JP5748415B2 - 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒およびポリオレフィンの製造方法 - Google Patents
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Description
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式中、AとDとを結ぶ結合は二重結合もしくは三重結合であってもよい。)
前記(A)一般式(I)で表される遷移金属化合物のA、NおよびDが一般式(II)で表される構造を形成することが好ましい。
R9とR10は互いに連結して環を形成していてもよい。)
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記遷移金属化合物(A)を含む。
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記遷移金属化合物(A)に加えて、(B)(B-1)有機金属化合物、(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
なお、本明細書において「重合」という語は、「単独重合」と「共重合」とを包含した意味で用いる。また、「重合体」という語は、「単独重合体」と「共重合体」とを包含した意味で用いる。
本発明の遷移金属化合物(A)は、下記一般式(1)で表わされる。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式中、AとDとを結ぶ結合は二重結合もしくは三重結合であってもよい。)
なお、一般式(I)においてNとMとを繋ぐ点線は、NがMに配位していることを示す。
R1〜R6は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、R1〜R6のうちの2個以上は、互いに連結して環を形成してもよい。
前記炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;
エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;
シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基などの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
トリル基、iso−プロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基などのアルキル置換アリール基;などが挙げられる。
アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;
アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;
ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;
メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;
ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基;
ケイ素含有基;ゲルマニウム含有基;またはスズ含有基を有していてもよい。
上記炭化水素基が有していてもよい基として挙げた基のうち、
アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられ、
アリーロキシ基として具体的には、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基などが挙げられ、
エステル基として具体的には、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基などが挙げられ、
アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基などが挙げられ、
アミノ基として具体的には、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられ、
イミノ基として具体的には、メチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、ブチルイミノ基、フェニルイミノ基などが挙げられ、
アミド基として具体的には、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基などが挙げられ、
イミド基として具体的には、アセトイミド基、ベンズイミド基などが挙げられ、
チオエステル基として具体的には、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基、メチルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基などが挙げられ、
アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられ、
アリールチオ基として具体的には、フェニルチオ基、メチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられ、
スルホンエステル基として具体的には、スルホン酸メチル基、スルホン酸エチル基、スルホン酸フェニル基などが挙げられ、
スルホンアミド基として具体的には、フェニルスルホンアミド基、N−メチルスルホンアミド基、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド基などが挙げられる。
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基もしくはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基が好ましい。
前記炭化水素基としては、上記R1〜R6の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、アイコシル基などのアルキル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基;
ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;
ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基;
フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのアリール基などが挙げられる。
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコシキ基;
フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基などのアリーロキシ基;
フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基などのアリールアルコキシ基;
アセトキシ基;
カルボニル基などが挙げられる。ただし、前記酸素含有基はこれらに限定されるものではない。
メチルスルフィネート基、フェニルスルフィネート基、ベンジルスルフィネート基、p−トルエンスルフィネート基、トリメチルベンゼンスルフィネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート基などのスルフィネート基;
アルキルチオ基;
アリールチオ基などが挙げられる。ただし、前記イオウ含有基はこれらに限定されるものではない。
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基などのアルキルアミノ基;
フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。ただし、前記窒素含有基はこれらに限定されるものではない。
前記アルミニウム含有基として具体的には、AlR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基またはハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
トリフェニルホスフィン基、トリトリルホスフィン基などのトリアリールホスフィン基;
メチルホスファイト基、エチルホスファイト基、フェニルホスファイト基などのホスファイト基(ホスフィド基);
ホスホン酸基;
ホスフィン酸基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ケイ素含有基として具体的には、上記R1〜R6の説明で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、フェニルシリル基、ジフェニルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基などの炭化水素置換シリル基;
トリメチルシリルエーテル基などの炭化水素置換シリルエーテル基;
トリメチルシリルメチル基などのケイ素置換アルキル基;
トリメチルシリルフェニル基などのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
R9とR10は互いに連結して環を形成していてもよい。)
R7〜R10の具体例としては、前記一般式(I)のR1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。
まず、遷移金属(A)を構成する配位子は、サリチルアルデヒド類化合物と第1級アミン類化合物を反応させることにより得られる。第1級アミン類化合物は市販品で入手できるものをそのまま使用できるが、合成する場合は、例えば2−ハロゲン化アニリン類とフェノール誘導体のボロン酸との反応により得られる。具体的には、2−ハロゲン化アニリン類、フェノール誘導体のホウ素化合物、塩基性化合物、触媒としてパラジウム触媒、パラジウム触媒の配位子となる化合物の混合物に溶媒を加える。これらは溶媒に溶解していても良いし、していなくても良い。
溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもメタノール、エタノール等のアルコール溶媒、またはトルエン等の炭化水素溶媒が好ましい。次いで、室温から還流条件で、約1〜48時間攪拌すると、対応する配位子が良好な収率で得られる。配位子化合物を合成する際、触媒として、蟻酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒を用いてもよい。また、脱水剤として、モレキュラーシーブス、無水硫酸マグネシウムまたは無水硫酸ナトリウムを用いたり、ディーンスタークにより脱水しながら行うと、反応進行に効果的である。
また、遷移金属化合物を単離せず、配位子と金属化合物との反応溶液をそのまま重合に用いることもできる。
以下、本発明のオレフィン重合用触媒について具体的に説明する。
以下、化合物(B)を詳細に説明する。
本発明のオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)に加えて、(B)有機金属化合物(B−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)、および遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含むことが、重合活性の点から好ましい。以下、化合物(B−1)、(B−2)、(B−3)について説明する。
本発明で用いられる有機金属化合物(B−1)として、具体的には下記の一般式(B−1a)、(B−1b)、(B−1c)で表わされる有機金属化合物が挙げられる。
(一般式(B−1a)中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3、qは0≦q<3、rは0≦r<3、sは0≦s<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
M3AlRc 4 ・・・(B−1b)
(一般式(B−1b)中、M3はLi、NaまたはKを示し、Rcは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
RdReM4 ・・・(B−1c)
(一般式(B−1c)中、RdおよびReは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M4はMg、ZnまたはCdである。)
Ra pAl(ORb)3-p
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、pは好ましくは1.5≦p≦3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
Ra pAlY3-p
(式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは好ましくは0<p<3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
Ra pAlH3-p
(式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、pは好ましくは2≦p<3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
Ra pAl(ORb)qYs
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3、qは0≦q<3、sは0≦s<3の数であり、かつp+q+s=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;
ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
(i−C4H9)xAly(C5H10)z(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
Ra 2.5Al(ORb)0.5で表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す);
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
前記一般式(B−1c)に属する化合物としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛、ジメチルガドミウム、ジエチルカドミウムなどを挙げることができる。
上記のような有機金属化合物(B−1)は、1種類単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)としては、具体的には、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン等が挙げられる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
R12−B(OH)2 ・・・(V)
(一般式(V)中、R12は前記一般式(IV)におけるR12と同じ基を示す。)
上記のような有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
本発明で用いられる、遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
イオン化イオン性化合物(化合物(B−3))の例であるボラン化合物として具体的には、例えば、デカボラン;
ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
上記のようなイオン化イオン性化合物(遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3))は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
本発明で用いられる担体(C)は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。担体(C)に上記遷移金属化合物(A)および化合物(B)を担持させることで、良好なモルフォロジーのポリマーが得られる。
前記無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO4)2・H2O、α−Zr(HPO4)2、α−Zr(KPO4)2・3H2O、α−Ti(HPO4)2、α−Ti(HAsO4)2・H2O、α−Sn(HPO4)2・H2O、γ−Zr(HPO4)2、γ−Ti(HPO4)2、γ−Ti(NH4PO4)2・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
前述のように担体(C)は無機または有機の化合物であるが、有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
本発明において有機化合物成分(D)は、必要に応じて、本発明のオレフィン重合用触媒の重合性能(例えば、触媒活性)および生成ポリマーの物性(例えば、生成ポリマーの高分子量化)を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
上記スルホン酸塩としては、下記一般式(IX)で表されるものが挙げられる。
本発明に係るポリオレフィンの製造方法では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを単独重合または共重合することによりポリオレフィンを得る。なお、前述のように、本明細書においてオレフィンとは、炭素・炭素二重結合を分子中に一つ有する炭化水素を示す。
(1)遷移金属化合物(A)を単独で重合器に添加する方法。
(2)遷移金属化合物(A)をおよび化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)化合物(B)を担体(C)に担持した触媒成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)遷移金属化合物(A)と化合物(B)とを担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
(7)化合物(B)を担体(C)に担持した触媒成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(8)化合物(B)を担体(C)に担持した触媒成分、遷移金属化合物(A)、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一であっても異なっていてもよい。
(9)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、および化合物(B)を担体(C)に担持した成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(10)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、化合物(B)を担体(C)に担持した成分、および化合物(B)を任意の順序重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(12)化合物(B)と有機化合物成分(D)をあらかじめ接触させた成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(13)化合物(B)と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(14)遷移金属化合物(A)と化合物(B)を予め接触させた触媒成分、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(15)遷移金属化合物(A)と化合物(B)を予め接触させた触媒成分、および化合物(B)、有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(17)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、化合物(B)、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(18)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、および化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め接触させた成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(19)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め任意の順序で接触させた触媒成分を重合器に添加する方法。
(20)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を予め任意の順序で接触させた触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一であっても異なっていてもよい。
(21)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した触媒を重合器に添加する方法。
(22)遷移金属化合物(A)と化合物(B)と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、化合物(B)は、同一であっても異なっていてもよい。
炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。
無水マレイン酸、無水イタコン酸、アリルコハク酸無水物、イソブテニルコハク酸無水物、(2,7−オクタジエン−1−イル)コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などの不飽和カルボン酸無水物類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;
塩化ビニル、フッ化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、臭化アリル、塩化アリル、フッ化アリル、臭化アリルなどのハロゲン化オレフィン類;
アリルトリメチルシラン、ジアリルジメチルシラン、3−ブテニルトリメチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン、アリルトリフェニルシラン等のシリル化オレフィン類;
アクリロニトリル、2−シアノビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン、2,3−ジシアノビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン等の不飽和ニトリル類;
アリルアルコール、3−ブテノール、4−ペンテノール、5−ヘキセノール、6−へブテノール、7−オクテノール、8−ノネノール、9−デセノール、10−ウンデセノール、11−ドデセノール、12−トリデセノール等の不飽和アルコール化合物、およびこれらの酢酸エステル、安息香酸エステル、プロピオン酸エステル、カプロン酸エステル、カプリン酸エステル、ラウリン酸エステル、ステアリン酸エステル等の不飽和エステル類;
ビニルフェノール、アリルフェノール等の置換フェノール類;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アリルメチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテル、アリルメタリルエーテル、メトキシスチレン、エトキシスチレン、アリルアニソール等の不飽和エーテル類;
ブタジエンモノオキシド、1,2−エポキシ−7−オクテン、3−ビニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン等の不飽和エポキシド類;
アクロレイン、ウンデセナール等の不飽和アルデヒド類、およびこれらのジメチルアセタール、ジエチルアセタールなどの不飽和アセタール類;
メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、アリルメチルケトン、アリルエチルケトン、アリルプロピルケトン、アリルブチルケトン、アリルベンジルケトン等の不飽和ケトン類、およびこれらのジメチルアセタール、ジエチルアセタールなどの不飽和アセタール類;
アリルメチルスルフィド、アリルフェニルスルフィド、アリルイソプロピルスルフィド、アリルn−プロピルスルフィド、4−ペンテニルフェニルスルフィド等の不飽和チオエーテル類;
アリルフェニルスルホキシド等の不飽和スルホキシド類;
アリルフェニルスルホン等の不飽和スルホン類;
アリルジフェニルホスフィン等の不飽和ホスフィン類;
アリルジフェニルホスフィンオキシドのような不飽和ホスフィンオキシド類などが挙げられる。
7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンなどが挙げられる。
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、などの官能基含有スチレン誘導体;
および3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
なお、合成例および実施例で得られた化合物の構造は、270MHz 1H NMR(日本電子 GSH−270)、FD−質量分析(日本電子 SX−102A)等を用いて決定した。
また実施例で得られた共重合体のコモノマーの含量は、IR(日本分光 FT/IR―4200)によって測定した。
[合成例1]
充分に乾燥および窒素置換した500mLの反応器に、水素化ナトリウム(油性)7.27g(60wt%、182mmol)を仕込み、ペンタンで洗浄し、減圧下乾燥させた。テトラヒドロフラン150mLを加えた後、氷冷下で2,4−ジ−tert−ブチルフェノール25.0g(121mmol)をテトラヒドロフラン150mLに溶解させた溶液をシリンジで加えた。室温で3時間攪拌した後、氷冷下でヨウ化メチル25.8g(182mmol)を加えた。室温で2時間攪拌した後、イソブチルアルコールと水を加えて反応をクエンチした。ジエチルエーテルで可溶分を抽出し、得られた分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去することで、下記式(1)で示した目的物(以下化合物(1)という)がほぼ定量的に得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.32(1H,d,J=2.4Hz,Ar−H),7.18(1H,dd,J=8.4and2.1Hz,Ar−H),6.80(1H,d,J=8.6Hz,Ar−H)3.81(3H,s,−OCH3),1.38(9H,s,−C(CH3)3),1.31(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した500mLの反応器に、合成例1で得られた化合物(1)26.95g(122mmol)、塩化メチレン100mL、酢酸100mLを仕込んだ。氷冷下、臭素を滴下し、室温で8時間攪拌した。亜硫酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチし、塩化メチレンで可溶分を抽出した。得られた分画を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去することで、下記式(2)で示した目的物(以下化合物(2)という)が36.0g(収率98%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.40(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.28(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),3.91(3H,s,−OCH3),1.39(9H,s,−C(CH3)3),1.29(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した1000mLの反応器に、合成例2で得られた化合物(2)21.1g(70.4mmol)とテトラヒドロフラン300mLを仕込み、−78度に冷却した。n−ブチルリチウム溶液57.5mL(ヘキサン溶液、1.59M、91mmol)を1時間かけて滴下した。−78度で1時間攪拌した後、トリメトキシボラン23.6mL(211mmol)を30分かけて滴下した。室温まで昇温しながら一晩攪拌した。1N塩酸水溶液360mLを加えて1時間攪拌し、ジエチルエーテルで可溶分を抽出した。得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去することで、白色固体18.8gを得た。充分に乾燥および窒素置換した300mLの三口フラスコに得られた白色固体18.6g、2−ブロモアニリン8.47g(49.3mmol)、酢酸パラジウム0.11g(0.49mmol)、リン酸三カリウム(K3PO4)29.9g(141mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.30g(0.74mmol)、トルエン80mLを仕込み、オイルバス中で1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、水を加えて反応をクエンチした。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画をシリカゲル層を通して濾過した。ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(3)で示した目的物(以下化合物(3)という)が12.6g(収率78%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.34(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.14−7.20(2H,m,Ar−H),7.12(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.84(1H,dt,J=8.1and2.7Hz,Ar−H),6.80(1H,dd,J=8.1and2.7Hz,Ar−H),3.83(2H,br,−NH2),3.35(3H,s,−OCH3),1.43(9H,s,−C(CH3)3),1.31(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した500mLの反応器に、合成例3で得られた化合物(3)3.69g(11.8mmol)と塩化メチレン150mLを仕込み、−78度に冷却した。この反応液に三臭化ホウ素27.0mL(27.0mmol、1M 塩化メチレン溶液)を30分かけて滴下した。室温まで昇温し、1時間攪拌した後、還流下5時間さらに攪拌した。室温まで冷却し、水を25mLを加えてクエンチした後、有機層を分液し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を留去することで、下記式(4)で示した目的物(以下化合物(4)という)が3.36g(収率95%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.36(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.19−7.25(2H,m,Ar−H),7.13(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.82−6.96(2H,m,Ar−H),1.46(9H,s,−C(CH3)3),1.33(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)0.76g(2.56mmol)、3−t−ブチルサリチルアルデヒド0.48g(2.58mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン20mLを仕込み、加熱還流下、13時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液を留去することで、下記式(5)で示した目的物(以下化合物(5)という)が0.97g(収率83%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):11.8(1H,s,−OH),8.69(1H,s,−CH=N−),7.71−6.80(9H,m,Ar−H),5.02(1H,s,−OH),1.47(9H,s,−C(CH3)3),1.41(9H,s,−C(CH3)3)、1.27(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):457
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)1.26g(4.24mmol)、3−フェニルサリチルアルデヒドビ0.70g(3.53mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン20mLを仕込み、加熱還流下、1時間40分攪拌した。溶媒を留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。溶媒を留去して得られた残渣を、メタノールで洗浄すると下記式(6)で示した目的物(以下化合物(6)という)が1.39g(収率81%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):12.8(1H,s,−OH),8.49(1H,s,−CH=N−),7.58−7.21(12H,m,Ar−H),7.02(1H,d,J=2.2Hz,Ar−H),6.93(1H,t,J=7.6Hz,Ar−H),5.04(1H,s,−OH),1.38(9H,s,−C(CH3)3),1.26(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):477
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)1.15g(3.87mmol)、3−クミル−5−メチルサリチルアルデヒド0.70g(3.87mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン20mLを仕込み、加熱還流下、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去しすることで、下記式(7)で示した目的物(以下化合物(7)という)が1.94g(収率94%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):11.8(1H,s,−OH),8.30(1H,s,−CH=N−),7.43−7.10(11H,m,Ar−H),6.92(2H,d,J=2.7Hz,Ar−H),5.00(1H,s,−OH),2.29(3H,s,Ar−CH3),1.65(6H,s,C−CH3),1.33(9H,s,−C(CH3)3),1.23(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):533
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)0.50g(1.68mmol)、3−(1,1−ジフェニルエチル)サリチルアルデヒド0.51g(1.68mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン10mLを仕込み、加熱還流下、4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去することで、下記式(8)で示した目的物(以下化合物(8)という)が0.89g(収率91%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):12.6(1H,s,−OH),8.37(1H,s,−CH=N−),7.47−7.04(16H,m,Ar−H),6.94(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.68−6.62(2H,m,Ar−H),4.89(1H,s,−OH),2.25(3H,s,C−CH3),1.29(9H,s,−C(CH3)3),1.21(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した500mLの反応器に、水素化ナトリウム(油性)5.04g(60wt%、126mmol)を仕込み、ペンタンで洗浄し、減圧下乾燥させた。テトラヒドロフラン130mLを加えた後、氷冷下で2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノール33.5g(105mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解させた溶液をシリンジで加えた。室温で3時間攪拌した後、氷冷下でヨウ化メチル8.0mL(129mmol)を加えた。室温で15時間攪拌した後、イソブチルアルコールと水を加えて反応をクエンチした。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去することで、下記式(9)で示した目的物(以下化合物(9)という)がほぼ定量的に得られた。
充分に乾燥および窒素置換した500mLの反応器に、合成例9で得られた未精製の化合物(9)19.2g(約55.7mmol)、塩化メチレン50mL、酢酸100mLを仕込んだ。氷冷下、臭素18.0g(113mmol)を滴下し、室温で3時間攪拌した。亜硫酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチし、塩化メチレンで可溶分を抽出した。得られた分画を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去することで、下記式(10)で示した目的物(以下化合物(10)という)がほぼ定量的に得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.36−7.08(12H,m,Ar−H),2.77(3H,s,−OCH3),1.70(6H,s,C−CH3),1.58(6H,s,C−CH3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した1000mLの反応器に、合成例10で得られた未精製の化合物(10)45.0g(約106mmol)とテトラヒドロフラン300mLを仕込み、−78度に冷却した。n−ブチルリチウム溶液82.0mL(ヘキサン溶液、1.59M、130mmol)を45分間かけて滴下した。−78度で1時間攪拌した後、トリメトキシボラン23.0mL(207mmol)を15分かけて滴下した。室温まで昇温しながら一晩攪拌した。2N塩酸水溶液250mLを加えて1時間攪拌し、ジエチルエーテルで可溶分を抽出した。得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去しすることで、黄色オイル状残渣を得た。充分に乾燥および窒素置換した300mLの三口フラスコに得られた黄色オイル状残渣、2−ブロモアニリン12.1g(70.3mmol)、酢酸パラジウム0.16g(0.71mmol)、リン酸三カリウム(K3PO4)42.6g(201mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.58g(1.41mmol)、テトラヒドロフラン100mLを仕込み、オイルバス中で1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、水を加えて反応をクエンチした。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(11)で示した目的物(以下化合物(11)という)が25.5g(収率約83%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.37−7.27(5H,m,Ar−H),7.23−7.14(5H,m,Ar−H),7.13−7.03(4H,m,Ar−H),6.74(1H,t,J=7.4Hz,Ar−H),6.67(1H,d,J=7.8Hz,Ar−H),3.54(2H,br−s,−NH2),2.35(3H,s,−OCH3),1.73(6H,s,C−CH3),1.69(3H,s,C−CH3),1.58(3H,s,C−CH3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した500mLの反応器に、合成例11で得られた化合物(11)9.75g(22.4mmol)と塩化メチレン25mLを仕込んだ。この反応液に三臭化ホウ素45.0mL(45.0mmol、1M 塩化メチレン溶液)を5分かけて滴下した後、還流下4時間攪拌した。室温まで冷却し、水25mLを加えてクエンチした後、有機層を分液し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を留去することで、下記式(12)で示した目的物(以下化合物(12)という)が9.26g(収率98%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.37−7.03(14H,m,Ar−H),6.82(1H,dt,J=7.3and0.9Hz,Ar−H),6.68(1H,dt,J=8.1and0.9Hz,Ar−H),5.91(1H,br-s,−OH),3.52(2H,br-s,−NH2),1.73(6H,s,C−CH3),1.66(6H,s,C−CH3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、合成例12で得られた化合物(12)2.11g(4.77mmol)、3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド0.85g(8.68mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン20mLを仕込み、加熱還流下、4時間攪拌した。溶媒を留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(13)で示した目的物(以下化合物(13)という)が2.54g(収率91%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):13.2(1H,s,−OH),8.32(1H,s,−CH=N−),7.42−7.05(14H,m,Ar−H),7.03−6.93(2H,m,Ar−H),6.86(3H,t,J=7.7Hz,Ar−H),4.27(1H,s,−OH),1.71(6H,s,C−CH3),1.57(6H,s,C−CH3),1.44(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):581
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)0.70g(2.35mmol)、2―ヒドロキシベンズアルデヒド0.29g(2.35mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン10mLを仕込み、加熱還流下、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去し、ヘキサンを用いて再結晶化することにより、下記式(14)で示した黄色粉末の化合物(以下化合物(14)という)を0.57g(収率60%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):12.1(1H,br,−OH),8.47(1H,s,−CH=N−),7.51−7.23(7H,m,Ar−H),7.00(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.89−6.83(2H,m,Ar−H),4.98(1H,br,−OH),1.39(9H,s,−C(CH3)3),1.27(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)1.25g(4.21mmol)、2−クロロフェノールと3−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒドの1:1混合物1.14g(互いに4.00mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン20mLを仕込み、加熱還流下、4時間攪拌した。溶媒を留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(15)で示した目的物(以下化合物(15)という)と2−クロロフェノールの2:3混合物が1.43g(収率69%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):12.9(1H,br−s,−OH),8.44(1H,s,−CH=N−),7.54−7.45(2H,m,Ar−H),7.45−7.35(2H,m,Ar−H),7.35−7.26(2H,m,Ar−H),7.15(1H,dd,J=7.8and1.5Hz,Ar−H),7.04−6.98(1H,m,Ar−H),6.80(1H,t,J=7.8Hz,Ar−H),5.00(1H,br−s,−OH),1.40(9H,s,−C(CH3)3),1.28(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):435
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)1.31g(4.42mmol)、3−イソプロピル−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド0.66g(4.02mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン20mLを仕込み、加熱還流下、3時間攪拌した。溶媒を留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(16)で示した目的物(以下化合物(16)という)が1.61g(収率91%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):12.5(1H,br−s,−OH),8.45(1H,s,−CH=N−),7.52−7.43(2H,m,Ar−H),7.42−7.33(1H,m,Ar−H),7.32−7.21(3H,m,Ar−H),7.09(1H,dd,J=7.6and1.7Hz,Ar−H),7.01(1H,d,J=2.4Hz,Ar−H),6.82(1H,t,J=7.6Hz,Ar−H),5.04(1H,br−s,−OH),3.28(1H,sept,J=6.9Hz,−CH(CH3)2),1.34(9H,s,−C(CH3)3),1.28(9H,s,−C(CH3)3),1.18(6H,d,J=6.9Hz,−CH(CH3)2)ppm
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)1.18g(3.98mmol)、1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド0.65g(3.79mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン10mLを仕込み、加熱還流下、2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去し、ヘキサンを用いて再結晶化することにより、下記式(17)で示される黄色粉末の化合物(以下化合物(17)という)を1.37g(収率80%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.38(1H,br,−CH=N−),8.29(1H,brd,J=8.1Hz,Ar−H),7.64(1H,brd,J=8.1Hz,Ar−H),7.55−7.35(7H,m,Ar−H),7.09−7.05(3H,m,Ar−H),1.44(9H,s,−C(CH3)3),1.31(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した300mLの三口フラスコに合成例3で得られた化合物(3)4.41g、2−ブロモ−4,6−ジフルオロアニリン2.43g(11.7mmol)、酢酸パラジウム0.026g(0.12mmol)、リン酸三カリウム(K3PO4)7.09g(33.4mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.072g(0.18mmol)、トルエン40mLを仕込み、オイルバス中で1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画をシリカゲル層を通して濾過した。ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(18)で示される白色粉末の化合物(以下化合物(18)という)を1.72g(収率30%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.38(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.08(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.85−6.74(2H,m,Ar−H),3.84(2H, br, −NH2), 3.38(3H,s,−OMe),1.43(9H,s,−C(CH3)3),1.32(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した200mLの反応器に、合成例18で得られた化合物(18)1.00g(2.88mmol)と塩化メチレン20mLを仕込み、−78℃に冷却した。この反応液に三臭化ホウ素5.8mL(5.76mmol、1M 塩化メチレン溶液)を5分かけて滴下した。室温まで昇温し、2時間30分攪拌した。溶液を氷冷下、水を25mLを加えてクエンチした後、有機層を分液し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を留去することで、下記式(19)で示される白色粉末の化合物(以下化合物(19)という)を0.81g(収率84%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.40(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.08(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.90−6.80(2H,m,Ar−H),3.73(2H,br,−NH2),1.45(9H,s,−C(CH3)3),1.33(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例19で得られた化合物(19)0.40g(1.20mmol)、3−tert−ブチル−ヒドロキシベンズアルデヒド0.23g(1.26mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン10mLを仕込み、加熱還流下、14時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(20)で示される黄色粉末の化合物(以下化合物(20)という)を0.29g(収率49%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):12.6(1H,br,−OH),8.41(1H,d,J=2.7Hz,−CH=N−),7.33−7.29(2H,m,Ar−H),7.04−6.95(4H,m,Ar−H),6.76(1H,t,J=8.1Hz,Ar−H),4.82(1H,br,−OH),1.34(9H,s,−C(CH3)3),1.32(9H,s,−C(CH3)3),1.26(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応器に、合成例12で得られた化合物(12)1.77g(4.20mmol)、2−ヒドロキシベンズアルデヒド0.49g(4.00mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン20mLを仕込み、加熱還流下、3時間攪拌した。溶媒を留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(21)で示した目的物(以下化合物(21)という)が1.79g(収率85%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):12.4(1H,s,−OH),8.31(1H,s,−CH=N−),7.39−7.24(6H,m,Ar−H),7.24−7.15(6H,m,Ar−H),7.15−7.06(2H,m,Ar−H),7.02−6.93(5H,m,Ar−H),6.89(1H,dt,J=7.5and1.0Hz,Ar−H),4.34(1H,s,−OH),1.70(6H,s,Ar−C−(CH3)2),1.57(6H,s,Ar−C−(CH3)2)ppm
充分に乾燥、窒素置換した500mLの反応器に、水素化ナトリウム(油性)5.09g(60wt%、127mmol)を仕込み、テトラヒドロフラン100mLを加えた後、氷冷下で2−ヒドロキシビフェニル17.0g(100mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解させた溶液をカニュラーでゆっくり滴下した。室温で3時間攪拌した後、氷冷下でクロロメチルメチルエーテル9.50mL(125mmol)を加えた。室温で2時間攪拌した後、水を加えて反応をクエンチした。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(22)で示した目的物(以下化合物(22)という)が21.0g(収率約98%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.56−7.48(2H,m,Ar−H),7.45−7.36(2H,m,Ar−H),7.36−7.25(3H,m,Ar−H),7.21(1H,dd,J=8.2and1.2Hz,Ar−H),7.08(1H,dt,J=7.4and1.4Hz,Ar−H),5.10(2H,s,−OCH2OCH3),3.38(3H,s,−OCH2OCH3)ppm
充分に乾燥、窒素置換した500mLの反応器に、合成例22で得られた化合物(22)20.9g(97.6mmol)とテトラヒドロフラン200mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液70.5mL(ヘキサン溶液、1.65M、116mmol)を加えた。室温で2時間攪拌した後−78℃に冷却し、トリメトキシボラン16.5mL(148mmol)を15分かけて滴下した。室温まで昇温しながら一晩攪拌した後、この反応混合物の溶媒を留去することで、黄色オイル状残渣を得た。この残渣に、2−ブロモアニリン12.1g(70.3mmol)、酢酸パラジウム0.18g(0.80mmol)、リン酸三カリウム(K3PO4)41.1g(194mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.64g(1.57mmol)、テトラヒドロフラン250mL、蒸留水50mLを仕込み、オイルバス中で2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、水を加えて反応をクエンチし、濃塩酸20mLを加えた。酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(23)で示した目的物(以下化合物(23)という)が12.8g(収率60%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.60(1H,t,J=1.7Hz,Ar−H),7.57(1H,t,J=1.4Hz,Ar−H),7.46−7.27(6H,m,Ar−H),7.27−7.11(2H,m,Ar−H),6.84(1H,dt,J=7.5and1.2Hz,Ar−H),6.77(1H,dd,J=8.0and0.9Hz,Ar−H),4.39(2H,d,J=1.7Hz,−OCH2OCH3),3.84(2H,br−s,−NH2),2.65(3H,s,−OCH2OCH3)ppm
充分に乾燥、窒素置換した300mLの反応器に、合成例23で得られた化合物(23)12.7g(41.6mmol)とメタノール40mLと塩化メチレン40mLを仕込んだ。この反応液にp−トルエンスルホン酸9.57g(50.3mmol)と濃塩酸7.0mL(12M、約84mmol)加え、一晩攪拌した。氷冷下水酸化ナトリウム水溶液73mL(2.0M、145mmol)を加えてクエンチした後、塩化メチレンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(24)で示した目的物(以下化合物(24)という)が9.05g(収率83%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.61(1H,t,J=1.8Hz,Ar−H),7.60−7.56(1H,m,Ar−H),7.47−7.17(7H,m,Ar−H),7.07(1H,t,J=7.6Hz,Ar−H),6.98(1H,br−s,−OH),6.96(1H,dt,J=7.6and1.2Hz,Ar−H),6.83(1H,dd,J=8.0and0.8Hz,Ar−H),3.75(2H,br−s,−NH2)ppm
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応器に、合成例24で得られた化合物(24)0.83g(3.18mmol)、2−ヒドロキシビフェニル−3−カルバルデヒド0.60g(3.03mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン15mLを仕込み、加熱還流下、1.5時間攪拌した。溶媒を留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(25)で示した目的物(以下化合物(25)という)が1.30g(収率98%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):13.4(1H,br−s,−OH),8.61(1H,s,−CH=N−),7.64−7.19(17H,m,Ar−H),7.17(1H,dd,J=7.6and1.8Hz,Ar−H),7.01(1H,t,J=7.7Hz,Ar−H),6.95(1H,t,J=7.7Hz,Ar−H),5.34(1H,br−s,−OH)ppm
充分に乾燥および窒素置換した100mLの三口フラスコに2−ヨードフェノール0.37g(1.68mmol)、4−ビフェニルボロン酸0.50g(2.52mmol)、酢酸パラジウム0.019g(0.084mmol)、リン酸三カリウム(K3PO4)0.72g(3.37mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.035g(0.084mmol)、トルエン40mL、水10mLを仕込み、オイルバス中で1時間30分加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画をシリカゲル層を通して濾過した。ろ液を留去して得られた残渣をヘキサン・酢酸エチルの混合溶媒で洗浄し、上澄みを除去、残渣を乾燥させることにより、白色粉末が得られた。この白色粉末およびテトラヒドロフラン4mLを充分に乾燥および窒素置換した10mLの反応器に仕込み、攪拌した。この溶液を、0℃に冷却したエチルマグネシウムブロミド溶液0.43mL(3.00M、1.29mmol)に滴下した。滴下終了後、室温まで戻しながら30分攪拌を続けた。パラホルムアルデヒド0.11g(3.57mmol)、トリエチルアミン0.25mL(1.78mmol)を加え、オイルバス中で1時間30分加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、濃塩酸1mLと水3mLの混合液によりクエンチし、有機層を分液し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧乾燥することにより黄色粉末の化合物を0.22g得た。充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、この黄色粉末化合物0.22g、合成例4で得られた化合物(4)0.23g(0.79mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン10mLを仕込み、加熱還流下、5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をヘキサンを用いて再結晶化することで、下記式(26)で示される黄色粉末の化合物(以下化合物(26)という)を0.23g(2−ヨードフェノールに対して収率24%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):12.9(1H,br,−OH),8.51(1H,s,−CH=N−),7.68−7.60(6H,m,Ar−H),7.52−7.23(10H,m,Ar−H),7.03(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.96(1H,d,J=8.1Hz,Ar−H),5.04(1H,br,−OH),1.39(9H,s,−C(CH3)3),1.28(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)0.49g(1.66mmol)、2−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−(2−フェニルプロパン−2−イル)ベンズアルデヒド0.41g(1.50mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン8mLを仕込み、加熱還流下、2時間攪拌した。溶媒を留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(27)で示した目的物(以下化合物(27)という)が0.75g(収率91%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):11.7(1H,br−s,−OH),8.28(1H,s,−CH=N−),7.47−7.37(2H,m,Ar−H),7.37−7.28(1H,m,Ar−H),7.24−7.07(8H,m,Ar−H),6.92(1H,d,J=2.5Hz,Ar−H),6.57(1H,d,J=3.1Hz,Ar−H),5.00(1H,br−s,−OH),3.77(3H,s,Ar−OCH3),1.65(6H,s,Ar−C−(CH3)2),1.32(9H,s,−C(CH3)3),1.23(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥、窒素置換した100mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)0.49g(1.66mmol)、3−(1,1−ジフェニルエチル)−2−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド0.50g(1.50mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン8mLを仕込み、加熱還流下、2時間攪拌した。溶媒を留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(28)で示した目的物(以下化合物(28)という)が0.83g(収率90%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):12.1(1H,br−s,−OH),8.33(1H,s,−CH=N−),7.49−7.39(2H,m,Ar−H),7.38−7.30(1H,m,Ar−H),7.27−7.12(8H,m,Ar−H),7.10−7.01(4H,m,Ar−H),6.93(1H,d,J=2.5Hz,Ar−H),6.56(1H,d,J=3.1Hz,Ar−H),6.29(1H,d,J=3.1Hz,Ar−H),4.95(1H,br−s,−OH),3.59(3H,s,Ar−OCH3),2.25(3H,s,Ar−C−CH3),1.29(9H,s,−C(CH3)3),1.21(9H,s,−C(CH3)3)ppm
[実施例1]
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、合成例5で得られた化合物(5)1.21g(2.13mmol)、トルエン溶液25mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液1.21mL(1.00M、1.21mmol)を含むトルエン溶液25mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら15時間攪拌を続けた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.39(1H,s,−CH=N−),7.66(1H,dd,J=7.6and1.7Hz,Ar−H),7.54−7.37(4H,m,Ar−H),7.31−7.25(1H,m,Ar−H),7.17−7.03(3H,Ar−H),1.51(9H,s,−C(CH3)3),1.45(9H,s,−C(CH3)3),1.30(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):574
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例6で得られた化合物(6)0.29g(0.64mmol)、トルエン溶液7.5mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.62mL(1.00M、0.64mmol)を含むトルエン溶液7.5mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら16時間攪拌を続けた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.43(1H,s,−CH=N−),7.78(1H,dd,J=8.1and2.2Hz,Ar−H),7.70−7.67(2H,m,Ar−H),7.53−7.41(8H,m,Ar−H),7.29(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.08−7.13(2H,m,Ar−H),1.41(9H,s,−C(CH3)3),1.30(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):593
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例7で得られた化合物(7)0.47g(0.87mmol)、トルエン溶液7.5mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.89mL(1.00M、0.89mmol)を含むトルエン溶液7.5mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら18時間攪拌を続けた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.26(1H,s,−CH=N−),7.47−7.19(11H,m,Ar−H),7.11(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.99−6.96(1H,m,Ar−H),2.36(3H,s,Ar−CH3),1.83(3H,s,C−CH3),1.81(3H,s,C−CH3)1.34(9H,s,−C(CH3)3),1.29(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):649
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例8で得られた化合物(8)0.42g(0.73mmol)、トルエン溶液7.5mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.76mL(1.00M、0.76mmol)を含むトルエン溶液7.5mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら16時間攪拌を続けた。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.38(1H,s,−CH=N−),7.48−6.98(19H,m,Ar−H),2.48(3H,s,C−CH3),1.35(9H,s,−C(CH3)3),1.30(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):697
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例13で得られた化合物(13)0.87g(1.50mmol)、トルエン溶液15mLを仕込み、攪拌した。 この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタン1.50mLトルエン溶液(1.00M、1.50mmol)を含むトルエン溶液15mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら18時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサン30mLを加え、超音波を照射し、懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(E)で示される褐色粉末の化合物(以下チタン化合物(E)という)を0.99g(収率95%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.35(1H,s,−CH=N−),7.68(1H,dd,J=7.8and1.6Hz,Ar−H),7.49−7.31(4H,m,Ar−H),7.30−6.90(14H,m,Ar−H),1.73(6H,d,J=14Hz,C−CH3),1.61(6H,s,C−CH3),1.50(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):697
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例4で得られた化合物(4)0.20g(0.67mmol)、3−アダマンチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンズアルデヒドビ0.18g(0.67mmol)、少量のp−トルエンスルホン酸、トルエン5mLを仕込み、加熱還流下、2時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液を留去することで黄色の固体(a)を0.31g得た。(a)0.13gをトルエン5mLに溶解させ、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.24mL(1.00M、0.24mmol)を含むトルエン溶液5mLに滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで戻しながら15時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体をヘキサンで洗浄し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(F)で示される橙色粉末の化合物(以下チタン化合物(F)という)を0.14g(四塩化チタンに対して収率86%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.32(1H,s,−CH=N−),7.51−7.38(4H,m,Ar−H),7.28(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.16(1H,brs,Ar−H),7.13(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.07−7.04(1H,m,Ar−H),2.35(3H,s,−CH3),2.16−1.77(15H,m,Ad)1.44(9H,s,−C(CH3)3),1.30(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した50mLの反応器に、合成例14で得られた化合物(14)0.20g(0.50mmol)、トルエン溶液3mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.52mL(1.00M、0.52mmol)を含むトルエン溶液3mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら18時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体をヘキサンで洗浄し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(G)で示される橙色粉末の化合物(以下チタン化合物(G)という)を0.24g(収率94%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.36(1H,s,−CH=N−),7.65−7.46(4H,m,Ar−H),7.29−7.02(6H,m,Ar−H),1.44(9H,s,−C(CH3)3),1.30(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例15で得られた化合物(15)0.36g(60wt%,0.50mmol)、トルエン溶液3mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.50mL(1.00M、0.50mmol)を含むトルエン溶液5mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら16時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサン10mLを加え、超音波を照射し、懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(H)で示される褐色粉末の化合物(以下チタン化合物(H)という)を0.27g(収率97%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.37(1H,s,−CH=N−),7.68(1H,dd,J=7.9and1.5Hz,Ar−H),7.56−7.40(4H,m,Ar−H),7.29(1H,d,J=2.4Hz,Ar−H),7.15−7.04(3H,m,Ar−H),1.45(9H,s,−C(CH3)3),1.30(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):551
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例16で得られた化合物(16)0.22g(0.50mmol)、トルエン溶液3mLを仕込み、攪拌した。 この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.50mL(1.00M、0.50mmol)を含むトルエン溶液5mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら17時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサン15mLを加え、超音波を照射し、懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(I)で示される褐色粉末の化合物(以下チタン化合物(I)という)を0.20g(収率72%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.36(1H,s,−CH=N−),7.59−7.40(4H,m,Ar−H),7.37(1H,dd,J=7.7and1.6Hz,Ar−H),7.32−7.20(1H,m,Ar−H),7.18−6.92(3H,m,Ar−H),3.47(1H,sept,J=6.9Hz,−CH(CH3)2),1.45(9H,s,−C(CH3)3),1.37−1.21(15H,m,−C(CH3)3,−CH(CH3)2)ppm
FD−質量分析(M+):559
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例17で得られた化合物(17)0.30g(0.66mmol)、トルエン溶液10mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.70mL(1.00M、0.70mmol)を含むトルエン溶液7.5mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら18時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体をヘキサンで洗浄し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(J)で示される橙色粉末の化合物(以下チタン化合物(J)という)を0.33g(収率88%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.55(1H,brd,J=8.1Hz,Ar−H),8.48(1H,s,−CH=N−),7.81−7.79(1H,m,Ar−H),7.71−7.64(2H,m,Ar−H),7.57−7.43(5H,m,Ar−H),7.26(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.14(2H,d、J=2.7Hz,Ar−H),1.43(9H,s,−C(CH3)3),1.29(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例20で得られた化合物(20)0.15g(0.30mmol)、トルエン溶液7mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.30mL(1.00M、0.30mmol)を含むトルエン溶液5mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら18時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体をヘキサンで洗浄し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(K)で示される橙色粉末の化合物(以下チタン化合物(K)という)を0.14g(収率77%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.41(1H,d,J=2.7Hz,−CH=N−),7.70(1H,dd,J=8.1and2.7Hz,Ar−H),7.42(1H,dd,J=8.1and2.7Hz,Ar−H),7.33(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.15(1H,t,J=8.1Hz,Ar−H),7.09−6.98(3H,m,Ar−H),1.51(9H,s,−C(CH3)3),1.42(9H,s,−C(CH3)3),1.30(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M+):609
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例21で得られた化合物(21)0.26g(0.50mmol)、トルエン溶液3mLを仕込み、攪拌した。 この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.50mL(1.00M、0.50mmol)を含むトルエン溶液5mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら5時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサン6mLを加え、超音波を照射し、懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(L)で示される褐色粉末の化合物(以下チタン化合物(L)という)を0.31g(収率97%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.25(1H,s,−CH=N−),7.63(1H,dt,J=7.3and1.7Hz,Ar−H),7.49(1H,dd,J=7.7and1.6Hz,Ar−H),7.45−7.35(3H,m,Ar−H),7.35−7.10(8H,m,Ar−H),7.05−6.97(2H,m,Ar−H),6.92−6.70(5H,m,Ar−H),1.99(3H,s,Ar−C−CH3),1.73(6H,d,J=1.2Hz,Ar−C−(CH3)2),1.38(3H,s,Ar−C−CH3)ppm
FD−質量分析(M+):641
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例25で得られた化合物(25)0.22g(0.51mmol)、トルエン溶液3mLを仕込み、攪拌した。 この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.50mL(1.00M、0.50mmol)を含むトルエン溶液5mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら24時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサン10mLを加え、超音波を照射し、懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(M)で示される褐色粉末の化合物(以下チタン化合物(M)という)を0.25g(収率90%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.36(1H,s,−CH=N−),7.75(1H,dd,J=7.6and1.6Hz,Ar−H),7.60−7.04(19H,m,Ar−H)ppm
FD−質量分析(M+):557
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、合成例26で得られた化合物(26)0.10g(0.17mmol)、トルエン溶液5mLを仕込み、攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタントルエン溶液0.18mL(1.00M、0.18mmol)を含むトルエン溶液5mLに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら18時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体をヘキサンで洗浄し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(N)で示される深赤色粉末の化合物(以下チタン化合物(N)という)を0.082g(収率72%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.45(1H,s,−CH=N−),7.86(1H,dd,J=8.1and2.7Hz,Ar−H),7.80−7.63(6H,m,Ar−H),7.55−7.45(6H,m,Ar−H),7.40−7.37(1H,m,Ar−H),7.31−7.28(2H,m,Ar−H),7.15(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),7.12−7.09(1H,m,Ar−H),1.44(9H,s,−C(CH3)3),1.31(9H,s,−C(CH3)3)ppm
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、水素化ナトリウム23mg(60wt%,0.58mmol)とジエチルエーテル2mLを仕込んだ。氷冷下で、合成例5で得られた化合物(5)0.23g(0.50mmol)をジエチルエーテル3mLに溶解させた溶液をシリンジで加え、室温で30分攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却したテトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム0.18g(0.48mmol)を含むジエチルエーテル溶液5mLに滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで戻しながら16時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタン5mLを加え、超音波を照射することで、懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサン7mLを加え、超音波を照射することで、懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(O)で示される黄色粉末の化合物(以下ジルコニウム化合物(O)という)を0.24g(収率71%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.08(1H,s,−CH=N−),7.54(1H,dd,J=7.7and1.7Hz,Ar−H),7.49−7.42(3H,m,Ar−H),7.32−7.23(2H,m,Ar−H),7.19(1H,dd,J=7.7and1.7Hz,Ar−H),7.08(1H,d,J=2.6Hz,Ar−H),6.87(1H,t,J=7.7Hz,Ar−H),4.01(2H,brs,THF),3.94(2H,brs,THF),1.63(4H,brs,THF),1.49(9H,s,−C(CH3)3),1.43(9H,s,−C(CH3)3),1.30(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M−THF+):617
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、水素化ナトリウム35mg(60wt%,0.88mmol)とジエチルエーテル3mLを仕込み、0℃に冷却した。氷冷下で、合成例7で得られた化合物(7)0.19g(0.35mmol)をジエチルエーテル3mLに溶解させた溶液をシリンジで加え、室温で1時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却したテトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム131mg(0.35mmol)を含むジエチルエーテル溶液3mLに滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで戻しながら15時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサンを加え攪拌し、静置後上澄み溶液を除去した。トルエンを用いて、セライト濾過を行い、得られた溶液を減圧乾燥することにより、下記式(P)で示される淡黄色粉末の化合物(以下ジルコニウム化合物(P)という)を0.14g(収率54%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.96(1H,s,−CH=N−),7.40(2H,m,Ar−H),7.30−7.16(9H,m,Ar−H),7.05(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.98(1H,s,Ar−H),3.85(brs,4H,THF),2.26(3H,s,−CH3),1.84(3H,s,−CH3),1.76(3H,s,−CH3),1.56(4H,brs,THF),1.35(9H,s,−C(CH3)3),1.29(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M−THF+):693
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、水素化ナトリウム35mg(60wt%,0.88mmol)とジエチルエーテル5mLを仕込み、0℃に冷却した。氷冷下で、実施例6で得られた固体(a)0.19gをジエチルエーテル5mLに溶解させた溶液をシリンジで加え、室温で1時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却したテトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム133mg(0.35mmol)を含むジエチルエーテル溶液5mLに滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで戻しながら15時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサンを加え攪拌し、静置後上澄み溶液を除去した。トルエンを用いて、セライト濾過を行い、得られた溶液を減圧乾燥することにより、下記式(Q)で示される淡黄色粉末の化合物(以下ジルコニウム化合物(Q)という)を0.062g(収率22%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.03(1H,s,−CH=N−),7.45(3H,m,Ar−H),7.28(2H,t,J=2.7Hz,Ar−H),7.24(1H,br,Ar−H),7.07(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.96(1H,br,Ar−H),3.96(4H,br,THF),2.26(3H,s,−CH3),2.18(4H,br,THF),2.11−1.62(15H,brm,Ad)1.44(9H,s,−C(CH3)3),1.29(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M−THF+):709
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、水素化ナトリウム41mg(60wt%,1.03mmol)とテトラヒドロフラン6mLを仕込んだ。氷冷下で、合成例27で得られた化合物(27)0.22g(0.39mmol)をテトラヒドロフラン2mLに溶解させた溶液をシリンジで加え、室温で3時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却したテトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム0.19g(0.51mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液7mLに滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで戻しながら20時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタン10mLを加え、超音波を照射することで、懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサン10mLを加え、超音波を照射することで、懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで除去した。得られた溶液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサン5mLを加え、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(R)で示される黄色粉末の化合物(以下ジルコニウム化合物(R)という)を0.12g(収率31%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):7.99(1H,s,−CH=N−),7.47−7.37(3H,m,Ar−H),7.36−7.25(5H,m,Ar−H),7.22−7.12(3H,m,Ar−H),7.05(1H,d,J=2.5Hz,Ar−H),6.65(1H,d,J=3.1Hz,Ar−H),3.86(4H,brs,THF),3.72(3H,s,Ar−OCH3),1.85(3H,s,Ar−C−CH3),1.75(3H,s,Ar−C−CH3),1.56(4H,brs,THF),1.36(9H,s,−C(CH3)3),1.29(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M−THF+):709
充分に乾燥および窒素置換した30mLの反応器に、水素化ナトリウム32mg(60wt%,0.81mmol)とジエチルエーテル2mLを仕込み、0℃に冷却した。氷冷下で、合成例28で得られた化合物(28)0.25g(0.40mmol)をジエチルエーテル4mLに溶解させた溶液をシリンジで加え、室温で2時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却したテトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム152mg(0.40mmol)を含むジエチルエーテル溶液2mLに滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで戻しながら15時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体をトルエンに溶解させ、セライト濾過を行い、得られた溶液を減圧乾燥した。得られた固体にn−ヘキサンを加え攪拌し、静置後上澄み溶液を除去、その後減圧乾燥することにより、下記式(S)で示される黄色粉末の化合物(以下ジルコニウム化合物(S)という)を0.19g(収率57%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.06(1H,s,−CH=N−),7.43−7.05(16H,m,Ar−H),6.70(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),6.47(1H,d,J=2.7Hz,Ar−H),3.84(br,4H,THF),3.58(s,3H,−OMe),2.45(3H,s,−CH3),1.55(4H,brs,THF),1.37(9H,s,−C(CH3)3),1.30(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M−THF+):771
充分に乾燥および窒素置換した100mLの反応器に、水素化ナトリウム26mg(60wt%,0.64mmol)とテトラヒドロフラン2mLを仕込んだ。氷冷下で、合成例5で得られた化合物(5)0.23g(0.50mmol)をテトラヒドロフラン3mLに溶解させた溶液をシリンジで加え、室温で3時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却したテトラクロロハウニウム0.16g(0.50mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液5mLに滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで戻しながら19時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタン5mLを加え、超音波を照射することで、懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサン10mLを加え、超音波を照射することで、懸濁液を調整した。不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより下記式(T)で示される鶯色粉末の化合物(以下ハフニウム化合物(T)という)を0.29g(収率75%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3):8.12(1H,s,−CH=N−),7.56(1H,dd,J=7.7and1.6Hz,Ar−H),7.50−7.40(4H,m,Ar−H),7.33(1H,d,J=2.6Hz,Ar−H),7.18(1H,dd,J=7.7and1.6Hz,Ar−H),7.08(1H,d,J=2.6Hz,Ar−H),6.84(1H,t,J=7.6Hz,Ar−H),4.05(2H,brs, THF),3.93(2H,brs,THF),1.62(2H,brs,THF),1.48(9H,s,−C(CH3)3),1.44(9H,s,−C(CH3)3),1.32(2H,brs,THF),1.30(9H,s,−C(CH3)3)ppm
FD−質量分析(M−THF+):705
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、実施例1で得られたチタン化合物(A)を0.005mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリエチレンが0.12g得られた。重合活性は140g/mmol−Ti・hrであり、得られたポリエチレンの極限粘度[η]は3.14dL/gであった。
重合温度を50℃、重合時間を5分にした以外は実施例21と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表1に示す。
重合温度を75℃、重合時間を5分にした以外は実施例21と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表1に示す。
表1−1に示す化合物を用いて、表1-1に示すように重合条件を変えた以外は、実施例21と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表1−1に示す。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例1で得られたチタン化合物(A)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリエチレンが0.56g得られた。重合活性は2,670g/mmol−Ti・hrであり、得られたポリエチレンの極限粘度[η]は1.22dL/gであった。
重合温度を50℃にした以外は実施例33と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表1−1に示す。
重合温度を75℃にした以外は実施例33と同様にエチレン重合を行った。結果を表1−1に示す。
表1−1から表1−3に示す化合物を用いて、表1−1から表1−3に示すように重合条件を変えた以外は、実施例33と同様にしてエチレン重合を行った。結果を表1−1から表1−3に示す。表1−1から表1−3に記載の略語MAOはメチルアルミノキサン、TrBはトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、TIBAはトリイソブチルアルミニウムを各々示している。
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入し、エチレン50リットル/hr、プロピレン150リットル/hrの混合ガスで液相および気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、実施例1で得られたチタン化合物(A)を0.005mmol加え、共重合を開始した。
得られたポリマー懸濁液に、少量の塩酸を含む100mLの水を加えて激しく振とうし、静置した後水層を取り除いた。この操作を合計3回繰り返した後、溶媒を減圧下で留去し、さらに130℃にて10時間減圧乾燥した。
エチレン流量を100リットル/hr、プロピレン流量を100リットル/hrにした以外は、実施例93と同様にしてエチレン/プロピレン共重合を行った。結果を表2に示す。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器に、トルエン250mlを装入し、エチレン50リットル/hr、プロピレン150リットル/hrの混合ガスで液相および気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウムを0.125mmol、引き続き、実施例1で得られたチタン化合物(A)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.003mmolを加え共重合を開始した。50℃で10分間共重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
エチレン流量を100リットル/hr、プロピレン流量を100リットル/hrにした以外は、実施例95と同様にしてエチレン/プロピレン共重合を行った。結果を表2に示す。
表2に示す化合物を用いて、表2に示すように重合条件を変えた以外は、実施例96と同様にしてエチレン/プロピレン共重合を行った。結果を表2に示す。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、ヘキセンを5.0mmol、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.025mmol、引き続き、実施例1で得られたチタン化合物(A)を0.0005mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.0006mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたエチレン・ヘキセン共重合体(EHR)は、0.88gであった。重合活性は21,200g/mmol−Ti・hrであり、IRにより測定したヘキセン含量は6.3mol%であった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、ヘキセンを10.0mmol、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.0625mmol、引き続き、実施例15で得られたジルコニウム化合物(O)を0.00125mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.0015mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたエチレン・ヘキセン共重合体(EHR)は、0.52gであった。重合活性は4,960g/mmol−Zr・hrであり、IRにより測定したヘキセン含量は5.8mol%であった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、プロピレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例1で得られたチタン化合物(A)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリプロピレンが5.07g得られた。重合活性は12,200g/mmol−Ti・hrであり、得られたポリプロピレンの極限粘度[η]は9.56dL/gであった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、プロピレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例2で得られたチタン化合物(B)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリプロピレンが0.89g得られた。重合活性は2,130g/mmol−Ti・hrであり、得られたポリプロピレンの極限粘度[η]は9.62dL/gであった。また融点は140℃であった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、プロピレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例10で得られたチタン化合物(J)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリプロピレンが0.42g得られた。重合活性は1,000g/mmol−Ti・hrであり、得られたポリプロピレンの極限粘度[η]は10.2dL/gであった。また融点は120℃であった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、プロピレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例11で得られたチタン化合物(K)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリプロピレンが2.44g得られた。重合活性は5,850g/mmol−Ti・hrであり、得られたポリプロピレンの極限粘度[η]は9.44dL/gであった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、プロピレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例14で得られたチタン化合物(N)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリプロピレンが0.23g得られた。重合活性は550g/mmol−Ti・hrであり、得られたポリプロピレンの極限粘度[η]は9.41dL/gであった。また融点は135℃であった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、プロピレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例15で得られたジルコニウム化合物(O)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリプロピレンが1.47g得られた。重合活性は3、520g/mmol−Zr・hrであり、得られたポリプロピレンの極限粘度[η]は0.321dL/gであった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、プロピレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例16で得られたジルコニウム化合物(P)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリプロピレンが0.69g得られた。重合活性は1、650g/mmol−Zr・hrであり、得られたポリプロピレンの極限粘度[η]は0.251dL/gであった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、プロピレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例18で得られたジルコニウム化合物(R)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリプロピレンが3.31g得られた。重合活性は7、940g/mmol−Zr・hrであり、得られたポリプロピレンの極限粘度[η]は0.331dL/gであった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、プロピレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例20で得られたハフニウム化合物(T)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリプロピレンが0.21g得られた。重合活性は510g/mmol−Hf・hrであり、得られたポリプロピレンの極限粘度[η]は0.131dL/gであった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にヘキセン250mlを装入し、その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.125mmol、引き続き、実施例1で得られたチタン化合物(A)を0.0025mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.003mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノールとアセトン混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、ポリヘキセンが0.71g得られた。重合活性は1、700g/mmol−Ti・hrであり、得られたポリヘキセンの極限粘度[η]は1.381dL/gであった。
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入し、エチレン50リットル/hr、プロピレン150リットル/hrの混合ガスで液相および気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、下記チタン化合物(U)を0.005mmol加え、重合を開始した。
得られたポリマー懸濁液に、少量の塩酸を含む100mLの水を加えて激しく振とうし、静置した後水層を取り除いた。この操作を合計3回繰り返した後、溶媒を減圧下で留去し、さらに130℃にて10時間減圧乾燥した。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器に、トルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hr、プロピレン100リットル/hrの混合ガスで液相および気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウムを0.20mmol、引き続き、チタン化合物(U)を0.005mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.01mmolを加え共重合を開始した。50℃で5分間共重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、ヘキセンを10.0mmol、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、チタン化合物(U)を0.005mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたエチレン・ヘキセン共重合体(EHR)は、0.98gであった。重合活性は2,350g/mmol−Ti・hrであり、IRにより測定したヘキセン含量は0.6mol%であった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製反応器にトルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hr で液相及び気相を飽和させた。その後、ヘキセンを10.0mmol、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.02mmol、引き続き、チタン化合物(U)を0.005mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.01mmol加え重合を開始した。
重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、得られたエチレン・ヘキセン共重合体(EHR)は、1.40gであった。重合活性は280g/mmol−Ti・hrであり、IRにより測定したヘキセン含量は5.6mol%であった。
Claims (5)
- (A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物。
Aは、酸素原子、硫黄原子、結合基−R6を有する窒素原子、または結合基−R6を有するリン原子を示す。
R1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
前記R1〜R6におけるヘテロ環式化合物残基は、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジン、フラン、ピラン、またはチオフェンの残基、あるいはこれらの基に炭素原子数が1〜30のアルキル基または、炭素原子数が1〜30のアルコキシ基が置換した基である。
前記R1〜R6における酸素含有基は、アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、またはカルボン酸無水物基である。
前記R1〜R6における窒素含有基は、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、またはアミノ基がアンモニウム塩となったものである。
前記R1〜R6におけるホウ素含有基は、ボランジイル基、ボラントリイル基、またはジボラニル基である。
前記R1〜R6におけるイオウ含有基は、メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、またはスルフェニル基である。
前記R1〜R6におけるリン含有基は、ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、またはホスファト基である。
前記R1〜R6におけるケイ素含有基は、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、または炭化水素置換シロキシ基である。
前記R1〜R6におけるゲルマニウム含有基は、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基である。
前記R1〜R6におけるスズ含有基は、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基である。
nは、Mの原子価を示す。
Xは、ハロゲン原子を示し、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよい。
A、NおよびDが一般式(II)で表される構造を形成する。)
R 7〜R10は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちR7〜R10が炭化水素基の場合は、R7とR8は互いに連結して環を形成していてもよく、
R9とR10は互いに連結して環を形成していてもよい。
前記R7〜R10におけるヘテロ環式化合物残基は、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジン、フラン、ピラン、またはチオフェンの残基、あるいはこれらの基に炭素原子数が1〜30のアルキル基または、炭素原子数が1〜30のアルコキシ基が置換した基である。
前記R7〜R10における酸素含有基は、アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、またはカルボン酸無水物基である。
前記R7〜R10における窒素含有基は、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、またはアミノ基がアンモニウム塩となったものである。
前記R7〜R10におけるホウ素含有基は、ボランジイル基、ボラントリイル基、またはジボラニル基である。
前記R7〜R10におけるイオウ含有基は、メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、またはスルフェニル基である。
前記R7〜R10におけるリン含有基は、ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、またはホスファト基である。
前記R7〜R10におけるケイ素含有基は、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、または炭化水素置換シロキシ基である。
前記R7〜R10におけるゲルマニウム含有基は、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基である。
前記R7〜R10におけるスズ含有基は、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基である。) - (A)一般式(I)で表される遷移金属化合物のMが周期表第4族の遷移金属原子であり、nが4である請求項1に記載の遷移金属化合物。
- 請求項1または2に記載の遷移金属化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒。
- 前記遷移金属化合物(A)に加えて、(B)(B-1)有機金属化合物、(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする請求項3に記載のオレフィン重合用触媒。
- 請求項3または4に記載のオレフィン重合用触媒の存在下において、オレフィンを単独重合または共重合させることを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
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JP2010122730A JP5748415B2 (ja) | 2009-06-08 | 2010-05-28 | 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒およびポリオレフィンの製造方法 |
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