JP2016068162A - ブローチ - Google Patents
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Abstract
【課題】たとえ芯ずれが生じても、歯底部により被削材が削られることを防止して、加工精度を確保できるブローチを提供すること。【解決手段】軸状をなすブローチ本体2の外周に複数の切刃13aが突設され、これら切刃13aがブローチ本体2の軸線O方向及び周方向に互いに間隔をあけて配列したブローチ1であって、ブローチ本体2の外周における周方向に隣り合う切刃13a同士の間には、これら切刃13aよりもブローチ本体2の径方向の内側に後退して歯底部20が形成され、歯底部20の径方向の高さHが、該歯底部20の軸線O方向に沿う全長に亘って、軸線O方向の前端20aから後端20bに向けて漸次大きくされている。【選択図】図4
Description
本発明は、被削材に形成された下孔に、ブローチ本体とともにその外周に配列する複数の切刃が順次挿入され、これら切刃が下孔の内周に切り込むことにより、該内周に例えば平行スプライン(角形スプライン)加工やインボリュートスプライン加工等を施すブローチに関するものである。
従来、例えば下記特許文献1に示されるような、軸状をなすブローチ本体の外周に複数の切刃(歯部)が突設され、これら切刃が前記ブローチ本体の軸線方向及び周方向に互いに間隔をあけて配列したブローチが知られている。このブローチは、被削材に形成された下孔に、ブローチ本体とともに複数の切刃が順次挿入され、これら切刃が下孔の内周に切り込むことにより、該内周に溝加工等を施して、所定の形状に仕上げるようになっている。
また複数の切刃は、下孔に溝加工を施すスプライン刃群と、下孔に内周加工を施す丸刃群と、を構成しており、後丸刃付きブローチの場合、丸刃群がスプライン刃群よりも工具送り方向の後方に配置される。
また複数の切刃は、下孔に溝加工を施すスプライン刃群と、下孔に内周加工を施す丸刃群と、を構成しており、後丸刃付きブローチの場合、丸刃群がスプライン刃群よりも工具送り方向の後方に配置される。
ここで、図7に示されるものは、被削材Wの下孔WHに形成された歯溝A、小径部B及び欠溝Cを説明する図である。
図7において、ブローチのブローチ本体を、被削材Wに形成された下孔WHに挿入すると、下孔WHが複数の切刃により溝加工及び内周加工されて、概略内歯車形状に切削加工される。
図7において、ブローチのブローチ本体を、被削材Wに形成された下孔WHに挿入すると、下孔WHが複数の切刃により溝加工及び内周加工されて、概略内歯車形状に切削加工される。
被削材Wに加工された内歯車形状のうち、凹状の歯溝Aは、被削材Wの下孔WHの内周面から径方向外側へ向けて窪んでいるとともに、周方向に間隔をあけて複数形成される。歯溝Aは、内歯車形状において最外周をなす大径部(溝底面)a1と、大径部a1の周方向の両端に接続するとともに、互いに周方向に対向する一対の歯面(溝壁面)a2と、を備える。
また内歯車形状のうち、最内周をなす内周面である凹曲面状の小径部Bは、被削材Wの軸線Owに垂直な横断面視で円弧状をなしており、周方向に互いに間隔をあけて複数形成される。これらの小径部Bは、すべて同一の仮想円(軸線Owを中心とする不図示の仮想円)上に配置される。
また内歯車形状のうち、最内周をなす内周面である凹曲面状の小径部Bは、被削材Wの軸線Owに垂直な横断面視で円弧状をなしており、周方向に互いに間隔をあけて複数形成される。これらの小径部Bは、すべて同一の仮想円(軸線Owを中心とする不図示の仮想円)上に配置される。
また、ブローチが平行スプラインブローチ(角形スプラインブローチ)の場合には、図7に示されるように、スプライン刃によって切削される歯溝Aの一対の歯面a2同士が、互いに平行とされる。
また、スプライン刃に欠歯(図2の符号15を参照)が形成される場合には、図7に示されるように、被削材Wには欠溝Cが形成される。つまり、下孔WHの内周に歯溝Aが形成されない箇所が生じて、これら歯溝A同士は周方向に不等間隔に配置されることになる。
また、スプライン刃に欠歯(図2の符号15を参照)が形成される場合には、図7に示されるように、被削材Wには欠溝Cが形成される。つまり、下孔WHの内周に歯溝Aが形成されない箇所が生じて、これら歯溝A同士は周方向に不等間隔に配置されることになる。
図8に示されるものは、従来のブローチ101におけるスプライン刃群(複数のスプライン刃103)の要部を表す縦断面図である。
図8において、スプライン刃103は、軸状をなすブローチ本体102の外周に周方向(ブローチ本体102の軸線O回り)に間隔をあけて配列する複数の歯部(切刃)103aと、周方向に隣り合う歯部103a同士の間に位置する凹状の歯底部120と、を備えている。スプライン刃群には、このようなスプライン刃103が、ブローチ本体102の外周に軸線O方向に間隔をあけて複数設けられている。
図8において、スプライン刃103は、軸状をなすブローチ本体102の外周に周方向(ブローチ本体102の軸線O回り)に間隔をあけて配列する複数の歯部(切刃)103aと、周方向に隣り合う歯部103a同士の間に位置する凹状の歯底部120と、を備えている。スプライン刃群には、このようなスプライン刃103が、ブローチ本体102の外周に軸線O方向に間隔をあけて複数設けられている。
スプライン刃103の歯底部120は、軸線Oに対して平行に形成されており、図7において被削材Wに形成された下孔WHの内周面(小径部B)に対して、摺接可能である。つまり、歯底部120は、被削材Wの下孔WHに対して、スプライン刃103の径方向における位置を規定するガイド機能を発揮するようになっている。
しかしながら、上記従来のブローチ101では、切削加工中にブローチ本体102の軸線Oと被削材Wの下孔WHの軸線Owとがずれる、いわゆる「芯ずれ」を抑制することに改善の余地があった。
特に、例えば平行スプラインブローチ等において、周方向に配列する切刃の数(歯数)が少ないものや欠歯があるものなどでは、切削負荷がブローチ周方向において不均一になりやすく、このためブローチ101が径方向に移動して、芯ずれが生じやすくなる。
そして芯ずれが大きくなると、歯底部120が被削材Wの内周面(小径部B)を削ってしまい、加工面にむしれ等が生じて加工精度が低下する。
特に、例えば平行スプラインブローチ等において、周方向に配列する切刃の数(歯数)が少ないものや欠歯があるものなどでは、切削負荷がブローチ周方向において不均一になりやすく、このためブローチ101が径方向に移動して、芯ずれが生じやすくなる。
そして芯ずれが大きくなると、歯底部120が被削材Wの内周面(小径部B)を削ってしまい、加工面にむしれ等が生じて加工精度が低下する。
このため、歯底部120の前端(工具送り方向Dに沿う前方の端部)を面取りする対策が採られているが、面取りと歯底部120との境に径方向の外側に突出する角部が形成され、この角部が被削材Wの内周面を削ってしまい、やはり加工精度を低下させてしまう。
そこで、歯底部120を大きく径方向に後退させることで、被削材Wの内周面に非接触としてむしれを防止することも考えられるが、この場合、歯底部120によるガイド機能が得られなくなり、芯ずれ量がさらに大きくなってしまう。
尚、後丸刃付きのブローチの場合には、スプライン刃群の歯底部120が意図せず削ってしまった被削材Wの内周面を、該スプライン刃群の後方に位置する丸刃群が削るようになってはいるものの、丸刃群による切削の取り代は小さいため、上述したむしれ等による加工痕(加工傷)を取り切ることはできない。また、加工痕を取り切るために、丸刃群による切削の取り代を大きくすること(丸刃の数を増やす等)は、被削材Wの材料費アップ、ブローチ外形の増大(製造費アップ)、加工精度が低下しやすいなどの不具合があり、好ましくない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、たとえ芯ずれが生じても、歯底部により被削材が削られることを防止して、加工精度を確保できるブローチを提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、軸状をなすブローチ本体の外周に複数の切刃が突設され、これら切刃が前記ブローチ本体の軸線方向及び周方向に互いに間隔をあけて配列したブローチであって、前記ブローチ本体の外周における前記周方向に隣り合う前記切刃同士の間には、これら切刃よりも前記ブローチ本体の径方向の内側に後退して歯底部が形成され、前記歯底部の前記径方向の高さが、該歯底部の前記軸線方向に沿う全長に亘って、前記軸線方向の前端から後端に向けて漸次大きくされていることを特徴とする。
すなわち本発明は、軸状をなすブローチ本体の外周に複数の切刃が突設され、これら切刃が前記ブローチ本体の軸線方向及び周方向に互いに間隔をあけて配列したブローチであって、前記ブローチ本体の外周における前記周方向に隣り合う前記切刃同士の間には、これら切刃よりも前記ブローチ本体の径方向の内側に後退して歯底部が形成され、前記歯底部の前記径方向の高さが、該歯底部の前記軸線方向に沿う全長に亘って、前記軸線方向の前端から後端に向けて漸次大きくされていることを特徴とする。
本発明のブローチによれば、歯底部の径方向の高さが、軸線方向の前端から後端にかけた全長に亘って、後方へ向かうに従い漸次大きくなるように傾斜させられている。つまり歯底部は、軸線方向の全長に亘って、あたかも逃げ角が負の角度(ネガティブ角)に設定されたように形成されている。
これにより、切削加工時に、たとえブローチ本体の軸線が被削材の軸線に対して芯ずれした場合であっても、被削材の下孔の内周面に当接した歯底部が、該内周面に対して切り込んでしまうことを防止できる。なぜなら、歯底部が被削材の下孔の内周面に摺接するとき、該歯底部の頂面がネガティブ角の傾斜とされていることで、刃先として機能し得ないこの歯底部の後端を含む前端以外の領域が内周面に接しやすくされ、刃先として機能し得る歯底部の前端が内周面に対して常に離れるからである。
これにより、切削加工時に、たとえブローチ本体の軸線が被削材の軸線に対して芯ずれした場合であっても、被削材の下孔の内周面に当接した歯底部が、該内周面に対して切り込んでしまうことを防止できる。なぜなら、歯底部が被削材の下孔の内周面に摺接するとき、該歯底部の頂面がネガティブ角の傾斜とされていることで、刃先として機能し得ないこの歯底部の後端を含む前端以外の領域が内周面に接しやすくされ、刃先として機能し得る歯底部の前端が内周面に対して常に離れるからである。
つまり、歯底部は、被削材に対して工具送り方向に進むときに、前端側が被削材の下孔の内周面に対して離れた位置にあり、そこから徐々に内周面に近づいて、後端側が滑らかに接するようになっている。
従って、歯底部によるガイド機能が得られつつも、この歯底部が被削材の下孔の内周面に切り込むことで生じるむしれ等については防止することができ、加工精度が確保される。
従って、歯底部によるガイド機能が得られつつも、この歯底部が被削材の下孔の内周面に切り込むことで生じるむしれ等については防止することができ、加工精度が確保される。
しかも、このように傾斜した歯底部が被削材の下孔の内周面に摺接することにより、加工が進むにつれて歯底部とともにブローチ本体が径方向内側へ押し戻されるので、芯ずれした状態が元の正しい状態(ブローチ本体の軸線と被削材の軸線が同軸配置された所期する状態)に復帰しやすくなる。
さらに、歯底部が軸線方向の全長に亘って漸次傾斜させられているため、歯底部に径方向の外側に突出する角部等が形成されることはない。従って、このような角部等によって被削材の下孔の内周面が削られてしまうことがない。
さらに、歯底部が軸線方向の全長に亘って漸次傾斜させられているため、歯底部に径方向の外側に突出する角部等が形成されることはない。従って、このような角部等によって被削材の下孔の内周面が削られてしまうことがない。
以上より本発明によれば、たとえ芯ずれ(ブローチ本体の軸線と被削材の軸線の不一致)が生じても、歯底部が被削材を削ってしまうことを防止でき、加工精度を確保できるのである。
また、本発明のブローチにおいて、前記軸線方向に沿う前記ブローチ本体の縦断面視で、前記歯底部の頂面は、直線状をなしていることとしてもよい。
上記構成によれば、歯底部の頂面が、ブローチ本体の縦断面視において、前端から後端へ向かって直線状に延びているので、ブローチ製造時に歯底部を加工しやすい。
また、本発明のブローチにおいて、前記軸線方向に沿う前記ブローチ本体の縦断面視で、前記歯底部の頂面は、曲線状をなしていることとしてもよい。
上記構成によれば、歯底部の頂面が、ブローチ本体の縦断面視において、前端から後端へ向かって曲線状(例えば凸曲線状、凹曲線状、凹凸形状(波形状)等)に延びているので、被削材の下孔に加工される種々様々な形状に対応できる。
また、被削材の下孔の内周面に対する歯底部の接触態様(点接触、線接触、軸線方向の接触位置等)を選択できるので、歯底部が内周面に切り込んでしまうことをより確実に防止できる。
また、被削材の下孔の内周面に対する歯底部の接触態様(点接触、線接触、軸線方向の接触位置等)を選択できるので、歯底部が内周面に切り込んでしまうことをより確実に防止できる。
詳しくは、例えば、歯底部の頂面を縦断面視で凸曲線状に形成した場合には、切削加工時に芯ずれ現象が生じた初期(早期)のうちに、被削材の下孔の内周面に対して歯底部を当てることができるとともにガイドすることができ、つまり被削材に対してブローチ本体が大きく芯ずれすること自体が抑制されて、上述した芯合わせ作用をより効果的に得ることができる。
また、歯底部の頂面を縦断面視で凹曲線状に形成した場合には、被削材の下孔の内周面と歯底部との接触長さを小さく抑えることができ、よってこれらの間の接触抵抗が低減されて、切削加工が行いやすくなる。
また、歯底部の頂面を縦断面視で凹曲線状に形成した場合には、被削材の下孔の内周面と歯底部との接触長さを小さく抑えることができ、よってこれらの間の接触抵抗が低減されて、切削加工が行いやすくなる。
また、本発明のブローチにおいて、前記軸線方向に隣り合う前記歯底部同士のうち、前記軸線方向の前方に位置する前記歯底部における前記径方向の最大高さに対して、後方に位置する前記歯底部における前記径方向の最大高さが大きくされていることとしてもよい。
上記構成によれば、軸線方向に隣り合う歯底部同士を、例えば縦断面視において一直線上に配置することが可能になる。この場合、ブローチ製造時に歯底部を容易に加工できる。
またこの構成によれば、ブローチ後方へ向かうに従い歯底部のガイド機能が発揮されやすくなり、ブローチによる仕上げ切削加工(特に最終仕上げ領域での加工)の精度が安定する。
またこの構成によれば、ブローチ後方へ向かうに従い歯底部のガイド機能が発揮されやすくなり、ブローチによる仕上げ切削加工(特に最終仕上げ領域での加工)の精度が安定する。
また、本発明のブローチにおいて、前記軸線方向に隣り合う前記歯底部同士は、前記径方向の最大高さが互いに同一に設定されることとしてもよい。
上記構成によれば、本発明の上述した作用効果を、軸線方向に隣り合う両歯底部において、確実にかつ安定して得ることができる。
本発明のブローチによれば、たとえ芯ずれが生じても、歯底部が被削材を削ってしまうことを防止でき、加工精度を確保できる。
以下、本発明の一実施形態に係るブローチ1について、図面を参照して説明する。
本実施形態のブローチ1は、後丸刃付きの平行スプラインブローチ(角形スプラインブローチ)であり、被削材Wに予め形成された下孔WHに対して溝加工及び内周加工をこの順に施して、概略内歯車形状を形成するものである(図7を参照)。
本実施形態のブローチ1は、後丸刃付きの平行スプラインブローチ(角形スプラインブローチ)であり、被削材Wに予め形成された下孔WHに対して溝加工及び内周加工をこの順に施して、概略内歯車形状を形成するものである(図7を参照)。
図1に示されるように、ブローチ1は、軸状をなすブローチ本体2と、ブローチ本体2の外周に突設されて、該ブローチ本体2の軸線O方向に互いに間隔をあけて配列する複数の切刃を有する切刃部3と、を備える。
このブローチ1は、被削材Wに形成された下孔WHに対して、ブローチ本体2を軸線O方向に沿う工具送り方向Dに向けて挿入するとともに移動させて、切刃部3の複数の切刃により下孔WHを溝加工及び内周加工して、概ね内歯車形状に切削加工する。
ブローチ本体2は、その軸線Oが被削材Wの下孔WHの中心軸(軸線Ow)に対して同軸となるように、該下孔WHに挿入される。
このブローチ1は、被削材Wに形成された下孔WHに対して、ブローチ本体2を軸線O方向に沿う工具送り方向Dに向けて挿入するとともに移動させて、切刃部3の複数の切刃により下孔WHを溝加工及び内周加工して、概ね内歯車形状に切削加工する。
ブローチ本体2は、その軸線Oが被削材Wの下孔WHの中心軸(軸線Ow)に対して同軸となるように、該下孔WHに挿入される。
本明細書では、ブローチ本体2の軸線Oが延びる方向(軸線O方向)のうち、被削材Wに対してブローチ本体2が送られる向き(図1における左側)を工具送り方向Dといい(工具送り方向Dの前方、軸線O方向の前方、或いは単に前方という場合がある)、これとは反対側の向き(図1における右側)を工具送り方向Dの後方という(軸線O方向の後方、或いは単に後方という場合がある)。
また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
ブローチ本体2は、工具送り方向Dの前方の端部に位置する前つかみ部4と、工具送り方向Dの後方の端部に位置する後つかみ部5と、これら前つかみ部4と後つかみ部5との間に配置された切刃部3と、を備えている。また、ブローチ本体2において、前つかみ部4と切刃部3との間には前部案内6が配置され、切刃部3と後つかみ部5との間には後部案内7が配置されている。
前つかみ部4及び後つかみ部5は、不図示のブローチ盤により支持される。
本実施形態では図1に示されるように、前つかみ部4及び後つかみ部5は、ともに丸首形となっている。尚、前つかみ部4及び後つかみ部5は、上記丸首形以外の例えばコッタ形、DIN形、台形溝形等であってもよい。
本実施形態では図1に示されるように、前つかみ部4及び後つかみ部5は、ともに丸首形となっている。尚、前つかみ部4及び後つかみ部5は、上記丸首形以外の例えばコッタ形、DIN形、台形溝形等であってもよい。
前部案内6及び後部案内7は、ともに丸棒状又は円柱状をなしている。
前部案内6は、切刃部3のうち被削材Wに最初に切り込まれる、工具送り方向Dの前端に位置する切刃(後述するスプライン刃13)を、被削材Wの下孔WHに対して径方向に位置決め(芯合わせ)し案内する作用を有する。
後部案内7は、切刃部3のうち被削材Wに最後に切り込まれる、工具送り方向Dの後端に位置する切刃(後述する丸刃14)が切削を終えるまで、ブローチ本体2と被削材Wとを径方向に位置決めし案内する作用を有する。
前部案内6は、切刃部3のうち被削材Wに最初に切り込まれる、工具送り方向Dの前端に位置する切刃(後述するスプライン刃13)を、被削材Wの下孔WHに対して径方向に位置決め(芯合わせ)し案内する作用を有する。
後部案内7は、切刃部3のうち被削材Wに最後に切り込まれる、工具送り方向Dの後端に位置する切刃(後述する丸刃14)が切削を終えるまで、ブローチ本体2と被削材Wとを径方向に位置決めし案内する作用を有する。
切刃部3の複数の切刃は、ブローチ本体2の外周において径方向外側へ向けてそれぞれ突出して形成されている。
図4に示されるように、各切刃において、工具送り方向Dの前方を向く面は、すくい面8とされており、径方向の外側を向く面は、逃げ面9とされている。
図4に示されるように、各切刃において、工具送り方向Dの前方を向く面は、すくい面8とされており、径方向の外側を向く面は、逃げ面9とされている。
すくい面8は、径方向外側(図4における上側)へ向かうに従い漸次工具送り方向Dの前方に向かって傾斜しており、逃げ面9は、工具送り方向Dの後方へ向かうに従い漸次径方向内側(図4における下側)に向かって傾斜している。また、各切刃におけるすくい面8と逃げ面9との交差稜線部は、被削材Wに切り込む刃先10とされている。
図1に示されるように、切刃部3には、被削材Wの下孔WHに溝加工を施すスプライン刃群11と、スプライン刃群11よりも工具送り方向Dの後方に配置され、下孔WHに内周加工を施す丸刃群12と、が備えられる。
スプライン刃群11は、ブローチ本体2の外周に軸線O方向に間隔をあけて形成された複数のスプライン刃13を備えている。
図1、図2及び図4に示されるように、軸線O方向に隣り合うスプライン刃13同士の間には、これらスプライン刃13よりも径方向の内側に後退するとともに、周方向に沿って延びる刃溝16が形成されている。つまりスプライン刃13は、ブローチ本体2の外周において、刃溝16よりも径方向外側へ向けて突設されている。
図1、図2及び図4に示されるように、軸線O方向に隣り合うスプライン刃13同士の間には、これらスプライン刃13よりも径方向の内側に後退するとともに、周方向に沿って延びる刃溝16が形成されている。つまりスプライン刃13は、ブローチ本体2の外周において、刃溝16よりも径方向外側へ向けて突設されている。
図2に示されるブローチ本体2の横断面視において、スプライン刃13は、全体として環状の概略外歯車形状をなしている。スプライン刃13は、ブローチ本体2の外周から径方向外側に向けて突出するとともに周方向に間隔をあけて配列する複数の歯部(切刃)13aを有している。また、特に図示していないが、ブローチ本体2の外周には、軸線O方向に沿うように並ぶ複数の歯部13aからなる列が、周方向に間隔をあけて複数列形成されている。
つまり、スプライン刃群11における複数の歯部(切刃)13aは、ブローチ本体2の外周において、軸線O方向及び周方向に互いに間隔をあけて配列している。そして図2及び図4に示されるように、これらの各歯部13aに対して、すくい面8、逃げ面9及び刃先10が、それぞれ個別に形成されている。
尚、本実施形態では図2に示されるように、スプライン刃13において周方向に配列する複数の歯部13aのうち、一部の歯部13aが形成されてはおらず、欠歯15となっている。すなわち、スプライン刃13において周方向に隣り合う歯部13a同士の間に形成された複数の凹部(後述する歯底部20)のうち、欠歯15に対応する所定の凹部が、他の凹部よりも周方向に沿う幅が大きくされている。具体的に本実施形態では、図2に示されるように、スプライン刃13の複数の前記凹部(歯底部20)のうち、欠歯15に対応する所定の凹部における周方向に沿う幅が、他の凹部における周方向に沿う幅の2倍以上とされている。
また、特に図示していないが、軸線O方向に隣り合うスプライン刃13の欠歯15同士は、互いの周方向の位置が対応している(周方向の位置が互いに一致するように配置されている)。つまり、スプライン刃13の複数の前記凹部のうち、欠歯15に対応する所定の凹部における周方向の位置は、軸線O方向に隣り合うスプライン刃13同士において互いに同じ位置とされている。
スプライン刃群11において、軸線O方向に隣り合うスプライン刃13同士のうち、工具送り方向Dの後方に位置するスプライン刃13は、その工具送り方向Dの前方に位置するスプライン刃13に対して、歯部13aの径方向外側へ向けた突出量が、同等か又は大きくされている。また、後方に位置するスプライン刃13は、その前方に位置するスプライン刃13に対して、歯部13aの周方向に沿う幅が、同等か又は小さくされている。
具体的に本実施形態では、ブローチ1が平行スプラインブローチ(角形スプラインブローチ)であり、スプライン刃13の各歯部13aにおいて周方向を向く一対の側面同士は、図2に示される横断面視で互いに平行となるように背中合わせに配置(背向配置)されており、また特に図示していないが、軸線O方向の後方に位置するスプライン刃13の歯部13aの周方向に沿う幅が、前方に位置するスプライン刃13の歯部13aの周方向に沿う幅に対して、同等とされている。
尚、例えば、ブローチ1がインボリュートスプラインブローチの場合には、後方に位置する歯部13aの周方向に沿う幅が、前方に位置する歯部13aの周方向に沿う幅に対して小さくなる。ただしこれに限定されるものではなく、例えば、後方に位置するスプライン刃13は、その前方に位置するスプライン刃13に対して、歯部13aの周方向に沿う幅が大きくされていてもよい。
そして、後方に位置するスプライン刃13は、その前方に位置するスプライン刃13が切削していない箇所を切削可能に形成されている。
そして、後方に位置するスプライン刃13は、その前方に位置するスプライン刃13が切削していない箇所を切削可能に形成されている。
スプライン刃群11は、ブローチ1により被削材Wの下孔WHに加工される内歯車形状のうち、凹状の歯溝Aを切削する(図7を参照)。図7において、歯溝Aは、被削材Wの下孔WHの内周面から径方向外側へ向けて窪んでいるとともに、周方向に間隔をあけて複数形成される。歯溝Aは、内歯車形状において最外周をなす大径部(溝底面)a1と、大径部a1の周方向の両端に接続するとともに、互いに周方向に対向する一対の歯面a2と、を備える。
本実施形態では、ブローチ1が平行スプラインブローチ(角形スプラインブローチ)であることから、図7に示されるように、スプライン刃13の歯部13aによって切削される歯溝Aの一対の歯面a2同士が、互いに平行とされる。
本実施形態では、ブローチ1が平行スプラインブローチ(角形スプラインブローチ)であることから、図7に示されるように、スプライン刃13の歯部13aによって切削される歯溝Aの一対の歯面a2同士が、互いに平行とされる。
また、被削材Wの下孔WHに加工される内歯車形状のうち、最内周をなす内周面である凹曲面状の小径部Bは、後述する丸刃群12により切削される。図7に示される被削材Wの軸線Owに垂直な横断面視において、小径部Bは円弧状をなしており、軸線Ow回りの周方向に互いに間隔をあけて複数形成される。これらの小径部Bは、すべて同一の仮想円(軸線Owを中心とする不図示の仮想円)上に配置される。
図2及び図4に示されるように、ブローチ本体2の外周における周方向に隣り合う歯部(切刃)13a同士の間には、これら歯部13aよりもブローチ本体2の径方向の内側に後退して歯底部20が形成される。つまり歯底部20は、スプライン刃13において周方向に隣り合う歯部13a同士の間に配置されているとともに、これら歯部13aよりも径方向内側に向けて窪む凹状をなしている。
歯底部20は、歯部13aよりも径方向に後退しているため、図7における被削材Wの歯溝Aの切削には寄与しない。その一方で、歯底部20は、被削材Wの下孔WHの内周面(小径部B)に摺接して、スプライン刃13(刃先10)の径方向における位置を規定する。つまり、歯底部20は、スプライン刃13(の中心軸である軸線O)を、被削材Wの軸線Owに対して同軸となるように芯合わせしつつ案内するガイド機能を有する。
図2において歯底部20は、その径方向外側を向く外面(頂面)が、径方向の外側へ向けて凸となる曲面状をなしており、より具体的には、後方へ向かうに従い拡径する円錐面状をなしている。
また、歯底部20は、軸線O方向に隣り合うスプライン刃13同士の間に形成された刃溝16よりも、径方向外側に位置している。
また、歯底部20は、軸線O方向に隣り合うスプライン刃13同士の間に形成された刃溝16よりも、径方向外側に位置している。
そして図4において、歯底部20の径方向の高さHは、該歯底部20の軸線O方向に沿う全長に亘って、軸線O方向の前端20aから後端20bに向けて漸次大きくされている。つまり、歯底部20は、軸線O方向の全長に亘って、あたかも負の角度(ネガティブ角)の逃げ角が付与されたように傾斜している。
尚、図示の例では、歯底部20の径方向の高さHが、軸線Oから該歯底部20の頂面までの径方向に沿う距離により表されているが、これに限定されるものではない。すなわち、歯底部20の径方向の高さHは、例えば、このスプライン刃13に隣接する刃溝16から歯底部20の頂面までの径方向に沿う距離であってもよい。
尚、図示の例では、歯底部20の径方向の高さHが、軸線Oから該歯底部20の頂面までの径方向に沿う距離により表されているが、これに限定されるものではない。すなわち、歯底部20の径方向の高さHは、例えば、このスプライン刃13に隣接する刃溝16から歯底部20の頂面までの径方向に沿う距離であってもよい。
本実施形態では図4に示されるように、軸線O方向に沿うブローチ本体2の縦断面視において、歯底部20の頂面が、直線状をなしている。すなわちこの縦断面視で、歯底部20の頂面は、該歯底部20の前端20aから後端20bの全域に亘って、後方に向かうに従い漸次径方向外側へ向かって、一定の傾斜で延びている。
また、図4に示される縦断面視において、符号θで表されるものは、歯底部20の前端20aと後端20bとを結ぶ仮想直線L1と、軸線Oとの間に形成される傾斜角である。本実施形態では、歯底部20の頂面が、ブローチ本体2の縦断面視において直線状をなしていることから、この歯底部20の頂面は、前記仮想直線L1上に一致する。つまり、歯底部20の頂面は、その軸線O方向の全長に亘って、軸線Oに対して一定の傾斜角θで傾斜している。
また本実施形態では、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士のうち、軸線O方向の前方に位置する歯底部20における径方向の最大高さHに対して、後方に位置する歯底部20における径方向の最大高さHが大きくされている。
具体的に、図4に示される縦断面視で、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士は、同一の仮想直線L1上に配置されている。つまり、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士は、互いに傾斜角θが同一に設定されつつ、前方に位置する歯底部20の径方向の最大高さHに対して後方に位置する歯底部20の径方向の最大高さHが、大きくされている。
具体的に、図4に示される縦断面視で、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士は、同一の仮想直線L1上に配置されている。つまり、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士は、互いに傾斜角θが同一に設定されつつ、前方に位置する歯底部20の径方向の最大高さHに対して後方に位置する歯底部20の径方向の最大高さHが、大きくされている。
図1において、丸刃群12は、ブローチ本体2の外周に軸線O方向に間隔をあけて形成された複数の丸刃14を備えている。
図1及び図3に示されるように、軸線O方向に隣り合う丸刃14同士の間には、これら丸刃14よりも径方向の内側に後退するとともに、周方向に沿って延びる刃溝17が形成されている。つまり丸刃14は、ブローチ本体2の外周において、刃溝17よりも径方向外側へ向けて突設されている。
図1及び図3に示されるように、軸線O方向に隣り合う丸刃14同士の間には、これら丸刃14よりも径方向の内側に後退するとともに、周方向に沿って延びる刃溝17が形成されている。つまり丸刃14は、ブローチ本体2の外周において、刃溝17よりも径方向外側へ向けて突設されている。
図3に示されるブローチ本体2の横断面視において、丸刃14は、全体として円環形状をなしている。具体的に丸刃14は、ブローチ本体2の外周から径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状をなしている。
また丸刃14において、工具送り方向Dの前方を向く面がすくい面8とされ、径方向の外側を向く面が逃げ面9とされ、これらすくい面8と逃げ面9との交差稜線部が刃先10とされている。
丸刃群12は、被削材Wの下孔WHに加工される内歯車形状のうち、内周面である小径部Bを切削する(図7参照)。
また丸刃14において、工具送り方向Dの前方を向く面がすくい面8とされ、径方向の外側を向く面が逃げ面9とされ、これらすくい面8と逃げ面9との交差稜線部が刃先10とされている。
丸刃群12は、被削材Wの下孔WHに加工される内歯車形状のうち、内周面である小径部Bを切削する(図7参照)。
以上説明した本実施形態のブローチ1によれば、図4に示されるように、スプライン刃13の歯底部20の径方向の高さHが、軸線O方向の前端20aから後端20bにかけた全長に亘って、後方へ向かうに従い漸次大きくなるように傾斜させられている。つまり歯底部20は、軸線O方向の全長に亘って、あたかも逃げ角が負の角度(ネガティブ角)に設定されたように形成されている。
これにより、切削加工時に、たとえブローチ本体2の軸線Oが被削材Wの軸線Owに対して芯ずれした場合であっても、被削材Wの下孔WHの内周面(小径部B)に当接した歯底部20が、該内周面に対して切り込んでしまうことを防止できる。なぜなら、歯底部20が被削材Wの下孔WHの内周面に摺接するとき、該歯底部20の頂面がネガティブ角の傾斜とされていることで、刃先として機能し得ないこの歯底部20の後端20bを含む前端20a以外の領域が内周面に接しやすくされ、刃先として機能し得る歯底部20の前端20aが内周面に対して常に離れるからである。
これにより、切削加工時に、たとえブローチ本体2の軸線Oが被削材Wの軸線Owに対して芯ずれした場合であっても、被削材Wの下孔WHの内周面(小径部B)に当接した歯底部20が、該内周面に対して切り込んでしまうことを防止できる。なぜなら、歯底部20が被削材Wの下孔WHの内周面に摺接するとき、該歯底部20の頂面がネガティブ角の傾斜とされていることで、刃先として機能し得ないこの歯底部20の後端20bを含む前端20a以外の領域が内周面に接しやすくされ、刃先として機能し得る歯底部20の前端20aが内周面に対して常に離れるからである。
つまり、歯底部20は、被削材Wに対して工具送り方向Dに進むときに、前端20a側が被削材Wの下孔WHの内周面に対して離れた位置にあり、そこから徐々に内周面に近づいて、後端20b側が滑らかに接するようになっている。
従って、歯底部20によるガイド機能が得られつつも、この歯底部20が被削材Wの下孔WHの内周面に切り込むことで生じるむしれ等については防止することができ、加工精度が確保される。
従って、歯底部20によるガイド機能が得られつつも、この歯底部20が被削材Wの下孔WHの内周面に切り込むことで生じるむしれ等については防止することができ、加工精度が確保される。
しかも、このように傾斜した歯底部20が被削材Wの下孔WHの内周面に摺接することにより、加工が進むにつれて歯底部20とともにブローチ本体2が径方向内側へ押し戻されるので、芯ずれした状態が元の正しい状態(ブローチ本体2の軸線Oと被削材Wの軸線Owが同軸配置された所期する状態)に復帰しやすくなる。
さらに、歯底部20が軸線O方向の全長に亘って漸次傾斜させられているため、歯底部20に径方向の外側に突出する角部等が形成されることはない。従って、このような角部等によって被削材Wの下孔WHの内周面が削られてしまうことがない。
さらに、歯底部20が軸線O方向の全長に亘って漸次傾斜させられているため、歯底部20に径方向の外側に突出する角部等が形成されることはない。従って、このような角部等によって被削材Wの下孔WHの内周面が削られてしまうことがない。
以上より本実施形態のブローチ1によれば、たとえ芯ずれ(ブローチ本体2の軸線Oと被削材Wの軸線Owの不一致)が生じても、歯底部20が被削材Wを削ってしまうことを防止でき、加工精度を確保できるのである。
また本実施形態のブローチ1では、軸線O方向に沿うブローチ本体2の縦断面視(軸線Oを含む縦断面図)で、歯底部20の頂面が前端20aから後端20bへ向かって直線状に延びているので、ブローチ1の製造時に歯底部20を加工しやすい。
また本実施形態のブローチ1では、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士のうち、軸線O方向の前方に位置する歯底部20における径方向の最大高さHに対して、後方に位置する歯底部20における径方向の最大高さHが大きくされている。具体的には、軸線O方向に沿うスプライン刃群11の少なくとも一部以上の領域において、軸線O方向に隣り合う歯底部20の頂面同士が、縦断面視において一直線上(仮想直線L1上)に配置されている。
このため、ブローチ1の製造時に歯底部20をより容易に加工できる。
またこの構成によれば、ブローチ1後方へ向かうに従い歯底部20のガイド機能が発揮されやすくなり、ブローチ1による仕上げ切削加工(特に最終仕上げ領域での加工)の精度が安定する。
このため、ブローチ1の製造時に歯底部20をより容易に加工できる。
またこの構成によれば、ブローチ1後方へ向かうに従い歯底部20のガイド機能が発揮されやすくなり、ブローチ1による仕上げ切削加工(特に最終仕上げ領域での加工)の精度が安定する。
より詳しくは、軸線O方向に沿うスプライン刃群11の全域において、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士が、縦断面視で一直線上(仮想直線L1上)に配置されることとしてもよい。
或いは、軸線O方向に沿うスプライン刃群11の一部の領域(区間)においてのみ、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士が、縦断面視で一直線上に配置されていてもよい。
さらには、軸線O方向に沿うスプライン刃群11の全域のうち、複数のスプライン刃13を含む所定範囲の領域(区間)ごとに、つまり複数の前記領域ごとに、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士が、縦断面視で一直線上に配置されるようにしてもよい。
或いは、軸線O方向に沿うスプライン刃群11の一部の領域(区間)においてのみ、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士が、縦断面視で一直線上に配置されていてもよい。
さらには、軸線O方向に沿うスプライン刃群11の全域のうち、複数のスプライン刃13を含む所定範囲の領域(区間)ごとに、つまり複数の前記領域ごとに、軸線O方向に隣り合う歯底部20同士が、縦断面視で一直線上に配置されるようにしてもよい。
このように、スプライン刃群11の全域、一部又は複数の領域(区間)において、隣り合う歯底部20同士が、縦断面視で一直線上に配置された場合には、一直線上に配置された全域又は各領域の中で、歯底部20が前端20aから後端20bへ向かって直線状に延びているので、ブローチ1の製造時に歯底部20を加工しやすい。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
図5及び図6は、前述の実施形態で説明したブローチ1の変形例を示しており、下記に具体的に説明する。尚、前述の実施形態と同じ構成要素については詳細な説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
図5は、前述した実施形態で説明したスプライン刃13の歯底部20の変形例(歯底部21)を示す縦断面図である。
この変形例では、軸線O方向に隣り合う歯底部21同士は、径方向の最大高さHが互いに同一に設定されている。具体的に、図5に示される縦断面視で、歯底部21の前端21aと後端21bとを結ぶ仮想直線L1は、軸線O方向に隣り合う歯底部21同士において、同一直線上には配置されていない。
この変形例では、軸線O方向に隣り合う歯底部21同士は、径方向の最大高さHが互いに同一に設定されている。具体的に、図5に示される縦断面視で、歯底部21の前端21aと後端21bとを結ぶ仮想直線L1は、軸線O方向に隣り合う歯底部21同士において、同一直線上には配置されていない。
また図5に示される縦断面視において、符号L2は、歯底部21の前端21aを通り軸線Oに平行な仮想直線である。従って図5において、仮想直線L1、L2同士の間に形成される傾斜角θは、仮想直線L1と軸線Oとの間に形成される傾斜角θに等しい。また、軸線O方向に隣り合う歯底部21は、その前端21aがともに仮想直線L2上に位置している。
また、図5に示される縦断面視において、軸線O方向に隣り合う歯底部21同士は、互いに傾斜角θが同一に設定されている。ただしこれに限定されるものではなく、軸線O方向に隣り合う歯底部21同士は、互いに傾斜角θが異なって設定されていてもよい。
また、図5に示される縦断面視において、軸線O方向に隣り合う歯底部21同士は、互いに傾斜角θが同一に設定されている。ただしこれに限定されるものではなく、軸線O方向に隣り合う歯底部21同士は、互いに傾斜角θが異なって設定されていてもよい。
図5の変形例によれば、軸線O方向に隣り合う歯底部21同士が、互いに径方向の最大高さHが同一に設定されるので、前述の実施形態で説明した作用効果を、軸線O方向に隣り合う歯底部21の両方において、確実にかつ安定して得ることができる。
また図6(a)〜(c)は、前述した実施形態で説明したスプライン刃13の歯底部20の変形例(歯底部22〜24)を示す縦断面図である。
これらの変形例では、図6(a)〜(c)に示される軸線O方向に沿うブローチ本体2の縦断面視で、歯底部22〜24の頂面が、それぞれ曲線状をなしている。
これらの変形例では、図6(a)〜(c)に示される軸線O方向に沿うブローチ本体2の縦断面視で、歯底部22〜24の頂面が、それぞれ曲線状をなしている。
具体的に、図6(a)に示される変形例では、この縦断面視において、歯底部22の頂面が、前端22aから後端22bへ向かって、径方向外側へ向けて突出する凸曲線状に延びている。
また、図6(b)に示される変形例では、この縦断面視において、歯底部23の頂面が、前端23aから後端23bへ向かって、径方向内側へ向けて窪む凹曲線状に延びている。
また、図6(c)に示される変形例では、この縦断面視において、歯底部24の頂面が、前端24aから後端24bへ向かって、まず径方向内側へ向けて窪む凹曲線状に延びた後、径方向外側へ向けて突出する凸曲線状に延びていて、全体として凹凸曲線状(波形状)に形成されている。尚、この縦断面視においては、歯底部24の頂面のうち、前端24a側部分が凹曲線状をなし、後端24b側部分が凸曲線状をなしているが、これに限定されるものではなく、例えば、前端24a側部分が凸曲線状をなしており、後端24b側部分が凹曲線状をなしていてもよい。
そして、これら歯底部22〜24の径方向の高さHが、該歯底部22〜24の軸線O方向に沿う全長に亘って、軸線O方向の前端22a〜24aから後端22b〜24bに向けて漸次大きくされている。
また、図6(b)に示される変形例では、この縦断面視において、歯底部23の頂面が、前端23aから後端23bへ向かって、径方向内側へ向けて窪む凹曲線状に延びている。
また、図6(c)に示される変形例では、この縦断面視において、歯底部24の頂面が、前端24aから後端24bへ向かって、まず径方向内側へ向けて窪む凹曲線状に延びた後、径方向外側へ向けて突出する凸曲線状に延びていて、全体として凹凸曲線状(波形状)に形成されている。尚、この縦断面視においては、歯底部24の頂面のうち、前端24a側部分が凹曲線状をなし、後端24b側部分が凸曲線状をなしているが、これに限定されるものではなく、例えば、前端24a側部分が凸曲線状をなしており、後端24b側部分が凹曲線状をなしていてもよい。
そして、これら歯底部22〜24の径方向の高さHが、該歯底部22〜24の軸線O方向に沿う全長に亘って、軸線O方向の前端22a〜24aから後端22b〜24bに向けて漸次大きくされている。
図6(a)〜(c)に示される変形例によれば、歯底部22〜24の頂面が、ブローチ本体2の縦断面視において、前端22a〜24aから後端22b〜24bへ向かって曲線状(例えば上述した凸曲線状、凹曲線状、凹凸形状(波形状)等)に延びているので、被削材Wの下孔WHに加工される種々様々な形状に対応できる。
また、被削材Wの下孔WHの内周面に対する歯底部22〜24の接触態様(点接触、線接触、軸線O方向の接触位置等)を選択できるので、歯底部22〜24が内周面に切り込んでしまうことをより確実に防止できる。
また、被削材Wの下孔WHの内周面に対する歯底部22〜24の接触態様(点接触、線接触、軸線O方向の接触位置等)を選択できるので、歯底部22〜24が内周面に切り込んでしまうことをより確実に防止できる。
詳しくは、例えば図6(a)のように、歯底部22の頂面を縦断面視で凸曲線状に形成した場合には、切削加工時に芯ずれ現象が生じた初期(早期)のうちに、被削材Wの下孔WHの内周面に対して歯底部22を当てることができるとともにガイドすることができ、つまり被削材Wに対してブローチ本体2が大きく芯ずれすること自体が抑制されて、上述した芯合わせ作用をより効果的に得ることができる。
また図6(b)のように、歯底部23の頂面を縦断面視で凹曲線状に形成した場合には、被削材Wの下孔WHの内周面と歯底部23との接触長さを小さく抑えることができ、よってこれらの間の接触抵抗が低減されて、切削加工が行いやすくなる。
また図6(b)のように、歯底部23の頂面を縦断面視で凹曲線状に形成した場合には、被削材Wの下孔WHの内周面と歯底部23との接触長さを小さく抑えることができ、よってこれらの間の接触抵抗が低減されて、切削加工が行いやすくなる。
また、前述の実施形態では、ブローチ1が被削材Wの下孔WHを切削して平行スプライン(角形スプライン)加工を施すこととしたが、これに限定されるものではない。すなわち、ブローチ1は、被削材Wの下孔WHを切削してインボリュートスプライン加工を施すこととしてもよく、或いは、前述した加工以外の溝加工をしてもよい。
また本発明は、後丸刃付きのブローチ1に限定されるものではなく、前丸刃付きのブローチや、交互丸刃付きのブローチ(スプライン刃と丸刃とが軸線O方向に沿って交互に配置されたもの)であってもよい。
また、丸刃群12が設けられていなくてもよい。
また本発明は、後丸刃付きのブローチ1に限定されるものではなく、前丸刃付きのブローチや、交互丸刃付きのブローチ(スプライン刃と丸刃とが軸線O方向に沿って交互に配置されたもの)であってもよい。
また、丸刃群12が設けられていなくてもよい。
また、前述の実施形態では、スプライン刃群11(複数のスプライン刃13)において、軸線O方向に隣り合う歯部13a同士が、軸線O方向に沿うように並んで列をなしていることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、軸線O方向に隣り合う歯部13a同士が、互いに周方向の位置(位相)を徐々にずらされた螺旋状の列をなすヘリカルブローチにも、本発明を適用可能である。
また、前述の実施形態において刃溝16、17は、ブローチ本体2の軸線Oに垂直な平面上に位置するとともに、該ブローチ本体2の外周に個々の円環状に形成された軸直角溝であるが、これに限定されるものではない。すなわち、刃溝16、17は、軸線O回りに周回しつつ軸線O方向に向けて延びる螺旋状に形成された捩れ溝であってもよい。
また、軸線O方向に隣り合う刃溝16同士の間に形成されるスプライン刃13、及び、軸線O方向に隣り合う刃溝17同士の間に形成される丸刃14についても、上述の刃溝16、17同様に、軸直角刃であってもよいし、捩れ刃であってもよい。
また、軸線O方向に隣り合う刃溝16同士の間に形成されるスプライン刃13、及び、軸線O方向に隣り合う刃溝17同士の間に形成される丸刃14についても、上述の刃溝16、17同様に、軸直角刃であってもよいし、捩れ刃であってもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 ブローチ
2 ブローチ本体
13a 歯部(切刃)
20〜24 歯底部
20a〜24a 前端
20b〜24b 後端
H 歯底部の高さ(最大高さ)
O ブローチ本体の軸線
2 ブローチ本体
13a 歯部(切刃)
20〜24 歯底部
20a〜24a 前端
20b〜24b 後端
H 歯底部の高さ(最大高さ)
O ブローチ本体の軸線
Claims (5)
- 軸状をなすブローチ本体の外周に複数の切刃が突設され、これら切刃が前記ブローチ本体の軸線方向及び周方向に互いに間隔をあけて配列したブローチであって、
前記ブローチ本体の外周における前記周方向に隣り合う前記切刃同士の間には、これら切刃よりも前記ブローチ本体の径方向の内側に後退して歯底部が形成され、
前記歯底部の前記径方向の高さが、該歯底部の前記軸線方向に沿う全長に亘って、前記軸線方向の前端から後端に向けて漸次大きくされていることを特徴とするブローチ。 - 請求項1に記載のブローチであって、
前記軸線方向に沿う前記ブローチ本体の縦断面視で、
前記歯底部の頂面は、直線状をなしていることを特徴とするブローチ。 - 請求項1に記載のブローチであって、
前記軸線方向に沿う前記ブローチ本体の縦断面視で、
前記歯底部の頂面は、曲線状をなしていることを特徴とするブローチ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のブローチであって、
前記軸線方向に隣り合う前記歯底部同士のうち、前記軸線方向の前方に位置する前記歯底部における前記径方向の最大高さに対して、後方に位置する前記歯底部における前記径方向の最大高さが大きくされていることを特徴とするブローチ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のブローチであって、
前記軸線方向に隣り合う前記歯底部同士は、前記径方向の最大高さが互いに同一に設定されることを特徴とするブローチ。
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JP2017213656A (ja) * | 2016-06-01 | 2017-12-07 | 三菱マテリアル株式会社 | ヘリカルブローチ |
CN109822404A (zh) * | 2019-03-18 | 2019-05-31 | 哈尔滨汽轮机厂有限责任公司 | 一种汽轮机轮槽拉削用粗拉刀特殊修磨修磨量的确定方法 |
-
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- 2014-09-26 JP JP2014196750A patent/JP2016068162A/ja active Pending
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