JP4316578B2 - ヘリカルブローチおよびブローチ加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばヘリカル内歯車のように内周に捩れ溝を有するワークを切削加工するのに用いられるヘリカルブローチ、および該ヘリカルブローチによりワークの内周に捩れ溝を形成するブローチ加工方法に関するものである。
このようなヘリカル内歯車として、例えばプラネタリーインターナルギアは、自動変速機用のギヤとして各種提供されているが、最近では自動変速機の要求品質の高度化に伴いギアの品質の高度化も求められるようになってきている。そして、このようなギヤは、経済性や精度を考慮して、従来はヘリカルブローチによる1回の加工で仕上げ加工までを行い、その後に焼き入れ、焼き戻しを行って強度を確保するようにしていたが、かかる熱処理による歪みにより精度悪化が避けられなかったため、その解決手段として軟窒化処理が施された素材にヘリカルブローチによる切削加工を行う方法が採用されるようになっている。
ここで、このようなヘリカル内歯車の加工に用いられるヘリカルブローチとしては、例えば特許文献1に、所要の歯形を歯丈方向に追い込み切削する歯高を順次漸増させたスプライン刃からなる荒刃群と、スプライン刃と削成される内歯の歯頂部のみを切削する外径を順次漸増させた丸刃とを軸方向に交互に設けた仕上げ刃群とからなり、各スプライン刃の各切刃が所要の捩れ角に沿って配列されたヘリカルブローチにおいて、仕上げ刃群の最終刃側の複数の刃をスプライン刃のみとし、該スプライン刃を歯厚が順次漸増するように構成したものが記載されている。このようなヘリカルブローチでは、内歯車の歯形が、荒刃群によって所要の歯高に形成された後に、仕上げ刃群の丸刃によって歯頂部が形成されるとともに、歯厚が順次漸増するスプライン刃によって歯厚方向に追い込み切削されて仕上げられるので、極めて精度に優れた歯形を確保することができるとされている。
特開昭60−150907号公報
ところで、近年このようなヘリカルブローチでは、上記仕上げ刃群のスプライン刃すなわち仕上げ刃のうち、ブローチ本体先端側の複数の仕上げ刃においては、その先端側を向くすくい面とブローチ本体の周方向のうち一方の側を向く側面との交差稜線部にのみ切削刃を形成するとともに、これらの仕上げ刃で歯厚を後端側に向けて順次この周方向の一方の側に漸増させることにより切削刃をせり出させ、またブローチ本体後端側の複数の仕上げ刃では、すくい面と周方向のうち他方の側を向く側面との交差稜線部にのみ切削刃を形成するとともに、その歯厚を後端側に向けて順次この周方向の他方の側に漸増させて切削刃をせり出させるようにしている。
従って、かかるヘリカルブローチでは、先端側の仕上げ刃の切削刃により被削内歯車の一方の歯面(通常は鋭角側歯面)を歯厚方向に追い込み切削した後に、後端側の仕上げ刃の切削刃によって反対の被削内歯車の他方の歯面(通常は鈍角側歯面)を歯厚方向に追い込み切削することになる。そして、これらの仕上げ刃によって被削歯車の歯面が歯厚方向に追い込み切削される際に、上記切削刃が形成された側とはそれぞれ反対側の仕上げ刃の周方向を向く側面(仕上げ刃群の内ブローチ本体先端側の仕上げ刃では周方向の他方の側を向く側面。後端側の仕上げ刃では周方向の一方の側を向く側面)とすくい面との交差稜は、切削される歯面とは反対側の被削歯車の歯面に摺接して切削刃を内歯車のリード方向に案内する、切削に供されることのないガイド刃とされ、このガイド刃に連なる上記側面は、ガイド刃に対して0度または負の角度を含む逃げ角が与えられたガイド面とされ、このガイド面と上記ガイド刃とで構成される部位がガイド部とされる。
しかしながら、このようなヘリカルブローチによって形成された上述のヘリカル内歯車のようなワークにおいて、その捩れ溝のリードや捩れ角の誤差は、上記ブローチ本体先端側の荒刃による加工精度に大きく影響を受けることになり、所定の範囲よりも誤差が大きい場合には、ブローチ本体の切刃の大部分を占める荒刃のリードを修正しなければならない。すなわち、ワークの捩れ溝を最終的に仕上げる上記仕上げ刃は、上述のようにその周方向の一方の側のガイド部が、荒刃によって歯丈方向に追い込み切削されたワークの捩れ溝の溝壁面(被削内歯車における歯面)に摺接することにより案内されて、このガイド部と反対側の切削刃が上記溝壁面と反対側の溝壁面を追い込み切削してゆくため、荒刃のリード誤差が大きくて該荒刃により形成された捩れ溝のリードの誤差も大きいと、これにガイド部が案内されることによって仕上げ刃により形成される溝壁面のリードも誤差が大きいままとなり、所定のリードや捩れ角の捩れ溝をワークに形成することができなくなってしまう。
このため、従来は、こうしてワークの捩れ溝のリードや捩れ角の誤差が大きいと、荒刃からそのリードを修正しなければならなかったが、ヘリカル内歯車の加工においてその歯丈方向に追い込み切削をする荒刃は切削量が多いためにブローチ本体における数も仕上げ刃より多く、従って修正に多くの時間と労力とを要する結果となる。また、このようなヘリカルブローチにおいては、ブローチ本体後端側の仕上げ刃の部分が、該ブローチ本体に着脱可能に取り付けられる円筒状のシェルに形成された組立式のヘリカルブローチも知られているが、そのような組立式ヘリカルブローチにおいても、切刃のうち荒刃が大部分を占めることには変わりはなく、その修正には同様に多くの時間と労力を要して、結果的にコスト高を招くことになる。また従来はワークの捩れ溝の両壁のリードは同じであり、異なるリードに加工することはできない。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のようにブローチ本体後端側の仕上げ刃において切削刃を周方向反対側のガイド部により案内しつつ切削を行う場合に、ワークの捩れ溝のリードや捩れ角に大きな誤差が生じたときでも、コスト高を招くことなく両歯面で異なる所定の範囲に補正することが可能なヘリカルブローチおよびブローチ加工方法を提供し、ギアノイズ低減のための所望の捩れ角を得ることを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のヘリカルブローチは、軸状のブローチ本体の外周部に、該ブローチ本体の径方向外周側に突出する複数の切刃が、このブローチ本体の先端側から後端側に向けて該ブローチ本体の軸線回りに捩れる螺旋状に配列されて、これらの切刃によりワークの内周に所定のリードの捩れ溝を形成するヘリカルブローチにおいて、上記切刃のうちブローチ本体先端側の切刃は荒刃とされるとともにブローチ本体後端側の切刃は仕上げ刃とされ、この仕上げ刃においては、ブローチ本体先端側を向くすくい面と上記ブローチ本体の周方向のうちいずれか一方の側を向く側面との交差稜線部に切削刃が形成されるとともに、この切削刃とは反対側の側面と上記すくい面との交差稜線部はガイド刃とされ、このガイド刃に連なる上記反対側の側面がガイド面とされて、このガイド面と上記ガイド刃とで構成される部位がガイド部とされ、このガイド部は、上記荒刃のリードと異なるリードとなるように配列されていることを特徴とする。また、本発明のブローチ加工方法は、このようなヘリカルブローチによりワークの内周に捩れ溝を形成するブローチ加工方法であって、上記荒刃によって形成された上記ワークの捩れ溝のリードを、上記仕上げ刃によって補正することを特徴とする。
このように構成されたヘリカルブローチでは、ワークの捩れ溝を最終的に仕上げるブローチ本体後端側の仕上げ刃のガイド部におけるリードが、ブローチ本体先端側の荒刃のリードと異なるリードとされるので、荒刃のリードに大きな誤差があってワークの捩れ溝にもそのリードや捩れ角に所定の範囲よりも大きな誤差が生じる場合、仕上げ刃のガイド部のリードをこの誤差が生じた向きとは反対向きに設定して荒刃のリードと異なるものとすることにより、本発明のブローチ加工方法のように荒刃によって形成されたワークの捩れ溝のリードを、上記仕上げ刃によって補正することができる。
すなわち、このようにガイド部のリードが荒刃と異なるリードとされることにより、荒刃によって形成された捩れ溝にまずブローチ本体先端側の仕上げ刃が順次挿入されると、リードが異なるために挿入された仕上げ刃のうち1の仕上げ刃のガイド部のみが溝壁面(ワークがヘリカル内歯車の場合は被削内歯車の上記他方の歯面)に摺接することになって、その接点に大きな負荷が生じることになる。そして、これにより周方向においてガイド部が形成された側に向けてワークに押圧力が作用する結果、ガイド部とは反対側の切削刃は、荒刃による捩れ溝のリードよりもガイド部のリードに近いリードで、ガイド部が摺接した溝壁面とは反対側の溝壁面(ワークがヘリカル内歯車の場合は被削内歯車の上記一方の歯面)を歯厚方向に追い込み切削することになる。
さらに、こうして切削されて仕上げられた一方の溝壁面(歯面)に、次いでブローチ本体後端側の仕上げ刃のガイド部が摺接しつつ反対側の切削刃によって追い込み切削されることにより、上記一方の溝壁面とは反対の他方の溝壁面(歯面)も、この一方の溝壁面に倣った、荒刃による捩れ溝のリードよりも当該ガイド部のリードに近いリードに形成されることになるので、ワークの捩れ溝の両壁の歯筋をそれぞれ任意に設定することができる。また、これによりワークの捩れ溝を所定の誤差範囲内のリードあるいは捩れ角に補正することも可能となり、上述のようにヘリカルブローチにおいては荒刃が切刃の大部分を占め、逆に仕上げ刃はその数が荒刃よりも少ないので、例えば荒刃と等しいリードとされた仕上げ刃のガイド部を修正して上述のように異なるリードとする場合にも、少ない労力と時間で済み、低コスト化を図りつつ所定の誤差範囲の捩れ溝をワークに形成することが可能なヘリカルブローチを提供することが可能となる。
また、上記仕上げ刃が、上記ブローチ本体に着脱可能に取り付けられる円筒状のシェルの外周部に形成された上述の組立式のヘリカルブローチでは、この仕上げ刃が形成されたシェルのみを取り外してそのガイド部のリードを荒刃と異なるものに修正したりすればよく、荒刃を含めた切刃全体がブローチ本体に形成されている場合に比べて、修正に要する時間や労力の一層の削減を図ることができる。また、こうしてブローチ本体に着脱可能とされたシェルに仕上げ刃を形成することにより、例えば荒刃のリードに対して種々の異なるリードのガイド部を有する複数のシェルを備えておくことで、ワークに形成される捩れ溝をも種々のリードに修正したりすることも可能である。また、捩れ溝の両壁のリードをそれぞれ任意に設定したり、リードバー式ブローチ盤ではリードバーを作り直したりすることなく、ひとつのリードバーを用いて異なるリードの加工を可能とすることができる。
図1および図2は本発明のヘリカルブローチの一実施形態を示すものであり、図3はこのヘリカルブローチを用いて、上記プラネタリーインターナルギア等のヘリカル内歯車のように内周に捩れ溝Gを有するワークWを切削加工する場合の、本発明のブローチ加工方法の一実施形態を説明するものである。本実施形態のヘリカルブローチにおいてブローチ本体1は、図1に示すように軸線Oを中心とした長尺の軸状をなし、その両端部は掴み部2,3とされるとともに、これら掴み部2,3の間は切刃部4とされている。そして、この切刃部4においてブローチ本体1の外周には、上記軸線Oに対する径方向外周側に突出する複数(多数)の切刃5が、該ブローチ本体1の先端側(図1において下側)から後端側(図1において上側)に向けて軸線O回りに捩れる螺旋状をなすように配列され、かつこのような切刃5の列が周方向に間隔をあけて複数列形成されている。
ここで、切刃部4のうちブローチ本体1先端側の部分の複数の切刃5は、上記ヘリカル内歯車の歯形を歯丈方向に追い込み切削する荒刃6とされていて、この荒刃6においては切刃5の歯高が該切刃5の列に沿ってブローチ本体1後端側に向け順次増大するようにされている。また、この荒刃6よりもブローチ本体1後端側の切刃部4には、こうして荒刃6によって所定の歯丈に切削された歯形の歯面(ワークWの捩れ溝Gの溝壁面)A,Bを歯厚方向すなわちブローチ本体1の周方向に追い込み切削して所定の歯厚に形成する複数の仕上げ刃7が備えられている。なお、本実施形態では、この仕上げ刃7を備えたブローチ本体1後端側の切刃部4が、該ブローチ本体1に着脱可能に取り付けられる円筒状のシェル8の外周に形成されているが、荒刃6とともにブローチ本体1に一体に形成されたものでもよい。また、仕上げ刃7とされた部分には、歯形の歯頂部を切削する丸刃が備えられていてもよい。
さらに、上記複数の仕上げ刃7には、該仕上げ刃7のうちでもブローチ本体1先端側に設けられて、上記歯形のうち一方の歯面Aを追い込み切削してゆく複数の仕上げ刃7と、これらの仕上げ刃7のブローチ本体1後端側に設けられて、上記歯形のうち他方の歯面Bを追い込み切削してゆく複数の仕上げ刃7とが備えられている。従って、これらの仕上げ刃7においては、そのブローチ本体1先端側を向くすくい面7Aと、ブローチ本体1の周方向のうち歯面を追い込み切削してゆくいずれか一方の側を向く側面7Bとの交差稜線部に切削刃9が形成されることになる。なお、通常は、全仕上げ刃7のうちブローチ本体1先端側の仕上げ刃7は、図3に示すようにヘリカル内歯車の歯面A,Bのうち当該歯面Aが歯車のブローチ挿入側の端面Cと鋭角に交差する鋭角側歯面Aを追い込み切削し、その後にブローチ本体1後端側の仕上げ刃7が、これとは反対のブローチ挿入側端面Cと鈍角に交差する鈍角側歯面Bを追い込み切削するようにされている。
一方、こうして切削刃9が形成された側とはブローチ本体1の周方向において反対側のすくい面7Aの交差稜線部には、歯厚方向に追い込み切削される上記歯面A,Bとは反対側の歯面B,Aに摺接して当該仕上げ刃7を案内するガイド刃10が形成され、このガイド刃10に連なる仕上げ刃7の他方の側面はガイド面7Cとされ、これらガイド面7Cとガイド刃10とで構成される部位がガイド部11とされる。なお、このガイド面7Cが形成される他方の側面と上記切削刃9に連なる仕上げ刃7の一方の側面7Bとには、それぞれ上記ガイド刃10と切削刃9に対してブローチ本体1の後端側に向け、0°および負の角度を含む逃げ角が付されている。
そして、これら複数の仕上げ刃7は、そのガイド部11のリードが上記荒刃6のリードと異なるものとされている。すなわち、上記切刃5の列がなす螺旋に沿ってガイド部11に接するように延びる弦巻線Lが軸線O回りに1周する間に該軸線O方向に進む距離が、同じく荒刃6に沿って延びる弦巻線Mが軸線O回りに1周する間に該軸線O方向に進む距離と異なる長さとされているのである。言い換えれば、図1および図2に示すようにガイド部11に沿って延びる上記弦巻線Lが軸線Oに対してなす捩れ角αが、荒刃6の上記弦巻線Mの捩れ角βと異なる角度とされているのであり、本実施形態では図2に示すようにガイド部11の捩れ角αが荒刃6の捩れ角βよりも小さくされている。ただしこの捩れ角α,βの差は極小さく、例えば上記側面7Bやガイド面7Cに付された逃げ角よりも小さくされており、図3に示すように本実施形態のブローチで加工される製品(ワークW)の厚みTに対して最大100μmのリード修正量Nとされている。
なお、仕上げ刃7のうちブローチ本体1先端側の上記鋭角側歯面Aを追い込み切削する仕上げ刃7とブローチ本体1後端側の上記鈍角側歯面Bを追い込み切削する仕上げ刃7とでは、周方向に反対側の歯面B,Aに摺接するそのガイド部11のリードおよび捩れ角α同士は互いに等しくされている。そして、仕上げ刃7は、これらブローチ本体1先端側と後端側とで上記歯厚方向の幅が漸次大きくなることにより切削刃9が周方向の一方の側と他方の側とにそれぞれせり出され、ガイド部11が歯面B,Aに摺接しつつ反対側の上記歯面A,Bを追い込み切削するようになされている。
このように構成されたヘリカルブローチにより、上記ヘリカル内歯車のようなワークWに捩れ溝Gを形成する本実施形態のブローチ加工方法では、このワークWの捩れ溝Gを最終的に仕上げるブローチ本体1後端側の仕上げ刃7のガイド部11のリードあるいは捩れ角αが、これよりもブローチ本体1先端側の荒刃6のリードや捩れ角βと異なるものとされているので、荒刃6により歯丈方向に切削されて形成された捩れ溝Gに、仕上げ刃7のうちのブローチ本体1先端側の例えば図3に示すように通常3刃程度の仕上げ刃7が挿入されると、これらの仕上げ刃7のうち1つの仕上げ刃7(本実施形態では先端側の仕上げ刃7)のガイド部11のみが鈍角側歯面Bに摺接することになる。
このため、ワークWには、この鈍角側歯面Bと1のガイド部11との接点に大きな負荷が生じて該ガイド部11が形成された鈍角側歯面B側に押圧力が作用し、これによりガイド部11と反対側の切削刃9はワークWに対して相対的に、荒刃6によって形成された捩れ溝Gの捩れ角βよりも小さなガイド部11の捩れ角αと略等しい捩れ角を描いて先端側に送り出されつつ鋭角側歯面Aを切削してゆく。従って、ブローチ本体1先端側の複数の仕上げ刃7が順次こうして捩れ溝Gに挿入されることにより、鋭角側歯面Aはこのような捩れ角αをなすようにして追い込み切削されてゆく。
次いで、仕上げ刃7のうちブローチ本体1後端側の複数の仕上げ刃7が捩れ溝Gに挿入されると、これらの仕上げ刃7のガイド部11が摺接する上記鋭角側歯面Aは上述のように該ガイド部11の捩れ角αと略等しい捩れ角に仕上げられているので、当該仕上げ刃7はガイド部11によってこの鋭角側歯面Aに案内されるように送り出されつつ、反対側の切削刃9によってワークWの捩れ溝Gの鈍角側歯面Bを追い込み切削してゆく。従って、こうして切削された鈍角側歯面Bもガイド部11の捩れ角αと略等しい捩れ角に形成されることとなり、すなわち荒刃6によって形成されたワークWの捩れ溝Gの捩れ角βあるいはリードを、仕上げ刃7によってこれとは異なる捩れ角αあるいはリードに補正することが可能となるのである。
このように、上記構成のヘリカルブローチおよび該ヘリカルブローチを用いたブローチ加工方法によれば、荒刃6による捩れ溝Gのリードや捩れ角βを、仕上げ刃7によって異なるリードや捩れ角αに補正することが可能となるので、ブローチ本体1に形成された荒刃6のリードや捩れ角に大きな誤差があっても、ブローチ本体1に形成される切刃5のうち多く占めるこれら荒刃6のリードや捩れ角βを修正することなく、少ない仕上げ刃7を上述のように荒刃6と異なるリードや捩れ角αに修正することで、ワークWの捩れ溝Gを所定のリードや捩れ角に補正することが可能となる。このため、修正に要する時間や労力を削減してコスト増を防ぎつつ、所定の誤差範囲内のリードや捩れ角を有する捩れ溝をワークに形成することができ、品質の高度化が要求されているプラネタリーインターナルギア等のヘリカル内歯車のようなワークWの加工精度を、より経済的に確保することが可能となる。また、捩れ溝の両壁に対して異なる捩れ角α,αとすることで異なるリードに加工することが可能となる。
また、特に本実施形態では、こうして修正が施されることによりワークWの捩れ溝Gのリードや捩れ角を補正する仕上げ刃7が、ブローチ本体1の後端側に着脱可能に取り付けられる円筒状のシェル8の外周に形成されている。従って、このように仕上げ刃7におけるガイド部11のリードや捩れ角を修正する場合でも、このシェル8をブローチ本体1から取り外した上で修正作業を行うことができ、例えば長尺のブローチ本体1全体を工作機械に保持して仕上げ刃7の修正を行ったりするのに比べ、その取り扱いを容易とすることができて、一層効率的で低コストにワークWの精度向上を図ることが可能なヘリカルブローチを提供することが可能となる。さらに、こうして仕上げ刃7がシェル8に形成された本実施形態のヘリカルブローチによれば、例えばブローチ本体1に形成された荒刃6の捩れ角βやリードに対して異なり、かつ互いにも異なる捩れ角αやリードの仕上げ刃7が形成された複数種のシェル8を備えることにより、これらを適宜交換することによってワークWに形成される捩れ溝Gのリードや捩れ角も異なるものとすることが可能となる。
ただし、これら荒刃6の捩れ角βと、これと異なる仕上げ刃7の捩れ角αとの差が余り大きすぎると、荒刃6から仕上げ刃7に移行する際にいずれかの切刃5に無理な力が作用したり、また仕上げ刃7がガイド刃10ではなくガイド面7Cやその後端縁で歯面A、Bに摺接してしまったりするおそれが生じるので、これらの捩れ角α,βの差は上述のように例えば仕上げ刃7の上記側面7Bやガイド面7Cの切削刃9やガイド刃10に対する逃げ角より小さくされるのが望ましい。また、本実施形態では、荒刃6によって形成された捩れ溝Gの捩れ角βに対して、より小さな捩れ角αとなるように仕上げ刃7の捩れ角αを設定しているが、これとは逆により大きな捩れ角すなわち小さなリードに捩れ溝Gを補正するには、上記実施形態とは反対に仕上げ刃7の捩れ角αを荒刃6の捩れ角βより大きな角度として異なるようにすればよい。
本発明のヘリカルブローチの一実施形態を示す側面図である。 図1に示す実施形態の仕上げ刃7を示す拡大側面図である。 図1に示す実施形態のブローチ本体1先端側の仕上げ刃7によりワーク(ヘリカル内歯車)Wの捩れ溝Gを修正する場合の、本発明のブローチ加工方法の一実施形態を説明する側面図である。
符号の説明
1 ブローチ本体
4 切刃部
5 切刃
6 荒刃
7 仕上げ刃
7A すくい面
7B 仕上げ刃7の切削刃9に連なる側面
7C ガイド面
8 シェル
9 切削刃
10 ガイド刃
11 ガイド部
O ブローチ本体1の軸線
W ワーク(ヘリカル内歯車)
G 捩れ溝
A 捩れ溝Gの鋭角側歯面
B 捩れ溝Gの鈍角側歯面
α 仕上げ刃7のガイド部11の捩れ角
β 荒刃6の捩れ角

Claims (4)

  1. 軸状のブローチ本体の外周部に、該ブローチ本体の径方向外周側に突出する複数の切刃が、このブローチ本体の先端側から後端側に向けて該ブローチ本体の軸線回りに捩れる螺旋状に配列されて、これらの切刃によりワークの内周に所定のリードの捩れ溝を形成するヘリカルブローチにおいて、上記切刃のうちブローチ本体先端側の切刃は荒刃とされるとともにブローチ本体後端側の切刃は仕上げ刃とされ、この仕上げ刃においては、ブローチ本体先端側を向くすくい面と上記ブローチ本体の周方向のうちいずれか一方の側を向く側面との交差稜線部に切削刃が形成されるとともに、この切削刃とは反対側の側面と上記すくい面との交差稜線部はガイド刃とされ、このガイド刃に連なる上記反対側の側面がガイド面とされて、このガイド面と上記ガイド刃とで構成される部位がガイド部とされ、このガイド部は、上記荒刃のリードと異なるリードとなるように配列されていることを特徴とするヘリカルブローチ。
  2. 上記ガイド部が、負の逃げ角となる上記ガイド面を有することを特徴とする請求項1に記載のヘリカルブローチ。
  3. 上記仕上げ刃は、上記ブローチ本体に着脱可能に取り付けられる円筒状のシェルの外周部に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヘリカルブローチ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のヘリカルブローチによりワークの内周に捩れ溝を形成するブローチ加工方法であって、上記荒刃によって形成された上記ワークの捩れ溝のリードを、上記仕上げ刃によって補正することを特徴とするブローチ加工方法。
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