JPH10315044A - ヘリカルブローチ加工方法及びヘリカルブローチ - Google Patents
ヘリカルブローチ加工方法及びヘリカルブローチInfo
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- JPH10315044A JPH10315044A JP9139144A JP13914497A JPH10315044A JP H10315044 A JPH10315044 A JP H10315044A JP 9139144 A JP9139144 A JP 9139144A JP 13914497 A JP13914497 A JP 13914497A JP H10315044 A JPH10315044 A JP H10315044A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 外径上がり切削方式のみにて、構造が簡単
で、長さも増すことなく、捻れ歯の内歯車や螺旋状のス
プライン溝の加工を高精度にブローチ加工する。 【解決手段】 ヘリカルブローチ加工において、被工作
物の周(例えば歯厚)方向に取り代を残して仕上げ刃径
18と下穴径15とのほぼ中間径17までの前部切削部
20a〜20eを外径上がり切削し、次に周(歯厚)方
向に切り残した取り代を周方向仕上げ寸法になるように
下穴径から中間径よりやや小さい径16までの中部切削
部21a〜21eを外径上がり切削し、次に中間径より
やや小さい径から仕上り径までの後部切削部22a〜2
2gを周方向仕上げ寸法(歯厚)及び仕上げ刃径になる
ようにかつ各刃の切削断面積がほぼ一定になるように外
径上がり切削し、仕上げ刃径と同じ複数枚の仕上げ部1
1でブローチ仕上げする。
で、長さも増すことなく、捻れ歯の内歯車や螺旋状のス
プライン溝の加工を高精度にブローチ加工する。 【解決手段】 ヘリカルブローチ加工において、被工作
物の周(例えば歯厚)方向に取り代を残して仕上げ刃径
18と下穴径15とのほぼ中間径17までの前部切削部
20a〜20eを外径上がり切削し、次に周(歯厚)方
向に切り残した取り代を周方向仕上げ寸法になるように
下穴径から中間径よりやや小さい径16までの中部切削
部21a〜21eを外径上がり切削し、次に中間径より
やや小さい径から仕上り径までの後部切削部22a〜2
2gを周方向仕上げ寸法(歯厚)及び仕上げ刃径になる
ようにかつ各刃の切削断面積がほぼ一定になるように外
径上がり切削し、仕上げ刃径と同じ複数枚の仕上げ部1
1でブローチ仕上げする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願はヘリカル内歯車等のね
じれ溝穴をブローチ加工するための加工方法及びヘリカ
ルブローチの改良に関する。
じれ溝穴をブローチ加工するための加工方法及びヘリカ
ルブローチの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】六角穴、スプライン穴、インボリュート
スプライン穴、ヘリカル内歯車、セレーション穴等のブ
ローチ加工での切削方式には外径上がり切削方式(外径
切削方式)が一般に使用されている。この外径上がり切
削方式は例えば、図6に示すように3本組の組ブローチ
によりNo1〜3の順に順次外径を継ぎ足していく継ぎ
足し方式や、この継ぎ足し方式で生じる継ぎ足し部の段
付31a,31bを防止するために図7に示すようなN
o1ブローチ、No2ブローチの粗ブローチで穴の中央
側部を外径上がりで切削し、最終的にNo3の仕上げブ
ローチで外径上がり切削する方式等がある。また、かか
るセレーション穴等のような形状のものは1刃毎の切込
量が一定であっても、加工が進むに従って切削幅が漸減
するので、切削断面積が漸減するような場合は、切削断
面積がほぼ等しくなるように1刃毎の切込量を漸増した
ものが知られている。
スプライン穴、ヘリカル内歯車、セレーション穴等のブ
ローチ加工での切削方式には外径上がり切削方式(外径
切削方式)が一般に使用されている。この外径上がり切
削方式は例えば、図6に示すように3本組の組ブローチ
によりNo1〜3の順に順次外径を継ぎ足していく継ぎ
足し方式や、この継ぎ足し方式で生じる継ぎ足し部の段
付31a,31bを防止するために図7に示すようなN
o1ブローチ、No2ブローチの粗ブローチで穴の中央
側部を外径上がりで切削し、最終的にNo3の仕上げブ
ローチで外径上がり切削する方式等がある。また、かか
るセレーション穴等のような形状のものは1刃毎の切込
量が一定であっても、加工が進むに従って切削幅が漸減
するので、切削断面積が漸減するような場合は、切削断
面積がほぼ等しくなるように1刃毎の切込量を漸増した
ものが知られている。
【0003】ところが、捻れ歯の内歯車や螺旋状のスプ
ライン溝の加工を、かかる外径上がり切削方式のみで高
精度な歯形を加工するためには、切削断面積を減じ切削
刃の数を増したり、粗工程や仕上げ工程を増したりする
必要があるため、長さが長くなってしまったり、粗用、
仕上げ用の刃の組合せや、構造が複雑になってしまうと
いう問題があった。
ライン溝の加工を、かかる外径上がり切削方式のみで高
精度な歯形を加工するためには、切削断面積を減じ切削
刃の数を増したり、粗工程や仕上げ工程を増したりする
必要があるため、長さが長くなってしまったり、粗用、
仕上げ用の刃の組合せや、構造が複雑になってしまうと
いう問題があった。
【0004】そこで、図5に示すように、歯形に取り代
32を残して外径上がり切削方式で粗加工33a〜33
qを行ってから、被加工物の周方向である歯厚が順次大
きくなっている歯厚上がり切削方式で歯形34の仕上げ
加工を行っている。このようにすると最終刃で周方向仕
上げ寸法(歯厚寸法)となり、また、最終刃のブローチ
精度が歯仕上げ面に写されるので、高精度の仕上げが可
能である。
32を残して外径上がり切削方式で粗加工33a〜33
qを行ってから、被加工物の周方向である歯厚が順次大
きくなっている歯厚上がり切削方式で歯形34の仕上げ
加工を行っている。このようにすると最終刃で周方向仕
上げ寸法(歯厚寸法)となり、また、最終刃のブローチ
精度が歯仕上げ面に写されるので、高精度の仕上げが可
能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、外径上がり
方式の粗加工と歯厚上がり切削方式の仕上げでは切削方
式が異なるため、ブローチを一体で製作することは難し
く、例えば、実公平8-8019号公報や特公平8-18181 号公
報にみられるように、図4に示すような仕上げ部分はシ
ェル41として別体物にして粗刃42より形成される本
体43の後部に組みつけロックナット44で固定するよ
うにされている。しかし、このものは、シェル41だけ
を取り替えたりもできる反面、粗刃42と仕上げ刃であ
るシェル41とを別々に再研削しなければならず工数が
掛かり、高価になるという問題があった。また従来シェ
ル41が歯厚方向のみ切削し外径を切削させないため
に、粗加工時に図5に示す角部(ぬすみ部)35を加工
していたがこれは歯車の強度を低下させるという問題が
あった。
方式の粗加工と歯厚上がり切削方式の仕上げでは切削方
式が異なるため、ブローチを一体で製作することは難し
く、例えば、実公平8-8019号公報や特公平8-18181 号公
報にみられるように、図4に示すような仕上げ部分はシ
ェル41として別体物にして粗刃42より形成される本
体43の後部に組みつけロックナット44で固定するよ
うにされている。しかし、このものは、シェル41だけ
を取り替えたりもできる反面、粗刃42と仕上げ刃であ
るシェル41とを別々に再研削しなければならず工数が
掛かり、高価になるという問題があった。また従来シェ
ル41が歯厚方向のみ切削し外径を切削させないため
に、粗加工時に図5に示す角部(ぬすみ部)35を加工
していたがこれは歯車の強度を低下させるという問題が
あった。
【0006】本発明の課題は、製作、再研削が、簡単で
歯車等の強度を低下させる角部の不要な外径上がり切削
方式のみにて、従来と同様構造が簡単で、長さも増すこ
となく、捻れ歯の内歯車や螺旋状のスプライン溝の加工
を高精度に加工するヘリカルブローチ加工方法及びヘリ
カルブローチを提供することにある。
歯車等の強度を低下させる角部の不要な外径上がり切削
方式のみにて、従来と同様構造が簡単で、長さも増すこ
となく、捻れ歯の内歯車や螺旋状のスプライン溝の加工
を高精度に加工するヘリカルブローチ加工方法及びヘリ
カルブローチを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明おいては、かかる
課題を解決するために、ヘリカルブローチ加工におい
て、被加工物の周方向(歯車の場合の歯厚方向である。
以下同じ)に取り代を残して仕上げ刃径と下穴径とのほ
ぼ中間径までの前部切削部を外径上がり切削する。次に
周方向に切り残した取り代を仕上げ寸法になるように下
穴径から、切削された中間径よりやや小さい径までの中
部切削部を外径上がり切削する。次に中間径よりやや小
さい径である中部最終径から仕上り径までの後部切削部
を周方向仕上げ寸法(歯車の場合の仕上げ歯厚である。
以下同じ)及び仕上げ刃径になるようにかつ各刃の切削
断面積がほぼ一定になるように外径上がり切削する。さ
らに、最終工程で、周方向仕上げ寸法及び仕上げ刃径と
同じ複数枚の仕上げ部でブローチ仕上げすることによっ
て解決した。
課題を解決するために、ヘリカルブローチ加工におい
て、被加工物の周方向(歯車の場合の歯厚方向である。
以下同じ)に取り代を残して仕上げ刃径と下穴径とのほ
ぼ中間径までの前部切削部を外径上がり切削する。次に
周方向に切り残した取り代を仕上げ寸法になるように下
穴径から、切削された中間径よりやや小さい径までの中
部切削部を外径上がり切削する。次に中間径よりやや小
さい径である中部最終径から仕上り径までの後部切削部
を周方向仕上げ寸法(歯車の場合の仕上げ歯厚である。
以下同じ)及び仕上げ刃径になるようにかつ各刃の切削
断面積がほぼ一定になるように外径上がり切削する。さ
らに、最終工程で、周方向仕上げ寸法及び仕上げ刃径と
同じ複数枚の仕上げ部でブローチ仕上げすることによっ
て解決した。
【0008】即ち、ブローチ加工は断続切削になるた
め、仕上げを良くするためには、切削断面積を小さくし
たり、振動が起きないように、切削断面積が均一、また
は変化が少なくなるようにするのが好ましい。しかし、
インボリュート歯形等の歯元から先端にむかって幅が減
少するものでは、歯元においては幅が大きく、切削断面
積を小さくするには切込量を小さくしなければならない
ので、却って滑りが大きく、刃がワークに喰付きにくく
なり安定した切削が行えない。逆に、大きくすると切削
荷重が大きくなり、振動も増大し、精度が悪くなる。
め、仕上げを良くするためには、切削断面積を小さくし
たり、振動が起きないように、切削断面積が均一、また
は変化が少なくなるようにするのが好ましい。しかし、
インボリュート歯形等の歯元から先端にむかって幅が減
少するものでは、歯元においては幅が大きく、切削断面
積を小さくするには切込量を小さくしなければならない
ので、却って滑りが大きく、刃がワークに喰付きにくく
なり安定した切削が行えない。逆に、大きくすると切削
荷重が大きくなり、振動も増大し、精度が悪くなる。
【0009】一方、歯先では、歯幅が狭くなるので、切
削荷重は歯元に比べると充分小さい。そこで、本発明に
おいては、粗切削はほぼ歯丈の中間位置までとし、歯元
側と歯先側の切削断面積ができる限り一致するように
し、さらに、歯先側においては、切削断面積がほぼ均一
とするようにした。さらに、最終工程として仕上がり径
と同じ複数枚の仕上げ部で仕上げるようにしたものであ
る。
削荷重は歯元に比べると充分小さい。そこで、本発明に
おいては、粗切削はほぼ歯丈の中間位置までとし、歯元
側と歯先側の切削断面積ができる限り一致するように
し、さらに、歯先側においては、切削断面積がほぼ均一
とするようにした。さらに、最終工程として仕上がり径
と同じ複数枚の仕上げ部で仕上げるようにしたものであ
る。
【0010】かかるブローチ加工方法においては、ヘリ
カルブローチにおいて、ブローチ刃部が、周方向(歯車
等では歯厚方向である。以下同じ)に取り代を残して仕
上げ刃径と下穴径とのほぼ中間径までの前部切削部を外
径上がり切削する切刃を有する前部と、該前部に続いて
前部で切り残した取り代を下穴径から前部最終径よりや
や小さい径までの中部切削部を外径上がり切削する切刃
を有する中部と、該中部に続いて中部最終径から仕上り
刃径までの後部切削部を外径上がり切削する後部と、を
設け、後部の各切刃の切削断面積をほぼ一定にしたヘリ
カルブローチを用いればよい。
カルブローチにおいて、ブローチ刃部が、周方向(歯車
等では歯厚方向である。以下同じ)に取り代を残して仕
上げ刃径と下穴径とのほぼ中間径までの前部切削部を外
径上がり切削する切刃を有する前部と、該前部に続いて
前部で切り残した取り代を下穴径から前部最終径よりや
や小さい径までの中部切削部を外径上がり切削する切刃
を有する中部と、該中部に続いて中部最終径から仕上り
刃径までの後部切削部を外径上がり切削する後部と、を
設け、後部の各切刃の切削断面積をほぼ一定にしたヘリ
カルブローチを用いればよい。
【0011】後部の後半に同一形状寸法の複数の切刃か
らなる仕上げ部を設けるとよい。なお、最終工程用の仕
上がり径と同じ複数枚の仕上げ部を付加しても、また、
別工程にしてもよい。
らなる仕上げ部を設けるとよい。なお、最終工程用の仕
上がり径と同じ複数枚の仕上げ部を付加しても、また、
別工程にしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。図1、図2は本発明の切削方式を示す説明図、図
3は本発明のヘリカル内歯車加工用ブローチの側面図で
ある。図3に示すように、ヘリカルブローチ1は一体物
で、先端にヘリカルブローチをブローチ盤のプルヘッド
に取りつけるための前つかみ部2、被工作物の下穴に合
わせ、被工作物をブローチの最初の刃である第一刃4に
案内する前部案内部3、第一刃及び第一刃から刃丈が漸
増するように複数の切削刃5が設けられた粗加工用の前
部6、歯元側加工用の、刃丈が漸増するように複数の仕
上げ切削刃7が設けられた中部8、歯先側加工用の、刃
丈が漸増する複数の仕上げ切削刃9及び同一形状寸法の
複数の切削刃10からなる仕上げ部11が設けられた後
部12、ブローチ盤のリトリービングヘッドに取付るた
めの後つかみ部13が順次設けられている。仕上げ部を
除く各刃は全て外径上がり切削刃とされている。
する。図1、図2は本発明の切削方式を示す説明図、図
3は本発明のヘリカル内歯車加工用ブローチの側面図で
ある。図3に示すように、ヘリカルブローチ1は一体物
で、先端にヘリカルブローチをブローチ盤のプルヘッド
に取りつけるための前つかみ部2、被工作物の下穴に合
わせ、被工作物をブローチの最初の刃である第一刃4に
案内する前部案内部3、第一刃及び第一刃から刃丈が漸
増するように複数の切削刃5が設けられた粗加工用の前
部6、歯元側加工用の、刃丈が漸増するように複数の仕
上げ切削刃7が設けられた中部8、歯先側加工用の、刃
丈が漸増する複数の仕上げ切削刃9及び同一形状寸法の
複数の切削刃10からなる仕上げ部11が設けられた後
部12、ブローチ盤のリトリービングヘッドに取付るた
めの後つかみ部13が順次設けられている。仕上げ部を
除く各刃は全て外径上がり切削刃とされている。
【0013】粗加工用の前部6の切削刃4,5は、図2
に示すように、歯厚方向に取り代を残して仕上げ刃径1
8と下穴径15とのほぼ中間径17までの前部切削部2
0を加工するように形成され、図1に示すように、図の
下方の下穴径15から前部切削部20を順次外径仕上が
り20a〜20eで加工するようにされている。同様
に、歯元側加工用の中部8の切削刃7は、前部で切り残
した取り代のうち、図2に示す前部最終径である中間径
17よりやや小さい径の中部最終径16までの中部切削
部21を加工するように形成され、歯先側加工用の後部
12の切削刃9は図2に示す中部最終径16から仕上げ
刃径18までの後部切削部22を加工するように形成さ
れ、図1に示すように、図の下方からそれぞれ、中部切
削部21、後部切削部22を順次外径仕上がり21a〜
21e、22a〜22gで加工するようにされている。
に示すように、歯厚方向に取り代を残して仕上げ刃径1
8と下穴径15とのほぼ中間径17までの前部切削部2
0を加工するように形成され、図1に示すように、図の
下方の下穴径15から前部切削部20を順次外径仕上が
り20a〜20eで加工するようにされている。同様
に、歯元側加工用の中部8の切削刃7は、前部で切り残
した取り代のうち、図2に示す前部最終径である中間径
17よりやや小さい径の中部最終径16までの中部切削
部21を加工するように形成され、歯先側加工用の後部
12の切削刃9は図2に示す中部最終径16から仕上げ
刃径18までの後部切削部22を加工するように形成さ
れ、図1に示すように、図の下方からそれぞれ、中部切
削部21、後部切削部22を順次外径仕上がり21a〜
21e、22a〜22gで加工するようにされている。
【0014】歯先側加工用の後部12の切削刃9の切削
断面積がほぼ同一となるように刃丈方向の切込量が漸増
するようにされている。なお、歯元側加工用の中部8の
切削刃7の切削断面積は、歯先側加工用の切削刃9の切
削断面積より小さな値にされている。
断面積がほぼ同一となるように刃丈方向の切込量が漸増
するようにされている。なお、歯元側加工用の中部8の
切削刃7の切削断面積は、歯先側加工用の切削刃9の切
削断面積より小さな値にされている。
【0015】次に本発明の実施の形態について、作用を
説明すると、工作物の下穴15にヘリカルブローチをセ
ットし、前つかみ部2を図で下方に引くことによりブロ
ーチ加工が行われる。前部6で図1の前部切削部20a
〜20eを荒加工し、中部8で中部切削部21a〜21
eを外径上がり切削で仕上げ加工する。中部切削部21
は、切削断面積を小さくできるので外径上がり切削であ
っても、精度の良い加工面が確保できる。さらに、後部
12で後部切削部22a〜22gが加工されるが、後部
切削部はその切削断面積をほぼ均一にしているので、中
部切削部21より切削断面積が大きいのに係わらず切削
荷重の変動による振動が少なく精度の高い外径上がり切
削ができる。
説明すると、工作物の下穴15にヘリカルブローチをセ
ットし、前つかみ部2を図で下方に引くことによりブロ
ーチ加工が行われる。前部6で図1の前部切削部20a
〜20eを荒加工し、中部8で中部切削部21a〜21
eを外径上がり切削で仕上げ加工する。中部切削部21
は、切削断面積を小さくできるので外径上がり切削であ
っても、精度の良い加工面が確保できる。さらに、後部
12で後部切削部22a〜22gが加工されるが、後部
切削部はその切削断面積をほぼ均一にしているので、中
部切削部21より切削断面積が大きいのに係わらず切削
荷重の変動による振動が少なく精度の高い外径上がり切
削ができる。
【0016】
【実施例】上記、ブローチを用いて内歯車を実際に加工
した結果について述べる。工作物はインボリュート内歯
車であって、その諸元は、モジュール=1.5、圧力角
=22°、歯数=61枚、捻れ角=24.477°、歯
厚=1.650であり、工作物の材質はS45C相当で
ある。表1は本発明の切込量と歯厚の値を示したもので
ある。表1に示すように、ブローチの各刃の諸元は、前
部、中部はそれぞれ歯厚0.85mm、1.65mm
で、外径切込量は一刃当り80μm、100μmの一定
とし、後部を歯厚1.65mmで、一刃毎の切削断面積
がほぼ一定となるように、一刃当りの切込量を75μm
から100μmに段階的に増加した。なお、仕上げ部は
No.109〜113の5枚である。なお、ブローチ材
質は一般の高速度工具鋼を熱処理したものである。
した結果について述べる。工作物はインボリュート内歯
車であって、その諸元は、モジュール=1.5、圧力角
=22°、歯数=61枚、捻れ角=24.477°、歯
厚=1.650であり、工作物の材質はS45C相当で
ある。表1は本発明の切込量と歯厚の値を示したもので
ある。表1に示すように、ブローチの各刃の諸元は、前
部、中部はそれぞれ歯厚0.85mm、1.65mm
で、外径切込量は一刃当り80μm、100μmの一定
とし、後部を歯厚1.65mmで、一刃毎の切削断面積
がほぼ一定となるように、一刃当りの切込量を75μm
から100μmに段階的に増加した。なお、仕上げ部は
No.109〜113の5枚である。なお、ブローチ材
質は一般の高速度工具鋼を熱処理したものである。
【0017】
【表1】
【0018】その結果、加工した工作物の精度は従来の
シェル付組ブローチと同等の精度をえられた。
シェル付組ブローチと同等の精度をえられた。
【0019】なお、中部の歯元側も歯先側と同様に、歯
元面取部を除く各刃の切削断面積がほぼ一定になるよう
にしてもよい。このとき歯元面取部は歯形精度にはあま
り関係しないので、切削断面積を一定にする必要はな
い。また、実施例においては、刃溝は丸溝(軸直角)の
ものを用いたが、これをヘリカル溝(歯直角)にした
り、被削歯車の小径を切削する丸刃を設けたり、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更できることはいうま
でもない。
元面取部を除く各刃の切削断面積がほぼ一定になるよう
にしてもよい。このとき歯元面取部は歯形精度にはあま
り関係しないので、切削断面積を一定にする必要はな
い。また、実施例においては、刃溝は丸溝(軸直角)の
ものを用いたが、これをヘリカル溝(歯直角)にした
り、被削歯車の小径を切削する丸刃を設けたり、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更できることはいうま
でもない。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように本発明においては、被
工作物の周方向(歯車では歯厚方向)に取り代を残して
仕上げ刃径と下穴径とのほぼ中間径まで切削し、次に中
部で前部で切り残した取り代を下穴径から前部最終径よ
りやや小さい径まで切削し次に後部で切削断面積をほぼ
一定にして中部最終径から仕上り径まで切削し、仕上が
り加工部を小断面積とし、さらに、振動を少なくしたの
で、一体物で全刃外径上がり切削のヘリカルブローチで
シェル付きヘリカルブローチと同様の高精度な加工がで
き、角部も不要になり歯車強度の向上となり、再研削が
容易で製作しやすいものを提供するものとなった。
工作物の周方向(歯車では歯厚方向)に取り代を残して
仕上げ刃径と下穴径とのほぼ中間径まで切削し、次に中
部で前部で切り残した取り代を下穴径から前部最終径よ
りやや小さい径まで切削し次に後部で切削断面積をほぼ
一定にして中部最終径から仕上り径まで切削し、仕上が
り加工部を小断面積とし、さらに、振動を少なくしたの
で、一体物で全刃外径上がり切削のヘリカルブローチで
シェル付きヘリカルブローチと同様の高精度な加工がで
き、角部も不要になり歯車強度の向上となり、再研削が
容易で製作しやすいものを提供するものとなった。
【図1】本発明の各刃毎の切削方式を示す説明図であ
る。
る。
【図2】本発明の各部の切削方式を示す説明図である。
【図3】(a)は、本発明のヘリカル内歯車加工用ブロ
ーチの側面図、(b)は、(a)のA−A線拡大断面図
である。
ーチの側面図、(b)は、(a)のA−A線拡大断面図
である。
【図4】従来のシェル付きヘリカルブローチの側面図で
ある。
ある。
【図5】従来のシェル付きヘリカルブローチの切削方式
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図6】従来の外径上がり切削ブローチの各刃毎の切削
方式(継ぎ足し式)を示す説明図である。
方式(継ぎ足し式)を示す説明図である。
【図7】従来の外径上がり切削ブローチの各刃毎の切削
方式(粗+粗+仕上げ)を示す説明図である。
方式(粗+粗+仕上げ)を示す説明図である。
1 ヘリカルブローチ 4、5 切刃(前部の切削刃) 6 前部 7 切刃(中部の切削刃) 8 中部 9 切刃(後部の切削刃) 10 切刃(仕上げ部の切削刃) 11 仕上げ部 12 後部 15 下穴径 16 中部最終径 17 中間径(前部最終径) 18 仕上げ刃径 19 周方向仕上げ寸法(歯厚寸法) 20 前部切削部 21 中部切削部 22 後部切削部
Claims (3)
- 【請求項1】 ヘリカルブローチ加工において、被加工
物の周方向に取り代を残して仕上げ刃径と下穴径とのほ
ぼ中間径までの前部切削部を外径上がり切削し、次に周
方向に切り残した取り代を仕上げ寸法になるように下穴
径から前記中間径よりやや小さい径までの中部切削部を
外径上がり切削し、次に前記中間径よりやや小さい径か
ら仕上り径までの後部切削部を周方向仕上げ寸法及び仕
上げ刃径になるようにかつ各刃の切削断面積がほぼ一定
になるように外径上がり切削し、前記周方向仕上げ寸法
及び仕上げ刃径と同じ複数枚の仕上げ部でブローチ仕上
げすることを特徴とするヘリカルブローチ加工方法。 - 【請求項2】 ヘリカルブローチにおいて、ブローチ刃
部が、周方向に取り代を残して仕上げ刃径と下穴径との
ほぼ中間径までの前部切削部を外径上がり切削する切刃
を有する前部と、該前部に続いて前部で切り残した取り
代を下穴径から前部最終径である中間径よりやや小さい
径までの中部切削部を外径上がり切削する切刃を有する
中部と、該中部に続いて中部最終径から仕上り径までの
後部切削部を外径上がり切削する後部と、を有し、前記
後部の各切刃の切削断面積がほぼ一定になるようにされ
ていることを特徴とするヘリカルブローチ。 - 【請求項3】 後部後半部に同一形状寸法の複数の切刃
からなる仕上げ部が設けられていることを特徴とする請
求項2記載のヘリカルブローチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9139144A JPH10315044A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | ヘリカルブローチ加工方法及びヘリカルブローチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9139144A JPH10315044A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | ヘリカルブローチ加工方法及びヘリカルブローチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10315044A true JPH10315044A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=15238597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9139144A Pending JPH10315044A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | ヘリカルブローチ加工方法及びヘリカルブローチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10315044A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1997
- 1997-05-15 JP JP9139144A patent/JPH10315044A/ja active Pending
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