JP6345084B2 - オレフィン重合触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合触媒およびオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、テトライミン化合物、それを用いて得られる金属錯体、及びそれらによるα−オレフィン系重合用触媒、並びにα−オレフィン系重合体の製造方法に関し、更に詳しくは、特異的なテトライミン化合物に由来する部分構造を有する金属錯体のオレフィン重合用触媒への適用に係わるものである。
ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂は、ポリオレフィン樹脂における主要ポリマーとして各種の産業分野において汎用され、卓越した重要な産業資材であるがゆえに更なる諸性能の向上が常に求められている。
このようなポリオレフィン樹脂の製造過程においては、使用される触媒は、チーグラーナッタ触媒やフィリップス触媒のような不均一系固体触媒と、メタロセン触媒のように溶媒可溶な金属錯体を使用する均一系触媒が専ら利用されている。
近年においては、メタロセン触媒の急激な発展に触発されて、メタロセン錯体とは異なる錯体、いわゆる、ポストメタロセン錯体の開発が盛んに進められている。このポストメタロセン錯体の一群において、特殊な構造の配位子を有する遷移金属錯体が多数報告されている。
従来知られているポストメタロセン錯体の大部分は、一つの金属中心からなる単核金属錯体であった。一方で、複数の金属中心を有する複核金属錯体は、その報告例が限定されている。複核金属錯体の具体例として、CGC(Constrained Geometry Catalyst)型ジルコニウム錯体をエチレン鎖で架橋した二核金属錯体が、Marksらにより報告されている(非特許文献1を参照)。また、フェノキシイミン型配位子を有する二核錯体は、芳香環が連結された錯体や(非特許文献2を参照)、フェニレン鎖により架橋された錯体(非特許文献3を参照)、キサンテン部分構造により二重架橋された錯体が報告されている(非特許文献4を参照)。
しかしながら、これまでにジイミン型配位子を有する二核金属錯体は報告されていない。また、これまでに報告された二核錯体では、メタロセン錯体と比較して製造コストが低い利点を有しているものの、著しく触媒活性が低い場合や生成ポリマー分子量が低い場合があるため、ポリオレフィン重合用触媒としての更なる性能改良が求められている。
Massimiliano Delferro and Tobin J. Marks Chem. Rev., 2011, 111(3), 2450-2485. Weberski, Michael P.; Chen, Changle; Delferro, Massimiliano; Marks, Tobin J. Chemistry--A European Journal 2012, 18(34), 10715-10732. Madalyn R. Radlauer, Michael W. Day, and Theodor Agapie J. Am. Chem. Soc., 2012, 134(3), 1478-1481. Daisuke Takeuchi, Yuriko Chiba, Shigenaga Takano, and Kohtaro Osakada Angew. Chem. Int. Ed. 2013, in press.
本発明の課題は、前記した従来技術の問題点を鑑み、触媒活性も高く、高分子量オレフィン系重合体を製造可能であり、かつ、従来のメタロセン錯体に比して簡易な合成経路により安価に合成可能な二核錯体を開発することであり、そのために、そのような金属錯体を形成しうる配位子化合物、これにより得られるポリオレフィン重合用触媒及びそれを用いたオレフィンの重合方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題の解決を目指して、金属錯体触媒における二核構造を有する遷移金属錯体に使用し得て、高分子量の重合体を製造できる配位子化合物を種々探索した結果、二核構造を有する遷移金属錯体として今までに報告されていない、テトライミン部分構造を有する錯体に注目したところ、錯体構造の特異的な、化学的かつ立体的及び電子的な環境の構築を成し、かかる特定の構造を有する二核錯体が、上記の目的に適う重合用触媒の成分として機能することを見い出し、本発明を創出するに至った。
かくして、本発明の基本構成を成すテトライミン二核錯体は、特異な構造を有するがゆえに二核錯体として新規であり、錯体構造の化学的かつ立体的及び電子的な環境の構築に特徴を有し、それらによってα−オレフィンの望ましい重合を可能とする触媒機能が顕現される。
なお、ここで、本発明で規定の錯体構造により、なぜ所望の触媒性能が発現できるかの理論的な推測を提示する。
本発明の基本的構成を成すテトライミン化合物は、二核錯体配位子として新規であり、その配位子の電子的かつ立体的な構造に特徴を有し、それによって、α−オレフィンの重合において触媒機能が顕現される。
すなわち、そのテトライミン化合物は、構造が上記の一般式(1)で表されるものであって、本発明においてオレフィン重合用触媒の触媒成分として使用され、助触媒などと組み合わされてα−オレフィン重合用触媒を形成する。本発明における一般式(1)で示されるテトライミン化合物は、錯体形成の際には階層構造型の二核錯体を形成することを基本的な特徴としており、こうした特徴が本発明の特異性をもたらすものと推定することができる。具体的には、階層構造型の二核錯体は、中心金属間の距離が一定に保たれており、複数の金属中心が協同的に作用することで、ポリオレフィン重合の際に連鎖移動反応を抑制し、生成ポリオレフィンの分子量をより高分子量側に制御していると考えられる。
ところで、既に前述したが、本発明は特許文献及び非特許文献として前掲した各文献に開示されている従来発明とは、構成要件(発明の特定事項)において顕著な差異が見られ、本発明はそれらの従来文献からは窺えない。すなわち、本発明においては、特異で新規な階層構造型の二核錯体を形成しうるテトライミン化合物において、錯体構造において特異な、化学的かつ立体的及び電子的な環境の構築が成されたことを、顕著な特徴とするものである。
以上において、本発明の創作の経緯と発明の基本的な構成と特徴について、概括的に記述したので、ここで本発明の全体的な構成を俯瞰して総括すると、本発明は次の発明単位群からなるものである。
[1]下記の一般式(1)で表されるテトライミン化合物。
Figure 0006345084

(一般式(1)において、
〜Qは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、及び、炭素数1〜20の置換アミノ基からなる群より選択され、
とQ、及びQとQは、各々独立して、互いに結合して環を形成してもよく、
、Qは、各々独立して、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、水酸基で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の二価の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の二価の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の二価の炭化水素基、及びハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基からなる群より選択される。)
[2][1]に記載の化合物と、4〜12族の遷移金属化合物である錯体前駆体とを反応させて得られることを特徴とする金属錯体。
[3]下記の一般式(2)で表されることを特徴とする、請求項2に記載の金属錯体。
Figure 0006345084

(一般式(2)において、Q〜Qは、前記一般式(1)で定義した通りであり、M及びMは、4〜12族の遷移金属からなる群より選択される金属原子を示し、L〜Lは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数1〜12の置換アミノ基、チオシアナート基、及びハロゲン原子からなる群より選択される。)
[4][2]又は[3]に記載の金属錯体を含むオレフィン重合用触媒成分。
[5]下記の成分(A)及び(B)、更に必要に応じて(C)を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
成分(A):請求項2又は3に記載の金属錯体
成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩
成分(C):有機アルミニウム化合物
[6]成分(B)がアルミノキサンであることを特徴とする[5]に記載のオレフィン重合用触媒。
[7]成分(B)がホウ素化合物であることを特徴とする[5]に記載のオレフィン重合用触媒。
[8][5]〜[7]のいずれか1項に記載の重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合又は共重合することを特徴とする、オレフィン重合体の製造方法。
本発明により、従来のメタロセン錯体に比して簡易な合成経路により安価に合成可能であって、金属錯体を形成しうるテトライミン化合物、これにより有用なポリオレフィン重合用触媒及びそれを用いたオレフィンの重合方法を提供することができる。本発明の特異なテトライミン化合物が錯化された二核錯体を用いることで、高分子量のオレフィン重合体が製造可能となることに加えて、高温での触媒活性の長寿命化による重合適性の向上が可能となる。
なお、後記する各実施例のデータ及び各実施例と各比較例との対照により、本発明により製造されたポリマーでは、従来の単核錯体によるポリマーよりも分子量の高いことが実証されている。また、高温での触媒活性が単核錯体よりも長寿命化していることが実証されている。これにより、高い分子量を有するオレフィン系重合体を効率的に製造することが期待され、本発明の金属錯体によるポリオレフィン重合用触媒、及び、それを用いたオレフィンの重合方法は、工業的な観点から、非常に有用である。
以下においては、本発明のテトライミン化合物、金属錯体、及び、これにより得られる重合用触媒並びにそれを用いたオレフィン重合体の製造方法について、項目毎に、詳細に説明する。
1.テトライミン化合物について
(1)基本構成
本発明におけるテトライミン化合物は、下記の一般式(1)で示される。
Figure 0006345084

(一般式(1)において、
〜Qは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基及び炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基からなる群より選択され、
とQ、及びQとQは、各々独立して、互いに結合して環を形成してもよく、
、Qは、各々独立して、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、水酸基で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の二価の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の二価の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の二価の炭化水素基、及びハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基からなる群より選択される。)
(2)Q〜Qについて
〜Qにおいて、ハロゲン原子の好ましい具体例は、フッ素、塩素、臭素であり、これらの中で、更に好ましいのは、塩素である。 Q〜Qにおいて、炭素数1〜20の炭化水素基として、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基である。
ここで、アルキル基、シクロアルキル基の例は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、イソプロピル基、1−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、トリシクロヘキシルメチル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、エキソ−ノルボルニル基、エンド−ノルボニル基、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、及び5−デシル基などである。
これらの中で、好ましいアルキル基、シクロアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基である。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シンナミル基、スチリル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基が挙げられ、これらのアリール基の芳香環に存在させうる置換基の例としては、アルキル基、アリール基、融合アリール基、フェニルシクロヘキシル基、フェニルブテニル基、トリル基、キシリル基、p−エチルフェニル基などである。これらの中で、好ましいアリール基としては、フェニル基である。
〜Qにおける炭素数1〜20の炭化水素基の具体例の中で、特に好ましいのは、メチル基、エチル基、フェニル基であり、更に、特に好ましくは、メチル基である。
〜Qにおいて、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基として、好ましくは、前述の炭素数1〜20の炭化水素基を、ハロゲン原子で置換した構造体が挙げられる。具体的に好ましい例として、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
〜Qにおいて、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基として、好ましくは、前述の炭素数1〜20の炭化水素基を、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換した構造体が挙げられる。
好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、t−ブトキシ基又はフェノキシ基で置換された炭素数2〜6の炭化水素基である。更に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基で置換された炭素数2〜6の炭化水素基であり、具体的には、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基、1−(フェノキシメチル)エチル基、1−(メトキシエチル)エチル基、1−(エトキシエチル)エチル基、ジ(メトキシメチル)メチル基、ジ(エトキシメチル)メチル基、ジ(フェノキシメチル)メチル基が挙げられる。特に好ましくは、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基である。
〜Qにおいて、炭素数1〜10のアルコキシ基として、好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基などである。これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基又はイソプロポキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
〜Qにおいて、炭素数1〜20の置換アミノ基として、好ましくは、炭素数3〜18のアミノ基であり、好ましい具体例は、ジメチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基である。これらの中で、更に好ましい炭素数1〜20の置換アミノ基は、ジエチルアミノ基又はジフェニルアミノ基であり、特に好ましくは、ジエチルアミノ基である。
また、QとQ、及びQとQは、各々独立して、互いに結合して環を形成してもよく、環を形成した好ましい具体例としては、1,3−プロピリデン、1,3−プロペニリデン、1,4−ブチリデン、1,4−ブタジエニリデン、1,8−ナフチリデンが挙げられる。これらの中で、更に好ましくは、1,4−ブタジエニリデン、1,8−ナフチリデンであり、特に好ましくは、1,8−ナフチリデンである。
(3)Q、Qについて
炭素数1〜20の二価の炭化水素基であるQ、Qは、好ましくは、炭素数1〜12の二価の炭化水素基、更に好ましくは、炭素数1〜12のアルキレン基、フェニレン基、アルキレン−フェニレン−アルキレン基、ビフェニレン基、ジアリールアルキル基である。好ましい具体例は、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1,4−シクロへキシレン基、{メチレン−(1,4−シクロへキシレン)}基、{メチレン−(1,4−シクロへキシレン)−メチレン}基、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、3−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、3−ペンテニレン基、4−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、3−ヘキセニレン基、4−ヘキセニレン基、5−ヘキセニレン基、フェニレン基、メチレンフェニレン基、{メチレン−(1 ,4−フェニレン)−メチレン}基、ビフェニレン基、ジフェニルエチレン基であり、更に好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、4−ヘキセニレン基、{メチレン−(1,4−シクロへキシレン)−メチレン}基、フェニレン基、ビフェニレン基であり、特に好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ジフェニルエチレン基である。
水酸基で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基であるQ、Qは、好ましくは、前述の炭素数1〜20の二価の炭化水素基の水酸基置換体が挙げられる。好ましい具体例は、(1−ヒドロキシ)メチレン基、(1−ヒドロキシ)エチレン基、(2−ヒドロキシ)エチレン基、(1−ヒドロキシ)トリメチレン基、(2−ヒドロキシ)トリメチレン基、(3−ヒドロキシ)トリメチレン基、(1−ヒドロキシ)テトラメチレン基、(2−ヒドロキシ)テトラメチレン基、(3−ヒドロキシ)テトラメチレン基、(4−ヒドロキシ)テトラメチレン基、(1−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(2−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(3−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(4−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(5−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(1−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基、(2−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基、(3−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基、(4−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基、(5−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基、(6−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(1−ヒドロキシ)メチレン基、(1−ヒドロキシ)エチレン基、(2−ヒドロキシ)エチレン基、(5−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(6−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基であり、特に好ましくは、(1−ヒドロキシ)メチレン基、(1−ヒドロキシ)エチレン基、(2−ヒドロキシ)エチレン基である。
炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の二価の炭化水素基であるQ、Qは、好ましくは、前述の炭素数1〜20の二価の炭化水素基を、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換した構造体が挙げられる。好ましい具体例は、(1−メトキシ)メチレン基、(1−メトキシ)エチレン基、(2−メトキシ)エチレン基、(1−エトキシ)エチレン基、(2−エトキシ)エチレン基、(1−メトキシ)トリメチレン基、(2−メトキシ)トリメチレン基、(3−メトキシ)トリメチレン基、(1−メトキシ)テトラメチレン基、(2−メトキシ)テトラメチレン基、(3−メトキシ)テトラメチレン基、(4−メトキシ)テトラメチレン基、(1−メトキシ)ペンタメチレン基、(2−メトキシ)ペンタメチレン基、(3−メトキシ)ペンタメチレン基、(4−メトキシ)ペンタメチレン基、(5−メトキシ)ペンタメチレン基、(1−メトキシ)ヘキサメチレン基、(2−メトキシ)ヘキサメチレン基、(3−メトキシ)ヘキサメチレン基、(4−メトキシ)ヘキサメチレン基、(5−メトキシ)ヘキサメチレン基、(6−メトキシ)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(1−メトキシ)メチレン基、(1−メトキシ)エチレン基、(2−メトキシ)エチレン基、(1−エトキシ)エチレン基、(2−エトキシ)エチレン基、2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテネン基、または、2,7−t−ブチル−9,9−ジメチル−4,5−キサンテネン基であり、特に好ましくは、2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテネン基、または、2,7−t−ブチル−9,9−ジメチル−4,5−キサンテネン基である。
炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の二価の炭化水素基であるQ、Qは、好ましくは、前述の炭素数1〜20の二価の炭化水素基を、炭素数2〜10のエステル基で置換した構造体が挙げられる。好ましい具体例は、(メトキシカルボニル)メチレン基、(1−メトキシカルボニル)エチレン基、(2−メトキシカルボニル)エチレン基、(1−エトキシカルボニル)エチレン基、(2−エトキシカルボニル)エチレン基、(1−メトキシカルボニル)トリメチレン基、(2−メトキシカルボニル)トリメチレン基、(3−メトキシカルボニル)トリメチレン基、(1−メトキシカルボニル)テトラメチレン基、(2−メトキシカルボニル)テトラメチレン基、(3−メトキシカルボニル)テトラメチレン基、(4−メトキシカルボニル)テトラメチレン基、(1−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基、(2−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基、(3−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基、(4−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基、(5−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基、(1−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基、(2−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基、(3−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基、(4−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基、(5−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基、(6−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(メトキシカルボニル)メチレン基、(1−メトキシカルボニル)エチレン基、(2−メトキシカルボニル)エチレン基、(1−エトキシカルボニル)エチレン基、(2−エトキシカルボニル)エチレン基であり、特に好ましくは、(メトキシカルボニル)メチレン基、(1−メトキシカルボニル)エチレン基、(2−メトキシカルボニル)エチレン基である。
炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の二価の炭化水素基であるQ、Qは、好ましくは、前述の炭素数1〜20の二価の炭化水素基を、炭素数3〜18のシリル基で置換した構造体が挙げられる。
好ましい具体例は、(トリメチルシリル)メチレン基、(1−トリメチルシリル)エチレン基、(2−トリメチルシリル)エチレン基、(1−トリエチルシリル)エチレン基、(2−トリエチルシリル)エチレン基、(1−トリメチルシリル)トリメチレン基、(2−トリメチルシリル)トリメチレン基、(3−トリメチルシリル)トリメチレン基、(1−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(2−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(3−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(4−トリメチルシリル)テトラメチレン
基、(1−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(2−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(3−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(4−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(5−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(1−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(2−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(3−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(4−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(5−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(6−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(トリメチルシリル)メチレン基、(1−トリメチルシリル)エチレン基、(2−トリメチルシリル)エチレン基、(1−トリエチルシリル)エチレン基、(2−トリエチルシリル)エチレン基であり、特に好ましくは、(トリメチルシリル)メチレン基、(1−トリメチルシリル)エチレン基、(2−トリメチルシリル)エチレン基である。
ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基であるQ、Qは、好ましくは、前述の炭素数1〜20の二価の炭化水素基を、ハロゲン原子で置換した構造体が挙げられる。好ましい具体例は、(クロロ)メチレン基、(1−クロロ)エチレン基、(2−クロロ)エチレン基、(1−ブロモ)エチレン基、(2−ブロモ)エチレン基、(1−クロロ)トリメチレン基、(2−クロロ)トリメチレン基、(3−クロロ)トリメチレン基、(1−クロロ)テトラメチレン基、(2−クロロ)テトラメチレン基、(3−クロロ)テトラメチレン基、(4−クロロ)テトラメチレン基、(1−クロロ)ペンタメチレン基、(2−クロロ)ペンタメチレン基、(3−クロロ)ペンタメチレン基、(4−クロロ)ペンタメチレン基、(5−クロロ)ペンタメチレン基、(1−クロロ)ヘキサメチレン基、(2−クロロ)ヘキサメチレン基、(3−クロロ)ヘキサメチレン基、(4−クロロ)ヘキサメチレン基、(5−クロロ)ヘキサメチレン基、(6−クロロ)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(クロロ)メチレン基、(1−クロロ)エチレン基、(2−クロロ)エチレン基、(1−ブロモ)エチレン基、(2−ブロモ)エチレン基であり、特に好ましくは、(クロロ)メチレン基、(1−クロロ)エチレン基、(2−クロロ)エチレン基である。
、Qは、好ましくは、炭素数14〜20の二価のジアリールアルキル基または、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の二価の炭化水素基、特に好ましくは、2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテネン基、または、2,7−t−ブチル−9,9−ジメチル−4,5−キサンテネン基である。
(4)テトライミン化合物の具体例
本発明のテトライミン化合物の好ましい具体例として、以下のテトライミン化合物が挙げられる。これらは例示であり、これらに限定されないのは自明である。
Figure 0006345084
2.金属錯体について
(1)基本構成について
本発明における金属錯体は、テトライミン化合物と、4〜12族の遷移金属化合物である錯体前駆体とを反応させて得られる金属錯体であり、具体的には下記の一般式(2)で示される金属錯体である。
Figure 0006345084

(一般式(2)において、Q〜Qは、前記一般式(1)で定義した通りであり、M及びMは、4〜12族の遷移金属からなる群より選択される金属原子を示し、L〜Lは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数1〜12の置換アミノ基、チオシアナート基、及びハロゲン原子からなる群より選択される。)
及びMは、4〜12族の遷移金属からなる群より選択される金属原子であり、好ましくは、10〜12族の遷移金属であり、特に好ましくは、10族の遷移金属である。好ましい具体例は、パラジウム、ニッケルである。
(2)L〜Lについて
〜Lにおいて、炭素数1〜20の炭化水素基として、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基である。
ここで、アルキル基、シクロアルキル基の例は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、イソプロピル基、1−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、トリシクロヘキシルメチル基、ベンジル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、エキソ−ノルボルニル基、エンド−ノルボニル基、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、及び5−デシル基などである。
これらの中で、好ましいアルキル基、シクロアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基である。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シンナミル基、スチリル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基が挙げられ、これらのアリール基の芳香環に存在させうる置換基の例としては、アルキル基、アリール基、融合アリール基、フェニルシクロヘキシル基、フェニルブテニル基、トリル基、キシリル基、p−エチルフェニル基などである。これらの中で、好ましいアリール基としては、フェニル基である。
炭素数1〜20の炭化水素基の具体例の中で、好ましいのは、メチル基、エチル基、アリル基、ベンジル基、フェニル基であり、特に好ましくは、メチル基、エチル基、ベンジル基である。
〜Lにおいて、炭素数1〜10のアルコキシ基として、好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基などである。これらの中で、更に好ましい炭素数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基又はイソプロポキシ基であり、特に好ましくは、イソプロポキシ基である。
〜Lにおいて、炭素数6〜20のアリールオキシ基として、好ましくは、炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、好ましい具体例は、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、及び2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基又は2,6−ジメチルフェノキシ基であり、特に好ましくは、フェノキシ基である。
〜Lにおいて、炭素数2〜10のエステル基として、好ましくは、炭素数2〜8のエステル基であり、好ましい具体例は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、(4−ヒドロキシブトキシ)カルボニル基、(4−グリシジルブトキシ)カルボニル基、フェノキシカルボニル基、スクシン酸無水物基、スクシン酸イミド基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい炭素数2〜10のエステル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、(4−ヒドロキシブチル)カルボニル基、スクシン酸無水物基が挙げられ、特に好ましくは、メトキシカルボニル基である。
〜Lにおいて、炭素数1〜12の置換アミノ基の好ましい具体例は、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノイソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、モノフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(トリメチルシリル)アミノ基、モルホリニル基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい炭素数1〜12の置換アミノ基は、ジメチルアミノ基である。
〜Lにおいて、ハロゲンの好ましい具体例は、フッ素、塩素、臭素である。これらの中で、更に好ましいのは、クロロ基、ブロモ基である。
上記のL〜Lの具体例の中で、特に好ましいものとしては、メチル基、エチル基、ベンジル基、イソプロポキシ基、クロロ基、ブロモ基であり、特に好ましくは、メチル基、クロロ基、ブロモ基である。
(3)金属錯体の具体例
本発明の金属錯体の好ましい具体例として、以下のパラジウム錯体が挙げられる。これらは例示であり、これらに限定されないのは自明である。
Figure 0006345084
3.テトライミン化合物の合成、及び、テトライミン化合物を反応させて得られる金属錯体の合成
(1)基本的な合成経路
本発明におけるテトライミン化合物の合成は、任意のテトライミン化合物の合成経路により行うことができる。
すなわち、具体例として、ビスアニリン化合物を原料とする手法などが挙げられる。具体的な合成経路は、実施例における配位子の合成例として、詳細に記述されている。
テトライミン化合物を反応させて得られる金属錯体の合成経路は、目的化合物の構造から任意に定めることができるが、具体的な合成経路は、実施例における錯体の合成例として、詳細に記述されている。
(2)錯体前駆体
本発明における4〜12族の遷移金属化合物である錯体前駆体は、好ましくは、10〜12族の遷移金属錯体であり、特に好ましくは、10族の遷移金属錯体である。
好ましい具体例は、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(アリルパラジウムクロライド)、塩化パラジウム、臭化パラジウム、(シクロオクタジエン)パラジウム(メチル)クロライド、ジメチル(テトラメチルエチレンジアミン)パラジウム、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、(テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル(メチル)クロライド、ジメチル(テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル、(シクロオクタジエン)ニッケル(メチル)クロライドなどである。
(3)錯体前駆体との反応
本発明における錯体前駆体の使用量は、一般式(1)で示されるテトライミン化合物1モルに対して、通常、0.5〜3モル、好ましくは0.7〜1.5モルの範囲である。
錯体合成反応は、α−オレフィンとの共重合に使用する反応器中で行ってもよいし、該反応器とは別の容器中で行ってもよい。錯形成後に、金属錯体を単離抽出して触媒に用いてもよいし、単離せずに触媒に用いてもよい。更に、後述する担体の存在下に実施することも可能である。
4.オレフィン重合用触媒
本発明の、テトライミンを反応させて得られる金属錯体は、オレフィン重合用触媒成分を形成し、該触媒成分は、オレフィン重合用触媒に用いることができる。例えば、該金属錯体を成分(A)として含む、次に説明するオレフィン重合用触媒として、用いることが好ましい。
(1)オレフィン重合用触媒の成分
本発明のオレフィン重合用触媒としては、下記(A)、(B)及び任意に(C)成分を含むものである。
成分(A):一般式(1)で示されるテトライミン化合物を反応させて得られる金属錯体又は一般式(2)で示される金属錯体
成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩
成分(C):有機アルミニウム化合物
(2)各成分について
イ)成分(A)
成分(A)は、一般式(1)で示されるテトライミン化合物を反応させて得られる金属錯体又は一般式(2)で示される金属錯体であり、同一又は異なる二種以上を用いてもよい。
ロ)成分(B)
成分(B)としては、成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩である。
成分(B)の一つとして、有機アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。上記有機アルミニウムオキシ化合物は、分子中に、Al−O−Al結合を有し、その結合数は通常1〜100、好ましくは1〜50個の範囲にある。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、通常、有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得られる生成物である。
有機アルミニウムと水との反応は、通常、不活性炭化水素(溶媒)中で行われる。不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が使用できるが、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
有機アルミニウムオキシ化合物の調製に用いる有機アルミニウム化合物は、下記一般式で表される化合物がいずれも使用可能であるが、好ましくはトリアルキルアルミニウムが使用される。
(RAl(X(3−t) (3)
(一般式(3)中、Rは、炭素数1〜18、好ましくは1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素基を示し、Xは、水素原子又はハロゲン原子を示し、tは、1≦t≦3の整数を示す。)
トリアルキルアルミニウムのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のいずれでも差し支えないが、メチル基、イソブチル基が好ましく、メチル基であることが特に好ましい。上記有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して使用することもできる。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は、0.25/1〜1.2/1、特に、0.5/1〜1/1であることが好ましく、反応温度は、通常−70〜100℃、好ましくは−20〜20℃の範囲にある。反応時間は、通常5分〜24時間、好ましくは10分〜5時間の範囲で選ばれる。反応に要する水として、単なる水のみならず、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物等に含まれる結晶水や反応系中に水が生成しうる成分も利用することもできる。
なお、上記した有機アルミニウムオキシ化合物のうち、アルキルアルミニウムと水とを反応させて得られるものは、通常、アルミノキサンと呼ばれ、特にメチルアルミノキサン(実質的にメチルアルミノキサン(MAO)からなるものを含む)は、有機アルミニウムオキシ化合物として、好適である。MAO溶液を溶媒留去して得られた固体状のドライメチルアルミノキサン(DMAO)もまた好適である。
もちろん、有機アルミニウムオキシ化合物として、上記した各有機アルミニウムオキシ化合物の2種以上を組み合わせて使用することもでき、また、前記有機アルミニウムオキシ化合物を前述の不活性炭化水素溶媒に溶解又は分散させた溶液としたものを用いても良い。
また、成分(B)の他の具体例として、ボラン化合物やボレート化合物が挙げられる。上記ボラン化合物をより具体的に表すと、トリフェニルボラン、トリ(o−トリル)ボラン、トリ(p−トリル)ボラン、トリ(m−トリル)ボラン、トリ(o−フルオロフェニル)ボラン、トリス(p−フルオロフェニル)ボラン、トリス(m−フルオロフェニル)ボラン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(3,5―ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボランなどが挙げられる。
これらの中でも、トリス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボランがより好ましく、更に好ましくはトリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニル)ボランが好ましい化合物として例示される。
また、ボレート化合物を具体的に表すと、第1の例は、次の一般式で示される化合物である。
[L−H][B(R)(R)(X)(X)] (4)
一般式(4)中、Lは中性ルイス塩基であり、Hは水素原子であり、[L−H]は、アンモニウム、アニリニウム、ホスフォニウム等のブレンステッド酸を示す。
アンモニウムとしては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウムなどのトリアルキル置換アンモニウム、ジ(n−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウムなどのジアルキルアンモニウムを例示できる。
また、アニリニウムとしては、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムなどのN,N−ジアルキルアニリニウムが例示できる。
更に、ホスフォニウムとしては、トリフェニルホスフォニウム、トリブチルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムなどのトリアリールホスフォニウム、トリアルキルホスフォニウムが挙げられる。
また、一般式(4)中、R及びRは、6〜20、好ましくは6〜16の炭素原子を含む、同じか又は異なる芳香族又は置換芳香族炭化水素基で、架橋基によって互いに連結されていてもよく、置換芳香族炭化水素基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等に代表されるアルキル基やフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンが好ましい。更に、X及びXは、ハイドライド基、ハライド基、1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、1個以上の水素原子がハロゲン原子によって置換された1〜20の炭素原子を含む置換炭化水素基である。
上記一般式(4)で表される化合物の具体例としては、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレート等を例示することができる。
これらの中でも、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレートが好ましい。
また、ボレート化合物の第2の例は、次の一般式で表される。
[L[B(R)(R)(X)(X)] (5)
一般式(5)中、Lは、カルボカチオン、メチルカチオン、エチルカチオン、プロピルカチオン、イソプロピルカチオン、ブチルカチオン、イソブチルカチオン、tert−ブチルカチオン、ペンチルカチオン、トロピニウムカチオン、ベンジルカチオン、トリチルカチオン、ナトリウムカチオン、プロトン等が挙げられる。また、R、R、X及びXは、前記の一般式(4)における定義と同じである。
上記化合物の具体例としては、トリチルテトラフェニルボレート、トリチルテトラ(o−トリル)ボレート、トリチルテトラ(p−トリル)ボレート、トリチルテトラ(m−トリル)ボレート、トリチルテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピニウムテトラフェニルボレート、トロピニウムテトラ(o−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(p−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(m−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、NaBPh、NaB(o−CH−Ph)、NaB(p−CH−Ph)、NaB(m−CH−Ph)、NaB(o−F−Ph)、NaB(p−F−Ph)、NaB(m−F−Ph)、NaB(3,5−F−Ph)、NaB(C、NaB(2,6−(CF−Ph)、NaB(3,5−(CF−Ph)、NaB(C10、HBPh・2ジエチルエーテル、HB(3,5−F−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C・2ジエチルエーテル、HB(2,6−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(3,5−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C10・2ジエチルエーテルを例示することができる。
これらの中でも、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、NaB(C、NaB(2,6−(CF−Ph)、NaB(3,5−(CF−Ph)4、NaB(C10、HB(C・2ジエチルエーテル、HB(2,6−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(3,5−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C10・2ジエチルエーテルが好ましい。
更に好ましくは、これらの中でもトリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、NaB(C、NaB(2,6−(CF−Ph)、HB(C・2ジエチルエーテル、HB(2,6−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(3,5−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C10・2ジエチルエーテルが挙げられる。
更に、成分(B)の具体例として、イオン交換性層状珪酸塩が挙げられる。イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する場合がある。)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、且つ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。珪酸塩は、各種公知のものが知られており、具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている。
本発明において、成分(B)として好ましく用いられるものは、スメクタイト族に属するもので、具体的にはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどを挙げることができる。中でも、共重合体部分の重合活性、分子量を高める観点からモンモリロナイトが好ましい。
大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英やクリストバライトなど)が含まれることが多く、本発明で用いられるスメクタイト族の珪酸塩に交雑物が含まれていてもよい。
珪酸塩は酸処理及び/又は塩類処理を行ってもよい。該処理においては、対応する酸と塩基を混合して反応系内で塩を生成させて処理を行ってもよい。
成分(B)として、前記の有機アルミニウムオキシ化合物と、ボラン化合物やボレート化合物、イオン交換性層状珪酸塩との混合物を用いることもできる。さらに、それぞれを単独でも用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
ハ)成分(C)
成分(C)として使用される、有機アルミニウム化合物の一例は、次の一般式で表される。
Al(R(3−a) (6)
一般式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、Yは、水素、ハロゲン、アルコキシ基又はシロキシ基を示し、aは0より大きく3以下の数を示す。
一般式(6)で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシドなどのハロゲン又はアルコキシ含有アルキルアルミニウムが挙げられる。 これらの中では、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。また、上記の有機アルミニウム化合物を2種以上併用してもよい。また、上記のアルミニウム化合物をアルコール、フェノール等で変性して用いてもよい。これらの変性剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、フェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなどが例示され、好ましい具体例は、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノールである。
(3)触媒の調製法
本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製法においては、成分(A)、(B)、更に必要に応じて(C)を接触させる方法は、特に限定されないが、次の様な方法を例示することができる。
(i)成分(A)と成分(B)とを接触させた後に、成分(C)を添加する方法
(ii)成分(A)と成分(C)とを接触させた後に、成分(B)を添加する方法
(iii)成分(B)と成分(C)とを接触させた後に、成分(A)を添加する方法
(iv)各成分(A)、(B)、(C)を同時に接触させる方法。
更に、各成分中で別種の成分を混合物として用いてもよいし、別々に順番を変えて接触させてもよい。なお、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時又はオレフィンの重合時に行ってもよい。
又、成分(B)と成分(C)とを接触させた後、成分(A)と成分(C)の混合物を加えるというように、成分を分割して各成分に接触させてもよい。
上記の各成分(A)、(B)、(C)の接触は、窒素などの不活性ガス中において、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒中で行うことが好ましい。接触は、−20℃から溶媒の沸点の間の温度で行うことができ、特に室温から溶媒の沸点の間での温度で行うのが好ましい。
5.重合方法
(1)モノマー
上記したオレフィン重合用触媒は、α−オレフィンの単独重合又は二種類以上のα−オレフィンの共重合に使用可能である。
α−オレフィン類には、炭素数2〜30、好ましくは2〜8のものが包含され、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等が例示される。更に好ましくは、エチレン、プロピレンが挙げられる。
α−オレフィン類は、2種類以上のα−オレフィンを共重合させることも可能である。共重合は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれであっても差し支えない。もちろん、α−オレフィン以外のコモノマーを少量使用することも可能であり、この場合、スチレン、4−メチルスチレン、4−ジメチルアミノスチレン等のスチレン類、1,4−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等のジエン類、ノルボルネン、シクロペンテン等の環状化合物、ヘキセノール、ヘキセン酸、オクテン酸メチル等の含酸素化合物類等の重合性二重結合を有する化合物を挙げることができる。
本発明に用いられるモノマーの一つは、一般式CH=CHRで表されるα−オレフィン(以下、「(a)成分」と称することがある。)である。ここで、Rは、水素又は炭素数1〜20のアルキル基である。
なかでも、好ましい(a)成分として、Rとして炭素数1〜10のアルキル基を有するα−オレフィンが挙げられる。更に好ましい(a)成分としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられ、特に好ましい(a)成分としては、エチレンが挙げられる。
本発明に用いられるモノマーの別の一つは、一般式CH=C(R)CO(R)で表される、(メタ)アクリル酸、又は(メタ)アクリル酸エステルである(以下、「(b)成分」と称することがある)。ここで、Rは、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、分岐、環、及び/又は不飽和結合を有していてもよい。Rは、水素又は炭素数1〜30のアルキル基である。更に、R内の任意の位置にヘテロ原子を含有していてもよい。
好ましい(b)成分として、Rとして炭素数1〜5のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸が挙げられる。より好ましい(b)成分としては、Rがメチル基であるメタクリル酸エステル又はRが水素であるアクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
更に好ましい(b)成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸などが挙げられる。特に好ましい(b)成分としては、アクリル酸メチルが挙げられる。
本発明に用いてもよいモノマーの別の一つは、その他のオレフィンである(以下、「(c)成分」と称する)。
好ましい(c)成分として、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどの環状オレフィンモノマー、p−メチルスチレンなどのスチレン系モノマーなどを挙げることができ、これらの骨格に、水酸基、アルコキサイド基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基を含有してもよい。
ノルボルネン系オレフィンは、シクロペンタジエンを使用するディールスアルダー反応([4+2]シクロ付加)で作ることができる。使用するジエノフィルは例えば、ジエチルアゾジカルボキシレート、アルデヒド、マレイン酸無水物、ジヒドロフラン、ビニルピリジン、アルキルアクリレート又は上記の置換オレフィンである(T.L.Gilchrist,”Heterocyclic Chemistry”,1985,4.3.3章を参照)。
これらのモノマーは、式(7a)〜(7f)で表すことができる。ここで、Rは、炭素数1〜30の炭化水素基であり、分岐、環、又は不飽和結合を有していてもよい。
更にまた、(a)成分で規定されたモノマーに、水酸基、アルコキサイド基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基などを付与したモノマーでもよく、その他、ジエン誘導体、無水マレイン酸、酢酸ビニルなども使用可能である。
Figure 0006345084
(2)重合方法
本発明において、重合反応は、前記した担持触媒の存在下、好ましくはスラリー重合又は気相重合にて、行うことができる。スラリー重合の場合、実質的に酸素、水等を断った状態で、イソブタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等から選ばれる不活性炭化水素溶媒の存在下又は不存在下で、エチレン等を重合させる。また、液状エチレンや液状プロピレン等の液体モノマーも溶媒として使用できることはいうまでもない。
また、気相重合の場合、エチレンやコモノマーのガス流を導入、流通又は循環した反応器内においてエチレン等を重合させる。本発明において、更に好ましい重合は、気相重合である。
重合条件は、温度が0〜250℃、好ましくは20〜110℃、更に好ましくは60〜100℃であり、圧力が常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜4MPa、更に好ましくは0.5〜2MPaの範囲にあり、重合時間としては5分〜10時間、好ましくは5分〜5時間が採用されるのが普通である。
重合系中に、水分除去を目的とした成分、いわゆるスカベンジャーを加えても何ら支障なく実施することができる。なお、かかるスカベンジャーとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、前記有機アルミニウムオキシ化合物、分岐アルキルを含有する変性有機アルミニウム化合物、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム等の有機マグネシウム化合物、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどのグリニヤ化合物等が使用される。
これらのなかでは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、エチルブチルマグネシウムが好ましく、トリエチルアルミニウムが特に好ましい。
重合条件が互いに異なる2段階以上の多段階重合方式にも、支障なく適用することができる。
以下において、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明し、好適な各実施例のデータ及び各実施例と各比較例の対照により、本発明の構成の合理性と優位性及び従来技術に対する卓越性を実証する。
二核金属錯体により製造されるオレフィン重合体及び共重合体
本発明において製造されるオレフィン重合体及び共重合体の物性試験方法は以下の通りである。
(1)オレフィン重合体及び共重合体の微細構造
オレフィン重合体及び共重合体の微細構造は、1H−NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルを用いて求めた。
(2)数平均分子量(Mn)及び分子量分布パラメーター(Mw/Mn)はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって、さらに重量平均分子量(Mw)を求め、MwとMnの比、Mw/Mnによって算出した。
(3)融点
融点及びガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線のピーク温度によって示される。測定にはエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社社製のDSC(DSC7020)を使用し、次の測定条件で実施した。
試料約5.0mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで上昇し、200℃で5分間保持した後に20℃/分で−100℃まで降温させた。−100℃で5分間保持した後、再度、10℃/分で昇温させる際の吸収曲線を測定し、そのピーク温度を融点とした。
(合成例1)環状配位子1の合成
(合成例1−1)(2−ブロモ−4,6−ジメチルフェニル)−カルバミン酸ターシャリーブチルエステル
Figure 0006345084
100mLシュレンクフラスコに2−ブロモ−4,6−ジメチルアニリン(関東化学社製)(4.97g、24.9mmol)とジターシャリーブチルジカーボネート(関東化学社製)(13.6g、62.1mmol)をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(35mL)を加えて溶解した。予め90℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、33時間反応させた。反応終了後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により白色固体の(2−ブロモ−4,6−ジメチルフェニル)−カルバミン酸ターシャリーブチルエステルを単離した(5.10g,17.0mmol,68%)。
1H NMR(500MHz, CDCl, r.t.): δ 7.24 (s, 1H, Ar−Hm), 6.96 (s, 1H, Ar−Hm), 6.08(br s, 1H, N−H), 2.28 (s, 3H, Ar−Me), 2.26 (s, 3H, Ar-Me), 1.50 (s, 9H, CMe).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl, r.t.): δ153.42 (O=C.), 137.86, 137.82, 131.61, 130.53, 130.43, 122.44, 80.18 (OCMe3), 28.20 (OCMe3), 20.54 (Ar−Me), 18.87 (Ar−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 301 [M+ + H+].
IR (KBr): 3367, 3231, 3197, 3127, 2977, 2930, 1711, 1563, 1493, 1472, 1453, 1364, 1287, 1254, 1239, 1165, 1128, 1046, 1019, 908, 852, 834, 775, 721, 643, 539, 445 cm−1.
Anal. Calcd. for C1318BrNO: C, 51.75; H, 5.83; Br, 26.33, N, 4.69, O, 10.58. Found: C, 52.01; H, 6.04; Br, 26.62, N, 4.67, O, 10.66.
(合成例1−2)(2,4−ジメチル−6−ビニルーフェニル)カルバミン酸ターシャリーブチルエステル
Figure 0006345084
100mLオートクレーブにポタシウムビニルトリフルオロボレート(アルドリッチ社製)(2.69g、20.1mmol)、パラジウム(II)クロリド(田中貴金属工業社製)(71.1mg、0.40mmol)、トリフェニルホスフィン(関東化学社製)(316mg、1.20mmol)、炭酸セシウム(和光純薬工業社製)(19.6mg、60.2mmol)と(2−ブロモ−4,6−ジメチルフェニル)−カルバミン酸ターシャリーブチルエステル(3.01g、10.0mmol)をそれぞれ秤量し、テトラヒドロフラン(関東化学社製)と水の混合溶媒(9:1)を加えた。予め80℃に設定したオイルバスにオートクレーブを導入し、17時間反応させた。反応終了後、反応溶液を室温に戻し塩化メチレン(旭硝子社製)(120mL)で希釈した。有機層を蒸留水(75mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で2時間以上乾燥した。その後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により白色固体の(2,4−ジメチル−6−ビニルーフェニル)カルバミックアシッドターシャリーブチルエステルを単離した(1.87g、8.03mmol,85%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl, r.t.):δ 7.21 (s, 1H, Ar−H), 6.97 (s, 1H, Ar−H), 6.88 (m, 1H, CH=CH2), 5.87 (br s, 1H, N−H), 5.67 (d, 1H, J = 17.5, CH=CH2), 5.28 (d, 1H, J = 11.0, 1.5, CH=CH2), 2.30 (s, 3H, Ar−Me), 2.23 (s, 3H, Ar−Me), 1.51 (s, 9H, CMe3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl, r.t.):δ 153.87 (O=C.), 136.62, 136.00, 135.27, 133.115, 130.88, 130.20, 124.10, 115.55,79.90 (OCMe3), 28.30 (OCMe3), 21.03 (Ar−Me), 18.20 (Ar−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 249 [M + H+].
IR (KBr): 3351, 3236, 3098, 3007, 2981, 2923, 1685, 1481, 1445, 1410, 1390, 1363, 1300, 1254, 1229, 1167, 1047, 1023, 991, 901, 852, 777, 720, 669 cm−1.
Anal. Calcd. for C1521NO(HO)0.14: C, 72.14; H, 8.69; N, 5.56. Found: C, 72.09; H, 8.59; N, 5.60.
(合成例1−3)(E)−2,2‘−ジ(ターシャリーブトキシカルバメート)−3,3’,5,5‘−テトラメチルスチルベン
Figure 0006345084
50mLシュレンクフラスコに(2−ブロモ−4,6−ジメチルフェニル)−カルバミン酸ターシャリーブチルエステル(553mg、1.84mmol)、(2,4−ジメチル−6−ビニルーフェニル)カルバミン酸ターシャリーブチルエステル(537mg、2.30mmol)、酢酸パラジウム(Derek H. R. Barton, Jamal Ehamsi, Nubar Ozbalik, Manian Ramesh and Jadab C. Sarma:“On The Various Forms of Palladium Diacetate”:Tetrahedron Letters 1989,30,4661−4664.に記載の方法で合成した)(20.7mg、0.092mmol)とトリス(オルト−トリル)ホスフィン(和光純薬工業社製)(112mg、0.369mol)をそれぞれ秤量し、トリエチルアミン(和光純薬工業社製)(14mL)を加えた。予め90℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、54時間反応させた。反応溶液を室温に戻し塩化メチレン(旭硝子社製)(80mL)と蒸留水(30mL)で希釈した。有機層を蒸留水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で2時間以上乾燥した。その後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)により白色固体の(E)−2,2‘−ジ(ターシャリーブトキシカルバメート)−3,3’,5,5‘−テトラメチルスチルベンを単離した(706mg、1.52mmol、82%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl, r.t.):δ 7.31 (s, 2H, Ar−Hm), 7.17 (s, 2H, C=C−H), 6.97 (br s, 2H, Ar−Hm), 5.86 (br s, 2H, N−H), 2.32 (s, 6H, Ar−Me), 2.26 (s, 6H, Ar−Me), 1.50 (s, 18H, CMe3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl, r.t.):δ 154.58 (O=C.), 136.63, 135.98, 135.41, 135.29, 130.69, 126.43, 124.30, 80.04 (OCMe3), 28.35 (OCMe3), 21.02 (Ar−Me), 18.23 (Ar−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 467 [M + H+].
IR (KBr): 3337, 2970, 2921, 2739, 2677, 2491, 1697, 1508, 1446, 1390, 1364, 1274, 1247, 1166, 1061, 1046, 1024, 982, 850, 628cm−1.
Anal. Calcd. for C2838(HO)0.5: C, 70.84; H, 7.96; N, 5.95. Found: C, 70.71; H, 8.26; N, 5.89.
(合成例1−4)N,N‘−ジ(ターシャリーブトキシカルボニル)−4,4’,6,6‘−テトラメチルー2,2’−エチレンジアニリン
Figure 0006345084
100mLシュレンクフラスコに(E)−2,2‘−ジ(ターシャリーブトキシカルバメート)−3,3’,5,5‘−テトラメチルスチルベンとパラジウム−活性炭素(Pd 10%)(和光純薬工業社製)(91.4mg)をそれぞれ秤量し、脱水テトラヒドロフラン(関東化学社製)(20mL)を加えた。続いて「凍結脱気を行い水素で満たした3Lのゴム風船を用いて容器内を水素雰囲気下にした」という操作を計2回繰り返した。反応溶液を室温に戻し、予め50℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、66時間反応させた。反応終了後、温かいうちにセライト濾過を行った。その後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)により白色固体のN,N‘−ジ(ターシャリーブトキシカルボニル)−4,4’,6,6‘−テトラメチルー2,2’−エチレンジアニリンを単離した(742mg、1.59mmol、87%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl, r.t.):δ 6.91 (s, 2H, Ar−H), 6.89 (s, 2H, Ar−H), 5.36 (br s, 2H, N−H), 2.77 (s, 4H, CH2), 2.27 (s, 6H, Ar−Me), 2.17 (s, 6H, Ar−Me), 1.49 (s, 18H, CMe3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl, r.t.):δ 154.22 (O=C), 139.01 (Ar−C), 136.99 (Ar−C), 136.48 (Ar−C), 131.42 (Ar−C), 129.55 (Ar−Cm), 128.38 (Ar−Cm), 79.72 (OCMe3), 33.75 (Ar−CH2), 28.51 (t−Bu), 21.06 (Ar−Me), 18.37 (Ar−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 470 [M + H+].
IR (KBr): 3326, 2997, 2965, 2917, 2879,
1696, 1508, 1461, 1444, 1389, 1365, 1268, 1247, 1172, 1058, 1027, 907, 777, 723, 641cm−1.
Anal. Calcd. for C2840: C, 71.76; H, 8.60; N, 5.98, O, 13.66. Found: C, 71.74; H, 8.90; N, 5.96, O, 13.46.
(合成例1−5)4,4‘,6,6’−テトラメチルー2,2‘−エチレンジアニリン
Figure 0006345084
200mLフラスコにN,N‘−ジ(ターシャリーブトキシカルボニル)−4,4’,6,6‘−テトラメチルー2,2’−エチレンジアニリン(618mg、1.33mmol)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(20mL)に溶解した。続いてトリフルオロ酢酸(東京化成工業社製)(2mL,26.5mmol)を加え、室温下で1時間反応させた。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)で中和し、塩化メチレン(旭硝子社製)(50mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で2時間以上乾燥した後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)により白色固体の4,4‘,6,6’−テトラメチルー2,2‘−エチレンジアニリンを単離した(326mg、1.23mmol,93%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl, r.t.):δ 6.85 (s, 2H, Ar−Hm), 6.82 (s, 2H, Ar−Hm), 3.56 ((br s, 4H, N−H2), 2.77 (s, 4H, Ar−CH2), 2.25 (s, 6H, Ar−Me), 2.18 (s, 6H, Ar−Me).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl, r.t.):δ 139.95 (NH2−C), 129.33 (Ar−Cm), 127.78 (Ar−Cm), 127.60 (Ar−C), 126.17 (Ar−C), 122.70 (Ar−C), 31.60 (Ar−CH2), 20.59 (Ar−Me), 17.89 (Ar−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 270 [M + H+].
IR (KBr): 3416, 3350, 3008, 2964, 2920, 2858, 2735, 2722, 1626, 1604, 1486, 1371, 1306, 1252, 1238, 1162, 1117, 1039, 1030, 1011, 857, 690cm−1.
Anal. Calcd. for C1824: C, 80.55; H, 9.01; N, 10.44. Found: C, 80.43; H, 8.76; N, 10.45.
(合成例1−6)4,5−ジブロモ−2,3,6,7,9,9−ヘキサメチルキサンテン
Figure 0006345084
200mLフラスコに2,3,6,7,9,9−ヘキサメチルキサンテン(Andrew J. Caruso and Julia L. Lee:“A New Reaction of Bisphenol A and Preparation of Polysubstituted 9,9−Dimethylxanthenes”:J. Org. Chem. 1997, 62, 1058−1063.に記載の方法で合成した)(1.85g、6.93mmol)を秤量し、四塩化炭素(関東化学社製)(30mL)に溶解した。反応容器を氷浴へ移し、臭素(和光純薬工業社製)(1mL、19.4mmol)を滴下した。次に、反応溶液を室温まで戻し、24時間反応させた。反応終了後、塩化メチレン(旭硝子社製)(100mL)で希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)と蒸留水(50mL)で洗浄した。有機層は硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で2時間以上乾燥した。その後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により白色固体の(4,5−ジブロモー2,3,6,7,9,9−ヘキサメチルキサンテンを単離した(2.18g、5.14mmol,74%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl, r.t.):δ 7.10 (s, 2 H, 1−xn, 8−xn), 2.40 (s, 6 H, 3−xn−CH3, 6−xn−CH3), 2.33 (s, 6 H, 2−xn−CH3, 7−xn−CH3), 1.58 (s, 6 H, 9−xn−CH3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl, r.t.):δ 145.7 (4a−xn), 135.7, 132.0, 128.2, 125.4 (1−xn), 114.0 (CBr), 34.7 (C(CH3)2), 32.1 (C(CH3)2), 21.0 (2−xn−CH3, 7−xn−CH3), 19.5 (3−xn−CH3, 6−xn−CH3).
FAB−MS mass spectrum: m/z = 425 (M+H+).
IR (KBr):2968, 2923, 2865, 1444, 1403, 1069, 1002, 922, 882, 816, 779, 718cm−1.
Anal. Calcd. for C1920BrO: C, 53.80; H, 4.75; Br, 37.68. Found: C, 53.66; H, 4.47; Br, 37.79.
(合成例1−7)2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアミン
Figure 0006345084
25mLシュレンクフラスコに2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアミン(2.03g、4.78mmol)、ヨウ化銅(和光純薬工業社製)(2.73g、14.4mmol)、アジ化ナトリウム (東京化成工業社製)(1.87g、28.4mmol)とN,N‘−ジメチルエチレンジアミン (東京化成工業社製)(1.54mL、14.4mmol)を秤量し、ジメチルスルホキシド(関東化学社製)(13mL)を加えた。予め100℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、24時間反応させた。24時間後、反応溶液を室温に戻し飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)酢酸エチル (10mL) を加え1時間撹拌することで反応を停止した。次にセライト濾過を行い、酢酸エチル(ゴードー社製)(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で2時間以上乾燥した。その後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:6)により白色固体の(2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアミンを単離した(0.54g,1.84mmol,38%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl, r.t.):δ 6.68 (s, 2 H, 1−xn, 8−xn), 3.74 (br, 4 H, NH2), 2.28 (s, 6 H, 2−xn−CH3, 7−xn−CH3), 2.13 (s, 6 H, 3−xn−CH3, 6−xn−CH3), 1.61 (s, 6 H, 9−xn−CH3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl, r.t.):δ 136.7 (4a−xn), 132.3, 130.4, 127.0 (4−xn), 119.2, 116.4 (1−xn), 33.7 (C(CH3)2), 32.3 (C(CH3)2), 20.4 (2−xn−CH3), 12.9 (3−xn−CH3).
FAB−MS mass spectrum: m/z = 298 (M+2H+).
IR (KBr):3457 (N−H), 2961, 1619, 1492, 1399, 1305, 1268, 1213, 1186, 1093, 856cm−1.
Anal. Calcd. for C1924O (DMSO)0.1: C, 75.80; H, 8.15; N, 9.21. Found: C, 75.83; H, 8.19; N, 9.21.
Figure 0006345084
30mLフラスコに2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアニリン (302 mg、1.02 mmol)、アセナフテンキノン(東京化成工業社製)(186 mg、1.02 mmol)と触媒量のp−トルエンスルホン酸(関東化学社製)を秤量し、1−ブタノール(ナカライテスク社製)(4 mL)を加えた。予め120℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、20時間反応させた。20時間後濾過し、メタノール(和光純薬工業社製)(10mL)と塩化メチレン(関東化学社製)(20mL)で洗浄することにより赤黄色粉末の環状配位子1を単離した(0.35g、0.395 mmol、77%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl, r.t.):δ 7.30 (d, 4H, J = 8.0, Ar−Ho), 7.13 (s, 4H, Ar−Hp), 6.86 (t, 4H, J = 8.0, An−Hm), 6.48 (d, 4H, J = 7.0, An−Hp), 2.27 (s, 12H, Ar−Me), 1.86 (s, 12H, Ar−Me), 1.81(s, 6H, CMe), 1.76 (s, 6H, CMe).
FAB mass spectrum: m/z = 998 [M + H+].
Anal. Calcd. for C6252: C, 83.86; H, 5.91; N, 6.28. Found: C, 84.13; H, 5.92; N, 6.33.
Figure 0006345084
50 mLフラスコに2,7ージターシャリーブチル−9,9−ジメチル−4,5−キサンテンジアニリン (James S. Nowick, Pablo Ballester, Frank Ebmeyer, and Julius Rebek, Jr.:“Convergent Functional Groups. 9. Complexation in New Molecular Clefts”:J. Am. Chem. Soc.1990,112,8902−8906.及びPhilippe Biihlmann, Seiichi Nishizawa,Kang Ping Xiao and Yoshio Umezawa:“Strong Hydrogen Bond−Mediated Complexation of H2P04− by Neutral Bis−Thiourea Hosts”:Terrahedron 1997,53,1647−1654.に記載の方法で合成した)(202mg、0.574 mmol)、アセナフテンキノン(東京化成工業社製) (105mg、1.02 mmol)と触媒量のp−トルエンスルホン酸(関東化学社製)を秤量し、エタノール(関東化学社製) (4 mL)を加えた。予め100℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、42時間反応させた。42時間後濾過し、メタノール(和光純薬工業社製)(20mL)で洗浄することにより黄色粉末の環状配位子2を単離した(0.22g、0.221 mmol,77%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl, r.t.): δ 7.35 (d, 4H, J = 2.0, Ar−Ho), 7.25 (d, 4H, J = 8.5, An−Ho), 6.87 (t, 4H, J = 7.5, An−Hm), 6.86 (d, 4H, J = 1.5, Ar−Hp), 6.56 (d, 4H, 7.0, An−Hp), 1.90 (s, 6H, CMe), 1.79 (s, 6H, CMe), 1.31 (s, 36H, CMe3).
13C NMR (125 MHz, CDCl, 1H gated decoupled): δ161.36, 146.35, 140.43, 138.84, 137.13, 130.45, 130.05, 128.60, 128.42, 127.44, 122.69, 118.64, 115.10, 35.29 (CMe2), 34.96 (CMe3), 33.57 (CMe2), 32.59 (CMe2), 31.62 (CMe3).
FAB mass spectrum: m/z = 998 [M+ + H+].
Anal. Calcd. forC7068(CHCl)0.09: C,83.51; H, 6.80; N, 5.44.Found: C, 83.
50; H, 6.81; N, 5.56.
Figure 0006345084
30 mLフラスコに2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアニリン (99.2 mg、0.335 mmol)、ジアセチル(東京化成工業社製) (0.29 ml、0.335 mmol)と触媒量のp−トルエンスルホン酸Cを秤量し、1−ブタノール(ナカライテスク社製) (1.5 mL)を加えた。予め120℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、22時間反応させた。22時間後濾過し、メタノール(和光純薬工業社製)(20mL)で洗浄することにより黄色粉末の環状配位子3を単離した(0.08g、0.116 mmol、69%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl, r.t.):δ 6.99 (s, 4H, Ar−H), 2.28 (s, 12H, N=CMe), 2.01 (s, 12H, Ar−Me), 1.90 (s, 12H, Ar−Me), 1.67 (s, 6H, CMe), 1.60 (s, 36H, CMe3).
Figure 0006345084
25mLシュレンクフラスコに環状配位子1(150mg、0.169mmol)とPdMeCl(cod)(J.Chatt, L. M. Vallarino, L. M. Venanzi:“Olefin co−ordination compounds. Part V. Some diene complexes of palladium(II) and their alkoxy−derivatives” J. Chem. Soc.1957, 3413−3416.及びR.E.Rulke,J.M.Ernsting,A.L.Spek,C.J.Elsevier,P.W.N.M.van Leeuwen,K.Vrieze:“NMR study on the coordination behavior of dissymmetric terdentate trinitrogen ligands on methylpalladium(II) compounds”:Inorg. Chem.1993,32, 5769−5778.に記載の方法で合成した)(90.1mg、0.339mmol) を秤量し、脱水THF(関東化学社製)(10mL)を加え、室温で12時間反応させた。反応12時間後濾過し、脱水THFで洗浄することにより黒赤色粉末を単離した(164mg、0.137mmol、81%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl, r.t.): δ 8.03−7.96, 7.53−7.39 (m, 4H, Ar−Ho), 7.37−7.26 (m, 4H, Ar−Hp), 7.13−6.84 (m, 4H, An−Hm), 6.79−6.31 (m, 4H, An−Hp), 2.34−1.76 (36H, Ar−Me and CMe), 0.85, 0.74, −0.51, −0.56 (s, 6H, Pd−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 1163 [M+−Cl], 1148 [M+−ClMe], 1133[M+−ClMe2] .
Anal. Calcd. for C6458ClPd: C, 64.20; H, 5.12; N, 4.57. Found: C, 64.11; H, 4.88; N, 4.67.
Figure 0006345084
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、25mLシュレンクフラスコに環状配位子1(52.4mg、0.059mmol)と[PdMe(MeCN)(cod)][BARF](WO9623010(A2)―1996−08−01に記載の方法で合成した)(134 mg、0.118mmol)を秤量し、脱水アセトニトリル(和光純薬工業社製)(10 mL)を加え、室温で13時間撹拌した。13時間後、脱水ヘキサン(関東化学社製)(10 mL)で4回洗浄した。洗浄後、溶媒を除去することにより橙色粉末を単離した。(146 mg、0.498mmol、84%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl, r.t.):δ 7.69 (s, 16H, BARF: Ho), 7.62 (d, 2H, J = 8.5, An−Ho), 7.52 (s, 8H, BARF: Hp), 7.52 (d, 2H, overlapped with signal oF BARF: Hp, An−Ho), 7.48 (s, 2H, Ar−Hp), 7.40 (s, 2H, Ar−Hp), 7.15 (t, 2H, J = 7.5, An−Hm), 7.00 (t, 2H, J = 7.5, An−Hm), 6.64 (d, 2H, J = 8.5, An−Hp), 6.58 (d, 2H, J = 8.5, An−Hp), 2.35 (s, 6H, Ar−Me), 2.31 (s, 6H, Ar−Me), 2.16 (s, 6H, Ar−Me), 2.11 (s, 6H, Ar−Me), 1.87 (s, 3H, CMe), 1.80 (s, 3H, CMe), 1.80 (s, 6H, NCMe), 0.84 (s, 3H, Pd−Me), 0.78 (s, 3H, Pd−Me).
13C{1H} NMR (125 MHz, CD2Cl2, r.t.):δ 176.40 (C=N), 169.17 (C=N), 162.72 (BARF), 162.32 (BARF), 161.93 (BARF), 161.53 (BARF), 144.81, 138.57, 137.87, 135.17 (BARF), 134.81, 134.23, 133.21, 132.15, 131.36, 130.55, 130.47, 129.63−128.88 (BARF), 128.28, 128.21, 128.17, 127.92, 127.41, 127.26, 126.04, 125.13 (BARF), 124.90 (BARF), 124.49, 124.29, 123.87, 121.71 (NCMe), 121.47, 117.87 (BARF), 117.84 (BARF), 117.80 (BARF), 34.48 (CMe or CMe), 34.26 (CMe or CMe), 31.83 (CMe or CMe), 20.03 (Ar−Me), 20.01 (Ar−Me), 14.53 (Ar−Me), 14.31 (Ar−Me), 5.98 (NCMe), 2.77 (Pd−Me).
HRMS−ESI (m/z): [M]2+ calcd for C6664Pd: 605.2259. Found: 605.1590.
Figure 0006345084
25mLシュレンクフラスコに環状配位子2(95.2mg、0.095mmol)とPdMeCl(cod)(J.Chatt, L. M. Vallarino, L. M. Venanzi:“Olefin co−ordination compounds. Part V. Some diene complexes of palladium(II) and their alkoxy−derivatives” J. Chem. Soc.1957, 3413−3416.及びR.E.Rulke,J.M.Ernsting,A.L.Spek,C.J.Elsevier,P.W.N.M.van Leeuwen,K.Vrieze:“NMR study on the coordination behavior of dissymmetric terdentate trinitrogen ligands on methylpalladium(II) compounds”:Inorg. Chem.1993,32, 5769−5778.に記載の方法で合成した)(50.6mg、0.191mmol)を秤量し、脱水THF(関東化学社製)(5mL)を加え、室温で11時間反応させた。反応11時間後濾過し、脱水THFで洗浄することにより黒赤色粉末を単離した(112mg、0.085mmol、89%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl, r.t.):δ 7.57−7.51 (m, 4H, Ar−Ho), 7.48−7.36 (m, 4H, An−Ho), 7.18−7.09 (m, 3H, Ar−Hp), 7.08−6.84 (m, 6H, Ar−Hp, An−Hm and An−Hp), 6.81, 6.52, 6.35 (m, 3H, An−Hp), 1.89−1.86 (m, 12H, CMe), 1.36−1.29 (m, 48H, CMe3), 0.89, 0.84 (s, 6H, Pd−Me).
13C{1H} NMR (125 MHz, CD2Cl2, r.t.): δ 171.72 (C=N), 166.18 (C=N), 152.86, 147.32, 146.28, 142.98, 139.47, 139.45, 133.30, 133.13, 131.23, 130.36, 130.18, 129.92, 128.09, 127.05, 126.11, 124.03, 123.56, 121.84, 121.61, 119.73, 119.09, 35.61 (CMe2), 35.18 (CMe3), 32.87 (CMe2), 31.74 (CMe2), 31.52 (CMe3), 3.78 (Pd−Me), 1.13 (Pd−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 1275 [M+ − Cl], 1260 [M+ − Cl−Me], 1245 [M+ − Cl−2Me].
Anal. Calcd. for C7274ClPd: C, 65.68; H, 5.48; N, 4.23; Cl, 5.49. Found: C, 65.96; H, 5.69; N, 4.27; Cl, 5.41.
Figure 0006345084
25mLシュレンクフラスコに環状配位子1(150mg、0.169mmol)とNiBrDME(アルドリッチ社製)(105mg、0.339mmol)を秤量し、脱水THF(関東化学社製)(10mL)を加え、室温で12時間反応させた。反応12時間後濾過し、脱水THFで洗浄することにより濃橙色粉末を単離した(198mg、0.150mmol、88%)。
FAB mass spectrum: m/z = 1241 [M+ − Br], 1162 [M+ − 2Br], 1081 [M+ − 3Br].
Anal. Calcd. for C6252BrNi(HO): C, 53.37; H, 3.99; N, 3.92. Found: C, 53.41; H, 4.34; N, 4.02.
Figure 0006345084
25mLシュレンクフラスコに環状配位子2(100mg、0.100mmol)とNiBrDME(アルドリッチ社製)(62.0mg、0.201mmol)を秤量し、脱水THF(関東化学社製)(2.5mL)を加え、室温で11時間反応させた。反応11時間後濾過し、脱水ジエチルエーテル(関東化学社製)で洗浄することにより濃橙色粉末を単離した(130mg、0.091mmol、90%)。
FAB mass spectrum: m/z = 1353 [M+ −Br], 1274 [M+ −2Br], 1193[M + −3Br] .
Figure 0006345084
50mLフラスコに2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアミン(100mg、0.378mmol)、アセナフテンキノン(東京化成工業社製) (68.9mg、0.378 mmol)と塩化亜鉛(II)(関東化学社製)(56.7mg、0.416mmol)を秤量し、酢酸(ナカライテスク社製)(2mL)を加えた。予め120℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、3時間反応させた。3時間後濾過し、酢酸(5mL)メタノール(和光純薬工業社製)(10mL)で洗浄することにより橙色粉末を単離した(169mg、0.153 mmol、81%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl, r.t.):δ 8.15 (d, 4H, J = 8.5, An−Ho), 7.57 (t, 4H, J = 7.4, An−Hm), 7.29 (s, 4H, Ar−Hm), 7.04 (s, 4H, Ar−Hm), 6.99 (d, 4H, J = 7.4, An−Hp), 3.31 (m, 4H, Ar−HCH), 2.69 (m, 4H, Ar−HCH), 2.46 (s, 12H, CMe), 2.02 (s, 12H, CMe).
FAB mass spectrum: m/z = 1065 [M +−Cl].
(合成例10)環状二核錯体7の合成
Figure 0006345084
25mLシュレンクフラスコに環状配位子2(100mg、0.100mmol)と塩化鉄(II)(25.6mg、0.202mmol)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え、室温で13時間反応させた。反応13時間後、塩化メチレンを留去し、脱水ジエチルエーテル(関東化学社製)で洗浄することにより、濃紫色粉末を定量的に単離した。
(合成例11)環状二核錯体8の合成
Figure 0006345084
25mLシュレンクフラスコに環状配位子2(100mg、0.100mmol)と塩化コバルト(II)(26.0mg、0.200mmol)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え、室温で13時間反応させた。反応13時間後、塩化メチレンを留去し、脱水ジエチルエーテル(関東化学社製)で洗浄することにより、濃茶色粉末を定量的に単離した。
次の環状二核錯体を実施例において使用する:
Figure 0006345084

Figure 0006345084
次の単核錯体を比較例において使用する:
Figure 0006345084

Figure 0006345084
〔実施例1−1〕
環状二核錯体1によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間撹拌した。1分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表1に示す。
〔実施例1−2〕
環状二核錯体3によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体3(0.010mmol、13.1mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間撹拌した。1分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表1に示す。
〔比較例1−1〕
単核錯体1によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体1(0.020mmol、11.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間撹拌した。1分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表1に示す。
〔比較例1−2〕
単核錯体2によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.020mmol、12.3mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間撹拌した。1分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表1に示す。
〔比較例1−3〕
単核錯体3によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.020mmol、11.5mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間撹拌した。1分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表1に示す。
Figure 0006345084
〔実施例2−1〕
エチレン重合における環状二核錯体1の触媒寿命(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.0025mmol、3.0mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。その後、デカンテーションすることにより溶媒を取り除いた。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表2に示す。
〔比較例2−1〕
エチレン重合における単核錯体2の触媒寿命(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.005mmol、2.3mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表2に示す。
〔比較例2−2〕
エチレン重合における単核錯体3の触媒寿命(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol、2.1mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表2に示す。
Figure 0006345084
〔実施例3−1〕
エチレン重合における環状二核錯体1の触媒寿命(60℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.0025mmol、3.0mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.51mmol、0.322g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。その後、デカンテーションすることにより溶媒を取り除いた。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表3に示す。
〔比較例3−1〕
エチレン重合における単核錯体2の触媒寿命(60℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.005mmol、2.3mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表3に示す。
〔比較例3−2〕
エチレン重合における単核錯体3の触媒寿命(60℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol、2.1mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.53mmol,0.324g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表3に示す。
Figure 0006345084
〔実施例4−1〕
エチレン重合における環状二核錯体1の触媒寿命(80℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.0025mmol、3.0mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.53mmol、0.324g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表4に示す。
〔比較例4−1〕
エチレン重合における単核錯体2の触媒寿命(80℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.005mmol、2.3mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表4に示す。
〔比較例4−2〕
エチレン重合における単核錯体3の触媒寿命(80℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol、2.1mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.53mmol、0.324g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表4に示す。
Figure 0006345084
〔実施例5−1〕
エチレン重合における環状二核錯体1の触媒寿命(100℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.0025mmol、3.0mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表5に示す。
〔比較例5−1〕
エチレン重合における単核錯体2の触媒寿命(100℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.005mmol、2.3mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表5に示す。
〔比較例5−2〕
エチレン重合における単核錯体3の触媒寿命(100℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol,2.1mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表5に示す。
Figure 0006345084
〔実施例6−1〕
環状二核錯体4によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体4(0.002mmol、2.6mg)を秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(18.5mL)を加えた。凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、約5分間撹拌した。その後、MAO(東ソー社製)(1.5mL)を加え重合を開始した。1時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表6に示す。
〔実施例6−2〕
環状二核錯体5によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体5(0.002mmol、2.9mg)を秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(18.5mL)を加えた。凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、約5分間撹拌した。その後、MAO(東ソー社製)(1.5mL)を加え重合を開始した。1時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表6に示す。
〔比較例6−1〕
単核錯体5によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体5(0.004mmol、2.6mg)を秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(18.5mL)を加えた。凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、約5分間撹拌した。その後、MAO(東ソー社製)(1.5mL)を加え重合を開始した。1時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表6に示す。
〔比較例6−2〕
単核錯体6によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体6(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.004mmol、2.5mg)を秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(18.5mL)を加えた。凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、約5分間撹拌した。その後、MAO(東ソー社製)(1.5mL)を加え重合を開始した。1時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表6に示す。
〔比較例6−3〕
単核錯体7によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体7(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.004mmol、2.5mg)を秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(18.5mL)を加えた。凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、約5分間撹拌した。その後、MAO(東ソー社製)(1.5mL)を加え重合を開始した。1時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表6に示す。
Figure 0006345084
〔実施例7−1〕
環状二核錯体1によるプロピレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.012mmol、15.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0288mmol、25.2mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え1分間撹拌した。1分後、上記の溶液中の5mLをあらかじめ3Lの風船を用いてプロピレンで満たした25mLシュレンク管へ移し、重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリプロピレンを回収した。重合条件及び重合結果を表7に示す。
〔比較例7−1〕
単核錯体2によるプロピレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.024mmol、14.8mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0288mmol、25.2mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え1分間撹拌した。1分後、上記の溶液中の5mLをあらかじめ3Lの風船を用いてプロピレンで満たした25mLシュレンク管へ移し、重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表7に示す。
Figure 0006345084
〔実施例8−1〕
環状二核錯体1による1−ヘキセンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
〔実施例8−2〕
環状二核錯体1による1−ヘキセンの重合(−20℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を−20℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol,2.5mL)を加えて重合を開始した。72時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
〔実施例8−3〕
環状二核錯体3による1−ヘキセンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体3(0.010mmol、13.1mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
〔実施例8−4〕
環状二核錯体2による1−ヘキセンの重合(−20℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体3(0.010mmol、13.1mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を−20℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。72時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
〔比較例8−1〕
単核錯体1による1−ヘキセンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体1(0.020mmol、11.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1.5分間撹拌した。1.5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
〔比較例8−2〕
単核錯体1による1−ヘキセンの重合(−20℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体1(0.020mmol、11.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を−20℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。72時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
〔比較例8−3〕
単核錯体2による1−ヘキセンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.020mmol、12.3mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1.5分間撹拌した。1.5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
〔比較例8−4〕
単核錯体2による1−ヘキセンの重合(−20℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.020mmol、12.3mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を−20℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。72時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
Figure 0006345084
〔実施例9−1〕
環状二核錯体1による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.008mmol、9.6mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0096mmol、8.4mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.40mmol、0.052g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)を加えて重合を開始した。3時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
〔実施例9−2〕
環状二核錯体1による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.008mmol、9.6mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0192mmol、16.8mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.41mmol、0.052g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
〔実施例9−3〕
環状二核錯体1による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.008mmol、9.6mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.040mmol、35mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.41mmol、0.051g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)を加えて重合を開始した。1.5時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
〔実施例9−4〕
環状二核錯体2による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体2(0.004mmol、11.7mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.41mmol、0.052g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol,1mL)を加えて重合を開始した。5時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
〔比較例9−1〕
単核錯体2による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.008mmol、4.9mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0096mmol、8.4mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.40mmol、0.051g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)を加えて重合を開始した。25時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
〔比較例9−2〕
単核錯体3による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.008mmol、4.6mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0096mmol、8.4mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.41mmol、0.052g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)を加えて重合を開始した。3時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
Figure 0006345084
〔実施例10−1〕
環状二核錯体1による1−ブテンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.012mmol、15.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0288mmol、25.2mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え1分間撹拌した。1分後、上記の溶液中の5mLをあらかじめ3Lの風船を用いて1−ブテンで満たした25mLシュレンク管へ移し、重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ブテンを回収した。重合条件及び重合結果を表10に示す。
〔実施例10−2〕
環状二核錯体1による1−オクテンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1.5分間撹拌した。1.5分後、1−オクテン(和光純薬工業社製)(20mmol、3.1mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−オクテンを回収した。重合条件及び重合結果を表10に示す。
〔比較例10−1〕
単核錯体2による1−ブテンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.024mmol、14.8mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0288mmol、25.2mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え1分間撹拌した。1分後、上記の溶液中の5mLをあらかじめ3Lの風船を用いて1−ブテンで満たした25mLシュレンク管へ移し、重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ブテンを回収した。重合条件及び重合結果を表10に示す。
〔比較例10−2〕
単核錯体2による1−オクテンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.020mmol、12.3mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1.5分間撹拌した。1.5分後、1−オクテン(和光純薬工業社製)(20mmol、3.1mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−オクテンを回収した。重合条件及び重合結果を表10に示す。
Figure 0006345084
〔実施例11−1〕
環状二核錯体4による1−ヘキセンの重合(MMAO)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、脱水トルエン(関東化学社製)(15mL)、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)とMMAO(東ソー社製)(0.5mL)を加えた。上記の溶液へ予め調製しておいた触媒溶液(環状二核錯体4(0.002mmol、5.2mg)/脱水塩化メチレン(関東化学社製)(4mL))の内の2mLを加え、重合を開始した。4時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(200mL)に注いだ。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表11に示す。
〔実施例11−2〕
環状二核錯体4による1−ヘキセンの重合(EtAlCl)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、脱水トルエン(関東化学社製)(16.4mL)、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)と1.8M EtAlClトルエン溶液(アルドリッチ社製)(0.58mL)を加えた。上記の溶液へ予め調製しておいた触媒溶液(環状二核錯体4(0.002mmol、7.8mg)/脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL))の内の2mLを加え、重合を開始した。4時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(200mL)に注いだ。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表11に示す。
Figure 0006345084
〔実施例12−1〕
環状二核錯体1による4−メチル−1−ペンテンの重合(40℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間40℃で撹拌した。1分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
〔実施例12−2〕
環状二核錯体1による4−メチル−1−ペンテンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間室温で撹拌した。1分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
〔実施例12−3〕
環状二核錯体1による4−メチル−1−ペンテンの重合(0℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
〔実施例12−4〕
環状二核錯体1による4−メチル−1−ペンテンの重合(−20℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を−20℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
〔実施例12−5〕
環状二核錯体3による4−メチル−1−ペンテンの重合(0℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体3(0.010mmol、13.1mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol,2.5mL)を加えて重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
〔比較例12−1〕
単核錯体2による4−メチル−1−ペンテンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.020mmol、12.3mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間室温で撹拌した。1分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
〔比較例12−2〕
単核錯体3による4−メチル−1−ペンテンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.012mmol,6.9mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.014mmol、12.6mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(3mL)を加え1分間室温で撹拌した。1分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(12mmol、1.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
Figure 0006345084
〔実施例13−1〕
環状二核錯体1によるエチレンの単独重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(10mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後エチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔実施例13−2〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=0.6M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(9.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(5.55mmol、0.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔実施例13−3〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.1M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(9mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(11.1mmol、1mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔実施例13−4〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.7M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13、14と15に示す。
〔実施例13−5〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=2.2M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(22.2mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔実施例13−6〕
環状二核錯体2によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.7M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体2(0.005mmol、14.7mg)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔実施例13−7〕
環状二核錯体2によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=2.2M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体2(0.005mmol、14.7mg)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(22.2mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔実施例13−8〕
環状二核錯体2によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=5.6M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体2(0.005mmol、14.7mg)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(55.5mmol、5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔比較例13−1〕
単核錯体3によるエチレンの単独重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol,5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(10mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。後エチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔比較例13−2〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=0.6M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol,5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(9.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(5.55mmol、0.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔比較例13−3〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.1M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol,10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(9mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(11.1mmol、1mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔比較例13−4〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.7M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13、14と15に示す。
〔比較例13−5〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=2.2M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(22.2mmol,2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔比較例13−6〕
単核錯体4によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.7M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体4(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、4.8mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
〔比較例13−7〕
単核錯体4によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=2.2M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体4(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol,4.8mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(22.2mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
Figure 0006345084
〔実施例14−1〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(エチレン=5気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(5気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表14に示す。
〔実施例14−2〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(エチレン=20気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(20気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表14に示す。
〔比較例14−1〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(エチレン=5気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(5気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表14に示す。
〔比較例14−2〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(エチレン=20気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol,1.5mL)とエチレン(20気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表14に示す。
Figure 0006345084
〔実施例15−1〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(重合温度=60℃)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間60℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を60℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表15に示す。
〔比較例15−1〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(重合温度=60℃)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間60℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を60℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表15に示す。
Figure 0006345084
〔実施例16−1〕
環状二核錯体1によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=1.4M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(13.8mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16と17に示す。
〔実施例16−2〕
環状二核錯体1によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=2.1M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(7mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(20.7mmol、3mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16に示す。
〔実施例16−3〕
環状二核錯体1によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=2.8M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(27.6mmol、4mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16に示す。
〔比較例16−1〕
単核錯体3によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=1.4M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(13.8mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16と17に示す。
〔比較例16−2〕
単核錯体3によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=2.1M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(7mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(20.7mmol、3mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16に示す。
〔比較例16−3〕
単核錯体3によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=2.8M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(27.6mmol、4mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16に示す。
Figure 0006345084
〔実施例17−1〕
環状二核錯体1によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(エチレン=20気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(13.8mmol、2mL)とエチレン(20気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表17に示す。
〔比較例17−1〕
単核錯体3によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(エチレン=20気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(13.8mmol、2mL)とエチレン(20気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表17に示す。
Figure 0006345084
エチレンと種々の極性基含有モノマー種(FG)との共重合
〔実施例18−1〕
環状二核錯体1によるエチレン/アクリロニトリル(AN)共重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(9mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、アクリロニトリル(東京化成工業社製)(15.3mmol、1mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。重合条件及び重合結果を表18に示す。
〔実施例18−2〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルメタクリレート(MMA)共重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルメタクリレート(東京化成工業社製)(14.1mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリマーを回収した。重合条件及び重合結果を表18に示す。
〔実施例18−3〕
環状二核錯体1によるエチレン/酢酸ビニル(VAc)共重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、酢酸ビニル(東京化成工業社製)(16.3mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/酢酸ビニル共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表18に示す。
〔実施例18−4〕
環状二核錯体1によるエチレン/2−メトキシエチルアクリレート(MEA)共重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、2−メトキシエチルアクリレート(東京化成工業社製)(15.6mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/2−メトキシエチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表18に示す。
〔比較例18−1〕
単核錯体3によるエチレン/2−メトキシエチルアクリレート(MEA)共重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol,5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、2−メトキシエチルアクリレート(東京化成工業社製)(15.6mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/2−メトキシエチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表18に示す。
Figure 0006345084
実施例16−2で得たエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体(TBA=5.2mol%)の加水分解
〔実施例19−1〕
充分にアルゴン置換した100mL二口フラスコに、エチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体(実施例16−2)(TBA=5.2mol%)(0.2505g)を秤量し、脱水クロロホルム(関東化学社製)(30mL)を加えて共重合体を溶解させた。次にヨードトリメチルシリル(アルドリッチ社製)(0.12mL、0.862mmol)を加え、40℃で14時間撹拌した。14時間後、反応溶液を室温に戻しテトラヒドロフラン/水混合溶液(8:2)(5mL)を加え、反応を停止した。次に、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)、1N塩酸水溶液(50mL×2)と蒸留水(50mL)でそれぞれ洗浄した。硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で乾燥させ、溶媒を除去することによりエチレン/アクリル酸共重合体(0.188g、収率85%、Mn=31100,Mw/Mn=4.03)を得た。
[実施例20−1、20−2、20−3]
環状二核錯体1によるエチレンとヘキセンの共重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(11.5mg、0.01mmol)とテトラキス[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)ナトリウム塩(21.0mg,0.024mmol)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(5mL)を加え、室温で2分間撹拌した。反応液の凍結脱気を行い、エチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を室温に戻し、30分間撹拌した。その後、1−ヘキセン(2.5mL)を加え重合を開始した。所定時間の反応後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより生成物を回収した。重合条件及び重合結果を表19に示す。
[実施例20−4]
環状二核錯体1によるヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(11.5mg、0.01mmol)とテトラキス[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)ナトリウム塩(21.0mg,0.024mmol)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(5mL)を加え、室温で30分間撹拌した。その後、1−ヘキセン(2.5mL)を加え重合を開始した。2時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより生成物を回収した。重合条件及び重合結果を表19に示す。
[比較例20−1]
単核錯体3によるエチレンとヘキセンの共重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(5.7mg、0.01mmol)とテトラキス[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)ナトリウム塩(21.0mg,0.024mmol)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(5mL)を加え、室温で2分間撹拌した。反応液の凍結脱気を行い、エチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を室温に戻し、30分間撹拌した。その後、1−ヘキセン(2.5mL)を加え重合を開始した。2時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより生成物を回収した。重合条件及び重合結果を表19に示す。
[比較例20−2]
単核錯体3によるヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(5.7mg、0.01mmol)とテトラキス[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CFB]−[H(OEt[(3,5−(CFB]−[H(OEt: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)ナトリウム塩(21.0mg,0.024mmol)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(5mL)を加え、室温で30分間撹拌した。その後、1−ヘキセン(2.5mL)を加え重合を開始した。2時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより生成物を回収した。重合条件及び重合結果を表19に示す。
Figure 0006345084
本発明による、簡易に合成できる金属錯体及びそれを含む触媒並びにオレフィンの重合方法により、高分子量のオレフィン重合体が製造可能となることに加えて、高温での触媒活性の長寿命化による重合適性の向上が可能となり、ポリオレフィンの工業的生産において産業上非常に有用である。

Claims (6)

  1. 下記の一般式(1)で表されるテトライミン化合物と、10族の遷移金属化合物である錯体前駆体とを反応させて、下記の一般式(2)で表される金属錯体を製造する方法
    Figure 0006345084

    (一般式(1)において、
    〜Qは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、及び、炭素数1〜20の置換アミノ基からなる群より選択され、
    とQ、及びQとQは、各々独立して、互いに結合して環を形成してもよく、
    、Qは、各々独立して、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、水酸基で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の二価の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の二価の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の二価の炭化水素基、及びハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の二価の炭化水素基からなる群より選択される。)
    Figure 0006345084

    (一般式(2)において、Q〜Qは、前記一般式(1)で定義した通りであり、M及びMは、10族の遷移金属からなる群より選択される金属原子を示し、L〜Lは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数1〜12の置換アミノ基、チオシアナート基、及びハロゲン原子からなる群より選択される。)
  2. 請求項1に記載の金属錯体を製造する方法で得られる金属錯体を含むオレフィン重合用触媒成分の製造方法
  3. 下記の成分(A)及び(B)、更に必要に応じて(C)を含むオレフィン重合用触媒の製造方法
    成分(A):請求項1に記載の金属錯体を製造する方法で得られる金属錯体
    成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩
    成分(C):有機アルミニウム化合物
  4. 成分(B)がアルミノキサンであることを特徴とする請求項3に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法
  5. 成分(B)がホウ素化合物であることを特徴とする請求項3に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法で得られる重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合又は共重合することを特徴とする、オレフィン重合体の製造方法。
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