得られたジルコニウム化合物Eを0.3μmol加え、エチレン(0.8MPa−G)で加圧して反応を開始した。同圧力でエチレンを供給しながら25−94℃で20分間反応させた後、少量のイソプロパノールを添加することにより反応を停止した。反応終了後、0.1規定塩酸水および純水で反応液を洗浄し、減圧下に液体窒素トラップを用いて低沸点成分(炭素原子数10以下)を高沸点成分から分離した。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、低沸点成分中の1−ブテンは0.61g、1‐ヘキセンは0.80g、1−オクテンは0.74g、1−デセンは0.62gであり、低沸点成分の総量は2.8g、高沸点成分は8.5gであった。これらの生成物量合計から算出した触媒活性は113×10kg−生成物/mol−Zr・hであった。
本発明にかかる新規な遷移金属化合物を含むオレフィン重合用触媒を使用すれば、低分子量領域のオリゴマーから、高分子量領域のポリマーまで高い生産性で合成することができ、さらにある種の配位子構造の変換により、高い末端ビニル化率を付与することができ、共重合も進行する優れた触媒である。当該触媒は末端変性ポリマーやその他高機能性ポリマーの合成などに役立つ優れたオレフィン重合用触媒であるため、本発明は工業的に極めて高い価値がある。

Claims (9)

  1. 下記一般式(I)で表される遷移金属化合物(A)。
    (一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族の遷移金属原子を示し、
    、Cは炭素原子を示す。
    、Dは、置換基Rを1つ有する酸素原子(ORで表される構造)、置換基Rを1つ有する硫黄原子(SRで表される構造)、置換基Rを2つ有する窒素原子(N(Rで表される構造)、または、置換基Rを2つ有するリン原子(P(Rで表される構造)を示し、D、Dは互いに同一でも異なっていてもよい。
    、Lは酸素原子、硫黄原子、置換基Rを有する窒素原子(NRで表される構造)、または、置換基Rを有するリン原子(PRで表される構造)を示し、L、Lは互いに同一でも異なっていてもよい。
    、EはそれぞれCとL、CとLを結ぶ炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を少なくとも1つ含む連結基を示し、E,Eは互いに同一でも異なっていてもよく、さらに下記R〜Rに記載の置換基を有していてもよい。
    〜Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、その環はさらに上記置換基を有していてもよい。ただし、R は炭化水素基である。
    nは、Mの原子価を示す。
    Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
  2. 前記一般式(I)において、C−E−LおよびC−E−Lが下記一般式(II)で表される構造を形成する請求項1に記載の遷移金属化合物(A)。
    (一般式(II)において、
    、Qは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を示す。
    y、zはそれぞれQ,Qの数を示し、0もしくは1〜5の整数を示す。y、zが0の場合、C,Cとベンゼン環が直接結合する態様を示す。y、zが2〜5の整数の場合、複数存在するQ,Qは隣接するもの同士、互いに結合して単結合、若しくは二重結合を形成する。なお、二重結合を形成する場合、当該二重結合を形成するQ若しくはQにはA、Aの置換基は存在しないものとする。
    〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、その環はさらに上記置換基を有していてもよい。
    〜Aは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、その環はさらに上記置換基を有していてもよい。)
  3. 前記R〜Rが水素原子または炭化水素基から選ばれる請求項1または2に記載の遷移金属化合物(A)。
  4. 前記R〜R16、A〜Aが水素原子または炭化水素基から選ばれる請求項2または3に記載の遷移金属化合物(A)。
  5. 前記Mが周期律表第4族の遷移金属原子であり、nが4である請求項1〜のいずれか1項に記載の遷移金属化合物(A)。
  6. 前記y、zが0または1である請求項2〜のいずれか1項に記載の遷移金属化合物(A)。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の遷移金属化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒。
  8. 前記遷移金属化合物(A)に加えて、
    (B)(B−1)有機金属化合物、
    (B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および、
    (B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、
    から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    を含む、請求項に記載のオレフィン重合用触媒。
  9. 請求項またはに記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを単独重合または共重合させる、オレフィン系重合体の製造方法。
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