JP2015182992A - 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒、および、オレフィン系重合体の製造方法 - Google Patents

遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒、および、オレフィン系重合体の製造方法 Download PDF

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聖一 石井
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憲司 道上
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直樹 上原
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雅貴 近藤
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健一 田中
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Abstract

【課題】新規な遷移金属化合物、オレフィンの重合活性に優れる該遷移金属化合物を含有する多座型オレフィン重合用触媒及び該触媒の存在下で行うオレフィン重合体の製造方法を提供すること。【解決手段】一般式(I)で表される遷移金属化合物、また、該遷移金属化合物を含有するオレフィン重合用触媒。さらに、該触媒の存在下でオレフィンを重合することにより行われるオレフィン重合体の製造方法。(Mは周期表第4〜6族の遷移金属原子;R1〜R13はH等;Xはハロゲン原子等;YはO等を含む2価の結合基;nはMの原子価)【選択図】なし

Description

本発明は遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィン系重合体の製造方法に関する。
従来からエチレン重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体などのオレフィン重合体を製造するための触媒として、チタン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒、およびバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒が知られている。
また、高い重合活性でオレフィン重合体を製造することのできる触媒としてジルコノセンなどのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)とからなるメタロセン系触媒が知られている。
近年、次世代のオレフィン重合用触媒として様々なポストメタロセン触媒が報告されている(例えばChemical Reviews 2003, 103, 283−315.)。オレフィン重合用触媒の技術分野において、高活性かつ高機能なポストメタロセン触媒を研究し提供することは、非常に重要である。なかでも、多座型の配位子を持つポストメタロセン触媒は、その安定性や機能性において魅力的ではあるが、工業的な意味で真に高活性な触媒はあまり知られておらず、その開発が強く望まれている。
一方、本出願人はフェノキシイミン配位子を有する遷移金属化合物が、配位子骨格や置換基の変換によって、オレフィン重合用触媒の高活性化や、それによって得られるオレフィン重合体に様々な機能や特長を付与できることを既に見出している(例えばChemical Reviews 2011, 111, 2363−2449.)。
Chemical Reviews 2003, 103, 283−315. Chemical Reviews 2011, 111, 2363−2449.
前述のとおり、多座型のポストメタロセン触媒は、工業的な意味で真に高活性な触媒はあまり知られていない。また多座型の触媒であることを生かした、特にオレフィン重合体の高機能化に役立つような性能を引き出すことも必要である。
本発明が解決しようとする課題は、オレフィン重合体の高機能化に役立つような性能を引き出すことを可能とするオレフィン重合用触媒に用いられる新規な遷移金属化合物、該遷移金属化合物を含有するオレフィン重合用触媒および該触媒の存在下で行うオレフィン重合体の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討をした結果、多座型の配位子であり、配位子にフェノキシイミン骨格とフェノキシエーテル骨格を有する特定の遷移金属化合物を含有するオレフィン重合用触媒が、優れたオレフィン重合活性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]に関する。
[1](A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物。
Figure 2015182992
(上記一般式(I)において、Mは周期律表第4〜6族の遷移金属原子を示す。
〜R13は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、
〜RおよびR〜R13のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
nは、Mの原子価を示す。
Xは、Mに結合しており、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
Yは、酸素、硫黄、炭素、リン、ケイ素、セレン、スズおよびホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む2価の結合基を示し、炭化水素基である場合には炭素原子2個以上からなる基である。)
[2]前記Mが周期律表第4族の遷移金属原子であり、nが4である[1]に記載の遷移金属化合物(A)。
[3][1]または[2]に記載の遷移金属化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒。
[4]前記遷移金属化合物(A)に加えて、
(B)(B−1)有機金属化合物、
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および、
(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物、
を含む、[3]に記載のオレフィン重合用触媒。
[5][3]または[4]に記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを単独重合または共重合させる、オレフィン系重合体の製造方法。
なお、本発明において「重合」という語は、「単独重合」と「共重合」とを包含した意味で用いる。また、「重合体」という語は、「単独重合体」と「共重合体」とを包含した意味で用いる。
本発明の遷移金属化合物は、電子授受能力に優れるフェノキシイミン構造と化学的に安定かつ柔軟な構造を持つフェノキシエーテル構造を併せ持つことから、該遷移金属化合物をオレフィン重合用触媒として用いることにより、高いオレフィン重合活性を示す。
以下、本発明にかかる遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法についてさらに詳細に説明する。
<遷移金属化合物(A)>
本発明の遷移金属化合物(A)は、下記一般式(1)で表わされる。
Figure 2015182992
上記一般式(I)において、Mは周期律表第4〜6族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、ニオブ原子、タンタル原子、クロム原子、モリブデン原子、タングステン原子である。好ましくはMは、周期律表第4族の金属原子であり、具体的にはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子である。
上記一般式(I)において、R〜R13は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、R〜RおよびR〜R13のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;
エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;
シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基などの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
トリル基、iso−プロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基などのアルキル置換アリール基;などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、そのような水素原子がハロゲンで置換された炭化水素基として、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、そのような炭化水素基で置換された炭化水素基として、例えば、ベンジル基、クミル基などのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;
アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;
アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;
ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;
メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;
ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基;
ケイ素含有基;ゲルマニウム含有基;またはスズ含有基を有していてもよい。
前記ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
前記ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基などが挙げられ、より具体的には、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などが挙げられる。これらの中では、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基などが好ましく、特にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基が好ましい。前記炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシ基などが挙げられる。
前記ゲルマニウム含有基または前記スズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムまたはスズに置換した基が挙げられる。
上記炭化水素基が有していてもよい基として挙げた基のうち、
アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられ、
アリーロキシ基として具体的には、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基などが挙げられ、
エステル基として具体的には、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基などが挙げられ、
アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基などが挙げられ、
アミノ基として具体的には、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられ、
イミノ基として具体的には、メチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、ブチルイミノ基、フェニルイミノ基などが挙げられ、
アミド基として具体的には、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基などが挙げられ、
イミド基として具体的には、アセトイミド基、ベンズイミド基などが挙げられ、
チオエステル基として具体的には、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基、メチルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基などが挙げられ、
アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられ、
アリールチオ基として具体的には、フェニルチオ基、メチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられ、
スルホンエステル基として具体的には、スルホン酸メチル基、スルホン酸エチル基、スルホン酸フェニル基などが挙げられ、
スルホンアミド基として具体的には、フェニルスルホンアミド基、N−メチルスルホンアミド基、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド基などが挙げられる。
上記炭化水素基としては、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基もしくはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基が好ましい。
〜R13は、前述のようにヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基になり得るが、これらの例としては、上記炭化水素基の説明にて例示したものと同様のものが挙げられる。
上記一般式(I)のR〜RおよびR〜R13のうちの2個以上の基は、たがいに連結して環を形成してもよい。より具体的には、R〜RおよびR〜R13のうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基は、互いに連結して脂肪族環、芳香環または、窒素原子などのヘテロ原子を含むヘテロ環などの環を形成してもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。

上記一般式(I)において、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記炭化水素基としては、上記R〜R13の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、アイコシル基などのアルキル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基;
ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;
ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基;
フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのアリール基などが挙げられる。
ただし、前記炭化水素基はこれらに限定されるものではない。また、これらの炭化水素基には、ハロゲン化炭化水素基、具体的には炭素原子数1〜20の炭化水素基の少なくとも一つの水素がハロゲンに置換した基も含まれる。これらのうち、ハロゲン化炭化水素基としては、炭素原子数が1〜10のハロゲン化炭化水素基が好ましい。
前記酸素含有基としては、ヒドロキシ基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコシキ基;
フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基などのアリーロキシ基;
フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基などのアリールアルコキシ基;
アセトキシ基;
カルボニル基などが挙げられる。ただし、前記酸素含有基はこれらに限定されるものではない。
前記イオウ含有基としては、上記R〜R13の説明で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、メチルスルフォネート基、トリフルオロメタンスルフォネート基、フェニルスルフォネート基、ベンジルスルフォネート基、p−トルエンスルフォネート基、トリメチルベンゼンスルフォネート基、トリイソブチルベンゼンスルフォネート基、p−クロルベンゼンスルフォネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート基などのスルフォネート基;
メチルスルフィネート基、フェニルスルフィネート基、ベンジルスルフィネート基、p−トルエンスルフィネート基、トリメチルベンゼンスルフィネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート基などのスルフィネート基;
アルキルチオ基;
アリールチオ基などが挙げられる。ただし、前記イオウ含有基はこれらに限定されるものではない。
前記窒素含有基として具体的には、上記R〜R13の説明で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、アミノ基;
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基などのアルキルアミノ基;
フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。ただし、前記窒素含有基はこれらに限定されるものではない。
前記ホウ素含有基として具体的には、BR(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基またはハロゲン原子等を示す)が挙げられる。
前記アルミニウム含有基として具体的には、AlR(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基またはハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記リン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン基、トリブチルホスフィン基、トリシクロヘキシルホスフィン基などのトリアルキルホスフィン基;
トリフェニルホスフィン基、トリトリルホスフィン基などのトリアリールホスフィン基;
メチルホスファイト基、エチルホスファイト基、フェニルホスファイト基などのホスファイト基(ホスフィド基);
ホスホン酸基;
ホスフィン酸基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ハロゲン含有基として具体的には、PF、BFなどのフッ素含有基、ClO、SbClなどの塩素含有基、IOなどのヨウ素含有基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ヘテロ環式化合物残基としては、上記R〜R13の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
前記ケイ素含有基として具体的には、上記R〜R13の説明で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、フェニルシリル基、ジフェニルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基などの炭化水素置換シリル基;
トリメチルシリルエーテル基などの炭化水素置換シリルエーテル基;
トリメチルシリルメチル基などのケイ素置換アルキル基;
トリメチルシリルフェニル基などのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
前記ゲルマニウム含有基として具体的には、上記R〜R13の説明で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基が挙げられる。
前記スズ含有基として具体的には、上記R〜R13の説明で例示したものと同様のものが挙げられ、より具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基が挙げられる。
上記一般式(I)においてnは、Mの原子価を示し、具体的には価数を満たす数であり、通常は3〜7の整数、好ましくは4〜6の整数、より好ましくは4または5であり、特に好ましくは4である。nが4以上の場合には、複数存在するXは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。また複数存在するXで示される基は、互いに結合して環を形成してもよい。
Yは、酸素、硫黄、炭素、リン、ケイ素、セレン、スズおよびホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む2価の結合基を示し、炭化水素基である場合には炭素原子2個以上からなる基である。これらの結合基は、好ましくは主鎖が原子2個以上10個以下、より好ましくは2個以上6個以下、特に好ましくは2個以上4個以下で構成された構造を有する。なお、これらの結合基は置換基を有していてもよい。
2価の結合基Yとして具体的には、−O−、−S−、−Se−などのカルコゲン原子;−NH−、−N(CH)−、−PH−、−P(CH)−などの窒素またはリン原子含有基;−SiH−、−Si(CH−などのケイ素原子含有基;−SnH−、−Sn(CH−などのスズ原子含有基;−BH−、−B(CH)−、−BF−などのホウ素原子含有基などが挙げられる。炭化水素基としては、−(CH−、−(CH−、−(CH−などの炭素原子数が2〜20の飽和炭化水素基、シクロヘキシリデン基、シクロヘキシレン基などの環状飽和炭化水素基、これらの飽和炭化水素基の一部が1〜10個の炭化水素基、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン、酸素、硫黄、窒素、リン、ケイ素、セレン、スズ、ホウ素などのヘテロ原子で置換された基、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどの炭素原子数が6〜20の環状炭化水素の残基、ピリジン、キノン、チオフェン、フランなどのヘテロ原子を含む炭素原子数が3〜20の環状化合物の残基などが挙げられる。これらのうち、炭化水素基が好ましく、飽和炭化水素基がより好ましい。
以下に、上記一般式(I)で表される遷移金属化合物(A)の具体的な例を示すが、遷移金属化合物(A)はこれらに限定されるものではない。
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なお、上記例示中、iPrはイソプロピル基を、tBuはターシャルブチル基を、Phはフェニル基を、Adはアダマンチル基を示す。また上記例示において、ジルコニウムをチタンまたはハフニウムに置き換えた遷移金属化合物も、遷移金属化合物(A)の好ましい例として挙げることができる。
このような遷移金属化合物(A)の製造方法は、特に限定されることなく、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、遷移金属化合物(A)を構成する配位子は、サリチルアルデヒド類から誘導されるハロゲン化合物と2、2’−ビフェノール類との置換反応により得られる。
サリチルアルデヒド類から誘導されるハロゲン化合物は、サリチルアルデヒド類とハロゲンを含有する第1級アミン類化合物またはハロゲンを含有する第1級アミンハロゲン化水素酸塩類との脱水反応より合成できる。具体的には、サリチルアルデヒド類、ハロゲンを含有する第1級アミン類化合物またはハロゲンを含有する第1級アミンハロゲン化水素酸塩類に溶媒を加える。これらは溶媒に溶解していても良いし、していなくても良い。また、ハロゲンを含有する第1級アミンハロゲン化水素酸塩類を用いる時は、塩基性化合物を加えることが好ましい。
ハロゲンを含有する第1級アミン類化合物として具体的には、2−クロロエチルアミン、2−ブロモエチルアミン、3−クロロプロピルアミン、3−ブロモプロピルアミン、4−クロロブチルアミン、4−ブロモブチルアミンなどが挙げられるが、この限りではない。
ハロゲンを含有する第1級アミンハロゲン化水素酸塩類として具体的には、2−クロロエチルアミン塩素酸塩、2−ブロモエチルアミン臭素酸塩、3−クロロプロピルアミン塩素酸塩、3−ブロモプロピルアミン臭素酸塩、4−クロロブチルアミン塩素酸塩、4−ブロモブチルアミン臭素酸塩などが挙げられるが、この限りではない。
塩基性化合物として具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リン酸三カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられるが、この限りではない。
溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、N,N,−ジメチルホルムアミド、エタノール、プロパノール、アセトン、トルエン、キシレンなどが好ましい。
次いで、室温から還流条件で、約1〜48時間攪拌すると、対応するサリチルアルデヒド類とハロゲンを含有する第1級アミン類化合物が結合した、ハロゲン化合物が良好な収率で得られる。
2、2’−ビフェノール類は、市販品で入手できるものをそのまま使用できるが、合成する場合は、例えばフェノール類から誘導されるボロン酸と2−ハロゲン化フェノール類とのカップリング反応より合成できる。具体的には、フェノール類から誘導されるボロン酸、2−ハロゲン化フェノール類、塩基性化合物、触媒としてパラジウム触媒、パラジウム触媒の配位子となる化合物の混合物に溶媒を加える。これらは溶媒に溶解していても良いし、していなくても良い。また、フェノール類から誘導されるボロン酸、2−ハロゲン化フェノール類の水酸基に保護基がある場合には、適切な脱保護剤により保護基を脱離させることにより、2、2’−ビフェノール類が得られる。
フェノール類から誘導されるボロン酸は、市販品で入手できるものをそのまま使用できるが、合成する場合は、例えばフェノール類をリチオ化した後に、ボロン酸エステルを作用させることにより合成できる。具体的には、フェノール類をアルキルリチウム試薬でリチオ化した後、リチオ化されたフェノール類とボロン酸エステルの混合物に溶媒を加える。これらは溶媒に溶解していても良いし、していなくても良い。
アルキルリチウム試薬として具体的には、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられるがこの限りではない。また、活性化剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを加えてもよく、これらは溶媒量用いてもよい。
ボロン酸エステルとしては具体的には、トリメトキシボロン酸、トリエトキシボロン酸、トリイソプロポキシボロン酸などが挙げられるがこの限りではない。
溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどが好ましい。
フェノール類から誘導されるボロン酸の水酸基がメチル基で保護されている場合は、2−フェニルフェノール類とのカップリング反応後、3臭化ホウ素のような脱保護剤によりメチル基を脱離させることが好ましい。
また水酸基の保護基として良く使用される、tert−ブチル基、トリチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、メトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、メタンスルホニル基、アセチル基、ピバロイル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等により水酸基が保護されたフェノールから誘導されるボロン酸を用いる場合も、2−ハロゲン化フェノール類との反応後、公知の方法により保護基を脱離させるのが好ましい。
次いで、−78℃から還流条件で、約1〜48時間攪拌すると、フェノールから誘導されるボロン酸が良好な収率で得られる。
2−ハロゲン化フェノール類は、市販品で入手できるものをそのまま使用できるが、合成する場合は、例えばフェノール類にハロゲン化剤を作用させることにより合成できる。具体的には、フェノール類とハロゲン化剤の混合物に溶媒を加える。これらは溶媒に溶解していても良いし、していなくても良い。
ハロゲン化剤として具体的には、臭素、N−ブロモスクシンイミド、1,2−ジブロモエタン、ヨウ素、N−ヨードスクシンイミド、1,2−ジヨードエタンなどが挙げられるが、この限りではない。
溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、N,N,−ジメチルホルムアミド、エタノール、プロパノール、アセトン、酢酸、塩化メチレン、トルエン、キシレンなどが好ましい。
フェノール類の水酸基がメチル基で保護されている場合は、フェノールから誘導されるボロン酸とのカップリング反応後、3臭化ホウ素のような脱保護剤によりメチル基を脱離させることが好ましい。
また水酸基の保護基として良く使用される、tert−ブチル基、トリチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、メトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、メタンスルホニル基、アセチル基、ピバロイル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等により水酸基が保護されたフェノールから誘導されるボロン酸を用いる場合も、フェノールから誘導されるボロン酸とのカップリング反応後、公知の方法により保護基を脱離させるのが好ましい。
次いで、−78℃から還流条件で、約1〜48時間攪拌すると、2−ハロゲン化フェノールが良好な収率で得られる。
塩基性化合物として具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リン酸三カリウムなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒としては具体的には、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、塩化アリルパラジウムダイマーなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒の配位子となる化合物として具体的には、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、ジ−tert−ブチル(メチル)ホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、4’、6’−トリイソプロピルビフェニルなどのホスフィン化合物、および、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチル(メチル)ホスホニウム塩などの、ホスフィン化合物の塩が挙げられるが、この限りではない。
また、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなどの、上記ホスフィン化合物とパラジウムとの錯体化合物や、{1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン}(3−クロロピリジル)パラジウム二塩化物のような、カルベン型化合物とパラジウムとの錯体化合物を触媒として用いてもよい。
溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、N,N,−ジメチルホルムアミド、エタノール、プロパノール、アセトン、トルエン、キシレンが好ましい。また、上記溶媒に水を加えたものを溶媒として用いてもよく、混合比としては、水/溶媒比が0/100〜25/75であることが好ましい。
次いで、室温から還流条件で、約1〜48時間攪拌すると、対応するフェノールから誘導されるボロン酸と2−ハロゲン化フェノールが結合した、2、2’−ビフェノール類が良好な収率で得られる。
次いで、こうして得られたサリチルアルデヒド類から誘導されるハロゲン化合物、2、2’−ビフェノール類、塩基性化合物の混合物に溶媒を加える。これらは溶媒に溶解していても良いし、していなくても良い。
塩基性化合物として具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リン酸三カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられるが、この限りではない。
溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、N,N,−ジメチルホルムアミド、エタノール、プロパノール、アセトン、トルエン、キシレンが好ましい。
次いで、室温から還流条件で、約1〜48時間攪拌すると、対応する配位子が良好な収率で得られる。
また、先にサリチルアルデヒド類から誘導されるハロゲン化合物と2−ハロゲン化フェノール類の置換反応を行い、得られるハロゲン化合物とフェノール類から誘導されるボロン酸とのカップリング反応より配位子を合成することもできる。フェノール類から誘導されるボロン酸の水酸基に保護基がある場合には、適切な脱保護剤により保護基を脱離させることにより、配位子を得ることができる。また保護基を脱離した後に塩基性化合物を作用させると、収率向上に効果的である。
サリチルアルデヒド類から誘導されるハロゲン化合物と2−ハロゲン化フェノール類の置換反応は、具体的にはこれらの化合物の混合物と塩基性化合物に溶媒を加える。これらは溶媒に溶解していても良いし、していなくても良い。
サリチルアルデヒド類から誘導されるハロゲン化合物は、上記の説明で例示した方法と同様に合成することができる。
2−ハロゲン化フェノール類は、市販品で入手できるものをそのまま使用できるが、合成する場合は、上記の説明で例示した方法と同様に合成できる。
塩基性化合物として具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リン酸三カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられるが、この限りではない。
溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、N,N,−ジメチルホルムアミド、エタノール、プロパノール、アセトン、トルエン、キシレンなどが好ましい。
次いで、室温から還流条件で、約1〜48時間攪拌すると、サリチルアルデヒド類から誘導されるハロゲン化合物と2−ハロゲン化フェノール類が結合したハロゲン化合物が良好な収率で得られる。
フェノール類から誘導されるボロン酸は、市販品で入手できるものをそのまま使用できるが、合成する場合は、上記の説明で例示した方法と同様に合成できる。
次いで、こうして得られたハロゲン化合物、フェノール類から誘導されるボロン酸、塩基性化合物、触媒としてパラジウム触媒、パラジウム触媒の配位子となる化合物の混合物に溶媒を加える。これらは溶媒に溶解していても良いし、していなくても良い。
塩基性化合物として具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リン酸三カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒としては具体的には、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、塩化アリルパラジウムダイマーなどが挙げられるが、この限りではない。
パラジウム触媒の配位子となる化合物として具体的には、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、ジ−tert−ブチル(メチル)ホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、4’、6’−トリイソプロピルビフェニルなどのホスフィン化合物、および、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチル(メチル)ホスホニウム塩などの、ホスフィン化合物の塩が挙げられるが、この限りではない。
また、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなどの、上記ホスフィン化合物とパラジウムとの錯体化合物や、{1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン}(3−クロロピリジル)パラジウム二塩化物のような、カルベン型化合物とパラジウムとの錯体化合物を触媒として用いてもよい。
溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、N,N,−ジメチルホルムアミド、エタノール、プロパノール、アセトン、トルエン、キシレンが好ましい。また、上記溶媒に水を加えたものを溶媒として用いてもよく、混合比としては、水/溶媒比が0/100〜25/75であることが好ましい。
フェノール類から誘導されるボロン酸の水酸基がメチル基で保護されている場合は、ハロゲン化合物とのカップリング反応後、3臭化ホウ素のような脱保護剤によりメチル基を脱離させることが好ましい。
また水酸基の保護基として良く使用される、tert−ブチル基、トリチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、メトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、メタンスルホニル基、アセチル基、ピバロイル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等により水酸基が保護されたフェノールから誘導されるボロン酸を用いる場合も、ハロゲン化合物とのカップリング反応後、公知の方法により保護基を脱離させるのが好ましい。
次いで、室温から還流条件で、約1〜48時間攪拌すると、対応する配位子が良好な収率で得られる。
次に、こうして得られた配位子を遷移金属M含有化合物と反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することができる。具体的には、合成した配位子を溶媒に溶解し、必要に応じて塩基と接触させてフェノキサイド塩を調製した後、金属ハロゲン化物、金属アルキル化物等の金属化合物と低温で混合し、−78℃から室温、もしくは還流条件下で、約1〜48時間攪拌する。溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもエーテル、テトラヒドロフラン等の極性溶媒、トルエン等の炭化水素溶媒などが好ましく使用される。また、フェノキサイド塩を調製する際に使用する塩基としては、n−ブチルリチウム等のリチウム塩、水素化ナトリウム等のナトリウム塩等の金属塩や、トリエチルアミン、ピリジン等を例示することができるが、この限りではない。
また、化合物の性質によっては、フェノキサイド塩調製を経由せず、配位子と金属化合物とを直接反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することもできる。さらに、合成した遷移金属化合物中の金属Mを、常法により別の遷移金属と交換することも可能である。また、例えばR〜R13の一つ以上が水素である場合には、合成の任意の段階において、水素以外の置換基を導入することができる。
また、遷移金属化合物を単離せず、配位子と金属化合物との反応溶液をそのまま重合に用いることもできる。
<オレフィン重合用触媒>
以下、本発明のオレフィン重合用触媒について具体的に説明する。
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記一般式(I)で表される遷移金属化合物(A)を含み、さらに(B)有機金属化合物(B−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)および遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。なお、本明細書においてオレフィンとは、炭素・炭素二重結合を分子中に一つ有する炭化水素を示す。
本発明のオレフィン重合用触媒が含む、遷移金属化合物(A)としては、前述の遷移金属化合物(A)が用いられる。
以下、本発明にかかるオレフィン重合用触媒の構成成分として好ましく用いられる化合物(B)群を詳細に説明する。
〔化合物(B)〕
本発明のオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)に加えて、(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含むことが、重合活性の点から好ましい。
以下、化合物(B−1)、(B−2)、(B−3)について説明する。
((B−1)有機金属化合物)
本発明で用いられる(B−1)有機金属化合物として、具体的には下記の一般式(B−1a)で表わされる有機アルミニウム化合物、一般式(B−1b)で表わされる周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、および一般式(B−1c)で表わされる周期律表第2族または第12族金属のジアルキル化合物が挙げられる。なお、(B−1)有機金属化合物には、後述する(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は含まないものとする。
Al(OR (B−1a)
上記一般式(B−1a)中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3、qは0≦q<3、rは0≦r<3、sは0≦s<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
AlR (B−1b)
上記一般式(B−1b)中、MはLi、NaまたはKを示し、Rは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
(B−1c)
上記一般式(B−1c)中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、MはMg、ZnまたはCdである。
前記一般式(B−1a)で表わされる有機アルミニウム化合物としては、次のような化合物を例示できる。
Al(OR3−p
(式中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、pは好ましくは1.5≦p≦3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
AlY3−p
(式中、Rは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは好ましくは0<p<3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
AlH3−p
(式中、Rは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、pは好ましくは2≦p<3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
Al(OR
(式中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3、qは0≦q<3、sは0≦s<3の数であり、かつp+q+s=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。
一般式(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物としてより具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;
ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
(i−CAl(C10(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
2.5Al(OR0.5で表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム(式中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す);
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
また(B−1a)に類似する化合物も本発明に使用することができ、そのような化合物として例えば、窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、(CAlN(C)Al(Cなどを挙げることができる。
前記一般式(B−1b)に属する化合物としては、LiAl(C、LiAl(C15などを挙げることができる。
前記一般式(B−1c)に属する化合物としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛、ジメチルガドミウム、ジエチルカドミウムなどを挙げることができる。
またその他にも、(B−1)有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリドなどを使用することもできる。
また重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、例えばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組み合わせ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組み合わせなどを、前記(B−1)有機金属化合物として使用することもできる。
上記のような(B−1)有機金属化合物は、1種類単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
((B−2)有機アルミニウムオキシ化合物)
本発明で用いられる(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物としては、具体的には、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン等が挙げられる。
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお前記アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、得られたアルミノキサンを溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記一般式(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であることが好ましい。
本発明で用いられる(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
Figure 2015182992
(一般式(III)中、R17は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示し、4つのR18は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。)
前記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(IV)で表されるアルキルボロン酸と、有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
19−B(OH) (IV)
(一般式(IV)中、R19は前記一般式(III)におけるR17と同じ基を示す。)
前記一般式(IV)で表されるアルキルボロン酸の具体的な例としては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記一般式(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
前記有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
上記のような(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
((B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物)
本発明で用いられる、遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
具体的には、前記ルイス酸としては、BR(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される化合物が挙げられ、例えばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどである。
前記イオン性化合物としては、例えば下記一般式(V)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015182992
(一般式(V)中、R20はH、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオンまたは遷移金属を有するフェロセニウムカチオンであり、R21〜R24は、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。)。
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
15としては、カルボニウムカチオンおよびアンモニウムカチオンが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることもできる。
前記トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、例えばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素などが挙げられる。
前記N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、例えばN,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
前記ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、例えばジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式(VI)または(VII)で表されるホウ素化合物などを挙げることもできる。
Figure 2015182992
(式(VI)中、Etはエチル基を示す。)
Figure 2015182992
(式(VII)中、Etはエチル基を示す。)
イオン化イオン性化合物(化合物(B−3))の例であるボラン化合物として具体的には、例えば、デカボラン;
ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
イオン化イオン性化合物の例であるカルボラン化合物として具体的には、例えば4−カルバノナボラン、1,3−ジカルバノナボラン、6,9−ジカルバデカボラン、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン、2,7−ジカルバウンデカボラン、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム7−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
イオン化イオン性化合物の例であるヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素および錫から選ばれる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子とを含む化合物である。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ゲルマノタングストバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、およびこれらの酸の塩が挙げられるが、この限りではない。また、前記塩としては、前記酸の、例えば周期律表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等の有機塩が挙げられる。
イオン化イオン性化合物の例であるイソポリ化合物は、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種の原子の金属イオンから構成される化合物であり、金属酸化物の分子状イオン種であるとみなすことができる。具体的には、バナジン酸、ニオブ酸、モリブデン酸、タングステン酸、およびこれらの酸の塩が挙げられるが、この限りではない。また、前記塩としては、前記酸の例えば周期律表第1族または第2族の金属、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等の有機塩が挙げられる。
上記のようなイオン化イオン性化合物((B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
遷移金属化合物(A)に加えて、助触媒成分としてのメチルアルミノキサンなどの(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物を併用すると、オレフィン化合物に対して非常に高い重合活性を示す。
また、本発明にかかるオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)と、(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)イオン化イオン性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とともに、必要に応じて下記の担体(C)を含んでもよい。
〔担体(C)〕
本発明で用いられる担体(C)は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。担体(C)に上記遷移金属化合物(A)および化合物(B)を担持させることで、良好なモルフォロジーのポリマーが得られる。
前記無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物または固体状有機アルミニウムオキシ化合物が好ましい。
前記多孔質酸化物として、具体的にはSiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThOなど、またはこれらを含む複合物または混合物を使用することができ、さらに、例えば天然または合成ゼオライト、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgOなどを使用することができる。これらのうち多孔質酸化物としては、SiOおよび/またはAlを主成分とするものが好ましい。
なお、上記多孔質酸化物は、少量のNaCO、KCO、CaCO、MgCO、NaSO、Al(SO、BaSO、KNO、Mg(NO、Al(NO、NaO、KO、LiOなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支えない。
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる多孔質酸化物は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m/g、好ましくは100〜700m/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm/gの範囲にあることが望ましい。このような多孔質酸化物は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
上記無機ハロゲン化物としては、MgCl、MgBr、MnCl、MnBr等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
上記粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、上記イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl型、CdI型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
さらに、粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、
イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO・HO、α−Zr(HPO、α−Zr(KPO・3HO、α−Ti(HPO、α−Ti(HAsO・HO、α−Sn(HPO・HO、γ−Zr(HPO、γ−Ti(HPO、γ−Ti(NHPO・HOなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上であることが好ましく、0.3〜5cc/gであることが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜30000Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl、ZrClなどの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)、Zr(OR)、PO(OR)、B(OR)などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al13(OH)247+、[Zr(OH)142+、[FeO(OCOCHなどの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)、Al(OR)、Ge(OR)などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基などを示す)などを加水分解して得た重合物、SiOなどのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物なども挙げられる。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状有機アルミニウムオキシ化合物としては、前記(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物を不溶化させて得られる固体成分であり、特開平11−140113号公報、特開2000−38410号公報、特開2000−95810号公報、国際公開2010/55652号パンフレットなどに記載の方法により得ることができる。
前述のように担体(C)は無機または有機の化合物であるが、有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
本発明にかかるオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)、好ましくは上記化合物(B)、必要に応じて担体(C)を含むが、これらと共に、必要に応じてさらに下記の特定の有機化合物成分(D)を含むこともできる。
〔有機化合物成分(D)〕
本発明において有機化合物成分(D)は、必要に応じて、本発明のオレフィン重合用触媒の重合性能(例えば、触媒活性)および生成ポリマーの物性(例えば、生成ポリマーの高分子量化)を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
前記アルコール類および前記フェノール性化合物としては、通常、R25−OHで表されるものが使用され、ここで、R25は炭素原子数1〜50の炭化水素基(フェノール類の場合は炭素原子数は6〜50)または炭素原子数1〜50(フェノール類の場合は炭素原子数は6〜50)のハロゲン化炭化水素基を示す。
アルコール類としては、R25がハロゲン化炭化水素基のものが好ましい。また、フェノール性化合物としては、水酸基のα,α’−位が炭素数1〜20の炭化水素で置換されたものが好ましい。
上記カルボン酸としては、通常、R26−COOHで表されるものが使用される。R26は炭素原子数1〜50の炭化水素基または炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基を示し、特に、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基が好ましい。
上記リン化合物としては、P−O−H結合を有するリン酸類、P−OR、P=O結合を有するホスフェート、ホスフィンオキシド化合物が好ましく使用される。
上記スルホン酸塩としては、下記一般式(VIII)で表されるものが挙げられる。
Figure 2015182992
(一般式(VIII)中、Mは周期律表第1〜14族の元素であり、R27は水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基であり、Zは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基または炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基であり、tは1〜7の整数であり、uは1≦u≦7となる整数である。また、t−uはt−u≧1となる整数である。
<オレフィン系重合体の製造方法>
本発明に係るオレフィン系重合体の製造方法では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを単独重合または共重合することによりオレフィン系重合体を得る。なお、前述のように、本明細書においてオレフィンとは、炭素・炭素二重結合を分子中に一つ有する炭化水素を示す。
なお、本発明のオレフィン系重合体の製造方法では、上記オレフィン重合用触媒の存在下で、オレフィンの単独重合、またはオレフィンの共重合を行う。本発明において、オレフィンの共重合とは、モノマーの少なくとも1種がオレフィンであればよく、二種以上のオレフィンを共重合することも、オレフィン以外のモノマーと、オレフィンとを共重合することもできる。
重合における、本発明の触媒を構成する各成分の使用法、重合器への添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)遷移金属化合物(A)を単独で重合器に添加する方法。
(2)遷移金属化合物(A)をおよび化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)化合物(B)を担体(C)に担持した触媒成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)遷移金属化合物(A)と化合物(B)とを担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
(6)遷移金属化合物(A)と化合物(B)とを担体(C)に担持した触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(7)化合物(B)を担体(C)に担持した触媒成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(8)化合物(B)を担体(C)に担持した触媒成分、遷移金属化合物(A)、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一であっても異なっていてもよい。
(9)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、および化合物(B)を担体(C)に担持した成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(10)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、化合物(B)を担体(C)に担持した成分、および化合物(B)を任意の順序重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(11)遷移金属化合物(A)、化合物(B)、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(12)化合物(B)と有機化合物成分(D)をあらかじめ接触させた成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(13)化合物(B)と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(14)遷移金属化合物(A)と化合物(B)を予め接触させた触媒成分、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(15)遷移金属化合物(A)と化合物(B)を予め接触させた触媒成分、および化合物(B)、有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(16)遷移金属化合物(A)と化合物(B)を予め接触させた触媒成分、および化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め接触させた成分を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(17)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、化合物(B)、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(18)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、および化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め接触させた成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(19)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め任意の順序で接触させた触媒成分を重合器に添加する方法。
(20)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め任意の順序で接触させた触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一であっても異なっていてもよい。
(21)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した触媒を重合器に添加する方法。
(22)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一であっても異なっていてもよい。
上記の担体(C)に遷移金属化合物(A)が担持された固体触媒成分、担体(C)に遷移金属化合物(A)および化合物(B)が担持された固体触媒成分には、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに触媒成分が担持されていてもよい。
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、また(共)重合に供するオレフィン(モノマー)自身を溶媒として用いることもできる。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、遷移金属化合物(A)は、反応容積1リットル当り、通常10−12〜10−2モル、好ましくは10−10〜10−3モルになるような量で用いられる。
有機金属化合物(B−1)は、有機金属化合物(B−1)と、遷移金属化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−1)/M〕が通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となるような量で用いられる。有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)は、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)中のアルミニウム原子と、遷移金属化合物(A)中の全遷移金属(M)とのモル比〔(B−2)/M〕が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(イオン化イオン性化合物)(B−3)は、イオン化イオン性化合物(B−3)と、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−3)/M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
有機化合物成分(D)は、化合物(B)が有機金属化合物(B−1)の場合には、モル比〔(D)/(B−1)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いられる。化合物(B)が有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)の場合には、モル比〔(D)/(B−2)〕が通常0.01〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で用いられる。化合物(B)がイオン化イオン性化合物(B−3)の場合は、モル比〔(D)/(B−3)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いられる。
また、このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm−G、好ましくは常圧〜50kg/cm−Gの条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
得られるオレフィン系重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。さらに、使用する化合物(B)の量により調節することもできる。
このような本発明のオレフィン重合用触媒により重合することができるオレフィンとしては、特に限定されないが、炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン;
炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒は、オレフィンと他のモノマーとを共重合することもできる。他のモノマーとしては、オレフィン以外のモノマーであればよく、特に限定はされないが、例えば極性基(例えばカルボニル基、水酸基、エーテル結合基など)および重合性の炭素・炭素二重結合を分子中に有するモノマー(以下、極性基含有モノマーとも記す。)が挙げられる。
極性基含有モノマーとしては、具体的には、例えばアクリル酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸、10−ウンデセン酸、11−ドデセン酸、12−トリデセン酸、13−テトラデセン酸、14−ペンタデセン酸、15−ヘキサデセン酸、16−ヘプタデセン酸、17−オクタデセン酸、18−ノナデセン酸、19−エイコセン酸、20−ヘニコセン酸、21−ドコセン酸、22−トリコセン酸、メタクリル酸、2−メチルペンテン酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2,2−ジメチル−4−ペンテン酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、2,6−ヘプタジエン酸、2−(4−イソプロピルベンジリデン)−4−ペンテン酸、アリルマロン酸、2−(10−ウンデセニル)マロン酸、フマル酸、イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−カルボン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸類、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩類、およびこれら不飽和カルボン酸類のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、(5−ノルボルネン−2−イル)エステルなどの不飽和カルボン酸エステル類(該不飽和カルボン酸がジカルボン酸である場合にはモノエステルであってもジエステルであってもよい)、およびこれら不飽和カルボン酸類のアミド、N,N−ジメチルアミド等の不飽和カルボン酸アミド類(該不飽和カルボン酸がジカルボン酸である場合にはモノアミドであってもジアミドであってもよい);
無水マレイン酸、無水イタコン酸、アリルコハク酸無水物、イソブテニルコハク酸無水物、(2,7−オクタジエン−1−イル)コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などの不飽和カルボン酸無水物類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;
塩化ビニル、フッ化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、臭化アリル、塩化アリル、フッ化アリル、臭化アリルなどのハロゲン化オレフィン類;
アリルトリメチルシラン、ジアリルジメチルシラン、3−ブテニルトリメチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン、アリルトリフェニルシラン等のシリル化オレフィン類;
アクリロニトリル、2−シアノビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン、2,3−ジシアノビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン等の不飽和ニトリル類;
アリルアルコール、3−ブテノール、4−ペンテノール、5−ヘキセノール、6−へブテノール、7−オクテノール、8−ノネノール、9−デセノール、10−ウンデセノール、11−ドデセノール、12−トリデセノール等の不飽和アルコール化合物、およびこれらの酢酸エステル、安息香酸エステル、プロピオン酸エステル、カプロン酸エステル、カプリン酸エステル、ラウリン酸エステル、ステアリン酸エステル等の不飽和エステル類;
ビニルフェノール、アリルフェノール等の置換フェノール類;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アリルメチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテル、アリルメタリルエーテル、メトキシスチレン、エトキシスチレン、アリルアニソール等の不飽和エーテル類;
ブタジエンモノオキシド、1,2−エポキシ−7−オクテン、3−ビニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン等の不飽和エポキシド類;
アクロレイン、ウンデセナール等の不飽和アルデヒド類、およびこれらのジメチルアセタール、ジエチルアセタールなどの不飽和アセタール類;
メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、アリルメチルケトン、アリルエチルケトン、アリルプロピルケトン、アリルブチルケトン、アリルベンジルケトン等の不飽和ケトン類、およびこれらのジメチルアセタール、ジエチルアセタールなどの不飽和アセタール類;
アリルメチルスルフィド、アリルフェニルスルフィド、アリルイソプロピルスルフィド、アリルn−プロピルスルフィド、4−ペンテニルフェニルスルフィド等の不飽和チオエーテル類;
アリルフェニルスルホキシド等の不飽和スルホキシド類;
アリルフェニルスルホン等の不飽和スルホン類;
アリルジフェニルホスフィン等の不飽和ホスフィン類;
アリルジフェニルホスフィンオキシドのような不飽和ホスフィンオキシド類などが挙げられる。
さらに、前記極性基含有モノマーとしては、例えば、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、4−(3−ブテニロキシ)安息香酸メチル、メトキシスチレン、エトキシスチレン、トリフルオロ酢酸アリル、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、(2H−ペルフルオロプロピル)−2−プロペニルエーテル、リナロールオキシド、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール、2−(アリロキシ)エタノール、N−アリルモルホリン、アリルグリシン、N−ビニルピロリドン、アリルトリクロロシラン、アクリルトリメチルシラン、アリルジメチル(ジイソプロピルアミノ)シラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、アリロキシトリメチルシラン、アリロキシトリフェニルシランなども挙げられ、本発明のオレフィン重合用触媒によってオレフィンと共重合させることができる。
また、極性基含有モノマー以外の他のモノマーとしては、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなどを用いることができる。本発明のオレフィン重合用触媒存在下では、これらのモノマーも、オレフィンと共重合することができる。
前記ジエンまたはポリエンとしては、炭素原子数が4〜30、好ましくは4〜20であり二個以上の炭素・炭素二重結合を有する環状または鎖状の化合物が挙げられる。具体的には、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン;
7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンなどが挙げられる。
さらに他のモノマーとしては、芳香族ビニル化合物を用いることができる。具体的にはスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、などの官能基含有スチレン誘導体;
および3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒は上記に説明したように、高い重合活性でポリマーを製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、合成例および実施例で得られた化合物の構造は、270MHz H NMR(日本電子 GSH−270)、FD−質量分析(日本電子 SX−102A)等を用いて決定した。
なお、本実施例において、極限粘度[η]は、135℃、デカリン中で測定した。
また実施例で得られた共重合体のコモノマーの含量は、IR(日本分光 FT/IR―4200)によって測定した。
IRは、実施例で得られた共重合体を、180℃に加熱したホットプレスにて溶解延伸後、室温下加圧冷却することで得られたフィルムを測定サンプルとして用い、光源波長5000cm−1〜400cm−1間で測定した。プロピレン含量は、プロピレンに基づくC−CH3骨格振動(1150cm−1)をキーバンドとし、キーバンドの吸光度(D1150)と内部標準バンド(4320cm−1:C−H伸縮振動とメチレン、メチル変角振動の結合音)の吸光度(D4320)との比[D1150/D4320]により求めた。
(1)配位子の合成
[合成例1]
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応容器に、3−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド1.52g(6.46mmol)、3−ブロモプロピルアミン臭化水素酸塩1.57g(7.17mmol)、トリエチルアミン0.67g(6.65mmol)を入れ、これにトルエン30mLを加えて室温で攪拌しながら、3時間反応させた。不溶物をろ過で取り除き、ろ液を乾固することによって、下記式(1)で示した目的物(以下化合物(1)という)が1.73g(収率71%)得られた。

H NMR(270MHz,CDCl):13.8(1H,s,OH),8.40(1H,s,−C=NH−),7.33(1H,dd,J=7.75Hzand1.69Hz,Ar−H),7.12(1H,dd,J=7.62Hzand1.69Hz,Ar−H),7.14(1H,t,J=7.83Hz,Ar−H),3.75(2H,t,J=5.19Hz,−CH),3.50(2H,t,J=6.43Hz,−CH),2.31−2.22(2H,m,−CH),1.43(9H,s,−C(CH)ppm
Figure 2015182992
[合成例2]
充分に乾燥、窒素置換した300mLの反応容器に、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール14.5g(70.5mmol)を入れ、これに酢酸100mLを加えた。氷冷下臭素15.2g(95.1mmol)を15分かけて滴下した後、室温で3.5時間攪拌した。飽和亜硫酸ナトリウム水溶液50mLを加えてクエンチした後、塩化メチレンで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を乾固することで、下記式(2)で示した目的物(以下化合物(2)という)が19.6g(収率98%)得られた。

H NMR(270MHz,CDCl):7.32(1H,d,J=2.23Hz,Ar−H),7.24(1H,d,J=2.27Hz,Ar−H),5.64(1H,s,OH),1.40(9H,s,−C(CH),1.28(9H,s,−C(CH)ppm
Figure 2015182992
[合成例3]
充分に乾燥、窒素置換した500mLの反応容器に、合成例2で得られた化合物(2)19.4g(68.1mmol)、2−メトキシフェニルボロン酸11.4g(77.8mmol)、酢酸パラジウム0.25g(1.11mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、6’−−ジメトキシビフェニル0.19g(0.46mmol)、リン酸カリウム29.3g(137.9mmol)を入れ、これにテトラヒドロフラン100mL、水25mLを加えた。70℃で8時間攪拌した後、反応液を室温まで戻し有機層を分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を乾固することで、下記式(3)で示した目的物(以下化合物(3)という)が21.5g(収率99%)得られた。

H NMR(270MHz,CDCl):7.38(1H,dd,J=1.81Hzand0.82Hz,Ar−H),7.37−7.35(1H,m,Ar−H),7.33(1H,d,J=2.39Hz,Ar−H),7.14−7.12(1H,m,Ar−H),7.11−7.09(1H,m,Ar−H),7.08(1H,d,J=2.64Hz,Ar−H),6.08(1H,s,OH),3.89(3H,s,OCH),1.47(9H,s,−C(CH),1.33(9H,s,−C(CH)ppm
Figure 2015182992
[合成例4]
充分に乾燥、窒素置換した500mLの反応容器に、合成例3で得られた化合物(3)4.83g(15.0mmol)を入れ、塩化メチレン100mLを加えた。ドライアイス−アセトンで−78℃に冷却し、三臭化ホウ素34.0mL(34.0mmol1M塩化メチレン溶液)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら18時間攪拌した。反応液にゆっくりと水20mLを加えてクエンチした後、水層を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を乾固することで、下記式(4)で示した目的物(以下化合物(4)という)が4.19g(収率91%)得られた。

H NMR(270MHz,CDCl):7.39(1H,d,J=2.5Hz,Ar−H),7.35−7.33(1H,m,Ar−H),7.29(1H,d,J=2.06Hz,Ar−H),7.26(1H,d,J=1.90Hz,Ar−H),7.07(1H,d,J=2.72Hz,Ar−H),7.04(1H,d,J=1.28Hz,Ar−H),5.19(1H,s,OH),5.15(1H,s,OH),1.44(9H,s,−C(CH),1.31(9H,s,−C(CH)ppm
Figure 2015182992
[合成例5]
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応容器に、合成例1で得られた化合物(1)0.71g(2.37mmol)、(4)0.79g(2.65mmol)、炭酸カリウム0.98g(7.11mmol)を入れ、ジメチルホルムアミド15mLを加えた。65℃で15時間攪拌した後、溶媒を留去した。残渣を塩化メチレンで抽出し、水で数回洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製することにより、下記式(5)で示した目的物(以下化合物(5)という)が0.97g(収率69%)得られた。

H NMR(270MHz,CDCl):13.9(1H,bs,OH),8.09(1H,s,−C=NH−),7.39−7.34(3H,m,Ar−H),7.33−7.30(1H,m,Ar−H),7.29−7.27(1H,m,Ar−H),7.12−7.08(2H,m,Ar−H),7.01(1H,dd,J=3.83Hzand1.20Hz,Ar−H),6.80−6.75(1H,m,Ar−H),6.09(1H,bs,OH),4.13(2H,bs,CH),3.58(2H,t,J=6.72Hz,−CH),2.16−2.07(2H,m,−CH),1.47(9H,s,−C(CH),1.41(9H,s,−C(CH),1.33(9H,s,−C(CH)ppm
Figure 2015182992
[合成例6]
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応容器に、3−クミル−5−メチルサリチルアルデヒド4.37g(17.2mmol)、3−ブロモプロピルアミン臭化水素酸塩4.98g(22.8mmol)、トリエチルアミン1.75g(17.3mmol)を入れ、これにトルエン30mLを加えて室温で攪拌しながら、3時間反応させた。不溶物をろ過で取り除き、ろ液を乾固することによって、下記式(6)で示した目的物(以下化合物(6)という)が6.32g(収率98%)得られた。

H NMR(270MHz,CDCl):13.1(1H,s,OH),8.29(1H,s,−C=NH−),7.30(1H,d,J=2.06Hz,Ar−H),7.25−7.21(3H,m,Ar−H),7.18−7.10(2H,m,Ar−H),6.97(1H,d,J=1.52Hz,Ar−H),3.63(2H,dt,J=6.43Hzand0.99Hz,−CH),3.38(2H,t,J=6.39Hz,−CH),2.34(3H,s,−CH),2.20−2.10(2H,m,−CH),1.72(6H,s,Ar−C−(CH)ppm
Figure 2015182992
[合成例7]
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応容器に、合成例6で得られた化合物(6)1.04g(2.77mmol)、2−ヨードフェノール0.67g(3.04mmol)、炭酸カリウム1.24g(8.97mmol)を入れ、これにN,N−ジメチルホルムアミド20mLを加えて、50℃で攪拌しながら2時間反応させた。不溶物をろ過で取り除き、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(7)で示した目的物(以下化合物(7)という)が1.23g(収率約87%)得られた。

H NMR(270MHz,CDCl):13.3(1H,s,OH),8.32(1H,s,−C=NH−),7.75(1H,dd,J=7.75Hzand1.65Hz,Ar−H),7.29−7.21(6H,m,Ar−H),7.16−7.10(1H,m,Ar−H),6.93(1H,d,J=1.77Hz,Ar−H),6.74(1H,dd,J=8.24Hzand1.32Hz,Ar−H),6.68(1H,dd,J=7.50Hzand1.36Hz,Ar−H),4.00(2H,t,J=5.89Hz,−CH),3.76(2H,t,J=6.68Hz,−CH),2.33(3H,s,−CH),2.18−2.08(2H,m,−CH),1.72(6H,s,Ar−C−(CH)ppm
Figure 2015182992
[合成例8]
充分に乾燥、窒素置換した200mLの反応器に、水素化ナトリウム(油性)2.43g(60wt%、60.8mmol)を仕込み、氷冷下で4−tert−ブチルフェノール6.02g(40.1mmol)をテトラヒドロフラン60mLに溶解させた溶液をカニュラーでゆっくり滴下した。室温で3時間攪拌した後、氷冷下でクロロメチルメチルエーテル4.10mL(54.5mmol)を加えた。室温で2時間攪拌した後、水を加えて反応をクエンチした。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を乾固することによって、下記式(8)で示した目的物(以下化合物(8)という)が7.67g(収率約98%)得られた。

H NMR(270MHz,CDCl):7.31(2H,dd,J=6.68Hzand2.14Hz,Ar−H),6.97(2H,dd,J=6.72Hzand2.23Hz,Ar−H),5.16(2H,s,−OCHOCH),3.48(3H,s,−OCHOCH),1.30(9H,s,−C(CH)ppm
Figure 2015182992
[合成例9]
充分に乾燥、窒素置換した500mLの反応器に、合成例8で得られた化合物(8)10.7g(54.9mmol)とテトラヒドロフラン200mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液45.0mL(ヘキサン溶液、1.60M、72.0mmol)を加えた。室温で2時間攪拌した後−78℃に冷却し、トリメトキシボラン9.50mL(85.4mmol)を15分かけて滴下した。室温まで昇温しながら一晩攪拌した後、この反応混合物の溶媒を留去することで、黄色オイル状残渣を得た。この残渣に、3,5−ジ−tert−ブチルブロモベンゼン14.9g(55.4mmol)、酢酸パラジウム0.38g(1.70mmol)、リン酸三カリウム(KPO)35.0g(165mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル1.364g(3.32mmol)、テトラヒドロフラン100mL、蒸留水25mLを仕込み、オイルバス中で5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、水を加えて反応をクエンチした。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(9)で示した目的物(以下化合物(9)という)が12.3g(収率58%)得られた。
H NMR(270MHz,CDCl):7.41−7.35(4H,m,
Ar−H),7.31(1H,dd,J=8.49Hzand2.56Hz,Ar−H),7.14(1H,d,J=8.61Hz,Ar−H),5.08(2H,s,−OCHOCH),3.39(3H,s,−OCHOCH),1.37(18H,s,−C(CH),1.34(9H,s,−C(CH)ppm
Figure 2015182992
[合成例10]
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応器に、合成例9で得られた化合物(9)0.93g(2.43mmol)とテトラヒドロフラン10mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液2.40mL(ヘキサン溶液、1.60M、3.84mmol)を加えた。室温で2時間攪拌した後−78℃に冷却し、トリメトキシボラン0.41mL(3.69mmol)を15分かけて滴下した。室温まで昇温しながら一晩攪拌した後、この反応混合物の溶媒を留去することで、黄色オイル状残渣を得た。この残渣に、合成例7で得られた化合物(7)、酢酸パラジウム0.03g(0.12mmol)、リン酸三カリウム(KPO)1.68g(7.91mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.11g(0.26mmol)、テトラヒドロフラン10mL、蒸留水3mLを仕込み、オイルバス中で6時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、水を加えて反応をクエンチした。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(10)で示した目的物(以下化合物(10)という)が1.31g(収率71%)得られた。

H NMR(270MHz,CDCl):13.3(1H,s,OH),8.09(1H,s,−C=NH−),7.40(2H,d,J=1.73Hz,Ar−H),7.38−7.35(3H,m,Ar−H),7.27−7.21(7H,m,Ar−H),7.16−7.09(1H,m,Ar−H),7.00(1H,dt,J=7.42Hzand1.07Hz,Ar−H),6.90(1H,d,J=8.32Hz,Ar−H),6.79(1H,d,J=1.90,Ar−H),4.28(2H,s,−OCHOCH),3.97(2H,t,J=5.36Hz,−CH),3.55(2H,t,J=6.39Hz,−CH),2.52(3H,s,−OCHOCH),2.26(3H,s,−CH),2.06−1.97(2H,m,−CH),1.70(6H,s,Ar−C−(CH),1.34(9H,s,−C(CH),1.33(18H,s,−C(CH)ppm
Figure 2015182992
[合成例11]
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応器に、合成例10で得られた化合物(10)1.31g(1.70mmol)とエタノール10mLを仕込んだ。この反応液にp−トルエンスルホン酸1.04g(5.46mmol)を加え、50℃で7時間攪拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチルと蒸留水を加え、有機層、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液にトリエチルアミン0.24mL(1.72mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(11)で示した目的物(以下化合物(11)という)が0.76g(収率62%)得られた。

H NMR(270MHz,CDCl):13.2(1H,bs,OH),7.93(1H,s,−C=NH−),7.42(1H,d,J=1.73Hz,Ar−H),7.39−7.38(2H,m,Ar−H),7.36−7.32(1H,m,Ar−H),7.25−7.06(10H,m,Ar−H),6.97(1H,dd,J=8.20Hzand0.87Hz,Ar−H),6.74(1H,d,J=1.44Hz,Ar−H),5.78(1H,bs,OH),4.02(2H,t,J=6.22Hz,−CH),3.46(2H,t,J=6.18Hz,−CH),2.26(3H,s,−CH),1.69(6H,s,Ar−C−(CH),1.36(9H,s,−C(CH),1.34(18H,s,−C(CH)ppm
Figure 2015182992
(2)遷移金属化合物の合成
[実施例1]
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応容器に、四塩化チタン0.70mL(トルエン溶液1M、0.70mmol)を入れ、トルエン5mLを加えた。ドライアイス−アセトンで−78℃に冷却し、合成例5で得られた化合物(5)0.41g(0.80mmol)を含むトルエン溶液5mLを5分かけて滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら16時間攪拌した。反応液の溶媒を留去し、残渣にn−ヘキサン15mLを加え懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターでろ別し、得られた固体をn−ヘキサン5mLで洗浄した後、減圧乾燥することで、下記式(A)で示した目的物(以下化合物(A)という)が0.33g(収率75%)得られた。
FD−質量分析(M):631
Figure 2015182992
[実施例2]
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応容器に、水素化ナトリウム(油性)0.04g(60wt%、0.93mmol)を入れ、n−ヘキサンで洗浄した。その後合成例5で得られた化合物(5)0.18g(0.36mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液5mLを15分かけて滴下し、室温で2時間攪拌した。この反応液を、ドライアイス−アセトンで−78℃に冷却した四塩化ジルコニウムテトラヒドロフラン錯体0.13g(0.36mmol)を含むテトラヒドラフラン溶液5mLに10分かけて滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら16時間攪拌した。反応液の溶媒を留去し、残渣に塩化メチレン15mLを加えしばらく攪拌した後、不溶物をガラスフィルターで取り除き、ろ液を濃縮した。残渣にジエチルエーテル2mL、n−ヘキサン15mLを加え懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターで濾別し、得られた固体をn−ヘキサン3mLで洗浄した後、減圧乾燥することで、下記式(B)で示した目的物(以下化合物(B)という)が0.07g(収率29%)得られた。
FD−質量分析(M):675
Figure 2015182992
[実施例3]
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応容器に、水素化ナトリウム(油性)0.03g(60wt%、0.65mmol)を入れ、n−ヘキサンで洗浄した。その後合成例5で得られた化合物(5)0.13g(0.25mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液5mLを10分かけて滴下し、室温で2時間攪拌した。この反応液を、ドライアイス−アセトンで−78℃に冷却した四塩化ハフニウム0.08g(0.24mmol)を含むテトラヒドラフラン溶液5mLに5分かけて滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら16時間攪拌した。反応液の溶媒を留去し、残渣に塩化メチレン10mLを加えしばらく攪拌した後、不溶物をガラスフィルターで取り除き、ろ液を濃縮した。残渣にジエチルエーテル2mL、n−ヘキサン10mLを加え懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターで濾別し、得られた固体をn−ヘキサン3mLで洗浄した後、減圧乾燥することで、下記式(C)で示した目的物(以下化合物(C)という)0.05g(収率28%)得られた。
FD−質量分析(M):763
Figure 2015182992
[実施例4]
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応容器に、水素化ナトリウム(油性)0.10g(60wt%、2.38mmol)を入れ、n−ヘキサンで洗浄した。その後合成例11で得られた化合物(11)0.63g(0.86mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液5mLを15分かけて滴下し、室温で2時間攪拌した。この反応液を、ドライアイス−アセトンで−78℃に冷却した四塩化ジルコニウムテトラヒドロフラン錯体0.32g(0.86mmol)を含むテトラヒドラフラン溶液5mLに15分かけて滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら16時間攪拌した。反応液の溶媒を留去し、残渣に塩化メチレン10mLを加えしばらく攪拌した後、不溶物をガラスフィルターで取り除き、ろ液を濃縮した。残渣にジエチルエーテル2mL、n−ヘキサン20mLを加え懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターで濾別し、得られた固体をn−ヘキサン5mLで洗浄した後、減圧乾燥することで、下記式(D)で示した目的物(以下化合物(D)という)が0.37g(収率49%)得られた。
FD−質量分析(M):884
Figure 2015182992
[実施例5]
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、実施例4で得られたジルコニウム化合物(D)を0.001mmol加え重合を開始した。
エチレンを100リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、25℃で5分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリエチレンが0.24g得られた。重合活性は2844g/mol−Zr・hrであり、得られたポリエチレンの極限粘度[η]は0.94dL/gであった。
[実施例6]
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入し、エチレン50リットル/hr、プロピレン150リットル/hrの混合ガスで液相および気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、実施例1で得られたチタン化合物(A)を0.005mmol加え、共重合を開始した。
50℃で10分間共重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
得られたポリマー懸濁液に、少量の塩酸を含む100mLの水を加えて激しく振とうし、静置した後水層を取り除いた。この操作を合計3回繰り返した後、溶媒を減圧下で留去し、さらに130℃にて10時間減圧乾燥した。
得られたエチレン・プロピレン共重合体(EPR)は、0.23gであった。重合活性は276g/mol−Zr・hrであり、IRにより測定したプロピレン含量は5.2mol%であった。
[比較例1]
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、下記ジルコニウム化合物(E)を0.002mmol加え重合を開始した。
エチレンを100リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、25℃で5分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリエチレンが0.05g得られた。重合活性は280g/mol−Zr・hrであり、得られたポリエチレンの極限粘度[η]は5.84dL/gであった。
Figure 2015182992
本発明にかかる新規な遷移金属化合物を含むオレフィン重合用触媒は高いオレフィン重合活性を示すため、本発明は工業的に極めて高い価値がある。

Claims (5)

  1. (A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物。
    Figure 2015182992

    (上記一般式(I)において、Mは周期律表第4〜6族の遷移金属原子を示す。
    〜R13は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、
    〜RおよびR〜R13のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
    Xは、Mに結合しており、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
    nは、Mの原子価を示す。
    Yは、酸素、硫黄、炭素、リン、ケイ素、セレン、スズおよびホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む2価の結合基を示し、炭化水素基である場合には炭素原子2個以上からなる基である。)
  2. 前記Mが周期律表第4族の遷移金属原子であり、nが4である請求項1に記載の遷移金属化合物(A)。
  3. 請求項1または2に記載の遷移金属化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒。
  4. 前記遷移金属化合物(A)に加えて、
    (B)(B−1)有機金属化合物、
    (B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および、
    (B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、
    から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    を含む、請求項3に記載のオレフィン重合用触媒。
  5. 請求項3または4に記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを単独重合または共重合させる、オレフィン系重合体の製造方法。
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