JP2014140949A - ブローチ - Google Patents

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Abstract

【課題】被削材の下孔に加工される内歯車形状等の所定形状において、溝加工及び内周加工の同軸度を精度よく確保して加工品位を高めることができ、種々様々な被削材に容易に対応可能なこと。
【解決手段】複数の切れ刃3には、被削材の下孔に溝加工を施すスプライン刃群11と、スプライン刃群11よりも工具送り方向Dの後方に配置され下孔に内周加工を施す丸刃群12と、が備えられ、丸刃群12には、下孔の内周に切り込む切れ刃部17と、切れ刃部17の工具送り方向Dの後方に隣り合って配置され該切れ刃部17の高さと同一の高さとされたガイド部18と、からなる組刃15A、15Bが複数設けられ、軸線O方向に隣り合う組刃15A、15B同士のうち、一の組刃15Aの切れ刃部17及びガイド部18の高さHaに対して、該一の組刃15Aの工具送り方向Dの後方に位置する他の組刃15Bの切れ刃部17及びガイド部18の高さHbが大きくされている。
【選択図】図5

Description

本発明は、被削材に形成された下孔に、ブローチ本体とともに複数の切れ刃が順に挿入されて、前記下孔を溝加工及び内周加工して内歯車形状等の所定形状に形成するブローチに関するものである。
従来、この種のブローチとしては、例えば下記特許文献1に示されるような、軸状をなすブローチ本体と、前記ブローチ本体の外周に該ブローチ本体の軸線方向に間隔をあけて配列された複数の切れ刃と、を備え、被削材に形成された下孔に前記ブローチ本体を前記軸線方向に沿う工具送り方向に向けて挿入するとともに、前記複数の切れ刃により前記下孔を溝加工及び内周加工して内歯車形状に切削加工するものが知られている。また、前記複数の切れ刃には、前記下孔に溝加工を施すスプライン刃群と、前記下孔に内周加工を施す丸刃群と、が備えられており、後丸刃付きブローチの場合、丸刃群がスプライン刃群よりも工具送り方向の後方に配置されている。
実公平6−11704号公報
しかしながら、従来のブローチにおいては、下記の課題を有していた。
上述した後丸刃付きブローチにおいては、スプライン刃群が下孔を溝加工した後、続く丸刃群が、下孔に内周加工を施すこととなる。ここで、スプライン刃群により溝加工が施される際には、スプライン刃の刃部が被削材によりガイドされて、下孔の中心軸に対してブローチ本体の軸線が偏心しにくくなっている。一方、丸刃群により内周加工が施される際には、丸刃が被削材にガイドされにくく、下孔の中心軸に対してブローチ本体の軸線が偏心しやすかった。
すなわち、例えば加工後の内歯車形状において、スプライン刃群により溝加工された歯部(歯溝)と、丸刃群により内周加工された小径部とが芯ずれするおそれがあった。具体的に、被削材の軸線方向を向く端面に対して小径部の直角度が確保できなくなるなどして、内歯車形状における歯部と小径部との同軸度が確保できなくなるおそれがあった。
一方、上記後丸刃付きブローチ以外のブローチとして、スプライン刃と丸刃とが交互に配列された、交互丸刃付きブローチが知られている。交互丸刃付きブローチを用いた場合、内歯車形状における歯部と小径部とが交互に切削加工されるため、これらの歯部と小径部とを高精度に芯合わせしやすくなる。
しかしながら、このような交互丸刃付きブローチは、軸線方向に隣り合う同一種類の切れ刃同士(スプライン刃同士、或いは丸刃同士)の間隔が広くなり、特に被削材の軸線方向に沿う長さが短い(つまり被削材の厚さが薄い)場合には、スプライン刃同士又は丸刃同士を複数ずつ同時に下孔に切り込ませることができず、この場合、やはり芯ずれの問題が生じることから、被削材によって使用が制限される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被削材の下孔に加工される内歯車形状等の所定形状において、溝加工及び内周加工の同軸度を精度よく確保して加工品位を高めることができ、かつ、種々様々な被削材に容易に対応可能なブローチを提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、軸状をなすブローチ本体と、前記ブローチ本体の外周に該ブローチ本体の軸線方向に間隔をあけて配列された複数の切れ刃と、を備え、被削材に形成された下孔に前記ブローチ本体を前記軸線方向に沿う工具送り方向に向けて挿入するとともに、前記複数の切れ刃により前記下孔を溝加工及び内周加工して所定形状に切削加工するブローチであって、前記複数の切れ刃には、前記下孔に溝加工を施すスプライン刃群と、前記スプライン刃群よりも前記工具送り方向の後方に配置され、前記下孔に内周加工を施す丸刃群と、が備えられ、前記丸刃群には、前記下孔の内周に切り込む切れ刃部と、前記切れ刃部の前記工具送り方向の後方に隣り合って配置され、該切れ刃部の前記軸線方向に直交する径方向の高さと同一の前記高さとされたガイド部と、からなる組刃が前記軸線方向に沿って複数設けられており、前記軸線方向に隣り合う前記組刃同士のうち、一の組刃における前記切れ刃部及び前記ガイド部の高さに対して、該一の組刃の前記工具送り方向の後方に位置する他の組刃における前記切れ刃部及び前記ガイド部の高さが大きくされていることを特徴とする。
このブローチでは、被削材の下孔にブローチ本体が挿入され、工具送り方向に送られることで、該下孔に対して、スプライン刃群が溝加工(例えば内歯車形状における歯部の加工)を施した後、続いて丸刃群が内周加工(例えば内歯車形状における小径部の加工)を施すようになっている。
本発明のブローチによれば、丸刃群が、切れ刃部と、該切れ刃部の高さと同一の高さとされたガイド部と、からなる組刃を軸線方向に沿って複数有しているので、これら組刃のうち、一の組刃における切れ刃部が被削材の下孔に切り込んで内周加工した後、該一の組刃のガイド部がこの下孔内周に摺接して、該下孔の中心軸とブローチ本体の軸線とを芯合わせする。そしてこの状態から、前記一の組刃に続く他の組刃(工具送り方向の後方に位置する組刃)の切れ刃部が、被削材の下孔内周に切り込んでいく。このような作用が、各組刃において連続的に得られることとなる。
従って、例えば交互丸刃付きブローチのように複雑な構造を用いることなく、スプライン刃群の後方に、段階的に高さが高くなる複数の組刃を備えた丸刃群を配置した簡単な構成によって、被削材の下孔に加工される溝部と内周部(内歯車形状であれば歯部と小径部)の同軸度を精度よく確保でき、加工品位を高めることができる。
さらに、従来の交互丸刃では対応が難しい、軸線方向に沿う長さが短い被削材に対しても、本発明のブローチの構成によれば、同一種類の切れ刃同士(スプライン刃同士、或いは丸刃同士)を複数刃ずつ同時に下孔に切り込ませることが簡単に行えるので、種々様々な被削材に容易に対応可能である。
また、本発明のブローチにおいて、前記組刃を構成する前記切れ刃部と前記ガイド部とが、互いに離間して形成されていることとしてもよい。
また、本発明のブローチにおいて、前記切れ刃部及び前記ガイド部が、それぞれ丸刃で形成されていることとしてもよい。
組刃の切れ刃部とガイド部とを互いに離間して形成することで、ブローチ本体を作製しやすくなる。さらに、これら切れ刃部及びガイド部を、それぞれ丸刃で形成した場合には、ブローチ本体の製造がより容易となる。すなわち、切れ刃部とガイド部とを各機能によって互いに異なる形状とすることなく、ともに丸刃群を構成する複数の丸刃により形成できることから、製造が簡単である。
また、本発明のブローチにおいて、前記組刃には、前記切れ刃部と前記ガイド部とが1つずつ設けられることとしてもよい。
この場合、簡単な構成によって上述した効果が得られることになる。
また、本発明のブローチにおいて、前記組刃には、1つの前記切れ刃部と、該切れ刃部の前記工具送り方向の後方に配列する複数の前記ガイド部と、が設けられることとしてもよい。
この場合、組刃に設けられた複数のガイド部によって、被削材の下孔とブローチ本体とがより高精度に芯合わせされた状態から、これらガイド部に続く他の組刃の切れ刃部が下孔に切り込まれることになる。よって上述した効果がより顕著に奏功される。
また、本発明のブローチにおいて、前記組刃を構成する前記切れ刃部及び前記ガイド部が、一体に形成されていることとしてもよい。
この場合、組刃の切れ刃部が切削加工した内周に、続くガイド部が安定して摺接しやすくなり、上述した効果がより顕著となる。
本発明のブローチによれば、被削材の下孔に加工される内歯車形状等の所定形状において、溝加工及び内周加工の同軸度を精度よく確保して加工品位を高めることができ、かつ、種々様々な被削材に容易に対応可能である。
本発明の一実施形態に係るブローチを示す側面図である。 図1のブローチにおけるスプライン刃群の横断面図である。 図1のブローチにおける丸刃群の横断面図である。 被削材の下孔を加工して形成された内歯車形状(所定形状)の一部を拡大して説明する図である。 図1のブローチの切れ刃の要部を拡大して示す縦断面図である。 丸刃群における組刃の外径(つまり被削材への切り込み量)を説明するグラフである。 丸刃群の組刃の変形例を示す図である。 丸刃群の組刃の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係るブローチ1について、図面を参照して説明する。
本実施形態のブローチ1は、被削材に予め形成された下孔に対して、溝加工及び内周加工をこの順に施して内歯車形状(所定形状)を形成する、後丸刃付きブローチである。
図1に示されるように、ブローチ1は、軸状をなすブローチ本体2と、ブローチ本体2の外周に該ブローチ本体2の軸線O方向に間隔をあけて配列された複数の切れ刃3と、を備え、不図示の被削材に形成された下孔にブローチ本体2を軸線O方向に沿う工具送り方向Dに向けて挿入するとともに移動させて、複数の切れ刃3により前記下孔を溝加工及び内周加工して、内歯車形状に切削加工する。
ここで、ブローチ本体2は、その軸線Oが被削材の下孔の中心軸に対して同軸となるように、該下孔内に挿入される。本明細書では、ブローチ本体2の軸線O方向のうち、被削材に対してブローチ本体2が送られる向き(図1における左側)を工具送り方向D(又は工具送り方向Dの前方)といい、これとは反対側の向き(図1における右側)を工具送り方向Dの後方という。また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
ブローチ本体2は、工具送り方向Dの前方の端部に位置する前つかみ部4と、工具送り方向Dの後方の端部に位置する後つかみ部5と、前つかみ部4と後つかみ部5との間に配置された複数の切れ刃3と、を備えている。また、ブローチ本体2において、前つかみ部4と複数の切れ刃3との間には前部案内6が配置され、複数の切れ刃3と後つかみ部5との間には後部案内7が配置されている。
前つかみ部4及び後つかみ部5は、不図示のブローチ盤により支持される。図示の例では、前つかみ部4及び後つかみ部5は、ともに丸首形となっている。尚、これらの前つかみ部4及び後つかみ部5は、上記丸首形以外の例えばコッタ形、DIN形、台形溝形等であってもよい。
前部案内6及び後部案内7は、ともに丸棒状又は円柱状をなしている。
前部案内6は、被削材に最初に切り込まれる、工具送り方向Dの最も前方に位置する切れ刃3(後述するスプライン刃13)を、下孔に対して径方向に精度よく位置決めし案内する目的で設けられる。
後部案内7は、被削材に最後に切り込まれる、工具送り方向Dの最も後方に位置する切れ刃3(後述する丸刃14)が切削を終えるまで、ブローチ本体2と被削材とを径方向に位置決めする目的で設けられる。
切れ刃3は、ブローチ本体2の外周に複数突設されている。図5に示されるように、各切れ刃3において、工具送り方向Dの前方を向く面は、すくい面8とされており、径方向の外側を向く面は、逃げ面9とされている。
図5に示される縦断面視で、すくい面8は、径方向外側(図5における上側)へ向かうに従い漸次工具送り方向Dの前方に向かって傾斜して延びており、逃げ面9は、工具送り方向Dの後方に向かうに従い漸次径方向内側(図5における下側)に向かって傾斜して延びている。また、切れ刃3におけるすくい面8と逃げ面9との交差稜線が、被削材に切り込む刃先10となっている。
図1に示されるように、複数の切れ刃3には、被削材の下孔に溝加工を施すスプライン刃群11と、スプライン刃群11よりも工具送り方向Dの後方に配置され、前記下孔に内周加工を施す丸刃群12と、が備えられている。
スプライン刃群11は、ブローチ本体2の外周に軸線O方向に間隔をあけて配列された複数のスプライン刃13を備えている。図2に示される横断面視で、スプライン刃13は、全体として歯車形状をなしており、ブローチ本体2の外周から径方向外側に向けて突出するとともに周方向に間隔をあけて配列された複数の刃部13aを有している。これにより、ブローチ本体2の外周には、軸線O方向に沿うように配列された複数の刃部13aからなる列が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。スプライン刃13においては、各刃部13aに対して、すくい面8、逃げ面9及び刃先10が形成されており、周方向に隣り合う刃部13a同士の間に位置する凹状の部分は、切削に特に寄与しない刃底部となっている。
スプライン刃群11において軸線O方向に隣り合うスプライン刃13同士のうち、工具送り方向Dの後方に位置するスプライン刃13は、その工具送り方向Dの前方に位置するスプライン刃13に対して、刃部13aの径方向外側へ向けた突出量が、同等か又は大きくされている。また、後方に位置するスプライン刃13は、その前方に位置するスプライン刃13に対して、刃部13aの周方向に沿う幅が、同等か又は小さくされている。尚、後方に位置するスプライン刃13は、その前方に位置するスプライン刃13に対して、刃部13aの周方向に沿う幅が大きくされていてもよい。すなわち、後方に位置するスプライン刃13は、その前方に位置するスプライン刃13が切削していない箇所を切削可能に形成されている。
図4において、本実施形態のブローチ1により被削材Wの下孔に加工される内歯車形状のうち、スプライン刃群11は、符号Aで示される凹状の歯部(歯溝)を切削する。歯部Aは、被削材の下孔の内周から径方向外側へ向けて窪まされるとともに、周方向に間隔をあけて複数形成される。歯部Aには、内歯車形状において最外周をなす大径部a1と、最内周をなす小径部B及び前記大径部a1の間に位置して凹曲面状をなす一対の歯面a2と、が含まれる。
図1において、丸刃群12は、ブローチ本体2の外周に軸線O方向に間隔をあけて配列された複数の丸刃14を備えている。図3に示される縦断面視で、丸刃14は、ブローチ本体2の外周から径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる円環形状をなしている。
図4において、丸刃群12は、被削材Wの下孔に加工される内歯車形状のうち、符号Bで示される凹曲面状の小径部(内周部)を切削する。図4に示される正面視で、小径部Bは円弧状をなしており、周方向に間隔をあけて複数形成される。これらの小径部Bは、すべて同一の仮想円上に配置される。
そして、図5において、丸刃群12には、被削材Wの下孔の内周に切り込む切れ刃部17と、切れ刃部17の工具送り方向Dの後方に隣り合って配置され、該切れ刃部17の径方向の高さと同一の前記高さとされたガイド部18と、からなる組刃15A、15B、…が軸線O方向に沿って複数設けられている。
ここで、本明細書でいう「組刃15における切れ刃部17の高さとガイド部18の高さが同一」とは、切れ刃部17が切削した下孔の内周に対して、この切れ刃部17に続くガイド部18が摺接可能である状態を表しており、従って、切削加工後のスプリングバック等を鑑みて、切れ刃部17の高さに対してガイド部18の高さが極僅かに小さくされた状態をも含む概念である。
また、軸線O方向に隣り合う組刃15A、15B同士のうち、工具送り方向Dの前方に位置する一の組刃15Aにおける切れ刃部17及びガイド部18の高さHaに対して、該一の組刃15Aの工具送り方向Dの後方に位置する他の組刃15Bにおける切れ刃部17及びガイド部18の高さHbが大きくされている。尚、図示の例では、切れ刃部17及びガイド部18の高さHa、Hbが、軸線Oから刃先10までの距離(半径)により表されているが、高さHa、Hbは、切れ刃部17及びガイド部18の径方向の位置を特定できればよいことから、前記半径に限定されるものではない。
本実施形態では、各組刃15(15A、15B、…)を構成する切れ刃部17とガイド部18とが、軸線O方向に互いに離間して(つまり別体として)形成されており、すべての切れ刃部17及びガイド部18が、丸刃14によりそれぞれ形成されている。すなわち、一の組刃15Aにおける切れ刃部17とガイド部18とは、互いに同一の高さHaとされた複数の丸刃14が軸線O方向に間隔をあけて配列されることにより形成されており、他の組刃15Bにおける切れ刃部17とガイド部18とは、互いに同一の高さHbとされた複数の丸刃14が軸線O方向に間隔をあけて配列されることにより形成されている。
具体的に、各組刃15を構成する複数の丸刃14のうち、最も工具送り方向Dの前方に位置する丸刃14が切れ刃部17とされ、該丸刃14以外の丸刃14がガイド部18とされている。
尚、本実施形態においては、各組刃15には、切れ刃部17とガイド部18とが1つずつ設けられている(つまり同一高さの丸刃14が2つ設けられている)。
このように、軸線O方向に隣り合う組刃15A、15Bのうち、一の組刃15Aの複数の丸刃14の高さHaに対して、他の組刃15Bの複数の丸刃14の高さHbが高くなっていることで、各組刃15A、15B、…において切れ刃部17とされた丸刃14が被削材の下孔の内周に切り込んでいき、ガイド部18とされた丸刃14が切削直後の内周に摺接しつつ該下孔の中心軸とブローチ本体2の軸線Oとを芯合わせする。
具体的に本実施形態では、図6に示されるように、丸刃群12の複数の丸刃14のうち、最も工具送り方向Dの前方に位置する丸刃14を丸刃No.1とした場合に、該丸刃No.1から工具送り方向Dの後方へ向かって丸刃No.2、丸刃No.3、丸刃No.4、…と進むに従い、奇数刃(丸刃No.3、丸刃No.5、丸刃No.7)の各丸刃14で径方向の高さが段階的に大きくされている。
尚、奇数刃とされた複数の丸刃14のうち、丸刃No.1とされた丸刃14の高さについては、下孔の内周に切り込まれることなく摺接するように設定してもよい。
また本実施形態では、図5において、組刃15の切れ刃部17の軸線O方向に沿う長さ(ピッチ)P1と、該組刃15のガイド部18の軸線O方向に沿う長さP2とが、互いに同一とされている。
尚、ガイド部18とされた丸刃14については、被削材の下孔に切り込む目的で設けられたものではないことから、上述したすくい面8のようにポジのすくい角を付与する必要はなく、よって当該丸刃14のすくい角については、ネガ(0°以下)としても構わない。また、ガイド部18の丸刃14の逃げ角についても、ネガ(0°以下)として構わない。このように、ガイド部18とされた丸刃14が下孔の内周に切り込まれることが抑制された構成である場合は、該ガイド部18が下孔の内周に対して確実に摺接しやすくなって、後続の切削用の丸刃14(切れ刃部17)に対するガイド機能をより効果的に発揮することができる。
以上説明した本実施形態のブローチ1では、被削材の下孔にブローチ本体2が挿入され、工具送り方向Dに送られることで、該下孔に対して、スプライン刃群11が溝加工(内歯車形状の歯部Aの加工)を施した後、続いて丸刃群12が内周加工(内歯車形状の小径部Bの加工)を施すようになっている。
本実施形態のブローチ1によれば、丸刃群12が、切れ刃部17と、該切れ刃部17の高さと同一の高さとされたガイド部18と、からなる組刃15A、15B、…を軸線O方向に沿って複数有しているので、これら組刃15A、15B、…のうち、一の組刃15Aにおける切れ刃部17が被削材Wの下孔に切り込んで内周加工した後、該一の組刃15Aのガイド部18がこの下孔内周に摺接して、該下孔の中心軸とブローチ本体2の軸線Oとを芯合わせする。そしてこの状態から、前記一の組刃15Aに続く他の組刃(工具送り方向Dの後方に位置する組刃)15Bの切れ刃部17が、被削材Wの下孔内周に切り込んでいく。このような作用が、各組刃15において連続的に得られることとなる。
従って、例えば交互丸刃付きブローチのように複雑な構造を用いることなく、スプライン刃群11の後方に、段階的に高さが高くなる複数の組刃15を備えた丸刃群12を配置した簡単な構成によって、被削材Wの下孔に加工される内歯車形状の歯部Aと小径部Bの同軸度を精度よく確保でき、加工品位を高めることができる。
さらに、従来の交互丸刃では対応が難しい、軸線O方向に沿う長さが短い被削材Wに対しても、本実施形態のブローチ1の構成によれば、同一種類の切れ刃3同士(スプライン刃13同士、或いは丸刃14同士)を複数刃ずつ同時に下孔に切り込ませることが簡単に行えるので、種々様々な被削材Wに容易に対応可能である。
また、本実施形態では、組刃15を構成する切れ刃部17とガイド部18とが、互いに離間して形成されており、またこれらの切れ刃部17及びガイド部18が、それぞれ丸刃14で形成されているので、下記の効果を奏功する。
すなわち、組刃15の切れ刃部17とガイド部18とを互いに離間して形成することで、ブローチ本体2を作製しやすくなる。さらに、これら切れ刃部17及びガイド部18をそれぞれ丸刃14で形成することで、ブローチ本体2の製造がより容易となる。すなわち、切れ刃部17とガイド部18とを各機能によって互いに異なる形状とすることなく、ともに丸刃群12を構成する複数の丸刃14により形成できることから、製造が簡単である。
また本実施形態において、組刃15には、切れ刃部17とガイド部18とが1つずつ設けられており、このような簡単な構成によって、上述した効果が得られることになる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図5において、組刃15の切れ刃部17のピッチP1とガイド部18のピッチP2とが互いに同一であるとしたが、ピッチP1とピッチP2とは互いに異なっていてもよい。具体的に、ガイド部18とされる丸刃14は切削に供される切れ刃3ではないことから、ガイド部18の工具送り方向Dの前方に位置して切屑収容部となる刃溝20の軸線O方向に沿う長さを、切れ刃部17の工具送り方向Dの前方に位置する刃溝19の軸線O方向に沿う長さより短くしてよい。これにより、ピッチP2に対してピッチP1が短くなるとともに、各組刃15の軸線O方向に沿う全長が短縮されて、さらに種々様々な被削材Wの形状(特に厚さが薄いもの)に対応可能である。
また、前述の実施形態では、組刃15には、切れ刃部17とガイド部18とが1つずつ設けられることとしたが、これに限定されるものではない。
ここで、図7は、組刃の変形例を示している。
この変形例では、丸刃群12には、軸線O方向に沿って複数の組刃25A、25B、…が設けられており、各組刃25には、1つの切れ刃部17と、該切れ刃部17の工具送り方向Dの後方に位置し軸線Oに沿って配列する複数のガイド部18と、が設けられている。この場合、一の組刃25Aに設けられた複数のガイド部18によって、被削材Wの下孔とブローチ本体2とがより高精度に芯合わせされた状態から、これらガイド部18に続く他の組刃25Bの切れ刃部17が下孔に切り込まれることになる。よって上述した効果がより顕著に奏功される。
尚、図7の変形例のように、1つの組刃25に複数のガイド部18が設けられる場合には、該組刃25の軸線O方向に沿う全長が長くなるとともに切れ刃部17の総数が少なくなることが考えられ、この場合、各切れ刃部17の切り込み量が増大するので、下孔の内径を予め大きく設定しておき、各切れ刃部17の切り込み量を抑えることが好ましい。
また、前述の実施形態では、組刃15には、切れ刃部17とガイド部18とが別体に設けられることとしたが、これに限定されるものではない。
ここで、図8は、組刃の変形例を示している。
この変形例では、丸刃群12には、軸線O方向に沿って複数の組刃35A、35B、…が設けられており、各組刃35を構成する切れ刃部17及びガイド部18が、一体に形成されている。具体的に、組刃35は、上述した丸刃14よりも軸線O方向に沿う長さが大きく設定された単一の丸刃からなり、各組刃35の工具送り方向Dの前端部が切れ刃部17とされ、該前端部の後方に位置する部位がガイド部18となっている。この場合、組刃35の切れ刃部17が切削加工した内周に、続くガイド部18が安定して摺接しやすくなり、上述した効果がより顕著となる。
また、前述の実施形態では、ブローチ1が被削材の下孔を切削加工して内歯車形状を形成すると説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、ブローチ1は、被削材の下孔を溝加工及び内周加工して所定形状に切削加工するものであればよく、前述した内歯車形状以外の、例えばセレーション形状やキー溝形状に切削加工するものであってもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 ブローチ
2 ブローチ本体
3 切れ刃
11 スプライン刃群
12 丸刃群
14 丸刃
15、25、35 組刃
15A、25A、35A 一の組刃
15B、25B、35B 他の組刃
17 切れ刃部
18 ガイド部
D 工具送り方向
Ha 一の組刃の切れ刃部及びガイド部の高さ
Hb 他の組刃の切れ刃部及びガイド部の高さ
O ブローチ本体の軸線
W 被削材

Claims (6)

  1. 軸状をなすブローチ本体と、
    前記ブローチ本体の外周に該ブローチ本体の軸線方向に間隔をあけて配列された複数の切れ刃と、を備え、
    被削材に形成された下孔に前記ブローチ本体を前記軸線方向に沿う工具送り方向に向けて挿入するとともに、前記複数の切れ刃により前記下孔を溝加工及び内周加工して所定形状に切削加工するブローチであって、
    前記複数の切れ刃には、
    前記下孔に溝加工を施すスプライン刃群と、
    前記スプライン刃群よりも前記工具送り方向の後方に配置され、前記下孔に内周加工を施す丸刃群と、が備えられ、
    前記丸刃群には、
    前記下孔の内周に切り込む切れ刃部と、
    前記切れ刃部の前記工具送り方向の後方に隣り合って配置され、該切れ刃部の前記軸線方向に直交する径方向の高さと同一の前記高さとされたガイド部と、からなる組刃が前記軸線方向に沿って複数設けられており、
    前記軸線方向に隣り合う前記組刃同士のうち、一の組刃における前記切れ刃部及び前記ガイド部の高さに対して、該一の組刃の前記工具送り方向の後方に位置する他の組刃における前記切れ刃部及び前記ガイド部の高さが大きくされていることを特徴とするブローチ。
  2. 請求項1に記載のブローチであって、
    前記組刃を構成する前記切れ刃部と前記ガイド部とが、互いに離間して形成されていることを特徴とするブローチ。
  3. 請求項2に記載のブローチであって、
    前記切れ刃部及び前記ガイド部が、それぞれ丸刃で形成されていることを特徴とするブローチ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のブローチであって、
    前記組刃には、前記切れ刃部と前記ガイド部とが1つずつ設けられることを特徴とするブローチ。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のブローチであって、
    前記組刃には、1つの前記切れ刃部と、該切れ刃部の前記工具送り方向の後方に配列する複数の前記ガイド部と、が設けられることを特徴とするブローチ。
  6. 請求項1に記載のブローチであって、
    前記組刃を構成する前記切れ刃部及び前記ガイド部が、一体に形成されていることを特徴とするブローチ。
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