JP6335334B2 - パワー半導体素子、パワーモジュール、および電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体、特に珪素よりもバンドギャップの大きな半導体材料を使用した半導体素子及びそれを利用した電力制御装置に適用して有効な技術に関する。
電力変換装置であるインバータは、家庭用電気器具、自動車、電車、重機、電力系統制御などまで幅広く利用されている。これらインバータには主にシリコン(Si)パワー半導体である、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、ダイオードが用いられている。近年高耐圧向けのインバータに対し、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の応用が検討されている。炭化ケイ素はシリコンに比べ、禁制帯幅が約3倍広く、絶縁破壊電界強度が10倍、熱伝導度が3倍、飽和ドリフト速度も3倍と高いため高温、高電圧の動作環境下で高速スイッチングに適した半導体スイッチとして実用化が期待されている。
SiCパワー半導体では、ゲート絶縁膜と、ゲート電極として導電性ポリシリコン層とが用いられる。特許文献1ないし3に開示されているように、ゲート絶縁膜と導電性ポリシリコン層は、半導体メモリの分野でも用いられる。また、特許文献4には、ゲート引き出し電極に抜きパターンが形成されているMOSFETが開示されている。
特開2000−195973号公報 特開2005−57096号公報 特開平5−121754号公報 特開2010−182740号公報
シリコンパワー半導体のMOS−FETやIGBTの場合、ゲート絶縁膜には酸化ケイ素(SiO2)が用いられており、通常はシリコン結晶基板を熱酸化することで形成している。これにたいして炭化ケイ素パワー半導体は、同じく酸化ケイ素を用いるものの、形成方法は熱酸化ではなく化学的気相成長法(CVD: Chemical Vapor Deposition)に頼っている。これは炭化ケイ素結晶基板の品質がシリコン結晶基板に比べて劣ることに加えて、熱酸化膜を成長させると、酸化ケイ素と炭化ケイ素の界面に炭素が析出して大幅に電気特性を低下させるためである。しかしながらCVDによるSiO2を採用しても、熱酸化膜と同等の電気特性を得ることは容易ではない。図25に、本願発明を適用せずに比較例として作製した、すなわち炭化ケイ素基板にCVD−SiO2でゲート酸化膜を作り、その上に多結晶シリコンでゲート電極を形成したいわゆるMIS(Metal Insulator Semiconductor)キャパシタ―のTZDB(Time Zero Dielectric Breakdown)特性を示す。50nmという厚いゲート酸化膜厚さにも関わらず、ゲート電圧が40Vを越えた近辺で破壊に至る素子が多数存在する。これらはいわゆるBモード欠陥(プロセス誘起欠陥)と呼ばれ、真性耐圧を示すCモードと区別される。この分布は、MOSFETの製造歩留まりを下げるだけでなく、デバイスの長期信頼性の観点でも好ましくない。また、ゲート絶縁膜の絶縁特性の点においても、不利であることを本願発明者らは見出した。図2に、比較例として、本願発明を適用せずに、CDV−SiO2を使ってゲート酸化膜を作り、その上に多結晶シリコンでゲート電極を形成したSiC−MOSFETを作製することによって得られたSiC−MOSFETのゲート耐圧特性(Vgs−Ig特性)を破線で示す。ゲート電流は正バイアス側が+20Vを、負側が−15Vを越えるあたりから流れ始め、ともに±40V付近で絶縁破壊に至っている。シリコンパワーデバイスの場合、通常この膜厚では熱酸化膜の場合に破壊耐圧は±60V程度であり、ゲートリーク電流も±30Vを越えないと流れない状況であった。これをもとに従来Si−MOSFETでは、ゲートの定格電圧を±15V、最大瞬間定格電圧を±20Vに定められていた。SiC−MOSFETでは、特に負側で−15Vを越えるとリーク電流が流れ始めるため、経時的な絶縁破壊寿命が問題となることが分った。類似の問題として比較例として作製したSiC−MOSFETのゲートオフ(Vgs=0V)時のゲート電流のドレインバイアス依存性(Vds−Ig)を図3に破線で示す。本来Si−MOSFETでは、ドレイン最大定格電圧(3.3kV)までゲート電流が流れることはないが、比較例として作製したSiC−MOSFETでは、図3の破線で示したように、ドレイン電圧が1.8kVを越えるとゲート電流が流れ始め、3.3kVでは20nAに達している。最大定格電圧はスイッチング時に過渡的に掛かるのに対して、定常状態ではその半分(1.75kV)が印加される。そこでのリーク電流も30pAを越えており、先の例と同じく、経時的な絶縁破壊寿命にとって不利であることが、本願発明者らの検討により判明した。
本発明は、ゲート絶縁膜の耐圧特性及びドレインバイアス依存特性を改善することを目的としている。ひいては、パワーモジュールおよび電力変換装置の高性能化を実現する技術を提供することを目的としている。
本発明では、以下の(1)ないし(3)のいずれかで、上述の課題を解決する。
(1)
第1導電型の炭化ケイ素基板と、炭化ケイ素基板よりも不純物濃度が低い第1導電型の第1半導体層と、第1半導体層上に形成されているゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されているゲート電極と、を備え、ゲート電極は、ゲート絶縁膜に接する側に多結晶シリコンの結晶粒の単層を有し、該単層の膜厚方向の平均粒径がゲート絶縁膜の膜厚の4倍以下としたパワー半導体素子。
(2)
前記(1)のパワー半導体素子において、第1半導体層上に形成され、ゲート絶縁膜よりも厚いフィールド絶縁膜を有し、フィールド絶縁膜上にゲート電極が存在するゲート電極給電配線領域があり、フィールド絶縁膜の端部に沿ってゲート電極給電配線領域のゲート電極にメッシュ状またはスリット状の平面パターン構造を有する。
(3)
第1導電型の炭化ケイ素基板と、炭化ケイ素基板よりも不純物濃度が低い第1導電型の第1半導体層と、第1半導体層上に形成されているゲート絶縁膜と、ゲート電極と、を備え、ゲート電極は、ゲート絶縁膜側に多結晶シリコンの結晶粒の単層を有し、ゲート絶縁膜と単層との間に、多結晶シリコンに含まれる導電型を制御する不純物に対する拡散防止膜を設けたパワー半導体素子。
(1)の構成を採用することにより、多結晶シリコンにドープされたn型不純物であるリン(P)の粒界への析出量及びゲート電極とゲート酸化膜界面への析出量が低減し、製造プロセスの熱処理、及び素子の動作中におけるゲートバイアス印加によってリンがゲート酸化膜へ拡散して耐圧特性を劣化することが抑制される。
(2)では(1)に加えて、MOSFETが配置されたセル領域の周辺に設けられたゲート電極給電配線領域において、平面サイズが大きい多結晶シリコン粒が成長し、それらの粒界に沿って過剰なリンが析出して隣接するMOSFETに影響することを防止することができる。
(3)は、多結晶シリコンの粒界に析出したリンが、直接ゲート絶縁膜に接触しないようにすることができる。
(1)ないし(3)のいずれかの構成を採用したSiC−MOSFETでは、前述のゲート耐圧特性が、図2の実線に示す特性に改善され、ゲート電流の立ち上がりは±20V以上となり、破壊耐圧も±60Vに達した。同様にゲートオフ時のドレイン耐圧も、図3の実線に示したように、ドレイン電圧が4kVまで達してもゲート電流が流れなくなった。本発明によりSiC−MOSFETにおいてもSi−IGBTとSi−MOSFET同様、ゲートの定格電圧を±15V、瞬間最大定格電圧を±20Vとすることが可能になった。
本願発明の効果を確認するためのSiとSiCのMISキャパシタの絶縁破壊電圧分布のワイブルプロット図である。 比較例および実施例のSiC−MOSFETの絶縁耐圧特性を示す図である。 比較例および実施例のSiC−MOSFETのゲートオフ時におけるゲート電流ドレイン電圧依存性を示す図である。 ゲート電極用の多結晶シリコンの膜厚(nm)に対するBモード密度(個/cm)の関係を示す図である。 比較例のTEM像である。 MISキャパシタのゲート電圧印加中の状態をエミッション顕微鏡で観察した画像である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの要部断面図である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造工程中の要部断面図である。 本発明の実施の形態2によるSiC−MOSFETのチップレイアウト図である。 本発明の実施の形態2によるSiC−MOSFETのチップ中央付近の拡大レイアウト図である。 本発明の実施の形態3によるSiCパワーMOSFETの要部断面図である。 本発明の実施の形態4によるSiC−MOSFETを用いたインバータモジュールの構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態5によるインバータモジュールを用いた鉄道車両の駆動制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5によるインバータモジュールを用いた電気自動車の駆動制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1によるSiC−MOSFETのゲート絶縁膜付近の断面構造を示す模式図である。 比較例および実施例のSiC−MOSFETの絶縁耐圧特性を示す図である。
本発明の実施の形態1によるワイドバンドギャップ半導体装置を構成するnチャネル型のSiCパワーMOSFETの構造について図7を用いて説明する。図7はSiCパワーMOSFETの要部断面図である。
図7に示すように、炭化珪素(SiC)からなるn型のSiC基板(基板)1の表面(第1主面)上に、n型のSiC基板1よりも不純物濃度の低い炭化珪素(SiC)からなるn型の半導体層2が形成されている。n型の半導体層2の厚さは、例えば5〜50μm程度である。
型の半導体層2内には、n型の半導体層2の表面から所定の深さを有してp型のウェル領域(ボディ層)5が形成されている。さらに、p型のウェル領域5内には、n型の半導体層2の表面から所定の深さを有し、p型のウェル領域5の端部と離間してn型のソース領域6が形成されている。p型のウェル領域5の半導体層2の表面からの深さは、例えば0.5〜2.0μm程度である。また、n型のソース領域6の半導体層2の表面からの深さは、例えば0.1〜0.4μm程度である。
さらに、n型の半導体層2の表面から所定の深さを有して、p型のボディ層5内にはp型のボディ層5の電位を固定するp++型の電位固定層3が形成されている。p++型の電位固定層3の半導体層2の表面からの深さは、例えば0.05〜0.4μm程度である。さらに、n型のSiC基板1の裏面(第2主面)から所定の深さを有して、n型のドレイン領域4が形成されている。
なお、「」および「」は、導電型がn型またはp型の相対的な不純物濃度を表記した符号であり、例えば「n」、「n」、「n」、「n++」の順にn型不純物の不純物濃度は高くなる。
型のSiC基板1の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば1×1018〜1×1021cm−3であり、n型の半導体層2の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば1×1014〜1×1017cm−3である。また、p++型の電位固定層3の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば1×1019〜1×1021cm−3であり、p型のウェル領域5の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば1×1016〜1×1019cm−3である。また、n型のソース領域6の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば1×1017〜1×1021cm−3である。
ソース領域6からウェル領域5を介してドリフト層である半導体層2へと連なる領域の基板表面には、ゲート絶縁膜7が形成され、ゲート絶縁膜7上にゲート電極となるゲート電極膜8が形成されている。ここで、図24にゲート絶縁膜8付近の拡大図で示したように、ゲート電極膜8には、ゲート酸化膜7に接する部分が多結晶シリコンの結晶粒の単層となっており、かつ該多結晶シリコンの結晶粒の単層のゲート電極膜8の膜厚方向における平均結晶粒径T1が、ゲート酸化膜7の膜厚T2の4倍以下、より望ましくは平均結晶粒径T1がゲート酸化膜7の膜厚T2の2倍以下であるゲート電極膜下層8aと、ゲート電極膜下層8aより上にあるゲート電極膜上層8bと、が含まれる。図24では、単層には結晶粒子8a−1〜4が含まれる。本実施例では、さらに望ましい例として、平均結晶粒径T1と前記多結晶シリコンの粒子の単層の膜厚方向の平均粒径が前記ゲート絶縁膜の膜厚T2を略同一とする。また、本実施例では、ゲート絶縁膜7の厚さを50nmとする。ゲート電極膜上層8bはゲート電極膜下層8aと同じ多結晶シリコンで良いがその結晶粒径には制限はなく、高融点金属のシリサイドであってもよい。
結晶粒の単層のゲート電極膜8の膜厚方向における平均結晶粒径T1とゲート酸化膜7の膜厚T2の関係が導かれる理由として、図4にゲート電極用の多結晶シリコンの結晶粒の単層の平均膜厚(nm)に対するBモード欠陥密度(個/cm)との関係を、前述のMISキャパシタを試験して得た結果を示す。図4の結果は、ゲート絶縁膜の厚さは50nmのものである。破線で示したSi基板上MIS(Metal Insulator Semiconductor)キャパシタでは、膜厚依存性は見られないが、実線で示したSiC基板上のMISキャパシタでは、膜厚200nm以下でBモード欠陥密度が抑制されていることが見て取れる。また、膜厚100nm以下では、さらに確実にBモード欠陥密度が抑制されている。したがって、多結晶シリコンの結晶粒の単層のゲート電極膜8の膜厚方向における平均結晶粒径T1をゲート酸化膜7の膜厚T2の4倍以下に、より望ましくは平均結晶粒径T1をゲート酸化膜7の膜厚T2の2倍以下にすることで、Bモード欠陥、すなわちプロセス誘起欠陥を抑制することができると結論できる。よって、本実施例によればデバイスの製造歩留まりを向上させることができ、またデバイスの長期信頼性を向上させることができる。
ゲート絶縁膜7およびゲート電極膜8は、層間絶縁膜9で覆われている。ゲート電極膜下層8a、およびゲート電極膜上層8bの導電型は、たとえばn型である。さらに、層間絶縁膜9に形成された開口部CNTの底面ではn型のソース領域6の一部およびp++型の電位固定層3が露出し、これら表面に金属シリサイド層10が形成されている。さらに、n型のソース領域6の一部およびp++型の電位固定層3は、金属シリサイド層10を介してソース電極11と電気的に接続され、n型のドレイン領域4は、金属シリサイド層12を介してドレイン電極13と電気的に接続されている。ゲート電極8には外部からゲート電位が印加され、ソース電極11には外部からソース電位が印加され、ドレイン電極13には外部からドレイン電位が印加される。
≪本願発明の効果が得られる理由についての考察≫
特許文献1および特許文献2に開示の不揮発性記憶装置(EPROM:Erasable Programmable Read Only Memory)において、浮遊ゲートを構成する多結晶シリコンが粒成長をする際、粒界にリンを析出しゲート酸化膜に凹凸をもたらすいわゆるオキサイドリッジ現象により、消去特性が低下することが述べられている。多結晶シリコン中のリンが関与している点は、本発明と似ているが、本願発明者らはオキサイドリッジが原因ではないと考えている。EPROMと本SiC−MOSFETとの違いは、前者がトンネル現象を利用してゲート酸化膜にキャリアを注入することを前提にしているのに対し、パワー半導体であるSiC−MOSFETはキャリア注入をさせない設計になる。そのため前者のゲート酸化膜厚は1〜10nm、酸化膜に掛かる電界は5MV/cm程度であるのに対し、本実施例のSiC−MOSFETの酸化膜厚は50nmと厚い上、酸化膜に掛かる電界も2MV/cmと低い。従ってSiC−MOSFETにおいて仮にオキサイドリッジ現象が起きたとしても凹凸による電界集中効果は無視できると考えられる。
図5に比較例として、SiC−MOSFETのゲート電極である多結晶シリコンの結晶粒の単層を300nmとした場合の、ゲート絶縁膜である50nmのSiO2との界面を高解像度断面TEM観察した写真を示した。図5に示されているように、比較例では界面に凹凸は認められないことからオキサイドリッジ現象は起きていないと結論できる。
さらにオキサイドリッジの関与の有無を確認する次の実験を実施した。この実験では、ゲート絶縁膜にCVD−SiO2とゲート電極にポリシリコンをもつMISキャパシタを2種類作製した。ひとつはSi基板に、他方はSiC基板を用いた。それぞれのMISキャパシタについてTDDB(Time Depencent Dielectric Breakdown)試験を行って絶縁破壊に至るまでの注入電荷量を測定した。測定結果をワイブルチャートに、横軸を破壊注入電荷Qbd、縦軸を累積不良率Fとしてプロットしたものが図1である。これによればSiC基板の方は、Si基板に比べてQbdの小さい領域に裾ひき分布があることが分る。この実験が意味することは、オキサイドリッジが関係のない厚い酸化膜であっても、SiCでは耐圧の劣化が顕著に起きるということである。つまり本発明の課題はSiC−MOSFET固有の問題であり、SiC結晶の不完全性(結晶欠陥)と多結晶シリコンに含まれるリンとの相互作用の結果、絶縁耐圧特性に悪影響が及ぶことを示唆している。この推定を検証するため、図1に示したTDDB試験に使用したSiCのMISキャパシタを、ゲート電圧を上げながらエミッショ顕微鏡で発光を観察した像を図6に示す。この像によれば、ゲート電圧を上げて行くと表面に線状の発光パターンが現れ、その発光する先とゲート絶縁膜とフィールド絶縁膜との境界線が交わる点で破壊が起きることが分った。線状の発光は、SiC基板に存在するステップバンチングと呼ばれる結晶欠陥に対応していることも確認した。このことからも左記の推定は妥当なものと判断できる。
以上のとおり、本願発明は特許文献1乃至3に開示されている技術では生じえない課題を解決するものである。
≪SiCパワーMOSFETの製造方法≫
本発明の実施の形態1によるSiCパワーMOSFETの製造方法について図8〜図17を用いて工程順に説明する。図8〜図17は、SiCパワーMOSFETを示す要部断面図である。
まず、図8に示すように、n型の4H−SiC基板(基板)1を用意する。n型のSiC基板1には、n型不純物が導入されている、このn型不純物は、例えば窒素(N)であり、このn型不純物の不純物濃度は、例えば1×1018〜1×1021cm−3の範囲である。また、n型のSiC基板1はSi面とC面との両面を有するが、n型のSiC基板1の表面はSi面またはC面のどちらでもよい。
次に、n型のSiC基板1の表面(第1主面)にエピタキシャル成長法により炭化珪素(SiC)のn型のドリフト層2を形成する。エピタキシャル成長法にかえて、イオン注入法によりn型のドリフト層2を形成してもよい。n型のドリフト層2には、n型のSiC基板1の不純物濃度よりも低い濃度でn型不純物が導入されている。n型のドリフト層2の不純物濃度はSiCパワーMOSFETの素子定格に依存するが、例えば1×1014〜1×1017cm−3の範囲である。また、n型のドリフト層2の厚さは、例えば5〜20μmである。
次に、n型のSiC基板1の裏面(第2主面)から所定の深さで、n型のSiC基板1の裏面にn型のドレイン領域4を形成する。n型のドレイン領域4の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、図9に示すように、n型のドリフト層2の表面上にレジストパターンRP1を形成する。続いて、レジストパターンRP1をマスクとして、n型のドリフト層2にp型不純物、例えばアルミニウム原子(Al)をイオン注入して、n型のドリフト層2内にp型のウェル領域5を形成する。p型のウェル領域5のドリフト層2の表面からの深さは、例えば0.5〜2.0μm程度である。また、p型のウェル領域5の不純物濃度は、例えば1×1016〜1×1019cm−3の範囲である。
次に、図10に示すように、レジストパターンRP1を除去した後、n型のドリフト層2の表面上にレジストパターンRP2を形成する。続いて、レジストパターンRP2をマスクとして、p型のウェル領域5にn型不純物、例えば窒素原子(N)またはリン原子(P)をイオン注入して、p型のウェル領域5内にn型のソース領域6を形成する。n型のソース領域6のドリフト層2の表面からの深さは、例えば0.1〜0.4μm程度である。
p型のウェル領域5にイオン注入されるn型不純物として、窒素原子(N)またはリン原子(P)を例示したが、n型のソース領域6のドリフト層2の表面からの深さを浅くするために、浅い接合を形成することが容易であるn型不純物であればよい。例えば窒素分子(N)、フッ化窒素(NF)、二フッ化窒素(NF)、三フッ化窒素(NF)、リン分子(P)、ホスフィン(PH)、フッ化リン(PF)、二フッ化リン(PF)、または三フッ化リン(PF)、あるいは上記ガス種の混合ガスを用いても良い。n型のソース領域6の不純物濃度は、例えば1×1017〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、図11に示すように、レジストパターンRP2を除去した後、n型のドリフト層2の表面上にレジストパターンRP3を形成する。レジストパターンRP3には、続く工程においてp++型の電位固定層3が形成される領域のみに開口部分が設けられている。続いて、レジストパターンRP3をマスクとして、p型のウェル領域5にp型不純物、例えばアルミニウム原子(Al)をイオン注入して、p型のウェル領域5内にp++型の電位固定層3を形成する。
++型の電位固定層3のドリフト層2の表面からの深さは、例えば0.05〜0.2μm程度である。p++型の電位固定層3の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、図12に示すように、レジストパターンRP3を除去した後、n型のドリフト層2の表面にゲート絶縁膜7を形成する。ゲート絶縁膜7は、例えば基板を熱酸化することで形成された酸化珪素(SiO)、もしくは熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成されたSiO、または窒化珪素(SiN)、酸窒化珪素(SiON)膜からなる。ゲート絶縁膜7の厚さは、例えば0.01〜0.10μm程度である。本実施例では、ゲート絶縁膜7の厚さは50nmとする。
次に、ゲート絶縁膜7上に、ゲート電極膜8を形成する。ここで留意することは、ゲート電極膜8を、結晶状態の異なるゲート電極膜下層8aとゲート電極膜上層8bの2つに分け、かつゲート電極下層aの膜厚をゲート絶縁膜7の膜厚の4倍以下、望ましくは2倍以下に設定することである。実現方法には、いくつかのオプションがある。例えば、(1)リンを含む多結晶シリコン膜をCVDで成膜させ、下層8aと上層8bの間で一旦成長を止める。(2)多結晶シリコン膜をCVDで成膜させ先ずゲート電極下層8a形成し、これを700〜900℃程度の温度でアニールして結晶化する。次に再び多結晶シリコン膜をCVDで成膜させてゲート電極上層8b形成する。(3)同じく多結晶シリコン膜をCVDで成膜させる際に、下層8aと上層8bとでリンの含有率を変える。即ち下層8bにはリンを含有させないか、下層8aを上層8bよりもリン濃度を低くする。(4)多結晶シリコン膜をCVDで成膜させて先ずゲート電極下層8a形成する。次に同じくCVDを用いてその上に高融点金属からなるシリサイド膜を成長させてゲート電極上層8bを形成する。(5)多結晶シリコンにゲルマニウム(Ge)を混入してCVDで成膜(SiHシランにGeHゲランを混ぜる)する。あるいは成膜後にGeをイオン打ち込みすることで結晶粒を小粒径化したゲート電極膜下層8aを形成することができる。これらは製造するSiC−MOSFETの電気性能や、製造に使用する保有装置の種類に応じて適宜選択すれば良い。
次に、図13に示すように、ゲート電極膜8上にRP4を形成する。続いて、レジストパターンPR4をマスクとして、ゲート電極膜8をドライエッチング法により加工して、ゲート電極を形成する。
次に、図14に示すように、レジストパターンRP4を除去した後、ゲート絶縁膜7およびゲート電極8を覆うように、n型のドリフト層2の表面上に、例えばプラズマCVD法により層間絶縁膜9を形成する。
次に、図15に示すように、層間絶縁膜9上にレジストパターンRP5を形成する。続いて、レジストパターンRP5をマスクとして、層間絶縁膜9およびゲート絶縁膜7をドライエッチング法により加工して、n型のソース領域6の一部およびp++型の電位固定層3に達する開口部CNTを形成する。
次に、図16に示すように、レジストパターンRP5を除去した後、開口部CNTの底面に露出しているn型のソース領域6の一部およびp++型の電位固定層3のそれぞれの表面に金属シリサイド層10を形成する。
金属シリサイド層10を形成する工程では、まず、図示は省略するが、n型のドリフト層2の表面上に層間絶縁膜10および開口部CNTの内部(側面および底面)を覆うように、例えばスパッタリング法により第1金属膜、例えばニッケル(Ni)を堆積する。この第1金属膜の厚さは、例えば0.05μm程度である。続いて、500〜900℃のシリサイド化熱処理を施すことにより、開口部CNTの底面において第1金属膜とn型のドリフト層2とを反応させて、金属シリサイド層10、例えばニッケルシリサイド(NiSi)層を開口部CNTの底面に露出しているn型のソース領域6の一部およびp++型の電位固定層3のそれぞれの表面に形成する。続いて、未反応の第1金属膜をウェットエッチング法により除去する。ウェットエッチング法には、例えば硫酸過水が用いられる。
次に、図17に示すように、n型のSiC基板1の裏面に、例えばスパッタリング法により第2金属膜を堆積する。この第2金属膜の厚さは、例えば0.1μm程度である。続いて炉体もしくはレーザー照射により800〜1200℃のシリサイド化熱処理を施すことにより、第2金属膜とn型のSiC基板1とを反応させて、n型のSiC基板1の裏面側に形成されたn型のドレイン領域4を覆うように金属シリサイド層12を形成する。続いて、金属シリサイド層12を覆うように、ドレイン電極13を形成する。ドレイン電極13の厚さは、例えば0.4μm程度である。
次に、図示は省略するが、レジストパターンをマスクとしたドライエッチング法により層間絶縁膜9を加工して、ゲート電極8に達する開口部を形成する。
最後に、図7に示すように、n型のソース領域6の一部およびp++型の電位固定層3のそれぞれの表面に形成された金属シリサイド膜11に達する開口部CNT、ならびにゲート電極8に達する開口部(図示は省略)の内部を含む層間絶縁膜9上に第3金属膜、例えばチタン(Ti)膜と窒化チタン(TiN)膜とアルミニウム(Al)膜とからなる積層膜を堆積する。アルミニウム(Al)膜の厚さは、例えば3〜5μmが好ましい。続いて、第3金属膜を加工することにより、金属シリサイド層10を介してn型のソース領域6の一部と電気的に接続するソース電極11、およびゲート電極8と電気的に接続するゲート電極用配線(図示は省略)を形成する。その後、ゲート電極8、ソース電極11、およびドレイン電極13にそれぞれ外部配線が電気的に接続される。
本発明の実施の形態2によるワイドバンドギャップ半導体装置を構成するnチャネル型のSiCパワーMOSFETの平面構造について図18および図19を用いて説明する。図18は本実施例のSiCパワーMOSFETのチップレイアウトを示している。セルアレイ領域20には実施例1のMOSFETがアレイ状に配置されている、またセルアレイ領域20を4分割しかつ周囲を囲み、その上辺に矩形部分を有するのがフィールド絶縁膜領域30である。先に述べた矩形部分は、ゲートパッドが配置される領域に該当する。さらにその外側には、表面にあるソース電極と裏面にあるドレイン電極との間に印加される高電圧を保持するためのターミネーション領域40がある。そして最外周は、n型のドリフト層の電位を共通化するチャネルストッパー領域50であり、ここでは図示しないが表面にn拡散層が形成されている。なおこのレイアウトはあくまでも一例であり、セルアレイ領域の分割の仕方及び、ゲートパッド領域の設定の仕方は設計者の恣意に任されていることは言うまでもない。ここで指摘したいのは、セルアレイ領域20を分割し、かつこれを囲むフィールド絶縁膜領域30の部分が、ゲート電極8へ給電を行うためのゲート電極給電配線の役割を果たしているということである。当該給電配線は、ソース電極11と同じ層で裏打ちされているのが一般的で、前述の部分で貫通孔を介して電気的につながれている。
図18における十字型のフィールド絶縁膜領域30を含むセルアレイ領域20の中央付近の拡大レイアウト図を図19に示す。図19の左上から右下へハッチングされたL字型のパターンがフィールド絶縁膜の設けられているフィールド絶縁膜領域30で、右上のフィールド絶縁膜がない領域はセルアレイ領域20である。ゲート電極8はフィールド絶縁膜30およびセルアレイ領域20の両者を覆うように配置されている。セルアレイ領域20では、ゲート電極8は白い矩形の部分21の配列が抜かれたメッシュ状のパターン構造を有しており、セルアレイ領域20の白い矩形の部分21には、p++型の電位固定層3、n型のソース領域6、金属シリサイド層10、およびCNTが設けられている。
本実施例の特徴は、ゲート電極8のメッシュパターンをセルアレイ領域20だけでなくフィールド絶縁膜30へ向かって延長することである。通常前述したゲート電極給電配線は単一な平面となっており抜きパターンを有していない。この状態では、ゲート電極膜下層8aを構成する多結晶シリコンが、平面方向に結晶粒が成長し大粒径化することが避けられない。従ってゲート電極給電配線部分では、セルアレイ領域20よりも過剰なリン(P)が多く粒界に析出し、両者の境界部にあるMOSFETのゲート酸化膜7にその内側よりも多くのリンを供給することになる。その結果、実施例1で示したゲート電極膜上層8bの膜厚方向の結晶粒径を小粒径にした効果を享受し難くなり、境界付近のMOSFETは再び絶縁耐圧特性の劣化が顕在化しやすくなる。これを避けるためメッシュ構造をゲート電極給電配線の方まで延長すれば良く、延長した結果得られるフィールド絶縁膜端部に沿って形成される抜きパターンの繰り返しのメッシュ構造により平面方向の結晶粒成長が制限され、セルアレイ領域とその周辺全体で均一なリン析出を得ることができる。
なお、図19ではメッシュ構造の延長をセルピッチ1つ分としたが、事情が許す限りさらに外側へ延長しても構わないことは言うまでもない。またその形もセルアレイ領域と同じメッシュ構造である必要はなく、スリット状とすることも設計者の自由である。重要なことは、セルアレイ領域20内の中心部と周辺部で、ゲート電極膜下層aにおける多結晶シリコン膜の結晶粒径をできる限り均一にすることである。
本発明の実施の形態3によるワイドバンドギャップ半導体装置を構成するnチャネル型のSiCパワーMOSFETの構造について図20を用いて説明する。図20はSiCパワーMOSFETの要部断面図である。本実施例ではゲート電極膜下層8aを構成する多結晶シリコンの結晶粒径と膜厚に制限を設けない。従ってゲート電極膜上層8bは必ずしも必要ではない。ただし配線抵抗を下げるためゲート電極膜上層8bを高融点金属シリサイドや金属にすることは設計者の自由である。その代わりに本実施例では、ゲート絶縁膜7とゲート電極8との間に拡散防止膜15を設ける。拡散防止膜としては絶縁体であることが望ましくSi3N4、SiN、SiONが好適である。その膜厚はゲート電極膜下層aの導電制御不純物であるリン等が、ゲート絶縁膜7へ拡散しないよう決めれば良く、望ましくは10nm以下、容量特性への影響を勘案すれば2〜3nm程度が適当である。その製造方法については、実施例1の図11においてゲート絶縁膜7を形成した後、CVD、真空蒸着もしくはスパッタ法により拡散防止膜15を形成すれば良い。
なお本実施例の拡散防止膜が機能すれば、リンの拡散による絶縁膜の絶縁特性の劣化は回避可能であるが、信頼性に関する要求仕様に応じて設計者が、本実施例に前述の実施例1並びに実施例2、または両方を組み合わせるのは自由である。
本発明の実施の形態1乃至3によるワイドバンドギャップ半導体装置であるnチャネル型のSiCパワーMOSFETを用いたインバータの構成について図21を使い説明する。図20は実施の形態1乃至3によるSiCパワーMOSFET204を搭載したインバータ202の回路ブロック図である。図では上下アーム各1個のSiC−MOSFET204が3並列で3相インバータを構成している。インバータ202の出力はモータ201に接続される。ゲート制御回路203の出力はパワーモジュールの端子205を介して各SiC−MOSFET204のゲート電極に接続される。図中のSiC−MOSFET204は単一ではなく電流容量に応じて多並列にしても良い。またSiC−MOSFET204に並列にダイオードが明記されているが、これはMOSFET自身のボディダイオードであっても、外付けでSiC−SBD(Schottky Barrier Diode)を設けてもよい。本実施例の特徴は、ゲート耐圧特性に優れたSiC−MOSFET204を用いることで、Si−MOSFETやSi−IGBTからなるインバータと同じゲート制御回路203が使用できる点にある。またインバータの性能としても、従来のゲート耐圧特性の劣るSiC−MOSFETを用いたインバータに比べてノイズマージンにすぐれているので、電力制御システム全体の安定動作が期待できる。
本発明の実施の形態4によるインバータモジュールを用いた鉄道車両の駆動システムの構成について図22を使って説明する。図22は実施の形態1乃至3によるSiCパワーMOSFET304を搭載したインバータモジュールを用いて、AC−DCコンバータ307とDC−ACインバータ302を構成した回路図である。架線OWからパンタグラフPGを経て受電した交流電力は、変圧トランス309を介して出圧を下げられ、コンバータ307により直流に変換されたのち、インバータ302により負荷301(モータ)へ供給される。
本実施例のように、高温動作と高速スイッチングに優れたSiCスイッチング素子を使うことで、冷却系の軽減によるシステム全体の小型化と、より高速走行時への回生ブレーキ適用による省エネ効果の向上が期待できる。本実施例の特徴は、ノイズマージン低下に伴うシステムの安定稼働を犠牲にすることなくこれらのメリットを享受できる点にある。
本発明の実施の形態6によるインバータモジュールを用いた電気自動車の駆動システムの構成について図23を使って説明する。図23は実施の形態1乃至3によるSiCパワーMOSFETを搭載したインバータモジュールを用いて、コンバータ408とインバータ404を構成したブロック図である。バッテリー405から得られた直流電力は、昇圧コンバータ408を経て高圧の直流に変換され、インバータ404により交流に変換されて3相モータ403へ供給される。3相モータ403は駆動軸402を介して駆動輪401aおよび401に接続されている。バッテリー405はリレー409および電力ライン407を介して昇圧コンバータ408に接続され、昇圧コンバータ408は電力ライン406を介してインバータ404に接続されている。システム全体は、電子制御ユニット410で制御される。
高温動作と高速スイッチングに優れたSiCスイッチング素子を使うことで、冷却系の軽減と高密度実装によるシステム全体の小型化と、より高速走行時への回生ブレーキ適用による省エネ効果の向上が期待できる。本実施例の特徴は、ノイズマージン低下に伴うシステムの安定稼働を犠牲にすることなくこれらのメリットを享受できる点にある。
1:n型の炭化珪素(SiC)基板(基板)、2:n型のドリフト層、3:p++型の電位固定層、4:n型のドレイン領域、5:p型のウェル領域(ボディ層)、6:n型のソース領域、7:ゲート絶縁膜、8:ゲート電極(ゲート電極膜)、8a:ゲート電極膜下層、8a1〜5:結晶粒子、8b:ゲート電極膜上層。

Claims (7)

  1. 第1導電型の炭化ケイ素基板と、
    前記炭化ケイ素基板よりも不純物濃度が低い前記第1導電型の炭化ケイ素からなる半導体層と、
    前記第1半導体層上に形成されている厚さが50nmのゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されているゲート電極と、を備え、
    前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜に接するゲート電極下層と、前記ゲート電極下層上に設けられたゲート電極上層と、を有し、
    前記ゲート電極下層は、多結晶シリコンの結晶粒の単層を有し、前記単層の膜厚方向の平均粒径が前記ゲート絶縁膜の膜厚の4倍以下であり、
    前記ゲート電極上層は、前記ゲート電極下層よりもリン濃度が高いことを特徴とするパワー半導体素子。
  2. 請求項1に記載のパワー半導体素子において、
    さらに、
    セルアレイ領域と、
    前記セルアレイ領域を囲んで配置され、前記ゲート絶縁膜よりも厚いフィールド絶縁膜
    前記フィールド絶縁膜上に配置され、前記ゲート電極に接続されたゲート電極給電配線領域を備え、
    前記セルアレイ領域において、前記ゲート電極は、メッシュ状またはスリット状の平面パターン構造を有し、
    前記平面パターン構造は、前記セルアレイ領域から前記フィールド絶縁膜上に連続して延在していることを特徴とするパワー半導体素子。
  3. 請求項1に記載のパワー半導体素子において、
    前記多結晶シリコンの結晶粒の単層の膜厚方向の平均粒径が前記ゲート絶縁膜の膜厚の2倍以下であることを特徴とするパワー半導体素子。
  4. 請求項1に記載のパワー半導体素子において、
    前記多結晶シリコンの結晶粒の単層の膜厚方向の平均粒径が前記ゲート絶縁膜の膜厚と略同一であることを特徴とするパワー半導体素子。
  5. 請求項1に記載のパワー半導体素子において、
    前記第1半導体領域内に、前記ゲート絶縁膜と接する前記第1導電型とは異なる導電型の第2導電型の第2半導体領域を有することを特徴とするパワー半導体素子。
  6. ゲート制御回路に接続される端子を有し、
    前記端子に請求項1に記載のパワー半導体素子のゲート電極が電気的に接続されていることを特徴とするパワーモジュール。
  7. ゲート制御回路を有し、
    前記ゲート制御回路の出力に請求項1に記載のパワー半導体素子のゲート電極が電気的に接続されていることを特徴とする電力変換装置。
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