JP6330323B2 - スプラインブローチ - Google Patents

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Description

本発明は、被削材に形成された下孔に、ブローチ本体とともに複数のスプライン刃が順に挿入されて、該下孔の内周に複数の溝加工を施すことにより、角形スプライン軸受けを形成するスプラインブローチに関するものである。
従来、この種のスプラインブローチとして、例えば下記特許文献1に示されるような、軸状のブローチ本体の外周部に径方向外周側に突出する複数のスプライン刃が、ブローチ本体の前端側から後端側に向けて列をなすように、しかも、スプライン刃の列が周方向に間隔をあけて複数列配置され、これら複数のスプライン刃によって被削材の下孔の内周に複数の溝を形成することにより、スプライン軸受けを形成するものが知られている。
特開2007−229840号公報
前述したスプラインブローチによってスプライン軸受けを切削加工する場合、スプライン刃が被削材の一側から挿入されて他側へ抜け出る際に、被削材の他側の面に生じるバリが問題になる場合がある。
すなわち、スプライン刃によって形成する溝がインボリュートや三角形状の場合には、生じるバリが比較的小さく、大きな問題にはならないが、スプライン刃によって形成される溝が、対をなす左右の側壁面同士が互いに平行となる、いわゆる角形スプラインの場合、バリが無視できないほど大きくなる。
これについて説明すると、角形スプラインのスプライン軸受けをブローチ加工により形成する場合、通常、図10に示すように、ブローチ本体の軸線に沿って配列されて、刃高さが前記ブローチ本体の前端側にあるスプライン刃よりも前記ブローチ本体の後端側にあるスプライン刃の方が漸次高くなる、複数の一のスプライン刃によってまず被削材Wの面取り部となる領域Zaに対し外径上がり切削を行い、次に前記一のスプライン刃の後段側に配列されて、刃高さが前記ブローチ本体の前端側にあるスプライン刃よりも前記ブローチ本体の後端側にあるスプライン刃の方が漸次高くなる、複数の他のスプライン刃によって被削材の溝となる領域Zbに対し外径上がり切削を行う。
ここで、被削材Wの溝となる領域Zbを切削する際に、他のスプライン刃の切削に伴って生じる切屑がカールしながら同時に圧縮される。そして、切屑がこの圧縮力を受けて横に拡がろうとするときの押圧力とスプライン刃が被削材に対して後方へ移動するときの押圧力との2つの押圧力の影響を受け、被削材の溝となる領域Zbの側壁部がスプライン刃の移動方向へ引っ張られることになる。そして、スプライン刃が被削材の他側の面から抜け出る際に、被削材の溝となる領域Zbの側壁部がスプライン刃の移動方向へ引っ張り出されることとなり、結果的に比較的大きな「バリ」が形成される。
なお、スプライン溝がインボリュートや三角形状の場合には、切削時において、切屑が圧縮力を受けて横に拡がろうとするときに溝自体が切削部分よりも溝開口側が拡がる形状となっているため、切屑がこの拡がった溝開口側へ流れ込むこととなり、切屑から受ける圧縮力が開放される。このため、バリは生じるものの、その大きさは無視できるほど小さい。
本発明は、このような背景の下になされたもので、角形スプラインの溝をブローチ加工する際に発生するバリを小さくできるスプラインブローチを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のスプラインブローチは、軸状のブローチ本体の外周部に径方向外周側に突出する複数のスプライン刃が、ブローチ本体の前端側から後端側に向けて列をなすように配置され、これら複数のスプライン刃によって被削材の下孔の内周に、左右の側壁面同士が互いに平行となる溝を形成するスプラインブローチであって、複数の前記スプライン刃は、それぞれの刃幅が前記溝の幅寸法よりも小さな幅寸法に設定され、かつ、刃高さが前記ブローチ本体の前端側にあるスプライン刃よりも前記ブローチ本体の後端側にあるスプライン刃の方が高くなって、前記被削材の溝となる部分に対し外径上がり切削を行って前記溝よりも幅が狭く、かつ前記溝と同じ深さを有する前段切削溝を形成する前加工スプライン刃群と、該前加工スプライン刃群よりも前記ブローチ本体の後端側に配置され、それぞれの刃幅が前記溝の幅寸法と同じ幅寸法に設定され、かつ、刃高さが前記ブローチ本体の前端側にあるスプライン刃よりも前記ブローチ本体の後端側にあるプライン刃の方が高くなって、前記前加工スプライン刃群によって切削された、前記被削材の前段切削溝の左右の側壁部分のみに対し外径上がり切削を行って前記溝を形成する後加工スプライン刃群と、を備えることを特徴とする。
前記構成のスプラインブローチによれば、前加工スプライン刃群と、後加工スプライン刃群との2種類の加工スプライン刃群を備えており、まず、前加工スプライン刃群により前記被削材の溝となる部分に対し外径上がり切削を行って前記溝よりも幅が狭い前段切削溝を形成し、その後加工スプライン刃群により前記前加工スプライン刃群によって切削された、前記被削材の前段切削溝の左右の側壁部分に対し外径上がり切削を行うことで前記溝を形成する。
ここで、前加工スプライン刃群で被削材の溝となる部分に対し外径上がり切削を行う際に、バリが発生するのは避けられない。
しかしながら、前加工スプライン刃群で溝を切削加工する際に発生したバリは、後加工である後加工スプライン刃群によって前記前加工スプライン刃群により切削された前記被削材の前段切削溝の左右の側壁部分に対し外径上がり切削を行う際に、この前段切削溝の左右の側壁部分とともに除去される。
なお、後加工スプライン刃群によって前段切削溝の左右の側壁部分に対し外径上がり切削を行う際にもバリが発生することが懸念されるが、後加工スプライン刃群によって前段切削溝の左右の側壁部分に対し外径上がり切削を行う際には、溝の中央側が、前加工スプライン刃群による切削加工により前段切削溝として予め除去されている。したがって、後加工スプライン刃群による外径上がり切削の際に、切屑が圧縮力を受けて変形しようとするときに、予め形成された前段切削溝側へ広がるように変形することなり、結果的に、切屑から受ける圧縮力が開放される。この結果、後加工スプライン刃群によって前段切削溝の左右の側壁部分に対し外径上がり切削を行う際にバリはほとんど生じない。
結局、上記スプラインブローチによって切削する際にバリはほとんど生じず、例え生じたとしても極めて小さいものとなる。
前記前加工スプライン刃群は、刃幅が前記ブローチ本体の前端側にあるスプライン刃よりも前記ブローチ本体の後端側にあるスプライン刃の方が漸次狭くなっていて、該前加工スプライン刃群により奥側が狭くなるよう左右の側壁面が傾斜する前記前段切削溝を形成することが好ましい。
この場合、前加工スプライン刃群で被削材の溝となる部分に対し外径上がり切削を行う際に、切屑が圧縮力を受けて横に拡がろうとするときに切削部分の形状が溝奥側よりも溝開口側が広がっているため、インボリュートや三角形状のスプライン溝を切削加工するときと同様、切屑がこの拡がった溝開口側へ流れ込むこととなり、圧縮力が開放される。このため、前加工スプライン刃群で被削材の溝となる部分に対し外径上がり切削を行うときに発生するバリも小さくなる。
前記前加工スプライン刃群を構成する各スプライン刃の左右の側刃は、左右対称になっていることが好ましい。
この場合、前加工スプライン刃を構成する各スプライン刃によって被削材を切削加工する際に、それら各スプライン刃の左右の側刃が左右対称になっているから、左右の側刃が被削材から受ける反力は均等なものとなり、互いに相殺される。したがって、当該前加工スプライン刃群が、切削加工の際にブローチ本体の軸線を中心として右回りあるいは左回りの回転力を受けることがなく、ブローチ本体の軸線に沿った比較的まっすぐのスプライン溝を形成することが可能である。
本発明のスプラインブローチによれば、角形スプライン溝をブローチ加工する際に、スプライン刃が被削材の端面から抜け出るときに発生するバリを小さくすることができる。
本発明に係る一実施形態のスプラインブローチを示す側面図である。 図1に示すスプラインブローチのスプライン刃群の横断面図である。 図1に示すスプラインブローチの前加工スプライン刃群を構成するスプライン刃を示す斜視図である。 図1に示すスプラインブローチの後加工スプライン刃群を構成するスプライン刃を示す斜視図である。 図1に示すスプラインブローチによって加工する被削材の溝の加工状況を示す断面図である。 図1に示すスプラインブローチによって加工する被削材の溝の加工手順を示す断面図である。 図1に示すスプラインブローチによって加工する被削材の溝の加工手順を示す断面図である。 図1に示すスプラインブローチによって加工する被削材の溝の加工手順を示す断面図である。 本発明に係る他の実施形態のスプラインブローチによって加工する被削材の溝の加工状況を示す断面図である。 従来のスプラインブローチによって加工する被削材の溝の加工状況を示す断面図である。
図1ないし図5は本発明に係る一実施形態のスプラインブローチを示すものであり、図1は同スプラインブローチの側面図、図2は同スプラインブローチのスプライン刃群の横断面図、図3は同スプラインブローチの前加工スプライン刃群を構成するスプライン刃を示す斜視図、図4は同スプラインブローチの後加工スプライン刃群を構成するスプライン刃を示す斜視図、図5は同スプラインブローチによって加工する被削材の溝の加工状況を示す断面図である。
図1に示されるように、スプラインブローチ1は、軸状をなすブローチ本体2と、ブローチ本体2の外周に該ブローチ本体2の軸線O方向に間隔をあけて配列された複数の切れ刃3を備える。そして、スプラインブローチ1は、被削材Wに形成された下孔にブローチ本体2を軸線O方向に沿う工具送り方向Dに向けて挿入するとともに移動させて、複数の切れ刃3により前記下孔を溝加工及び内周加工することにより、被削材Wを内歯車形状のスプライン軸受けに切削加工する。
ここで、ブローチ本体2は、その軸線Oが被削材Wの下孔の中心軸に対して同軸となるように、該下孔内に挿入される。本明細書では、ブローチ本体2の軸線O方向のうち、被削材Wに対してブローチ本体2が送られる向き(図1における左側)を工具送り方向D(又は工具送り方向Dの前方)といい、これとは反対側の向き(図1における右側)を工具送り方向Dの後方という。また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
ブローチ本体2は、工具送り方向Dの前方の端部に位置する前つかみ部4と、工具送り方向Dの後方の端部に位置する後つかみ部5と、前つかみ部4と後つかみ部5との間に配置された複数の切れ刃3と、を備えている。また、ブローチ本体2において、前つかみ部4と複数の切れ刃3との間には前部案内6が配置され、複数の切れ刃3と後つかみ部5との間には後部案内7が配置されている。前つかみ部4及び後つかみ部5は、不図示のブローチ盤により支持される。
前部案内6及び後部案内7は、ともに丸棒状又は円柱状をなしている。前部案内6は、被削材Wに最初に切り込まれる、工具送り方向Dの最も前方に位置する切れ刃3(後述するスプライン刃10A)を、下孔に対して径方向に精度よく位置決めし案内する目的で設けられる。
後部案内7は、被削材Wに最後に切り込まれる、工具送り方向Dの最も後方に位置する切れ刃3(後述する丸刃9A)が切削を終えるまで、ブローチ本体2と被削材Wとを径方向に位置決めする目的で設けられる。
図1に示されるように、複数の切れ刃3は、被削材Wの下孔に溝加工を施すスプライン刃群8と、スプライン刃群8よりも工具送り方向Dの後方に配置され、前記下孔に内周加工を施す丸刃群9と、を備える。
前記スプライン刃群8を構成するスプライン刃は、ブローチ本体2の前端側から後端側に向けて列をなすように突設されている。また、これらスプライン刃の列が周方向に間隔をあけて複数列配置されている。これらスプライン刃は、図2に示される横断面視で示されるように、全体として歯車形状をなしている。
そして、これら複数のスプライン刃によって被削材Wの下孔の内周に溝加工が施される。
スプライン刃群8は、ブローチ本体2の前端側に位置する外径上がり切削を行う面取り用スプライン刃群10と、面取り用スプライン刃群よりもブローチ本体2の後端側に位置する前加工スプライン刃群11と、前加工スプライン刃群11よりもさらにブローチ本体2の後端側に位置する後加工スプライン刃群12とに分けられる。
そして、図5に示すように、面取り用スプライン刃群10によって、被削材Wにおける溝Waの面取り部となる領域Zcに対し外径上がり切削を行うことで、面取り部を形成する。また、前加工スプライン刃群11によって、被削材Wのおける溝Waの中央部となる領域Zdに対し外径上がり切削を行うことで、奥方向に狭くなるよう左右の側壁面Wbbが傾斜するテーパー状の前段切削溝Wbを形成する。さらに、後加工スプライン刃群12によって、被削材Wにおける前段切削溝Wbの左右の側壁部分の領域Zeに対し上がり切削を行うことで初期目的の溝Waを形成する。
このようにして形成される溝Waは、左右の側壁面Wab、Wab同士が互いに平行となっている。
図1に示すように、前記面取り用スプライン刃群10を構成するスプライン刃10Aにおいて、工具送り方向Dの前方を向く面はすくい面13とされており、径方向の外側を向く面は逃げ面14とされている。
すくい面13は径方向外側へ向かうに従い漸次工具送り方向Dの前方に向かって傾斜して延びており、逃げ面14は工具送り方向Dの後方に向かうに従い漸次径方向内側に向かって傾斜して延びている。また、これらスプライン刃10Aにおけるすくい面13と逃げ面14との交差稜線が、被削材Wに切り込む刃先15となっている。
また、面取り用スプライン刃群10を構成する、軸線O方向に隣り合うスプライン刃10A同士のうち、工具送り方向Dの後方に位置するスプライン刃10Aは、その工具送り方向Dの前方に位置するスプライン刃10Aに対して、刃部の径方向外側へ向けた突出量が大きくされている。すなわち、刃高さがブローチ本体の前端側にあるスプライン刃10Aよりもブローチ本体の後端側にあるスプライン刃10Aの方が高くなっていて、被削材Wにおける溝の面取り部となる領域Zcに対し外径上がり切削を行うことが可能となっている。
このような、外径上がり切削を行うスプライン刃10Aの基本構成は、前加工スプライン刃群11並びに後加工スプライン刃群12を構成するスプライン刃11A、12Aにおいても同様である。
さらに、面取り用スプライン刃群10を構成する、軸線O方向に隣り合うスプライン刃10Aは、刃幅がブローチ本体2の前端側にあるスプライン刃10Aよりもブローチ本体2の後端側にあるスプライン刃10Aの方が漸次狭くなっている。これにより、被削材Wの溝の開口側が拡がって面取り部を形成するように、溝の左右の側壁面を斜めに傾斜させる切削加工が可能となる。
図3に示すように、前加工スプライン刃群11を構成するスプライン刃11Aの刃部11Aaには、前記すくい面13、逃げ面14及び刃先15が形成されるとともに、刃先15の左右両端からすくい面に沿って側刃11Ab、11Abが形成されている。
前加工スプライン刃群11のスプライン刃11Aの刃幅Laは前記被削材Wに形成される溝Waの幅寸法Lbよりも小さな幅寸法に設定されている(図5参照)。また、これらスプライン刃11Aの刃幅Laは、ブローチ本体2の前端側にあるスプライン刃11Aよりも前記ブローチ本体2の後端側にあるスプライン刃11Aの方が漸次狭くなっていて、これらスプライン刃11Aによって切削される前段切削溝Wbは、図5、図7に示すように、奥側が狭くなるよう左右の側壁面Wbb、Wbbが傾斜する形状となる。
さらに、これら前加工スプライン刃群11を構成する各スプライン刃11Aの刃部11Aa左右の側刃11Ab、11Abは左右対称になっている。すなわち、左右の側刃11Ab、11Abの刃先15に直交する線に対する傾斜角度は同じ角度θに設定されている。 このスプライン刃11Aの刃部11Aa左右の側刃11Abの刃先15に直交する線に対する前方から見た傾斜角度θは、5°〜20°の範囲に設定されることが好ましい。
側刃11Abの傾斜角度θが5°未満であると、当該スプライン刃11Aによって、被削材Wのおける溝Waの中央部となる領域Zdに対し外径上がり切削を行う際にバリが生じ易くなる。また、側刃11Abの傾斜角度θが20°を越すと、前段切削溝Wbの幅寸法が狭くなりすぎてしまい、後段の後加工スプライン刃群12によって被削材Wのおける溝Waの中央部となる領域Zdに対し外径上がり切削加工を行う際に、該後加工スプライン刃群12に負荷がかかりすぎることとなり好ましくない。
図4に示すように後加工スプライン刃群12を構成するスプライン刃12Aは、前記前加工スプライン刃群11を構成するスプライン刃11Aと同様に、スプライン刃12Aの刃部12Aaに、前記すくい面13、逃げ面14及び刃先15が形成されるとともに、刃先15の左右両端からすくい面に沿って側刃12Ab、12Abが形成されている。
後加工スプライン刃群12のスプライン刃12Aの刃幅Lcは被削材Wに形成される溝の幅寸法Lbと同じ寸法に設定されている。また、後加工スプライン刃群12のスプライン刃12Aの側刃12Ab、12Abは互いに平行であって、前方から見た場合に刃先15に対して直交するように形成されている。
図1において、丸刃群9は、軸線O方向に間隔をあけて配列された複数の丸刃9Aを備えている。丸刃9Aは、ブローチ本体2の外周から径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる円環形状をなしている。
丸刃群9において軸線O方向に隣り合う丸刃9A同士のうち、工具送り方向Dの後方に位置する丸刃9Aは、その工具送り方向Dの前方に位置する丸刃9Aに対して、径方向外側へ向けた突出量が、同等か又は大きくされている。すなわち、後方に位置する丸刃9Aは、その前方に位置する丸刃9Aが切削していない箇所を切削可能に形成されている。
以上説明した本実施形態のスプラインブローチ1によれば、被削材Wの下孔にブローチ本体2が挿入され、工具送り方向Dに送られることで、該下孔に対して、スプライン刃群8が溝加工を施し、続いて丸刃群9が溝以外の下孔の内周部分に対し切削加工を施す。
スプライン刃群8によって溝加工を施す際には、最初に、図6に示すように、面取り用スプライン刃群10によって、被削材Wにおける溝Waの面取り部となる領域Zcに対し外径上がり切削を行うことで、面取り部を形成する。
続いて、図7に示すように、前加工スプライン刃群11によって、被削材Wのおける溝Waの中央部となる領域Zdに対し外径上がり切削を行うことで、奥方向に狭くなるよう左右の側壁面Wbbが傾斜するテーパー状の前段切削溝Wbを形成する。
さらに、図8に示すように、後加工スプライン刃群12によって、被削材Wにおける前段切削溝Wbの左右の側壁部分の領域Zeに対し上がり切削を行うことで初期目的の溝Waを形成する。
このように前記構成のスプラインブローチ1によれば、前加工スプライン刃群11と、後加工スプライン刃群12との2種類の加工スプライン刃群を備えており、まず、前加工スプライン刃群11により被削材Wの溝Waの中央部となる領域Zdに対し外径上がり切削を行って前記溝Waよりも幅が狭い前段切削溝Wbを形成し、その後後加工スプライン刃群12により前記前加工スプライン刃群11によって切削された、被削材Wの前段切削溝Wbの左右の側壁部分の領域Zeに対し外径上がり切削を行って前記溝をWaを形成する。
ここで、前加工スプライン刃群11で被削材Wの溝Waの中央部となる領域Zdに対し外径上がり切削を行う際に、前加工スプライン刃群11を構成するスプライン刃が被削材Wを抜け出るときバリが発生するのは避けられない。
しかしながら、前加工スプライン刃群11で溝Waの中央部となる領域Zdを切削加工する際に発生したバリは、後工程である後加工スプライン刃群12によって、前記前加工スプライン刃群11により切削された被削材Wの前段切削溝Wbの左右の側壁部分の領域Zeに対し外径上がり切削を行う際に、この前段切削溝Wbの左右の側壁部分とともに除去される。
なお、後加工スプライン刃群12によって前段切削溝Wbの左右の側壁部分の領域Zeに対し外径上がり切削を行う際にもバリが発生することが懸念されるが、後加工スプライン刃群12によって前段切削溝Wbの左右の側壁部分の領域Zeに対し外径上がり切削を行う際には、溝Waの中央側が、前加工スプライン刃群11による切削加工により前段切削溝とWbして予め除去されている。したがって、後加工スプライン刃群12による外径上がり切削の際に、切屑が圧縮力を受けて変形しようとするときに、予め形成された前段切削溝Wb側へ広がるように変形することなり、結果的に、切屑から受ける圧縮力が開放される、この結果、後加工スプライン刃群12によって前段切削溝Wbの左右の側壁部分の領域Zeに対し外径上がり切削を行う際にバリはほとんど生じない。
結局、上記構成のスプラインブローチ1によって切削する際に生じるバリは、ほとんど生じず、例え生じたとしても極めて小さいものとなる。
また、前記前加工スプライン刃群11により切削された被削材Wの前段切削溝Wbの左右の側壁部分の領域Zeに対し、後工程で、後加工スプライン刃群12に代えて側方仕上げ刃により、左右の側壁部分を交互に歯厚方向(周方向)に追い込み切削する方法も考えられるが、この場合、側方仕上げ刃は左右の一方をガイド刃、左右の他方に側方仕上げ刃を有する構成としなければならず、この場合、これらガイド刃や側方仕上げ刃を形成するのに手間がかかる、また、スププラインブローチにおいて、それらガイド刃及び側方仕上げ刃を形成する領域が長くなる等の欠点が生じる。上記構成のスプラインブローチ1では、そのような欠点は生じない。
また、上記実施形態の前加工スプライン刃群11は、刃幅Laがブローチ本体2の前端側にあるスプライン刃11Aよりもブローチ本体2の後端側にあるスプライン刃11Aの方が漸次狭くなっている。この場合、前加工スプライン刃群11で溝Waの中央部となる領域Zdに対し外径上がり切削を行う際に、切屑が圧縮力を受けて横に拡がろうとするときに、切削部分の形状が溝奥側よりも溝開口側が広がっているため、インボリュートや三角形状のスプライン溝を切削加工するときと同様、切屑がこの拡がった溝開口側へ流れ込むこととなり、圧縮力が開放される。このため、前加工スプライン刃群11で溝Waの中央部となる領域Zdに対し外径上がり切削を行うときに発生するバリも小さくなる。
また、上記実施形態のスプラインブローチ1にあっては、前加工スプライン刃群11を構成する各スプライン刃11Aの左右の側刃11Abが、左右対称になっているため、これらスプライン刃11Aによって被削材Wの下孔を切削加工する際に、それら各スプライン刃の左右の側刃11Abが被削材Wから受ける反力は均等なものとなり、それら反力は互いに相殺される。したがって、当該前加工スプライン刃群11が、切削加工の際にブローチ本体2の軸線を中心として右回りあるいは左回りの回転力を受けることがなく、ブローチ本体2の軸線に沿った比較的まっすぐのスプライン溝を形成することが可能である。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、前加工スプライン刃群11を構成するスプライン刃11Aの刃幅Laが、ブローチ本体2の前端側にあるスプライン刃11Aよりもブローチ本体2の後端側にあるスプライン刃11Aの方が漸次狭くなっていて、これらスプライン刃11Aによって切削される前段切削溝Wbが、図5、図7に示すように、奥側が狭くなるよう左右の側壁面Wbb、Wbbが傾斜する形状となるが、これに限られることなく、前加工スプライン刃群11を構成するスプライン刃11Aの刃幅Laが、被削材Wに形成される溝Waの幅寸法Lbよりも小さい一定寸法に設定されてもよい。
この場合、当該前加工スプライン刃群11によって切削される前段切削溝Wcは、図9に示されるように、被削材Wに形成される溝Waよりも小さい幅寸法で、左右の側壁面同士が互いに平行となる形状となる。
また、前記実施形態では、前加工スプライン刃群11の前側に面取り用スプライン刃群10を備えているが、この面取り用スプライン刃群10は必ずしも必要な要素ではなく、面取り用スプライン刃群10がなくても本発明が成立する。
また、前記実施形態では、丸刃群9を後加工スプライン刃群12の後段に設けているが、この丸刃群9は必ずしも必要な要素ではなく、丸刃群9がなくても本発明が成立する。また、丸刃群9を設ける場合、それら丸刃群9を構成する丸刃9Aを、後加工スプライン刃群12の間に交互に配置してもよい。
加えて、前記実施形態では、複数のスプライン刃がブローチ本体2の前端側から後端側に向けて列をなすように突設して形成され、これらスプライン刃の列が周方向に間隔をあけて複数列配置されているが、スプライン刃の列は必ずしも複数形成する必要はなく、1列のみであってもよい。
1 スプラインブローチ
2 ブローチ本体
3 切れ刃
8 スプライン刃群
9 丸刃群9
10 面取り用スプライン刃群
10A スプライン刃10
11 前加工スプライン刃群
11A スプライン刃
11Aa 刃部
11Ab 側刃
12 後加工スプライン刃群
12A スプライン刃
12Aa 刃部
12Ab 側刃
13 すくい面
14 逃げ面
15 刃先
O ブローチ本体の軸線
W 被削材W
Wa 被削材の溝
Wb 前段切削溝

Claims (3)

  1. 軸状のブローチ本体の外周部に径方向外周側に突出する複数のスプライン刃が、ブローチ本体の前端側から後端側に向けて列をなすように配置され、これら複数のスプライン刃によって被削材の下孔の内周に、左右の側壁面同士が互いに平行となる溝を形成するスプラインブローチであって、
    複数の前記スプライン刃は、
    それぞれの刃幅が前記溝の幅寸法よりも小さな幅寸法に設定され、かつ、刃高さが前記ブローチ本体の前端側にあるスプライン刃よりも前記ブローチ本体の後端側にあるスプライン刃の方が高くなって、前記被削材の溝となる部分に対し外径上がり切削を行って前記溝よりも幅が狭く、かつ前記溝と同じ深さを有する前段切削溝を形成する前加工スプライン刃群と、
    該前加工スプライン刃群よりも前記ブローチ本体の後端側に配置され、それぞれの刃幅が前記溝の幅寸法と同じ幅寸法に設定され、かつ、刃高さが前記ブローチ本体の前端側にあるスプライン刃よりも前記ブローチ本体の後端側にあるプライン刃の方が高くなって、前記前加工スプライン刃群によって切削された、前記被削材の前段切削溝の左右の側壁部分のみに対し外径上がり切削を行って前記溝を形成する後加工スプライン刃群と、
    を備えることを特徴とするスプラインブローチ。
  2. 前記前加工スプライン刃群は、刃幅が前記ブローチ本体の前端側にあるスプライン刃よりも前記ブローチ本体の後端側にあるスプライン刃の方が漸次狭くなっていて、該前加工スプライン刃群により奥側が狭くなるよう左右の側壁面が傾斜する前記前段切削溝を形成することを特徴とする請求項1に記載のスプラインブローチ。
  3. 前記前加工スプライン刃群を構成する各スプライン刃の左右の側刃は、左右対称になっていることを特徴とする請求項2に記載のスプラインブローチ。
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