JP2007098533A - ヘリカルブローチ - Google Patents

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Yoshio Kobayashi
好夫 小林
Hideyuki Fujiwara
秀之 藤原
Osamu Sakata
修 坂田
Kensuke Kono
賢祐 河野
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Abstract

【課題】 ワークの捩れ溝を高精度で加工できるとともに、ヘリカルブローチの製造コストやランニングコストの削減を図る。
【解決手段】 軸状のブローチ本体1の外周に、このブローチ本体1の軸線O回りに螺旋状に捩れる複数条の切刃列5を周方向に間隔をあけて形成し、これらの切刃列5に交差して延びる刃溝6を形成することにより、切刃列5に切刃7が形成された切刃部4を設け、この切刃部4を、ブローチ本体1先端側では刃溝6が軸線Oに垂直な平面に沿って延びる軸直刃溝6Aとされた軸直切刃部4Aとするとともに、ブローチ本体1後端側では刃溝6が軸線O回りに捩れる螺旋状刃溝6Bとされた螺旋切刃部4Bとし、これら軸直切刃部4Aと螺旋切刃部4Bとで切刃7をブローチ本体1に一体に形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばヘリカル内歯車のように内周に捩れ溝を有するワークを切削加工するのに用いられるヘリカルブローチに関するものである。
このようなヘリカル内歯車切削加工用のヘリカルブローチとしては、例えば特許文献1に、ブローチ本体先端の引張部から後方支持部に向かって刃高が高くなる外径方向切削用円筒刃部と、該刃部に続き歯厚方向切削用円筒刃部および仕上用円筒刃部が設けられたものが記載されている。ここで、これらの円筒刃部には、長手方向に所定のスプライン捩れ角をもって多数の刃列が形成されるとともに、この刃列に交差するように多数の刃溝が形成されて、上記刃列に多数の切刃が形成されており、この特許文献1では、上記刃溝がブローチ本体の軸心に対して直交するものを軸直刃溝、スプライン捩れ角に直角とされたものを歯直刃溝と称するとともに、刃溝捩れ角αをスプライン捩れ角β(19°<β≦34°)に対して0°<α<38°−βに限定することが提案されている。
特公平8−18181号公報
しかしながら、この特許文献1に記載されたヘリカルブローチは、このような刃列および刃溝とこれらによって形成される切刃とがブローチ本体に着脱される円筒刃部(シェル)に設けられた組立式のブローチであり、上記外径方向切削用と歯厚方向切削用と仕上用の各円筒刃部間で刃列が正確に上記スプライン捩れ角に沿って捩れるようにその位相を微調整しつつこれらの円筒刃部を取り付けるには、多くの時間と労力とを要することになる。しかも、切刃の再研削を行う場合などには、一旦これらの円筒刃部を取り外して切刃に再研削を施した後に再び位相を微調整しながら該円筒刃部を取り付けなければならず、ランニングコストが増大することが避けられない。さらに、これらの円筒刃部やブローチ本体には、該円筒刃部を正確に取り付けるための取付面の研削加工やキーおよびキー溝加工、あるいはブローチ本体側のナット等の取付部加工を要するとともに、円筒刃部そのものの素材費用も必要となるため、ブローチ自体もコスト高となる。
また、それにも拘わらず、このような円筒刃部をブローチ本体に取り付けるには、円筒刃部にブローチ本体を挿入するためのクリアランスが僅かながらでも必要となるため、これらの円筒刃部を如何に強固にブローチ本体に固定しようとしても、その取付剛性を確保するには限度がある。しかも、円筒刃部をブローチ本体に取り付ける際には、上述のような微調整をしても多少なりとも取付誤差が生じることは避けられないため、特に高い精度を要求される加工を行うことは困難になるおそれがあった。
さらに、この特許文献1では、ワーク(ヘリカル内歯車)の粗加工を行うブローチ本体先端側の外径方向切削用円筒刃部と歯厚方向切削用円筒刃部とが、当該ブローチ本体の軸線方向(長手方向)においてその大部分を占めていて、これらの円筒刃部では刃溝が上述のような歯直刃溝とされたり刃溝捩れ角αが上述のような範囲に限定されたりして、ブローチ本体の軸線回りに捩れる螺旋状とされている。ところが、このように螺旋状に捩れる刃溝を、ブローチ本体の大部分を占めるこれらの円筒刃部に確実に精度よく形成したり、あるいは上述の切刃の再研削の際に該刃溝を正確に所定の研削量で後退させることによって新たな切刃を研ぎ付けたりすることは極めて困難であり、加工コストやランニングコストの一層の増大を招くとともに、切刃の形成精度も損なわれて高精度の加工をさらに難しくする結果となる。
その一方で、この特許文献1に記載のヘリカルブローチにおいては、ワークの仕上げ加工を行うブローチ本体後端側の仕上用円筒刃部では、その刃溝が上記軸直刃溝とされており、刃溝および切刃の形成は比較的容易であるものの、各刃列の周方向に隣接する切刃同士は、その刃先がブローチ本体の軸線に直交する1の平面に沿って配設されることとなり、これらの刃先がブローチ本体の前進によって一気にワークに食い付くこととなる。このため、この仕上用円筒刃部では切刃の食い付き時の衝撃が大きくて、特にブローチ本体に着脱される当該仕上用円筒刃部に振動等が生じ易くなり、やはり加工精度を損ねる一因ともなっていた。
本発明は、このような背景の下になされたもので、ブローチ本体の切刃部(刃部)における刃溝および切刃の形成を正確かつ容易に行うことができるとともに該切刃部の剛性も十分に確保することが可能であり、ワークの捩れ溝の加工を高精度で行うことができて、しかもその製造コストやランニングコストの削減を図ることが可能なヘリカルブローチを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸状のブローチ本体の外周に、このブローチ本体の軸線回りに螺旋状に捩れる複数条の切刃列を周方向に間隔をあけて形成するとともに、これらの切刃列に交差して延びるように刃溝を形成することにより、上記切刃列に切刃が形成された切刃部を設け、この切刃部を、上記ブローチ本体の先端側では、上記刃溝が上記軸線に垂直な平面に沿って延びる軸直刃溝とされた軸直切刃部するとともに、該ブローチ本体の後端側では、上記刃溝が上記軸線回りに捩れる螺旋状刃溝とされた螺旋切刃部とし、これら軸直切刃部と螺旋切刃部とで上記切刃を上記ブローチ本体に一体に形成したことを特徴とする。
従って、このようなヘリカルブローチでは、まず切刃部の上記軸直切刃部と螺旋切刃部とにおいて、切刃が、ブローチ本体に着脱される円筒刃部に形成されたりすることなく、このブローチ本体に直接的に一体形成されているので、円筒刃部素材のコストが不要となるのは勿論、該円筒刃部を取り付けるための加工や取付時の位相の微調整等も不要となって、ブローチ自体の製造コストやランニングコストの削減を図ることができるとともに、切刃部に高い剛性を確保することができるため、ワークの加工精度の向上を促すことが可能となる。
さらに、切刃部のブローチ本体先端側が、上記刃溝が形成の容易な軸直刃溝とされた軸直切刃部とされているので、かかる軸直切刃部をワーク捩れ溝の粗加工用としてそのブローチ本体の軸線方向に占める割合を大きくすることにより、製造コストを一層削減するとともに、該軸直切刃部において刃溝および切刃を正確に形成して加工精度をより向上させることができる。なお、こうして軸直切刃部がブローチ本体に占める部分を大きくしても、切刃がブローチ本体に一体に形成されてその剛性が確保されているため、加工精度を損なうような振動が生じたりすることはない。
その一方で、ブローチ本体後端側の切刃部は、刃溝が軸線回りに捩れる螺旋状刃溝とされた螺旋切刃部とされているものの、上述のようにブローチ本体先端側の軸直切刃部が軸線方向に占める部分を大きくすることによって逆にこの螺旋切刃部がブローチ本体において占める部分は小さくなるので、この螺旋状刃溝自体の形成や該螺旋状刃溝と切刃列とが交差してなる切刃の形成および再研磨を容易かつ比較的正確に行うことが可能となる。
さらに、この螺旋切刃部では、刃溝が螺旋状とされるのに合わせて、この刃溝が切刃列と交差して形成される切刃も、複数条の切刃列間で周方向に隣接する切刃同士が刃溝の捩れに合わせて螺旋状に捩れるように配列されることとなり、ブローチ本体の前進に伴いこれらの切刃が順次ワークに食い付いて捩れ溝を切削することになるので、食い付き時の衝撃を抑えて振動の発生を確実に防止することができる。そして、このような螺旋切刃部がワークからの抜け際のブローチ本体後端側に配設されて捩れ溝の仕上げ加工を行うことになるため、上記構成のヘリカルブローチによれば、さらに高い精度でワーク捩れ溝の形成を行うことが可能となる。
ここで、上記軸直切刃部の最後端の上記切刃の刃先と、上記螺旋切刃部の最先端の上記切刃の刃先とは、その上記軸線方向における間隔が大きすぎると、これら軸直切刃部と螺旋切刃部との間でワークに切刃が食い付いていない状態が生じることとなり、ブローチ本体後端側の切刃が食い付く際に位置ずれが生じて加工精度が損なわれるおそれがあるので、これらの刃先の間隔は、該切刃によってワークに形成される捩れ溝の上記軸線方向の長さ以下とされるのが望ましい。
また、上記螺旋切刃部においては、螺旋状刃溝が上記軸線に垂直な平面に対してなす捩れ角が15°以下とされるのが望ましく、この捩れ角が15°を上回るほど大きいと、上記切刃列間の幅や条数、その軸線に対する捩れ角、あるいは螺旋状刃溝の幅や条数などにもよるが、ブローチ本体に垂直な1の平面上に位置する切刃の数が多くなるおそれがあって、螺旋切刃部における上述の衝撃抑制効果が十分に得られなくなるとともに、螺旋状刃溝が切刃列と交差する回数が少なくなって、この螺旋状切刃部に形成される切刃の数も少なくなるおそれもある。
図1ないし図4は、例えばヘリカル内歯車のように内周に捩れ溝を有するワークを切削加工する本発明のヘリカルブローチの一実施形態を示すものである。本実施形態においてブローチ本体1は、図1に示すように軸線Oを中心とした長尺の軸状をなし、その両端部は掴み部2,3とされるとともに、これら掴み部2,3の間は切刃部4とされている。そして、この切刃部4においてブローチ本体1の外周には、軸線O回りに螺旋状に捩れる複数条の切刃列5が周方向に間隔をあけて形成されているとともに、これらの切刃列5に交差して延びるように刃溝6が形成されており、こうして切刃列5に刃溝6が交差することにより、切刃部4には複数(多数)の切刃7が該切刃列5に沿って列をなすように形成されている。
上記複数条の切刃列5は、ワークに加工すべき捩れ溝の条数と等しい条数のものが周方向に等間隔に、かつそれぞれ該捩れ溝の捩れ角に応じた互いに等しい例えば15°〜30°の捩れ角θで捩れつつ軸線O方向に延びるように形成されており、これら切刃列5に上述のように刃溝6が交差することにより、該刃溝6のブローチ本体1後端側(図1ないし図3において右側)には、図2ないし図4に示すような上記切刃7が刃溝6の大きさ分だけ間隔をあけて形成されることとなる。言い換えれば、個々の切刃列5は、このような刃溝6と切刃7とが上記捩れ角θで捩れる螺旋に沿って交互に連続することにより形成されることとなる。
ここで、ブローチ本体1の先端側(図1ないし図3において左側)では、切刃部4は、上記刃溝6が軸線Oに垂直な平面に沿って延びる軸直刃溝6Aとされた軸直切刃部4Aとされている。従って、上記軸直刃溝6Aは該ブローチ本体1の外周を1周するように周回する環状に形成されて、上記軸直切刃部4Aでは、このような軸直刃溝6Aが軸線O方向に間隔をあけて複数(多数)形成されており、このため上記複数条の切刃列5間で周方向に隣接する切刃7同士も軸線Oに垂直な1の平面上に位置させられることとなる。なお、本実施形態ではこの軸直切刃部4Aが、軸線O方向において切刃部4の大部分を占めている。
また、この軸直切刃部4Aのうちでも、さらにそのブローチ本体1先端側の大部分は、ワークの捩れ溝をその径方向外周側に向けて徐々に拡径させてゆく外周切削部8とされており、すなわちこの外周切削部8では切刃7は、その軸線Oからの外径がブローチ本体1の後端側に向かうに従い大きくなるようにされた外周切削刃7Aとされている。これに対して、軸直切刃部4Aのうちこの外周切削部8よりもブローチ本体1後端側の部分においては、このような外周切削刃7Aと、ワークの内周面のうち隣接する捩れ溝同士の間の部分を切削する丸刃7Bとが軸線O方向に向けて交互に形成された交互丸刃部9とされており、この交互丸刃部9において上記丸刃7Bの軸線Oからの外径は、図4に示すようにこの軸線O方向に隣接する外周切削刃7Aよりも小さくされている。
一方、こうして外周切削部8と交互丸刃部9とにより構成される軸直切刃部4Aよりもブローチ本体1後端側では、切刃部4は、上記刃溝6が軸線O回りに捩れる螺旋状刃溝6Bとされた螺旋切刃部4Bとされている。従って、この螺旋切刃部4Bは、切刃部4においてその軸線O方向に占める割合(長さ)が軸直切刃部4Aよりも小さく、さらにこの軸直切刃部4Aのうち、上記外周切削部8は勿論、この外周切削部8より軸線O方向に占める割合の小さい交互丸刃部9のよりも、さらに軸線O方向に占める割合が小さくされている。
ここで、この螺旋切刃部4Bにおいて上記螺旋状刃溝6Bは、同じ螺旋状の切刃列5とは、その捩れの向きが逆向きとなるように、また軸線Oに対する捩れ角は切刃列5の上記捩れ角θよりも十分大きくなるように捩れており、軸線Oに垂直な平面に対してこの螺旋状刃溝6Bがなす捩れ角(すすみ角)λは15°以下とされている。なお、この捩れ角λは、切刃列5の捩れ角θと等しくされていてもよく、すなわち螺旋状刃溝6Bが特許文献1で言う歯直刃溝とされていてもよく、またこの捩れ角θより小さくされていてもよいが、0°となることはない。
さらに、本実施形態では、このような螺旋状刃溝6Bが複数条(例えば3条)、互いに等しい捩れ角λで周方向に等間隔に形成されている。従って、このように螺旋状刃溝6Bが形成されることにより、この螺旋切刃部4における切刃7は、複数条の切刃列5間で周方向に隣接する切刃7同士が、螺旋状刃溝6Bの捩れに沿ってブローチ本体1の後端側に順次ずらされるように配列されることとなる。
なお、この螺旋切刃部4Bにおいて切刃7は、その外径はすべて等しくされる一方で、周方向の厚さが切刃列5に沿ってブローチ本体1後端側に向かうに従い大きくなるようにされており、先端側の上記外周切削刃7Aによって所定の径(深さ)に形成されたワークの捩れ溝の溝幅を所定の大きさに仕上げる溝幅切削刃7Cとされている。例えば、このワークがヘリカル内歯車の場合には、この螺旋切刃部4Bは、ヘリカル内歯車の捩れ溝をその歯の歯厚方向に広げて仕上げる歯厚切削部10または仕上歯形部とされる。また、図2に示すように上記軸直切刃部4Aの最後端の切刃7(本実施形態では交互丸刃部9の外周切削刃7A)の刃先と、螺旋切刃部4B(歯厚切削部10)の最先端の切刃7(溝幅切削刃7C)の刃先との軸線O方向における間隔Lは、該切刃7によってワークに形成される捩れ溝の軸線O方向の長さ以下とされている。
そして、さらにこれらの切刃7は、上記軸直切刃部4Aと螺旋切刃部4Bとの双方において、ブローチ本体1に一体に形成されたものとされている。すなわち、この軸直切刃部4A(外周切削部8および交互丸刃部9)の外周切削刃7Aと丸刃7B、および螺旋切刃部4B(歯厚切削部10)の溝幅切削刃7Cは、いずれも軸状のブローチ本体1そのものの外周に、切刃列5の間の部分となる螺旋溝と上記刃溝6とが刻設されることによって形成されたものであり、この刃溝6に面してブローチ本体1先端側を向く面がすくい面とされるとともに、上記螺旋溝に面する切刃7の側面(ブローチ本体1周方向を向く面)には側面逃げ角が与えられ、また軸直切刃部4Aにはこれに加えてブローチ本体1の外周側を向く突端面にも外周逃げ角が与えられ、これらすくい面と逃げ角が与えられた側面および突端面との交差稜線部に刃先(切刃エッジ)が形成される。
このように構成されたヘリカルブローチでは、まずこうして切刃部4の軸直切刃部4Aと螺旋切刃部4Bにおける切刃7が軸状のブローチ本体1に一体に形成されたものであるので、該切刃を円筒刃部に形成してこの円筒刃部をブローチ本体に装着するのに比べ、円筒刃部となる素材をブローチ本体とは別に用意する必要がなく、またかかる円筒刃部をブローチ本体に精度よく取り付けるための互いの嵌挿部の研削加工や、キーおよびキー溝、ナット等の取付部の加工、および取付時の円筒刃部間における切刃列同士の位相の微調整も不要となる。従って、当該ヘリカルブローチを製造する際の製造コストを削減することができるとともに、例えば切刃7を再研磨する際の円筒刃部の取り外しや再研磨後の取り付け、あるいはその際の微調整なども不要となるため、かかる再研磨作業全体に要する時間や労力を軽減してランニングコストの削減を図ることもできる。
さらに、切刃部4のうちワークの捩れ溝を粗加工するブローチ本体1先端側の部分は、削り代が大きいために切刃部4において軸線O方向に占める割合も大きくなるのに対し、上記構成のヘリカルブローチではこの切刃部4のブローチ本体1先端側部分が、刃溝6が軸直刃溝6Aとされた軸直切刃部4Aとされており、この軸直刃溝6Aは上述のように軸線Oに垂直な平面上を周回する環状溝であるので、その形成が容易である。逆に、刃溝6が螺旋状刃溝6Bとされた螺旋切刃部4Bでは、この刃溝6を所定の捩れ角λで正確に捩れるように形成しなければならないため、時間と労力とを要してコスト高となるが、上記構成のヘリカルブローチでは、この螺旋切刃部4Bが切刃部4におけるブローチ本体1後端側に配されてワーク捩れ溝の仕上げ加工を行うようにされており、かかる仕上げ加工は削り代が少ないために、この螺旋切刃部4Bが切刃部4において軸線O方向に占める割合も小さくて済む。
すなわち、形成が容易な軸直刃溝6Aを有する軸直切刃部4Aの軸線O方向の長さが長く、加工が困難でコスト高となる螺旋状刃溝6Bが形成される螺旋切刃部4Bの長さがこれよりも短くされているため、上記構成のヘリカルブローチによれば、その製造コストや再研磨によるランニングコストの一層の削減を図ることができる。しかも、こうして仕上げ加工を行う螺旋切刃部4Bでは、上述のように削り代が少ないために個々の切刃7(溝幅切削刃7C)に作用する負荷およびその摩耗量も小さく、従って再研磨時の研磨代も少なくて済むため、再研磨に要する時間や労力をさらに軽減できるとともに、特にこの螺旋切刃部4Bにおける寿命の延長を図ることができ、これらによりランニングコストのより一層の削減を図ることが可能となる。
一方、ブローチ本体1先端側の軸直切刃部4Aでは、刃溝6が軸直刃溝6Aとされるのに伴いその後端側の切刃7(外周切削刃7Aおよび丸刃7B)も、切刃列5間で周方向に隣接するもの同士が軸線Oに垂直な1の平面上に位置することとなり、従ってこれらの切刃7が一気にワークに食い付くために大きな衝撃が作用することとなるが、切刃7がブローチ本体1に一体に形成された上記ヘリカルブローチでは該切刃7の剛性が高く、すなわち円筒刃部に切刃が形成された場合のように大きな衝撃によって刃部が僅かでもずれたりすることがないので、粗加工といっても高い加工精度を得ることができる。また、この軸直切刃部4Aでは刃溝6(軸直刃溝6A)の形成が容易であることから、切刃7の成形精度自体も高く、従って加工精度のさらなる向上を図ることができる。
また、切刃7がブローチ本体1に一体形成されることによる剛性の高さは、仕上げ加工を行う切刃部4のブローチ本体1後端側の上記螺旋切刃部4B(歯厚切削部10)でも同様である。さらに、この螺旋切刃部4Bは、加工は容易でなくても、本実施形態では切刃部4に占める割合が小さくされて切刃7の数が少ないので、逆にこの割合が大きい場合と比べては、個々の切刃7を比較的精度よく形成することができる。
そして、この螺旋切刃部4Bにおいては、刃溝6が螺旋状刃溝6Bとされているために、その切刃7(溝幅切削刃7C)は、切刃列5間で周方向に隣接するもの同士が刃溝6の捩れ角λに合わせてブローチ本体1後端側に順次ずれるように配列されていて、これらの切刃7はワークの捩れ溝ごとにタイミングをずらして食い付くこととなるので、軸直切刃部4Aのような大きな衝撃が作用することがなく、このような衝撃によってワークやブローチ本体1自体に振動が生じたりするのを避けることができる。従って、上記構成のヘリカルブローチによれば、特に切刃部4のワークからの抜け際の仕上げ加工において高い精度を得ることができ、粗加工でも高い加工精度が得られることとも相俟って、ワークに所定の捩れ溝を正確に形成することが可能となる。
しかも、本実施形態では、この螺旋切刃部4Bにおいて、螺旋状刃溝6Bがブローチ本体1の軸線Oに垂直な平面に対してなす上記捩れ角λが15°以下とされており、上述のように切刃列5間で周方向に隣接する切刃7同士をブローチ本体1の後端側に確実に順次ずれるように配列させることができる。すなわち、この捩れ角が15°を上回るほど大きいと、切刃列5の上記捩れ角θや切刃列5間の幅(上記螺旋溝の幅)あるいは刃溝6自体の幅等にもよるが、螺旋切刃部4Bにおいて、1の切刃列5に1の刃溝6が交差して画成される1の切刃7に対し、この1の切刃列5に隣接する他の1の切刃列5に、上記1の刃溝6に隣接する他の1の刃溝6が交差して画成される他の1の切刃7が、同じ軸線Oに垂直な平面上に配設されてしまう可能性が高くなり、上述の効果を確実に奏功することができなくなるおそれが生じる。また、このように捩れ角λが大きいと、刃溝6の条数を増やさなければ螺旋切刃部4Bに形成される切刃7自体が著しく少なくなり、個々の切刃7による削り代を減らしてその摩耗量も低減するといった効果も得られなくなるおそれも生じる。
さらに、本実施形態では、この螺旋切刃部4Bと上記軸直切刃部4Aとのつなぎ部分において、軸直切刃部4Aの最後端の切刃7の刃先と螺旋切刃部4の最先端の切刃7のは先との軸線O方向の間隔Lが、上述のようにワークの捩れ溝の軸線O方向の長さ以下に接近させられている。従って、軸直切刃部4A最後端の切刃7(外周切削刃7A)の刃先がワークの捩れ溝から抜け出るときには、この捩れ溝に少なくとも螺旋切刃部4B最先端の切刃7(溝幅切削刃7C)の刃先が食い付くことになる。
このため、本実施形態によれば、これら軸直切刃部4Aと螺旋切刃部4Bとの間の上記つなぎ部でワークに切刃7が食い付いていない状態となって螺旋切刃部4Bの切刃7が食い付く際にワークやブローチ本体1に位置ずれが生じるのを防ぎ、先に食い付いた溝幅切削刃7Cをガイドとして後続する溝幅切削刃7Cを他の捩れ溝に順次食い付かせて安定した仕上げ加工を行うことができるので、ワーク捩れ溝の加工精度のさらなる向上を図ることが可能となる。しかも、本実施形態では螺旋切刃部4Bに螺旋状刃溝6Bが周方向に等間隔に3条形成されているので、螺旋切刃部4Bにおいて最先端に位置する切刃7も周方向に等間隔に少なくとも3つ備えられることとなり、ワークが3点で支持されるように螺旋切刃部4Bが食い付き始めるので、一層安定した加工を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態を示す側面図である。 図1に示す実施形態の切刃部4における軸直切刃部4Aと螺旋切刃部4Bとのつなぎ部周辺を示す拡大側面図である。 図1に示す実施形態の切刃部4における軸線Oに直交する断面図である。 図2における切刃列5に沿った断面図である。
符号の説明
1 ブローチ本体
4 切刃部
4A 軸直切刃部
4B 螺旋切刃部
5 切刃列
6 刃溝
6A 軸直刃溝
6B 螺旋状刃溝
7 切刃
7A 外周切削刃
7B 丸刃
7C 溝幅切削刃(歯厚切削刃)
8 外周切削部
9 交互丸刃部
10 歯厚切削部

Claims (3)

  1. 軸状のブローチ本体の外周に、このブローチ本体の軸線回りに螺旋状に捩れる複数条の切刃列が周方向に間隔をあけて形成されるとともに、これらの切刃列に交差して延びるように刃溝が形成されることにより、上記切刃列に切刃が形成された切刃部が設けられ、この切刃部は、上記ブローチ本体の先端側では、上記刃溝が上記軸線に垂直な平面に沿って延びる軸直刃溝とされた軸直切刃部とされるとともに、該ブローチ本体の後端側では、上記刃溝が上記軸線回りに捩れる螺旋状刃溝とされた螺旋切刃部とされ、これら軸直切刃部と螺旋切刃部とで上記切刃が上記ブローチ本体に一体に形成されていることを特徴とするヘリカルブローチ。
  2. 上記軸直切刃部の最後端の上記切刃の刃先と、上記螺旋切刃部の最先端の上記切刃の刃先との上記軸線方向における間隔が、該切刃によってワークに形成される捩れ溝の上記軸線方向の長さ以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のヘリカルブローチ。
  3. 上記螺旋切刃部において上記螺旋状刃溝が上記軸線に垂直な平面に対してなす捩れ角が15°以下とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヘリカルブローチ。
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